説明

高圧電源装置、画像形成装置

【課題】 圧電トランスにおける駆動周波数相互の干渉起因による画像形成装置の出力画像不良を抑えた、圧電トランスを用いた高圧電源装置及び、該電源装置を用いた画像形成装置の提供。
【解決手段】 複数の高圧電源回路を有した高圧電源装置において、圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンにグランド電位のパターンを近接並走配線させるパターン構成とし、各駆動回路での近接並走配線距離を各々異なるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスにより画像を形成する画像形成装置に好適な高圧電源装置に関し、特に圧電トランスを用いる高圧電源装置とその高圧電源装置を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カラーレーザプリンタや複写機は、複数の感光体に対し複数の光学装置より光ビームをそれぞれ独立に走査して各色の画像を形成し、各色の画像を中間転写ベルト上重ね合わせて、最後に用紙へ転写することによりカラー画像を形成するタンデム方式が用いられている。タンデム方式は一度に4色の画像を形成するため、最終的なカラー画像を形成するまでの時間を大幅に短縮することができ、画像形成装置の高速化の実現に寄与している。
【0003】
タンデム方式のカラーレーザプリンタの具体的な構成及び動作について図8を用いて説明する。帯電ローラ(15Y、15M、15C、15K)に印加される帯電バイアスによって帯電された感光体(13Y、13M、13C、13K)の表面にレーザスキャナ(11Y、11M、11C、11K)からレーザ光を照射することで静電潜像を形成し、現像器(16Y、16M、16C、16K)に印加される現像バイアスによりトナーを付着させることで可視化している。続いて、感光体(13Y、13M、13C、13K)上に付着したトナーは順次、転写ローラ(18Y、18M、18C、18K)に印加される転写バイアスにより中間転写ベルト19上に重ね合わせるように転写され、フルカラーのトナー画像を形成する。一方カセット22内の用紙21は、二次転写ローラ29で中間転写ベルト19上のトナー画像と一致するタイミングで給紙ローラ25により給送される。そしてレジローラ27により搬送され、二次転写ローラ29により、中間転写ベルト19上のフルカラーのトナー画像が用紙21上に転写される。さらにフルカラーのトナー画像を載せた用紙21は定着器30により定着されることで、最終的にフルカラーの印刷物を得る。
【0004】
上述した電子写真プロセス動作において、帯電ローラに印加する帯電バイアス、及び現像器に印加する現像バイアス、さらには転写ローラに印加される転写バイアスには直流バイアス電圧を用いている。画像形成処理に必要とされる各バイアスには高電圧が必要とされ、例えば転写バイアスにおいては良好な転写を行うために3kV以上の電圧を必要とすることが通常である。
【0005】
従来、画像形成装置において高電圧を生成するためには巻線式の電磁トランスが使用されていた。しかしながら電磁トランスは、銅線、ボビン、磁芯で構成されており、上記のような3kV以上の電圧を印加して用いる場合は、出力電流値が数μAという微小な電流のために各部に於いて漏れ電流を最小限にしなければならなかった。そのため、トランスの巻線を絶縁物によりモールドする必要が有り、供給電力に比較して大きなトランスを必要としたため、高圧電源装置の小型化・軽量化の妨げとなっていた。
【0006】
そこで、これらの良くない点を補うために、薄型で軽量の高出力の圧電トランスを用いて高電圧を発生させる高圧発生装置が現在採用されて始めている。すなわち、セラミックを素材とした圧電トランスを用いることにより、電磁トランス以上の効率で高電圧を生成する事が可能となる。しかも、一次側および二次側間の結合に関係なく一次側と二次側の電極間の距離を離すことが可能になるので特別に絶縁のためにモールド加工をする必要がない。そのため高圧発生装置を小型かつ軽量にできるという利点があり、装置の小型化に寄与する。
【0007】
圧電トランスを用いた高圧電源装置としては、例えば、特許文献1に示されたものがある。
【0008】
圧電トランスを用いている高圧電源回路の例を図9の参照により説明する。図9に示した回路例は一例として負バイアスを出力する帯電系の回路例を示している。図9において、101Yは高圧電源の圧電トランス(圧電セラミックトランス)である。圧電トランス101Yの出力はダイオード102Y、103Y及び高圧コンデンサ104Yによって負電圧に整流平滑され、出力端116Yより負荷である帯電ローラ(不図示)に供給される。出力電圧は抵抗105Y、106Y、107Yによって分圧され、保護用抵抗108Yを介してオペアンプ109Yの非反転入力端子(+端子)に入力される。他方オペアンプの反転入力端子(−端子)には抵抗114Yを介して制御部であるコントローラ(不図示)からアナログ信号である高圧電源の制御信号(Vcont)が接続端子118Yに入力される。オペアンプ109Yと抵抗114Yとコンデンサ113Yにて積分回路を構成することにより、抵抗とコンデンサの部品定数によって決まる積分時定数で平滑された制御信号(Vcont)がオペアンプ109Yに入力される。オペアンプ109Yの出力端は電圧制御発振器(VCO)110Yに接続され、その出力端がインダクタ112Yとコンデンサ115Yによって形成されるLC並列共振回路に接続されたトランジスタ111Yに接続されている。電圧制御発振器(VCO)110Yは入力電圧が上がると出力周波数を下げ、入力電圧が下がると出力周波数を上げるような動作を行うものであり、従って、電圧制御発振器(VCO)110Yからは入力レベルに応じた周波数が出力されることとなる。電圧制御発振器(VCO)110Yの出力信号がLC共振回路を駆動することで、最終的に制御信号(Vcont)に応じた電源が圧電トランスの一次側に供給される。
【0009】
図10は圧電トランス110Yの駆動周波数に対する出力電圧の特性を表した図である。同図に示すように、共振周波数f0において出力電圧が最大となり、周波数による出力電圧の制御が可能であることが判る。規定出力電圧Edc出力時の駆動周波数をfxとする。電圧制御発振器(VCO)110Yは制御信号(Vcont)に応じて駆動周波数が変化するものであり、出力電圧Edcをより高い電圧を求めて制御を行うと、駆動駆動周波数はfxよりもさらに低い周波数で駆動することとなる。また、出力電圧Edcをより低い電圧を求めて制御を行うと、駆動駆動周波数はfxよりもさらに高い周波数で駆動することとなる。すなわち、図9にて示される高圧駆動回路はオペアンプ109Yの反転入力端子(-端子)に入力される制御信号(Vcont)の電圧で決定される電圧に等しくなるよう、出力電圧が定電圧制御されるような、負帰還制御回路を構成しており、出力電圧が定電圧制御される構成となっている。
【特許文献1】特開平11−206113号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
電子写真方式の画像形成装置の高圧電源回路は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各画像形成部に対応した帯電・現像・転写等のバイアスを独立に必要とする画像形成装置は数多くあり、その場合高圧電源基板上には図9に示される圧電トランス及び制御回路を複数個配置する事となる。特に、タンデム方式のカラー画像形成装置においては、それぞれのバイアスが同時に駆動することとなり、さらにシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色に対応した各回路はほぼ同一バイアス出力電圧に制御される。このとき高圧電源ユニットに搭載されている圧電トランスは帯電、現像、転写の各バイアス毎に4つの回路がほぼ同一周波数(近接する周波数)で駆動される。
【0011】
しかしながら、このように、複数の圧電トランスを近接する周波数にて駆動し同一バイアス電圧出力を行う場合には、同一電源ラインに接続された圧電トランスが電源ライン経由により相互干渉を起こし、干渉周波数の影響により、出力バイアスに揺らぎが発生し、画像弊害の原因となる恐れがある。
【0012】
図11は複数の圧電トランスの周波数特性をあらわした図である。圧電トランスの共振周波数f0は固体ばらつきにより同一にはならず、図11に示すように多少の差分が生じてしまう。この差分は数十Hz〜数百Hzである。その為、2つの駆動回路が同じ電圧Edcを出力する為にはそれぞれ、駆動周波数fxとfx'で駆動されることとなる。例えば図11で説明した2つの駆動波形が重畳した場合にはfbeet = |fx-fx'| (Hz)の周期で重畳電圧が最大となり、混変調ビートとして大きなうなりとなって出力波形に現れる。具体的数値を用いて説明すると、例えばイエロー(Y)の駆動回路が200KHzで駆動し、マゼンタ(M)の駆動回路が200.1KHzで駆動した場合、その差分である100Hzの混変調ビートリップルが電源ラインに現れ、最終的に出力電圧が100Hzで揺れる波形となってしまう。
【0013】
この干渉周波数fbeetが高圧出力に現れると、例えば転写バイアスであると、転写効率に周期的変動として現れ、帯電・現像バイアスであると画像濃度に周期的変動が起こる。結果として、プロセス速度をPS(mm/s)とすると、出力画像にはTb=PS/fbeet (mm)の周期で濃度差を持った、縞模様の干渉画像として出力されるといった画像弊害を引き起こしてしまう。
【0014】
駆動周波数を近接しないように異なるものとすることに対する対策として、近年ではトランス出力端と接続される整流手段との間に共振周波数可変手段の為のコンデンサを設ける事もある。しかしながらトランス2次側に接続する為に高耐圧のコンデンサが必要となり、コストアップにつながってしまう。
【0015】
本発明は、上述の問題点を鑑みてなされたものであり、圧電トランスにおける駆動周波数相互の干渉を抑え、小型化と高画質化を可能にする圧電トランスを用いた電源装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。本発明では上記目的を達するために、本発明の第1の請求項によれば、プリント基板上に複数の高圧電源回路を備え、当該各高圧電源回路が、圧電トランスと、制御信号に応じて前記圧電トランス駆動周波数の信号を発生する周波数制御発振器と該制御信号を受けて圧電トランスを駆動する駆動回路、とを有する高圧電源装置であって、少なくとも1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンにグランド電位のパターンを近接して配置することにより浮遊容量を生ぜしめ、この浮遊容量により圧電トランスの共振周波数を他の圧電トランスの共振周波数と異なるものとしたことを特徴とした圧電トランス駆動回路パターン及び、該パターンを有した高圧電源装置である。
【0017】
また、本発明の第2の請求項によれば、前記1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンに近接して配置されたグランド電位のパターンの並走距離は、他の高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンに近接して配置されたグランド電位のパターンの並走距離とは異なる長さであることを特徴とした圧電トランス駆動回路パターン及び、該パターンを有した高圧電源装置である。
【0018】
また、本発明の第3の請求項によれば、前記1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンには片側にグランド電位のパターンを近接して配置させ、他の1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンには両側にグランド電位のパターンを近接して配置させることを特徴とした圧電トランス駆動回路パターン及び、該パターンを有した高圧電源装置である。
【0019】
また、本発明の第4の請求項によれば、前記1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンと該出力ラインに近接して配置されたグランド電位のパターンとの間隔が他の高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンと該出力ラインに近接配線されたグランド電位のパターンとの間隔と異なる間隔であることを特徴とした圧電トランス駆動回路パターン及び、該パターンを有した高圧電源装置である。
【0020】
また、本発明の第5の請求項によれば、前記高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンと該出力ラインに近接して配置されたグランド電位のパターンとの間にはスリットが構成されていることを特徴とする圧電トランス駆動回路パターン及び、該パターンを有した高圧電源装置である。
【0021】
また、本発明の第6の請求項によれば、プリント基板上に複数の高圧電源回路を備え、当該各高圧電源回路が、圧電トランスと、制御信号に応じて前記圧電トランス駆動周波数の信号を発生する周波数制御発振器と該制御信号を受けて圧電トランスを駆動する駆動回路、とを有する両面基板構成の高圧電源装置であって、少なくとも1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンの背面側にグランド電位のパターンを並走配線させることにより複数の圧電トランスの共振周波数をそれぞれ異なるものとしたことを特徴とした圧電トランス駆動回路パターン及び、該パターンを有した高圧電源装置である。
【0022】
また、本発明の第7の請求項によれば、前記1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンの背面側に並走配線されたグランド電位のパターンの並走距離は、他の高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンの背面側に並走配線されたグランド電位のパターンの並走距離とは異なる長さであることを特徴とした圧電トランス駆動回路パターン及び、該パターンを有した高圧電源装置である。
【0023】
また、本発明の第8の請求項によれば、請求項1から請求項7のいずれかの高圧電源装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0024】
本発明の第1の請求項によると、少なくとも1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力ラインにグランド電位のパターンを近接して配置させることにより、圧電トランス出力ラインとグランドパターンとの間に浮遊容量が形成される。これにより圧電トランスの共振周波数が変化し、他のグランド電位のパターンを近接して配置させていない高圧電源回路との周波数干渉による混変調ビートリップルを低減させることが可能となる。
【0025】
また、本発明の第2の請求項によると、複数の駆動回路に対し、圧電トランス2次側出力ラインとグランド電位のパターンとの並走距離を異なる長さとすることにより、それぞれの圧電トランスの2次側に異なる大きさの浮遊容量が形成される。これにより複数の駆動回路の共振周波数をずらすことが可能となり、周波数干渉による混変調ビートリップルを低減させることが可能となる。
【0026】
また、本発明の第3の請求項によると、圧電トランス2次側出力ラインの両側にグランド電位のパターンを近接して配置させることにより、片側のみにグランド電位のパターンが近接して配置された圧電トランス駆動回路と異なる大きさの浮遊容量が形成される。これにより複数の駆動回路の共振周波数をずらすことが可能となり、周波数干渉による混変調ビートリップルを低減させることが可能となる。
【0027】
また、本発明の第4の請求項によると、各駆動回路に対し、圧電トランス出力ラインとグランドラインとの近接して配置したパターン間距離を異なる間隔とすることにより、それぞれの圧電トランスの2次側に異なる大きさの浮遊容量が形成される。これにより複数の駆動回路の共振周波数をずらすことが可能となり、周波数干渉による混変調ビートリップルを低減させることが可能となる。
【0028】
また、本発明の第5の請求項によると、圧電トランス出力ラインと近接して配置するグランドラインとの間にスリットを設けることにより、プリント基板上、高圧ラインと低圧ラインの十分な沿面距離を確保して浮遊容量の形成が可能となる。
【0029】
また、本発明の第6の請求項によると、両面基板において圧電トランス2次側出力ラインの背面側にグランドパターンを並走させることにより、圧電トランス出力ラインとグランドパターンとの間に浮遊容量が形成される。これにより圧電トランスの共振周波数が変化し、他の背面にグランド電位のパターンを並走配線させていない高圧電源回路との周波数干渉による混変調ビートリップルを低減させることが可能となる。
【0030】
また、本発明の第7の請求項によると、両面基板において複数の駆動回路に対し、圧電トランス2次側出力ラインの背面側に並走させるグランドパターンの並走距離をそれぞれ異なるものとすることにより、複数の駆動回路の共振周波数をずらすことが可能となり、周波数干渉による混変調ビートリップルを低減させることが可能となる。
【0031】
また、本発明の第8の請求項によると、各高圧電源回路相互の周波数干渉を低減あるいは防止された圧電トランスを用いた高圧電源装置を搭載した画像形成装置であり、周波数干渉による画像弊害のない良好な安定した画像を得ることを可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【実施例1】
【0033】
以下、本発明の第1の実施例を図1〜図5に基づいて説明する。但し、本実施例はあくまで例示であり、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
【0034】
図1は電子写真プロセスを用いたタンデム方式のカラー画像形成装置の構成図である。
【0035】
同図を用い、画像形成装置の構成について画像形成動作を説明する。タンデム方式のカラー画像形成装置はイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを重ねあわせることでフルカラー画像を出力できるように構成されている。そして各色の画像形成のために、レーザスキャナ(11Y、11M、11C、11K)とカートリッジ(12Y、12M、12C、12K)が備えられている。カートリッジ(12Y、12M、12C、12K)は、図中矢印の方向に回転する感光体(13Y、13M、13C、13K)と、感光体に接するように設けられた感光体クリーナ(14Y、14M、14C、14K)、帯電ローラ(15Y、15M、15C、15K)、及び現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)とブレード(17Y、17M、17C、17K)を有した現像器から構成されている。更に各色の感光体(13Y、13M、13C、13K)には中間転写ベルト19が接して設けられ、この中間転写ベルト19を挟み、対向するように一次転写ローラ(18Y、18M、18C、18K)が設置されている。また中間転写ベルト19にはベルトクリーナ20が設けられ、掻き取った廃トナーが収納される廃トナー容器31も設置されている。また用紙21を格納するカセット22には、カセット22内にある用紙21の位置を規制するサイズガイド23、及びカセット22内の用紙21の有無を検出する用紙有無センサ24が設けられている。用紙21の搬送路には給紙ローラ25、分離ローラ26a、26b、レジローラ27が設けられ、レジローラ27の用紙搬送方向下流側近傍にレジセンサ28が設けられている。中間転写ベルト19と接するように二次転写ローラ29、そして二次転写ローラ29の後段に定着器30が設置されている。
【0036】
また、40はレーザプリンタの制御部であるコントローラであり、RAM41a、ROM41b、タイマ41c等を具備したMPU(マイクロコンピュータ)41、及び各種入出力制御回路(不図示)等で構成されている。
【0037】
さらに、42は高圧電源部であり、各プロセスカートリッジに対応した帯電高圧電源(不図示)、現像高圧電源(不図示)と、各転写ローラに対応した高圧を出力可能な転写高圧電源(不図示)とで構成されており、前述したコントローラ40により出力制御される。
【0038】
次に電子写真プロセスについて説明する。カートリッジ(12Y、12M、12C、12K)内の暗所にて、感光体(13Y、13M、13C、13K)表面に帯電ローラ(15Y、15M、15C、15K)により均一に帯電させる。次にレーザスキャナ(11Y、11M、11C、11K)により画像データに応じて変調したレーザ光を感光体(13Y、13M、13C、13K)表面に照射し、レーザ光が照射された部分の帯電電荷が除去されることで、感光体(13Y、13M、13C、13K)表面に静電潜像を形成する。現像器ではブレード(17Y、17M、17C、17K)の作用により一定量のトナー層が保持された現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)から現像バイアスによりトナーを感光ドラム上の前記静電潜像に付着させることで、各色のトナー画像を感光体(13Y、13M、13C、13K)表面に形成する。
【0039】
感光体表面上に形成されたトナー画像は感光体と中間転写ベルト19とのニップ部において転写バイアスにより中間転写ベルト19に引きつけられる。さらに、ベルト搬送速度に応じたタイミングにより各カートリッジ(12Y、12M、12C、12K)における画像形成タイミングを制御し、それぞれのトナー像を中間転写ベルト19上に順次転移させることにより、最終的に中間転写ベルト上にはフルカラー画像が形成される。
【0040】
一方、カセット22内の用紙21は給紙ローラ25により搬送され、分離ローラ26a、26bにより、用紙21が一枚だけレジローラ27を通過して、二次転写ローラ29へ搬送される。レジローラの下流にある二次転写ローラ29と中間転写ベルト19とのニップ部において中間転写ベルト19上のトナー像は用紙21に転写され、最後に用紙21上のトナー画像は定着器30により加熱定着処理され、画像形成装置外に排出される。
【0041】
次に本実施例の圧電トランス高圧電源装置42の構成を図2に基づいて説明する。なお、ここでは代表的に帯電高圧電源について説明を行う。但し本発明に係わる高圧電源構成は、正電圧、負電圧どちらの出力回路に対しても有効である。また、帯電高圧電源は各帯電ローラ15Y、15M、15C、15Kに対応し、4回路設けられている。Y、M、C、Kの回路の基本構成は同様であるので、ここではYについて代表して説明する。
【0042】
圧電トランス101Yの出力はダイオード102Y、103Y及び高圧コンデンサ104Yによって負電圧に整流平滑され、出力端116Yより負荷である帯電ローラ(不図示)に供給される。出力電圧は抵抗105Y、106Y、107Yによって分圧され、保護用抵抗108Yを介してオペアンプ109Yの非反転入力端子(+端子)に入力される。他方オペアンプの反転入力端子(−端子)には抵抗114Yを介して制御部であるコントローラ(不図示)からアナログ信号である高圧電源の制御信号(Vcont)が接続端子118Yに入力される。オペアンプ109Yと抵抗114Yとコンデンサ113Yにて積分回路を構成することにより、抵抗とコンデンサの部品定数によって決まる積分時定数で平滑された制御信号(Vcont)がオペアンプ109Yに入力される。オペアンプ109Yの出力端は電圧制御発振器(VCO)110Yに接続され、その出力端がインダクタ112Yとコンデンサ115Yによって形成されるLC並列共振回路に接続されたトランジスタ111Yに接続されている。電圧制御発振器(VCO)110Yは入力電圧が上がると出力周波数を下げ、入力電圧が下がると出力周波数を上げるような動作を行うものであり、従って、電圧制御発振器(VCO)110Yからは入力レベルに応じた周波数が出力されることとなる。
【0043】
図3は図2に示した各部の動作波形である。ここで(1)はFET111Yのゲート端子に印加される電圧、(2)はFET111Yのドレイン端子に現れる電圧、(3)はインダクタ112Yに流れる電流、(4)は電源ラインに形成されるリップル電圧をそれぞれ表している。
【0044】
FET111Yがオンした場合、インダクタに電流が流れかつインダクタのエネルギが蓄積される。次にFETがオフした場合インダクタ112Yとコンデンサ115Yとの間で(2)に示されるように共振が起こる。ここでコンデンサ115Yは圧電トランスの1次側に存在する等価的容量よりも十分大きく、圧電トランスの素体ばらつきによる1次側容量誤差を無視できる程度の定数を選択することが望ましい。また、この共振電圧が0Vの時にFETのON期間が始まるように駆動することにより効率よく共振が連続的に繰り返される。
【0045】
一方、この共振動作中のインダクタ112Yに流れる電源電流としては(3)にあらわされており、FET111Yがオンした場合、電流がインダクタ112Yを通過してFETに流れる。続いてFETをオフした後もインダクタの誘導性作用によりコンデンサ115Yを充電するように電流が流れつづける。さらに、インダクタ112Yに流れる電流が0及びFET111Yのドレイン端子に現れる電圧が最大となった後は、逆に電流の回生動作が始まり、コンデンサ及びFET内部の寄生ダイオード(不図示)より電流が電源側に流れ込む回生期間となる。このインダクタとコンデンサとFETの共振動作が行われた時、電源供給側から見ると、放電(図中<A>の期間)と充電(図中<B>の期間)が繰り返され、電源電圧には(4)に示されるように駆動周期に応じた一定のリップル波形が現れる。
【0046】
図4は本実施例の特徴を示すプリント基板上のパターン配線の模式図である。同図は本特許の説明の為、圧電トランス(101Y、101M、101C、101K)から出力端(106Y、106M、106C、106K)までを表記しており、図中の整流用ダイオード及びコンデンサは図2において説明した同じ番号の部品に対応する。また、図中ライン200はグランド電位のパターンである。
本図の特徴的な点は<A>で示す箇所にて圧電トランス101Mと整流ダイオード103Mとの間の配線パターンとグランド電位のパターンが近接並走している点である。本実施例にて<A>の箇所での並走距離L1は3mmである。一方、<B>で示す箇所にて圧電トランス101Cと整流ダイオード103Cとの間の配線パターンとグランド電位のパターンが近接並走している。本実施例にて<B>の箇所での並走距離L2は6mmである。さらに、<C>で示す箇所にて圧電トランス101Kと整流ダイオード103Kとの間の配線パターンとグランド電位のパターンが近接並走している。本実施例にて<C>の箇所での並走距離L3は9mmである。ただし、各並走部分においては沿面距離確保の為、一定幅のスリットが設けられている。
【0047】
それぞれ、<A><B><C>の箇所では圧電トランス2次側の出力パターンとグランド電位のパターンとの間に浮遊容量が形成され、<A>の箇所でおよそ3pF、<B>の箇所でおよそ6pF、<C>の箇所でおよそ9pFの容量がパターンにて形成されることとなる。
【0048】
図5は図4に示すパターン構成とした場合の圧電トランスの周波数特性を説明する図である。図5において、302は3pFの浮遊容量が形成された圧電トランス101Mの特性カーブであり、303は6pFの浮遊容量が形成された圧電トランス101Cの特性カーブであり、304は9pFの浮遊容量が形成された圧電トランス101Kの特性カーブである。圧電トランスの出力端子に存在する浮遊容量が大きくなることにより、最大出力周波数が低周波側に移動する。これは圧電トランスの2次側に存在する内部容量を大きくすることと等価であり、圧電トランスの共振周波数が変化することを利用した結果である。
【0049】
上記構成において各駆動周波数の差分を大きくしたことにより、圧電トランスの出力端に現れる混変調ビートのリップル周波数は大きくなる。ただし、圧電トランスの出力端における干渉リップルの振幅の大きさは変化しない。一方、図2で説明した高圧電源回路においてはコンデンサ104Yと出力端に接続される負荷ローラ(不図示)の抵抗によって形成されるローパスフィルタが存在する。このフィルタの存在により、負荷を接続した時に出力端116Yに現れる電圧のリップル振幅は小さいものとなって現れる。前記作用においてリップル周波数が大きくなることは、出力画像において濃度変動のピッチ間隔が狭くなり、人間の目に濃度変動が見えにくくなるといった効果が得られる。また、さらにリップル振幅が小さいものとなることで、出力画像に現れる濃度変動が減少する効果をもつ。
【0050】
以上、説明したように、本実施例によると高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンにグランド電位のパターンを近接並走配線させた並走距離と、他の高圧電源回路の2次側出力ラインにグランド電位のパターンを近接並走配線させた並走距離とをそれぞれ異なる長さとし、それぞれの圧電トランス2次側に異なる浮遊容量を存在させた高圧電源回路をプリント基板上に構成する。これにより各駆動回路の駆動周波数を大きくずらすことが可能となり、出力電圧に現れる干渉リップルの周期が短くかつ振幅が小さくなる効果が得られる。結果、画像形成装置として縞模様の干渉画像が出力されるといった画像弊害を防止することが可能となる。
【0051】
本実施例において説明図に示す並走パターンは直線的に描かれているが、曲線的にうねった形で並走することにより、少面積で並走距離を長く確保することも容易に考えられる。
【0052】
また、常に並走する必要はなく、GNDパターンのみが曲線的にうねっており、数箇所で近接する構成をとることで、各駆動回路部の浮遊容量を変化させてもよい。
【0053】
さらに、説明図に示すパターン構成例は片面基板において描いたものであり、両面基板であった場合にはグランド電位のライン200が背面側に基板厚を挟んで存在させてもよい。
【実施例2】
【0054】
以下、本発明の第2の実施例を図6を用いて説明する。
【0055】
図中、101Y、101M、101C、101Kは実施例1と同様に圧電トランスであり、ライン200はグランド電位のパターンである。
【0056】
本実施例が実施例1と異なる点は圧電トランス101Cの出力ライン及び101Kの出力ラインにおいて両側にグランドラインを並走させている点である。本実施例にて図中に示す並走距離L4は3mmであり、L5は4mmとする。実施例1と同様101Mの出力端にはおよそ3pFの浮遊容量が形成されるのに対し、101Cの出力端には等価的におよそ6pFの浮遊容量が形成されることとなる。また同様に101Kの出力端にはおよそ8pFの浮遊容量が形成されることとなり、それぞれの圧電トランスの共振周波数が大きくずれることとなる。
【0057】
共振周波数がずれたことによる周波数特性カーブは第1の実施例にて説明したものと同様であり、圧電トランス出力ラインに形成される浮遊容量が大きい場合に最大出力周波数が低周波側に移動する。
【0058】
本構成によると両側にグランド電位のラインを這わすことでより大きな容量が確保でき、実施例1で説明した図4の構成に対し、圧電トランスから出力端までの基板面積の縮小につながる。
【0059】
図6では例えば圧電トランス101Cの両側に配線したグランド電位のラインはトランス1次側端子から分岐したモデルを描いているが、これは隣の101Mのグランド電位のラインを利用することも可能である。
【0060】
以上、説明したように、本実施例によると、高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンにグランド電位のパターンを近接並走配線させた回路と、他圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンにグランド電位のパターンを両側に並走配線させた回路の各々の並走距離を異なるものとし、それぞれの圧電トランス2次側に異なる浮遊容量を存在させた高圧電源回路をプリント基板上に構成する。これにより各駆動回路の駆動周波数を大きくずらすことが可能となり、出力電圧に現れる干渉リップルの周期が短くかつ振幅が小さくなる効果が得られる。結果、画像形成装置として縞模様の干渉画像が出力されるといった画像弊害を防止することが可能となる。
【実施例3】
【0061】
以下、本発明の第3の実施例を図7を用いて説明する。
【0062】
図中、101Y、101M、101C、101Kは実施例1と同様に圧電トランスであり、ライン200はグランド電位のパターンである。
【0063】
圧電トランス101Mの出力ラインにはL7=2mmの間隔を挟んで、並走距離L6=3mmのグランド電位のパターンが並走している。一方、圧電トランス101Mの出力ラインにはL8=1mmの間隔を挟んで、並走距離L6=3mmのグランド電位のパターンが並走している。このグランド電位との間隔差によって形成される浮遊容量が異なるものとなる。具体的数値としては101Mの出力端にはおよそ1.5pFの浮遊容量が形成されるのに対し、101Cの出力端には等価的におよそ3pFの浮遊容量が形成されることとなる。また、101Kの出力端には実施例2と同様両側にグランド電位のパターンが並走しておりおよそ6pFの浮遊容量が形成されることとなる。本構成によりそれぞれの圧電トランスの共振周波数が大きくずれることとなる。
【0064】
本構成によると圧電トランスの出力ラインとグランド電位との間隔を異なるものとすることにより、各圧電トランスの出力ラインに形成される浮遊容量を大きさに差異を持たす。これにより実施例1及び2の構成と組み合わせることでパターンの自由度が増え、圧電トランスから出力端までの基板面積の縮小につながる。
【0065】
以上、説明したように、本実施例によると、高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンにグランド電位のパターンを第1の間隔にて近接並走配線させた回路と、他圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンにグランド電位のパターンを第1の間隔とは異なる間隔にて近接並走配線させた回路とを設けることにより、それぞれの圧電トランス2次側に異なる浮遊容量を存在させた高圧電源回路をプリント基板上に構成する。これにより各駆動回路の駆動周波数を大きくずらすことが可能となり、出力電圧に現れる干渉リップルの周期が短くかつ振幅が小さくなる効果が得られる。結果、画像形成装置として縞模様の干渉画像が出力されるといった画像弊害を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施例における画像形成装置の概略断面図
【図2】本発明の実施例を説明する高圧電源回路図
【図3】本発明の実施例の回路動作を説明する電圧電流波形図
【図4】本発明の実施例1を説明するプリント基板上のパターン配線の模式図
【図5】本発明の実施例1を説明する圧電トランスの周波数特性図
【図6】本発明の実施例2を説明するプリント基板上のパターン配線の模式図
【図7】本発明の実施例3を説明するプリント基板上のパターン配線の模式図
【図8】本発明の従来例における画像形成装置の概略断面図
【図9】本発明の従来例を説明する高圧電源回路図
【図10】本発明の従来例における圧電トランスの周波数特性図
【図11】本発明の従来例における複数の圧電トランスの周波数特性図
【符号の説明】
【0067】
12Y、12M、12C、12K カートリッジ
13Y、13M、13C、13K 感光体
15Y、15M、15C、15K 帯電ローラ
16Y、16M、16C、16K 現像ローラ
18Y、18M、18C、18K 転写ローラ
42 高圧電源
101 圧電トランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板上に複数の高圧電源回路を備え、当該各高圧電源回路が、圧電トランスと、制御信号に応じて前記圧電トランス駆動周波数の信号を発生する周波数制御発振器と該制御信号を受けて圧電トランスを駆動する駆動回路、とを有する高圧電源装置であって、
少なくとも1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンにグランド電位のパターンを近接して配置することにより浮遊容量を生ぜしめ、この浮遊容量により圧電トランスの共振周波数を他の圧電トランスの共振周波数と異なるものとしたことを特徴とした高圧電源装置。
【請求項2】
前記1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンに近接して配置されたグランド電位のパターンの並走距離は、他の高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンに近接して配置されたグランド電位のパターンの並走距離とは異なる長さであることを特徴とした請求項1に記載の高圧電源装置。
【請求項3】
前記1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンには片側にグランド電位のパターンを近接して配置させ、他の1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンには両側にグランド電位のパターンを近接して配置させることを特徴とした請求項1に記載の高圧電源装置。
【請求項4】
前記1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンと該出力ラインに近接して配置されたグランド電位のパターンとの間隔が他の高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンと該出力ラインに近接配線されたグランド電位のパターンとの間隔と異なる間隔であることを特徴とした請求項1に記載の高圧電源装置。
【請求項5】
前記高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンと該出力ラインに近接して配置されたグランド電位のパターンとの間にはスリットが構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載の高圧電源装置。
【請求項6】
プリント基板上に複数の高圧電源回路を備え、当該各高圧電源回路が、圧電トランスと、制御信号に応じて前記圧電トランス駆動周波数の信号を発生する周波数制御発振器と該制御信号を受けて圧電トランスを駆動する駆動回路、とを有する両面基板構成の高圧電源装置であって、
少なくとも1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンの背面側にグランド電位のパターンを並走配線させることにより複数の圧電トランスの共振周波数をそれぞれ異なるものとしたことを特徴とした高圧電源装置。
【請求項7】
前記1つの高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンの背面側に並走配線されたグランド電位のパターンの並走距離は、他の高圧電源回路の圧電トランス2次側出力端子と整流回路間の配線パターンの背面側に並走配線されたグランド電位のパターンの並走距離とは異なる長さであることを特徴とした請求項6に記載の高圧電源装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれかに記載の高圧電源装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−136069(P2009−136069A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309013(P2007−309013)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】