説明

高温ダウンホール装置

能動冷却なしに摂氏115°を超える温度のボアホール内のダウンホールの作動向けに構成されたレーザダイオードを用いてダウンホールモニタリング及び高データ伝送速度を容易にするように構成又は設計された地下油田高温装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本件は、2004年12月20日出願の「単一光ファイバ遠隔測定の方法及び器具」という名称の米国特許出願第11/017,264号の一部継続出願であり、2004年12月28日出願の「電気−光学混成遠隔測定の方法及び器具」という名称の米国特許出願第11/023,956号の一部継続出願であり、かつ2006年9月19日出願の「ダウンホールでの光電力変換方法及び器具」という名称の米国特許出願第11/532,904号の一部継続出願であり、これらの特許の内容全体は、本明細書において引用により組み込まれている。
【0002】
本発明の開示は、地下層からデータを収集するダウンホールシステムに一般的に関する。より具体的には、本発明の開示は、摂氏約115°を超える温度のボアホール内の高温作動のために構成又は設計された装置を有するダウンホールシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ボアホールのロギング及びモニタリングは、油脈及びガス脈の実収率を強化及び観測するために長年の間行われている。ボアホールのロギングにおいては、地下で測定を行う1つの方法は、地表システムに接続したワイヤ線に1つ又はそれよりも多くの工具を取り付ける段階を含む。次に、ワイヤ線により工具をボアホール内に下降させ、測定値を採取しながらボアホールを通じて地表に引き戻す(ログされる)。ワイヤ線は、通常、有限のデータ伝送機能を有する導電ケーブルである。同様に、常設モニタリングシステムは、同じく一般的に電気ケーブルに取り付けられた常設センサで確立される。
【0004】
ワイヤ線ロギング工具及び常設モニタリングシステムのためのより高速のデータ伝送に対する要求は、より高解像度のセンサ、より高速のロギング速度、及び単一ワイヤ線ストリングに利用可能である付加的工具の理由で急増している。現在の電子遠隔測定システムは進化し、データ伝送速度は、この10年間にわたって約500kbps(キロビット/秒)から2Mbps(メガビット/秒)に増加したが、電子遠隔測定システムのデータ伝送速度は、より高解像のセンサの機能に遅れを取っている。実際、従来のロギング工具と共に使用される音響工具/撮像工具の一部の組合せに対して、望ましいデータ伝送速度は、4Mbpsを超える。
【0005】
更に、データ伝送高速化が望ましいが、現在使用中の多くの工具は、新たなデータ伝送技術を取り入れるために完全に再加工又は交換する必要があるであろう。既存の工具及び機器の変更を最小にしてデータ伝送高速化を促進することが望ましいと考えられる。
【0006】
更に、光ファイバセンサの油田用途は、ある一定のパラメータのモニタリングに向けて近年進歩している。しかし、多くのダウンホール用途では、高温作動が必要であり、レーザダイオードのような光学装置は、高温で急速に劣化するか又は適正に作動しない。従って、ボアホール内の高温条件における地表システムとダウンホール工具の間の通信のための光ファイバの使用、並びにダウンホールセンサの使用は限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第11/017,264号
【特許文献2】米国特許出願第11/023,956号
【特許文献3】米国特許出願第11/532,904号
【特許文献4】米国特許公報第2007/0035736号
【特許文献5】米国特許公報第2007/0171414号
【特許文献6】米国特許第7,292,345号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の開示は、上述の欠陥及びその他に対処するものである。具体的に、本発明の開示は、地下の調査工具に特に有用であると考えられるダウンホール高温システム及び方法のための装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の開示の一態様では、地下工具は、累層を横断する坑井内のダウンホールを高温で作動するように構成される。本明細書の一部の態様では、ダウンホール工具は、摂氏約115°を超える温度のダウンホール使用に向けて構成又は設計された光学装置と、光学装置に入力光を供給するために光学的に光学装置に接続された少なくとも1つの光源とを含み、光源は、1つ又はそれよりも多くのレーザダイオードを含み、レーザダイオードは、摂氏約115°を超える温度でのボアホール内のダウンホールの作動に向けて構成又は設計される。本出願人は、本発明の開示のレーザ装置が、能動冷却なしで摂氏約115°を超える温度のダウンホール用途に適切であることを認識した。しかし、能動冷却は、例えば、本発明で開示する装置の作動範囲を拡張する一部の状況では望ましい場合があると想定している。この点において、能動冷却は、摂氏約175°を超える温度のレーザ装置の効率的かつ確実な作動を必要とする状況において利用することができる。
【0010】
本発明の開示のある一定の実施形態では、光学装置は、ダウンホール光学遠隔測定モジュール又はカートリッジを含むことができる。他の実施形態では、光学装置は、ダウンホール光センサを含むことができる。本発明の開示の更に他の実施形態では、光学装置は、例えば、光電池に接続した1つ又はそれよりも多くの高温レーザダイオードでセンサに電源を供給するダウンホール構成を含むことができる。更に他の実施形態では、光学装置は、本明細書で開示する中でもとりわけ、例えば、流量計、流体撮像器、分光計、干渉センサのようなダウンホール感知システムに関連した1つ又はそれよりも多くの高温レーザダイオードを含むことができる。本明細書で説明する更に別の実施形態では、光学装置は、本明細書で開示する中でもとりわけ、例えば、電気−光学アイソレータ回路、無線遠隔測定のための光コネクタ、工具内及び工具間光通信を提供するように構成又は設計された1つ又はそれよりも多くの光感応検出器と組み合わされた1つ又はそれよりも多くの高温レーザダイオードを含むことができる。
【0011】
高温レーザダイオードは、ダウンホール光学遠隔測定システムをもたらすためにボアホール内でダウンホールで電気−光(EO)変調器と結合することができる。この点において、本発明の開示は、高温レーザダイオードを変調するためにEO変調器を高温レーザダイオードに電気的に接続することができ、変調光信号は、光ファイバケーブルに入力することができるように想定している。代替的に又は追加的に、高温レーザダイオードは、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)変調器のようなEO変調器に光学的に接続することができ、変調光信号は、光ファイバケーブルに入力することができる。
【0012】
本発明の開示の更に別の実施形態では、レーザダイオードは、ボアホール内でダウンホールで光学デジタル感知システムに光学的に接続することができる。レーザダイオードは、摂氏約150°を超える温度のボアホール内のダウンホール用途に向けて構成又は設計することができる。レーザダイオードは、GaInAs−GaAsを有する端部放射レーザダイオード、及び/又はGaInAs−GaAsを有する垂直キャビティ面発光レーザダイオード(VCSEL)を含むことができる。レーザダイオードは、約1.0から約1.2μmの波長で作動するように構成又は設計することができる。レーザダイオードは、マルチモード又は単一モードレーザダイオードとすることができる。この点において、本発明の開示の単一モードレーザダイオードは、本明細書で開示する形式の干渉感知装置及び高速データ遠隔測定に適する場合があると考えられている。
【0013】
本発明の開示の態様では、光ファイバは、光学装置に光学的に接続することができ、光ファイバは、単一モード光ファイバ及びマルチモード光ファイバのうちの少なくとも一方を含み、光ファイバは、ダウンホール電子機器への及びそこからのデータを伝送する。
【0014】
地下システムは、累層を横断する坑井内のダウンホールを摂氏約115°を超える高温で作動するように構成される。システムは、ダウンホール工具と、ダウンホール工具と地表データ取得システムの間に延びる光ファイバとを含む。本発明の開示の態様では、ダウンホール工具は、少なくとも1つの電気−光(EO)変調器を有するダウンホール光学遠隔測定カートリッジと、EO変調器に接続したレーザダイオード光源とを含み、レーザダイオード光源は、能動冷却なしの摂氏約115°を超える温度及び約1.0から約1.2μmの波長でボアホール内のダウンホールを作動するように構成又は設計される。一実施形態では、EO変調器は、光ファイバケーブルへの入力に向けて光信号を変調するために電気的にレーザダイオードと接続することができる。別の実施形態では、レーザダイオードは、EO変調器に光学的に接続することができ、被変調光信号は、光ファイバケーブルに入力することができる。
【0015】
流体解析システムは、累層を横断する坑井内で摂氏約115°を超える高温でダウンホールを作動するように構成される。少なくとも第1の光源は、広い連続スペクトル範囲にわたってボアホール内でダウンホールの入力光を生成し、光センサは、第1の光源に光学的に接続され、かつ光源によって発生された入力光により作動し、関連の信号を測定してボアホール内でダウンホールで累層流体の特性を判断し、第1の光源は、1つ又はそれよりも多くのレーザダイオードを含み、レーザダイオードは、能動冷却なしで摂氏約115°を超える温度のボアホール内のダウンホールの作動に向けて構成又は設計される。ダウンホール光センサは、光ファイバに取り付けることができる。ダウンホール光センサは、基板上に配置されたMEMSセンサを含むことができる。第2のレーザダイオードは、アップホールの通信に向けて設けられ、かつアップホールでセンサデータを通信する光ファイバに光学的に接続することができる。光ファイバは、1つだけの単一モード光ファイバを含むことができ、単一モード光ファイバは、ダウンホールセンサ電子機器への及びそこからのデータを伝送する。
【0016】
本発明の開示の態様では、ダウンホール光センサは、ワイヤ線工具上に位置することができる。ダウンホール光センサは、常設ダウンホールセンサとすることができる。システムは、1つの光ファイバを更に含むことができ、1つの光ファイバは、ワイヤ線工具又は常設ダウンホールセンサへの及びそこからのデータを伝送する。
【0017】
ダウンホール長波長光学光源と、ダウンホールに位置する少なくとも1つの地下センサと、光学光源に結合され、かつ地表データ取得システムまで延びる単一モード及びマルチモード光ファイバ線の少なくとも一方とを含み、光学光源が、1つ又はそれよりも多くのレーザダイオードを含み、レーザダイオードが、能動冷却なしで少なくとも摂氏115°の温度のボアホール内のダウンホールの作動に向けて構成又は設計される地下センサシステムを提供する。本明細書の態様では、少なくとも1つの地下センサは、複数のセンサを含むことができ、各ダウンホールセンサは、単一モード及びマルチモード光ファイバ線の少なくとも一方に光学的に結合される。センサシステムは、アップホールでセンサ情報を中継するように構成された光ファイバ線に光学的に結合されてアップホールの通信のためのレーザダイオードを有する遠隔測定システムを更に含むことができ、レーザダイオードは、能動冷却なしで少なくとも摂氏115°の温度のボアホール内のダウンホールの作動に向けて構成又は設計される。
【0018】
付加的な利点及び新しい特徴は、以下の説明に示され、又はこれらの内容を読むか又は本発明を実施することによって当業者によって習得することができる。本発明のこれらの利点は、添付の特許請求の範囲に記載した手段を通じて達成することができる。
【0019】
添付図面は、本発明の実施形態を例示し、かつ本明細書の一部である。以下の説明と共に、図面は、本発明の原理を明らかにして説明するものである。
【0020】
図面を通して、同一参照番号及び説明は、類似であるが必ずしも同一でない要素を示している。本発明は、様々な修正及び代替形態を受け入れやすいが、特定の実施形態を一例として図に示し、本明細書で以下に詳細に説明する。しかし、本発明を開示する特定の形態に限定することを意図していないことを理解すべきである。むしろ、本発明は、特許請求の範囲に定めるような本発明の精神及び範囲に該当する全ての修正、均等物、及び代替物を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】本発明の開示の一実施形態によるダウンホール光学遠隔測定カートリッジを有する1つのシステムの概略図である。
【図1B】本発明の開示の別の実施形態によるダウンホール送信機を有する別の可能なシステムの概略図である。
【図2A】本発明の開示の更に別の実施形態によるダウンホール光センサカートリッジを有する1つのシステムの概略図である。
【図2B】本発明の開示の一実施形態によるダウンホール光電源を有する1つのシステムの概略図である。
【図3A】本発明の開示の一実施形態による流量計を有する1つの可能なダウンホール感知システムの概略図である。
【図3B】本発明の開示の一実施形態による撮像器を有する別のダウンホール感知システムの概略図である。
【図3C】本発明の開示の一実施形態による格子分光計を有する更に別のダウンホール感知システムの概略図である。
【図3D】本発明の開示の一実施形態によるラマン分光計を有する別のダウンホール感知システムの概略図である。
【図3E】本発明の開示の一部の実施形態によるファイバベースのバルク干渉計を有するダウンホール干渉感知システムの概略的な様々な構成を示す図である。
【図4A】本発明の開示の一実施形態による電気−光学アイソレータ回路(オプトカプラ)の概略図である。
【図4B】本発明の開示の一実施形態によるピア・ツー・ピア無線遠隔測定のための光コネクタの概略図である。
【図4C】本発明の開示の一実施形態によるネットワーク無線遠隔測定のための光コネクタの概略図である。
【図4D】本発明の開示の一実施形態によるツール・ツー・ツールデータ通信のための光コネクタの概略図である。
【図4E】本発明の開示の一実施形態によるツール・ツー・ツールデータ通信のための別の光コネクタの概略図である。
【図5A】高歪GaInAs−GaAs量子井戸構造を有するファブリー・ペロー端部放射型レーザダイオードの概略図である。
【図5B】ファブリー・ペロー端部放射型レーザダイオードの温度特性のグラフである。
【図6A】垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)型レーザダイオードの温度特性のグラフである。
【図6B】VCSEL型レーザダイオードの構造の概略図である。
【図6C】2次元VCSELアレイの概略図である。
【図7A】量子ドット型レーザダイオードの構造の概略図である。
【図7B】量子ドット型及び歪量子井戸型レーザダイオードの温度特性をグラフに示す図である。
【図8】ドープシリカ光ファイバ内への水素(H2)及び−OH吸収を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
例示的な実施形態及び態様を以下に説明する。あらゆるそのような実際の実施形態の開発においては、開発者の特定の目標を達成するために、実施例により変わることになるシステム関連及びビジネス関連の制約条件の遵守のような多くの実施例固有の判断を行うべきであることは言うまでもなく認められるであろう。更に、このような開発努力は、複雑かつ時間を消費するものである場合があるが、それにも関わらず、本発明の開示の恩典を受ける当業者には日常的な仕事であると考えられることが認められるであろう。
【0023】
本明細書を通して「一実施形態」又は「実施形態」又は「一部の実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通した様々な箇所で語句「一実施形態では」又は「実施形態では」又は「一部の実施形態では」が登場したとしても、全てが必ずしも同じ実施形態を指すというわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又はそれよりも多くの実施形態においてあらゆる適切な方法で組み合わせることができる。
【0024】
本明細書及び特許請求の範囲を通して使用する時に、用語「ダウンホール」は、特に坑井における地下環境を指す。「ダウンホール工具」は、ロギング工具、撮像工具、音響工具、常設モニタリング工具、及び組合せ工具を含むがこれらに限定されない地下環境に使用されるあらゆる工具を意味するのに広義に使用される。「長い」波長は、940nmを超える光波長を指す。「光学装置」は、電磁放射線を生成、操作、又は測定するあらゆる装置、すなわち、光を生成又は制御する装置を意味するために広義に使用される。「高温」は、摂氏約115°を超えるダウンホール温度を指す。「含む」及び「有する」という語は、「含む」という語と同じ意味を有するものとする。
【0025】
更に、本発明の態様は、単一の開示する実施形態の全ての特徴に該当するわけではない。従って、「発明を実施するための形態」に続く特許請求の範囲は、ここでこの「発明を実施するための形態」に明示的に組み込まれ、各請求項は、個別の実施形態として自立するものである。
【0026】
公知のように、従来のレーザダイオード装置は、一般的に摂氏約85°で作動するように構成又は設計される。このような従来の装置は、効率的な作動に適しておらず、一部の場合には、高温、すなわち、摂氏85°を超えると、例えば、摂氏約115°を超える温度では作動させることができない。この点において、このようなレーザダイオードを利用する公知のダウンホール光学装置の固有の低温作動範囲(摂氏85°又はそれよりも低い)により、光学構成要素が例えば摂氏115°を超え、一部の場合には、摂氏150°を超える温度で作動する必要がある高温ダウンホール用途においては、これらの装置の使用が制限される。
【0027】
一般的に、高温作動では、熱電冷却器(TEC)のような能動冷却装置が、レーザダイオードが作動するのに必要である。能動冷却装置では、温度制御及び電力のための更に別の構成要素が必要である。工具アーキテクチャにおける更に別の複雑性のために信頼性が低減される。本明細書で開示する形式の高温レーザダイオード装置は、工具設計を簡素化し、かつ殆どの場合に高温用途においてレーザダイオード装置の能動冷却を不要にすることにより、ダウンホール工具の信頼性を改善するものである。
【0028】
本出願の発明者は、例えば、高歪GaInAs−GaAs量子井戸(QW)構造を利用するレーザダイオード技術により能動冷却なしに高温ダウンホール条件下で作動させることができるレーザダイオード装置が得られると認識した。本明細書で、本発明者は、このようなレーザダイオード技術に基づく光学装置は、例えば、光学遠隔測定システム及び光感知システムのための高温ダウンホール光源のような高温ダウンホール用途が可能になることを見出している。本発明の発明者は、本発明の開示の光学装置は、能動冷却なしに摂氏約85°を超える、例えば、摂氏約115°を超える温度で確実かつ効率的な結果が得られることを更に認識した。しかし、本発明の開示では、望ましいか又は必要に応じて、作動範囲及び効率を拡張するように本明細書で説明する光学装置を冷却することを考えている。
【0029】
本発明の開示は、当業技術で公知の上述のように特定した問題及び他の問題の1つ又はそれよりも多くの影響を改善又は少なくとも低減することに向けられた一部の実施形態を提供する。多くの可能な実施形態の1つでは、高温ダウンホール油田センサシステムを提供する。他の可能な実施形態では、高温ダウンホール光学遠隔測定システムを提供する。高温ダウンホール油田システムは、ダウンホール光源、ダウンホール光学装置、任意的に、ダウンホールシステムと地表データ取得システムの間に延びる光ファイバを含み、ダウンホール光源は、少なくとも摂氏115°の高温作動に耐えることに適するレーザダイオードのような高温ダウンホール用途に向けて構成又は設計されたレーザダイオードを含む。
【0030】
本明細書で説明する原理では、高温用途においてダウンホール工具及びセンサを使用して、光センサで又は他の方法で光通信及び感知を容易にする方法及び装置が考えられている。ダウンホール工具と地表の間の光ファイバの使用により、利用可能なデータ伝送速度を凌ぐデータ伝送速度が得られる。本明細書で説明する原理により、ダウンホール工具及びセンサと関連の地表システムとの間に高温環境においてさえも光ファイバによる感知及び通信が容易にされる。以下に説明する方法及び装置の一部は、長波長、単一モード通信を使用することができるシステムを含み、それによって長距離にわたる分散及び損失が低減される。
【0031】
上述のように、ロギング工具に関する高解像度化及びデータ伝送高速化に対する要求は急増している。より長い工具の組合せ及び撮像改善に対する要求は、現在利用可能な遠隔測定帯域が不適切であることを意味する。本発明の開示は、高温ダウンホール環境における高速遠隔測定プラットフォーム及び感知システムのための実用化技術を提供する。本明細書で提案する解決法は、工具及びシステム経費を低減し、遠隔測定アーキテクチャを簡素化することによって工具信頼性を改善し、工具センサとの直接の高速通信を行うものである。本明細書で説明する工具アーキテクチャは、既存の工具アーキテクチャに大きな拡張機能に与え、機能性及びサービスの増大を既存の工具によって達成することができる。この点において、本発明の開示における着想の結果として、現在利用可能な遠隔測定機能では達成可能でなかった新たな工具設計及び用途が可能である。
【0032】
本発明の発明者により認識され、かつ本発明の開示により説明される別の問題は、高温での光ファイバの水素不明瞭化に関するものである。そのような現象は、本発明の開示で説明する形式の高温油田用途において特に懸念されることが認められるであろう。図7は、ドープシリカ光ファイバへの水素(H2)及び−OH吸収を示すグラフである。市販の単一モード(SM)光ファイバは、1.3μm及び1.55μmの標準的なレーザダイオード波長で作動する。しかし、両方の上述の波長は、水素不明瞭化に影響されやすい。従って、専用コーティングを使用する光ファイバの気密密封は、単一モードファイバを強化し、かつ水素不明瞭化から保護するのに必要である。専用コーティングは、高価であり、専用コーティングにより遠隔測定ケーブルに有意な経費が追加される。本発明の発明者は、約1.0μmから約1.2μmで作動するレーザダイオード光源によって水素不明瞭化の影響が大幅に低減されることを認識した。この点において、1.2μmレーザダイオード源は、水素不明瞭化として公知である現象及び単一モード光ファイバの高価な気密密封に関する要件を最小にする。
【0033】
本明細書で開示する態様は、コイル状配管、又はケーブル線、ワイヤ線、スリック線、又はあらゆる他の適切なダウンホール配備手段に沿って取り付けられた複数の装置と組み合わされた光ファイバ通信及びセンサシステムの恩典を含む。
【0034】
光ファイバセンサシステムの利用により、光ファイバシステムによって提供される多くの利点からの恩典が得られる。例えば、光ファイバシステムは、受動的に作動させることができ、従って、ダウンホール電子機器及びダウンホール電子機器を操作する地表からの関連の電力は不要である。ダウンホール電子機器を排除することができることにより、特により高温の環境においてダウンホールセンサシステムの信頼性が改善する。センサアレイを操作することに必要な電子機器は、地表に位置することができ、地表電子機器は、比較的高価である場合があるので他の坑井と共有し、かつ複数のダウンホール光ファイバセンサシステムに利用することができる。また、光ファイバ技術により、システム小型化及び軽量化が可能である。更に、これらの機能の全ては、高いデータ伝送機能を有する大きなセンサアレイを必要とする音響撮像用途及び地震撮像用途に有利である。この点に関しては、光ファイバセンサは、光ファイバ線を通じた多機能測定をサポートすることができる。この特徴には、ワイヤ線用途又はケーブル線用途、並びに生産モニタリングセンサシステム及び累層モニタリングセンサシステムにおいて大きな利点がある。
【0035】
本発明の開示の目的に対して、用語のワイヤ線、ケーブル線、スリック線、又はコイル状配管又は運搬のいずれか1つが使用される時、先に参照した配備手段のいずれか又はあらゆる他の適切な同等の手段を本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の開示と共に使用することができることが理解される。
【0036】
図1(A)は、本発明の開示の原理によるダウンホール光学遠隔測定システム(100)の概略図である。光学遠隔測定システム(100)は、地表遠隔測定ユニット(104)と電気通信しているか又はその一部としての地表データ取得ユニット(102)を含む。地表遠隔測定ユニット(104)は、光学遠隔測定モジュールである場合もあれば、そうでない場合もある。地表遠隔測定ユニット(104)は、光学アップリンクデータを受信してデータ取得ユニット(102)により収集することができる電気信号に変換する光検出器又はダイオード(108)を有するアップリンク光−電気(OE)復調器(106)を含む。
【0037】
地表遠隔測定ユニット(104)はまた、ダウンリンク電気−光変調器(EO)(110)を含む。光源(112)、例えば、レーザダイオードは、ダウンリンクEO変調器(110)と共に示されている。代替的に、光源(112)は、ボアホール内にダウンホールで配置することができる。EO変調器(110)は、あらゆる利用可能なEO変調器を含むことができる。アップリンクOE復調器(106)及びダウンリンクEO変調器(110)は、光ファイバインタフェース(114)、例えば、単一の光ファイバに作動的に接続されている。光ファイバインタフェース(114)は、地表遠隔測定ユニット(104)とダウンホール光学遠隔測定カートリッジ(116)の間の高伝送速度光通信リンクをもたらす。ダウンホール光学遠隔測定カートリッジ(116)は、光学遠隔測定システム(100)の一部であり、かつダウンホール電気−光学ユニット(118)を含む。ダウンホール電気−光学ユニット(118)は、ダウンリンクOE復調器(120)及びアップリンクEO変調器(122)を含む。ダウンリンクOE復調器(120)は、光学ダウンリンクデータを受信して電気信号に変換する光検出器又はダイオード(124)を含む。EO変調器(122)は、能動冷却がないアップリンク高温レーザダイオードなどの光源(126)を含む。
【0038】
ダウンホール電気−光学ユニット(118)は、ダウンホール電動工具バス(図示せず)に作動的に接続することができる。ダウンホール電動工具バスは、ダウンホール光学遠隔測定カートリッジ(116)と1つ又はそれよりも多くダウンホール工具(全体的にダウンホールデータ取得システム130として図示)との間の電気通信リンクをもたらす。ダウンホール工具の各々は、坑井内の特定のパラメータを測定する1つ又はそれよりも多くセンサ及びデータを送受信する送受信機を有することができる。
【0039】
図1(A)のダウンホール光学遠隔測定システムは、ダウンホール構成要素(光学遠隔測定カートリッジ、ダウンホール工具)と地表データ取得ユニット間の高帯域光ファイバインタフェース(114)の利点を有するダウンホールの標準的な電気遠隔測定及びセンサ技術を使用することができる混成光学電気器具とすることができる。地表データ取得ユニットとダウンホール工具(ダウンホールデータ取得システム130として図示)の1つとの間の通信及びデータ転送に対して以下に説明する。
【0040】
データ取得ユニット(102)からの電子「ダウン指令」が、地表遠隔測定ユニット(104)に電気的に送られる。地表遠隔測定ユニット(104)のダウンリンクEO変調器(110)は、電子「ダウン指令」を光学信号に変調し、光学信号は、ダウンホール光学遠隔測定カートリッジ(116)に光ファイバインタフェース(114)を通じて伝送される。光ファイバインタフェース(114)の形式には、単一光ファイバ又は複数の光ファイバを含むワイヤ線ケーブルがある。ダウンリンクOE復調器(120)は、光信号を電子信号に復調し、ダウンホール光学遠隔測定カートリッジ(116)は、ダウンホール電動工具バス(図示せず)に沿って復調された電子信号を伝送し、そこで、電子信号は、ダウンホール工具により受信される。
【0041】
同様に、ダウンホール工具からの「アップリンク」データは、ダウンホール光学遠隔測定カートリッジ(116)にダウンホール電動工具バス(図示せず)を通じてアップホールで伝送され、アップリンクデータは、光信号にアップリンクEO変調器(122)により変調されると、アップホールで地表遠隔測定ユニット(104)に光ファイバインタフェース(114)を通じて伝送される。ダウンホール工具のセンサは、アナログ信号を供給することができる。従って、本発明の開示の一部の態様により、アナログ/デジタル変換器は、望ましいか又は必要に応じて、各ダウンホール工具と共に、又はダウンホール工具とアップリンク及びダウンリンク変調器/復調器との間のいずれかの位置に含めることができる。その結果、センサからのアナログ信号は、デジタル信号に変換され、デジタル信号は、地表へのアップリンクEO変調器(122)により変調される。一部の実施形態によると、ダウンホール光源(126)は、光ファイバ(114)を通じて入力され、EO変調器(122)により変調されると、地表光学遠隔測定ユニット(104)に同じ光ファイバ(114)を通じて出力される。アップリンクOE復調器(106)は、この信号を電子信号に復調し、電子信号は、次に、データ取得ユニット(102)に伝達される。アップリンク信号及びダウンリンク信号は、いずれも、波長分割多重(WDM)で全二重で伝送されることが好ましい。
【0042】
図1(A)は、ダウンホールから地表にデータを搬送する高温レーザダイオード光源(126)を有する直接変調を利用する光学遠隔測定システムを示している。アップリンクデータ(1つ又はそれよりも多くのダウンホール工具に接続したダウンホール工具バスから)は、アップリンクEOモジュレータ(122)に入力され、次に、レーザダイオード(126)で直接に変調される。レーザダイオード(126)からの出力光学光は、被変調信号を担持し、被変調信号は、例えば、単一モード光ファイバ(例えば、10kmよりも大きい長さを有する)を通じて伝送されて地表フォトダイオード(108)により受信される。地表光ダイオード(108)は、電気信号に光学データを変換するためにアップリンクOE復調器(106)に信号を入力する。データは、地表データ取得システム(102)により受信される。
【0043】
図1(A)システムの高温ダウンホールレーザダイオードにより、ダウンホール電子回路設計が簡素化され、電力消費量が低減され、パワーマネージメント方式の単一化が行われ、かつ工具信頼性が改善する。
【0044】
図1(A)の高温ダウンホール光学遠隔測定システムの別の可能な実施形態では、高温レーザダイオードは、電気−光(EO)変調器のためのダウンホール連続波(CW)及び一定(又は非調節)光源として光学遠隔測定システムに利用される。EO変調器は、被変調電気信号を被変調光学信号に変換し、光ファイバ、例えば、長い単一モード光ファイバを通じて地表に信号を伝送する。EO変調器は、図1(A)に示す直接変調高温レーザダイオード(126)と比較すると、速いデータ速度(1Gbpsを超える)をもたらす。
【0045】
図1(B)は、本発明の開示の別の実施形態による光学遠隔測定システムを有するダウンホールシステムの概略図である。図1(B)の光学遠隔測定システムは、地表にある送信機(103)及び受信機(105)の対と共に地下高温環境においてダウンホールで配置され、かつ単一マルチモード光ファイバ(109)を通じて光学的に接続した送信機(113)及び受信機(111)の対を含む。マルチモード波長分割マルチプレクサ又は光サーキュレータ(107、115)は、マルチモード光ファイバで送信機/受信機対を光学的に接続するために設けられている。図1(B)システムは、単一マルチモード光ファイバケーブルを有する全二重通信システムを示している。図1(B)システムの他の態様では、システムは、図1(A)に関連して上述した関連の電子機器を2つのマルチモード光ファイバに設けることによって冗長性を追加するように二重化することができる。
【0046】
本発明の開示の態様では、マルチモード又は単一モード光ファイバに言及しているが、開示する実施形態がそのように制限されることは意図されていない。この点において、本発明の開示では、単一モードのその1つ又はそれよりも多くを考えており、マルチモード光ファイバケーブルは、本明細書で説明する目的に対して望ましいか又は必要に応じて使用することができる。
【0047】
本発明の開示では、図1(B)の光学遠隔測定システムのダウンホール送信機の目的のために本明細書で説明する形式の高温レーザダイオードを利用することを考えている。
【0048】
図2(A)は、本発明の開示の一実施形態による光センサシステムを有する高温ダウンホールシステムの概略図である。図2(A)の略示図では、ダウンホール光感知システム(130)は、互いに結合された光センサ(132)及びダウンホール遠隔測定カートリッジ(116)を含む。光ファイバケーブル又は銅製ケーブル(178)は、地表遠隔測定モジュール(104)とダウンホール遠隔測定カートリッジ(116)を接続し、地表遠隔測定モジュール(104)は、地表データ取得システム(102)に結合されている。地表遠隔測定モジュール(104)は、アップリンク復調器(170)、ダウンリンク変調器(172)、アップリンク復調器(170)に結合された受信機(174)、及びダウンリンク変調器(172)に結合されたドライバ(176)を含む。ダウンホール遠隔測定カートリッジ(116)は、ダウンリンク復調器(180)、アップリンク変調器(182)、ダウンリンク復調器(180)に結合された受信機(184)、及びアップリンク変調器(182)に結合されたドライバ(186)を有するダウンホールユニット(179)を含む。ダウンホール光感知システム(130)は、光センサ(132)、光ダイオード(134)、高温レーザダイオード(136)、及びコントローラ(138)を含む。センサ(132)は、本明細書で説明する目的に対して当業者に公知のものの中でもとりわけ、例えば、流量センサ、音響、すなわち、地震などの振動センサ、音波、超音波、加速度計センサ、歪みセンサ、分光計、圧力/温度センサとすることができる。
【0049】
図2(A)の光感知システムでは、光パワーは、高温ダウンホールレーザダイオードによって供給される。レーザダイオード(136)の光パワーは、例えば、水晶結晶圧力を励起し及び/又は温度センサ(132)を振動させるために使用される。共振周波数は、光変調又は運動検出技術により検出される。結晶共振周波数を表す周期的な光パルスは、次に、地表遠隔測定モジュール(104)内の受信機/復調器(174/170)に光ファイバ(178)を通じて伝達される。高温レーザダイオードは、地表システムにセンサ出力を送るダウンホール光源として使用することができる。利用可能なダウンホール電力が制限されるので、ダウンホール光源の電力消費量は小さいことが望ましい。この点において、VCSEL型レーザダイオードは、電力消費量が少ないので、本明細書で説明する形式の用途のための適切な光源である。図2(A)に示す感知システムは、あらゆる形式のセンサシステムに一般化することができる。
【0050】
図2(B)は、本発明の開示の一実施形態によるダウンホール電源を有するセンサシステムを有する高温ダウンホールシステムの概略図である。図2(B)では、ダウンホール感知システム(130)は、互いに結合されたセンサユニット(150)及びダウンホール遠隔測定/電力カートリッジ(140)を含む。光ファイバケーブル(148)は、地表データ取得システム(102)に結合されたダウンホール/電力遠隔測定カートリッジ(140)とセンサモジュール(150)を接続する。ダウンホール遠隔測定/電力カートリッジ(140)は、アップリンク変調器(141)、アップリンク変調器(141)に結合された受信機(143)、及び高温レーザダイオード(144)に結合された電源ユニット(142)を含む。ダウンホールセンサユニット(150)は、センサ(160)、ドライバ(156)を通じてセンサ(160)に結合された光電池(154)、高温レーザダイオード(158)、及びコントローラ(152)を含む。センサ(160)は、例えば、センサ(160)が圧力を測定すべき流体(例えば、累層流体)を受け取る圧力口(図示せず)を有する圧力センサとすることができる。センサ(160)内では、流体の圧力は、圧力変換器(図示せず)により感知される。センサ(160)は、ドライバ(156)を通じて光電池(154)から電力を受け取ると、測定された圧力を符号化する周波数のような何らかの特性を有する高温レーザダイオード(158)への電子出力信号を生成する。
【0051】
高温レーザダイオード(144)は、安全な領域内に位置し、入力光は、危険な又は電気ノイズがある区域においてリモートセンサ(160)に光ファイバ(148)を通じて伝達される。
【0052】
一実施形態では、単一のファイバは、地表又はダウンホール高電力レーザ(例えば、連続(CW)レーザ)を使用する遠隔電子装置にダウンホールの電力を伝達することができる。図2(B)に注意されたい。CW光は、ダウンホールシステムに長い光ファイバで伝達され、光電池のような光電コンバータにより受け取られる。光電コンバータは、ダウンホール電子機器、ダウンホールセンサに接続したデータコンバータ及び/又はセンサ自体に電力を供給するのに使用される電圧にCW光を変換する。一部の実施形態では、ダウンホール電力は、ダウンホール装置に電力供給するのに使用される同じ光ファイバに沿ってアップホールでダウンホールセンサ、電子機器、及び/又はデータコンバータからデジタルデータを伝送するために異なる波長の高温ダウンホール光源を変調するのに使用することができる。WDM(波長分割多重)スプリッタのような光カプラ又は光サーキュレータ及びアドドロップマルチプレクサは、ダウンホールデータを中継する被変調光信号が上流側レーザから干渉なしに伝達されるように使用することができる。得られる光信号(ダウンホールデータを表す)は、ダウンホール光源波長に感応するアップホール光ダイオードにより受信して電気デジタル信号に変換することができる。図1(A)に注意されたい。電気デジタル信号は、次に、記憶するか、又はダウンホール条件をモニタリングするのに使用することができる。
【0053】
本明細書で説明する原理により、音響センサ、圧力センサ、及び温度センサ、光学的スイッチのような電力を必要とする光学構成要素、ブラッグ格子、化学流体相螢光性センサ及び検出器、撮像装置、ビデオカメラ、マイクロサファイアゲージのような低電力センサ、センサ、アクチュエータ、及び制御器により受信した信号を調整する関連の電子機器、MEMS装置又はMEMSセンサ、及び/又は一体型調整サポート及びデータ変換電子機器を含むがこれらに限定されないダウンホールユニットは、高温ダウンホールレーザダイオード光源により電源を供給することができる。一部の場合には、ダウンホール高温光源によって供給される電力は、センサに電源を供給するか又は電子機器をサポートするのに十分ではない恐れもあり、従って、光電コンバータにより変換された電力は、ダウンホールバッテリパックによって供給された電力をトリクル充電又は補強するために使用することができる。
【0054】
図3(A)から図3(E)は、ボアホール内でダウンホールの累層流体を感知及び/又は撮像するために高温レーザダイオードを利用する本明細書で説明する原理による様々な例示的な高温ダウンホール感知システムを概略的に示している。
【0055】
図3(A)では、高温ダウンホール感知システムは、本発明の開示の一実施形態による流量計(200)を含む。図3(A)の流量計は、周波数シフター(204)、光検出器(208)、信号増幅器(212)、及び信号プロセッサ/コントローラ(210)のようなダウンホール電子機器を含む。流量計(200)は、レーザドップラーの原理を利用して作動し、流路(214)内の流体、すなわち、累層流体の流速が、流体内に含まれた粒子により散乱される光におけるドップラー効果を利用して測定される。高温レーザ(202)からの光は、例えば、光ファイバ(206)に取り付けられたコリメータ(205)により流路(214)内に注入される。注入された光は、流路内の流体内の粒子により散乱される。散乱光の一部は、再びコリメータ/光ファイバ(205/206)を通過する。流体内の粒子が流体の流動と共に移動する時に、散乱光には、ドップラー効果による周波数シフトがあり、流体速度は、周波数シフトの量から導出することができる。
【0056】
図3(B)は、本発明の開示の一実施形態による撮像器(300)を有する高温ダウンホール感知システムの概略図である。撮像器(300)は、例えば、電荷結合素子(CCD)カメラ(304)、能動冷却がない光学窓(306)を有する流路(308)を有する流体サンプリング器具(312)に対して構成及び配置された高温レーザダイオードのような光源(302)を含む。ボアホール又は累層(310)からの累層流体のような流体は、流路(308)を通過すると、光源(302)からの光及びカメラ(304)により撮像される。図3(B)の一実施形態では、透過光を使用する撮像のための配置が提供されており、図3(B)の別の実施形態では、後方散乱光を使用する撮像のための配置が提供されている。
【0057】
現在特許出願中で本出願人所有の米国特許公報第2007/0035736号では、ダウンホールスペクトル撮像の更なる説明が示されており、この特許の内容全体は、本明細書において引用により組み込まれている。
【0058】
図3(B)のダウンホール感知システム内で高温レーザダイオードを利用して、電力消費量が比較的低い高光パワー出力が得られ、高温レーザダイオードによる光パワー出力は、その高い指向性のために、光損失が少ない撮像、1.2μm帯域内の集束帯域幅による光吸収の影響が比較的低くかつスペクトル吸収の影響が低い撮像、及び迅速かつ有効に達成することができる撮像に向けて流路に実質的に生じる。従って、図3(B)の撮像システムは、画像解像度改善を備えた流速の高速化に対処するカメラシャッターの高速化が可能である。
【0059】
図3(C)は、本発明の開示の一実施形態による格子分光計(410)を有する高温ダウンホール感知システム(400)の概略図である。ハロゲンランプ(412)のようなブロードバンド光源は、サンプルセル(404)内のサンプル流体を照らす。チョッパー(406)は、ログパスフィルタ(414)のような光学フィルタを通じて格子分光計(410)に入力する光を変調するために設けることができる。信号取得同期のための光ダイオード(408)、強度電圧(I/V)コンバータ、アナログ/デジタル変換器、及び他の信号処理電子機器のようなダウンホール電子機器は、望ましいか又は必要に応じて設けることができる。
【0060】
高温レーザ(402)は、波長基準に対して設けられる。この点において、レーザ(402)からの入力光は、格子分光計(410)に較正信号を供給するために格子分光計(410)に光カプラ(図示せず)を通じて入力される。公知のダウンホール温度では、レーザ(402)の波長(λ)は、温度による変化に対して補正され、かつ格子分光計(410)を較正する波長基準として使用することができる。
【0061】
現在特許出願中で本出願人所有の米国特許公報第2007/0171414号では、上述の形式のダウンホール格子分光計に関する更なる説明が示されており、この特許の内容全体は、本明細書において引用により組み込まれている。
【0062】
図3(D)は、本発明の開示の一実施形態によるラマン分光計(510)による高温ダウンホール感知システム(500)の概略図である。図3(D)のダウンホール感知システム(500)は、流体累層のサンプルのようなサンプル(504)が、本明細書で開示する形式の高温レーザ(502)からのモノクロの光で照明されるレーザラマン分光学システムを提供する。分光計は、流体サンプルにより散乱された光を検査するために設けられている。レーザ光は、様々なフィルタ(514)を通過し、ポリクロメータ(510)及びCCD検出器(512)に適切なレンズ/ミラー(506/508/516)構成により誘導される。CCD検出器(512)により検出された散乱は、ラマン分光学の原理による処理に向けて信号処理/コントローラ(図示せず)に入力される。
【0063】
本発明の開示では、ラマン散乱がレイリー散乱と同じくらい良好に行われるように、単色光を供給してサンプルセル(504)内の流体の分子を照らすために高温レーザを利用することが考えられている。ラマン散乱の波長は、入射光波長から逸脱しており、ラマンシフトと呼ばれる波長シフトの量は、サンプル材料を構成する分子の振動モードに依存する。従って、CCD検出器(512)を利用してラマンシフトを検出することにより、サンプルセル内の物質を特徴付けることができる。
【0064】
図3(E)は、本発明の開示の一部の実施形態によるファイバベースのバルク干渉計を有する高温ダウンホール感知システムの概略的に様々な構成を示している。位相感応要素(606/706)から反応を生成する環境効果を導出するために、位相感応要素(606/706)に及び次に信号の分析に向けて信号プロセッサ/コントローラに光ダイオード(604/704)を通じて光を入力する1つ又はそれよりも多くの高温レーザ装置(602/702)が設けられている。干渉センサの原理は、当業者に公知なので本発明の開示では詳細説明を割愛する。この点において、圧力、流量制御、歪み、化学特性、及び/又は温度のような環境パラメータは、上述の形式の干渉センサを利用して導出することができる。
【0065】
本出願人所有の米国特許第7,292,345号では、一部の干渉センサに関する説明が示されており、この特許の内容全体は、本明細書において引用により組み込まれている。
【0066】
図4(A)は、光感応検出器(804)に光学的に接続され、かつ接地分離を備えた高速データ伝送に向けて構成又は設計された高温レーザダイオード(802)を有する本発明の開示の一実施形態による電気−光学アイソレータ回路(オプトカプラ)の概略図である。レーザダイオード(802)は、光感応検出器(804)に対向するように配置され、2つの要素は、オプトカプラを構成するために電気回路内に挿入されている。レーザダイオード(802)と検出器(804)の間に絶縁間隙が設けられ、そのために電流ではなく、データを表す望ましい光波だけが間隙を通過する。従って、回路のこの2つの側面は、互いから事実上分離されている。図4(A)のオプトカプラは、数百フィート又はそれよりも大きい距離を対象とする特にポイント・ツー・ポイントデータ回路におけるデータ通信に向けて利用することができる。接地電位差が存在する状況では、接地ループという現象が起き、接続した装置の間に接地電位を等しくしようとして電流がデータ線に沿って流れる可能性がある。光分離により、線のいずれかの端部でデータ線と「接地」の間の接続を実際上解除することにより、接地ループという問題が解決される。
【0067】
図4(B)は、光感応検出器(804)に光学的に接続した高温レーザダイオード(802)を有する本発明の開示の一実施形態によるピア・ツー・ピア無線遠隔測定のための光コネクタの概略図である。例えば、図4(B)の構成は、本明細書で説明する形式のダウンホール工具においてPCB(プリント回路基板)・ツー・PCBデータ伝送に利用することができる。この点において、図4(B)の光回路では、ダウンホール工具に関して配線ハーネスを低減することにより、ダウンホールアーキテクチャが簡素化される。
【0068】
図4(C)は、工具ハウジング(806)の内側で光感応検出器(804)に光学的に接続した高温レーザダイオード(802)を有する本発明の開示の一実施形態によるネットワーク無線遠隔測定のための光コネクタの概略図である。工具ハウジング(806)の内面上の適切な反射コーティング(808)及び電力線ハーネス(810)は、本明細書で説明する形式のダウンホール工具内のPCB・ツー・PCB無線データ伝送に向けて施されている。この点において、図4(C)の光回路により、ダウンホール工具に関して配線ハーネスを低減することにより、ダウンホールアーキテクチャが簡素化される。
【0069】
図4(D)は、第2の工具Bの対応するレーザダイオード及び光感応検出器対と光学的に接続した第1の工具Aの高温レーザダイオード(802)及び光感応検出器(804)を有する本発明の開示の一実施形態によるツール・ツー・ツールデータ通信のための光コネクタの概略図である。図4(E)は、ピン及びソケット配置で複数のレーザダイオード及び光感応検出器コネクタ対を有するツール・ツー・ツールデータ通信のための別の光コネクタの概略図である。図4(D)及び図4(E)に示す構成は、高い光パワー及び大きい許容範囲により強固な光結合を提供する。この点において、図4(D)及び図4(E)の光コネクタは、高いデータ伝送速度による光通信に適切である。
【0070】
図5から図7を参照すると、特に本明細書で説明するシステム及び方法に適すると本発明の発明者により特定されたレーザダイオード技術に関する説明が示されている。この点において、本発明者は、驚くべきことに、高歪GaInAs−GaAs量子井戸レーザダイオードとして公知である形式のレーザダイオードが、光学遠隔測定及びダウンホール感知のための高温ダウンホールユニット内での使用に適することを見出した。高歪GaInAs−GaAs量子井戸(QW)構造を利用する1.2μmの高温端部放射レーザダイオード(4mW、CW、If=300mA)は、有効なダウンホール光源になることが本発明の発明者により認められた。この点において、本発明の発明者は、このような構造が、高温条件下でさえ活動層において高い搬送波密度を維持することができる点に注目した。上述のレーザダイオード構造を使用する装置は、能動冷却がなくても摂氏180°まで作動することが明らかにされた。
【0071】
図5(A)は、高歪GaInAs−GaAs量子井戸構造を有するファブリー・ペロー端部放射型レーザダイオードの概略図である。図5(B)は、摂氏180°までのファブリー・ペロー端部放射型レーザダイオードの電力−電流特性のグラフである。
【0072】
本明細書で説明する目的に対して特定されたレーザダイオード構造の別の形式は、上述のファブリー・ペロー端部放射型レーザダイオードと同じか又は類似の構造を有する垂直キャビティ面発光レーザ(VCSEL)である。この点において、摂氏85°まで作動する低温VCSELを開発した(40mAのIfでImW)。図6(A)から図6(C)は、VCSEL型レーザダイオード、すなわち、2次元VCSELアレイの構造、及びVCSEL型レーザダイオードの温度特性を示している。単一モード光源が単一モードファイバを使用する長距離の高データ転送速度通信に好ましいと考えられるので、VCSEL型レーザダイオードは、低い閾値トリガ電力、ウェーハレベル検査、簡単なファイバ結合、高密度2次元アレイの簡単な構成、及び低価格のようないくつかの利点を有する。図6(A)は、摂氏180°までのVCSEL型レーザダイオードの温度特性をグラフに示している。本発明の発明者は、更に、量子ドット高温レーザダイオードを本発明の開示の原理に従って利用することができることを認識した。図7(A)及び図7(B)は、量子ドット型レーザの構造及び温度特性を示している。この点において、量子ドットレーザは、半導体レーザでは以前に可能でなかった温度感応出力変動を最小にすることができる。新開発の量子ドットレーザは、電流調節なしに摂氏20°から摂氏70°の温度範囲にわたって10ギガビット/秒(Gbps)の高速作動をもたらすことができ、かつ温度変化により引き起こされる出力変動を最小にすることができることに注意されたい。本発明の発明者は、このような技術により本明細書に開示する装置の目的に対してコンパクトで低価格かつ電力消費量が低い光学光源をもたらすことができることを認識した。上述のレーザダイオードは、摂氏120°まで、恐らく摂氏150°まで作動可能である。
【0073】
上述の方法及び器具の一部は、井戸掘削及び生産を計画するためのボアホール調査を提供し、かつ実際の坑井生産中にボアホールデータをモニタリングするための適用性を有する。このようなボアホール調査には、ボアホール地震調査が含まれ、ボアホールデータのこのようなモニタリングには、一時的又は永久的なモニタリングが含まれる。光ファイバ技術には、高いデータ転送速度で複数のチャンネルを多重化する機能があり、従って、高いデータ伝送機能を有する大規模センサアレイを必要とする音響撮像及び地震撮像用途に対する要求が満たされる。本明細書の実施形態における光ファイバ技術の使用により、プロフィールの小型化、軽量化、及び地表からのダウンホール電子機器又は電力が不要であるという事実のために、シャトル数の増加も可能である。
【0074】
ボアホール環境に使用されるセンサは、高解像度化したセンサに対する必要性が増大すると、帯域幅の一層の増大を要求する。ボアホール内のロギングに使用される銅製ケーブルは、達成可能な帯域幅の限界に到達している。光ファイバケーブルは、新設高解像度センサに向けて有意により高い帯域幅をもたらすことができる。光ファイバケーブルの使用には高温ダウンホール光学装置が必要であり、センサ信号を調整し、かつダウンホールからアップホールまで遠隔測定を行うために使用される電子機器には電力が必要である。
【0075】
上述のように、光ファイバケーブルは、多くの場合に40kmまでの距離で数百メガバイト/秒程度の非常に有効な伝達機能を有し、かつ銅製遠隔測定システムと異なってEMI又は伝送損失が発生しない。しかし、光伝送システムには、光データ伝送を制御するのに必要とされる関連の電子機器を駆動する電力が必要である。ボアホールに関連する光伝送システムは、関連電子機器により振幅変調された高温ダウンホールレーザダイオード光源を含むことができる。効率的な通信に対して、一部の実施形態では、光源は、全二重化通信を可能にするためにアップホール及びダウンホールの両方に配置することができる。
【0076】
以前の説明は、本発明及びその実施の一部の例を例示かつ説明するためだけに示したものである。網羅的であること又は開示したいずれの正確な形態にも本発明を制限することを意図したものではない。上述の教示に照らして多くの修正及び変形が可能である。
【0077】
本発明の原理及びその実際的な応用を最も良く説明するために好ましい態様を選択した。以上の説明は、当業者が、考えられる特定の使用に適するように様々な修正を行って様々な実施形態及び態様の本発明を最も有効に利用することを可能にするように意図している。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定められるように意図している。
【符号の説明】
【0078】
100 ダウンホール光学遠隔測定システム
102 地表データ取得ユニット
104 地表遠隔測定ユニット
106 アップリンク光−電気(OE)復調器
108 光検出器又はダイオード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
累層を横断する坑井内のダウンホールで摂氏約115°を超える高温で作動するように構成された地下工具であって、
摂氏約115°を超える温度のダウンホール用途に対して構成又は設計された光学装置と、
前記光学装置に入力光を供給するために該光学装置に光学的に接続された少なくとも1つの光源と、
を含み、
前記光源は、1つ又はそれよりも多くのレーザダイオードを含み、該レーザダイオードは、能動冷却なしで摂氏約115°を超える温度のボアホール内のダウンホールの作動に向けて構成又は設計される、
ことを特徴とする工具。
【請求項2】
前記光学装置は、アップリンク電気−光(EO)変調器とボアホール内のダウンホールの前記レーザダイオードとを含むダウンホール光学遠隔測定カートリッジを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項3】
前記光学装置は、ボアホール内のダウンホールの前記レーザダイオードを含むダウンホール送信機を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項4】
前記光学装置は、光センサとボアホール内のダウンホールの前記レーザダイオードとを含むダウンホール光センサカートリッジを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項5】
前記光学装置は、光電池とボアホール内のダウンホールの前記レーザダイオードとを含むダウンホール電力カートリッジを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項6】
前記光学装置は、コリメータとボアホール内のダウンホールの前記レーザダイオードとを含むダウンホール流量計を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項7】
前記光学装置は、カメラとボアホール内のダウンホールの前記レーザダイオードとを含むダウンホール撮像器を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項8】
前記光学装置は、格子分光計とボアホール内のダウンホールの前記レーザダイオードとを含むダウンホール分光計を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項9】
前記光学装置は、ラマン分光計とボアホール内のダウンホールの前記レーザダイオードとを含むダウンホール分光計を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項10】
前記光学装置は、感知要素とボアホール内のダウンホールの前記レーザダイオードとを含む干渉計光センサを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項11】
前記光学装置は、光感応検出器とボアホール内のダウンホールの前記レーザダイオードとを含む電気−光学アイソレータ回路を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項12】
前記光学装置は、少なくとも1つの光感応検出器とボアホール内のダウンホールの前記レーザダイオードとを含んでデータ伝送に向けて構成又は設計された光コネクタを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項13】
前記レーザダイオードは、GaInAs−GaAsを有する縁部発光レーザダイオード含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項14】
前記レーザダイオードは、GaInAs−GaAsを有する垂直キャビティ面発光レーザダイオード(VCSEL)を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項15】
前記レーザダイオードは、約1.0から約1.2μmの波長で作動するように構成又は設計される、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項16】
前記光学装置と光学的に接続した光ファイバ、
を更に含み、
前記光ファイバは、単一モード光ファイバ及びマルチモード光ファイバのうちの1つ又はそれよりも多くを含み、該光ファイバは、ダウンホール電子機器及び地表データ取得システムへ及びそこからデータを伝送する、
ことを特徴とする請求項1に記載の地下工具。
【請求項17】
地表遠隔測定ユニットを含む地表データ取得ユニットと、
ダウンホール電気−光学ユニットを含むダウンホール光学遠隔測定カートリッジと、
前記地表データ取得ユニットと前記ダウンホール光学遠隔測定カートリッジの間の光ファイバインタフェースと、
ダウンホール工具と、
前記ダウンホール電気−光学ユニットと前記ダウンホール工具の間に作動的に接続されたダウンホール電動工具バスと、
を含み、
前記ダウンホール電気−光学ユニットは、
電気−光(EO)変調器と、
能動冷却なしで摂氏約115°を超える温度でボアホール内のダウンホールを作動するように構成又は設計されたレーザダイオードと、
を含む、
ことを特徴とするダウンホール遠隔測定システム。
【請求項18】
累層を横断する坑井内で摂氏約115°を超える高温でダウンホールを作動するように構成された流体解析システムであって、
広い連続スペクトル範囲にわたってボアホール内のダウンホールの入力光を発生させる少なくとも第1の光源と、
前記第1の光源に光学的に接続され、かつ該光源によって発生された前記入力光によって作動し、関連の信号を測定してボアホール内のダウンホールの累層流体の特性を判断する光センサと、
を含み、
前記第1の光源は、1つ又はそれよりも多くのレーザダイオードを含み、該レーザダイオードは、能動冷却なしの摂氏約115°を超える温度のボアホール内のダウンホールの作動に向けて構成又は設計される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項19】
前記ダウンホール光センサは、光ファイバに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項18に記載の流体解析システム。
【請求項20】
アップホールのセンサデータを通信するために前記光ファイバに光学的に接続された第2のレーザダイオード、
を更に含むことを特徴とする請求項19に記載の流体解析システム。
【請求項21】
各ダウンホールセンサが単一モード及びマルチモード光ファイバ線のうちの少なくとも一方に光学的に結合された複数のセンサを含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の流体解析システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−504199(P2012−504199A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528440(P2011−528440)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【国際出願番号】PCT/IB2009/006823
【国際公開番号】WO2010/035098
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited
【Fターム(参考)】