説明

高圧放電ランプ装置

【課題】
水銀フリーの高圧放電ランプおよび高電圧パルス発生器を備え、それらの間を所定範囲の絶縁耐性を有する電流導入系で接続することにより、始動が容易で、しかも長期間にわたり信頼性の高い始動性を有して実用的な高圧放電ランプ装置を提供する。
【解決手段】
高圧放電ランプ装置は、透光性セラミックス気密容器1、その内部に離間対向して封装された1対の電極2、2および金属ハロゲン化物および希ガスを含み、かつ水銀を本質的に含まないイオン化媒体を有する発光管ITならびに発光管を収納し内部が外気に対して気密になっている外管OTを備えた高圧放電ランプMHLと、1対の電極間に印加して高圧放電ランプを始動させるための高電圧パルス発生器IGと、発光管および高電圧パルス発生器の間を接続する9kV以上の絶縁耐力を有する電流導入系CM1とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性セラミックス気密容器を用いた水銀フリーの高圧放電ランプを備えている高圧放電ランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高圧放電ランプを始動させるためには、高電圧パルスを1対の電極間に印加するのが一般的である。また、高電圧パルスを発生する手段としてイグナイタと称される高電圧パルス発生器を用いることは当業者に周知である。高電圧パルス発生器を高圧放電ランプ用のランプソケットと一体化して、高圧放電ランプとの間の距離を短縮することで高電圧発生器から発生する高電圧パルスの減衰を防止することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、高電圧パルス発生器を高圧放電ランプと一体化することも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
一方、従来、高圧放電ランプのランプ電圧形成用の緩衝物質としては、所望の高いランプ電圧を形成でき、しかも比較的波高値の低い高電圧パルス印加で始動できるため、水銀を封入するのが一般的である。しかしながら、水銀は、環境負荷物質であるので、これを用いない水銀フリーの高圧放電ランプが研究され、水銀に代わって亜鉛(Zn)などの蒸気圧が高くて可視光発光が少ない金属のハロゲン化物を第2のハロゲン化物として発光金属のハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物に添加することにより、水銀入りのメタルハライドランプとほぼ同等のランプ電圧が得られるメタルハライドランプが開発なされ(特許文献3参照。)、自動車前照灯用のメタルハライドランプとして実用に供されている。
【0005】
また、高圧放電ランプの透光性気密容器として透光性セラミックスを用いる技術が開発され(特許文献4参照。)、主として一般照明用として実用に供されている。透光性セラミックス気密容器は、石英ガラス気密容器より耐熱温度が高いので、最冷部温度を高く設定することが可能である。水銀フリーのメタルハライドランプに透光性セラミックス気密容器を用いることにより、ランプ電圧をさらに高めることができる。
【0006】
しかしながら、従来の透光性セラミックス気密容器は、直線透過率が20%未満であるために、光学系を用いて所定の配光特性を満足する必要のある例えば自動車前照灯用の高圧放電ランプなどに適用することが困難である。しかし、直線透過率が20%以上の多結晶透光性アルミナセラミックスが得られるようになり、水銀レスのメタルハライドランプなど高圧放電ランプの多様な用途への適用の期待が高くなった。
【0007】
【特許文献1】特開2003−158022号公報
【特許文献2】特開2002−008878号公報
【特許文献3】特開平11−238488号公報
【特許文献4】特開平06−196131号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、水銀フリーの高圧放電ランプは、水銀を封入していないことや光束および/または光色の立ち上がりを早めるためにキセノンなどの重い希ガスを1気圧以上、好ましくは5〜16気圧程度封入することで、始動時に印加する必要のある高電圧パルスの電圧を、水銀入りの高圧放電ランプに必要な3〜5kV程度の低い高電圧パルスに比較して極端に高い9〜20kVを超えるような値にする必要がある。このため、高圧放電ランプの口金やランプソケットなどの電流導入系の絶縁耐性が不足しやすくなるという問題がある。しかしながら、従来、水銀フリーの高圧放電ランプに用いる電流導入系の合理的かつ実用的な絶縁耐性の範囲は必ずしも明確になっていなかった。
【0009】
一方、高圧放電ランプに印加される高電圧パルスの電圧が高調波成分を多く含むので、高電圧パルス発生器と高圧放電ランプの間の距離に対する減衰が顕著であることから、一般に高電圧パルス発生器は、高圧放電ランプに接近した位置に配置されることが多い。それにしても、水銀入りの高圧放電ランプでは、上述のように比較的低い高電圧パルスで始動可能であることから、50cmを超えて離れた位置に高電圧パルス発生器を設置することができる。
【0010】
これに対して、高電圧パルス発生器を高圧放電ランプに近接し過ぎても問題がある。すなわち、近接し過ぎると、高電圧パルス発生器が高圧放電ランプの動作温度の影響を受けて温度上昇して、多くは150〜170℃の範囲内にある許容温度を超えやすくなる。許容温度を超えると、高電圧パルス発生器が故障し、高電圧パルスを発生できなくなるという問題がある。しかしながら、従来、水銀フリーの高圧放電ランプに用いる高電圧パルス発生器の合理的かつ実用的な離間距離の範囲は必ずしも明確になっていなかった。
【0011】
本発明は、水銀フリーの高圧放電ランプおよび高電圧パルス発生器を備え、それらの間を所定範囲の絶縁耐性を有する電流導入系で接続することにより、始動が容易で、しかも長期間にわたり信頼性の高い始動性を有して実用的な高圧放電ランプ装置を提供することを目的とする。
【0012】
本発明は、上記に加えて高電圧パルスの減衰が低減されるとともに高電圧パルス発生器が故障しにくくて、しかも多様な照明装置への適合性が良好で、かつ取扱いが容易で実用的な高圧放電ランプ装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の高圧放電ランプ装置は、透光性セラミックス気密容器、透光性セラミックス気密容器の内部に離間対向して封装された一対の電極および透光性セラミックス気密容器内に封入された金属ハロゲン化物および希ガスを含み、かつ水銀を本質的に含まないイオン化媒体を有する発光管ならびに発光管を収納し内部が外気に対して気密になっている外管を備えた高圧放電ランプと;発光管の一対の電極間に印加して高圧放電ランプを始動させるための高電圧パルスを発生する高電圧パルス発生器と;高圧放電ランプの発光管および高電圧パルス発生器の間を接続する9kV以上の絶縁耐力を有する電流導入系と;を具備していることを特徴としている。
【0014】
本発明の高圧放電ランプ装置は、上記のように主な構成要素が高圧放電ランプ、高電圧パルス発生器および電流導入系であり、以下の各態様を含む。
【0015】
〔高圧放電ランプについて〕 高圧放電ランプは、発光管および外管を備えている。
発光管は、透光性セラミックス気密容器、電極およびイオン化媒体を有している。
【0016】
(透光性セラミックス気密容器について) 透光性セラミックス気密容器は、単結晶の金属酸化物例えばサファイヤと、多結晶の金属酸化物例えば半透明の気密性アルミニウム酸化物すなわち透光性多結晶アルミナセラミックス、イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、イットリウム酸化物(YOX)と、多結晶非酸化物例えばアルミニウム窒化物(AlN)のような光透過性および耐熱性を備えたセラミック材料からなり、内部に放電空間が外部に対して気密に形成される容器である。しかし、上記材料の中でも透光性多結晶アルミナセラミックスは、工業的に量産できて比較的容易に入手できるため、透光性セラミックス放電容器の構成材料として好適である。また、直線透過率が一般的には20%以上、好ましくは40%以上の透光性多結晶アルミナセラミックスを用いることもできる。
【0017】
なお、透光性セラミックス気密容器における透光性とは、放電によって発生した光を透過して外部に導出できる程度に光透過性であることをいい、透明ばかりでなく、光拡散性であってもよい。そして、少なくとも放電空間を包囲する部分の主要部が透光性を備えていればよく、要すれば上記主要部以外の付帯的構造を備えているときには、当該部分は遮光性であってもよい。
【0018】
透光性セラミックス気密容器は、放電空間を包囲するために、包囲部を備えている。包囲部の内部すなわち放電空間が適当な形状、例えば球状、楕円球状、ほぼ円柱状などの形状をなしていることを許容する。放電空間の容積は、高圧放電ランプの定格ランプ電力、電極間距離などに応じてさまざまな値が選択され得る。例えば、液晶プロジェクタ用ランプの場合、0.5cc以下にすることができる。自動車前照灯用ランプの場合、0.05cc以下にすることができる。また、一般照明用ランプの場合、定格ランプ電力に応じて1cc以上および以下のいずれにすることもできる。
【0019】
また、透光性セラミックス気密容器は、包囲部に連通する小径筒部を備えている。小径筒部は、少なくとも後述する電流導入導体をそこに挿入し、かつ電流導入導体を小径筒部に封着することによって透光性セラミックス気密容器を封止するために機能する。また、後述する放電媒体を透光性セラミックス気密容器すなわち包囲部の内部へ封入するためにも機能させることができる。さらに、所望により小径筒部の長さを大きく設定するとともに、小径筒部の内面と電流導入導体または電極軸との間にキャピラリーと称されるわずかな隙間を形成して最冷部を形成し、また小径筒部の長さを適当な値とすることで封止部の温度を低減させるように構成することができる。
【0020】
小径筒部の数は、一般的な一対の電極を封装する構成のためには2つであるが、配設する電流導入導体の数に応じて1つないし3つ以上の複数であることを許容する。一対の電極を封装するために2つの開口部を配設する場合、各小径筒部は、それぞれ離間した位置に配設されるが、好適には管軸に沿って離間対向している。なお、小径筒部を構成するセラミックスは遮光性であってもよい。
【0021】
小径筒部には、所望により中間部材を付加することができる。すなわち、透光性セラミックス気密容器を形成したときに別体をなしているが、電流導入導体と一緒に封止後には、小径筒部として一体化される筒状の中間部材を付加的に用いることができる。
【0022】
透光性セラミック気密容器を封止するための手段は、本発明において特段限定されない。既知の各種封止手段を適宜採用することができる。例えば、小径筒部のセラミックスを溶融させて電流導入導体に直接的に融着させる手段、セラミックス封止用コンパウンドのシールを用いて封止する手段などを選択的に用いることができる。
【0023】
次に、透光性セラミックス気密容器を製作するには、包囲部を一体的に成形して形成してもよいし、複数の構成部材を接合させたり、嵌合させたりして形成してもよい。例えば、包囲部の他に小径の筒部などの付帯的構造を備えている場合、包囲部の両端または一端に付帯的構造を最初から一体に成形することができる。しかし、例えば包囲部と、付帯的構造とを、それぞれ別に仮焼結してから所要に接合させて、全体を焼結することにより、一体の透光性セラミックス気密電容器を形成することもできる。また、筒状部分と端板部分とをそれぞれ別に仮焼結してから接合して、全体を焼結することにより、一体化された包囲部を形成することもできる。
【0024】
(電極について) 電極は、透光性セラミックス気密容器の内部に後述する放電媒体の放電を生起させる手段である。電極は、一般的にその一対が透光性セラミックス気密容器の内部において電極間でアーク放電が生起されるように離間対向して配設される。なお、本発明においては、少なくとも一対の電極が上記導入導体に接続して透光性セラミックス気密容器内に封装されている。
【0025】
また、電極は、後述する電流導入導体に接続して透光性セラミックス気密容器内の所定位置に支持されている。例えば、電極の基端が電流導入導体の透光性セラミックス気密容器の内部側に位置する先端部に接続される。
【0026】
さらに、電極を電極主部または/および電極軸部により構成することができる。電極主部は、放電の起点となる部分で、したがって主として陰極およびまたは陽極として作用する部分であり、所望により電極軸部を介さないで直接電流導入導体に接続することができる。また、電極主部の表面積を大きくして放熱を良好にするために、必要に応じてタングステンのコイルを巻装したり、電極軸部より径大にしたりすることができる。電極が電極軸部を備えている場合、電極軸部は、電極主部と一体に、または溶接されて、電極主部の背面から後方へ突出して電極主部を支持し、かつ、電流導入導体に接続する。なお、所望により電極軸部と電流導入導体の先端部を単一のタングステンにより一体化させることができる。
【0027】
さらにまた、電極の材料には、タングステン、ドープドタングステン、トリエーテッドタングステン、レニウムまたはタングステン−レニウム合金などを用いることができる。
【0028】
さらにまた、一対の電極を用いる場合、交流点灯形の場合にはそれらを対称構造とするが、直流点灯形の場合には、非対称構造にすることができる。
【0029】
(放電媒体について) 放電媒体は、その放電により所望の発光を得るための手段であるが、本発明においてその構成が水銀フリーであることを除けば特段限定されない。好ましくは発光金属のハロゲン化物、水銀を除くランプ電圧形成媒体および希ガスにより構成される。なお、本発明において、「高圧放電」とは、イオン化媒体の点灯中の圧力が大気圧以上になる放電をいい、いわゆる超高圧放電を含む概念である。
【0030】
発光金属のハロゲン化物は、主として可視光を発光する発光金属のハロゲン化物であり、既知の各種金属ハロゲン化物を採用することができる。すなわち、発光金属の金属ハロゲン化物は、発光色、平均演色評価数Raおよび発光効率などについて所望の発光特性を備えた可視光の放射を得るため、さらには透光性セラミックス放電容器のサイズおよび入力電力に応じて、既知の金属ハロゲン化物の中から任意所望に選択することができる。例えば、ナトリウム(Na)、スカンジウム(Sc)、希土類金属(ジスプロシウム(Dy)、ツリウム(Tm)、ホルミウム(Ho)、プラセオジム(Pr)、ランタン(La)およびセリウム(Ce)など)、タリウム(Tl)、インジウム(In)およびリチウム(Li)からなるグループの中から選択された一種または複数種のハロゲン化物を用いることができる。
【0031】
ランプ電圧形成媒体は、ランプ電圧を形成するのに効果的な媒体であり、例えば下記の金属のハロゲン化物を用いることができる。すなわち、ランプ電圧形成媒体としてのハロゲン化物は、点灯中の蒸気圧が相対的に大きくて、かつ可視域の発光量が上記発光金属による可視域の発光量に比較して少ない金属、例えばアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、マンガン(Mn)などのハロゲン化物が好適である。
【0032】
希ガスは、始動ガスおよび緩衝ガスとして作用し、キセノン(Xe)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、ネオン(Ne)などを単体でまたは混合して用いることができる。なお、水銀フリーのイオン化媒体において、点灯直後の光束または/および光色立ち上がりを良好にするためには、例えばキセノンなどの希ガスを1気圧以上、好適には5〜16気圧程度封入するのがよい。
【0033】
次に、発光金属のハロゲン化物は、ハロゲンとしてよう素、臭素、塩素またはフッ素のいずれか一種または複数種を用いることができる。
【0034】
(電流導入導体について) 高圧放電ランプの電流導入導体は、本発明において、必須の構成要件ではないが、後述する電極に電圧を印加して、電極に電流を供給し、かつ透光性セラミックス気密容器を封止するために機能する導体である。そのために、透光性セラミックス気密容器の小径筒部の内部に挿入されている先端側の部分が電極に接続し、基端側が透光性セラミックス放電容器の外部に露出している。なお、透光性セラミックス気密容器の外部に露出しているとは、透光性セラミックス気密電容器から外部へ突出していてもよいし、また突出していなくてもよいが、外部から給電できる程度に外部に臨んでいればよい。
【0035】
また、電流導入導体は、封着性金属すなわちその熱膨張係数が透光性セラミックス気密容器の小径筒部を構成している透光性セラミックスのそれと近似している導電性金属であるニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)などの金属やサーメットなどを用いることができる。また、透光性セラミックス気密容器の材料に透光性多結晶アルミナセラミックスなどのアルミニウム酸化物を用いる場合、ニオブおよびタンタルは、平均熱膨張係数がアルミニウム酸化物とほぼ同一であり、またモリブデンはその平均熱膨張係数が上記酸化物のそれと接近しているから、封止に好適である。イットリウム酸化物およびYAGの場合も差が少ない。窒化アルミニウムを透光性セラミックス気密容器に用いる場合には、電流導入導体にジルコニウムを用いるとよい。また、電流導入導体を複数の材料部分を接合して形成することもできる。例えば、一部を上記のグループから選択した金属の部分とし、この金属部分にサーメットを管軸方向に接合したり、管軸と直交する周方向に接合したりした構成とすることができる。そして、電流導入導体の少なくとも一部にサーメットを用いる場合、当該サーメットの部分で透光性セラミックス気密容器の小径筒部と電流導入導体との間の封着を行うことができる。
【0036】
さらに、電流導入導体をニオブなどの封着性金属の棒状体、パイプ状体やコイル状体などによって構成することができる。棒状体の場合、棒状体の周囲にコイルを巻装することが許容される。なお、パイプ状体やコイル状体の場合、電流導入導体は、透光性セラミックス放電容器の内部を外部に対して封止するのに支障をきたさないように閉塞可能な構成でなければならない。また、ニオブなどは酸化性が強いので、高圧放電ランプを大気に通じた状態で点灯する場合には、耐酸化性の導体を電流導入導体にさらに接続するとともに、透光性セラミックス気密容器の小径筒部から外部へ露出した部分をフリットガラスなどの気密性物質で被覆するなどにより、電流導入導体が大気に接触しないようにする必要がある。
【0037】
さらにまた、電流導入導体は、主として透光性セラミックス気密電容器の小径筒部に封着する部分と、主として電極を支持する部分とに機能が分かれている。そこで、各部分をそれぞれの機能に対して最適化するために、各部分を別の材料を用いたり、別のサイズや構造にして形成し、かつそれらを接続して電流導入導体を構成したりすることがきる。例えば、主として透光性セラミックス気密容器の小径筒部に封着する部分をニオブとし、主として電極を支持する部分を耐ハロゲン性金属により形成することが既知である。本発明においても主たる機能に応じた材料、サイズおよび形状などの仕様を異ならせて、これらを管軸方向に接続して電流導入導体を構成することを許容する。
【0038】
しかし、本発明においては、所望により電流導入導体のほぼ全長を通じて同一材質の導電性部材を用いることもできる。この場合、上記それぞれの機能を発揮するために、導電性部材の周囲に所要に応じて他の材料を付加することができる。例えば、電流導入導体の小径筒部に溶着する部分については、必ずしも導電性は必要がないので、セラミックス成分の構成比率が高い材料を導電性部材の周囲に設け、この部材の一部をもって溶着させるようにしてもよい。
【0039】
(外管について) 外管は、その内部に発光管を収納しており、内部が外気に対して気密に維持されている。外管の内部は、好ましくは真空に保持される。外管内が真空であると、外管の上方への伝熱量が低減するので、外管の上方に高電圧パルス発生器を配置する一般的な態様において、高電圧パルス発生器の温度上昇が減少する。このため、温度上昇に対する高電圧パルス発生器の接近限界距離が小さくなり、高圧放電ランプ装置および照明装置の小型化を図ることができる。しかし、所望により外管内に不活性ガスが封入されていることを許容する。なお、本発明において、外管の形状、材質および大きさなどは特段限定されない。なお、外管の材質としては、例えば硬質ガラス、石英ガラスなどを用いることができる。
【0040】
〔高電圧パルス発生器について〕 高電圧パルス発生器は、高圧放電ランプの始動時に高電圧パルスを発生して高圧放電ランプの電極間に印加して高圧放電ランプを始動させるための手段である。高圧放電ランプが水銀フリーの場合、水銀入りの高圧放電ランプに印加する高電圧パルスより波高値の極端に高い高電圧パルスが必要である。
【0041】
しかし、本発明において、高電圧発生器の具体的な構成は、特段限定されない。既知の回路および実装構造を適宜採用して所望の波高値の高電圧パルスを発生する高電圧パルス発生器を構成することができる。
【0042】
〔電流導入系について〕 電流導入系は、高圧放電ランプと高電圧パルス発生器との間を電気的に接続する導電体手段であり、高電圧パルス発生器から発生する高電圧パルスで絶縁劣化や絶縁破壊が生じないように9kV以上、好適には25kV以上の絶縁耐性を有しているように構成されている。絶縁耐性を上記のように高めるための手段は、本発明において特段限定されないが、絶縁耐性を高めるための既知の手段を適宜採用することができる。
【0043】
また、電流導入系の具体的な構成は、本発明において特段限定されない。例えば、高圧放電ランプ側において、電気的接続および高圧放電ランプの機械的な支持のために、口金を配設する場合、当該口金は、電流導入系の一部をなす。また、高圧放電ランプに高電圧パルス発生器および点灯回路を導電的に接続し、かつ高圧放電ランプを機械的に支持するための手段としてランプソケットを用いる場合、当該ランプソケットもまた電流導入系の一部をなす。もちろん、高電圧パルス発生器と高圧放電ランプとの間に介在する導電線、例えばケーブル、コネクタおよび端子などの導電体も電流導入系を構成する。
【0044】
〔本発明におけるその他の態様について〕 本発明におけるその他の態様として、所望により以下の一部または全部の態様を採用することができる。
【0045】
(第1の態様について) 第1の態様は、高圧放電ランプと高電圧パルス発生器の間の距離が、高圧放電ランプの定格ランプ電力が50〜150Wでは60〜500mm、定格ランプ電力が150超〜400Wでは80〜500mm、定格ランプ電力が400超〜1000Wでは130〜500mm離間している。なお、上記距離は、高圧放電ランプの発光管の中心位置と高電圧パルス発生器の重心位置との間の空間的直線距離をいうものとする。上記距離がそれぞれの定格ランプ電力において、下限値未満になると、高電圧パルス発生器は、高圧放電ランプの点灯時における高い動作温度の影響を受けて、その温度上昇が激しくなるために故障しやすくなる。
【0046】
一方、定格ランプ電力の如何にかかわらず上記距離が上限値の500mmを超えると、高電圧パルス発生器においては十分な波高値およびパルス電力であっても、高電圧パルスの減衰量が大きくなりすぎて、高圧放電ランプに印加される高電圧パルスの波高値やパルス電力が高圧放電ランプの確実な始動に必要な値より低くなってしまう。なお、上記距離の上限が300mm以内であれば、高電圧パルスの減衰は実際上少なくなり、十分な波高値およびパルス電力を有する高電圧パルスを印加することができる。上記距離の上限は、定格ランプ電力に応じて150〜200mmであれば、高電圧パルス電圧の減衰が一層低減するので、最適である。
【0047】
(第2の態様について) 第2の態様は、高圧放電ランプが垂直点灯や斜め点灯など水平点灯以外の点灯姿勢である。このような点灯姿勢は、主として一般照明用途に適用されている。
【0048】
(第3の態様について) 第3の態様は、高圧放電ランプの定格ランプ電力が50W以上、好ましくは70W以上である。このような定格ランプ電力は、主として一般照明用途に適用される。
【0049】
(第4の態様について) 第4の態様は、高電圧パルス発生器と点灯主回路(バラスト)との間が2m以上離間している。この場合の距離は、高電圧パルス発生器と点灯主回路の間を接続している導電線、例えばケーブルの長さで表すものとする。なお、好ましくは上記距離は10m以上である。高圧放電ランプの場合、高電圧パルス発生器は、高圧放電ランプと比較的接近して配置されるが、点灯主回路は高圧放電ランプからかなり離間して配置されることもあるので、このような配置例に対しても本発明の高圧放電ランプ装置が正常に作動するように構成されている。
【0050】
(第5の態様について) 第5の態様は、高電圧パルス発生器と高圧放電ランプが機械的に一体化されている。本態様において、高圧放電ランプと高電圧パルス発生器とは、口金およびランプソケットを用いないで分離不納に一体化されている。本態様において、高圧放電ランプと高電圧パルス発生器とは、一体化された状態で照明装置に対して着脱される。
【0051】
(第6の態様について) 第6の態様は、高圧放電ランプが口金を具備しており、高電圧パルス発生器がランプソケットを具備している。本態様において、高圧放電ランプと高電圧パルス発生器とは、口金およびランプソケットの間で着脱可能になっている。本態様において、高圧放電ランプは、高電圧パルス発生器から分離された状態で照明装置に対して着脱することができる。
【0052】
(第7の態様について) 第7の態様は、高電圧パルス発生器と高圧放電ランプの間が電流導入系に含まれる導電線で接続されている。そして、高圧放電ランプが導電線の部分で高電圧パルス発生器から分離可能に構成されている。なお、導電線の分離部分にコネクタを介挿させて、当該コネクタで分離するように構成することができる
【0053】
(第8の態様について) 第8の態様は、第7の態様において、高電圧パルス発生器と点灯主回路との間が第2の導電線を介して接続され、かつ高電圧パルス発生器が第2の導電線の部分で点灯主回路から分離可能に構成されている。なお、第2の導電線の分離部分にコネクタを介挿させて、当該コネクタで分離するように構成することができる
【0054】
(第9の態様について) 第9の態様は、高圧放電ランプ点灯中の高電圧パルス発生器の内部最大温度が170℃以下、好適には120℃以下に保持されるように構成されている。このために、既知の放熱手段や熱絶縁手段を適宜高電圧パルス発生器に適用することができる。
【0055】
(第10の態様について) 第10の態様は、本発明の高圧放電ランプ装置に加えて点灯主回路(バラスト)を具備している。なお、本態様において、点灯主回路は、どのような構成であってもよい。また、交流点灯および直流点灯のいずれの点灯方式であってもよい。交流点灯の場合、例えばインバータを主体とする電子化点灯回路を構成することができる。所望により、インバータの入力端子間に接続する直流電源に昇圧チョッパまたは降圧チョッパなどの直流−直流間変換回路を付加することができる。直流点灯の場合、例えば上記直流−直流間変換回路を主体とする電子化点灯回路を構成することができる。
【0056】
(第11の態様について) 第11の態様は、本発明の高圧放電ランプ装置を備えた照明装置である。この照明装置は、照明装置本体と、照明装置本体に配設された本発明の高圧放電ランプ装置と、高圧放電ランプ装置中の高圧放電ランプを点灯する点灯主回路と、を具備していることを特徴としている。
【0057】
本態様において、照明装置は、高圧放電ランプを光源とする全ての装置を含む概念である。例えば、屋外用および屋内用の各種照明器具、自動車前照灯、画像または映像投射装置、標識灯、信号灯、表示灯、化学反応装置、検査装置などである。
【0058】
照明装置本体は、照明装置から高圧放電ランプ装置および点灯主回路を除いた残余の部分をいう。
【0059】
点灯主回路は、照明装置本体から離間した位置に配置されるのであってもよい。
【発明の効果】
【0060】
本発明によれば、水銀レスの高圧放電ランプおよび高電圧パルス発生器の間を9kV以上の絶縁耐性を有する電流導入系で接続したことにより、始動が容易で、しかも長期間にわたり信頼性の高い始動性を有して実用的な高圧放電ランプ装置を提供することができる。
【0061】
また、本発明によれば、上記に加えて高電圧パルスの減衰が低減されるとともに高電圧パルス発生器が故障しにくくて、しかも多様な照明器具への適合性が良好で取扱いが容易で実用的な高圧放電ランプ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0063】
図1ないし図3は、本発明の高圧放電ランプ装置を実施するための第1の形態を示し、図1は高圧放電ランプ装置全体の正面図、図2は分解正面図、図3は発光管の拡大断面図である。高圧放電ランプ装置は、高圧放電ランプMHL、高電圧パルス発生器IGおよび電流導入系CM1を具備している。また、高圧放電ランプMHLは、高電圧パルス発生器IGから発生する高電圧パルスの印加により始動して、点灯主回路OCにより点灯を持続する。
【0064】
高圧放電ランプMHLは、発光管IT、リード線L1、絶縁チューブT、外管OTおよび口金Bを主たる部品として構成されている。
【0065】
発光管ITは、図3に示すように、透光性セラミックス気密容器1、電極2、電流導入導体3、シール4および放電媒体からなる。
【0066】
透光性セラミックス気密容器1は、透光性多結晶アルミナセラミックスを主材料として一体成形により形成されており、包囲部1aおよび一対の小径筒部1b、1bを具備している。包囲部1aは、肉厚がほぼ一定な中空の断面形状が長円形状に成形され、内部に同様形状の放電空間1cが形成されている。一対の小径筒部1b、1bは、それぞれが包囲部1aの管軸方向の両端から一体に延長された比較的短くて細い筒状部分によって形成されている。
【0067】
電極2は、タングステン線からなり、軸方向の先端部、中間部および基端部にわたり軸部の直径が同じで、かつ先端部が放電空間1c内に露出している。また、電極2は、その基端部が後述する電流導入導体3の先端部の耐ハロゲン性金属部分3bに溶接により接続していることによって、透光性セラミックス気密容器1の管軸方向に沿って支持されている。なお、電極2の中間部と小径筒部1bの内面との間に管軸方向に短いわずかな隙間すなわちキャピラリーが形成されている。
【0068】
電流導入導体3は、封着性金属部分3aおよび耐ハロゲン性金属部分3bを直列に接合してなる。封着性金属部分3aは、ニオブ棒からなる。耐ハロゲン性金属部分3bは、モリブデン棒からなる。また、電流導入導体3は、透光性セラミックス放電容器1のそれぞれの開口部1bに挿入され、かつ封着性金属部分3aがセラミックス封止用コンパウンドのシール4により小径筒部1bに封着されて透光性セラミックス気密容器1を封止している。したがって、電流導入導体3の先端部すなわち耐ハロゲン性金属部分3bは、小径筒部1b内に位置し、基端部は透光性セラミックス気密容器1の外部へ露出している。
【0069】
放電媒体は、発光金属のハロゲン化物、ランプ電圧形成用媒体および希ガスからなる。ランプ電圧形成用媒体は、水銀またはランプ電圧計形容用ハロゲン化物からなる。なお、ランプ電圧形成用ハロゲン化物は、蒸気圧が高くて発光金属のハロゲン化物との共存下で可視域の発光量が発光金属の発光量に比較して少ない金属のハロゲン化物である。
【0070】
リード線L1は、図1において、その先端が後述する外管OTの図において下側の部分を気密に貫通して発光管ITの下方の電流導入導体3の基端に溶接により接続して、発光管ITを外管OT内の所定の位置に支持している。なお、発光管ITの図において上側の電流導入導体3は、図示を省略している他方のリード線により上記と同様に支持されている。また、他方のリード線は、管軸に沿って延在して後述する口金B内に導出され、図示されていない一方の口金端子に接続している。これに対して、上記リード線L1は、中間部が後述する外管OTに沿って折り返されて口金B内に導入されて口金Bに配設された他方の口金端子に接続している。
【0071】
絶縁チューブTは、セラミックスのチューブからなり、リード線L1を被覆している。
【0072】
外管OTは、内部に発光管ITを収納していて、内部が外気に対して気密になっている。
【0073】
口金Bは、外管OTの一端部に装着されている。
【0074】
高電圧パルス発生器IGは、ランプソケットLSを一体に備えている。そして、高電圧パルス発生器IGは、図示を省略しているが、その出力する高電圧パルスがランプソケットLSに印加されるように、ランプソケットLSに導電的に接続している。したがって、高圧放電ランプMHLは、その口金BがランプソケットLSに装着されることで、高電圧パルス発生器IGおよび後述する点灯主回路OCに着脱自在に接続する。なお、図2は、高圧放電ランプMHLがランプソケットLSから離脱した状態を示している。
【0075】
電流導入系CM1は、高電圧パルス発生器IGの出力端から発光管ITに至る導電路に介在している導電体手段であり、本形態においてはランプソケットLSおよび高圧放電ランプMHLの口金Bを含んでいる。
【0076】
点灯主回路OCは、始動した高圧放電ランプMHLを持続的かつ安定にアーク放電させる回路手段である。なお、点灯主回路OCは、高圧放電ランプ装置とともに高圧放電ランプ点灯装置を構成する。また、点灯主回路OCと高圧放電ランプ装置との間は、第2の電流導入系CM2により導電的に接続しているが、空間的には離間して配置することが可能になっている。
【実施例】
【0077】
透光性セラミックス気密容器:一体成形の透光性アルミナセラミックス製、
包囲部;長さ18mm、最大外径13mm
小径筒部;外径2.7mm、長さ14mm
イオン化媒体 :TmI3-NaI-ZnI2:10mg、Xe10気圧
定格ランプ電力 :150W
高電圧パルス発生器 :高電圧パルス24kV、動作温度90℃
電流導入系の絶縁耐性 :28kV
高圧放電ランプと高電圧パルス発生器の距離:180mm

【0078】
[比較例]
透光性気密容器 :石英ガラス製、
包囲部;長さ10mm、最大外径10mm
イオン化媒体 :ScI3-NaI-ZnI2:0.4mg、Xe10気圧
定格ランプ電力 :70W
高電圧パルス発生器 :高電圧パルス24kV、動作温度90℃
電流導入系の絶縁耐性 :28kV
高圧放電ランプと高電圧パルス発生器の距離:70mm

【0079】
図4は、本発明の実施例において、高圧放電ランプと高電圧パルス発生器の間の距離を変化させた場合の高電圧パルスの減衰および高電圧パルス発生器の動作温度の変化を試験した結果を示すグラフである。図において、横軸は高圧放電ランプと高電圧パルス発生器の間の距離(mm)を、縦軸は左側が高電圧パルスのランプ印加値/発生器出力値、右側が高電圧パルス発生器の動作温度相対値(℃)を、それぞれ示す。なお、試験に供した高電圧パルスは、25kV、2MHzである。また、高電圧パルス発生器の動作温度は、重心位置における動作温度である。図中の曲線Aは高電圧パルスの減衰の程度を示し、曲線は高電圧パルス発生器の動作温度を示す。
【0080】
図から理解できるように、曲線Aによれば、高圧放電ランプMHLと高電圧パルス発生器IGの間の距離が500mm以下であれば、高電圧パルスが減衰しても当初の約75%の19kV以上で印加できるために、高圧放電ランプMHLの始動が確実になることが分かる。また、曲線Bによれば、高圧放電ランプと高電圧パルス発生器の間の距離が60mm未満になると、高電圧パルス発生器IGの温度上昇が大きくなりすぎる。したがって、試験に供した定格ランプ電力150Wの高圧放電ランプMHLの場合、高圧放電ランプMHLと高電圧パルス発生器IG間の距離は、60〜500mmの範囲が適当であることが分かる。
【0081】
以下、図5ないし図7を参照して本発明を実施するためのその他の形態について説明する。なお、図1と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0082】
図5は、本発明を実施するための第2の形態を示す分解正面図である。本形態は、高電圧パルス発生器IGと点灯主回路OCとの間を接続する第2の電流導入系CM2が分離可能になっている。なお、図示を省略しているが、第2の電流導入系CM2の分離は、介在させているコネクタの部分で行うように構成されている。また、コネクタは、導電線の中間部、導電線と高電圧パルス発生器IGとの接続部または導電線と点灯主回路OCとの接続部に配設することができる。
【0083】
図6は、本発明を実施するための第3の形態を示す分解正面図である。本形態は、ランプソケットLSと高電圧パルス発生器IGとが分離していて、両者間が導電線CWで接続している。したがって、本形態において、口金B、ランプソケットLSおよび導電線CWが電流導入系CM1に含まれる。
【0084】
図7は、本発明を実施するための第4の形態を示すブロック回路図である。本形態は、点灯主回路OCが昇圧チョッパBUTおよびフルブリッジ形インバータFBIにより構成されていて、直流電源DCから供給される直流を矩形波低周波交流電圧に変換して高圧放電ランプMHLに供給するとともに、高電圧パルス発生器IGに電源を供給する。
る。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の高圧放電ランプ装置を実施するための第1の形態を示す高圧放電ランプ装置全体の正面図
【図2】同じく分解正面図
【図3】同じく発光管の拡大断面図
【図4】本発明の実施例において、高圧放電ランプと高電圧パルス発生器の間の距離を変化させた場合の高電圧パルスの減衰および高電圧パルス発生器の動作温度の変化を試験した結果を示すグラフ
【図5】本発明を実施するための第2の形態を示す分解正面図
【図6】本発明を実施するための第3の形態を示す分解正面図
【図7】本発明を実施するための第4の形態を示すブロック回路図
【符号の説明】
【0086】
1…透光性セラミックス放電容器、1a…包囲部、1b…小径筒部、3…電流導入導体、B…口金、CM1…電流導入系、CM2…第2の電流導入系、IG…高電圧パルス発生器、IT…発光管、L1…リード線、LS…ランプソケット、MHL…高圧放電ランプ、OT…外管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性セラミックス気密容器、透光性セラミックス気密容器の内部に離間対向して封装された一対の電極および透光性セラミックス気密容器内に封入された金属ハロゲン化物および希ガスを含み、かつ水銀を本質的に含まないイオン化媒体を有する発光管ならびに発光管を収納し内部が外気に対して気密になっている外管を備えた高圧放電ランプと;
発光管の一対の電極間に印加して高圧放電ランプを始動させるための高電圧パルスを発生する高電圧パルス発生器と;
高圧放電ランプの発光管および高電圧パルス発生器の間を接続する9kV以上の絶縁耐力を有する電流導入系と;
を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ装置。
【請求項2】
高圧放電ランプと高電圧パルス発生器とは、高圧放電ランプの定格ランプ電力が50〜150Wでは60〜500mm、定格ランプ電力が150超〜400Wでは80〜500mm、定格ランプ電力が400超〜1000Wでは130〜500mm離間していることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ装置。
【請求項3】
高圧放電ランプと高電圧パルス発生器とは、機械的に一体化されていることを特徴とする請求項1または2記載の高圧放電ランプ装置。
【請求項4】
高圧放電ランプは、口金を有しており;
高電圧パルス発生器は、高圧放電ランプの口金を受容するランプソケットを一体に有している;
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−112584(P2008−112584A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293056(P2006−293056)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】