説明

高周波測定用プローブ

【課題】2GHz以上の高周波半導体素子の高周波測定に際して、インピーダンス整合を必要とする被測定物の評価を容易とし、かつ高周波においても高精度な測定を実現することのできる高周波測定用プローブを得る。
【解決手段】被測定物となる高周波半導体素子1の高周波信号をコプレナ伝送モードで通過させるための信号線電極2および接地電極3を有するコプレナ伝送線路と、コプレナ伝送線路内に形成されたチップキャパシタ4(インピーダンス整合回路)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インピーダンス整合回路を備えた高周波測定用プローブに関し、特に、2GHz以上の高周波半導体素子の測定および選別技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の高周波測定用プローブにおいては、プローブカード上にマイクロストリップ構造の整合回路を構成して、2GHzまでの高周波ICの測定を行う技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−308528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の高周波測定用プローブは、周波数が2GHz以上になると、整合回路が構成されているプローブカードの高周波接地電位(グランド)と、被測定物(高周波半導体素子)の接地電位とが異なることから、測定精度が低下するという課題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、2GHz以上の高周波半導体素子の高周波測定に際して、インピーダンス整合を必要とする被測定物の評価を容易とし、かつ高周波においても高精度な測定を実現することのできる高周波測定用プローブを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る高周波測定用プローブは、被測定物の高周波信号をコプレナ伝送モードで通過させるための信号線電極および接地電極を有するコプレナ伝送線路と、コプレナ伝送線路内に形成されたインピーダンス整合回路とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、簡易な構成で、かつ任意の負荷インピーダンスで、高周波半導体素子の測定を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係る高周波測定用プローブを示す平面図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係る高周波測定用プローブを示す平面図である。
【図3】この発明の実施の形態3、4に係る高周波測定用プローブを示す平面図である。
【図4】この発明の実施の形態3に係る高周波測定用プローブを示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態4に係る高周波測定用プローブを示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態5に係る高周波測定用プローブを示す平面図である。
【図7】この発明の実施の形態6に係る高周波測定用プローブを示す平面図である。
【図8】この発明の実施の形態6に係る高周波測定用プローブを示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態7に係る高周波測定用プローブを示す平面図である。
【図10】この発明の実施の形態8に係る高周波測定用プローブを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る高周波測定用プローブを示す平面図である。
図1において、被測定物となる高周波半導体素子1には、高周波測定用プローブが接続される。
【0010】
高周波測定用プローブは、信号線電極2と、接地電極(高周波グランド)3と、インピーダンス整合回路を構成するチップキャパシタ4と、を備えている。
信号線電極2および接地電極3は、コプレナ構造のコプレナ伝送線路を形成しており、コプレナ伝播モードの信号を伝送することができる。
コプレナ伝播モードにおいて、特性インピーダンスZcは、信号線電極2の幅Wと、信号線電極2と接地電極3との間の距離Sとの比率で決定する。
【0011】
図1に示した高周波測定用プローブは、先端部(プローブ端)においては、微小な高周波半導体素子1を測定するために、幅Wおよび距離Sの両方が狭く設定されているが、チップキャパシタ4(インピーダンス整合回路)の形成部分においては、幅Wおよび距離Sの両方が広く設定されており、チップキャパシタ4(インピーダンス整合回路)の形成を容易にしている。
【0012】
信号線電極2の形状は、高周波測定用プローブの先端部から、チップキャパシタ4(インピーダンス整合回路)の形成部分までにわたって、特性インピーダンスZcが同一値となるように、幅Wと距離Sとの比率が一定となるように選択設定されている。
【0013】
高周波測定用プローブの先端部から電気長θだけ離れた位置に、静電容量Cを有するチップキャパシタ4を、信号線電極2と接地電極3との間に配置すると、高周波測定用プローブの先端部でのインピーダンスZは、以下の式(1)で表すことができる。
【0014】
【数1】

【0015】
ただし、式(1)において、ZLは、チップキャパシタ4の接続位置におけるインピーダンスであり、以下の式(2)で表される。
【0016】
【数2】

【0017】
式(2)において、ωは測定対象となる信号周波数の角周波数である。
式(1)および式(2)から、電気長θおよび静電容量Cの値を適切に選択することにより、任意の複素インピーダンスZを実現可能なことが分かる。
【0018】
したがって、高周波半導体素子1の出力整合負荷インピーダンス、効率整合負荷インピーダンス、または、それ以外の任意の負荷インピーダンスで、高周波半導体素子1(被測定物)を測定することができる。
また、角周波数ωを信号周波数に対して選択すれば、基本波整合を実現することができ、角周波数ωを逓倍波周波数に対して選択すれば、高調波整合を実現することができる。
【0019】
以上のように、この発明の実施の形態1(図1)に係る高周波測定用プローブは、高周波半導体素子1(被測定物)の高周波信号をコプレナ伝送モードで通過させるための信号線電極2および接地電極3を有するコプレナ伝送線路と、コプレナ伝送線路内に形成されたインピーダンス整合回路とを備えている。
インピーダンス整合回路は、信号線電極2と接地電極3との間に接続されたチップキャパシタ4により構成されている。
【0020】
チップキャパシタ4(インピーダンス整合回路)は、コプレナ伝送線路のプローブ端におけるインピーダンスZが、高周波半導体素子1の入力信号周波数における出力整合負荷インピーダンス、効率整合負荷インピーダンス、または、出力整合負荷インピーダンスおよび効率整合負荷インピーダンス以外の負荷インピーダンス、と一致するように構成されている。
【0021】
または、チップキャパシタ4(インピーダンス整合回路)は、コプレナ伝送線路のプローブ端におけるインピーダンスZが、高周波半導体素子1の入力信号周波数の逓倍周波数における出力整合負荷インピーダンス、効率整合負荷インピーダンス、または、出力整合負荷インピーダンスおよび効率整合負荷インピーダンス以外の負荷インピーダンス、と一致するように構成されている。
【0022】
この発明の実施の形態1(請求項1〜4)によれば、高周波信号をコプレナ伝送モードで通過させる構造を有し、その構造中にチップキャパシタ4(インピーダンス整合回路)を含むので、簡易な構成で、かつ任意の負荷インピーダンスで、高周波半導体素子1の測定を正確に行うことができる。
【0023】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1(図1)では、インピーダンス整合回路として、チップキャパシタ4を用いたが、チップキャパシタ4に代えて、図2のように分岐スタブ5を用いてもよい。
図2はこの発明の実施の形態2に係る高周波測定用プローブを示す平面図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
【0024】
図2において、信号線電極2には、信号線電極2と一体的に形成された分岐スタブ5が設けられている。
また、分岐スタブ5の突出方向に位置する一方の接地電極3には、分岐スタブ5の対向部3aが設けられている。
【0025】
分岐スタブ5は、前述のチップキャパシタ4と同様に、インピーダンス整合回路を構成している。
すなわち、信号線電極2の分岐スタブ5と接地電極3の対向部3aとの間で静電容量が生じるので、分岐スタブ5および対向部3aの位置と形状を適切に選択することにより、任意の複素インピーダンスZを実現することができる。
したがって、高周波半導体素子1の出力整合負荷インピーダンス、効率整合負荷インピーダンス、または、それ以外の任意の負荷インピーダンスで、高周波半導体素子1を測定することができる。
【0026】
以上のように、この発明の実施の形態2(図2)によるインピーダンス整合回路は、信号線電極2に接続された分岐スタブ5により構成されている。
この発明の実施の形態2(請求項5)によれば、コプレナ伝送線路の信号線電極2に分岐スタブ5を接続してインピーダンス整合回路を構成したので、前述と同様の効果を奏する。
【0027】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態2(図2)では、インピーダンス整合回路として、分岐スタブ5を用いたが、分岐スタブ5に代えて、図3および図4のように金属層6を用いてもよい。
図3はこの発明の実施の形態3に係る高周波測定用プローブを示す平面図であり、図4は図3内のX−X線による断面図である。
【0028】
図3、図4において、前述(図1、図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
この場合、信号線電極2および接地電極3の上面には、パターン電極からなる金属層6が設けられており、金属層6と信号線電極2および接地電極3との間は、薄い誘電体層7で隔てられている。
【0029】
誘電体層7は、信号線電極2および接地電極3の厚さと比較して薄いので、金属層6と信号線電極2および接地電極3とは、容量結合することになり、金属層6は、前述の分岐スタブ5と同様にインピーダンス整合回路として機能する。
【0030】
以上のように、この発明の実施の形態3(図3)によるインピーダンス整合回路は、コプレナ伝送線路上に設けられた薄い誘電体層7と、誘電体層7上に設けられた薄い金属層6とにより構成されている。
この発明の実施の形態3(請求項6)によれば、コプレナ伝送線路上に薄い誘電体層7を設け、誘電体層7上に薄い金属層6を設けてインピーダンス整合回路を構成するので、前述と同等の効果を奏する。
【0031】
実施の形態4.
なお、上記実施の形態3(図3、図4)では、インピーダンス整合回路として、金属層6を誘電体層7上にパターン形成したが、図5のように、誘電体層7上に粘着層8を設け、金属箔層からなる金属層6を粘着層8上に接着してもよい。
【0032】
図5はこの発明の実施の形態4に係る高周波測定用プローブを示す断面図であり、前述(図4参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
なお、この発明の実施の形態4の平面構造は図3に示した通りであり、図5の断面図は図3内のX−X線によるものである。
【0033】
図5において、金属層6は、薄い金属箔層からなり、薄い誘電体層7上に設けられた薄い粘着層8により、誘電体層7上に貼り付けられている。
粘着層8および誘電体層7は、信号線電極2および接地電極3の厚さと比較して薄いので、前述(図4)と同様に、金属層6と信号線電極2および接地電極3とは、容量結合することになり、金属層6は、インピーダンス整合回路として機能する。
【0034】
以上のように、この発明の実施の形態4(図5)に係る高周波測定用プローブは、誘電体層7の表面に設けられた粘着層8を備え、金属層6は、粘着層8の上に貼り付けられた金属箔層からなる。
この発明の実施の形態4(請求項7)によれば、前述と同等の効果を奏するとともに、金属パターン状の金属層6を除去してパターン形状を変化させることが容易になるので、高周波半導体素子1の出力整合負荷インピーダンスまたは効率整合負荷インピーダンスが未知である場合に、実験的にそれらの負荷インピーダンスを探し求めることができる。
【0035】
実施の形態5.
なお、上記実施の形態1(図1)では、インピーダンス整合回路としてチップキャパシタ4を用いたが、図6のように、信号線電極2と接地電極3との間に接続された可変容量素子9を用いてもよい。
【0036】
図6はこの発明の実施の形態5に係る高周波測定用プローブを示す平面図であり、前述(図1〜図3参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
図6において、信号線電極2と接地電極3との間には、バラクターダイオードやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子などからなる可変容量素子9が接続されている。
【0037】
可変容量素子9は、電気的に静電容量を調整することが可能なので、キャパシタの付け替えなどの面倒な作業を不要として、高周波測定用プローブの先端部でのインピーダンスZを調整することができる。
【0038】
以上のように、この発明の実施の形態5(図6)によるインピーダンス整合回路は、信号線電極2と接地電極3(グランド)との間に接続されたバラクターダイオードまたはMEMS素子からなる可変容量素子9により構成されている。
【0039】
この発明の実施の形態5(請求項8)によれば、コプレナ伝送線路の信号線電極2と接地電極3との間に可変容量素子9を接続してインピーダンス整合回路を構成したので、前述と同等の効果を奏するとともに、プローブ先端部でのインピーダンスZを容易に調整することができる。
【0040】
実施の形態6.
なお、上記実施の形態5(図6)では、インピーダンスZの調整を容易にするために、可変容量素子9を用いたが、図7および図8のように、コプレナ伝送線路の一部に摺動部12を形成してもよい。
【0041】
図7はこの発明の実施の形態6に係る高周波測定用プローブを示す平面図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
図8は図7内のY−Y線による断面図である。
なお、ここでは、図1のチップキャパシタ4を用いた構成に適用した例を示すが、チップキャパシタ4に代えて、図2の分岐スタブ5、図6の可変容量素子9を用い構成に適用してもよい。
【0042】
図7において、コプレナ伝送線路の一部(破線参照)には、両方向矢印で示す方向に移動可能な摺動部12が設けられており、高周波測定用プローブは、2つに分離した構造を有している。
【0043】
図8において、上下に位置する信号線電極2は、コプレナ線路の線路面を対向するように接触しており、下側に位置する信号線電極2は、上側に位置する信号線電極2との接触状態を維持したまま、摺動部12の範囲内で接触部分の長さが調整できるように摺動可能(両方向矢印参照)に構成されている。
【0044】
このように、上下に重ね配置された信号線電極2の接触部分の長さを変化させることにより、高周波測定用プローブの先端部からチップキャパシタ4までの電気長を容易に調整することができる。
【0045】
以上のように、この発明の実施の形態6(図7、図8)に係る高周波測定用プローブは、コプレナ伝送線路の一部に形成された摺動部12を備え、摺動部12の電気長が可変となるように構成されている。
この発明の実施の形態6(請求項9)によれば、コプレナ伝送線路の一部において、摺動部12の電気長を容易に可変設定することができる。
【0046】
実施の形態7.
なお、上記実施の形態6(図7、図8)では、インピーダンスZの調整を容易にするために、摺動部12を用いたが、図9のように、着脱自在なブロック構造からなるインピーダンス整合回路13を用いてもよい。
【0047】
図9はこの発明の実施の形態7に係る高周波測定用プローブを示す平面図であり、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。なお、図9においては、図2の分岐スタブ5を用いた構成に適用した例を示すが、他の構成に適用してもよい。
図9において、分岐スタブ5および対向部3aを含むインピーダンス整合回路13は、着脱自在で交換可能なようにブロック構造からなっている。
【0048】
インピーダンス整合回路13の信号線電極2および接地電極3の部分のうち、高周波測定プローブと電気的に接続される部分は、インピーダンス整合回路13の着脱交換時に導通を維持するために、側面メタライズされている。同様に、高周波測定プローブ側のインピーダンス整合回路13と接続する部分も、側面メタライズされている。
【0049】
これにより、インピーダンス整合回路13と高周波測定プローブとは、それぞれの側面メタライズ部分で電気的に接触している。
図9のように、ブロック構造のインピーダンス整合回路13を交換して使用することにより、容易で再現性よく高周波測定プローブの先端部のインピーダンスZを可変設定することができる。
【0050】
以上のように、この発明の実施の形態7(図9)によるインピーダンス整合回路13は、コプレナ伝送線路に対して着脱自在なブロック構造からなる。
この発明の実施の形態7(請求項10)によれば、インピーダンス整合回路13を交換可能なブロック構造としたので、インピーダンスZの調整を容易にするとともに、インピーダンスZの再現性も向上させることができる。
【0051】
実施の形態8.
なお、上記実施の形態1〜7(図1〜図9)では、入力信号周波数の偶数時の逓倍波信号について考慮しなかったが、図10に示すように、偶数倍逓倍波信号に対してインピーダンスZが変化するようにインピーダンス整合回路を構成してもよい。
【0052】
図10はこの発明の実施の形態8に係る高周波測定用プローブを示す平面図であり、前述(図2参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。なお、図10においては、図2の分岐スタブ5を用いた構成に適用した例を示すが、他の構成に適用してもよい。
【0053】
図10において、信号線電極2には、2本の分岐スタブ5a、5bが接続されており、分岐スタブ5aと分岐スタブ5bとの間の距離は、入力信号周波数に対する電気長が1/4波長となるように設定されている。
【0054】
このとき、2本の分岐スタブ5a、5bで反射される各入力信号は、位相差πを有するので、互いに打ち消しあうことになる。
したがって、高周波測定プローブの先端部のインピーダンスZは、基本波に対しては、特性インピーダンスZcから変化しない。このことは、奇数倍逓倍波信号に対しても同様である。
【0055】
一方、偶数倍逓倍波信号に対しては、分岐スタブ5a、5bで反射される各入力信号は位相差2πを有するので、互いに強めあうことになる。
したがって、偶数倍逓倍波信号に対しては、高周波測定プローブの先端部のインピーダンスZを変化させることができる。
【0056】
以上のように、この発明の実施の形態8(図10)によるインピーダンス整合回路は、入力信号周波数の偶数時の逓倍波に対して適合された同一構造の2本の分岐スタブ5a、5b(2つの整合回路)により構成されており、2つの整合回路は、コプレナ伝送線路上で、入力信号に対して1/4波長だけ離れた位置に配置されている。
【0057】
この発明の実施の形態8(請求項11)によれば、基本波に対してはインピーダンスZの変化を与えることなく、偶数時逓倍波信号に対するインピーダンスZを変化させることができるので、たとえば、高周波半導体素子1の高調波ロードプル測定のプリマッチ回路として使用すれば、2倍波に対して大きな反射係数を実現できる効果がある。
【符号の説明】
【0058】
1 高周波半導体素子(被測定物)、2 信号線電極、3 接地電極、3a 対向部、4 チップキャパシタ、5、5a、5b 分岐スタブ、6 金属層、7 誘電体層、8 粘着層、9 可変容量素子、12 摺動部、13 インピーダンス整合回路(ブロック構造)、C 静電容量、S 距離、W 幅、θ 電気長。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物の高周波信号をコプレナ伝送モードで通過させるための信号線電極および接地電極を有するコプレナ伝送線路と、
前記コプレナ伝送線路内に形成されたインピーダンス整合回路と
を備えた高周波測定用プローブ。
【請求項2】
前記インピーダンス整合回路は、
前記コプレナ伝送線路のプローブ端におけるインピーダンスが、前記被測定物の入力信号周波数における出力整合負荷インピーダンス、効率整合負荷インピーダンス、または、前記出力整合負荷インピーダンスおよび前記効率整合負荷インピーダンス以外の負荷インピーダンス、と一致するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の高周波測定用プローブ。
【請求項3】
前記インピーダンス整合回路は、
前記コプレナ伝送線路のプローブ端におけるインピーダンスが、前記被測定物の入力信号周波数の逓倍周波数における出力整合負荷インピーダンス、効率整合負荷インピーダンス、または、前記出力整合負荷インピーダンスおよび前記効率整合負荷インピーダンス以外の負荷インピーダンス、と一致するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の高周波測定用プローブ。
【請求項4】
前記インピーダンス整合回路は、
前記信号線電極と前記接地電極との間に接続されたチップキャパシタにより構成されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の高周波測定用プローブ。
【請求項5】
前記インピーダンス整合回路は、
前記信号線電極に接続された分岐スタブにより構成されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の高周波測定用プローブ。
【請求項6】
前記インピーダンス整合回路は、
前記コプレナ伝送線路上に設けられた薄い誘電体層と、前記誘電体層上に設けられた薄い金属層とにより構成されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の高周波測定用プローブ。
【請求項7】
前記誘電体層の表面に設けられた粘着層を備え、
前記金属層は、前記粘着層の上に貼り付けられた金属箔層からなることを特徴とする請求項6に記載の高周波測定用プローブ。
【請求項8】
前記インピーダンス整合回路は、
前記信号線電極と前記接地電極との間に接続されたバラクターダイオードまたはMEMS素子からなる可変容量素子により構成されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の高周波測定用プローブ。
【請求項9】
前記コプレナ伝送線路の一部に形成された摺動部を備え、
前記摺動部の電気長が可変となるように構成されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の高周波測定用プローブ。
【請求項10】
前記インピーダンス整合回路は、前記コプレナ伝送線路に対して着脱自在なブロック構造からなることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の高周波測定用プローブ。
【請求項11】
前記インピーダンス整合回路は、
入力信号周波数の偶数時の逓倍波に対して適合された同一構造の2つの整合回路により構成されており、
前記2つの整合回路は、前記コプレナ伝送線路上で、入力信号に対して1/4波長離れた位置に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の高周波測定用プローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−237335(P2011−237335A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110336(P2010−110336)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】