説明

駐車場管理システムおよび駐車料金精算機

【課題】複数の駐車場機器の内部時計の時刻を標準時刻に合致するように同期させ、この時刻同期を、既存の構成を大幅に変更することなく安価に実現する。
【解決手段】駐車場管理システム2において、通信担当の駐車場管理機12がNTPサーバから取得した標準時刻情報に自己の内部時計の時刻を同期させた後、この内部時計が示す時分秒値を通信担当の駐車料金精算機11に送信する。この駐車料金精算機11は、受信した時分秒値を遅延補正値と共に簡易サーバ14に送信する。簡易サーバ14は、受信した時分秒値を、受信した遅延補正値により補正し、補正した時分秒値を自己の内部時計に設定した後、この内部時計が示す時分秒値を駐車場管理システム2における各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13に送信する。各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13は、受信した時分秒値を自己の内部時計に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人管理の有料駐車場における駐車料金の精算処理等を行う駐車料金精算機、複数の有料駐車場を統合して集中的に管理する駐車場管理センタとの通信を行う駐車場管理機等を備えた駐車場管理システム、およびこのような駐車場管理システムに適用可能な駐車料金精算機に関する。
【背景技術】
【0002】
無人管理の有料駐車場には、駐車場の入口および出口にゲート装置を設け、車両が駐車場から退出するときに料金を収集するゲート式の駐車場と、駐車エリア毎に車両を退出不可状態にロックするフラップ装置を設け、料金の精算が完了した場合にフラップ装置によるロックを解除して車両の退出を可能にするフラップ式の駐車場がある。このような駐車場には駐車料金精算機が設置され、この駐車料金精算機により駐車料金の精算処理が行われ、さらに駐車料金の精算処理と連動してゲート装置またはフラップ装置の制御が行なわれる。
【0003】
昨今では、駐車料金精算機を駐車場管理センタと通信可能に接続することにより、駐車場利用者と駐車場管理センタのオペレータとの間で通話を行なうことができ、または、駐車料金精算機と駐車場管理センタとの間でデータ通信を行なうことができ、さらには、駐車場管理センタから駐車料金精算機などを遠隔操作することができる駐車場管理システムが実現し、普及してきている。
【0004】
このような駐車場管理システムによれば、駐車料金精算機等の不意の故障時における利用者からの苦情を駐車場管理センタにおいて適切に処理することができる。また、駐車場管理センタのオペレータが利用者と通話を行い、駐車料金精算機等の使用方法を説明すること等もできる。さらに、駐車料金精算機側にカメラが設けられている場合には、利用者の挙動や表情あるいは利用者の運転免許証などをカメラで撮影した映像を駐車場管理センタのオペレータが確認し、オペレータと利用者との意思疎通を図ることができる。さらにまた、必要に応じて駐車場管理センタのオペレータが駐車料金精算機等を遠隔操作し、利用者を補助することができる。このような駐車場管理システムは、不慮の機器故障や何らかのトラブルに対して短時間で適切な処理が可能となるために、利用者にとっても非常に利便性の良いシステムである。例えば、本出願人は特許文献1に記載されたように、このようなカメラ付きの駐車場管理機を備えて駐車場管理センタと通話および通信可能に接続された駐車場管理システムの特徴を最大限に利用してさらなる利便性の向上を図った技術を発明し、これをすでに市場において実現している。
【0005】
また、昨今では、正確な電波時計機能付き腕時計を所有する駐車場利用者や、GPS(Global
Positioning System)衛星からの電波に基づいて正確な時刻を表示するカーナビゲーション装置を車両に搭載している利用者が多く、当然このような利用者はこの種の腕時計やカーナビゲーション装置が示す正確な時刻に基づいて行動している。このため、駐車料金精算機の内部時計の時刻が標準時に対して進みまたは遅れていると、次のような問題が生じることがある。
【0006】
一例として、利用者が無人管理のフラップ式駐車場に車両を駐車して用を足しに行き、その後、料金体系が切り替わる直前に駐車場に戻り、料金体系が切り替わる前に精算を済ませて出庫するつもりであったとする。この利用者は、自身が所有する電波腕時計が示す時刻に基づいて料金体系が切り替わる前に精算を済ませようとしたが、駐車料金精算機が有する内部時計の時刻が数分進んでいたために、料金体系がすでに切り替わっており、利用者の意に反して高い駐車料金を支払わざるを得ないといった事態が生じる場合がある。このような事態が生じると、利用者に不満や不信感を抱かせてしまう。また、このような事態が生じると、利用者から駐車場管理センタのオペレータに苦情が寄せられることになり、駐車場管理センタの業務負担が過大になるおそれがある。
【0007】
このような問題を回避するために、駐車料金精算機の内部時計の時刻を標準時刻に合致させる必要がある。この点、特許文献2には標準時刻を受信可能な電波時計手段を発行ユニットと精算ユニットに備えて、出場時に正確に駐車時刻を特定して駐車料金を算定する手法を用いた駐車料金精算装置が開示されている。
【0008】
また、特許文献3には、サブネットワークに接続された複数の情報処理装置間での時刻同期方法に関して、少なくとも1台の装置が所定のタイムサーバにアクセスして標準時刻を取得し、サブネットワーク内における複数の情報処理装置の時刻を同期させる方法が開示されている。
【0009】
また、特許文献4には、内部処理の遅延時間を予め設定して保存してあるPLC用時刻同期装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−299552号公報
【特許文献2】特開2007−026003号公報
【特許文献3】特開2005−071082号公報
【特許文献4】特開2007−101306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、ゲート式の駐車場管理システムは、小規模のものでも通常、駐車料金精算機と駐車券発行機とを有している。大規模のゲート式駐車場管理システムになると、複数の駐車料金精算機および複数の駐車券発行機を有している。大規模のフラップ式駐車場管理システムも複数の駐車料金精算機を有している。駐車料金精算機、駐車券発行機、駐車場管理機を総称して「駐車場機器」というとすれば、駐車場管理システムの多くは、このように複数の駐車場機器を有している。
【0012】
複数の駐車場機器を有する駐車場管理システムの場合、複数の駐車場機器におけるすべての内部時計の時刻を標準時刻に合致させる必要がある。
【0013】
この点、複数の駐車場機器のすべてに電波時計を搭載することにより、複数の駐車場機器のすべての内部時計の時刻を標準時刻に合致させることができる。しかしながら、この場合、1つの駐車場管理システムに多数の電波時計を設けることとなるため、駐車場管理システムの部品コストが非常に高くなる。また、電波環境の悪い駐車場に設置された駐車場管理システムの場合には、一部の電波時計において電波受信が正常に行われない場合があるため、複数の駐車場機器のすべての内部時計の時刻を標準時刻に合致させることは容易なことではない。
【0014】
また、電波時計ではなく、GPSを利用する方法も考えられるが、複数の駐車場機器のすべてにGPS機器を搭載した場合にも、駐車場管理システムの部品コストが非常に高くなるという問題が生じる。
【0015】
さらに、NTP(Network Time Protocol)サーバからインターネットを介して標準時刻情報を取得し、この標準時刻情報に合致するように、駐車場管理システムにおける複数の駐車場機器のすべての内部時計の時刻を同期させる方法が考えられる。この点、特許文献3には、LAN(Local Area Network)により接続された情報処理装置間で時刻を同期させる方法が記載されている。しかしながら、多くの駐車場管理システムにおける複数の駐車場機器の接続には、LANではなく、配線本数が少なくとも2本あれば機器間の接続を確立することができるRS485等のマルチポイントシリアル通信が採用されている。このため、このような駐車場管理システムに、LANにより接続された情報処理装置間の時刻同期方法を適用することは困難である。また、マルチポイントシリアル通信をLANに置き換えることは駐車場管理システムの設置コストや部品コストの上昇を招く。
【0016】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたもので、本発明の課題は、複数の駐車場機器の内部時計の時刻を標準時刻に合致するように同期させることができ、かつこのような時刻同期を、既存の駐車場機器の構成を損なうことなく安価に実現することができる駐車場管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために本発明の駐車場管理システムは、駐車券の発行処理、駐車料金の精算処理、または駐車場内若しくは駐車場外への車両の移動を制限する車両移動制限装置の制御を行う少なくとも第1の駐車場機器および第2の駐車場機器を含む複数の駐車場機器と、前記第1の駐車場機器に取り付けられ、前記第1の駐車場機器に通信可能に接続されると共に外部の時刻情報提供装置に通信可能に接続され、前記時刻情報提供装置から送信され標準時刻に合致した時刻を示す標準時刻情報を受信し、当該標準時刻情報を前記第1の駐車場機器に送信する駐車場管理機と、前記複数の駐車場機器のそれぞれに通信可能に接続され、前記複数の駐車場機器のそれぞれに情報の同報送信を行うサーバ装置とを備え、前記駐車場管理機は、第1の内部時計と、前記時刻情報提供装置に対し前記標準時刻情報の前記駐車場管理機への送信を要求する時刻情報要求を前記時刻情報提供装置に送信する時刻情報要求送信部と、前記時刻情報要求に応じて前記時刻情報提供装置から送信された標準時刻情報を受信する時刻情報受信部と、前記時刻情報受信部により受信された標準時刻情報が示す時刻に前記第1の内部時計の時刻を同期させる第1の時刻同期部と、前記第1の時刻同期部により同期が行われた前記第1の内部時計の時刻を示す時分秒値を含む時刻更新要求を前記第1の駐車場機器に送信する第1の時刻更新要求送信部とを備え、前記第1の駐車場機器は、前記駐車場管理機の第1の時刻更新要求送信部から送信された時刻更新要求を受信する第1の時刻更新要求受信部と、前記第1の時刻更新要求受信部が前記時刻更新要求を受信してから当該時刻更新要求を前記サーバ装置に送信するまでに生じる遅延を補正するための遅延補正値を生成し、当該遅延補正値を前記時刻更新要求に付加する遅延補正値生成部と、前記遅延補正値生成部により前記遅延補正値が付加された前記時刻更新要求を前記サーバ装置に送信する第2の時刻更新要求送信部とを備え、前記サーバ装置は、前記第1の駐車場機器から送信された時刻更新要求を受信する第2の時刻更新要求受信部と、前記第2の時刻更新要求受信部により受信された時刻更新要求に含まれる前記遅延補正値に基づいて当該時刻更新要求に含まれる時分秒値を補正し、当該補正された時分秒値を含む時刻更新同報を前記複数の駐車場機器に同報送信する時刻更新同報送信部とを備え、前記各駐車場機器は、第2の内部時計と、前記サーバ装置の時刻更新同報送信部から同報送信された時刻更新同報を受信する時刻更新同報受信部と、前記時刻更新同報受信部により受信された時刻更新同報に含まれる時分秒値に第2の内部時計の時刻を同期させる第2の時刻同期部とを備えていることを特徴とする。
【0018】
これにより、駐車場管理システムが有する複数の駐車場機器における内部時計の時刻を標準時に合致した時刻に同期させることができると共に、このような時刻同期を行うことができる駐車場管理システムを既存の駐車場管理システムを利用して安価に実現することができる。
【0019】
また、上記本発明の駐車場管理システムにおいて、前記遅延補正値生成部は、タイマーを備え、前記第1の時刻更新要求受信部が前記時刻更新要求を受信した時点において前記タイマーが示す受信タイマー値、および当該時刻更新要求を前記サーバ装置に送信する時点において前記タイマーが示す送信タイマー値をそれぞれ遅延補正値として、前記第2の時刻更新要求送信部により前記サーバ装置に送信する時刻更新要求に付加することが望ましい。
【0020】
これにより、受信タイマー値および送信タイマー値を用いて時刻更新要求に含まれる時分秒値を補正することによって、例えば、第1の駐車場機器において優先的に実行されている他の内部処理が終了するまで、あるいは、第1の駐車場機器からサーバ装置への情報送信が可能になるまで待ち時間が生じたとしても、駐車場管理システムが有する複数の駐車場機器における内部時計の時刻を標準時刻に合致した時刻に高精度に同期させることができる。
【0021】
また、上記本発明の駐車場管理システムにおいて、前記第1の駐車場機器は、前記時刻更新要求について所定処理を行う内部制御部と、前記第1の時刻更新要求受信部により受信された時刻更新要求を前記内部制御部に送信する第3の時刻要求送信部と、前記内部制御部における前記所定処理を経て前記内部制御部から戻ってきた時刻更新要求を受信する第3の時刻要求受信部とを備え、前記遅延補正値生成部は、タイマーを備え、前記第1の時刻更新要求受信部が前記時刻更新要求を受信した時点において前記タイマーが示す第1の受信タイマー値、前記第3の時刻更新要求送信部が前記第1の時刻更新要求受信部により受信された時刻更新要求を前記内部制御部に送信する時点において前記タイマーが示す第1の送信タイマー値、前記第3の時刻要求受信部が前記内部制御部から戻ってきた時刻更新要求を受信する時点において前記タイマーが示す第2の受信タイマー値、および前記第3の時刻要求受信部により受信された時刻更新要求を前記第2の時刻更新要求送信部が前記サーバ装置に送信する時点において前記タイマーが示す第2の送信タイマー値をそれぞれ遅延補正値として、前記第2の時刻更新要求送信部により前記サーバ装置に送信する時刻更新要求に付加することが望ましい。
【0022】
これにより、第1の受信タイマー値、第1の送信タイマー値、第2の受信タイマー値および第2の送信タイマー値を用いて時刻更新要求に含まれる時分秒値を補正することによって、駐車場管理システムが有する複数の駐車場機器における内部時計の時刻を標準時刻に合致した時刻に一層高精度に同期させることができる。
【0023】
また、上記本発明の駐車場管理システムにおいて、前記時刻情報提供装置はNTPサーバであることが望ましい。
【0024】
これにより、NTPサーバから提供される標準時刻情報を用いて、駐車場管理システムが有する複数の駐車場機器における内部時計の時刻を標準時刻に合致した時刻に同期させることができる。
【0025】
また、上記本発明の駐車場管理システムにおいて、前記時刻情報提供装置は前記標準時刻情報を、標準電波にタイムコードを重畳することにより送信する送信局であり、前記駐車場管理機は電波時計用標準電波受信機を備えていることが望ましい。
【0026】
これにより、駐車場管理機が有する電波時計用標準電波受信機を用いて、駐車場管理システムが有する複数の駐車場機器における内部時計の時刻を標準時刻に合致した時刻に同期させることができる。
【0027】
また、上記本発明の駐車場管理システムにおいて、前記時刻情報提供装置はGPS衛星であり、前記駐車場管理機はGPS受信機を備えていることが望ましい。
【0028】
これにより、駐車場管理機が有するGPS受信機を用いて、駐車場管理システムが有する複数の駐車場機器における内部時計の時刻を標準時刻に合致した時刻に同期させることができる。
【0029】
また、上記本発明の駐車場管理システムにおいて、前記第1の駐車場機器に前記駐車場管理機が取り付けられた駐車場管理ユニットを複数備え、前記サーバ装置は、前記複数の駐車場管理ユニットの中から1つの駐車場管理ユニットを変更可能に選択する選択部を備え、前記選択部は、前記複数の駐車場管理ユニットのそれぞれの動作負担の大小に基づいて前記1つの駐車場管理ユニットを選択し、前記選択部により選択された駐車場管理ユニットのみが前記時刻情報提供装置からの標準時刻情報の受信から前記遅延補正値が付加された時刻更新要求の前記サーバ装置への送信までの処理を実行することが望ましい。この場合、前記選択部は、前記時刻更新要求に含まれる遅延補正値に基づいて前記複数の駐車場管理ユニットのそれぞれの動作負担の大小を判断することが望ましい。
【0030】
これにより、駐車場管理システムが有する複数の駐車場機器における内部時計の時刻同期処理を常に安定的に行うことができ、時刻同期の確実性を高めることができる。また、不意の機器トラブルや保守の際には、自動でサーバ装置が、時刻情報提供装置からの標準時刻情報の受信から遅延補正値が付加された時刻更新要求のサーバ装置への送信までの処理を実行する駐車場管理ユニットを切り替えることも容易に実現可能となる。
【0031】
また、上記本発明の駐車場管理システムにおいて、前記サーバ装置は、前記複数の駐車場機器のいずれかに搭載してもよい。
【0032】
例えば、駐車券発行機のように、その基本的動作(例えば駐車券の発行動作等)の負担が比較的小さい駐車場機器にサーバ装置を搭載することにより、駐車場機器の基本的動作とサーバ装置の動作とを効率よく安定的に行うことが可能になり、駐車場管理システムの設置コストまたは部品コストを下げることができる。
【0033】
また、上記本発明の駐車場管理システムにおいて、前記時刻更新要求に含まれる時分秒値と前記時刻更新同報に含まれる時分秒値との差分値と、前記第1の駐車場機器の前記第1の時刻更新要求受信部が前記時刻更新要求を受信した時点において前記タイマーが示すタイマー値と前記第1の駐車場機器の前記時刻更新同報受信部が前記時刻更新同報を受信した時点において前記タイマーが示すタイマー値との差分値との差が予め設定された基準値よりも大きい場合にはエラーを発生し、前記2つの差分値間の差が前記基準値以下である場合には、前記時刻更新要求に含まれる時分秒値、前記時刻更新同報に含まれる時分秒値、および前記2つのタイマー値間の差分値を履歴情報として記憶してもよい。
【0034】
これにより、駐車場管理システムにおける複数の駐車場機器の時刻同期が正常に行われたか否かを確認することができると共に、履歴情報を用いて、駐車場管理システムにおける正常な時刻同期の状況を監査することが可能になる。
【0035】
また、上記課題を解決するために本発明の駐車料金精算機は、駐車券の発行処理、および駐車場外への車両の移動を制限する車両移動制限装置の制御を行う駐車料金精算機であって、第1の外部機器から送信される時刻情報を受信する時刻情報受信部と、前記時刻情報受信部が前記時刻情報を受信してから当該時刻情報を第2の外部機器に送信するまでの遅延を補正するための遅延補正値を生成し、当該遅延補正値を前記時刻情報に付加する遅延補正値生成部と、前記遅延補正値生成部により前記遅延補正値が付加された前記時刻情報を前記第2の外部機器に送信する時刻情報送信部とを備えていることを特徴とする。
【0036】
このような構成を有する駐車場料金精算機を、上述したような駐車場管理システムの第1の駐車場機器として用いることにより、駐車場管理システムが有する複数の駐車場機器における内部時計の高精度な時刻同期を実現することができる。なお、この場合、上記駐車場管理システムにおける駐車場管理機が第1の外部機器に当たり、時刻更新要求が、第1の外部機器から送信される時刻情報に当たり、第1の時刻更新要求受信部が時刻情報受信部に当たり、サーバ装置が第2の外部機器に当たり、第1の時刻更新要求送信部が時刻情報送信部に当たる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、複数の駐車場機器の内部時計の時刻を標準時刻に合致するように同期させることができ、かつこのような時刻同期を、既存の駐車場機器の構成を損なうことなく安価に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムを含む駐車場統合管制システムを示す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムを示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムにおける駐車料金精算機および駐車場管理機の電気的構成等を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムにおける駐車場管理機のCPUにより実現される構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムにおける駐車料金精算機のCPUにより実現される構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムにおける簡易サーバのCPUにより実現される構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態による駐車場管理システムにおける時刻同期動作を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態における第1の通信制御部の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態における第1の通信制御部のCPUにより実現される構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における第2の通信制御部の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施形態における第2の通信制御部のCPUにより実現される構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施形態における駐車場管理システムの時刻同期動作を示すタイミングチャートである。
【図13】本発明の第2の実施形態における通信電文を示す説明図である。
【図14】通信電文の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0040】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
(駐車場管理システムの基本的な構成・動作)
図1は駐車場統合管制システムを示している。図1において、駐車場統合管制システム1は、複数の駐車場(例えば駐車場P1、P2、P3)を統合して管理するシステムである。駐車場統合管制システム1は、本発明の第1の実施形態による駐車場管理システム2、駐車場管理センタ3およびNTPサーバ4を備えている。駐車場管理システム2は、駐車場統合管制システム1により管理される駐車場の個数に対応して複数設けられている。各駐車場管理システム2は個々の駐車場の個別具体的な管理を行うシステムである。各駐車場管理システム2は広域通信回線網5およびインターネット6を介して駐車場管理センタ3およびNTPサーバ4に接続されている。駐車場管理センタ3は各駐車場管理システム2を統合して集中的な管理を行うシステムであり、例えば管理コンピュータ3Aおよびデータベース3Bを備えている。NTPサーバ4は、標準時刻に合致した正確な時刻を示す情報を提供するサーバコンピュータである。広域通信回線網5は例えばPHS(Personal Handy−phone System)である。
【0041】
図2は駐車場P3の駐車場管理システム2を示している。図2において、駐車場管理システム2は、2台の駐車料金精算機11、2台の駐車場管理機12、2台の駐車券発行機13、および簡易サーバ14を備えている。各駐車料金精算機11、各駐車券発行機13および簡易サーバ14は埋設配線(駐車場内内部通信ライン49)を介して相互に通信可能に接続されている。なお、各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13は駐車場機器の具体例であり、簡易サーバ14はサーバ装置の具体例である。
【0042】
各駐車料金精算機11は、駐車料金の精算処理および車両移動制限装置としての出口ゲート開閉機(図示せず)の制御等を行う。各駐車料金精算機11は駐車場P3出口の出場レーンの傍らに設置され、そのフロント部には、硬貨投入口21、紙幣挿入口22、駐車券挿入口23、表示器24、領収証釦25、釣銭/領収証取出口26等が設けられている。各駐車料金精算機11は、駐車場P3内に駐車していた車両が出場レーンに進入したとき、出場レーンに埋設された車両センサ(図示せず)により、出場レーンに車両が進入したことを検出し、続いて、駐車券挿入口23に駐車券が挿入されたとき、現在時刻(図3中の内部時計43が示す時刻)と駐車券に記録された入場時刻とから駐車料金を特定し、この駐車料金の額等を表示器24の表示画面に表示して案内を行う。続いて、精算処理が完了した後、駐車料金精算機11は、出場レーンの車両進行方向前方に配置された出口ゲート開閉機のゲートバーを開き、車両の出場を許し、車両が出場レーンを通過しきったときには、出口ゲート開閉機の車両進行方向前方に埋設されたもう1つの車両センサ(図示せず)によって、車両が出場レーンを通過しきったことを検出し、出口ゲート開閉機のゲートバーを閉じる。
【0043】
各駐車券発行機13は、駐車券の発行および車両移動制限装置としての入口ゲート開閉機(図示せず)の制御等を行う。各駐車券発行機13は駐車場P3入口の入場レーンの傍らに設置され、そのフロント部には、駐車券発行釦31、駐車券発行口32、駐車券を抜き取るようにアナウンスするスピーカ33、現在時刻(駐車券発行機13が有する内部時計が示す時刻)や満空車情報等を表示する表示器34等が設けられている。各駐車券発行機13は、外から駐車場P3の入場レーンに車両が進入したとき、入場レーンに埋設された車両センサ(図示せず)により、入場レーンに車両が進入したことを検出し、続いて、駐車券発行釦31が押されたとき、あるいは車両進入の検出に応じて自動的に、現在時刻(駐車券発行機13が有する内部時計が示す時刻)を印字および記録した駐車券を発行する。駐車券が抜き取られたとき、駐車券発券機13は、入場レーンの車両進行方向前方に配置された入口ゲート開閉機のゲートバーを開き、車両の入場を許し、車両が入場レーンを通過しきったときには、入口ゲート開閉機の車両進行方向前方に埋設されたもう1つの車両センサ(図示せず)によって、車両が入場レーンを通過しきったことを検出し、入口ゲート開閉機のゲートバーを閉じる。
【0044】
各駐車場管理機12は駐車場管理センタ3と通信を行い、駐車場P3の利用者と駐車場管理センタ3のオペレータとの通話、駐車料金精算機11と駐車場管理センタ3との間のデータ通信等を実現する。各駐車場管理機12は広域通信回線網5およびインターネット6を介して駐車場管理センタ3と相互に通信可能に接続されている。また、各駐車場管理機12は小型の筐体に収容され、駐車料金精算機11の上部またはフロント部に取り付けられると共に、駐車料金精算機11と通信可能に接続されている。さらに、各駐車場管理機12は、カメラ27を有し、駐車料金精算機11のフロント部に取り付けられたインターホン28と電気的に接続されている。そして、駐車場P3の利用者は、カメラ27およびインターホン28を介して、駐車場管理センタ3のオペレータと音声および映像を通じて通話することができる。また、駐車料金精算機11は駐車場管理機12を介して駐車場管理センタ3に駐車料金に関するデータ等を(簡易サーバ14より受信したうえで)送信することができる。また、駐車場管理センタ3は、駐車場管理機12に遠隔操作信号を送信し、駐車場管理機12、駐車場料金装置11および簡易サーバ14を遠隔操作することができる。
【0045】
簡易サーバ14は、駐車場P3の駐車場管理システム2内における全体的な管理を行うサーバコンピュータである。簡易サーバ14は、駐車場P3の駐車場管理システム2における各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13から駐車場P3の全体的な管理に関する情報を収集し、または、駐車場P3の駐車場管理システム2における各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13に共通する情報をこれらの機器に送る。例えば、駐車券発行機13は、駐車券を発行したときに、入場時刻と発行した駐車券の番号等を簡易サーバ14に送信する。これに応じて、簡易サーバ14は現在の入場車両数を1増加させて駐車場P3の満車台数との比較を行い、満車に達した場合には、別途満車の表示等を制御する管制装置に信号を送信する。また、駐車料金精算機11は、精算処理が完了したとき、出場時刻と駐車券の番号と精算料金等を簡易サーバ14に送信する。これに応じて、簡易サーバ14は現在の入場車両数を1減少させると共に、駐車料金精算機11から送信された前記情報を履歴として保存する。
【0046】
図3は駐車場P3の駐車場管理システム2における駐車料金精算機11および駐車場管理機12の電気的な構成を示している。図3において、駐車料金精算機11は、CPU(Central Processing Unit)41、メモリ42および内部時計43を備えている。メモリ42は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等であり、バス44を介してCPU41に接続されている。内部時計43は、RTC(Real Time Clock)であり、CPU41に接続されている。さらに、内部時計43は時刻データ保持用のバッテリー(図示せず)を備えている。
【0047】
さらに、駐車料金精算機11は、第1の通信部45および第2の通信部46を備えている。第1の通信部45および第2の通信部46はインターフェース47を介してバス44に接続され、CPU41の制御下に置かれている。第1の通信部45は、当該駐車料金精算機11の上部またはフロント部に取り付けられた駐車場管理機12と通信を行うための通信回路を備え、当該駐車料金精算機11の上部またはフロント部に取り付けられた駐車場管理機12の外部通信部65にシリアル通信用の配線48を介して相互通信可能に接続されている。第2の通信部46は、駐車場P3の駐車場管理システム2における他の各駐車料金精算機11、各駐車券発行機13および簡易サーバ14と通信を行うための通信回路を備え、駐車場P3に埋設された駐車場内部通信ライン49を介して他の各駐車料金精算機11、各駐車券発行機13および簡易サーバ14に相互通信可能に接続されている。
【0048】
さらに、駐車料金精算機11には、駐車場P3の利用者が精算の際等に領収証の発行を要求するための領収証釦25、駐車場P3の利用者に対して精算方法、駐車料金の額、精算結果等を表示するための表示器24、その他、精算処理に関する構成要素である領収証プリンタ51、コインセレクタ52、硬貨払い出し装置53、紙幣リーダ54、スピーカ55、扉開センサ56、さらには出口ゲート開閉機を制御するためのゲート開閉機制御部57が設けられ、これらの機器もインターフェース47を介してバス44に接続され、CPU41の制御下に置かれている。
【0049】
また、駐車券発行機13には、駐車料金精算機11と同様に、CPU、メモリ、内部時計、第2の通信部46と同様の通信部等を備えている。
【0050】
一方、駐車場管理機12は、CPU61、メモリ62および内部時計63を備えている。メモリ62は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等であり、バス64を介してCPU61に接続されている。内部時計63は、RTC(Real Time Clock)であり、CPU61に接続されている。さらに、内部時計63は時刻データ保持用のバッテリー(図示せず)を備えている。
【0051】
さらに、駐車場管理機12は、外部通信部65およびデータ端末装置(DCE:Data Circuit Terminating Equipment)66を備えている。外部通信部65およびデータ端末装置66はインターフェース67を介してバス64に接続され、CPU61の制御下に置かれている。外部通信部65は、当該駐車場管理機12が取り付けられている駐車料金精算機11と通信を行うための通信回路を備え、当該駐車場管理機12が取り付けられている駐車料金精算機11に配線48を介して相互通信可能に接続されている。データ端末装置66は、駐車場管理センタ3およびNTPサーバ4と通信を行うための通信回路を備え、広域通信回線網5に無線により相互通信可能に接続されている。
【0052】
さらに、駐車場管理機12には、駐車場P3の利用者と駐車場管理センタ3のオペレータとの間の通話を実現する際に利用者の映像等を撮影するためのカメラ27、駐車場P3の利用者と駐車場管理センタ3のオペレータとの間の通話を実現する際に利用者の音声を入力すると共に、オペレータの音声を出力するインターホン28等が設けられている。これらの機器もインターフェース67を介してバス64に接続され、CPU61の制御下に置かれている。
【0053】
駐車場P3の駐車場管理システム2の基本的な構成および動作は以上の通りである。駐車場P1の駐車場管理システム2も、駐車場P2の駐車場管理システム2も、駐車場P3の駐車場管理システム2とほぼ同様の構成を有し、同様に動作する。もっとも、それぞれの駐車場管理システム2において、駐車料金精算機11の個数、駐車場管理機12の個数、駐車券発行機13の個数は、駐車場の規模等に応じて異なる場合がある。
【0054】
(駐車場管理システムにおける時刻同期)
各駐車場管理システム2は、上述した基本的な構成に加え、各駐車場管理システム2における各駐車料金精算機11、各駐車場管理機12、各駐車券発行機13および簡易サーバ14の時刻を標準時刻に同期させる(標準時刻に合わせる)ための構成を備えている。
【0055】
駐車場管理システム2における時刻同期の大まかな仕組みは、次の通りである。すなわち、図1に示すように、各駐車場管理システム2は、広域通信回線網5およびインターネット6を介してNTPサーバ4に相互通信可能に接続されている。NTPサーバ4は、NTPプロトコルに基づいて、標準時に合致した正確な時刻を示す情報(以下、これを「標準時刻情報」という。)を、インターネット6を介して接続されたパーソナルコンピュータその他の電子機器に送信するサーバコンピュータである。各駐車場管理システム2では、まず、複数の駐車場管理機12のうちの1つの駐車場管理機12(以下、これを「通信担当の駐車場管理機12」という。)がNTPサーバ4から標準時刻情報を取得する。次に、この通信担当の駐車場管理機12がNTPサーバ4から取得した標準時刻情報が示す標準時刻に自己の内部時計63の時刻を同期させた後、内部時計63の時刻を示す時刻情報を、当該通信担当の駐車場管理機12が取り付けられた駐車料金精算機11(以下、これを「通信担当の駐車料金精算機11」という。)に送信する。次に、通信担当の駐車場管理機12から時刻情報を受信した通信担当の駐車料金精算機11は、この受信した時刻情報を遅延補正値と共に簡易サーバ14に送信する。次に、通信担当の駐車料金精算機11から時刻情報および遅延補正値を受信した簡易サーバ14は、この受信した時刻情報を、遅延補正値により補正し、補正された時刻情報が示す時刻に自己の内部時計の時刻を同期させる。その後、簡易サーバ14は、自己の内部時計の時刻を示す時刻情報を、当該駐車場管理システム2におけるすべての駐車料金精算機11(通信担当の駐車料金精算機11を含む)および駐車券発行機13に送信する。次に、簡易サーバ14から時刻情報を受信した各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13は、この受信した時刻情報が示す時刻に自己の内部時計の時刻を同期させる。必要であれば、通信担当の駐車場管理機12以外の駐車場管理機12は、自己が取り付けられている駐車料金精算機11と通信を行い、自己の内部時計63の時刻を、自己が取り付けられている駐車料金精算機11の内部時計43の時刻に同期させることもできる。このように、各駐車場管理システム2において、各駐車料金精算機11、少なくとも通信担当の駐車場管理機12、各駐車券発行機13および簡易サーバ14のすべての内部時計の時刻が標準時刻に合致した時刻に同期する。なお、通信担当の駐車料金精算機11が第1の駐車場機器の具体例であり、通信担当以外の駐車料金精算機11および駐車券発行機13が第2の駐車場機器の具体例である。
【0056】
ところで、通信担当以外の駐車場管理機12に関しては、各駐車料金精算機11と時刻同期を行なってもよいが、各駐車場管理機12はそれぞれNTPサーバ4と時刻同期する機能を有しているので、個々にNTPサーバ4との間で時刻同期動作を行えばよい。
【0057】
ここで、駐車料金精算機11と駐車場管理機12との間の通信は、ポーリングセレクティング方式により行われる。この通信において、駐車料金精算機11が親機に当たり、駐車場管理機12が子機に当たる。具体的には、駐車料金精算機11は駐車場管理機12に問い合わせ信号を一定間隔(例えば2秒間隔)で送信する。このポーリング動作時においては、駐車料金精算機11は、駐車料金精算機11に送信すべき情報があるか否かを問い合わせる問い合わせ信号を駐車場管理機12に送信する。問い合わせ信号を受信した時点に、駐車場管理機12から駐車料金精算機11に送信すべき情報がある場合には、駐車場管理機12は、当該送信すべき情報を応答信号として駐車料金精算機11に送信する。また、問い合わせ信号を受信した時点に、駐車場管理機12から駐車料金精算機11に送信すべき情報がない場合には、駐車場管理機12は、単なる応答信号(例えばイベントがない旨を示すアクノレッジ信号)を駐車料金精算機11に送信する。
【0058】
一方、セレクティング動作時においては、駐車料金精算機11が、駐車料金精算機11から駐車場管理機12にこれから送信する情報を駐車場管理機12において受信することができるか否かを問い合わせる問い合わせ信号を駐車場管理機12に送信する。この問い合わせ信号を受信した時点に、駐車料金精算機11から駐車場管理機12に送信する情報を駐車場管理機12において受信することができる場合には、駐車場管理部12はその旨を示す応答信号を駐車料金精算機11に送信する。また、この問い合わせ信号を受信した時点に、駐車料金精算機11から駐車場管理機12に送信する情報を駐車場管理機12において受信することができない場合には、駐車場管理機12はその旨を示す応答信号を駐車料金精算機11に送信する。
【0059】
また、各駐車料金精算機11と簡易サーバ14との間の通信も、ポーリングセレクティング方式により行われる。この場合、簡易サーバ14が親機に当たり、駐車料金精算機11が子機に当たる。また、各駐車券発行機13と簡易サーバ14との間の通信も、ポーリングセレクティング方式により行われる。この場合、簡易サーバ14が親機に当たり、駐車券発行機13が子機に当たる。簡易サーバ14は、問い合わせ信号の送信、およびこの問い合わせ信号に対する応答信号の受信を、駐車場管理システム2が有する複数の駐車料金精算機11および複数の駐車券発行機13に1台ずつ順次に行う。以下、駐車場管理システム2における時刻同期について詳しく説明する。
【0060】
図4は、各駐車場管理システム2における各駐車場管理機12のCPU61により実現される構成を示している。図4において、各駐車場管理機12のCPU61は、メモリ62に記憶されたコンピュータプログラムを読み取り、これを実行することにより、問い合わせ信号受信部71、応答信号送信部72(時刻更新要求送信部)、時刻情報要求送信部73、時刻情報受信部74、時刻同期部75として機能する。なお、CPU61は、カメラ27およびインターホン28の制御、駐車場利用者と駐車場管理センタ3との間の通話を実現するための音声データおよび映像データの駐車場管理センタ3に対する送受信制御、駐車料金精算機の遠隔制御、駐車料金精算機に対する精算データの送受信制御等も行う制御部(図示せず)としても機能する。
【0061】
図5は、各駐車場管理システム2における各駐車料金精算機11のCPU41により実現される構成を示している。図5において、各駐車料金精算機11のCPU41は、メモリ42に記憶されたコンピュータプログラムを読み取り、これを実行することにより、問い合わせ信号送信部81、応答信号受信部82、問い合わせ信号受信部83、応答信号送信部84(時刻更新要求送信部)、遅延補正値生成部85、時刻更新同報受信部86、時刻同期部87として機能する。なお、CPU41は、駐車料金の精算処理を行うためのスピーカ33、表示器34、硬貨払い出し装置53等の制御、出口ゲート開閉機の制御等を行う制御部(図示せず)としても機能する。
【0062】
図6は、各駐車場管理システム2における簡易サーバ14のCPUにより実現される構成を示している。図6において、簡易サーバ14のCPUは、簡易サーバ14に内蔵されたメモリ(図示せず)に記憶されたコンピュータプログラムを読み取り、これを実行することにより、問い合わせ信号送信部91、応答信号受信部92、時刻同期部93、時刻更新同報送信部94として機能する。なお、簡易サーバ14のCPUは、入場車両数のカウント、満車か否かの判断、満車である旨の表示情報の管制装置への送信制御等を行う制御部(図示せず)としても機能する。
【0063】
(NTPサーバと駐車場管理機との間の通信)
図7は、各駐車場管理システム2における時刻同期動作を示している。図7において、通信担当の駐車場管理機12の時刻情報要求送信部73は、時刻情報要求をNTPサーバ4に送信する。時刻情報要求は、通信担当の駐車場管理機12に標準時刻情報を送信すべき旨をNTPサーバ4に対して要求する信号である。時刻情報要求の送信は、予め設定された時刻(例えば0時、3時、6時、…等)、または予め設定された時間間隔(例えば3時間間隔)で行われる。また、この時刻情報要求の送信は、通信担当の駐車場管理機12の問い合わせ信号受信部71が通信担当の駐車料金精算機11の問い合わせ信号送信部81から送信された問い合わせ信号(図ではポーリング)を受信し、これに応じて通信担当の駐車場管理機12の応答信号送信部72が、イベントがない旨の応答信号を通信担当の駐車料金精算機11に送信した直後に行われる。すなわち、通信担当の駐車場管理機12の時刻情報要求送信部73は、予め設定された時刻または予め設定された時間間隔で、時刻情報要求をNTPサーバ4に送信する準備を行い、通信担当の駐車場管理機12の応答信号送信部72が、イベントがない旨の応答信号を通信担当の駐車料金精算機11に送信した直後に、時刻情報要求のNTPサーバ4への送信を実行する。通信担当の駐車料金精算機11から問い合わせ信号が送信されてくる間隔が例えば2秒の場合、通信担当の駐車場管理機12の時刻情報要求送信部73は、時刻情報要求をNTPサーバ4に送信する準備を行ってから、最長2秒待ってから、時刻情報要求のNTPサーバ4への送信を実行する。
【0064】
NTPサーバ4は、通信担当の駐車場管理機12の時刻情報要求送信部73から送信された時刻情報要求を受信したら直ちに、標準時刻情報を通信担当の駐車場管理機12に返信する。そして、通信担当の駐車場管理機12の時刻情報受信部74は、NTPサーバ4から返信された標準時刻情報を直ちに受信し、通信担当の駐車場管理機12の時刻同期部75は、時刻情報受信部74により受信された標準時刻情報等に基づいてNTPプロトコルで規定された周知の演算手法により、通信担当の駐車場管理機12の内部時計63の時刻を、標準時刻情報が示す時刻、すなわち標準時刻に合致した時刻に同期させる。通信担当の駐車場管理機12において、このような時刻情報受信部74による標準時刻情報の受信、および時刻同期部75による内部時計63の時刻同期は、時刻情報要求送信部73が時刻情報要求を送信してから問い合わせ信号受信部71が次の問い合わせ信号を通信担当の駐車料金精算機11から受信する前には完了している。
【0065】
(駐車場管理機と駐車料金精算機との間の通信)
NTPサーバ4から受信した標準時刻情報に基づいて通信担当の駐車場管理機12の時刻同期部75が内部時計63の時刻を標準時刻に同期させた後、通信担当の駐車料金精算機11の問い合わせ信号送信部81から送信された問い合わせ信号を通信担当の駐車場管理機12の問い合わせ信号受信部71が最初に受信したとき、通信担当の駐車場管理機12の応答信号送信部72は、応答信号として、時刻更新要求を通信担当の駐車料金精算機11に送信する。そして、通信担当の駐車料金精算機11の応答信号受信部82は、この時刻更新要求を受信する。時刻更新要求は、時刻の同期を要求する信号であり、時刻更新要求には、当該時刻更新要求の送信時点における通信担当の駐車場管理機12の内部時計63の年月日を含む時分秒ならびに百分の1秒台までの正確な時刻値(以下、単に「時分秒値」という。)が含まれている。
【0066】
(駐車料金精算機と簡易サーバとの間の通信)
通信担当の駐車場管理機12の応答信号送信部72から送信された時刻更新要求を通信担当の駐車料金精算装置11の応答信号受信部82が受信した後、簡易サーバ14の問い合わせ信号送信部91から送信された問い合わせ信号を通信担当の駐車料金精算機11の問い合わせ信号受信部83が最初に受信したとき、通信担当の駐車料金精算機11の応答信号送信部84は、応答信号として、時刻更新要求に遅延補正値を付加したものを簡易サーバ14に送信する。そして、簡易サーバ14の応答信号受信部92は、この遅延補正値が付された時刻更新要求を受信する。
【0067】
ここで、遅延補正値は、通信担当の駐車料金精算機11の応答信号受信部82が通信担当の駐車場管理機12から時刻更新要求を受信してから、通信担当の駐車料金精算機11の応答信号送信部84が簡易サーバ14に時刻更新要求を送信するまでの間の時間を示す値であり、通信担当の駐車料金精算機11の遅延補正値生成部85により生成される。上述したように、簡易サーバ14は、問い合わせ信号の送信、およびこの問い合わせ信号に対する応答信号の受信を、駐車場管理システム2が有する複数の駐車料金精算機11および複数の駐車券発行機13に1台ずつ順次に行う。このため、通信担当の駐車料金精算機11の応答信号受信部82が通信担当の駐車場管理機12から時刻更新要求を受信してから、通信担当の駐車料金精算機11の問い合わせ信号受信部83が簡易サーバ14からの問い合わせ信号を最初に受信するまでの時間が長くなる場合がある。例えば、他の駐車料金精算機11から料金集計の要求があった場合など、簡易サーバ14はそれに対して自身の記録された該当する駐車料金集計データを読み出して送信するといった通信動作を行う。このような場合には、簡易サーバ14において問い合わせ信号の送信処理が長時間待機される。遅延補正値はこのような遅延時間を補正するのに用いられる。
【0068】
(簡易サーバと各駐車料金精算機および各駐車券発行機との間の通信)
遅延補正値が付加された時刻更新要求を受信した簡易サーバ14の時刻同期部93は、時刻更新要求に含まれる時分秒値に遅延補正値を加算し、これにより得られた値を簡易サーバ14の内部時計に設定する。これにより、簡易サーバ14の内部時計の時刻が、標準時刻に合致した時刻と同期する。続いて、簡易サーバ14の時刻更新同報送信部94が、時刻更新同報を、当該駐車場管理システム2が有するすべての駐車料金精算機11および駐車券発行機13に一斉に送信する。そして、各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13は、この時刻更新同報を受信する。時刻更新同報は、駐車場管理システム2が有するすべての駐車料金精算機11および駐車券発行機13の時刻同期を一斉に実行するための信号であり、時刻更新同報には、当該時刻更新同報の送信時点における簡易サーバ14の内部時計の時刻を示す時分秒値が含まれている。
【0069】
当該駐車場管理システム2の各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13は、受信した時刻更新同報に含まれている時分秒値に対し、内部処理の遅延等の補正を行い、補正後の時分秒値を内部時計に設定する。これにより、当該駐車場管理システム2が有するすべての駐車料金精算機11および駐車券発行機13の内部時計の時刻が、標準時刻に合致した時刻と同期する。最後に、通信担当の駐車料金精算機11以外の各駐車料金精算機11と、通信担当の駐車場管理機12以外の各駐車場管理機12との間で時刻同期を行なってもよいが、個々にNTPサーバ4との時刻同期動作を行なってもよい。これにより、当該駐車場管理システム2が有するすべての駐車場管理機12の内部時計63の時刻が、標準時刻に合致した時刻と同期する。
【0070】
以上より、当該駐車場管理システム2が有するすべての駐車料金精算機11、駐車場管理機12、駐車券発行機13および簡易サーバ14の内部時計の時刻が、標準時刻に合致した時刻と同期する。
【0071】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の特徴は、通信担当の駐車場管理機12から送信された時刻更新情報が駐車場料金精算機11の第1の通信部45に受信されてから、駐車料金精算機11のCPU41内部における所定処理を経て、駐車料金精算機11の第2の通信部46から簡易サーバ14に向けて送信されるまでにかかる時間を正確に把握し、この時間に基づいて時刻更新情報に含まれる時分秒値を補正し、これにより、駐車場管理システム2における各駐車料金精算機11、各駐車場管理機12、各駐車券発行機13および簡易サーバ14の時刻同期の正確性を高める点にある。
【0072】
すなわち、時刻更新要求は、まず、通信担当の駐車場管理機12から通信担当の駐車料金精算機11の第1の通信部45に伝達され、次に、第1の通信部45から当該駐車料金精算機11のCPU41に伝達され、当該CPU41内部において所定の処理が施される(図3参照)。この過程において、第1の通信部45が、通信担当の駐車場管理機12から受信した時刻更新要求を当該駐車料金精算機11内のCPU41に送信するのには時間がかかり、この時間は予め正確に予測することが困難である。例えば当該CPU41が当該駐車料金精算機11における精算処理を優先的に実行する必要がある場合には、第1の通信部45からCPU41への時刻更新情報の送信が待たされ、この待機時間は精算処理の進捗状況により変動するため予測困難である。本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態における遅延補正値生成部85(図5参照)に代え、第1の通信部45に第1の通信制御部101を設け(図8参照)、第1の通信制御部101により、第1の通信部45が通信担当の駐車場管理機12から受信した時刻更新要求を当該駐車料金精算機11内のCPU41に送信するのにかかる時間を測定し、この測定結果を示す情報(タイマー値)を時刻更新要求に付加する。
【0073】
さらに、通信担当の駐車料金精算機11のCPU41における内部処理を経た時刻更新要求は、当該CPU41から駐車料金精算機11の第2の通信部46に伝達され、次に、簡易サーバ14からの問い合わせ信号に対する応答信号として、第2の通信部46から簡易サーバ14に向けて送信される。この過程において、第2の通信部46がCPU41から受信した時刻更新要求を簡易サーバ14に向けて送信するのには時間がかかり、この時間は予め正確に予測することが困難である。例えば、時刻更新要求の簡易サーバ14への送信は、簡易サーバ14からの問い合わせ信号を待って行われ、簡易サーバ14からの問い合わせ信号がいつ受信されるかは、簡易サーバ14と通信担当以外の各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13との間における通信状況によって変動するため予測困難である。本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態における遅延補正値生成部85(図5参照)に代え、第2の通信部46に第2の通信制御部102を設け(図10参照)、第2の通信制御部102により、第2の通信部46がCPU41から受信した時刻更新要求を簡易サーバ14に向けて送信するのにかかる時間を測定し、この測定結果を示す情報(タイマー値)を時刻更新要求に付加する。
【0074】
そして、時刻更新情報を通信担当の駐車料金精算機11から受信した簡易サーバ14は、時刻更新情報に含まれる時分秒値を、当該時刻更新情報に付加されたタイマー値に基づいて補正し、補正後の時分秒値を自己の内部時計に設定する。これにより、簡易サーバ14の内部時計の時刻は、標準時刻に合致した時刻に高精度に同期する。そして、駐車場管理システム2における各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13の内部時計の時刻は、第1の実施形態で述べた通り、簡易サーバ14の内部時計の時刻に同期するため、各駐車料金精算機11、少なくとも通信担当の駐車場管理機12および各駐車券発行機13の内部時計の時刻も標準時に合致した時刻に高精度に同期する。なお、駐車料金精算機11のCPU41は内部制御部の具体例に当たる。以下、本発明の第2の実施形態における第1の通信制御部101および第2の通信制御部102について詳しく説明する。
【0075】
図8は、第1の通信部45(図3参照)に設けられた第1の通信制御部101を示す。図9は第1の通信制御部101のCPU111により実現される構成を示す。図8において、第1の通信制御部101は、CPU111、ROM、RAM、フラッシュメモリ等のメモリ112、タイマー113、2つの送受信部114、115を備えている。CPU111とメモリ112とはバス116を介して接続されている。タイマー113はCPU111に接続されている。各送受信部114、115はインターフェース117およびバス116を介してCPU111およびメモリ112に接続されている。
【0076】
図9に示すように、CPU111は、メモリ112に記憶されたコンピュータプログラムを読み取り、これを実行することにより、時刻更新要求1次受信部121、時刻更新要求データ記録部122、タイマー値記録部123、データ読み出し部124、時刻更新要求1次送信部125として機能する。また、図8中のタイマー113は、FRT(Free Running Timer)であり、駐車料金精算機11の稼働中において常に一定の間隔(例えば1ミリ秒間隔)でタイマー値をインクリメント(カウントアップ)している。また、送受信部114は駐車場管理機12と例えばシリアル通信方式により通信を行う回路である。送受信部115は駐車場料金精算機11内において駐車料金精算機11のCPU41と例えば高速なシリアル通信方式により通信を行う回路である。
【0077】
図10は、第2の通信部46(図3参照)に設けられた第2の通信制御部102を示す。図11は第1の通信制御部101のCPU131により実現される構成を示す。図10において、第2の通信制御部102は、第1の通信制御部101と同様に、CPU131、メモリ132、タイマー133、2つの送受信部134、135、バス136、およびインターフェース137を備えている。
【0078】
図11に示すように、CPU131は、メモリ132に記憶されたコンピュータプログラムを読み取り、これを実行することにより、時刻更新要求2次受信部141、時刻更新要求データ記録部142、タイマー値記録部143、データ読み出し部144、時刻更新要求2次送信部145、時刻更新同報1次受信部146、および時刻更新同報1次送信部147として機能する。また、図10中のタイマー133は、FRTであり、駐車料金精算機11の稼働中において常に一定の間隔(例えば1ミリ秒間隔)でタイマー値をインクリメント(カウントアップ)している。また、送受信部134は駐車場料金精算機11内において駐車料金精算機11のCPU41と例えば高速なシリアル通信方式により通信を行う回路である。送信部135は簡易サーバ14、他の各駐車場料金精算機11および各駐車券発行機13とマルチポイント型接続のシリアル通信方式により通信を行う回路である。
【0079】
図12は、第1の通信制御部101および第2の通信制御部102を有する本発明の第2の実施形態の駐車場管理システムの時刻同期動作を示している。図13は通信電文を示している。図12において、まず、通信担当の駐車場管理機12がNTPサーバ4から標準時刻情報を取得し、この標準時刻情報に基づいて自己の内部時計63の時刻を標準時刻に同期させる。その後、通信担当の駐車場管理機12は、通信担当の駐車料金精算機11からの問い合わせ信号を最初に受信したとき、これに対応する応答信号として、現時点における自己の内部時計63の時分秒値が含まれた時刻更新要求を通信担当の駐車料金精算機11に送信する。これらの点については、第1の実施形態(図7参照)と同じであるが、第2の実施形態における通信担当の駐車場管理機12は、自己の内部時計63の時分秒値が含まれた時刻更新要求を図13に示す通信電文の形式で通信担当の駐車料金精算機11に送信する。このときの通信電文は図13中の状態Aである。
【0080】
続いて、通信担当の駐車料金精算機11の第1の通信部45に設けられた第1の通信制御部101の時刻更新要求1次受信部121が、通信担当の駐車場管理機12から送信された通信電文を受信する。この時点において、第1の通信制御部101のタイマー値記録部123が、第1の通信制御部101のタイマー113のタイマー値を読み取り、このタイマー値を第1の受信タイマー値としてメモリ112に記憶する。続いて、第1の通信制御部101の時刻更新要求データ記録部122が、時刻更新要求1次受信部121により受信された通信電文をメモリ112に記憶する。その後、第1の通信制御部101のデータ読み出し部124がメモリ112に記憶された通信電文および第1の受信タイマー値を読み出し、この通信電文に第1の受信タイマー値を付加する。これにより、通信電文は図13中の状態Bとなる。そして、第1の通信部45とCPU41との間の通信が可能になるまで待機する。第1の通信部45と当該駐車料金精算機11のCPU41との間の通信が可能になった時点において、第1の通信制御部101の時刻更新要求1次送信部125が第1の通信制御部101のタイマー113のタイマー値を読み取り、このタイマー値を第1の送信タイマー値として通信電文に付加し、直ちにこの通信電文を当該駐車料金精算機11のCPU41に送信する。この時点において、通信電文は図13中の状態Cである。この通信電文は、当該駐車料金精算機11のCPU41内部における所定の処理を経て、当該CPU41から第2の通信部46に送信される。
【0081】
続いて、当該駐車料金精算機11の第2の通信部46に設けられた第2の通信制御部102の時刻更新要求2次受信部141が、当該駐車料金精算機11のCPU41から送信された通信電文を受信する。この時点において、第2の通信制御部102のタイマー値記録部143が、第2の通信制御部102のタイマー133のタイマー値を読み取り、このタイマー値を第2の受信タイマー値としてメモリ132に記憶する。続いて、第1の通信制御部102の時刻更新要求データ記録部142が、時刻更新要求2次受信部141により受信された通信電文をメモリ132に記憶する。その後、第2の通信制御部102のデータ読み出し部144がメモリ132に記憶された通信電文および第2の受信タイマー値を読み出し、この通信電文に第2の受信タイマー値を付加する。これにより通信電文は図13中の状態Dとなる。そして、当該駐車料金精算機11において簡易サーバ14からの問い合わせ信号が受信されるまで待機する。続いて、当該駐車料金精算機11において簡易サーバ14からの問い合わせ信号が受信された時点に、第2の通信制御部102の時刻更新要求2次送信部145が第2の通信制御部102のタイマー133のタイマー値を読み取り、このタイマー値を第2の送信タイマー値として通信電文に付加し、直ちにこの通信電文を簡易サーバ14に送信する。この時点において、通信電文は図13中の状態Eである。
【0082】
続いて、簡易サーバ14は、当該通信担当の駐車料金精算機11の第2の通信制御部102(第2の通信部46)から通信電文を受信する。そして、簡易サーバ14は、この通信電文中の時刻更新要求に含まれている時分秒値に、(1)当該通信電文中の第1の受信タイマー値と第1の送信タイマー値との差分値と、(2)当該通信電文中の第2の受信タイマー値と第2の送信タイマー値との差分値と、(3)通信担当の駐車料金精算機11と簡易サーバー14との間の通信伝送にかかる時間と、(4)簡易サーバ14内部における自己の内部時計の時刻設定処理にかかる時間とを加算し、これにより得られた値を自己の内部時計の時刻として設定する。
【0083】
ここで、当該通信電文中の第1の受信タイマー値と第1の送信タイマー値との差分値は、第1の通信部45が通信担当の駐車場管理機12から受信した時刻更新要求(通信電文)を当該駐車料金精算機11内のCPU41に送信するのにかかる時間に当たる。また、当該通信電文中の第2の受信タイマー値と第2の送信タイマー値との差分値は、第2の通信部46がCPU41から受信した時刻更新要求を簡易サーバ14に向けて送信するのにかかる時間に当たる。また、通信担当の駐車料金精算機11と簡易サーバ14との間の通信伝送にかかる時間は、予め正確に予測することができる(例えば、駐車料金精算機11と簡易サーバ14との間の通信伝送にかかる時間は搭載された通信素子と物理的な距離で決まるため、処理にかかる時間は変動しない)。さらに、簡易サーバ14内部における自己の内部時計の時刻設定処理にかかる時間も予め正確に予測することができる。
【0084】
これにより、簡易サーバ14の内部時計の時刻は、通信担当の駐車場管理機12の内部時計63の時刻と高精度に同期し、すなわち、標準時刻に高精度に同期する。
【0085】
続いて、簡易サーバ14は、現時点における自己の内部時計の時分秒値が含まれた時刻更新同報を、当該駐車場管理システム2が有するすべての駐車料金精算機11および駐車券発行機13に一斉に送信する。そして、各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13は、この時刻更新同報を受信する。
【0086】
各駐車料金精算機11が時刻更新同報を受信する際には、通信担当の駐車料金精算機11が通信担当の駐車場管理機12から時刻更新要求を受信する際の処理と同様に、駐車料金精算機11の第2の通信部46に設けられた第2の通信制御部102の時刻更新同報1次受信部146により、簡易サーバ14から通信電文の形式で送信された時刻更新同報(図13中の状態F)を受信した時点におけるタイマー値を第3の受信タイマー値として通信電文に付加すると共に(図13中の状態G)、時刻更新同報1次送信部147により、当該通信電文を当該駐車料金精算機11のCPU41に送信する時点におけるタイマー値を第3の送信タイマー値として通信電文に付加する(図13中の状態H)。これにより、当該駐車料金精算機11のCPU41は、第2の通信部46から受信した通信電文中の時刻更新同報に含まれる時分秒値に、当該通信電文中の第3の受信タイマー値と第3の送信タイマー値との差分値と、簡易サーバ14と各駐車料金精算機11間の通信伝送にかかる時間と、当該CPU41が内部時計43の時刻設定処理にかかる時間とを加算し、これにより得られた値を内部時計43の時刻として設定する。以上述べた構成は、各駐車券発行機13における時刻更新同報(通信電文)の受信とこの時刻更新同報に基づく内部時計の時刻設定処理にも適用される。
【0087】
これにより、駐車場管理システム2におけるすべての駐車料金精算機11、少なくとも通信担当の駐車場管理機12、駐車券発行機13および簡易サーバ14の内部時計の時刻は標準時刻に高精度に同期する。特に、本発明の第2の実施形態では、駐車料金精算機11において、第1の通信部45が駐車場管理機12から受信した時刻更新要求(通信電文)を当該駐車料金精算機11内のCPU41に送信するのにかかる時間をタイマー113により測定すると共に、第2の通信部46がCPU41から受信した時刻更新要求を簡易サーバ14に向けて送信するのにかかる時間をタイマー133により測定する構成としたから、予測不能な待機状態の発生や、予測不能な優先的な他の処理の発生、駐車場管理システム2内外の通信状況の予測不能な悪化等により時刻更新要求の送信に予測不能な遅延が生じたとしても、タイマー113およびタイマー133のタイマー値に基づいて時刻更新要求の遅延時間を正確に認識することができ、この遅延時間に基づいて時刻更新要求に含まれる時分秒値を補正することにより、内部時計の時刻を標準時刻に高精度に同期させることができる。
【0088】
上記特許文献4のPLC用時刻同期装置などのように、内部処理の遅延時間を予め設定して保存しておく技術では、本実施形態の駐車場管理システム2において起こる時刻更新要求送信の予測不能な遅延に対処することが困難であるが、本発明の第2の実施形態によれば、時刻更新要求送信の予測不能な遅延に対処し、時刻更新要求送信の予測不能な遅延により内部時計の同期精度が低下するのを防止することができる。
【0089】
なお、上述した各実施形態では、通信担当の駐車場管理機12がNTPサーバ4から標準時刻情報を取得する場合を例にあげたが、本発明はこれに限らず、電波時計の送信局から無線送信された電波、またはGPS衛星からのGPS信号から標準時刻情報を取得してもよい。例えば、多層式の駐車場等で上層階の駐車料金精算機(この場合には事前料金精算機が多い)に取り付けられた駐車場管理機には内部時計として電波時計を搭載し、その駐車場管理機と駐車料金精算機と簡易サーバとを接続し、さらに他の階の駐車料金精算機や駐車券発行機との時刻同期を実現することが容易に可能となり、駐車場の一部の機器で正常に電波時計の受信がなされれば、他の複数の駐車場機器との時刻の同期が同様のシステムで安価で正確に実現する。また、GPS信号から標準時刻情報を取得する場合には、駐車場管理機にGPS受信機を備える。
【0090】
また、上述した各実施形態における駐車場管理システム2では、各駐車料金精算機11に駐車場管理機12が取り付けられ、駐車料金精算機11と駐車場管理機12とが一対一に組み合わさった駐車場管理ユニットが複数形成されている。そして、これら複数の駐車場管理ユニットの中から1つの駐車場管理ユニットが選択され、この選択された駐車場管理ユニット(以下、これを「通信担当の駐車場管理ユニット」という。)を形成する駐車料金精算機11および駐車場管理機12がそれぞれ通信担当の駐車料金精算機11および通信担当の駐車場管理機12となって、NTPサーバ4からの標準時刻情報の取得から時刻更新要求の簡易サーバ14への送信までの処理を実行する。このような複数の駐車場管理ユニットから通信担当の駐車場管理ユニットを選択する方法は例えば次の通りである。
【0091】
すなわち、簡易サーバ14が各駐車料金精算機11の動作負荷を監視し、動作負荷が小さい駐車料金精算機11を含む駐車場管理ユニットを通信担当の駐車場管理ユニットとして優先的に選択する。各駐車料金精算機11の動作負荷の大小は、通信電文に含まれる受信タイマー値と送信タイマー値との差分の大小で判断する。これにより、各駐車料金精算機11の設置場所や利用頻度の大きさ、機械の固有の性能差などがあっても、各駐車料金精算機11の動作負荷の大小を適切に判断することができる。また、通信担当の駐車料金精算機11の動作負荷が増大したときには、簡易サーバ14はこれを認識し、現在の通信担当の駐車場管理ユニットを、この時点においてより動作負担が小さい他の駐車場管理ユニットに変更することができる。これにより、常に正常な時刻同期の状態を維持することができる。さらに、不意の機器トラブルや保守の際にも、自動で簡易サーバ14が通信担当の駐車場管理ユニットを変更する構成としてもよい。
【0092】
また、簡易サーバ14は、複数の駐車料金精算機11、複数の駐車場管理機12および複数の駐車券発行機13のうちのいずれかに搭載してもよい。例えば駐車券発行機13に簡易サーバ14を搭載することにより、駐車券発行機13の性能を低下させることなく、簡易サーバ14を安定的に動作させることができる。すなわち、駐車券発行機13は、料金計算や集計などの機能がないために動作負荷が比較的小さいので、駐車券発行機13に簡易サーバ14を搭載させても、駐車券発行機13の動作負担が過大になることがなく、それゆえ、駐車券発行機13の機能と簡易サーバ14の機能との双方を安定的に実現することができる。そして、簡易サーバ14を、複数の駐車料金精算機11、複数の駐車場管理機12および複数の駐車券発行機13のうちのいずれかに搭載することにより、駐車場管理システム2の設置コストおよび部品コストを下げることができる。
【0093】
また、第1の通信制御部101の時刻更新要求1次受信部121により受信された時刻更新要求に含まれる時分秒値と第2の通信制御部102の時刻更新同報1次受信部146により受信された時刻更新同報に含まれる時分秒値との差分値と、第1の通信制御部101の時刻更新要求1次受信部121で受信した時刻更新要求に含まれる時分秒値をメモリ112に記録してから時刻更新同報が受信されるまでの経過時間をタイマー113により測定することにより得られた時間値とを比較し、両者の相違が予め設定された基準値よりも大きい場合には、エラーを発生し、一方、上記両者の相違が上記基準値以下である場合には、上記時刻更新要求に含まれる時分秒値、上記時刻更新同報に含まれる時分秒値、および上記経過時間の測定により得られた時間値をメモリ42等に履歴情報として記憶し、この履歴情報を簡易サーバ14または駐車場管理センタ3からの指令に基づいて出力することができるようにしてもよい。これにより、駐車場管理システム2内で時刻更新要求および時刻更新同報の送受信が正常に行われたことを確認することができ、エラーの判断や、正常な履歴の管理によって、標準時に同期した時刻を採用している駐車場管理システムを証明可能な監査データを蓄積して、時刻値の安定度の証明をすることできる。
【0094】
また、図14は通信電文の変形例を示している。すなわち、図14中の(1)は、通信担当の駐車場管理機12が送信する時刻更新要求の通信電文を示し、図14中の(2)は、通信担当の駐車料金精算機11の第1の通信制御部101がCPU41に送信する時点の時刻更新要求の通信電文を示し、図14中の(3)は、通信担当の駐車料金精算機11の第2の通信制御部102が簡易サーバ14に送信する時点の時刻更新要求の通信電文を示し、図14中の(4)は、簡易サーバ14が各駐車料金精算機11および各駐車券発行機13に送信する時刻更新同報の通信電文を示し、図14中の(5)は、時刻更新同報を受信した駐車料金精算機11における第2の通信制御部102がCPU41に送信する時点の時刻更新同報の通信電文を示している。
【0095】
図14(1)〜(3)の通信電文には通信担当の駐車場管理機12が送信する時点での内部時計63の時分秒値が通信電文にセットされ、その後は補正値1、2とタイマー値、及びタイマー値の差分値が夫々セットされて(タイマー値とタイマー値差分はその時点で上書き)送信される。ここで、補正値1は、通信担当の駐車場管理機12と通信担当の駐車料金精算機11との通信伝送にかかる時間を示す値であり、当該時間を予め予測して事前にメモリに記憶等しておいたものである。また、補正値2は、通信担当の駐車料金精算機11と簡易サーバ14との通信伝送にかかる時間を示す値であり、当該時間を予め予測して事前にメモリに記憶等しておいたものである。また、図14(4)、(5)では簡易サーバ14が同報送信する時点における簡易サーバ14の内部時計の時分秒値が通信電文にセットされ、さらにそれに補正値3とタイマー値、タイマー値差分がセットされる。ここで、補正値3は、簡易サーバ14と各駐車料金精算機11(駐車券発行機13)との通信伝送にかかる時間を示す値であり、当該時間を予め予測して事前にメモリに記憶等しておいたものである。
【0096】
これにより、各々の電文間で補正値を計算し直してセットし、その時点でのタイマー値とそれ以前のメモリ上のタイマー値との差分値を通信電文にセットして送信することで、内部処理の経過時間等を正確に通信電文内に保持しながら時刻情報の伝達を行うことができる。タイマー値やタイマー値差分は、例えば通信が一旦途絶えたり、一部の機器で複雑な処理がなされていた場合等、通信を再送する場合なども常時タイマー値のカウントが成されているため、正常な時も若干何らかの影響で通信に時間がかかるときも、時刻値にその時点のタイマー値や差分値をセットして送信することになるため、それを最終的に演算して補正すれば誤差が蓄積されるようなことも無い。
【0097】
また、上述した各実施形態では、ゲート式駐車場に設けられ、複数の駐車料金精算機および複数の駐車券発行機を有する駐車場管理システムを例にあげたが、本発明はこれに限らない。本発明は、フラップ式駐車場や自転車用の駐輪駐車場に設けられ、複数の駐車料金精算機を有するものの、駐車券発行機を有しない駐車場管理システムにも適用することができる。
【0098】
また、通信担当の駐車場管理機12がNTPサーバ4に送信する時刻情報要求の送信予定や送信間隔は、駐車場管理機12に設定しておいてもよいが、駐車場管理センタ3のオペレータからの遠隔操作にて時刻情報要求の送信を開始するようにすることも可能であり、さらに通信担当の駐車料金精算機11にプログラムしておいて通信担当の駐車場管理機12にセレクティング動作で時刻情報要求の送信を起動させるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明の技術は、例えば自動車用に入口出口にゲートを備えて入口の駐車券発行機から駐車券を取って入場し、出口では駐車料金精算機に駐車券を挿入して駐車時間から算出した駐車料金を徴収してゲートを開放して出場を許可する形式の駐車場に利用することが可能なばかりでなく、自転車やオートバイ・自動二輪車用を退出不可状態にロックする二輪車駐車装置を多数装備し、それ応じて複数の料金精算機を配備した駐輪場等に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0100】
2 駐車場管理システム
3 駐車場管理センタ
4 NTPサーバ
5 広域通信回線網
6 インターネット
11 駐車料金精算機
12 駐車場管理機
13 駐車券発行機
14 簡易サーバ
41 CPU
42 メモリ
43 内部時計
45 第1の通信制御部
46 第2の通信制御部
61 CPU
62 メモリ
63 内部時計
65 外部通信部
66 データ端末装置
71 問い合わせ信号受信部
72 応答信号送信部(時刻更新要求送信部)
73 時刻情報要求送信部
74 時刻情報受信部
75 時刻同期部
81 問い合わせ信号送信部
82 応答信号受信部
83 問い合わせ信号受信部
84 応答信号送信部(時刻更新要求送信部)
85 遅延補正値生成部
86 時刻更新同報受信部
87 時刻同期部
91 問い合わせ信号送信部
92 応答信号受信部
93 時刻同期部
94 時刻更新同報送信部
101 第1の通信制御部
111 CPU
112 メモリ
113 タイマー
114、115 送受信部
121 時刻更新要求1次受信部
122 時刻更新要求データ記録部
123 タイマー値記録部
124 データ読み出し部
125 時刻更新要求1次送信部
102 第2の通信制御部
131 CPU
132 メモリ
133 タイマー
134、135 送信部
141 時刻更新要求2次受信部
142 時刻更新要求データ記録部
143 タイマー値記録部
144 データ読み出し部
145 時刻更新要求2次送信部
146 時刻更新同報1次受信部
147 時刻更新同報1次送信部
P1、P2、P3 駐車場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車券の発行処理、駐車料金の精算処理、または駐車場内若しくは駐車場外への車両の移動を制限する車両移動制限装置の制御を行う少なくとも第1の駐車場機器および第2の駐車場機器を含む複数の駐車場機器と、
前記第1の駐車場機器に取り付けられ、前記第1の駐車場機器に通信可能に接続されると共に外部の時刻情報提供装置に通信可能に接続され、前記時刻情報提供装置から送信され標準時刻に合致した時刻を示す標準時刻情報を受信し、当該標準時刻情報を前記第1の駐車場機器に送信する駐車場管理機と、
前記複数の駐車場機器のそれぞれに通信可能に接続され、前記複数の駐車場機器のそれぞれに情報の同報送信を行うサーバ装置とを備え、
前記駐車場管理機は、
第1の内部時計と、
前記時刻情報提供装置に対し前記標準時刻情報の前記駐車場管理機への送信を要求する時刻情報要求を前記時刻情報提供装置に送信する時刻情報要求送信部と、
前記時刻情報要求に応じて前記時刻情報提供装置から送信された標準時刻情報を受信する時刻情報受信部と、
前記時刻情報受信部により受信された標準時刻情報が示す時刻に前記第1の内部時計の時刻を同期させる第1の時刻同期部と、
前記第1の時刻同期部により同期が行われた前記第1の内部時計の時刻を示す時分秒値を含む時刻更新要求を前記第1の駐車場機器に送信する第1の時刻更新要求送信部とを備え、
前記第1の駐車場機器は、
前記駐車場管理機の第1の時刻更新要求送信部から送信された時刻更新要求を受信する第1の時刻更新要求受信部と、
前記第1の時刻更新要求受信部が前記時刻更新要求を受信してから当該時刻更新要求を前記サーバ装置に送信するまでに生じる遅延を補正するための遅延補正値を生成し、当該遅延補正値を前記時刻更新要求に付加する遅延補正値生成部と、
前記遅延補正値生成部により前記遅延補正値が付加された前記時刻更新要求を前記サーバ装置に送信する第2の時刻更新要求送信部とを備え、
前記サーバ装置は、
前記第1の駐車場機器から送信された時刻更新要求を受信する第2の時刻更新要求受信部と、
前記第2の時刻更新要求受信部により受信された時刻更新要求に含まれる前記遅延補正値に基づいて当該時刻更新要求に含まれる時分秒値を補正し、当該補正された時分秒値を含む時刻更新同報を前記複数の駐車場機器に同報送信する時刻更新同報送信部とを備え、
前記各駐車場機器は、
第2の内部時計と、
前記サーバ装置の時刻更新同報送信部から同報送信された時刻更新同報を受信する時刻更新同報受信部と、
前記時刻更新同報受信部により受信された時刻更新同報に含まれる時分秒値に前記第2の内部時計の時刻を同期させる第2の時刻同期部とを備えていることを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項2】
前記遅延補正値生成部は、タイマーを備え、前記第1の時刻更新要求受信部が前記時刻更新要求を受信した時点において前記タイマーが示す受信タイマー値、および当該時刻更新要求を前記サーバ装置に送信する時点において前記タイマーが示す送信タイマー値をそれぞれ遅延補正値として、前記第2の時刻更新要求送信部により前記サーバ装置に送信する時刻更新要求に付加することを特徴とする請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記第1の駐車場機器は、
前記時刻更新要求について所定処理を行う内部制御部と、
前記第1の時刻更新要求受信部により受信された時刻更新要求を前記内部制御部に送信する第3の時刻要求送信部と、
前記内部制御部における前記所定処理を経て前記内部制御部から戻ってきた時刻更新要求を受信する第3の時刻要求受信部とを備え、
前記遅延補正値生成部は、タイマーを備え、前記第1の時刻更新要求受信部が前記時刻更新要求を受信した時点において前記タイマーが示す第1の受信タイマー値、前記第3の時刻更新要求送信部が前記第1の時刻更新要求受信部により受信された時刻更新要求を前記内部制御部に送信する時点において前記タイマーが示す第1の送信タイマー値、前記第3の時刻要求受信部が前記内部制御部から戻ってきた時刻更新要求を受信する時点において前記タイマーが示す第2の受信タイマー値、および前記第3の時刻要求受信部により受信された時刻更新要求を前記第2の時刻更新要求送信部が前記サーバ装置に送信する時点において前記タイマーが示す第2の送信タイマー値をそれぞれ遅延補正値として、前記第2の時刻更新要求送信部により前記サーバ装置に送信する時刻更新要求に付加することを特徴とする請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
前記時刻情報提供装置はNTP(Network Time Protocol)サーバであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の駐車場管理システム。
【請求項5】
前記時刻情報提供装置は前記標準時刻情報を標準電波にタイムコードを重畳することにより送信する送信局であり、前記駐車場管理機は電波時計用標準電波受信機を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の駐車場管理システム。
【請求項6】
前記時刻情報提供装置はGPS(Global Positioning
System)衛星であり、前記駐車場管理機はGPS受信機を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の駐車場管理システム。
【請求項7】
前記第1の駐車場機器に前記駐車場管理機が取り付けられた駐車場管理ユニットを複数備え、
前記サーバ装置は、前記複数の駐車場管理ユニットの中から1つの駐車場管理ユニットを変更可能に選択する選択部を備え、
前記選択部は、前記複数の駐車場管理ユニットのそれぞれの動作負担の大小に基づいて前記1つの駐車場管理ユニットを選択し、
前記選択部により選択された駐車場管理ユニットのみが前記時刻情報提供装置からの標準時刻情報の受信から前記遅延補正値が付加された時刻更新要求の前記サーバ装置への送信までの処理を実行することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の駐車場管理システム。
【請求項8】
前記選択部は、前記時刻更新要求に含まれる遅延補正値に基づいて前記複数の駐車場管理ユニットのそれぞれの動作負担の大小を判断することを特徴とする請求項7に記載の駐車場管理システム。
【請求項9】
前記サーバ装置は、前記複数の駐車場機器のいずれかに搭載されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の駐車場管理システム。
【請求項10】
前記時刻更新要求に含まれる時分秒値と前記時刻更新同報に含まれる時分秒値との差分値と、前記第1の駐車場機器の前記第1の時刻更新要求受信部が前記時刻更新要求を受信した時点において前記タイマーが示すタイマー値と前記第1の駐車場機器の前記時刻更新同報受信部が前記時刻更新同報を受信した時点において前記タイマーが示すタイマー値との差分値との差が予め設定された基準値よりも大きい場合にはエラーを発生し、前記2つの差分値間の差が前記基準値以下である場合には、前記時刻更新要求に含まれる時分秒値、前記時刻更新同報に含まれる時分秒値、および前記2つのタイマー値間の差分値を履歴情報として記憶することを特徴とする請求項2に記載の駐車場管理システム。
【請求項11】
駐車券の発行処理、および駐車場外への車両の移動を制限する車両移動制限装置の制御を行う駐車料金精算機であって、
第1の外部機器から送信される時刻情報を受信する時刻情報受信部と、
前記時刻情報受信部が前記時刻情報を受信してから当該時刻情報を第2の外部機器に送信するまでの遅延を補正するための遅延補正値を生成し、当該遅延補正値を前記時刻情報に付加する遅延補正値生成部と、
前記遅延補正値生成部により前記遅延補正値が付加された前記時刻情報を前記第2の外部機器に送信する時刻情報送信部とを備えていることを特徴とする駐車料金精算機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−13843(P2011−13843A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156128(P2009−156128)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】