説明

高圧放電ランプ

【課題】 100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動方式でも、電極の突起が消滅せずに維持できる高圧放電ランプを提供すること。
【解決手段】 発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した高圧放電ランプにおいて、前記電極は突起と大径部とコイル部からなり、前記突起の径方向長さAと軸方向長さBの関係が、0.35≦B/A≦0.75であり、前記突起の表面積Sと前記大径部の表面積Sの関係が、0.03≦S/S≦0.23であり、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動で点灯されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データプロジェクタや液晶プロジェクタ、DLP(デジタルライトプロセッサ)プロジェクタなどの装置に用いられる高圧放電ランプに関する。特に、発光管内に水銀が0.15mg/mm以上封入され、水銀蒸気圧が110気圧以上となる高圧放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶プロジェクタや、デジタル・ライト・プロセッシング技術を使用したDLPプロジェクタが普及しつつある。その画像投影用光源として、ショートアーク型メタルハライドランプやショートアーク型高圧放電ランプが使用されている。これらのランプは、直流駆動方式または交流駆動方式により点灯される。直流駆動方式の場合、点灯時間の経過とともに主に陽極がタングステンの蒸発により磨耗し、電極間の距離が長くなり、光出力が低下しやすい。一方、交流駆動方式の場合、点灯時間の経過とともに大径部先端に突起が形成されるという現象が起こる。点灯により溶融と固化を繰り返して突起が形成され、この突起により極間の長さが安定し、光出力が低下しにくくなる。交流駆動方式は、直流駆動方式に比べて長時間にわたって光出力を維持できるため、高圧放電ランプの寿命を延ばすことができる。
【0003】
図10(a)は、高圧放電ランプ10の構成を示す説明用断面図、図10(b)は、高圧放電ランプ10の電極1の構成を示す拡大図である。
高圧放電ランプ10は、例えば、石英ガラスからなる発光管6に一対の電極1を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入したものである。高圧放電ランプ10には図示しない点灯装置から電力が供給される。この供給電力量によって、電極1の温度が変わることが知られている。具体的には、定格入力より著しく低い入力で点灯させると、電極1の温度が低くなる。一方、電力を過入力すると、電極1の温度が高くなる。また、プロジェクタ光学系の光学素子(例えばカラーホイール)からの反射光が電極に戻ることによって、電極1の温度が高くなることもある。
【0004】
発光管の内部に封入されたハロゲンの役割は、主に発光管の黒化・失透防止であるが、これにより、いわゆるハロゲンサイクルも生じる。高圧放電ランプ10の点灯中に電極先端付近の高温部から蒸発したタングステンは、発光管6の内部に存在するハロゲンや残留酸素と結合し、電極先端付近の気相中の高温部において分解されて拡散する。電離して陽イオンとなったタングステン原子は電極1に再び引き寄せられ、電極先端にタングステンが析出する。突起2は、このハロゲンサイクルによって生成されるものと考えられている。
しかし、電極1の温度が低すぎると、大径部3の先端付近から蒸発するタングステン蒸気圧が小さく、十分な密度のタングステンが電極先端に抽出できず、結果として突起2が再生できない。また、突起2ができたとしても先端が平面になることや、突起2全体に凹凸があるなどの、アーク輝点が移動しやすい異常突起になる。一方、電極1の温度が高すぎると、大径部3の先端付近から蒸発するタングステン蒸気圧は大きいものの、タングステン蒸気が液化または固化できず、突起2が消滅する。
【0005】
特開2004−362861公報には、上記の問題を鑑み、電極の形状変化を抑えて常に安定なアーク放電を作ることが記載されている。特開2003−51282公報には、このような高圧放電ランプ10の大径部3と突起2の寸法比が記載されている。
一方、特開2005−190766公報には、交流駆動方式の周波数を適宜変化させることで、突起2の成長を制御できることが記載されている。このような交流駆動方式として、60〜1000Hzの定常周波数で駆動し、定常周波数より低く、かつ、1〜100Hzの低周波を30秒〜2分毎に1〜5周期挿入して点灯させることが記載されている。
【特許文献1】特開2003−51282公報
【特許文献2】特開2004−362861公報
【特許文献3】特開2005−190766公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開2004−362861公報に記載された大径部3と突起2の寸法比を有する高圧放電ランプ10を、特開2005−190766公報に記載された交流駆動方式で点灯すると、ある場合には突起2の形状が維持できても、別の場合では突起2が消滅する問題が発生した。突起2が消滅すると、アークの位置がずれやすくチラツキが発生し、また、電極間の距離が長くなるため光出力も低下してしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑み、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動方式でも、電極の突起が消滅せずに維持できる高圧放電ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願第1の発明は、発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した高圧放電ランプにおいて、前記電極は突起と大径部とコイル部からなり、前記突起の径方向長さAと軸方向長さBの関係が、0.35≦B/A≦0.75であり、前記突起の表面積Sと前記大径部の表面積Sの関係が、0.03≦S/S≦0.23であり、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動で点灯されることを特徴とする。
また、本願第2の発明は、発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した高圧放電ランプにおいて、前記電極は突起と大径部とコイル部からなり、前記突起の径方向長さAと軸方向長さBの関係が、0.35≦B/A≦0.75であり、前記突起の体積Vと前記大径部の体積Vの関係が、0.005≦V/V≦0.11であり、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動で点灯されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る高圧放電ランプによれば、突起の表面積Sと大径部の表面積Sの関係が、0.03≦S/S≦0.23となる場合、または、突起の体積Vと大径部の体積Vの関係が、0.005≦V/V≦0.11となる場合であれば、突起の径方向長さAと軸方向長さBの関係が、0.35≦B/A≦0.75となるように突起と大径部を形成すれば、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動で高圧放電ランプを点灯しても、電極の温度変化による溶融と成長とのバランスがとれ、突起の形状が維持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の高圧放電ランプの構成を示す説明用断面図である。
高圧放電ランプ10は、石英ガラスよりなる概略球形の発光管6を有し、この発光管6に、一対の電極1を互いに対向して配置する。また、発光管6の両端部から伸びるよう封止部7が形成され、これらの封止部7内には、例えばモリブデンよりなる導電用の金属箔8がシュリンクシールにより気密に埋設されている。一対の電極1は、軸部5が金属箔8に溶接されて電気的に接続され、また、金属箔8の他端には、外部に突出する外部リード9が溶接されている。
【0010】
発光管6には、水銀と、希ガスと、ハロゲンガスが封入されている。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜780nmという放射光を得るためのもので、0.15mg/mm以上封入される。この水銀封入量は温度条件によっても異なるが、点灯時に発光管6の内圧が150気圧以上の極めて高い蒸気圧となるように製作される。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧が200気圧以上または300気圧以上となる高圧放電ランプ10を製作することができ、この水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクタ装置に適した光源を実現することができる。
希ガスは、点灯始動性を改善するために用いられ、例えば、アルゴンガスが約13kPa封入される。
【0011】
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが水銀その他の金属との化合物の形態で封入され、ハロゲンの封入量は、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲から選択される。ハロゲンを封入することによって、ハロゲンサイクルが発生し、高圧放電ランプ10の寿命を長くすることができる。また、本発明の高圧放電ランプ10のように極めて小型で高い内圧を有するものでは、ハロゲンを封入することによって、発光管6の黒化・失透を防止する効果がある。
【0012】
高圧放電ランプ10の数値例を示すと、例えば、発光管6の最大外径11.3mm、電極間距離1.1mm、発光管6の内容積115mmである。高圧放電ランプ10は、プロジェクタ装置に内蔵されるものであり、装置の小型化に伴い、高圧放電ランプ10も小型化することが求められている。また、高圧放電ランプ10の光量も要求されるので、印加電力も高く、発光管内部の熱的影響は極めて厳しいものとなる。高圧放電ランプ10の管壁負荷値(発光管の内表面の単位面積当たりの印加電力)は0.8〜3.0W/mm2、具体的には2.5W/mm2となる。
このような高い水銀蒸気圧や管壁負荷値を有する高圧放電ランプ10は、プロジェクタ装置やオーバーヘッドプロジェクタのようなプレゼンテーション用機器に搭載され、演色性の良い放射光を提供することができる。
【0013】
図2は、本発明の高圧放電ランプ10の電極1の構成を示す拡大図である。
図2に示すように、電極1は、突起2、大径部3およびコイル部4からなり、軸部5の先端に接続されている。大径部3は、軸部5より径が大きく、軸部5寄りにコイル部4が設けられる。また、大径部3の軸方向先端中央部に半球状の突起2が形成される。突起2は、高圧放電ランプ10を点灯することによって成長させて形成される。
【0014】
大径部3は、タングステンよりなる、球状のものであり、突起2との境界面からコイル部4との境界面12までの部位をいい、軸部5にコイルを巻回して溶融させて大径部3を形成して電極1を製作される。大径部3は塊状であることにより、熱容量を大きくすることができる。高圧放電ランプ10では、発光管6の内部は、熱的条件が極めて厳しいものとなるので、熱容量を確保することが重要である。
【0015】
コイル部4は、糸状のタングステンよりなるものであり、大径部3との境界面12から軸部5に至るまでの部位をいい、大径部3を形成するときに溶融せずにコイルが残った部分より形成される。コイル部4を設けることによって、大径部3の外表面に凹凸を設けることができる。これより、コイル部4は、点灯始動時の放電始動を誘導し、放電始動開始位置となる。また、コイル部4は細線のため加熱されやすく、グロー放電からアーク放電への移行を容易にする働きがある。
【0016】
突起2は、タングステンよりなる、半球状のものであり、点灯に伴う物理現象により生成される。例えば、軸部5に大径部3およびコイル部4が形成された電極1を備える高圧放電ランプ10を点灯し、点灯に伴う物理現象により突起2を生成・成長させて形成する。突起2は、高圧放電ランプ10の点灯中、その表面の一部が溶融状態になり、突起2にタングステンを輸送させると共に、突起2から蒸発したタングステンを析出させる。
【0017】
なお、以上の説明では溶融により電極1を形成する場合を示したが、例えば、電極製造時に、大径部3の先端を切削加工し、寸法の小さな突起2を形成することや、突起2と大径部3とが連接した形状の型を用意し、注型成形することもできる。また、大径部3の形状も、球状だけでなく、円錐台のものや、円錐台と円柱などが組み合わさった複雑な形状のものも、電極1として使用できる。また、コイル部4も、大径部3の胴部にコイル状のタングステンを巻回し、端部を、例えばかしめなどによって固定することにより形成することもできる。
【0018】
図3は、高圧放電ランプ1の点灯装置21の回路図である。
ここでは、一例として、発光管2の外表面には金属線が巻きつけられた外部トリガに高電圧パルスを印加する、いわゆる外部トリガ方式を示す。点灯装置21は、降圧チョッパ回路22、フルブリッジ回路23、高圧発生回路24により構成される。降圧チョッパ回路22には、直流電圧VDCが供給され、降圧チョッパ回路22の出力側にフルブリッジ回路23が接続される。フルブリッジ回路23は、直流電圧を交流電圧に変化させ、フルブリッジ回路23の出力側に高圧発生回路24が接続される。高圧放電ランプ10の外部リードには、フルブリッジ回路23の出力にコイルL1、コンデンサC1を直列接続して給電され、高圧放電ランプ10の外部トリガには高圧発生回路24の出力が給電される。
【0019】
降圧チョッパ回路22は、直流電源VDCに接続され、スイッチング素子Qxと、ダイオードDxと、コイルLxと、平滑コンデンサCxと、スイッチング素子Qxの駆動回路Gxから構成される。スイッチング素子Qxは、駆動回路Gxによりオン/オフ駆動される。この駆動によって、スイッチング素子Qxのディーテュ比が調整されて、高圧放電ランプ10に供給される電流あるいは電力が制御される。すなわち、抵抗R1、R2で検出された電圧信号Sv、R3で検出された電流信号Siに基づいて制御回路25が駆動回路Gxを介して、スイッチング素子Qxをフィードバック制御する。これにより、初期点灯期間においてはランプ電流を所定値とする定電流制御が、定常点灯時には放電ランプの点灯電力を一定値とする定電力制御がそれぞれ実施される。
【0020】
フルブリッジ回路23は、ブリッジ状に接続されたトランジスタやFETのスイッチング素子Q1〜Q4と、スイッチング素子Q1〜Q4の駆動回路G1〜G4から構成される。なお、スイッチング素子Q1〜Q4には、各々に並列にダイオードが逆並列に接続されることもあるが、この実施例においてダイオードは省略している。上記スイッチング素子Q1〜Q4は、図示略の制御部を介して駆動回路G1〜G4により駆動される。
フルブリッジ回路23の動作は、スイッチング素子Q1、Q4と、スイッチング素子Q2、Q3を交互にオン、オフを繰り返す。スイッチング素子Q1、Q4がオンするときは、降圧チョッパ回路22→スイッチング素子Q1→コイルL1→高圧放電ランプ10→スイッチング素子Q4→降圧チョッパ回路22の経路で電流が流れる。一方、スイッチング素子Q2、Q3がオンするときは、降圧チョッパ回路22→スイッチング素子Q3→高圧放電ランプ10→コイルL1→スイッチング素子Q2→降圧チョッパ回路22の経路で電流が流れる。このようにして、高圧放電ランプ10に交流矩形波電流を供給する。
【0021】
スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング周期を調整すると、交流矩形波電流の周波数を自在に変更することができる。交流矩形波電流を一定周波数駆動とするだけでなく、交流矩形波電流の周波数を切り替えることもできる。周波数の切り替えは、予め、定常周波数(例えば360Hz)と、それよりも低い周波数(例えば45Hz)を設定し、この低周波を挿入する波の数や挿入する間隔を決め、そのような信号が駆動回路G1〜G4に入力するようにすれば、スイッチング素子Q1〜Q4がこの信号通りに動作し、定常周波数に低周波数が挿入された交流矩形波電流を供給するようになる。なお、制御回路25で検出された電力信号が入力され、駆動回路G1〜G4に出力する信号形成回路を設ければ、電力信号に応じてスイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング周期を調整することもできる。本願では特に、定常周波数に100Hz以下の低周波を挿入する駆動方式や、100Hz以下の一定低周波数駆動など、すなわち、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動とされる。
【0022】
高圧発生回路24は、スイッチ素子Q5、駆動回路G5、抵抗R1、コンデンサC2、トランスT2より構成される。高圧放電ランプ10の始動時にコンデンサC2に蓄積したエネルギーを、駆動回路G5によりスイッチ素子Q5をオンすることによりトランスT2に印加し昇圧して、外部トリガから高電圧パルスを印加して高圧放電ランプ10を始動させる。
【0023】
周波数の高低が電極1の形状にどのような影響を与えるのか、高周波駆動時と低周波駆動時のときの電極温度を測定することにより確認した。この測定結果より、電極1の温度は、電極1にプラス電荷が入力する時に高くなり、マイナス電荷が入力する時に低くなること、また、電極1にプラス電荷が入力する時の温度上昇幅は、高周波駆動時には比較的低く抑えられ、低周波駆動時は大きくなることがわかった。これは、周波数が高いと極性がすぐに入れ替わるので、電極1にプラス電荷が入力する時の最高到達温度が小さく、電極1は過剰に高温になることがないためと考えられる。また、周波数が低いと電極1に電力を入力する期間が長くなるので、電極1にプラス電荷が入力する時の最高到達温度が大きく、電極1はより高温になるためと考えられる。
【0024】
定常周波数に100Hz以下の低周波を挿入して高圧放電ランプ10を点灯すると、定常周波駆動時に突起2が成長し続けて電極1の電極間距離が短くなるが、低周波駆動時に突起2を溶かして成長を抑えることができる。さらに、不所望な位置にタングステンが析出して大径部3に凸部ができても、低周波駆動時に大径部3が高温となって凸部を溶かしてしまうので、突起2が2つ3つ形成される異常突起に成長しない。
【0025】
しかしながら、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動で高圧放電ランプ10を点灯すると、低周波駆動時に電極1の温度上昇によって突起2が消滅する場合が発生する。100Hz以下の低周波のみによる駆動でも同様である。そこで、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動でも突起2の成長・溶融のバランスが保てる、突起2の形状を見つけ出す必要がある。
図2に示す電極1の温度は、その表面積S、Sに依存する。表面積S、Sの大きさによって、放熱量が決まるためである。ただし、突起2の表面積をS、大径部3の表面積をSとする。高圧放電ランプ10の点灯によって、電極1の温度が上昇するが、同時に電極1の表面から放熱されるので、表面積S、Sを適切な値にすれば、突起2からのタングステンの蒸発と、大径部3から突起2へのタングステンの供給とのバランスがとれ、突起2の形状が維持される。
【0026】
突起2の成長・溶融を定量的に判断するために、突起2の径方向長さAと軸方向長さBも測定し、突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aの値を求めた。低周波駆動時に電極1が高温となるので、表面積S、Sが適切な値の範囲内でも、突起2の径方向長さAが大きくて軸方向長さBが小さいと、突起2と大径部3との境界が溶融して消滅することがあるためである。
【0027】
図4は、電極1の突起2と大径部3を区別する境界面11を説明するための電極1の拡大断面図である。
電極1の外表面に存在する変曲点c、dが、突起2と大径部3を区別する指標となる。図4に示すように、変曲点c、dが軸方向Lに対して垂直線上に存在しない場合は、変曲点cを通り軸方向Lに垂直な線Eと、変曲点dを通り軸方向Lに垂直な線Fとからの距離が等しい位置にある線を境界線Gとする。境界線Gを含み軸方向Lに垂直な面を突起2と大径部3を区別する境界面11とする。また、電極1の大径部3とコイル部4を区別する境界面12は、図2に示すように、コイル部4の凹凸が形成されている部分に沿って形成される。なお、コイル部4が電極1の軸部5側の終端に設けられていなくても、コイル部4の凹凸が形成されている部分から軸部5寄りの部位全体をコイル部4とする。電極1の大径部3とコイル部4を区別する境界面12までの部位について、図4に示す突起2と大径部3を区別する境界面11を境にして、図2に示す突起2の表面積Sと大径部3の表面積Sを求めることになる。
また、径方向長さAは、変曲点cと変曲点dを結ぶ線分とする。軸方向長さBは、突起2と大径部3との境界面11に突起2の先端から下ろした垂線の長さとする。
【0028】
図5は、電極1の変曲点cを拡大表示した図である。
変曲点cとなり得る変曲点は、電極1の外表面に複数存在することもある。そのような場合は、変曲点cの候補点となる変曲点hと変曲点iを結ぶ線分jの中点を変曲点cとみなし、変曲点cを通り軸方向Lに垂直な線をEとする。また、変曲点cの候補点となる変曲点が3つ以上あるときは、軸方向に最も離れた2つの変曲点を選び、その変曲点を結ぶ線分の中点を変曲点cとみなす。
【0029】
定常周波数に低周波を挿入して高圧放電ランプと点灯したときの電極の形状、体積、面積を測定した。
〔実施例1〕
実験対象として用いた高圧放電ランプの仕様を以下に示す。
<ランプ仕様>
放電容器:材質;石英ガラス、発光管部の最大外径;φ10.0〜11.3mm、全長;9.0〜11.1mm
電極:材質;タングステン
電極間距離:2mm以下
封入物:水銀;0.15mg/mm以上、
臭素ガス(ハロゲン);1.0×10−6〜1.0×10−2mol/mm
この高圧放電ランプを、360Hzの定常周波数に、120ms毎に45Hz低周波を1周期挿入するように設定した交流駆動方式で1時間点灯した。入力電力を170W、230W、275W、350W高圧放電ランプ10に給電し、それぞれの高圧放電ランプの点灯後の電極について、突起の形状を目視で確認し、突起および大径部の表面積、突起の径方向長さA、突起の軸方向長さBを上記した基準により測定した。突起の形状は、突起維持と突起消滅に区分した。ただし、突起が消滅したものだけではなく、例えば、突起が小さすぎるもの、先端が平面、凹凸があるなどの異常突起であるもの、および、大径部との境となるくびれ(変曲点c、d)がほとんどないものも、突起が維持できていないと判断し、突起消滅とした。
【0030】
図6は、360Hzの定常周波数に45Hzの低周波を挿入したときの実験結果を示すグラフである。
横軸に突起表面積/大径部表面積 S/Sをとり、縦軸に突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aをとり、測定データをプロットした。入力電力230Wのとき、突起維持できた場合を黒塗りの四角で示し、突起消滅と判断した場合を白抜きの四角で示した。入力電力275Wのとき、突起維持できた場合を黒塗りの丸で示し、突起消滅と判断した場合を白抜きの丸で示した。入力電力170Wのとき、突起維持できた場合を黒塗りの三角で示し、入力電力350Wのとき、突起維持できた場合を黒塗りのひし形で示した。
線分aは突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/A=0.35を示し、線分bは突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/A=0.75を示し、線分cは突起表面積/大径部表面積 S/S=0.03を示し、線分dは突起表面積/大径部表面積 S/S=0.23を示す。
【0031】
プロット点(1)の突起表面積/大径部表面積 S/Sは0.225であり、突起維持と判断された。プロット点(2)の突起表面積/大径部表面積 S/Sは0.255であり、突起消滅と判断された。これより、突起表面積/大径部表面積 S/Sが0.23以下のときは突起維持できるが、突起表面積/大径部表面積 S/Sが0.23を越えるときは突起消滅に相当することがわかった。突起表面積/大径部表面積 S/Sが0.23を越えるときは、突起が著しく大きくなり、大径部との境となるくびれ(変曲点c、d)がほとんどない状態となる。この状態の電極は温度が高く、大径部との境となるくびれが溶融して消滅しかかっており、突起消滅直前の状態であり、アーク輝点を維持できない。
プロット点(3)の突起表面積/大径部表面積 S/Sは0.032であり、突起維持と判断された。プロット点(4)の突起表面積/大径部表面積 S/Sは0.020であり、突起消滅と判断された。これより、突起表面積/大径部表面積 S/Sが0.03以上のときは突起維持できるが、突起表面積/大径部表面積 S/Sが0.03未満のときは異常突起となり、突起消滅に相当することがわかった。突起表面積/大径部表面積 S/Sが0.03未満のときは、電極温度が低い状態となり、そのために突起が十分に成長せず、アーク輝点を維持できない。
【0032】
プロット点(5)の突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aは0.745であり、突起維持と判断された。プロット点(5)より突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aが大きくなる事例は生じなかった。突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aが0.75を超える状態は発生しないことがわかった。100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動により高圧放電ランプが点灯される場合は、低周波駆動時に電極の温度が高くなるため、突起先端のタングステンが特に蒸発しやすい状態にあり、突起が成長する高さに限界があるためである。
プロット点(6)の突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aは0.35であり、突起維持と判断された。プロット点(7)の突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aは0.346であり、突起消滅と判断された。これより、突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aが0.35以上のときは突起維持できるが、突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aが0.35未満のときは異常突起になることがわかった。突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aが0.35未満のときは、突起の径方向長さAに対する軸方向長さBが著しく短く、突起先端が平面状態になる。
【0033】
以上より、突起の径方向長さAと軸方向長さBの関係が、0.35≦B/A≦0.75であり、かつ突起の表面積Sと大径部の表面積Sの関係が、0.03≦S/S≦0.23となるように突起と大径部を形成すれば、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動で高圧放電ランプを点灯しても、電極の温度変化による溶融と成長とのバランスがとれ、突起の形状が維持されることがわかった。このような条件を満たす電極を用いることによって、安定したアーク放電が形成され、アークの位置がずれることがなく、チラツキを抑制できる高圧放電ランプを提供することができる。
また、電極の最適形状を予め決めておくことによって、プロジェクタ使用中に突起が消滅して照度が落ちることを防止し、信頼性の高い製品を提供することができる。
【0034】
〔実施例2〕
続いて、実施例2について説明する。電極1は体積V、Vの大小によって管理されることが多いため、表面積S、Sの代わりに体積V、Vを用いて、電極1の温度を判断する。実施例1で用いた高圧放電ランプについて、体積V、Vを測定し、突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aとの関係を求めた。
【0035】
図2に示す電極1の温度は、その体積V、Vにも依存する。体積V、Vの大きさによって、熱容量が決まるためである。ただし、突起2の体積をV、大径部3の体積をVとする。高圧放電ランプ10では、発光管6の内部の熱的条件が極めて厳しいものとなるので、電極1の熱容量を確保して過剰昇温を防ぐことが重要である。電極1の体積V、Vを適切な値にすれば、突起2からのタングステンの蒸発と、大径部3から突起2へのタングステンの供給とのバランスがとれ、突起2の形状が維持される。
【0036】
図7は、360Hzの定常周波数に45Hz低周波を挿入したときの実験結果を示すグラフである。
横軸に突起体積/大径部体積 V/Vをとり、縦軸に突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aをとり、測定データをプロットした。入力電力230Wのとき、突起維持できた場合を黒塗りの四角で示し、突起消滅と判断した場合を白抜きの四角で示した。入力電力275Wのとき、突起維持できた場合を黒塗りの丸で示し、突起消滅と判断した場合を白抜きの丸で示した。入力電力170Wのとき、突起維持できた場合を黒塗りの三角で示し、入力電力350Wのとき、突起維持できた場合を黒塗りのひし形で示した。
線分aは突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/A=0.35を示し、線分bは突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/A=0.75を示し、線分eは突起体積/大径部体積 V/V=0.005を示し、線分fは突起体積/大径部体積 V/V=0.11を示す。
【0037】
プロット点(8)の突起体積/大径部体積 V/Vは0.107であり、突起維持と判断された。プロット点(9)の突起体積/大径部体積 V/Vは0.113であり、突起消滅と判断された。これより、突起体積/大径部体積 V/Vが0.11以下のときは突起維持できるが、突起体積/大径部体積 V/Vが0.11を超えるときは突起消滅に相当することがわかった。突起体積/大径部体積 V/Vが0.11を超えるときは、突起が著しく大きくなり、大径部との境となるくびれ(変曲点c、d)がほとんどない状態となる。電極の温度が高く、大径部との境となるくびれが溶融して消滅しかかっており、突起消滅直前の状態であり、アーク輝点を維持できない。
プロット点(10)の突起体積/大径部体積 V/Vは0.0072であり、突起維持と判断された。プロット点(11)の突起体積/大径部体積 V/Vは0.0044であり、突起消滅と判断された。これより、突起体積/大径部体積 V/Vが0.005以上のときは突起維持できるが、突起体積/大径部体積 V/Vが0.005未満のときは異常突起となり、突起消滅に相当することがわかった。突起体積/大径部体積 V/Vが0.005未満のときは、電極温度が低い状態となり、そのために突起が十分に成長せず、アークの輝点を維持できない。
また、実施例1と同様に、突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aが0.75を超える状態は発生しない。突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aが0.35未満のときは、突起の径方向長さAに対する軸方向長さBが著しく短く、突起先端が平面状態になる。
【0038】
突起の径方向長さAと軸方向長さBの関係が、0.35≦B/A≦0.75であり、かつ突起の体積Vと大径部の体積Vの関係が、0.005≦V/V≦0.11となるように突起と大径部を形成すれば、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動で高圧放電ランプを点灯しても、電極の温度変化による溶融と成長とのバランスがとれ、突起の形状が維持されることがわかった。このような条件を満たす電極を用いることによって、安定したアーク放電が形成され、アークの位置がずれることがなく、チラツキを抑制できる高圧放電ランプを提供することができる。
また、電極の最適形状を予め決めておくことによって、プロジェクタ使用中に突起が消滅して照度が落ちることを防止し、信頼性の高い製品を提供することができる。
【0039】
〔実施例3〕
続いて、実施例3について説明する。実施例3では、実施例1、2と高圧放電ランプの駆動周波数を変更したものである。実施例1に示す高圧放電ランプを、370Hzの定常周波数に、40ms毎に低周波を1周期挿入するように設定した交流駆動方式で、入力電圧を230Wとして100時間点灯した。挿入する低周波数を92.5Hz、61.7Hzとしたときの、それぞれの高圧放電ランプの点灯後の電極について、突起の形状を目視で確認し、突起および大径部の体積、突起の径方向長さA軸方向長さBを上記した基準により測定した。
【0040】
図8は、370Hzの定常周波数に低周波を挿入し、入力電圧を230Wとしたときの実験結果を示すグラフである。図8(a)は、横軸に突起表面積/大径部表面積 S/Sをとり、縦軸に突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aをとり、測定データをプロットしたグラフであり、図8(b)は、横軸に突起体積/大径部体積 V/Vをとり、縦軸に突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aをとり、測定データをプロットしたグラフである。
挿入する低周波数が92.5Hzのとき、突起維持できた場合を黒塗りの四角で示し、挿入する低周波数が61.7Hzのとき、突起維持できた場合を黒塗りの丸で示した。
線分aは突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/A=0.35を示し、線分bは突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/A=0.75を示し、線分cは突起表面積/大径部表面積 S/S=0.03を示し、線分dは突起表面積/大径部表面積 S/S=0.23を示し、線分eは突起体積/大径部体積 V/V=0.005を示し、線分fは突起体積/大径部体積 V/V=0.11を示す。
【0041】
挿入する低周波数を変更した場合でも、突起の表面積Sと大径部の表面積Sの関係が、0.03≦S/S≦0.23となる場合、または、突起の体積Vと大径部の体積Vの関係が、0.005≦V/V≦0.11となる場合であれば、突起の径方向長さAと軸方向長さBの関係が、0.35≦B/A≦0.75となるように突起と大径部を形成すれば、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動で高圧放電ランプを点灯しても、電極の温度変化による溶融と成長とのバランスがとれ、突起の形状が維持されることが確認できた。
【0042】
〔実施例4〕
続いて、実施例4について説明する。実施例4では、実施例1、2と高圧放電ランプを低周波駆動のみで点灯したものである。実施例1に示す高圧放電ランプを、90Hzの低周波数で、1時間点灯した。入力電力を230W、135Wとしたときの、それぞれの高圧放電ランプの点灯後の電極について、突起の形状を目視で確認し、突起および大径部の体積、突起の径方向長さA、軸方向長さBを上記した基準により測定した。
【0043】
図9は、90Hzの低周波数で点灯としたときの実験結果を示すグラフである。図9(a)は、横軸に突起表面積/大径部表面積 S/Sをとり、縦軸に突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aをとり、測定データをプロットしたグラフであり、図9(b)は、横軸に突起体積/大径部体積 V/Vをとり、縦軸に突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/Aをとり、測定データをプロットしたグラフである。
入力電力230Wのとき、突起維持できた場合を黒塗りの四角で示し、突起消滅した場合を白抜きの四角で示した。入力電力135Wのとき、突起維持できた場合を黒塗りの丸で示し、突起消滅と判断した場合を白抜きの丸で示した。
線分aは突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/A=0.35を示し、線分bは突起軸方向長さ/突起径方向長さ B/A=0.75を示し、線分cは突起表面積/大径部表面積 S/S=0.03を示し、線分dは突起表面積/大径部表面積 S/S=0.23を示し、線分eは突起体積/大径部体積 V/V=0.005を示し、線分fは突起体積/大径部体積 V/V=0.11を示す。
【0044】
定常周波数に低周波を挿入するのではなく、低周波数のみで点灯した場合でも、突起の表面積Sと大径部の表面積Sの関係が、0.03≦S/S≦0.23となる場合、または、突起の体積Vと大径部の体積Vの関係が、0.005≦V/V≦0.11となる場合であれば、突起の径方向長さAと軸方向長さBの関係が、0.35≦B/A≦0.75となるように突起と大径部を形成すれば、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動で高圧放電ランプを点灯しても、電極の温度変化による溶融と成長とのバランスがとれ、突起の形状が維持されることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の高圧放電ランプの構成を示す説明用断面図
【図2】本発明の高圧放電ランプの電極の構成を示す拡大図
【図3】本発明の高圧放電ランプの点灯装置の回路図
【図4】本発明の高圧放電ランプの電極の拡大断面図
【図5】本発明の高圧放電ランプの電極の拡大断面図
【図6】本発明の高圧放電ランプの実験結果を示すグラフ
【図7】本発明の高圧放電ランプの実験結果を示すグラフ
【図8】本発明の高圧放電ランプの実験結果を示すグラフ
【図9】本発明の高圧放電ランプの実験結果を示すグラフ
【図10】従来の高圧放電ランプの構成を示す説明図
【符号の説明】
【0046】
1 電極
2 突起
3 大径部
4 コイル部
5 軸部
6 発光管
7 封止部
8 金属箔
9 外部リード
10 高圧放電ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した高圧放電ランプにおいて、
前記電極は突起と大径部とコイル部からなり、前記突起の径方向長さAと軸方向長さBの関係が、0.35≦B/A≦0.75であり、前記突起の表面積Sと前記大径部の表面積Sの関係が、0.03≦S/S≦0.23であり、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動で点灯されることを特徴とする高圧放電ランプ。
【請求項2】
発光管に一対の電極を2mm以下の間隔で対向配置し、この発光管に0.15mg/mm以上の水銀と、希ガスと、1×10−6〜1×10−2μmol/mmの範囲でハロゲンを封入した高圧放電ランプにおいて、
前記電極は突起と大径部とコイル部からなり、前記突起の径方向長さAと軸方向長さBの関係が、0.35≦B/A≦0.75であり、前記突起の体積Vと前記大径部の体積Vの関係が、0.005≦V/V≦0.11であり、100Hz以下の低周波駆動を含む交流駆動で点灯されることを特徴とする高圧放電ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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