説明

高分子繊維材料のめっき方法及び高分子繊維材料の製造方法

【課題】密着性を向上させることができる高分子繊維材料のめっき方法等を提供すること。
【解決手段】高分子繊維材料のめっき方法は、(1)高分子繊維材料の表面を親水化又は活性化するプラズマ処理工程と、(2)高分子繊維材料の表面をカチオン化するカチオン処理工程と、(3)PdとSnのコロイド溶液に浸漬する第一Sn−Pd触媒浸漬工程と、(4)高分子繊維材料にPdのみを吸着・結合させる第一アクセレーター処理工程と、(5)高分子繊維材料を120℃〜180℃に所定時間保持する熱処理工程と、(6)PdとSnのコロイド溶液に浸漬する第二Sn−Pd触媒浸漬工程と、(7)高分子繊維材料にPdのみを吸着させる第二アクセレーター処理工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子繊維材料のめっき方法及び高分子繊維材料の製造方法に関し、更に詳しくは、めっき皮膜の密着性を向上させるとともに、炭酸ガスを使用しない環境に優しいめっき技術に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のめっき技術として、特許文献1に開示の金属めっきされた有機高分子繊維の製造方法には、アラミド繊維をエッチングした後、シランカップリング剤を介してPd金属粒子をアラミド繊維表面に固着させた上でCu、Ni、Co等の金属をめっきする技術が開示されている。
また、特許文献2に開示の低熱膨張線状体の製造方法には、脱脂処理→キャタリップ処理→キャタポジット処理→アクセレーター処理→化学銅めっきという工程を経て高分子繊維材料をめっきする方法が開示されている。
【0003】
また、非特許文献1に開示の超臨界流体を用いる高分子材料めっきには、超臨界CO流体に金属錯体(例えば、Pt錯体、Ni錯体、Pd錯体)を溶解させた状態で被めっき物(ポリマープレート)を処理して、金属錯体をポリマー中に拡散させることにより、金属錯体を被めっき物に吸着・固定化し、更に、加熱によりその金属を析出させ、これをめっきの核としてめっきする技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−171869
【特許文献2】特開2006−85915
【非特許文献1】堀 照夫; 超臨界流体を用いる高分子材料のめっき, 表面技術, Vol. 56, p.79 (2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のシランカップリング剤を使用しためっき技術では、めっきの被めっき物との密着性が悪いという問題がある。
また、特許文献2に記載の繊維材料のめっき方法では、繊維材料の表面を脱脂処理により中和した状態とし、その中和状態の繊維材料の表面をSn−Pd合金核によって覆う。しかしながら、その中和状態の遷移材料の表面とSn−Pd合金核とは、ファンデルワールス力によって互いに引きつけ合う状態であるため、その後のアクセレーター処理を経て化学銅めっきを施しても、めっきと被めっき物との密着性が悪いという問題がある。
また、非特許文献1に記載の超臨界CO流体を用いるめっき技術は、地球温暖化の原因であるCOを大量に使用するという問題がある。また、超臨界CO流体を取り扱うための設備費や使用するパラジウム塩が非常に高価であるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、密着性を向上させることができる高分子繊維材料のめっき方法及び高分子繊維材料の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、COを使用することのない、環境に優しい高分子繊維材料のめっき方法及び高分子繊維材料の製造方法を提供することにある。
本発明の更なる目的は、廉価に実施することができる高分子繊維材料のめっき方法及び高分子繊維材料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る高分子繊維材料のめっき方法は、
高分子繊維材料をプラズマ処理することにより、当該高分子繊維材料の表面を親水化又は活性化するプラズマ処理工程と、
前記プラズマ処理工程を経た高分子繊維材料Aをカチオン系界面活性剤溶液に浸漬することにより、当該高分子繊維材料Aの表面をカチオン化するカチオン処理工程と、
前記カチオン処理工程を経た高分子繊維材料BをPdとSnのコロイド溶液に浸漬することにより、PdとSnを当該高分子繊維材料Bの表面に吸着・結合させる第一Sn−Pd触媒浸漬工程と、
前記第一Sn−Pd触媒浸漬工程を経た高分子繊維材料Cを酸溶液に浸漬することにより、前記第一Sn−Pd触媒浸漬工程で吸着・結合させたPd及びSnのうちSnを溶かし、当該高分子繊維材料CにPdのみを吸着・結合させる第一アクセレーター処理工程と、
前記第一アクセレーター処理工程を経た高分子繊維材料Dを120℃〜180℃に所定時間保持することにより、当該高分子繊維材料Dの分子を開いてPdを当該分子中に取り込ませる熱処理工程と、
前記熱処理工程を経た高分子繊維材料EをPdとSnのコロイド溶液に浸漬することにより、前記熱処理工程により不活性化されたPdを再活性化させるとともに、当該コロイド溶液中のPdとSnを当該高分子繊維材料Eの表面に吸着させる第二Sn−Pd触媒浸漬工程と、
前記第二Sn−Pd触媒浸漬工程を経た高分子繊維材料Fを酸溶液に浸漬することにより、前記第二Sn−Pd触媒浸漬工程で吸着させたPd及びSnのうちSnを溶かし、当該高分子繊維材料FにPdのみを吸着させる第二アクセレーター処理工程と、を備えたことを要旨とする。
【0008】
本発明に係る高分子繊維材料のめっき方法は、
前記第二アクセレーター処理工程に代えて、前記第二Sn−Pd触媒浸漬工程を経た高分子繊維材料Fを導体化処理液に浸漬することにより、当該高分子繊維材料Fに導電性皮膜を形成させる導体化処理工程を備えてもよい。
【0009】
本発明に係る高分子繊維材料のめっき方法は、更に、前記第二アクセレーター処理工程又は前記導体化処理工程を経た高分子繊維材料Gを無電解めっき又は電気めっきするめっき工程を備えるとよい。
【0010】
本発明に係る高分子繊維材料の製造方法は、本発明に係る高分子繊維材料のめっき方法を使用することを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る高分子繊維材料のめっき方法によれば、プラズマ処理工程で、高分子繊維材料(被めっき物)の表面が親水化又は活性化されるため、カチオン処理工程で高分子繊維材料の表面をカチオン化することができる。そして、高分子繊維材料の表面がカチオン化された状態で、第一Sn−Pd触媒浸漬工程を行うと、Sn−Pdコロイドのアニオンがその高分子繊維材料の表面にファンデルワールス力及びクーロン力によって強固に吸着・結合する。そのファンデルワールス力及びクーロン力に因る吸着力・結合力は、その後の第一アクセレーター処理においても維持される。従って、第一アクセレーター処理工程を行うと、Snが溶けてPdのみがその高分子繊維材料の表面へファンデルワールス力及びクーロン力により吸着・結合する。
【0012】
そして、熱処理工程においては、そのファンデルワールス力及びクーロン力に因る吸着力・結合力が維持された状態で、高分子繊維材料の分子が開いてその分子中にPdが取り込まれる。もっとも、Pd表面の触媒活性は失われる。次いで、第二Sn−Pd触媒浸漬工程を行うと、不活性化されたPdが再活性化されるとともに、Sn−Pdコロイドのアニオンがその高分子繊維材料の表面にファンデルワールス力によって吸着する。その後の第二アクセレーター処理又は導体化処理においては、再活性化されたPdがファンデルワールス力及びクーロン力によってその高分子繊維材料に強固に吸着・結合した状態で、新たに吸着したSn−PdコロイドのうちSnが溶け、Pdのみがその高分子繊維材料の表面に吸着する。
【0013】
このように、本発明に係る高分子繊維材料のめっき方法によれば、熱処理によって高分子繊維材料の分子中に取り込まれたPdとその高分子繊維材料(被めっき物)との強固な吸着力・結合力が維持された状態で、無電解めっき又は電気めっきを行うことが可能となるから、めっきの被めっき物との密着性を向上させるという効果がある。すなわち、本発明に係る高分子繊維材料のめっき方法は、プラズマ処理工程、カチオン処理工程及び熱処理工程を備えているため、めっきの被めっき物との密着性を向上させるという効果がある。
【0014】
本発明に係る高分子繊維材料の製造方法は、本発明に係る高分子繊維材料のめっき方法を使用するものであるからこれと同様の効果がある。
更に、本発明に係る高分子繊維材料のめっき方法及び製造方法は、炭酸ガスを使用しないため、環境に優しく、高価な設備や原料を使用しないため廉価に実施できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の第一の実施形態に係る高分子繊維材料のめっき方法について説明する。
本発明の第一の実施形態に係る高分子繊維材料のめっき方法は、工程順に、(1)精練工程、(2)水洗工程、(3)乾燥工程、(4)プラズマ処理工程、(5)アルカリ処理工程、(6)水洗工程、(7)カチオン処理工程、(8)水洗工程、(9)第一Sn−Pd触媒浸漬工程、(10)水洗工程、(11)第一アクセレーター処理工程、(12)水洗工程、(13)乾燥工程、(14)熱処理工程、(15)第二Sn−Pd触媒浸漬工程、(16)水洗工程、(17)第二アクセレーター処理工程、(18)水洗工程、(19)めっき工程(無電解めっき又は電気めっき)、(20)水洗工程、(21)乾燥工程、からなる。
以下、各工程について説明する。
【0016】
(1)精練工程
精練工程は、高分子繊維材料(芳香族ポリアミド(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)、ポリエステル、パラ型アラミド繊維(コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド)、ガラス繊維、アルミナ繊維、カーボン繊維、その他の有機,無機高分子繊維材料)を精練剤(精練用の界面活性剤)で処理することにより、フィブリル化の防止、油剤、汚れ等の再付着を防止する工程である。精練用の界面活性剤としては、例えば、NaOH、非イオン系界面活性剤、有機溶剤等を用いることができるがこれに限定されない。尚、精練工程は、高分子繊維材料に油剤が付いていない場合等には行わなくてよい。また、ガラス繊維、アルミナ繊維を用いることができるのは、後述するプラズマ処理をガラス繊維に施すと、表面改質効果によって水濡れ性が向上するためである。更に、カーボン繊維を用いることができるのは、後述するプラズマ処理をカーボン繊維に施すと、励起されプラズマ状態となったArイオン、Oイオンがカーボン繊維の表面をたたきカーボン繊維の表面がクリーニングされ、かつ、活性化されるという効果が得られるためである。そのため、めっき物の被めっき物に対する密着性向上に寄与するためである。
【0017】
(2)水洗工程
水洗工程は、高分子繊維材料を水洗する工程である。これにより、高分子繊維材料への余分な付着物を除去する工程である。水洗方法は、特に限定されないが、流水槽をくぐらせるという方法をとることができる。尚、この水洗工程は、上記(1)精練工程を行わない場合には行わなくてよい。
【0018】
(3)乾燥工程
乾燥工程は、上記(2)水洗工程を経た高分子繊維材料を乾燥させる工程である。乾燥方法は、温風乾燥(60℃〜100℃)でよいがこれに限定されない。例えば、かせ巻きの場合には温風乾燥を、リール・トゥー・リールの場合にはドラム乾燥を、それぞれ用いるとよい。尚、乾燥工程は、上記(1)精練工程及び上記(2)水洗工程を行わない場合には行わなくてよい。
精練工程、水洗工程及び乾燥処理によれば、図1(a)の精練・水洗・乾燥処理後の被めっき物の表面状態図に示すように、高分子繊維材料の表面から油・ゴミ等が除去されている。尚、油・ゴミ・静電気等が付いていない高分子繊維材料は、当該処理がなされなくても同図に示す表面状態である。
【0019】
(4)プラズマ処理工程
プラズマ処理工程は、高分子繊維材料をプラズマ処理することにより、当該高分子繊維材料の表面を親水化又は活性化する工程である。すなわち、プラズマ処理は、高周波電源を用いて真空中又は大気圧下でガス(O、空気、Ar等)を励起させて反応性の高いプラズマ状態にして、このプラズマ状態のガスを被めっき物(高分子繊維材料)に接触させることにより、高分子繊維材料の表面を親水化又は活性化する工程である。
プラズマ処理工程によれば、図1(b)のプラズマ処理後の被めっき物の表面状態図に示すように、高分子繊維材料の表面が親水化されている。尚、カーボン繊維の場合には、表面のカーボンがたたき出され表面が活性化されると考えられる。
【0020】
プラズマ処理は、例えば、かせ巻きした高分子繊維材料を真空チャンバーに入れて室内を0.001Torr程度まで真空引きし、その後、Oガス(流量100ml/L)を流しながら、高周波電源(出力100W)をトリガーとして励起させ、その高分子繊維材料をOプラズマ雰囲気に所定時間晒すことにより行うことができる。プラズマは方向性があるため、上下を置き換えて同じことを繰り返してもよい。真空チャンバーや真空ポンプは、プラズマ処理を行う高分子繊維材料の量に応じて最適な大きさ・形状のものを用いればよい。
プラズマ処理として、大気プラズマ処理を行う場合には、大気中でArガス及び/又はOガス等を流しながら(Arガスの場合、流量15L/分、Oガスの場合、1.5L/分)、高周波電源(出力100W)をトリガーとしてArガス及び/又はOガスをプラズマ化し、その大気プラズマ雰囲気に所定時間、高分子繊維材料を晒すことにより行うことができる。具体的には、外形1mのかせ巻きにした繊維を回転(6m/分)させながら5分程度プラズマ雰囲気に晒すとよい。
【0021】
(5)アルカリ処理工程
アルカリ処理工程は、アルカリ溶液に高分子繊維材料を浸漬することにより、高分子繊維材料の汚れを除去し、洗浄する工程である。アルカリ溶液としては、例えば、NaOH、KOHを用いることができる。
尚、カーボン繊維の場合には、アルカリ処理工程は行わなくてもよい。プラズマ雰囲気のアルゴンが洗浄の働きも兼ねるためアルカリ処理が不要となるばかりでなく、アルカリ洗浄液が汚れてくると却って汚れがカーボン繊維に付着するおそれがあるためである。
【0022】
(6)水洗工程
上記(2)と同様の水洗工程であるが、詳細な水洗条件は同一とする必要はなく、適宜変更しうる。尚、水洗工程は、上記(5)アルカリ処理工程を行わない場合には行わなくてよい。
【0023】
(7)カチオン処理工程
カチオン処理工程は、高分子繊維材料をカチオン系界面活性剤溶液に浸漬することにより、高分子繊維材料の表面をカチオン化する工程である。ここで、高分子繊維材料の表面をカチオン化することができるのは、上記(4)プラズマ処理工程において、高分子繊維材料の表面が親水化又は活性化されていることが前提となる。
カチオン系界面活性剤溶液としては、モノアルキルアンモニウムクロライド(45℃、5分、0.01〜10%)、テトラメチルアンモニウムクロライド(55℃、5分、0.01〜10%)、テトラブチルアンモニウムクロライド(50℃、10分、0.01〜10%)、ポリアミドポリアミン・エピクロロヒドリン系ポリマーを用いることができる(表4、表5参照)。
カチオン処理によれば、図1(c)のカチオン処理後の被めっき物の表面状態図に示すように、高分子繊維材料の表面がカチオン化される。
【0024】
(8)水洗工程
上記(2)と同様の水洗工程であるが、詳細な水洗条件は同一とする必要はなく、適宜変更しうる。
【0025】
(9)第一Sn−Pd触媒浸漬工程
第一Sn−Pd触媒浸漬工程は、高分子繊維材料をPdとSnのコロイド溶液に浸漬することにより、PdとSnを当該高分子繊維材料の表面に吸着・結合させる工程である。PdとSnのコロイド溶液としては、塩化スズ(II)と塩化パラジウム(II)をそれぞれ塩酸溶液で溶解させ、これらを攪拌しながら混合し、加熱しながら熟成させて作製したものを用いることができる。
【0026】
第一Sn−Pd触媒浸漬工程によれば、図1(d)の第一Sn−Pd触媒浸漬処理後の被めっき物の表面状態図に示すように、カチオン化された高分子繊維材料の表面にPdとSnとからなるアニオンがファンデルワールス力(分子間の相互作用による引力)とクーロン力(正負の電荷の相互作用)により吸着・結合する。クーロン力によっても結合(イオン結合)するのは、高分子繊維材料の表面がカチオン処理によりカチオン化されているためである。そして、このことが後述するめっき工程で施されるめっきの密着性を向上させる。密着性を向上させるのは、後述する熱処理ではPdが熱処理によって開いた高分子繊維材料の分子間に取り込まれるが、そのファンデルワールス力による吸着力及びクーロン力による結合力が維持された状態で取り込まれるからである。
【0027】
(10)水洗工程
上記(2)と同様の水洗工程であるが、詳細な水洗条件は同一とする必要はなく、適宜変更しうる。
【0028】
(11)第一アクセレーター処理工程
第一アクセレーター処理工程は、高分子繊維材料を酸溶液に浸漬することにより、Sn−Pd触媒浸漬工程で吸着させたPd及びSnのうちSnを溶かし、当該高分子繊維材料にPdのみを吸着・結合させる工程である。酸溶液としては、Snを溶解させるがPdが溶けない酸であれば特に限定されず、濃度、温度及び処理時間は特に限定されない。好適な酸溶液の例として、例えば、塩酸(10%、室温、5分)、硫酸(10%、45℃、5分)、フッ化水素酸(5%、室温、5分)、ホウフッ化水素酸 (5〜10%、室温、5分)が挙げられる。
【0029】
第一アクセレーター処理工程によれば、図1(e)のアクセレーター処理後の被めっき物の表面状態図に示すように、カチオン化処理工程を経た高分子繊維材料の表面におけるファンデルワールス力及びクーロン力が維持された状態で、その高分子繊維材料の表面にPdがファンデルワールス力とクーロン力により強固に吸着・結合する。Pdがクーロン力によっても結合(イオン結合)するのは、高分子繊維材料の表面がカチオン処理によりカチオン化されているためである。そして、このことが後述するめっき工程で施されるめっきの密着性を向上させる。密着性を向上させるのは、後述する熱処理ではPdが熱処理によって開いた高分子繊維材料の分子間に取り込まれるが、そのファンデルワールス力による吸着力及びクーロン力によるイオン結合力が維持された状態で取り込まれるからである。
【0030】
(12)水洗工程
上記(2)と同様の水洗工程であるが、詳細な水洗条件は同一とする必要はなく、適宜変更しうる。
【0031】
(13)乾燥工程
乾燥工程は、水洗工程を経た高分子繊維材料を乾燥させる工程である。乾燥方法は、温風乾燥でよいがこれに限定されない。尚、かせ巻きの場合には温風乾燥を、リール・トゥー・リールの場合にはドラム乾燥を、それぞれ用いるとよい。更に、自然乾燥も採用しうる。
【0032】
(14)熱処理工程
熱処理工程は、高分子繊維材料を120℃〜220℃(有機高分子繊維材料の場合、120℃〜180℃、無機高分子繊維材料の場合、140℃〜220℃が好ましいが、特に限定されない)に所定時間保持することにより、高分子繊維材料の分子を開かせてその中にPd(めっきの核となる)を入り込ませる工程である。保持する温度は、高分子繊維材料の種類に応じて120℃〜180℃の間で適宜選択すれば良い。例えば、芳香族ポリアミド(ポリパラフェニレンテレフタルアミド)の場合、120℃〜170℃が特に好ましく、ポリエステルの場合、100℃〜140℃(電気炉(大気炉)で30分〜90分)が特に好ましく、パラ型アラミド繊維(コポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド)の場合、140℃〜170℃(電気炉(大気炉)で30分〜90分)が特に好ましく、カーボン繊維の場合、50℃〜300℃、特に、150℃〜250℃が好ましく、時間は、30分〜60分が好ましい。
【0033】
熱処理工程によれば、図1(f)の熱処理中〜熱処理後の被めっき物の表面状態図に示すように、カチオン化処理工程を経た高分子繊維材料の表面とこれに吸着・結合したPdとの間のファンデルワールス力及びクーロン力が維持された状態で、その高分子繊維材料の表面が開いてそこにPdが入り込む。従って、ファンデルワールス力及びクーロン力の両者が存在しない状態で熱処理が行われた場合に比べて、本実施形態の場合における、めっきの核となるPdは、その高分子繊維材料の分子間に吸着力・結合力が存在する状態で入り込む。そして、熱処理が終了すると温度が下がり、高分子繊維材料の開いた分子が閉じる。すると、Pdと高分子繊維材料との間でのファンデルワールス力及びクーロン力が維持された状態、すなわち、めっきが施されたときにそのめっきの密着性を向上させる状態でPdが高分子繊維材料の分子中に取り込まれたことになる。従って、後述するめっき処理によって施されるめっきの密着性を向上させる。尚、熱処理工程により、Pdが酸化されるとPdの触媒活性が失われるので、以下に説明する再活性化のための処理(第二Sn−Pd触媒浸漬工程)がなされる。
【0034】
(15)第二Sn−Pd触媒浸漬工程
第二Sn−Pd触媒浸漬工程は、上記(9)第一Sn−Pd触媒浸漬工程と同様の工程であるが、詳細な条件は、第一Sn−Pd触媒浸漬工程の条件と同一とする必要はなく適宜変更しうる。
第二Sn−Pd触媒浸漬工程によれば、図1(g)の第二Sn−Pd触媒浸漬処理後の被めっき物の表面状態図に示すように、熱処理で不活性化されたPd(高分子繊維材料に取り込まれたPd)が再活性化されるとともに、高分子繊維材料の表面にPdとSnとからなるアニオンがファンデルワールス力により吸着する。
【0035】
(16)水洗工程
上記(2)と同様の水洗工程であるが、詳細な水洗条件は同一とする必要はなく、適宜変更しうる。
【0036】
(17)第二アクセレーター処理工程
第二アクセレーター処理工程は、上記(11)第一アクセレーター処理工程と同様の工程であるが、詳細な条件は、第一アクセレーター処理工程の条件と同一とする必要はなく適宜変更しうる。
第二アクセレーター処理工程によれば、図1(h)のアクセレーター処理後の被めっき物の表面状態図に示すように、高分子繊維材料の表面にPdがファンデルワールス力により吸着する。また、熱処理工程によって触媒活性が失われたPdが再活性化される。再活性化されたPdは、高分子繊維材料とファンデルワールス力とクーロン力によって吸着・結合している。従って、後述するめっき処理によって施されるめっきの密着性を向上させる。
【0037】
(18)水洗工程
上記(2)と同様の水洗工程であるが、詳細な水洗条件は同一とする必要はなく、適宜変更しうる。
【0038】
(19)めっき工程(無電解めっき又は電気めっき)
めっき工程は、高分子繊維材料を無電解めっき又は電気めっきし、当該高分子繊維材料に金属皮膜を形成させる工程である。
めっき工程によれば、図1(i)の無電解又は電気めっき処理後の被めっき物の表面状態図に示すように、ファンデルワールス力及び/又はクーロン力によって高分子繊維材料の分子間・表面に吸着・結合したPd上にめっき皮膜が形成される。特に、高分子繊維材料の分子間に入り込んだPdは、ファンデルワールス力及びクーロン力によって強固に高分子繊維材料に固定されているため、このPdを核としてめっき皮膜が形成されると、そのめっきの密着性を向上させる。従って、上記(7)カチオン処理工程及び上記(14)熱処理工程がなされていないものに比べて、密着性の良好なめっき皮膜が得られる。
【0039】
ここで、無電解めっきは、触媒活性の高いPd表面で、めっき液に含まれる還元剤が酸化されるときに放出される電子により、めっき液に含まれる金属イオンを還元し、その金属を金属皮膜として被めっき物に析出させる方法である。素材の形状や種類にかかわらず均一な厚みの皮膜が得られる。
本実施形態において使用可能な無電解めっきとしては、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき、無電解銀めっきが好適な例として挙げられるが特に限定されない(表4、表5参照)。
【0040】
また、電気めっきは、触媒活性の高いPd表面で、被めっき物を電極として通電することにより、めっき液に含まれる金属イオンを還元し、その金属を金属皮膜として被めっき物に析出させる方法である。
本実施形態において使用可能な電気めっきとしては、電気銅めっき、電気ニッケルめっき、電気銀めっき、電気金めっき、電気Snめっきが好適な例として挙げられるが特に限定されない(表4、表5参照)。
【0041】
(20)水洗工程
上記(2)と同様の水洗工程であるが、詳細な水洗条件は同一とする必要はなく、適宜変更しうる。
【0042】
(21)乾燥工程
乾燥工程は、水洗工程を経た高分子繊維材料を乾燥させる工程である。乾燥方法は、温風乾燥でよいがこれに限定されない。尚、かせ巻きの場合には温風乾燥を、リール・トゥー・リールの場合にはドラム乾燥を、それぞれ用いるとよい。更に、遠心乾燥、真空乾燥も採用しうる。
【0043】
以上説明した、第一の実施形態に係る(1)〜(21)の工程を実施することにより、めっきされた高分子繊維材料を得ることができる。
【0044】
次に、本発明の第二の実施形態に係る高分子繊維材料のめっき方法について説明する。
本発明の第二の実施形態に係る高分子繊維材料のめっき方法は、工程順に、(1)精練工程、(2)水洗工程、(3)乾燥工程、(4)プラズマ処理工程、(5)アルカリ処理工程、(6)水洗工程、(7)カチオン処理工程、(8)水洗工程、(9)第一Sn−Pd触媒浸漬工程、(10)水洗工程、(11)第一アクセレーター処理工程、(12)水洗工程、(13)乾燥工程、(14)熱処理工程、(15)第二Sn−Pd触媒浸漬工程、(16)水洗工程、(17)導体化処理工程、(18)水洗工程、(19)めっき工程(無電解めっき又は電気めっき)、(20)水洗工程、(21)乾燥工程、からなる。すなわち、本発明の第二の実施形態に係る高分子繊維材料のめっき方法は、第一の実施形態の第二アクセレーター処理工程に代えて、導体化処理工程を行うものであり、導体化処理以外は、第一の実施形態と同様であるので(ただし、めっき方法として用いるのは電気めっきのみ)、以下では、導体化処理工程について説明する。
【0045】
(17)導体化処理工程は、高分子繊維材料を導体化処理液に浸漬することにより、当該高分子繊維材料に導電性皮膜を形成させることにより、当該高分子繊維材料を導体化する工程である。
本実施形態において形成させる導電性皮膜としては、銅皮膜(図2(h)の左側参照)、硫化パラジウム皮膜(図2(h)の右側参照)が好適な例として挙げられるが特に限定されない。
導体化処理工程によれば、図2(h)の導体化処理後の被めっき物の表面状態図に示すように、高分子繊維材料の分子間・表面にPdが吸着・結合した状態で、その上に導電性皮膜(銅皮膜又は硫化パラジウム被膜)が形成される。尚、導電性皮膜は、上記(15)第二Sn−Pd触媒浸漬工程により再活性化されたPdが高分子繊維材料とファンデルワールス力とクーロン力によって吸着・結合した状態で形成される。従って、後述するめっき処理によって施されるめっきの密着性が損なわれることはない。
【0046】
尚、導電性皮膜として薄く銅や硫化パラジウムをつける場合には、表4又は表5に記載の導体化処理液を用いることができる。高分子繊維材料(被めっき物)をこれらの導体化処理液に浸漬することにより、当該高分子繊維材料には薄い銅皮膜や硫化パラジウム皮膜が形成される(導体化処理)。
【実施例】
【0047】
以下、各種の高分子繊維を用いて、本実施形態に係るめっき方法を実施したのでそれについて説明する。
(めっき処理)
表1〜表4は、各々、実施例及び比較例で用いた高分子繊維、実施した各工程、並びに、テープテストの結果をまとめて示す。また、表1〜表4に示す各工程で用いた処理液を表5及び表6にまとめて示す。
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【0051】
【表4】

【0052】
【表5】

【0053】
【表6】

【0054】
表1及び表3に示す実施例1〜5は、各表記載の高分子繊維を被めっき物として用いて、実施例1〜4については表1に示す工程1〜工程21、実施例5については表3に示す工程4〜21、すなわち、精練工程→水洗工程→乾燥工程(実施例5については精練工程→水洗工程→乾燥工程は無し)→プラズマ処理工程→アルカリ処理工程→水洗工程→カチオン処理工程→水洗工程→第一Sn−Pd触媒浸漬工程→水洗工程→第一アクセレーター処理工程→水洗工程→乾燥工程→熱処理工程→第二Sn−Pd触媒浸漬工程→水洗工程→第二アクセレーター処理工程(実施例3〜4は、第二アクセレーター処理に代えて導体化処理)→水洗工程→めっき工程→水洗工程→乾燥工程、を行ったものである。
表2及び表3に示す比較例1〜5は、プラズマ工程又は熱処理工程を行わなかった以外は、それぞれ、実施例1〜5と同様の工程を行ったものである(比較例1−a〜5−aがプラズマ処理工程無しのものであり、比較例1−b〜5−bが熱処理工程無しのものである)。尚、表1〜表3のプラズマ処理において、5分×2とあるのは、高分子繊維の上下の向きを逆にして同じ事を二度繰り返したことを意味している。
表4に示す実施例6〜7は、同表記載のカーボン繊維を被めっき物として用いて、工程4,工程7〜21、すなわち、プラズマ処理工程→カチオン処理工程→水洗工程→第一Sn−Pd触媒浸漬工程→水洗工程→第一アクセレーター処理工程→水洗工程→乾燥工程→熱処理工程→第二Sn−Pd触媒浸漬工程→水洗工程→第二アクセレーター処理工程(実施例7は、第二アクセレーター処理に代えて導体化処理)→水洗工程→めっき工程→水洗工程→乾燥工程、を行ったものである。
表4に示す比較例6−a〜7−bは、プラズマ工程又は熱処理工程を行わなかった以外は、それぞれ、実施例6〜7と同様の工程を行ったものである(比較例6−a〜7−aがプラズマ処理工程無しのものであり、比較例6−b〜7−bが熱処理工程無しのものである)。
【0055】
実施例及び比較例において、被めっき物の前処理(工程1〜工程20)や無電解めっき(工程21)は、図3に示す前処理槽1又は無電解めっき槽2を用いて、PVC製ローラー3,4に被めっき物5を巻回し、必要に応じて、被めっき物5を巻き取りながら、被めっき物5を所定温度で所定時間浸漬(PVC製ローラー3,4全体を全て液中に浸漬)することにより行った。各工程における条件は表1〜表3に示した通りである。スリット6は、PVC製ローラー3,4を上下させるためのスリットである。
【0056】
一方、被めっき物の電気めっき(工程21)は、図4に示す電気めっき槽7を用いて行った。電気めっき槽7には、陽極板8,9(銅めっきの場合には銅板、銀めっきの場合は銀板)がめっき液に浸るように設けられ、陽極板8,9は、整流器(図示省略)のプラス端子にリード線(銅線)で接続される。SUS製(SUS304製)給電ローラー10は、ギアヘッド11及びモーター12が取り付けられており、SUS製給電ローラー10は、整流器(図示省略)のマイナス端子にリード線(銅線)で接続される。そして、PVC製ローラー4,SUS製給電ローラー10に被めっき物5を巻回し、必要に応じて、被めっき物を巻き取りながら、被めっき物5を所定温度で所定時間浸漬(PVC製ローラー4のみを液中に浸漬)、及び、通電することにより電気めっきを行った。各工程における条件は表1〜表3に示した通りである。
【0057】
(テープテスト)
実施例及び比較例で得られためっき付き高分子繊維に市販のセロハンテープを貼り付けて、そのセロハンテープを引き剥がした。実施例1〜5は、セロハンテープに金属の付着はなかったが、比較例1−a〜5−bはいずれも部分的に又は全面のめっきが剥がれ、セロハンテープに金属の付着があった。特に、実施例1〜5と比較例1−a〜5−bは、プラズマ処理工程又は熱処理工程の有無が異なるのみであるが、これらいずれかの工程の有無が異なることによってかかる結果が得られた。従って、プラズマ処理工程及び熱処理工程を両者行うことで、めっきの被めっき物との密着性を向上させるのに多大な効果があることがわかった。
実施例6〜7、比較例6−a〜6−b,7−bは、いずれもセロハンテープに金属の付着はなかったが、比較例7−aは、部分的にめっきが剥がれ、セロハンテープに金属の付着があった。これらのことから、カーボン繊維の場合、実施例6と比較例6−a〜6−bとの比較では、プラズマ処理工程及び熱処理工程を両者行うことによる明確な効果は顕著ではなかったが、実施例7と比較例7−a〜7−bとの比較から特にプラズマ処理の実施がめっきの被めっき物との密着性を向上させる作用があることを確認できた。
【0058】
(その他)
アルミナ繊維を用いてプラズマ処理を行ったところ、水濡れ性が著しく向上することを確認できた。そこで、アルミナ繊維を被めっき物として各実施例と同様の手順でめっきを行ったところ、密着性に優れためっき皮膜が得られることがわかった。
以上のことから、本発明は、高分子繊維材料に適用しうることが確認できた。
【0059】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。上記実施形態においては、第二Sn−Pd触媒浸漬工程を行う前にはカチオン処理を行わない例を示したが、第二Sn−Pd触媒浸漬工程を行う前にカチオン処理を行ってもよい。これにより、更にめっきの被めっき物との密着性を更に向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明に係る高分子繊維材料のめっき方法及び高分子繊維材料の製造方法は、めっきの密着性を向上させるとともに、炭酸ガスを使用しないため環境に優しく、高価な設備や原料を使用しないため廉価に実施できる。従って、本発明に係る高分子繊維材料のめっき方法及び高分子繊維材料の製造方法は、高分子繊維材料関連メーカー、その他の各種産業界において、産業上利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る高分子繊維材料のめっき方法を実施した場合における被めっき物の表面状態を模式的に示した図である。
【図2】本発明の第二の実施形態に係る高分子繊維材料のめっき方法を実施した場合における被めっき物の表面状態を模式的に示した図(図1と異なる部分を示した図)である。
【図3】実施例及び比較例において、被めっき物を前処理槽又は無電解めっき槽で処理する状況を説明するための概略図である(左側が側面概略図、右側が正面概略図)。
【図4】実施例及び比較例において、被めっき物を電気めっき槽で処理する状況を説明するための概略図である(左側が側面概略図、右側が正面概略図)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子繊維材料をプラズマ処理するプラズマ処理工程と、
前記プラズマ処理工程を経た高分子繊維材料Aをカチオン系界面活性剤溶液に浸漬するカチオン処理工程と、
前記カチオン処理工程を経た高分子繊維材料BをPdとSnのコロイド溶液に浸漬する第一Sn−Pd触媒浸漬工程と、
前記第一Sn−Pd触媒浸漬工程を経た高分子繊維材料Cを酸溶液に浸漬する第一アクセレーター処理工程と、
前記第一アクセレーター処理工程を経た高分子繊維材料Dを120℃〜180℃に所定時間保持する熱処理工程と、
前記熱処理工程を経た高分子繊維材料EをPdとSnのコロイド溶液に浸漬する第二Sn−Pd触媒浸漬工程と、
前記第二Sn−Pd触媒浸漬工程を経た高分子繊維材料Fを酸溶液に浸漬する第二アクセレーター処理工程と、を備えたことを特徴とする高分子繊維材料のめっき方法。
【請求項2】
前記第二アクセレーター処理工程に代えて、前記第二Sn−Pd触媒浸漬工程を経た高分子繊維材料Fを導体化処理液に浸漬する導体化処理工程を備えたことを特徴とする請求項1に記載の高分子繊維材料のめっき方法。
【請求項3】
更に、前記第二アクセレーター処理工程又は前記導体化処理工程を経た高分子繊維材料Gを無電解めっき又は電気めっきするめっき工程を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の高分子繊維材料のめっき方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の高分子繊維材料のめっき方法を使用することを特徴とする高分子繊維材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−59532(P2010−59532A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319314(P2008−319314)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(308026621)サーフェス技研株式会社 (2)
【Fターム(参考)】