説明

高速データ加重平均

【課題】最小ループ遅延を有し、改善された安定性をサポートする高速データ加重平均(DWA)2重サンプリング変調器のための方法および装置が提供される。
【解決手段】量子化およびDEMは非オーバーラップ時間内に行われる。この時間遅延の低減によって、アナログ積分器に関して電力を節約することができる。基準電圧の交番によって、分割DWAのDC信号は除去され、また、交番が比較器の入力において行われるので、追加の遅延はない。実施形態は、8倍のオーバーサンプリング比(OSR)および15レベル量子化器を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2重サンプリングのデルタシグマ変調器の構造に関し、より詳細には、小信号入力について優れたトーン挙動(tonal behavior)を有するダイナミック素子整合の高速データ加重平均の実装に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な製品はA/D(アナログ・デジタル)およびD/A(デジタル・アナログ)変換器を内蔵している。これらの製品の性能に対する期待は、設計が消費電力を制限または低減しながらより高い直線性および広い帯域幅を獲得することをずっと推進している。フィードバックがあるオーバーサンプリングのデルタシグマ(ΔΣ)変調器は、こられの要求を満たすA/DおよびD/A構造をサポートする。オーバーサンプリング変換器は、パイプライン型のA/D変換器(ADC)より低消費電力および低複雑度を提供する。しかし、技術によって、オーバーサンプリング比(OSR:oversampling ratio)には制限が課されている。その結果、OSRが低い場合に、高い分解能および広い帯域幅は必要とされ、オーバーサンプリング変調器にはマルチビット量子化が必要とされている。しかし、マルチビット量子化のためのマルチビットD/A変換器(DAC)における不整合によって引き起こされるエラーは、スプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR:spurious−free dynamic range)を制限する要因となり得る。変調器の直線性のSFDRの整合のために、線形化技術が使用される。ダイナミック素子整合はその1つである。ダイナミック素子整合(DEM:dynamic element matching)はマルチレベルDACの単位素子をダイナミックに選択してデジタルコードに対応する出力レベルを生成するプロセスである。ダイナミック素子整合はチップ面積および複雑度を増加させるが、この増加は比較的小さい。ダイナミック素子整合は、オーバーサンプリング変調器固有の平均化を使用して、不整合によって引き起こされるDACエラーを入力信号に対して無相関化し、雑音電力を信号帯域から抜け出す。単位素子をダイナミックに選択するアルゴリズムがいくつかある。DEM技術の1つは、データ加重平均(DWA:Data Weithted Average)である。それは、シャッフルに使用されるだけではなく、スクランブラーを使用してサーモメーターコード(thermometer coded)の量子化器の出力の接続を該出力がフィードバックDACに適用される前に変えることにより、DAC不整合エラーを信号帯域から取り除くためにも使用される。しかし、低速入力信号の場合のデルタシグマ変調器には、DWAアルゴリズムは、信号対雑音+歪み比(SNDR:signal−to−noise−plus−distortion ratio)を劣化させる強い帯域内信号依存トーン(in−band signal−dependent tones)を発生する。
【0003】
DWAアルゴリズムの変形は分割DWA(P−DWA:partitioned DWA)である。P−DWAアルゴリズムは、DWAに基づいており、DEM回路の遅延を低減するが、帯域内トーンの増加という代償を払う。P−DWAアルゴリズムでは、マルチビットDACが2つのパーティションに分割され、各パーティションは単位素子の半数を含む。DWAは各パーティション内において別々に行って、DAC出力を生成するのに選択される各パーティションにおける単位素子のセットを決定する。各パーティションのデジタル入力コードを取得するために、(所望の出力レベルをサーモメーターコードとして符号化する)全体のデジタル入力は二等分される。デジタル入力の偶数番目のビットは第1のパーティションへの入力として使用され、奇数番目のビットは第2のパーティションに割当てられる。P−DWAについて懸念されるのは、2つのパーティションにおける平均キャパシタ値の間の系統的不整合の影響である。この不整合が各パーティション内の単位素子間の不整合に対して直線的に増加する場合に、帯域内トーンは全体の帯域内量子化雑音電力に加えられる。P−DWAアルゴリズムは時間遅延を半分に減少することができるが、それは帯域内トーンを増加させ、DC信号を発生する。
【0004】
図1は、非特許文献2に記載の、CMOS技術で集積化された5次カスケード型のΣΔ変調器の完全微分スイッチドキャパシタの実装を示す。この構造における各段によって行われる雑音シェーピングのために、第1段における回路には最も厳しい要件が課されている。第1段の回路実装には、低電源電圧に基づく動作のための設計における問題点が特に考慮される。
【0005】
図2は、非特許文献3に記載のDWA回路を示す。それは、欠点があるが、P−DWA回路装置(図1のP−DWA102)において優れたトーン挙動を提供する。P−DWA回路200は、図1の(量子化器とする)ADC101からの信号が提供されるマルチプレクサ(MUX)の少なくとも2つの入力と、少なくとも2つのMUXと、1つのシフタにつき少なくとも2つの入力であって、前記シフタはMUXの少なくとも1つの第1の入力の信号とMUXの少なくとも1つの第2の入力の信号のどちらかを選択して図1のDAC103(および104、105)への入力を提供する、シフタの少なくとも2つの入力と、シフタの各入力が次のサイクルにおいてどこにローテートされるべきかを示すローテートポインタを生成する少なくとも2つのポインタ発生器とを備え、前記ローテートによって、複数のシフタの出力は複数の出力に向けられ、それによって、2重サンプリング量子化およびDEMを用いた前記少なくとも1つの第1のシフタブロックと前記少なくとも1つの第2のシフタブロックの信号の非オーバーラップ交番は、DC成分を除去するが、MUXの追加のループ遅延をもたらすことによって不安定を増加させる。
【0006】
図3は、ポインタ発生器およびシフタを含む4ビットDWA回路を示す。ポインタ発生器は、各入力ビットq(3)−q(0)が次のクロックサイクルにおいてどこにローテートされるべきかを示すローテートポインタを生成する。シフタは、バイナリ加重制御コードsh(1)−sh(0)を介して各入力ビットを正しい位置にローテートする。あるDWAの実装では、シフタの代わりに、符号器は使用され、MUXを介して量子化出力ビットをDAC入力d(3)−d(0)へ直接にマッピングするが、この実装はシフタベースの実装より遅い。また、このような符号器ベースのDWAシステムは、連続時間デルタシグマ変調器に追加のループ遅延をもたらし、その結果、変調器の安定性に悪影響を与える。スイッチトキャパシタ回路の実現では、セトリングエラーが積分段階においてもたらされる。従って、多くの場合、シフタベースのDWAの実装は望ましい。
【0007】
こられの方法のそれぞれは、ループ遅延、安定性影響、DC信号およびかなりの消費電力などの結果がある。消費電力を増加せず、改善された性能を与える2重サンプリングΔΣ変調器構造のための技術が必要となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】J. Silva, U. Moon, J. Steensgaard and G.C. Temes, “Wideband low-distortion delta-sigma ADC topology”, ELECTRONICS LETTERS 7th June 2001 Vol. 37 No. 12
【非特許文献2】Katelijn Vleugels, Shahriar Rabii and Bruce A., “A 2.5-V Sigma-Delta Modulator for Broadband Communications Applications”, IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS, VOL. 36, NO. 12, DECEMBER 2001
【非特許文献3】Zhang,Z. and Temes, G.C., “A Segmented Data-Weighted-Averaging Technique”, ISCAS, May 2007, New Orleans, pp. 481-484
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、高速データ加重平均の解決案を提供し、該解決案によって、2重サンプリング量子化およびダイナミック素子整合(DEM)を用いた第1のブロックと第2のブロックの信号の非オーバーラップ交番は、追加のループ遅延をもたらすことなく、小信号入力についてアイドルトーンを引き起こすDC成分を除去し、消費電力を抑え、安定性を維持する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、デルタシグマ変調器のフィードバックDACにおける高速データ加重平均動作のための方法を提供し、この方法は、少なくとも1つの第1のブロックを選択するステップと、前記少なくとも1つの第1のブロックの信号を比較器の基準入力に提供するステップと、少なくとも1つの第2のブロックを選択するステップと、前記少なくとも1つの第2のブロックの信号を前記比較器の基準入力に提供するステップとを備え、2重サンプリング量子化およびDEMの非オーバーラップ交番は、ループ遅延をもたらすことなく、DC成分を除去し、安定性を維持する。
【0011】
本明細書に記載されている特徴および利点は包括的なものではなく、特に多数のさらなる特徴および利点が図面、明細書および特許請求の範囲を考慮して本技術の通常の当業者により明らかになるであろう。さらに、明細書で使用される用語は主に読みやすさ、および教示の目的で選択されたものであり、発明の主題の範囲を制限するためではない、ということに気付くべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】2−2−1カスケード型のシグマデルタ変調器の線形化ブロック図である。
【図2】シフタベースのDWAのブロック図である。
【図3】シフタベースのDWAの回路実装を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によって構成された高速データ加重平均の構造およびタイミング図を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態によって構成された出力スペクトルシミュレーション結果のグラフを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によって構成された方法の動作ステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、以下で図面を参照して実施例について詳細に説明される。この説明は例示に過ぎず、本発明の態様を制限するものではない。この実施例は当業者が本発明を実施することができるように十分に記載されており、本発明の思想から離れることなくさまざまな変更が可能である。
【0014】
図4は、本発明の実施形態によって構成された高速データ加重平均の構造400を示す回路図およびタイミング図である。ADC483は、比較器基準入力405、アナログ入力IN410、および比較器415(具体的には420−435)を備える。比較器435の基準入力405はREF0 440およびREF1 445である。また、ほかの基準入力はREF2−REF13である。REF0 440は、Φ1スイッチ450を介して比較器435のマイナス入力に印加される。REF1 445は、Φ2スイッチ455を介して比較器435のマイナス入力に印加される。アナログ入力IN410は、図1の積分器106から印加される。量子化器とするADC483は比較器415を備える。また、タイミング図は、Φ1信号460およびΦ2信号465を示す。Φ1タイミング信号の470とΦ2タイミング信号の475は非オーバーラップである。P−DWA481では、比較器420−435の出力CO<0>−CO<13>が、3ゲート遅延485A、485Bおよび485Cを処理するクリティカルパス480をたどり、偶数番目の出力490(OUT0−OUT12)および奇数番目の出力495(OUT1−OUT13)につながる。P−DWA481は、クリティカルパスを有するシフタを備え、シフタベースのDWAである。シフタ482は、複数のスイッチを備え、バイナリ加重制御コードを介して各入力を正しい位置にローテートする。P−DWA481は、Φ1タイミング信号460およびΦ2タイミング信号465に基づいて、出力CO<0>−CO<13>を3ゲート遅延でシフトし、P−DWAアルゴリズムに基づいてパスをランダムに選択する。(Φ1信号がハイとなる)位相Φ1において、比較器415は、入力IN410と奇数番目の基準入力REF1−REF13を比較して、出力CO<0>−CO<13>をP−DWA481に提供し、出力CO<0>−CO<13>は1ゲート遅延485Aでシフトされてホールドされる。同じタイミングで、前の(Φ2信号がハイとなる)位相Φ2において1ゲート遅延485Aでシフトされた出力CO<0>−CO<13>は、1ゲート遅延458Bでシフトされてホールドされる。同時に、P−DWA481は、前の位相Φ1において提供された偶数番目の出力490(OUT0−OUT12)および奇数番目の出力495(OUT1−OUT13)を、3ゲート遅延485A、485Bおよび485CでDAC103(または104、105)へ出力する。
【0015】
位相Φ2において、比較器415は、入力IN410と偶数番目の基準入力REF0−REF12を比較して、出力CO<0>−CO<13>をP−DWA481に提供し、出力CO<0>−CO<13>は1ゲート遅延485Aでシフトされてホールドされる。同じタイミングで、前の位相Φ1において1ゲート遅延485Aでシフトされた出力CO<0>−CO<13>は、1ゲート遅延458Bでシフトされてホールドされる。同時に、P−DWA481は、前の位相Φ2において提供された偶数番目の出力490(OUT0−OUT12)および奇数番目の出力495(OUT1−OUT13)を、3ゲート遅延485A、485Bおよび485CでDAC103(または104、105)へ出力する。
【0016】
次の位相Φ1において、比較器415は、入力IN410と奇数番目の基準入力REF1−REF13を比較して、出力CO<0>−CO<13>をP−DWA481に提供し、出力CO<0>−CO<13>は1ゲート遅延485Aでシフトされてホールドされる。同時に、前の位相Φ2において1ゲート遅延485Aでシフトされた出力CO<0>−CO<13>は、1ゲート遅延458Bでシフトされてホールドされる。同時に、P−DWA481は、前の位相Φ1において提供された偶数番目の出力490(OUT0−OUT12)および奇数番目の出力495(OUT1−OUT13)を、3ゲート遅延485A、485Bおよび485CでDAC103(または104、105)へ出力する。
【0017】
【表1】

【0018】
2重サンプリングによって、量子化およびDEMは非オーバーラップ時間内において行われる。それらの時間遅延を低減することによって、アナログ積分器電力を低減することができる。2つのブロックの交番によって、通常にP−DWAで発生したDCは除去され、また、この交番が比較器入力において行われるので、追加の遅延はない。
【0019】
図5は、本発明の実施形態によって構成されたMATLAB(登録商標)シミュレーション結果のグラフ500を示す図である。MATLAB(登録商標)はMathworks株式会社の登録商標である。高速データ加重平均(F DWA)発明の性能を従来型のデータ加重平均(DWA)および分割データ加重平均(P−DWA)と比較するために、異なる方法を使用するΔΣ変調器の出力電力スペクトル密度(PSD)はモデル化された。条件は、−55dBFSの入力正弦波505、8倍のOSR、10ビットDACエラー不整合、15レベル量子化器、および65536データ点を備える。P−DWA510およびF DWA515について結果が示されている。結合された雑音はそれぞれ520および525である。信号帯域エッジ530も示される。P−DWAの場合に、スプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR:spurious−free dynamic range)は35.8dBに等しく、この実施形態に関して、F DWAの場合に、SFDRは40.1dBに等しい。この方法は、1次シェーピング(first−order−shaping)DWAで発生したDC値およびトーンを除去する。
【0020】
図6は、高速データ加重平均方法の実施形態を示す流れ図600である。この方法は、複数のDEMブロックを作成するステップ605と、第1のスイッチを選択するステップ610と、第1の基準信号を比較器の入力に提供するステップ615と、第2のスイッチを選択するステップ620と、第2の基準信号を比較器の入力に提供するステップ625とを備え、2重サンプリング量子化およびDEMの非オーバーラップ交番は、ループ遅延の追加の位相をもたらすことなく、DC成分を除去し、安定性を維持する。
【0021】
本発明の実施形態の上記記載を説明と記載の目的のために示してきた。本提出のすべての頁、およびそのすべての内容は、すべての目的のためにどのように特徴付けられ、特定され、または番号付されても、本願内における形式または配列に拘わらず、本願の実質的な部分として見られる。この明細書は、網羅的あること、または本発明を開示された詳細な形態に限定することを意図していない。多数の改良または変形がこの開示を考慮して可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の比較器を含むアナログ・デジタル変換器(ADC)と、
シフタを含むデータ加重平均回路と
を備え、
前記比較器は、アナログ信号の入力端子と、それぞれの前記比較器につき少なくとも2つのスイッチとを含み、前記スイッチは、タイミング信号に基づき、第1の基準電圧を提供する少なくとも1つの第1のブロックの信号と第2の基準電圧を提供する少なくとも1つの第2のブロックの信号のどちらかを選択して、前記複数の比較器への基準入力とし、
前記シフタは、前記タイミング信号に基づき、前記複数の比較器の出力をnゲート遅延でシフトし、それによって、前記複数の比較器の前記出力は複数の出力にランダムに向けられ、
前記少なくとも1つの第1のブロックと前記少なくとも1つの第2のブロックの前記信号の非オーバーラップ交番は、2重サンプリング量子化を用いたことを特徴とする高速データ加重平均回路装置。
【請求項2】
前記シフタは、前記複数の比較器の前記出力を3ゲート遅延でシフトすることを特徴とする請求項1に記載の高速データ加重平均回路装置。
【請求項3】
前記複数の比較器の前記出力は、複数の偶数番目の出力および複数の奇数番目の出力にランダムに向けられることを特徴とする請求項1に記載の高速データ加重平均回路装置。
【請求項4】
前記タイミング信号は、第1のタイミング信号と第2のタイミング信号を含むことを特徴とする請求項1に記載の高速データ加重平均回路装置。
【請求項5】
前記複数の比較器の前記出力は、分割データ加重平均(P−DWA:Partitioned Data Weithted Average)アルゴリズムに基づいて、複数の出力にランダムに向けられることを特徴とする請求項1に記載の高速データ加重平均回路装置。
【請求項6】
前記シフタは、複数のスイッチを含むことを特徴とする請求項1に記載の高速データ加重平均回路装置。
【請求項7】
前記シフタは、バイナリ加重制御コードを介して各入力を正しい位置にローテートし、P−DWAアルゴリズムに基づいて複数の経路をランダムに選択することを特徴とする請求項1に記載の高速データ加重平均回路装置。
【請求項8】
積分器と、
高速データ加重平均回路装置と、
デジタル・アナログ変換器(DAC)と
を備え、
前記高速データ加重平均回路装置は、複数の比較器を含むアナログ・デジタル変換器(ADC)と、シフタを含むデータ加重平均回路とを含み、
前記比較器は、前記積分器からのアナログ信号の入力端子と、それぞれの前記比較器につき少なくとも2つのスイッチとを含み、前記スイッチは、タイミング信号に基づき、第1の基準電圧を提供する少なくとも1つの第1のブロックの信号と第2の基準電圧を提供する少なくとも1つの第2のブロックの信号のどちらかを選択して、前記複数の比較器への基準入力とし、
前記シフタは、前記タイミング信号に基づき、前記複数の比較器の出力をnゲート遅延でシフトし、それによって、前記複数の比較器の前記出力は、前記DACに提供されるべき複数の出力にランダムに向けられ、
前記少なくとも1つの第1のブロックと前記少なくとも1つの第2のブロックの前記信号の非オーバーラップ交番は、2重サンプリング量子化を用いたことを特徴とするデルタシグマ変調器。
【請求項9】
基準電圧を提供する少なくとも1つの第1のブロックの信号と少なくとも1つの第2のブロックの信号のどちらかを選択して複数の比較器への基準入力とする、それぞれの前記比較器につき少なくとも2つのスイッチと、
3ゲット遅延を有するクリティカルパスであって、前記クリティカルパスによって前記複数の比較器の出力は複数の出力に向けられ、それによって、2重サンプリング量子化およびダイナミック素子整合(DEM:dynamic element matching)を用いた前記少なくとも1つの第1のブロックの信号と前記少なくとも1つの第2のブロックの前記信号の非オーバーラップ交番は、ループ遅延の追加の位相をもたらすことなく、DC成分を除去し、安定性を維持する、クリティカルパスと
を備えることを特徴とする高速データ加重平均回路装置。
【請求項10】
デルタシグマ変調器における高速データ加重平均のための方法であって、前記方法は、
少なくとも1つの第1のブロックを選択するステップと、
前記少なくとも1つの第1のブロックの信号を比較器の基準入力に提供するステップと、
少なくとも1つの第2のブロックを選択するステップと、
前記少なくとも1つの第2のブロックの信号を前記比較器の基準入力に提供するステップと
を備え、2重サンプリング量子化およびダイナミック素子整合(DEM:dynamic element matching)を用いた非オーバーラップ交番は、ループ遅延の追加の位相をもたらすことなく、DC成分を除去し、安定性を維持することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−65322(P2012−65322A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202019(P2011−202019)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(303046277)旭化成エレクトロニクス株式会社 (840)
【Fターム(参考)】