説明

高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置及び方法

高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置は、高純度シリコンを蒸着させるチャンバと、少なくとも1つの誘導結合プラズマトーチとをそなえ、チャンバは、その上端を実質的に形成する上部と、上端と下端とを有する1つ又はそれ以上の側部であって、上部が1つ又はそれ以上の側部の上端を実質的に密封的に接合する側部と、チャンバの下端を実質的に形成し、1つ又はそれ以上の側部の下端を実質的に密封的に接合する基部とを含み、少なくとも1つの誘導結合プラズマトーチは、チャンバの上部に配置され、実質的に垂直な位置に向けられて上部から基部に向かう下向きのプラズマフレームを生成し、プラズマフレームが、1つ又はそれ以上の反応剤を反応させて高純度シリコンを生成するための反応区画を形成する。さらに、溶融シリコンを収集する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、2006年4月14日出願の米国特許仮出願第60/791,883号及び2006年6月22日出願の米国特許仮出願第60/815,575号の恩典をその両方が主張する2007年4月13日出願の米国特許出願第11/786,969号と2007年4月13日出願の米国特許出願第11/783,969号の両方の一部継続出願である2008年4月15日出願の先行の米国特許出願第12/081,337号の一部継続出願である。本出願はまた、2006年7月7日出願の米国特許仮出願第60/818,966号の恩典を主張する2007年12月26日出願の先行の米国特許出願第11/714,223号の一部継続出願である。本出願は、2003年8月1日出願の米国特許出願第10/631,720号の恩典を主張する2006年12月26日出願の先行の米国特許出願第11/644,870号の一部継続出願である。これらの出願の全体は、本明細書において引用により組み込まれている。
【0002】
本発明は、高純度シリコンを製造するための装置及び処理に関する。
【背景技術】
【0003】
石油価格は高騰を続け、他のエネルギ源は制限されたままであり、化石燃料の燃焼の排出物からの地球温暖化への圧力が増大している。二酸化炭素がなく、かつそれを発生しないなどの理由で太陽エネルギのような代替のエネルギ源を見出して使用する必要性が存在する。この目的のために、多くの国は、とりわけ「グリーン」又は「クリーン」なエネルギ源である安全で信頼性のある長期的な電力供給源における投資を増加させている。光起電力セル又は光起電力モジュールとも呼ばれる太陽電池は、長年にわたって開発されてきたが、それにも関わらず、これらのセル又はモジュールを製造するコストがまだ高く、化石燃料によって生成されるエネルギと競合するのを困難にしているので太陽電池の利用は非常に制限されてきた。
【0004】
現在、単結晶シリコン太陽電池が最も良好なエネルギ変換効率を有するが、これは、また、それに伴う高い製造コストも有する。代替的に、多結晶シリコンは、単結晶セルと同様な高い効率は有しないが、かなり廉価に製造される。従って、多結晶シリコンは、低コスト光起電力発電の可能性を有する。単結晶インゴットを製造するための1つの公知の方法は、多結晶シリコンロッドを再加工する浮遊帯法を使用することである。別の公知の方法は、チョクラルスキー法であり、これは、種晶を使用して多結晶シリコンナゲットを充填した溶融るつぼから溶融シリコンを引き出すものである。
【0005】
加えて、ポリシリコンを製造する一部の従来技術は、クロロシランを使用し、これは、抵抗加熱フィラメントによって解離してシリコンを生成し、次に、シリコンがベル−ジャー型反応器の内側に蒸着するものである。トリクロロシランを使用して半導体等級のシリコンを製造し、次に、その後これらのクロロシランを再利用することは公知である。また、様々な原材料を使用してポリシリコンを製造し、その後、これらの未反応化学物質を再処理する多くの試みがあった。それにも関わらず、これらの従来の試みは高い蒸着率は有していない。
【0006】
別の試みは、多結晶シリコンを製造するためにクロロシランを有する高圧プラズマを使用し、その後未反応化学物質を再使用することである。この試みにおいては、蒸着が基板の内壁上に起こり、最終的に基板から分離されることになるシート型シリコンを形成し、従って、付加的な処理段階が必要である。
【0007】
加えて、公知の処理は、(i)多結晶シリコンを製造する段階、(ii)単結晶又は多結晶のあらゆるインゴット又はブロックを製造する段階、(iii)このインゴット又はブロックからウェーハを製造する段階、(iv)かつ次に経費のかかる拡散処理によるp型及びn型ドーピングの段階を含むセルを製造する段階によって太陽電池を製造する段階を伴う。p型及びn型ドーパントは、半導体材料のpn接合を形成する。この段階は、薄膜層が既に蒸着した後に極めて低速の拡散炉において典型的に行われ、従って、太陽電池を有効に製造する全体の処理が更に遅くなる。
【0008】
加えて、従来技術の方法は、プラズマフレームストリームに平行な蒸着表面を有し、従って、収集効率はかなり低い。ガス状の水素化珪素が、高周波プラズマ化学気相蒸着処理を用いて蒸着され、水平シリコンコアロッド上にシリコンを蒸着させる。蒸着装置の向きのために、多くのシリコン生成物が装置から排出される。
【0009】
更に、シリコンを製造する公知の従来技術の方法は、シリコンロッド内に内部歪みを引き起こす。内部応力を低下させるための試みは、基本的なシーメンス処理に従ってベル−ジャー内でシリコンロッドを製造するものであり、この処理段階は、トリクロロシランと水素とを含むガス雰囲気中でシリコンコア材料を加熱してシリコンコア材料上にシリコンを蒸着させ多結晶シリコンロッドを製造する段階、この多結晶シリコンロッドを空気に接触させることなく、シリコンロッドの温度がシリコンの蒸着反応温度より高く、かつ1,030℃又はそれよりも高いように多結晶シリコンロッドを電流印加によって加熱する段階、及び加熱の後にできるだけ急速に印加電流を低下させることによって電流を遮断し、それによってこの多結晶シリコンロッドの内部歪み率の低減を試みる段階である。見られるように、この処理は、複数の追加段階を伴うものである。
【0010】
ハロゲン化珪素プラズマ源から多結晶シリコン金属を製造する別の試みにおいては、ハロゲン化珪素は、誘導結合プラズマ内でシリコンイオンとハライドイオンに分解され、次に、シリコンイオンは、凝縮して溶融シリコン金属を形成し、それを真空鋳造してポリシリコンインゴットにすることができる。更に、負荷ガスは、フッ素及び塩素である。フッ素及びフッ化水素は高度に腐食性であり、従って、それらは、機器を構築するための特別な耐食性材料を要求し、これらの化学物質を取り扱う時は特別な注意を払わなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,253,580号明細書
【特許文献2】米国特許第6,536,240号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述の問題は、本出願に開示される高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置及び方法によって解決され、かつそれによって技術上の進歩が得られる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施形態では、高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置は、高純度シリコンを蒸着させるチャンバであって、チャンバの上端を実質的に形成する上部と、上端と下端とを有する1つ又はそれ以上の側部であって、上部が1つ又はそれ以上の側部の上端を実質的に密封的に接合する側部と、チャンバの下端を実質的に形成し、1つ又はそれ以上の側部の下端を実質的に密封的に接合する基部とを含むチャンバと、上部に配置された少なくとも1つの誘導結合プラズマトーチであって、実質的に垂直な位置に向けられて上部から基部に向かう下向きのプラズマフレームを生成し、プラズマフレームが、高純度シリコンを生成するために1つ又はそれ以上の反応剤を反応させるための反応区画を形成する少なくとも1つの誘導結合プラズマトーチとを含む。
【0014】
1つの態様において、基部は、高純度シリコンを液体又は溶融状態で収容する生成物収集リザーバである。別の実施形態では、高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置は、チャンバ内に補助ガスを注入するために1つ又はそれ以上の側部に配置された1つ又はそれ以上の補助ガス注入ポートを更に含む。好ましくは、高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置は、チャンバから未蒸着固形物及び未反応化学物質のうちの少なくとも一方を回収するために1つ又はそれ以上の側部に配置された1つ又はそれ以上の蒸気/ガス除去ポートを含む。
【0015】
更に別の態様において、高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置は、高純度シリコンを液体又は溶融状態に保つように基部に熱を供給するために基部と熱力学的に連通する加熱器を更に含む。また、少なくとも1つの誘導結合プラズマトーチは、チャンバの基部に対して実質的に垂直である。好ましくは、チャンバは、RFエネルギを遮断してチャンバの外側の環境からチャンバを隔離する材料で製造される。少なくとも1つの誘導結合プラズマトーチは、プラズマフレーム中に亜鉛を注入するための1つ又はそれ以上の亜鉛注入ポートを更に含むことができる。
【0016】
別の実施形態では、高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置は、高純度シリコンを液体又は溶融状態で蒸着させるための上端と下端とを有するチャンバと、高純度シリコンを液体又は溶融状態で収集するためにチャンバの下端に実質的に配置された生成物収集リザーバと、高純度シリコンを液体又は溶融状態に保つように生成物収集リザーバに十分な熱を供給するために生成物収集リザーバと熱力学的に連通する加熱器と、チャンバの上端に実質的に配置された1つ又はそれ以上の誘導結合プラズマトーチであって、実質的に垂直位置に向けられてチャンバの上端から生成物収集リザーバに向う下向き方向を有するプラズマフレームを生成し、プラズマフレームが、高純度シリコンを生成するために1つ又はそれ以上の反応剤を反応させるための反応区画を形成する1つ又はそれ以上の誘導結合プラズマトーチとを含む。
【0017】
1つの態様において、高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置は、チャンバ内に補助ガスを注入するためにチャンバ内に配置された1つ又はそれ以上の補助ガス注入ポートを更に含む。また、1つ又はそれ以上の補助ガス注入ポートは、生成物収集リザーバに向かう下向きの角度で配置される。好ましくは、高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置は、チャンバから未蒸着固形物及び未反応化学物質のうちの少なくとも一方を回収するためにチャンバに配置された1つ又はそれ以上の蒸気/ガス除去ポートを含む。別の態様において、1つ又はそれ以上の蒸気/ガス除去ポートは、生成収集リザーバに向かう下向き角度で配置される。更に別の態様において、1つ又はそれ以上の誘導結合プラズマトーチは、生成物収集リザーバに対して実質的に垂直である。加えて、チャンバは、RFエネルギを遮断してチャンバの外側の環境からチャンバを隔離する材料で製造される。1つ又はそれ以上の誘導結合プラズマトーチは、プラズマフレーム中に亜鉛を注入する1つ又はそれ以上の亜鉛注入ポートを更に含むことができる。
【0018】
更に別の実施形態では、反応チャンバ内の生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法は、生成物収集リザーバを準備する段階と、コイルを含む垂直下向きに位置決めされた少なくとも1つの高周波誘導結合プラズマトーチを準備する段階と、基本的に不活性ガスから構成されるプラズマガスを高周波誘導結合プラズマトーチに導入してコイル内部にプラズマを形成する段階と、高周波誘導結合プラズマトーチ内に反応剤を注入して高純度シリコンを生成する段階と、誘導結合プラズマトーチによって生成した高純度シリコンを生成物収集リザーバに収集する段階とを含む。
【0019】
1つの態様において、生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法は、チャンバ内の部分圧力を調節する段階を更に含む。加えて、生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法は、液体又は溶融状態に高純度シリコンを保つために生成物収集リザーバを加熱する段階を更に含む。別の態様において、生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法は、生成物収集リザーバの温度を制御する段階を更に含む。更に、生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法は、チャンバ内に補助ガスを注入する段階を更に含む。更に別の態様において、生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法は、未蒸着固形物及び未反応化学物質のうちの少なくとも一方をチャンバから除去する段階を更に含む。更に、本方法は、高周波誘導結合プラズマトーチの中に亜鉛の供給を導入する段階を含むことができる。
【0020】
更に別の実施形態では、シリコン結晶を生成する方法は、生成物収集リザーバを準備する段階と、コイルを含む垂直下向きに位置決めされた少なくとも1つの高周波誘導結合プラズマトーチを準備する段階と、基本的に不活性ガスから構成されるプラズマガスを高周波誘導結合プラズマトーチに導入してコイル内部にプラズマを形成する段階と、高周波誘導結合プラズマトーチ内に反応剤を注入して高純度シリコンを生成する段階と、誘導結合プラズマトーチによって生成した液体又は溶融状態の高純度シリコンを生成物収集リザーバ内に収集する段階と、液体又は溶融状態の高純度シリコンをるつぼに移送する段階と、シリコン結晶又はウェーハを生成する段階とを含む。
【0021】
1つの態様において、シリコン結晶を生成する方法は、液体又は溶融状態の高純度シリコンをそれをるつぼに移送する前に生成物収集リザーバに格納する段階を更に含む。別の態様において、シリコン結晶を生成する方法は、液体又は溶融状態の高純度シリコンを導管内で生成物収集リザーバからるつぼに移送する段階を更に含む。また、シリコン結晶を生成する方法は、液体又は溶融状態に高純度シリコンを保つように導管を加熱する段階を更に含む。加えて、本方法は、高周波誘導結合プラズマトーチ内に亜鉛の供給を導入する段階を含むことができる。更に、シリコン結晶は、シリコンウェーハとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態による高純度シリコンを製造するための単一の誘導結合プラズマトーチを含むプラズマ蒸着装置の断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態による高純度シリコンを製造するためのいくつかの誘導結合プラズマトーチを含むプラズマ蒸着装置の断面図である。
【図3】本発明の実施形態による図1及び図2の下向き配置の誘導結合プラズマトーチのうちの1つの断面図である。
【図4】本発明の実施形態による図1及び図2の下向き配置の誘導結合プラズマトーチのうちの1つの断面図である。
【図5】本発明の実施形態による高純度シリコンを製造するためのシステムのブロック図である。
【図6】本発明の実施形態による高純度シリコンを製造するための処理の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照すると、プラズマ蒸着装置100が示されている。プラズマ蒸着装置100は、反応チャンバ102と生成物収集リザーバ104とを含み、それらは、ショルダー又はフランジ106によって密封関係に接合される。反応チャンバ102は、側部108と上部110によって形成され、それらは、好ましくは密封関係に接合される。加えて、生成物収集リザーバ104は、側部112と底部114によって形成され、それらも好ましくは密封関係に形成される。以下に詳述するように、生成物収集リザーバ104は、反応チャンバ102内に生成するシリコンを液体又は溶融形態で収集する。
【0024】
プラズマ蒸着装置100は、好ましくは、反応チャンバ102及び生成物収集リザーバ104内に導入される反応剤又は生成物に化学的に不活性な内面又は壁部116a−116e(集合的に壁部116)を含むことができる。加えて、プラズマ蒸着装置100は、反応チャンバ102及び生成物収集リザーバ104内の反応剤及び生成物を例えば溶融状態のような望ましい温度に保つのに十分な熱を壁部116に供給するように壁部116に部分的又は完全に隣接することができる、加熱要素118a−118e(集合的に加熱要素118)を含むことができる。加えて、プラズマ蒸着装置100は、壁部116及び加熱要素118を包み込むことができる外側シェル120a−120e(集合的に外側シェル120)を含むことができる。
【0025】
一実施形態では、プラズマ蒸着装置100は、図1に示すように壁部116の全てを含むことができる。別の実施形態では、プラズマ蒸着装置100は、壁部116の一部分を含むことができる。一例において、プラズマ蒸着装置100は、壁部116aを含まなくてもよい。例えば、プラズマ蒸着装置100は、反応チャンバ102内の壁部116bの一部のみを含むことができ、全区画を含まなくてもよい。壁部116が個別の材料の区画である時に、それらは、結合されて、プラズマ蒸着装置100の反応チャンバ102及び生成物収集リザーバ104のための連続して密封した壁又は内面を形成することができる。好ましくは、壁部116のうちの1つ又はそれよりも多くは、反応チャンバ102内の反応剤又は生成物に対して化学的に不活性である。一実施形態では、壁部116のうちの1つ又はそれよりも多くは、石英で製造することができ、又は石英で被覆した表面を有することができる。別の実施形態では、壁部116のうちの1つ又はそれよりも多くは、カーボンで製造することができ、又はカーボンで被覆した表面を有することができる。1つの態様において、壁部116b、116c、116d、及び116eは、石英で製造され、又は石英で被覆した表面を有する。1つの態様において、壁部116b、116c、116d、及び116eが、カーボンで製造され、又はカーボンで被覆した表面を有する。加えて、壁部116のいずれかが分離した壁又はパネルである時に、それらを当業技術で公知の溶接又は他の接合方法によって隣接する壁に互いに接合することができる。加えて、それらは、ガラスの漏れ防止接合を含むことができる。
【0026】
別の実施形態では、プラズマ蒸着装置100は、図1に示す加熱要素118の全てを含むことができる。別の実施形態では、プラズマ蒸着装置100は、加熱要素118のうちのいくつか又は一部分を含むことができる。例えば、プラズマ蒸着装置100は、加熱要素118aを含まなくてもよい。別の例において、プラズマ蒸着装置100は、加熱要素118bの一部を含むことができ全区画を含まなくてもよい。更に別の例において、プラズマ蒸着装置100は、加熱要素118dを含まなくてもよい。1つの態様において、加熱要素は、高純度シリコン生成物が溶融又は液体状態で生成物収集リザーバ104内に収集されるのに十分な熱を反応チャンバ102及び生成物リザーバ104に供給する。1つの態様において、加熱要素118は、反応チャンバ102内に約1,000℃の温度を供給する。更に、別の態様において、加熱要素118は、生成物収集リザーバ104内に約1,450℃以上の温度を供給する。
【0027】
更に、プラズマ蒸着装置100は、図1に示す外側シェル120の全てを含むことができる。別の実施形態では、プラズマ蒸着装置100は、外側シェル120のうちのいくつか又は一部分を含むことができる。例えば、プラズマ蒸着装置100は、外側シェル120cを含まなくてもよい。別の実施形態では、プラズマ蒸着装置100は、外側シェル120bの一部を含むことができ、全区画を含まなくてもよい。更に別の例において、プラズマ蒸着装置100は、外側シェル120eを含まなくてもよい。1つの態様において、外側シェル120は、プラズマ蒸着装置100の外側の諸要素に抵抗力のある材料で製造される。一例において、外側シェル120は、ステンレス鋼で製造される。
【0028】
加えて、プラズマ蒸着装置100は、反応チャンバ102に対して実質的に下向き垂直方向で反応チャンバ102に配置された誘導結合プラズマトーチ122を含む。プラズマトーチガス、反応剤、及び生成物の流れは、ほぼ矢印123として示されている。誘導結合プラズマトーチ102は、反応チャンバ102と連通する。プラズマ蒸着装置100は、反応チャンバ102内に補助ガス126を注入するための実質的にプラズマ蒸着装置100の側部108にかつ反応チャンバ102と連通する状態で設置又は配置された1つ又はそれ以上の補助ガス注入ポート124a−124b(集合的に124)を更に含むことができる。一実施形態では、補助ガス126は、水素又はアルゴンと混合した水素とすることができる。また、補助ガス126の流量は、約5標準リットル/分(SLPM)から約500SLPMであり、処理設計によって定まる。
【0029】
好ましくは、プラズマ蒸着装置100と、以下に説明するプラズマ蒸着装置200とは、あらゆる数の補助ガス注入ポート124を含むことができる。一実施形態では、補助ガス注入ポート124をそれらが反応チャンバ102の中心線に対して対称であるように配置することが好ましい。例えば、プラズマ蒸着装置100又はプラズマ蒸着装置200が4つの補助ガス注入ポート124を含む時に、その場合、90°の間隔で反応チャンバ102の中心線に各々向かうそれらを有することが望ましいと考えられる。更に、補助ガス注入ポート124は、反応チャンバ104の上部により接近して設置することが好ましい。一実施形態では、補助ガス注入ポート124は、反応チャンバ102の壁部116bの上端から約20ミリメートル(「mm」)から30mm下に設置又は配置される。加えて、それらは、反応チャンバ102の垂直中心線に対して傾斜することができる。例えば、補助ガス注入ポート124と壁部116bの間に角度θ1が形成される。一実施形態では、角度θ1は約30°から約60°である。好ましくは、補助ガス注入ポート124は、石英から製造され約6mmの内径と約1.5mmの壁厚とを有する。
【0030】
プラズマ蒸着装置100は、一例において、プラズマ蒸着装置100の補助ガス注入ポート124よりも低く側部108に設置又は配置された1つ又はそれ以上の蒸気/ガス除去ポート128a−128b(集合的に128)を更に含む。蒸気/ガス除去ポート124は、以下で説明するように、プラズマ蒸着装置100及び200からのあらゆる未反応排出ガス129をその後の再利用ために除去することができる。加えて、プラズマ蒸着装置100及び200は、排出ガス129を補助ガス注入ポート124内に再利用して戻す目的で他の排出ガスから分離するための蒸気/ガス除去ポート120に連通する再利用、分離、及び乾燥ユニットを含むことができる。
【0031】
好ましくは、排気システム(図示せず)は、反応剤のための最適な反応条件を保証するように反応チャンバ102及び202内の固定した部分圧力を制御又は維持する。反応チャンバ102及び202内の部分圧力の制御は、真空のような負の圧力の提供を更に含むことができる。別の実施形態では、部分圧力は、大気圧に又はその付近に制御することができる。あらゆる数の蒸気/ガス除去ポート128を、特定の用途のための必要に応じて利用することができる。好ましくは、反応チャンバ102及び202は、反応チャンバ102及び202からのRFエネルギの脱出を防止して反応チャンバ102及び202への周囲の影響を絶縁するために防爆性材料及びRF遮蔽材料で製造することができる。
【0032】
蒸気/ガス除去ポート128は、石英チューブで製造することができ、約50mmの内径及び約2.5mmの壁厚を有することができる。一実施形態では、蒸気/ガス除去ポート128をそれらが反応チャンバ102の中心線に対して対称であるように配置することが好ましい。例えば、プラズマ蒸着装置100又はプラズマ蒸着装置200が4つの蒸気/ガス除去ポート128を含む時に、その場合、90°の間隔で反応チャンバ102の中心線に各々向かうそれらを有することが望ましいと考えられる。更に、蒸気/ガス除去ポート128は、反応チャンバ104の底部により接近して設置することが好ましい。一実施形態では、蒸気/ガス除去ポート128は、生成物収集リザーバ104の上端から約30mmから50mm上に設置又は配置される。
【0033】
加えて、それらは、反応チャンバ102の垂直中心線に対して傾斜することができる。例えば、蒸気/ガス除去ポート128と壁部116bの間に角度θ2が形成される。一実施形態では、角度θ2は約15°から約30°である。傾斜した蒸気/ガス除去ポート128は、小シリコン粒子が排出ガス129に伴って脱出することを防止することになる。
【0034】
加えて、プラズマ蒸着装置100は、バルブ134及び導管又はパイプ136を通じて分配バルブ又はマニホルド及び/又は格納容器514(図5)に液体又は溶融シリコン132を供給する生成物収集リザーバ104内の開口部130を含む。1つの態様において、パイプ136は、シリコン132を溶融状態に保つために上述のように加熱要素と、恐らくシェルとを含む。
【0035】
プラズマ蒸着装置100の上部110、側部108、側部112、又は底部114のいずれも、あらゆる幾何学形状又はサイズとすることができる。説明の目的でかつ何ら制限されることなく、ほぼ円筒形状であるプラズマ蒸着装置100の以下の説明を提供する。一実施形態では、図1に示す反応チャンバ102は、この断面図で分るように、実質的に円筒形状とすることができる。この実施形態では、反応チャンバ102は、約150mmの内径(D1)を有する石英チューブとすることができる。好ましくは、壁部116bの厚みは約3mmであり、長さ(L1)は約1,000mmである。プラズマ蒸着装置100の生成物収集リザーバ104は、これも石英チューブとすることができ、約250mmの内径(D2)を有する。好ましくは、壁部116dの厚みは約5mmであり、長さ(L2)は約500mmである。
【0036】
ここで図2を参照すると、プラズマ蒸着装置の別の実施形態200が示されている。プラズマ蒸着装置200は、プラズマ蒸着装置100に関して上述したのと同じ構成要素の多くを含み、従って、同じ番号を付した要素は、プラズマ蒸着装置100に関して上述したそれらの構成要素を参照する。これらの共通の構成要素の実際の寸法及び個数は、プラズマ蒸着装置100と200との間で同じとすることができ、又は同じでなくてもよい。一般的に、プラズマ蒸着装置100とプラズマ蒸着装置200の間の主要な相違は、複数の誘導結合プラズマトーチに適合するように、プラズマ蒸着装置200のサイズがプラズマ蒸着装置100よりも大きいことである。
【0037】
プラズマ蒸着装置200は、平坦上部部分210aと2つの傾斜上部部分210b及び210cとを含む(集合的に上部210)。上部210aに対する上部210b及び210cの勾配又は傾斜は、誘導結合プラズマトーチ122と誘導結合プラズマトーチ222b及び222c(集合的に222)から放出された生成物を反応チャンバ102の中心の方向にかつ壁部116bから離れるように誘導し又は向けることになる。プラズマトーチガス、反応剤、及び生成物の流れは、ほぼ矢印123b及び123cとして示されている。これは、壁部116bの側面上への生成物の付加又は蓄積の防止に更に役立ち、壁部116bの側面上の不要な積層が低減され、それによって生成物収率が改善する。
【0038】
この実施形態では、プラズマ蒸着装置200の反応チャンバ202は、約320mmの内径(D3)を有する石英チューブとすることができる。好ましくは、壁部116bの厚みは約5mmであり、長さ(L3)は約1,000mmである。プラズマ蒸着装置200の生成物収集リザーバ204は、これも石英チューブとすることができ、約400mmの内径(D4)を有する。好ましくは、壁部116dの厚みは約6mmであり、長さ(L4)は約600mmである。一実施形態では、フランジ106は、約6mmの厚みを有する石英のディスクである。好ましくは、フランジ106の内径は、反応チャンバ102の内径D3にほぼ等しく、フランジ106の外径は、生成物収集リザーバ104の内径D4にほぼ等しい。液体又は溶融状態のシリコン132は、次に、以下で更に説明するように、シリコン結晶成長のために結晶成長るつぼなどに最後に供給される。好ましくは、壁部116a1、116a2、及び116a3の厚みは、約3mmである。一実施形態では、壁部116a1は、約80mmの外径を有する。加えて、角度θ3が上部210aと210bの間、及び上部210aと210cの間に形成される。この角度θ3は、上部210aから下方に延びる直立垂直ラインと上部210b及び210cの各々の内側平面との間で測定された時に約45°から約60°である。好ましくは、補助ガス注入ポート124は石英で形成され、約6mmの内径及び約1.5mmの壁厚を有する。
【0039】
図3を参照すると、誘導結合プラズマトーチ122の側面が示されている。以下の説明は、誘導結合プラズマトーチ122a及び/又は222bにも適用される。この実施形態では、誘導結合プラズマトーチ122は、生成物収集リザーバ104内にシリコン132を蒸着させるために下方向に向けられる。誘導結合プラズマトーチ122は、2つの同軸石英チューブ、すなわち、外側石英チューブ302及びより短い内側石英チューブ304から構成され、それらは、ステンレス鋼チャンバ306に取り付けて示されている。
【0040】
一般的に、外側石英チューブ302及び内側石英チューブ304の直径及び高さは、外側石英チューブ302及び内側石英チューブ304の望ましい適用に適合するあらゆるサイズとすることができる。好ましくは、内側石英チューブ304は、外側石英チューブ302よりも短い長さを有する。また、外側石英チューブ302は、約50mmから約90mmの範囲の直径及び約180mmから約400mmの範囲の高さを好ましくは有する。より好ましくは、外側石英チューブ302のための直径は約70mmであり高さ又は長さは約250mmである。好ましくは、内側石英チューブ304は、約50mmから約70mmの範囲の直径及び約120mmから約180mmの範囲の高さを有する。より好ましくは、内側石英チューブ304の直径は約60mmであり高さは約150mmである。
【0041】
誘導結合プラズマトーチ122は、外側石英チューブ302の下側部分の周りに位置するコイル308を含む。コイル308は、約56mmから約96mmの大体の範囲にある直径を有する複数の巻線310を有する。好ましくは、複数の巻線310は、約82mmの直径を有する。一般的に、複数の巻線310は、誘導結合プラズマトーチ122の作動を供給するのに十分な間隔で互いに離間する。好ましくは、複数の巻線310は、互いに約6mm離間する。加えて、外側石英チューブ302とコイル308の間の間隙は、約2mmから約10mmである。
【0042】
誘導結合プラズマトーチ122は、誘導結合プラズマトーチ122に前駆体原因化学物質を運ぶ前駆体原因化学物質ライン(図示せず)に接続される1対の注入ポート312を更に含む。シリコン132のような半導体材料の蒸着のための原因化学物質は、好ましくは、誘導結合プラズマトーチ122の下側に接近して位置する注入ポート312を通って注入され、両方とも本明細書において引用により組み込まれているGouskov他に付与された米国特許第6,253,580号明細書及びGouskov他に付与された米国特許第6,536,240号明細書に開示されたのと同じ理由のためにV=0の位置に向けられる。一実施形態では、注入ポート312は、外側石英チューブ302の下端で誘導結合プラズマトーチ122に接続される。一実施形態では、誘導結合プラズマトーチ122は、誘導的に結合されたプラズマトーチである。注入ポート312は、好ましくは約3mmから約10mmの範囲の直径、より好ましくは5mmの直径を有する石英チューブを含むが、他のサイズでのチューブ直径も誘導結合プラズマトーチ122に使用することができる。この実施形態では、1対の注入ポート312は、互いに正反対に配置される。本発明の別の実施形態では、対称に配列された3つ又はそれよりも多くの注入ポート312を利用することができる。別の実施形態では、1つの注入ポート312は、外側石英チューブ302の中心でコイル302上部の上方に位置することができる。この実施形態では、注入ポート312は、チャンバ306の中心を通って配置することができる。
【0043】
更に、誘導結合プラズマトーチ122は、プラズマガスを誘導結合プラズマトーチ122に運ぶプラズマガス供給ライン(図示せず)に接続した1対のプラズマガス入口314を含む。プラズマガス入口314は、実質的に同じ高さで誘導結合プラズマトーチ122に入る。好ましくは、プラズマガス入口314は、5mmの直径を有するステンレス鋼チューブを含むが、ある一定の範囲の直径は、この目的に十分とすることができる。内側石英チューブ304及び外側石英チューブ302の使用により、プラズマ源ガスは、渦流パターンを有することになる。
【0044】
誘導結合プラズマトーチ122は、冷媒入口316及び冷媒出口318も含む。使用中、水のような冷媒は、冷媒入口316を通り、ステンレス鋼チャンバ306内部を循環し、冷媒出口318を通って流出する。冷媒入口316及び冷媒出口318は、好ましくはステンレス鋼で形成され、例えば、5mmの直径を有する。
【0045】
プラズマガス入口314、冷媒入口316、及び冷媒出口318は、全て好ましくはステンレス鋼チャンバ306内に形成される。チャンバ306は、例えば、好ましくはステンレス鋼の側辺80mmの正方形ブロックであり、約40mmの高さを有する。好ましくは、チャンバ306は、サポートスタンド(図示せず)に取り付けられる。
【0046】
高周波発生器(図示せず)がコイル308に電気的に接続され、2.0−4.0MHzの周波数で最大144kWの可変出力でコイルに給電する。一実施形態では、発生器は、ドイツ国所在の「Fritz Huettinger Electronic GmbH」から入手可能な型番IG外側シェル120/3000である。好ましくは、発生器は、60Hz、3相、480Vの電源で駆動され、誘導結合プラズマトーチ122を励起する。
【0047】
ここで図4を参照すると、他の実施形態による誘導結合プラズマトーチ400が示されている。誘導結合プラズマトーチ400は、プラズマ蒸着装置100及び/200においてシリコン132を生成するために使用することができる。誘導結合プラズマトーチ400における同じ参照番号は、誘導結合プラズマトーチ122、222a、222bに関する本明細書でのそれらの要素及び説明に対応する。
【0048】
この実施形態では、誘導結合プラズマトーチ400は、四塩化珪素のようなシリコン化合物反応剤のための還元剤として水素に代わる亜鉛を使用することができる。その還元の化学式は、次に示されている。
SiCl4+2Zn→Si+2ZnCl2 化学式1
【0049】
誘導結合プラズマトーチ400は、液体(好ましくは)亜鉛の供給404をそのポート402を通って誘導結合プラズマトーチ400に流すための注入ポート402を含むことができる。別の態様において、亜鉛の供給404は、Znの小粒子のような固体の形態とすることができる。1つの態様において、注入ポート402は、チャンバ306及び誘導結合プラズマトーチ400の中心部を通って配置されかつ延びている。好ましくは、注入ポート402の一方の端部は、亜鉛の供給404に接続され、注入ポート402の他方の端部は、コイル308の最も高い巻線310の約30mm上方で終わる。
【0050】
加えて、誘導結合プラズマトーチ400は、SiCl4のようなシリコン化合物の供給408を誘導結合プラズマトーチ400内に注入する1つ又はそれ以上の注入ポート406を含むことができる。1つの態様において、シリコン化合物の供給408は蒸気形態にある。一実施形態では、注入ポート406は、コイル308の最も低い巻線310の約15mm下方で誘導結合プラズマトーチ400内に配置される。
【0051】
ここで図5を参照すると、本発明の実施形態による高純度シリコンを製造するシステム500のブロック図が示されている。高純度シリコンを製造する本発明のシステム500を制限することなく、水素に代わる還元剤としての亜鉛の使用に関して以下の説明を提供する。この実施形態では、プラズマ蒸着装置100及び/又はプラズマ蒸着装置200は、液体又は溶融亜鉛を生成する誘導結合プラズマトーチ400を利用することができる。好ましくは、高純度シリコンを製造するシステム500は、プラズマ蒸着装置100、200の反応チャンバ102、202の誘導結合プラズマトーチ400のプラズマガス入口314と連通してそれに供給するアルゴンの供給502を含む。加えて、高純度シリコンを製造するシステム500は、これもプラズマ蒸着装置100、200と連通する亜鉛の供給504を含むことができる。1つの態様において、亜鉛の供給504は、誘導結合プラズマトーチ400の注入ポート402に供給することができる。亜鉛の供給506は、亜鉛の供給504に直接供給することができ、高純度シリコンを製造するシステム500に追加の亜鉛を供給する。1つの態様において、亜鉛の供給506及び亜鉛の供給504に含まれる亜鉛は、液体状態にあるとすることができる。更に、高純度シリコンを製造するシステム500は、誘導結合プラズマトーチ400の注入ポート406と連通してそれに供給するシリコン化合物の供給508を含む。
【0052】
高純度シリコンを製造するシステム500によって生成された液体又は溶融状態の高純度シリコン132は、次に、バルブ134を通って分配/格納ユニット512に供給される。液体又は溶融シリコン132は、次に、分配/格納ユニット512から結晶成長るつぼ512に供給され、高純度シリコン結晶516が成長する。一実施形態では、標準チョコラルスキー(CZ)法を単結晶又は多結晶シリコン516を成長させるために使用することができる。また、エッジ形成フィルム給送成長(EFG)法は、光起電力用途のためのシリコンウェーハを製造するための別の方法である。
【0053】
図5に戻れば、プラズマ蒸着装置100、200からの排出ガス129は、蒸気/ガス除去ポート128により、反応チャンバ102、202から除去され、第1のセパレータ518に供給される。1つの態様において、排出ガス129は、アルゴンガス、副生ZnCl2、及びあらゆる未反応亜鉛を含む可能性があり、それらは、蒸気形態にある。加えて、排出ガス129は、シリコンの小粒子を含む場合がある。セパレータ518は、約1,100℃に維持することができる。好ましくは、セパレータ518を通過する蒸気速度は有意に低減することができ、それによってこれらのシリコン小粒子はセパレータ518の底部に落下して収集され、加熱器520に供給される。加熱器520は、シリコン粒子を溶融して液体又は溶融状態とするように約1450℃の温度に保つことができ、次に、溶融物は、分配/格納ユニット512に供給される。
【0054】
高純度シリコンを製造するシステム500は、第2のセパレータ522を更に含むことができ、これは、セパレータ518からセパレータ522に排出ガス129を供給するためにセパレータ518と連通している。好ましくは、セパレータ522は、約850℃の温度に保つことができる。排出ガス129に含まれた未反応亜鉛は、セパレータ522内に凝縮することになり、そこで亜鉛は、約850℃の温度に好ましくは保たれる加熱器524に移送又は供給することができる。加熱器524から、亜鉛は、誘導結合プラズマトーチ400で再使用するために亜鉛の供給504に移送又は供給することができる。
【0055】
1つの態様において、セパレータ522内で留まる成分としては、ZnCl2、アルゴン、及び一部の残留ガスを含むことができる。アルゴン及び残留ガスは、それらを大気に放出するベント528に送る前にスクラバー526で処理することができる。別の態様において、セパレータ522内にあるアルゴンガスは、再利用して誘導結合プラズマトーチ400にフィードバックすることができる。ZnCl2のようなあらゆる未反応又は反応した亜鉛化合物は、セパレータ522から電解ユニット530に移され、亜鉛化合物は亜鉛とCl2ガスとに分解されることになる。そのような分解に利用することができる処理は、当業技術で公知である。生成した亜鉛は、加熱器524及び亜鉛の供給504に更に供給することができる亜鉛格納ユニット532を通じて再使用ためにプラズマ蒸着装置100、200に移送され、又はフィードバックすることができる。
【0056】
加えて、電解ユニット530によって生成したCl2ガスは、Cl2格納ユニット534に移送又は供給することができる。高純度シリコンを製造するシステム500は、Cl2格納ユニット534と連通する更に別のCl2の供給を含むことができる。Cl2格納ユニット534は、塩素化反応器538にCl2を供給することができ、その反応器でCl2は、冶金級シリコン(MG−Si:Metallurgical-Grade Silicon)と反応することができ、SiCl4のような付加的なシリコン含有化合物が作られる。これらの化合物は、塩素化反応器538からシリコン化合物格納ユニット540に移送又は供給され、シリコン化合物は精製されて高純度シリコン化合物が製造される。高純度シリコンを製造するシステム500は、シリコン化合物の供給508と連通するシリコン化合物格納ユニット510を更に含むことができる。一般的に、シリコン化合物格納ユニット510は、シリコン化合物格納ユニット540からシリコン化合物のある一定の供給量を供給される。
【0057】
本発明のプラズマ蒸着装置100、200の上述の態様及び実施形態に加えて、本発明は、液体又は溶融シリコン132及び光起電力セルの製造に用いるシリコン結晶を生成する方法を更に含む。1つの好ましい方法は、トリクロロシラン(SiHCl3)を還元してシリコンを生成するためにプラズマフレーム又はプラズマエネルギを利用する塩化物ベースのシステムを含む。その方法は、四塩化珪素(SiCl4)もプラズマフレームエネルギによって水素で還元してシリコンを引き起こす。一般的に、プラズマ蒸着装置100、200によって生成されたシリコン粒子は、数ミクロンのような小さいサイズにある。温度制御及び反応剤の継続的反応の下で、シリコン粒子は、反応チャンバ102、202を下に移動し、シリコン粒子のサイズが大きくなることができる。これらのより大きいシリコン粒子は、生成物収集リザーバ104、204でより容易に収集されることになり、これは、プラズマ蒸着装置100、200の収集効率を改善することになる。
【0058】
図6は、高純度シリコンを生成する方法600の実施形態の流れ図を示している。段階602において、誘導結合プラズマトーチ122、222a、222b、及び400が起動される。この段階は、プラズマガス供給のプラズマガス入口314への流れの開始と、これに続くコイル308への給電によるプラズマ点火とを含むことができる。この段階は、誘導結合プラズマトーチ122、222a、222b及び400のプラズマフレームの点火及び安定化を含む。加えて、段階602はまた、生成物収集リザーバ104でのシリコン132の生成中に望ましい反応生成物を生成するのに用いる前駆体ガス供給の選択を含むことができる。
【0059】
段階604において、加熱要素118への電源がオンとされ、反応チャンバ102、生成物収集リザーバ104、反応チャンバ202、及び生成物収集リザーバ204を加熱するための指定温度に調節される。一実施形態では、反応チャンバ102、202内の温度は、約1,000℃である。段階606において、プラズマ蒸着装置100、200は、誘導結合プラズマトーチ122、222a、222b、及び400のプラズマフレームに前駆体ガスを注入ポート312を通じて注入する。上述のように、好ましくは前駆体ガスは、SiCl3+H2、SiCl4+H2、又はSiCl4+亜鉛から選択される。
【0060】
上述のように、生成物収集リザーバ104、204上に蒸着しなかった生成物は、蒸気/ガス除去ポート128を通じて収集されて付加的な使用ために再利用される。高純度シリコンを製造する本発明の方法の一態様において、SiHCl3及びSiCl4は、MG−Si又はシリカから製造することができる。MG−Siは、高純度シリコンを製造する本発明の処理の排出ガスのストリームから収集されて分離された塩化水素(HCl)と反応することになる。加えて、排出ストリームからの十分な量が存在しない時には、新しい塩素(Cl2)又はHClを付加することが常に可能である。蒸留による精製の後、反応生成物は、シリコンを製造するための前駆体供給ガス化学物質として使用することができる。
【0061】
排出ストリーム内には、HClに加えて、Ar、H2、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、及び未反応のSiHCl3及びSiCl4が存在し、更に、未蒸着シリコン粒子も存在する場合がある。未蒸着シリコン粒子は、バッグフィルタの使用によって分離することができる。更に、コールドトリップを使用すれば、クロロシラン類は容易に分離され、前駆体供給ガス化学物質として再使用することができる。Ar及びH2も排出システムから再利用することができ、プラズマ源ガス又は前駆体供給ガスに使用することができる。
【0062】
段階608において、排出システム及び/又は蒸気/ガス除去ポート128により、反応チャンバ102、202内の圧力が制御されて維持される。加えて、反応チャンバ102、204内の圧力を維持するために他の手段を利用することができる。段階610において、生成物収集リザーバ104、204内の生成物レベルがモニタされる。そのレベルが指定レベルよりも大きい時に、段階612でバルブ134が開き、液体又は溶融シリコン132が分配/格納ユニット512に流出することになる。段階612は、るつぼ514が追加のシリコン132を必要とする時にも起動されることになる。
【0063】
一実施形態では、高純度シリコンを生成する方法600は、プラズマ処理が定期保守まで作動を継続することになる連続処理である。定期保守の時には、誘導結合プラズマトーチ122、222a、222b、及び400は、シャットダウンされることになり、処理の作動を停止することができる。
【0064】
上述に加えて、シリコン粒子は、排出ストリームから分離されることになる。これらの粒子は、収集され、石英るつぼ内に装填され、溶融され、かつ単結晶インゴットに成長させることができる。未反応化学物質又は副生化学物質である全てのガスも、典型的な工業処理によって収集されて分離されることになる。一部の例示的な原材料としては、水素化物、フッ化物、塩化物、臭化物、及びアルゴンガスが挙げられる。
【0065】
高純度シリコンを製造する本発明の方法の別の実施形態では、水素化物ベースのシステムが使用される。シランはトリクロロシランのような高い蒸着速度は有しないが、それは、精製することがより容易であり、かつ望ましい高純度シリコンを生成することがより容易であるので、この産業においてなお広く用いられている。上記と同じ処理段階に従って、ガス形態のシラン(SiH4)又はジシラン(Si26)は、段階604に示したようにかつそれらがシリコンと水素とに解離することになるプラズマフレーム又はプラズマエネルギの存在下で、注入ポート312に送り込むことができる。より高い反応温度の使用及び水素ガスの迅速な除去により、改善した化学反応変換が達成される。加えて、未蒸着シリコン粒子及びアルゴンのようなプラズマ源ガスは、再処理及び再利用ために蒸気/ガス除去ポート128を通じて収集される。
【0066】
高純度シリコンを製造する本発明の方法の別の実施形態では、上述の処理段階の次に臭素システムが使用される。臭素(Br2)は、塩素(Cl2)よりも化学的侵襲性が弱く、また腐食性も低い。負荷ガスとしてBrを使用すると、機器コストを大幅に低減することができる。負荷ガスは、不純シリコン(冶金級シリコン、MG−Si)を純粋で利用可能なソーラーグレードシリコン(SoG:solar grade silicon)の状態とし、それに変換し、かつそれに加工するための搬送物質として使用される。Brは、MG−Siと反応して臭化珪素(主生成物)及び他の不純物の臭化物化合物を形成することになる。精製後、臭化珪素は、プラズマ処理によって高純度シリコンを製造するのに使用される。この処理中、臭化珪素は、シリコンと臭素とに分解される。シリコンが蒸着され、臭素も収集され再使用される。本発明の誘導結合プラズマトーチ122、222a,222b,及び400は、望ましい方向に反応を進めるのに必要以上のエネルギを有するので、水素による四臭化珪素(SiBr4)の還元反応に対しては考慮されないことになる。好ましくは、このシステムの原材料は、MG−Siであることになる。360℃よりも高温では、シリコンと臭化水素(「HBr」)又はBr2との反応は高速とすることができ、反応生成物は、主としてSiBr4であることになる。沸点の差のために、ホウ素混入物を分離することは(SiBr4からBBr3を)極めて容易である。この実施形態では、前駆体供給ガス化学物質は、四臭化珪素及び水素であることになる。
【0067】
高純度シリコンを製造する本発明の方法の更に別の実施形態では、炭素によるシリカすす粒子の還元が使用される。光プリフォーム生産では、固体廃棄物は、シリカすす粒子であり、それらは、典型的には処分のため埋立地に送られる。これらのシリカすす粒子は、極めて純粋であり、カーボンとの炭素還元反応によりソーラーグレードシリコン(SoG)を製造するための良好な供給とすることができる。一般的に、この製造では熱源としてアーク炉を使用し、上述の処理段階の次に粉末形態のSiO2及びカーボンが、注入ポート312を通じて誘導結合プラズマトーチ122、222a,222b,及び400のプラズマフレーム内に注入される。プリフォーム製造業者が供給するこれらのすす粒子には、典型的には遷移金属イオンは含有されず、また、ホウ素も典型的に含有していない。それにも関わらず、すす粒子は、微量のリン及び幾らかのゲルマニウムを有する場合がある。原材料からの可能な不純物汚染を排除するために、少量のCl2及び水分を前駆体ガス供給と共に注入することができる。この実施形態では、光ファイバ製造プラントからのすす粒子廃棄物は、高純度シリコン製造のための有用な生成物に変換され、それによって効率的で費用効果の高いソーラーパネルが生成される。
【0068】
高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置及びその方法の好ましい実施形態と現在考えられるものを説明したが、本発明のプラズマ蒸着装置は、本発明の精神及び本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で達成することができることを理解すべきである。例えば、多結晶シリコンを製造する本発明のプラズマ蒸着装置及び方法の精神及び本質的特性から逸脱することなく、本明細書で説明した以外の付加的な誘導結合プラズマトーチ又は蒸着モジュールの異なる組合せを用いることができる。従って、本発明の実施形態は、全ての態様において制限ではなく例証と見なすべきである。本発明の範囲は、以上の説明ではなく添付の特許請求の範囲に示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置であって、
高純度シリコンを蒸着させるためのチャンバと、
少なくとも1つの誘導結合プラズマトーチと、
を備え、
前記チャンバは、
該チャンバの上端を実質的に形成する上部と、
上端と下端を有する1つ又はそれ以上の側部であって、前記上部が、該1つ又はそれ以上の側部の前記上端を実質的に密封的に接合する前記1つ又はそれ以上の側部と、
前記チャンバの下端を実質的に形成し、前記1つ又はそれ以上の側部の前記下端を実質的に密封的に接合する基部と、
を含み、
前記少なくとも1つの誘導結合プラズマトーチは、前記上部に配置され、実質的に垂直な位置に向けられて前記上部から前記基部に向けて下向きにプラズマフレームを生成し、該プラズマフレームは、前記高純度シリコンを生成するために1つ又はそれ以上の反応剤を反応させるための反応区画を形成する
ことを特徴とするプラズマ蒸着装置。
【請求項2】
前記基部は、前記高純度シリコンを液体又は溶融状態で収容する生成物収集リザーバである
ことを特徴とする請求項1に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項3】
前記チャンバ内に補助ガスを注入するために前記1つ又はそれ以上の側部に配置された1つ又はそれ以上の補助ガス注入ポートを更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項4】
前記チャンバから未蒸着固形物及び未反応化学物質のうちの少なくとも一方を回収するために前記1つ又はそれ以上の側部に配置された1つ又はそれ以上の蒸気/ガス除去ポートを更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項5】
前記高純度シリコンを液体又は溶融状態に保つように前記基部に熱を供給するために該基部と熱力学的に連通する加熱器を更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの誘導結合プラズマトーチは、前記チャンバの前記基部に対して実質的に垂直である
ことを特徴とする請求項1に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項7】
前記チャンバは、RFエネルギを遮蔽して該チャンバを該チャンバの外側の環境から隔離する材料で製造される
ことを特徴とする請求項1に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの誘導結合プラズマトーチは、
前記プラズマフレームの中に亜鉛を注入するための1つ又はそれ以上の亜鉛注入ポートを更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項9】
高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置であって、
高純度シリコンを液体又は溶融状態で蒸着するための上端及び下端を有するチャンバと、
前記高純度シリコンを液体又は溶融状態で収集するために前記チャンバの前記下端に実質的に配置された生成物収集リザーバと、
前記高純度シリコンを液体又は溶融状態に保つように前記生成物収集リザーバに十分な熱を供給するために前記生成物収集リザーバと熱力学的に連通する加熱器と、
前記チャンバの前記上端に実質的に配置された1つ又はそれ以上の誘導結合プラズマトーチと、を備え、
前記1つ又はそれ以上の誘導結合プラズマトーチは、実質的に垂直位置に向けられて前記チャンバの前記上端から前記生成物収集リザーバに向う下向き方向を有するプラズマフレームを生成し、該プラズマフレームは、前記高純度シリコンを生成するために1つ又はそれ以上の反応剤を反応させるための反応区画を形成する
ことを特徴とするプラズマ蒸着装置。
【請求項10】
前記チャンバの中に補助ガスを注入するために該チャンバに配置された1つ又はそれ以上の補助ガス注入ポートを更に含む
ことを特徴とする請求項9に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項11】
前記1つ又はそれ以上の補助ガス注入ポートは、前記生成物収集リザーバに向けて下向き角度で配置される
ことを特徴とする請求項10に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項12】
前記チャンバから未蒸着固形物及び未反応化学物質のうちの少なくとも一方を回収するために該チャンバに配置された1つ又はそれ以上の蒸気/ガス除去ポートを更に含む
ことを特徴とする請求項9に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項13】
前記1つ又はそれ以上の蒸気/ガス除去ポートは、前記生成物収集リザーバに向けて下向き角度で配置される
ことを特徴とする請求項12に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項14】
前記1つ又はそれ以上の誘導結合プラズマトーチは、前記生成物収集リザーバに対して実質的に垂直である
ことを特徴とする請求項9に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項15】
前記チャンバは、RFエネルギを遮蔽して該チャンバを該チャンバの外側の環境から隔離する材料で製造される
ことを特徴とする請求項9に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項16】
前記1つ又はそれ以上の誘導結合プラズマトーチは、前記プラズマフレームの中に亜鉛を注入するための1つ又はそれ以上の亜鉛注入ポートを更に含む
ことを特徴とする請求項9に記載の高純度シリコンを製造するためのプラズマ蒸着装置。
【請求項17】
反応チャンバの生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法であって、
生成物収集リザーバを準備する段階と、
コイルを含む少なくとも1つの垂直下向きに位置決めされた高周波誘導結合プラズマトーチを準備する段階と、
基本的に不活性ガスから構成されるプラズマガスを前記高周波誘導結合プラズマトーチの中に導入して前記コイル内にプラズマを形成する段階と、
前記高周波誘導結合プラズマトーチの中に反応剤を注入して高純度シリコンを生成する段階と、
液体又は溶融状態で前記誘導結合プラズマトーチによって生成された前記高純度シリコンを前記生成物収集リザーバの中に収集する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記チャンバ内の部分圧力を調節する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項17に記載の生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法。
【請求項19】
前記高純度シリコンを液体又は溶融状態に保つために前記生成物収集リザーバを加熱する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項17に記載の生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法。
【請求項20】
前記生成物収集リザーバの温度を制御する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項17に記載の生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法。
【請求項21】
前記チャンバの中に補助ガスを注入する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項17に記載の生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法。
【請求項22】
前記チャンバから未蒸着固形物及び未反応化学物質のうちの少なくとも一方を除去する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項17に記載の生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法。
【請求項23】
前記高周波誘導結合プラズマトーチの中にある一定の供給量の亜鉛を導入する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項17に記載の生成物収集リザーバに液体又は溶融高純度シリコンを収集する方法。
【請求項24】
シリコン結晶を生成する方法であって、
生成物収集リザーバを準備する段階と、
コイルを含む少なくとも1つの垂直下向きに位置決めされた高周波誘導結合プラズマトーチを準備する段階と、
基本的に不活性ガスから構成されるプラズマガスを前記高周波誘導結合プラズマトーチの中に導入して前記コイル内にプラズマを形成する段階と、
前記高周波誘導結合プラズマトーチの中に反応剤を注入して高純度シリコンを生成する段階と、
液体又は溶融状態で前記誘導結合プラズマトーチによって生成された前記高純度シリコンを前記生成物収集リザーバの中に収集する段階と、
液体又は溶融状態の前記高純度シリコンをるつぼに移送する段階と、
シリコン結晶を生成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
前記高純度シリコンをそれを前記るつぼに移送する前に液体又は溶融状態で格納する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項24に記載のシリコン結晶を生成する方法。
【請求項26】
液体又は溶融状態の前記高純度シリコンを前記生成物収集リザーバから前記るつぼまで導管で移送する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項24に記載のシリコン結晶を生成する方法。
【請求項27】
前記高純度シリコンを液体又は溶融状態に保つために前記導管を加熱する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項26に記載のシリコン結晶を生成する方法。
【請求項28】
前記高周波誘導結合プラズマトーチの中にある一定の供給量の亜鉛を導入する段階を更に含む
ことを特徴とする請求項24に記載のシリコン結晶を生成する方法。
【請求項29】
前記シリコン結晶は、シリコンウェーハである
ことを特徴とする請求項24に記載のシリコン結晶を生成する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−518798(P2013−518798A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552018(P2012−552018)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2011/023109
【国際公開番号】WO2011/094662
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(512201764)ユーエス ソーラーテック インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】