説明

高温超伝導コイルの製造

組紐にされたBi2Sr2CaiCu2x(Bi−2212)ストランドの磁石コイルを良好に熱処理する方法が提供されている。Bi−2212コイルは、標準的な丸ワイヤパウダーインチューブ技術を用いて製造され、炭素質バインダが組み込まれたセラミック−ガラス組紐と組紐にされる。このコイルは、高電流密度相反応シーケンス下で雰囲気が制御された炉中で加熱されて炭素質バインダが焼失され、かつ排気されて不必要なガスが巻線の内側から除去される。次いで、酸素環境が導入されて、コイルが高Jc反応温度に熱処理され、次いで、通常通り処理される。特に酸素濃度といったワイヤの表面の局所的な雰囲気が良好な反応シーケンスのために重要であるため、これにより、高電流Bi−2212コイルを得ることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、超伝導性材料およびその製造方法に関し、より具体的には、電気絶縁された高温超伝導コイルの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
高超伝導転移温度超伝導体Bi2Sr2CaCu2x(本明細書においては、「Bi−2212」と称される)の最も重要な技術的価値は、「低温」、すなわち4.2Kで作動する丸ワイヤとしてであり得る。これは、Bi−2212は、きわめて強い磁界、すなわち23テスラ(T)超において、技術的に有用な丸ワイヤの形状で大きな超伝導電流を流すことが可能である唯一の超伝導体であるためである。強い磁界は、なんらかの形状のコイル構成を不可避的に用いるため、信頼性の高いBi−2212コイルの製造手法がこの材料の可能性を最大化するために必要とされている。
【0003】
現在の強磁界超伝導体材料Nb3Snのためのコイル製造技術は、「ワインドアンドリアクト」法と呼ばれる(例えば、Taylorら、「A Nb3Sn dipole magnet reacted after winding」,IEEE Trans.Magnetics 第MAG−21巻,第2号,1985年,第967〜970ページ)。典型的には、Cuマトリックス中のNbフィラメントおよびSn源、または、青銅マトリックス中のNbフィラメントのいずれかであるNb3Sn前駆体複合体が、最終直径約1mmに引かれ、有機樹脂などの炭素質バインダが含浸されたガラス糸組紐で絶縁される。このワイヤが、巻型に巻かれ、先ずは炭素質バインダを焼失させる温度で、次いで、Nb3Sn形成温度で熱処理される。これは、典型的には、空気または酸素中で、Nb3Sn反応熱処理温度(約650℃)と比して比較的低温(約300℃)でバインダを燃焼することにより行われる。バインダが燃焼された後に巻線中に閉じ込められて残る炭素はNb3Sn相形成に全く影響はない。
【0004】
Bi−2212コイル製造のためにこの「ワインドアンドリアクト」法を適応させることはきわめて望ましいが、実際にはこれは困難であった。Nb3Snコイルに用いられるタイプのガラス組紐はBi−2212コイルのために必要とされる反応温度で完全に溶融し、従って、ガラスおよびセラミックのいくらかの組み合わせ、または純粋なセラミックが絶縁材料として必要とされる。従来技術におけるBi−2212コイルは、反応後の内部巻線中の多くの欠陥によって悩まされる。これらの欠陥は、度々、黒色の染みによって視覚的に示され(Denis Markiewiczら,「Perspective on a Superconducting 30 T/1.3 GHz NMR Spectrometer Magnet」,IEEE Trans,Appl.Supercond.,第16巻,第2号,2006年,第1523〜1526ページを参照のこと)、これらの欠陥は、短時間サンプル試験に基づいてもたらされるべきである電流の一部を導出するコイルをもたらす。これらのコイルは、典型的には、連続的な酸素ガス流を伴う炉中で熱処理される。紙産業において「サイジング」として公知である炭素質バインダは、最初の低温熱処理の最中にCO2に転換される。CO2は締まった巻線パック中に閉じ込められる可能性があり、この閉じ込められたCO2ガスをこのようにきつく巻かれたパックの外にパージすることは、連続的な酸素流をもってしても不可能である。Bi−2212の最適な相の形成に対してワイヤ表面に隣接する雰囲気は重要であるため、これは重大な問題を呈している。絶縁ワイヤは巻型にきわめて高密度に固く巻かれており、ガスがコイルパックを入出する経路は一連の多くの小さなオリフィスのみである。バインダの燃焼により生成され得るものなどの不必要なガスのすべてをこのような小さなオリフィスを通して除去することはきわめて困難である。単純な酸素ガスパージは巻線中深くに残存するガス汚染物をフラッシュしない。予期された電流を流さないコイルの一因は、反応(高温)熱処理の最中におけるコイルのごく小さなセクションにおける汚染された雰囲気によるBi−2212の不適切なまたは不完全な形成である。これが巻線中の奥深い小さなセクションにおいて発生しただけであっても、コイルからの不良セクションの抽出およびテストは、数千メートルのうちのごく短いセクションであり得るために非現実的である。
【0005】
従来技術の一研究者は、酸化されたHastelloy繊維を絶縁材料として用いると共に、大きい間隔の織りを利用してこの問題を解決しようとしているが、コイル電流は、短時間サンプル(同一のワイヤの未絶縁化、未巻回の参照用サンプル)値のわずかに67%であった。Watanbeら,「Ag−Sheated Bi2S^CaCu28 Square Wire Insulated with Oxidized Hastelloy Fiber Braid」,Advances in Cryo Engineering,第54巻,2007年,第439〜444ページ。加えて、このような材料は、工業的に適用することが困難であり、かつ、このような広い間隔は電気的短絡を非常に起こしやすいため、このような薄い織りは実際的ではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の問題を解決する。本発明において、Bi−2212の丸ワイヤは、標準的な丸ワイヤパウダーインチューブ充填および線引技術(Hasegawaら、「HTS Conductors for Magnets」,IEEE Trans,Appl.Supercond.,第12巻、第1号,2002年,第1136〜1140ページを参照のこと)、次いで、セラミック−ガラス糸での組紐によって製造される。糸中の炭素質バインダは、Bi−2212部分融点未満の温度で完全に燃焼される。これは、CO2および他の汚染物といった副生物をもたらし、これらは、コイルにおける他の部分の表面から脱気される。容器を室温またはおよそ室温に冷却した後、CO2および他の汚染ガスが、コイルを含む熱処理チャンバの排気によって除去される。排気の後、チャンバは、純粋な酸素ガスまたは所望されるガスの混合物で充填される。このように、すべての汚染ガスが小さなオリフィスを通して巻線パックから除去されて、巻線における最も奥深い領域においても所望のガスで完全に置き換えられる。特に酸素の濃度といったワイヤの表面の局所的な雰囲気が反応シーケンスに重要であるため、高電流Bi−2212コイルをここに得ることが可能である。
【0007】
バインダ絶縁体の燃焼プロセスは、それ故、先ず、窒素、空気、CO2またはこれらのいくつかの組み合わせであり得る最初の炉ガスのチャンバを排気し、次いで、酸素を含むガスで充填し戻し、続いて、高温で燃焼処置することにより行われる。温度が約室温に下げられ、次いで、容器が排気されて気体燃焼生成物が除去される。排気、酸素の最充填および焼失サイクルは1回以上繰り返されることが可能である。酸素を充填し戻すステップは、最初は低分圧の酸素であり、続いて、高温での燃焼処置であることが可能であり、この燃焼処置の最中に、酸素の圧力はバインダの完全な焼失を確実とするために徐々に増加されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、Bi−2212コイルを熱処理するための炉の概略図である。
【0009】
【図2】図2は、Bi−2212ストランドの製造ステップを示す。
【0010】
【図3】図3は、Bi−2212短時間サンプル電流vs.磁界トレース、および、そのストランドから形成された磁石の実際の磁界生成性能を比較するプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
Bi−2212ワイヤは、パウダーインチューブまたは同様のプロセスによって製造され、セラミック−ガラス糸絶縁体で絶縁される。この糸は、組紐化またはジュート巻によって適用される。必要に応じて、この糸は例えばポリウレタン樹脂といった炭素質有機バインダで処理されて、その柔軟性および良好な取扱特性が確保される。この絶縁ワイヤは可能な限り詰めて巻回されて、空隙部が最低限であるきわめて高張力で巻型への巻線が形成される。図1を参照すると、このように形成されたコイル11が、典型的には空気、または、少なくともいくらかの分圧の酸素との混合気といった制御された雰囲気中に炉12に入れられ、加熱されて、主超伝導体相反応温度未満であるいくらかの高温でポリウレタン樹脂が焼失される。より高い温度は、種々の表面上に吸着されたガスをより早く除去するために好ましいが、一定の特定のより低い温度が、ストランドのJ0での向上を示した。Bi−2212について、この温度は、典型的には820℃であるが、本発明者らは、320℃が向上した臨界電流密度(Jc)結果をもたらすのに最適であることを見出した。より一般的に、本発明者らは、250℃〜850℃の範囲をBi−2212について有用であると考え、300℃〜600℃が好ましいと考える。有機バインダのこの反応は、コイルおよび組紐の網目をCO2で飽和させる。この炉が室温に冷却され、バルブ13付ポート14を通して排気されて、CO2およびいずれかの他の汚染ガスが除去される。排気システムは、乾燥ポンプまたはオイルの逆流が生じることがないよう必要なトラップを備えたオイルポンプシステムが好ましい。このシステムは、100×10-3torr未満の圧力、理想的には10-6Torrに、少なくとも30分間減圧されて、巻線の網目中のすべての汚染ガスが確実に除去される。燃焼生成物は、残存ガス分析器で監視されて、排気シーケンスの最中にいつ汚染生成物のすべてが除去されたかが判定されることが可能である。この炉は、Bi−2212の超伝導特性に悪影響を及ぼすことが示されたため、高温では排気されないことに注目されたい。
【0012】
CO2がシステムから排出された後、この炉チャンバには、酸素(約20%〜100%、好ましくは100%の酸素濃度で)、または、必要なガス混合物がバブル15付ポート16を介して充填し戻され、温度が、パウダーの高電流超伝導相への転移温度に昇温される。このステージから、手法は、典型的には、870℃〜900℃のピーク温度、より好ましくは約890℃のピーク温度、約830℃への5℃/時間冷却、炉の冷却まで60〜100時間の保持といった、任意の従来の公知のBi−2212コイル反応シーケンスと同一であることが可能である。
【0013】
上記と同一の手法は、Bi−2212の代わりに、(Bi,Pb)2Sr2Ca2Cu3x、YBa2Cu3xまたは任意の他のRE−123化合物(ここで、RE=Y、Gd、Er、Ho、Nd、Sm、Eu、Yb、Dy、TmまたはLu)を超伝導体として有するストランドで実施されることが可能である。重要なコンセプトは、この技術は、隣接する巻回とは電気的に絶縁されながら、適切な相形成に酸素を必要とする超伝導体に酸素の利用を可能とすることである。超伝導体ワイヤが(Bi,Pb)2Sr2Ca2Cu3x族のものである場合、ピーク反応温度は典型的には870℃〜900℃である。セラミック超伝導体ワイヤがReBa2Cu3x(ここで、Re=希土類Y、Gd、Er、Ho、Nd、Sm、Eu、Yb、Dy、TmまたはLuの1種)である場合、ピーク反応温度は典型的には950℃〜1050℃である。
【0014】
本発明が、本発明の例示が意図され、その限定は意図されていない以下の実施例によってさらに例示されている。この実施例および本明細書中の他の箇所において、「ウィットネスサンプル」および「バレルサンプル」という用語は、当業者に対しては通常の用法である。基本的に、これらは、平行してテストされる絶縁されていない小さいサンプルを指している。これは直状サンプルであることが可能であり、または、これは、バレルの表面に設けられていることが可能である。バレル表面上への設置は、テスト領域におけるより長い長さをもたらし、それ故、より正確な計測をもたらす。これらのウィットネスまたはバレルサンプルは絶縁されていないため、または、これらは層に巻かれていないため、これらは、コイル形態のワイヤが経る可能性がある劣化の問題の可能性に悩まされることはない。
【実施例】
【0015】
2.17:1.94:0.89:2.0のBi:Sr:Ca:Cuのカチオン化学量論を有する、溶融−キャスティングプロセスによって形成したBi−2212前駆体パウダーをNexans Superconductors GmbHから購入した。図2および従来技術における記載の通り、出発Bi−2212前駆体パウダー21を、従来技術高温超伝導体パウダーインチューブ方法に従って純粋な銀チューブ22中に充填した。a)に示すとおり、これらのパウダーチューブを線引きし、平面間(FTF)で2.29mmの六角とし、460mmの長さに切断して、単核六角体23を形成した。b)では、85本のこれらの単核六角体を束ね、他の銀チューブ24中にスタックして、中間体リスタック25を形成した。この中間体リスタックを線引きして、共に460mmの長さの、7本のリスタック六角体において用いるための8.05mm FTF、または、19本のリスタック六角体において用いるための4.85mm FTFに六角にした。ワイヤ製造を向上するために、19本のスタック構成における中央超伝導体六角体を純粋なAg六角体27で置き換えた。それ故、c)では、7または19本の六角体25をAgMgO.2重量%合金チューブ26(85×7および85×19ワイヤとされる)にリスタックして最終リスタック28を形成した。リスタックを、標準的な線引き技術を用いて、85×7ワイヤについては1.0mmの最終サイズおよび85×19ワイヤについては1.50mmの最終サイズに加工した。これらのワイヤから、組紐のための調製においてアルコールで引抜き油を除去した。組成70% Al23+30% SiO2および67Texの線質量密度(linear mass density)の、ポリウレタン樹脂バインダを有する高アルミナセラミック−ガラス糸を、低温超伝導体に用いられるものと同一の技術および機械を用いてワイヤに組紐にしていった(Canferら,「Insulation Development for the Next European Dipole」,Advances in Cryo Engineering,第52A巻,2006年,第298〜305ページを参照のこと)。得られた最終の組紐厚は約125μmであり、最終的な組紐後のワイヤ直径は、85×7ワイヤについては1.25mmおよび85×19ワイヤについては1.75mmであった。
【0016】
合計で672巻回した16層コイルを、112mの1.50mm85×19ワイヤから形成した。このコイルを、部分溶融−固化プロセスを用いて酸素流雰囲気中で熱処理した。コイルを酸素ガス流中で450℃で10時間、100〜150℃/時間の加熱速度でアニールし、このサイクルを2回繰り返して、ポリウレタン樹脂バインダを焼失させた。室温に冷却したのち、炉を60ミリトール未満の圧力に減圧排気して2時間保持した。次いで、炉を純粋な酸素で充填し戻した。炉を40℃/時間の昇温速度で889℃の最高温度に昇温させて、2.5℃/時間の冷却速度で830℃に冷却し、ここで、これを、炉が室温に冷却されるまで60時間保持した。熱処理後、コイル表面に漏れは見出されなかった。コイルは、1mのウィットネステストサンプルの90%に等しい、4.2Kおよびクエンチまで5T印加磁界で425Aの超伝導電流を達成することが可能であった。このコイルは、図3に示されているとおり、5T背景場において3.98Tを生成し、これは、短時間サンプル結果の曲線から予期されたものとかなり近似している。相対的に、8層コイル(合計で447巻回)を、52インチの1.0mm85×7ワイヤから、本特許における重要事項である排気および焼失手法を行わずに形成した。5つの黒点が熱処理後のコイルに見出された。電子顕微鏡におけるX線分析は、これらの黒点を表面に漏出したBi−2212であると同定した。コイルの各層から切り出した短時間直状サンプルの平均臨界電流(Ic)(4.2K、自己場)は430Aであり、1mバレルテストサンプルの70%にしか等しくない。
【0017】
組紐の有機成分の焼失に必要とされる予反応シーケンスの温度は、2つの主要因のバランスに応じる。1つの要因は、特定の温度の使用が、Bi−2212の短時間サンプルJcに顕著な影響を有することが示されていることである。組紐のないストランドの短時間サンプルIc最適化に対する実験は、2時間での320℃の予反応シーケンスが2時間の820℃の予反応シーケンスより−10〜20%高いIcをもたらしたことを示した。他の要因は、望ましくないガスの脱気がより高い温度では増加されることである。従って、高温を用いることによって可能な限り多くの有機バインダを除去する必要性に対して、ストランドの固有Icを最適化するためにより低い温度を用いる必要性のバランスをとらなければならない。
【0018】
本発明を、その特定の実施形態の観点から記載してきたが、本開示の観点においては、ここでは本発明への数多くの変形が当業者により可能とされており、これらの変形もなお本教示の範囲内に属していることが理解されるであろう。従って、本発明は、広く解釈されるべきであり、ここに添付される特許請求の範囲の範囲および趣旨によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)超伝導前駆体パウダーインチューブ複合体丸ワイヤの巻線から電磁石コイルデバイスを形成するステップであって、前記ワイヤの巻きが、セラミックとガラスファイバーと炭素質バインダとの混合物を含むセラミック−ガラス絶縁体によって分離されているステップ;
(b)前記前駆体超伝導パウダーおよびセラミック−ガラス絶縁体の部分融点未満の高温での加熱容器の酸素含有環境中で燃焼することにより、前記セラミック絶縁体の前記バインダを除去するステップ;
(c)約室温での低温で前記加熱容器を排気するステップ;
(d)酸素ガスを前記容器に導入するステップ;および
(e)前記容器中の温度を、セラミック絶縁超伝導ワイヤを形成するためのピーク反応熱処理温度に昇温するステップ
をこの順で含む電気絶縁された高温超伝導コイルの製造方法。
【請求項2】
前記セラミック超伝導体ワイヤが、Bi2Sr2CaCu2x族のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ピーク反応温度が870℃〜900℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ピーク反応温度が870℃〜900℃である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記セラミック超伝導体ワイヤが、(Bi,Pb)2Sr2Ca2Cu3x族のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ピーク反応温度が820℃〜860℃である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記セラミック超伝導体ワイヤがReBa2Cu3xであり、ここで、Re=希土類Y、Gd、Er、Ho、Nd、Sm、Eu、Yb、Dy、TmまたはLuの1種である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ピーク反応温度が950℃〜1050℃である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
排気の程度が100×10-3torr以下までである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記セラミック−ガラスファイバー絶縁体が高温熱処理の最中多孔性のままである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記セラミック−ガラスファイバー絶縁体がアルミナ製である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
炭素質バインダがポリウレタン樹脂である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
アルミナ繊維が70%のAl23と30%のSiO2である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(b)が250℃〜850℃の範囲で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(b)が300℃〜600℃の範囲で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記排気サイクルが1回以上繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記酸素ガス濃度が20%〜100%である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
バインダ絶縁体の燃焼プロセスが、先ず、窒素、空気、CO2またはこれらのいくつかの組み合わせとし得る最初の炉ガスのチャンバを排気し、次いで、酸素を含むガスで充填し戻し、これに続いて、高温での燃焼処置により行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記排気、酸素での最充填および焼失サイクルが1回以上繰り返される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記酸素を充填し戻すステップが、最初は低分圧の酸素であり、これに高温での燃焼処置が続き;ここで、この燃焼処置の最中に、前記酸素の圧力が前記バインダの完全な焼失を確実とするために徐々に増加される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
燃焼生成物が残存ガス分析器で監視されて、排気シーケンスの最中にいつ汚染生成物のすべてが除去されたかが判定される、請求項1に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2011−526072(P2011−526072A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516314(P2011−516314)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/003814
【国際公開番号】WO2010/030315
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(510337724)オックスフォード スーパーコンダクティング テクノロジー、インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】OXFORD SUPERCONDUCTING TECHNOLOGY, INC.
【住所又は居所原語表記】600 Milik Street,Carteret,NJ 07008,U.S.A.
【Fターム(参考)】