説明

高速転送を行うとともにリアルタイム状態表示するコードレス電話装置

【課題】本発明は、コードレス電話機の転送について、着信時の通話チャネルを継続保持し、転送時間を短縮及び各コードレス電話機の状態表示を目的とする。
【解決手段】
(1)各コードレス電話装置には着信した通話チャネルを予め定めた時間継続保持する手段を備え、上記親機が上記呼出を検出すると回線を保留にするとともに呼び出されるコードレス電話機との間に継続保持している通話チャネルを介し当該コードレス電話機の呼出を行うコードレス電話装置。
(2)各コードレス電話機には、全てのコードレス電話機の状態を示す表示器を備えるとともに、着信時設定した通話チャネルを予め定めた時間継続保持する手段を備え、上記親機には各コードレス電話機の状態を検出する手段を備え、上記親機が各コードレス電話機との間に継続保持している通話チャネルを介し検出した他のコードレス電話機の状態を当該コードレス電話機の表示器に表示するコードレス電話装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速転送を行うとともに簡易リアルタイム状態表示するコードレス電話装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コードレス電話機で転送を行うには次のように行っていた。
(1)アナログコードレス電話機の子機は、発信/着信時のみ親機と無線接続する。
(2)子機が呼び出される時(着信等)は制御チャンネルで無線接続制御を行った後、通信を行う通話チャネルに移行してから呼び出される。
(3)各回線の使用状況は当該子機が無線接続を行おうとした時に把握できる。
【0003】
上記のため従来の転送を受けるコードレス電話機のフローチャートを図3により説明する。図3において、親機に外線着信があると、各親機は対応するコードレス電話機に対し、無線接続制御を行いそのコードレス電話機に対し独自の通話チャネルで呼出音を送出する。各コードレス電話機は自己に割り当てられた通話チャネルを介し送られてきた呼出音を鳴動させる。最初に応答したコードレス電話機は自己に割り当てられた通話チャネルを維持し通話状態となるが、最初に応答しなかったコードレス電話機は着信鳴動停止となるとともに通話チャネルを開放し待機状態となる。
【0004】
いま、上記最初に応答したコードレス電話機の応対者は転送を行おうとする場合には、他のコードレス電話機の呼出操作を行う。親機はこの呼出信号を検出すると呼び出しを受けたコードレス電話機に対し無線接続制御を行い再度通話チャネルを選択接続を行う動作を行う。接続された通話チャネルで転送呼出を受けたコードレス電話機がこれに応答すると転送鳴動が停止し通話状態となる。
【0005】
図3のように転送を受ける電話機は最初着信したが最初に応答しなかったので無線接続区間が終了し、転送を受けるため再度無線接続を行うため無線接続区間が発生している。そのため、転送を受ける場合、最初から無線接続制御を最初から行わなければならず、転送時間がその分よけいにかかっていた。
【0006】
また従来の方式における各コードレス電話機では通話チャネルが親機との間で接続されていないため、各コードレス電話機の状態を他の電話機で知ることはできなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする従来の問題点は、(1)親機や他の子機による回線使用状況が、無線接続されていない状態(待受け等)では状態表示がないため回線使用状況の把握ができない。(2)外線着信に当該子機が呼びだされる(保留転送)場合や口頭転送により当該外線を捕捉しようとする場合、その都いちいち度無線接続制御を必要とするため、転送に時間が掛かる。
【0008】
上記したように従来のコードレス電話装置では,着信動作をしたが応答しなかったコードレス電話機に対しては通話チャネルを一旦開放するがこのコードレス電話機に転送してきた場合には別の通話チャネルを再ハントする必要があるため,再発呼の接続時間が長くかかるという問題があった。さらに,通話チャネルを開放しているため回線の状態も分からないという欠点がある。
【0009】
本発明は転送する場合の接続時間を短縮することができるとともに回線の状態を把握できる高速転送を行うとともにリアルタイム状態表示するコードレス電話装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、改良点として、コードレス電話機において回線の使用状態把握を必要とする外線着信後から転送をうけるまでの間は、最初の外線着信で接続した通話チャネルを継続保持する。通話チャネルの継続保持時間は設定により変更することを可能とし、バッテリー保持時間との兼ね合いを調整することを可能とした。
【0011】
発明の構成は以下のとおりである。
(1)複数回線を収容する主装置に接続される親機と、その親機と無線接続されるコードレス電話機とで構成されるコードレス電話装置において、各コードレス電話装置には、着信時設定した通話チャネルを予め定めた時間継続保持する手段と、転送のための保留手段及び他のコードレス電話機の呼出手段とを備え、上記親機にはコードレス電話機からの上記呼出を検出する検出手段を備え、上記親機が上記呼出を検出すると接続中の回線を保留にするとともに呼び出されるコードレス電話機との間に継続保持している通話チャネルにて当該コードレス電話機の呼出を行うことを特徴とするの高速転送を行うコードレス電話装置。
(2)複数回線を収容する主装置に接続される親機と、その親機と無線接続されるコードレス電話機とで構成されるコードレス電話装置において、各コードレス電話装置には、着信時設定した通話チャネルを予め定めた時間継続保持する手段を備えるとともに、そのコードレス電話機には上記回線の状態を示す表示器を備え、その親機には上記回線の状態を検出する手段を備え、上記親機が各コードレス電話機との間に継続保持している通話チャネルを介し、検出した上記回線の状態を当該コードレス電話機の表示器に表示するようにしたことを特徴とするリアルタイム状態表示するコードレス電話装置。
(3)複数回線を収容する主装置に接続される親機と、その親機と無線接続されるコードレス電話機とで構成されるコードレス電話装置において、各コードレス電話装置には着信した通話チャネルを予め定めた時間継続保持する手段と、転送のための保留手段及び他のコードレス電話機の呼出手段とを備え、上記親機にはコードレス電話機からの上記呼出を検出する検出手段と、上記親機が上記呼出を検出すると回線を保留にするとともに呼び出されるコードレス電話機との間に継続保持されている通話チャネルにて当該コードレス電話機の呼出を行うとともに、さらに各コードレス電話機には上記回線の状態を示す表示器を備えるとともに、上記親機には上記回線の状態を検出する手段と、上記親機が対応するコードレス電話機との間に継続保持している通話チャネルを介し、検出した上記回線の状態を当該コードレス電話機の表示器に表示するようにしたことを特徴とする高速転送を行うとともにリアルタイム状態表示するコードレス電話装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明の特徴は、通話チャネルを継続保持することにより、次のように高速転送や回線状態をリアルタイムに把握することが可能となる。
(1)保留転送においては、制御チャネルでの無線接続制御を行うことなく、当該コードレス電話機を呼び出すことができるため、レスポンス向上を図ることができる。
(2)口頭転送においても、制御チャネルでの無線接続制御を行うことなく、当該コードレス電話機より外線捕捉ができるため、レスポンス向上を図ることができる。
【0013】
すなわち本発明は、リアルタイム表示により、子機ユーザーへの情報報知範囲が広がることと、迅速性を要求される転送動作の高速化が図られるということである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明である高速転送を行うとともにリアルタイム状態表示するコードレス電話装置の一実施例を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の通話チャネルを維持して各機能を発揮する一実施例であるフローチャートである。
図2は、本発明に係わるもので親機がボタン電話装置等の主装置に接続されている。図2において、11、12、13は電話回線、2はボタン電話装置主装置、21、22、23は親機(接続装置)、31、32、33はボタン電話機、41、42、43は固定の電話機である。
【0016】
本発明の転送を受けるコードレス電話機のフローチャートを図1により説明する。図1において、親機に外線着信があると、親機は各コードレス電話機に対し、無線接続制御を行い各コードレス電話機に対し独自の通話チャネルで呼出音を送出する。各コードレス電話機は自己に割り当てられた通話チャネルを介し送られてきた呼出音を鳴動させる。最初に応答したコードレス電話機は自己に割り当てられた通話チャネルを維持し通話状態となるが、最初に応答しなかったコードレス電話機は着信鳴動停止となるが通話チャネルを維持したままとなる。
【0017】
いま、上記最初に応答したコードレス電話機31の応対者は転送を行おうとする場合には、他のコードレス電話機32の呼出操作を行う。親機21はこの呼出信号を検出すると呼び出しを受けたコードレス電話機32に対し、維持されている通話チャネルで直接転送の信号を送る。接続維持されている通話チャネルで転送呼出を受けたコードレス電話機32が転送呼出音の鳴動を開始する。この転送に応答すると転送鳴動が停止し転送したコードレス電話機31と通話状態となり、その後例えば外部の電話回線11と通話状態となる。
【0018】
図1のように転送を受ける電話機32は、最初着信し、最初に応答しないで且つ応答通話をしなくとも通話チャネルを保持しつづけるので無線接続区間が継続している。そのため、転送を受ける場合でも、通話チャネルが着信時から保持継続されているため、無線接続制御を最初から行わなくてもよく、転送が即行える。
【0019】
また各コードレス電話機では通話チャネルが親機との間で保持されているため、回線の状態を他の電話機で容易に知ることができる。
【0020】
なお、通話チャネルの継続保持時間は設定により変更することが可能であり、バッテリー保持時間との兼ね合いで調整することを可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0021】
上記では親機とコードレス電話機のコードレス電話装置として説明したが、図3で示す親機は構内交換機又はボタン電話装置主装置に接続される接続装置で電話回線に間接的に接続されるものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の1実施例である高速転送及びリアルタイム状態表示を行うコードレス電話装置の転送を受けるコードレス電話機のフローチャートである。
【図2】本発明に係わるコードレス電話装置を備えたボタン電話装置である。
【図3】従来の転送を受けるコードレス電話機のフローチャートである。
【符号の説明】
【0023】
11、12、13は電話回線、2はボタン電話装置主装置、21、22、23は親機(接続装置)、31、32、33はボタン電話機、41、42、43は固定の電話機。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数回線を収容する主装置に接続される親機と、その親機と無線接続されるコードレス電話機とで構成されるコードレス電話装置において、各コードレス電話装置には、着信時設定した通話チャネルを予め定めた時間継続保持する手段と、転送のための保留手段及び他のコードレス電話機の呼出手段とを備え、上記親機にはコードレス電話機からの上記呼出を検出する検出手段を備え、上記親機が上記呼出を検出すると接続中の回線を保留にするとともに呼び出されるコードレス電話機との間に継続保持している通話チャネルにて当該コードレス電話機の呼出を行うことを特徴とするの高速転送を行うコードレス電話装置。
【請求項2】
複数回線を収容する主装置に接続される親機と、その親機と無線接続されるコードレス電話機とで構成されるコードレス電話装置において、各コードレス電話装置には、着信時設定した通話チャネルを予め定めた時間継続保持する手段を備えるとともに、そのコードレス電話機には上記回線の状態を示す表示器を備え、その親機には上記回線の状態を検出する手段を備え、上記親機が各コードレス電話機との間に継続保持している通話チャネルを介し、検出した上記回線の状態を当該コードレス電話機の表示器に表示するようにしたことを特徴とするリアルタイム状態表示するコードレス電話装置。
【請求項3】
複数回線を収容する主装置に接続される親機と、その親機と無線接続されるコードレス電話機とで構成されるコードレス電話装置において、各コードレス電話装置には着信した通話チャネルを予め定めた時間継続保持する手段と、転送のための保留手段及び他のコードレス電話機の呼出手段とを備え、上記親機にはコードレス電話機からの上記呼出を検出する検出手段と、上記親機が上記呼出を検出すると回線を保留にするとともに呼び出されるコードレス電話機との間に継続保持されている通話チャネルにて当該コードレス電話機の呼出を行うとともに、さらに各コードレス電話機には上記回線の状態を示す表示器を備えるとともに、上記親機には上記回線の状態を検出する手段と、上記親機が対応するコードレス電話機との間に継続保持している通話チャネルを介し、検出した上記回線の状態を当該コードレス電話機の表示器に表示するようにしたことを特徴とする高速転送を行うとともにリアルタイム状態表示するコードレス電話装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−81634(P2007−81634A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−265052(P2005−265052)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000192796)神田通信工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】