説明

高周波ウェルダなどのプレス加工機における安全装置

【課題】
より安全な、高周波ウェルダなどのプレス加工機における安全装置を実現する。
【解決手段】
受台1上に被加工物Aを載置し、その上方から加圧部材2によって押圧するプレス加工機において、加圧部材2を含む昇降フレーム3を直列的に配置する押圧シリンダ4と安全シリンダ5の二種類のシリンダによって支持する。安全シリンダ5は、昇降フレーム3全体の重量よりも小さな力で昇降フレーム3を上方に持ち上げる方向に付勢する。これにより、作業者の手指などの異物Bを挟んだ状態で押圧シリンダ6が伸張しても、安全シリンダ5が昇降フレーム3を上方に持ち上げるように作用し、押圧シリンダ6による押圧力だけでなく、昇降フレームの全重量がかかることがなく安全である。安全シリンダ5のストローク変化や、昇降フレーム3の昇降位置を検知し、これを組み合わせることによって安全かつ能率的に作業を進める制御を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製シート材の溶着加工を行う高周波ウェルダなどのプレス加工機において、プレス加工時に作業者が加圧部材の下に手指を挟んだ場合などに、大きな力が作用しない安全装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製シート材を用いて、テントなどの製品を加工する場合に、高周波誘電加熱による加熱と同時に加圧することによって溶着加工を行う高周波ウェルダが広く使用されている。高周波ウェルダの一般的な加工形態として、下部電極となる受台上に被加工物をセットし、上部電極となる加圧部材(上型)で溶着するべき部分を押圧し、押圧状態で高周波電流を印加することによって溶着加工を完了させる。すなわち、作業者は加工工程において、定盤上に被加工物をセットする作業を行い、かつ加圧部材で押圧する工程が必要であるため、加圧部材の下に誤って手指を挟む危険性があった。
上記、危険性を回避するため、特許文献1や特許文献2に開示される安全装置が工夫されている。
【特許文献1】特開平4−18327号公報
【特許文献2】特開平7−246656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示される従来技術は、本出願人が開発したものである。特許文献1に開示されている発明は、加圧部材を含む支持フレーム(昇降フレーム)全体を押圧シリンダのピストンロッドに支持させるとともに、支持フレームがピストンロッドの一定範囲を遊動可能な状態に支持するように構成したものである。この発明では、作業者が手指を挟んだ場合であっても、直ちに押圧シリンダによる押圧力が作用することがない。
特許文献2に開示される従来技術は、プレス(昇降フレーム)を下降させる際に押圧シリンダの空気圧を大気解放とし、プレスが自重によって降下するようにしたものである。
【0004】
特許文献1及び2に開示される先行技術は、いずれも作業者が手指を挟んだ場合に直ちに押圧シリンダによる押圧力が作用しない点で有効である。しかしながら、いずれの先行技術の場合にも、加圧部材の下に挟んだ作業者の手指には、加圧部材を含む昇降フレーム全体の重量がかかる。すなわち昇降フレーム全体の重量が大きな場合は、完全に安全が確保されるものではなかった。
上記、従来技術の欠点に鑑み、本発明は昇降フレームの下に挟んだ作業者の手指などの異物に、昇降フレーム全体の重量がかからない、より安全な装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、受台1上に被加工物を載置し、その上方から加圧部材によって押圧する高周波ウェルダなどのプレス加工機において、加圧部材2を含む昇降フレーム3を、直列的に配置する押圧シリンダ4と安全シリンダ5の二種類のシリンダによって支持する。そして、安全シリンダ5は昇降フレーム3全体の重量よりも小さな力で昇降フレーム3全体を上方に持ち上げる方向に付勢する一定ストロークのシリンダとする。
【0006】
請求項2記載の発明は、昇降フレーム3を上方に付勢する安全シリンダ5の付勢力が、昇降フレーム3全体の重量を超えない範囲で昇降フレーム3全体の重量とほぼ等しい力とするものである。
請求項3記載の発明は、昇降フレーム3の下降過程において、安全シリンダ5のストロークの縮まり位置を検出する検出手段を設けたもの、請求項4記載の発明は、安全シリンダ5のストロークの縮まり位置を検出する検出手段を設けるとともに、昇降フレームの下降過程において受台と加圧部材の間隔を検出する検出手段を設けるものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、昇降フレーム3を下降させたときに、作業者が誤って加圧部材2の下に手指を挟んだり、異物が挟まったりした状態で昇降フレーム3が下降を続けても、昇降フレーム3には安全シリンダ5による上方への付勢力が作用しているため、昇降フレーム3の全重量が作用することがない。具体的には、昇降フレーム3の全重量と安全シリンダの上方への付勢力の差に相当する小さな荷重のみが作用し、従来の安全装置よりも一層安全である。
【0008】
請求項2記載の発明は、昇降フレームを上方に付勢するシリンダの付勢力を、昇降フレーム全体の重量とほぼ等しくすることであるが、このような条件とすることによって加圧部材2の下に挟んだ作業者の手指には、ほとんど荷重が掛からないものとなる。
【0009】
請求項3記載の発明によれば、昇降フレーム3の下降位置を検出することによって、最終的な押圧の前に改めて安全確認を行うことができる。特に、昇降フレーム3の下降過程において、安全シリンダ5のストロークの縮まり位置を検出することにより、昇降フレーム3が押圧開始位置に下降したことや、加圧部材2の下に作業者の手指などの異物が挟まれた状態であるか否かを容易に感知することができる。
【0010】
請求項4記載の発明によれば、受台1と加圧部材2の間隔を検出することによって、昇降フレーム3の下降過程において、安全シリンダ5のストロークの縮まり位置を検出する以前に、受台1と加圧部材2の間隔が手指を詰める可能性のある寸法よりも接近していることを検知し、安全装置の働きを遮断することができる。これにより、安全装置の作動による作業の中断を回避し、例えば一人の作業者が、プレス作業を安全かつ能率的に進めることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る高周波ウェルダなどのプレス加工機における安全装置の実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。
図1ないし図4は、高周波ウェルダの正面図で、図1は作動前の状態、図2は昇降フレームを下降させ、被加工物を挟んだセット状態、図3は被加工物を加圧した作動状態、図4は手指などの異物が挟まった状態を示している。図5は、昇降フレームと押圧シリンダによる押圧部との相対位置を検出する位置検出部分の正面図である。
【0012】
図1に示す高周波ウェルダは、下部電極となるとともに、被加工物をセットする作業台ともなる受台1の上方に、上部電極となるとともに溶着の金型となる加圧部材2を備えた昇降フレーム3が配置されている。昇降フレーム3は、押圧シリンダ4によって昇降駆動され、受台1上に載置される被加工物Aを、加圧部材2によって押圧する。具体的には、昇降フレーム3の上端に位置する押え板21を押圧シリンダ4によって押圧するとともに、押え板21と電極ホルダ9を支持しているホルダ支持板22の間に、絶縁体20を介在させて支持し、昇降フレーム3全体を押圧シリンダ4によって昇降駆動させている。このように、高周波電極となる加圧部材と、押圧シリンダによる押圧機構との間に絶縁手段を設けることによって、機械的な押圧機構への高周波電流の影響を回避している。
【0013】
昇降フレーム3は、押圧シリンダ4のピストンロッド6に連結されるものであるが、本発明は、押圧シリンダ4と直列的に配列した安全シリンダ5によって昇降フレーム3を支持する。安全シリンダ5には、昇降フレーム3全体の重量よりも小さな力で、昇降フレーム3を上方に持ち上げる方向の力を常時作用させる。すなわち、安全シリンダ5は昇降フレーム3の一部に固定し、そのピストンロッド7は、押圧シリンダ4のピストンロッド6に連結する。具体的には、押圧シリンダ4のピストンロッド6先端に押圧片8を装着し、この押圧片8に安全シリンダ5のピストンロッド7を連結する。
【0014】
昇降フレーム3は、押型(上型)であり上部電極となる加圧部材2を着脱自在に保持する電極ホルダ9を備えるとともに、昇降フレーム3の上面に固定したロッド11が、本体フレームに固定したガイド筒10に沿って摺動することによって正確に上下動を行う。昇降フレーム3の上端面である押圧板21には、安全シリンダ5を上方に向けて固定するための取付け台12を設け、上端に配置した固定板13の下面に安全シリンダ5を固定し、固定板13を貫通させてピストンロッド7を上方に突出させ、押圧シリンダ4のピストンロッドの先端に位置する押圧片8に固定している。
【0015】
図1に示す高周波ウェルダによって溶着作業を行うには、作業者が受け台1上に被加工物をセットし、押圧シリンダ4を伸ばして昇降フレーム3を下降させると、図2に示すように加圧部材2が被加工物Aに当接する。この状態では、安全シリンダ5の力が昇降フレーム3を持ち上げる方向に作用しているため、被加工物Aに対して軽い力、すなわち昇降フレーム3の重量と安全シリンダ5による上方への付勢力の差が、荷重として作用する。
【0016】
図2に示す状態で、安全確認を行った上でスイッチを押してプレス作業を続けると、押圧シリンダのピストンロッド6がさらに伸張する。ピストンロッド6が伸張すると、図3に示すように、安全シリンダ5のストロークSが吸収される。
安全シリンダ5のストロークが吸収されると、押圧シリンダ4のピストンロッド6に固定した押圧片8が、安全シリンダ5の固定板13の上面に当接し、さらにピストンロッド6が伸張されると、押圧シリンダ4の押圧力が昇降フレーム3に伝えられる。すなわち、安全シリンダ5の固定板13が受圧面となって昇降フレーム3が押圧され、その押圧力が加圧部材2に作用し、被加工物Aを押圧する。このとき、受台1と加圧部材2の間に高周波電流を印加し、高周波誘電加熱によって被加工物Aを加熱することによって、被加工物は図3に示すように溶着される。
【0017】
昇降フレーム3の下降過程において、作業者の手指などの異物Bが受台1と加圧部材2の間に挟まれると、図4に示すように昇降フレーム3の加圧部材2が異物Bに当接し、押圧シリンダ4のピストンロッド6が伸ばされても、昇降フレーム3が下降せずに安全シリンダ5のストロークで吸収される。このとき、手指などの異物Bには、昇降フレーム3の全重量ではなく、昇降フレーム3の重量と安全シリンダ5による上方への付勢力の差のみが作用する。そのため、例え手指を挟むことがあっても、また昇降フレーム3の全重量が大きなものであっても、その全荷重が手指などの異物Bにかかることがなく、安全を確保することができる。
【0018】
このとき、安全シリンダ5の伸縮力を昇降フレーム3の重量とほぼ等しいものに設定することによって、挟んだ手指に掛かる荷重をゼロに近づけることができる。もっとも、安全シリンダ5の力が大き過ぎると、それによって昇降フレーム3が持ち上げられてしまうため、昇降フレーム3の全重量よりも小さい力であることが必要であり、かつ、昇降フレーム3の全重量とほぼ等しい力とすることによって、手指を挟んだときに掛かる荷重をゼロに近づけ、より安全なものとすることができる。
現実には受台1上にセットした被加工物Aが、ずれることなく、正常な位置関係を維持した状態で溶着する必要がある。したがって、昇降フレーム3の重量と安全シリンダ5の伸縮力の差に起因する荷重は、被加工物Aを軽く押さえつけることができ、かつ安全が確保できる程度であるのが好ましい。
【0019】
本発明に係る安全装置は、安全シリンダ5のストローク変化や、昇降フレーム3の昇降位置を検出する検出手段を設けることによって、有効に活用することができる。本発明を有効に活用する検出手段は種々考えられるが、図5に検出手段の一例を示している。図5に示す検出手段は、安全シリンダの取付け台12にリミットスイッチ14を、押圧シリンダの押圧片8に当たり片15を設け、安全シリンダ5のストロークの変化を検出することによって、押圧シリンダ4による押圧力が作用する直前であることを感知する。
【0020】
安全シリンダ5のストロークSの変化は、図2に示すように加圧部材2が被加工物Aや受台1に当接した状態、及び加圧部材2が異物Bに当接した状態のいずれの場合をも検出する。したがって、作業者は、リミットスイッチ14による検出を、安全確認の最終信号と認識し、リミットスイッチ14の信号によって被加工物のセット状態や、異物が挟まれていないことを確認し、最終のプレススイッチを押すように利用することができる。
【0021】
上記安全装置を利用したプレス作業では、最終的に安全確認を行った上でプレス作業を行うため、作業が中断する欠点がある。これに対して、別の位置検出手段を組み合わせることによって、上記欠点を解消することができる。すなわち、受台1と昇降フレーム3の隙間、換言すれば昇降フレーム3の昇降位置を検出し、この検出信号と前記安全シリンダ5のストローク変化の信号を組み合わせることによって、連続的な作業を、例えば一人の作業者によって安全に進めることが可能となる。
【0022】
図6の(a)に示すように、加圧部材2が下降して受台1に接近したときに、点線で示すように受台1と加圧部材2の隙間Xが、手指を挟む可能性のない十分小さな隙間となったときに安全装置のスイッチを遮断し、安全シリンダ5のストロークS変化にかかわらず昇降フレーム3の下降を続け、作業を継続させる。
このような設定であれば、受台1と加圧部材2の間に手指を挟んだ場合は、加圧部材2が、設定された寸法である隙間Zよりも小さくなることがないため安全装置が働き続け、安全シリンダ5のストロークSの変化を検出することによって、異物を挟んだことを検出する。手指などの異物を挟んだことを検出した場合は、昇降フレーム3の下降を停止し、昇降フレーム3を直ちに上昇させて安全を確保する。
【0023】
高周波ウェルダなどのプレス加工機によるプレス作業に際して、図6の(b)に示すように、高さYの置き型16を使用する場合がある。置き型16は、被加工物Aの上に載置し、加圧部材2によって置き型16を押圧する。この場合、置き型16と加圧部材2の間に手指を挟む危険性がある。そのため、安全確認のために置き型16と加圧部材2との隙間Xが、手指を挟む可能性のない十分小さな隙間となったときに、安全装置のスイッチを遮断し、安全シリンダのストロークS変化にかかわらず昇降フレーム3の下降を続け、作業を継続することができるようにする。換言すれば、受台1からX+Yの位置で安全装置のスイッチを遮断する。
【0024】
1台の高周波ウェルダなどのプレス加工機において、置き型を使用しない作業と、置き型16を使用する作業を使い分けることができるようにするには、二つの検出手段を設け、適用する検出手段に切り替えて作業をする。その際、適用する検出手段を誤って選択することによって、手指を挟んでも安全装置が機能しない可能性が生じる。
【0025】
すなわち、図6の(a)に示す置き型を使用しない設定で置き型16を使用すると、加圧部材2が下降した時に置き型16を異物と判断して安全装置が働き、プレス作業を進行させることができない。逆に、図6の(b)に示す置き型を使用する設定で置き型を用いないで使用すると、加圧部材2が受台1からX+Yの位置で安全装置のスイッチを遮断しているため、手指を挟んでも安全装置が作動しない。この事態を回避するには、安全装置のスイッチが切れている状態で一定寸法以上降下したときに、再度安全スイッチを作動させる。
【0026】
具体的には、置き型16の高さYと隙間Xを加えた、Y+Xの位置で遮断されている安全スイッチを、置き型16の高さを通過し、加圧代Zを通過する位置を検知したとき、すなわち受台1からY-Zの位置で安全スイッチを再度作動させる。加圧代Zは、置き型を使用する作業において、被加工物Aの高さが変化する可能性のある最大値である。このとき、加圧部材2と受台1との間隔Y-Zが、手指を挟む可能性のある寸法よりも大きな寸法に設定しておく。
【0027】
図7及び図8は、受台1に対する加圧部材2の位置を検知する、検知装置の一例を示すものである。図示実施形態の検知装置は、プレス加工機の本体17の定位置にリミットスイッチ18を配置するとともに、該リミットスイッチ18を作動させる検知用ドグ19を昇降フレーム3に固定している。これにより、本体17に対する昇降フレーム3の昇降位置を検出することができる。
【0028】
検知するべき昇降フレーム3の昇降位置は、一台の高周波ウェルダなどのプレス加工機において、置き型を使用する場合と使用しない場合とでは異なる。その場合、検知用ドグ19の検知位置の設定を変更して使用することもできるが、二つの検知装置を配置しておき、適用する検知装置を切り替えて使用するのが便利である。図8には、昇降フレーム3に検知用ドグ19と19’を固定するとともに、本体にリミットスイッチ18と18’を配置する思想を開示している。
【0029】
図8において、検知用ドグ19とリミットスイッチ18の組み合わせは、置き型を使用しない場合の検知装置を示している。置き型を使用しない場合に、昇降フレーム3が降下し、リミットスイッチ18の検知部が検知用ドグ19のa点に達すると、安全装置のスイッチが遮断され、昇降フレーム3は降下を続け、被加工物を加圧する。a点から更に降下可能な寸法は、加圧部材2が受台1に当たるため僅かであり、リミットスイッチ18の検知部が検知用ドグ19のb点に達することはない。間違って、置き型を使用した場合は、安全装置が作動して安全シリンダ5のストローク変化を検知した時点で昇降フレーム3が上昇する。
【0030】
検知用ドグ19’とリミットスイッチ18’の組み合わせは、置き型を使用する場合の検知装置を示している。置き型を使用する作業において昇降フレーム3が下降し、リミットスイッチ18’の検知部が検知用ドグ19’のa’点に達すると安全装置のスイッチが遮断され、昇降フレーム3は下降を続ける。a’点から更に下降可能な寸法は、加圧部材2が置き型に当たるため僅かであり、リミットスイッチ18’の検知部が検知用ドグ19’のb’点に達することはない。しかしながら、間違って置き型が使用されていないと、昇降フレーム3が下降を続け、リミットスイッチ18’の検知部が検知用ドグ19’のb’点を検知する。リミットスイッチ18’の検知部が検知用ドグ19’のb’点を検知した時点で安全装置のスイッチを働かせる。この状態では、昇降フレーム3が下降を続け、安全シリンダ5のストローク変化を検知した時点で安全装置が作動し、昇降フレーム3が上昇する。
すなわち、二組の検知装置の設定を誤った場合は、いずれの場合であっても加圧操作を行うことができず、安全を確保することができる。
【0031】
本発明を実施する上において、押圧シリンダ4と安全シリンダ5は、その伸縮関係が直列的に配置されているものであればよく、例えば一本の押圧シリンダに対して複数の安全シリンダで昇降フレームを支持するようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、作動前の状態を示す高周波ウェルダの正面図、
【図2】図2は、被加工物をセットし、昇降フレームを下降させた状態を示す高周波ウェルダの正面図、
【図3】図3は、被加工物を加圧した作動状態を示す高周波ウェルダの正面図、
【図4】図4は、手指などの異物が挟まった状態を示す高周波ウェルダの正面図、
【図5】図5は、昇降フレームと押圧シリンダによる押圧部との相対位置を検出する位置検出部の正面図、
【図6】図6は、置き型を使用する場合と使用しない場合の、受台と押圧部材との位置関係を示す略図、
【図7】図7は、受台に対する加圧部材の位置を検知する、検知装置の側面図、
【図8】図8は、二つの検知装置を設ける場合の概念図である。
【符号の説明】
【0033】
1…受台、 2…加圧部材、 3…昇降フレーム、 4…押圧シリンダ、 5…安全シリンダ、 6,7…ピストンロッド、 8…押圧片、 9…電極ホルダ 10…ガイド筒、 11…ロッド、 12取付け台、 13…固定板、 14…リミットスイッチ、 15…当たり片、 16…置き型、 17…本体、 18…リミットスイッチ、 19…検知用ドグ、 20…絶縁体、 21…押え板、 22…ホルダ支持板、 A…被加工物、 B…異物、 S…ストローク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受台上に被加工物を載置し、その上方から加圧部材によって押圧するプレス加工機において、加圧部材を含む昇降フレームを直列的に配置する押圧シリンダと安全シリンダの二種類のシリンダによって支持し、安全シリンダは昇降フレーム全体の重量よりも小さな力で昇降フレーム全体を上方に持ち上げる方向に付勢する一定ストロークのシリンダであることを特徴とする高周波ウェルダなどのプレス加工機における安全装置。
【請求項2】
昇降フレームを上方に付勢するシリンダの付勢力が、昇降フレーム全体の重量を超えない範囲で、昇降フレーム全体の重量とほぼ等しい力であることを特徴とする請求項1記載の高周波ウェルダなどのプレス加工機における安全装置。
【請求項3】
昇降フレームの下降過程において、安全シリンダ5のストロークの縮まり位置を検出する検出手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の高周波ウェルダなどのプレス加工機における安全装置。
【請求項4】
昇降フレームの下降過程において、受台と加圧部材の間隔を検出する検出手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の高周波ウェルダなどのプレス加工機における安全装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−44730(P2007−44730A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−231808(P2005−231808)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(390024394)山本ビニター株式会社 (16)
【Fターム(参考)】