駐車場案内システムおよび駐車場案内プログラム

【課題】大規模な駐車場において、駐車場の利用者に対して、空いている駐車スペースを分かり易く案内することができる駐車場案内システムを提供する。
【解決手段】駐車場案内システムＮは、各駐車スペースに駐車した車両を検出する車両検出部１、車両検出部１の検出結果から駐車場の空車情報を作成する制御部２、駐車場の地図を格納した駐車場地図格納部３、制御部２で作成された空車情報を格納する空車情報格納部４、駐車場の各所に配置された光ビーコン５に空車情報を送信するデータ送信部６から構成される。駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１と各駐車ブロックの空車情報Ｉ２は、光ビーコン５によって車両Ｖに送信され、車両Ｖの車載ディスプレイに表示される。

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、駐車場案内システムに関し、特に、大規模な駐車場において、駐車場に進入した車両を空いている駐車スペースへ案内するための駐車場案内システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、ショッピングセンター等に付随して設置された大規模な駐車場において、駐車場に進入した車両を空いている駐車スペースへ案内するためのシステムが多数考案されている。例えば、特開平１１−１９５１９９号公報において開示された「駐車場管理装置」では、駐車場の入口で、空いている駐車スペースの位置を提示した後、駐車場の利用者にＩＣカードからなる通信端末を貸与し、その通信端末を使用して文字表示や音声によって空いている駐車スペースへ案内するように構成している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平１１−１９５１９９号公報の従来技術では、駐車場内では通信端末を使用して文字表示や音声によって空いている駐車スペースへ案内しているので、駐車場の利用者にとって、空いている駐車スペースの位置が分かりにくいという問題があった。また、駐車場の利用者にとって、自身の現在位置と空いている駐車スペースの位置との位置関係が分かりにくいという問題があった。両者の位置関係が不明瞭だと、駐車場の利用者は駐車場内で迷走するおそれがある。本発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、大規模な駐車場において、駐車場の利用者に対して、空いている駐車スペースを分かり易く案内することができる駐車場案内システムを提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の駐車スペースを有する駐車ブロックが複数集合してなる駐車場において、車両を空いている駐車スペースへ案内するためのシステムであって、各駐車スペースに駐車した車両を検出する車両検出手段と、車両検出手段の検出結果に基づいて、駐車ブロック単位の空車情報を示す画像情報を作成する第１の空車情報作成手段と、車両検出手段の検出結果に基づいて、各駐車ブロックの空車情報を示す画像情報を作成する第２の空車情報作成手段と、受信装置を有する車両に対して、駐車場の入口で駐車ブロック単位の空車情報を送信し、各駐車ブロックの入口でその駐車ブロックの空車情報を送信する送信手段とを有し、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報を車両に搭載された表示装置に表示して、車両を空いている駐車スペースへ案内するように構成したことを特徴とする、駐車場案内システムである。このように構成することで、駐車場の入口で駐車ブロック単位の空車情報を提供した後、各駐車ブロックの入口で、その駐車ブロックの空車情報を提供することができるので、駐車場の利用者を空いている駐車スペースへ効率良く案内することができる。また、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報駐車場を示す画像情報を車両に搭載された表示装置に表示して案内するので、従来の文字表示や音声による案内方法に比べて、駐車場の利用者に対して、駐車場の空いている駐車スペースを分かり易く案内することができる。
【０００５】また、送信手段には、光ビーコンを用いるように構成した。光ビーコンは通信範囲が狭いため、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報を局所的に送信することができる。
【０００６】また、送信手段を駐車ブロックの各所に配置し、車両にその駐車ブロックにおける位置情報を送信するように構成した。このように構成することで、駐車場の利用者にその駐車ブロックにおける位置情報を知らせることができる。
【０００７】また、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報に、音声情報が含まれるように構成した。このように構成することで、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報を画像情報だけでなく音声情報によっても提供することができるので、駐車場の利用者に対して、駐車場の空いている駐車スペースをさらに分かり易く案内することができる。
【０００８】また、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報には、駐車場または駐車ブロックに付帯する情報が含まれるように構成した。このように構成することで、駐車場の利用者は、例えば、駐車場に隣接する店舗に関する情報等を得ることができるので、車両を駐車する駐車スペースを選ぶ際に便利である。
【０００９】また、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報は、駐車場の各所に配置された画面に表示されるように構成した。このように構成することで、受信装置や表示装置を搭載していない車両に対しても、駐車ブロック単位の空車情報や各駐車ブロックの空車情報を提供することができる。
【００１０】また、本発明は、複数の駐車スペースを有する駐車ブロックが複数集合してなる駐車場において、車両を空いている駐車スペースへ案内するために制御装置を、各駐車スペースに駐車した車両を検出する車両検出手段、車両検出手段の検出結果に基づいて、駐車ブロック単位の空車情報を示す画像情報を作成する第１の空車情報作成手段、車両検出手段の検出結果に基づいて、各駐車ブロックの空車情報を示す画像情報を作成する第２の空車情報作成手段、および受信装置を有する車両に対して、駐車場の入口で駐車ブロック単位の空車情報を送信し、各駐車ブロックの入口でその駐車ブロックの空車情報を送信する送信手段として機能させることを特徴とする、駐車場案内プログラムである。このように構成することで、センサ、情報処理装置、送信装置等から構成される制御装置を、本発明の駐車場案内システムとして機能させることができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明の駐車場案内システムＮの構成について説明する。図１に示すように、駐車場案内システムＮは、各駐車スペースに駐車した車両を検出する車両検出部１、車両検出部１の検出結果から駐車場の空車情報を作成する制御部２、駐車場の地図を格納した駐車場地図格納部３、制御部２で作成された空車情報を格納する空車情報格納部４、駐車場の各所に配置された光ビーコン５に空車情報を送信するデータ送信部６から構成される。なお、特許請求の範囲において記載した、車両検出手段は車両検出部１であり、第１の空車情報作成手段および第２の空車情報作成手段は制御部２であり、送信手段は光ビーコン５である。
【００１２】制御部２には、ＰC（パーソナルコンピュータ）等の情報処理装置が用いられる。制御部２は、ＣＰＵと内部メモリとから構成され、各種情報の記録や処理を行うためのプログラムが展開される。例えば、車両検出部１の検出結果を記憶するプログラムや、車両検出部１の検出結果から、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１と各駐車ブロックの空車情報Ｉ２を作成するプログラム等である。車両検出手段、第１の空車情報作成手段、第２の空車情報作成手段、送信手段は、これらのプログラムによってその機能を実現している。
【００１３】駐車場案内システムＮは、例えば図２に示すような駐車場Ｐにおいて、駐車場Ｐに進入してくる車両Ｖを、駐車場Ｐの空いている駐車スペースへ案内するのに用いられる。駐車場Ｐは、Ａブロック、Ｂブロック、Ｃブロック、Ｄブロックという４つの駐車ブロックから構成されており、それぞれの駐車ブロックは、２行８列に配置された駐車スペースからなる。また、駐車場Ｐの入口には、光ビーコン５ｅが配置され、各駐車ブロックの入口には、光ビーコン５ａ〜５ｄがそれぞれ配置される。
【００１４】車両検出部１は、それぞれの駐車スペースに設置されており、駐車スペースに駐車した車両Ｖを検出する。車両検出部１には、例えば、光センサや磁気センサ等が用いられる。車両検出部１の検出結果は制御部２に入力される。
【００１５】制御部２は、車両検出部１の検出結果から、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１と各駐車ブロックの空車情報Ｉ２を作成する。駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１と各駐車ブロックの空車情報Ｉ２は、図３（ａ）および図３（ｂ）に示すような画像情報として示される。駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１と各駐車ブロックの空車情報Ｉ２は、光ビーコン５によって車両Ｖに送信され、車両Ｖの車載ディスプレイに表示される。駐車ブロック単位の空車情報とは、図３（ａ）に示すように、各駐車ブロックの駐車スペースの空きの有無を示した情報である。その駐車ブロックに駐車スペースの空きが有る場合は「空」と表示され、その駐車ブロックに駐車スペースの空きが無い場合は「満」と表示される。また、各駐車ブロックの空車情報とは、図３（ｂ）に示すように、その駐車ブロックにおける空いている駐車スペースの位置を示した情報である。図３（ｂ）では、使用されている駐車スペースを着色することにより示している（図中の斜線部）。なお、各駐車ブロックの空車情報の表示方法は、特に限定されるものではなく、様々な方法によって表示することが可能である。また、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報には、画像情報だけではなく、音声情報によっても提供することができる。例えば、図３（ａ）の例では、「Ｂブロックに駐車スペースの空きがあります」というように、駐車スペースに空きのある駐車ブロックを音声によって案内することができる。画像情報に音声情報を組み合わせることにより、駐車場の利用者に対して、駐車場の空いている駐車スペースをさらに分かり易く案内することができる。
【００１６】制御部２は、各駐車スペースのアドレスを保持するアドレス保持部２ａ、駐車スペースに車両の出し入れがあった際に、駐車場の空車情報の更新を指示する空車情報制御部２ｂ、空車情報制御部２ｂに制御されて、各駐車ブロックの駐車台数を計算する駐車台数計算部２ｃ、空車情報制御部２ｂに制御されて、駐車場地図格納部３に格納された駐車場地図に空車情報を書き込む空車情報作成部２ｄ、データ送信部６を制御して、光ビーコン５への空車情報の送信を指示する通信制御部２ｅから構成される。
【００１７】アドレス保持部２ａは、図４（ａ）に示すように、あらかじめ各駐車スペースに割り当てられたアドレスを保持している。そして、車両検出部１の検出結果に基づいて、各駐車スペースの空きの有無を記憶する。例えば、図４（ｂ）に示すように、その駐車スペースが空いているときは「０」、逆に、その駐車スペースが使用されているときは「１」というように、各駐車スペースの使用状況を記憶する。
【００１８】空車情報制御部２ｂは、アドレス保持部２ａに記憶された各駐車スペースの使用状況を示すデータが更新された際に、駐車場の空車情報の更新を指示する。その際は、まず、駐車台数計算部２ｃと空車情報作成部２ｄを制御して、図３（ａ）に示すような駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１を更新する。次に、空車情報作成部２ｄを制御して、図３（ｂ）に示すような各駐車ブロックの空車情報Ｉ２を更新する。
【００１９】駐車台数計算部２ｃは、アドレス保持部２ａに記憶された各駐車スペースの使用状況を示すデータから、各駐車ブロックの駐車台数を計算し、各駐車ブロックの駐車スペースの空きの有無を判断する。例えば、図４（ｂ）の例では、Ａブロック、Ｃブロック、Ｄブロックの駐車ブロックでは全ての駐車スペースが使用されているので、それらの駐車ブロックには、駐車スペースの空きが無いと判断される。逆に、Ｂブロックの駐車ブロックでは、空いている駐車スペースがまだ有るので、Ｂブロックの駐車ブロックには駐車スペースの空きが有ると判断される。
【００２０】空車情報作成部２ｄは、図５（ａ）に示すように、駐車台数計算部２ｃの判断結果に基づいて、駐車場地図格納部３に格納されている駐車場全体を示す地図Ｍ１に、「空」または「満」という文字を書き込んで、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１を作成する。また、空車情報作成部２ｄは、図５（ｂ）に示すように、アドレス保持部２ａに記憶された各駐車スペースの使用状況を示すデータから、駐車場地図格納部３に格納されている各駐車ブロックを示す地図Ｍ２に、使用されている駐車スペースを着色することによって（図中の斜線部）、各駐車ブロックの空車情報Ｉ２を作成する。空車情報作成部２ｄで作成された駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１と各駐車ブロックの空車情報Ｉ２は、空車情報格納部４に格納される。
【００２１】通信制御部２ｅは、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１を駐車場Ｐの入口に配置された光ビーコン５ｅに送信し、各駐車ブロックの空車情報Ｉ２を各駐車ブロックの入口にそれぞれ配置された光ビーコン５ａ〜５ｄに送信するように、データ送信部６ａ〜６ｅをそれぞれ制御する。具体的には、通信制御部２ｅは、データ送信部６ｅを制御して、光ビーコン５ｅに、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１を送信する。また、データ送信部６ａ〜６ｄをそれぞれ制御して、光ビーコン５ａ〜５ｄに、各駐車ブロックの空車情報Ｉ２をそれぞれ送信する。
【００２２】駐車場地図格納部３には、駐車場全体を示す地図Ｍ１と、各駐車ブロックを示す地図Ｍ２が格納される。駐車場全体を示す地図Ｍ１には、その駐車場に付帯する情報を表示することもできる。また、同様に、各駐車ブロックを示す地図Ｍ２にも、その駐車ブロックに付帯する情報を表示することもできる。例えば、駐車場全体を示す地図Ｍ１に、駐車場Ｐに隣接する店舗に関する情報（以下、「店情報」という）を表示することができる。図２の駐車場Ｐと隣接するショッピングセンターに、食料品店、酒屋、書店、銀行がテナントとして入っている場合は、店情報を図６のように表示することができる。駐車場Ｐの利用者は、表示された店情報を参照して、目的のテナントに近い駐車スペースを選択することができる。
【００２３】空車情報格納部４には、制御部２の空車情報作成部２ｄで作成された、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１と各駐車ブロックの空車情報Ｉ２が格納される。駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１と各駐車ブロックの空車情報Ｉ２は、空車情報制御部２ｂの指示により、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１と各駐車ブロックの空車情報Ｉ２がそれぞれ新たに作成されるまでの間保持される。
【００２４】光ビーコン５は、図２に示すように、駐車場Ｐの各所に配置される。図２に示す駐車場Ｐでは、駐車場Ｐの入口に光ビーコン５ｅが配置され、各駐車ブロックの入口に光ビーコン５ａ〜５ｄがそれぞれ配置されている。そして、図７に示すように、光ビーコン５は、光ビーコン５の真下を通過する車両Ｖに向けて、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１または各駐車ブロックの空車情報Ｉ２を送信する。駐車場Ｐの入口に配置された光ビーコン５ｅからは、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１が送信される。また、各駐車ブロックの入口に配置された光ビーコン５ａ〜５ｄからは、その駐車ブロックの空車情報Ｉ２が送信される。車両Ｖに送信された駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１または各駐車ブロックの空車情報Ｉ２は、車両Ｖの車載ディスプレイに表示される（図３参照）。
【００２５】また、各駐車ブロックに配置される光ビーコン５の数は特に限定されるものではなく、必要に応じて駐車ブロックの各所に光ビーコン５を配置し、車両Ｖがそれぞれの光ビーコン５からその駐車ブロックでの位置情報を受信するように構成することができる。例えば、図８に示すように、図２の駐車場Ｐとは異なる駐車場Ｑの駐車ブロックＥに、光ビーコン５f、５ｇ、５ｈ、５ｉ、５ｊという５つの光ビーコン５を配置し、車両Ｖが光ビーコン５ｆ〜５ｊの真下を通過した際に、図９（ａ）〜（ｅ）に示すような、車両Ｖの駐車ブロックＥでの位置情報を示す画像を受信するように構成することにより、駐車場Ｑの利用者は、駐車ブロックＥでの現在位置を知ることができる。
【００２６】データ送信部６は、図１に示すように、各光ビーコン５に対応して設けられており、各光ビーコン５に、各光ビーコン５の設置位置に対応した駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１またはその駐車ブロックの空車情報Ｉ２を送信する。具体的には、データ送信部６ｅは光ビーコン５ｅに対応しており、光ビーコン５ｅに駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１を送信する。また、データ送信部６ａ〜６ｄは、光ビーコン５ａ〜５ｄにそれぞれ対応しており、光ビーコン５ａ〜５ｄにその駐車ブロックの空車情報Ｉ２を送信する。なお、データ送信部６と光ビーコン５との間の情報伝達手段は、特に限定されるものではないが、設置コスト等の面からも、無線方式によって情報伝達するのが望ましい。
【００２７】次に、駐車場案内システムＮの動作について、図１０に示すフローチャートを参照して説明する。
【００２８】まず、ステップＳ１では、車両検出部１が、駐車スペースに駐車した車両Ｖを検出する。検出結果は、各駐車スペースの空きの有無として、制御部２のアドレス保持部２ａに記憶される。
【００２９】続くステップ２では、車両検出部１が駐車スペースの車両の出し入れを検出した際に、空車情報制御部２ｂが、駐車場の空車情報の更新を指示する。なお、駐車場の空車情報の更新とは、新しい空車情報を作成することを意味する。
【００３０】ステップＳ３では、駐車台数計算部２ｃが、制御部２のアドレス保持部２ａに記憶された各駐車スペースの使用状況を示すデータから各駐車ブロックの駐車台数を計算し、各駐車ブロックの駐車スペースの空きの有無を判断する。
【００３１】次のステップＳ４では、空車情報作成部２ｄが、駐車台数計算部２ｃの判断結果に基づいて、図３（ａ）に示すような駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１を作成する。作成された駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１は、空車情報格納部４に格納される。
【００３２】また、ステップＳ５では、空車情報作成部２ｄが、アドレス保持部２ａに記憶された各駐車スペースの使用状況を示すデータから、図３（ｂ）に示すような各駐車ブロックの空車情報Ｉ２を作成する。作成された各駐車ブロックの空車情報Ｉ２は、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１と同様に、空車情報格納部４に格納される。
【００３３】ステップＳ６では、データ送信部６ｅが光ビーコン５ｅに、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１を送信する。また、データ送信部６ａ〜６ｄが光ビーコン５ａ〜５ｄに、各駐車ブロックの空車情報Ｉ２をそれぞれ送信する。
【００３４】そして、ステップＳ７では、駐車場Ｐの入口に配置された光ビーコン５ｅから光ビーコン５ｅの真下を通過する車両Ｖに向けて、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１を送信する。また、各駐車ブロックの入口に配置された光ビーコン５ａ〜５ｄから、光ビーコン５ａ〜５ｄの真下を通過する車両Ｖに向けて、その駐車ブロックの空車情報Ｉ２を送信する。
【００３５】次に、本発明の駐車場案内システムＮによって駐車場Ｐに進入した車両Ｖを空いている駐車スペースに案内する方法について、図１１に示すフローチャートを参照して説明する。
【００３６】まず、車両Ｖは、駐車場Ｐの入口で駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１を受信する（ステップＳ１１）。駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１は、図３（ａ）に示すように、車両Ｖの車載ディスプレイに表示される。駐車場Ｐの利用者は、車載ディスプレイに表示された駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１を見て、駐車スペースに空きのある駐車ブロックを知る（ステップＳ１２）。そして、駐車場Ｐの利用者は、駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１を元に、車両Ｖを駐車スペースに空きのある駐車ブロックに移動させる（ステップＳ１３）。
【００３７】次に、車両Ｖは、駐車ブロックの入口でその駐車ブロックの空車情報Ｉ２を受信する（ステップＳ１４）。その駐車ブロックの空車情報Ｉ２は、図３（ｂ）に示すように、車両Ｖの車載ディスプレイに表示される。駐車場Ｐの利用者は、車載ディスプレイに表示されたその駐車ブロックの空車情報Ｉ２を見て、その駐車ブロックにおける空いている駐車スペースの位置を知る（ステップＳ１５）。そして、駐車場Ｐの利用者は、その駐車ブロックの空車情報Ｉ２を元に、車両Ｖを空いている駐車スペースに移動させて駐車する（ステップＳ１６）。
【００３８】以上、本発明の駐車場案内システムについて、一実施の形態例を説明したが、本発明は前記した実施の形態に限定されることなく、広く変形して実施可能である。例えば、駐車場案内システムＮは、図２に示すような平面的な駐車場だけに限らず、立体型の駐車場に用いることもできる。その際は、駐車場の入口では、各駐車フロア単位の空車情報を送信し、各駐車フロアの入口では、各駐車フロアの空車情報を送信するようにすればよい。また、駐車場の各所に表示画面を設置し、各表示画面に駐車ブロック単位の空車情報Ｉ１や各駐車ブロックの空車情報Ｉ２を表示することにより、受信装置や表示装置を搭載していない車両に対しても、駐車ブロック単位の空車情報や各駐車ブロックの空車情報を提供することができる。
【００３９】
【発明の効果】本発明によれば、駐車場の入口で駐車ブロック単位の空車情報を提供した後、各駐車ブロックの入口で、その駐車ブロックの空車情報を提供することができるので、駐車場の利用者を空いている駐車スペースへ効率良く案内することができる。また、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報駐車場を示す画像情報を車両に搭載された表示装置に表示して案内するので、従来の文字表示や音声による案内方法に比べて、駐車場の利用者に対して、駐車場の空いている駐車スペースを分かり易く案内することができる。
【００４０】また、送信手段に光ビーコンを用いることにより、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報を局所的に送信することができる。
【００４１】また、送信手段を駐車ブロックの各所に配置し、車両にその駐車ブロックにおける位置情報を送信するように構成することにより、駐車場の利用者にその駐車ブロックにおける位置情報を知らせることができる。
【００４２】また、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報に、音声情報が含まれるように構成することにより、空車情報を画像情報だけでなく音声情報によっても提供することができるので、駐車場の利用者に対して、駐車場の空いている駐車スペースをさらに分かり易く案内することができる。
【００４３】また、駐車ブロック単位の空車情報および各駐車ブロックの空車情報には、駐車場または駐車ブロックに付帯する情報が含まれるように構成することにより、駐車場の利用者は、例えば、駐車場に隣接する店舗に関する情報等を得ることができるので、車両を駐車する駐車スペースを選ぶ際に便利である。
【００４４】また、駐車ブロック単位の空車情報および前記各駐車ブロックの空車情報は、前記駐車場の各所に設置された画面に表示されるように構成することにより、受信装置や表示装置を搭載していない車両に対しても、駐車ブロック単位の空車情報や各駐車ブロックの空車情報を提供することができる。
【００４５】また、複数の駐車スペースを有する駐車ブロックが複数集合してなる駐車場において、車両を空いている駐車スペースへ案内するために制御装置を、各駐車スペースに駐車した車両を検出する車両検出手段、車両検出手段の検出結果に基づいて、駐車ブロック単位の空車情報を示す画像情報を作成する第１の空車情報作成手段、車両検出手段の検出結果に基づいて、各駐車ブロックの空車情報を示す画像情報を作成する第２の空車情報作成手段、および受信装置を有する車両に対して、駐車場の入口で駐車ブロック単位の空車情報を送信し、各駐車ブロックの入口でその駐車ブロックの空車情報を送信する送信手段として機能させることにより、センサ、情報処理装置、送信装置等から構成される制御装置を、本発明の駐車場案内システムとして機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の駐車場案内システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図２】駐車場を示す平面図である。
【図３】車両の車載ディスプレイに表示された駐車場の空車情報を示す図であり、（ａ）は駐車ブロック単位の空車情報を示し、（ｂ）は各駐車ブロックの空車情報を示す。
【図４】アドレス保持部が各駐車スペースの使用状況を記憶する方法を説明した図である。
【図５】空車情報作成部が駐車場の空車情報を作成する方法を説明した図である。
【図６】駐車場全体を示す地図に店情報を表示した例を示す図である。
【図７】光ビーコンが車両に空車情報を送信する方法を説明した図である。
【図８】駐車ブロックＥの各所に光ビーコンを配置した状態を示す平面図である。
【図９】車両が受信した駐車ブロックＥでの位置情報を示す図である。
【図１０】駐車場案内システムＮの動作を示すフローチャートである。
【図１１】駐車場に進入した車両を空いている駐車スペースに案内する方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
Ｎ……駐車場案内システム
１……車両検出部
２……制御部
３……駐車場地図格納部
４……空車情報格納部
５……光ビーコン
６……データ送信部
Ｐ……駐車場
Ｖ……車両

【特許請求の範囲】
【請求項１】複数の駐車スペースを有する駐車ブロックが複数集合してなる駐車場において、車両を空いている駐車スペースへ案内するためのシステムであって、各駐車スペースに駐車した車両を検出する車両検出手段と、前記車両検出手段の検出結果に基づいて、駐車ブロック単位の空車情報を示す画像情報を作成する第１の空車情報作成手段と、前記車両検出手段の検出結果に基づいて、各駐車ブロックの空車情報を示す画像情報を作成する第２の空車情報作成手段と、受信装置を有する車両に対して、前記駐車場の入口で前記駐車ブロック単位の空車情報を送信し、前記各駐車ブロックの入口でその駐車ブロックの空車情報を送信する送信手段とを有し、前記駐車ブロック単位の空車情報および前記各駐車ブロックの空車情報を前記車両に搭載された表示装置に表示して、前記車両を空いている駐車スペースへ案内するように構成したことを特徴とする、駐車場案内システム。
【請求項２】前記送信手段には、光ビーコンが用いられることを特徴とする、請求項１に記載の駐車場案内システム。
【請求項３】前記送信手段を前記駐車ブロックの各所に配置し、前記車両に前記駐車ブロックにおける位置情報を送信することを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の駐車場案内システム。
【請求項４】前記駐車ブロック単位の空車情報および前記各駐車ブロックの空車情報には、音声情報が含まれることを特徴とする、請求項１から請求項３のいずれかに記載の駐車場案内システム。
【請求項５】前記駐車ブロック単位の空車情報および前記各駐車ブロックの空車情報には、前記駐車場または前記駐車ブロックに付帯する情報が含まれることを特徴とする、請求項１から請求項４のいずれかに記載の駐車場案内システム。
【請求項６】前記駐車ブロック単位の空車情報および前記各駐車ブロックの空車情報は、前記駐車場の各所に配置された画面に表示されることを特徴とする、請求項１から請求項５のいずれかに記載の駐車場案内システム。
【請求項７】複数の駐車スペースを有する駐車ブロックが複数集合してなる駐車場において、車両を空いている駐車スペースへ案内するために制御装置を、各駐車スペースに駐車した車両を検出する車両検出手段、前記車両検出手段の検出結果に基づいて、駐車ブロック単位の空車情報を示す画像情報を作成する第１の空車情報作成手段、前記車両検出手段の検出結果に基づいて、各駐車ブロックの空車情報を示す画像情報を作成する第２の空車情報作成手段、および受信装置を有する車両に対して、前記駐車場の入口で前記駐車ブロック単位の空車情報を送信し、前記各駐車ブロックの入口でその駐車ブロックの空車情報を送信する送信手段として機能させることを特徴とする、駐車場案内プログラム。

【図１】