説明

駆動シリンダ

【課題】ピストンロッドに付着した異物がシリンダ内に侵入することを、抑制することができる駆動シリンダを提供すること。
【解決手段】
シリンダ20と、シリンダ20内にスライド可能に設けられるピストンロッド22とを備え、排出シュート17に形成されたシュート側挿通穴18に、ピストンロッド22がスライド可能に挿通されて用いられるエアシリンダ12に、ピストンロッド22の外周面と、シュート側挿通穴18の内周面との間に形成される隙間40に、ピストンロッド22の外周すべてにわたって圧縮空気を供給する気流形成部材25を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動シリンダ、詳しくは、開閉弁などを開閉させるために用いられる駆動シリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
シリンダと、シリンダ内にスライド可能に設けられるピストンロッドとを備え、気流によってピストンロッドをスライドさせるエアシリンダーを、開閉弁などを駆動させるために用いることが知られている。
【0003】
例えば、粉粒体の流通路を開閉するダンパーに、エアシリンダーを設け、流通路に、ダンパーのスライドを案内するガイドと、ダンパーの先端を収容する溝とを形成し、ダンパーをスライドさせるときに、ガイドおよび溝に流通路内に向けて圧縮気体を供給して、ガイドおよび溝への粉粒体の噛み込みを防止するスライドダンパー装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平3−119675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記した特許文献1に記載のスライドダンパー装置によれば、ダンパーの外周すべてにわたって圧縮気体を作用させることが困難であり、ダンパーに付着した粉粒体を除去する効率が、部分的に劣る場合がある。
【0006】
そのため、ダンパーに付着した粉粒体が、ダンパーを収容するカバー内に引き込まれる場合がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ピストンロッドに付着した異物がシリンダ内に侵入することを、抑制することができる駆動シリンダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、シリンダと、前記シリンダ内にスライド可能に設けられるピストンロッドとを備え、ロッド挿通部材に形成された第1挿通穴に、前記ピストンロッドがスライド可能に挿通されて用いられる駆動シリンダであって、挿通された前記ピストンロッドの外周面と、前記第1挿通穴の内周面との間に形成される隙間に、前記ピストンロッドの外周すべてにわたって流体を供給する流体供給手段を備えることを特徴としている。
【0009】
このような構成によれば、流体供給手段により、ピストンロッドの外周面と、第1挿通穴の内周面との間に形成される隙間に、ピストンロッドの外周すべてにわたって流体を供給することができる。
【0010】
そのため、ピストンロッドに異物が付着している場合でも、流体によって、ピストンロッドに付着した異物を除去することができる。
【0011】
その結果、ピストンロッドに付着した異物がシリンダ内に侵入することを、抑制することができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記流体供給手段は、外部から流体が供給される第1通路と、前記第1通路に連通され、前記軸方向に沿って、前記ピストンロッドの外周面に対向するように延び、前記軸方向に沿って流体の流れを許容する第2通路とを備えることを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、第1通路に供給された流体を、第2通路において、ピストンロッドの外周面に沿って軸方向に流すことができる。
【0014】
そのため、ピストンロッドに付着した異物がシリンダ内に侵入することを、より抑制することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記流体供給手段は、前記第2通路の前記軸方向一端部に連通される整流通路と、前記整流通路に対して前記軸方向と直交する方向に遊びを有するように、前記整流通路内に配置され、前記軸方向と直交する方向に遊びを有するように、前記ピストンロッドが挿通される第2挿通穴が形成された整流部材とを備えることを特徴としている。
【0016】
このような構成によれば、整流通路内に遊びを有するように配置される整流部材の第2挿通穴に、ピストンロッドが、軸方向と直交する方向に遊びを有するように挿通されている。
【0017】
そのため、整流通路に流体が流されると、流体の流れによって、整流部材がピストンロッドから浮き上がるように離間されることにより、整流部材とピストンロッドとの間隔が、ピストンロッドの外周すべてにわたって、均一に調整される。
【0018】
その結果、ピストンロッドの外周すべてにわたって、均一に流体を通過させることができる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発明において、流体により駆動される駆動シリンダであって、前記流体供給手段には、前記駆動シリンダを駆動させるために用いられる流体の一部が分岐されて供給されることを特徴としている。
【0020】
このような構成によれば、駆動シリンダを駆動させるために用いられる流体を利用して、ピストンロッドに付着した異物を除去することができる。
【0021】
そのため、別途、流体供給手段に流体を供給するための構成を設けることなく、簡易な構成で、ピストンロッドに付着した異物がシリンダ内に侵入することを、抑制することができる。
【0022】
また、駆動シリンダが駆動されると同時に、カバー部材とピストンロッドとの間に流体を流すことができる。
【0023】
そのため、ピストンロッドをスライドさせるタイミングと、カバー部材とピストンロッドとの間に流体を流すタイミングとを、確実に同期させることができる。
【0024】
その結果、ピストンロッドに付着した異物がシリンダ内に侵入することを、より一層抑制することができる。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に記載の発明によれば、ピストンロッドに付着した異物がシリンダ内に侵入することを、抑制することができる。
【0026】
また、請求項2に記載の発明によれば、ピストンロッドに付着した異物がシリンダ内に侵入することを、より抑制することができる。
【0027】
また、請求項3に記載の発明によれば、ピストンロッドの外周すべてにわたって、均一に流体を通過させることができる。
【0028】
また、請求項4に記載の発明によれば、ピストンロッドに付着した異物がシリンダ内に侵入することを、より一層抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の駆動シリンダの一実施形態としてのエアシリンダを備えた混合造粒装置を示す側断面図である。
【図2】図1に示す開閉機構部の拡大図であって、開閉機構部の開状態を示す。
【図3】図2に示すエアシリンダの軸方向一端部であって、気流形成部材が設けられている部分の断面を示す要部断面図である。
【図4】図3に示す気流形成部材のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の駆動シリンダの一実施形態としてのエアシリンダを備えた混合装置を示す側断面図である。
【0031】
混合装置1は、図1に示すように、支持フレーム2、タンク3および攪拌羽根4を備えている。混合装置1は、タンク3内に投入された粉粒体などの材料を、攪拌羽根4の回転により混合する。
【0032】
支持フレーム2は、混合装置1の下側に設けられる略ボックス形状の基体部分であり、タンク3および攪拌羽根4を支持している。また、支持フレーム2内には、攪拌羽根4にモータ(図示せず)からの駆動力を伝達する駆動伝達機構(図示せず)が内装されている。
【0033】
タンク3は、上方が開放される有底円筒形状をなし、支持フレーム2上に設置されている。また、タンク3は、材料を投入するための投入部5と、材料を排出するための排出部6とを備えている。
【0034】
投入部5は、タンク3の上端部に設けられている。投入部5には、材料の通過を許容する投入口7が上側に向かって開放されるように形成され、投入口7を開閉する上蓋8が設けられている。
【0035】
排出部6は、タンク3の下端部に設けられている。排出部6には、材料の通過を許容する排出口9が斜め下側に向かって開放されるように形成され、排出口9を開閉する開閉機構部10が設けられている。
【0036】
開閉機構部10は、後で詳述するが、排出口9を開閉する排出扉11と、排出扉11に連結されるエアシリンダ12(駆動シリンダの一例)とを備えている。開閉機構部10は、エアシリンダ12の進退駆動により、排出扉11を、排出口9を開放する開位置(図2参照)と、排出口9を閉鎖する閉位置(図1参照)とに移動させて、排出口9を開閉する。
【0037】
攪拌羽根4は、タンク3の中央部に設けられる回転軸13と、その回転軸13に設けられる上羽根14および下羽根15とを備えている。
【0038】
回転軸13は、タンク3の中央部において、タンク3の底壁を上下方向に回転可能に貫通し、その上端部が、タンク3内に突出されるとともに、その下端部が、支持フレーム2に軸受16を介して回転自在に支持されている。回転軸13には、モータ(図示せず)からの駆動力が、駆動伝達機構(図示せず)を介して入力される。
【0039】
上羽根14は、タンク3内に突出された回転軸13の上端部において、径方向外側に延びるように設けられている。
【0040】
下羽根15は、タンク3内に突出された回転軸13の下端部において、径方向外側に延びるように設けられている。下羽根15は、側面視において、回転軸13から略水平方向に延び、その先端部が、タンク3の内周面に沿ってやや上方に湾曲するように形成されている。
【0041】
図2は、図1に示す開閉機構部の拡大図であって、開閉機構部の開状態を示す。図3は、図2に示すエアシリンダの軸方向一端部であって、気流形成部材が設けられている部分の断面を示す要部断面図である。
【0042】
開閉機構部10は、上述し、図2に示すように、排出扉11、排出シュート17(ロッド挿通部材の一例)、エアシリンダ12および気力供給ライン41を備えている。
【0043】
排出扉11は、閉位置において、排出口9を密閉するように、排出口9に嵌合される平板形状に形成されている。また、排出扉11の表面は、閉位置において、タンク3の内周面と略面一となるように形成されている。また、排出扉11は、開位置において、排出口9を開放するように、排出口9から離間され、排出口9に対向配置されている。
【0044】
排出シュート17は、排出口9を囲む略筒形状に形成されており、下方に向けて開放され、排出口9から排出された材料を下方に案内する。また、排出シュート17には、シュート側挿通穴18(第1挿通穴の一例)が形成されている。
【0045】
シュート側挿通穴18は、タンク3の排出口9に対して、排出扉11の退避方向に間隔を隔てて対向配置されており、エアシリンダ12のピストンロッド22(後述)の直径よりもわずかに大径な略円形状に貫通形成されている。
【0046】
エアシリンダ12は、シリンダ20、ピストンロッド22および気流形成部材25(流体供給手段の一例)を備えている。
【0047】
シリンダ20は、筒部材21、第1カバー部材23、第2カバー部材37を備えている。
【0048】
筒部材21は、略円筒形状に形成されている。
【0049】
第1カバー部材23は、筒部材21の軸方向に厚みを有し、筒部材21の径方向において、筒部材21の外径よりも幅広な略矩形平板形状に形成され、筒部材21の軸方向一端部を閉鎖するように、筒部材21の軸方向一端部に連結されている。
【0050】
第1カバー部材23には、筒部材21の軸方向一端部と連通される図示しない気流通路が形成されている。また、第1カバー部材23には、エアシリンダ側挿通穴30が形成されている。
【0051】
エアシリンダ側挿通穴30は、第1カバー部材23と中心軸線を共有するように、軸方向に沿って貫通形成されている。また、エアシリンダ側挿通穴30の直径は、エアシリンダ12のピストンロッド22(後述)の直径よりもわずかに大径である。
【0052】
第2カバー部材37は、筒部材21の軸方向に厚みを有し、筒部材21の径方向において、筒部材21の外径よりも幅広な略矩形平板形状に形成され、筒部材21の軸方向他端部を閉鎖するように、筒部材21の軸方向他端部に連結されている。
【0053】
第2カバー部材37には、筒部材21の軸方向他端部と連通される図示しない気流通路が形成されている。
【0054】
ピストンロッド22は、筒部材21の軸方向に延び、筒部材21よりも長尺に形成されている。ピストンロッド22は、軸方向一端部が、第1カバー部材23のエアシリンダ側挿通穴30に挿通されて、シリンダ20から突出されるように、シリンダ20内にスライド可能に設けられている。
【0055】
気流形成部材25は、第1カバー部材23と中心軸線を共有するように軸方向に沿って延びる略円筒形状に形成されている。気流形成部材25は、フレーム26、パッキン27、整流部材28およびジョイント35を備えている。
【0056】
フレーム26は、第1カバー部材23と中心軸線を共有するように軸方向に沿って延びる略円筒形状に形成されている。また、フレーム26の軸方向一端部には、軸方向一端部から径方向外側へ向かって突出する鍔部が設けられている。フレーム26の内径は、その内周面とピストンロッド22の外周面との間に第2通路38(後述)が形成されるように、ピストンロッド22の外径よりも大きく形成されている。
【0057】
また、フレーム26には、貫通穴32(第1通路の一例)、パッキン嵌合溝33および整流部材収容部34(整流通路の一例)が形成されている。
【0058】
貫通穴32は、フレーム26の軸方向略中央において、フレーム26を径方向に貫通形成されている。また、貫通穴32の内周面には、ねじ山が形成されている。
【0059】
ジョイント35は、略円筒形状に形成されており、その一端部の外周面にねじ山が形成されている。ジョイント35は、貫通穴32に螺合されている。また、ジョイント35は、気流形成部材25とともに流体供給手段を構成する。
【0060】
パッキン嵌合溝33は、フレーム26の軸方向他端部の内周面において、断面略凹字形状に形成されている。
【0061】
整流部材収容部34は、フレーム26の軸方向一端部において、フレーム26の内周面から径方向外方に向かって切り欠き形成されている。
【0062】
パッキン27は、ゴムなどの弾性材料から、パッキン嵌合溝33の溝幅よりも薄い略円環平板形状に形成され、パッキン嵌合溝33内に嵌合されている。パッキン27の内径は、その内周面がピストンロッド22の外周面に接触するように、ピストンロッド22の直径よりもわずかに小径に形成されている。また、パッキン27の外径は、パッキン嵌合溝33の外径よりもわずかに小径に形成されている。
【0063】
整流部材28は、略円環形状に形成されている。整流部材28の内径は、ピストンロッド22に遊嵌されるように、ピストンロッド22の直径よりも大径に形成されている。すなわち、整流部材28には、径方向に遊びを有するようにピストンロッド22が挿通される第2挿通穴24が形成されている。また、整流部材28の外径は、整流部材収容部34に遊びを有して嵌合されるように、整流部材収容部34の外径よりもわずかに小径に形成されている。また、整流部材28の内周には、テーパ面39が形成されている。
【0064】
テーパ面39は、整流部材28の軸方向他端面から軸方向一方に向かって、軸方向他方から軸方向一方に向かうに従って縮径されるように、傾斜されている。
【0065】
そして、エアシリンダ12は、軸方向一端部において、ピストンロッド22が、気流形成部材25、および、排出シュート17のシュート側挿通穴18に挿通されるように、略角柱形状の1対のスペーサ29を介して排出シュート17に接続されている。
【0066】
詳しくは、気流形成部材25は、エアシリンダ12の第1カバー部材23と、排出シュート17との間に配置され、ピストンロッド22が、パッキン27、フレーム26および整流部材28に挿通されるように、排出シュート17の軸方向一端部に固定されている。
【0067】
また、パッキン27と整流部材28との間において、フレーム26の内周面と、ピストンロッド22の外周面との間に第2通路38が形成されている。そして、整流部材収容部34は、第2通路38の軸方向一端部に連通されている。
【0068】
また、排出シュート17のシュート側挿通穴18の内周面と、ピストンロッド22の外周面との間にわずかに隙間40が形成されている。
【0069】
なお、1対のスペーサ29は、気流形成部材25を径方向両側から挟むように、第1カバー部材23の径方向外側端部と、排出シュート17との間に配置されている。そして、ジョイント35は、両スペーサ29の間から露出されている。
【0070】
また、ピストンロッド22の軸方向一端部は、排出扉11に連結されている。
【0071】
気力供給ライン41は、図2に示すように、電磁弁42、第1気力供給ライン43、第2気力供給ライン44、第3気力供給ライン45および第4気力供給ライン46を備えており、図示しないエアコンプレッサからの圧縮空気(流体の一例)をエアシリンダ12に供給する。
【0072】
電磁弁42は、気力供給ライン41の途中に設けられており、圧縮空気を第2気力供給ライン44へ供給する第1位置と、圧縮空気を第3気力供給ライン45および第4気力供給ライン46へ供給する第2位置とに切り替えられる。
【0073】
第1気力供給ライン43は、圧縮空気の供給方向(以下、単に供給方向とする)上流側端部がエアコンプレッサ(図示せず)に接続され、供給方向下流側端部が電磁弁42に接続されている。
【0074】
第2気力供給ライン44は、供給方向上流側端部が電磁弁42に接続され、供給方向下流側端部が第2カバー部材37の気流通路(図示せず)に接続されている。
【0075】
第3気力供給ライン45は、供給方向上流側端部が電磁弁42に接続され、供給方向下流側端部が第1カバー部材23の気流通路(図示せず)に接続されている。
【0076】
第4気力供給ライン46は、供給方向上流側端部が第3気力供給ライン45の途中に接続され、供給方向下流側端部が気流形成部材25のジョイント35に接続されている。
【0077】
図4は、図3に示す気流形成部材のA−A断面図である。
【0078】
次いで、開閉機構部10の開閉動作について、図2〜図4を参照しながら説明する。なお、開閉機構部10は、排出口9を閉鎖する閉状態(図1参照)となっているものとする。
【0079】
開閉機構部10が閉状態となっているときには、電磁弁42は、第1位置に配置されている。
【0080】
これにより、エアコンプレッサ(図示せず)からの圧縮空気は、第2気力供給ライン44、および、第2カバー部材37の気流通路(図示せず)を介して、筒部材21の軸方向他端部に供給される。
【0081】
これにより、ピストンロッド22は、圧縮空気によって軸方向一方へ向かって押圧され、筒部材21から軸方向一方へ進出されている。
【0082】
そして、ピストンロッド22に連結されている排出扉11は、タンク3の排出口9を閉鎖する閉位置に配置されている。
【0083】
このとき、投入口7を介してタンク3内に材料を供給し、モータ(図示せず)を作動させて攪拌羽根4を回転させると、タンク3内において材料を混合することができる。
【0084】
次いで、エアシリンダ12を作動させて、開閉機構部10を開状態にすることにより、混合された材料をタンク3から排出する。
【0085】
開閉機構部10を閉状態から開状態にするには、電磁弁42を第1位置から第2位置へ切り替える。
【0086】
すると、エアコンプレッサ(図示せず)からの圧縮空気は、第3気力供給ライン45、および、第1カバー部材23の気流通路(図示せず)を介して、筒部材21の軸方向一端部に供給される。
【0087】
すると、図2に示すように、ピストンロッド22は、圧縮空気によって軸方向他方へ向かって押圧され、筒部材21内へ退避される。
【0088】
そして、ピストンロッド22に連結されている排出扉11は、タンク3の排出口9を開放する開位置へ移動される。
【0089】
すると、タンク3内の材料が、排出口9を介して排出シュート17内に排出され、排出シュート17を通過して外部へ排出される。
【0090】
このとき、排出シュート17内に配置されるピストンロッド22(退避途中のピストンロッド22)には、材料の微粉が付着する場合がある。
【0091】
一方、第3気力供給ライン44に供給されたエアコンプレッサ(図示せず)からの圧縮空気は、筒部材21の軸方向他端部に供給されると同時に、第4気力供給ライン46を介して、気流形成部材25のジョイント35にも供給される。すなわち、気流形成部材25には、ピストンロッド22を進退させるために用いられる圧縮空気の一部が分岐されて供給される。
【0092】
このとき、図3に示すように、ジョイント35に供給された圧縮空気は、貫通穴32を通過して、第2通路38に供給され、第2通路38内を軸方向に沿って流れる。
【0093】
そして、第2通路38内を流れる圧縮空気は、第2通路38の軸方向一端部において、整流部材28のテーパ面39に案内されて、整流部材28とピストンロッド22との間に供給される。
【0094】
すると、図4に示すように、圧縮空気の流れにより、整流部材28が、ピストンロッド22から浮き上がるように離間され、整流部材28とピストンロッド22との間隔が、ピストンロッド22の周方向すべてにわたって、均一に調整される。
【0095】
これにより、整流部材28とピストンロッド22との間に、ピストンロッド22の周方向すべてにわたって、圧縮空気が均一に流れる。
【0096】
そして、整流部材28とピストンロッド22との間を流れる圧縮空気は、排出シュート17のシュート側挿通穴18の内周面と、ピストンロッド22の外周面との間に形成される隙間40を流れて、排出シュート17内に排気される。
【0097】
これにより、ピストンロッド22を退避させると同時に、ピストンロッド22に付着した微粉を吹き飛ばす。
【0098】
このエアシリンダ12によれば、図3に示すように、気流形成部材25により、ピストンロッド22の外周面と、シュート側挿通穴18の内周面との間に形成される隙間40に、ピストンロッド22の外周すべてにわたって圧縮空気を供給することができる。
【0099】
そのため、ピストンロッド22に微粉が付着している場合でも、圧縮空気によって、ピストンロッド22に付着した微粉を除去することができる。
【0100】
その結果、ピストンロッド22に付着した微粉がシリンダ20内に侵入することを、抑制することができる。
【0101】
また、このエアシリンダ12によれば、図3に示すように、貫通穴32に供給された圧縮空気を、第2通路38において、ピストンロッド22の外周面に沿って軸方向に流すことができる。
【0102】
そのため、ピストンロッド22に付着した微粉がシリンダ20内に侵入することを、より抑制することができる。
【0103】
また、このエアシリンダ12によれば、図3および図4に示すように、整流部材収容部34内に遊びを有するように配置される整流部材28に、ピストンロッド22が、径方向に遊びを有するように挿通されている。
【0104】
そのため、整流部材収容部34に圧縮空気が流されると、圧縮空気の流れによって、整流部材28がピストンロッド22から浮き上がるように離間されることにより、整流部材28とピストンロッド22との間隔が、ピストンロッド22の外周すべてにわたって、均一に調整される。
【0105】
その結果、ピストンロッド22の外周すべてにわたって、均一に圧縮空気を通過させることができる。
【0106】
また、このエアシリンダ12によれば、図2に示すように、ピストンロッド22を進退させるために用いられる圧縮空気を利用して、ピストンロッド22に付着した微粉を除去することができる。
【0107】
そのため、別途、気流形成部材25に圧縮空気を供給するための構成を設けることなく、簡易な構成で、ピストンロッド22に付着した圧縮空気がシリンダ20内に侵入することを、抑制することができる。
【0108】
また、ピストンロッド22が進退されると同時に、隙間40に圧縮空気を流すことができる。
【0109】
そのため、ピストンロッド22をスライドさせるタイミングと、隙間40に圧縮空気を流すタイミングとを、確実に同期させることができる。
【0110】
その結果、ピストンロッド22に付着した微粉がシリンダ20内に侵入することを、より一層抑制することができる。
【符号の説明】
【0111】
12 エアシリンダ(駆動シリンダ)
17 排出シュート(ロッド挿通部材)
18 シュート側挿通穴(第1挿通穴)
20 シリンダ
22 ピストンロッド
24 第2挿通穴
25 気流形成部材(流体供給手段)
28 整流部材
32 貫通穴(第1通路)
34 整流部材収容部(整流通路)
35 ジョイント(流体供給手段)
38 第2通路
40 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダと、前記シリンダ内にスライド可能に設けられるピストンロッドとを備え、ロッド挿通部材に形成された第1挿通穴に、前記ピストンロッドがスライド可能に挿通されて用いられる駆動シリンダであって、
挿通された前記ピストンロッドの外周面と、前記第1挿通穴の内周面との間に形成される隙間に、前記ピストンロッドの外周すべてにわたって流体を供給する流体供給手段を備えることを特徴とする、駆動シリンダ。
【請求項2】
前記流体供給手段は、
外部から流体が供給される第1通路と、
前記第1通路に連通され、前記軸方向に沿って、前記ピストンロッドの外周面に対向するように延び、前記軸方向に沿って流体の流れを許容する第2通路と
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の駆動シリンダ。
【請求項3】
前記流体供給手段は、
前記第2通路の前記軸方向一端部に連通される整流通路と、
前記整流通路に対して前記軸方向と直交する方向に遊びを有するように、前記整流通路内に配置され、前記軸方向と直交する方向に遊びを有するように、前記ピストンロッドが挿通される第2挿通穴が形成された整流部材と
を備えることを特徴とする、請求項2に記載の駆動シリンダ。
【請求項4】
流体により駆動される駆動シリンダであって、
前記流体供給手段には、前記駆動シリンダを駆動させるために用いられる流体の一部が分岐されて供給されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の駆動シリンダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−47195(P2012−47195A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187039(P2010−187039)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000129183)株式会社カワタ (120)
【Fターム(参考)】