説明

高粘性流体濾過システム

本明細書中では、油及び/又は乳濁液を濾過するように構成される積重式の濾過要素を具える1以上の濾過装置と;油及び/又は乳濁液を保持するように構成される1以上のタンクと;油及び/又は乳濁液を汲み出すように構成される1以上のポンプと;を具える油及び/又は乳濁液を濾過するためのシステムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油及び乳濁液といった流体から粒子物質を除去するための濾過システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な型式の濾過システムが当該技術分野で周知であり、液体から粒子汚染物を分離するために効率の度合いを変えて用いられているが、水とは異なる特性を呈している。これらの特性の一部は、粘性、表面張力、密度、電気的特性、光学特性(透明度、屈折度、又は反射性等といった)、極性及び/又は毛管現象、温度変化時の変化の安定性、及び生物学的活性等を含みうる。以降の便宜上、水と異なる特性を呈する液体は、「流体(fluid)」と称され、粒子状汚染物質を含む液体は、「汚染流体(contaminated fluid)」と称される。
【0003】
流体用の濾過システムは、特に食糧生産、化粧品製造、衛生製品の製造(石鹸及び洗髪剤等)、医薬品製造、石油精製、及び機械加工作業で比較的広い用途を有する。食糧生産における流体濾過システムの使用の例は、果汁及び濃縮フルーツジュースの製造であり、濾過システムは果肉及び種子により生ずる粒子汚染を除去するように要求されうる。別の例は、オリーブ油、及びコーン油などの消耗品の油の製造であり、濾過システムは油が抽出される原産物により生ずる粒子汚染を除去するように要求されうる。
【0004】
機械加工作業において、流体濾過システムは、例えば、木摺り機、研削盤、ボール盤、及び切削機等、更に、CNC(コンピューター数値制御)システムといったより先端的な機械加工用機器等の、機械加工用機器を潤滑及び冷却するのに頻繁に用いられる油及び乳濁液を濾過するのに通常用いられる。機械加工プロセスで用いられる油及び/又は乳濁液の重要な機能は、プロセス中に形成される微粒子(粒子)を収集及び除去することである。切削工具と加工品との間の1以上の接触点からの粒子の除去によって、粒子が切削プロセス時に(例えば、工具と加工品との間の経路を遮断することによって)妨害するのを防ぐ。選択的に、流体は工具及び/又は加工品を含む作業領域を洗浄するのに用いられる。流体は一般的に、摩擦、摩耗、腐食、及び/又は高動作温度から生じる可能性のある機械的及び/又は温度的なストレスから保護するために、機械加工用機器で要素を潤滑及び冷却するのに用いられる。流体は通常収集タンクに収集され、濾過システムにわたる、及び/又はシステムの末端部の1以上の位置に配置できる。収集された流体は一般的に、機器内に戻され再循環され、通常、機械加工作業における実質的な経費節約をもたらす。再循環の前に、流体は一般的には汚染粒子を除去するように濾過され、機械加工作業時に流体に蓄積され、タンク内に収集される。これらの粒子の例は、切削工具、研削工具、及び/又は加工品から分離されうる比較的大きな破片、微少な破片、及び/又は微粒である。
【0005】
汚染流体を機械加工用機器に再循環することによって、機器の要素が損害を受け、実質的に機器の故障を導きうる。損害が機器の要素に生じうる比率は一般的には、量と粒径、汚染流体が機器の要素を通って流動する圧力、及び要素内に含まれる部品の内部隙間に依存する。隙間とほぼ同一粒径の粒子は、摩擦を通して部品に損害を生じさせうる。隙間より小さな粒径の粒子は比較的高圧力な流速で侵食を通して部品に損害を生じさせうる。摩擦及び侵食は一般的に、部品の摩耗の促進及び最終的には要素の故障をもたらす。摩耗のために比較的頻繁な交換を要求されうる機器の要素は、例えばポンプ、スピンドル、及び軸を含みうる。隙間より大きな粒径の粒子は、要素を通る汚染流体の流動の経路に全体的又は部分的に、遮断を生成しうる。要素を通る流体の流動の妨害は、要素に損害を与え、遮断された要素の後ろにある他の要素が影響を受けうる。遮断のために比較的頻繁な交換を要求されうる機器の要素は、例えば、パイプ、ポンプ、バルブ、工具、及びノズルを含みうる。
【0006】
更に、汚染流体の再循環は、加工品の品質に影響を与えうる。例えば、加工品の表面は、流体が高圧力で噴霧される場合に特に、汚染粒子の衝突によって損害を受けうる。選択的に工具は、機械加工プロセス時に汚染粒子によって損害を受け、工具の損害は加工品の低品質の表面仕上げに反映される。いくつかの場合においては、汚染粒子の粒径及び/又は品質に依存して、加工品の表面仕上げの制御は不可能となり、場合によっては比較的大きな数の欠陥加工品を生じさせうる。
【0007】
汚染流体の使用及び/又は不十分な濾過によって、時には数時間及び/又は数日間もの製造フロアの作業停止が起こりうる。いくつかの場合においては、作業は粒子が蓄積したスラッジタンクの洗浄のために停止されうる。他の場合においては、機器の要素における遮断によって、遮断物を捜索及び修復するために製造の中止が要求される。その他の場合においては、要素の故障によって、故障した要素を交換又は修理するために製造の中止が要求される。更にその他の場合においては、作業を停止るのを要求する製造フロアに洪水が生じうる。
【0008】
機械加工作業で一般的に用いられる流体濾過システムは、液体サイクロン(サイクロン)式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/あるいは、紙及び/又は高分子カートリッジフィルタの使用を含む。以下は各形式の濾過の簡単な説明である。
【0009】
a.液体サイクロン式フィルタは汚染流体から粒子を分離するために遠心力を用いる。分離された粒子は蓄積され、後に除去されるリザーバに放り込まれる。液体サイクロンのいくつかの利点は、比較的重い粒子に対する高い除去率を含む。更に、液体サイクロンは一般的に比較的簡単な構造であり、サイズがコンパクトである。液体サイクロンの使用における大きな弱点は、濾過排液要素への比較的大量の流動であり、最大で汚染流体の容積の15%を含みうる。排液要素におけるこの比較的大量の流体によってコストのかかる動作が生じうる。更には、乳濁液が密度の差によって油と水に分解する危険がある。
【0010】
b.重力式紙フィルタは一般的に、汚染流体がペーパーバンドを通って流動するときに、汚染流体に粒子を保持するように構成されるペーパーバンドを具える。以降の便宜上、濾過された流体は「クリーン流体(clean fluid)」と称される。重力式紙フィルタを用いる利点は、比較的簡単及び安価な構成であることと、ペーパーバンドの交換に関し比較的コストが低いことと、ペーパーバンドの処分は一般的にはあるとしても、環境に影響がほとんどないこと(環境に優しい材料)とを含む。重力式紙フィルタを用いる弱点は、比較的信頼性が低いことである。
【0011】
c.遠心分離式フィルタは一般的に、クリーン流体が遠心作用によって周辺部を通ってシリンダの外に出されるように、シリンダ壁方向に粒子を実質的に早く回転させるシリンダを具える。流体中の汚染粒子はシリンダ内部に捕捉されたままであり、自動で、あるいは選択的に手動で排出されうる。遠心分離機のいくつかの利点は、比較的コンパクトサイズであること、汚染流体から重い粒子を除去する能力があること、及びスラッジ(汚染流体から除去された汚染粒子)を内部貯蔵することを含む。いくつかの弱点は、比較的高い購入コストであること、動作が騒がしいこと、一般的にスラッジの頻繁な手動除去が必要であること、濾過排液要素に比較的大量に流動することとを含み、最大で汚染流体の容積の15%を含み、それによって、コストのかかる再循環動作が起こりうる。更には、乳濁液が密度の差によって油と水に分解する危険がある。
【0012】
d.ドラムフィルタは一般的には汚染流体中の、通常はあら削りに関連する動作時に、比較的大きな粒子を除去するように構成される。ドラムフィルタのいくつかの利点は自動逆洗を含み、機械加工作業で用いられるコンベヤベルトに一般的には統合され、製造フロア空間を節約できる。逆洗はいくつかの濾過方法で一般に用いられるプロセスであり、濾過要素で蓄積した粒子を除去するために濾過中の流体流動と逆方向に、流体を流すステップを具える。いくつかの弱点は、フィルタの故障による製造の停止、密封装置の摩耗が高いこと、比較的小さな粒子の濾過の信頼性がないこと、及び製造フロアの洪水を生じさせうる逆洗ノズルの遮断を含む。更に、ドラムフィルタスクリーンの亀裂は一般的に見つけることが難しく、汚染流体がクリーンタンク内に亀裂を通って流動することが可能であり、タンク内のクリーン流体を汚染する。汚染流体はパイプ及び他のシステム要素の遮断を生じさせ、製造プロセスを妨害する。
【0013】
e.キャンドルフィルタ及び事前コーティングされたフィルタは一般的には、仕上げ動作のための精密フィルタとして用いられる。相対的な利点は、精密濾過性能と、比較的低い購入コストと、フィルタの処分は一般的にはあるとしても、環境に影響がほとんどないこと(環境に優しい材料)とを含む。いくつかの弱点は濾過中の安定性の変化を含む。
【0014】
f.紙及び/又は高分子のカートリッジフィルタは一般的には、ポリッシャ用フィルタとして、及び要素を保護する安全フィルタとしての用途で、汚染流体を濾過するように構成される。相対的な利点は、比較的低い購入コストと、フィルタの処分は一般的にはあるとしても、環境に影響がほとんどないこと(環境に優しい材料)とを含む。いくつかの弱点は濾過中の安定性の変化を含む。紙及び/又は高分子のカートリッジフィルタを用いる弱点は、比較的信頼性が低いことである。
【0015】
本明細書中にあるような用語「汚染(contamination)」、「汚染される(contaminated)」、又は「汚染する(contaminating)」は、流体中にある任意の要素を含んでもよく、流体中に溶解しない。このような要素は、限定しないが、固体成分、残留物、液体含有成分、及び浮遊物質等を含んでもよい。
【発明の概要】
【0016】
本発明のいくつかの実施形態のある態様は、潤滑剤及び/又は冷却液として機械加工作業で用いるために、例えば粒子汚染された油及び/又は乳濁液といった汚染流体から、粒子汚染(粒子)を除去するように構成される濾過システムを提供することに関する。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態のある態様は、汚染流体から粒子汚染を除去するように構成される濾過システムを提供することに関し、粒子は、実質的に針形状、又は実質的に螺旋形状の、例えば金属粒子(ステンレス鋼、鉄、銅、アルミニウム、鍛鋼、合金、ガラス、ダイヤモンド、及びポリカーボネート等)を有する。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態のある態様は、汚染流体から粒子汚染を除去するように構成される濾過システムを提供することに関し、例えば、金属(ステンレス鋼、鋳鉄、銅、アルミニウム、及び鍛鋼等といった)、ポリマー(PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアセチレン)、PE(ポリエチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PA66(ポリアミド)、POM(ポリオキシメチレン)、及びポリカーボネート等といった)、セラミクス、カーボン、ガラス、ダイヤモンド、サファイア、及び超軟性材料(発泡スチロール、軟性プラスチック、及びスポンジ等といった)などの、例えば特に木摺、研削、掘削、切削、又はCNC(コンピューター数値制御)のプロセスを具える機械加工作業で粒子は生成される。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態のある態様によると、濾過システムはフィルタと、比較的密に積重される比較的扁平な複数の濾過要素と具え、濾過装置は汚染流体中の粒子を捕捉するように構成される。選択的に濾過システムは、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11以上といった複数の濾過装置を具えてもよい。複数の濾過装置は、直列及び/又は並列に連結されてもよく、あるいはその組合せであってもよい。濾過装置、又は選択的には複数の濾過装置は、1の粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよく、異なる粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよい。選択的に濾過装置は、固有の連結手段を用いて、例えば特に、液体サイクロン(サイクロン)式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタに連結してもよい。
【0020】
濾過要素は円形形状、あるいは選択的に、楕円形形状、矩形形状、又は任意の正多角形形状、あるいは偏多角形形状を含む変則的な形状を具えてもよい。濾過要素は双方の側面上にチャネルを具えてもよく、実質的な平面部はチャネル間を分離する。選択的に濾過要素は、一方の側面のみにチャネルを具えてもよい。チャネルは外側周縁部から内側周縁部方向に斜めに延在し、一般的には流体の流動方向に沿っている。内側周縁部は濾過要素の内側に配置された開口部の境界部を形成する。選択的に、チャネルは内側周縁部に対する距離部分に斜めに延在してもよい。選択的に、濾過要素は複数の支持点を具えてもよい。更には、濾過要素の一方の側面上のチャネルは、濾過要素の別の側面上と同一方向に斜めになる。
【0021】
濾過要素は更に、第1の濾過要素の一方の側面上のチャネルが、第2の濾過要素の隣接する側面上のチャネル又は平面部と部分的に又は完全に整列できるように積重するよう構成される。第1の濾過要素の一方の側面上のチャネルの第2の濾過要素の隣接する側面上のチャネルとの部分的な又は完全な整列は、汚染流体が濾過要素の外側周縁部から濾過要素の開口部に流動しうるコンジットを形成する。コンジットは更に、第1の濾過要素の一方の側面上のチャネルと、第2の濾過要素の隣接する側面上の平面部との整列によって形成してもよい。選択的に、汚染流体は内側周縁部から外側周縁部の方向に、濾過要素の開口部から流動してもよい。以降の便宜上、コンジットを通って流動する汚染流体は「濾過流体(filter fluid)」と称し、コンジットを通って流動したものを「クリーン流体(clean fluid)」と称する。コンジットの寸法及び形状といった断面特性は、チャネル及び/又は平面部がどのように整列するかによってコンジットごとに変化しうる。更には、コンジットの断面特性は、一般的にはコンジットが開口部に近づくにつれて、コンジットの長さに沿って変化しうる。コンジットは、流体がコンジットを通って流動するときに、濾過流体中の異なる粒径の粒子を捕捉するように構成され、捕捉される粒子の寸法及び形状は、特にチャネル寸法(チャネルの幅及び深度)及びコンジットの断面特性によって、一般的には決定される。単一のコンジットは異なる粒径の1以上の粒子を捕捉してもよく、粒径はコンジットが開口部に近づくにつれて減少してもよい。選択的に、粒径はコンジットが開口部に近づくにつれて増加してもよい。コンジットは更に、コンジットの開口部より大きな粒子がコンジットに入るのを実質的に防ぐように構成してもよい。
【0022】
濾過要素は、PP、PA、PTFE、ゴム、及びシリコン等といった高分子材料から形成してもよい。選択的に濾過要素は、流体において、及び/又は濾過システムの任意の構成において、濾過要素での細菌の成長を防止又は低減するために、限定しないが抗生物質といった抗菌材料を含んでもよい。選択的に濾過要素は、抗菌材料でコーティングしてもよい。更には、あるいは代替的には、濾過要素は更に、フィルタ材料自体に組み込まれる抗菌材料を含んでもよい。抗菌材料は第四アンモニウム化合物、トリクロサン、ジヨードメチルトリルスルホン、ピリチオン亜鉛、ピリチオンナトリウム、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、ヨード−2−プロピニルブチルカルバマート、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンクロリド]、プロピコナゾール、テブコナゾール、ベトキサジン、チアベンダゾール、ポリヘキサメチレンビグアニド、1,3,5−トリアジン−l,3,5−(2H,4H,6H)−トリエタノール、及びイソチアゾリノン(isothiazalinone)、又はその任意の組合せを含んでもよい。選択的に抗菌材料は、銀、銅、亜鉛、水銀、錫、鉛、ビスマス、バリウム、カドミウム、クロム、又はその任意の組合せの塩といった金属塩を含んでもよい。銀塩は、酢酸銀、安息香酸銀、炭酸銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、ラウリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、パルミチン酸銀、スルファジアジン銀、銀含有セラミクス、銀含有ゼオライト、若しくは本明細書中で開示される材料の任意の組合せ、又は他の好適な抗菌材料を含んでもよい。同様に、抗真菌性材料といった他の材料は更に利用されうる。
【0023】
濾過装置は更に、クリーン流体の流動の既定の圧力の差異の検出に応じて、逆洗動作を自動で切り換えするように構成される。選択的に濾過装置は逆洗動作に手動で切り換えてもよい。クリーン流体における、例えば0.5ないし1.0バールの範囲の既定のレベル以上の圧力の差異は、フィルタ内の遮断を指示する。遮断に応じて、密に積重された要素は回転しないように自動的に解放される。洗浄流体は、例えば比較的少量のクリーン流体であってもよく、要素間に積重される粒子を除去するために濾過装置内に流入される。選択的に、ガス、例えば、窒素、及び/又は空気といったガス状混合物を、濾過装置に流入してもよい。選択的にガスは、例えば塩素ガスのように、濾過装置を消毒するように構成してもよい。更には、あるいは代替的には、ガス又はガス状混合物は、流体と組み合わせて濾過装置に流入してもよい。選択的にガスは、高温での不活性ガスであってもよい。選択的に、逆洗の終了時に、積重された要素の締付けを自動的に行ってもよい。選択的に積重された要素の締付けは、手動で行ってもよい。
【0024】
本発明のある実施形態においては、濾過システムは機械加工用機器のために、汚染流体の全流濾過を行うように構成される。汚染流体は1以上の収集タンクに収集され、その後濾過のために複数の濾過装置にできる濾過装置に汲み出される。濾過装置は少なくとも機械加工用機器で要求される所定の流速容量で、汚染流体を濾過するように構成してもよい。濾過後、クリーン流体は1以上のクリーンタンクに収集され、機器の要素(工具)及び/又は加工品用の潤滑剤及び/又は冷却液として用いるために、機械加工用機器に汲み出される。選択的に、クリーン流体は重力によって、クリーンタンクから機械加工用機器に流入してもよい。選択的にクリーンタンクは、機械加工用機器に含まれる。逆洗動作時に、洗浄流体は濾過装置から洗浄流体を収集するように構成される排液管に流出する。本発明のいくつかの実施形態においては、排液管は洗浄流体の再循環のために汚染流体収集タンクに連結してもよい。排液管はタンク、及び/又は、例えば、フィルタ、サイクロン、遠心分離又は沈殿等の性能を有するシステムといった、流体を洗浄するように構成される任意のシステムを具えてもよい。
【0025】
本発明の別の実施形態においては、濾過システムは機械加工用機器のために、汚染流体の側留濾過を行うように構成される。汚染流体は1以上の収集タンクに収集され、汚染流体の一部は、機械加工用機器の所定の流速容量の5%ないし20%、例えば容量の10%の範囲で、濾過のために濾過装置に汲み出される。選択的に濾過装置は、複数の濾過装置を具えてもよい。濾過後、クリーン流体は汚染流体と混合するために汚染流体収集タンクに戻される。混合流体はその後、少なくとも機械加工用機器で要求される所定の流速容量で1以上のクリーンタンクに汲み出され、混合流体は機械加工用機器に汲み出される。選択的に、クリーン流体は重力によって、クリーンタンクから機械加工用機器に流動してもよい。選択的にクリーンタンクは、機械加工用機器に含まれる。逆洗動作時に、洗浄流体は濾過装置から、例えば、洗浄流体を収集するように構成される排液管システムのような排液管に流出する。本発明のいくつかの実施形態においては、排液管は直接的又は間接的に、汚染流体収集タンクに連結してもよい。
【0026】
本発明の別の実施形態においては、濾過システムは機械加工用機器のために、前濾過された汚染流体の全流濾過を行うように構成される。汚染流体は1以上の収集タンクに収集され、その後セミクリーン流体を収集するように構成される1以上の収集タンクにプレフィルタ装置を通して汲み出される。プレフィルタ装置は、汚染流体を部分濾過するように構成され、例えば特に、液体サイクロン(サイクロン)式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタを具えてもよい。選択的にプレフィルタ装置は、複数のプレフィルタ装置を具えてもよい。セミクリーン流体はその後濾過のために、複数の濾過装置にできる、濾過装置に汲み出される。濾過装置は少なくとも機械加工用機器で要求される所定の流速容量で、セミクリーン流体を濾過するように構成してもよい。濾過後、クリーン流体は1以上のクリーンタンクに収集され、機器の要素(工具)及び/又は加工品用の潤滑剤及び/又は冷却液として用いるために、機械加工用機器に汲み出される。選択的に、クリーン流体は重力によって、クリーンタンクから機械加工用機器に流動してもよい。選択的にクリーンタンクは、機械加工用機器に含まれる。逆洗動作時に、洗浄流体は濾過装置から、例えば、洗浄流体を収集するように構成される排液管システムのような排液管に流出する。本発明のいくつかの実施形態においては、排液管は洗浄流体の再循環のために汚染流体収集タンクに連結してもよい。更には、セミクリーン流体を含む洗浄流体は、プレフィルタ装置の逆洗時にプレフィルタ装置を通して汲み出され、洗浄流体はプレフィルタ排液管に収集される。本発明のいくつかの実施形態においては、プレフィルタ排液管は洗浄流体の再循環のために汚染流体収集タンクに連結してもよい。
【0027】
本発明の別の実施形態においては、濾過システムは機械加工用機器のために、前濾過された汚染流体の側留濾過を行うように構成される。本発明のいくつかの実施形態においては、濾過システムはポリッシャ用フィルタを具えないが、その濾過システムは更にポリッシャ用フィルタを具える。汚染流体は1以上の収集タンクに収集され、その後セミクリーン流体を収集するように構成される1以上の収集タンクにプレフィルタ装置を通して汲み出される。プレフィルタ装置は、汚染流体を部分濾過するように構成され、例えば特に、液体サイクロン(サイクロン)式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった当該技術分野で周知の他の型式のフィルタを具えてもよい。選択的にプレフィルタ装置は、複数のプレフィルタ装置を具えてもよい。セミクリーン流体は1以上のセミクリーン収集タンクに収集され、セミクリーン流体の一部は、機械加工用機器の所定の流速容量の5%ないし20%、例えば容量の10%の範囲で、濾過のために濾過装置に汲み出される。選択的に濾過装置は、複数の濾過装置を具えてもよい。濾過後、クリーン流体はセミクリーン流体と混合するためにセミクリーン流体収集タンクに戻される。混合したセミクリーン流体はその後、1以上のクリーンタンクに、例えばカートリッジフィルタのようなポリッシャ用フィルタを通って汲み出され、ポリッシャ用フィルタは、混合したセミクリーン流体を汚染する実質的に小さな粒子を濾過するように構成される。ポリッシャ用フィルタは更に、少なくとも機械加工用機器で要求される所定の流速容量で混合したセミクリーン流体を濾過するように構成される。ポリッシャ流体はその後、機器の要素(工具)及び/又は加工品用の潤滑剤及び/又は冷却液として用いるために、機械加工用機器に汲み出される。選択的に、ポリッシャ流体は重力によって、クリーンタンクから機械加工用機器に流入してもよい。選択的にクリーンタンクは、機械加工用機器に含まれる。逆洗動作時に、洗浄流体は濾過装置から、例えば、洗浄流体を収集するように構成される排液管システムのような排液管に流出する。本発明のいくつかの実施形態においては、排液管は洗浄流体の再循環のために汚染流体収集タンクに連結してもよい。更に、セミクリーン流体を含む洗浄流体はプレフィルタ装置の逆洗時にプレフィルタ装置を通して汲み出され、洗浄流体はプレフィルタ排液管に収集される。本発明のいくつかの実施形態においては、プレフィルタ排液管は洗浄流体の再循環のために汚染流体収集タンクに連結してもよい。
【0028】
本発明の別の実施形態においては、濾過システムは研削盤のために、前濾過された汚染流体の全流濾過を行うように構成される。汚染流体は1以上の収集タンクに収集され、その後セミクリーン流体を収集するように構成される1以上の収集タンクにプレフィルタ装置を通して汲み出される。プレフィルタ装置は、汚染流体を部分濾過するように構成され、例えば特に、液体サイクロン(サイクロン)式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタを具えてもよい。選択的にプレフィルタ装置は、複数のプレフィルタ装置を具えてもよい。セミクリーン流体はその後、濾過のために複数の濾過装置にできる濾過装置に汲み出される。濾過装置は、少なくとも研削盤で要求される所定の流速容量でセミクリーン流体を濾過するように構成してもよい。濾過後、クリーン流体は1以上のクリーンタンクに収集され、クリーン流体は冷却液として用いるために、かつ研削領域を洗浄するために研削盤に汲み出され、研削領域は工具及び加工品を含む。選択的に、クリーン流体は重力によって、クリーンタンクから研削盤に流入してもよい。選択的に、クリーンタンクは研削盤に含まれる。逆洗動作時に、洗浄流体は濾過装置から、例えば、洗浄流体を収集するように構成される排液管のような排液管に流出する。本発明のいくつかの実施形態においては、排液管は洗浄流体の再循環のために汚染流体収集タンクに連結してもよい。更に、セミクリーン流体を含む洗浄流体はプレフィルタ装置の逆洗時にプレフィルタ装置を通して汲み出され、洗浄流体はプレフィルタ排液管に収集される。本発明のいくつかの実施形態においては、プレフィルタ排液管は洗浄流体の再循環のために汚染流体収集タンクに連結してもよい。
【0029】
本発明の別の実施形態においては、濾過システムは、機械加工用機器のために汚染流体の濾過を直接的に行うように構成される。汚染流体は、濾過のために複数の濾過装置にできる濾過装置に直接的に汲み出される。濾過装置は、少なくとも機械加工用機器で要求される所定の流速容量で、汚染流体を濾過するように構成してもよい。濾過後、クリーン流体は1以上のクリーンタンクに収集され、クリーン流体は、機器の要素(工具)及び/又は加工品用の潤滑剤及び/又は冷却液として用いるために、機械加工用機器に汲み出される。選択的に、クリーン流体は重力によって、クリーンタンクから機械加工用機器に流動してもよい。選択的にクリーンタンクは、機械加工用機器に含まれる。選択的にクリーンタンクは、クリーン流体を冷却するように構成される冷却器に連結される。逆洗動作時に、洗浄流体は濾過装置から、洗浄流体を収集するように構成される排液管システムに流出する。排液管は選択的に、流体の外に濾過された汚染粒子のブリケットを行うように構成されたブリケットマシンに連結してもよい。
【0030】
記載の実施形態は、例示目的のみのための物であり、任意の形態又は方法に限定することを意図しない。当該技術分野の当業者は、濾過装置が多数の方法及び組合せで濾過システムに連結できることが分かるであろう。更に、濾過システムは、例えば、凝集機器、電磁石といった磁石、化学的処理、超音波処理及び他の構成、流体調合システム(水処理、濃縮液投与ステーション、レベルスイッチ)のような機器、及びトランプオイルセパレータといった、記載されたものに対する付加的又は代替的な多数の型式の要素及び/又は機器を具えてもよい。
【0031】
本発明のある実施形態によると、油及び/又は乳濁液を濾過するためのシステムが提供され、油及び/又は乳濁液を濾過するように構成される積重式の濾過要素を具える1以上の濾過装置と、油及び/又は乳濁液を保持するように構成される1以上のタンクと、油及び/又は乳濁液を汲み出すように構成される1以上のポンプとを具える。選択的に、システムは機械加工作業で用いられる油及び/又は乳濁液を濾過するように構成される。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態においては、タンクは濾過されていない油及び/又は乳濁液を保持するように構成される汚染流体用タンクである。選択的に、タンクは更に、濾過されていない油及び/又は乳濁液、ならびに濾過された油及び/又は乳濁液の混合物を保持するように構成される。選択的にタンクは、前濾過された油及び/又は乳濁液を保持するように構成される流体用セミクリーンタンクである。選択的に、流体用セミクリーンタンクは更に、前濾過された油及び/又は乳濁液、ならびに濾過された油及び/又は乳濁液の混合物を保持するように構成される。更には、あるいは代替的には、タンクは濾過された油及び/又は乳濁液を保持するように構成される流体用クリーンタンクである。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態においては、システムは更に排液管を具える。選択的に、システムは更にブリケットマシンを具える。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態においては、システムは更にプレフィルタを具える。選択的に、プレフィルタは紙及び/又は高分子のカートリッジフィルタである。選択的に、プレフィルタは自動逆洗を行うように構成される。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態においては、システムは更にポリッシャ用フィルタを具える。選択的に、ポリッシャ用フィルタは紙及び/又は高分子のカートリッジフィルタである。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態においては、ポンプは、濾過されていない油及び/又は乳濁液を汲み出すように構成される。選択的に、ポンプは前濾過された油及び/又は乳濁液を汲み出すように構成される。更には、あるいは代替的には、ポンプは、濾過されない油及び/又は乳濁液、ならびに前濾過された油及び/又は乳濁液の混合物を汲み出すように構成される。選択的に、ポンプは濾過された油及び/又は乳濁液、ならびに前濾過された油及び/又は乳濁液の混合物を汲み出すように構成される。選択的に、ポンプは濾過された油及び/又は乳濁液を汲み出すように構成される。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態においては、濾過装置は直列及び/又は並列に連結してもよい。選択的に、濾過装置は1の粒径範囲のみの粒子状汚染物質を濾過するように構成される。選択的に、濾過装置は様々な粒径範囲の粒子状汚染物質を濾過するように構成される。選択的に、濾過装置は自動逆洗を行うように構成される。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態においては、ポンプは自動的に起動してもよい。選択的に、ポンプは自動的に停止してもよい。
【0039】
本発明のある実施形態によると、機械加工作業で用いられる油及び/又は乳濁液を濾過するための方法が提供され、油及び/又は乳濁液を濾過するように構成される積重式の濾過要素を具える1以上の濾過装置で、油及び/又は乳濁液を濾過するステップと;タンクに油及び/又は乳濁液を保持するステップと;油及び/又は乳濁液を汲み出すステップと;を具える。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明の複数の実施形態を示す実施例は、本明細書に添付された図面を引用して以下で説明される。図面においては、2以上の図面で見られる同一の構成、要素又は部分は、通常、それが現れる総ての図面で同一の番号を用いて標識する。図面に示される成分及び特徴の次元は通常、表示の簡便性及び明確性で選択され、必ずしも実寸で示されるわけではない。図面は以下に列挙される。
【0041】
【図1A】図1Aは、本発明のある実施形態による、粘性流体用の例示的な濾過装置を概略的に示す。
【図1B】図1Bは、本発明のいくつかの実施形態による、粘性流体用の例示的な濾過装置を概略的に示す。
【図2A】図2Aは、本発明のある実施形態による、例示的なフィルタディスクの上面図を概略的に示す。
【図2B】図2Bは、本発明のある実施形態による、図2Aの例示的なディスクのA−Aの断面図を概略的に示す。
【図2C】図2Cは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なフィルタディスクの上面図を概略的に示す。
【図2D】図2Dは、本発明のいくつかの実施形態による、例示的なフィルタディスクの上面図を概略的に示す。
【図2E】図2Eは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる断面AないしEを含む例示的な濾過要素を示す。
【図2F】図2Fは、本発明のいくつかの実施形態による、異なる形状AないしIを含み、更に異なる形状の開口部を含む例示的な濾過要素を示す。
【図2G】図2Gは、本発明のいくつかの実施形態による、フィルタに含まれる例示的なフィルタディスクの表面図を概略的に示す。
【図3】図3A、3B、3C、及び3Dは、本発明のある実施形態による、2の隣接するディスク面の間に形成される例示的なチャネルの断面図を概略的に示す。
【図3E】図3Eは、本発明のある実施形態による、異なる濾過グレードを用いて、汚染流体を濾過するように構成される濾過装置300における、濾過及び逆洗動作のためのアルゴリズムのフローチャートを概略的に示す。
【図4】図4は、本発明のある実施形態による、機械加工用機器のために汚染流体の全流濾過を行うよう構成される例示的な濾過システムのフローチャートを概略的に示す。
【図5】図5は、本発明のある実施形態による、機械加工用機器のために汚染流体の側留濾過を行うよう構成される例示的な濾過システムのフローチャートを概略的に示す。
【図6】図6は、本発明のある実施形態による、機械加工用機器のために、前濾過された汚染流体の全流濾過を行うよう構成される例示的な濾過システムのフローチャートを概略的に示す。
【図7】図7は、本発明のある実施形態による、機械加工用機器のために、前濾過された汚染流体の側留濾過を行うよう構成され、更にポリッシャ用フィルタを具える例示的な濾過システムのフローチャートを概略的に示す。
【図8】図8は、本発明のある実施形態による、研削盤のために、前濾過された汚染流体の全流濾過を行うよう構成される例示的な濾過システムのフローチャートを概略的に示す。
【図9】図9は、本発明のある実施形態による、機械加工用機器のために汚染流体の濾過を直接的に行うよう構成される例示的な濾過システムのフローチャートを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1Aに関しては、本発明のある実施形態による、汚染流体用の例示的な濾過装置100の縦断面図を概略的に示す。濾過装置100は、ハッチングした矢印(hatched arrow)によって示され、入口106を通って比較的高圧力で到達する汚染流体120を、外側チャンバ109で受け取るように構成されるハウジング101を具える。入口106はハウジング101の一方の端部に示されるが、入口106は選択的に、ハウジング101の他の位置にあってもよい。ハウジング101は更に、流体が外側チャンバ109全体に拡がるように、汚染流体120の流動を促進するように構成される。例えば、ハウジング101は示されるように、円柱形と、一方の端部にドームを具えるか、あるいは選択的には、ハウジング101は、例えば各端部にドームを有する円柱、又は球体形、又は楕円体形、又は四辺体形、若しくはその他の多角体形状、若しくは多角体形状のいずれかの組合せを具えてもよい。
【0043】
濾過装置100は更にフィルタ102を具え、それは複数の濾過要素103を具え、相互に密に積重される。濾過装置100は更に、濾過要素103の中心を通って長手方向に伸びる内側チャンバ110を具える。濾過要素103は、ハウジング101及び内側チャンバ110の双方の中心を通って長手方向に延在する軸Aの周りに同心円状に配置される。選択的に、濾過要素103は軸Aの周りに偏心配置されてもよい。更には、あるいは代替的には、軸Aはハウジング101に中心配置されない。
【0044】
本発明のある実施形態によると、フィルタ102は、流体がフィルタ内の濾過要素103の間から内側チャンバ110に流入するときに、汚染流体120を汚染する粒子を濾過するように構成される。濾過される粒子は濾過要素103の間から入るのを実質的に阻止されるか、濾過要素の間で捕捉され、粒径は事前決定された、濾過要素の濾過粒径範囲によって決定される。以降の便宜上、フィルタ102を通って流れる汚染流体120は濾過流体121と称され、細い矢印によって図面で示される。内側チャンバ110に流入する濾過流体121は粒子の汚染が相対的になく、以降ではクリーン流体122と称され、太い矢印で示される。内側チャンバ110はハウジング101に含まれる出口107に一方の端部で連結され、出口107はクリーン流体122の流動を濾過装置100の外側に導くように構成される。
【0045】
積重式の濾過要素103は、フィルタ102の各端部で、第1のクランプ104及び第2のクランプ105によって定位置に密に保持される。クランプ104及び105は汚染流体120を濾過するために積重式の濾過要素103を密に締付けるように、及び、フィルタ102の遮断と関連する逆洗動作のために積重式の濾過要素103を疎に締付けるように構成される。第1のクランプ104及び第2のクランプ105は、遮断によるクリーン流体122の流動中の圧力変化に応じて受信される電気信号によって、及び選択的に、遮断の除去に応じて受信される電気信号によって、電気的に惹起されてもよい。
【0046】
逆洗動作の間、積重式の濾過要素103は、疎に積重されるように解放される。逆洗に用いられる流体は、例えば、比較的少量のクリーン流体122、又は選択的にガス若しくはガス状混合物、あるいはその組合せであってもよく、濾過装置100の外側から出口107を通って内側チャンバ110に比較的高圧力で導入される。代替的に、流体は洗浄流体入口(図示せず)を通って内側チャンバ110に導入してもよい。加圧した流体は次いで、内側チャンバ110から疎である積重式の濾過要素103の間を通って外側チャンバ109に流れる。すなわち、内側チャンバから外側チャンバ内へのこの流体の「逆(reverse)」流動は、要素103間の捕捉粒子を実質的に移動させ、外側チャンバ109に流入する。外側チャンバ109の中の流体は、移動した捕捉粒子と、濾過時にディスクの間に入らなかった粒子との双方を含むことができ、ハウジング101に含まれる洗浄流体出口108を通って濾過装置100から流出する。本発明のいくつかの実施形態においては、流体は入口106を通って濾過装置100から流出する。
【0047】
図1Bに関しては、本発明のいくつかの実施形態による、汚染流体用の例示的な濾過装置100Aの縦断面図を概略的に示す。濾過装置100Aはハウジング101Aと、濾過要素103Aを具えるフィルタ102Aと、第1のクランプ104Aと、第2のクランプ105Aと、出口106Aと、入口107Aと、洗浄流体入口108Aと、外側チャンバ109Aと、内側チャンバ110Aとを具える。ハウジング101A、第1のクランプ104A、第2のクランプ105A、外側チャンバ109A、及び内側チャンバ110Aは、図1においてそれぞれ符号101、104、105、109、及び110で示されるものと同一又は実質的に同一である。
【0048】
濾過装置100Aにおいて、汚染粒子を含む汚染流体120Aは、太い実線の矢印によって示され、入口107Aを通って比較的高圧で内側チャンバ110Aに流入する。汚染流体120Aは内側チャンバ110Aからフィルタ102Aに含まれる濾過要素103Aを通って流動する。フィルタ102Aは、濾過要素103がクランプ104A及び105Aの締付け動作によって密に積重される場合に、汚染流体120Aを濾過するように構成される。以降の便宜上、フィルタ102Aを通って流動する汚染流体120Aは以降は濾過流体121Aと称され、細い実線の矢印によって示される。濾過流体121Aは汚染粒子が相対的にない外側チャンバ109Aに流入し、以降はクリーン流体122Aと称され、ハッチングした矢印によって示される。クリーン流体122Aは出口106Aを通って濾過装置に流出する。逆洗の間、洗浄流体は出口106A、あるいは選択的に洗浄流体入口108Aを通って、濾過装置100Aに流入してもよく、入口107Aを通って、あるいは選択的に洗浄流体出口(図示せず)を通って洗い出してもよい。
【0049】
図2A及び2Bに関しては、本発明のある実施形態による、図1に示された濾過要素103の表面図と、濾過要素103のA−Aの断面図とを概略的に示す。図1に対する引用が更になされる。濾過要素103は、中心に開口部111を有する環形状のディスクとして示される。以降の便宜上、濾過要素103は更に、フィルタディスク又はディスクと称される。ディスク103はディスクの両側にV字形状のチャネル152を具え、一方のディスクが他方のディスクの上に密に積重されるように構成される。外側周縁部150がディスク103の外側境界部を形成し、内側周縁部がディスクに中心配置された開口部111を有する境界部を形成する。選択的には、開口部111は偏心配置されてもよい。フィルタ102に密に積重される場合、開口部111は内側チャンバ110を具える。
【0050】
本発明のある実施形態によると、チャネル152は外側周縁部150から内側周縁部151に向かって斜めに(非放射状に)延在する。チャネル152は、チャネルを通る濾過流体121の流動が汚染流体120とほぼ同一の流動方向を維持するようにほぼ一方向に、例えば図示されるように反時計回りに向けられる。代替的にチャネル152は、濾過流体121の流動が時計回りの方向の汚染流体120の流動のために、ほぼ時計回りの方向となるように向けてもよい。
【0051】
本発明のある実施形態によると、チャネル寸法は、チャネル152の間の平面部153からチャネルの底部154まで測定される一定の深度hと、外側周縁部150で最大となり、かつ、チャネル152が内側周縁部151に近づくにつれて減少する可変幅wとからなる。選択的に、チャネル152はチャネルの長さに沿って外側周縁部150から所定の地点まで幅wが増加してもよく、その後wはその地点から内側周縁部151に向かって減少する。選択的に、幅wはチャネル152の長さに沿って一定であってもよい。本発明のいくつかの実施形態においては、チャネル寸法は、ディスク103の片側又は選択的に両側で、チャネルごとに若しくはいくつかのチャネルと他のチャネルで、又はその組合せで、変化してもよい。図2Bにおいては、ディスク103の2つの側面は、互いに鏡像として示されている。すなわち、ディスクの一方の側面の平面部153及びチャネル152は、ディスクの他方の側面と整列している。選択的には、ディスク103の一方の側面の平面部153及びチャネル152は、ディスクの他方の側面と整列しなくともよい。
【0052】
図2Cに関しては、本発明のいくつかの実施形態による、フィルタ202に含まれるフィルタディスク203の表面図を概略的に示す。フィルタ202は図1に示されるフィルタ102と同一又は実質的に同一であってもよい。ディスク203はチャネル252と、外側周縁部250と、内側周縁部251と、開口部211とを具え、図1に符号152、150、151、及び111で示されたのと同一又は実質的に同一である。更には、ディスク203は一方の側面に、及び選択的に別の側面に、1以上の支持点255を具える。支持点は図示されるように円形であってもよいが、選択的には他の形状を有してもよく、ディスク203の一方又は双方の側面にわたって均一に、又は選択的に不均一に分布させてもよい。支持点255は選択的に、ディスク203の製造プロセスと関連付けてもよい。
【0053】
図2Dに関しては、本発明のいくつかの実施形態による、フィルタ302に含まれるフィルタディスク303の表面図を概略的に示す。フィルタ302は、図1に示したフィルタ102と同一又は実質的に同一であってもよい。ディスク303はチャネル352と、外側周縁部350と、内側周縁部351と、開口部311とを具え、図1に符号152、150、151、及び111で示したのと同一又は実質的に同一である。ディスク103との差異は、チャネル352が内側周縁部351まで延在しないことである。代わりに、チャネル352は、内側周縁部351とチャネル352との間に周縁配置される平面領域355に延在する。本発明のいくつかの実施形態においては、ディスク303は1以上の支持点を具えてもよく、図2Cに符号255で示されるのと同一又は実質的に同一である。支持点は図2Cの支持点255と同様にチャネル352間に配置、及び/又は平面領域355に配置してもよい。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態においては、ディスク103は、一方の側面のみにチャネル152を、又は選択的に、ディスクの一方の側面又は双方の側面に他の型のチャネル形状を具えてもよい。更には、あるいは代替的には、一方の側面、又は選択的には双方の側面の表面は粗い構造を有してもよい。限定しない、異なる断面であるAないしEを含む例示的な濾過要素が図2Eに概略的に示される。例えば、Aは一方の側面のみにV形状のチャネルを有するディスクを具え、Bは双方の側面に円形のチャネルを有するディスクを具え、Cは双方の側面に粗い表面を具え、Dは一方の側面に円形のチャネルを具え、Eは双方の側面に平底チャネルを具える。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態においては、ディスク103は楕円形、矩形形状、正方形、正多角形形状、又は偏多角形形状を含む変則的な形状といった他の形状を含んでもよい。更には、開口部111は楕円形、矩形形状、正方形、正多角形形状、又は偏多角形形状を含む変則的な形状といった他の形状を含んでもよい。限定しない、異なる形状であるAないしIを具え、更に異なる形状の開口部を具える例示的な濾過要素が図2Fに概略的に示される。例えば、Aは正方形形状の開口部を有する正方形形状の濾過要素を具え、Bは三角形形状の開口部を有する三角形形状の濾過要素を具え、Cは八角形形状の開口部を有する八角形形状の濾過要素を具え、Dは楕円形形状の開口部を有する楕円形形状のフィルタを具え、Eは変則的な形状の開口部を有する変則的な形状のフィルタを具え、Fは円形形状の開口部を有する正方形形状のフィルタを具え、Gは円形形状の開口部を有する三角形形状のフィルタを具え、Hは円形の開口部を有する八角形形状のフィルタを具え、Iは矩形形状の開口部を有する楕円形形状のフィルタを具える。
【0056】
図2Gに関しては、本発明のいくつかの実施形態による、フィルタ302’に含まれる例示的なフィルタディスク303’の表面図を概略的に示す。フィルタ302’は図1に示されるフィルタ102と同一又は実質的に同一であってもよい。ディスク303’は異なるパターン及び/又は異なる構造の表面あるいはその組合せで形成されるチャネルを具えてもよい。例えば、ディスク303’は、符号310’で図示されるような、湾曲したコーナーを有するジグザグ模様で形成されるチャネル;又は符号314’で図示されるような、角張ったコーナーを有するジグザグ模様で形成されるチャネル;又は符号313’で図示されるような、湾曲したパターンで形成されるチャネル;又は符号312’で図示されるような、ディスク面にわたってランダムに若しくは非ランダムに分布されるプリズム形状の突起を有する平面部;又は符号311’に図示されるような、ディスクの側面上に凹んだ平面部若しくは選択的に隆起した平面部とを有し、平面部が迷路様の構成を形成するように分布する、符号312’に図示されたのと同様の構造面;又はそのいずれかの組合せを具える。選択的に、符号310’及び314’に図示されるチャネルは半径方向に向けられてもよく、選択的に半径ではない方向に向けられてもよい。更には又は代替的に、チャネルは実質的に任意の方向に向けてもよい。選択的には、符号311’に図示される平面部は、実質的に任意の方向に向けてもよい。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態においては、ディスク303’は一方の側面のみにチャネルを、あるいは選択的に、ディスクの一方の側面若しくは双方の側面に他の型のチャネル形状及びパターンを具えてもよい。更には又は代替的に、一方の側面、又は選択的に双方の側面の表面は粗い構造を有してもよい。更には又は代替的に、ディスク303’は楕円形、矩形形状、正方形、正多角形形状、又は偏多角形形状を含む変則的な形状といった他の形状を具えてもよい。選択的にはディスク303’は、例えば楕円形、矩形形状、正方形、正多角形形状、又は偏多角形形状を含む変則的な形状などの他の形状を有しうる開口部を具えてもよい。
【0058】
図3A、3B、3C、及び3Dに関しては、本発明のある実施形態による、図1に示した2の隣接するディスク103の間に形成される例示的なチャネル170の断面図を概略的に示す。図1、2A、及び2Bに対する引用が更になされる。説明上の目的のために、2の隣接するディスク103はディスク103A及びディスク103Bと称される。
【0059】
ディスク103は、チャネル152が、第1のディスク103Aの側面に含まれ、第2のディスク103Bの隣接する側面のチャネル162及び/又は平面部163と、部分的に又は完全に整列するように、フィルタ102に密に積重される。代替的に、チャネル162は、第2のディスク103Bの側面に含まれ、第1のディスク103Aの隣接する側面のチャネル152及び/又は平面部153と部分的に又は完全に整列してもよい。本発明のある実施形態によると、チャネル152及び/又は平面部153の、それぞれチャネル162及び/又は平面部163との部分的又は完全な整列によって、ディスク103A及び103Bの間のコンジット170が形成される。コンジット170は、濾過流体がコンジットを通って流れる場合に、外側周縁部150から開口部111への濾過流体121の流動を可能にするように構成され、更には濾過流体121を汚染する粒子199を捕捉するように構成される。コンジット170は、更に汚染流体120を汚染する比較的大きな粒子のコンジットへの流入を制限するように構成される。
【0060】
コンジット170によって捕捉される粒子199の粒径の範囲は、特にコンジットの断面特性と、チャネル寸法によって変化する断面特性と、チャネル152及び162の間の整列の様式に依存する。例えば、図3Aは、チャネル152及び162の間での、ならびに平面部153及び163の間でのそれぞれの完全整列状態を例示する。図3B及び3Cは、チャネル152及び162の間での部分整列の状態を例示し、平面部153及び163はチャネル162及び152とそれぞれ部分整列する。図3Dにおいては例えば、チャネル152と平面部163との間で、及びチャネル162と平面部153との間で、それぞれ完全整列がある。任意の2のディスク103の間に、図示したような異なる断面特性を有する複数のコンジット170、又は他のその変形物があってもよく、コンジットは異なる粒径及び形状の粒子199を捕捉するように構成される。更には、単一のコンジット170が異なる粒径の粒子199を捕捉するように構成してもよく、これはコンジットが開口部111に近づくにつれてコンジット170の断面サイズが減少することによるものである。小さな粒子は開口部111に近いコンジットの断面に最初に捕捉され、大きな粒子が後に外側周縁部150に近いコンジットの断面に捕捉される。
【0061】
本発明のある実施形態によると、フィルタ102は汚染流体120中の異なる粒径範囲の粒子199を濾過するように構成される。フィルタ102は、チャネル及び/又は平面部の整列によって形成されるコンジット170が第1の粒径範囲の粒子を捕捉するようなチャネル寸法のディスク103の積重体を具える。異なるチャネル寸法のフィルタディスク103の積重体を具える別のフィルタでフィルタ102を置換するステップは、第2の粒径範囲の粒子199を濾過するステップを提供する。選択的に、異なるチャネル寸法の別のフィルタディスクの積重体で、フィルタ102中のフィルタディスク103の積重体を置換するステップは、フィルタ102を用いて第2の粒径範囲の粒子を濾過するステップを提供する。
【0062】
図3Eに関しては、本発明のある実施形態による、異なる濾過グレードを用いて汚染流体を濾過するように構成される濾過装置300における、濾過及び逆洗動作のためのアルゴリズムのフローチャートを概略的に示す。濾過装置はF、F...Fn−1、及びFで図示される「n」個の直列連結された濾過装置を具え、装置の濾過グレードは最も大きな濾過グレードを有するFから、最も小さな濾過グレードのFに連続的に低減する。各々の濾過装置、例えばFは、所定の濾過グレードの単一の濾過装置を具えてもよく、又は、同一の濾過グレードの複数の並行連結された濾過装置を具えてもよい。各濾過装置F、F...Fn−1、及びFと関連付けられるのは、各装置によって生成され、それぞれT、T...Tn−1、及びTmFilteredとして図示され、例えば矢印390ないし393といった太い実線の矢印によって示されるクリーン流体である。更に各濾過装置F、F...Fn−1、及びFと関連付けられるのは、各装置によって生成され、それぞれD1、D...Dn−1、及びDとして図示され、例えば矢印395及び396といった太いハッチングした矢印によって示される洗浄流体である。濾過動作は例えば、矢印360といった、ハッチングした(短い)矢印によって図中に示される。クリーン流体を用いる逆洗動作は、例えば矢印370といった実線の矢印によって示される。洗浄流体を用いた逆洗動作は、例えば矢印380といったハッチングした(長い)矢印によって示された。
【0063】
本発明のある実施形態によると、特定の濾過グレードのフィルタによって生成されるクリーン流体は、より小さな濾過グレードを具える1以上の濾過装置によって濾過してもよい。装置300においては、装置Fによって生成されるクリーン流体Tは、Fの濾過グレードよりも小さな粒径の汚染粒子を含む。クリーン流体Tは更に、Fより小さい濾過グレードを具える濾過装置によって、すなわち、装置F...Fn−1、又はFによって濾過でき、例えば矢印360及び363といったハッチングした(小さい)矢印によって示されるように、TからF...Fn−1、及びFに送られる。装置Fによって生成されたクリーン流体Tは、Fの濾過グレードより小さな粒径の汚染粒子を具える。クリーン流体Tは更に、Fより小さい濾過グレードを具える濾過装置によって、すなわち、装置F(図示せず)...Fn−1、又はFによって濾過でき、例えば矢印361といったハッチングした(小さい)矢印によって示されるように、TからFn−1、及びFに送られる。クリーン流体Tn−2は更に、Fn−1より小さい濾過グレードを具える濾過装置によって、すなわち、装置Fによって濾過でき、例えば矢印363といったハッチングした(小さい)矢印によって示されるように、Tn−2からFに送られる。
【0064】
本発明のある実施形態によると、特定の濾過グレードのフィルタによって生成されるクリーン流体は、同一の濾過グレード及び/又はより大きな濾過グレードのフィルタでの逆洗動作のために用いてもよい。濾過装置300においては、クリーン流体TはFでの逆洗動作のために用いてもよく、実線の矢印によって示されるように、TからFに送られる。クリーン流体TはFでの逆洗動作のために用いてもよく、更にFでの逆洗動作のために用いてもよく、例えば矢印370といった実線の矢印によって示されるように、TからF及びFに送られる。クリーン流体Tn−2はFn−1での逆洗動作のために用いてもよく、更に濾過装置F、F...Fn−2(図示せず)での逆洗動作のために用いてもよく、例えば矢印371といった実線の矢印によって示されるように、Tn−2からF、F...Fn−1に送られる。クリーン流体Tn−1はFでの逆洗動作のために用いてもよく、更に濾過装置F、F...Fn−1での逆洗動作のために用いてもよく、例えば矢印372といった実線の矢印によって示されるように、Tn−1からF、F...Fに送られる。
【0065】
本発明のある実施形態によると、特定の濾過グレードのフィルタでの逆洗動作によって生成される洗浄流体は、より大きな濾過グレードのフィルタでの逆洗動作のために用いてもよい。濾過装置300においては、洗浄流体DはFでの逆洗動作のために用いてもよく、ハッチングした(大きな)矢印380によって示されるように、DからFに送られる。洗浄流体Dn−1は濾過装置F、F...Fn−2(図示せず)での逆洗動作のために用いてもよく、例えば矢印381といったハッチングした矢印によって示されるように、Dn−1からF及びFに送られる。洗浄流体Dは濾過装置F、F...Fn−1での逆洗動作のために用いてもよく、例えば矢印382といったハッチングした矢印によって示されるように、DからF、F...Fn−1に送られる。
【0066】
アルゴリズムは更に以下の表によって記載されうる。
【0067】
【表1】

【0068】
本発明のいくつかの実施形態においては、濾過装置Fからのクリーン流体TmFiltered393は、機械加工作業ように用いてもよい。流体Tmachine397は機械加工作業による粒子を含み、濾過装置Fでの逆洗動作のために用いてもよい。
【0069】
図3Eは、濾過システムにおける濾過及び逆洗動作のための実現可能なアルゴリズムの流れの一実施例を述べている。他のアルゴリズムは、本発明の複数の実施形態において、他の、同一の、あるいは同様の濾過システムにおける濾過及び逆洗動作のために適用してもよい。
【0070】
図4に関しては、本発明のある実施形態による、機械加工用機器401のために汚染流体の全流濾過を行うように構成される例示的な濾過システムのフローチャート400を概略的に示す。機械加工用機器401は例えば、木摺り機類、フライス盤類、研削盤類、切削機類、及びボール盤類といった、任意の動力駆動型の工作機械を含んでもよく、破片の形態での材料の除去によって、金属及び/又は他の材料で生成される加工品を形成するように構成される。機械加工用機器401はオペレータによって制御される比較的簡単な機器、及び/又はCNC機器といった先端型自動化機器を具えてもよい。選択的に機械加工用機器401は、放電加工(EDM)、電気化学的腐食、レーザ加工、又はウォータージェット切断を行って加工品を形成するように構成してもよい。機械加工用機器401は更に、機械加工用機器の要素及び/又は加工品のための潤滑剤及び/又は冷却液として油及び/又は乳濁液(流体)を用いるように構成される。選択的に、流体は作業領域を洗浄するために用いてもよく、機械加工用機器401におけるツーリング要素、及び/又は加工品を含む。
【0071】
濾過システム400は、1以上の汚染流体収集タンク402と、1以上の濾過装置404と、1以上の排液管407と、1以上の汚染流体ポンプ403と、1以上の流体用クリーンタンク405と、1以上のクリーン流体ポンプ406とを具える。汚染流体収集タンク402は機械加工用機器401によって行われる機械加工プロセスで生じた汚染流体450を収集するように構成され、汚染流体450の流動方向は矢印451によって示される。ポンプ403は比較的低圧力で収集タンク402から濾過装置404に汚染流体450を汲み出すように構成され、汚染流体の流動方向は矢印452によって示される。ポンプ403は更に、収集タンク402に選択的に含まれ、汚染流体が収集タンク内で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に汚染流体450の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0072】
濾過装置404は、図1Aに示された濾過装置100と同一又は実質的に同一であってもよく、収集タンク402からポンプ403によって汲み出された汚染流体450を受けるように構成され、更に汚染流体の粒子汚染を濾過することによって、クリーン流体460(クリーンタンク405で図示されるような)を生成するように構成される。選択的に、濾過装置404は図1Bの濾過装置100Aと同一又は実質的に同一であってもよい。本発明のある実施形態によると、濾過装置404は例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11以上といった複数の濾過装置404を具えてもよい。複数の濾過装置404は直列及び/又は並列に連結されてもよく、あるいはその組合せであってもよい。濾過装置404は、1の粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよく、あるいは選択的に、図3Eの濾過装置300と同様の、連続的に低減する濾過グレードの直列に連結する濾過装置によって、異なる粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよい。選択的に濾過装置404は、固有の連結手段を用いて、例えば特に、液体サイクロン(サイクロン)式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタに連結してもよい。
【0073】
クリーン流体460は、その流動方向が矢印453によって示され、濾過装置404から流体用クリーンタンク405に流動する。クリーンタンク405は、濾過装置404からのクリーン流体460を受けるように構成され、更に、機械加工用機器401で用いるためのクリーン流体を貯蔵するように構成される。本発明のいくつかの実施形態においては、1以上のポンプがクリーン流体460をクリーンタンク405に汲み出すために、濾過装置100の出口107、又は選択的に濾過装置100Aの出口106Aに連結できるが、クリーン流体の流動は重力によるものである。選択的に、クリーンタンク405は更にポンプ403に信号を送信するように構成し、タンク405中のクリーン流体460が所定の低水準未満である場合に汲み出しを自動的に開始してもよい。選択的に、クリーンタンク405は更にポンプ403に信号を送信するように構成してもよく、タンク405のクリーン流体460が所定の高水準以上である場合に汲み出しを自動的に停止してもよい。選択的に、クリーンタンク405は更に、濾過システム400に含まれる任意の1のポンプ又は任意のポンプの組合せに起動信号及び/又は停止信号を送信するように構成してもよい。本発明のいくつかの実施形態においては、クリーンタンク405は機械加工用機器401の内部に含まれてもよい。
【0074】
クリーンタンク405に連結されるのはポンプ406であり、クリーンタンク405から機械加工用機器401にクリーン流体460を汲み出すように構成され、クリーン流体の流動方向は矢印453によって示される。ポンプ406は更に、流体用クリーンタンク405中に選択的に含まれ、クリーン流体がクリーンタンク中で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、クリーン流体460の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。選択的に、ポンプ406は更に、機械加工用機器401からの信号を受信する際に、クリーン流体460の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0075】
濾過装置404は排液管407に連結され、濾過装置の逆洗動作の後に洗浄流体を受けるように構成される。洗浄流体の流動方向は、矢印454によって示される。本発明のいくつかの実施形態においては排液管407は、洗浄流体が矢印455によって示されるように、例えば洗浄流体中の破片の除湿後に汚染流体450に再循環されるように、汚染流体収集タンク402に連結してもよい。選択的に、排液管407はタンク、及び/又は、例えば、フィルタ、サイクロン、遠心分離又は沈殿等の性能を有するシステムといった、流体を洗浄するように構成される任意のシステムを具えてもよい。選択的に排液管は、逆洗後の洗浄流体中の粒子状汚染物質のブリケットを行うように構成されるブリケットマシン(図示せず)に連結してもよい。選択的に、洗浄流体は濾過装置404の逆洗動作のために用いてもよい。更には、あるいは代替的には、洗浄流体は、流体が実質的に汚染のない場合、クリーンタンク460に流動してもよい。選択的に、洗浄流体は他のアプリケーション及び/又は用途のために濾過システム400から除去してもよい。
【0076】
図5に関しては、本発明のある実施形態による、機械加工用機器501のために汚染流体の側留濾過を行うように構成される例示的な濾過システムのフローチャート500を概略的に示す。機械加工用機器501は図4に示した機械加工用機器401と同一又は実質的に同一であってもよい。
【0077】
濾過システム500は、1以上の汚染流体収集タンク502と、1以上の濾過装置504と、1以上の排液管507と、1以上の汚染流体ポンプ503と、1以上の混合流体ポンプ508と、1以上の流体用クリーンタンク505と、1以上のクリーン流体ポンプ506とを具える。汚染流体収集タンク502は機械加工用機器501によって行われる機械加工プロセスで生じた汚染流体550を収集するように構成され、汚染流体550の流動方向は矢印551によって示される。ポンプ503は、機械加工用機器501の所定の流速容量の5%ないし20%、例えば10%の流速で、収集タンク502から濾過装置504に汚染流体550を汲み出すように構成され、汚染流体の流動方向は矢印552によって示される。ポンプ503は更に、収集タンク502中に選択的に含まれ、汚染流体が収集タンク中で所定の水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、汚染流体550の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0078】
選択的に、汚染流体550は濾過装置504に到達する前に前処理してもよい。前処理装置540は例えば、凝集機器;電磁石といった磁石;化学的処理;超音波処理及び他の構成;流体調合システム(水処理、濃縮液投与ステーション、レベルスイッチ)といった機器;トランプオイルセパレータ;ならびに、液体サイクロン、遠心分離機、重力式紙フィルタ(paper gravity)、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び/又はカートリッジフィルタといった他の濾過方法;あるいはその任意の組合せの使用を具えてもよい。
【0079】
濾過装置504は、図1Aに示された濾過装置100と同一又は実質的に同一であってもよく、収集タンク502からポンプ503によって汲み出された汚染流体550を受けるように構成され、更に汚染流体の粒子汚染を濾過することによって、クリーン流体を生成するように構成される。選択的に、濾過装置504は図1Bの濾過装置100Aと同一又は実質的に同一であってもよい。本発明のある実施形態によると、濾過装置504は例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11以上といった複数の濾過装置504を具えてもよい。複数の濾過装置504は直列及び/又は並列に連結されてもよく、あるいはその組合せであってもよい。濾過装置504は、1の粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよく、あるいは選択的に、図3Eの濾過装置300と同様の、連続的に低減する濾過グレードの直列に連結する濾過装置によって、異なる粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよい。選択的に濾過装置504は、固有の連結手段を用いて、例えば特に、液体サイクロン(サイクロン)式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタに連結してもよい。
【0080】
クリーン流体は、その流動方向が矢印555によって示され、濾過装置504から汚染流体収集タンク502に逆流動し、クリーン流体は収集タンク502に残る汚染流体と混合され、混合流体を生成する(クリーンタンク505中で符号560として示される)。本発明のいくつかの実施形態においては、1以上のポンプはクリーン流体を収集タンク502に汲み出すために、濾過装置100の出口107、又は選択的に濾過装置100Aの出口106Aに連結できるが、クリーン流体の流動は重力によるものである。
【0081】
ポンプ508は収集タンク502からクリーンタンク505に混合流体560を汲み出すように構成され、混合流体の流動方向は矢印553によって示される。混合流体560は少なくとも機械加工用機器501で要求される所定の流速容量に対応する流速容量で汲み出してもよい。ポンプ508は更に、収集タンク502中に選択的に含まれ、汚染流体が収集タンク中で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、混合流体560の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0082】
クリーンタンク505は、収集タンク502からの混合流体560を受けるように構成され、更に、機械加工用機器501で用いるための混合流体を貯蔵するように構成される。選択的に、クリーンタンク505は更にポンプ508に信号を送信するように構成し、タンク505中の混合流体560が所定の低水準未満である場合に汲み出しを自動的に開始してもよい。選択的に、クリーンタンク505は更にポンプ508に信号を送信するように構成してもよく、タンク505の混合流体560が所定の高水準以上である場合に汲み出しを自動的に停止してもよい。選択的に、クリーンタンク505は更に、濾過システム500に含まれる任意の1のポンプ又は任意のポンプの組合せに起動信号及び/又は停止信号を送信するように構成してもよい。本発明のいくつかの実施形態においては、クリーンタンク505は機械加工用機器501の内部に含まれてもよい。
【0083】
クリーンタンク505に連結されるのはポンプ506であり、クリーンタンク505から機械加工用機器501に混合流体560を汲み出すように構成され、クリーン流体の流動方向は矢印553によって示される。ポンプ506は更に、流体用クリーンタンク505中に選択的に含まれ、混合流体がクリーンタンク中で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、混合流体560の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。選択的に、ポンプ506は更に、機械加工用機器501からの信号を受信する際に、混合流体560の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0084】
濾過装置504は排液管507に連結され、濾過装置の逆洗動作の後に洗浄流体を受けるように構成される。洗浄流体の流動方向は、矢印554によって示される。本発明のいくつかの実施形態においては排液管507は、洗浄流体が矢印556によって示されるように、例えば洗浄流体中の破片の除湿後に汚染流体550に再循環されるように、汚染流体収集タンク502に連結してもよい。選択的に、排液管507はタンク、及び/又は、例えば、フィルタ、サイクロン、遠心分離又は沈殿等の性能を有するシステムといった、流体を洗浄するように構成される任意のシステムを具えてもよい。選択的に排液管は、逆洗後の洗浄流体中の粒子状汚染物質のブリケットを行うように構成されるブリケットマシン(図示せず)に連結してもよい。選択的に、洗浄流体は他のアプリケーション及び/又は用途のために濾過システム500から除去してもよい。
【0085】
図6に関しては、本発明のある実施形態による、機械加工用機器601のために前濾過された汚染流体の全流濾過を行うように構成される例示的な濾過システムのフローチャート600を概略的に示す。機械加工用機器601は図4に示した機械加工用機器401と同一又は実質的に同一であってもよい。
【0086】
濾過システム600は、1以上の汚染流体収集タンク602と、1以上の濾過装置604と、1以上の排液管607と、1以上の汚染流体ポンプ603と、1以上の流体用クリーンタンク605と、1以上のクリーンポンプ606と、1以上のプレフィルタ609と、1以上のプレフィルタ逆洗ポンプ610と、1以上のプレフィルタ排液管611と、1以上のセミクリーン流体収集タンク614と、1以上のセミクリーン流体ポンプ608とを具える。汚染流体収集タンク602は機械加工用機器601によって行われる機械加工プロセスで生じた汚染流体650を収集するように構成され、汚染流体650の流動方向は矢印651によって示される。ポンプ603は収集タンク602からプレフィルタ609に汚染流体650を汲み出すように構成され、汚染流体の流動方向は矢印652によって示される。ポンプ603は更に、収集タンク602に選択的に含まれ、汚染流体が収集タンク内で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に汚染流体650の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0087】
プレフィルタ609は汚染流体を部分濾過するよう構成してもよく、例えば特に、液体サイクロン式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタを具えてもよい。選択的に、プレフィルタ装置609は複数の同様のプレフィルタ、又は異なるプレフィルタの組合せを具えてもよい。セミクリーン流体670は、その流動方向が矢印657によって示され、プレフィルタ609から流体用セミクリーンタンク614に流動する。セミクリーンタンク614はプレフィルタ609からのセミクリーン流体670を受けるように構成され、更に濾過装置604によって更に濾過するためにセミクリーン流体を貯蔵するように構成される。本発明のいくつかの実施形態においては、1以上のポンプはセミクリーン流体670をセミクリーン収集タンクに汲み出すように構成されるプレフィルタに連結されるが、プレフィルタ609からセミクリーン収集タンク614へのセミクリーン流体の流動は重力によるものであってもよい。選択的に、セミクリーンタンク614は更にポンプ603に信号を送信するように構成し、セミクリーンタンク中のセミクリーン流体670が所定の低水準未満である場合に汲み出しを自動的に開始してもよい。選択的に、セミクリーンタンク614は更にポンプ603に信号を送信するように構成してもよく、セミクリーンタンク614のセミクリーン流体670が所定の高水準以上である場合に汲み出しを自動的に停止してもよい。
【0088】
プレフィルタ609は排液管611に連結され、プレフィルタの逆洗動作の後に洗浄流体を受けるように構成される。逆洗ポンプ610は、選択的に比較的少量のセミクリーン流体670を具えてもよく、プレフィルタから粒子状汚染物質を実質的に除去するのに十分な比較的高い圧力で、プレフィルタ609を通してセミクリーンタンク614から洗浄流体を汲み出す。洗浄流体の流動方向は矢印656によって示される。本発明のいくつかの実施形態においては、排液管611は、洗浄流体が汚染流体650に再循環されるように、汚染流体収集タンク602に連結してもよい。選択的に、排液管611はセミクリーンタンク614に連結してもよい。選択的に、排液管611は、逆洗後の洗浄流体中の粒子状汚染物質のブリケットを行うように構成されるブリケットマシン(図示せず)に連結してもよい。選択的に、洗浄流体は他のアプリケーション及び/又は用途のために濾過システム600から除去してもよい。
【0089】
濾過装置604は、図1Aに示された濾過装置100と同一又は実質的に同一であってもよく、セミクリーン流体収集タンク614からポンプ608によって汲み出されたセミクリーン流体670を受けるように構成され、セミクリーン流体の流動方向は矢印655によって示される。濾過装置604は更に、セミクリーン流体670の粒子汚染を濾過することによって、クリーン流体660(クリーンタンク605に示される)を生成するように構成される。選択的に、濾過装置604は図1Bの濾過装置100Aと同一又は実質的に同一であってもよい。本発明のある実施形態によると、濾過装置604は例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11以上といった複数の濾過装置604を具えてもよい。複数の濾過装置604は直列及び/又は並列に連結されてもよく、あるいはその組合せであってもよい。濾過装置604は、1の粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよく、あるいは選択的に、図3Eの濾過装置300と同様の、連続的に低減する濾過グレードの直列に連結する濾過装置によって、異なる粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよい。選択的に濾過装置604は、固有の連結手段を用いて、例えば特に、液体サイクロン(サイクロン)式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタに連結してもよい。
【0090】
選択的に、セミクリーン流体670は濾過装置604に到達する前に前処理してもよい。前処理装置640は例えば、凝集機器;電磁石といった磁石;化学的処理;超音波処理及び他の構成;流体調合システム(水処理、濃縮液投与ステーション、レベルスイッチ)といった機器;トランプオイルセパレータ;ならびに、液体サイクロン、遠心分離機、重力式紙フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び/又はカートリッジフィルタといった他の濾過方法;あるいはその任意の組合せの使用を具えてもよい。
【0091】
クリーン流体660は、その流動方向が矢印653によって示され、濾過装置604から流体用クリーンタンク605に流動する。クリーンタンク605は、濾過装置604からのクリーン流体660を受けるように構成され、更に、機械加工用機器601で用いるためのクリーン流体を貯蔵するように構成される。本発明のいくつかの実施形態においては、1以上のポンプがクリーン流体660をクリーンタンク605に汲み出すために、濾過装置100の出口107、又は選択的に濾過装置100Aの出口106Aに連結できるが、クリーン流体の流動は重力によるものである。選択的に、クリーンタンク605は更にポンプ608に信号を送信するように構成し、タンク605中のクリーン流体660が所定の低水準未満である場合に汲み出しを自動的に開始してもよい。選択的に、クリーンタンク605は更にポンプ608に信号を送信するように構成してもよく、タンク605のクリーン流体660が所定の高水準以上である場合に汲み出しを自動的に停止してもよい。選択的に、クリーンタンク605は更に、ポンプ603に信号を送信するように構成して、タンク内のクリーン流体660の所定の水準によってポンプを自動的に起動又は停止してもよい。選択的に、クリーンタンク605は更に、濾過システム600に含まれる任意の1のポンプ又は任意のポンプの組合せに起動信号及び/又は停止信号を送信するように構成してもよい。本発明のいくつかの実施形態においては、クリーンタンク605は機械加工用機器601の内部に含まれてもよい。
【0092】
クリーンタンク605に連結されるのはポンプ606であり、クリーンタンク605から機械加工用機器601にクリーン流体660を汲み出すように構成され、クリーン流体の流動方向は矢印653によって示される。ポンプ606は更に、流体用クリーンタンク605中に選択的に含まれ、クリーン流体がクリーンタンク中で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、クリーン流体660の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。選択的に、ポンプ606は更に、機械加工用機器601からの信号を受信する際に、クリーン流体660の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0093】
濾過装置604は排液管607に連結され、濾過装置の逆洗動作の後に洗浄流体を受けるように構成される。洗浄流体の流動方向は、矢印654によって示される。本発明のいくつかの実施形態においては排液管607は、洗浄流体が矢印655によって示されるように、例えば洗浄流体中の破片の除湿後に汚染流体650に再循環されるように、汚染流体収集タンク602に連結してもよい。選択的に、排液管607は、洗浄流体がセミクリーン流体670に再循環されるように、セミクリーンタンク614に連結してもよい。選択的に、排液管607はタンク、及び/又は、例えば、フィルタ、サイクロン、遠心分離又は沈殿等の性能を有するシステムといった、流体を洗浄するように構成される任意のシステムを具えてもよい。選択的に排液管は、汚染部分のブリケッティングのためのブリケットマシンに連結してもよい。選択的に、洗浄流体は他のアプリケーション及び/又は用途のために濾過システム600から除去してもよい。
【0094】
図7に関しては、本発明のある実施形態による、機械加工用機器701のために前濾過された汚染流体の側留濾過を行うように構成され、かつ更にはポリッシャ用フィルタ713を具える、例示的な濾過システムのフローチャート700を概略的に示す。選択的に、濾過システム700はポリッシャ用フィルタ713を具えなくともよい。選択的に、機械加工用機器701は図4に示した機械加工用機器401と同一又は実質的に同一であってもよい。
【0095】
濾過システム700は、1以上の汚染流体収集タンク702と、1以上の濾過装置704と、1以上の排液管707と、1以上の汚染流体ポンプ703と、1以上の流体用クリーンタンク705と、1以上のクリーン流体ポンプ706と、1以上のプレフィルタ709と、1以上のプレフィルタ逆洗ポンプ710と、1以上のプレフィルタ排液管711と、1以上のセミクリーン流体収集タンク714と、1以上のセミクリーン流体ポンプ708と、1以上の混合流体ポンプ712と、1以上のカートリッジ(ポリッシャ用)フィルタ713とを具える。汚染流体収集タンク702は機械加工用機器701によって行われる機械加工プロセスで生じた汚染流体750を収集するように構成され、汚染流体の流動方向は矢印751によって示される。ポンプ703は、収集タンク702からプレフィルタ709に汚染流体750を汲み出すように構成され、汚染流体の流動方向は矢印752によって示される。ポンプ703は更に、収集タンク702中に選択的に含まれ、汚染流体が収集タンク中で所定の水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、汚染流体750の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0096】
プレフィルタ709は汚染流体を部分濾過するよう構成してもよく、例えば特に、液体サイクロン式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタを具えてもよい。選択的に、プレフィルタ装置709は複数の同様のプレフィルタ、又は異なるプレフィルタの組合せを具えてもよい。セミクリーン流体770は、その流動方向が矢印757によって示され、プレフィルタ709から流体用セミクリーンタンク714に流動する。セミクリーンタンク714は、濾過装置704によって更に濾過するために、プレフィルタ709からのセミクリーン流体770を受けるように構成される。本発明のいくつかの実施形態においては、1以上のポンプはセミクリーン流体770をセミクリーン収集タンクに汲み出すように構成されるプレフィルタに連結されるが、プレフィルタ709からセミクリーン収集タンク714へのセミクリーン流体の流動は重力によるものであってもよい。選択的に、セミクリーンタンク714は更にポンプ703に信号を送信するように構成し、セミクリーンタンク中のセミクリーン流体770が所定の低水準未満である場合に汲み出しを自動的に開始してもよい。選択的に、セミクリーンタンク714は更にポンプ703に信号を送信するように構成してもよく、セミクリーンタンク714のセミクリーン流体770が所定の高水準以上である場合に汲み出しを自動的に停止してもよい。
【0097】
プレフィルタ709は排液管711に連結され、プレフィルタの逆洗動作の後に洗浄流体を受けるように構成される。逆洗ポンプ710は、選択的に比較的少量のセミクリーン流体770を具えてもよく、プレフィルタから粒子状汚染物質を実質的に除去するのに十分な比較的高い圧力で、プレフィルタ709を通してセミクリーンタンク714から洗浄流体を汲み出す。洗浄流体の流動方向は矢印756によって示される。本発明のいくつかの実施形態においては、排液管711は、洗浄流体が汚染流体750に再循環されるように、汚染流体収集タンク702に連結してもよい。選択的に、排液管711はセミクリーンタンク714に連結してもよい。選択的に、排液管711は、逆洗後の洗浄流体中の粒子状汚染物質のブリケットを行うように構成されるブリケットマシン(図示せず)に連結してもよい。選択的に、洗浄流体は他のアプリケーション及び/又は用途のために濾過システム700から除去してもよい。
【0098】
ポンプ708は、機械加工用機器701の所定の流速容量の5%ないし20%、例えば10%の流速で、セミクリーンタンク714から濾過装置704にセミクリーン流体770を汲み出すように構成され、セミクリーン流体の流動方向は矢印755によって示される。ポンプ703は更に、セミクリーンタンク714中に選択的に含まれ、汚染流体が収集タンク中で所定の水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、セミクリーン流体770の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0099】
選択的に、セミクリーン流体770は濾過装置704に到達する前に前処理してもよい。前処理装置740は例えば、凝集機器;電磁石といった磁石;化学的処理;超音波処理及び他の構成;流体調合システム(水処理、濃縮液投与ステーション、レベルスイッチ)といった機器;トランプオイルセパレータ;ならびに、液体サイクロン、遠心分離機、重力式紙フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び/又はカートリッジフィルタといった他の濾過方法;あるいはその任意の組合せの使用を具えてもよい。
【0100】
濾過装置704は、図1Aに示された濾過装置100と同一又は実質的に同一であってもよく、セミクリーンタンク714からポンプ708によって汲み出されたセミクリーン流体770を受けるように構成され、更に、セミクリーン流体の粒子汚染を濾過することによって、クリーン流体を生成するように構成される。選択的に、濾過装置704は図1Bの濾過装置100Aと同一又は実質的に同一であってもよい。本発明のある実施形態によると、濾過装置704は例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11以上といった複数の濾過装置704を具えてもよい。複数の濾過装置704は直列及び/又は並列に連結されてもよく、あるいはその組合せであってもよい。濾過装置704は、1の粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよく、あるいは選択的に、図3Eの濾過装置300と同様の、連続的に低減する濾過グレードの直列に連結する濾過装置によって、異なる粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよい。選択的に濾過装置704は、固有の連結手段を用いて、例えば特に、液体サイクロン(サイクロン)式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタに連結してもよい。
【0101】
クリーン流体は、その流動方向が矢印758によって示され、濾過装置704からセミクリーン流体収集タンク714に逆流動し、クリーン流体は収集タンク702に残るセミクリーン流体と混合され、混合クリーン流体を生成する(クリーンタンク705中で符号760として示される)。本発明のいくつかの実施形態においては、1以上のポンプはクリーン流体をセミクリーンタンク714に汲み出すために、濾過装置100の出口107、又は選択的に濾過装置100Aの出口106Aに連結できるが、クリーン流体の流動は重力によるものである。
【0102】
ポンプ712はセミクリーンタンク714から、ポリッシング用流体として用いるための混合クリーン流体を比較的精密に濾過するように構成されるカートリッジフィルタ713に、混合クリーン流体760を汲み出すように構成される。混合クリーン流体760の流動方向は矢印759によって示される。混合クリーン流体760は少なくとも機械加工用機器701で要求される所定の流速容量に対応する流速容量で汲み出してもよい。ポンプ712は更に、セミクリーンタンク714中に選択的に含まれ、混合クリーン流体が収集タンク中で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、混合流体760の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0103】
クリーンタンク705は、カートリッジフィルタ713からのクリーン流体760を受けるように構成され、更に、機械加工用機器701で用いるための混合流体を貯蔵するように構成される。選択的に、クリーンタンク705は更にポンプ712に信号を送信するように構成し、タンク中のクリーン流体760が所定の低水準未満である場合に汲み出しを自動的に開始してもよい。選択的に、クリーンタンク705は更にポンプ712に信号を送信するように構成してもよく、タンク705のクリーン流体760が所定の高水準以上である場合に汲み出しを自動的に停止してもよい。選択的に、クリーンタンク705は更に、濾過システム700に含まれる任意の1のポンプ又は任意のポンプの組合せに起動信号及び/又は停止信号を送信するように構成してもよい。本発明のいくつかの実施形態においては、クリーンタンク705は機械加工用機器701の内部に含まれてもよい。
【0104】
クリーンタンク705に連結されるのはポンプ706であり、クリーンタンク705から機械加工用機器701にクリーン流体760を汲み出すように構成され、クリーン流体の流動方向は矢印753によって示される。ポンプ706は更に、流体用クリーンタンク705中に選択的に含まれ、クリーン流体がクリーンタンク中で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、クリーン流体760の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。選択的に、ポンプ706は更に、機械加工用機器701からの信号を受信する際に、クリーン流体760の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0105】
濾過装置704は排液管707に連結され、濾過装置の逆洗動作の後に洗浄流体を受けるように構成される。洗浄流体の流動方向は、矢印754によって示される。本発明のいくつかの実施形態においては、排液管707は、洗浄流体が矢印755によって示されるように、例えば洗浄流体中の破片の除湿後に汚染流体750に再循環されるように、汚染流体収集タンク702に連結してもよい。選択的に排液管707は、洗浄流体が混合クリーン流体770に再循環されるように、セミクリーンタンク714に連結してもよい。選択的に、排液管707はタンク、及び/又は、例えば、フィルタ、サイクロン、遠心分離又は沈殿等の性能を有するシステムといった、流体を洗浄するように構成される任意のシステムを具えてもよい。選択的に排液管は、逆洗後の洗浄流体中の粒子状汚染物質のブリケットを行うように構成されるブリケットマシン(図示せず)に連結してもよい。選択的に、洗浄流体は他のアプリケーション及び/又は用途のために濾過システム700から除去してもよい。
【0106】
図8に関しては、本発明のある実施形態による、研削盤801のために前濾過された汚染流体の全流濾過を行うように構成される例示的な濾過システムのフローチャート800を概略的に示す。
【0107】
濾過システム800は、1以上の汚染流体収集タンク802と、1以上の濾過装置804と、1以上の排液管807と、1以上の汚染流体ポンプ803と、1以上の流体用クリーンタンク805と、1以上の冷却液ポンプ806と、1以上のプレフィルタ809と、1以上のプレフィルタ逆洗ポンプ810と、1以上のプレフィルタ排液管811と、1以上のセミクリーン流体収集タンク814と、1以上の洗浄液ポンプ815と、1以上のドレッサーポンプ816と、ドレッサー817と、1以上のセミクリーン流体ポンプ808とを具える。汚染流体収集タンク802は機械加工用機器801によって行われる機械加工プロセスで生じた汚染流体850を収集するように構成され、汚染流体850の流動方向は矢印851によって示される。ポンプ803は収集タンク802からプレフィルタ809に汚染流体850を汲み出すように構成され、汚染流体の流動方向は矢印852によって示される。ポンプ803は更に、収集タンク802に選択的に含まれ、汚染流体が収集タンク内で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に汚染流体850の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0108】
プレフィルタ809は汚染流体を部分濾過するよう構成してもよく、例えば特に、液体サイクロン式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタを具えてもよい。選択的に、プレフィルタ装置809は複数の同様のプレフィルタ、又は異なるプレフィルタの組合せを具えてもよい。セミクリーン流体870は、その流動方向が矢印857によって示され、プレフィルタ809から流体用セミクリーンタンク814に流動する。セミクリーンタンク814はプレフィルタ809からのセミクリーン流体870を受けるように構成され、更に濾過装置804によって更に濾過するためにセミクリーン流体を貯蔵するように構成される。本発明のいくつかの実施形態においては、1以上のポンプはセミクリーン流体870をセミクリーン収集タンクに汲み出すように構成されるプレフィルタに連結されるが、プレフィルタ809からセミクリーン収集タンク814へのセミクリーン流体の流動は重力によるものであってもよい。選択的に、セミクリーンタンク814は更にポンプ803に信号を送信するように構成し、セミクリーンタンク中のセミクリーン流体870が所定の低水準未満である場合に汲み出しを自動的に開始してもよい。選択的に、セミクリーンタンク814は更にポンプ803に信号を送信するように構成してもよく、セミクリーンタンク814のセミクリーン流体870が所定の高水準以上である場合に汲み出しを自動的に停止してもよい。
【0109】
プレフィルタ809は排液管811に連結され、プレフィルタの逆洗動作の後に洗浄流体を受けるように構成される。逆洗ポンプ810は、選択的に比較的少量のセミクリーン流体870を具えてもよく、プレフィルタから粒子状汚染物質を実質的に除去するのに十分な比較的高い圧力で、プレフィルタ809を通してセミクリーンタンク814から洗浄流体を汲み出す。洗浄流体の流動方向は矢印856によって示される。本発明のいくつかの実施形態においては、排液管811は、洗浄流体が汚染流体850に再循環されるように、汚染流体収集タンク802に連結してもよい。選択的に、排液管811はセミクリーンタンク814に連結してもよい。選択的に、排液管811は、逆洗後の洗浄流体中の粒子状汚染物質のブリケットを行うように構成されるブリケットマシン(図示せず)に連結してもよい。選択的に、洗浄流体は他のアプリケーション及び/又は用途のために濾過システム800から除去してもよい。
【0110】
濾過装置804は、図1Aに示された濾過装置100と同一又は実質的に同一であってもよく、セミクリーン流体収集タンク814からポンプ808によって汲み出されたセミクリーン流体870を受けるように構成され、セミクリーン流体の流動方向は矢印855によって示される。濾過装置804は更に、セミクリーン流体870の粒子汚染を濾過することによって、クリーン流体860(クリーンタンク805に示される)を生成するように構成される。選択的に、濾過装置804は図1Bの濾過装置100Aと同一又は実質的に同一であってもよい。本発明のある実施形態によると、濾過装置804は例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11以上といった複数の濾過装置804を具えてもよい。複数の濾過装置804は直列及び/又は並列に連結されてもよく、あるいはその組合せであってもよい。濾過装置804は、1の粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよく、あるいは選択的に、図3Eの濾過装置300と同様の、連続的に低減する濾過グレードの直列に連結する濾過装置によって、異なる粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよい。選択的に濾過装置804は、固有の連結手段を用いて、例えば特に、液体サイクロン(サイクロン)式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタに連結してもよい。
【0111】
選択的に、セミクリーン流体870は濾過装置804に到達する前に前処理してもよい。前処理装置840は例えば、凝集機器;電磁石といった磁石;化学的処理;超音波処理及び他の構成;流体調合システム(水処理、濃縮液投与ステーション、レベルスイッチ)といった機器;トランプオイルセパレータ;ならびに、液体サイクロン、遠心分離機、重力式紙フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び/又はカートリッジフィルタといった他の濾過方法;あるいはその任意の組合せの使用を具えてもよい。
【0112】
クリーン流体860は、その流動方向が矢印853によって示され、濾過装置804から流体用クリーンタンク805に流動する。クリーンタンク805は、濾過装置804からのクリーン流体860を受けるように構成され、更に、機械加工用機器801で用いるためのクリーン流体を貯蔵するように構成される。本発明のいくつかの実施形態においては、1以上のポンプがクリーン流体860をクリーンタンク805に汲み出すために、濾過装置100の出口107、又は選択的に濾過装置100Aの出口106Aに連結できるが、クリーン流体の流動は重力によるものである。選択的に、クリーンタンク805は更にポンプ808に信号を送信するように構成し、タンク805中のクリーン流体860が所定の低水準未満である場合に汲み出しを自動的に開始してもよい。選択的に、クリーンタンク805は更にポンプ808に信号を送信するように構成してもよく、タンク805のクリーン流体860が所定の高水準以上である場合に汲み出しを自動的に停止してもよい。選択的に、クリーンタンク805は更に、ポンプ803に信号を送信するように構成して、タンク内のクリーン流体860の所定の水準によってポンプを自動的に起動又は停止してもよい。選択的に、クリーンタンク805は更に、濾過システム800に含まれる任意の1のポンプ又は任意のポンプの組合せに起動信号及び/又は停止信号を送信するように構成してもよい。本発明のいくつかの実施形態においては、クリーンタンク805は研削盤801の内部に含まれてもよい。
【0113】
クリーンタンク805に連結されるのは、冷却液ポンプ806であり、冷却液として用いるために、クリーンタンク805から研削盤801にクリーン流体860を汲み出すように構成され、クリーン流体の流動方向は矢印853によって示される。更にクリーンタンク805に連結され、冷却液ポンプ806と平行であるのは、洗浄液ポンプ815であり、洗浄用流体として用いるために、クリーンタンク805から研削盤801にクリーン流体860を汲み出すように構成され、クリーン流体の流動方向は矢印853によって示される。ポンプ806及び/又は815は更に、流体用クリーンタンク805中に選択的に含まれ、クリーン流体がクリーンタンク中で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、クリーン流体860の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。選択的に、ポンプ806及び/又は815は更に、研削盤801からの信号を受信する際に、クリーン流体860の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0114】
セミクリーンタンク814に連結されるのはドレッサーポンプ816であり、ドレッサー817で用いるために、セミクリーンタンク814から研削盤801にセミクリーン流体870を汲み出すように構成され、セミクリーン流体の流動方向は矢印858によって示される。ドレッサーポンプ816は更に、流体用セミクリーンタンク870中に選択的に含まれ、セミクリーン流体がセミクリーンタンク中で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、セミクリーン流体870の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。選択的に、ポンプ816は更に、研削盤801からの信号を受信する際に、セミクリーン流体870の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0115】
濾過装置804は排液管807に連結され、濾過装置の逆洗動作の後に洗浄流体を受けるように構成される。洗浄流体の流動方向は、矢印854によって示される。本発明のいくつかの実施形態においては排液管807は、洗浄流体が汚染流体850に再循環されるように、汚染流体収集タンク802に連結してもよい。選択的に、排液管807は、洗浄流体がセミクリーン流体870に再循環されるように、セミクリーンタンク814に連結してもよい。選択的に、排液管807はタンク、及び/又は、例えば、フィルタ、サイクロン、遠心分離又は沈殿等の性能を有するシステムといった、流体を洗浄するように構成される任意のシステムを具えてもよい。選択的に排液管は、汚染部分のブリケッティングのためのブリケットマシンに連結してもよい。選択的に、洗浄流体は他のアプリケーション及び/又は用途のために濾過システム800から除去してもよい。
【0116】
図9に関しては、本発明のある実施形態による、機械加工用機器901のために汚染流体の濾過を直接的に行うように構成される例示的な濾過システムのフローチャート900を概略的に示す。機械加工用機器901は図4に示した機械加工用機器401と同一又は実質的に同一であってもよい。
【0117】
濾過システム900は、1以上の濾過装置904と、1以上の排液管907と、1以上の給水ポンプ903と、1以上の流体用クリーンタンク905と、比較的高圧力(例えば、5ないし100バール、特に10ないし70バール)の1以上のクリーン流体ポンプ906とを具える。濾過システムに選択的に含まれるのは、ブリケット装置916及び/又は冷却器917であってもよい。
【0118】
機械加工用機器901によって行われる機械加工プロセスで生じる汚染流体は、流動方向が矢印951によって示され、給水ポンプ903によって濾過装置904に汲み出される。ポンプ903は、機械加工用機器901からの信号を受信する際に、汚染流体の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0119】
濾過装置904は、図1Aに示された濾過装置100と同一又は実質的に同一であってもよく、ポンプ903によって汲み出された汚染流体を受けるように構成され、更に汚染流体の粒子汚染を濾過することによって、クリーン流体を生成するように構成される。選択的に、濾過装置904は図1Bの濾過装置100Aと同一又は実質的に同一であってもよい。本発明のある実施形態によると、濾過装置904は例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11以上といった複数の濾過装置904を具えてもよい。複数の濾過装置904は直列及び/又は並列に連結されてもよく、あるいはその組合せであってもよい。濾過装置904は更に、1の粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよく、あるいは図3Eの濾過装置300と同様の、連続的に低減する濾過グレードの直列に連結する濾過装置によって、異なる粒径範囲の粒子を濾過するように構成してもよい。選択的に濾過装置904は、固有の連結手段を用いて、例えば特に、液体サイクロン(サイクロン)式フィルタ、重力式紙フィルタ、遠心分離式フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び事前コーティングされたフィルタ、ならびに/又は紙及び/又は高分子カートリッジフィルタといった、当該技術分野で周知の他の型式のフィルタに連結してもよい。
【0120】
選択的に、汚染流体は濾過装置904に到達する前に前処理してもよい。前処理装置940は例えば、凝集機器;電磁石といった磁石;化学的処理;超音波処理及び他の構成;流体調合システム(水処理、濃縮液投与ステーション、レベルスイッチ)といった機器;トランプオイルセパレータ;ならびに、液体サイクロン、遠心分離機、重力式紙フィルタ、ドラムフィルタ、キャンドルフィルタ、及び/又はカートリッジフィルタといった他の濾過方法;あるいはその任意の組合せの使用を具えてもよい。
【0121】
クリーン流体は、その流動方向が矢印953によって示され、濾過装置904から流体用クリーンタンク905に流動する。クリーンタンク905は、濾過装置904からのクリーン流体を受けるように構成され、更に、機械加工用機器901で用いるためのクリーン流体を貯蔵するように構成される。本発明のいくつかの実施形態においては、1以上のポンプがクリーン流体をクリーンタンク905に汲み出すために、濾過装置100の出口107、又は選択的に濾過装置100Aの出口106Aに連結できるが、クリーン流体の流動は重力によるものである。選択的に、クリーンタンク905は更にポンプ903に信号を送信するように構成し、タンク905中のクリーン流体が所定の低水準未満である場合に汲み出しを自動的に開始してもよい。選択的に、クリーンタンク905は更にポンプ903に信号を送信するように構成してもよく、タンク905のクリーン流体が所定の高水準以上である場合に汲み出しを自動的に停止してもよい。選択的に、クリーンタンク905は更に、濾過システム900に含まれる任意の1のポンプ又は任意のポンプの組合せに起動信号及び/又は停止信号を送信するように構成してもよい。本発明のいくつかの実施形態においては、クリーンタンク905は機械加工用機器901の内部に含まれてもよい。選択的に、冷却器917はクリーンタンク905に連結され、冷却器はタンク内に含まれるクリーン流体を冷却するように構成される。クリーンタンク905と冷却器917との間のクリーン流体の流動方向は、矢印955及び956によって示される。
【0122】
クリーンタンク905に連結されるのはポンプ906であり、クリーンタンク905から機械加工用機器901に、比較的高圧力でクリーン流体を汲み出すように構成され、クリーン流体の流動方向は矢印957によって示される。ポンプ906は更に、流体用クリーンタンク905中に選択的に含まれ、クリーン流体がクリーンタンク中で所定の高水準に到達したことを示す、センサからの信号を受信する際に、クリーン流体の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。選択的に、ポンプ906は更に、機械加工用機器901からの信号を受信する際に、クリーン流体の汲み出しを自動的に開始するように構成してもよい。
【0123】
濾過装置904は排液管907に連結され、濾過装置の逆洗動作の後に洗浄流体を受けるように構成される。洗浄流体の流動方向は、矢印954によって示される。本発明のいくつかの実施形態においては、排液管907は、逆洗後の洗浄流体中の粒子状汚染物質のブリケットを行うように構成されるブリケットマシン916に連結してもよい。選択的に、排液管907はタンク、及び/又は、例えば、フィルタ、サイクロン、遠心分離又は沈殿等の性能を有するシステムといった、流体を洗浄するように構成される任意のシステムを具えてもよい。粒子状汚染物質を含む洗浄流体の流動方向は、矢印958によって示される。本発明のいくつかの実施形態においては、ブリケッティング後の洗浄流体はクリーンタンク905に再循環してもよい。選択的に、洗浄流体は他のアプリケーション及び/又は用途のために濾過システム900から除去してもよい。
【0124】
本発明の実施形態の記載及び請求項において、単語「含む、具える(comprise,include)」及び「有する(have)」及びその変化形の各々は、その単語が関連しうる項目における要素を必ずしも限定しない。
【0125】
本発明は実施例によって提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない、その実施形態の様々な詳細な記載を用いて記載された。記載された実施形態は異なる特徴を具えていてもよく、その総てが発明の総ての実施形態に要求されるわけではない。本発明のいくつかの実施形態は、特徴の一部のみ又は実現可能な特徴の組合せを用いる。記載された本発明の実施形態の変形物、及び、記載された実施形態で留意される異なる特徴の組合せを含む本発明の実施形態について、当該技術分野の当業者は分かるであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
油及び/又は乳濁液を濾過するシステムであって、
油及び/又は乳濁液を濾過するように構成される積重式の濾過要素を具える1以上の濾過装置と、
油及び/又は乳濁液を保持するように構成される1以上のタンクと、
油及び/又は乳濁液を汲み出すように構成される1以上のポンプと、
を具えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、当該システムが機械加工作業で用いられる油及び/又は乳濁液を濾過するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記タンクが、濾過されていない油及び/又は乳濁液を保持するように構成された汚染流体用タンクであることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムにおいて、前記タンクが、濾過されていない油及び/又は乳濁液、ならびに濾過された油及び/又は乳濁液の混合物を保持するように更に構成されることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記タンクが、前濾過された油及び/又は乳濁液を保持するように構成された流体用セミクリーンタンクであることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項4に記載のシステムにおいて、前記流体用セミクリーンタンクが、前濾過された油及び/又は乳濁液、ならびに濾過された油及び/又は乳濁液の混合物を保持するように更に構成されることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記タンクが、濾過された油及び/又は乳濁液を保持するように構成された流体用クリーンタンクであることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムが、排液管を更に具えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のシステムが、ブリケットマシンを更に具えることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムが、プレフィルタを更に具えることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項8に記載のシステムにおいて、前記プレフィルタが紙及び/又は高分子のカートリッジフィルタであることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムが、ポリッシャ用フィルタを更に具えることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムにおいて、前記ポリッシャ用フィルタが紙及び/又は高分子のカートリッジフィルタであることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ポンプが、濾過されていない油及び/又は乳濁液を汲み出すように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ポンプが、前濾過された油及び/又は乳濁液を汲み出すように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ポンプが、濾過されない油及び/又は乳濁液、ならびに前濾過された油及び/又は乳濁液の混合物を汲み出すように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ポンプが、濾過された油及び/又は乳濁液、ならびに前濾過された油及び/又は乳濁液の混合物を汲み出すように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ポンプが、濾過された油及び/又は乳濁液を汲み出すように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記濾過装置が直列に、及び/又は並列に連結できることを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記濾過装置が1の粒径範囲の粒子状汚染物質のみを濾過するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記濾過装置が、種々の粒径範囲の粒子状汚染物質を濾過するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ポンプが自動的に動作開始しうることを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項21に記載のシステムにおいて、前記ポンプが自動的に動作停止しうることを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記濾過装置が自動逆洗を行うように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記プレフィルタが自動逆洗を行うように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項26】
機械加工作業で用いられる油及び/又は乳濁液を濾過する方法であって、
油及び/又は乳濁液を濾過するように構成される積重式の濾過要素を具える1以上の濾過装置で、油及び/又は乳濁液を濾過するステップと、
タンク中に油及び/又は乳濁液を保持するステップと、
油及び/又は乳濁液を汲み出すステップと、
を具えることを特徴とする方法。


【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−515206(P2011−515206A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549251(P2010−549251)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際出願番号】PCT/IL2008/000306
【国際公開番号】WO2009/109956
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(510239004)アミアド フィルトレイション システムズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】