香料を保管および放出するデバイス、およびそのようなデバイスのセット
所与の香料を提示するデバイスは、閉じ込め封入容器(20)内に提示ロッド(10)を備え、この閉じ込め封入容器はカラー(21)を備え、この提示ロッドはこの香料が添加された、このカラーを通して装着されるように設計された多孔性部分(11)と、休止構成で、多孔性部分が、この閉じ込め封入容器の内部で香料が気体の状態でのみ存在する領域内にあるようにこのカラーを閉鎖するように設計された、把持するのに適したヘッド部(12)を形成した他の部分とを備え、保持ヘッド部よりも下の提示ロッドの構成材料と閉じ込め封入容器の構成材料とはそれら自体の匂いを有さない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料、特に香水を保管および放出するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、特に消費者の選択の範囲を絞り込むことを目的として香料を模索するには、所与の香料を最終的に決定するためにいくつかの香料を試すことが必要となる。
【0003】
これを行うために、数枚の吸い取り紙片を使用することが慣例である(香料製造の分野では、これらはしばしば「テスト紙片」と呼ばれる)。より具体的には、デモンストレータがそのような紙片を、選択がなされる香料のうちの1つの少量をそれらに噴霧した後、次々にその潜在顧客に対して提示することになる。
【0004】
しかしながら、このようなアプローチでは、それぞれの香料について、紙片が吸収することが可能な量をしばしば超過する量を噴霧することが必要になり、そのために製品ロス(製品の紙片からの蒸発)、見苦しい液滴を形成するリスク、各紙片への無制御な添加が生じ(いくつかの紙片は香水で飽和される一方で、他の紙片は、どんな香水もほとんど添加されない)、様々な香料の強さを比較することが困難になり、テストされた香料の全てが徐々に環境に添加されるようになり、これによって、提示されている新しい香料に対する人の知覚が徐々に曇ってくるという欠点がある。
【0005】
紙片が一度だけ使用されるということは、紙片上に残った製品が、それが未だ完全に蒸発していないうちに投げ捨てられることを意味するということに留意すべきである。
【0006】
さらに、単純な紙片を使用して香水を提示しても、特に高級な香水の場合、潜在顧客が、提案されている香料の洗練度を評価するための正しい心構えに置かれることが常に可能になるわけではない。
【0007】
このような紙片の1つの特別な使用法として、それらを、平坦面上に配置した鈴形状のドームに組み合わせること、即ち、その端部に紙片を一時的に取り付けることが提案されている。この使用法は、紙片が鈴形状のドームの容積全体に添加されている香料を放出することを可能にし、そのようにして潜在顧客が香料を深く吸い込んで、その品質を評定することを可能にする。しかしながら、そのような解決法は、対象となっている平坦面上に大きな量のスペースを取り、多数の鈴形状ドームが取り扱われた後に混合を回避するための手立てがない。
【0008】
他の提案として、封入容器内に含浸布を配置し、封入容器が連続的に開かれて、布が取り出され、取り扱われ、布に含浸された香料が評価されることが可能となるというものもある。しかしながらその欠点は、デモンストレータの指が連続的に添加された香料で飽和してしまうということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
製品ロス(対象となっている製品の評価に全く役立たない)と、周囲雰囲気が不適切に香水で添加されるリスクとを最小限に抑えると同時に、所与の香料が提示される方法に特定の一貫性を保証し、また同時に、デモンストレータが、複数の香料をデモンストレートする際に一定量の作法を実行することを可能にしながら、香水などの香料を提示できるようにすることが求められている。実際、上述の一貫性とは、関係する香料を純粋で正確な形で放出するという目的に対応するが、これには香料を正しく保管することと、適切なタイミングで繰り返しこの香料を放出することとの両方が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このように本発明は、所与の香料を保管および放出するデバイスであって、閉じ込め封入容器内に提示スティックを備え、この閉じ込め封入容器はネック部を備え、この提示スティックはこの香料が添加された、このネック部を通過するように設計された多孔性部分と、休止構成で、多孔性部分が、この閉じ込め封入容器の内部で香料が気体の状態でのみ存在する領域内にあるように、このネック部に栓をするように設計された保持ヘッド部を形成した他の部分とを備え、保持ヘッド部よりも下の提示スティックと閉じ込め封入容器とが製作されている材料はそれら自体の匂いを有さない、デバイスを提案する。
【0011】
本発明によると、香料はこのように、その閉じ込め封入容器内で、主にスティックの多孔性部分の中に保管され、このことが製品ロスまたは液滴形成のリスクを最小限に抑え、スティックの多孔性部分は、それを閉じ込め封入容器の外部で、したがって多孔性スティックがその閉じ込め封入容器内に係合される前に、単に液体香料内に浸すことによって香料を添加されることが可能であることから、もはや蒸発がなく、またスティックがその閉じ込め封入容器内にあるとき、このスティック(またはいずれにしてもその多孔性部分)が液体の状態の香料と接触していないということは、このように液滴が形成されないことを保証するということが理解される。スティックが、閉じ込め封入容器のネック部を塞ぐヘッド部を有するということは、この封入容器内に保管された香料が外部に逃げるリスクを最小限に抑える。これは、雰囲気に極めて少量しか(または全く)この香料が添加されないことを意味し、さらに、閉じ込め封入容器内に保管された香料が容易に逃げることが不可能であるため、スティックがこの封入容器内に再係合されるとき、多孔性部分内に保管された香料は、この封入容器内で蒸発する傾向を極めて僅かにしか有さない。これは、このスティックが閉じ込め封入容器からの連続して抜き出される過程で実質的に同じ条件下で香料を提示することを意味している。
【0012】
香料は主に多孔性部分の中に保管されることから、提示スティックをその閉じ込め封入容器内に係合させて移送することによって、香料が液体の移動とは無関係に移送されることが可能になり、これは、漏れのリスクを回避するという注目すべき利点を有するということに留意すべきである。
【0013】
保持ヘッド部は有利には、香料がこのヘッド部を通って蒸発することを阻止するように設計されている。この理由から、このヘッド部は、少なくとも部分的に無孔性の材料で製作されることが好ましい。したがって、例えば、ヘッド部は有利には無孔性材料、または他方で、香料が逃げることを阻止する無孔性のコーティングで被覆された多孔性の材料(例えばスティックと一体である)で製作される。
【0014】
潜在的に組み合わされる、様々な追加の特徴が以下に示される。
【0015】
このように、有利には、この多孔性部分は提示スティックの自由端部のところまで延在する。このことは、典型的にはこの多孔性部分を液体香料に浸し、多孔性の塊を毛細管作用下に配置することによって、提示スティックを香料で添加することを容易にする。当然ながら、保持ヘッド部より下のスティック全体が多孔性であってもよい。
【0016】
同様に有利には、スティックの多孔性部分は、休止構成で、閉じ込め封入容器の内部のこの香料の潜在的な液体沈着物から非ゼロの間隔分離れている。したがって、この液体沈着物がスティックの多孔性部分と接触していないという条件で、閉じ込め封入容器の底内に香料の液体沈着物が存在するということが排除されることはない。このような液体沈着物の存在は、閉じ込め封入容器の内部容積が香料で恒久的に飽和状態となっていることを保証し、したがって、多孔性部分がこの香料で添加される程度が時間の経過にわたって実質的に一定であることを保証する、という利点を有することができる。
【0017】
同様に有利には、閉じ込め封入容器は、その休止構成で、提示スティックがネック領域でのみ閉じ込め封入容器と接触するように形状化および配向され、提示スティックはその保持ヘッド部から垂直方向に懸吊されている。このことは、スティックと閉じ込め封入容器の内部との間の接触部で液滴が形成されるのを阻止する。
【0018】
同様に有利には、閉じ込め封入容器は、保持ヘッド部から下の提示スティックの外部表面に沿って隙間をもって延びる内部壁を備える。このことは、閉じ込め封入容器の容積を、したがって、スティックが休止構成にあるとき香料が多孔性部分の外部に蒸発する傾向を最小限に抑える助けとなる。
【0019】
具体的には、閉じ込め封入容器が多かれ少なかれスティックの多孔性部の形状に沿っているということは、スティックがこの封入容器内に係合されているときに香料がそこに放出されるリスクを最小限に抑える。したがって、香料の放出は、このスティックが抜き出される度に実質的に一定のままの条件下で起こる。一方、雰囲気が、閉じ込め封入容器内で気体の状態で保管された香料で添加された状態となるリスクはほとんど(または全く)ない。当然のことながら、隙間の概念は広い意味で解釈されるべきものであり、実際にその間隔は数ミリメートルであってもよいことは理解されるべきである。
【0020】
同様に有利には、封入容器は、提示スティックの断面積の少なくとも2倍の断面積の断面を有する内部断面を有する。このことは、スティックを容易に閉じ込め封入容器から抜き出し、その中に係合させることを保証しながら、内部容積を、したがって閉じ込め封入容器の寸法を最小限に抑える。
【0021】
実際には、スティックの断面は有利には0.5センチメートルから5センチメートルの範囲の寸法を有し、閉じ込め封入容器の内部断面は有利には1センチメートルから10センチメートルの範囲の寸法を有する。これらの寸法の好ましい範囲は、スティックの内部断面の横断方向の寸法では1センチメートルから3センチメートルであり、閉じ込め封入容器の内部断面の横断方向の寸法では1センチメートルから5センチメートルである。
【0022】
スティックは、例えば5センチメートルから20センチメートルの範囲の長さを有し、対応する閉じ込め封入容器は、スティックの細幅部分に関しては、例えば1センチメートルから5センチメートルの範囲の任意量分大きな長さを有してもよい。実際、閉じ込め封入容器の底部は膨らんでいてもよい。
【0023】
有利には、提示スティックの断面と閉じ込め封入容器の断面とは、ネック部から下で実質的に円筒形である。代替方法として、提示スティックの断面と封入容器の断面とは、ネック部から下で実質的に多角形である(例えば正方形、長方形、六角形など)。これらの断面形状は、必要に応じてスティックがただ1つの角度構成でその閉じ込め封入容器内に係合されることが可能であるように、より複雑な多角形であってもよい。
【0024】
スティックの多孔部は、木材、セラミックなどを含む多様な材料から製作されてもよい。
【0025】
選好として、上述のタイプのデバイスが一緒に、複数の保管放出デバイス(または提示用セット)を備えた香料保管放出セット(または短く香料提示セット)としてグループにされて、その閉じ込め封入容器が同一の支持体によって担持される。これらの封入容器はこの支持体内の穴内で動かないように係合されてもよく、あるいは他方、この支持体に、例えばその一体的な部分として形成されるなどして固定されてもよい。封入容器は、例えば列、段に、あるいは特に互い違いの構成でアレイに配置されてもよい。
【0026】
美観上の理由から、提示デバイスは、有利には、所与のセットで全て同じ形状を有する。それらは同一の寸法も有してもよい。代替方法として、様々な提示デバイスのスティックと閉じ込め封入容器とは、それらに固有の寸法または形状を有して、スティックが、それが関連付けられている封入容器以外のなんらかの容器内に係合され得ないことを保証する。これは、1つの封入容器が、別のデバイスに関連付けられたスティックから汚染されないことを保証する。
【0027】
有利には、提示用セットはスティックマーキング要素を備える。これらは保持ヘッド部によって支承されるマーク(例えば、保持ヘッド部に関して中心から外れた凹型、または持ち上がった、または色付けされたスポット)であってもよい。マークは、封入容器内の長手方向のまわりで、スティックの位置に応じていろいろな方法で配向されることが可能である。代替方法として、これらのマーキング要素は、保持ヘッドを対応する閉じ込め封入容器のネック部に対して持ち上げる能力があるリングなどの、スティックや封入容器から独立した要素となる。
【0028】
本発明はまた、香料を提示する(または香料を保管および放出する)方法であって、以下のステップ:
それぞれの閉じ込め封入容器内に提示スティックをそれぞれが備える複数の保管放出(または提示)デバイスであって、この閉じ込め封入容器はネック部を有し、この提示スティックは、このネック部を通過することが可能な多孔性部分と、休止構成で多孔性部分がこの閉じ込め封入容器の内部にあるようにこのネック部を塞ぐように設計された保持ヘッド部を形成する他の部分とを有し、保持ヘッド部から下の提示スティックと閉じ込め封入容器とが製作されている材料がそれら自体の匂いを有さないデバイスを準備するステップと、
各スティックに特定の香料を添加し、スティックをその休止構成でその閉じ込め封入容器内に配置して、多孔性部分が、香料が気体の状態でのみ存在するそれぞれの閉じ込め封入容器の領域内にある状態にするステップと、
一連の提示スティックを、デモンストレータのコレスポンデントによって表わされた選択に従って連続して抜き出して、このスティックを、その閉じ込め封入容器内にそれを休止構成に嵌め戻すことによって、選択されたものとして、または選択されなかったものとしてマーキングするステップと、
選択されたものとしてマークされたスティックの少なくとも一部を再度、連続して抜き出すステップとを有する、方法を提案する。
【0029】
以下の非制限的で例示的な実施例としてここに掲げられた記述を、添付図面を参照して読めば、本発明の目的、特徴、および利点が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による提示デバイスの縦断面図である。
【図2】第1タイプのマーキング要素を示した図1のデバイスの提示スティックの上面図である。
【図3】スティックからも閉じ込め封入容器からも独立した他のタイプのマーキングを備えた図1のデバイスの上方部の断面図である。
【図4】代替形態のマーキング要素を備えた同じデバイスの提示スティックの上面図である。
【図5】図1の提示デバイスと同様の提示デバイスの集合形態の部分的斜視図である。
【図6】図2で見えるマーキング要素の可能な一使用法を示す、図5の集合形態の上面図である。
【図7】図3のマーキング要素の可能な一使用法を示す、いくつかのデバイスを連結する線による図5の集合形態の部分断面図である。
【図8】代替の集合形態を示す、図7の図と類似の図である。
【図9】代替形態の提示スティックの断面図である。
【図10】別の代替形態の提示スティックの断面図である。
【図11】さらに別の代替形態の提示スティックの断面図である。
【図12】さらに別の代替形態の提示スティックの断面図である。
【図13】本発明による代替形態の提示デバイスの断面図である。
【図14】本発明による別の代替形態の提示デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、提示スティック10を閉じ込め封入容器20内に備えた、所与の香料を提示するデバイス1を表している。この提示デバイスは、対象となっている香料を保管および放出のいずれをも行う能力がある。
【0032】
提示スティック10は、香料が添加された多孔性部分11と、保持ヘッドを形成した少なくとも1つの他の部分12とを備える。
【0033】
閉じ込め封入容器20はネック部21を有し、提示スティックの多孔性部分11は、このネック部21を通過するように設計され、他の部分12は、休止構成で、多孔性部分が、この閉じ込め封入容器の内部で香料が気体の状態でのみ存在する領域内にあるように、このネック部に栓をするように設計されている。この休止構成は図1に表わされている。図1は、閉じ込め封入容器の底内に少量の液体沈着物22も示しているが、この沈着物は、多孔性部分から、より一般的には全体としての提示スティックから非ゼロの間隔分離れている。実際、このような沈着物は求めているものではないが、提示スティックの多孔性部分に香料が添加されている(即ち含浸されている)諸条件によって発生する場合がある。
【0034】
ここで示されている実施例では、ネック部は上方に広がっている。ここで表わされていない代替形態では、ネック部は、僅かな面取りもなく、封入容器が支持体内で保持されることが可能となるリムの内側縁部によって単に形成されている(図5参照)。同様に、ヘッド部も、スティックの断面よりも大きな一定の断面を有した、横方向に角をなすショルダ部によってこのスティックに連結された部分によって単に形成されてもよい。
【0035】
ネック部に対して保持ヘッド部を適正に位置決めすることに関する理由から、提示スティックは有利には、スティックのヘッド部と下方部分とが出会うところで円錐台形の部分を有する(ヘッド部から下のこの下方部分は、その全体長さにわたって一定な断面を有するが、他のなんらかの形状を有することも可能であり、例えばその自由端部の方に先細りしてゆくことも可能である)。
【0036】
ここでのスティック自体の下方端部は底面からなるが、ここに表わされていない代替形態では、この端部は丸みがあることも可能である(言い換えれば、このスティックが一定の断面であっても、この一定性はもはやこのスティックの最後の数ミリメートルでは見られない)。
【0037】
提示スティック(少なくとも提示ヘッドより下の)と閉じ込め封入容器とが製作されている材料はそれら自体の匂いを有さない。即ち香料に関して中性であり、それに対する知覚を変えない。
【0038】
以下の材料を挙げることができる:
竹などの中性木材、
軽石、
陶磁器、
硬質フォーム、
硬質スポンジ、
ケイ酸またはケイ酸カルシウム(例えばガラス)、
ポリメチルシロキサンなどの合成材料、
バーミキュライト、
セルロース、
フェルト、
フィルタ、
プラスチックなど。
【0039】
代替方法として、剛性材料で製作されるのではなく、多孔性部分は、あるいは例えば香料、フォーム、またはスポンジで添加されることが可能な軟性材料を含む多孔性の剛性包体で製作されてもよく、または複数の穴(以上に述べたものなどの材料で製作されてもよい)を有してもよい。
【0040】
選好として、この多孔性部分11は下方に、提示スティックの自由端部のところまで延在する。このことは製造の観点から、また香料を添加(含浸)する観点からも有益である。
【0041】
具体的には、スティックは、スティック自体とそのヘッド部とについて単一の材料で製造されてもよく、一体としてとさえ製造されてもよい。
【0042】
しかしながら、提示スティックを2つの別々の部分から製造することが有利である。このように図1は、提示スティック10が一定の断面を有する部分13と、保持ヘッド部12を形成する、部分13の上方端部13Aが中に固定されるハウジング12Aを備える部分とを備える。この固定は、特にネジ山、接着、または留め具を使用して、適切な、知られている手段によって達成されてもよい。
【0043】
提示スティックがいくつかの部分で製作される場合、これらの部分は、これらの部分のそれぞれの役割に応じて選択された異なった材料で製作されてもよい。このように一定の断面を有する部分の材料は、その多孔性部の香料で添加される能力のために選択され、保持ヘッド部の材料は美観上の基準で選択されてもよい。
【0044】
当然ながら、こうした部分が2つより多くてもよい。このように、一定の断面を有する部分は2つの別々の部分から形成されてもよく、その一方は、多孔性部の香料で添加される能力のために選択された多孔性部分を構成し、他方はより美観上の機能を有してもよい。同様に、保持ヘッド部は、例えば貴金属で製作されたキャップによって覆われた芯部で形成されてもよい(このようにヘッド部は、スティック自体と一体のものとして、したがって多孔性材料で形成されてもよく、これに無孔性の覆いを付けることが考えられる)。一定断面を有する部分が取り外し可能に取り付けられる場合、貴重材料で製作されたヘッド部はそのままにして、それが取り換えられることができる。
【0045】
提示スティックの実施形態の様々な代替形態が、図9から図12を参照して以下に説明される。
【0046】
閉じ込め封入容器については、その役割が、香料が添加されたスティックを、それを変化させずに包含するという役目に限定されるならば、これは多様な材料から製作されてもよい。このように、閉じ込め封入容器は特にガラス、金属(例えばステンレススチール)、または合成材料から製作されてもよい。
【0047】
図1から明らかなように、閉じ込め封入容器20は有利には、その休止構成で、提示スティック10が、その保持ヘッド部から垂直方向に懸吊された状態で、ネック領域内だけで閉じ込め封入容器と接触するように構成および配向される。このような形で、実際のスティックと閉じ込め封入容器の内壁との間には接触がなく、このことはスティックが閉じ込め封入容器から抜き出される際に、香料の提示を損ない易い液滴形成のリスクを軽減する。
【0048】
本発明の他の有利な特徴によると、閉じ込め封入容器20は、保持ヘッド部から下の提示スティックの外部表面に沿って隙間をもって延びる内部壁を有する(この隙間は、例えば数ミリメートルなど、相当程度であってもよい)。こうした理由によって、提示スティックとネック部から下の閉じ込め封入容器との間に接触領域が生じることを回避するために封入容器が有利には垂直方向に設定される。
【0049】
上述の隙間が表わしてもよい、潜在的には相当程度であってもよい大きさの程度を示すために、以下のことが述べられる。即ち、封入容器は、提示スティックの断面積の最大で2倍に断面積が等しい内部断面を有するが、実際には隙間は少なくともミリメートル程度に等しい。
【0050】
提示スティックの下方部(保持ヘッドから下の)には様々な形状が与えられてもよいが、製造の理由から、また美観上の理由からも、選択される形状が均一であること、即ち、対称軸または対称面を有することが有利である。このように、この下方部は有利には円筒形のセクションを有する(したがって円形断面を有する)。これは、代替方法として、楕円形、または3よりも大きな最大寸法数を有することさえ可能である(例えば三葉型など)。
【0051】
以上に表わされていない代替形態としてこの下方部は多角形の断面、例えば正方形状、長方形状、三角形状、または特に六角形状の断面を有してもよい。
【0052】
この下方部は、1つの角度的構成でのみその閉じ込め封入容器内に係合されることが可能であるように、より複雑な形状を有してもよい。
【0053】
ここで検討される実施例は、円形断面を有するスティックのものであるが、ここでは、閉じ込め封入容器は円筒状試験管という全体形状を有する。
【0054】
スティックは有利には0.5センチメートルから5センチメートル(好ましくは1センチメートルから3センチメートル)の間の最大横幅を有し、閉じ込め封入容器の内部断面は、1センチメートルから10センチメートル(好ましくは1センチメートルから5センチメートル)の間の最大横幅を有する。スティックの長さ(ヘッド部から下の)は、有利には5センチメートルから20センチメートルの間の範囲にあり、封入容器はその底部をこのスティックの端部から1cmから5cm離れたところに位置付けて有してもよい。
【0055】
保持ヘッド部は多様な形状、即ち円筒形状などの基本的な形状(図1および図2の実施例のものなど)、楕円形、または多角形状を有してもよいが、香水瓶のキャップに見受けられるようなより洒落た形状を有してもよい(花の形状、炎の形状、文字の形状など)。
【0056】
一例として、スティックは、長さ30mmの多孔性端部分を備えた、直径10mm、長さ120mmの細幅部と、直径15mm、長さ30mmのヘッド部とを有する(したがってこのスティックは150mmの長さである)。封入容器については、これは高さ124mm(3.9mm高さのリムを含む)、外部直径14mm(リムでは20mm)、底部は平坦で、厚みは0.85mmである。
【0057】
図2は、図1の保持ヘッド部12を上から見た図である。このヘッド部の中央領域から離れてマーク12Bがあることが分かる。マーク12Bは、この事例では、ほぼこのヘッド部の半径に沿って方向づけられている。このマークは溝、リブ、または色の付加によって具体化されることができる。
【0058】
ここに表わされていない代替形態として、特に洒落た形状の場合で(上記参照)ヘッド部が非対称の形状を有するとき、マークは、単にこの洒落た形状の細部(隆起状または凹状)からなることができる(例えば、花模様の場合の特定の花弁)。
【0059】
このようなマーキング要素は、提示スティックのその閉じ込め封入容器に対する配向が識別されることを可能にすることが理解される。実際、スティックのその封入容器内の位置に応じていろいろな方法で配向されることが可能なのは、保持ヘッド部によって支承されるこれらのマークである(これを行うことが可能であるためには、例えば楕円の断面の場合には、提示スティックが少なくとも2つの可能な構成に案内されることをネック部の断面が可能にしさえすればよい。したがって、以下に述べられることは、スティックの下方部が円筒である場合に限らない)。
【0060】
図3および図4は、提示スティックおよびその閉じ込め封入容器から独立した付属品を含んだ他の2つのマーキング要素(上述のマーキングと組み合わせられることが可能である)を示している。
【0061】
図3で30と付されたこの付属品は、閉じ込め封入容器のネック部21’と対応するスティックのヘッド部12’との間に介挿されることが可能な環状リングである。したがって、スティックのヘッド部12’はそれ自体その通常位置に対して持ち上げられた状態となっている。このように、デモンストレータは、対応するスティックをその封入容器に戻す前にリングを挿入することによって、後で選択を行う前に、潜在顧客によって興味があると見なされた香料を識別することが可能である。
【0062】
代替方法として、マーキング要素は図4の40と付されたU字形の部片であってもよい。これは上述のリングと同じように使用されることが可能であるが、こちらの方が、潜在顧客が選択を最終決定した後に取り外し易く、スティックをその封入容器から完全に取り出す必要がない。
【0063】
有利には、所与の香料を提示するデバイス(図1のデバイスまたは類似のデバイスなど)は、香料を保管および放出するセット(またはより単純には香料を提示するセット)の一部を形成し、これは、同一の支持体によって閉じ込め封入容器が支承される複数の提示デバイスを備える。
【0064】
このように図5は、ここで51と付された同一の支持体上の列および段に分配された、1A、1B、1C、1Dと付された提示デバイスのアレイまたは集合体50を示している。表わされていない代替方法として、デバイスは互い違いの構成で分配される。それとは対照的に、デバイスは洒落たパターンで不均一に分配されてもよい。
【0065】
選好として、このアレイ内のデバイスは全て同じ形状を有する。しかしながら、特に美観上の理由から、列によって、段によって、または周囲部に対するそれらの位置などに応じてデバイスが差別化されるようになされてもよい。各提示デバイスのスティックと封入容器とが固有の寸法または形状を有して、スティックがそれ自体の閉じ込め封入容器内にだけ係合されることが可能となることを保証するようになされてもよい。実際には、図5のこのセットのデバイスは、スティックが、このスティックが属する封入容器の付近の封入容器内に係合されることを阻止するように、隣接したデバイスから差別化されるだけでよい。
【0066】
香料をデモンストレートする際、デモンストレータはこのように極めて類似した条件下で様々な香料を利用することが可能である。デバイスのアレイで可能となる均一性は、このデモンストレーションの美観的なアピールに資する場合がある。
【0067】
有利には、例えば以上に述べたものなどのマーキング要素は、最終的な選択が中からなされることになるこれらの香料が、それぞれが初めて提示される毎に識別されることを可能にするようになされる。
【0068】
図6はこのように、デバイス1Aおよび1Dがそれらのマークを右に配向しており、デバイス1Bおよび1Cがそれらのマークを上に配向していることを示している。デモンストレータによって使用される慣習的技法に依存して、これは、デバイス1Bおよび1C内に含まれた香料が選択手順における次の段階のために予備選択されたことを、デバイス1Aおよび1D内に含まれた香料が取っておかれてはいないことを意味する場合がある。
【0069】
図7について、これは2つのデバイス1Yおよび1Zを並べて示しており、そのうちの一方(この場合は1Z)はその保持ヘッド部の下にリングを介在させている。これは、デバイス1Z内に含まれた香料が、デバイス1Yの香料とは異なって、選択手順の次の段階のために取っておかれていることを意味する場合がある。
【0070】
当然ながら、デモンストレータは、(いくつかのリングをヘッド部の下に介在させる)などによって、いくつかの色のリングを使用して(特に潜在顧客によってなされたコメントを特徴付けるために)、またはいくつかの予備選択をおこなうために、多様な慣習的技法を使用してもよい。
【0071】
香料を提示する際に使用されるアプローチは、典型的に以下のステップ:
それぞれの閉じ込め封入容器内に提示スティックをそれぞれが備える複数の提示デバイスであって、この閉じ込め封入容器はネック部を有し、この提示スティックは、このネック部を通過することが可能な多孔性部分と、休止構成で多孔性部分がこの閉じ込め封入容器の内部にあるようにこのネック部を塞ぐように設計された保持ヘッド部を形成する他の部分とを有し、保持ヘッドから下の提示スティックと閉じ込め封入容器とが製作されている材料がそれら自体の匂いを有さないデバイスを準備するステップと、
各スティックに特定の香料を添加し、スティックをその休止構成でその閉じ込め封入容器内に配置して、多孔性部分が、香料が気体の状態でのみ存在するそれぞれの閉じ込め封入容器の領域内にある状態にするステップと、
一連の提示スティックを、デモンストレータのコレスポンデントによって表わされた選択に従って連続して抜き出して、このスティックを、その閉じ込め封入容器内にそれを休止構成に嵌め戻すことによって、選択されたものとして、または選択されなかったものとしてマーキングするステップと、
選択されたものとしてマークされたスティックの少なくとも一部を再度、連続して抜き出すステップとを含む。
【0072】
有利には、提示デバイスは「中性の」香料に対応する。つまり、提示デバイスはこれを使用している人の能力を取り戻すことを目的とした香料に対応する。したがって、使用者が、続けて利用可能な香料を評価する前に、その嗅覚を「きれいにする」事が可能となるように、提示デバイスの集合体(これは香水組織とも呼ばれる場合がある)の中に、スティックにコーヒーまたはショウノウの抽出物が含浸された、またはなんらかの他の知られている花ではない香りが含浸されたデバイスが存在する場合もある。これによって使用者は他の香料を嗅ぎ、それらと前にテストされた香料との違いを知覚することが可能になる。
【0073】
図8から図14は、そのようなスティックを含んだデバイスの、または提示セットの提示スティックの実施形態の様々な代替形態を示している。
【0074】
このように、図8は、図7の提示セットとは異なった香料提示セット150の代替実施形態を示しているが、これは、共通の支持体によって支承される閉じ込め封入容器120が、この支持体内の穴内に係合されて実際にそれらが支持体から取り出されることが可能であるようにするものではもはやなく、この支持体と一体的に製作されているという点で異なっている。
【0075】
さらに、2部からなる提示スティックを作り出すために様々な構成が提案されてもよい。
【0076】
このように図9のスティック101は、中央芯部103に固定されたヘッド部102を備える。これは例えば金属などの適切な材料で全てが製作され、多孔性材料104で覆われている。このように中央芯部は、多孔性材料の剛性とは無関係に充分な剛性を保証することが可能な補強材を構成する一方、多孔性材料は、純粋に目的の香料が含浸されるその能力に基づいて選択されることが可能である。
【0077】
図10は、111と付されたその代替形態を表している。ここでは多孔性材料が中央芯部113にその高さの一部にわたってのみ取り付けられている。実際、この材料は少なくともこの芯部の下方部に取り付けられている。しかしながら保持ヘッド部により近い高さで1つまたは複数の他の部分があってもよい。ここでは2つの多孔性部分114Aおよび114B(ヘッド部112よりも小さな断面を有する)がある。
【0078】
図11は図1の代替形態であり、ここではスティック121は2つの部分、即ち下方部122と上方部123とから製作されている。しかしながら、ここでは上方部と下方部の間の界面はスティックの底端部と保持ヘッド部124との間のどこかに位置する。底部122は有利には図1の多孔性部分11に対応している。
【0079】
図9で提案されているものとは逆に、図12のスティック131の中央部133は、香料が含浸されることが可能な多孔性材料で製作されてもよいが、この中央部は、例えば無孔性材料などの他のなんらかの材料で製作され、ここでは多孔性の中央部と外部との間の連通をもたらす複数のダクト135が設けられたスリーブ134によって取り囲まれている。一例として、スリーブが製作されているこの材料はエナメルであり、これは多くの美観上の効果をもたらす。
【0080】
さらに、本発明は、スティックがその閉じ込め封入容器から必ずしも抜き出される必要がない事例に一般化されることも可能である。このように図13が表わしているデバイス140では、閉じ込め封入容器141に、提示スティックのヘッド部が中に係合されるネック部とは反対の端部で穴が設けられ、穴は取り外し可能な蓋142によって塞がれる。このように、この封入容器からスティックを抜き出す必要なく、封入容器を単に開閉することによって香料が知覚されることが可能である。
【0081】
封入容器151に、メッシュ152がスティックと封入容器の間に介在されて装着されるように設計することさえも、またこのメッシュに装着された、外部からアクセス可能なペグ153(図14内で底部右側に見える)に作用を及ばすことによって封入容器に対してメッシュを抜き出し、または戻す動きが、対象となっている封入容器内に保管された香料の知覚の役に立つように設計することさえも可能である(図14のデバイス150を参照)。
【0082】
スティックに所与の香料を添加するために、理論的には含浸させるために様々な可能な方法がある。
【0083】
このように、1つの選択肢として、毎日の、あるいはどの程度デバイスを使用するかに応じた他のなんらかの頻度の具体的な添加作業を予定することがある。添加作業は、例えば提示スティックの多孔性部分を、多孔性部分に対象となっている香料が毛管効果によって適切に添加されるようにする条件下で、特に相当の時間にわたって浸すことによって行う。スティックに所与の香料を添加するための適切な条件を規定することは、当業者の裁量内の単純な較正の問題である。
【0084】
代替形態として、製造時にスティックが含浸されるようになされる場合がある。これは、限定された使用期間しか有さない香料提示デバイスに対応する(しかしながら使用期間は現在使用されている紙片よりもなおはるかに長い)。
【0085】
このような代替形態は、潜在顧客にサンプルを配布して、顧客が一日の流れの中の様々な条件下でサンプルを試すことを可能にすることに役立つ。
【0086】
具体的には、本発明による提示デバイスは様々な形で使用されることが可能である:
・提示デバイスは、いくつかの可能な香料の中から選択がなされることを可能にする、
・提示デバイスは、サンプルを分配して快適な条件下でいくつかのテストを可能にするように使用されることが可能である、
・提示デバイスは、香料を捕捉して後続のその分析をするために使用されることが可能である、
・その他。
【0087】
テストは、多孔性部を潜在顧客の肌と接触させることによって、あるいは単に多孔性部分によって放たれる香水を吸い込むことによって実行可能であることが付け加えられ得る。
【0088】
必要に応じて、保持ヘッド部またはネック部に連結されたシールがこれら2つの要素の間に設けられてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料、特に香水を保管および放出するデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、特に消費者の選択の範囲を絞り込むことを目的として香料を模索するには、所与の香料を最終的に決定するためにいくつかの香料を試すことが必要となる。
【0003】
これを行うために、数枚の吸い取り紙片を使用することが慣例である(香料製造の分野では、これらはしばしば「テスト紙片」と呼ばれる)。より具体的には、デモンストレータがそのような紙片を、選択がなされる香料のうちの1つの少量をそれらに噴霧した後、次々にその潜在顧客に対して提示することになる。
【0004】
しかしながら、このようなアプローチでは、それぞれの香料について、紙片が吸収することが可能な量をしばしば超過する量を噴霧することが必要になり、そのために製品ロス(製品の紙片からの蒸発)、見苦しい液滴を形成するリスク、各紙片への無制御な添加が生じ(いくつかの紙片は香水で飽和される一方で、他の紙片は、どんな香水もほとんど添加されない)、様々な香料の強さを比較することが困難になり、テストされた香料の全てが徐々に環境に添加されるようになり、これによって、提示されている新しい香料に対する人の知覚が徐々に曇ってくるという欠点がある。
【0005】
紙片が一度だけ使用されるということは、紙片上に残った製品が、それが未だ完全に蒸発していないうちに投げ捨てられることを意味するということに留意すべきである。
【0006】
さらに、単純な紙片を使用して香水を提示しても、特に高級な香水の場合、潜在顧客が、提案されている香料の洗練度を評価するための正しい心構えに置かれることが常に可能になるわけではない。
【0007】
このような紙片の1つの特別な使用法として、それらを、平坦面上に配置した鈴形状のドームに組み合わせること、即ち、その端部に紙片を一時的に取り付けることが提案されている。この使用法は、紙片が鈴形状のドームの容積全体に添加されている香料を放出することを可能にし、そのようにして潜在顧客が香料を深く吸い込んで、その品質を評定することを可能にする。しかしながら、そのような解決法は、対象となっている平坦面上に大きな量のスペースを取り、多数の鈴形状ドームが取り扱われた後に混合を回避するための手立てがない。
【0008】
他の提案として、封入容器内に含浸布を配置し、封入容器が連続的に開かれて、布が取り出され、取り扱われ、布に含浸された香料が評価されることが可能となるというものもある。しかしながらその欠点は、デモンストレータの指が連続的に添加された香料で飽和してしまうということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
製品ロス(対象となっている製品の評価に全く役立たない)と、周囲雰囲気が不適切に香水で添加されるリスクとを最小限に抑えると同時に、所与の香料が提示される方法に特定の一貫性を保証し、また同時に、デモンストレータが、複数の香料をデモンストレートする際に一定量の作法を実行することを可能にしながら、香水などの香料を提示できるようにすることが求められている。実際、上述の一貫性とは、関係する香料を純粋で正確な形で放出するという目的に対応するが、これには香料を正しく保管することと、適切なタイミングで繰り返しこの香料を放出することとの両方が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このように本発明は、所与の香料を保管および放出するデバイスであって、閉じ込め封入容器内に提示スティックを備え、この閉じ込め封入容器はネック部を備え、この提示スティックはこの香料が添加された、このネック部を通過するように設計された多孔性部分と、休止構成で、多孔性部分が、この閉じ込め封入容器の内部で香料が気体の状態でのみ存在する領域内にあるように、このネック部に栓をするように設計された保持ヘッド部を形成した他の部分とを備え、保持ヘッド部よりも下の提示スティックと閉じ込め封入容器とが製作されている材料はそれら自体の匂いを有さない、デバイスを提案する。
【0011】
本発明によると、香料はこのように、その閉じ込め封入容器内で、主にスティックの多孔性部分の中に保管され、このことが製品ロスまたは液滴形成のリスクを最小限に抑え、スティックの多孔性部分は、それを閉じ込め封入容器の外部で、したがって多孔性スティックがその閉じ込め封入容器内に係合される前に、単に液体香料内に浸すことによって香料を添加されることが可能であることから、もはや蒸発がなく、またスティックがその閉じ込め封入容器内にあるとき、このスティック(またはいずれにしてもその多孔性部分)が液体の状態の香料と接触していないということは、このように液滴が形成されないことを保証するということが理解される。スティックが、閉じ込め封入容器のネック部を塞ぐヘッド部を有するということは、この封入容器内に保管された香料が外部に逃げるリスクを最小限に抑える。これは、雰囲気に極めて少量しか(または全く)この香料が添加されないことを意味し、さらに、閉じ込め封入容器内に保管された香料が容易に逃げることが不可能であるため、スティックがこの封入容器内に再係合されるとき、多孔性部分内に保管された香料は、この封入容器内で蒸発する傾向を極めて僅かにしか有さない。これは、このスティックが閉じ込め封入容器からの連続して抜き出される過程で実質的に同じ条件下で香料を提示することを意味している。
【0012】
香料は主に多孔性部分の中に保管されることから、提示スティックをその閉じ込め封入容器内に係合させて移送することによって、香料が液体の移動とは無関係に移送されることが可能になり、これは、漏れのリスクを回避するという注目すべき利点を有するということに留意すべきである。
【0013】
保持ヘッド部は有利には、香料がこのヘッド部を通って蒸発することを阻止するように設計されている。この理由から、このヘッド部は、少なくとも部分的に無孔性の材料で製作されることが好ましい。したがって、例えば、ヘッド部は有利には無孔性材料、または他方で、香料が逃げることを阻止する無孔性のコーティングで被覆された多孔性の材料(例えばスティックと一体である)で製作される。
【0014】
潜在的に組み合わされる、様々な追加の特徴が以下に示される。
【0015】
このように、有利には、この多孔性部分は提示スティックの自由端部のところまで延在する。このことは、典型的にはこの多孔性部分を液体香料に浸し、多孔性の塊を毛細管作用下に配置することによって、提示スティックを香料で添加することを容易にする。当然ながら、保持ヘッド部より下のスティック全体が多孔性であってもよい。
【0016】
同様に有利には、スティックの多孔性部分は、休止構成で、閉じ込め封入容器の内部のこの香料の潜在的な液体沈着物から非ゼロの間隔分離れている。したがって、この液体沈着物がスティックの多孔性部分と接触していないという条件で、閉じ込め封入容器の底内に香料の液体沈着物が存在するということが排除されることはない。このような液体沈着物の存在は、閉じ込め封入容器の内部容積が香料で恒久的に飽和状態となっていることを保証し、したがって、多孔性部分がこの香料で添加される程度が時間の経過にわたって実質的に一定であることを保証する、という利点を有することができる。
【0017】
同様に有利には、閉じ込め封入容器は、その休止構成で、提示スティックがネック領域でのみ閉じ込め封入容器と接触するように形状化および配向され、提示スティックはその保持ヘッド部から垂直方向に懸吊されている。このことは、スティックと閉じ込め封入容器の内部との間の接触部で液滴が形成されるのを阻止する。
【0018】
同様に有利には、閉じ込め封入容器は、保持ヘッド部から下の提示スティックの外部表面に沿って隙間をもって延びる内部壁を備える。このことは、閉じ込め封入容器の容積を、したがって、スティックが休止構成にあるとき香料が多孔性部分の外部に蒸発する傾向を最小限に抑える助けとなる。
【0019】
具体的には、閉じ込め封入容器が多かれ少なかれスティックの多孔性部の形状に沿っているということは、スティックがこの封入容器内に係合されているときに香料がそこに放出されるリスクを最小限に抑える。したがって、香料の放出は、このスティックが抜き出される度に実質的に一定のままの条件下で起こる。一方、雰囲気が、閉じ込め封入容器内で気体の状態で保管された香料で添加された状態となるリスクはほとんど(または全く)ない。当然のことながら、隙間の概念は広い意味で解釈されるべきものであり、実際にその間隔は数ミリメートルであってもよいことは理解されるべきである。
【0020】
同様に有利には、封入容器は、提示スティックの断面積の少なくとも2倍の断面積の断面を有する内部断面を有する。このことは、スティックを容易に閉じ込め封入容器から抜き出し、その中に係合させることを保証しながら、内部容積を、したがって閉じ込め封入容器の寸法を最小限に抑える。
【0021】
実際には、スティックの断面は有利には0.5センチメートルから5センチメートルの範囲の寸法を有し、閉じ込め封入容器の内部断面は有利には1センチメートルから10センチメートルの範囲の寸法を有する。これらの寸法の好ましい範囲は、スティックの内部断面の横断方向の寸法では1センチメートルから3センチメートルであり、閉じ込め封入容器の内部断面の横断方向の寸法では1センチメートルから5センチメートルである。
【0022】
スティックは、例えば5センチメートルから20センチメートルの範囲の長さを有し、対応する閉じ込め封入容器は、スティックの細幅部分に関しては、例えば1センチメートルから5センチメートルの範囲の任意量分大きな長さを有してもよい。実際、閉じ込め封入容器の底部は膨らんでいてもよい。
【0023】
有利には、提示スティックの断面と閉じ込め封入容器の断面とは、ネック部から下で実質的に円筒形である。代替方法として、提示スティックの断面と封入容器の断面とは、ネック部から下で実質的に多角形である(例えば正方形、長方形、六角形など)。これらの断面形状は、必要に応じてスティックがただ1つの角度構成でその閉じ込め封入容器内に係合されることが可能であるように、より複雑な多角形であってもよい。
【0024】
スティックの多孔部は、木材、セラミックなどを含む多様な材料から製作されてもよい。
【0025】
選好として、上述のタイプのデバイスが一緒に、複数の保管放出デバイス(または提示用セット)を備えた香料保管放出セット(または短く香料提示セット)としてグループにされて、その閉じ込め封入容器が同一の支持体によって担持される。これらの封入容器はこの支持体内の穴内で動かないように係合されてもよく、あるいは他方、この支持体に、例えばその一体的な部分として形成されるなどして固定されてもよい。封入容器は、例えば列、段に、あるいは特に互い違いの構成でアレイに配置されてもよい。
【0026】
美観上の理由から、提示デバイスは、有利には、所与のセットで全て同じ形状を有する。それらは同一の寸法も有してもよい。代替方法として、様々な提示デバイスのスティックと閉じ込め封入容器とは、それらに固有の寸法または形状を有して、スティックが、それが関連付けられている封入容器以外のなんらかの容器内に係合され得ないことを保証する。これは、1つの封入容器が、別のデバイスに関連付けられたスティックから汚染されないことを保証する。
【0027】
有利には、提示用セットはスティックマーキング要素を備える。これらは保持ヘッド部によって支承されるマーク(例えば、保持ヘッド部に関して中心から外れた凹型、または持ち上がった、または色付けされたスポット)であってもよい。マークは、封入容器内の長手方向のまわりで、スティックの位置に応じていろいろな方法で配向されることが可能である。代替方法として、これらのマーキング要素は、保持ヘッドを対応する閉じ込め封入容器のネック部に対して持ち上げる能力があるリングなどの、スティックや封入容器から独立した要素となる。
【0028】
本発明はまた、香料を提示する(または香料を保管および放出する)方法であって、以下のステップ:
それぞれの閉じ込め封入容器内に提示スティックをそれぞれが備える複数の保管放出(または提示)デバイスであって、この閉じ込め封入容器はネック部を有し、この提示スティックは、このネック部を通過することが可能な多孔性部分と、休止構成で多孔性部分がこの閉じ込め封入容器の内部にあるようにこのネック部を塞ぐように設計された保持ヘッド部を形成する他の部分とを有し、保持ヘッド部から下の提示スティックと閉じ込め封入容器とが製作されている材料がそれら自体の匂いを有さないデバイスを準備するステップと、
各スティックに特定の香料を添加し、スティックをその休止構成でその閉じ込め封入容器内に配置して、多孔性部分が、香料が気体の状態でのみ存在するそれぞれの閉じ込め封入容器の領域内にある状態にするステップと、
一連の提示スティックを、デモンストレータのコレスポンデントによって表わされた選択に従って連続して抜き出して、このスティックを、その閉じ込め封入容器内にそれを休止構成に嵌め戻すことによって、選択されたものとして、または選択されなかったものとしてマーキングするステップと、
選択されたものとしてマークされたスティックの少なくとも一部を再度、連続して抜き出すステップとを有する、方法を提案する。
【0029】
以下の非制限的で例示的な実施例としてここに掲げられた記述を、添付図面を参照して読めば、本発明の目的、特徴、および利点が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による提示デバイスの縦断面図である。
【図2】第1タイプのマーキング要素を示した図1のデバイスの提示スティックの上面図である。
【図3】スティックからも閉じ込め封入容器からも独立した他のタイプのマーキングを備えた図1のデバイスの上方部の断面図である。
【図4】代替形態のマーキング要素を備えた同じデバイスの提示スティックの上面図である。
【図5】図1の提示デバイスと同様の提示デバイスの集合形態の部分的斜視図である。
【図6】図2で見えるマーキング要素の可能な一使用法を示す、図5の集合形態の上面図である。
【図7】図3のマーキング要素の可能な一使用法を示す、いくつかのデバイスを連結する線による図5の集合形態の部分断面図である。
【図8】代替の集合形態を示す、図7の図と類似の図である。
【図9】代替形態の提示スティックの断面図である。
【図10】別の代替形態の提示スティックの断面図である。
【図11】さらに別の代替形態の提示スティックの断面図である。
【図12】さらに別の代替形態の提示スティックの断面図である。
【図13】本発明による代替形態の提示デバイスの断面図である。
【図14】本発明による別の代替形態の提示デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、提示スティック10を閉じ込め封入容器20内に備えた、所与の香料を提示するデバイス1を表している。この提示デバイスは、対象となっている香料を保管および放出のいずれをも行う能力がある。
【0032】
提示スティック10は、香料が添加された多孔性部分11と、保持ヘッドを形成した少なくとも1つの他の部分12とを備える。
【0033】
閉じ込め封入容器20はネック部21を有し、提示スティックの多孔性部分11は、このネック部21を通過するように設計され、他の部分12は、休止構成で、多孔性部分が、この閉じ込め封入容器の内部で香料が気体の状態でのみ存在する領域内にあるように、このネック部に栓をするように設計されている。この休止構成は図1に表わされている。図1は、閉じ込め封入容器の底内に少量の液体沈着物22も示しているが、この沈着物は、多孔性部分から、より一般的には全体としての提示スティックから非ゼロの間隔分離れている。実際、このような沈着物は求めているものではないが、提示スティックの多孔性部分に香料が添加されている(即ち含浸されている)諸条件によって発生する場合がある。
【0034】
ここで示されている実施例では、ネック部は上方に広がっている。ここで表わされていない代替形態では、ネック部は、僅かな面取りもなく、封入容器が支持体内で保持されることが可能となるリムの内側縁部によって単に形成されている(図5参照)。同様に、ヘッド部も、スティックの断面よりも大きな一定の断面を有した、横方向に角をなすショルダ部によってこのスティックに連結された部分によって単に形成されてもよい。
【0035】
ネック部に対して保持ヘッド部を適正に位置決めすることに関する理由から、提示スティックは有利には、スティックのヘッド部と下方部分とが出会うところで円錐台形の部分を有する(ヘッド部から下のこの下方部分は、その全体長さにわたって一定な断面を有するが、他のなんらかの形状を有することも可能であり、例えばその自由端部の方に先細りしてゆくことも可能である)。
【0036】
ここでのスティック自体の下方端部は底面からなるが、ここに表わされていない代替形態では、この端部は丸みがあることも可能である(言い換えれば、このスティックが一定の断面であっても、この一定性はもはやこのスティックの最後の数ミリメートルでは見られない)。
【0037】
提示スティック(少なくとも提示ヘッドより下の)と閉じ込め封入容器とが製作されている材料はそれら自体の匂いを有さない。即ち香料に関して中性であり、それに対する知覚を変えない。
【0038】
以下の材料を挙げることができる:
竹などの中性木材、
軽石、
陶磁器、
硬質フォーム、
硬質スポンジ、
ケイ酸またはケイ酸カルシウム(例えばガラス)、
ポリメチルシロキサンなどの合成材料、
バーミキュライト、
セルロース、
フェルト、
フィルタ、
プラスチックなど。
【0039】
代替方法として、剛性材料で製作されるのではなく、多孔性部分は、あるいは例えば香料、フォーム、またはスポンジで添加されることが可能な軟性材料を含む多孔性の剛性包体で製作されてもよく、または複数の穴(以上に述べたものなどの材料で製作されてもよい)を有してもよい。
【0040】
選好として、この多孔性部分11は下方に、提示スティックの自由端部のところまで延在する。このことは製造の観点から、また香料を添加(含浸)する観点からも有益である。
【0041】
具体的には、スティックは、スティック自体とそのヘッド部とについて単一の材料で製造されてもよく、一体としてとさえ製造されてもよい。
【0042】
しかしながら、提示スティックを2つの別々の部分から製造することが有利である。このように図1は、提示スティック10が一定の断面を有する部分13と、保持ヘッド部12を形成する、部分13の上方端部13Aが中に固定されるハウジング12Aを備える部分とを備える。この固定は、特にネジ山、接着、または留め具を使用して、適切な、知られている手段によって達成されてもよい。
【0043】
提示スティックがいくつかの部分で製作される場合、これらの部分は、これらの部分のそれぞれの役割に応じて選択された異なった材料で製作されてもよい。このように一定の断面を有する部分の材料は、その多孔性部の香料で添加される能力のために選択され、保持ヘッド部の材料は美観上の基準で選択されてもよい。
【0044】
当然ながら、こうした部分が2つより多くてもよい。このように、一定の断面を有する部分は2つの別々の部分から形成されてもよく、その一方は、多孔性部の香料で添加される能力のために選択された多孔性部分を構成し、他方はより美観上の機能を有してもよい。同様に、保持ヘッド部は、例えば貴金属で製作されたキャップによって覆われた芯部で形成されてもよい(このようにヘッド部は、スティック自体と一体のものとして、したがって多孔性材料で形成されてもよく、これに無孔性の覆いを付けることが考えられる)。一定断面を有する部分が取り外し可能に取り付けられる場合、貴重材料で製作されたヘッド部はそのままにして、それが取り換えられることができる。
【0045】
提示スティックの実施形態の様々な代替形態が、図9から図12を参照して以下に説明される。
【0046】
閉じ込め封入容器については、その役割が、香料が添加されたスティックを、それを変化させずに包含するという役目に限定されるならば、これは多様な材料から製作されてもよい。このように、閉じ込め封入容器は特にガラス、金属(例えばステンレススチール)、または合成材料から製作されてもよい。
【0047】
図1から明らかなように、閉じ込め封入容器20は有利には、その休止構成で、提示スティック10が、その保持ヘッド部から垂直方向に懸吊された状態で、ネック領域内だけで閉じ込め封入容器と接触するように構成および配向される。このような形で、実際のスティックと閉じ込め封入容器の内壁との間には接触がなく、このことはスティックが閉じ込め封入容器から抜き出される際に、香料の提示を損ない易い液滴形成のリスクを軽減する。
【0048】
本発明の他の有利な特徴によると、閉じ込め封入容器20は、保持ヘッド部から下の提示スティックの外部表面に沿って隙間をもって延びる内部壁を有する(この隙間は、例えば数ミリメートルなど、相当程度であってもよい)。こうした理由によって、提示スティックとネック部から下の閉じ込め封入容器との間に接触領域が生じることを回避するために封入容器が有利には垂直方向に設定される。
【0049】
上述の隙間が表わしてもよい、潜在的には相当程度であってもよい大きさの程度を示すために、以下のことが述べられる。即ち、封入容器は、提示スティックの断面積の最大で2倍に断面積が等しい内部断面を有するが、実際には隙間は少なくともミリメートル程度に等しい。
【0050】
提示スティックの下方部(保持ヘッドから下の)には様々な形状が与えられてもよいが、製造の理由から、また美観上の理由からも、選択される形状が均一であること、即ち、対称軸または対称面を有することが有利である。このように、この下方部は有利には円筒形のセクションを有する(したがって円形断面を有する)。これは、代替方法として、楕円形、または3よりも大きな最大寸法数を有することさえ可能である(例えば三葉型など)。
【0051】
以上に表わされていない代替形態としてこの下方部は多角形の断面、例えば正方形状、長方形状、三角形状、または特に六角形状の断面を有してもよい。
【0052】
この下方部は、1つの角度的構成でのみその閉じ込め封入容器内に係合されることが可能であるように、より複雑な形状を有してもよい。
【0053】
ここで検討される実施例は、円形断面を有するスティックのものであるが、ここでは、閉じ込め封入容器は円筒状試験管という全体形状を有する。
【0054】
スティックは有利には0.5センチメートルから5センチメートル(好ましくは1センチメートルから3センチメートル)の間の最大横幅を有し、閉じ込め封入容器の内部断面は、1センチメートルから10センチメートル(好ましくは1センチメートルから5センチメートル)の間の最大横幅を有する。スティックの長さ(ヘッド部から下の)は、有利には5センチメートルから20センチメートルの間の範囲にあり、封入容器はその底部をこのスティックの端部から1cmから5cm離れたところに位置付けて有してもよい。
【0055】
保持ヘッド部は多様な形状、即ち円筒形状などの基本的な形状(図1および図2の実施例のものなど)、楕円形、または多角形状を有してもよいが、香水瓶のキャップに見受けられるようなより洒落た形状を有してもよい(花の形状、炎の形状、文字の形状など)。
【0056】
一例として、スティックは、長さ30mmの多孔性端部分を備えた、直径10mm、長さ120mmの細幅部と、直径15mm、長さ30mmのヘッド部とを有する(したがってこのスティックは150mmの長さである)。封入容器については、これは高さ124mm(3.9mm高さのリムを含む)、外部直径14mm(リムでは20mm)、底部は平坦で、厚みは0.85mmである。
【0057】
図2は、図1の保持ヘッド部12を上から見た図である。このヘッド部の中央領域から離れてマーク12Bがあることが分かる。マーク12Bは、この事例では、ほぼこのヘッド部の半径に沿って方向づけられている。このマークは溝、リブ、または色の付加によって具体化されることができる。
【0058】
ここに表わされていない代替形態として、特に洒落た形状の場合で(上記参照)ヘッド部が非対称の形状を有するとき、マークは、単にこの洒落た形状の細部(隆起状または凹状)からなることができる(例えば、花模様の場合の特定の花弁)。
【0059】
このようなマーキング要素は、提示スティックのその閉じ込め封入容器に対する配向が識別されることを可能にすることが理解される。実際、スティックのその封入容器内の位置に応じていろいろな方法で配向されることが可能なのは、保持ヘッド部によって支承されるこれらのマークである(これを行うことが可能であるためには、例えば楕円の断面の場合には、提示スティックが少なくとも2つの可能な構成に案内されることをネック部の断面が可能にしさえすればよい。したがって、以下に述べられることは、スティックの下方部が円筒である場合に限らない)。
【0060】
図3および図4は、提示スティックおよびその閉じ込め封入容器から独立した付属品を含んだ他の2つのマーキング要素(上述のマーキングと組み合わせられることが可能である)を示している。
【0061】
図3で30と付されたこの付属品は、閉じ込め封入容器のネック部21’と対応するスティックのヘッド部12’との間に介挿されることが可能な環状リングである。したがって、スティックのヘッド部12’はそれ自体その通常位置に対して持ち上げられた状態となっている。このように、デモンストレータは、対応するスティックをその封入容器に戻す前にリングを挿入することによって、後で選択を行う前に、潜在顧客によって興味があると見なされた香料を識別することが可能である。
【0062】
代替方法として、マーキング要素は図4の40と付されたU字形の部片であってもよい。これは上述のリングと同じように使用されることが可能であるが、こちらの方が、潜在顧客が選択を最終決定した後に取り外し易く、スティックをその封入容器から完全に取り出す必要がない。
【0063】
有利には、所与の香料を提示するデバイス(図1のデバイスまたは類似のデバイスなど)は、香料を保管および放出するセット(またはより単純には香料を提示するセット)の一部を形成し、これは、同一の支持体によって閉じ込め封入容器が支承される複数の提示デバイスを備える。
【0064】
このように図5は、ここで51と付された同一の支持体上の列および段に分配された、1A、1B、1C、1Dと付された提示デバイスのアレイまたは集合体50を示している。表わされていない代替方法として、デバイスは互い違いの構成で分配される。それとは対照的に、デバイスは洒落たパターンで不均一に分配されてもよい。
【0065】
選好として、このアレイ内のデバイスは全て同じ形状を有する。しかしながら、特に美観上の理由から、列によって、段によって、または周囲部に対するそれらの位置などに応じてデバイスが差別化されるようになされてもよい。各提示デバイスのスティックと封入容器とが固有の寸法または形状を有して、スティックがそれ自体の閉じ込め封入容器内にだけ係合されることが可能となることを保証するようになされてもよい。実際には、図5のこのセットのデバイスは、スティックが、このスティックが属する封入容器の付近の封入容器内に係合されることを阻止するように、隣接したデバイスから差別化されるだけでよい。
【0066】
香料をデモンストレートする際、デモンストレータはこのように極めて類似した条件下で様々な香料を利用することが可能である。デバイスのアレイで可能となる均一性は、このデモンストレーションの美観的なアピールに資する場合がある。
【0067】
有利には、例えば以上に述べたものなどのマーキング要素は、最終的な選択が中からなされることになるこれらの香料が、それぞれが初めて提示される毎に識別されることを可能にするようになされる。
【0068】
図6はこのように、デバイス1Aおよび1Dがそれらのマークを右に配向しており、デバイス1Bおよび1Cがそれらのマークを上に配向していることを示している。デモンストレータによって使用される慣習的技法に依存して、これは、デバイス1Bおよび1C内に含まれた香料が選択手順における次の段階のために予備選択されたことを、デバイス1Aおよび1D内に含まれた香料が取っておかれてはいないことを意味する場合がある。
【0069】
図7について、これは2つのデバイス1Yおよび1Zを並べて示しており、そのうちの一方(この場合は1Z)はその保持ヘッド部の下にリングを介在させている。これは、デバイス1Z内に含まれた香料が、デバイス1Yの香料とは異なって、選択手順の次の段階のために取っておかれていることを意味する場合がある。
【0070】
当然ながら、デモンストレータは、(いくつかのリングをヘッド部の下に介在させる)などによって、いくつかの色のリングを使用して(特に潜在顧客によってなされたコメントを特徴付けるために)、またはいくつかの予備選択をおこなうために、多様な慣習的技法を使用してもよい。
【0071】
香料を提示する際に使用されるアプローチは、典型的に以下のステップ:
それぞれの閉じ込め封入容器内に提示スティックをそれぞれが備える複数の提示デバイスであって、この閉じ込め封入容器はネック部を有し、この提示スティックは、このネック部を通過することが可能な多孔性部分と、休止構成で多孔性部分がこの閉じ込め封入容器の内部にあるようにこのネック部を塞ぐように設計された保持ヘッド部を形成する他の部分とを有し、保持ヘッドから下の提示スティックと閉じ込め封入容器とが製作されている材料がそれら自体の匂いを有さないデバイスを準備するステップと、
各スティックに特定の香料を添加し、スティックをその休止構成でその閉じ込め封入容器内に配置して、多孔性部分が、香料が気体の状態でのみ存在するそれぞれの閉じ込め封入容器の領域内にある状態にするステップと、
一連の提示スティックを、デモンストレータのコレスポンデントによって表わされた選択に従って連続して抜き出して、このスティックを、その閉じ込め封入容器内にそれを休止構成に嵌め戻すことによって、選択されたものとして、または選択されなかったものとしてマーキングするステップと、
選択されたものとしてマークされたスティックの少なくとも一部を再度、連続して抜き出すステップとを含む。
【0072】
有利には、提示デバイスは「中性の」香料に対応する。つまり、提示デバイスはこれを使用している人の能力を取り戻すことを目的とした香料に対応する。したがって、使用者が、続けて利用可能な香料を評価する前に、その嗅覚を「きれいにする」事が可能となるように、提示デバイスの集合体(これは香水組織とも呼ばれる場合がある)の中に、スティックにコーヒーまたはショウノウの抽出物が含浸された、またはなんらかの他の知られている花ではない香りが含浸されたデバイスが存在する場合もある。これによって使用者は他の香料を嗅ぎ、それらと前にテストされた香料との違いを知覚することが可能になる。
【0073】
図8から図14は、そのようなスティックを含んだデバイスの、または提示セットの提示スティックの実施形態の様々な代替形態を示している。
【0074】
このように、図8は、図7の提示セットとは異なった香料提示セット150の代替実施形態を示しているが、これは、共通の支持体によって支承される閉じ込め封入容器120が、この支持体内の穴内に係合されて実際にそれらが支持体から取り出されることが可能であるようにするものではもはやなく、この支持体と一体的に製作されているという点で異なっている。
【0075】
さらに、2部からなる提示スティックを作り出すために様々な構成が提案されてもよい。
【0076】
このように図9のスティック101は、中央芯部103に固定されたヘッド部102を備える。これは例えば金属などの適切な材料で全てが製作され、多孔性材料104で覆われている。このように中央芯部は、多孔性材料の剛性とは無関係に充分な剛性を保証することが可能な補強材を構成する一方、多孔性材料は、純粋に目的の香料が含浸されるその能力に基づいて選択されることが可能である。
【0077】
図10は、111と付されたその代替形態を表している。ここでは多孔性材料が中央芯部113にその高さの一部にわたってのみ取り付けられている。実際、この材料は少なくともこの芯部の下方部に取り付けられている。しかしながら保持ヘッド部により近い高さで1つまたは複数の他の部分があってもよい。ここでは2つの多孔性部分114Aおよび114B(ヘッド部112よりも小さな断面を有する)がある。
【0078】
図11は図1の代替形態であり、ここではスティック121は2つの部分、即ち下方部122と上方部123とから製作されている。しかしながら、ここでは上方部と下方部の間の界面はスティックの底端部と保持ヘッド部124との間のどこかに位置する。底部122は有利には図1の多孔性部分11に対応している。
【0079】
図9で提案されているものとは逆に、図12のスティック131の中央部133は、香料が含浸されることが可能な多孔性材料で製作されてもよいが、この中央部は、例えば無孔性材料などの他のなんらかの材料で製作され、ここでは多孔性の中央部と外部との間の連通をもたらす複数のダクト135が設けられたスリーブ134によって取り囲まれている。一例として、スリーブが製作されているこの材料はエナメルであり、これは多くの美観上の効果をもたらす。
【0080】
さらに、本発明は、スティックがその閉じ込め封入容器から必ずしも抜き出される必要がない事例に一般化されることも可能である。このように図13が表わしているデバイス140では、閉じ込め封入容器141に、提示スティックのヘッド部が中に係合されるネック部とは反対の端部で穴が設けられ、穴は取り外し可能な蓋142によって塞がれる。このように、この封入容器からスティックを抜き出す必要なく、封入容器を単に開閉することによって香料が知覚されることが可能である。
【0081】
封入容器151に、メッシュ152がスティックと封入容器の間に介在されて装着されるように設計することさえも、またこのメッシュに装着された、外部からアクセス可能なペグ153(図14内で底部右側に見える)に作用を及ばすことによって封入容器に対してメッシュを抜き出し、または戻す動きが、対象となっている封入容器内に保管された香料の知覚の役に立つように設計することさえも可能である(図14のデバイス150を参照)。
【0082】
スティックに所与の香料を添加するために、理論的には含浸させるために様々な可能な方法がある。
【0083】
このように、1つの選択肢として、毎日の、あるいはどの程度デバイスを使用するかに応じた他のなんらかの頻度の具体的な添加作業を予定することがある。添加作業は、例えば提示スティックの多孔性部分を、多孔性部分に対象となっている香料が毛管効果によって適切に添加されるようにする条件下で、特に相当の時間にわたって浸すことによって行う。スティックに所与の香料を添加するための適切な条件を規定することは、当業者の裁量内の単純な較正の問題である。
【0084】
代替形態として、製造時にスティックが含浸されるようになされる場合がある。これは、限定された使用期間しか有さない香料提示デバイスに対応する(しかしながら使用期間は現在使用されている紙片よりもなおはるかに長い)。
【0085】
このような代替形態は、潜在顧客にサンプルを配布して、顧客が一日の流れの中の様々な条件下でサンプルを試すことを可能にすることに役立つ。
【0086】
具体的には、本発明による提示デバイスは様々な形で使用されることが可能である:
・提示デバイスは、いくつかの可能な香料の中から選択がなされることを可能にする、
・提示デバイスは、サンプルを分配して快適な条件下でいくつかのテストを可能にするように使用されることが可能である、
・提示デバイスは、香料を捕捉して後続のその分析をするために使用されることが可能である、
・その他。
【0087】
テストは、多孔性部を潜在顧客の肌と接触させることによって、あるいは単に多孔性部分によって放たれる香水を吸い込むことによって実行可能であることが付け加えられ得る。
【0088】
必要に応じて、保持ヘッド部またはネック部に連結されたシールがこれら2つの要素の間に設けられてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所与の香料を保管および放出するデバイスであって、閉じ込め封入容器(20)内に提示スティック(10)を備え、この閉じ込め封入容器がネック部(21)を備え、この提示スティックがこの香料が添加された、このネック部を通過するように設計された多孔性部分(11)と、休止構成で、多孔性部分が、この閉じ込め封入容器の内部で香料が気体の状態でのみ存在する領域内にあるように、このネック部に栓をするように設計された保持ヘッド部(12)を形成した他の部分とを備え、保持ヘッド部よりも下の提示スティックと閉じ込め封入容器とが製作されている材料がそれら自体の匂いを有さない、デバイス。
【請求項2】
この多孔性部分が提示スティックの自由端部のところまで延在することを特徴とする、請求項1に記載の保管放出デバイス。
【請求項3】
スティックの多孔性部分(11)が、休止構成で、閉じ込め封入容器の内部のこの香料の任意の潜在的な液体沈着物から非ゼロの間隔分離れていることを特徴とする、請求項1または2に記載の保管放出デバイス。
【請求項4】
閉じ込め封入容器が、その休止構成で、提示スティック(10)がネック領域でのみ閉じ込め封入容器(20)と接触するように形状化および配向され、提示スティックがその保持ヘッド部から垂直方向に懸吊されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の保管放出デバイス。
【請求項5】
閉じ込め封入容器(20)が、保持ヘッド部から下の提示スティックの外部表面に沿って隙間をもって延びる内部壁を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の保管放出デバイス。
【請求項6】
封入容器が、提示スティックの断面積の少なくとも2倍の断面積の断面を有する内部断面を有することを特徴とする、請求項5に記載の保管放出デバイス。
【請求項7】
提示スティックの断面と閉じ込め封入容器の断面とがネック部から下で実質的に円筒形であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の保管放出デバイス。
【請求項8】
提示スティックの断面と閉じ込め封入容器の断面とがネック部から下で実質的に多角形であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の保管放出デバイス。
【請求項9】
保持ヘッドが少なくとも部分的に無孔性であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の保管放出デバイス。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の複数の保管放出デバイス(1A、1B、1C、1D、1Y、1Z)を備えた、香料を保管および放出するためのセットであって、その閉じ込め封入容器が同一支持体(51)によって担持されているセット。
【請求項11】
提示デバイスがみな同じ形状を有することを特徴とする、請求項10に記載の保管放出セット。
【請求項12】
スティックマーキング要素(12B、30、40)を備えることを特徴とする、請求項10または11に記載の保管放出セット。
【請求項13】
マーキング要素が、保持ヘッド部によって支承される、スティックのその封入容器内の位置に応じていろいろな方法で配向されることが可能であるマーク(12B)であることを特徴とする、請求項12に記載の保管放出セット。
【請求項14】
マーキング要素(30)が、保持ヘッドを対応する閉じ込め封入容器のネック部に対して持ち上げることが可能なリングであることを特徴とする、請求項12に記載の保管放出セット。
【請求項15】
香料を保管および放出する方法であって、以下のステップ、即ち、
それぞれの閉じ込め封入容器(20)内に提示スティック(10)をそれぞれが備える複数の提示デバイス(1A、1B、1C、1D)にであって、この閉じ込め封入容器がネック部(21)を有し、この提示スティックが、このネック部を通過することが可能な多孔性部分(11)と、休止構成で多孔性部分がこの閉じ込め封入容器の内部にあるようにこのネック部を塞ぐように設計された保持ヘッド部(12)を形成する他の部分とを有し、保持ヘッドから下の提示スティックと閉じ込め封入容器とが製作されている材料がそれら自体の匂いを有さないデバイスを準備するステップと、
各スティックに特定の香料を添加し、スティックをその休止構成でその閉じ込め封入容器内に配置して、多孔性部分が、香料が気体の状態でのみ存在するそれぞれの閉じ込め封入容器の領域内にある状態にするステップと、
一連の提示スティックを、デモンストレータのコレスポンデントによって表わされた選択に従って連続して抜き出して、このスティックを、その閉じ込め封入容器内にそれを休止構成に嵌め戻すことによって、選択されたものとして、または選択されなかったものとしてマーキングするステップと、
選択されたものとしてマークされたスティックの少なくとも一部を再度、連続して抜き出すステップとを有する方法。
【請求項1】
所与の香料を保管および放出するデバイスであって、閉じ込め封入容器(20)内に提示スティック(10)を備え、この閉じ込め封入容器がネック部(21)を備え、この提示スティックがこの香料が添加された、このネック部を通過するように設計された多孔性部分(11)と、休止構成で、多孔性部分が、この閉じ込め封入容器の内部で香料が気体の状態でのみ存在する領域内にあるように、このネック部に栓をするように設計された保持ヘッド部(12)を形成した他の部分とを備え、保持ヘッド部よりも下の提示スティックと閉じ込め封入容器とが製作されている材料がそれら自体の匂いを有さない、デバイス。
【請求項2】
この多孔性部分が提示スティックの自由端部のところまで延在することを特徴とする、請求項1に記載の保管放出デバイス。
【請求項3】
スティックの多孔性部分(11)が、休止構成で、閉じ込め封入容器の内部のこの香料の任意の潜在的な液体沈着物から非ゼロの間隔分離れていることを特徴とする、請求項1または2に記載の保管放出デバイス。
【請求項4】
閉じ込め封入容器が、その休止構成で、提示スティック(10)がネック領域でのみ閉じ込め封入容器(20)と接触するように形状化および配向され、提示スティックがその保持ヘッド部から垂直方向に懸吊されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の保管放出デバイス。
【請求項5】
閉じ込め封入容器(20)が、保持ヘッド部から下の提示スティックの外部表面に沿って隙間をもって延びる内部壁を備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の保管放出デバイス。
【請求項6】
封入容器が、提示スティックの断面積の少なくとも2倍の断面積の断面を有する内部断面を有することを特徴とする、請求項5に記載の保管放出デバイス。
【請求項7】
提示スティックの断面と閉じ込め封入容器の断面とがネック部から下で実質的に円筒形であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の保管放出デバイス。
【請求項8】
提示スティックの断面と閉じ込め封入容器の断面とがネック部から下で実質的に多角形であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の保管放出デバイス。
【請求項9】
保持ヘッドが少なくとも部分的に無孔性であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の保管放出デバイス。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の複数の保管放出デバイス(1A、1B、1C、1D、1Y、1Z)を備えた、香料を保管および放出するためのセットであって、その閉じ込め封入容器が同一支持体(51)によって担持されているセット。
【請求項11】
提示デバイスがみな同じ形状を有することを特徴とする、請求項10に記載の保管放出セット。
【請求項12】
スティックマーキング要素(12B、30、40)を備えることを特徴とする、請求項10または11に記載の保管放出セット。
【請求項13】
マーキング要素が、保持ヘッド部によって支承される、スティックのその封入容器内の位置に応じていろいろな方法で配向されることが可能であるマーク(12B)であることを特徴とする、請求項12に記載の保管放出セット。
【請求項14】
マーキング要素(30)が、保持ヘッドを対応する閉じ込め封入容器のネック部に対して持ち上げることが可能なリングであることを特徴とする、請求項12に記載の保管放出セット。
【請求項15】
香料を保管および放出する方法であって、以下のステップ、即ち、
それぞれの閉じ込め封入容器(20)内に提示スティック(10)をそれぞれが備える複数の提示デバイス(1A、1B、1C、1D)にであって、この閉じ込め封入容器がネック部(21)を有し、この提示スティックが、このネック部を通過することが可能な多孔性部分(11)と、休止構成で多孔性部分がこの閉じ込め封入容器の内部にあるようにこのネック部を塞ぐように設計された保持ヘッド部(12)を形成する他の部分とを有し、保持ヘッドから下の提示スティックと閉じ込め封入容器とが製作されている材料がそれら自体の匂いを有さないデバイスを準備するステップと、
各スティックに特定の香料を添加し、スティックをその休止構成でその閉じ込め封入容器内に配置して、多孔性部分が、香料が気体の状態でのみ存在するそれぞれの閉じ込め封入容器の領域内にある状態にするステップと、
一連の提示スティックを、デモンストレータのコレスポンデントによって表わされた選択に従って連続して抜き出して、このスティックを、その閉じ込め封入容器内にそれを休止構成に嵌め戻すことによって、選択されたものとして、または選択されなかったものとしてマーキングするステップと、
選択されたものとしてマークされたスティックの少なくとも一部を再度、連続して抜き出すステップとを有する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2011−502079(P2011−502079A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530511(P2010−530511)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001501
【国際公開番号】WO2009/092874
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(506273087)シャネル パルファン ボーテ (20)
【氏名又は名称原語表記】CHANEL PARFUMS BEAUTE
【住所又は居所原語表記】135,avenue Charles de Gaulle,F−92200 Neuilly sur Seine,France
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/FR2008/001501
【国際公開番号】WO2009/092874
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(506273087)シャネル パルファン ボーテ (20)
【氏名又は名称原語表記】CHANEL PARFUMS BEAUTE
【住所又は居所原語表記】135,avenue Charles de Gaulle,F−92200 Neuilly sur Seine,France
【Fターム(参考)】
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