説明

養殖用照明装置

【課題】育成対象の動物あるいは植物の育成効率を向上させる。
【解決手段】動物あるいは植物を養殖するために用いられる養殖用照明装置12は、複数のLED33と、動物あるいは前記植物の育成条件に基づいて、時間毎に設定された照度の光量制御パターンでLED33の光量制御を行う制御基板36と、備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、養殖用照明装置に係り、特に防水性が要求される環境下で動物あるいは植物を育成するための環境光を照射するための養殖用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、魚介類の養殖は海洋あるいは湖沼に生け簀網を設置し、この生け簀網の中で養殖を行うことが一般的であった。
しかし、自然環境をそのまま利用した養殖は、自然環境の変化、特に、赤潮等の生育環境悪化の影響を直接受けるため、魚介類の生産量が安定せず、場合によっては壊滅的な打撃を受けることもあった。
【0003】
そこで近年においては、室内に養殖プールを設置し、この養殖プール内で閉鎖的に養殖環境を構築する養殖システムが提案されており、ヒラメやふぐ、鯛、海草等の養殖が行われるようになってきている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−245327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、室内で養殖システムを構築する最大の目的は、生産の安定性と生産性の向上にあるが、必ずしも自然環境と同様の育成環境を実現することは容易ではなく、さらなる生産の安定性と生産性の向上を図ることが望まれていた。
特に養殖対象の動物あるいは植物の育成効率を向上し、早期、かつ、確実に出荷可能な状況まで育成することが大きな課題であった。
そこで、本発明の目的は、育成対象の動物あるいは植物の育成効率を向上させることが可能な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1態様は、動物あるいは植物を養殖するために用いられる養殖用照明装置において、複数のLEDと、前記動物あるいは前記植物の育成条件に基づいて時間毎に設定された照度の光量制御パターンで前記LEDの光量制御を行う光量制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、光量制御部は、動物あるいは植物の育成条件に基づいて時間毎に設定された照度の光量制御パターンでLEDの光量制御を行うので、育成条件に応じた照度制御が行え、確実に育成対象の動物あるいは植物の育成効率を向上させることができる。
【0008】
本発明の第2態様は、第1態様において、前記光量制御パターンは、所定時期の日照パターンに対応づけられていることを特徴とする。
上記構成によれば、光量制御パターンは、所定時期の日照パターンに対応づけられているので、自然界において、当該時期の動物あるいは植物の周囲環境により近づけることができ、当該時期になされる成長ホルモンの分泌や成長機構の発現を促すことができ、育成対象の動物あるいは植物の育成効率を向上させることができる。
【0009】
本発明の第3態様は、第2態様において、前記日照パターンは、養殖対象の動物あるいは植物の成長期の日照パターンに対応づけられていることを特徴とする。
上記構成によれば、動物の成長パターンあるいは植物の成長パターンを成長期のものとすることを促すことができ、より一層の育成効率の向上に寄与することができる。
【0010】
本発明の第4態様は、第3態様において、前記成長期の日照パターンは、真夏の日照パターンとされていることを特徴とする。
上記構成によれば、多くの種類の動物あるいは植物において、活動および成長の活発な真夏の状態に成長環境を近づけることができ、育成の促進を促すことができる。
【0011】
本発明の第5態様は、第1態様ないし第4態様のいずれかにおいて、密閉の筐体内に、前記複数のLEDを照射開口に面して配置する載置したLED載置パネルを前記筐体の底面から浮かせて設け、このLED載置パネルの前記底面の側に送風ファンを前記筐体の内側面に対向させて配置し、この送風ファンで前記内側面に風を吹き当て前記LED載置パネルと前面ガラスの間に風を送り込む、ことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、送風ファンで筐体の内側面に風を吹き当て、LED載置パネルと前面ガラスの間に風を送り込むので、密閉空間内の温度がLEDの発熱により上昇しても、筐体外部への排熱を促すことができ、LEDを良好な環境で動作させることができ、養殖用照明装置の長寿命化と安定した動作を保証することができ、ひいては、低コストで確実に育成対象の動物あるいは植物の育成効率を向上させることができる。
【0013】
本発明の第6態様は、第5態様の養殖用照明装置において、前記LED載置パネルは、1枚の高熱伝導性の金属板材を略コ字状に折曲げて形成され、開放端部が略L字状に折曲げられて前記筐体の底面に面接触し、前記LEDの熱を前記筐体に伝導することを特徴とする。
上記構成によれば、LEDにおいて発生した熱は、高熱伝導性の金属板材で形成されたLED載置パネルを介して筐体の底面から筐体に伝導され、筐体を介して外部に効率的に排熱が行える。
【0014】
本発明の第7態様は、第5態様または第6態様において、前記LED載置パネルの直下に、前記LEDの各々の制御基板及び電源基板を横並びに配置し、これら制御基板及び電源基板と前記内側面との間に前記送風ファンを配置して、前記送風ファンの吸い込みによって生じる気流で前記制御基板及び前記電源基板を冷やすことを特徴とする。
上記構成によれば、送風ファンの吸い込みによって生じる気流で前記制御基板及び前記電源基板を冷やすので、養殖用照明装置の安定動作を行える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、養殖環境をより自然界における養殖対象の動物あるいは植物の育成環境に近づけることができ、養殖対象の動物あるいは植物の育成効率を向上し、早期、かつ、確実に出荷可能な状況まで育成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の照明装置を適用した養殖システムの外観図である。
【図2】養殖用照明装置の外観斜視図である。
【図3】養殖用照明装置を前面ガラス側からみた平面図である。
【図4】養殖用照明装置の一部断面図である。
【図5】養殖用照明装置からLED基板が固定された伝熱パネルを取り除いた場合の平面図である。
【図6】真夏の日照パターン(太陽光による照度変化パターン)の説明図である。
【図7】照度制御用データの変化パターンの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の照明装置を適用した養殖システムの外観図である。
養殖システム10は、大別すると天井11に碁盤の目状に配設された複数の養殖用照明装置12と、養殖用照明装置12の下方に配置された養殖プール13と、を備えている。
この場合において、複数の養殖用照明装置12は、養殖プール13の水面における照度が水面上のいずれの場所においてもほぼ同一となるように配置されている。
【0018】
図2は、養殖用照明装置の外観斜視図である。
養殖用照明装置12は、大別すると、板金加工あるいはプレス加工された開口部21を有する筐体本体22と、筐体本体22にヒンジ部材23を介して回動可能に取り付けられ、開口部21を塞いで筐体本体22内部に収納空間22Aを形成する透明な前面ガラス24と、この前面ガラス24を筐体本体22に押しつけて密閉状態を確保するように固定する留め具部材25と、養殖用照明装置の後面側に側方に向けて突設され、養殖用照明装置12を天井、壁面などに取り付けるためのねじ穴26を有する取付金具27と、を備えている。
【0019】
前面ガラス24は、筐体本体22にヒンジ部材23を介して回動可能に取り付けられ、筐体本体22にパッキング部材28を介して当接され、留め具部材25によりパッキング部材28側に押圧されることにより、後述するLED33を収納する収納空間22Aの防水性および密閉性を確保している。
さらに筐体本体22の側面からは、防水性を確保するためのパッキング部材29Aを介して電源ケーブル30AおよびUSBなどのシリアル通信ケーブル30Bが引き出されている。
【0020】
図3は、養殖用照明装置を前面ガラス側からみた平面図である。
密閉された筐体本体22内の収納空間22Aには、複数のLEDを照射開口に面して載置したLED載置パネル31を筐体本体22の底面から浮かせて設け、このLED載置パネル31の筐体本体22の底面22Bの側には、送風ファン35が筐体本体22の内側面WL1に対向させて配置され、この送風ファン35で筐体本体22の内側面に風を吹き当ててLED載置パネル31と前面ガラス24の間に風を送り込むようにされている。
【0021】
上記構成において、複数のLED33は、LED載置パネル31に直接載置されているわけではなく、LED基板32上にそれぞれ5個ずつ直線上に配置され、このLED基板32をLED載置パネル31上に互いに所定距離だけ離間して複数枚(図3では、8枚)LED載置パネル31上に載置するようにされている。これは、養殖用照明装置12の組立性を向上させるためである。
この場合において、LED載置パネル31は、1枚の高熱伝導性の金属板材(たとえば、アルミニウム)を略コ字状に折曲げて形成され、開放端部が略L字状に折曲げられて筐体本体22の底面22Bに面接触し、熱伝導グリスが塗られたねじにより筐体本体22に固定されてLED33の熱を筐体本体22に伝導する。
【0022】
さらに筐体本体22内には、外部から収納空間22A内に導入された電源ケーブル30A(図2参照)が電気的に接続され、固定される端子台34が設けられている。
この場合において、LED基板32は、LED33が発生する熱の影響を低減するために、熱伝導性などの熱特性が改善されたサーマルエンハンストプリント基板を用いており、LED33の裏面をLED基板32の伝熱用パターンに半田付けして熱伝導性を高めるようにされている。さらにLED基板32は、ねじによりLED載置パネル31に熱的、かつ、物理的に結合され、LED33の発生した熱を効率的に筐体本体22に伝えるようにされている。
【0023】
図4は、養殖用照明装置の一部断面図である。
図5は、養殖用照明装置からLED基板が固定された伝熱パネルを取り除いた場合の平面図である。
筐体本体22内部の収納空間22A内のLED載置パネル31の裏面側には、冷却効率を向上させるために冷却風を循環させる送風ファン35と、シリアル通信ケーブル30B(図2参照)が接続されるとともに、送風ファン35の送風制御およびLED33の調光制御を行うための制御回路が構成された制御基板36と、電源ケーブル30Aおよび端子台34を介して外部から電源が供給され、LED33、送風ファン35および制御基板36に駆動用電源を供給する電源部37と、LED載置パネル31を固定するためのボルト38が挿入されるねじ穴39と、を備えている。
【0024】
送風ファン35は、筐体本体22の内側面WL1に対向する長手方向中央部の内側面WL1近傍、かつ、LED載置パネル31の周縁部の裏面側に配置されており、冷却風W(=W1〜W4)を内側面WL1に向けて吹き当てるように配置されている。この場合において、送風ファン35のサイズとしては、筐体本体22の底部22Bと、LED載置パネル31との間の間隙に収まる範囲で、消費電力を考慮し、できる限り大きなサイズを用いるのが好ましい。
【0025】
制御基板36には、図示しないマイクロプロセッサー、ROM、RAM、通信インターフェース部が設けられており、この通信インターフェース部には、シリアル通信ケーブル30B(図2参照)が接続されている。
【0026】
次に電源投入時の冷却風の基本的な流れについて説明する。
送風ファン35から送り出された冷却風Wは、内側面WL1に吹き当てられ、内側面WL1に沿って360度全方向に流れ、前面ガラス24側(例えば、冷却風W1)、筐体本体22の底面22B側(例えば、冷却風W2)、内側面WL2側(例えば、冷却風W3)、内側面WL4側(冷却風W4)に流れる。そして、最終的には、内側面WL3に至り、筐体本体22の底面22BとLED載置パネル31との間の空間内を流れて送風ファン35に戻り、送風ファン35の吸い込みによって生じる気流で制御基板及び電源部(電源基板)37を効率的に冷やす。
【0027】
この場合に、内側面WL1に吹き当てられ、内側面WL1に沿って前面ガラス24側に至った冷却風W1は、LED33周囲の高温の空気を取り込んで、前面ガラス24とLED載置パネル31との間の空間を流れて、筐体本体22の内側面WL3に至り、LED33により生成された熱を筐体本体22に効率よく伝えることとなる。
同様に、内側面WL1に吹き当てられ、内側面WL1に沿って内側面WL2側に至った冷却風W3は、内側面WL2とLED載置パネル31との間の空間を流れて、筐体本体22の内側面WL3に至り、LED33により生成された熱を筐体本体22に効率よく伝えることとなる。
【0028】
また、内側面WL1に吹き当てられ、内側面WL1に沿って筐体本体22の底面22B側に至った冷却風W2は、筐体本体22の底面22BとLED載置パネル31との間の空間を流れて、筐体本体22の内側面WL3に至り、LED33により生成された熱をLED載置パネル31の裏面側から筐体本体22に効率よく伝えることとなる。
さらに、内側面WL1に突き当たり、内側面WL1に沿って内側面WL4側に至った冷却風W3は、内側面WL4とLED載置パネル31との間の空間を流れて、筐体本体22の内側面WL3に至り、LED33により生成された熱を筐体本体22に効率よく伝えることとなる。
これらの結果、筐体本体内の温度がLED33の発熱により上昇しても、筐体外部への排熱を促すことができ、LED33を良好な環境で動作させることができる。したがって、養殖用照明装置12の長寿命化が図れるとともに、あらかじめ設定した育成条件に基づいて養殖用照明装置12を安定して動作させることを保証することができ、ひいては、低コストで確実に育成対象の動物あるいは植物の育成効率を向上させることができる。
【0029】
次に養殖用照明装置12の調光制御について説明する。
図6は、真夏の日照パターン(太陽光による照度変化パターン)の説明図である。
図7は、照度制御用データの変化パターンの説明図である。
養殖プール13において、ハマチなどの魚類を養殖したり、海草などの植物類を養殖したりする場合には、成長率や品質(例えば、身が締まって脂がのっているなど)の観点から季節的に最適な時期が存在する。
【0030】
ところで、生物の体内時計は、太陽光によってリセットされるため、養殖用照明装置12によりその照度変化パターンをシミュレートすれば、効果的な養殖が行える。例えば、真夏に最も成長率が高く、品質も高くなる魚類の場合には、制御基板36上の制御装置に真夏の日照パターンを照度制御用データとして記録しておき、時刻に応じて照度を変化させるようにすればよい。
【0031】
より詳細には、真夏の太陽光による照度変化が図6に示すような場合には、図7に示すように、照度制御用データの値を変化させればよい。
真夏の時期として夏至前後を考慮すれば、関東地方における日の出は4:30前後、日の入りは19:00前後であり、正午前後に最も日が高くなる。
ところで、魚の種類によっては、照明開始時の照度の急激な変化は、自分よりも大きな魚などが襲ってきた場合と同様に感じられることとなり、特に養殖プール13のように狭い場所では、パニックを起こし、傷ついて商品価値が低下したり、最悪の場合には、養殖プール13の壁に激突して死亡したりすることとなる。
【0032】
そこで、本実施形態においては、図7(a)、(b)に示すように、オペレーターが日の出時刻t0を設定すると、当該日の出時刻t0における照度が0(ルクス)となるように照度制御用データを設定するとともに、日の出時刻t0から所定時間後の時刻t1における照度が所定の照度Lpre(ルクス)となるように自動的に照度制御データを設定するようにしている。この場合において、時間T=t1−t0は照度0から所定の照度Lpreまで照度を変化させても、確実に養殖対象の魚がパニック状態に至らない照度変化率となるように定めるものであり、照度Lpreは、この照度以上の照度であれば、養殖対象の魚などが急激な照度変化に敏感に反応しなくなるような値に定めるものである。
【0033】
これにより、照明開始直後の照度の急激な変化をなくし、ひいては、養殖対象の魚がパニックを起こさないようにしている。以上の説明では、日の出時刻t0から所定時間後の時刻t1における照度が所定の照度Lpre(ルクス)となるように自動的に照度制御データを設定するようにしていたが、照度変化率が、この自動設定の場合よりも、傾きが大きく短い時間で照度Lpreに至るように設定するのを禁止し、傾きが小さく長い時間で照度Lpreに至るように設定するのを許可するように構成することも可能である。なお、このような設定は、植物が養殖対象である場合には、基本的には考慮する必要はない。
【0034】
そして、時刻t1以降は、オペレーターが所望の照度(あるいは、照度変化率)となるように照度制御用データを入力し、設定することが可能となっている。この場合において、照度制御用データの入力は、様々な手法が可能である。例えば、図示しないパーソナルコンピューターのディスプレイ画面上で、グラフィカルユーザーインターフェースを介して、図7(a)に示すような画面を表示しグラフ上のデータ設定用マーク(図7(a)中の白丸印)を動かして設定したり、日の出時刻、日の入時刻を含む時刻データと、照度データとを対応づけたデータD0〜D12のデータテーブルを作成し、設定するようにしたり、所定の日照パターンに相当する照度制御用データから選択するようにしたり、養殖対象の動物名(例えば、ヒラメ)あるいは植物名(例えば、もずく)を選択してその成長時期に相当する日照パターン(例えば、真夏の日照パターン)に相当する照度制御用データとして設定したりしてもよい。
【0035】
そして、照度制御用データが準備できた場合には、ノート型のパーソナルコンピューター等のシリアル通信端子に養殖用照明装置12のシリアル通信ケーブル30Bを接続し、照度制御用データを制御基板36に転送する。
これにより、制御基板36の図示しない制御装置は、LED基板32毎にLED33の調光制御を行い、真夏の日照パターンに則して照度変化を行わせる。
【0036】
すなわち、図7に示した照度変化をさせるべく、LED33の光量制御を行うこととなる。
このため、養殖対象の魚は、体内リズムは、真夏における場合と同様となり、生育を促すことが可能となる。さらに、日の出時刻t0から所定時間後の時刻t1における照度が所定の照度Lpre(ルクス)となるように自動的に照度制御データを設定するようにしているので、照明開始直後の照度の急激な変化をなくし、ひいては、養殖対象の魚がパニックを起こすことがないので、魚が傷ついたり、死亡したりするのを抑制でき、生産性を向上させることができる。
以上の説明のように、本実施形態によれば、養殖用照明装置12の長寿命化およびあらかじめ設定した育成条件に基づく安定動作と相俟って、早期、かつ、確実に出荷可能な状況まで養殖対象の魚を育成することができる。
【0037】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上記説明では、照度変化を真夏の日照パターンに則したものとしていたが、養殖対象の動物あるいは植物において、より効率的に成長を行う成長時期と一致する時期の日照パターンに則したものとすればよい。
【符号の説明】
【0038】
10 養殖システム
12 養殖用照明装置
13 養殖プール
22 筐体本体
22A 収納空間
23 ヒンジ部材
24 前面ガラス
25 留め具部材
28 パッキング部材
30A 電源ケーブル
30B シリアル通信ケーブル
31 LED載置パネル
32 LED基板
33 LED
35 送風ファン
36 制御基板
37 電源部(電源基板)
Lpre 照度
W1〜W4 冷却風
WL1〜WL4 内側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物あるいは植物を養殖するために用いられる養殖用照明装置において、
複数のLEDと、
前記動物あるいは前記植物の育成条件に基づいて、時間毎に設定された照度の光量制御パターンで前記LEDの光量制御を行う光量制御部と、
を備えたことを特徴とする養殖用照明装置。
【請求項2】
請求項1記載の養殖用照明装置において、
前記光量制御パターンは、所定時期の日照パターンに対応づけられていることを特徴とする養殖用照明装置。
【請求項3】
請求項2記載の養殖用照明装置において、
前記日照パターンは、養殖対象の動物あるいは植物の成長期の日照パターンに対応づけられていることを特徴とする養殖用照明装置。
【請求項4】
請求項3記載の養殖用照明装置において、
前記成長期の日照パターンは、真夏の日照パターンとされていることを特徴とする養殖用照明装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の養殖用照明装置において、
密閉の筐体内に、前記複数のLEDを照射開口に面して配置する載置したLED載置パネルを前記筐体の底面から浮かせて設け、このLED載置パネルの前記底面の側に送風ファンを前記筐体の内側面に対向させて配置し、この送風ファンで前記内側面に風を吹き当て前記LED載置パネルと前面ガラスの間に風を送り込む、
ことを特徴とする養殖用照明装置。
【請求項6】
請求項5記載の養殖用照明装置において、
前記LED載置パネルは、1枚の高熱伝導性の金属板材を略コ字状に折曲げて形成され、開放端部が略L字状に折曲げられて前記筐体の底面に面接触し、前記LEDの熱を前記筐体に伝導することを特徴とする養殖用照明装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6記載の養殖用照明装置において、
前記LED載置パネルの直下に、前記LEDの各々の制御基板及び電源基板を横並びに配置し、これら制御基板及び電源基板と前記内側面との間に前記送風ファンを配置して、前記送風ファンの吸い込みによって生じる気流で前記制御基板及び前記電源基板を冷やすことを特徴とする養殖用照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−187625(P2010−187625A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37436(P2009−37436)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】