説明

高精度位置決め部品供給用運搬キャリア

仕分けるのが困難な小型部品、特にプラスチック部品を供給する、高精度に位置決めされた高精度配置部品用運搬キャリア(1)は、小型部品(12)に配置された位置決め及び接合用補助器具(4)を収容する為に打ち抜かれたレセプタクル及び固定オリフィス(3)を有する、平坦な運搬用ストリップ(2)が提供されることを特徴とする。さらに、ステーションを組み立てる為に、仕分けするのが困難な小型部品、特にプラスチック部品を提供する方法は、以下のステップ:互いに小型部品(12)に接続された位置決め及び接合用補助器具(4)を提供するステップと;レセプタクルオリフィス及び固定オリフィス内で位置決め及び接合用補助器具(4)を冷間加工で据え付けるステップと;運搬キャリア(1)により、小型部品(12)をアセンブリステーションに移動させるステップと;高精度に位置決めされた小型部品(12)をレセプタクルオリフィス及び固定オリフィス(3)から取り外すステップと;運搬キャリア(1)を供給回路に戻すステップと;を有する。本発明は、仕分けが困難な小型部品を供給する高精度に位置決めされた部品の為の再生可能な運搬キャリアを生み出すので、運搬キャリア及び成型コストにおける対応した節約を許容する。さらに、本発明は、射出成型機の外側にある交換可能な成型バーからキャリアストリップを組み立てることを可能にし、更なる運搬の前に拒絶部品を仕分けすることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【発明の内容】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に従った高精度位置決め部品供給用運搬キャリアおよび請求項7に従った高精度位置決め部品供給用方法に関する。
【0002】
この技術状態は、小型部品、すなわち、振り分けが困難な個別部品の為の運搬装置を含み、これらを一つの製造機から更なる処理機(例えば自動組立設備)に運搬する。そのようにする為、例えば自動射出成型機から小型プラスチック部品は、粘着テープストリップ上に置かれ、この方法で更なる処理の為に対応機に運搬される。その後、小型プラスチック部品は、運搬キャリアから分離され、通常の場合、運搬キャリア自身が巻き上げられた後または切り離された後に処分される。特に、これは、粘着部材(adhesive)に粘着する小型部品の取り扱いにおいて部品を位置決めし取り外す問題を生じさせる。なぜなら、小型部品の高精度な位置決めは、運搬キャリアにより保証されず、使用された粘着量に依存し、小型部品を取り外す問題がある場合がある。
【0003】
代替えの、小型プラスチック部品は、キャリア上に直接的に射出成型することにより製造される場合があるが、例として、プラスチックコード、金属ワイヤ、プラスチックストリップ、プラスチックフィルム、金属ストリップ、金属フィルムがある。ここで再び、小型プラスチック部品は、更なる処理の前にキャリアストリップから分離される。しかし、この手順は、直接噴射におけるキャリアストリップの熱膨張の為、乏しい精度だけが位置決めで達成可能であるという欠点を有する。さらに、キャリアストリップ上には不要な取り外し用間隙がある。
【0004】
前述された全ての場合、対応した処分可能なキャリアストリップと、この目的の為に提供されるストリッピングツールのコストは高く、小型プラスチック部品の全ての運転コストは、もっと高くなる。さらに、位置決め及びスペーシングの精度は、技術条件のため、不十分である。
【0005】
ドイツ特許 DE 19614742 C2号は、平坦な物品、特にプレート状物品の支持運搬を記載し、持ち上げられたリング状エレベーションは、運搬の為に物品を収容し、真空装置は、吸引力を物品に適用する為に備えられ、その物品を固定する為の追加の磁気システムもある。しかし、この装置は、平坦な、強磁性物品であることが主として意図されている。この点で、そのようなデバイスは、仕分けが困難で、平坦設計を持たないプラスチック部品には不適である。
【0006】
さらに、ドイツ特許 DE 10029836 A1号は、自動組立機に部品を運搬する為の装置を記載する。この装置は、2つの振動型コンベヤを有し、それぞれのコンベヤは、周辺で部品を放出するポット状レセプタクルを有する。ポット状レセプタクルは、僅かに側方に偏って配置されている。振動型コンベヤの部品排出部は、リニア運搬装置に接続され、各運搬装置は、運搬される部品の為のガイド路と、部品を前進させる為にガイド用ローラにわたって導かれる連続し安定して駆動されるコンベヤベルトと、を有する。収集ゾーンのガイド路まで運搬される部品の移動は、運搬方向においてノズルから出てくる空気流により援助される。しかし、この特許は、高精度位置決め部品供給を与える為に振り分けが困難な小型部品の、振り分けを提供していない。
【0007】
そのため、本発明の目的は、前述した技術水準の欠点を避ける為に、振り分けが困難な小型部品、特に小型プラスチック部品を供給する、高精度位置決め部品用運搬キャリアを利用可能にすることである。さらに、利用可能になる方法は、この発明に従う運搬キャリアを使用することにより、振り分けが困難な小型部品を供給する。特に、この発明に従う運搬キャリアは、再生可能であるので、ストリップ及び成型のコストの節約が可能になる筈である。さらに、拒絶品が更なる処理機に移動される前に、これらを仕分けすることを可能にするため、射出成型機の外側で互換性のある成型バーから運搬キャリアを組み立てることが可能である。
【0008】

この目的は、請求項1の特徴を有する運搬キャリア、および請求項7の特徴を有する供給方法により達成される。本発明の有利な実施形態及び改良は、従属請求項に記載されている。
【0009】
特に、本発明は、仕分けるのが困難な小型部品を供給する、高精度に位置決めされた部品の為の、再使用可能な運搬キャリアを提供し、運搬キャリア及び成型コストにおいて対応した節約を可能にする。さらに、本発明は、射出成型機の外側にある交換可能な成型バーからキャリアストリップを組み立てることが可能になり、拒絶品を更に運ぶ前に振り分けることが可能になる。運搬キャリアは、冷間で組み立てられるので、既知の組立方法で運搬キャリアの熱膨張によるマイナスの影響を避ける。さらに、打ち抜き技術において部品間隔における高精度は、また、部品の位置決めを規定することにおいて役割を果たす。
【0010】
本発明の有利な実施形態は、請求項2の特徴を有する。この実施形態は、特に、小型プラスチック部品の、高精度に位置決めされ、整理された、更なる処理機の所望の組立位置までの配送を可能にする。
【0011】
本発明の他の有利な利点は、請求項3の特徴により提供されている。請求項3の特徴は、コイル上の大量の小型部品を保存し、配送することを可能にし、部品は、それぞれの位置で高精度に配置される。
【0012】
請求項4の特徴を有する本発明の実施形態は、特に有利である。請求項4の特徴は、単に大型部品を接合または押圧することにより、非常に簡単に運搬キャリア上の大型部品でさえ、機械的に固定することができる。
【0013】
最後に、本発明の他の有利な実施形態は、請求項5の特徴により特徴付けられる。本願における本発明の適切な応用は、歯ブラシ生産、旋回するタフトを備えた自動組立であろう。
【0014】
本発明の他の有利な実施形態は、請求項6により特徴付けられる。この実施形態は、特に振り分けに困難な小型部品(例えば、家電製品、個人衛生、健康デバイス)にとって重要である。
【0015】
組立ステーションまで、振り分けが困難な小型部品、特に、小型プラスチック部品を供給する為の、本発明による方法は請求項7により特徴付けられ、以下のステップを有する。すなわち、1以上の小型部品(5,6,12)に接続される位置決め補助器具及び接合補助器具(4)を準備するステップ。射出成型された部品の場合、例えば、押し金上で達成可能である。接合又は冷間加工により、前記位置決め補助器具及び接合補助器具(4)を運搬ストリップ(2)のレセプタクルオリフィス及び固定用オリフィス(3)内に据え付けるステップ。位置決め及び据え付け機能は、一つのジョイントオリフィスまたは複数の分離オリフィスで達成可能である。後者は、特に大型部品の場合に適している。なぜなら、組立ステーションで小型部品の取り外しの障害となる不必要なジャミングを防止できるからである。組立ステーションまで小型部品を運搬キャリアにより移動させるステップ。この移動は、例えば、チェーンコンベヤにより達成可能である。小型部品をレセプタクルオリフィス及び固定用オリフィスから精度良く取り外すステップ。この取り外しは、グリップにより完全自動方式で達成可能である。運搬キャリアを初期供給手順(Zufuehrkreislauf)に戻すステップ。
【0016】
本発明による方法の有利な改良は、請求項8の特徴により特徴付けられ、拒絶品の保存及び振り分けの為に部品を生産可能にする。
【0017】
本発明の他の実施形態及び利点は、以下、添付図面を参考にして、例示された実施形態の記述により説明される。
【0018】
以下の説明において、同一又は類似部品に対しては、同一符号を使用する。
【0019】
図1は、図の上半分で本発明に従う運搬キャリア1の第1実施形態、下半分で第2実施形態の概略平面図を示す。
【0020】
運搬キャリア1は、マトリックス(すなわち、レセプタクルオリフィス及び固定用オリフィス3のようなパターン)を備えた運搬ストリップ2を有する。運搬ストリップ2は、細長い、本質的に平坦な矩形ストリップとして設計されている。運搬ストリップ2は、柔らかい金属又はプラスチック材料から製造されるが、これらは、現在の例示された実施形態において食品とともに安全に使用可能である。さらに、運搬ストリップ2は、補強材料(例えば、特別なファイバマット等)を有し、十分な強度を運搬キャリア1に伝達する。
【0021】
レセプタクルオリフィス及び固定用オリフィス3は、運搬ストリップ2で打ち抜かれた、長手方向に通常の順序で配列された複数対の穴により形成される。このレセプタクルオリフィス及び固定用オリフィス3は、図1,図2に示されるように、位置決め補助器具及び接合補助器具4を収容する為に使用されるが、図2は、図1のII−II線に沿った側部断面図を示す。
【0022】
図1及び図2は、運搬ストリップ2の両側に直角に突き出た小型プラスチック部品12を示すが、これらの部品は、連結部11により押し金部7に連結されている。射出成型プラスチック部品12は、冷却後、運搬ストリップ2上に置かれる。
【0023】
図1,図2の上半分に示されるように、これは、位置決め補助器具及び接合補助器具4の冷間加工(すなわち、本実施形態においてはカシメ)により達成されるが、これらは、位置決め補助器具及び接合補助器具4において、押し金部7から僅かに円錐パターンが突き出ている。
【0024】
位置決め補助器具及び接合補助器具4は、図1,図2の下半分において、レセプタクルオリフィス及び固定用オリフィス3に接合されており、位置決め補助器具及び接合補助器具4の円錐形状により容易になっている。
【0025】
このため、小型プラスチック部品12は、既に、それらの押し金部7上に、対応する位置決め補助器具及び接合補助器具4を有する。小型部品12は、冷却後、自動射出成型機(図示せず)から運搬キャリア1まで直接送られ、そこで、前述した方式の一つで取り外し自在に固定される。個々の小型プラスチック部品12の位置は、レセプタクルオリフィス及び固定用オリフィス3のマトリックスにより再生可能に予め決められる。小型プラスチック部品12が取り外されて運搬キャリア1が再生組立の為に再び利用可能になる場合、その後、運搬キャリア1は、中間保存の為にロールアップされるか、更なる処理動作まで直送される。
【0026】
図3は、2つ折り旋回タフト5(ブリストルの回転可能なクラスタ)を備えて運搬キャリア1が組立てられる図1からの実施形態の変形例の概略平面図を示すが、これらは、歯ブラシ生産における自動製造機の自動組立の為に使用される。図3の線図において、旋回タフト5は、運搬ストリップ2の一側部から突き出す。ここで、図1は、レセプタクルオリフィス及び固定用オリフィス3のマトリックスを示し、これらは、押し金7に提供された位置決め補助器具及び接合補助器具4を収容する為に使用される。
【0027】
さらに、ストリップ8は、運搬ストリップ2上で規則的な間隔で備えられ、コンベヤチェーンまたはガイド上に運搬ストリップ2を固定する為に使用される。
【0028】
レセプタクルオリフィス及び固定用オリフィス3は、互いに正確な間隔で配置され、高精度に予め決定されたオリフィス径を有する。これは、マトリックスの製造において、熱の影響は生じないからである。図3に従う例示的な実施形態において、旋回タフト5は、位置決め補助器具及び接合補助器具4の冷間加工、すなわち、この場合はクリンピングにより運搬ストリップ2に取り付けられる。
【0029】
図4は、図1からの他の変形実施形態を示すが、運搬キャリア1は、8つの旋回タフトで組み立てられている。この実施形態において、押し金部7は、ファスナ10により2点で運搬ストリップ2に取り付けられ、2つの追加位置決めデバイス9により所定位置に位置決めされている。そのため、収容及び固定の機能は、前の実施形態と対照的に、互いに分離されている。これにより、運搬キャリア1上の大型押し金部の不必要な密集化が避けられ、運搬キャリア1の簡単な取り外しが保証される。
【0030】
しかし、本願明細書で例示されたアセンブリの組合せ、他に適したアセンブリの組合せも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による運搬キャリアの有利な実施形態の平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿って切断された側部断面図である。
【図3】二重組立を備えた図1に従う実施形態の変形例の平面図である。
【図4】八つ折り組立を備えた図1に従う実施形態の変形例の平面図である。
【符号の説明】
【0032】
1…運搬キャリア、2…運搬ストリップ、3…レセプタクルオリフィス及び固定用オリフィス、4…位置決め及びガイド補助器具、5、6…小型部品、7…押し金部、8…ストリップアタッチメント、9…位置決め用デバイス、10…ファスナ、11…連結部、12…小型部品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分けが困難な小型部品(5,6,12)を供給する高精度位置決め部品用運搬キャリア(1)であって、
打ち抜かれたレセプタクルオリフィス及び固定オリフィス(3)を有する平坦な運搬用ストリップ(2)が、前記小型部品(5,6,12)に位置する配置用補助器具及びガイド用補助器具(4)を収容する為に提供されることを特徴とする、前記運搬キャリア。
【請求項2】
前記運搬用ストリップ(2)が、ストリップ固定手段(8)を有することを特徴とする、請求項1記載の運搬キャリア。
【請求項3】
前記運搬キャリア(1)がロール上に巻回可能である、請求項1または2記載の運搬キャリア。
【請求項4】
ジョイントコンパウンドまたはジョイントが、前記配置用補助器具及び接合補助器具間、さらに、前記レセプタクルオリフィス及び固定オリフィス間の冷間加工により提供される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の運搬キャリア。
【請求項5】
前記小型部品は、旋回可能なタフト(5,6)であって、歯ブラシ生産に使用されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の運搬キャリア。
【請求項6】
前記運搬ストリップ(2)は、金属またはプラスチックで形成され、食品用途に安全であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の運搬キャリア。
【請求項7】
仕分けが困難な小型部品、特に小型プラスチック部品を組立ステーションに供給する方法であって、
1以上の小型部品(5,6,12)に接続される位置決め補助器具及び接合補助器具(4)を準備するステップと、
接合又は冷間加工により、前記位置決め及び接合補助器具(4)を運搬ストリップ(2)のレセプタクルオリフィス及び固定用オリフィス(3)内に据え付けるステップと、
運搬キャリア(1)により、前記小型部品(5,6,12)を組立ステーションに移動させるステップと、
前記小型部品(5,6,12)を前記レセプタクルオリフィス及び固定用オリフィス(3)から精度良く取り外すステップと、
前記運搬キャリア(1)を初期供給手順(Zufuehrkreislauf)に戻すステップと、
を備えることを特徴とする、方法。
【請求項8】
前記運搬キャリア(1)は、前記小型部品(5,6,12)を一時的に保管する為に中間ステップでロールアップされる、請求項7記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−500304(P2006−500304A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542243(P2004−542243)
【出願日】平成14年11月28日(2002.11.28)
【国際出願番号】PCT/EP2002/013425
【国際公開番号】WO2004/033181
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(596181730)ブラウン ゲーエムベーハー (75)
【Fターム(参考)】