説明

高周波応用装置

【課題】 従来の高周波加熱装置や高周波化学反応装置では、試料に高周波電力を照射すると試料が発熱するとともにキャビティーも熱せられる結果、キャビティーを含む負荷の共振周波数が変化して大きな反射が立ち、試料に高周波電力が十分吸収されなかった。これを解決するために従来は導波管変換器内部短絡板など機械的な部品を駆動させて整合をとる必要があり、機構が複雑で信頼性に劣りコストが高いなどの欠点があった。
【解決手段】 本発明によれば、信号源として例えば周波数可変型高周波信号発生器を設け、負荷共振周波数の変動で反射検出端に出力が生じた場合はその信号を信号処理回路に送り、これを信号処理して常に反射最小の周波数に該信号発生器を自動調整するため整合用機械稼動部分が無く、電気信号だけの処理による装置が構成できるので機構が簡単で小型で信頼性が高く、コストの安い高周波電力応用装置が実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波化学反応装置や高周波加熱装置など高周波電力を照射利用する高周波応用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロ波などの高周波電力を照射して迅速に有機合成を行うマイクロ波化学反応装置として、例えば図1のように構成されているものがあった。信号源100としてマグネトロンが用いられ、その出力側に負荷からの反射を吸収するサーキュレータ20、負荷との整合を取るための整合器40(ここではスタブチューナ)に引き続きアプリケータ30が接続され、その中に化学反応用容器80および温度を測定する光ファイバ温度計センサ60が収められている。化学反応用容器80の中には高周波電力照射対象物質(化学試料である固体や液体など、図示せず)が入っている。高周波の外部への漏洩を軽減するためにマイクロ波チョーク70が設けられている。90は終端器である。
【0003】
ここで、高周波電力照射による対象物の吸収量qは
q=1/2εε”ωE ―――――(1)
で表される。ここでεは真空の誘電率、ε”はεtanδで表される誘電損、εは誘電率、tanδは誘電正接、ωは角周波数、Eは電界強度、Vは試料の容積である。
ここで試料に高周波を照射し熱するためにアプリケータとしてキャビティーを用いたとき、式(1)は次のようにも表される。
q=P(1−R)Qu/(Qu+Qd) ―――――(2)
Pは高周波電力、Rは反射係数、Quは試料がないときの無負荷Q,Qdは試料を入れたときの損失を含む負荷Qである。ここから分かるように、試料の熱効率を上げるには、反射Rを極力減らすか、キャビティーのQを上げることである。
【0004】
ところで、試料に高周波電力を照射すると試料が発熱するとともにキャビティーも熱せられて膨張する結果、キャビティーの共振周波数が変化し、信号源に対し反射が立って試料の高周波電力吸収量qが下がる。有機物質などの試料の場合は高周波電力照射により発熱する結果εが大きく変わり、即ち負荷時の共振周波数が大幅に変わり、キャビティーそのものの共振周波数のずれと合わせて大きな反射が立ち、試料には高周波電力がほとんど吸収されない現象が生じることもある。このような場合、反射が立つ毎にいちいち整合器3(ここでは3スタブチューナ)を調整する必要がありわずらわしかった。
このような場合の自動的に調整を行う対策として、整合器を調整するか、キャビティーを機械的に操作する以下のような工夫がなされていた。
【0005】
即ち、マイクロ波伝送手段の立体回路の構成において、同軸一方形導波管変換器内部に短絡板を内装し、反射電力(方向性結合器の出力値)のより小さくなるほうに前記可動短絡板を機械的に移動して整合をとっている。
【特許文献1】特開平11−225007「同軸一方形導波管変換型自動負荷整合器及び整合方法」
【0006】
マイクロ波発生源とプラズマ生成室とマイクロ波自動整合器を備え、プラズマ生成室側で共振状態となるように、マイクロ波自動整合器のインピーダンス変換器のスタブ挿入量を変化させている。
【特許文献2】特開平6−204176「プラズマ処理装置の制御方法」
【0007】
マイクロ波電源で動作する発信器で発生したマイクロ波が導波管を介して反応チャンバに供給され、導波管の途中に設けられたチューナ内に配設したスタブを自動整合器で操作して負荷インピーダンスを目標となる負荷インピーダンスに一致させている。
【特許文献3】特開平5−109667「マイクロ波エッチング装置」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来例では導波管変換器内部短絡板またはインピーダンス変換器、チューナ内部のスタブなど機械的な部品を駆動させる必要があり、その結果大型となり機構が複雑で信頼性に劣りコストが高いなどの欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこれらの欠点を解消するためになされたものである。すなわち、本発明では信号源として例えばPLL(Phase Locked Loop)を用いたVCO(Voltage Controlled Oscilator=電圧制御発信器)からなる周波数可変型高周波信号発生器を設け、その出力を増幅する高周波電力増幅器、反射電力を検出する反射検出器を備え、その出力をアプリケータに加える。
反射が起って反射検出器の反射検出端に出力が生じた場合その信号はマイコンなどの信号処理回路に送られる。ここではアプリケータとしてfで共振するキャビティーを用いる。キャビティーには例えば誘電率εを備える化学試料とそれを収容する試験管が挿入されている。キャビティーに試料収容容器、化学試料を挿入することによりそれら全体(=負荷)の共振周波数はfとなる。
【0010】
このような構成において、キャビティーに周波数fの高周波出力電力を印加すると化学試料が自己発熱し、またキャビティーの高周波損失によりキャビティーが発熱する。その結果キャビティーが膨張し、また化学試料の誘電率が発熱により変化し、化学試料を含むキャビティー全体の共振周波数がfrからfr’に変化する。この共振周波数の変化は信号周波数frに対して反射として現れる。
この様子を示したのが図2、図3である。図2は常温でのリターンロス、図3は温度が上昇したときのリターンロスの状況を示している。
ここで、化学試料を含むキャビティー全体(=負荷)の共振周波数がずれて反射が立ったときずれた共振周波数に信号周波数を合わせるように周波数可変型高周波信号発生器の発振周波数を変えれば、反射が軽減され高周波電力は負荷の化学試料に反射軽減分が増加して印加されることになる。
【発明の効果】
【0011】
このように、本発明によれば信号源として例えばPLLを用いたVCOからなる可変周波数高周波信号発生器を設け、その出力を増幅する高周波電力増幅器、反射電力を検出する反射検出器を備えその出力をアプリケータに加え、反射により反射検出器の反射検出端に出力が生じた場合はその信号を信号処理回路に送り、これを適応的に処理して常に反射最小の周波数に発振周波数を調整するため、機械的部分が無く、その駆動装置も必要の無い、電気信号だけの処理による装置が構成できるので機構が簡単で小型であり、信頼性が高く、コストの安い全自動周波数追尾型高周波電力応用装置が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明になる構成を図4−1で説明する。1は周波数可変型高周波信号発生器でありその出力は2の電力増幅器に接続され所定の出力電力に増幅される。3は高Qの負荷である例えばキャビティーであり、3の内部には高周波が照射される例えば化学試料などのような誘電体物質で代表されるものが収まっている。電力増幅器2とキャビティー3の間には反射電力を検知するための反射検出器としての方向性結合器4が挿入されている。方向性結合器内部には検出された高周波を整流する回路が内蔵されているものとし、ここでは省略している。5は方向性結合器4で検出された反射信号を処理して信号発生器を制御する制御器である。
周波数可変型高周波信号発生器1は例えばTCXOなどの基準信号発振器10、PLL回路11、VCO12で構成され、制御器5からの指示で所定の周波数の信号を発生する。制御器5は方向性結合器4からの反射信号をアナログ/デジタル変換するアナログ/デジタル変換器(以下図中も含めA/D変換器と記載)51とその出力信号を受けて処理するCPU52から構成される。
【0013】
このような構成に於いてその動作を図4−2で説明するに、
試料をキャビティー3に取付の後、任意の周波数範囲に周波数可変型高周波信号発生器(以下信号発生器という)1の周波数を変化させながら試料に高周波を加えて、反射電力の周波数特性を測定し、この時の反射電力の最も低い周波数を負荷の初期共振周波数frとする。
信号発生器1の中心周波数Fをfrに等しくなるよう設定し、Fと、そこから一定間隔離れた+ΔF、−ΔFをFに加えたF+ΔF、F−ΔFの少なくとも合計3点の周波数における反射電力を測定する。この時の反射電力として周波数F時をP1、F+ΔF、F−ΔF時をそれぞれP2、P0とすると、
P0>P1<P2 ―――――(3)
の関係式が成り立つ。
【0014】
高周波電力を印加し発熱後、試料の誘電率およびキャビティーの共振周波数が変わる。例えば図4−2では負荷の共振周波数がfrからfr’に変化し、fr’は元の信号発生器周波数 F−ΔFの周波数より低くなった場合を示す。この時の反射電力としてFの場合をP4、F+ΔF、F−ΔF時をそれぞれP5,P3とすると、この時の関係式は
P3<P4<P5 ―――――(4)
となる。
この変化をトリガとして、真中の周波数での反射電力が最小になる(3)式と同等の関係
P3>P4<P5 ―――――(5)
が成り立つまで発信器周波数を−ΔF方向に下げてゆき反射電力を測定することにより、負荷の共振周波数fr’に信号発生器の周波数を近づける事ができる。
【0015】
また、反射電力測定時に反射電力がF時のP4、F+ΔF、F−ΔF時のそれぞれP5、P3が、
P3>P4>P5 ―――――(6)
の関係式となった場合は信号発生器1の周波数を+ΔF方向に上げてゆき反射電力を測定して(5)式が成り立つまで前述同様の動作を行うことにより負荷共振周波数の変化に信号発生器周波数を追従させることができる。
このような動作により負荷の共振周波数の変化を自動追尾し、反射最小の最適な信号周波数に信号発生器の発振周波数を変えることができる。
【0016】
本発明の加熱制御の方法を図6のフローチャート例で説明する。まず、任意の周波数範囲に信号発生器の周波数を変化させながら加えて、反射電力の周波数特性を測定し、この時の反射電力の最も低い周波数(初期共振周波数(fr))を求めて、信号発生器の中心周波数F0を試料の初期共振周波数frに等しくなるよう設定する。
次に、高周波を一定時間の連続照射の後、信号発生器の周波数Fn−△Fn、Fn、Fn+△Fnでの反射電力P0,P1,P2を測定し、P0>P1<P2の関係式が成り立つように信号発生器の中心周波数を変えることにより、負荷即ちアプリケータの共振周波数に信号発生器の周波数が一致し、常に上下の周波数での反射電力が同じになるような中心周波数に追尾する。
【0017】
図6の図中で、
注*1の「n」で示される値は高周波を照射する回数を示し、照射前を0、1回目の照射後を1とし、照射回数が増えるごとに順に1ずつ加えた値となる。
注*2の「照射停止」の条件は、手動操作により照射停止スイッチが押された場合、照射時間のタイマー等により停止の場合、緊急停止スイッチが押された場合、異常加熱により停止動作となった場合等が含まれる。
【0018】
ここでは反射電力を検知するために反射検出器として方向性結合器で説明したが、これはサーキュレータのようなものに置き換えて反射電力を整流してもかまわない。
また、共振周波数から一定の間隔離れた周波数として上下同じ間隔(ΔF)で説明したが、これは負荷の特性にあわせて同じ間隔でなくてもかまわない。
【0019】
以上は反射電力が最小になる周波数に追尾する高周波応用装置の発明について述べたが、反射電力が最小になったとしても必ずしもゼロになる訳ではなくいくらかの反射が残る場合がある。この場合、高周波照射対象物に照射される実効電力Peは進行波電力Pfから反射電力Prを差し引いた値にまで減ってしまい、必要とする高周波電力の照射が完了するまでに時間がかかることになる。これを避けるために最低限確保したい実効電力を定めて実行電力Peが(進行波電力Pf−反射波電力Pr)に等しくなるように電力増幅器の出力を増減して以後一定に保つように制御すれば良い。
【0020】
以下図面に従ってその動作を説明する。
本発明になる構成を図5−1で説明する。1の周波数可変型高周波信号発生器、2の電力増幅器、3のキャビティー(内部には高周波が照射される例えば化学試料などのような誘電体物質で代表されるものが収まっている)、TCXOなどの基準信号発振器10、PLL回路11、VCO12、制御器5等は前述の図4−1と同等または類似であるが、4の方向性結合器には進行波電力検出端4fと反射電力検出端4rを備えている。電力増幅器2には出力電力を制御する制御端子2aが備えられている。制御器5は方向性結合器4からの進行波信号と反射波信号をアナログ/デジタル変換するアナログ/デジタル変換器(以下図中も含めA/D変換器と記載)51とその出力信号を受けて処理するCPU52から構成される。CPU52からは周波数を制御するための出力がPLL11に、また出力電力を制御するための出力が電力増幅器2の制御端子2aに接続されている。
【0021】
このような構成に於いてその動作を説明するに、
試料をキャビティー3に取付の後、任意の周波数範囲に信号発生器1の周波数を変化させながら加えて、反射電力の周波数特性を測定し、この時の反射電力の最も低い周波数を負荷の初期共振周波数frとする。
信号発生器1の中心周波数をfrに等しくなるよう設定してFとし、Fに+ΔF、−ΔFを加えた3点の周波数における反射電力を測定した時、図5−2において説明するに、F時の反射電力をP1’、F+ΔF、F−ΔF時をそれぞれP2’、P0’とすると、
P0’>P1’<P2’ ―――――(3’)
の関係式が成り立つ。
【0022】
高周波を試料に印加し発熱後、試料の誘電率およびキャビティーの共振周波数が変わる。図5−2では負荷の共振周波数がfrからfr’に変化し、F−ΔFの周波数より低くなった場合を示す。この時の反射電力としてF時をP4’、F+ΔF、F−ΔF時をそれぞれP5’,P3’とするとこの時の関係式は
P3’<P4’<P5’ ―――――(4’)
となる。
この変化をトリガとして、
P3’>P4’<P5’ ―――――(5’)
が成り立つまで信号発生器の周波数を−ΔF方向に下げて反射電力を測定することにより、負荷の共振周波数に信号発生器の中心周波数を近づける事ができる。
【0023】
また、反射電力測定時に
P3’>P4’>P5’ ―――――(6’)
の関係式となった場合は信号発生器周波数を+ΔF方向に上げて反射電力を測定することにより、(5’)式が成り立つまで前述同様の動作を行い負荷共振周波数の変化に信号発生器周波数を追従させることができる。
しかしながら、この場合常温時のfr点における反射電力よりも高周波照射後のfr’点での反射電力が大きいため対象物に照射される実効電力は下がっている。そこで、方向性結合器4の進行波電力検出端及び反射波電力検出端からの出力信号をそれぞれA/D変換器51でデジタル信号に変換し、CPU52にてそれらの信号の差が最初に設定した実効電力と同じになるように電力増幅器2の出力電力を増減する。即ち実効電力が常に一定となるように制御する。
このようにすれば、反射電力最小の周波数に常に追尾しかつ照射実効電力を常に一定に保つことが出来る。
【0024】
以上高周波電力を印加した時の動作について説明したが、これは印加電力を下げて発熱が下がった場合の動作も同様である。
【0025】
また、反射電力の周波数特性を測定する周期としては、定められた周波数範囲を一定周期毎に掃引し、そこで検出した反射電力が最小になる周波数に信号発生器を次の周波数掃引周期まで維持してもかまわない。
【0026】
あるいは、反射電力の周波数特性を最初1回、定められた周波数範囲で全掃引し、そこで検出した反射電力最小になる周波数に信号発生器周波数を定め、以後はその周波数とその周波数から一定間隔上下に離調した周波数との少なくとも3点の反射電力を測定しながら常に上下の周波数からの反射電力が同じになるように追尾するよう信号発生器の周波数を変えてもかまわない。
【0027】
以上述べたように、本発明によれば常に高Q負荷であるキャビティー3側からの反射を検出し、その反射が最小になるような周波数に信号発生器出力周波数が追随するので、高周波信号が負荷に印加され、キャビティーの発熱により、或いは収容されている化学試料の発熱などによる誘電率の変化が加わってキャビティー3側の負荷共振周波数が変化しても高周波は効率よく化学試料に加わるので、機械的稼動部分の無い構成の簡単でコストが安く信頼性の高い高周波電力応用装置が実現できる。ここでは化学反応装置を例に上げたが、キャビティーなどのような高Qの負荷装置を用いた高周波加熱装置のような高周波電力を照射利用する装置であればどのようなものにも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、高周波を照射して加熱する高周波加熱装置や、高周波を印加することにより化学反応を加速する高周波化学反応装置などの高周波応用装置に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】:従来例
【図2】:リターンロス特性(中心周波数で反射なし)
【図3】:リターンロス特性(中心周波数で反射あり)
【図4−1】:本発明の実施例
【図4−2】:本発明の動作説明
【図5−1】:本発明の他の実施例
【図5−2】:本発明の他の実施例の動作説明
【図6】:本発明の動作フローチャート例
【符号の説明】
【0030】
1は周波数可変型高周波信号発生器、2は電力増幅器、3はキャビティー、4は方向性結合器、5は制御器、10は基準信号発生器、11はPLL回路、12はVCO,51はアナログ/デジタル変換器、52はCPUである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数可変型高周波信号発生器と、その出力信号を所定の値に増幅する電力増幅器と、その出力を照射するアプリケータを設けた高周波応用システムにおいて、電力増幅器とアプリケータの間に反射電力検出器を設け、反射電力検出器と周波数可変型信号発生器との間に設けた制御器で反射電力信号をアナログ/デジタル変換するA/D変換器を通して別に設けたCPUに加えて信号処理し、その出力指示により反射電力が最小になる値に周波数可変型信号発生器の発振周波数を設定することを特徴とする周波数自動追尾型の高周波応用装置。
【請求項2】
定められた周波数範囲を一定周期毎に掃引して反射電力が最小となる周波数を検出し、検出された反射電力が最小となる周波数に周波数可変型高周波信号発生器を次の周波数掃引周期まで維持することを特徴とする特許請求項1の高周波応用装置。
【請求項3】
定められた周波数範囲で最初に周波数掃引して反射電力が最小となる周波数を検出してその周波数に周波数可変型高周波信号発生器を設定し、以後その周波数から一定周波数上または下に離れた周波数での反射電力を測定し、常に上下の周波数での反射電力より低い反射電力の中心周波数に追尾して周波数可変型高周波信号発生器の周波数を変えることを特徴とする特許請求項第1の高周波応用装置。
【請求項4】
周波数可変型高周波信号発生器と、その出力信号を所定の値に増幅する電力増幅器と、その出力を照射するアプリケータを設けた高周波応用システムにおいて、電力増幅器とアプリケータの間に方向性結合器を設け、方向性結合器と周波数可変型信号発生器との間に設けた制御器で方向性結合器出力をアナログ/デジタル変換するA/D変換器を通してCPUに加えて信号処理し、その出力指示により反射電力が最小になる値に周波数可変型高周波信号発生器の発振周波数を設定すると共に、進行波電力と反射波電力の差が常に一定になるように電力増幅器出力を制御することを特徴とする周波数自動追尾型の高周波応用装置
【請求項5】
定められた周波数範囲を一定周期毎に掃引して反射電力が最小となる周波数を検出し、検出された反射電力が最小となる周波数に周波数可変型高周波信号発生器を次の周波数掃引周期まで維持することを特徴とする特許請求項4の高周波応用装置。
【請求項6】
定められた周波数範囲で最初に周波数掃引して反射電力が最小となる周波数を検出してその周波数に周波数可変型高周波信号発生器を設定し、以後その周波数から一定周波数上または下に離れた周波数での反射電力を測定し、常に上下の周波数での反射電力より低い反射電力の中心周波数に追尾して周波数可変型高周波信号発生器の周波数を変えることを特徴とする特許請求項第4の高周波応用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−27587(P2010−27587A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209362(P2008−209362)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(503231402)コーナン電子株式会社 (4)
【Fターム(参考)】