説明

高周波制御装置

【課題】高周波電圧の位相を高精度、高安定に制御することができる高周波制御装置の提供。
【解決手段】ディジタル位相信号を正弦波の振幅ディジタル信号に変換する変換器2により変換された正弦波の振幅ディジタル信号をアナログ信号に変換するDAコンバータ3と、3の出力であるアナログ信号を増幅する増幅器4と、4からの出力を入力して電圧に変換し、荷電粒子を加速する加速空洞5と、5に発生する電圧と、電圧によって加速される荷電粒子の電流との位相差を検出する検出器31と、31の出力信号をディジタル信号に変換するADコンバータ32と、32の出力信号を入力し位相差を一定に制御するコントローラ33と、周波数信号を入力してディジタル位相信号を出力するシンセサイザ1と、33からの出力信号と、1から出力されるディジタル位相信号を加算したディジタル位相信号を、2に入力する加算器11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば荷電粒子を高周波電圧を用いて加速するシンクロトロンや、リニアック等の粒子加速器に係わり、特に荷電粒子を適切に加速するため高周波加速空洞に発生する高周波電圧の位相を制御する高周波制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、素粒子物理学分野や工学応用分野、および医療利用の分野において、荷電粒子をシンクロトロンや、リニアックといった高周波電圧を用いて加速する粒子加速器の応用分野が広がっている。
【0003】
このような高周波を利用した粒子加速器においては、粒子を適切に加速するためには加速電圧の位相を高精度かつ高安定に制御する必要がある。
【0004】
このため、高周波信号発生源にはディジタル技術を利用して正弦波を発生する、ディジタルダイレクトシンセサイザが適用されてきている。
【0005】
図9に従来のディジタルダイレクトシンセサイザを用いた高周波制御装置を持つシンクロトロン粒子加速器の装置構成の一例を示す。同図において、高周波制御装置はディジタルダイレクトシンセサイザ(DDS)1、ディジタルダイレクトシンセサイザ1より出力されるディジタル位相信号θD を正弦波の振幅ディジタル信号VRFD に変換する正弦波変換器2、前記正弦波の振幅ディジタル信号を高周波アナログ信号VRFA に変換するDAコンバータ3、アナログ位相制御量θA に応じて高周波アナログ信号の位相を制御する移相器21、移相器21の出力の高周波電力Pinを増幅する高周波増幅器4、高周波増幅器4の出力Pout を高周波電圧Vc に変換し荷電粒子を加速する、高周波加速空洞5より構成されている。
【0006】
ここで、移相器21のアナログ位相制御量θA は、高周波加速空洞5に発生する高周波電圧Vc と、高周波電圧Vc によって加速される荷電粒子の電流をCT6を用いて検出した電流IB との位相差を、検出器31を用いて検出し、アナログコントローラ22にて前記高周波加速空洞5に発生する高周波電圧Vc と、高周波電圧によって加速される荷電粒子の位相差が一定となるような値とする。
【0007】
次に図10に従来のアナログ加算器42を用いた任意の高周波信号を発生させる方法を示す。一例として基本周波数の高周波に基本周波数の2倍の周波数が重畳した高周波信号を得るための方法を示す。
【0008】
ディジタルダイレクトシンセサイザ(DDS1)11 より周波数fc でディジタル位相信号θD1を出力するディジタルダイレクトシンセサイザ11 と、ディジタル位相信号θD1を正弦波の振幅ディジタル信号VRFD1に変換する正弦波変換器21 と、前記正弦波の振幅ディジタル信号VRFD1を高周波アナログ信号VRFA1に変換するDAコンバータ31
ディジタルダイレクトシンセサイザ11 の2倍の周波数2fcでディジタル位相信号θD2を出力するディジタルダイレクトシンセサイザ(DDS2)12 、ディジタル位相信号θD2を正弦波の振幅ディジタル信号VRFD2に変換する正弦波変換器22 、前記正弦波の振幅ディジタル信号VRFD2を高周波アナログ信号VRFA2に変換するDAコンバータ32 、DAコンバータの出力である高周波アナログ信号を加算するアナログ加算器42、アナログ加算器の出力の高周波電力Pinを増幅する高周波増幅器4、高周波増幅器4の出力Pout を高周波電圧Vc に変換し荷電粒子を加速する、高周波加速空洞5より構成されている。
【0009】
ここで任意の高周波波形を得るためには、ディジタルダイレクトシンセサイザ、正弦波変換器、DAコンバータを多段に接続し、ディジタルダイレクトシンセサイザの周波数を2〜n倍にすることで任意の高周波波形を得ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記のような高周波制御装置においては、高周波信号の位相を制御する際、DAコンバータによって変換された高周波アナログ信号を例えば、移相器といったアナログ素子を用いて制御していた。このため、アナログ素子の温度特性や、周波数特性により、高精度、高安定に制御することが困難であった。
【0011】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、ディジタルダイレクトシンセサイザより出力されるディジタル位相信号にディジタル加算器を用いて位相制御量を加算することにより位相を制御できるため、例えば移相器といったアナログ素子を用いることなく高周波信号の位相制御が高精度、高安定に制御することが可能である。
【0012】
また、従来の技術では任意の高周波信号を発生させる際、DAコンバータによって変換された高周波アナログ信号を、アナログ加算器等を用いて加算することにより希望する波形を得ていた。しかしながら上記方法では、加算する高周波アナログ信号の周波数を増やさないと希望する波形を得られないことが多く、ディジタルダイレクトシンセサイザ、位相振幅変換器、DAコンバータの個数が増加する問題があった。加えて、アナログ加算器の温度特性、周波数特性により高精度、高安定に希望する高周波信号を得ることが困難であった。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、ディジタルダイレクトシンセサイザより出力されるディジタル位相信号をディジタル振幅信号に変換する位相振幅変換器に、ディジタル位相信号に対して任意の波形を発生する位相振幅変換器を具備することにより容易に任意の波形を発生させることが可能となる高周波制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を達成するために、請求項1に対応する発明は、ディジタル位相信号を正弦波の振幅ディジタル信号に変換する正弦波変換器と、前記正弦波変換器により変換された正弦波の振幅ディジタル信号を高周波アナログ信号に変換するDAコンバータと、前記DAコンバータの出力である高周波アナログ信号を増幅する高周波増幅器と、前記高周波増幅器からの出力を入力して高周波電圧に変換し、荷電粒子を加速する高周波加速空洞と、前記高周波加速空洞に発生する高周波電圧と、前記高周波電圧によって加速される荷電粒子の電流との位相差を検出する位相差検出器と、前記位相差検出器の出力信号をディジタル信号に変換するADコンバータと、前記ADコンバータの出力信号を入力し位相差を一定に制御するコントローラと、周波数信号を入力してディジタル位相信号を出力するディジタルダイレクトシンセサイザと、前記コントローラからの出力信号と、前記ディジタルダイレクトシンセサイザから出力されるディジタル位相信号を加算し、この加算したディジタル位相信号を、前記正弦波変換器に入力するディジタル加算器と、を具備したことを特徴とする高周波制御装置である。
【0015】
上記課題を達成するために、請求項2に対応する発明は、ディジタル位相信号を正弦波の振幅ディジタル信号に変換する正弦波変換器と、前記正弦波変換器により変換された正弦波の振幅ディジタル信号を高周波アナログ信号に変換するDAコンバータと、前記DAコンバータの出力である高周波アナログ信号を増幅する高周波増幅器と、前記高周波増幅器からの出力を入力して高周波電圧に変換し、荷電粒子を加速する高周波加速空洞と、周波数信号を入力してディジタル位相信号を出力するディジタルダイレクトシンセサイザと、高周波電圧に対する荷電粒子の位相差のパターン信号を記憶した記憶装置と、前記記憶装置で記憶した位相差のパターン信号と、前記ディジタルダイレクトシンセサイザからのディジタル位相信号とを加算し、この加算したディジタル位相信号を前記正弦波変換器に入力するディジタル加算器と、を具備したことを特徴とする高周波制御装置である。
【0016】
上記課題を達成するために、請求項3に対応する発明は、ディジタル位相信号を正弦波の振幅ディジタル信号に変換する正弦波変換器と、前記正弦波変換器により変換された正弦波の振幅ディジタル信号を高周波アナログ信号に変換するDAコンバータと、前記DAコンバータの出力である高周波アナログ信号を増幅する高周波増幅器と、前記高周波増幅器からの出力を入力して高周波電圧に変換し、荷電粒子を加速する高周波加速空洞と、前記高周波増幅器の出力電力を検出する電力検出器と、前記電力検出器の検出信号をディジタル信号に変換するADコンバータと、前記ADコンバータの出力信号を高周波増幅器の出力電力に対する位相変化量に変換する電力位相変換器と、前記電力位相変換器からの電力位相の出力を反転させ位相変化量を打ち消す値とする符合反転器と、周波数信号を入力してディジタル位相信号を出力するディジタルダイレクトシンセサイザと、前記ディジタルダイレクトシンセサイザからのディジタル位相信号と、前記符合反転器の出力とを加算し、この加算したディジタル位相信号を前記正弦波変換器に入力するディジタル加算器と、を具備したことを特徴とする高周波制御装置である。
【0017】
上記課題を達成するために、請求項4に対応する発明は、周波数信号を入力してディジタル位相信号を出力するディジタルダイレクトシンセサイザと、前記ディジタルダイレクトシンセサイザより出力されるディジタル位相信号を入力し、任意のディジタル振幅信号に変換する位相振幅変換器と、前記ディジタル振幅信号をアナログ高周波信号に変換するDAコンバータと、前記DAコンバータの出力である高周波アナログ信号を増幅する高周波増幅器と、前記高周波増幅器からの出力を入力して高周波電圧に変換し、荷電粒子を加速する高周波加速空洞と、を具備したことを特徴とする高周波制御装置である。
【0018】
上記課題を達成するために、請求項5に対応する発明は、周波数信号を入力してディジタル位相信号を出力するディジタルダイレクトシンセサイザと、前記ディジタルダイレクトシンセサイザより出力されるディジタル位相信号をディジタル振幅信号に変換するものであって、前記ディジタル位相信号に対するディジタル振幅信号を1対1で記憶した記憶装置と、前記記憶装置で記憶したディジタル振幅信号をアナログ高周波信号に変換するDAコンバータと、前記DAコンバータの出力である高周波アナログ信号を増幅する高周波増幅器と、前記高周波増幅器からの出力を入力して高周波電圧に変換し、荷電粒子を加速する加速空洞と、を具備したことを特徴とする高周波制御装置である。
【0019】
である。
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、前記高周波加速空洞に発生する高周波電圧と、高周波電圧によって加速される荷電粒子の位相差を位相差検出器にて検出し、ADコンバータによってディジタル信号に変換し、ADコンバータの出力ディジタル信号をコントローラに入力し、コントローラによって高周波加速空洞に発生する高周波電圧と、高周波加速空洞によって加速される荷電粒子の位相差を一定とする値を出力し、その出力を高周波加速空洞に発生する高周波電圧の位相を制御する位相制御量とすることで、高精度、高安定に高周波加速空洞に発生する電圧と荷電粒子の位相差を一定に制御することが可能となる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、高周波加速空洞に発生する高周波電圧と、高周波加速空洞によって加速される荷電粒子の位相差のパターン信号を記憶する記憶装置を具備し、位相制御量を前記位相パターン信号とすることで、高周波加速空洞に発生する高周波電圧と荷電粒子の位相差を、パターン信号に従って高精度、高安定に制御することが可能となる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、高周波増幅器の出力電力を検出する電力検出器と、電力検出器の検出信号をディジタル信号に変換するADコンバータと、ADコンバータの出力信号を高周波増幅器の出力電力に対する位相変化量に変換する位相振幅変換器を具備し、電力位相変換器の出力を反転させ位相変化量を打ち消す値を高周波加速空洞に発生する高周波電圧の位相を制御する位相制御量とすることにより、高周波増幅器出力電力に対する位相変化の補正を高精度、高安定に行うことが可能となる。
【0023】
請求項4、5に記載の発明によれば、ディジタルダイレクトシンセサイザより出力されるディジタル位相信号をディジタル振幅信号に変換する位相振幅変換器は、前記ディジタル位相信号に対して任意の波形を発生する位相振幅変換器とすることで、ディジタルダイレクトシンセサイザ、位相振幅変換器、DAコンバータの段数を増やすことなく任意の波形を得ることが可能となるばかりでなく、アナログ加算器を用いないため、高精度、高安定に任意の高周波波形を得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ディジタルダイレクトシンセサイザより出力されるディジタル位相信号にディジタル加算器を用いて位相制御量を加算することにより、位相シフタといったアナログ素子を用いることなく高周波電圧の位相を高精度、高安定に制御することができる。
【0025】
更に、本発明によれば、ディジタルダイレクトシンセサイザより出力されるディジタル位相信号を入力として、任意波形を出力する位相振幅変換器を用いることで、ディジタルダイレクトシンセサイザ、正弦波変換器、DAコンバータを多段に接続することなく、任意の高周波出力を高精度、高安定に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照し説明する。
【0027】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す図であり、図中、従来装置を示す図9と同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。図1の特徴は、ディジタルダイレクトシンセサイザ1より出力されるディジタル位相信号θD と高周波加速空洞5に発生する高周波電圧Vc の位相を制御する位相制御量θC を、ディジタル加算器11を用いて加算することにより高周波電圧Vc の位相を制御する。
【0028】
図2は、本発明の第2の実施形態を示す図で、高周波加速空洞5に発生する高周波電圧Vc と、高周波電圧Vc によって加速される荷電粒子の電流をCT6を用いて検出した電流IB との位相差を、検出器31を用いて検出し、検出された位相差信号ΔφをADコンバータ32によってディジタル信号に変換し、コントローラ33によって前記位相差が一定値となるようにθC を制御することで高周波加速空洞5に発生する高周波電圧Vc と、荷電粒子との位相差を一定に制御することができる。
【0029】
図3は、本発明の第3の実施形態を示す図である。高周波加速空洞に発生する高周波電圧Vc と、高周波電圧Vc によって加速される荷電粒子との位相差のパターン信号を、記憶装置34に記憶しておき、この位相パターン信号を位相制御量θC とすることで、高周波加速空洞に発生する高周波電圧Vc と荷電粒子の位相差パターンどおりに制御することが可能となる。図4に位相差のパターンの一例を示す図を表す。
【0030】
図5は、本発明の第4の実施形態を示す図である。図6に示すように高周波増幅器の出力電力Pout に対して位相ずれを生ずる。このずれを補正するため、高周波増幅器の出力電力Pout を電力検出器51により検出し、ADコンバータ52を用いてディジタル信号に変換し、電力位相変換器53により測定された電力に対する位相ずれの値に変換し、符号反転器54により電力位相変換器53の出力信号の符号を反転させた信号を位相制御量θC とすることで、高周波増幅器の出力電力に対する、位相ずれを零とすることが可能となる。
【0031】
図7は、本発明の第5、第6、第7の実施形態を説明するための図である。第5の実施形態位相振幅変換器12はディジタルダイレクトシンセサイザ1より出力されるディジタル位相信号θD を入力として任意の波形Vabを出力する。
【0032】
第6の実施形態請求項6記載の発明の実施形態では位相振幅変換器12として記憶装置を用いている。図8に前記記憶装置の内部およびディジタル位相信号に対する、ディジタル振幅信号Vabの波形を示す。図に示すように記憶装置はディジタル位相信号θD に対して、ディジタル振幅信号を1対1で記憶しており、任意の出力波形Vabを出力することが可能である。
【0033】
第7の実施形態では位相振幅変換器12としてディジタル演算器を用いている。ディジタル演算器は、入力をディジタル位相信号θD とし、出力がθD の関数f(θD )で表される演算装置を具備することにより任意の出力波形Vabを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するためのブロック図。
【図2】本発明の第2の実施形態を説明するためのブロック図。
【図3】本発明の第3の実施形態を説明するためのブロック図。
【図4】図3に示した実施形態の位相差パターンの一例を示す図。
【図5】本発明の第4の実施形態を説明するためのブロック図。
【図6】図5の高周波増幅器出力電力に対する位相変化を表す図。
【図7】本発明の第5、6、7の実施形態を説明するためのブロック図。
【図8】図7の第6の実施形態の記憶装置内部およびディジタル位相信号に対するディジタル振幅信号を示す図。
【図9】従来の位相制御方式の例を示すブロック図。
【図10】従来の任意波形を生成する例を説明するためのブロック図。
【符号の説明】
【0035】
1…ディジタルダイレクトシンセサイザ、2…正弦波変換器、3…DAコンバータ、4…高周波増幅器、5…高周波加速空洞、6…CT、11…ディジタル加算器、12…位相振幅変換器、21…移相器、22…アナログコントローラ、31…位相差検出器、32…ADコンバータ、33…コントローラ、34…記憶装置、51…電力検出器、52…ADコンバータ、53…電力位相変換器、54…符号反転器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタル位相信号を正弦波の振幅ディジタル信号に変換する正弦波変換器と、
前記正弦波変換器により変換された正弦波の振幅ディジタル信号を高周波アナログ信号に変換するDAコンバータと、
前記DAコンバータの出力である高周波アナログ信号を増幅する高周波増幅器と、
前記高周波増幅器からの出力を入力して高周波電圧に変換し、荷電粒子を加速する高周波加速空洞と、
前記高周波加速空洞に発生する高周波電圧と、前記高周波電圧によって加速される荷電粒子の電流との位相差を検出する位相差検出器と、
前記位相差検出器の出力信号をディジタル信号に変換するADコンバータと、
前記ADコンバータの出力信号を入力し位相差を一定に制御するコントローラと、
周波数信号を入力してディジタル位相信号を出力するディジタルダイレクトシンセサイザと、
前記コントローラからの出力信号と、前記ディジタルダイレクトシンセサイザから出力されるディジタル位相信号を加算し、この加算したディジタル位相信号を、前記正弦波変換器に入力するディジタル加算器と、
を具備したことを特徴とする高周波制御装置。
【請求項2】
ディジタル位相信号を正弦波の振幅ディジタル信号に変換する正弦波変換器と、
前記正弦波変換器により変換された正弦波の振幅ディジタル信号を高周波アナログ信号に変換するDAコンバータと、
前記DAコンバータの出力である高周波アナログ信号を増幅する高周波増幅器と、
前記高周波増幅器からの出力を入力して高周波電圧に変換し、荷電粒子を加速する高周波加速空洞と、
周波数信号を入力してディジタル位相信号を出力するディジタルダイレクトシンセサイザと、
高周波電圧に対する荷電粒子の位相差のパターン信号を記憶した記憶装置と、
前記記憶装置で記憶した位相差のパターン信号と、前記ディジタルダイレクトシンセサイザからのディジタル位相信号とを加算し、この加算したディジタル位相信号を前記正弦波変換器に入力するディジタル加算器と、
を具備したことを特徴とする高周波制御装置。
【請求項3】
ディジタル位相信号を正弦波の振幅ディジタル信号に変換する正弦波変換器と、
前記正弦波変換器により変換された正弦波の振幅ディジタル信号を高周波アナログ信号に変換するDAコンバータと、
前記DAコンバータの出力である高周波アナログ信号を増幅する高周波増幅器と、
前記高周波増幅器からの出力を入力して高周波電圧に変換し、荷電粒子を加速する高周波加速空洞と、
前記高周波増幅器の出力電力を検出する電力検出器と、
前記電力検出器の検出信号をディジタル信号に変換するADコンバータと、
前記ADコンバータの出力信号を高周波増幅器の出力電力に対する位相変化量に変換する電力位相変換器と、
前記電力位相変換器からの電力位相の出力を反転させ位相変化量を打ち消す値とする符合反転器と、
周波数信号を入力してディジタル位相信号を出力するディジタルダイレクトシンセサイザと、
前記ディジタルダイレクトシンセサイザからのディジタル位相信号と、前記符合反転器の出力とを加算し、この加算したディジタル位相信号を前記正弦波変換器に入力するディジタル加算器と、
を具備したことを特徴とする高周波制御装置。
【請求項4】
周波数信号を入力してディジタル位相信号を出力するディジタルダイレクトシンセサイザと、
前記ディジタルダイレクトシンセサイザより出力されるディジタル位相信号を入力し、任意のディジタル振幅信号に変換する位相振幅変換器と、
前記ディジタル振幅信号をアナログ高周波信号に変換するDAコンバータと、
前記DAコンバータの出力である高周波アナログ信号を増幅する高周波増幅器と、
前記高周波増幅器からの出力を入力して高周波電圧に変換し、荷電粒子を加速する高周波加速空洞と、
を具備したことを特徴とする高周波制御装置。
【請求項5】
周波数信号を入力してディジタル位相信号を出力するディジタルダイレクトシンセサイザと、
前記ディジタルダイレクトシンセサイザより出力されるディジタル位相信号をディジタル振幅信号に変換するものであって、前記ディジタル位相信号に対するディジタル振幅信号を1対1で記憶した記憶装置と、
前記記憶装置で記憶したディジタル振幅信号をアナログ高周波信号に変換するDAコンバータと、
前記DAコンバータの出力である高周波アナログ信号を増幅する高周波増幅器と、
前記高周波増幅器からの出力を入力して高周波電圧に変換し、荷電粒子を加速する加速空洞と、
を具備したことを特徴とする高周波制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−146400(P2011−146400A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62788(P2011−62788)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【分割の表示】特願2005−354588(P2005−354588)の分割
【原出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(504151365)大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 (125)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】