説明

高いゼオライト対マトリックス表面積の触媒を使用したバイオフィードの分解法

少なくとも1種の生物再生可能なフィード画分を含有する炭化水素原料油を、希土類金属酸化物を含有する高いゼオライト対マトリックス表面積比の触媒を使用して流動接触分解する方法が開示される。この触媒はゼオライト、好ましくはY型ゼオライト、マトリックス、触媒の総重量に基づき少なくとも1重量%の希土類金属酸化物を含んでなる。触媒のゼオライト表面積対マトリックス表面積比は、少なくとも2、好ましくは2より大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、生物再生可能(bio−renewable)なフィード(feed)を含有する原料油(feedstock)の触媒的転換に関する。より詳細には本発明は、特定比率のゼオライト対マトリックス表面積を有する希土類含有の接触分解触媒を使用して、生物再生可能なフィードを含有する原料油の流動接触分解法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
流動接触分解(FCC)装置は、高沸騰温度石油ベースの炭化水素原料油を、それらから誘導されるガソリンなどの原料油より低い平均分子量および低い平均沸点を有する、より価値ある炭化水素製品へ転換するために石油産業で使用されている。この転換は通常、炭化水素原料油を触媒粒子の移動床に約427℃から約593℃の間の温度範囲で接触させることにより達成される。FCC装置で処理される最も典型的な炭化水素原料油は石油ベースであり、そして重質ガスオイルを含んでなるが、時には軽質ガスオイルまたは常圧軽油、ナフサ、常圧蒸留残油のような原料油を含んでなり、そしてさらに原油(whloe crude)までもが接触分解にかけられて低沸騰温度炭化水素製品が生成される。
【0003】
FCC装置での接触分解は一般に、触媒反応、蒸気ストリッピングおよび触媒再生のために別個のゾーンが関与する循環工程を含んでなる。より高分子量の炭化水素原料油は、ガス状の低沸騰温度炭化水素へ転換される。その後これらガス状の低沸騰温度炭化水素はサイクロンセパレーターのような適切な分離機中で触媒から分離され、そして触媒はここで表面にコークスが沈着することにより失活しているが、ストリッパーに通される。失活した触媒を蒸気と接触させて付随する炭化水素を除去し、これは次いでサイクロンセパレーターから出てくる蒸気と合わせられて混合物を形成し、これは引き続きさらに処理するための下流の設備に通される。ストリッパーから回収されたコークスを含有する触媒粒子は、再生機、通常は流動床再生機に導入され、ここで触媒は空気のような酸素含有ガスの存在下でコークスを燃焼することにより再活性化される。
【0004】
FCC触媒は通常、極めて小さい球状粒子の範囲からなる。市販の等級は通常、約50〜150μm、好ましくは約50〜約100μmの範囲の平均粒子サイズを有する。分解触媒は多数の成分を含んでなり、その各々が触媒の全体的性能を強化するために設計されている。成分の中には活性および選択性に影響を与えるものもあり、他方では触媒粒子の完全性および保持特性に影響するものもある。FCC触媒は一般にゼオライト、活性マトリックス、クレーおよび結合材を含んでなり、すべての成分が単一の粒子に包含されるか、または異なる機能を有する個々の粒子のブレンドから構成される。
【0005】
残油の品質を良くする能力がFCC触媒の重要な特徴である。改良された残油転換は、望ましくない重質生成物をライトサイクルオイル、ガソリンおよびオレフィン類といったより望ましい生成物により多く転換することによりFCC法の経済性を有意に改善することができる。残油転換は、典型的には343℃より上で沸騰する残留分と定義される。一定のコークスで残油収量を最少にすることが望ましい。
【0006】
最近、燃料源として生物再生可能物質の使用が注目されてきた。FCCは非石油ベースの生物再生可能フィードを低分子量の低沸騰温度炭化水素製品、例えばガソリンに転換するために有用な方法の1つであると報告された。
【0007】
例えば特許文献1および2は、生物再生可能フィード源、例えば植物油とグリース、または石油留分と生物再生可能性フィード源を含有する画分を含有する原料油からオレフィン類を製造するためのFCC法を開示する。この方法では最初に、生物再生可能フィード源を前処理ゾーンで前処理条件で処理してフィード源に存在する混入物を除去し、そして流出流を作ることが関与する。前処理工程からの流出は、その後にFCC触媒とFCC条件下で接触させてオレフィンを生成する。FCC触媒は、大きな孔のゼオライト、例えばY型ゼオライトを含んでなる第1成分、および中程度の孔のゼオライト、ZSM−5等を含んでなる第2成分から構成され、これらの成分は同じマトリックス中に存在してもしなくてもよい。
【0008】
特許文献3、4および5は、バイオマスを含有する原料油を処理するためのFCC法を開示する。この方法は最初にバイオマスを含有する原料油を、アルカリ希土類を含有できる10〜50質量%の超安定化Y型ゼオライトを含む触媒とFCC条件下で接触させ、その後にバイオマスの処理中に生じたコークスの量を抑制するために再生ゾーン中で触媒を再生することが関与する。
【0009】
より低分子量の炭化水素製品、例えばガソリンを生産するために、生物再生可能フィードを含有する原料油を転換するための改善された方法が触媒工業には必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0035528号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0015947号明細書
【特許文献3】特開2007−177193号公報
【特許文献4】特開2007−153924号公報
【特許文献5】特開2007−153925号公報
【発明の概要】
【0011】
発明の要約
ここで今、特定の希土類を含有するゼオライトベースの流動接触分解(FCC)触媒の使用が、FCC法中に少なくとも1種の生物再生可能フィードを含有する原料油の改善された接触分解を提供することが見いだされた。予期せずに、少なくとも1重量%の希土類を含有し、そして高いゼオライト表面積対マトリックス表面積比を有するY型ゼオライトベースのFCC触媒が、FCC法の間、少なくとも1種の生物再生可能フィード画分を含んでなるフィードの、より低分子量炭化水素への触媒的転換中に、残油選択性に対して改善されたコークスを提供することが分かった。有利なことに、高い比率のゼオライト表面積対マトリックス表面積を有するY型ゼオライトFCC触媒が、FCC条件下で増大した活性を提供して、少なくとも1種の生物再生可能フィードを含有する原料油を、より低分子量分子に接触分解し、そして通例のY型ゼオライトベースのFCC触媒を使用して得られる残油転換およびコークス形成と比較して、一定のコークス形成で増大した残油転換を提供することが分かった。
【0012】
本発明の方法に従い、分解製品を得るために少なくとも1種の生物再生可能画分を含んでなる原料油を、FCC条件下で接触分解能を有する微孔質ゼオライト、メソ多孔質マトリックス、および(触媒の総重量に基づき)少なくとも1重量%の希土類金属酸化物を含んでなる接触分解触媒とFCC条件下で接触させ、ここで該触媒におけるZ/M比により表されるゼオライト表面積対マトリックス表面積比は少なくとも2である。本発明の好適な態様では、分解触媒のZ/M比は2より大きい。好ましくは触媒はY型ゼオライト、最も好ましくは触媒の総重量に基づき1重量%より多い希土類金属酸化物を有する希土類交
換Y型ゼオライトを、メソ多孔質範囲の孔を有するマトリックス材料中に含んでなる。好ましくは原料油は炭化水素原料油および少なくとも1種の生物再生可能フィードのブレンドである。
【0013】
したがって本発明の利点は、少なくとも1種の生物再生可能フィード画分を含有する原料油を触媒的に転換して、より低分子量の炭化水素製品を製造する簡便かつ経済的方法を提供することである。
【0014】
また本発明の利点は、少なくとも1種の生物再生可能フィード画分を含有する原料油を触媒的に転換して、より低分子量の炭化水素製品を製造する改善されたFCC法を提供することである。
【0015】
本発明の別の利点は、少なくとも1種の炭化水素フィードおよび少なくとも1種の生物再生可能フィードを含んでなる原料油を接触分解して、より低分子量の炭化水素製品を製造する改善されたFCC法を提供することである。
【0016】
さら本発明の利点は、少なくとも1種の生物再生可能フィードを含んでなる原料油を接触分解するFCC法を提供することであり、この方法は従来のFCC法と比較して増大した転換および収量を提供する。
【0017】
また本発明の利点は、少なくとも1種の生物再生可能フィード画分を含んでなる原料油を接触分解するFCC法を提供することであり、この方法は従来のFCC法と比較してFCC分解工程中に一定のコークス形成で改善された残油転換を提供する。
【0018】
本発明のこれらのおよび他の観点を以下にさらに詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】15%ヤシ油および85%のVGO/残油炭化水素ブレンドのブレンドを含有するフィードを、高ゼオライト表面積対マトリックス表面積比の触媒(触媒A)および低ゼオライト表面積対マトリックス表面積比の触媒(触媒B)を使用して、ACE試験により得た残油収率(重量%)対コークス収率(重量%)の比較のグラフ表示である。
【図2】15%ヤシ油および85%のVGO/残油炭化水素ブレンドのブレンドを含有するフィードを、本発明に従い高ゼオライト表面積対マトリックス表面積比の触媒、および低ゼオライト表面積対マトリックス表面積比の触媒を使用して、接触分解して得た時の触媒対油の比 対 転換(重量%)の比較のグラフ表示である。
【図3】15%ダイズ油および85%のVGO/残油炭化水素ブレンドのブレンドを含有するフィードを、本発明に従い高ゼオライト表面積対マトリックス表面積比の触媒、および低ゼオライト表面積対マトリックス表面積の触媒を使用して接触分解して得た時の残油収率(重量%) 対 コークス収率(重量%)の比較のグラフ表示である。
【図4】15%ダイズ油および85%のVGO/残油炭化水素ブレンドのブレンドを含有するフィードを、本発明に従い高ゼオライト表面積対マトリックス表面積の触媒、および低ゼオライト表面積対マトリックス表面積比の触媒を使用して接触分解して得た時の触媒対油の比 対 転換(重量%)の比較のグラフ表示である。
【図5】15%ナタネ油および85%のVGO/残油炭化水素ブレンドのブレンドを含有するフィードを、本発明に従い高ゼオライト表面積対マトリックス表面積比の触媒、および低ゼオライト表面積対マトリックス表面積比の触媒を使用して接触分解して得た時の残油収率(重量%) 対 コークス収率(重量%)の比較のグラフ表示である。
【図6】15%ナタネ油および85%のVGO/残油炭化水素ブレンドのブレンドを含有するフィードを、本発明に従い高ゼオライト表面積対マトリックス表面積比の触媒、および低ゼオライト表面積対マトリックス表面積の触媒を使用して接触分解して得た時の触媒対油の比 対 転換(重量%)の比較のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の詳細な説明
本発明の方法に従い、少なくとも1種の生物再生可能フィード画分を有する原料油を、流動接触分解(FCC)条件下で、主にゼオライト、マトリックスおよび希土類金属酸化物を含んでなり、そしてZ/M比により表されるゼオライト表面積対マトリックス表面積比が少なくとも2である循環する接触分解触媒の成分(inventory)と接触させる。
【0021】
本発明の好適な態様では、この方法は生物再生可能フィードと石油ベースの炭化水素フィードのブレンドされた原料油を得;流動接触分解の条件下で接触分解活性を有する微孔質のゼオライト成分、メソ孔質マトリックスおよび触媒の総重量に基づき少なくとも1重量%の希土類金属酸化物を含んでなる流動接触分解触媒を準備し、ここでこの触媒は少なくとも2のZ/M比を有し;そしてブレンドされた原料油を接触分解触媒とFCC条件下で接触させて分解された生成物を得ることを含んでなる。
【0022】
本発明の目的に関して、用語「生物再生可能(な)」または「バイオフィード(bio−feed)」という用語は本明細書中で互換的であり、植物または動物の油に由来する脂肪成分を有する任意のフィードまたはフィードの画分または原料油を表す。典型的にはこのフィードまたは画分は、主にトリグリセリドおよび遊離脂肪酸(FFA)を含んでなる。トリグリセリドおよびFFAはそれらの構造中に14〜22個の炭素を有する脂肪族炭化水素鎖を含む。そのような原料油の例には、限定するわけではないがキャノーラ油、トウモロコシ油、ソイオイル(soy oil)、ナタネ油(rapeseed oil)、ダイズ油(soybean oil)、ヤシ油、ナタネ油(colza oil)、ヒマワリ油、麻実油、オリーブ油、亜麻仁油、ココヤシ油、ひまし油、落花生油、からし油、綿実油、非食用獣脂、非食用油、例えばヤトロファオイル、イエローおよびブラウングリース、ラード、鯨油、乳脂、魚油、藻類油、トールオイル、下水汚泥等がある。本発明で使用できる生物再生可能原料油の別の例はトールオイルである。トールオイルは製材産業の副産物である。トールオイルはFFAに加えてエステルおよびロジン酸を含有する。ロジン酸は環式カルボン酸である。この典型的な植物油または動物脂肪のトリグリセリドおよびFFAは、約8〜約24個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素鎖をそれらの構造中に含む。セルロース廃棄物の熱分解により形成される熱分解油も、非石油系原料油または原料油の一部もしくは画分として使用することができる。
【0023】
本発明の目的に関して、「流動接触分解条件」または「FCC条件」という句は、本明細書において典型的な流動接触分解法の条件を示すために使用し、ここで循環する流動化接触分解触媒の成分を重質原料油、例えば炭化水素原料油、生物再生可能原料油またはそれらの混合物と、高温で接触させて原料油をより低分子量の化合物に転換させる。
【0024】
用語「流動接触分解活性」は、炭化水素および/または脂肪分子をより低分子量の化合物に流動接触分解条件下で転換することを触媒する化合物の能力を示すために使用する。
【0025】
本発明の目的に関して、用語「マトリックス」は本明細書ではすべてのメソ孔質材料、
すなわちBET t−プロットにより測定した時に少なくとも20オングストロームの孔半径を持つ孔を有する材料を示すために使用し(Johnson,J.M.F.L.,J.Cat 52,pgs 425−431(1978))、任意の結合材および/または充填材、例えばクレー等を含む本発明の接触分解触媒を含んでなり、そして典型的には微孔質範囲の孔、すなわちBET t−プロットにより測定した時に20オングストローム未満の孔を有する触媒的に活性なゼオライトを除く。
【0026】
本発明に有用な原料油は、少なくとも1種の生物再生可能フィード画分を含んでなる石油ベースの炭化水素原料油を含んでなる。本発明に有用な石油ベースの炭化水素原料油は、典型的には全部または一部に、約120℃より高い初留点、少なくとも約315℃の50%点、そして最高約850℃の終点を有するガスオイル(例えば軽質、中質または重質ガスオイル)を含む。原料油はディープカットガスオイル、減圧軽油(VGO)、サーマルオイル、残油、再循環油、ホールトップクルード(whole top crude)、タールサンドオイル、シェールオイル、合成燃料、石炭の破壊的水素化に由来する重質炭化水素留分、タール、ピッチ、アスファルト、前記任意の物質に由来する水素化処理原料油等を含んでもよい。約400℃より高い沸騰温度石油留分の蒸留は、熱分解を避けるために真空で行わなければならないことが認識されている。ここで使用する沸騰温度は便宜上、大気圧に補正された沸点で表されている。高い金属含有残油または最高約850℃の終点を有するよりディープなカットガスオイルでも、本発明を使用して分解することができる。
【0027】
本発明の一つの態様では、原料油がブレンドされた原料油、すなわち原料油は炭化水素フィードおよび生物再生可能フィード画分の両方を含んでなる。本発明の方法で有用なブレンドされた原料油は、典型的には約99〜約25重量%の炭化水素原料油および約1〜約75重量%の生物再生可能原料油を含んでなる。好ましくはブレンドされた原料油は約97〜約80重量%の炭化水素原料油および約3〜約20重量%の生物再生可能原料油を含んでなる。
【0028】
本発明で有用なゼオライトベースの流動接触分解触媒は、流動接触分解条件下で接触分解活性を有する任意のゼオライトを含んでなることができる。好ましくはゼオライト成分はUSYまたは希土類交換型USYフォージャサイトゼオライトのような合成フォージャサイトゼオライトである。またゼオライトは、金属およびアンモニウムおよび/または酸イオンの組み合わせと交換されてもよい。またゼオライト成分は、モルデン沸石、ベータゼオライトおよびZSM型ゼオライトと組み合わせた合成フォージャサイトのようなゼオライトの混合物を含んでなるものでよいと企図する。一般にゼオライト分解成分は、約10〜約60重量%の分解触媒を含んでなる。好ましくはゼオライト分解成分は、約20〜約55重量%、最も好ましくは約30重量%〜約50重量%の触媒組成物を含んでなる。
【0029】
本発明に有用な高Z/M比の触媒組成物を調製するために適切なマトリックス材料には、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、結合材および任意にクレーを含む。適切な結合材にはアルミナゾル、シリカゾル、リン酸アルミニウムおよびそれらの混合物を含む。好ましくは結合材は、酸解膠化(acid peptized)アルミナ、塩基解膠化アルミナおよびアルミニウムクロロヒドロールからなる群から選択されるアルミナ結合材である。
【0030】
マトリックス材料は、全触媒組成物の最高約90重量%の量で発明の触媒中に存在することができる。本発明の好適な態様では、マトリックスは全触媒組成物の約40〜約90重量%、最も好ましくは約50〜約70重量%の範囲の量で存在する。
【0031】
また本発明に有用なマトリックス材料は、場合によりクレーを含んでもよい。カオリン
が好適なクレー成分であるが、修飾カオリン(例えばメタカオリン)のような他のクレーを場合により包含してよいことも意図する。使用する場合、このクレー成分は典型的には触媒組成物の約0〜約70重量%、好ましくは約25〜約60重量%を構成する。
【0032】
本発明に従い、本発明の方法に有用な触媒組成物は、微孔質およびメソ孔質範囲の孔を含んでなる孔系を保有する。典型的には本発明に有用な触媒組成物は、高いゼオライト表面積対マトリックス表面積比を含んでなる。本発明の目的に関して、用語「マトリックス表面積」とは、本明細書では触媒を含んでなるマトリックス材料のものとされる表面積を示し、この材料は一般にBET t−plotにより測定した時に20オングストローム以上の孔サイズを有する。用語「ゼオライト表面積」とは、本明細書で触媒を含んでなる流動接触活性ゼオライトのものとされる表面積を示し、このゼオライトは典型的にはBET t−plotにより測定した時に20オングストローム未満の孔サイズを有する。本発明に従い、触媒組成物は典型的には少なくとも2のZ/M比を形成する。本発明の好適な態様では、触媒は2より大きいZ/M比を形成する。一般に本発明で有用な触媒組成物のZ/M比は、約2〜約15の範囲、好ましくは約3〜約10の範囲である。
【0033】
また本発明で有用な高いZ/M比の触媒組成物は、触媒の総重量に基づき少なくとも1重量%の希土類金属酸化物を含んでなる。好ましくは触媒は触媒の総重量に基づき約1〜約10、最も好ましくは約1.5〜約5重量%の希土類金属酸化物を含んでなる。希土類金属酸化物は触媒中にゼオライト成分へイオン交換された形で存在してよく、あるいは希土類酸化物または希土類オキシクロライドとしてマトリックスに包含されてもよい。また希土類金属酸化物は、触媒の製造中に一成分として触媒に包含されてもよい。また希土類は触媒組成物の製造後に触媒の表面に浸漬できることも本発明の範囲内である。適切な希土類金属には限定するわけではないが原子番号57−71を有するランタニド系列の元素、イットリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される元素を含む。好ましくは希土類金属はランタン、セリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0034】
本発明に有用な触媒組成物は、典型的には約40〜約150μm、より好ましくは約60〜約90μmの平均粒子サイズを有する。典型的には本発明の触媒組成物は、FCC法の間、組成物の構造的完全性を維持するために十分なダビソン指数(Davison Index:DI)を有する。典型的には30未満、より好ましくは25未満、そして最も好ましくは20未満のDI値が十分となる。
【0035】
本発明で有用となる適切な高Z/M比の触媒組成物には、限定するわけではないが、現在W.R.Grace & Co.−Connにより製造そして登録商標IMPACT(登録商標)で販売されている触媒組成物がある。あるいは本発明に従い適切な触媒組成物は、約10〜約60重量%のゼオライト成分、約40〜約90重量%のマトリックス材料および約0〜約70重量%のクレーを最終触媒中に提供するために十分な量のゼオライト、マトリックス材料および任意のクレーを含有する水性スラリーを形成することにより調製することができる。この水性スラリーを粉砕して均一または実質的に均一なスラリー、すなわちスラリーのすべての固体成分が10μm未満の平均粒子サイズ有するスラリーを得る。あるいはこのスラリーを形成する成分は、スラリーを形成する前に粉砕される。その後、水性スラリーを混合して均一または実質的に均一な水性スラリーが得られる。
【0036】
その後、水性スラリーは通例の噴霧乾燥技法を使用した噴霧工程にかけられる。この噴霧乾燥工程中、スラリーはゼオライト、および結合材および任意に充填材を含むマトリックス材料を含んでなる固体触媒粒子に転換される。この噴霧乾燥触媒粒子は、典型的には約50〜約70μmのオーダーの平均粒子サイズを有する。
【0037】
噴霧乾燥に続き、触媒粒子は約370℃〜約760℃の範囲の温度で約20分〜約2時
間焼成される。好ましくは触媒粒子は約600℃の温度で約45分間カ焼される。その後、触媒粒子は場合によりイオン交換および/または好ましくは水で洗浄されて、余分なアルカリ金属酸化物および他の任意の可溶性不純物が除去される。洗浄された触媒粒子は通例の技術、例えば濾過によりスラリーから分離され、そして典型的には約100℃〜300℃の温度範囲で乾燥して粒子の水分含量を所望のレベルに下げる。
【0038】
さらに本発明に従い高いZ/M比の触媒組成物は、接触分解法で通常に使用されている他の添加物、例えばSO還元添加剤、NO還元添加剤、ガソリン硫黄還元添加剤、CO酸化促進剤、ZSM−5を含むことができる軽質オレフィン類の生産のための添加剤等と組み合わせて使用することができることは本発明の範囲内である。
【0039】
本発明の方法に従い、炭化水素のバイオフィードまたは比較的高分子量の炭化水素留分およびバイオフィード画分を有する原料油のFCC装置内での流動接触分解は、より低分子量の炭化水素製品、例えばガソリンの生産を生じる。本発明に有用なFCC装置は、装置が反応ゾーン、分離ゾーン、ストリッピングゾーンおよび再生ゾーンを含む限り特に制限されない。FCC法の重要な工程は典型的には:
(i)フィードを熱源と接触させることにより接触分解条件を操作して、接触分解ゾーン、通常は竪管分解ゾーン内で生物再生可能フィードを含有する原料油を接触分解し、分解触媒を再生して分解された生成物およびコークスとストリップ可能な炭化水素を含有する使い尽くされた触媒を含んでなる流出物を生成し;
(ii)流出物を排出し、そして通常は1もしくは複数のサイクロンに分解生成物濃度が高い蒸気相と使い尽くされた触媒を含んでなる固体濃度が高い相に分離し;
(iii)生成物として蒸気相を取り出し、そしてFCC主カラム中およびそれに付随するサイドカラムに生成物を分画して、ガスおよびガソリンを含む液体分解生成物を形成し;
(iv)使い尽くされた触媒を通常は蒸気でストリッピングして触媒から吸蔵炭化水素を除去し、その後、ストリッピングした触媒を触媒再生ゾーンで酸化的に再生して、熱い再生触媒を生成し、次いでこれをさらなる量のフィードを分解するために分解ゾーンに再循環する、
ことを含んでなる。
【0040】
FCC装置の反応ゾーン内で、FCC法は典型的には約480℃〜約600℃の反応温度で約600℃〜約800℃の触媒再生温度を用いて行われる。当該技術分野では周知であるように、触媒再生ゾーンは単一または複数の反応容器からなることができる。
【0041】
典型的には約3〜約12、好ましくは約5〜約10の触媒−油比;反応槽中、典型的には1bar〜約4bar、好ましくは約1.75bar〜約2.5barの炭化水素分圧;および原料油と触媒との間の1〜10秒、好ましくは2〜5秒の接触時間。本発明で使用する用語「触媒−油比」とは、触媒の循環量(トン/時間)および原料油供給速度(トン/時間)の比を指す。本発明で使用する用語「炭化水素分圧」とは竪管反応槽中の全炭化水素部分圧を示すために使用する。本明細書で使用する用語「触媒接触時間」とは、竪管床反応槽の触媒入口での原料油と触媒との間の接触時点から、ストリッパー出口での反応生成物と触媒との分離までの時間を示すために使用する。
【0042】
本発明で使用する反応ゾーンの出口温度は、流動化竪管反応槽の出口温度を指す。一般に本発明の反応ゾーンの出口温度は、約480℃〜約600℃の範囲である。FCC装置が生物再生可能フィードを処理するために通常使用される任意のデバイスを含んでなることができることも本発明の範囲内である。
【0043】
本発明の方法に従い、本発明の方法に有用な高Z/M比の分解触媒組成物は、分解工程
が行われていると同時に循環しているFCC触媒の成分(inventory)に加えることができ、あるいはそれらはFCC操作の開始時点で成分に存在してもよい。触媒組成物は分解ゾーンに、またはFCC分解装置の再生ゾーンに直接加えることができ、あるいはFCC工程の任意の他の適切な点で加えることができる。
【0044】
当業者には理解されるように、分解工程で使用される触媒の量は、分解される原料油、FCCUの操作条件および所望する処理量のような因子に依存して装置毎に変動する。好ましくは高Z/M比の触媒の量は、脂肪および/または油分子ならびに重い炭化水素分子の、より低分子量の炭化水素への転換の増加を提供すると同時に、従来のFCC工程中に得られる転換および残油転換と比較して、一定のコークス形成で増加した残油転換を提供するのに十分な量である。典型的には使用される高Z/M比の触媒の量は、2より大きいZ/M比、および少なくとも1重量%、好ましくは約1〜約10重量%の希土類を全分解触媒成分中で維持するために十分な量である。
【0045】
本発明の方法に従い、動物および/または植物脂肪および/または油を含有する生物再生可能原料油は単独で、または任意の典型的な炭化水素原料油とブレンドして分解されて、低分子量の分解生成物が生成される。この方法は輸送燃料、例えばガソリン、ディーゼル燃料の生産に特に有用である。低Z/M比を有する従来のゼオライトに基づくFCC触媒組成物の使用と比較した場合、一定のコークス生成で残油転換における大変有意な増加、すなわち約10%〜約20%が本発明の方法を使用して達成可能である。しかし当業者には理解されるように、残油転換の程度は反応槽温度、触媒対油の比および原料油の種類といった因子に依存する。本発明の方法は、低Z/M比を有する従来のゼオライトに基づくFCC触媒組成物の使用と比較した場合、FCC工程中に一定のコークス生成で残油分解における増加を提供することが有利である。
【0046】
本発明およびその利点をさらに具体的に説明するために、以下の具体的実施例を与える。この実施例は特許請求する発明の具体的説明として与えられる。しかし本発明が実施例に説明する具体的詳細に限定されないことを理解すべきである。
【0047】
組成または濃度を指す実施例中の、ならびに明細書中の残りのすべての部および百分率は、他に特定しない限り重量による。
【0048】
さらに特定の性質の組、測定単位、条件、物理状態または百分率を表すような明細書または特許請求の範囲で言及される任意の数の範囲は、参照により本明細書に表現されるように文字で包含されるか、あるいは列挙する範囲の中にある数字(そのように列挙される任意の範囲の中の数字のサブセットを含む)を包含することを意図している。
【実施例】
【0049】
以下の実施例でブレンドした原料油は、米国特許第6,069,012号明細書に記載されているようなAdvanced Catalyst Evaluation(ACE)装置を使用して、W.R.Grace & Co.のDavison Refining Technologiesから得た市販の高Z/M比触媒であるIMPACT(商標)−1495(触媒A)、および現在W.R.Grace & Co.のDavison Refining Technologiesにより販売されている市販の低Z/M比触媒であるMIDAS(商標)−138(触媒B)をそれぞれ使用して接触分解した。表1は、新しいおよび蒸気不活化触媒の両方についてBET t−plotにより測定した時の微孔質(ゼオライト)およびメソ孔質(マトリックス)の表面積を示す(Johnson,M.F.L.P.,J.Cat 52,pgs 425−431(1978))。蒸気不活性化サンプルは、循環式プロピレン蒸気を使用して蒸気処理した(Lori T. Boock,Thomas F.Petti,and John A.Rudesill,ACS Symposium Series,634,1996,171−183を参照されたい)。触媒Aは新しいおよび蒸気処理した触媒についてそれぞれ5.3および4.2のZ/M比を有し、一方触媒Bは新しいおよび蒸気処理した触媒についてそれぞれ1.4および1.3のZ/M比を有した。
【0050】
【表1】

【実施例1】
【0051】
減圧軽油(VGO)および残油をブレンドした炭化水素原料油をヤシ油とブレンドして、85%VGOおよび残油ブレンドおよび15%ヤシ油を有する炭化水素原料油を準備した。VGO/残油ブレンドおよびヤシ油の性質は以下の表2に記録する。
【0052】
【表2】

【0053】
ブレンドしたヤシ油/炭化水素原料油は、上記のような触媒Aおよび触媒Bを使用してACE装置を用いて接触分解した。以下の図1に表すように、高Z/M比触媒である触媒Aは、低Z/M比の触媒である触媒Bの性能と比較した場合、一定のコークスで残油転換の優れた性能を表した。明らかに高Z/M比触媒(触媒A)のコークスおよび残油収率は、低Z/M比触媒(触媒B)を使用して得たものよりも低かった。
【0054】
さらに図2に示すように、触媒Aおよび触媒Bに関して得た触媒対油比および転換の重量パーセントを、100%から221℃より上で沸騰する液体生成物の重量%を引いて定義される転換と比較すると、触媒Aについて触媒Bより低い触媒対油比で同じ転換が達成されることが示された。これは低Z/M比の触媒を使用して得られる活性と比べた時、本発明による高Z/M比の触媒を使用して、少なくとも1種の生物再生可能画分を含有する炭化水素原料油を転換するための活性の増大を示している。
【実施例2】
【0055】
減圧軽油(VGO)および残油をブレンドした炭化水素原料油をダイズ油とブレンドして、85%VGOおよび残油ブレンドおよび15%ダイズ油を有する炭化水素原料油を準備した。VGO/残油ブレンドおよびダイズ油の性質は以下の表3に記録する。
【0056】
【表3】

【0057】
ブレンドしたダイズ油/炭化水素原料油は、上記のように触媒Aおよび触媒Bを使用してACE装置を用いて接触分解した。以下の図3に表すように、高Z/M比触媒である触媒Aは、低Z/M比の触媒である触媒Bの性能と比較した場合、一定のコークスで残油転換の優れた性能を表した。明らかに高Z/M比触媒(触媒A)のコークスおよび残油収率は、低Z/M比触媒(触媒B)を使用して得たものよりも低かった。
【0058】
さらに図4に示すように、触媒Aおよび触媒Bに関して得た触媒対油比および転換の重量パーセントを、100%から221℃より上で沸騰する液体生成物の重量%を引いて定義される転換と比較すると、触媒Aについて触媒Bより低い触媒対油比で同じ転換が達成されることが示された。これは低Z/M比の触媒を使用して得られる活性と比べた時、本発明による高Z/M比の触媒を使用して、少なくとも1種の生物再生可能画分を含有する炭化水素原料油を転換するための活性の増大を示している。
【実施例3】
【0059】
減圧軽油(VGO)および残油をブレンドした炭化水素原料油をナタネ油とブレンドして、85%VGOおよび残油ブレンドおよび15%ナタネ油を有する炭化水素原料油を準備した。VGO/残油ブレンドおよびナタネ油の性質は以下の表4に記録する。
【0060】
【表4】

【0061】
ブレンドしたナタネ油/炭化水素原料油は、上記のように触媒Aおよび触媒Bを使用してACE装置を用いて接触分解した。以下の図5に表すように、高Z/M比触媒である触媒Aは、低Z/M比の触媒である触媒Bの性能と比較した場合、一定のコークスで残油転換の優れた性能を表した。明らかに高Z/M比触媒(触媒A)のコークスおよび残油収率は、低Z/M比触媒(触媒B)を使用して得たものよりも低かった。
【0062】
さらに図6に示すように、触媒Aおよび触媒Bに関して得た触媒対油の比および転換の重量パーセントと、100%から221℃より上で沸騰する液体生成物の重量%を引いて定義される転換との比較では、触媒Aについて触媒Bより低い触媒対油比で同じ転換が達成されることが示された。これは低Z/M比の触媒を使用して得られる活性と比べた時、本発明による高Z/M比の触媒を使用して、少なくとも1種の生物再生可能画分を含有する炭化水素原料油を転換するための活性の増大を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の生物再生可能フィードを含んでなる原料油の流動接触分解(FCC)法であって、
少なくとも1種の炭化水素画分および少なくとも1種の生物再生可能フィードを含む原料油を、接触分解触媒とFCC分解条件下で接触させ、ここで該触媒は接触分解活性を有するゼオライト、マトリックスおよび触媒の総重量に基づき少なくとも1重量%の希土類金属酸化物を含んでなり、該触媒は少なくとも2のゼオライト表面積対マトリックス表面積比を有し、そして
分解された炭化水素生成物を提供する、
ことを含んでなる上記方法。
【請求項2】
ゼオライトがフォージャサイトY型ゼオライトである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
マトリックスがシリカ、アルミナ、シリカアルミナおよびそれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
炭化水素画分が石油ベースの原料油を含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
炭化水素画分が、ディープカットガスオイル、減圧軽油(VGO)、サーマルオイル、残油、再循環油、ホールトップクルード、タールサンドオイル、シェールオイル、合成燃料、石炭の破壊的水素化に由来する重質炭化水素画分、タール、ピッチ、アスファルト、水素処理原料油およびそれらの混合物からなる群から選択される石油ベースの原料油である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
生物再生可能画分が、キャノーラ油、コーン油、ダイズ油、ナタネ油、ソイオイル、ナタネ油、ダイズ油、ヤシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、麻実油、オリーブ油、亜麻仁油、ココヤシ油、ひまし油、落花生油、からし油、綿実油、非食用獣脂、非食用油、イエロー、ブラウングリース、ラード、鯨油、乳脂、魚油、藻類油、トールオイル、下水汚泥、トールオイルおよびそれらの混合物からなる群から選択される原料油である、請求項1、4または5に記載の方法。
【請求項7】
非食用油がヤトロファオイルである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ゼオライト表面積対マトリックス表面積が2より大きい請求項1に記載の方法。
【請求項9】
接触分解触媒を含んでなるゼオライトの表面積が、BET t−plotにより測定した時に20オングストローム未満である請求項1または8に記載の方法。
【請求項10】
接触分解触媒を含んでなるマトリックスの表面積が、BET t−plotにより測定した時に20オングストロームより大きい請求項1または8に記載の方法。
【請求項11】
希土類金属酸化物が、原子番号57−71を有するランタニド系列の元素、イットリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される金属の酸化物である請求項1に記載の方法。
【請求項12】
希土類金属がランタン、セリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
希土類金属酸化物が接触分解触媒中に、触媒の総重量に基づき約1〜約10重量%の範
囲の量で存在する請求項1に記載の方法。
【請求項14】
マトリックスがさらにクレーを含んでなる請求項3に記載の方法。
【請求項15】
マトリックスがさらに結合材を含んでなる請求項3または14に記載の方法。
【請求項16】
結合材がアルミナゾル、シリカゾル、リン酸アルミニウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
結合材が酸解膠化アルミナ、塩基解膠化アルミナ、アルミニウムクロロヒドロールおよびそれらの混合物からなる群から選択されるアルミナゾルである請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−511078(P2012−511078A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539517(P2011−539517)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/006429
【国際公開番号】WO2010/068255
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(399016927)ダブリュー・アール・グレイス・アンド・カンパニー−コネチカット (63)
【Fターム(参考)】