説明

養殖魚用飼料

【課題】 魚の成長率、飼料効率の高い養殖魚用飼料を提供する。
【解決手段】 遊離分岐鎖アミノ酸を飼料重量あたり0.2%〜5.0%含有することを特徴とする養殖魚用飼料である。飼料に含まれる遊離アミノ酸のうち、18%〜80%が遊離分岐鎖アミノ酸である養殖魚用飼料である。さらにこれら飼料を用いて養殖魚を飼育する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成長性の優れた養魚用飼料及び該飼料を用いた養殖魚の飼育方法に関する。
【背景技術】
【0002】
魚の養殖において成長性の高い飼料の開発は欠かせない課題である。現在広く使用されている配合飼料は、天然において魚が摂取している餌(多くは、主に小魚など)を基本組成として開発されてきたものであり、その主原料は魚粉、魚油である。より成長性のよい飼料とするため、ビタミン、ミネラルなどが添加され、コスト削減のために、魚粉の一部を植物タンパク質で代替、あるいは、魚油のかわりに植物油が利用されたりする。また、保形性をもたせるために澱粉など粘着剤、増量剤なども添加されている。
【0003】
このような配合飼料を改良する考え方のひとつに、同じ原材料の飼料でもより消化吸収を高めることにより、飼料効率を高めるという考え方がある。すなわち、原料のタンパク質をペプチドやアミノ酸に分解して用いるというものである。非特許文献1は、アミノ酸に分解する例である。魚粉蛋白の19〜56%を結晶アミノ酸に置き換えた場合、むしろ成長性が低下することが記載されている。また、ペプチドに分解する例としては、魚粉の酵素分解物を用いた飼料(特許文献1)、カゼインを酵素分解して得られる分解物を添加した飼料(特許文献2)などがある。これらは、タンパク質をペプチドに分解し、分解物をそのまま飼料原料として使用することにより飼料効率、成長率などを高めるというものである。
特許文献3、4は魚の抗病性を高めるために、特定タンパク質の分解物を飼料に添加するものである。特許文献3は小麦タンパク質又はトウモロコシタンパク質を加水分解して得られる分解物を添加した飼料であり、特許文献4はラクトフィリンを含まない乳汁・乳清タンパクを加水分解して得られる分解物を添加した飼料である。
上記のタンパク質の分解物をそのまま用いる技術に対して、特定のアミノ酸を飼料に添加する技術としては、特許文献5などがあり、魚類に対してL-アルギニンとL-アラニンを投与することによってインスリンの分泌誘導能を高め、魚類の成長を促進する方法が記載されている。
【0004】
特許文献6は家畜用の飼料であるが、アミノ酸成分としてバリン、ロイシン、およびイソロイシンをそれぞれ0.01〜3.00重量%の範囲に強化した飼料で体脂肪の蓄積量を減少させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−223164号
【特許文献2】特開平6−62765号
【特許文献3】特開平9−84528号
【特許文献4】特開平9−23823号
【特許文献5】特開2007−49938号
【特許文献6】特開平3−219838号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Aquaculture 250(3-4): 755-764 2005年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、魚の成長率、飼料効率の高い養殖魚用飼料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、魚の成長率を高める飼料効率の高い飼料の開発のため、各種添加物の効果について検討を行ったところ、分岐鎖アミノ酸を飼料中に特定の量含有させることにより成長率が増加し、飼料効率も増加することを見出して本研究を完成した。
【0009】
本発明は、以下の養殖魚用飼料を要旨とする。
(1)遊離分岐鎖アミノ酸を飼料重量あたり0.2%〜5.0%含有することを特徴とする養殖魚用飼料。
(2)飼料に含まれる遊離アミノ酸のうち、18%〜80%が遊離分岐鎖アミノ酸である養殖魚用飼料。
(3)遊離分岐鎖アミノ酸が添加されたものである、(1)の養殖魚用飼料。
(4)養殖魚の稚魚期から育成期に用いるものである(1)乃至(3)の養殖魚用飼料。
【0010】
本発明は、以下の養殖魚の飼育方法を要旨とする。
(5)遊離分岐鎖アミノ酸を養殖魚に1日あたり0.1〜15mg/g魚体重、経口摂取させることを特徴とする養殖魚の飼育方法。
(6)遊離分岐鎖アミノ酸を飼料重量あたり0.2%〜5.0%含有する養殖魚用飼料を給餌することを特徴とする養殖魚の飼育方法。
(7)飼料に含まれる遊離アミノ酸のうち、18%〜80%が遊離分岐鎖アミノ酸である養殖魚用飼料を給餌することを特徴とする養殖魚の飼育方法。
(8)(5)ないし(7)いずれかの方法により飼育した養殖魚。
【0011】
本発明は、以下の魚類の成長促進剤を要旨とする。
(9)遊離分岐鎖アミノ酸を有効成分とする魚類の成長促進剤。
(10)遊離分岐鎖アミノ酸を有効成分とする魚類の肝臓インスリン様増殖因子−II生成亢進剤。
【発明の効果】
【0012】
本発明の養殖魚用飼料によれば、養殖魚は成長率が増加し、飼料効率も増加する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は血清中の分岐鎖アミノ酸濃度を示す図である。
【図2】図2は肝臓インスリン様増殖因子―IIの遺伝子発現変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において、養殖とは海水や淡水で生育する魚介類や海藻などの水産動物を人工的に育てることである。養殖魚とは養殖された魚全般を意味する。
本発明において、養殖魚用飼料とは養殖魚を飼育する際に与える食餌のことである。養殖魚用飼料はそれを与える養殖魚の大きさにより稚魚用、育成用、成魚用飼料などと分類されることもある。
本発明において、アミノ酸とは、一般的なアミノ基とカルボキシル基の両方の官能基を持つ有機化合物の総称のうち、生体のタンパク質の構成ユニットとなるα-アミノ酸のことをいう。遊離アミノ酸とは、アミノ酸のうちタンパク質やペプチドとして存在する以外の、単一の分子として存在している状態のアミノ酸を示す。
本発明において分岐鎖アミノ酸とは、タンパク質を構成するα-アミノ酸の一種で、脂肪族アミノ酸(中性アミノ酸)のグループに属し、バリン、ロイシン、イソロイシンの3種のうち、光学活性としてL体の立体配置をもつものを称し、つまりL-バリン、L-ロイシン、L-イソロイシンのことを意味する。分岐鎖アミノ酸は、脊椎動物においては同じ代謝経路で同化されることが知られている(Journal of Nutrition 2006, vol136: 207S- 211S 参照)。
【0015】
本発明の飼料は以下のようにして製造することができる。
飼料はそれぞれの魚介類に通常投与する飼料の配合でよい。モイストペレット、ドライペレット、EPペレット等、飼料の性状は問わない。
本発明に用いられる餌料原料は、養殖業において通常に使用される養殖魚の生育に必要な栄養成分全般を包含し、例えば、ワムシ、アルテミア、クロレラなどの餌料生物;大豆粉、米粉などの穀粉;大豆油、魚油などの脂質分;魚粉、サナギ粉、生魚肉ミンチなどの魚介系餌料;麩;α化澱粉、コムギグルテン、カゼインナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、各種植物ガム、ダイズホエイなどの粘結剤;各種のビタミン源;各種のミネラル源;各種のタンパク源;フラクトオリゴ糖、乳糖、オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などのプレビオティクス成分;などが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。複数の餌料原料が用いられる場合、各原料の構成比は特に限定されず、当業者によって適宜選択され得る。
【0016】
本発明の飼料は、上記飼料原料を組み合わせて給餌対象魚用に設計された飼料配合に分岐鎖アミノ酸を添加して製造する。
本発明の飼料中の遊離分岐鎖アミノ酸は、遊離分岐鎖アミノ酸を飼料重量あたり0.2%〜5.0%含有するよう、好ましくは、0.4%〜3.0%含有するよう調節されていれば、どのような形で含まれていてもよい。また、飼料に含まれる遊離アミノ酸のうち、18%〜80%、好ましくは、30%〜75%が遊離分岐鎖アミノ酸であるように調整されていれば、どのようにして含まれたものであっても構わない。すなわち、精製された分岐鎖アミノ酸を添加してもよいし、分岐鎖アミノ酸を多く含有する組成物を添加するのでもよい。
分岐鎖アミノ酸を多く含有する組成物としては、魚粉、小麦グルテン、コーングルテンミールなどの分岐鎖アミノ酸を多く含むタンパク質を加水分解、酵素処理等の方法によって分解したものなどが使用でき、精製された分岐鎖アミノ酸としては、単離精製又は合成品などを使用できる。
【0017】
飼料原料のうち分岐鎖アミノ酸を多く含む魚粉、コーングルテンミール、小麦グルテン、カゼインなどには、タンパク質を構成するアミノ酸としてタンパク質重量あたり分岐鎖アミノ酸が14.4%〜22.5%含まれる。遊離アミノ酸として含まれる量は少ないので、本発明に用いるためには、これらの原料をアミノ酸単位に分解する必要がある。
例えば、トウモロコシタンパク質であるコーングルテンミールのタンパク質100gあたりの分岐鎖アミノ酸量は19.2gであり、これを加水分解などで完全に遊離アミノ酸に変換させることにより、遊離アミノ酸量に対する遊離分岐鎖アミノ酸量の比率を19.2%にまで高めることができる。同様に、カゼインであればタンパク質100gあたりの分岐鎖アミノ酸量は22.5gであり、これを加水分解などで完全に遊離アミノ酸に変換させることにより、遊離アミノ酸量に対する遊離分岐鎖アミノ酸量の比率を22.5%にまで高めることができる。
【0018】
養殖魚の必要な栄養素の関係から、飼料中の蛋白質をトウモロコシ蛋白質やカゼインだけにすることができるわけではないので、上記のように分解した、魚粉、コーングルテンミール、小麦グルテン、大豆粕、カゼインなどの分岐鎖アミノ酸源となるタンパク質の加水分解産物又は酵素分解産物をさらに精製して用いるのが好ましい。そのように遊離分岐鎖アミノ酸含有量を高めた組成物を用いることによって、飼料中の遊離分岐鎖アミノ酸を、遊離分岐鎖アミノ酸を飼料重量あたり0.2%〜5.0%含有するよう、又は飼料に含まれる遊離アミノ酸のうち、18%〜80%が遊離分岐鎖アミノ酸であるように調整することできる。
【0019】
本発明で用いる目的でタンパク質をアミノ酸に酵素分解する際には、ペプチド程度の分解ではなく、遊離アミノ酸にまで分解するのが好ましいので、通常より長い期間酵素処理を行うか、より多くの酵素を用いることが有効である。例えば、過剰量の酵素により3日〜10日間処理したり、24時間反応させた後、ゲルろ過により未消化のペプチド分画を分離して、さらにこの分画に対して酵素を添加して反応を進めるといったような、多段階での処理が有効である。
【0020】
本発明に用いる遊離分岐鎖アミノ酸は市販の結晶アミノ酸(和光純薬工業製、味の素製、協和発酵製など)を用いることができる。市販の結晶アミノ酸を用いる方法以外で遊離分岐鎖アミノ酸を調製する方法としては、アミノ酸混合物からイオン交換カラムを用いて遊離分岐鎖アミノ酸を調製することができる。アミノ酸混合物とはタンパク質やペプチドを塩酸分解などの加水分解、酵素分解、発酵させることにより、遊離アミノ酸を生じさせた素材のことである。これをイオン交換カラムで処理することで分岐鎖アミノ酸を含む画分を調製することができる。
【0021】
イオン交換カラムによる処理方法に用いる樹脂としては、スルホン化ポリスチレン樹脂であるDowex50を使用する。移動相はpHを3.0から11.0まで変化させて溶出させることが出来るバッファー、即ちクエン酸緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム緩衝液、リン酸ナトリウム緩衝液など用いることができる。例えば、タンパク質の酸加水分解物を樹脂を充填したカラムにアプライした後、pH3.0の緩衝液からpH11.0の緩衝液を順次注入することで、ほぼ酸性アミノ酸から塩基性アミノ酸の順に溶出される。分岐鎖アミノ酸は、pH4.25のバッファー(クエン酸緩衝液のpHを塩酸溶液で調製し、pH4.25にあわせることができる)で溶出することが分かっている。この溶出画分をそのまま、または濃縮して分岐鎖アミノ酸を含む画分として調製することができ、これを飼料に含ませることが可能である。溶出後に溶媒を除く必要があるときは、クエン酸緩衝液のほかに酢酸アンモニウム緩衝液など、凍結乾燥などにより溶媒を除きやすい緩衝液を用いることも可能である(Journal of Nutrition 2006, vol136: 207S- 211S 参照)。
【0022】
飼料中のタンパク質量を測定するためには、いずれの方法でも構わないが、信頼性のある方法としてケルダール法を用いるのが一般的である(Journal of Biological Chemistry 1951 192(2):663-81)。飼料中の遊離アミノ酸量の測定は、飼料から酸抽出したものをアミノ酸自動分析器により測定することができる(Official Methods of Analysis of AOAC International 18th Ed. 2005 より、AOAC Official Method 976.06 参照)。
【0023】
本発明の飼料の給餌の方法は、通常の飼料を給餌するのと同じ方法で構わない。通常の配合の養魚用飼料に遊離分岐鎖アミノ酸が補強された本発明の飼料は、通常の飼料を給餌するように本発明の遊離分岐鎖アミノ酸を飼料重量あたり0.2%〜5.0%含む飼料を給餌することで、成長を促す効果を発揮する。
しかし、魚の成長は通常、飼育期間内の1日から数日の間に摂取される栄養分で定まるため、その期間で与えられる遊離分岐鎖アミノ酸の量が一定以上になるように摂取させることができるなら、1日の飼料のうち、一部分にだけ遊離分岐鎖アミノ酸を含む飼料を用いてもよいし、遊離分岐鎖アミノ酸を含む飼料を他の飼料と混合して与えてもよい。その場合、本発明の飼料よりも高濃度の遊離分岐鎖アミノ酸を含む飼料を用いるのが好ましい。
通常、魚類の給餌率は魚体重の0.8〜25%程度であり、体重が少ないほど大きく、体重が大きくなると低下する。したがって、本発明の飼料のみを用いて飽食給餌すると、1日当たり、遊離分岐鎖アミノ酸を0.1〜15mg/g魚体重摂取させることになる。この範囲の摂取量を目安に遊離分岐鎖アミノ酸を摂取させるのが好ましい。
本発明の飼料を給餌する時期は稚魚から幼魚、成魚にいたるまでいつでも構わないが、魚の成長の差が出やすい稚魚期から幼魚期に与えることが好ましい。稚魚期から幼魚期に一定期間与えるだけでも、その後に通常の飼料に切り替えたとしても、稚魚期から幼魚期に与えた飼料の影響は維持され得る。稚魚から養魚期の摂餌率は2〜25%である。その場合、1日当たり、遊離分岐鎖アミノ酸を0.2〜15mg/g魚体重摂取させるのが好ましい。
給餌する季節は高水温により魚がよく成長する夏季でも、低水温により魚の成長が少なくなってしまう冬季でも構わない。給餌は制限給餌で行っても飽食給餌で行っても構わないが、魚の成長状態及び養殖場の環境よりもたらされる食欲に沿って、より効率的に成長させるためには1日1回から数回の飽食給餌を行うことが好ましい。
【0024】
本発明において、「遊離分岐鎖アミノ酸が添加されたものである」とは、飼料原料そのものに遊離分岐鎖アミノ酸がもともと多く含まれたものではなく、飼料原料として遊離分岐鎖アミノ酸を濃縮する工程を加えたものを使用するという意味である。
【0025】
本発明において肝臓におけるインスリン様増殖因子の遺伝子発現量の変化を測定するためには、mRNAの転写レベルを測定する方法であれば何でもよいが、例えば養殖魚の水揚げ後、すぐに肝臓摘出し、この肝臓からTotal RNAを抽出した後、逆転写反応によりcDNAの調整し、インスリン様増殖因子特異的なプライマーを用いて定量PCRを行うことで測定することができる。
【0026】
本発明おいて対象となり得る魚類の種類には、養殖魚される魚であれば種類を問わない。海水魚または淡水魚のいずれのものであってもよく、より具体的な例としては、ブリ(Seriola quinqueradiata、スズキ目アジ科ブリ属)、カンパチ、ヒラメ、マダイ、ウナギ、マグロ、トラフグ、オニオコゼ、カレイ、アジ類、サバ類、イワシ類、キス、メバル、サケ類、マス類、アユ、コイ、ヤマメ、フナ、またはキンギョなどが挙げられるが特にこれらに限定されない。
分岐鎖アミノ酸は運動時の筋肉では、他のアミノ酸と比べると優先的に利用(異化)されて、筋タンパク質の分解を抑制することと、合成を促進することが報告されており(Journal of Nutritional Biochemistry 2002:Feb;13(2)p121-127、Journal of Nutrition
2006:136(2)p533S-537 及び 第56回に本栄養・食糧学会大会公演要旨集p88参照)、運動時に摂取することが有効である。このため、本発明は常に回遊、つまり運動している状態にある回遊性の魚、すなわちブリ、カンパチなどのブリ類、マダイ及びヨーロッパヘダイをはじめとするタイ類、クロマグロをはじめとするマグロ類、アジ類、サバ類、サケ類、マス類に特に効果が高く、好ましい。
【0027】
本発明の飼料は、上記のような魚類の成魚だけでなく孵化後の種苗、幼魚などの各種成長段階のいずれにおいても使用することができる。特に、給餌による成長の差がつきやすい稚魚期から育成期に用いることが好ましい。稚魚期から育成期とは具体的には以下の時期であることを指す。ブリでは天然で採取される種苗を用いて養殖されることが多く、人工種苗を用いた養殖は少ない。稚魚期のブリは養殖業者の間ではモジャコと称されることが多く体重2g〜200gであり、育成期は200g〜4kgで一般的な出荷サイズの3kg〜8kgまでを含む。カンパチも同様である。マダイでは、稚魚期が2g〜200gで、育成期は200g〜3kgで主要な出荷サイズとなる2kg〜5kgを含む。クロマグロでは、稚魚期が3g〜300gで、育成期を300g〜50kgとすることができ、出荷サイズが3kg〜600kgと幅広く、育成期の魚を出荷サイズの魚として広く含むことができる。
【0028】
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例中「%」で表示されているものは、特記されていなければ「重量%」の意味である。
【実施例1】
【0029】
本発明の飼料を製造し、遊離分岐鎖アミノ酸含有量等を測定した。対照飼料として市販飼料(日本水産株式会社製、ニッスイ初期飼料D-2)を用いた。本発明の養殖魚用分岐鎖アミノ酸添加飼料は対照飼料に表1に示す添加量の遊離分岐鎖アミノ酸を添加して作製した。添加は、飼料1kg当たり300mlの湯に必要量の遊離分岐鎖アミノ酸を溶解し、均一に浸み込ませた後、60℃で4時間乾燥させる方法にて行った。添加した分岐鎖アミノ酸は、BCAA(バリン:ロイシン:イソロイシンの混合物、比率は1:2:1)、又はロイシン(Leu)である。いずれのアミノ酸も和光純薬製の結晶アミノ酸を用いた。各試薬の製造元コードはそれぞれ以下の通りである。L-ロイシン(Leu):128-0085、L-バリン(Val):222-0085、L-イソロイシン(Ile):125-00865。
結果を表1に示した。
【0030】
【表1】

【実施例2】
【0031】
実施例1と同様の方法で本発明飼料を調製し、1t水槽を用いて飼育試験を行った。試験魚はブリ(Seriola Quinqueradiata)の稚魚(平均体重22.0〜22.7g)を用いた。成長に伴い、水槽当たりの飼育尾数が多くなりすぎるため、魚体重を計測して各群の平均体重を維持するよう注意を払って飼育尾数を調整した。飼育期間0日目から19日目まで各80尾、19日目から52日目まで各40尾、52日目から77日目まで各30尾とした。飼育水温は0日目23℃、19日目23℃、52日目25℃、77日目27℃であった。飼料には、ニッスイ初期試料D-2に結晶アミノ酸のバリン:ロイシン:イソロイシンを1:2:1の比率で飼料重量に対し 0.4%、1%若しくは2%添加したもの(BCAA)又はニッスイ初期試料D-2に結晶アミノ酸のロイシン(Leu)のみを飼料重量に対し1%若しくは3%添加したものを用いた。
【0032】
給餌方法としては、ブリに対して1日2回または3回給餌した。1日2回の場合は朝と夕方に、1日3回の場合は朝と昼と夕方に、それぞれ飽食給餌した。給餌量は毎回記録した。77日間飽食給餌を行い、ブリの体重を測定して、下記式に基づいて成長率と飼料効率を算出し飼料の効果を評価した。
成長率 ={飼育期間終了時の平均体重(g)−飼育期間開始前の平均体重(g)}/飼育日数(日)/飼育期間開始前の平均体重(g)。
飼料効率 = {飼育期間終了時の平均体重(g)−飼育期間開始前の平均体重(g)}/給餌量(g)。
【0033】
結果を表2に示した。1t水槽で77日間飼育した場合、養殖魚用遊離分岐鎖アミノ酸添加飼料をブリに給餌することで、コントロール飼料に比べて成長率、飼料効率の増加が認められた。
【0034】
【表2】

【実施例3】
【0035】
実施例1と同様の方法で本発明飼料を調製し、50t水槽を用いて飼育試験を行った。50t水槽で22日間ブリを飼育した。飼育に用いたブリは96尾で、開始時の平均体重は132〜136gのものを用いた。飼料はニッスイ初期試料D-2に結晶アミノ酸のバリン:ロイシン:イソロイシンを1:2:1の比率で、飼料重量に対し1%添加した飼料を与えた。飼育0日目と22日目の体重を測定して平均体重を求め、実施例2と同様に、成長率、飼料効率を計算した。
結果を表3に示す。
【0036】
【表3】

【0037】
平均体重は132〜136gのブリを用いた試験においても稚魚における試験と同様に、養殖魚用遊離分岐鎖アミノ酸添加飼料を給餌することにより、成長率及び飼料効率が向上した。
【実施例4】
【0038】
稚魚の間だけ本発明の飼料を給餌し、一定の体重になった後は通常の飼料を給餌した場合に本発明の効果が持続するかどうか確認する試験を行った。
実施例1と同様の方法で本発明飼料を調製し、1t水槽にて本発明飼料又は対照飼料を60日間給餌した後、一部の魚を4t水槽に移し、通常飼料(対照飼料と同じ)を36日間給餌した。1t水槽で60日間対照飼料を与えて飼育したブリ35尾のうち10尾と、60日間本発明飼料を添加した飼料を与えて飼育したブリ29尾のうち4尾をそれぞれ4t水槽に導入した。対照飼料はニッスイ初期試料D-2を用い、本発明飼料には対照飼料にバリン(Val)(和光純薬の結晶アミノ酸)を1%添加したものを用いた。飼育期間中の斃死はなかった。1t水槽飼育時に、対照飼料区では途中で7尾を、1%バリン区では途中で3尾をサンプリング用に間引きした。試験期間中の水温は24℃と安定していた。
飼育期間中の魚体重を測定し、平均体重を求め、実施例2と同様に、成長率、飼料効率を計算した。
【0039】
1t水槽での飼育結果を表4に、4t水槽での飼育結果を表5に示す。
3ヶ月間1%バリンを添加した飼料で飼育したブリは、4t水槽に導入して36日間対照飼料のみを与えた後にも、ずっと対照飼料のみを与え続けたブリに比べて成長率が増加した。このことは、養殖魚用遊離分岐鎖アミノ酸添加飼料を給餌されていたブリは、その後に通常の飼料(対照飼料)に切り替えた場合でも、成長の向上が継続することを意味している。
【0040】
【表4】

【0041】
【表5】

【実施例5】
【0042】
本発明飼料を給餌したときの血清中の遊離アミノ酸濃度変化を測定した。実施例2で飼育したブリから、血清を採取し、遊離アミノ酸濃度変化を測定した。サンプルは、2%の分岐鎖アミノ酸3種を添加した飼料を用いて飼育したブリと、3%のロイシンを添加した飼料を用いて飼育したブリから採取した。サンプルの血清は、飼育77日目に体測した後、2日間餌止めし、飼料を与える前及び飼料を与えてから12時間後に採取した。
遊離アミノ酸の血中濃度を測定するため、麻酔下で尾へい部より採血し、遠心分離(5000rpm、4℃、10分)により血清を得た。血清は分析を行なうまで−80℃にて保存した。サンプルは、2%の分岐鎖アミノ酸3種を添加した飼料を用いて飼育したブリと、1%及び3%のロイシンを添加した飼料を用いて飼育したブリから採取した。採取した血清を氷冷下で6%スルホサリチル酸溶液と等量混合し、15秒間激しく攪拌してから30分氷上で静置した。これを15000rpm、4℃、10分にて遠心分離し除タンパクした。この上清を0.45umフィルター(アドバンテック東洋社、Cellulose Acetate 0.45um)でろ過したものをガラス褐色バイアルに入れ、アミノ酸分析サンプルとした。分析までは−80℃にて保管した。血清中の遊離アミノ酸濃度の測定は、飼料中の遊離アミノ酸濃度測定と同様の方法で分析したすなわち、分析機器としてアミノ酸自動分析器(日立高速アミノ酸分析計、L-8900、日立)を用い、分析試薬にはアミノ酸分析キット ニンヒドリン試薬L-8500セット(和光純薬工業、142-05051)を用いた。結果を図1に示す。
【0043】
血清中の遊離アミノ酸濃度変化を測定したところ、コントロール飼料と比較すると養殖魚用遊離分岐鎖アミノ酸添加飼料を給餌したブリでは、血清中の遊離分岐鎖アミノ酸濃度が増加した。養殖魚用遊離分岐鎖アミノ酸添加飼料は、血中の遊離分岐鎖アミノ酸濃度を増加させることが認められた。
【実施例6】
【0044】
肝臓インスリン様増殖因子−IIの遺伝子発現変化を測定した。実施例2で飼育したブリの肝臓におけるインスリン用増殖因子の遺伝子発現変化を測定するために、ブリを麻酔下で開腹し、肝臓を摘出した。遊離アミノ酸の血中濃度を測定するサンプルと同じものからデータを得るため、麻酔下で尾へい部より採血し、遠心分離(5000rpm、4℃、10分)により血清を得た。肝臓と血清は分析を行なうまで−80℃にて保存した。サンプルは、2%の分岐鎖アミノ酸3種を添加した飼料を用いて飼育したブリと、1%及び3%のロイシンを添加した飼料を用いて飼育したブリから採取した。
【0045】
摘出した肝臓はドライアイスで凍結またはRNA抽出用保存液であるRNA Later(アンビオン社)に入れ、分析まで−80℃保存した。Total RNAの抽出はQIAGEN社のRNeasy、Promega社のTotal RNA Isolation systemを用いて行った。このTotal RNAを用いて逆転写反応を行い、cDNAを調整した。逆転写反応にはタカラバイオ社のPrimeScript RT-PCR kit、Invitrogen社のFirst-strand synthesis systemを用いた。すなわち、抽出したRNAのうち、1μgを逆転写反応に供してcDNAを調整した。このcDNA溶液を滅菌水で5倍希釈したものを定量PCRサンプルとした。定量PCRによるインスリン様増殖因子の遺伝子発現変化の測定は、アプライドバイオシステムズ社の7500systemを用いたリアルタイムPCRにて行い、反応試薬はアプライドバイオシステムズ社のPower SYBRを用いた。反応方法は試薬マニュアルによる方法に準じた。
【0046】
インスリン様増殖因子の遺伝子配列は、NCBIホームページのデータベースから検索した。ここから検索した遺伝子配列を元に、Primer Expressソフトウェアを用いて特異的なプライマーを設計した。
ブリβ‐アクチンとIGF-IIに対するプライマー配列は以下の通りである、
β‐アクチン
FW:AGGCCGCAGAGCCTAGATG
RV:TGAGTCAAGCGCCAAAAATAAC
IGF-II
FW:GGAGAGAGAGGCTTTTATTTCAGTAAAC
RV:CGTGACCGCCGTGCAT
遺伝子発現の内因性コントロールとしてβ-アクチン遺伝子を用い、インスリン様増殖因子の遺伝子発現量をβ-アクチンの遺伝子発現量で補正した値を算出し、コントロール区の発現量を1.0としたときの相対値で示した。結果を図2に示す。
【0047】
ブリ肝臓のインスリン様増殖因子遺伝子発現変化を測定した結果、養殖魚用遊離分岐鎖アミノ酸添加飼料を与えたブリ肝臓では、インスリン様増殖因子−IIの遺伝子発現量が増加した。インスリン様増殖因子は細胞増殖、成長を促進するホルモンであるため、養殖魚用遊離分岐鎖アミノ酸添加飼料の給餌によって、肝臓における遺伝子発現量が増加したことは、養殖魚用遊離分岐鎖アミノ酸添加飼料が成長率を増加させたことを裏付けるデータとなると考えられる。また、インスリン様増殖因子の遺伝子発現変化が増加することは、養殖魚用遊離分岐鎖アミノ酸添加飼料の特徴の一つであると考えられる。
【実施例7】
【0048】
本発明に用いることができる遊離分岐鎖アミノ酸を含有する組成物について検討するため、各種飼料原料及び食品添加物のアミノ酸分析を行った。
市販の飼料原料のうち、魚粉(中村商会社製)、コーングルテンミール(カーギルジャパン社製)、小麦グルテン(籠島澱粉社製)、大豆粕(理研農産化工社製)、カゼイン(トーメンケミカル社製)のアミノ酸分析を行った。また、市販の食品添加物のうち、魚分解物(大日本明治製糖社製エンザップFP、コスモ食品社製アミノ酸ゴールド)、トウモロコシ分解物(大日本明治製糖社製エンザップCP、キリンフードテック社製AL−G2)、乳清タンパク分解物(第一化成社製プログレスAW)、小麦分解物(コスモ食品社製小麦HVP)及び大豆分解物(キリンフードテック社製AE−2)のアミノ酸分析及び遊離アミノ酸分析を行った。サンプル中の遊離アミノ酸量の測定には、サンプルから酸抽出したアミノ酸溶液をアミノ酸自動分析器(日立高速アミノ酸分析計、L-8900、日立)で分析した。分析試薬は、アミノ酸分析キット ニンヒドリン試薬L-8500セット(和光純薬工業、142-05051)を用いた。サンプル中のアミノ酸量の測定をする場合には、粉砕したサンプルを1%ピクリン酸溶液にてポリトロンホモジナイザーによりホモジナイズして除タンパクして抽出したサンプルを用いた。これを濾紙によりろ過してメスアップしたのちに、Dowex1カラムに供することで脱ピクリン酸溶液を調製した。この溶液をシリンジフィルター(アドバンテック東洋社、Cellulose Acetate 0.45um)にてろ過したものをガラス褐色バイアルに入れ、アミノ酸分析サンプルとした。分析までは−80℃にて保管した。
【0049】
アミノ酸自動分析法は、陽イオン交換樹脂によるカラムクロマトグラフィーにより各アミノ酸を分離したのち、ニンヒドリンにより発色させて吸光度測定を行なうニンヒドリン法を用いた。分岐鎖アミノ酸を含めたα‐アミノ酸はニンヒドリンと反応すると吸光度570nmに極大吸収を示す呈色物を生成するので、この呈色物のピーク面積を標品のピーク面積と対比してサンプルのアミノ酸濃度を算出した。
飼料原料の分析結果を表6に、食品添加物の分析結果を表7に示す。
【0050】
【表6】

【0051】
【表7】

【0052】
表6に示されるようにいずれの飼料原料にも一定量の分岐鎖アミノ酸が含まれているので、これらをアミノ酸に分解すれば、それらは本発明の分岐鎖アミノ酸の供給源として利用できる。分解したそのままでは分岐鎖アミノ酸以外のアミノ酸量が多くなってしまうので、分解後にイオン交換カラムなどを用いて分岐鎖アミノ酸を濃縮するのが好ましい。
また、表7に示されるように各種タンパク質分解物も同様に本発明の分岐鎖アミノ酸の供給源として利用できる。このままあるいはさらに分解し、より好ましくは分岐鎖アミノ酸を濃縮する処理を行って使用する。
【実施例8】
【0053】
比較例1
参考のため、現在市販されている各社の稚魚用飼料に含まれる遊離アミノ酸の含量及び遊離分岐鎖アミノ酸の含量を測定した。飼料中の遊離アミノ酸量の測定には、飼料から酸抽出したアミノ酸溶液をアミノ酸自動分析器(日立高速アミノ酸分析計、L-8900、日立)で分析した。分析試薬は、アミノ酸分析キット ニンヒドリン試薬L-8500セット(和光純薬工業、142-05051)を用いた。飼料からのアミノ酸抽出方法はすなわち、粉砕した飼料を1%ピクリン酸溶液にてポリトロンホモジナイザーによりホモジナイズして除タンパクした。これを濾紙によりろ過してメスアップしたのちに、Dowex1カラムに供することで脱ピクリン酸溶液を調製した。この溶液をシリンジフィルター(アドバンテック東洋社、Cellulose Acetate 0.45um)にてろ過したものをガラス褐色バイアルに入れ、アミノ酸分析サンプルとした。分析までは−80℃にて保管した。
アミノ酸自動分析法は、陽イオン交換樹脂によるカラムクロマトグラフィーにより各アミノ酸を分離したのち、ニンヒドリンにより発色させて吸光度測定を行なうニンヒドリン法を用いた。分岐鎖アミノ酸を含めたα‐アミノ酸はニンヒドリンと反応すると吸光度570nmに極大吸収を示す呈色物を生成するので、この呈色物のピーク面積を標品のピーク面積と対比してサンプルのアミノ酸濃度を算出した。
【0054】
結果を表8に示す。通所の飼料においては遊離分岐鎖アミノ酸のみを高い濃度で含有させるという思想がないため、飼料中の遊離分岐鎖アミノ酸の含量は飼料あたりで0.2%未満程度であり、遊離アミノ酸あたりも7%程度以下であった。
【0055】
【表8】

【実施例9】
【0056】
比較例2
実施例1と同様の方法で、ニッスイ初期試料D-2に表7に示したアミノサンゴールドを遊離アミノ酸量に換算して1%又は2%添加した飼料を調製し、1t水槽を用いて飼育試験を行った。対照飼料はニッスイ初期試料D-2を用いた。試験魚はブリ(Seriola Quinqueradiata)の稚魚(平均体重7.0〜7.1g)を用いた。成長に伴い、水槽当たりの飼育尾数が多くなりすぎるため、魚体重を計測して各群の平均体重を維持するよう注意を払って飼育尾数を調整した。飼育期間0日目から27日目まで各40尾、28日目から60日目まで各30尾、61日目から92日目まで各20尾とした。飼育水温は0日目22.8℃、28日目24.5℃、61日目24.5℃であった。最初27日間、遊離アミノ酸量として1%添加した飼料を給餌したが、効果が認められなかったのでそれ以降は2%添加した飼料を92日目まで給餌した。
【0057】
表9に示すように、遊離分岐鎖アミノ酸ではなく、単に遊離アミノ酸を添加した場合には、本発明飼料のような成長性を高める効果は認められなかった。
【0058】
【表9】

【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によれば、成長率及び飼料効率の高い養殖魚用飼料を提供することができる。また、成長率及び飼料効率の高い養殖魚の飼育方法を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離分岐鎖アミノ酸を飼料重量あたり0.2%〜5.0%含有することを特徴とする養殖魚用飼料。
【請求項2】
飼料に含まれる遊離アミノ酸のうち、18%〜80%が遊離分岐鎖アミノ酸である養殖魚用飼料。
【請求項3】
遊離分岐鎖アミノ酸が添加されたものである、請求項1の養殖魚用飼料。
【請求項4】
養殖魚の稚魚期から育成期に用いるものである請求項1乃至3の養殖魚用飼料。
【請求項5】
遊離分岐鎖アミノ酸を養殖魚に1日あたり0.1〜15mg/g魚体重、経口摂取させることを特徴とする養殖魚の飼育方法。
【請求項6】
遊離分岐鎖アミノ酸を飼料重量あたり0.2%〜5.0%含有する養殖魚用飼料を給餌することを特徴とする養殖魚の飼育方法。
【請求項7】
飼料に含まれる遊離アミノ酸のうち、18%〜80%が遊離分岐鎖アミノ酸である養殖魚用飼料を給餌することを特徴とする養殖魚の飼育方法。
【請求項8】
請求項5ないし7いずれかの方法により飼育した養殖魚。
【請求項9】
遊離分岐鎖アミノ酸を有効成分とする魚類の成長促進剤。
【請求項10】
遊離分岐鎖アミノ酸を有効成分とする魚類の肝臓インスリン様増殖因子−II生成亢進剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−187612(P2010−187612A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36628(P2009−36628)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000004189)日本水産株式会社 (119)
【Fターム(参考)】