説明

高精度計量装置を備えたウォータオンウォータ濾過システム

フィルタ部材(480)と、2つのウォータオンウォータ容器と、高精度計量装置と、を有するウォータオンウォータ濾過システムが提供される。各ウォータオンウォータ容器は、また、第1と第2のチャンバと、第1のチャンバの混合部分と駆動部分を画定する第1のピストン(412)と、第2のチャンバの濃縮部分を画定する第2のピストン(422)とを有する。ウォータオンウォータ濾過システムは、第1の容器を、第1の容器が濾過水及び濃縮物で充填された充填状態並びに希釈濃縮物が生成物管路を介してその最終用途に押し出されたサービス状態におかれるように制御された複数の弁を含む。濾過水を供給する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、濾過システム及びそのようなシステムに正確な量の添加物を加えることができる機構に関する。
【背景技術】
【0002】
居住用及び商用利用のために設計された水濾過システムは、ますます一般的となっている。この普及は、入力水から望ましくない物質を除去して、出力水を様々な最終用途で消費するためにより安全にする必要性から生じている。
【0003】
2つの一般的な水濾過システムには、容器内の空気セルによって作り出される逆圧に逆らって密閉圧力容器内に生成水を放出するシステム(エアオンウォータシステム)、並びに逆圧がない状態で、密閉圧力容器内及び別個の水源により圧縮して容器から生成水を取り出すことができる柔軟な水セル内に生成水を放出するシステム(ウォータオンウォータシステム)がある。
【0004】
エアオンウォータシステムは、空気セルの逆圧にさらされ、これは、本質的に、システムの濾過部分(例えば、逆浸透膜)にわたる圧力差を低減し、それによって一定時間に作られる濾過生成水の品質及び量を低下させる。生成水の品質は、典型的に、単一の濾過部分及び単一の貯蔵容器を含む家庭用システムにおいて起こるように、生成水が頻繁に取り出され、少量が置換される場合に、特に劣る。更に、貯蔵容器から空気セル推進水が空にされる際、空気セルは、徐々に圧力を失い、生成水の分注流量は減少する。大部分の空気セルシステムは、貯蔵タンクがいっぱいであり、典型的に管路圧力の60%〜70%に到達する際、給水流、したがって低速流出廃水の更なる生成を停止する自動遮断弁を含む。この技術は、廃水を減少させる一方、生成水の量及び品質、並びにその分注流量の低下をもたらし得る。
【0005】
ウォータオンウォータシステムは、エアオンウォータシステムの欠点の多くに対処することができる。ウォータオンウォータシステムは、典型的には、ほぼ同サイズの2つの水充填隔室を収容する圧力容器を含む。区画間の物理的分離は、第1の区画内の水圧が第2の区画内の水圧に影響を与えるように、移動可能であるか、又は可撓性である。それぞれの区画は、1つの区画を、他方が空になる一方で、充填することができるように、異なる流体源によってアクセスされる。したがって、区画にわたって、圧力低下はほとんど又はまったく生じない。生成水が容器から引き出される際、両方の区画は加圧される。次いで、生成水が1つの区画を充填し、他方の区画から排水管に水を追い出す際、両方の区画は減圧される。
【0006】
飲料水の品質は、水源により異なることがある。例えば、地域によっては、水は、井戸から得られ、多量の塩類を含むことがあり、その幾つかは、水に味又はにおいを与えることがある。他の地域では、水は、小川、河川、湖、更には海水脱塩プラントの場合には海から得られることがある。例えば瓶詰め水のような均一な水製品を生産するためには、典型的には、源水は、濾過されて、塩類、細菌、ウィルス、又は水を不味くする他の成分を含む可能性がある望ましくない要素が除去される。しかしながら、濾過水は、味気ないことにより必ずしも顧客の好みに合うとは限らない。水を濾過し、次に水を美味しくする成分を戻すことが望ましい。また、源水に関係なく均一な水製品を生産できることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ウォータオンウォータ濾過システムは、より一般に利用されているエアオンウォータシステムと比較して多くの利点を有する。ウォータオンウォータ設計の1つの利点は、濾過水の分注時の改善された流量である。場合によっては、ウォータオンウォータシステムは、典型的なエアオンウォータシステムの1.5〜3倍、又はそれを超える流量を生成することができる。また、ウォータオンウォータシステムは、典型的に、平均でウォータオンエアシステムの少なくとも2倍の分注時の改善された送達圧力を提供することもできる。また、改善された送達圧力は、貯蔵容器へ、又は貯蔵容器からの水の流量を増加することができるため、ウォータオンエアシステムと比較して、増加した生成を提供することもできる。広くは、また、ウォータオンウォータシステムは、それらが、生成される濾過水の単位ごとにより少ない廃水(排水する水)を生成するため、改善された効率も有する。ウォータオンウォータシステムは、圧縮空気源を必要とせず、したがって、より小さな寸法及び空間要件を有することができる。ウォータオンウォータシステムのこれら及び他の利点により、ウォータオンウォータシステムは、本明細書に開示される発明の原理の実装に有利な産業上の利用分野となる。例示的なツイン容器ウォータオンウォータ濾過システムは、例えば、米国特許出願第2009/0200238(Astleら)に開示されている。
【0008】
他の幾つかのタイプの濾過システムは、エアオンウォータシステムと同じ欠点の幾つかを有する。例えば、タンクのない濾過システムは、比較的大量の濾過水を生成する能力を有する、大きな濾過部材を利用する。大きな濾過部材は、高価であり、大きな空間を必要とする可能性がある。また、濾過水の生成を最大化するために、濾過部材にわたる圧力低下は増加されなければならず、結果として、タンクのないウォータオンウォータシステムの送達側に、低出力圧力をもたらす。
【0009】
高精度計量システムと組み合わせで逆浸透フィルタを有することができるウォータオンウォータ濾過システムを使用して、均一な品質と味を有する濾過飲料水を生成することができる。高精度計量装置を含む提供されたウォータオンウォータ濾過システムは、源水を濾過し、次に極めて微量で存在できる成分を戻して、源水に関係なく均一な生成物を生成することができる。
【0010】
一態様では、少なくとも1つの水濾過部材と、水濾過部材と流体的に連通し、サービス状態と充填状態とに切り替わるように構成された、第1のウォータオンウォータ容器と、水濾過部材と流体的に連通し、サービス状態と充填状態とに切り替わるように構成された、第2のウォータオンウォータ容器と、を備え、第1のウォータオンウォータ容器、第2のウォータオンウォータ容器、又はこれらの両方が装置を有し、該装置は、一定の容積を有しかつ少なくとも1つの外壁を有する第1のチャンバ、及び一定の容積を有しかつ少なくとも1つの外壁を有する第2のチャンバと、第1のチャンバ内に配置された第1のピストンであって、第1のピストンの縁が、第1のチャンバの外壁と摺動可能に接触して、第1のチャンバを混合部分と駆動部分に分割する封止部を形成する、第1のピストンと、第2のチャンバ内に配置された第2のピストンであって、第2のピストンの縁が、第2のチャンバの外壁と摺動可能に接触して、第2のチャンバ内に濃縮部分を画定する封止部を形成する、第2のピストンと、を有し、第1のピストンが前記第1のチャンバ内で変位されるときは第2のピストンが第2のチャンバ内で変位されるように、第1のピストンと第2のピストンが互いに機械的に連絡しており、充填状態のときに、第2のチャンバの濃縮部分が、第1のチャンバの前記混合部分と流体的に連通する、濾過システムが提供される。
【0011】
別の態様では、水濾過システムにより濾過水を供給する方法であって、水濾過システムが、少なくとも1つの濾過部材、第1及び第2のウォータオンウォータ貯蔵容器、少なくとも1つの濃縮物供給源、並びに制御システムを有し、第1及び第2の貯蔵容器がそれぞれ、貯蔵容器が濾過水で充填された充填状態と、濾過水が貯蔵容器から放出されたサービス状態とに切り替わるように構成され、該方法が、濾過部材によって濾過水を供給する工程と、投与装置を使用して、少なくとも1つの濃縮物供給源からの濃縮物を、第1の貯蔵容器に加える工程と、高精度計量装置を使用して、少なくとも1つの濃縮物供給源からの濃縮物を、第2の貯蔵容器に加える工程と、を含み、高精度計量装置が、一定容積を有しかつ少なくとも1つの外壁を有する第1のチャンバ、及び一定の容積を有しかつ少なくとも1つの外壁を有する第2のチャンバと、第1のチャンバ内に配置された第1のピストンであって、第1のピストンの縁が、第1のチャンバの外壁と摺動可能に接触して、第1のチャンバを混合部分と駆動部分に分割する封止部を構成する、第1のピストンと、第2のチャンバ内に配置された第2のピストンであって、第2のピストンの縁が、第2のチャンバの外壁と摺動可能に接触して、第2のチャンバ内の濃縮部分を画定する封止部を構成する、第2のピストンと、を有し、第1のピストンが第1のチャンバ内で変位されるときは第2のピストンが第2のチャンバ内で変位されるように、第1のピストンと第2のピストンが互いに機械的に連絡しており、第2のチャンバの濃縮部分が、第1のチャンバの混合部分と流体的に連通している、方法が提供される。
【0012】
本開示では、
「軸方向に位置合わせされた」は、対称軸又は平行対称軸を共用する2つ又はそれ以上の部分を指す。
【0013】
「嚢(bladder)」は、変形可能な容器を指す。
【0014】
「管路」は、流体通路を指す。
【0015】
「流体」は、液体又は気体を指す。
【0016】
「流体的に連通」は、2つの装置又は装置の2つの部分が互いの間で流体を直接移送する状況を指す。流体的に連通するシステムには他の流量調整装置が含まれてもよいことを理解されたい。
【0017】
「連結機構」は、動きを伝えるために使用される要素の系を指し、連結機構は、直接的な機械的な連結機構でもよく、例えば電磁弁に対する電気信号など、機械的な動きに後で変換されるエネルギー伝達媒体を介した間接的な連結機構でもよい。
【0018】
「機械的な連絡」は、連結機構を有する2つ又はそれ以上の部分を指す。
【0019】
「比例して」は、所定の一定比率を指すが、予測可能に変化する比率を意味するように解釈されてもよい。
【0020】
「溶媒」は、純粋な溶媒か溶液かに関係なく濃縮物に加える水を含む任意の溶液を指す。
【0021】
一定又はほぼ一定の流量の濾過水を提供する能力は、外食産業などの多くの用途に重要である。提供された濾過システムは、濾過部材(例えば、逆浸透フィルタ)から水を交互に取得する2つの容器を含む。2つの容器を使用することにより、提供された濾過システムは、比較的一定の割合で最大能力で動作することができる。したがって、本明細書に開示される実施例のフィルタ部材の寸法及び関連空間要件を、同一の、又は類似する出力能力を有する他の濾過システムと比較して、大幅に小さくすることができる。更に、一方の容器が充填状態にある容器と他方がサービス状態にある容器とに切り替えての使用が、組み合わされたときでも、類似の出力性能を有する濾過システムより小さい空間要件を有する2つのタンクで機能することができる。したがって、本明細書に開示される特徴を実装する際、所与の出力能力の濾過システムの全体寸法及び関連空間要件を、同程度の単一の貯蔵容器濾過システムより小さくすることができる。二重貯蔵容器ウォータオンウォータシステムの使用の更なる効果は、濾過部材にわたる水のほぼ一定の流量、及び濾過部材にわたる比較的高い圧力差による、システム内の総溶解固形分(TDS)クリープの減少である。
【0022】
提供された装置及び方法は、機械的連結機構を使用することにより、少量の濃縮物を正確に計量することができ、また必要とされる溶液の量に関係なく常に正確な量の希釈液を提供することができる。提供された装置及び方法は、例えば、触媒を化学反応物に加え、酸化防止剤、熱光安定剤、色素溶液又は他の液体添加物を製品混合物に加えるのに有用なことがある。更に、提供された装置及び方法は、飲料水に正確な量の添加物を注入するのに役立つことがある。
【0023】
上記の要約は、本発明の全ての実施の開示された各実施形態を記述することを意図したものではない。図面の簡単な説明及び後に続く発明を実施するための形態は、説明に役立つ実施形態をより詳しく例示する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】提供された高精度計量装置を有する濾過システムの一実施形態の概略図。
【図2】提供された高精度計量装置の異なる実施形態を含む濾過システムの実施形態の概略図。
【図3】2つの濃縮物供給源を含む提供された高精度計量装置の更に別の実施形態の概略図。
【図4A】第1の容器が充填状態で第2の容器がサービス状態にある、提供された濾過システムの一実施形態の概略図。
【図4B】第1の容器がサービス状態であり第2の容器がサービス状態にあること以外、図4Aに示されたのと同じ実施形態の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の説明において、本明細書の説明の一部を構成しいくつかの特定の実施形態が例として示される添付の一連の図面を参照する。本発明の範囲又は趣旨を逸脱せずに、その他の実施形態が考えられ、実施され得ることを理解すべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定する意味で理解すべきではない。
【0026】
他に指示がない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される特徴サイズ、量、物理特性を表わす数字は全て、どの場合においても用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて、目標対象とする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。終点による数の範囲の使用は、その範囲内(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)の全ての数及びその範囲内の任意の範囲を含む。
【0027】
高精度計量装置を含む、濾過水を供給する濾過システム及び方法が提供される。提供された濾過システム及び方法は、この開示の後の方で検討される。有効な高精度計量装置は、後述され、例えば2009年12月29日に出願された本出願人の同時係属出願米国仮出願第61/290,699号にも開示されている。提供された装置の一実施形態を図1に示す。装置100は、第1のチャンバ110、第2のチャンバ120、第1のピストン112、第2のピストン122、連結機構130及び濃縮物管路140を含む。提供された装置では、第1のチャンバは、典型的には、第2のチャンバの一定の容積より大きい一定の容積を有する。第1のチャンバ110は、2つの部分、即ち混合部分114(第1のピストン112より上の容積)と駆動部分116(第1のピストン112より下の容積)に分割される。混合部分114と駆動部分116の容積は、第1のチャンバ110内の第1のピストン112の位置の関数として変化する。例えば、第1のピストン112が完全に拡張されたとき(図1に見えるようなその最上位置)、混合部分114の容積は最小であり、その結果、駆動部分116の容積は最大になる。第2のピストン122は、濃縮部分126を画定する。
【0028】
第1のチャンバは、第2のチャンバと軸方向に位置合わせされてもよい。例えば、第1のチャンバは、共通軸によって第2のチャンバと直接位置合わせされてもよい。あるいは、第2のチャンバは、第1の軸と平行な別個の軸上に位置合わせされてもよい。あるいは、第2のチャンバは、第1のチャンバが位置合わせされた軸に対して斜めの軸を有してもよい。例えば、ねじ歯車を使用して、第2のチャンバが第1のチャンバに対して実質的に直角になるようにすることができる。適切な結合によって他の角度に対応することもできる。
【0029】
第1のチャンバ又は第2のチャンバは、必ずしも回転対称でなくてもよい。例えば、第1のピストンと第2のピストンとの間の連結機構が、一方か他方のピストンの中心からずらされてもよい。
【0030】
連結機構130は、第1のピストン112と第2のピストン122との間の機械運動の伝達を可能にする任意のシステムでよい。図1では、連結機構は、130によって表わされ、一般化された連結機構要素である。連結機構130は、例えば、機械的に接続されたか又は幾つかの実施形態では第1のピストン112と第2のピストン122を各端に有するロッド要素である固体ロッドでよい。したがって、一実施形態では、第1のピストン112、連結機構130(ロッド要素)、及び第2のピストン122は全て1つの部品である。他の実施形態では、連結機構130は、例えば、接続ロッド、放射状連結機構、軸方向連結機構、シフト連結機構、クラッチ連結機構、回転連結機構、蠕動連結機構、ばね若しくはばねシステム、歯車若しくは歯車システム、液圧システム、線形若しくは非線形モータを含むシステムのような電気システム、テレスコープ式システム、又は第1のピストン112から第2のピストン122に機械的運動を比例して伝達することができる他のシステムでよい。
【0031】
第1のチャンバ110と第2のチャンバ120は、流体を収容することができる任意の容積要素の形状でよい。例えば、第1のチャンバ110、第2のチャンバ120、又はこれらの両方は、円筒状でよい。しかしながら、第1のチャンバ110と第2のチャンバ120の容積要素の他の形状も意図される。例えば、第1のチャンバ110、第2のチャンバ120、又はこれらの両方は、形状が、三角形から多角形までの任意のタイプの多辺形の断面を有する菱形でもよい。第1のピストン112は、第1のピストン112の縁が、第1のチャンバ110の外壁全体と接触し第1のチャンバ110を前述の2つの部分に分割する封止部を構成するように第1のチャンバ110内に配置される。同様に、第2のピストン122は、第2のピストン122の縁が、第2のチャンバ120の外壁全体と接触し濃縮部分を画定する封止部を構成するように、第2のチャンバ120内に配置される。両方のチャンバ内で、封止部は、流体がチャンバの一方の部分からチャンバの他方の部分に実質的に横切るのを防ぐものである。第1のチャンバは、第1のチャンバに通じることができる複数の開口を有することができ、第2のチャンバは、第2のチャンバに通じることができる複数の開口を有することができる。これらの開口は、典型的には、管路に接続される。
【0032】
実施された装置では、第2のチャンバ120の濃縮部分126が、第1のチャンバ110の混合部分114と流体的に連通している。図1では、流体的な連通は、濃縮物管路140を通る。濃縮物管路140は、管、パイプ、チャネル、ホース、通路、ダクト、トンネル、トラフ、又は流体が第2のチャンバ120の濃縮部分126から第1のチャンバ110の混合部分114に流れ込むことを可能にする部品の任意の組み合わせであってよい。濃縮物管路140は、フィルタ、メータ、絞り弁、圧力変換器、一方向逆止弁、又は第2のチャンバ120から第1のチャンバ110への流体の流れの速度、圧力及び方向を修正することができる他の品目などの他の品目を含んでもよい。任意選択の一方向逆止弁は、図1に単に例示のために示された。一方向逆止弁144は、第2のピストン122の拡張によって濃縮部分120から押されて出された後の濃縮物の逆流を防ぐ。一方向逆止弁142は、第1のピストン112の拡張中の濃縮物の逆流を防ぐ。第2のチャンバ120の濃縮部分126は、一方向逆止弁164を含む濃縮物供給源管路162を介して濃縮物供給源160と流体的に連通する。
【0033】
濾過水や非濾過水などの溶媒に濃縮物を加える方法は、やはり図1を参照することにより最もよく説明することができる。図1は、垂直向きに示されているが、これは、限定されるものではなく、提供された方法を検討するためのみ本明細書で使用される。溶媒管路152によって第1のチャンバ110の混合部分114と流体的に連通する溶媒供給源150が提供される。同様に、濃縮物管路162によって第2のチャンバ120の濃縮部分126と流体的に連通する濃縮物供給源160が提供される。濃縮物供給源160は、濃縮物を有する容器でよい。容器は、例えば、タンク、瓶、箱、又は嚢(bladder)でよい。図1の示された実施形態では、一方向逆止弁154が、溶媒の逆流を防ぐために溶媒管路152内に提供され、一方向逆止弁164が、濃縮物の逆流を防ぐために濃縮物管路162内に提供される。
【0034】
第1のピストン112は、第1のチャンバ110の混合部分114の容積を増大させるように付勢される(図1では下向き)。第1のピストン112のこの運動によって、溶媒供給源150から管路152と一方向逆止弁154を介して混合部分114に溶媒が送り込まれる。同時に、第2のピストン122は、第1のピストン112の動きに比例して動き、第2のチャンバ120の濃縮部分126内の容積を減少させて、濃縮物を、一方向逆止弁144を介して濃縮物管路140内と、一方向逆止弁142を介して第1のチャンバ110の混合部分114に送り込む。これにより、計量された量の濃縮物と溶媒が、同時に混合部分114を満たし、混合部分114は、その容積に関係なく同じ濃度の濃縮物と溶媒を含む。混合は、固定状態で行われてもよく、混合部分114と共に存在してかつ連通し得る、付加的な混合要素によって行われてもよい。この第1のピストン112の付勢中、図1の示された実施形態では、一方向逆止弁142、144及び154が、矢印で示された方向の流れを許容する開位置にあり、一方向逆止弁156及び164が、矢印で示された方向の流れを妨げる閉位置にある。
【0035】
混合部分114が、その最大容積(第1のピストン112の行程の長さによって決定された任意の容積でよい)に達した後で、一方向逆止弁142、144及び154が閉じられ、一方向逆止弁156及び164が開かれる。一方向逆止弁は、単に流れ方向に応じて状態を受動的に変化させてもよく、外部制御システムによって液圧式又は電子式に操作されてもよい。次に、第1のピストン112が、混合部分114の容積を減少させるように付勢される(図1では上向き)。この動きによって、溶媒と濃縮物の混合物が、一方向逆止弁156を介して、及び溶媒/濃縮物混合物管路158を介して、最終用途又は貯蔵容器(図示せず)に送り込まれる。同時に、これと比例して第2のピストン122が動かされ、第2のチャンバ120の濃縮部分126の容積が増大する。この動きにより、濃縮物供給源160からの濃縮物が、濃縮物管路162と一方向逆止弁164を通り、濃縮物が濃縮部分126内に補充されることが可能になる。
【0036】
一方向逆止弁176を備えた任意選択の流体入力管路172と、一方向逆止弁178を備えた流体出力管路174は、図1の一部として示される。入力管路172は、第1のチャンバ110の駆動部分116に流体を導入する経路を提供する。有用な流体には、液体又は気体が挙げられる。流体は、第1のピストン112の液圧上昇をもたらすことができる。流体は、任意の実質的に非圧縮液体でよく、ポンプによって駆動部分116内に送り込まれてもよい。第1のピストン112が、反対方向に付勢されたとき、流体は、駆動部分116から出力管路174を通って出て、例えばリザーバに戻されてもよい。
【0037】
図2は、提供された濾過システムに役立つ高精度計量装置の一実施形態の説明図である。装置200は、第1のチャンバ210、第2のチャンバ220、第1のピストン212、第2のピストン222、及び濃縮物管路240を含む。第1のチャンバ210は、2つの部分、即ち混合部分214(第1のピストン212より上の容積)と駆動部分216(第1のピストン212より下の容積)に分割される。混合部分214と駆動部分216の容積は、図1に示された実施形態において前述したのと同じように、第1のチャンバ210内の第1のピストン212の位置の関数として変化する。図2に示された実施形態では、第1のピストン212と第2のピストン222は、それらの間の連結機構として固体ロッドを有する。第1のピストン212と第2のピストン222は、実際には一体である。第1のピストン212と第2のピストン222は、その結果、第1のピストン212が、混合部分214の容積を増大させるように付勢されたときは、第2のピストン222が、共通軸に沿って同じ距離だけ動き、濃縮部分226内の容積を減少させるように軸方向に位置合わせされる。
【0038】
また、図2は、溶媒管路252(一方向逆止弁254を含む)を介して第1のチャンバ210の混合部分214と流体的に連通する溶媒供給源(典型的には水又は濾過水)250と、管路262(一方向逆止弁264を含む)を介して第2のチャンバ220の濃縮部分226と流体的に連通する濃縮物供給源260と、溶媒/濃縮物混合物管路258(一方向逆止弁256を含む)と、濃縮物管路240を通る濃縮物の流量を制御する一方向逆止弁242及び244と、一方向逆止弁276を備えた任意選択の流体入力管路272と、一方向逆止弁278を備えた流体出力管路274と、を示す。
【0039】
図3は、提供された装置の別の実施形態を示す。図3は、第1のチャンバ310、第2のチャンバ320A、及び第3のチャンバ320Bを含む装置300を示す。溶媒供給源350は、溶媒管路352と一方向逆止弁354介して第1のチャンバ310の混合部分314と流体的に連通する。第1の濃縮物供給源360Aは、濃縮物管路362Aと一方向逆止弁364Aを介して第2のチャンバ320Aの濃縮部分316Aと流体的に連通し、第2の濃縮物供給源360Bは、濃縮物管路362Bと逆止弁364Bを介して第3のチャンバ320Bの濃度部分316Bと流体的に連通する。更に、濃縮部分316Aは、一方向逆止弁342A及び344Aを含む流体管路340Aによって第1のチャンバ310の混合部分314と流体的に連通し、濃縮部分316Bは、一方向逆止弁342B及び344Bを含む流体管路340Bを介して第1のチャンバ310の混合部分314と流体的に連通する。第1のピストン312は、第1のチャンバ310を混合部分314と駆動部分318に分離する。駆動部分318は、一方向逆止弁376を有する流体入力管路372及び一方向逆止弁378を有する流体出力管路374と流体的に連通する。第1のピストン312は、第2のピストン322Aと第3のピストン322B両方と機械的に連絡する。第2のチャンバ320Aは、第3のチャンバ320Bとサイズ、容積及び形状が異なってもよい。同様に、第2のピストン322Aは、第3のピストン322Bとサイズと形状が異なってもよい。また、第1のチャンバ310の混合部分314は、溶媒/混合物管路358(一方向逆止弁356を含む)と流体的に連通する。図3に示されていないが、第2のピストンと第3のピストンはそれぞれ個別に、第1のピストン312と異なるタイプの連結機構を有してもよい。
【0040】
高精度計量装置をそれぞれ有する二重容器を備えたウォータオンウォータ濾過システムが提供される。提供された濾過システムは、水供給のためにポテンシャルエネルギーをフィード圧の形で利用する。典型的な水濾過システムは、圧縮空気を利用する。提供された濾過システムは、2つの代替容器を含んでもよい。容器の一方は、充填モード(充填状態とも呼ばれる)でもよく、他の容器は、供給モード(サービス状態とも呼ばれる)でもよい。このタイプの代替容器システムは、添加物を作成し濾過水に混合し同時にシステムが製品を小出しする能力を提供することができる。
【0041】
提供された濾過システムは、少なくとも1つの水濾過部材を含む。提供された濾過システムは、任意の数の様々な濾過部材及び濾過技術を利用することができる。一実施形態では、提供された濾過システムは、直列又は並列に配列され、ウォータオンウォータ容器と流体的に連通して接続された2つ又はそれ以上の濾過部材を含んでもよい。提供されたシステムに役立つ幾つかの例示的な濾過技術には、逆浸透システム、ナノ濾過システム、限外濾過システム、及び水から不純物を除去するのに役立つ他の濾過システムが挙げられる。
【0042】
高精度計量装置は、各容器の第1のチャンバの混合部分に正確な量の濃縮物を加えるために使用される。濾過システムは、1つ又はそれ以上の濃縮物供給源からの濃縮物を利用することができる。濃縮物供給源は、各容器の第1のチャンバが充填状態のときにその第1のチャンバの混合部分内の水に加えられる種々の添加物の予混合溶液を収容する流体容器である。容器は、例えば、タンク、大樽、容器などの一定の容積の容器でよい。あるいは、容器には、嚢又はバッグが挙げられる。典型的には、濃縮物供給源は、例えば、酸化防止剤、熱光安定剤、化学線吸収材、染料、及び分散質の顔料ペースト、触媒、薬剤、補助剤、塩類、補助溶媒、香料、ビタミン、ミネラル、消毒剤、消臭剤、防汚剤、及び清かん剤を収容することができる。飲用水製品を配合するために純水に加えることができる例示的な鉱物と塩類には、塩化カルシウムなどのカルシウム塩、硫酸マグネシウムなどのマグネシウム塩、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウムが挙げられる。
【0043】
提供された濾過システムとそのような装置を使用して溶媒に濃縮物を加える方法の一実施形態を図4Aと図4Bに示す。図4Aと図4Bはそれぞれ、2つのウォータオンウォータ容器400A及び400Bを含む。図4Aでは、容器400Aは、充填状態であり、従容器400Bは、サービス状態である。図4Bでは、主容器400Aは、サービス状態にあり、従容器400Bは、充填状態である。図4Aと図4Bは両方とも、濾過システムの同じ実施形態を示すが、システムの2つの異なる状態の説明図である。
【0044】
図4Aと図4Bに示された実施形態では、第1のピストン412Aに磁石490が埋め込まれる。2つのリードセンサ491及び492が、磁石490がその近くにあることを検出できるようにチャンバ410Aに組み込まれる(例えば、磁石490がセンサ491によって検出されたとき、第1のピストン412Aが、図示されたように最上位置にあり、磁石490がリードセンサ492によって検出されたとき、第1のピストン412Aは、図示されたように最下位置にある)。図4Aでは、主容器400Aがそのサービス状態の終わりに達し、センサ491が磁石490を検出し、信号を制御システムに送って、電磁弁485、486、487及び488の位置を変化させ、主容器400Aが充填状態のときに濾過システムを連続出力するための状態にする。図4Bに示されたように、主容器400Aが充填状態の終わりに達したとき、リードセンサ492が、磁石490を検出し、制御システムに信号を送って電磁弁485,486,487及び488を切り替え、主容器400Aがそのサービス状態にあるときに濾過システムを連続出力する状態にする。リードセンサと磁石の他の構成が可能である。例えば、第1のピストン412Aの上面に磁石が埋め込まれてもよく、1つのリードセンサをチャンバの最上部に配置して第1のピストン412Aが第1のチャンバの最上部にあることを示してもよい。また、第2のピストン422Aの最下部に磁石が埋め込まれ、チャンバ426Aの最下部にリードセンサがあってもよい。したがって、磁石とリードのセンサを主容器400Aの様々な場所に配置することができる。センサが主容器にしか必要ないので、主容器と従容器を使用することによりシステムに必要な制御機構が単純化される。
【0045】
図4Aを見ることによって、濾過システムの動作と濃縮物の添加方法を説明することができる。水源450は、水源管路451を介して水濾過部材480と流体的に連通する。示された実施形態では、480は、逆浸透フィルタ部材である。逆浸透濾過及びフィルタシステムは、水濾過の当業者に周知である。濾過部材480は、水を逆浸透フィルタ483によって濾過水482と廃水481に分離する。濾過水482は、電磁弁485内を矢印の方向に流れ、電磁弁485は、充填状態にある容器にいつでも濾過水を供給できるように弁位置を調整する制御システム(図示せず)により濾過水を主容器400A又は従容器400Bに分流する。図4Aでは、主容器400Aが充填状態であり、したがって、濾過水は、濾過水管路486Aを通って主容器400Aに分流され、電磁弁485は、濾過水管路486Bによる従容器400Bへの流れを遮断する。制御システムは、電磁弁485及び486を制御して、第1と第2の容器のうち一方だけがいつでもサービス状態にあるようにする。
【0046】
電磁弁486は、電磁弁485と同期して動作して、その結果、電磁弁485が、濾過水を主容器400Aに分流するときに、電磁弁486が、廃水を、廃水管路472Bと従容器400Bの駆動部分416Bとに分流する。また、電磁弁486は、廃水が廃水管路472Aを通って主容器400Aに流れ込むのを防ぐ。廃水が廃水管路472Bを通って従容器400Bの第1のチャンバ410Bの駆動部分416Bに流れ込む力は、示されたような図でピストン412Bを上向きに付勢する力の一部又は全てでよい。主容器400Aが充填状態なので、第1のピストン412Aは、第1のチャンバ410Aの混合部分416Aの容積を増大させるように付勢される。図示されたように、これは、下方向である。第1のピストン412Aが下方に付勢されたとき、第2のピストン426Aが下方に付勢され、第2のチャンバ426A内の濃縮物がチャンバから濃縮物管路440Aに押し込まれる。一方向逆止弁464Aは、濃縮物供給源460への逆流を遮断し、放出された濃縮物を、管路440Aと一方向逆止弁442Aを介して第1のチャンバ410Aの混合部分414Aに流す。
【0047】
同時に、第1のピストン412Aが下方に付勢されたとき、濾過水は、濾過水管路486Aを通って第1のチャンバ410Aの混合部分414Aに流れる。第1のピストン412Aが下方に付勢されたとき、水は、やはり一方向逆止弁476Aと、排出管路474Aを介して水をドレイン375に導く電磁弁388とを介して駆動部分416Aから押し出される。
【0048】
同時に、濃縮物は、従容器400Bが充填状態にある間に混合チャンバ414B内の水と混合されるか希釈されている。このとき、従容器400Bは、サービス状態に切り替えられる。従容器400Bのサービス状態の間、廃水は、廃水管路472Bに通され、第1のピストン412Bを上向き方向(図示されたような)に付勢する。同時に、一方向逆止弁476Bと電磁弁388は、廃水が排出管路474Bを介してドレイン375に流れるのを防ぐ。廃水が第1のチャンバ410Bの駆動部分416Bに入る力によって、第1のピストン412Bが上方に付勢され、濃縮物と水の混合物が、一方向逆止弁456Bを介して生成物管路458に送られる。主容器400A内への逆流は、一方向逆止弁456Aとソレノイド387によって防止される。第1のピストン412Bが上方に付勢され、生成物が送出されるとき、第2のチャンバ426Bは、濃縮物供給源460からの一方向逆止弁464Bを介した濃縮物で充填される。あるいは、ピストンを駆動するために外部モータを使用することができる。
【0049】
図4Bは、主容器400Aと従容器400Bの充填状態とサービス状態が逆にされた以外は、図4Aに示されたものと同じ実施形態を示す。図示された2つのタンクシステムを利用することによって、濃縮物と水を正確に混合して、生成物管路458を通る生成物の連続的な流れを維持することができる。
【0050】
望ましい添加物の希釈比と濃度により、混合チャンバ414A及び414Bと流体的に連通する混合要素が有利なことがある。混合要素には、空気攪拌、ピストンの上又は第1のチャンバの上のバッフル、超音波、又は当業者に周知の他の混合要素が挙げられる。
【0051】
提供された濾過システムは、複数の弁部材を制御するように構成された制御システムを含む。提供され濾過システムには、多数のタイプの弁部材があってもよい。例えば、システムは、図4Aと図4Bに示されたような電磁弁を利用して、この制御弁は、制御システムによって制御され、第1と第2の容器の一方が最小容積(通常は実質的に空)であるときにサービス状態と充填状態を自動的に切り換えるように構成されてもよい。更に、濾過システムは、他の弁を含むことができ、その幾つかは、受動的で制御を必要としない。このタイプの弁の一例は、能動的(制御システムによって制御される)でもよく受動的(一方向の流れだけが可能)でもよい一方向逆止弁である。
【0052】
更に、3つ以上の容器と2つ以上の水濾過部材を有する濾過システムが、この開示の一部として想起される。濾過システムは、また、水源管路及び成物管路と流体的に連通しかつ水濾過部材及び第1と第2のウォータオンウォータ容器を迂回するように構成されたバイパス管路を含んでもよい。
【0053】
提供された濾過システムと水に濃縮物を加える方法を使用して、例えば、瓶詰めされ、食料品店又はレストランで分配され、自動販売機で販売され、水濾過/配合装置として家庭又はオフィスに取り付けられることができる均一な水製品を配合することができる。装置のサイズと容器の容積は限定されないが、提供された濾過システム及び方法を小さな特注用途に使用することができる。例えば、容器が、約200mL〜10Lの場合、濾過システムは、濾過システムは小さく携帯可能であり得る。
【0054】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する「特許請求の範囲」によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。本開示に引用された全ての参照文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過システムであって、
少なくとも1つの水濾過部材と、
前記水濾過部材と流体的に連通し、サービス状態と充填状態とに切り替わるように構成された、第1のウォータオンウォータ容器と、
前記水濾過部材と流体的に連通し、サービス状態と充填状態とに切り替わるように構成された、第2のウォータオンウォータ容器と、を備え、
前記第1のウォータオンウォータ容器、前記第2のウォータオンウォータ容器、又はこれらの両方が装置を有し、該装置は、
一定の容積を有しかつ少なくとも1つの外壁を有する第1のチャンバ、及び一定の容積を有しかつ少なくとも1つの外壁を有する第2のチャンバと、
前記第1のチャンバ内に配置された第1のピストンであって、前記第1のピストンの縁が、前記第1のチャンバの外壁と摺動可能に接触して、前記第1のチャンバを混合部分と駆動部分に分割する封止部を形成する、第1のピストンと、
前記第2のチャンバ内に配置された第2のピストンであって、前記第2のピストンの縁が、前記第2のチャンバの外壁と摺動可能に接触して、前記第2のチャンバ内に濃縮部分を画定する封止部を形成する、第2のピストンと、を有し、
前記第1のピストンが前記第1のチャンバ内で変位されるときは前記第2のピストンが前記第2のチャンバ内で変位されるように、前記第1のピストンと前記第2のピストンが互いに機械的に連絡しており、
前記充填状態のときに、前記第2のチャンバの前記濃縮部分が、前記第1のチャンバの前記混合部分と流体的に連通する、濾過システム。
【請求項2】
前記水濾過部材が、逆浸透フィルタを含む、請求項1に記載の濾過システム。
【請求項3】
前記濾過システムが、更に、前記水濾過部材と流体的に連通する水源と、前記水濾過部材並びに前記第1及び第2のウォータオンウォータ容器と流体的に連通する廃水管路と、前記第1及び第2のウォータオンウォータ容器と流体的に連通する生成物管路と、を有する、請求項1に記載の濾過システム。
【請求項4】
前記濾過システムが、更に、前記水源の管路及び前記生成物管路と流体的に連通し、前記水濾過部材並びに前記第1及び第2のウォータオンウォータ容器を回避するように構成されたバイパス管路を有する、請求項3に記載の濾過システム。
【請求項5】
複数の弁部材を更に有し、前記弁部材が、少なくとも2つの電磁弁と少なくとも1つの一方向逆止弁とを有する、請求項1に記載の濾過システム。
【請求項6】
制御システムを更に有し、前記制御システムが、前記第1及び第2の容器の一方だけがいつでもサービス状態にあるように少なくとも2つの電磁弁を制御する、請求項1に記載の濾過システム。
【請求項7】
制御システムを更に有し、前記制御システムが、前記第1及び第2の容器の一方が空状態にあるときに前記第1及び第2の容器をサービス状態と充填状態とに自動的に切り替えるように、少なくとも2つの弁部材を制御する、請求項1に記載の濾過システム。
【請求項8】
前記第2のチャンバの濃縮部分が、1つ又はそれ以上の濃縮物供給源と流体的に連通する、請求項1に記載の濾過システム。
【請求項9】
制御システムを更に含み、前記制御システムが、1つの容器だけに1組のセンサを有する、請求項1に記載の濾過システム。
【請求項10】
1つ又はそれ以上の濃縮物供給源が、嚢内に収容された、請求項9に記載の濾過システム。
【請求項11】
前記水濾過部材が、逆浸透フィルタを有し、前記濃縮物供給源が、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム及び塩化ナトリウムからなる群から選択された少なくとも1つの塩を含む、請求項1に記載の濾過システム。
【請求項12】
請求項1に記載の濾過システムを含む、給水システム。
【請求項13】
水濾過システムにより濾過水を供給する方法であって、前記水濾過システムが、少なくとも1つの濾過部材、第1及び第2のウォータオンウォータ貯蔵容器、少なくとも1つの濃縮物供給源、並びに制御システムを有し、前記第1及び第2の貯蔵容器がそれぞれ、前記貯蔵容器が濾過水で充填された充填状態と、濾過水が前記貯蔵容器から放出されたサービス状態とに切り替わるように構成され、前記方法が、
前記濾過部材によって濾過水を供給する工程と、
投与装置を使用して、少なくとも1つの濃縮物供給源からの濃縮物を、前記第1の貯蔵容器に加える工程と、
高精度計量装置を使用して、少なくとも1つの濃縮物供給源からの濃縮物を、前記第2の貯蔵容器に加える工程と、を含み、
前記高精度計量装置が、
一定容積を有しかつ少なくとも1つの外壁を有する第1のチャンバ、及び一定の容積を有しかつ少なくとも1つの外壁を有する第2のチャンバと、
前記第1のチャンバ内に配置された第1のピストンであって、前記第1のピストンの縁が、前記第1のチャンバの前記外壁と摺動可能に接触して、前記第1のチャンバを混合部分と駆動部分に分割する封止部を構成する、第1のピストンと、
前記第2のチャンバ内に配置された第2のピストンであって、前記第2のピストンの縁が、前記第2のチャンバの前記外壁と摺動可能に接触して、前記第2のチャンバ内の濃縮部分を画定する封止部を構成する、第2のピストンと、を有し、
前記第1のピストンが前記第1のチャンバ内で変位されるときは前記第2のピストンが前記第2のチャンバ内で変位されるように、前記第1のピストンと前記第2のピストンが互いに機械的に連絡しており、
前記第2のチャンバの前記濃縮部分が、前記第1のチャンバの前記混合部分と流体的に連通している、方法。
【請求項14】
複数の弁を制御システムによって制御して、前記第1の貯蔵容器を充填状態に設定し、前記第2の貯蔵容器をサービス状態に設定する工程を更に含む、請求項13に記載の水濾システムにより濾過水を供給する方法。
【請求項15】
前記複数の弁を前記制御システムによって制御して、前記第1の貯蔵容器をサービス状態に設定し、前記第2の貯蔵容器を充填状態に設定する工程を更に含む、請求項14に記載の水濾過システムにより濾過水を供給する方法。
【請求項16】
前記システムが、更に、水濾過部材と流体的に連通する水源と、前記濾過部材並びに前記第1及び第2のウォータオンウォータ容器と流体的に連通する廃水管路と、前記第1及び第2のウォータオンウォータ容器と流体的に連通する生成物管路と、を有する、請求項13に記載の水濾過システムにより濾過水を供給する方法。
【請求項17】
前記システムが、更に、前記水源の管路及び前記生成物管路と流体的に連通し、前記濾過部材並びに前記第1及び第2のウォータオンウォータ容器を回避するように構成されたバイパス管路を有する、請求項13に記載の水濾過システムにより濾過水を供給する方法。
【請求項18】
前記弁部材が、少なくとも2つの電磁弁と、少なくとも1つの一方向逆止弁と、を有する、請求項14に記載の水濾過システムにより濾過水を供給する方法。
【請求項19】
前記制御システムが、前記第1及び第2の容器の一方だけがいつでもサービス状態であるように、少なくとも2つの電磁弁を制御する、請求項14に記載の水濾過システムにより濾過水を供給する方法。
【請求項20】
前記制御システムが、前記第1及び第2の容器の一方が空状態にあるときに前記第1及び第2の容器をサービス状態と充填状態とに自動的に切り替えるように、少なくとも2つの弁部材を制御する、請求項14に記載の水濾過システムにより濾過水を供給する方法。
【請求項21】
前記第2のチャンバの濃縮部分が、1つ又はそれ以上の濃縮物供給源と流体的に連通する、請求項13に記載の水濾過システムにより濾過水を供給する方法。
【請求項22】
前記1つ又はそれ以上の濃縮物供給源が、嚢内に収容された、請求項21に記載の水濾過システムにより濾過水を供給する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2013−515608(P2013−515608A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547136(P2012−547136)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/061482
【国際公開番号】WO2011/082021
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】