説明

骨形成蛋白の送達のための注入可能なリン酸カルシウム固体ロッドおよびペースト

骨形成蛋白を注入可能な固体ロッドまたは硬化可能なペーストを介して送達する。製剤は、リン酸カルシウム物質、骨形成蛋白および場合により添加物および骨吸収阻害物質などの活性成分を含む。注入可能な医薬組成物を作製する方法および骨欠損を処置するために骨形成組成物を使用する方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2003年9月12日に出願された米国仮出願第60/502,493号に対して優先権を主張し、該出願は出典明示により本明細書の一部とする。
【0002】
(技術分野)
本発明は骨形成蛋白およびその医薬製剤の分野に関する。
【0003】
(従来技術)
突発性骨粗鬆症は、骨量の進行的な低下および脆弱性亢進により、骨折の可能性が著しく増加することで特徴付けられる病因未知の疾病である。骨粗鬆症は、すべての筋骨格系疾患なかでもっとも一般的なものであり、45歳以上の女性の56パーセントが罹患している(Praemerら、「Musculoskeletal Conditions in the United States」、Amer. Acad. of Orthopaedic Surgeons、Park Ridge、IL (1992)。その発症率は年齢とともに増加し、人口の高齢者の割合が増加しているため、骨粗鬆症は時代とともにより一般的となるであろう。最後に、そして最も重要なことに、骨粗鬆症は実質的な罹患率と死亡率との間に関係がある。骨粗鬆症から生じる重篤な骨折のほとんどは、股関節部分の近位大腿骨の骨折である。近年の300,000を超える発症率のうち、最近では股関節部骨折が高齢者における最も一般的な骨折となっている。6人に1人のカフカサス人の女性は一生のうちで一度は股関節部骨折を患い(Cummingsら、Arch. Intern. Med.、vol. 149、pp. 2455-2458 (1989))、90歳まで達した人の場合には、この数字は3人に1人となる。
【0004】
骨粗鬆骨の処置に加えて、骨折に関連する骨粗鬆症を、例えば骨形成蛋白の局所投与により処置または予防する方法が必要である。骨形成蛋白は、軟骨および/または骨形成を誘発するか又は誘発を助けることのできる蛋白である。そのような骨形成蛋白の多くが、近年単離され、特徴付けられており、その幾つかは組換え的方法により生産されている。
【0005】
加えて、骨形成の誘発が望まれる部位に骨形成蛋白を送達するために設計された種々の製剤が開発された。
【0006】
しかし、当該分野における相当の努力にもかかわらず、骨粗鬆骨および骨減少(osteopenic)骨の修復および/または処置の有効な方法について、並びに骨折に関連する骨粗鬆症の発症率または重篤度を最小化または低下させることについての必要性がある。
【0007】
(発明の開示)
本発明は、骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物、すなわち骨形成組成物に関する。本組成物は固体ロッド、好ましくは円筒形の固体ロッド、または硬化可能なペーストの形状であり得る。本組成物には骨形成蛋白およびリン酸カルシウム物質が含まれる。
【0008】
本発明の特定の好ましい実施形態において、骨形成蛋白は骨形成蛋白ファミリーのメンバーであり、より好ましくはBMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−10、BMP−12およびBMP−13のいずれかであり、もっとも好ましくはBMP−2である。骨形成蛋白は、本発明の固体ロッドの重量あたり好ましくは約1%〜約90%、より好ましくは約15%〜約40%の範囲の量で、および本発明のペーストの重量あたり好ましくは約0.01%〜約2%、より好ましくは約0.03%〜約1%の範囲の量で存在する。
【0009】
本発明の特定の好ましい実施形態において、リン酸カルシウム物質には、非晶質リン灰石性リン酸カルシウム、結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、フッ素リン灰石およびそれらの組み合わせから選択される物質が含まれる。もっとも好ましくは、リン酸カルシウム物質は結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムである。リン酸カルシウム物質はロッド型骨形成組成物の重量あたり好ましくは約10%〜約99%、より好ましくは約40%〜約60%の範囲の量で、並びに硬化可能なペースト骨形成組成物の重量あたり好ましくは約30%〜約70%、より好ましくは約45%〜約55%の範囲の量で存在する。
【0010】
本発明のさらなる実施形態は、骨吸収阻害物質もまた含む骨形成組成物に関する。骨吸収阻害物質は、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、EB 1053、エチドロネート、イバンドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、YH 529、ゾレドロネートおよび医薬上許容されるその塩、エステル、並びにそれらの混合物からなる群より選択されるビスホスフォネートであることが好ましい。
【0011】
本発明のさらなる実施形態は、医薬上許容される塩、多糖類、ペプチド、蛋白、アミノ酸、合成ポリマー、天然ポリマー、界面活性剤およびそれらの組み合わせから選択される添加物、より好ましくはカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリ乳酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、硫酸デキストランおよびそれらの組み合わせから選択される添加物、をさらに含む骨形成組成物に関する。添加物は、ロッド型骨形成組成物の重量あたり好ましくは約1%〜約90%、より好ましくは約20%〜約40%の範囲の量で、硬化可能(hardenable)なペーストの骨形成組成物の重量あたり好ましくは約1%から約90%、より好ましくは約10%〜約20%の範囲の量で存在する。
【0012】
本発明の骨形成組成物が、固体の円筒形ロッドの形状であることが好ましく、その円筒形ロッドの直径は好ましくは約0.1mmから約3.0mmの間、より好ましくは約1.0mmであり、その円筒形ロッドの長さは好ましくは約0.5cmから5.0cmの間である。
【0013】
本発明のさらなる実施形態は、骨形成蛋白およびリン酸カルシウム物質を含む、骨形成蛋白の注入可能な送達のためのロッド型組成物の調製方法であって、乾燥型の骨形成蛋白を乾燥型のリン酸カルシウム物質と混合し、乾燥混合物を形成させる(a)工程;その乾燥混合物に水性緩衝液を加えることにより復元し、ペーストを形成させる(b)工程;そのペーストを成型し、ロッド型組成物を形成させる(c)工程;および工程(c)のロッド型組成物を乾燥させ、骨形成蛋白の注入可能な送達のためのロッド型組成物を形成させる(d)工程を含む、方法に関する。好ましい実施形態において、水性緩衝液は、リン酸緩衝食塩水、塩類溶液、グリシン緩衝溶液およびグルタミン酸緩衝溶液並びにそれらの組み合わせから選択される。水性緩衝液(容量)の乾燥混合物(重量)に対する割合(mL:g)は約0.5:1〜約2:1の範囲である。成型は、好ましくは型込め、押出し、圧縮、穿孔またはそれらの組み合わせにより実施される。特定の好ましい実施形態において、ロッド型組成物は工程(d)の前または後に切断される。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態は、骨形成蛋白およびリン酸カルシウム物質を含む、骨形成蛋白の注入可能な送達のためのペースト組成物を調製する方法であって、乾燥型のリン酸カルシウム物質を骨形成蛋白を含有する水性緩衝液と混合し、ペーストを形成させる工程を含む方法に関する。本発明の好ましい実施形態において、水性緩衝液が、リン酸緩衝食塩水、塩類溶液、グリシン緩衝溶液およびグルタミン酸緩衝溶液、並びにそれらの組み合わせから選択される。水性緩衝液のリン酸カルシウム物質に対する割合は、約0.5:1から約2:1の範囲である。
【0015】
本発明のさらなる実施形態は、骨欠損を有する哺乳動物を処置する方法であって、本明細書中で請求される骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物の有効量を骨欠損部位に投与する方法に関する。本発明のさらなる実施形態は、骨欠損を有する哺乳動物を処置する方法であって、本明細書中で請求される骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物の有効量を骨欠損部位に投与する工程(a)および骨吸収阻害物質の有効量を骨欠損部位に投与する工程(b)を含む方法に関する。骨吸収阻害物質の投与は、工程(a)の前、工程(a)の後、または工程(a)と同時に行うことができる。
【0016】
(図面の詳細な記載)
図1は、トレーサーとして125I−rhBMP−2を用いたα−BSMからのrBMP−2のインビトロ放出の動態を示すグラフである。
【0017】
図2は、トレーサーとして125I−rhBMP−2を用いたα−BSMからのrhBMP−2のインビボでの局所的な保持を示すグラフである。
【0018】
(発明の詳細な記載)
一般に、本発明の方法および組成物は、骨組織の再生に、並びに骨量、骨密度および骨強度の付随的な増加に関する。より詳細には、本発明は骨形成蛋白、リン酸カルシウム担体および任意の添加物および骨吸収阻害物質などの活性剤を含む注入可能な固体ロッドおよびペースト、および骨形成組成物の調製方法並びに骨形成組成物を用いた処置方法に関する。本発明のリン酸カルシウム固体ロッドおよび硬化可能なペーストは、骨形成蛋白の骨内送達に適切である。本発明の方法および組成物の使用を通じて、骨粗鬆症の重篤度または骨粗鬆病変の発症率を好都合に減少させ、最終的に骨折の発生率を減少させることができる。他の臨床上の使用には、骨折の修復、軟骨の修復、非結合欠陥の修復および脊椎固定が含まれる。本発明の注入可能な固体ロッドおよび硬化可能なペーストは、米国仮出願第60/502,526号(「Promotion of Bone Ingrowth in Joint Replacement Implants Using Osteogenic Proteins」;この仮出願の内容は、出展明示によりその全ては本発明の一部とされる)に記載されるような関節置換移植(joint replacement implants)を用いる場合に必要とされる骨成長の促進のために使用することもできる
【0019】
本発明の第1の実施形態は、骨形成蛋白およびリン酸カルシウム物質を含む骨形成蛋白の注入可能な送達のためのロッド型組成物に関する。本発明のこの第1の実施形態による組成物は、他の添加物(結合剤、賦形剤)および/または骨吸収阻害物質などの活性剤を含んでいてもよい。
【0020】
この固体ロッド型組成物は、局所的な骨内送達に適切であるため、骨の形成および/または維持を効果的に誘導するため、骨粗鬆部位または骨減少(osteopenic)部位に直接注入することができる。さらに、この様式で送達される場合に、注入可能なロッド型組成物は骨形成蛋白に関して持続放出プロフィールを示す。好ましくは、本発明のこの固体ロッドは、円筒形であり、16標準規格の針で送達できるように直径約0.1mm〜約3.0mmの範囲であり、より好ましくは約1.0mmである。さらに、この固体ロッドは、長さが約1.0mmから約5.0cmであることが好ましい。
【0021】
既存の注入可能な製剤と違って、本発明の第1実施形態の骨形成組成物は、固体形状にて投与することで、液体または粘性製剤に起因する欠陥を回避できる。例えば、液体またはゲル製剤を用いる場合、骨形成物質は骨促進作用を発揮する前に体液により早期に希釈される可能性がある。本発明は、インビボでゆっくりと分解する固体担体を利用することによりその希釈作用を回避し、それにより、活性剤(群)のゆっくりとした持続放出を提供する。さらに、投与部位から移動する可能性のある液体または粘性製剤と異なり、本発明の固体組成物は、所望の骨成長の部位に留まって持続し、骨増殖促進活性をもたらす。また、低骨量の領域に固体ロッドをより正確に注入可能に配置することができる。一般的には、この組成物は約5日から約2ヶ月の間その部位に存在すべきである。組成物が早期に分散する場合、所望の骨成長促進作用が起こらないか或いは形成された骨が所望の強度を有しないかのいずれかである。最終的に、本発明のこの実施形態の骨形成組成物は固体として投与されるが、円筒形のロッドとして形成されることが好ましく、これにより体内への注入または埋め込みのいずれにも適切となる。当然、要すれば、他のロッド型、例えば六角形、四角形、または半円形のロッド型を使用することができる。加えて、骨内注入工程中の塞栓症を含む周知の合併症は、固体ロッドの使用により(液体またはゲル形状と比較して)かなり減少する。注入される高濃度の固体ロッドの量は、同じ投薬量を液体またはゲル形状で投薬する場合に必要とされる量より非常に少ないため、液体/ゲル担体を大量に加圧注入することにより生じる骨内の骨断片、脂肪または塞栓の潜在的な置換の可能性は減少する。本組成物は、慣用の皮下用の注射針または注射器を通じた導入を含むいずれの都合の良い様式で所望の骨増殖部位に適用することができる。
【0022】
本発明の第2の実施形態は、骨形成蛋白の注入可能な送達のための固体ロッド型組成物を調製する方法に関する。第1の工程において、乾燥型の骨形成蛋白を乾燥型のリン酸カルシウム物質と混合し、乾燥混合物を生成する。換言すれば、乾燥混合物を生成するために、最初は骨形成蛋白およびリン酸カルシウム物質の両方の粉末型または乾燥型を用いる。添加物および/または付加的な活性剤が組成物に含まれる場合、これらの物質もまた乾燥型または粉末型で用られ、乾燥混合物に含まれてもよい。
【0023】
第2の工程において、乾燥混合物は水性緩衝液を加えることにより再構築し、ペーストを形成する。適切な水性緩衝液には、限定するものではないが、リン酸緩衝食塩水、塩類溶液、グリシン緩衝溶液およびそれらの組合せが含まれる。骨形成蛋白としてBMP−2を使用する場合、pH約4.5のグリシン緩衝溶液の使用が好ましく;5mmolのL−グルタミン酸、2.5%グリシン、0.5%シュークロース、5mmolのNaClおよび0.01%ポリソルベート80の組成物を含むグリシン緩衝溶液を使用することがより好ましい。
【0024】
水性緩衝液(容量)の乾燥混合物(重量)に対する割合(mL:g)は、約0.5:1から約2:1の範囲である。しかしながら、この重量比の下限は、注射器または幾つかの他の方法による注入を通じて形成させることができるペーストを十分に形成させることができるように、必要量の液体を乾燥混合物に添加するという関係にのみ制限される。さらに、この重量比の上限は、後に乾燥させる時に達成される幾何配置、すなわちロッド型の形状が乱される;換言すれば、過剰量の液体を用いた場合に、骨形成組成物を乾燥させる際に、本方法の第3の工程で形成されるロッド型に欠陥が生じることになる程の量ではない液体を乾燥混合物に添加するという関係にのみ制限される。
【0025】
この工程は、実質的に均一混合が実現される条件下で実施される。混合することで構成成分は組み合わされ、混合により中間成分の反応の程度を調整することができる。すべての所望の成分が、乾燥混合物に含まれていることが好ましいが、混合を始める直前または混合が終わる前に添加物または付加的な活性剤を加えることも可能である。かかる添加物または付加的な活性剤は好ましくは乾燥型であるが;水和物型の添加物または付加的な活性剤をペーストに加えても良い。
【0026】
本発明の方法の第3の工程において、ペーストを成型して、ロッド型組成物が形成される。成型または造形は、成形、押出し、圧縮、穿孔および/または切断などの多くの既知の技術のいずれかを使用して達成することができる。本発明の好ましい実施形態において、ペーストは詰込まれ、皮下注射器のハブ端を通じて押し出される。この場合、注射器のプランジャーを差し込み、十分量の圧力をかけて、乾燥した面に連続した長さのペーストを押し出す。次いで、かみそり、外科用メス、ナイフまたはその類似物などの切断用器具を用いて、ある単位に切断し、注入可能なロッド型組成物を形成する。切断は、下記の乾燥工程の後に行なってもよい。別法として、ペーストを円筒形の型、カテーテル、空気またはガス浸透チューブ(例えば、シラスティック(silastic)またはテフロン(Teflon)(登録商標)/FEP)または他の押出し型に器具に詰込んでもよい。
【0027】
最終工程では、前工程で得られたロッド型組成物を乾燥または硬化させ、本発明の骨形成蛋白の注入可能な送達のためのロッド型組成物を形成させる(第1の実施形態)。乾燥は、空気乾燥または高温、例えば最低37℃でのインキュベートを介して達成することができる。乾燥温度は、一般に55℃〜60℃の範囲のいずれかで生じる、骨形成蛋白の変性との関係にのみ制限される。乾燥が37℃のオーブンにて達成される場合、乾燥には最低約1時間を要し、乾燥を一晩行うことが好ましい。ロッド型組成物の残留水分が10%以下であることが好ましい。
【0028】
本発明の第3の実施形態は、骨形成蛋白およびリン酸カルシウム物質を含む骨形成蛋白の注入可能な送達のための硬化可能なペースト組成物に関する。本発明の第3の実施形態による組成物は、他の添加物(結合剤、賦形剤)および/または骨吸収阻害剤などの活性剤を含むことがあっても良い。
【0029】
ペーストは、局所的な骨内送達に適切であるため、骨粗鬆または骨減少部位に直接注入することでペーストが硬化して固体型となり、骨の形成および/または維持を効果的に誘導することができる。本ペーストは少なくとも37℃の環境に、すなわち哺乳動物に注入されると硬化するため、液体またはゲル組成物の使用に伴う不都合は回避される。前記の固体ロッド型の注入可能な組成物と同様に、硬化ペースト組成物は、骨形成蛋白に関して持続放出プロフィールを示す。硬化可能なペーストの注入可能な使用期間は、ペーストを冷蔵保存することにより長期化可能である。
【0030】
本発明の第4の実施形態は、骨形成蛋白の注入可能な送達のためのペースト組成物の調製方法に関する。この方法において、乾燥型のリン酸カルシウム物質を骨形成蛋白を含む水性緩衝液と混合し、ペーストを形成する。添加物および/または付加的な活性剤が組成物に含まれる場合、これらの物質は、乾燥型のリン酸カルシウム物質と予め混合される乾燥型であるか、または水性緩衝液およびリン酸カルシウム物質と直接混合される硬化型のいずれで用いることができる。混合は実質的に均一混合が実現される条件で実施される。混合することで構成成分が組み合わされ、混合により中間成分の反応の程度を調整することができる。
【0031】
適当な水性緩衝液には、限定するものではないが、リン酸緩衝食塩水、塩類溶液、グリシン緩衝溶液およびそれらの組合せが含まれる。骨形成蛋白としてBMP−2を使用する場合、pH約4.5のグリシン緩衝溶液の使用が好ましく;5mmolのL−グルタミン酸、2.5%グリシン、0.5%シュークロース、5mmolのNaClおよび0.01%ポリソルベート80の組成物を含むグリシン緩衝溶液を使用することがより好ましい。水性緩衝液の乾燥型リン酸カルシウムに対する重量の割合は、約0.5:1から約2:1の範囲である。
【0032】
別法として、乾燥型の骨形成蛋白を乾燥型のリン酸カルシウム物質と混合し、 乾燥混合物を生成し、次いで、この乾燥混合物に水性緩衝液を加えることで再構築してペーストを形成する。これらの工程は、水性緩衝液の乾燥型リン酸カルシウムに対する重量の割合が、約0.5:1から約2:1の範囲であることを除いては、前記の固体ロッド型組成物の調製方法の第1および第2工程と同様である(第2の実施形態)。
【0033】
本発明における使用に適切な活性剤、担体、添加物および骨吸収阻害物質の詳細を以下に示す。
【0034】
活性剤
本発明の骨形成組成物中に存在する活性剤は、形質転換増殖因子ベータ(TGF−β)スーパーファミリーの蛋白として知られている蛋白ファミリーから選択されることが好ましい。このファミリーにはアクチビン、インヒビンおよび骨形成蛋白(BMP)が含まれる。これらBMPには、例えば米国特許第5,108,922号、第5,013,649号、第5,116,738号、第5,106,748号、第5,187,076号および第5,141,905号に開示されているBMP−蛋白であるBMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびBMP−7、国際公開第91/18098号パンフレットに開示されているBMP−8、国際公開第93/00432号パンフレットに開示されているBMP−9、国際公開第94/26893号パンフレットに開示されているBMP−10、国際公開第94/26892号パンフレットに開示されているBMP−11、国際公開第95/16035号パンフレットに開示されているBMP−12およびBMP−13、米国特許第5,635,372号に開示されているBMP−15、並びに米国特許第6,331,612号に開示されているBMP−16が含まれる。本発明の活性剤として有用な可能性のある他のTGF−β蛋白には、Vgr2(Jonesら、Mol. Endocrinol.、vol. 6、pp. 1961 1968 (1992))、並びに国際公開第94/15965号パンフレット、国際公開第94/15949号パンフレット、国際公開第95/01801号パンフレット、国際公開第95/01802号パンフレット、国際公開第94/21681号パンフレット、国際公開第94/15966号パンフレット、国際公開第95/10539号パンフレット、国際公開第96/01845、国際公開第96/02559およびその他の刊行物に記載されているものを含む増殖分化因子(GDF)のいずれかが含まれる。また、本発明に有用なものとして、国際公開第94/01557号パンフレットに開示されているBIP、特開平7−250688号公報に開示されているHP00269、国際公開第93/16099号パンフレットに開示されているMP52が含まれ得る。上記の特許、定期刊行物および公開された国際出願のすべての開示内容は出典明示により本明細書の一部とする。
【0035】
好ましくは、活性剤には、骨形成活性、および他の増殖分化型の活性を有することが開示されており、BMPとして一般に知られている蛋白のサブクラスから選択される少なくとも1つの蛋白が含まれる。現状で本発明の使用に好ましいとされるBMPの一部には、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−10、BMP−12およびBMP−13が含まれ、もっとも好ましいものはBMP−2であり、その配列は米国特許第5,013,649に開示されており、この開示内容は出典明示により本明細書の一部とされる。
【0036】
活性剤は、組換え技術により産生され、蛋白組成物から精製することができる。活性剤、例えばBMPなどのTGF−β、または他の二量体蛋白はホモ二量体であってもよいし、あるいは他のBMPを含むヘテロ二量体(例えば、BMP2とBMP6のモノマーをそれぞれ1つ含むヘテロ二量体)若しくは他のTGFスーパーファミリーのメンバー、例えばアクチビン、インヒビンおよびTGF1を含むヘテロ二量体(例えば、BMPとRGF−βスーパーファミリーに関連するメンバーのモノマーをそれぞれ1つを含むヘテロ二量体)であってもよい。このようなヘテロ二量体蛋白の例としては、例えば、国際公開第93/09229号パンフレットに記載されており、この開示内容は出典明示により本明細書の一部とされる。活性剤には、BMPをコードするDNA、およびBMP蛋白をコードするDNAを形質導入もしくは形質転換された細胞が含まれ得る。
【0037】
活性剤には、ヘッジホッグ(Hedgehog)、フラズレド(Frazzled)、コーディン(Chordin)、ノッギン(Noggin)、ケルベロス(Cerberus)および フォリトロビン(Follistatin)蛋白などの付加的な作用剤がさらに含まれ得る。これらの蛋白ファミリーは一般的に、Sasaiら、Cell、vol. 79、pp. 779-790 (1994)(Chordin);国際公開第94/05800号パンフレット(Noggin);およびFukuiら、Dev. Biol.、vol. 159、pp. 131-139 (1993) (Follistatin)に記載されている。ヘッジホッグ(Hedgehog)蛋白は、国際公開第96/16668号パンフレット、国際公開第96/17924号パンフレット、および国際公開第95/18856号パンフレットに記載さている。フラズレド(Frazzled)蛋白ファミリーは、フリズレド(Frizzled)として知られている受容体蛋白ファミリーの細胞外結合ドメインと高い相同性を有する蛋白ファミリーとして比較的最近開示された。フリズレドファミリーの遺伝子および蛋白は、Wangら、J. Biol. Chem.、vol. 271、pp. 4468-4476 (1996)に記載されている。活性剤には、他の適切な受容体、例えば国際公開第95/07982号パンフレットに開示されている切断型(truncated)可溶性受容体などの他の可溶性受容体もまた含まれ得る。国際公開第95/07982号パンフレットにより教授されるように、他の多くの受容体蛋白についての切断型可溶性受容体を調製し得ることは、当業者であれば理解されよう。上記刊行物は出典明示により本明細書の一部とされる。
【0038】
本発明における有効な活性剤の量は、存在する細胞もしくは浸透性原体(骨芽前駆細胞)または他の細胞の増大された骨形成活性を刺激するのに有効な量(以下「有効量」)であり、それは処置される疾患の大きさおよび性質に、並びに用いられるリン酸カルシウム単体の組成に依存するであろう。一般に、本発明の固体ロッド型骨形成組成物中に含まれる骨形成蛋白量は、骨形成組成物の重量あたり約1%〜約90%、より好ましくは約15%〜約40%の範囲である。一般に、本発明の硬化可能なペースト骨形成組成物に含まれる骨形成蛋白の量は、骨形成組成物の重量あたり約0.01%〜約2%、より好ましくは約0.03%〜約1%の範囲である。
【0039】
担体
本発明の全ての実施形態に関して、リン酸カルシウム物質は担体として用いられる。本明細書中にて用いられるように、「リン酸カルシウム物質」は主要成分として、すなわちカルシウムおよび/またはリン酸の寄与が重量あたり少なくとも90%である、リン酸カルシウムを含む、合成骨代替物質のいずれかを意味する。本発明のリン酸カルシウム物質は、当分野で既知の生体適合性の、リン酸カルシウム物質のいずれかであってよい。適切なリン酸カルシウム物質は、さまざまな方法のいずれかにより、適切な出発成分を用いて製造されるか、または商業的に入手可能であろう。
【0040】
本発明の特定の好ましい実施形態において、リン酸カルシウム物質は本発明の固体ロッド型骨形成組成物の重量あたり約10%〜約90%、より好ましくは約40%〜約60%の範囲の量で存在する。本発明の特定の他の好ましい実施形態において、リン酸カルシウム物質は本発明の硬化可能なペースト骨形成組成物の重量あたり約30%〜約70%、より好ましくは約45%〜約55%の範囲の量で存在する。好ましくは、リン酸カルシウム物質または担体は乾燥型、すなわち粉末型で用いられる。
【0041】
本発明における使用に適切なリン酸カルシウムの形状には、制限するものではないが、非晶質リン灰石性リン酸カルシウム(ACP)、結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウム(PCA)、ヒドロキシアパタイト(HA)、リン酸三カルシウムおよびフッ素リン灰石が含まれる。好ましい実施形態において、リン酸カルシウム物質は、天然の骨ミネラルと同程度のカルシウム対リン酸(Ca/P)の割合、より好ましくはカルシウム対リン酸の割合が約1:1.5よりも低い、最も好ましくは約1:1.4である、結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウム固体である。
【0042】
適切なPCA物質は、PCA前駆物質を合し、(ペーストまたはパテが形成されるように)制限量の水で水和し、円筒形のロッド型に型込めし、成型された物質を硬化させてPCA物質とすることと規定することができる。所望の前駆物質は湿潤な環境で、体温もしくはその付近の温度で、5時間未満、好ましくは10〜30分以内で硬化することができる。
【0043】
本発明に関して、リン酸カルシウム担体には、その主要な成分として、すなわちカルシウムおよび/またはリン酸に対する寄与が重量あたり少なくとも90%である、上記リン酸カルシウム型の1つを含む骨代替物質のいずれかを含んでいてもよい。骨代替物質は、上記形状のリン酸カルシウムをもっぱら1つ含んでいてもよく、付加的な成分を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい;骨代替には上記形状のリン酸カルシウムと付加的な成分を含む、もしくは含まない混成物が含まれ得る。加えて、上記形状のリン酸カルシウムの1つまたはそれ以上を用いて、本発明の使用に適切なリン酸カルシウム物質を調製することができる。そのような物質の作製方法は当分野で周知である。しかしながら、乾燥リン酸カルシウム物質、すなわち粉末体を得ることのできるいずれかの方法が適当である。
【0044】
本明細書中で用いられる「非晶質」は、顕著な非晶質特徴を示す物質を意味する。顕著な非晶質特徴は、非晶質含有量が75%以上、好ましくは非晶質含有量は90%以上であると考えられ、ブロードで特徴のないX線回折像により特徴付けられる。
【0045】
本明細書中で用いられる用語「結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウム」、「PCAリン酸カルシウム」および「PCA物質」は、合成の結晶性に乏しいリン酸石灰性リン酸カルシウムを示す。結晶性に乏しいリン灰石(PCA)は、それが特徴的なX線回折(XRD)像およびフーリエ変換赤外(FTIR)像を有する場合には、単一のリン酸カルシウム相に制限される必要はない。PCAリン酸カルシウムは、実質的に骨と同じXRDスペクトルを有する。XRDスペクトルは一般的に、一方が26Eに中心を、他方が32Eに中心を有する20〜35Eの領域に見られる2つのブロードなピークのみによって特徴付けられる。FTIRスペクトルは、563cm−1、1034cm−1、1638cm−1および3432cm−1(±2cm−1)のピークにより特徴付けられ;1422cm−1と1457cm−1に最大の二重線と共に、603cm−1および875cm−1に鋭い肩が観察される。本発明の使用に好ましいPCA物質は、米国特許第5,650,176号、5,683,461および6,214,368に記載されており、それらはそれぞれ出典明示により本明細書の一部とされる。適切な物質は、それぞれ1997年10月16日に提出された、表題「Delivery Vehicle」、「Conversion of Amorphous Calcium Phosphate to Form a Novel Bioceramic」、「Orthopedic and Dental Ceramic Implants」、および「Bioactive Ceramic Composites」の関連出願内に記載されており、それらはETEX社(ケンブリッジ、マサチューセッツ州)に帰属しており、出典明示により本明細書の一部とされる。上記の各親出願の開示内容の大きさを勘案して、適切なPCA物質の製造に関する詳細は本明細書では記載しない。PCA特徴の要約で十分であろう。PCA物質は、その生体吸収性および最小限の結晶性により特徴付けられる。この結晶性の特徴は、天然の骨と実質的に同一である。PCA物質もまた生体適合性であり、受容者に有害なものではない。
【0046】
結晶性ヒドロキシアパタイト(HA)は、例えば米国特許再発行第33,221号および第33,161号に開示されており、その両方は出典明示により本明細書の一部とされる。これらの特許により、リン酸カルシウム再石灰化組成物および同じリン酸カルシウム物質組成物に基づくきれいな晶質性の、非セラミック、徐吸収性ヒドロキシアパタイト担体物質の調製法が教授される。リン酸四カルシウム(TTCP)およびリン酸一カルシウム(MCP)またはその一水和物型(MCPM)からなる、同様のリン酸カルシウム系は、米国特許第5,053,212号および第5,129,905号に記載されており、これらのいずれも出典明示により本明細書の一部とされる。さらなる晶質性HA物質(一般にはダーライトと称される)は米国特許第5,962,028号に記載されており、その開示内容は出典明示により本明細書の一部とされる。
【0047】
添加物
添加物を本発明の骨形成組成物に有用であろう。凝集性を増大させる多くの結合剤並びに活性剤の放出を安定化および/または修飾する賦形剤は、製剤分野で周知である。適切な添加物には、制限するものではないが、医薬上許容される塩、多糖類、ペプチド、蛋白、アミノ酸、合成ポリマー、天然ポリマー、および/または界面活性剤が含まれる。有用なポリマーには、例えば、米国特許第5,171,579号に記載されており、そのすべての開示内容は出典明示により本明細書の一部とされる。好ましい添加物には、セルロース物質、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、およびメチルセルロース(MC)、合成ポリマー、例えば、ポリ乳酸およびポリエチレングリコール、例えば、ポリ乳酸/ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマーおよびポリビニルアルコール(PVA)、および硫酸デキストラン並びにそれらの組み合わせが含まれる。他の有用な添加物には、制限するものではないが、アルギン酸ナトリウム、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ヒアルロナン、並びにさまざまなペプチド、蛋白、およびアミノ酸が含まれる。発泡性効果を有する添加物は、現時点では本発明に使用するものではない。
【0048】
本発明の好ましい実施形態において、添加物は、本発明の注入可能な組成物を調製するため、活性剤(群)、担体および水溶液と混合される乾燥型もしくは粉末型で用いられる。本発明の特定の好ましい実施形態において、添加物(群)は、固体ロッド骨形成組成物の重量あたり約1%〜約90%、より好ましくは約20%〜約40%の範囲の量で含まれる。本発明の特定の好ましい実施形態において、添加物(群)は、硬化可能なペースト骨形成組成物の重量あたり約1%〜約90%、より好ましくは約10%〜約20%の範囲の量で含まれる。
【0049】
付加的な活性剤
本発明の注入可能な骨形成組成物は、付加的な活性剤または付加的な活性剤群もまた含んでいてもよい。そのような付加的な活性剤は、使用には水和物型も適切であるが望ましくは乾燥型で、本発明の注入可能な骨形成組成物を調製するため、活性剤、担体および水溶液と混合されていてもよい。別には、そのような付加的な活性剤は、本発明の骨形成組成物と連続する様式で又は同時に、同時投与(以下、本明細書中では「同時投与方式(co-administration scheme)」と称する) することができる。付加的な活性剤は、ここでは望ましい付加的な効果を達成するために用いてもよいし、あるいは潜在的な望ましくない効果、例えば感染症、炎症および一過性の再吸収に対抗するために用いてもよい。
【0050】
例えば、TGF−β蛋白の骨形成能力についての知見は多いが、最近の報告で、特定の骨形成物質、例えばBMP−2の局所投与により、その投与部位で一過性に骨形成活性(局所的な骨吸収)を刺激することが示された。条件によりBMPによって誘導される新たな骨形成に先んじて起こるこの反応は、「一過性再吸収現象(transient resorption phenomenon)」と称される。従って、骨吸収を阻害することが知られている物質は、後に生じる骨形成を阻害することなく、BMPの局所的投与に関連して初期の骨吸収を遅延もしくは低下させる働きをする可能性がある。
【0051】
このように、本発明の好ましい実施形態において、骨吸収阻害物質は、活性剤、例えばBMPの骨内送達と関連する初期の骨吸収を阻止若しくは最小にするために、付加的な活性剤として注入可能な骨形成組成物中に含ませて用いるか、または注入可能な骨形成組成物と同時に投与される。本明細書にて用いる用語「骨吸収の阻害」は、破骨細胞形成または活性を直接もしくは間接的に変化させて、骨量の減少を予防すること、特に既存の骨の除去を阻害することを意味する。このように、本明細書中にて用いられる用語「骨吸収阻害物質」は、破骨細胞の形成もしくは活性を直接または間接的に変化させることにより骨量の減少を予防または阻害する物質を意味する。
【0052】
特定の好ましい実施形態において、骨吸収阻害物質はビスホスホネートである。本明細書中にて用いられる、用語「ビスホスホネート」は、関連するビスホスホン酸および塩、並びにさまざまなビスホスホネートの結晶質および非晶質型を意味する。臨床的に、ビスホスホネート療法は、骨代謝回転の指標を劇的に低下させ、骨無機質密度の増加、並びに骨減少症(osterpenic)の女性においては、股関節部骨折および脊柱骨折の危険性を低下させることが示された(例えば、H. Fleisch、Bisphosphonates in Bone Disease, from the Laboratory to the Patient、第3版.、Parthenon Publishing (1997)を参照のこと、出典明示により本明細書の一部とされる)。
【0053】
本発明の使用に適切なビスホスホネートには、限定するものではないが、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、EB 1053、エチドロネート、イバンドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、YH 529、ゾレドロネート、および医薬上許容されるその塩、エステル、酸、並びにそれらの混合物が含まれる。ビスホスホネートの量、および実際の骨吸収阻害剤の有用な量は、破骨細胞の形成または活性を直接もしくは間接的に変化させることによって、骨形成蛋白、例えばBMPの局所投与と場合により関連する一過性の骨量減少を予防または阻害するのに有効な量−(以下、本明細書中では「有効量」と称する)である。必要とされる正確な用量は、処置される骨欠損の大きさおよび性質、並びに送達される骨形成物質の量に依存するであろう。一般に、送達されるべきビスホスホネートの量は、物質の立方センチメートルあたり好ましくは約0.1〜約3000mg、より好ましくは約10〜約1000mg、およびもっとも好ましくは約10〜500mgの範囲である。
【0054】
本発明の同時投与方式を用いる場合、骨吸収阻害剤は典型的には適切な担体で送達される。担体は、いずれかの医薬上許容される担体であってよく、多種多様なものが当分野で周知であり、容易に利用できる(例えば、Martin、E.W.、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Pub. Co.、current edition))を参照のこと、出典明示により本明細書の一部とされる)。現時点で好ましい担体は、本明細書中で記載されるように、固体ロッドまたはペースト中に形成される。
【0055】
同時投与方式において、骨吸収阻害剤は、本発明の注入可能な固体ロットまたはペースト組成物の前後に順次投与、あるいは同時に投与することができる。加えて、骨吸収阻害剤は局所的に(骨内)適用することができるが、他の非経口部位、例えば、筋肉内または皮下あるいは全身送達のための経口的摂取または静脈内注射で適用することができる。好ましくは、骨吸収阻害物質、例えばビスホスホネートは、本発明の注入可能な固体ロッドまたはペースト組成物の前もしくは同時に、全身に送達、すなわち経口送達または静脈内送達される。さらに、骨吸収阻害剤は、外科的な埋め込みにより処置される部位に埋め込むことができる。しかしながら、その治療上の利益にもかかわらず、ビスホスホネートは経口的に摂取された場合には胃腸菅での吸収は乏しいことに注意されるべきである。この乏しい生体有用性の問題を克服するために、静脈投与が用いられているが、この方式は割高で、継続して頻繁に投薬するのに不都合であると思われる。従って、本発明は、この欠点を、本発明の注入可能な骨形成組成物中にビスホスホネートを組み込み、それを所望の作用部位に局所的に直接送達することによって克服することができる。
【0056】
骨吸収阻害剤の投与に関連する上記記載は、一般にはいずれかの付加的な活性剤の投与と関連している。他の適切な付加的活性剤には、限定するものではないが、他の骨形成蛋白、抗生物質、抗炎症剤、成長因子、ペプチド、蛋白、サイトカイン、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、DNAおよびポリマーが含まれる。これらの化合物は、好ましくは乾燥型で、本発明の調製方法においてペーストを形成させるために混合することで添加することができる。
【0057】
投与
本発明に従って、方法および組成物は骨欠損を有する患者の治療のために提供される。本明細書中にて用いられる「骨欠損」には、骨粗鬆骨、骨減少骨、骨折、軟骨欠損、および骨または軟骨の成長を刺激して改善または補充される可能性のある骨もしくは軟骨に関連する他のいずれかの状態が含まれる。従って、本発明の第5の実施形態は、本発明の注入可能なロッドもしくはペースト組成物の有効量を骨欠損部位に投与することで、骨欠損を有する哺乳動物を処置する方法に関する。
【0058】
本発明の関連する第6の実施形態は、本発明の注入可能なロッドまたはペースト組成物の有効量を骨欠損部位に投与すること、および骨吸収阻害剤の有効量を投与することによって、骨欠損を有する哺乳動物を処置する方法に関する。骨吸収阻害物質もまた、骨欠損部位に投与することができるが、その他の経路、すなわち非経口、外科的埋め込み、経口、静脈内によって投与することができる。加えて、骨吸収阻害物質の投与は、本発明の注入可能なロッドまたはペースト組成物の投与前に、それと同時に、あるいはその後に行うことができる。
【0059】
もっとも一般的には、本発明の方法および組成物は、骨粗鬆骨病変を含む骨粗鬆症または骨減少状態の徴候を示す患者を処置するために提供される。そのような患者の同定は、当分野で周知の手順によって実施することができる。その手順は、臨床医に骨粗鬆または骨減少骨病変の場所および重篤度についての情報を提供する。処置すべき病変(群)の位置特定に加えて、臨床医はその情報を用いて、患者のために骨誘導物質の投与方式および用量を選択することができる。有用な診断手順には、二重エネルギーX線吸光測定法(DEXA)、Kilgusら、J. Bone & Joint Surgery、vol. 75 B、pp. 279-287 (1992);Markelら、Acta Orthop. Scand.、vol. 61、pp. 487 498 (1990);および定量的コンピューター断層撮影法(QCT)、Laval Jeantetら、J. Comput. Assist. Tomogr.、vol. 17、pp. 915-921 (1993);Markel、Calcif. Tissue Int.、vol. 49、pp. 427-432 (1991);単一光子吸光測定法、Markelら、Calcif. Tissue Int.、vol. 48、pp. 392-399 (1991);超音波伝播速度(UTV);Heaneyら、JAMA、vol. 261、pp. 2986-2990 (1989);Langtonら、Clin. Phys. Physiol. Meas.、vol. 11、pp. 243-249 (1990);並びにX線評価(radiographic assessment)、Gluerら、J. Bone Min. Res.、vol. 9、pp. 671-677 (1994)を用いた骨量/骨密度の測定が含まれる。骨折の危険性について患者を同定する他の方法には、年齢関連因子、例えば知覚、並びに骨折に関連する骨粗鬆症の前発症の評価が含まれる(Porterら、BMJ、vol. 301、pp. 638-641 (1990); Huiら、J. Clin. Invest.、vol. 81、pp. 1804-1809 (1988))。上記刊行物は出典明示により本明細書の一部とされる。
【0060】
特定の投与計画は、取り扱われる臨床上の指標によって、並びにさまざまな患者の状況(例えば、体重、年齢、性別)および臨床上の所見(例えば、損傷の範囲、損傷部位など)によって決定されるであろう。
【0061】
本発明の注入可能な骨形成組成物は、臨床上許容されるいずれかの注入様式で投与することができる。商業的に入手可能な注射器の多くは本発明における使用に、および本発明の組成物の投与に適切であろう。そのような注射器には、限定するものではないが、Calasept(登録商標)注射器(JS Dental Manufacturing、リッジフィールド、コネチカット州);Henke-Ject(登録商標)吸引式注射器(aspirating syringe)およびHypo(登録商標)歯科注射器(dental syringe)/注射針(Smith & Nephew MPL、フランクリンパーク、イリノイ州);MPL社(シカゴ、イリノイ州)製の骨内注射針;およびLuer-Lok(登録商標)注射器(Becton Dickinson、フランクリンレイス、ニュージャージー州)が含まれる。ペーストまたは注入可能なロッドを保持および送達でき、および/またはオドブレーター(obdurator)で押し出し成型できるいずれかの注射器が使用に適している。
【0062】
本発明の1つの実施形態において、固体ロッド型組成物は、経皮的に若しくは外科的に所定の解剖学的位置に予め配置する適当な大きさと種類の皮下注射針を用いて、骨内に送達される。皮下注射針による経皮配置は、位置を視覚化するために透視検査を行って若しくは行わずに、既知の解剖学的標認点を手により触診することで実施できる。透視検査もまた、皮下注射針による配置の前に、および/または同時に、外科的な埋め込みと併用して用いることができる。
【0063】
好ましい実施形態において、ガイドワイヤー(一般には、「kワイヤー」と称される)をまず、所望の解剖学的位置に挿入し、皮下注射針のガイドとして利用する。皮下注射針をガイドワイヤーに沿って挿入し、続いてその場に皮下注射針だけを残して取り出す。次いで、固体ロッド型組成物を皮下注射針のハブ端に入れ込む。組成物の注入に続いて、第二のガイドワイヤーを針に挿入し、それを用いて針の先端に組成物を押し出す。次いで、ガイドワイヤーを残して針を取り出し、所望の場所で骨内に組成物をしっかり固定する。最後に、その場に固体組成物を残してガイドワイヤーを取り出す。その他の実施形態において、本発明の固体ロッド型組成物を針の筒内に予め込められる。所望の解剖学的部位に配置させた後、その装置が回収されるように、注射器のプランジャーを針筒に進め、所望の場所に固体ロッド型組成物を置く。
【0064】
本発明の組成物は治療上有効量の骨形成蛋白は、軟骨および/または骨形成が望まれる損傷部位への送達が可能である。この製剤は、整形外科分野における新しい非結合骨折、脊椎固定および骨欠損修復において、頭蓋/顎顔面の再生において、骨再生に関する骨髄炎において、並びに歯槽隆線および歯周欠陥および抜歯ソケットの強化についての歯科分野において、自己骨移植片の代替物として用いることができる。
【0065】
以下の実施例は本発明の例示であり、いかようにも限定されるものではない。修飾、改変および小規模な改良は考慮され、本発明の目的の範囲にある。
【0066】
実施例
本実施例に利用する全ての物質は医薬等級である。リン酸カルシウム物質は、Etex Corporation社(38シドニーストリート、ケンブリッジ、マサチューセッツ州、02139)により商品名CEREDEXTMとして販売されている商業的に入手可能な骨代用物質(以下「α−BSM」とする)であり、米国特許第5,683,461号、第6,117,456号および第6,214,368号並びに国際公開第98/16209号パンフレットに詳細が記載されている。活性剤として利用される骨形成蛋白は、組換えヒト骨形成蛋白−2(rhBMP−2)である。rhBMP−2の製法および特性は周知である。Wangら、 Proc. Nat’l Acad. Sci. U.S.A.、vol. 87、 pp. 2220-2224 (1990)。
【0067】
実施例1−製剤
[66] α−BSM、rhBMP−2並びにカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)および硫酸デキストランのいずれかを含む様々な注入可能な固体ロッド(A〜E)を調製した。各成分の乾燥粉末を滅菌混合バルブ(sterile mixing bulb)にて合し、pH約4.5であり、5mmolのL−グルタミン酸、2.5%グリシン、0.5%シュークロース、5mmolのNaClおよび0.01%ポリソルベート80を含むグリシン水性緩衝溶液と、特定の液体(ml)の粉末(g)に対する割合(L/P)で加えることにより硬いパテを復元し、1分間練ってペーストを形成させた。各成分量、並びに用いた特定のL/Pの割合を以下の表1に記載した。

【表1】

【0068】
各ペーストを注射器に充填し、押出して直径約1mm、長さ約5cmの円筒形ロッドを成形した。次いで、これらの5cmのロッドを以下の試験をするために所望の長さに切った。
【0069】
型込めした後、ロッドを模擬インビボ(in vivo)条件下、すなわち37℃のインキュベーターにて一晩、固体塊にまで硬化させた。この硬化の過程は、ロッドをより低い温度、すなわち約4℃で保管することにより数時間遅らせることができた。
【0070】
ロッドA〜Eそれぞれの理論的なrhBMP−2用量は、1ミリグラムのロッドにつき150マイクログラムrhBMP−2である。全てのロッドは、均質で、濃密で、粘着性でかつ安定型であり、16標準規格注射針を通じて注入可能であった。
【0071】
実施例2−インビトロ特性
添加量と粒子製剤との間に相関関係が見られた。実施例1記載のグリシン水性緩衝溶液に14日間浸漬する際に、高%の添加物を含むロッド(40%CMC、40%PVPまたは40%硫酸デキストラン、すなわち、それぞれロッドC〜E)は、媒質(29%CMC、すなわち、ロッドB)や低濃度の(17%CMC、すなわち、ロッドA)添加物を含むロッドよりも、より迅速に、すなわち、1日以内でより小さい粒子に分散した。低含有量の添加物を含むロッド(17%CMC、すなわち、ロッドA)は、高CMCの対応物よりも相当長く、すなわち数日から数週間そのロッド様構造を維持した。
【0072】
加えて、CMCを17%、29%または40%のいずれかを含む、α−BSMロッド(それぞれロッドA、B、C)からのrhBMP−2のインビトロ放出動態解析は、トレーサーとして125I−rhBMP−2を用いて実施した。巨視的観察と同様に、図1に示されるように、高%のCMCを含むロッドは、低%のCMCを含むロッドより速くrhBMP−2を放出した。
【0073】
実施例3−ラット生態適合性および効力実験
注入可能なロッド型のリン酸カルシウムベース組成物(実施例1に記載のように調製された)をラットモデルにおいて、骨内および異所性の両方の生態適合性および効力を評価した。
【0074】
骨内のコア欠陥を6匹の雄CDラットの遠位大腿骨に外科的に確立した。ラットを3匹からなる2群(AおよびB)に分けた。各ラットの1本の肢に2mmの区切りの被験ロッド(リン酸カルシウム/rhBMP−2/賦形剤)を与え、同時に反対の肢には2mm区切りの対照ロッド(リン酸カルシウム/賦形剤)を与えた。群Aのラットには、被験ロッドとして実施例1記載のロッドA(68/17/15(w/w)% ACP/CMC/rhBMP−2)を与え、一方群Bのラットには、被験ロッドとして実施例1記載のロッドB(56/29/15(w/w)% ACP/CMC/rhBMP−2)を与えた。加えて、10mmロッドを1つ、胸郭腹側部の中線の側方に、一方は被験ロッドもう一方は対照ロッドと共に皮下移植した。ここで再び、群Aのラットには、被験ロッドとして実施例1記載のロッドA(68/17/15(w/w)% ACP/CMC/rhBMP−2)を与え、一方で群Bのラットには被験ロッドとして実施例1記載のロッドB(56/29/15(w/w)% ACP/CMC/rhBMP−2)を与えた。
【0075】
ファキシトロン放射線写真および組織形態計測による結果を評価するために、動物を2週間目に犠牲にした。2週間後の遠位大腿骨外植片の放射線写真および組織構造は、プラセボと比較してrhBMP−2の処理された側で、骨質カルス形成の全般的な増加を示した。特に、高CMC含有ロッド(B)は、小〜中程度の大きさのカルスを形成した低CMC含有ロッド(A)と比較して、中〜大程度の骨質カルスを形成した。皮下移植の放射線写真および組織構造もまた、プラセボと比較してrhBMP−2処理された側で骨形成を示した。特に、高CMC含有ロッド(B)は、低CMC含有ロッド(A)と比較して、より強い異所性骨応答を形成した。移植に対する炎症反応がなく、全ての群において生体適合性が良いことが示された。
【0076】
実施例4−ウサギの骨内の局所的生体分布試験
実施例1のロッドA〜Dに、16標準規格注射針つきの14標準規格カテーテルを用いて、ウサギの遠位大腿骨の骨内部分(1群につきn=4部位)に経皮注射した。特に、およそμCiの125I−rhBMP−2を含む10mmのロッドA〜Dを用いた。合成ロッド中の放射活性量を、Capintecドーズキャリブレータを用いて注射前に測定した。局所的なrhBMP−2保有率を、ガンマシンチグラフィーを用いて4週間にわたりモニターした。図2に示すように局所的なインビボ生体分布データは、ロッドからのrhBMP−2の持続放出を示し、高%添加物含有ロッドは、低%添加物の対照物よりも速いインビボ放出を表すことが示された
【0077】
実施例5−製剤
ペースト1mLにつき1mgのrhBMP−2またはペースト1mLにつき4.5mgのrhBMP−2のいずれかを含む硬化可能なペーストは、実施例1記載のグリシン水性緩衝溶液中で適当に濃縮されたrhBMP−2溶液の2mLを2.5gのα−BSMに加えることにより製剤化した。その混合物を滅菌バルブ中で1分間練り、硬化可能なペーストを形成した。
【0078】
実施例6−カニクイザル−ペーストの骨内注入
実施例5に記載の1mLにつき1mgおよび1mLつき4.5gの硬化可能なペーストを18標準規格注射針を備えた3mL注射器を用いて滅菌バルブから抽出し、次いで透視装置の制御下にてカニクイザルの種々の骨内部位に注入した。部位には、遠位大腿骨、近位大腿骨、遠位橈骨、近位脛骨が含まれる。1ヵ月後に、rhBMP−2を注入した局所部位に新しい骨が有意に観察された。
【0079】
好ましい実施形態および特定の実施例において、本発明を記載するが、当業者であれば、慣例の実験を通じて、本発明の目的および範囲を逸脱することなく様々な変更および修飾をなし得ることは理解されよう。従って、本発明は前記した詳細な説明により制限されるものでなく、添付の請求の範囲およびその均等物により規定されるものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】トレーサーとして125I−rhBMP−2を用いたα−BSMからのrBMP−2のインビトロ放出の動態を示すグラフである。
【図2】トレーサーとして125I−rhBMP−2を用いたα−BSMからのrhBMP−2のインビボでの局所的な保持を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨形成蛋白;およびリン酸カルシウム物質を含む、骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物であって、固体ロッドの形状であるところの、組成物。
【請求項2】
骨形成蛋白が骨形成蛋白(BMP)ファミリーのメンバーからなる群より選択されるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
骨形成蛋白がBMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−10、BMP−12、BMP−13およびMP52からなる群より選択されるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
骨形成蛋白がBMP−2であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
骨形成蛋白がBMP−12であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
骨形成蛋白がBMP−13であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
骨形成蛋白がMP52であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
骨形成蛋白が組成物の約1重量%〜約90重量%の範囲の量で存在するところの、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
骨形成蛋白が組成物の約15重量%〜約40重量%の範囲の量で存在するところの、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
骨吸収阻害物質をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
骨吸収阻害物質がビスホスフォネートであるところの、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
ビスホスフォネートが、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、EB 1053、エチドロネート、イバンドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、YH 529、ゾレドロネートならびにその医薬上許容される塩、エステル、酸およびその混合物からなる群より選択されるところの、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
リン酸カルシウム物質が、非晶質リン灰石性リン酸カルシウム、結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、フッ素リン灰石およびそれらの組み合わせからなる群より選択される物質を含むところの、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
リン酸カルシウム物質が、結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムを含むところの、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムが1:1.5よりも低いカルシウム対ホスフェートの割合を有するところの、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムが約1:1.4のカルシウム対ホスフェートの割合を有するところの、請求項14記載の組成物。
【請求項17】
リン酸カルシウム物質が組成物の約10重量%〜約99重量%の範囲の量で存在するところの、請求項1記載の組成物。
【請求項18】
リン酸カルシウム物質が組成物の約40重量%〜約60重量%の範囲の量で存在するところの、請求項17記載の組成物。
【請求項19】
医薬上許容される塩、多糖類、ペプチド、蛋白、アミノ酸、合成ポリマー、天然ポリマー、界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される添加物をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項20】
添加物が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリ乳酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、硫酸デキストランおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるところの、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
添加物が組成物の約1重量%〜約90重量%の範囲の量で存在するところの、請求項19記載の組成物。
【請求項22】
添加物が組成物の約20重量%〜約40重量%の範囲の量で存在するところの、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
骨吸収阻害物質、並びに医薬上許容される塩、多糖類、ペプチド、蛋白、アミノ酸、合成ポリマー、天然ポリマー、界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される添加物をさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項24】
ロッドが円筒形であり、円筒形ロッドの直径が約0.1mm〜3.0mmの間であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項25】
ロッドの長さが約1.0mm〜5.0cmの間であるところの、請求項1記載の組成物。
【請求項26】
骨形成蛋白;およびリン酸カルシウム物質を含む、骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物であって、硬化可能なペーストの形状であるところの、組成物。
【請求項27】
骨形成蛋白が、骨形成蛋白(BMP)ファミリーのメンバーからなる群より選択されるところの、請求項26記載の組成物。
【請求項28】
骨形成蛋白がBMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−10、BMP−12、BMP−13およびMP52からなる群より選択されるところの、請求項26記載の組成物。
【請求項29】
骨形成蛋白がBMP−2であるところの、請求項26記載の組成物。
【請求項30】
骨形成蛋白がBMP−12であるところの、請求項26記載の組成物。
【請求項31】
骨形成蛋白がBMP−13であるところの、請求項26記載の組成物。
【請求項32】
骨形成蛋白がMP52であるところの、請求項26記載の組成物。
【請求項33】
骨形成蛋白が組成物の約0.01重量%〜約2重量%の範囲の量で存在するところの、請求項26記載の組成物。
【請求項34】
骨形成蛋白が組成物の約0.03重量%〜約1重量%の範囲の量で存在するところの、請求項26記載の組成物。
【請求項35】
骨吸収阻害物質をさらに含む、請求項26記載の組成物。
【請求項36】
骨吸収阻害物質がビスホスフォネートであるところの、請求項35記載の組成物。
【請求項37】
ビスホスフォネートが、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、EB 1053、エチドロネート、イバンドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、YH 529、ゾレドロネートならびにその医薬上許容される塩、エステル、酸およびその混合物からなる群より選択されるところの、請求項36記載の組成物。
【請求項38】
リン酸カルシウム物質が、非晶質リン灰石性リン酸カルシウム、結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、フッ素リン灰石およびそれらの組み合わせからなる群より選択される物質を含むところの、請求項26記載の組成物。
【請求項39】
リン酸カルシウム物質が、結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムを含むところの、請求項26記載の組成物。
【請求項40】
結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムが1:1.5よりも低いカルシウム対ホスフェートの割合を有するところの、請求項39記載の組成物。
【請求項41】
結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムが約1:1.4のカルシウム対ホスフェートの割合を有するところの、請求項40記載の組成物。
【請求項42】
リン酸カルシウム物質が組成物の約30重量%〜約70重量%の範囲の量で存在するところの、請求項26記載の組成物。
【請求項43】
リン酸カルシウム物質が組成物の約45重量%〜約55重量%の範囲の量で存在するところの、請求項42記載の組成物。
【請求項44】
医薬上許容される塩、多糖類、ペプチド、蛋白、アミノ酸、合成ポリマー、天然ポリマー、界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される添加物をさらに含む、請求項26記載の組成物。
【請求項45】
添加物が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリ乳酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、硫酸デキストランおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるところの、請求項44記載の組成物。
【請求項46】
添加物が組成物の約1重量%〜約90重量%の範囲の量で存在するところの、請求項44記載の組成物。
【請求項47】
添加物が組成物の約10重量%〜約20重量%の範囲の量で存在するところの、請求項44記載の組成物。
【請求項48】
骨吸収阻害物質、並びに医薬上許容される塩、多糖類、ペプチド、蛋白、アミノ酸、合成ポリマー、天然ポリマー、界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される添加物をさらに含む、請求項26記載の組成物。
【請求項49】
骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物を調製する方法であって、以下の工程:
(a)乾燥型の骨形成蛋白を乾燥型のリン酸カルシウム物質と混合し、乾燥混合物を生成させる工程:
(b)その乾燥混合物に水性緩衝液を加えることにより復元し、ペーストを形成させる工程;
(c)そのペーストを成型し、ロッド型組成物を形成させる工程;および
(d)工程(c)のロッド型組成物を乾燥させ、骨形成蛋白の注入可能な送達のためのロッド型組成物を形成させる工程、
を含む方法。
【請求項50】
骨形成蛋白が骨形成蛋白ファミリーのメンバーからなる群より選択されるところの、請求項49記載の方法。
【請求項51】
骨形成蛋白がBMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−10、BMP−12、BMP−13およびMP52からなる群より選択されるところの、請求項49記載の方法。
【請求項52】
骨形成蛋白がBMP−2であるところの、請求項49記載の方法。
【請求項53】
骨形成蛋白がBMP−12であるところの、請求項49記載の方法。
【請求項54】
骨形成蛋白がBMP−13であるところの、請求項49記載の方法。
【請求項55】
骨形成蛋白がMP52であるところの、請求項49記載の方法。
【請求項56】
組成物の約1重量%〜約90重量%の範囲の量の骨形成蛋白をリン酸カルシウム担体と混合するところの、請求項49記載の方法。
【請求項57】
組成物の約15重量%〜約40重量%の範囲の量の骨形成蛋白をリン酸カルシウム担体と混合するところの、請求項56記載の方法。
【請求項58】
組成物が骨吸収阻害物質をさらに含み、乾燥型の骨吸収阻害物質が該乾燥混合物中に混合されているところの、請求項49記載の方法。
【請求項59】
骨吸収阻害物質がビスホスフォネートであるところの、請求項58記載の方法。
【請求項60】
ビスホスフォネートが、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、EB 1053、エチドロネート、イバンドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、YH 529、ゾレドロネートならびにその医薬上許容される塩、エステル、酸およびその混合物からなる群より選択されるところの、請求項59記載の方法。
【請求項61】
リン酸カルシウム物質が、非晶質リン灰石性リン酸カルシウム、結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、フッ素リン灰石およびそれらの組み合わせからなる群より選択される物質を含むところの、請求項49記載の方法。
【請求項62】
リン酸カルシウム物質が、結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムを含むところの、請求項49記載の方法。
【請求項63】
結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムが1:1.5よりも低いカルシウム対ホスフェートの割合を有するところの、請求項62記載の方法。
【請求項64】
結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムが約1:1.4のカルシウム対ホスフェートの割合を有するところの、請求項63記載の方法。
【請求項65】
組成物の約10重量%〜約99重量%の範囲の量のリン酸カルシウム物質を骨形成蛋白と混合するところの、請求項49記載の方法。
【請求項66】
組成物の約40重量%〜約60重量%の範囲の量のリン酸カルシウム物質を骨形成蛋白と混合するところの、請求項65記載の方法。
【請求項67】
組成物が、医薬上許容される塩、多糖類、ペプチド、蛋白、アミノ酸、合成ポリマー、天然ポリマー、界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される添加物をさらに含み、その添加物の乾燥型が該乾燥混合物中に混合されているところの、請求項49記載の方法。
【請求項68】
添加物が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリ乳酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、硫酸デキストランおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるところの、請求項67記載の方法。
【請求項69】
組成物の約1重量%〜約90重量%の範囲の量の添加物が該乾燥混合物中に混合されているところの、請求項67記載の方法。
【請求項70】
組成物の約20重量%〜約40重量%の範囲の量の添加物が該乾燥混合物中に混合されているところの、請求項69記載の方法。
【請求項71】
組成物が、骨吸収阻害物質、並びに医薬上許容される塩、多糖類、ペプチド、蛋白、アミノ酸、合成ポリマー、天然ポリマー、界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される添加物をさらに含むところの、請求項49記載の方法。
【請求項72】
水性緩衝液が、リン酸緩衝食塩水、塩類溶液、グリシン緩衝溶液およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるところの、請求項49記載の方法。
【請求項73】
水性緩衝液の乾燥混合物に対する割合が、約0.5:1から約2:1の範囲であるところの、請求項49記載の方法。
【請求項74】
成型が、成形すること、押出すこと、圧縮すること、穿孔すること、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される方法を用いて実施されるところの、請求項49記載の方法。
【請求項75】
工程(d)の前後にロッド型組成物を切断する工程をさらに含む、請求項49記載の方法。
【請求項76】
ロッド型組成物が円筒形であり、その円筒形のロッド型組成物の直径が約0.1mm〜3.0mmの間であるところの、請求項49記載の方法。
【請求項77】
ロッド型組成物の長さが約1.0mm〜5.0cmの間であるところの、請求項49記載の方法。
【請求項78】
骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物を調製する方法であって、以下の工程:
乾燥型のリン酸カルシウム物質を骨形成蛋白を含有する水性緩衝液と混合し、ペーストを形成させる工程を含む、方法。
【請求項79】
骨形成蛋白が骨形成蛋白ファミリーのメンバーからなる群より選択されるところの、請求項78記載の方法。
【請求項80】
骨形成蛋白がBMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−10、BMP−12、BMP−13およびMP52からなる群より選択されるところの、請求項78記載の方法。
【請求項81】
骨形成蛋白がBMP−2であるところの、請求項78記載の方法。
【請求項82】
骨形成蛋白がBMP−12であるところの、請求項78記載の方法。
【請求項83】
骨形成蛋白がBMP−13であるところの、請求項78記載の方法。
【請求項84】
骨形成蛋白がMP52であるところの、請求項78記載の方法。
【請求項85】
骨形成蛋白がペーストの約0.01重量%〜約2重量%の範囲の量でペースト中に存在するところの、請求項78記載の方法。
【請求項86】
骨形成蛋白がペーストの約0.03重量%〜約1重量%の範囲の量でペースト中に存在するところの、請求項85記載の方法。
【請求項87】
組成物が骨吸収阻害物質をさらに含み、乾燥型の骨吸収阻害物質がペースト中に混合されているところの、請求項78記載の方法。
【請求項88】
骨吸収阻害物質がビスホスフォネートであるところの、請求項87記載の方法。
【請求項89】
ビスホスフォネートが、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、EB 1053、エチドロネート、イバンドロネート、ネリドロネート、オルパドロネート、パミドロネート、リセドロネート、チルドロネート、YH 529、ゾレドロネートならびにその医薬上許容される塩、エステル、酸およびその混合物からなる群より選択されるところの、請求項88記載の方法。
【請求項90】
リン酸カルシウム物質が、非晶質リン灰石性リン酸カルシウム、結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、フッ素リン灰石およびそれらの組み合わせからなる群より選択される物質を含むところの、請求項78記載の方法。
【請求項91】
リン酸カルシウム物質が、結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムを含むところの、請求項78記載の方法。
【請求項92】
結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムが1:1.5よりも低いカルシウム対ホスフェートの割合を有するところの、請求項91記載の方法。
【請求項93】
結晶性に乏しいリン灰石性リン酸カルシウムが約1:1.4のカルシウム対ホスフェートの割合を有するところの、請求項92記載の方法。
【請求項94】
組成物の約30重量%〜約70重量%の範囲の量のリン酸カルシウム物質を水性緩衝液と混合するところの、請求項78記載の方法。
【請求項95】
組成物の約45重量%〜約55重量%の範囲の量のリン酸カルシウム物質を水性緩衝液と混合するところの、請求項94記載の方法。
【請求項96】
組成物が、医薬上許容される塩、多糖類、ペプチド、蛋白、アミノ酸、合成ポリマー、天然ポリマー、界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される添加物をさらに含み、その添加物の乾燥型がペースト中に混合されているところの、請求項78記載の方法。
【請求項97】
添加物が、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリ乳酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンオキシド、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、硫酸デキストランおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるところの、請求項96記載の方法。
【請求項98】
組成物の約1重量%〜約90重量%の範囲の量の添加物がペースト中に混合されるところの、請求項96記載の方法。
【請求項99】
組成物の約10重量%〜約20重量%の範囲の量の添加物がペースト中に混合されるところの、請求項98記載の方法。
【請求項100】
組成物が、骨吸収阻害物質、並びに医薬上許容される塩、多糖類、ペプチド、蛋白、アミノ酸、合成ポリマー、天然ポリマー、界面活性剤およびそれらの組み合わせからなる群より選択される添加物をさらに含むところの、請求項78記載の方法。
【請求項101】
水性緩衝液が、リン酸緩衝食塩水、塩類溶液、グリシン緩衝溶液およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるところの、請求項78記載の方法。
【請求項102】
リン酸カルシウム物質に対する水性緩衝液の割合が、約0.5:1から約2:1の範囲であるところの、請求項78記載の方法。
【請求項103】
骨欠損を有する哺乳動物を処置する方法であって、骨欠損部位に請求項1に記載の骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項104】
骨欠損が骨粗鬆骨であるところの、請求項103記載の方法。
【請求項105】
骨欠損を有する哺乳動物を処置する方法であって、以下の工程:
(a)骨欠損部位に請求項1に記載の骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物の有効量を投与する工程;および
(b)骨欠損部位に骨吸収阻害物質の有効量を投与する工程、
を含む方法。
【請求項106】
工程(a)が工程(b)の前に行われるところの、請求項105記載の方法。
【請求項107】
工程(b)が工程(a)の前に行われるところの、請求項105記載の方法。
【請求項108】
工程(a)と工程(b)が同時に行われるところの、請求項105記載の方法。
【請求項109】
骨欠損を有する哺乳動物を処置する方法であって、骨欠損部位に請求項26に記載の骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項110】
骨欠損を有する哺乳動物を処置する方法であって、以下の工程:
(a)骨欠損部位に請求項26に記載の骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物の有効量を投与する工程:および
(b)骨欠損部位に骨吸収阻害物質の有効量を投与する工程、
を含む方法。
【請求項111】
工程(a)が工程(b)の前に行われるところの、請求項110記載の方法。
【請求項112】
工程(b)が工程(a)の前に行われるところの、請求項110記載の方法。
【請求項113】
工程(a)と工程(b)が同時に行われるところの、請求項110記載の方法。
【請求項114】
骨欠損を有する哺乳動物の処置用の医薬を製造するための有効量の請求項1に記載の組成物の使用であって、請求項1に記載の骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物の有効量を骨欠損部位に投与する工程を含むところの、使用。
【請求項115】
骨欠損を有する哺乳動物の処置用の医薬を製造するための有効量の請求項1に記載の組成物の使用であって、以下の工程:
(a)骨欠損部位に請求項1に記載の骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物の有効量を投与する工程;および
(b)骨欠損部位に骨吸収阻害物質の有効量を投与する工程、
を含むところの、使用。
【請求項116】
工程(a)が工程(b)の前に行われるところの、請求項115記載の使用。
【請求項117】
工程(b)が工程(a)の前に行われるところの、請求項115記載の使用。
【請求項118】
工程(a)と工程(b)が同時に行われるところの、請求項115記載の使用。
【請求項119】
骨欠損を有する哺乳動物の処置用の医薬を製造するための有効量の請求項26に記載の組成物の使用であって、請求項26に記載の骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物の有効量を骨欠損部位に投与する工程を含むところの、使用。
【請求項120】
骨欠損を有する哺乳動物の処置用の医薬を製造するための有効量の請求項26に記載の組成物の使用であって、以下の工程:
(a)骨欠損部位に請求項26に記載の骨形成蛋白の注入可能な送達用組成物の有効量を投与する工程;および
(b)骨欠損部位に骨吸収阻害物質の有効量を投与する工程、
を含むところの、使用。
【請求項121】
工程(a)が工程(b)の前に行われるところの、請求項120記載の使用。
【請求項122】
工程(b)が工程(a)の前に行われるところの、請求項120記載の使用。
【請求項123】
工程(a)と工程(b)が同時に行われるところの、請求項120記載の使用。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−505133(P2007−505133A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526310(P2006−526310)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/029560
【国際公開番号】WO2005/025595
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【出願人】(500251836)エテックス コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】