説明

骨形成タンパク質の産生増進法

組換えタンパク質産生を改善するための方法およびプロセスを提供する。該方法は、増殖因子、特に、BMP−2などの骨形成タンパク質(BMP)を含むTGF−βスーパーファミリーの増殖因子の産生に有用である。鉄が少なくとも2.25μMの濃度で存在し、そしてピリドキサールが存在している場合、ピリドキサールが培地中のビタミンB6のモル濃度の約55%未満を構成する培地中で、適切な宿主細胞を培養する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、本明細書にその全体が援用される、2008年4月17日出願の米国仮出願第61/045,643号のより早い出願日の利益を主張する。
[0002]本発明は組換えタンパク質産生の分野に関する。特に、本発明は、骨形成タンパク質(BMP)を含むペプチド増殖因子を産生する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]トランスフォーミング増殖因子−ベータ(TGF−ベータ)スーパーファミリーは、生理学的に重要な増殖制御および形態形成特性を所持する(Kingsleyら, Genes Dev. 8:133−146(1994); Hoodlessら, Curr. Topics Microbiol. Immunol. 228:235−272(1998))。骨形成タンパク質(BMP)は、増殖および分化因子のTGF−βスーパーファミリーのメンバーである(Rosenら, Principles of Bone Biology 2:919−928(2002))。BMPが存在する最初の証拠のいくつかは、脱ミネラル化された骨が、筋肉内に移植された際に新しい骨を誘導する能力を有することであった(Uristら, Science 150:893−99(1965))。BMPは、続いて、脱ミネラル化骨より生化学的に精製され(Wangら, PNAS 85:9484−9488(1988))、そして精製されたタンパク質のペプチド断片から設計された放射標識オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによってクローニングされた(Wozneyら, Science 242:1528−1534(1988))。クローニングされたBMPは、組換え的に発現されてきており、そしてその機能を保持する。例えば骨などの天然供給源からの生化学的精製には、困難、純度の欠如、および低収量がつきものであるため、BMPは、典型的には、組換え的に産生される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Kingsleyら, Genes Dev. 8:133−146(1994)
【非特許文献2】Hoodlessら, Curr. Topics Microbiol. Immunol. 228:235−272(1998)
【非特許文献3】Rosenら, Principles of Bone Biology 2:919−928(2002)
【非特許文献4】Uristら, Science 150:893−99(1965)
【非特許文献5】Wangら, PNAS 85:9484−9488(1988)
【非特許文献6】Wozneyら, Science 242:1528−1534(1988)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]BMP−2および関連タンパク質BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7(OP−1としても知られる)、BMP−8(OP−2としても知られる)、BMP−9、およびBMP−10は、骨および軟骨組織の増殖および修復を仲介することが知られる。BMP−2は、現在、開口し、そして癒合していない骨折の治療に、脊椎固定術に(INFUSETM医療機器の一部として)、そして歯科矯正適応症に、臨床的に使用されている。この重要な療法剤の入手可能性およびコストは、部分的に、その産生に用いられる哺乳動物細胞培養の力価に支配される。しかし、「実験室規模」の適切な細胞力価を生じる培養条件は、これらのタンパク質に関する需要増大を満たすのに必要な大量製造規模にはスケールアップ不能である。したがって、産生中の細胞力価を増加させることによって、BMP−2などの組換えタンパク質を産生する方法であって、そして製造規模で使用するのに適した前記方法に関する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]本発明は、高い宿主細胞力価を補助して、タンパク質収量の増加を生じることによって、製造規模で組換えタンパク質を産生する方法を提供する。本発明は、部分的に、微量金属が補充された、定義された培地が、製造規模でのバッチ−リフィード(batch−refeed)・プロセスによってバイオリアクター系において培養されるCHO細胞のより高い採取細胞力価を補助するという発見に基づく。金属の補充がない場合、同じ培地は、小規模(実験室規模)バイオリアクターでの増殖を補助したが、製造規模バイオリアクターへの「スケールアップ」には失敗した。力価一貫性は、培地中のピリドキサールをピリドキシンと交換した場合にさらに改善された。
【0006】
[0006]したがって、1つの側面において、本発明は、組換えタンパク質発現法であって、鉄が少なくとも約2.25μMの濃度で存在し、そしてピリドキサールが存在している場合、ピリドキサールが培地中のビタミンB6のモル濃度の約55%未満を構成する、定義された培地中で、関心対象のタンパク質をコードする核酸を含む適切な宿主細胞を培養し、そして関心対象のタンパク質を回収する工程を含む。いくつかの態様において、鉄は少なくとも約5μMの濃度で存在する。培地は少なくとも約10nMの濃度の銅および少なくとも約2μMの濃度の亜鉛をさらに含んでもよい。いくつかの態様において、ピリドキサールが培地中に存在している場合、ピリドキサールは約15μM未満の濃度で存在する。特定の態様において、ピリドキサールが存在している場合、ピリドキサールは、約15μM未満の濃度で存在し、そして培地中のビタミンB6のモル濃度の約55%未満を構成する。いくつかの態様において、ピリドキサールが培地中に存在している場合、ピリドキサールは、約15μM未満の濃度で存在するか、または培地中のビタミンB6のモル濃度の約55%未満を構成する。
【0007】
[0007]いくつかの態様において、宿主細胞は哺乳動物細胞、例えばCHO細胞である。特定の態様において、関心対象のタンパク質は、TGF−βスーパーファミリーのメンバー、例えばBMP、例えばBMP−2である。
【0008】
[0008]特定の態様において、培地は、少なくとも約15μMの総濃度のビタミンB6を含有する。いくつかの態様において、ピリドキサールは、培地中に存在している場合、培地中のビタミンB6の総モル濃度の約55%以下を構成する。より詳細な態様において、ビタミンB6は、約1.2未満のピリドキサール対ピリドキシン比を有する。さらにより詳細な態様において、培地はピリドキサールをまったく含有しない。
【0009】
[0009]特定の態様において、本発明は、BMP−2産生法であって、少なくとも約2.5μMの濃度の鉄および少なくとも約15μMの濃度のビタミンB6を含み、そしてピリドキサールが存在している場合、ピリドキサールが培地中のビタミンB6のモル濃度の約55%未満を構成する培地中で、BMP−2タンパク質をコードするDNA分子を含む適切な宿主細胞を培養し、そして次いで、BMP−2タンパク質を回収する工程を含む、前記方法を提供する。
【0010】
[0010]いくつかの態様において、培地はまた、少なくとも約20mMの総濃度のアミノ酸も含有してもよい。培地は、少なくとも約0.5mMの濃度のL−システインを含有してもよい。特定の態様において、培地はまた、約0.3mM以下の濃度のL−グルタミン酸も含有する。
【0011】
[0011]特定の態様において、培地はまた、少なくとも約10mg/Lの濃度のポリアニオン性化合物、例えばデキストラン硫酸も含有してもよい。いくつかの態様において、培地は、約260〜380mOsmの間の初期モル浸透圧濃度を有してもよい。
【0012】
[0012]特定の態様において、本発明の方法は、バッチ・リフィード・プロセス中で増殖する細胞を培養するのに適している。特定の態様において、少なくとも約3Lの容量の攪拌タンクバイオリアクター中で細胞を増殖させる。さらにより詳細な態様において、培養温度は、本質的に一定に維持する。いくつかの態様において、本発明の方法は、少なくとも約4.0x10細胞/mLの採取細胞密度を補助する培地を使用する。
【0013】
[0013]したがって、1つの側面において、本発明は、BMP−2産生のためのプロセスまたは方法であって、少なくとも約2.5μMの濃度の鉄、少なくとも約20mMの総濃度のアミノ酸、少なくとも0.5mMの濃度のL−システイン、少なくとも約10mg/Lの濃度のデキストラン硫酸、および少なくとも約15μMの濃度のビタミンB6を含み、そしてピリドキサールが存在している場合、ピリドキサールが培地中のビタミンB6のモル濃度の約55%未満を構成する培地中で、BMP−2タンパク質をコードするDNA分子を含有するCHO細胞を培養し;そして次いで、BMP−2タンパク質を回収する工程を含む、前記方法を提供する。特定の態様において、培地は、少なくとも約10nMの濃度の銅をさらに含んでもよい。さらにより詳細な態様において、培地は、少なくとも約0.2μMの濃度の亜鉛をさらに含んでもよい。
【0014】
[0014]いくつかの態様において、本発明は、BMP−2を産生する方法であって、少なくとも約2.5μMの濃度の鉄および少なくとも約15μMの濃度のビタミンB6を含み、そしてピリドキサールが存在している場合、ピリドキサールが培地中のビタミンB6のモル濃度の約55%未満を構成する培地中で、BMP−2タンパク質をコードするDNA分子を含む適切な宿主細胞を培養し、そして次いで、BMP−2タンパク質を回収する工程を含む、前記方法を提供する。
【0015】
[0015]いくつかの態様において、本発明の任意の方法は、関心対象のタンパク質、例えばBMP−2を精製するかまたは単離する工程をさらに含んでもよい。いくつかの態様において、精製または単離タンパク質を、例えば薬剤として配合してもよい。特定の態様において、精製は、1以上のカラムクロマトグラフィー精製、例えばブチルセファロースカラム精製を含む。
【0016】
[0016]別の側面において、本発明は、本発明の任意の方法によって産生される産物を提供する。いくつかの態様において、産物を用いて、例えば骨増殖、生成、治癒、または修復を促進することによって、骨組織の欠陥、傷害、疾患、または障害を有する患者、例えば哺乳動物、例えばヒトを治療するか、または治療するための薬剤を調製してもよい。
【0017】
[0017]別の側面において、本発明は、本明細書に実質的に記載するような細胞培地を提供する。特定の態様において、細胞培地は、表3および4に記載するものに実質的に類似である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】[0018]図1は、3Lおよび160Lバイオリアクター中のバッチ・リフィード・プロセスにおける、長期に渡る細胞密度のプロットである。
【図2】[0019]図2は、補充した鉄および銅を含む、および含まない培地中で増殖させた細胞に関する160Lバイオリアクター中のバッチ・リフィード・プロセスにおける、長期に渡る細胞密度のプロットである。
【図3】[0020]図3は、鉄および銅を補充した培地中で増殖させた細胞に関する、160Lバイオリアクター中のバッチ・リフィード・プロセスにおける、長期に渡る生存細胞密度のプロットである。
【図4】[0021]図4は、異なる培地および異なる金属濃度で、フラスコ中で増殖させた細胞の増殖速度を示す、一連の棒グラフである。
【図5】[0022]図5は、異なる培地および異なる鉄濃度で、培養ディッシュ中で増殖させた細胞の増殖速度を示す、一連の棒グラフである。
【図6】[0023]図6は、本発明の方法にしたがって増殖させた細胞の2500Lバイオリアクター中のバッチ・リフィード・プロセスにおける、長期に渡る採取細胞密度のプロットである。点線は、以前のプロセスの平均採取密度を示す。
【図7】[0024]図7は、図6に記載する培養に関する、長期に渡るrhBMP−2採取力価のプロットである。点線は、以前のプロセスの平均rhBMP−2標準化採取力価を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0025]鉄、銅、および亜鉛が補充され、デキストラン硫酸もまた含有し、ビタミンB6が培地中に少なくとも15μMの濃度で存在し、そしてビタミンB6中のピリドキサール対ピリドキシン比が1.2未満である培地中で、BMP−2発現細胞を培養することによって、製造規模で、一貫した高密度の培養を達成可能であることが発見された。
【0020】
培地
[0026]本発明の方法で使用するのに適した培地は、典型的には、培養細胞の増殖を補助するのに必要な栄養素を含有し、これには、ビタミン、ミネラル、脂肪酸、アミノ酸、炭素供給源(例えばデキストロース)、および場合によって、例えばインスリンおよびトランスフェリンを含む増殖培地、または抗生物質が含まれる。いくつかの態様において、培地は、基礎培地、例えばダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)、HamのF−12、Roswell Park Memorial Institute(RPMI)培地、またはその組み合わせを含む。
【0021】
[0027]特定の態様において、培地は、化学的に定義された培地であり、すなわち血清不含である。本出願において、別に示さない限り、培地中の構成要素濃度は、出発濃度であり、すなわち、培養細胞に適用される前の、新鮮な培地中のその構成要素の濃度であると理解されるものとする。当該技術分野に知られるように、特定の構成要素の濃度は、細胞が代謝プロセスを経るにつれて、または自発的な化学反応を通じて、変化するであろう。
【0022】
[0038]いくつかの態様において、培地は、約2.25、5、5.5、8、10、12、14、15、20、25、30μM、またはそれより高い濃度の鉄を含む。より詳細な態様において、鉄は約5μMの濃度で存在する。さらにより詳細な態様において、鉄は約5.5μMの濃度で存在する。いくつかの態様において、鉄は約5.5〜15μMの間の濃度で存在する。本出願において、何らかのパラメーターを記載するすべての数字の境界、例えば「少なくとも」、「未満」、または「より多い」に関して、説明はまた、列挙する値が境界となったいかなる範囲も、必然的に記載する。
【0023】
[0029]培地は、銅および亜鉛を含む他の金属を含有してもよい。銅は、少なくとも約5、10、12、15、30、50、75、100、150、200、250nM、またはそれより多い濃度で存在してもよい。特定の態様において、銅は、少なくとも約10nMの濃度で存在する。さらにより詳細な態様において、銅は、約74μMの濃度で存在する。培地はまた、少なくとも約0.1、0.2、0.5、1.0、2.0、3.0、4.0、4.2、4.5、4.8、5.0μM、またはそれより多いの濃度の亜鉛を含有してもよい。特定の態様において、亜鉛は、約4.2μMの濃度で存在する。いくつかの態様において、培地は、上述のように鉄および銅を含有し、例えば鉄は、少なくとも約2.25、5、5.5、8、10、12、14、15、20、25、30μMの濃度で存在し、そして銅は、少なくとも約5、10、12、15、30、50、75、100、150、200、250nMの濃度で存在する。特定の態様において、培地は、上述のように鉄、銅、および亜鉛を含有する。したがって、いくつかの態様において、培地は、約2.5μM〜15μMの間の濃度の鉄、約10nM〜150nMの間の濃度の銅、および約2.1μM〜8.4μMの間の濃度の亜鉛を含む。より詳細な態様において、培地は、少なくとも約5μMの濃度の鉄、少なくとも約10nMの濃度の銅、および少なくとも約2μMの濃度の亜鉛を含む。
【0024】
[0030]本発明の方法で使用するための培地は、例えばバッチ・リフィード培養中の、一貫した高採取細胞密度を補助する。いくつかの態様において、本発明の方法で使用するための培地は、少なくとも約1.0x10、1.5x10、2.0x10、2.5x10、3.0x10、3.5x10、4.0x10、4.1x10、4.2x10、4.3x10、4.5x10、4.8x10、5.0x10、5.5x10、6.0x10、6.5x10、7.0x10、7.5x10、8.0x10、8.5x10、9.0x10、9.5x10細胞/mL、またはそれより多くの採取密度を補助する。より詳細な態様において、培地は、約4.0x10〜7.0x10細胞/mLの採取密度を補助する。特定の態様において、これらの採取密度を達成するため、細胞を、約0.037x10、0.075x10、0.15x10、0.3x10、0.6x10、1.2x10、または2.4x10細胞/mL、あるいはそれより高い密度未満の密度で植え付ける。特定の態様において、細胞を約0.6x10細胞/mLの密度で植え付ける。
【0025】
[0031]いくつかの態様において、培地には、ビタミンB6が含まれ、ビタミンB6は、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン5’−リン酸、ピリドキサール5’−リン酸、ピリドキサミン5’−リン酸、およびその組み合わせを含む、細胞培養中で使用するのに適したいくつかの型で存在することが知られる。いくつかの態様において、培地は、ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキシン5’−リン酸、ピリドキサミン5’−リン酸、およびその組み合わより選択される、少なくとも1つのビタミンB6を含有する。いくつかの態様において、ビタミンB6は、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50μM、またはそれより高い総濃度で培地中に存在する。特定の態様において、ビタミンB6は、少なくとも約10μMの濃度で存在する。さらにより詳細な態様において、ビタミンB6は、約30μMの濃度で存在する。特定の態様において、ピリドキサールは、存在する場合、培地中のビタミンB6のモル濃度の約55、50、40、30、20、10、5、1、0.1%以下を構成する。いくつかの態様において、培地中に存在する場合、ピリドキサールは、約20、15、10、8、6、5、4、3、2、1μM未満の濃度で存在する。いくつかの態様において、培地は、0〜1.2の間のピリドキサール対ピリドキシン比を有する。より詳細な態様において、培地中のピリドキサール対ピリドキシン比は1.2未満、例えば約1.1、1.0、0.9、0.7、0.5、0.4、0.3、または0.1未満である。さらにより詳細な態様において、培地は本質的にピリドキサールをまったく含有しない。
【0026】
[0032]本発明の方法で使用するための培地は、典型的には、培養細胞の増殖および関心対象のタンパク質の産生を補助するアミノ酸を提供するであろう。いくつかの態様において、アミノ酸は、例えば表3または4に記載するように、定義される比率で培地中に存在しうる。当該技術分野に知られるように、タンパク質調製物の加水分解産物(例えばペプトン、バクトペプトン、トリプトン、カゼイン加水分解産物、またはソイトン大豆加水分解産物)をアミノ酸供給源として使用してもよい。いくつかの態様において、定義される比率のアミノ酸を含有する培地に、定義されないタンパク質加水分解産物を補充してもよい。あるいは、いくつかの態様において、定義されない加水分解産物が、アミノ酸の主な供給源として働く。加水分解産物がアミノ酸の主な供給源である特定の態様において、必要に応じて1以上の特定のアミノ酸を培地に補充してもよい。いくつかの態様において、培地は、少なくとも約15、20、25、30、35、40mM、またはそれより高い総アミノ酸濃度を有する。特定の態様において、培地の総アミノ酸含量は、少なくとも約20mMである。さらにより詳細な態様において、総アミノ酸濃度は約30mMである。
【0027】
[0033]アミノ酸の比率および個々のアミノ酸濃度を調整して、例えば、細胞増殖率、細胞の代謝プロフィール、産生される組換えタンパク質中のアミノ酸の比率に応じて宿主細胞の代謝必要条件を提供するか、または産生される組換えタンパク質の品質を改善することも可能である。例えば、CHO細胞で産生される、システイニル化された解離可能二量体または遊離(free)スルフィドリル二量体中にあるrhBMP−2の比率は、例えば米国特許第5,830,761号に開示されるように、培地中のL−システインおよびL−グルタミン酸の濃度によって影響を受ける。したがって、いくつかの態様において、培地は、少なくとも約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0mMまたはそれより高い濃度でL−システインを含む。例えば、特定の態様において、培地は、約0.2〜4.0mMの濃度のL−システインを含む。より詳細な態様において、培地は、約0.5〜4.0mMの濃度のL−システインを含む。さらにより詳細な態様において、培地は、約0.7〜3.0mMの濃度のL−システインを含む。いくつかの態様において、L−グルタミン酸は、少なくとも約0.023、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0mM、またはそれより高い濃度で培地中に存在する。特定の態様において、培地は、少なくとも約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.05、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0mMまたはそれより高い濃度のL−システイン、および最大で約0.023、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0mMの濃度のL−グルタミン酸を含む。より詳細な態様において、L−システインは、少なくとも約0.5mMの濃度で培地中に存在し、そしてL−グルタミン酸は、最大で約0.3mMの濃度で培地中に存在する。さらにより詳細な態様において、L−システインは、約0.7〜3.0mMの濃度で培地中に存在し、そしてL−グルタミン酸は、最大で約0.2mMの濃度で培地中に存在する。
【0028】
[0034]培地は、ポリアニオン性剤をさらに含んでもよい。依存するわけではないが、ポリアニオン性剤が、分泌される組換えタンパク質上のヘパリン分子様結合ドメイン、例えば成熟(タンパク質分解的に切断された)hBMP−2単量体または二量体のN末端、との結合に関して、細胞の細胞表面上の部分と競合すると理論づけられる。分泌タンパク質が細胞表面に結合した場合、溶液中のタンパク質収量が減少する。細胞表面上のこれらの要素と競合することによって、ポリアニオン性剤は、培地中の遊離(細胞と会合していない)タンパク質の濃度を増加させる。ポリアニオン性剤の例には、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ペントサン硫酸、デキストラン、デキストラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘクスウロナル(hexuronal)−ヘキソサミノグリカン硫酸、イノシトール六硫酸、およびスクロース八硫酸が含まれる。特定の態様において、ポリアニオン性剤は、マイクロモルまたはナノモルの親和性で、成熟hBMP−2単量体のN末端に結合可能である。いくつかの態様において、ポリアニオン性剤は、少なくとも約1%、5%、10%、12%、15%、18%、20%、25%、30%、50%、またはそれより多くがスルホン化されている、スルホン化天然ポリマー、例えばグリコサミノグリカン(GAG)またはその誘導体である。いくつかの態様において、ポリアニオン性剤は、少なくとも約1、5、10、20、50、75、100、200、400、600、800、1,000mg/L、またはそれより高い濃度で存在する。
【0029】
[0035]特定の態様において、ポリアニオン性剤は、デキストラン硫酸である。より詳細な態様において、デキストラン硫酸は、約5,000〜500,000g/モルの間の分子量を有する。さらにより詳細な態様において、デキストラン硫酸は、約7,000g/モルの分子量を有する。いくつかの態様において、デキストラン硫酸は、少なくとも約10mg/Lの濃度で存在する。より詳細な態様において、デキストラン硫酸は約400mg/Lの濃度で存在する。rhBMP−2を産生するための培地中のデキストラン硫酸の使用は、米国特許第5,318,898号および第5,516,654号にさらに記載される。
【0030】
[0036]培地を操作して、培地の特定のパラメーター、例えばpH、溶解O、またはモル浸透圧濃度を維持してもよい。いくつかの態様において、特定のモル浸透圧濃度範囲内に培地を維持する。他の態様において、培地を特定の出発モル浸透圧濃度に調整する。特定の態様において、培地の出発モル浸透圧濃度は、約260〜380mOsmの間である。より詳細な態様において、出発モル浸透圧濃度は、約280〜360mOsmの間である。
【0031】
[0037]特定の態様において、培地は、少なくとも約2.5μMの濃度の鉄、少なくとも約10nMの濃度の銅、少なくとも約20mMの総濃度のアミノ酸、少なくとも約10mg/Lの濃度のデキストラン硫酸、および少なくとも約15μMの濃度のビタミンB6を含み、ビタミンB6は約1.2未満のピリドキサール対ピリドキシン比を有する。より詳細な態様において、培地は、少なくとも約0.2μMの濃度の亜鉛をさらに含む。非常に詳細な態様において、本発明で使用するための培地は、表3および表4に記載され、すなわち培地A1、A2、B1、またはB2である。さらにより詳細な態様において、培地はB2である。特定の態様において、培地は、B2に実質的に類似である。「実質的に類似」によって、培地の構成要素がいずれも、表4中の培地B2のものよりも、約0.1、0.2、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、または3.0倍より多くは異ならない(すなわち増加せずまたは減少しない)濃度で存在することを意味する。
【0032】
[0038]いくつかの態様において、定義されない構成要素の使用は許容されうる可能性もあり、そして培地に最大約0.1、0.5、1、5、10%またはそれより多くのウシ胎児血清(FBS)を補充してもよい。しかし、血清は、哺乳動物細胞培養に広く用いられるものの、Freshney、Culture of Animal Cells, John Wiley & Sons, New York, 91−99(1994)中に論じられるように、その使用に関連するいくつかの問題がある。例えば、血清は、多くの定義されない構成要素を含有し、そしてしたがって、化学的に定義されない。実際、血清の組成物は、ロット間で異なり、このため、標準化が困難である。さらに、血清は、増殖阻害因子を含有し、この結果、増殖が最適以下となる可能性もある。最後に、血清は、ウイルスまたは他の病原体を含有する可能性もあり、このため、産生および規制認可の両方がより困難である。したがって、本発明の方法で使用するには、血清不含培地が好ましい。
【0033】
タンパク質
[0039]本発明によって提供する方法を用いて、多様なタンパク質が産生可能である。特定の態様において、タンパク質は増殖因子である。特定の態様において、増殖因子は、TGF−βスーパーファミリーのメンバーである。より詳細な態様において、TGF−βファミリーメンバーは、骨形成タンパク質(BMP)である。
【0034】
[0040]BMPは、非常に相同なタンパク質ファミリーであり、そしてさらにより高いレベルの相同性に基づいて、サブグループに分けられる。いくつかの重要なサブグループには:BMP−2およびBMP−4;BMP−5、BMP−6、およびBMP−7;ならびにBMP−12、BMP−13、およびMP−52が含まれる。特に、BMPは、BMP活性に必要な、タンパク質のカルボキシ末端領域中のシステイン残基の同定パターンを共有する。特定の態様において、本発明の方法によって作製されるタンパク質は、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、BMP−16、BMP−17、BMP−18、およびMP−52であり、その組み合わせおよびヘテロ二量体も含まれる。典型的には、BMPは、ジスルフィド連結二量体分子を指す。特定の態様において、BMPは単量体であってもよい。いくつかの態様において、BMPへの言及には、既知のBMPの成熟(プロドメインを欠く)領域の配列に、アミノ酸レベルで、少なくとも約70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%またはそれよりも同一であり、そして生物学的活性(例えば骨、軟骨、または靱帯/腱様組織形成活性)を保持する配列が含まれる。いくつかの態様において、BMPは、既知のBMP配列に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、またはそれより多いアミノ酸置換を含んでもよい。BMPは、当該技術分野に知られ、そしてヒト、ネコ、ニワトリ、チンパンジー、ウシ、イヌ、ヤギ、ウマ、マカク、マウス、ブタ、ウサギ、ラット、およびヒツジなどの哺乳動物を含む、多様な種より同定されてきている。例えばタンパク質および核酸配列、ならびに産生法を含むBMPの説明は、以下の刊行物中に見出されうる:BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、およびBMP−7(例えば、米国特許第5,013,649号;第5,116,738号;第5,106,748号;第5,187,076号;および第5,141,905に開示される)、BMP−8(PCT WO 91/18098に開示される)、BMP−9(PCT WO 93/00432に開示される)、BMP−10(PCT WO 94/26893に開示される)、BMP−11(PCT WO 94/26892に開示される)、BMP−12およびBMP−13(PCT WO 95/16035に開示される)、BMP−15(米国特許第5,635,372号に開示される)、BMP−16(米国特許第6,331,612号に開示される)、MP−52(PCT WO 93/16099に開示される)、ならびにBMP−17およびBMP−18(米国特許第6,027,917号に開示される)。これらのタンパク質への言及は、限定されるわけではないが、欠失突然変異体、挿入突然変異体、および置換突然変異体を含む、変異体、アレル変異体、断片および突然変異体BMPを含むことが理解されなければならない。特に、任意の特定のBMPへの言及は、少なくとも1、3、5、7、9、10、11、12、13、15、18、20、22、25、30、35、またはそれより多くの残基が成熟タンパク質のN末端から除去されている、N末端一部切除(truncation)断片を含むことが理解されなければならない。
【0035】
[0041]本発明の特定の態様において、BMPはBMP−2である。いくつかの態様において、BMP−2はヒトBMP−2(hBMP−2)である。さらにより詳細な態様において、hBMP−2は成熟hBMP−2(すなわちNCBI寄託番号NP 001191のQ283−R396)であり、そして骨および/または軟骨形成活性を所持する。特定の態様において、hBMP−2は、成熟hBMP−2(NCBI寄託番号NP 001191のQ283−R396)に、アミノ酸レベルで、少なくとも約88、89、90、92、94、95、96、98、99、99.9%同一である。したがって、いくつかの態様において、成熟hBMP−2は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15アミノ酸置換を含有する。いくつかの態様において、産生されるBMP−2は、二量体である。いくつかの態様において、産生されるBMP−2は単量体である。特定の態様において、BMP−2は、二量体タンパク質の少なくとも1つのサブユニットのN末端から、少なくとも1、3、5、7、9、10、11、12、13、またはそれより多い残基のN末端一部切除を有する。BMP−2活性に関するアッセイが当該技術分野に知られ、そして例えば米国特許第5,013,649号に開示される。
【0036】
[0042]BMP−2は、多くの種で同定されてきている。例えば、いくつかの種由来のBMP−2に関して、National Center for Biotechnology Information(NCBI) Entrez GeneIDを列挙する表1を参照されたい。これらのGeneIDを用いて、例えば、ユニフォームリソースロケータ(URL): http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=geneで見出されうる、NCBIワールド−ワイドウェブポータルで、公的に入手可能な注釈付きmRNAまたはタンパク質配列を回収してもよい。例えば、ヒトBMP−2のGeneIDを用いて、以下の参照配列: NM 001200.2(mRNA)およびNP 001191.1(タンパク質)を回収してもよい。同様にマウスに関して、回収可能なBMP−2参照配列には、NM 007553.2(mRNA)およびNP 031579.2(タンパク質)が含まれる。例えばゲノム遺伝子座、ゲノム配列、機能上の注釈、アレル変異体、ならびに参照mRNAおよびタンパク質配列を含む、本出願で言及するGeneIDに関連するすべての情報は、その全体が本明細書に援用される。すべての参照配列もまた、mRNAのエクソン境界、または例えばタンパク質の成熟領域を定義するタンパク質の構造的特徴などの、配列の注釈付きの特徴を含めて、その全体が本明細書に援用される。
【0037】
【表1】

【0038】
単離および使用
[0043]当該技術分野に知られるように、BMP−2などの骨形成タンパク質は、タンパク質に基づく療法として有用である。したがって、本発明の方法は、培養から回収されるタンパク質の精製または単離の工程をさらに含んでもよい。BMP−2は、当該技術分野に知られる多様な手段によって精製可能である。特定の態様において、精製は、1以上のカラムクロマトグラフィー精製、例えばブチルセファロース樹脂精製を含む。より詳細な態様において、ブチルセファロースカラムは、CNBr活性化セファロース、例えばセファロース4Bにカップリングしたブチルアミンの樹脂を含む。いくつかの態様において、精製はヘパリン様樹脂、例えばCELLUFINETMスルフェート樹脂上のカラム精製工程をさらに含んでもよい。例えば、BMP−2を含有する培養細胞からの馴化培地をヘパリン様樹脂含有カラムに適用してもよく、BMP−2を含有する溶出物をカラムから得て、そして次いで、ブチルセファロースカラムなどの第二のカラムに適用する。例えば、本明細書に援用される国際公報第WO 99/31120号、特にその3〜7ページに記載されるように、さらなる精製が可能である。
【0039】
[0044]精製後、本発明の方法の産物をさらに、例えば薬剤として配合してもよい。BMPの薬学的キャリアーの一般的な概説には、例えば、SeehermanおよびWozney、Cytokine Growth Factor Rev. 16(3):329−45(2005)または米国特許第5,385,887号を参照されたい。本発明の方法の産物を用いて、例えば骨増殖、生成、治癒、または修復を促進することによって、骨組織の欠陥、傷害、疾患、または障害を治療するか、または治療するための薬剤を調製してもよい。
【0040】
細胞
[0045]非常に多様な細胞を用いて、本発明によって提供する方法によって組換えタンパク質を産生してもよい。関心対象のタンパク質、例えばBMPを発現する組換えDNAで形質転換可能である任意の細胞を、本発明の方法で使用可能である。細胞は、線形動物、蠕虫(worm)、昆虫、両生類、または哺乳類を含む多様な種、例えば、ヒト、霊長類、ヒツジ、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、またはげっ歯類供給源由来であってもよい。特定の態様において、細胞はヒトまたはげっ歯類由来である。より詳細な態様において、細胞はハムスター由来である。
【0041】
[0046]本発明の方法で使用するのに適した細胞株は、当該技術分野に周知であり、そして広く入手可能である。America Type Culture Collection(ATCC)、バージニア州マナサスなどの預託機関から、多くの適切な細胞株が得られうる。本発明に適した細胞株には、COS細胞、CHO細胞、BHK細胞、Balb/c 3T3細胞、FRhL−2細胞、SP2/0細胞、NSO細胞、TM4細胞、CV1細胞、MDCK細胞、BRL細胞、Vero−76細胞、HeLa細胞、MDCK細胞、HepG2細胞、または293細胞が含まれる。特定の態様において、細胞は、COS細胞、CHO細胞、BHK細胞、Balb/c 3T3細胞、または293細胞である。より詳細な態様において、細胞はCHO細胞である。CHO細胞を、細胞力価および/またはタンパク質収量が増加するよう修飾してもよい。いくつかの態様において、CHO細胞はジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子(DHFR;マウスGeneID 13361)発現が減少していても、またはまったく発現していなくてもよく、例えばCHO細胞は、DHFRの低形質(機能減少)、ヌル(非機能)、またはドミナントネガティブ(ヌルであり、そして酵素の機能型を阻害する)アレルに関してヘテロ接合性またはホモ接合性であってもよく、そして関心対象のタンパク質を機能DHFR遺伝子を含有する構築物中で同時トランスフェクションしてもよい。
【0042】
バイオリアクターおよび条件
[0047]本発明の方法で使用するための細胞を、例えば、WarnockおよびAl−Rubei、Biotech. Appl. Biochem. 45:1−12(2006)で論じられるように、当該技術分野に知られる任意の手段によって培養してもよい。典型的には、細胞をバイオリアクター中で増殖させる。バイオリアクターは任意のサイズであってもよい。いくつかの態様において、バイオリアクターは、少なくとも約1L; 3L; 20L; 40L; 80L; 100L; 160L; 1,900L; 2,500L; 12,000L; 20,000L; 40,000L、またはそれより大きい。バイオリアクターは、懸濁物(すなわち係留独立増殖)中の、または支持体上に係留された細胞の増殖を補助しうる。係留依存性増殖には、例えば大きい表面積対体積比を提供する、マイクロキャリアの使用が含まれてもよい。
【0043】
[0048]本発明の特定の態様において、懸濁物中で、すなわち、係留表面を伴わずに、細胞を増殖させる。係留独立増殖の様式は当該技術分野に周知であり、そして例えば、攪拌タンクバイオリアクターおよびエアリフトバイオリアクター中での増殖を含む。特定の態様において、バイオリアクターは攪拌タンクバイオリアクターである。特定のバイオリアクター中で増殖させた細胞を、順に、バッチ・リフィード(以下にさらに記載される、また、Drapeauら, Cytotechnology 15(1−3):103−9(1994)も参照されたい)、流加(fed batch)(例えば、米国特許第5,672,502号;第6,924,124号;または第7,332,303号を参照されたい)、または灌流(新鮮な培地が添加された際に、バイオリアクターから廃棄物が除去されうるように、細胞保持デバイスを使用する、例えば、米国特許第4,814,278号または第6,607,910号を参照されたい)培養法を含む、当該技術分野に知られる多様な方法によって培養してもよい。いくつかの特定の態様において、細胞をバッチ・リフィード・プロセスによって培養する。より詳細な態様において、細胞を本質的に一定の温度で培養する。いくつかの態様において、適切な培養温度は、約31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、または42℃より選択されうる。いくつかの態様において、本質的に一定の温度は、35〜39℃または36〜38℃の狭い温度範囲内であってもよい。より詳細な態様において、約37℃の一定の温度で、細胞を培養する。
【0044】
[0049]バイオリアクターは、例えば酸素添加(溶解O)、pH、モル浸透圧濃度、温度、光、および特定の栄養素(例えばグルコースまたはアミノ酸)の濃度を含む、培地の多様な生理学的パラメーターを維持することも可能である。特定の態様において、バイオリアクターは、温度、pH、および溶解O含量を監視し、そして維持する。いくつかの態様において、グルコースはバッチ(複数)で与える。例えば、バッチ・リフィードによって、バイオリアクター中で細胞を増殖させる。特定の態様において、総培養(すなわち細胞および培地)部分を定期的に除去し(例えば採取し)、そして新鮮な培地と交換する。いくつかの態様において、総培養の少なくとも約10、25、50、75、80、85、90、95、99%、またはそれより多くを定期的に除去し、そして新鮮な培地と交換する。より詳細な態様において、総培養の少なくとも約75%を除去し、そして交換する。特定の態様において、細胞培地部分を約6、12、18、24、30、36、42、または48時間ごとに、あるいは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多い日数ごとに除去する。より詳細な態様において、3日ごとに、培地部分を除去しそして交換する。他の態様において、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多い細胞分裂周期で、総培養部分を除去し、そして交換する。「細胞分裂周期」によって、対数増殖の間、すなわちリッチな培地中、接触阻害の非存在下での、培養される細胞の平均倍加時間を意味する。
【0045】
[0050]特定の態様において、細胞による乳酸産生を限定するかまたは調節することによって、細胞力価および/またはタンパク質収量を増進させることも可能である。例えば、2005年3月31日公開の米国特許公報第2005/0070013号(また、米国特許第7,429,491号も参照されたい)に開示されるような制限方式で、培養細胞へのグルコース供給を限定することによって、乳酸産生を調節することも可能である。
【0046】
[0051]すべての特許、出願、GeneID、参照配列、または本明細書に引用する他の参考文献に関しては、すべての目的のため、ならびに列挙する提案のため、その全体が本明細書に援用されると理解すべきである。本明細書に援用される文書および本出願の間にいかなる不一致が存在する場合も、本出願が優位に立つであろう。
【実施例】
【0047】
実施例1: rhBMP−2産生中のスケールアップの問題
[0052]BMP−2産生プロセスの開発中、1,900リットルのバイオリアクターにおいて、rhBMP−2およびジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)を同時発現するCHO細胞(本明細書において、EMC−G5細胞として知られる)の高細胞密度培養で、スケールアップの問題が観察された。高細胞密度培養は、3日間バッチには0.60x10細胞/mLで、または4日間バッチには0.30x10細胞/mLで接種された。バッチ−リフィード・プロセスの最初の継代中、最終細胞密度は通常、3.0x10細胞/mLに到達するが、以下の継代の最終細胞密度は次第に低下した。例えば、3回の継代は、それぞれ、3.0x10、1.6x10、および1.0x10細胞/mLの採取細胞密度を生じるであろう。こうした増殖速度低下は、培地中、より低量のBMP−2タンパク質を生じ、そして全体の生産性は望ましいよりも低くなった。増殖速度低下は、3リットル規模では再現不能であった。この問題を研究するためのモデルとして、160リットルのバイオリアクターを用いた。採取細胞密度低下は、図1に示すように、160Lバイオリアクター中で見られた。
【0048】
[0053]さらなる実験は同じ困難を示した。1つの試験において、最初の高密度継代は、2.99x10の最終細胞密度に到達する一方、第二の継代は2.28x10細胞/mLにしか到達しなかった。対照条件下で、継代前のものをリアクターに再び接種すると、第一および第二高密度継代は、それぞれ、2.65x10および1.49x10細胞/mLの最終細胞密度に達した。どちらの対照実験でも、第一の高植え付け継代が高い最終密度に達するが、続く継代の増殖速度が次第に有意に低下する、スケールアップの問題が示された。BMP−2力価および特異的生産性データは、類似の傾向を示した。
【0049】
[0054]微量要素D(「微量D」)の増殖培地への添加は、培地におけるスケールアップ問題を排除した。微量Dは、3μM鉄、3μM亜鉛、および0.03μM銅からなる。微量Dを用いると、高植え付けバッチ(3日間および4日間)は、一貫して、3.0x10細胞/mL以上の採取密度に到達した。増殖速度および特異的生産性もまた高く維持された。これによって、微量Dが、細胞増殖特性に正に影響を及ぼすことが示される。補充の鉄および銅を含むおよび含まない培地中で細胞を増殖させた実験結果を図2に示す。
【0050】
[0055]微量Dのどの構成要素が最も重要であるかを発見する試みの中で、銅のみを補充した培地を試験した(未提示)。第一の高植え付けバッチが、3.0x10細胞/mLより高い値に到達した後、続く2つのバッチは、増殖速度低下を示し、これは、対照バッチ(微量Dを含まない)の振る舞いと同様であった。3回の高植え付け継代の増殖速度の低下によって、銅単独では、スケールアップ問題を改善するのに有効ではないことが示される。
【0051】
実施例2:デキストラン硫酸は、クロマトグラムの異常を排除する
[0056]これらの微量金属評価中、先の高密度培養において生じたrhBMP−2由来のサイズ排除クロマトグラム(CEX)の第二のピーク上に異常な肩が観察された。培地中で低レベルのデキストラン硫酸(200mg/Lの代わりに10mg/L)を用いると、リン酸とのインキュベーション後、より高い割合の肩ピークが生じることが見出された(それぞれ、およそ4%に対しておよそ12%)。デキストラン硫酸用量反応実験によって、細胞培地中のデキストラン硫酸レベルがより高いと、用量依存方式で、観察された肩ピーク量が減少することが示された。デキストラン硫酸は、以前、BMP−2産生中、タンパク質収量を増加させることが示されてきている。例えば、米国特許第5,318,898号および第5,516,654号を参照されたい。
【0052】
実施例3.1:金属補充培地中の細胞力価低下
[0057]鉄および銅濃度が、培地中で濃縮されている場合、実験室規模バイオリアクター中であっても、細胞増殖が安定でないことが時折観察された。図3を参照されたい。さらなる金属が、他の培地構成要素(単数または複数)と反応し、そして不安定な培養増殖を生じうると仮定された。
【0053】
[0058]組織培養フラスコ中の予備実験において(図4)、0.08x10細胞/mLの密度で細胞を植え付け、そして4日間増殖させた。銅または亜鉛のみを補充された培地A1(140)は、補充されていない培地と匹敵する増殖速度を補助する一方、微量D補充(さらなる鉄、銅、および亜鉛)は、より低い増殖速度を生じた。細胞はまた、培地A1に鉄のみを補充した場合、増殖速度の用量依存性減少も示した。培地B1(248)における増殖細胞は、鉄を補充された培地A1中の増殖細胞と類似の増殖速度減少を示した。
【0054】
実施例3.2:ピリドキサール−鉄相互作用は、増殖速度減少を生じる
[0059]さらなる研究において、増殖速度欠陥を誘発する培地A1を、増殖速度欠陥を誘発しない培地A2に比較した。培地A1は、主にピリドキサールを含有する一方、培地A2はピリドキシンのみを含有することが注目された。BMP−2 EMC G5細胞を、異なる鉄濃度であり、そしてピリドキサールを含む、および含まない、培地A1および培地A2中で増殖させた。培地A1およびA2の鉄およびビタミンB6含量を表2に要約する。
【0055】
表2
【0056】
【表2】

【0057】
[0060]37℃に維持され、7%COを含むインキュベーター中、組織培養ディッシュ中で、細胞を3日間培養した。0.15x10細胞/mLで細胞を植え付け、3日間の最後に採取した。第3日、細胞をCASYカウンター上で計数して、最終細胞密度を得た(10細胞/mLの単位)。次いで、以下の等式によって増殖速度を計算した:増殖速度(u)=In(最終細胞密度/最初の細胞密度)/培養時間(時間)。結果を図5に示す。
【0058】
[0061]ピリドキシンではなく、ピリドキサールが鉄と相互作用する構成要素であり、そして一貫性のない培養成績を引き起こすことが発見された。ピリドキシンはピリドキサールの前駆体である。これらは、培地中のビタミンB6として交換可能であり、そしてアミノ基転位、脱カルボキシル化、および脱アミノの補因子として作用する。大部分の細胞培養プロセスに関して、培地がピリドキシン、ピリドキサール、または両方を含有していても相違はない。しかし、特定の濃度のピリドキサールは、増加した量の鉄と相互作用し、そしてrhBMP−2産生プロセスに負に影響を及ぼす。図5に示すように、培地A1は、培地A2に比較して増殖速度欠陥を誘発し、これはさらなる鉄によって悪化しうる。ピリドキサールを補充すると、培地A2は、鉄用量依存方式で増殖速度欠陥を誘発する。したがって、培地中の鉄濃度がより高く、そしてピリドキサールの濃度または比率がより高いと、不安定でそして最適以下の培養増殖が生じる。
【0059】
実施例4:細胞密度およびタンパク質力価の頑強な(robust)増加
[0062]培地からピリドキサールを除いたさらなる培地修飾後(培地B2を生じる)、細胞増殖およびBMP−2生産性は一貫しており、そして以前のプロセスに比較して、小規模バイオリアクター中、ならびに商業規模バイオリアクター中で、生産性に2倍の増加を示した。図6および図7を参照されたい。したがって、本出願に記載する培地に対する修飾は、商業規模への組換えタンパク質産生のスケールアップ中に生じる増殖欠陥を排除した結果、高品質組換えタンパク質の収量が実質的に増加する。
【0060】
[0063]製造中に組換えヒト骨形成タンパク質−2(rhBMP−2)を産生するのに用いる細胞株は、BMP−2およびDHFRを同時発現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株であり、本明細書において、EMC−G5と称される。0.6x10細胞/mLの標的細胞密度で接種して、2,500リットルの作業体積バイオリアクター中で細胞を培養した。培地B2中で細胞を培養した(表4を参照されたい)。培養温度を37℃に維持した。7.10のセットポイントまで、継代の最初の数時間にわたって培養のpHが下がることを許し、そして滴定剤の添加によって、その値で維持した。培地B2の最初のpHは〜7.30であった。2回の3日間継代および2回の4日間継代に関して、各接種物細胞密度で、培養を連続継代した。血中ガス分析計(BGA)からの測定値にしたがって、pHプローブをオンラインで較正した。顕微鏡を用い、トリパンブルー排除を用いて生存率を決定する、手動計数によって、細胞密度および生存率を決定した。遠心分離によって、各継代後のすべての培養から馴化培地を採取し、そして次いでろ過した。
【0061】
[0064]表3および4は、これらの研究で用いる培地の配合を示す。
表3
【0062】
【表3−1】

【0063】
【表3−2】

【0064】
表4
【0065】
【表4−1】

【0066】
【表4−2】

【0067】
【表4−3】

【0068】
[0065]本明細書を考慮し、そして本明細書に開示する本発明を実施すると、当業者には、本発明の他の態様が明らかであろう。明細書および実施例は例示のみと見なされ、本発明の真の範囲および精神は、以下の請求項によって示されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
BMP−2産生法であって:
i)少なくとも約2.25μMの濃度の鉄、ポリアニオン性化合物を含み、そしてピリドキサールが存在している場合、ピリドキサールが培地中のビタミンB6のモル濃度の約55%未満を構成する培地中で、BMP−2をコードするDNA分子を含む適切な宿主細胞を培養し;そして
ii)関心対象のタンパク質を回収する
工程を含み、
宿主細胞を約3Lより大きい容量を有するバイオリアクター中で培養する、前記方法。
【請求項2】
鉄が少なくとも約5μMの濃度である、請求項1の方法。
【請求項3】
培地が少なくとも約2x10細胞/mLの採取密度を補助しうる、請求項1の方法。
【請求項4】
培地がさらに、ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキシン5’−リン酸、ピリドキサミン5’−リン酸からなる群より選択される、少なくとも1つのビタミンB6を含む、請求項1の方法。
【請求項5】
培地が少なくとも約15μMの総ビタミンB6濃度を有する、請求項4の方法。
【請求項6】
培地が約1.2未満のピリドキサール対ピリドキシン比を有する、請求項4の方法。
【請求項7】
ピリドキサール対ピリドキシン比が0.4未満である、請求項6の方法。
【請求項8】
培地が少なくとも約10nMの濃度の銅をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項9】
培地が少なくとも約0.2μMの濃度の亜鉛をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項10】
ポリアニオン性化合物がデキストラン硫酸である、請求項1の方法。
【請求項11】
デキストラン硫酸が少なくとも約10mg/Lの濃度で存在する、請求項10の方法。
【請求項12】
デキストラン硫酸が少なくとも約100mg/Lの濃度で存在する、請求項10の方法。
【請求項13】
デキストラン硫酸が、約5,000〜500,000g/モルの間の分子量を有する、請求項11の方法。
【請求項14】
デキストラン硫酸が約7,000g/モルの分子量を有する、請求項13の方法。
【請求項15】
培地が少なくとも約20mMの総濃度のアミノ酸をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項16】
培地が少なくとも約0.5mMの濃度のL−システインを含む、請求項15の方法。
【請求項17】
培地が最大で約0.3mMの濃度のL−グルタミン酸を含む、請求項16の方法。
【請求項18】
培地が約260〜360mOsmの間の初期モル浸透圧濃度を有する、請求項1の方法。
【請求項19】
BMP−2が哺乳動物BMP−2である、請求項1の方法。
【請求項20】
哺乳動物BMP−2がヒトBMP−2(hBMP−2)である、請求項19の方法。
【請求項21】
ヒトBMP−2が組換え(rhBMP−2)である、請求項20の方法。
【請求項22】
適切な宿主細胞が、COS細胞、CHO細胞、BHK細胞、Balb/c 3T3細胞、または293細胞からなる群より選択される、請求項1の方法。
【請求項23】
適切な宿主細胞がCHO細胞である、請求項22の方法。
【請求項24】
CHO細胞がDHFR遺伝子の減少した発現を有する、請求項23の方法。
【請求項25】
適切な宿主細胞を少なくとも約160Lの容量を有するバイオリアクター中で培養する、請求項1の方法。
【請求項26】
バイオリアクターが少なくとも約500Lの容量を有する、請求項25の方法。
【請求項27】
バイオリアクターが少なくとも約2,500Lの容量を有する、請求項26の方法。
【請求項28】
バイオリアクターが少なくとも約12,000Lの容量を有する、請求項27の方法。
【請求項29】
宿主細胞をバッチ・リフィード(batch refeed)、流加(fed batch)、または灌流によって培養する、請求項27の方法。
【請求項30】
宿主細胞をバッチ・リフィードによって培養する、請求項29の方法。
【請求項31】
宿主細胞を本質的に一定の温度で培養する、請求項30の方法。
【請求項32】
温度が約36〜38℃である、請求項31の方法。
【請求項33】
ブチルセファロース樹脂上でBMP−2を精製する工程をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項34】
精製が、BMP−2を含有する馴化培地をヘパリン様樹脂に適用し、BMP−2を含有する溶出物を得て、そして溶出物をブチルセファロース樹脂に適用する工程をさらに含む、請求項33の方法。
【請求項35】
BMP−2産生法であって:
i)少なくとも約2.5μMの濃度の鉄、ポリアニオン性化合物、および少なくとも約15μMのビタミンB6を含み、そしてピリドキサールが存在している場合、ピリドキサールが培地中のビタミンB6のモル濃度の約55%未満を構成する培地中で、BMP−2タンパク質をコードするDNA分子を含む適切な宿主細胞を培養し;そして
ii)BMP−2タンパク質を回収する
工程を含み、
宿主細胞を約3Lより大きい容量を有するバイオリアクター中で培養する、前記方法。
【請求項36】
培地が少なくとも約10nMの濃度の銅をさらに含む、請求項35の方法。
【請求項37】
培地が少なくとも約0.2μMの濃度の亜鉛をさらに含む、請求項35の方法。
【請求項38】
宿主細胞がCHO細胞である、請求項35の方法。
【請求項39】
BMP−2がrhBMP−2である、請求項35の方法。
【請求項40】
ポリアニオン性化合物が、少なくとも約10mg/Lの濃度のデキストラン硫酸である、請求項35の方法。
【請求項41】
培地が少なくとも約20mMの総濃度のアミノ酸を含む、請求項35の方法。
【請求項42】
培地が少なくとも約0.5mMの濃度のL−システインを含む、請求項41の方法。
【請求項43】
培地が最大で約0.3mMの濃度のL−グルタミン酸をさらに含む、請求項42の方法。
【請求項44】
培地が約260〜360mOsmの間の初期モル浸透圧濃度を有する、請求項35の方法。
【請求項45】
BMP−2産生法であって:
i)少なくとも約2.5μMの濃度の鉄、少なくとも約10nMの濃度の銅、少なくとも約20mMの総濃度のアミノ酸、少なくとも約0.5mMの濃度のL−システイン、少なくとも約10mg/Lの濃度のデキストラン硫酸、および少なくとも約15μMの濃度のビタミンB6を含み、そしてピリドキサールが存在している場合、ピリドキサールが培地中のビタミンB6のモル濃度の約55%未満を構成する培地中で、BMP−2タンパク質をコードするDNA分子を含むCHO細胞を、バッチ・リフィード・プロセスで培養し;そして
ii)BMP−2タンパク質を回収する
工程を含み、
宿主細胞を少なくとも約160Lの容量を有するバイオリアクター中で培養する、前記方法。
【請求項46】
培地が少なくとも約0.2μMの濃度の亜鉛をさらに含む、請求項45の方法。
【請求項47】
BMP−2産生法であって:
i)少なくとも約2.25μMの濃度の鉄、ポリアニオン化合物を含み、そしてピリドキサールが存在している場合、約15μM未満の濃度で存在する培地中で、BMP−2をコードするDNA分子を含む適切な宿主細胞を培養し;そして
ii)関心対象のタンパク質を回収する
工程を含み、
宿主細胞を約3Lより大きい容量を有するバイオリアクター中で培養する、前記方法。
【請求項48】
BMP−2を精製する工程をさらに含む、請求項1〜31または35〜47のいずれか一項の方法。
【請求項49】
精製BMP−2を薬剤として配合する工程をさらに含む、請求項48の方法。
【請求項50】
請求項1〜49の方法のいずれかによって産生される産物。
【請求項51】
請求項50の産物を含む薬学的配合物。
【請求項52】
骨組織の欠陥、傷害、疾患、または障害を持つ患者を治療するための薬剤の調製における、請求項50の産物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−518175(P2011−518175A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505197(P2011−505197)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/040789
【国際公開番号】WO2009/129379
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】