説明

骨固定プレート装置及びその使用方法

第1及び第2の骨を接合する方法が提供される。本発明の方法は、両骨の側面の間に第1の骨により近い第1の端部と第2の骨により近い第2の端部とを有するベースプレートを挿入する過程を備えている。ベースプレートは、その第1の端部を貫通して伸びる第1のネジ挿通孔とその第2の端部を貫通して伸びる第2のネジ挿通孔とを備えている。第1の骨ネジが第1のネジ挿通孔を通して第1の骨内にねじ込まれる。この第1の骨ネジは骨の頂部表面に対して略20°ないし略60°の範囲の角度傾いた状態でねじ込まれる。第2の骨ネジが第2のネジ挿通孔を通して第2の骨内にねじ込まれる。この第2の骨ネジは、骨の頂部表面に対して略20°ないし略70°の範囲の角度傾いた状態でねじ込まれる。第1及び第2の骨ネジがそれぞれ第1及び第2の骨から抜け出るのを阻止するために、第1の骨ネジの少なくとも一部と第2の骨ネジの少なくとも一部とがカバーされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科的な関節固定術により2つの骨を相互に固定するのをアシストするのに特に有用な骨固定プレート装置に関し、更に特定すると、骨を固定する(融合させる)間、骨相互間に制限された動きを与えるととともにその動きをコントロールする骨固定プレート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎動物の脊柱は、重さを支え、デリケートな脊髄及び脊髄神経を保護している。脊柱は、それぞれの頂部の上に積み重ねられた一連の椎骨からなっている。椎骨は、典型的には、7つの頸椎と、12個の胸椎と、5個の腰椎とのセグメントである。それぞれの椎骨は、脊椎の前面側の部分に円柱形の椎体を有し、背面側に向かって椎弓を備え、背面側の部分が神経構造を覆っている。椎体の間には、脊椎にかかる衝撃を吸収し、圧縮力を減衰させるのを助ける軟骨のクッションである椎間板がある。背面側に向かって椎弓板があり、この椎弓板が脊椎腱と神経とからなる神経構造を保護のために覆っている。椎弓板と前面側の椎体との接合部には、脊椎の動きを許容するための関節がある。
【0003】
種々の問題が脊柱の構造及び機能に影響を与え得る。これらの問題は、椎間板または関節の変性の状態、椎間板、脊椎を支えている骨または帯の外傷性の破損、腫傷または感染などに基づいている。更に、先天的または後天的な奇形が、脊椎の異常な屈曲やずれを生じさせることがある。ある椎体の前面側が他の椎体の上でずれる(脊椎すべり症が生じる)と、脊椎の腱または神経の圧搾を生じさせることがある。これらの障害の一つまたはそれ以上に苦しむ患者は、極度の、衰弱を招くような痛みをしばしば経験し、症状が適切に処置されなかった場合には、慢性的な神経のダメージを受けることがある。
【0004】
これらの疾患を処置する一つの手法は、外科的な脊椎関節固定術として知られている。この手法は、椎間板を除去して、それを骨と交換し、更に脊椎を固定することにより行われ、骨がやがて椎間板のスペースを横切って融合するか、または成長するのを許容して、隣接する椎体を相互に接続する。骨の融合を許容するための椎骨の固定は、しばしば、破損した骨にギブスをあてがうのと同じように、椎体を適当なアライメントで保持して、骨の癒着を許容するための装置(デバイス)を外科的に埋め込む(インプラントする)ことによりアシストされる。このような手法は、上記の症状を処置するために効果的に用いられており、殆どのケースで、患者の苦痛を和らげ、神経の機能が喪失するのを防ぐのに効果がある。しかしながら、従来の固定装置にはいくつかの問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
脊椎を固定する装置は、骨移植片がある場所にかかる重量の一部を負担することを許容する必要がある。もし重量に耐えることの重圧から完全に免れるようになっていると、骨は治癒しないであろう。固定装置は、この重量の負担に備えることが必要なだけでなく、骨の融合が完了するまでの、3ヶ月ないし6ヶ月若しくはそれ以上の期間の間、破損することなく、重量を負担している間にたまたま生じる微細な動きに備えることも必要になる。固定装置は、骨が治癒するまでの間、破壊力または異常な曲げにも十分に耐えなければならない。治癒期間の間にアライメントが狂うと、患者にとって気の毒な結果になることがあり得る。インプラントの移動を防いだり、ネジが骨から抜け出るのを防いだりするため、固定装置は、脊椎への固定具にも安全性がなければならない。インプラントの移動が起ったり、ネジが骨から抜けたりすると、脊椎の周囲の構造物にダメージを与える結果になり、生命をおびやかすような重大な事態を招きかねない。固定装置は、患者にダメージを与えることなく、安全に、かつしっかりと埋め込まれなければならない。
【0006】
近年、体の前面側に置かれるいくつかの形式の脊椎固定装置が使用に供されている。一つの手法は、椎体全体を貫通させてネジを設けることを含んでおり、バイコーティカル・パーチェース(bicortical purchase)と呼ばれている。ネジはチタンの板を貫通して設けられるが、その板に結合されてはいない。この装置は、配設することが困難であり、ネジを貫通させ過ぎると、脊髄の腱に損傷を与える可能性がある。ネジは板に固定されていないため、周囲の組織に向けて板から抜ける可能性がある。いくつかの新しい世代の装置は、ユニコーティカル・パーチェース(unicortical purchase)を用いており、安定性を与え、ネジが抜け出ないようにするために、ある種の方法で、ネジを板に固定している。この方法では、過度の固定が行われたり、応力が過度に除去されたりして、骨質の融合が不能になったり、治癒期間の間に絶えず起こる細かい運動によりネジまたは板のいずれかの箇所で固定装置がストレス破壊を起こしたりするといった問題が生じる。また板に対するネジの固定が緩いと、ネジが破損するという問題が生じ、固定強度が不足すると、移植片が破損したり脊髄が曲がったりするという問題が生じる。
【0007】
これらの装置は、しばしば、椎骨群、例えば3つの椎骨からなる椎骨群に跨って橋を掛けて支えるように設計される。これらの装置は、典型的には、骨の間に跨って、例えば頸椎領域に跨って橋を掛けるため、食道に障害を与えて食物を嚥下することを困難にすることがしばしばある。更に、ネジは骨に直角に、即ち、板の表面に対して90°の角度を持たせて装着される。脊柱内における局部的な湾曲が、大きな剪断応力を生じさせ、この応力がネジに与えられることがしばしばある。これらの応力は、ネジを疲労させたり、ネジ挿通孔を変形させたりする。
【0008】
従って、上記のような問題及び患者に与えるリスクを回避して隣り合う椎骨を支える装置及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、骨固定装置及びその使用方法に関するものである。一実施例においては、頂部表面と、互いにほぼ対向している側面とを有する第1及び第2の骨を連結する方法に本発明が適用される。本発明の方法は、第1の骨により近い第1の端部と第2の骨により近い第2の端部とを有するベースプレートを骨の側面の間に挿入する過程を備えている。ベースプレートは、第1の端部を貫通して伸びる第1のネジ挿通孔と第2の端部を貫通して伸びる第2のネジ挿通孔とを有する。第1の骨ネジは、第1の骨の表面に対して略20°ないし略60°の範囲の角度を持たせて、第1のネジ挿通孔を通して第1の骨内にねじ込まれる。第2の骨ネジは、第2の骨の表面に対して略20°ないし70°の範囲の角度を持たせて、第2のネジ挿通孔を通して第1の骨内にねじ込まれる。第1の骨ネジの少なくとも一部と第2の骨ネジの少なくとも一部は、第1の骨ネジ及び第2の骨ネジがそれぞれ第1の骨及び第2の骨から抜け出るのを阻止するためにカバーされる。
【0010】
他の実施例においては、底面と第1の端部と第2の端部とを有するベースプレートを備えた骨固定プレート装置に本発明が適用される。第1の端部は、該第1の端部を貫通して底面に対して略20°ないし略60°の範囲の角度傾いた状態で伸びる第1の骨ネジ挿通孔を有する第1の骨ネジ領域を備える。第2の端部は、該第2の端部を貫通して底面に対して略20°ないし略70°の範囲の角度傾いた状態で伸びる第2の骨ネジ挿通孔を有する第2の骨ネジ領域を備える。この装置は更に、第1の骨ネジ挿通孔に挿入されてベースプレートを第1の骨に対して締め付けることができる第1の骨ネジと、第2の骨ネジ挿通孔に挿入されてベースプレートを第2の骨に対して締め付けることができる第2の骨ネジとを含む。骨ネジ保持手段は、第1及び第2の骨ネジが第1及び第2の骨から抜け出るのを阻止するために前記第1及び第2の骨ネジの少なくとも一部をしっかりと固定するようにカバーするために設けられる。
【0011】
更に他の実施例においては、本発明が椎体を連結する方法に適用される。この方法は、第1及び第2の隣り合う椎体の側面の間に、第1の椎体により近い第1の端部と第2の椎体により近い第2の端部とを備えた第1のベースプレートを挿入する過程を有する。第1のベースプレートは、第1の端部を貫通して伸びる第1のネジ挿通孔と第2の端部を貫通して伸びる第2のネジ挿通孔とを有する。第1の骨ネジは、第1のネジ挿通孔を通して第1の椎体内にねじ込まれ、第2の骨ネジは、第2のネジ挿通孔を通して第2の椎体内にねじ込まれる。第1の骨ネジの少なくとも一部と第2の骨ネジの少なくとも一部は、第1及び第2の骨ネジがそれぞれ第1及び第2の椎体から脱け出るのを阻止するためにカバーされる。第2の椎体に近い第1の端部と第2の椎体に隣接している第3の椎体に近い第2の端部とを有する第2のベースプレートが、第2の椎体の側面と第3の椎体の側面との間に挿入される。第3の骨ネジは、第2のベースプレートの第1のネジ挿通孔を通して第2の椎体内にねじ込まれ、第4の骨ネジは、第2のベースプレートの第2のネジ挿通孔を通して第3の椎体内にねじ込まれる。第3の骨ネジの少なくとも一部と第4の骨ネジの少なくとも一部は、第3の骨ネジ及び第4の骨ネジがそれぞれ第2及び第3の椎体から抜け出るのを阻止するためにカバーされる。第1のベースプレートは、第2のベースプレートに接触しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、隣り合う椎体のような、隣り合う2つの骨(骨の破片を含む)を、治癒するまでの間固定する骨固定プレート装置、及び該骨固定プレート装置の使用方法を対象とする。本発明により構成された特に好ましい骨固定プレート装置10が図1ないし図4に示されている。図示の骨固定プレート装置は、第1及び第2の端部を有するベースプレート20を備えており、第2の端部に、第1の部材21と第2の部材22とを備えている。第2の部材22は、第1の部材21に対して傾けられているが、以下に述べるように、本発明では、その範囲内で他の設計をすることも意図されている。
【0013】
ベースプレート20は、適宜の材料により形成することができるが、チタンまたはチタン合金により形成するのが好ましい。ベースプレート20の厚さは、決定的なものではないが、略1mmないし略2mmの範囲にあることが好ましく、略1.6mmであることが更に好ましい。ベースプレート20の厚さは特定の用途に依存する。
【0014】
図1ないし図3は、隣り合う第1及び第2の椎体14及び16に取り付けられたベースプレート20を示しており、第1及び第2の椎体14及び16の間には骨移植片12が配置されている。ベースプレート20は底面26を有していて、該底面26が骨移植片12に接触する。従って、底面はほぼフラットであることが好ましいが、本発明を実施するに際しては、他のデザインで底面を骨移植片に着座させることが適当である場合もある。図示の実施例では、ベースプレート20の底面26が第1の部材21の底面である。第1の部材は、底面26の反対側に頂面28を備えており、該ベースプレート20の第1の端部に側壁32を備えている。側壁32は、頂面と底面とを接続していて、第1の椎体14に接触している。頂面28は、1以上のネジを保持することができて、下記に示す機能を果たすように、適宜にデザインすることができる。
【0015】
第2の部材22は、第1の部材21の頂面28にほぼ連続している前面30と、第1の部材21の底面26にほぼ連続している背面31とを有している。第1の部材21及び第2の部材22は、両者の頂面相互間に、90°よりも大きく180°よりも小さい角度、好ましくは110°ないし160°の範囲の角度αが形成されるように配置されている。
【0016】
後に明らかになることであるが、第1の部材と第2の部材とが相会する箇所での角度は、後述のように、骨ネジを所望の角度でベースプレートを通してねじ込むことができるように設定される。従って、ベースプレート20は、骨ネジが該ベースプレート20を所望の角度で貫通してねじ込まれるように、他の任意の仕様でデザインすることもできる。
【0017】
第1の部材21は、相応する数の第1の骨ネジ24を受け入れるために該第1の部材を貫通して伸びる第1の骨ネジ挿通孔42を少なくとも1つ、好ましくは図示の実施例のように2つ備えている。第1の骨ネジ挿通孔を貫通して伸びる第1の骨ネジが、ベースプレートの底面26に対してある角度傾いた状態でべープレートを貫通するように、例えば、図4に示されているように、第1の骨ネジが、底面26を側面32に接続しているコーナ部を貫通して伸びるように、第1の部材に設けられた第1の骨ネジ挿通孔42が、ベースプレートの底面26及び第1の部材に対して傾けられている。その結果、各第1の骨ネジ24は、更に下記に述べるように、ある角度傾いた状態で第1の椎体内に伸びている。図示の実施例では、第2の骨ネジ挿通孔42のそれぞれが、更に後記される相応する第1の骨ネジ24の頭部の底面のアールがつけられた形状を受けるように、ほぼ円錐形を呈しているが、使用される骨ネジの形状に応じて、第2の骨ネジ挿通孔に他の適宜の形状を持たせることもできる。
【0018】
第2の部材22は、第2の骨ネジ25を受け入れるために、骨ネジ挿通孔を、細長い骨ネジ挿通用スロット48の形で備えている。第2の骨ネジ25は、骨ネジ挿通用スロット48を通して第2の椎体16内にねじ込まれている。骨ネジ挿通用スロット48は、第2の骨ネジ25が該スロット内で、第1の部材21にほぼ向かう方向に、ベースプレート20に対して相対的にスライドし得るようにデザインされている。従って、使用に際しては、ベースプレート20が固定された2つの椎体14及び16が傾けられたり、元に戻されたりして相互間に変位が生じたときに、骨ネジ挿通用スロット48内に収容された第2の骨ネジ25が、該スロット内でスライドして、該第2の骨ネジが内部に伸びている第2の椎体16とともに第1の部材21及び第1の椎体14の方向に動く。
【0019】
骨ネジ24及び25は、適宜の材料により製作することができるが、チタンまたはチタン合金等、ベースプレート20と同じ材料からなっていることが好ましい。骨ネジ24及び25は、図5に示されているように、すべて同一の形状を有している。図示の実施例では、骨ネジ24及び25のそれぞれが、アールがつけられた頭部27を有している。ここで用いられているように、アールが付けられた頭部という語は、骨ネジの頭部の下部側の部分、即ち、シャンクに近い部分に、全体的に丸みがつけられていることを意味する。このように骨ネジの頭部に丸みをつけることにより、骨ネジがそれぞれの穴及びスロット内でトグル運動をすることが許容される。骨ネジ24及び25は、両者が骨ネジ挿通孔42及び骨ネジ挿通用スロット48と協働することを可能にする他の適当な形状を有していてもよい。
【0020】
装置10は、骨ネジ24及び25が骨の表面に対して90°以外の角度をなして椎体14及び15内にねじ込まれるようにデザインされる。第1の骨ネジ24は、好ましくは、それぞれの骨ネジの軸線が骨の表面に対して略20°ないし略60°の範囲の角度をなすように、更に好ましくは略40°ないし略50°の範囲の角度をなすように、第1の椎体14内にねじ込まれる。第2の骨ネジ25は、好ましくは該骨ネジの軸線が骨の表面に対して略20°ないし略70°の範囲の角度をなすように、更に好ましくは略45°ないし略65°の範囲の角度をなすようにして、第2の椎体16内にねじ込まれる。
【0021】
骨固定プレート装置は、骨ネジ保持手段を備えている。この手段は、骨ネジがベースプレート20を通してねじ込まれた後、骨から抜け出ることができないように、骨ネジ24及び25のそれぞれの少なくとも一部をしっかりとカバーする適宜の手段である。図示の例では、この骨ネジ保持手段が、保持プレート50と、保持プレート固定手段とにより構成されている。
【0022】
図6及び図7に最もよく示されているように、保持プレート50は、第1の端部51と第2の端部52と頂部表面53とを有して、ベースプレート20の頂面28に着座する形状に形成されたほぼフラットな板である。図示の例では、図3に最もよく示されているように、保持プレート50がベースプレート20の凹部領域に着座している。保持プレートの着座に凹部領域を用いると、ユーザが保持プレートをベースプレート上に適正に配置することを容易にすることができる。保持プレート50の厚さは、決定的なものではないが、好ましくは、略0.5mmないし2mmの範囲、更に好ましくは、略1mmないし略1.5mmの範囲とする。
【0023】
保持プレート50は、その第1の端部51に、底面54の両側の上にある全体に丸みがつけられた2つの切欠き55を備えている。保持プレート50がベースプレート20の上の適所に固定された際に、全体に丸みがつけられた2つの切欠き55のそれぞれが相応する第1の骨ネジ24の一部をカバーする。切欠き55の全体に丸みがつけられていることにより、第1の骨ネジ24が第1の骨ネジ挿通孔42内でトグル運動をすることが可能にされる。
【0024】
保持プレートは、その第2の端部52に、U字形の切欠き56を備えている。図示の例では、この切欠き56が、第2の端部エッジ部の中央に設けられている。U字形の切欠き56は、保持プレートの頂部表面と底面との間に全体がU字形を呈する側壁を備えていて、該側壁は、この切欠きにより形成される開口部が保持プレートの底面でより大きく、頂部表面でより小さくなるように、頂部表面53から底面54に向けて外側に湾曲させられている。保持プレート50がベースプレート20の上の適所に配置された際に、第2の骨ネジ25の頂部が保持プレートの頂部表面53によりカバーされた状態で、U字形の切欠き56内に着座させられる。このようにデザインすることにより、保持プレート50が第2の骨ネジの上に固定された状態でも、第2の骨ネジ25が骨ネジ挿通用スロット48内でスライド運動とトグル運動とを行うことが許容される。
【0025】
保持プレート50はまた、その第1の端部と第2の端部との間に固定ネジ用開口部57を備えている。保持プレート50に設けられた固定ネジ用開口部57は、ベースプレート20に設けられた固定ネジ用開口部(図示せず。)と整合させられて、両固定ネジ用開口部により保持プレートをベースプレート上の適所に固定するための固定ネジ(図示せず。)が保持される。固定ネジは、当該技術分野でよく知られている適当な材料、好ましくはチタンまたはチタン合金により形成される。好ましい実施例においては、この固定ネジが、六角ドライバで回すことができる六角ネジである。他の形式の固定ネジを使用することもできるし、また保持プレートをベースプレートに固定するために、他の適当な機構を用いることができる。保持プレートをベースプレートに固定する機構の精密さは本発明に取ってそれほど重要ではない。
【0026】
本発明に関して、他の適当な骨ネジ保持手段を用いることができる。例えば、骨ネジ保持手段は、複数の保持プレートからなっていて、該複数の保持プレートが異なる骨ネジをカバーするようになっていても良い。骨ネジ保持手段はまた、1個以上のネジからなっていて、該1個以上のネジの頭部が1以上の骨ネジの少なくとも一部の上に重なることにより、骨ネジが抜け出るのを阻止するようになっていてもよい。骨ネジをカバーする機構の精密さは、本発明にとって決定的なものではない。
【0027】
図示の例では、ベースプレート20が一対の側面タブ60を備えている。これらのタブ(耳部)は、第1の部材21に一体に形成されていて、第1の部材とともに単一のほぼU字形の構造体を形成するように、第1の部材の底面26の反対側の端部から外側に伸びている。使用される際には、治療期間の間これらのタブがセットされるため、該側面タブ60が骨移植片12の近くを伸びて、該移植片の横方向への変位を阻止し、隣り合う椎骨の減退を抑制する。側面タブ60は、適宜の材料、好ましくは、ベースプレート20と同じ材料により形成される。各タブ60は、各タブから外側に伸びていて、先端がほぼ尖った突起66を備えている。突起66の機能は、以下に更に記載される。
【0028】
使用される際には、ベースプレート20が骨移植片12の上に直接配置されて、図1及び3に示されているように、底面26が骨移植片12に接触し、側壁32が第1の椎体14の側面70と係わり合いを持つ。第2の部材22は、第2の椎体16のコーナ部、即ち縁部骨増殖体(lip osteophite)74と係わり合いを持つ。2つの第1の骨ネジ24は、ベースプレート20を第1の椎体14に固定するため、ベースプレート20に設けられた第1の骨ネジ挿通孔42内に挿入される。第1の骨ネジ挿通孔42により保持された第1の骨ネジ24は、ある角度で傾斜した状態になるように位置が合わされて椎体14内にねじ込まれている。第1の骨ネジ挿通孔42の角度によりある角度が決まり、この角度で第1の骨ネジ24が第1の椎体14内にねじ込まれることになる。
【0029】
第2の部材22は、骨ネジ用スロット48に挿通されて保持された第2の骨ネジ25により第2の椎体16に固定される。骨ネジ用スロット48により保持された第2の骨ネジ25は、縁部骨増殖体74を貫通して第2の椎体16にねじ込まれる。縁部骨増殖体74は組織的に強固な骨の部分であるので、第2の骨ネジ25はこの縁部骨増殖体を貫通させて椎体16に固定するのが好ましい。第1の部材21に対する第2の部材22の角度と骨ネジ挿通用スロット48が第2の部材を貫通する角度とによりある角度が決まり、この角度で、第2の骨ネジ25が第1の椎体16内にねじ込まれることになる。
【0030】
嵌め合わせの精度を高めるため、第2の部材22の角度に相応した角度を持たせて、第2の椎体16の縁部骨増殖体74から数ミリの骨を切り取るかまたは除去することができる。切り取られた表面により、第2の骨ネジ25を第2の椎体16の縁部骨増殖体74に固定するためのフラットな表面が形成される。
【0031】
骨ネジ24及び25が椎体14及び16の骨の表面に対してなす角度は、特に重要である。上記のように、縁部骨増殖体は骨の最も強い部分であるので、骨ネジを縁部骨増殖体を貫通させて傾斜させるようにすると、ベースプレート20の椎体への固定保持強度が高められる。更に、各骨ネジ24または25は、傾けられていることにより、椎体の固定角度に沿うように位置決めされるだけでなく、相応する椎体の回転角度にも従うように位置決めされる。これにより、各ネジが、脊椎の運動に対して保護された位置に配置される。その結果、椎体が回転運動をするときも、所定の位置に固定されているときも、ネジに問題になるような剪断力が作用することはない。
【0032】
当該技術分野でよく知られているように、骨ネジ24及び25を受け入れるためのネジの加工またはその準備をするために、穴あけ工具を用いて骨に穴を形成することができる。もし必要な場合には、穴あけを容易にするため、穴あけ加工を行う前に、細長い柄を有し、取り外し可能な鋭利な鋲を先端に有する工具である鋲打ち工具を用いて、骨に下穴を形成することもできる。穴を形成した後に、ねじ切り工具を用いて、形成された穴に雌ねじを切ることができる。ねじ切りをした後、ベースプレート20の骨ネジ挿通孔42及び骨ネジ挿通用スロット48を通して、ねじが形成された穴に骨ネジ24及び25をねじ込む。
【0033】
骨ネジ24及び25が骨ネジ挿通孔42及び骨ネジ挿通用スロット48内に挿入されると、骨ネジが骨ネジ挿通孔から抜け出るのを阻止するために保持プレート50がベースプレート20の上に配置されて所定の位置に固定される。保持プレート50が所定の位置に固定された後も、骨ネジ挿通用スロット48を通して伸びる第2の骨ネジ25は、スロットの長手方向に沿ってスライドすることが許容される。このようにして、骨を固定している間、第2の骨ネジ25と骨ネジ挿通用スロット48とが協働して、ある椎体の隣接する椎体に対する横方向または回転方向の動きをコントロールする。更に、第2の部材22が傾けて配置されていることにより、ベースプレート20に弾力性が与えられ、これにより、例えば、ある椎体が隣接する椎体に対して回転したときに、ベースプレート20が曲がることができるようになる。
【0034】
上記のように、保持プレート50をベースプレート20に固定した後も、骨ネジ24及び25のすべてが、トグル運動、即ち、ピッボト運動をするのを許容するようにしておくことが好ましい。ネジがトグル運動をすることができることにより、装置が埋め込まれた後に、装置が移動して自動心合わせを行うことを可能にする。
【0035】
ベースプレート20が突起66を有する側面タブ60を備えている場合には、椎体の固定を行っている間、突起が重量の支持を分担する。特に、椎体を固定している間に、椎体が互いの方向に動いたときに、先端が尖った突起66が第2の椎体16に接触して、制限された範囲で、第2の椎体16内にゆっくりと入り込む。この接触が、椎体の固定の割合をコントロールするのを助ける。
【0036】
上記のように構成する代わりに、比較的小さな(長さ及び/または径が小さい)骨ネジを用いることもできる。骨ネジは、骨の組織的に最も強い部分である縁部骨増殖体を貫通しているので、ベースプレート20を骨に固定するために、比較的小さい骨ネジを用いることができる。更に、上記のように、骨ネジは、椎体の固定角に沿って位置決めされるだけでなく、相応する椎体の回転角にも従うように位置決めされるので、椎体が回転して落ち着くときに問題になるような剪断力がネジに作用することがない。従って、必要とされるネジの径を小さくすることができる。
【0037】
本発明によれば、小形の外形を有する椎体支持装置を得ることができるという更なる利点が得られる。即ち、本発明に係わるベースプレートは、皮質の外径に一致するか、またはほぼ調和する外面を有するように特にデザインされている。ベースプレートの頂部表面は、椎体の頂部表面の位置、好ましくは、椎体の頂部表面よりも下方に位置している。このように、本発明の骨プレート装置は、ユーザの呼吸器、食道、及び/または他の知覚神経を損なったり、これらを刺激したりすることになる部分を一切有していない。
【0038】
本発明に係わる骨プレート装置の他の利点は、積み重ねて配置することができることである。骨移植片が周囲の椎体、例えば椎体C4とC5との間に挿入されて、これらの椎体に固定された後、続いて、隣接する椎間板、例えば椎体C5とC6との間にある椎間板が損傷することがしばしばある。従来の骨プレートでは、各プレートが椎体のかなりの部分を覆っていたため、第2の骨プレートを椎体C5とC6とに取り付ける前に、プレートを椎体C5から取り除く必要があった。骨プレートを取り除くためには、傷跡の組織を切ることが必要であり、このことが患者に悲観的な衝撃を与えることがあり得る。これに対し、本発明の骨プレート装置は、取り付ける椎体の頂部表面の相当部分を覆うということはなく、主として椎体間に配置される。その結果、2つの骨プレート装置を相互に接触させることなく、共通の椎体に取り付けるようにして、複数の骨プレート装置を隣り合う骨移植片の上に(即ち、共通の椎体の間に)導入することができる。従って、新たな骨移植片を挿入することが必要になった場合に続いて行われる処置では、新しい骨プレート装置の導入に先立って、既存の骨プレート装置を除去することを必要としない。骨ネジがほぼ三角配置されて設けられている図示の装置によれば、本発明の骨プレート装置を複数積み重ねて配置するという特質を高めることができる。
【0039】
当面、異なるサイズのベースプレートと、異なる長さの骨ネジと、ベースプレートと相補的に構成された保持プレートとを有するキットを用意することが好ましい。このキットは、更に、鋲打ち工具、穴あけ工具、ねじ切り工具及び/またはネジ締め工具を備えていることが好ましい。
【0040】
隣り合う頸椎を椎体の前面側領域で支えるための、本発明の好ましい実施例を説明したが、当業者であれば、胸椎及び腰椎を椎体の側面側または、背面側で支える場合にも本発明の骨プレート装置を用いることができることを認めるであろう。更に、本発明の装置及び方法は、椎体に限定されることなく、人体の他の部分にある2以上の骨を連結するためにも用いることができる。
【0041】
本発明の実施例及び適用例を図示し、説明したが、ここに開示した本発明の概念から逸脱することなく、更に多くの変形を行うことができることは、明らかであろう。従って、本発明は、添付された請求の範囲に記載された趣旨以外のものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、隣接する椎骨の間に組立てられた本発明による骨固定プレート装置を示した斜視図である。
【図2】図2は、図1の骨固定プレート装置の斜視図である。
【図3】図3は、図1の隣接する椎骨の間に組立てられた骨固定プレート装置の側断面図である。
【図4】図4は、図1の骨固定プレート装置の平面図である。
【図5】図5は、図1ないし4に示された骨固定プレート装置で使用される骨ネジの側面図である。
【図6】図6は、図1ないし4に示された骨固定プレート装置で使用される保持プレートの斜視図である。
【図7】図7は、図6の保持プレートの平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂部表面と、ほぼ対向している側面とを有する第1及び第2の骨を連結する方法であって、
前記第1の骨により近い第1の端部と前記第2の骨により近い第2の端部とを有し、前記第1の端部を貫通して伸びる第1のネジ挿通孔と第2の端部を貫通して伸びる第2のネジ挿通孔とを有するベースプレートを前記第1の骨の側面と第2の骨の側面との間に挿入する過程と、
第1の骨ネジを、前記第1の骨の頂部表面に対して略20°ないし略60°の範囲の角度を持たせて、前記第1のネジ挿通孔を通して前記第1の骨内にねじ込む過程と、
第2の骨ネジを、前記第2の骨の頂部表面に対して略20°ないし70°の範囲の角度を持たせて、前記第2のネジ挿通孔を通して前記第2の骨内にねじ込む過程と、
前記第1の骨ネジ及び第2の骨ネジがそれぞれ前記第1の骨及び第2の骨から抜け出るのを阻止するために、前記第1の骨ネジの少なくとも一部と前記第2の骨ネジの少なくとも一部とをカバーする過程と、
を行う骨の連結方法。
【請求項2】
前記第1の骨ネジは前記第1の骨の頂部表面と側面との間に形成された骨のコーナ部で前記第1の骨内にねじ込まれる請求項1による骨の連結方法。
【請求項3】
前記第2の骨ネジは、前記第2の骨の頂部表面と側面との間に形成された骨のコーナ部で前記第2の骨内にねじ込まれる請求項2による骨の連結方法。
【請求項4】
前記第2の骨ネジは、前記第2の骨の頂部表面と側面との間に形成された骨のコーナ部で前記第2の骨内にねじ込まれる請求項1による骨の連結方法。
【請求項5】
前記ベースプレートは、一つの頂面を有していて、該頂面が前記第1及び第2の骨の頂部表面または該第1及び第2の骨の頂部表面よりも下方に置かれている請求項4による骨の連結方法。
【請求項6】
前記第1の骨及び第2の骨はそれぞれ第1の椎体及び第2の椎体であり、前記第1の骨ネジは、前記第1の椎体の縁部骨増殖体内にねじ込まれ、前記第2の骨ネジは、前記第2の椎体の縁部骨増殖体内にねじ込まれる請求項1による骨の連結方法。
【請求項7】
前記ベースプレートは一つの頂部表面を有していて、該頂部表面が、前記第1及び第2の椎体の頂部表面または該頂部表面よりも下方に置かれている請求項6による骨の連結方法。
【請求項8】
前記ベースプレートは、一つの頂部表面を有していて、該頂部表面が前記第1及び第2の骨の頂部表面または該頂部表面よりも下方に置かれている請求項1による骨の連結方法。
【請求項9】
前記第1の骨ネジは、前記骨の頂部表面に対して略40°ないし略50°の範囲の角度傾いた状態でねじ込まれている請求項1による骨の連結方法。
【請求項10】
前記第2の骨ネジは、前記骨の頂部表面に対して略45°ないし略65°の範囲の角度傾いた状態でねじ込まれている請求項1による骨の連結方法。
【請求項11】
前記第2のネジ挿通孔は、一つの細長いスロットからなっていて、該スロット内で前記第2の骨ネジが前記べープレートに対して相対的にスライドし得るようになっている請求項1による骨の連結方法。
【請求項12】
前記第1及び第2の骨ネジがカバーされた際に、両骨ネジが前記ベースプレートに対して相対的にトグル運動を行うことが許容されるようになっている請求項1による骨の連結方法。
【請求項13】
前記第1及び第2の骨ネジは、単一の保持プレートによりカバーされる請求項1による骨の連結方法。
【請求項14】
前記ベースプレートは前記第1の端部を貫通して伸びる一つの第3のネジ挿通孔を有していて、
第3の骨ネジを、第1の骨の頂部表面に対して略20°ないし略60°の範囲の角度をもたせて、前記第3のネジ挿通孔を通して前記第1の骨内にねじ込む過程と、
前記第3の骨ネジが前記第1の骨から抜け出るのを阻止するために、前記第3の骨ネジの少なくとも一部をカバーする過程とを更に備えている請求項1による骨の連結方法。
【請求項15】
前記第1の骨ネジは前記第1の骨の頂部表面と側面との間に形成された骨のコーナ部で前記第1の骨内にねじ込まれ、
前記第2の骨ネジは、前記第2の骨の頂部表面と側面との間に形成された骨のコーナ部で前記第2の骨内にねじ込まれる請求項14による骨の連結方法。
【請求項16】
前記第1の骨及び第2の骨はそれぞれ第1の椎体及び第2の椎体であり、
前記第1の骨ネジ及び第3の骨ネジは、前記第1の椎体の縁部骨増殖体内にねじ込まれ、前記第2の骨ネジは、前記第2の椎体の縁部骨増殖体内にねじ込まれる請求項14による骨の連結方法。
【請求項17】
前記第1、第2及び第3の骨ネジがカバーされた際に、これらの骨ネジが前記ベースプレートに対して相対的にトグル運動を行うことが許容されるようになっている請求項14による骨の連結方法。
【請求項18】
前記第1、第2及び第3の骨ネジは、単一の保持プレートによりカバーされる請求項1による骨の連結方法。
【請求項19】
前記第1の骨及び第2の骨はそれぞれ第1の椎体及び第2の椎体であり、
前記ベースプレートを挿入する前に、前記第1の椎体の側面と第2の椎体の側面との間に骨移植片を挿入する過程を更に備えている請求項1による骨の連結方法。
【請求項20】
前記ベースプレートは、前記骨移植片の頂面に着座する第1の部材と、前記第1の部材から前記骨移植片の第1及び第2の側面に沿って前記第1及び第2の椎体とほぼ交差する方向に伸びる第1及び第2のタブとを備えている請求項1による骨の連結方法。
【請求項21】
前記第1及び第2のタブのそれぞれは、前記第1の椎体の前記側面に接触する先が尖った突起を有している請求項20による骨の連結方法。
【請求項22】
底面と、第1の端部と第2の端部とを有していて、前記第1の端部は、該第1の端部を貫通して前記底面に対して略20°ないし略60°の範囲の角度傾いた状態で伸びる第1の骨ネジ挿通孔を有する第1の骨ネジ領域を備え、前記第2の端部は、該第2の端部を貫通して前記底面に対して略20°ないし略70°の範囲の角度傾いた状態で伸びる第2の骨ネジ挿通孔を有する第2の骨ネジ領域を備えているベースプレートと、
前記第1の骨ネジ挿通孔に挿入されて前記ベースプレートを第1の骨に対して締め付けることができる第1の骨ネジと、
前記第2の骨ネジ挿通孔に挿入されて前記ベースプレートを第2の骨に対して締め付けることができる第2の骨ネジと、
前記第1及び第2の骨ネジが前記第1及び第2の骨から抜け出るのを阻止するために前記第1及び第2の骨ネジの少なくとも一部をしっかりと固定するようにカバーする骨ネジ保持手段と、
を備えた骨固定プレート装置。
【請求項23】
前記ベースプレートは、ほぼフラットな底面を有する第1の部材と、該第1の部材に隣り合って配置された第2の部材とを備え、
前記第2の部材は、前記第1の部材の底面をほぼ横切る方向に伸びる底面を備え、
前記第1の骨ネジ挿通孔は、前記第1の部材を貫通して伸び、
前記第2の骨ネジ挿通孔は、前記第2の部材を貫通して伸びている請求項22による骨固定プレート装置。
【請求項24】
前記第1の骨ネジ挿通孔は前記ベースプレートの底面に対して略40°ないし略50°の範囲の角度を持たせて前記ベースプレートを貫通して伸びている請求項22による骨固定プレート装置。
【請求項25】
前記第2の骨ネジ挿通孔は、前記ベースプレートの表面に対して略45°ないし略65°の角度傾いた状態で前記ベースプレートを貫通して伸びている請求項22による骨固定プレート装置。
【請求項26】
前記第2の骨ネジ挿通孔は、細長いスロットを備えていて、該スロット内で前記第2の骨ネジが前記ベースプレートに対してスライドし得るようになっている請求項22による骨固定プレート装置。
【請求項27】
前記第1及び第2の骨ネジは、前記骨ネジ保持手段によりカバーされているときに、前記ベースプレートに対してトグル運動を行うことが許容されている請求項22による骨固定プレート装置。
【請求項28】
前記第1及び第2の骨ネジは、単一の保持プレートによりカバーされている請求項22による骨固定プレート装置。
【請求項29】
前記ベースプレートは、該ベースプレートの底面に対して略20°ないし60°の範囲の角度傾いた状態で前記ベースプレートの第1の端部を貫通して伸びる第3の骨ネジ挿通孔を備え、
前記第3の骨ネジ挿通孔に挿入されることにより前記ベースプレートを前記第1の骨に対して締め付けることができる第3の骨ネジを更に備えている請求項22による骨固定プレート装置。
【請求項30】
前記第1、第2及び第3の骨ネジは、前記骨ネジ保持手段によりカバーされているときに前記ベースプレートに対してトグル運動を行うことが許容されている請求項29による骨固定プレート装置。
【請求項31】
前記第1,第2及び第3の骨ネジは、単一の保持プレートによりカバーされている請求項29による骨固定プレート装置。
【請求項32】
前記ベースプレートは、前記骨移植片の頂部表面の上に配置された第1の部材と、前記第1の部材から前記骨移植片の前記第1及び第2の側面に沿って前記第1及び第2の椎体をほぼ横切る方向に伸びる第1及び第2のタブとを備えている請求項22による骨固定プレート装置。
【請求項33】
前記第1及び第2のタブのそれぞれは、先端がほぼ尖った突起を備えている請求項32による骨固定プレート装置。
【請求項34】
椎体を連結する方法であって、
第1及び第2の隣り合う椎体の側面の間に、前記第1の椎体に近い第1の端部と前記第2の椎体に近い第2の端部とを有するとともに前記第1の端部を貫通して伸びる第1のネジ挿通孔と前記第2の端部を貫通して伸びる第2のネジ挿通孔とを有している第1のベースプレートを挿入する過程と、
前記第1のネジ挿通孔を通して前記第1の椎体内に第1の骨ネジをねじ込む過程と、
前記第2のネジ挿通孔を通して前記第2の椎体内に第2の骨ネジをねじ込む過程と、
前記第1及び第2の骨ネジがそれぞれ前記第1及び第2の椎体から脱け出るのを阻止するために前記第1の骨ネジの少なくとも一部と前記第2の骨ネジの少なくとも一部とをカバーする過程と、
前記第2の椎体の側面と前記第2の椎体に隣接している第3の椎体の側面との間に、前記第2の椎体に近い第1の端部と前記第3の椎体に近い第2の端部とを有するとともに、該第1の端部を貫通して伸びる第1のネジ挿通孔と該第2の端部を貫通して伸びる第2のネジ挿通孔とを有する第2のベースプレートを挿入する過程と、
前記第2のベースプレートの第1のネジ挿通孔を通して前記第2の椎体内に第3の骨ネジをねじ込む過程と、
前記第2のベースプレートの第2のネジ挿通孔を通して前記第3の椎体内に第4の骨ネジをねじ込む過程と、
前記第3の骨ネジ及び第4の骨ネジがそれぞれ前記第2及び第3の椎体から抜け出るのを阻止するために、前記第3の骨ネジの少なくとも一部と前記第4の骨ネジの少なくとも一部とをカバーする過程と、
を行い、
前記第1のベースプレートは、前記第2のベースプレートに接触しないようにしておく骨の連結方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−524114(P2006−524114A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513174(P2006−513174)
【出願日】平成16年4月21日(2004.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/012230
【国際公開番号】WO2004/093654
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(505389248)アールエスビー スパイン, エルエルシー (8)
【Fターム(参考)】