説明

高電力処理を使用した高導電率除霜装置

本発明によれば、導電性加熱器格子の総合抵抗を小さくし、且つ、格子線を通って流れる電流の量を増すことによって窓の抵抗加熱が大きくなり、それにより、プラスチック窓アセンブリの臨界視野面積に生成される熱の量が改善される。これは、窓アセンブリが形成された後に、導電性加熱器格子の抵抗を小さくする高電力処理を加熱器格子に施すことによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりそのすべての内容が本明細書に組み込まれている、2005年2月24日出願の米国仮出願第60/655,936号の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
プラスチック製のパネル又は窓用に設計される加熱器格子と比較すると、ガラス製のパネル又は窓用に設計される加熱器格子に使用するために適した導電性材料のタイプには多くの相違が存在している。詳細には、ガラス製のパネル又は窓の製造プロセスは、加熱器格子を形成するために使用される導電性金属ペーストを高温(300℃より高い温度)で焼結させることができる。金属ペーストを高温にさらすことにより、ペースト中の金属粒子を軟らかくし、一体として融解させることができるため、導電率のレベルが比較的高い焼結格子線が得られ、或いは2.5ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)以下の低電気シート抵抗率の焼結格子線が得られる。また、この焼結プロセスによって、焼結金属格子線をガラス製のパネル又は窓の表面に適切に粘着させることができる酸化物表面官能基を生成することができる。
【0003】
一方、ほとんどの重合体システムのガラス転移温度(T)は、300℃のプロセス温度よりはるかに低い。したがって、プラスチック製のパネル又は窓は、ガラス製のパネル又は窓の製造プロセスに見られる比較的高い温度にさらすことはできない。プラスチック製のパネル又は窓の場合、通常、導電性金属ペーストをさらすことができる温度は、せいぜいそのプラスチック・パネルのTより約10℃低い温度までである。たとえば、ポリカーボネートのTは140℃程度である。この場合、金属ペーストを硬化させる温度は、約130℃を超えてはならない。金属粒子はこの低温では軟化せず、或いは一体として融解しない。さらに、プラスチック製のパネル又は窓に粘着させるためには、導電性ペースト中に重合体相を存在させなければならない。この重合体材料は、密に間隔を隔てた金属粒子間の誘電体として独自に挙動することがある。したがって、プラスチック上で硬化する金属ペーストの電気導電率は、通常、ガラス上の焼結ペーストの電気導電率より小さい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プラスチック基板上で硬化する導電性ペーストは、高温の基板(たとえばガラス)上に印刷される焼結金属ペーストと比較すると、その電気導電率がより小さいため、加熱器格子官能基は、長い格子線を必要とする場合、重大な問題を抱えている。大型車両のバックライト用の許容可能な除霜装置を提供するためには、業界には、プラスチック基板上で硬化する導電性ペーストの導電率を改善し、且つ、最適化する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、導電性加熱器格子の総合抵抗を小さくし、且つ、格子線を通って流れる電流の量を増すことによって窓の抵抗加熱が大きくなり、それにより、プラスチック窓アセンブリの臨界視野面積に生成される熱の量が改善される。プラスチック窓アセンブリによって、硬化した導電性インクの抵抗加熱によって霜及びくもりを除去する機能が提供される。プラスチック窓アセンブリは、透明なプラスチック・パネルと、少なくとも1つの保護層と、印刷され、且つ、硬化した導電性インクから形成された導電性加熱器格子であって、複数の主格子線を有し、個々の格子線の両端が第1及び第2の母線に接続された導電性加熱器格子と、第1及び第2の母線への少なくとも1つの電気接続であって、それにより閉電気回路が確立される電気接続とを備えている。形成された導電性加熱器格子は、高電力処理によって処理されており、それにより導電性加熱器格子の抵抗が高電力処理が適用されていない場合の抵抗より小さくなっている。
【0006】
高電力処理には、所定の振幅、パルス幅、パルス周波数、継続時間及び印加パルス数を有する波形を導電性加熱器格子に印加するステップが含まれており、導電性加熱器格子の抵抗が約10%超小さくなる。
【0007】
本発明の他の実施例によれば、複数の格子線及び少なくとも2本の母線を備えた加熱器格子の形態で導電性インクをプラスチック・パネルの保護層に印刷するステップと、印刷された加熱器格子の導電性インクを硬化させるステップと、加熱器格子の個々の母線への電気接続を確立するステップと、加熱器格子の抵抗を小さくするために有用な高電力処理を加熱器格子に施すステップとを含む、プラスチック窓アセンブリを形成するための方法が提供される。
【0008】
本発明の他の実施例によれば、プラスチック窓アセンブリを形成するための第2の方法が提供される。この方法には、複数の格子線及び少なくとも2本の母線を備えた加熱器格子の形態で導電性インクをプラスチック保護層に印刷するステップと、型の空洞にプラスチック保護層を配置するステップと、プラスチック・パネルを形成するために、型に熱可塑性樹脂を注入するステップと、形成されたプラスチック・パネルを型から除去するステップと、プラスチック・パネルに保護被膜を施すステップと、加熱器格子の個々の母線への電気接続を確立するステップと、加熱器格子の抵抗を小さくするために有用な高電力処理を加熱器格子に施すステップとを含む、プラスチック窓アセンブリを形成するための方法が含まれている。
【実施例】
【0009】
本発明は、「Passenger Car Bscklight Defoggimg System」という名称のSAE J953(1999年)試験プロトコル(Society of Automotive Engineers,Warrendale,PA)の形態の公認車両除霜規格に合致するべく除霜することができる透明プラスチック・グレージング・パネルに関している。この試験規格に合致するために、本発明による加熱器格子は、プラスチック窓アセンブリの一部に高電力処理方法が施されると、印刷された導電性インクの導電率が改善され、且つ、形成された加熱器格子の総合抵抗が小さくなる。
【0010】
従来の導電性ペースト又はインクは、プラスチック製の車両窓の除霜装置として機能するためのその能力が著しく制限されている。第1に、従来の導電性インク及びペーストは、その導電率が比較的小さく、加熱器格子を適切に機能させるために格子線の長さが約750mm(30インチ未満)に制限されている。残念なことには、ほとんどの車両の後部窓は、その幅が750mmより広く、また、加熱器格子には、750mmを超える格子線が必要である。表1は、従来の導電性インク又はペーストの例を関連する製造者と共に示したものである。本発明者らは、従来の導電性インク又はペースト(インクa→インクm)のシート抵抗率は、10ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)以上であることを確認した。
【0011】
【表1】

【0012】
本発明者らは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2005年12月9日出願の「Heat Enhancement in Critical Viewing Area of Transparent Panel」という名称の米国特許出願の中で、シート抵抗率が約8ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)未満、好ましくはシート抵抗率が約6ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)未満の「高」導電性インクを使用して、750mm(30インチ)を超える格子線を備えた除霜装置を機能させることができることを示した。印刷格子を使用して期待することができる最良の性能は、ガラス製の窓用に構築された除霜装置に存在している、印刷され、且つ、焼結した格子線によって立証されている。一方、通常の条件で硬化した従来の銀ペースト又はインクが示しているように、許容できない性能も観察されている。
【0013】
残念ながら、商用的に入手可能な「高」導電性インクの数は、既存の従来のインクの数と比較すると極端に制限されている(表1)。また、「高」導電性インクは、場合によっては、コストが高く、バッチ間の性能の変動が著しく、且つ、硬化条件即ち要求事項が厳格であるという問題を抱えている。本発明によれば、印刷され、且つ、硬化したインクに高電力処理を施すことにより、許容可能な性能で従来の銀ペースト又はインクを使用することができる。
【0014】
驚くべきことには、本発明者らは、プロトタイプの窓を製造するプロセスの間に、「硬化した」除霜装置パターンに熱成形ステップを施すことによって銀インクのシート抵抗率がわずかに小さくなることを発見した。熱成形ステップでは、印刷され、且つ、硬化した除霜装置を備えたプラスチック・シートが、所望の窓の形状に形成されたフィクスチャが存在している状態で除霜装置が印刷されるプラスチック・パネルのガラス転移温度(Tg)より高い温度にさらされる。したがって除霜装置は、このプロセスで、その正規の硬化温度又は従来の硬化温度より高い温度にさらされる。印刷された銀インクに熱成形を施すことによってシート抵抗率がより小さくなるということは、「硬化した」導電性インクをさらに硬化させることができ、さらには、場合によっては、より高い温度に加熱することによって銀粒子を融解させることができることを示している。
【0015】
本発明者らは、さらに、印刷され、且つ、「硬化した」加熱器格子を、極めて短時間のインターバルの間、高電圧(たとえばAC電界)にさらすことにより、「硬化した」銀インク又はペーストの導電率を著しく大きくすることができる(たとえばシート抵抗率を小さくすることができる)ことを発見した。本発明者らは、短時間のインターバルの間、除霜装置パターンを高電力にさらすことにより、「硬化した」導電性インクの抵抗加熱によってさらに硬化が誘導されると考えている。この高電力処理を利用することにより、加熱器格子内(たとえば格子線内)の熱を必要とする場所に熱が集中し、それによりプラスチック・パネルのあらゆる損傷が最小化される。
【0016】
除霜装置を形成するために使用される「硬化した」インクのシート抵抗率が小さくなるため、加熱器格子の総合抵抗が小さくなり、格子線の各々を介してより大きい電流を引き出すことができる。より大きい電流を引き出すことができるため、延いては除霜装置の格子線内により大量の抵抗加熱が得られる。
【0017】
硬化した高導電性インク
高導電性インクを使用してそれぞれポリカーボネート・パネルに印刷された合計7つの異なる除霜装置パターンは、1.8オームと3.2オームの間の範囲の初期抵抗を示した。利用された高導電性インクの1時間にわたる129℃での硬化後のシート抵抗率は、約5ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)である。次に、電気コネクタの粘着を介して、若しくは導電性接着剤又は超音波溶接を使用した母線へのピンを介して母線との電気接続が確立され、引き続いて、印刷され、且つ、硬化した加熱器格子に高電力処理が施された。表2は、この高電力処理に関連するいくつかのパラメータを、個々の加熱器格子の初期抵抗及び結果として得られた抵抗の比較と共に示したものである。すべての導電性加熱器格子に高電力処理が使用され(実行番号1〜7)、約100ボルトの電圧が「硬化した」加熱器格子に印加された。
【0018】
【表2】

【0019】
上で説明したような波形のパルス波形列を含む高電力処理を加熱器格子に適用することにより、加熱器格子の抵抗が総合的に減少する。観察された除霜装置抵抗の平均的な減少は約29%であり、16%(実行番号4)から53%(実行番号1)の測定範囲に及んでいる。この高電力処理を適用した後の「硬化した」導電性インクのシート抵抗率は、その初期値である約5ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)から約2ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)に減少したことが見出された。除霜装置抵抗の最小値は5分未満で得られ、1分未満でも最小値を得ることが可能である。格子線温度は、ポリカーボネートに対する重大な損傷を伴うことなく144℃(実行番号6)の高さに到達していることが観察された。「硬化した」導電性インクのシート抵抗率及び加熱器格子の総合抵抗は、格子線温度が約70℃より高い場合(つまり実行番号5の74℃)、依然として著しく減少することが見出された。印刷され、且つ、硬化した加熱器格子に少しでも欠陥(即ち介在物など)が存在していると、それは直ちに除霜装置パターンの故障の原因になることが分かった。したがって、高電力処理は、工業化された製造プロセスのための潜在品質制御ツールとして使用することも可能である。
【0020】
上で説明した、プラスチック・パネル上の導電性インクの約2ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)のシート抵抗率は、ガラス基板上の焼結導電性フリット・インクで観察される性能と等価の性能を発揮する加熱器格子を提供することができる。ガラス窓の従来の加熱器格子に使用されるフリット・インクの測定されたシート抵抗率は、約2〜3ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)であった。
【0021】
プラスチック・パネル上の導電性加熱器格子に対する高電力処理の適用を有利にするためには、加熱器格子の抵抗の減少は、約10%程度以上であることが望ましく、約25%より大きいことがとりわけ望ましい。導電性加熱器格子に関連する抵抗の有利な減少は、印刷された格子を備えた「硬化した」導電性インクのシート抵抗率が本発明による高電力処理を格子に適用することによって小さくなる場合に生じる。「硬化した」導電性インクのシート抵抗率の減少は、約10%程度以上であることが好ましく、約25%より大きいことがとりわけ好ましい。
【0022】
プラスチック・パネルに印刷され、且つ、「硬化した」加熱器格子の高電力処理には、短時間の期間の間、約20ボルトと約140ボルトの間であることが好ましく、約45ボルトと約120ボルトの間であることがとりわけ好ましい高電圧の印加が含まれている。この電圧は、高電力処理の間、加熱器格子に印加される波形の振幅を表している。
【0023】
印加される波形は、図1に示す方形波、矩形波、正弦波、減衰正弦波、鋸波、三角波又はパルス列10を含む様々な波形のうちの1つを使用することができる。パルス列10は、本発明による高電力処理に使用するための好ましい波形である。パルス12は、パルス12が連続関数ではなく、むしろ単一ショット又は過渡信号である点で波とは異なっている。パルスは、電力スイッチをオンにし、続いて再度オフにした場合に遭遇する事象に類似している。パルス列10は、図1に示すように、まとまって移動するパルス12の集合によって生成される。
【0024】
図2は、波形に関連する振幅14、幅16、休止18及びパルス12の数などの本発明による高電力処理のいくつかのキー・パラメータをパルス列10を使用して概ね定義し、且つ、示したものである。パルス列10のパルス12の幅16は、導電性加熱器格子に電圧が印加される時間として定義されている。パルス列10の場合、「休止」18は、さらに、電圧がオフにされている時間を表すべく定義されている。パルス列10の個々のパルス12に関連する幅16と休止18の合計が周期20であり、関連する波形の周期に類似している。パルス列10のパルス12の数は、パルス周波数と加熱器格子に高電力処理が適用される総時間の積として定義されている。つまり、パルス12の数は、パルス周波数と高電力処理に関連する総時間を掛け合わせることによって与えられる。パルス周波数は、1秒の時間フレーム内で生じるパルス12の数を意味している。たとえばパルス12の周波数が3Hzであり、高電力処理のために提供される総時間が1分(60秒)である場合、導電性加熱器格子に印加されるパルス12の数は、3パルス/秒×60秒であり、つまり180パルスである。
【0025】
導電性加熱器格子に印加されるパルス12の幅16は、約10ミリ秒から約100ミリ秒までの範囲であることが好ましく、約25ミリ秒ないし約50ミリ秒であることがとりわけ好ましい。加熱器格子に印加されるパルス12の周波数は、約1Hzから約10Hzまでの範囲であることが好ましく、約3Hzないし約7Hzであることがとりわけ好ましい。硬化した導電性加熱器格子に高電力処理が適用される時間期間は、約5分(300秒)未満であることが好ましく、約1分(60秒)未満であることがとりわけ好ましい。したがって、高電力処理の間に加熱器格子に印加されるパルス12の数は、約20パルスから約1500パルスまでの範囲であることが好ましく、約50パルスないし約200パルスであることがとりわけ好ましい。
【0026】
本発明者らは、高電力処理でキーとなる4つの変数、つまり、電圧、パルス幅、周波数及びパルス数の相互作用を完全に理解し、且つ、最適化するために、1/2一部2要因実験設計(DOE)を実行した。詳細には、これらの変数は、加熱器格子の形成に使用される「硬化した」導電性インクのシート抵抗率とのそれらの相互作用に関して評価された。本発明者らは、電圧及びパルス幅の両方が高導電性インクのシート抵抗率に大きく影響することを見出した。
【0027】
既に言及したように、高導電性インクの初期シート抵抗率は、約5ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)程度である。図3に示すように、加熱器格子に使用される「硬化した」高導電性インクに本発明による高電力処理を施した後のシート抵抗率の減少は、約2%から約44%までの範囲であった。高導電性インクのシート抵抗率の最も大きい減少(約37〜44%)は、図3の星印(A)で示すように、電圧及びパルス幅が最大である場合に生じる。DOEで調査された可変範囲に対する最も大きい減少は、120ボルトの電圧及び45ミリ秒のパルス幅の印加に対応している。星印(B)で示す約26〜33%のシート抵抗率の減少及び星印(C)で示す約15〜21%のシート抵抗率の減少は、印加電圧がそれぞれ100ボルト及び120ボルト、パルス幅がそれぞれ45ミリ秒及び20ミリ秒の場合に生じる。DOEによれば、約120ボルト未満の電圧及び約50ミリ秒未満のパルス幅であることが好ましい。パルス周波数と高電力処理が適用される時間の量の積を取ることによって決定されるパルスの数は、「硬化した」高導電性インクのシート抵抗率の減少に関しては大して影響しないことが分かった。「硬化した」インクの初期シート抵抗率が約5ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)である場合、結果として得られる、高電力処理を適用した後のシート抵抗率は、約2.8ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)である。プラスチック・パネル上の加熱器格子の「硬化した」高導電性インクの高電力処理を適用した後のシート抵抗率は、ガラス窓に焼結したインクのシート抵抗率と概ね等価である。
【0028】
硬化した従来の導電性インク
従来の「硬化した」導電性インクを利用している導電性加熱器格子に本発明による高電力処理を施した場合も、同様のシート抵抗率の減少が生じる。既に言及したように、「硬化した」従来の導電性インクの初期シート抵抗率は約10ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)である。この場合、「硬化した」インクのシート抵抗率に対する影響が最も大きい高電力処理の変数は、図4に示すように、この場合も電圧及びパルス幅である。より高い電圧(即ち100→120ボルト)及びより広いパルス幅(即ち20→45ミリ秒)を高電力処理に使用することにより、「硬化した」従来のインクのシート抵抗率が約45%減少する。「硬化した」従来のインクの初期シート抵抗率が約10ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)である場合、結果として得られる、高電力処理を適用した後のシート抵抗率は、約5.5ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)に減少する。この実施例は、「硬化した」加熱器格子に引き続いて高電力処理が適用されることを条件として、従来の導電性インクを使用してプラスチック基板上に導電性加熱器格子を形成することができることを立証している。高電力処理を施すことにより、「硬化した」従来のインクのシート抵抗率が、既に説明した「硬化した」高導電性インクのレベル近辺まで減少する。高導電性インクについては、さらに、2005年12月9日出願の「Heat Enhancement in Critical Viewing Area of Transparent Panel」という名称の米国特許出願に定義されている。しかしながら、結果として得られる、本発明による高電力処理を使用した後の「硬化した」高導電性インクのシート抵抗率は、従来のガラス窓除霜装置の準備に広く使用されている導電性フリット・インクと同様であるため、高導電性インクを使用して加熱器格子を形成する方が、従来の導電性インクを使用するよりも好ましい。
「実施例」
【0029】
3つの異なる導電性インク(2つは高導電性インクであり、1つは従来の導電性インクである)を、風雨に耐え、且つ、摩耗に耐えるパネルを提供している保護層の頂部のプラスチック・パネルに、複数の格子線46が2本の母線48の間を展開している加熱器格子36の形態で塗布し、引き続いて129℃で1時間にわたって硬化させた。図6は、パネル上に形成された加熱器格子の説明のための例を示したものである。「硬化した」導電性インクの初期シート抵抗率は、表3に示すように6〜10ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)の範囲であった。本発明による高電力処理がパネルの各々に施された。表3は、同じく、印刷され、且つ、硬化した加熱器格子の各々に適用された高電力処理に使用された様々なパラメータを、結果として得られた、高電力処理を適用した後の「硬化した」導電性インクのシート抵抗率の測値と共に示したものである。シート抵抗率が約29%(実行番号9)ないし約40%(実行番号10)減少していることが分かった。実行番号8〜10は、さらに、約45ボルトの電圧及び約3Hzの周波数で約32ミリ秒のパルス幅を含む高電力処理によって、導電性加熱器格子を形成するために使用される「硬化した」導電性インクのシート抵抗率が実質的に減少することを立証している。
【0030】
【表3】

【0031】
透明プラスチック・パネル32を備えた窓アセンブリ30は、任意の熱可塑性重合体樹脂又はそれらの混合物若しくは組合せを使用して構築することができる。本発明の熱可塑性樹脂には、それらに限定されないが、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアリール樹脂、ポリエステル樹脂及びポリスルホン樹脂並びに共重合体及びそれらの混合物がある。透明パネル32は、当業者に知られている、成形、熱成形又は押出しなどの任意の技法を使用して窓に形成することができる。パネル32は、さらに、不透明インクの印刷又は不透明樹脂を使用したボーダの成形によって加えられるブラックアウト・ボーダ及びロゴ34などの不透明領域を備えることができる。
【0032】
加熱器格子36は、導電性インク又はペーストを使用して、また、それらに限定されないが、スクリーン印刷、インク・ジェット又は自動ディスペンシングを始めとする当業者に知られている任意の方法を使用して、プラスチック・パネルの表面又は保護層38の表面に直接一体印刷することができる。自動ディスペンシングには、接着剤塗布分野の技術者に知られている、ドリップ・アンド・ドラッグ、ストリーミング及びシンプル・フロー・ディスペンシングなどの技法がある。
【0033】
プラスチック・パネル32は、単一の保護層38又は任意選択の追加保護層40を使用することにより、紫外放射への露光、酸化及び摩耗などの自然現象から保護することができる。したがって、多層保護被膜システムの場合、保護層38、40を備えることができる。本明細書に使用されているように、少なくとも1つの保護層を備えた透明プラスチック・パネル32は、透明プラスチック・グレージング・パネルとして定義されている。保護層38、40は、プラスチック・フィルム、有機被膜、無機被膜並びにそれらの複数の混合物からなっていてもよい。プラスチック・フィルムの組成は、透明パネル32の組成と同じであっても、或いは異なっていてもよい。フィルム及び被膜は、摩耗抵抗を強化するための紫外吸収体(UVA)分子、分散剤、界面活性剤などのレオロジー制御添加剤、及び透明充填材(たとえばシリカ、アルミニウム、酸化物など)、並びに光学特性、化学特性又は物理特性を修正するための他の添加剤を含有することができる。
【0034】
有機被膜の例には、それらに限定されないが、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、シリコーン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリラート、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン・ハードコート及びそれらの混合物又は共重合体がある。無機被膜のいくつかの例には、酸化アルミニウム、フッ化バリウム、窒化ホウ素、酸化ハフニウム、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、一酸化シリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン・オキシナイトライド、シリコン・オキシカーバイド、水素添加シリコノ・オキシカーバイド、炭化ケイ素、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、インジウム酸化スズ、酸化イットリウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコニウム又はそれらの混合物或いはブレンドがある。
【0035】
被膜は、当業者に知られている適切な任意の技法を使用して加えることができる。これらの技法には、基板に有機被膜又はゾル−ゲル被膜を加えるために使用される真空促進蒸着プロセス及び空中被覆プロセスに使用される反応種からの蒸着がある。真空促進蒸着プロセスの例には、それらに限定されないが、プラズマ増速化学気相蒸着(PECVD)、膨張熱プラズマPECVD、プラズマ重合、光化学気相蒸着、イオン・ビーム蒸着、イオン・プレーティング蒸着、陰極アーク蒸着、スパッタリング、真空蒸着、ホロー陰極活性化蒸着、マグネトロン活性化蒸着、活性反応真空蒸着及び熱化学気相蒸着がある。空中被覆プロセスの例には、それらに限定されないが、カーテン・コーティング、スプレー・コーティング、スピン塗布、浸漬被覆及び流し被覆がある。
【0036】
加熱器格子36は、プラスチック・パネル32、最も外側の保護層38、40又は2つの保護層の間に格子パターンを塗布することにより、窓の内面即ち表面42又は外側の表面44の近傍に配置することができる。本発明による構造の1つは、プラスチック・パネル32の表面に印刷された加熱器格子36を備えており、また、パネル32の外面44又は内面42のいずれか及び全ての保護層38、40の真下に印刷された加熱器格子36を備えている(それぞれ図5A及び5B)。一方、他の構造は、最も外側の保護層40の表面に印刷された加熱器格子36を備えている(図5C)。たとえば、印刷された除霜装置を備えたExatec(登録商標)900車両窓グレージング・システムを備えたポリカーボネート・パネルは、図5Cでその概要を説明した本発明の実施例に対応している。この特定の構造では、透明ポリカーボネート窓は、次に車両の内側42に面している最も外側の保護層40の表面に加熱器格子が印刷される多層被膜システム(アクリル被膜−Exatec(登録商標)SHP−9X、シリコーン被膜−Exatec(登録商標)SHX、及びガラス様被膜−SiO)で保護されている。代替構造では、1つ又は複数の保護被膜の1つ又は複数の層の頂部に加熱器格子36が配置され、引き続いて1つ又は複数の保護被膜の1つ又は複数の追加層がその上に被覆されている。たとえば、シリコーン保護被膜(たとえばAS4000、GE Silicones)の頂部に導電性加熱器格子を配置し、引き続いて「ガラス様」フィルムをその上に被覆することができる。
【0037】
本発明による他の実施例では、プラスチック・パネル32’の内部に加熱器格子36が一体で配置されている(図5D)。これらの実施例では、場合によっては透明なプラスチックの薄いフィルム又はパネルに加熱器格子36を最初に塗布する必要がある。透明フィルム又はパネルは、引き続いて窓の形に熱成形し、型の中に配置し、射出成形によってプラスチックを融解させることによって、プラスチック・パネル又は窓を形成することができる。薄いフィルム及び1枚の透明パネル又は2枚の透明パネルがまとめて積層化され、或いは接着剤で接着される。加熱器格子36が配置されるプラスチック・パネル又はフィルムは、装飾インク・パターン34(たとえばブラックアウトなど)を得ることも可能であり、また、他の官能基を追加することも可能である。
【0038】
本発明による導電性ペースト又はインクは、担体媒体中に分散した導電性粒子(たとえば薄片又は粉末)からなっていてもよい。導電性インクは、さらに、それらに限定されないが、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂又はそれらの混合物及び共重合体を始めとする重合体結合剤を含有することができる。いくつかの名前を挙げると、分散剤、チキソトロープ、殺虫剤、酸化防止剤、金属塩、金属化合物及びメタロ分解生成物などの他の様々な添加剤を導電性インクに存在させることができる。金属塩及び金属化合物のいくつかの例には、第三脂肪酸銀塩、金属炭酸塩及び金属アセテート化合物がある。メタロ有機分解生成物のいくつかの例には、カルボン酸金属セッケン、銀ネオデカノアート及び金アミン2カプロン酸エチルがある。
【0039】
本発明による導電性ペースト又はインクに存在している導電性粒子は、それらに限定されないが、銀、酸化銀、銅、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、スズ又はそれらの混合物及び合金を始めとする金属からなっていてもよく、また、金属ジカルコゲニドなどの任意の金属化合物からなっていてもよい。これらの導電性粒子、薄片又は粉末も、ポリアニリン、無定形炭素及び炭素−黒鉛などの当業者に知られているいくつかの導電性有機物質を含有することができる。すべての粒子、薄片又は粉末の粒子サイズは変更が可能であるが、約40μm未満の直径であることが好ましく、約1μm未満の直径であることがとりわけ好ましい。粒子タイプ及びサイズの混合物を利用して粒子のパッキングを最適化し、それにより導電率を改善し、且つ、シート抵抗率を小さくすることができる。導電性ペースト又はインク中の担体媒体として作用する任意の溶媒は、任意の有機ベヒクルの混合物であっても、或いは有機樹脂、添加剤又は導電性粒子に溶解度及び分散安定性を提供する溶媒であってもよい。
【0040】
以上、本発明について、好ましい実施例によって説明したが、当業者には、とりわけ以上の教示に照らして改変を加えることが可能であるため、本発明はそれらに制限されないことは当然理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の原理による高電力処理の一部として導電性加熱器格子に適用することができる電圧波形及びパルス波形のいくつかの実施例を示す図である。
【図2】本発明の原理による高電力処理における、振幅、パルス幅、パルス数などの様々なパラメータの定義を示す図である。
【図3】初期シート抵抗率が約5ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)である「硬化した」高導電性インクを備えた導電性加熱器格子に高電力処理を適用した場合に観察される抵抗率の減少を示す図である。シート抵抗率の変化は、立方体の様々な面として示されている様々なレベルの印加電圧、パルス幅及びパルス周波数に対する応答として評価されている。
【図4】本発明の原理による高電力処理に使用される2つの異なるパルス幅レベルに対するシート抵抗率対電圧を示すグラフである。高電力処理は、初期シート抵抗率が約10ミリオーム/25.4平方mm(平方ミル)である「硬化した」従来の導電性インクを備えた導電性加熱器格子に適用されている。
【図5】様々な可能プラスチック窓アセンブリの断面を示す略図である(A〜D)。
【図6】複数の格子線が2本の母線間を展開している加熱器格子を示す、本発明の原理を具体化した窓アセンブリを示す平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック窓アセンブリを形成するための方法であって、
透明なプラスチック・パネルを形成するステップと、
少なくとも1つの保護層を前記パネルに加えるステップと、
導電性インクを前記パネル及び前記保護層のうちの一方に、少なくとも2本の母線の間に複数の格子線が接続された加熱器格子の形態で提供するステップと、
印刷された加熱器格子の前記導電性インクを硬化させるステップと、
前記加熱器格子の母線の各々への電気接続を確立するステップと、
前記導電性インクが硬化した後に、前記加熱器格子の抵抗を小さくするステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記導電性インクを前記保護層に印刷する前記ステップが、スクリーン印刷、インク・ジェット及び自動ディスペンシングから選択される方法のうちの1つを使用して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記導電性インクを硬化させる前記ステップが、熱加熱への露出、UV放射への露出、及び前記インクに存在している重合体樹脂の触媒交差結合から選択される方法のうちの1つを使用して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記保護層が、プラズマ増速化学気相蒸着(PECVD)、膨張熱プラズマPECVD、プラズマ重合、光化学気相蒸着、イオン・ビーム蒸着、イオン・プレーティング蒸着、陰極アーク蒸着、スパッタリング、真空蒸着、ホロー陰極活性化蒸着、マグネトロン活性化蒸着、活性反応真空蒸着及び熱化学気相蒸着から選択される方法のうちの1つを使用して前記プラスチック・パネルに加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記保護層が、カーテン・コーティング、スプレー・コーティング、スピン塗布、浸漬被覆及び流し被覆から選択される方法のうちの1つを使用して前記プラスチック・パネルに加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記小さくするステップが、前記加熱器格子に高電力処理を施すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記高電力処理が、所定の振幅、パルス幅、パルス周波数、継続時間及び印加パルス数を有する波形を前記加熱器格子に印加するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記波形が、方形波、矩形波、三角波、正弦波、減衰正弦波、パルス列又はそれらの組合せ若しくは混合のグループから選択される波形である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記波形の振幅が、前記導電性加熱器格子に印加される電圧として定義された、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記導電性加熱器格子に印加される前記電圧が、約20ボルトと約140ボルトの間である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記導電性加熱器格子に印加される前記電圧が、約45ボルトと120ボルトの間である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記パルス幅が、約10ミリ秒と約100ミリ秒の間である、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記パルス幅が、25ミリ秒と約50ミリ秒の間である、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記パルス周波数が、約1Hzと約10Hzの間である、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記パルス周波数が、約3Hzと約7Hzの間である、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記継続時間が5分未満である、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記継続時間が1分未満である、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記印加パルス数が、約20パルスと約1500パルスの間である、請求項7に記載の方法。
【請求項19】
前記印加パルス数が、約50パルスと約200パルスの間である、請求項7に記載の方法。
【請求項20】
前記導電性加熱器格子の前記抵抗が約10%超小さくなる、請求項1に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項21】
前記導電性加熱器格子の前記抵抗が約25%超小さくなる、請求項1に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項22】
前記形成ステップが、射出成形、熱成形又は積層から選択される方法のうちの1つを使用して実行される、前記プラスチック・パネルを所望の形状に形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記提供ステップが、前記加熱器格子をプラスチック保護層に印刷するステップ、及び前記プラスチック保護層を型の空洞に配置するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記形成ステップが、前記プラスチック・パネルを形成するための前記保護層を中に有する前記型に熱可塑性樹脂を注入するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
硬化した導電性インクの抵抗加熱によって霜及びくもりを除去する機能を提供するプラスチック窓アセンブリであって、
透明なプラスチック・パネルと、
前記プラスチック・パネル上の少なくとも1つの保護層と、
複数の主格子線を有する導電性加熱器格子であって、個々の格子線の両端が第1及び第2の母線に接続され、前記加熱器格子が、印刷され、且つ、硬化した導電性インクから形成された導電性加熱器格子と、
前記第1及び第2の母線への少なくとも1つの電気接続であって、それにより閉電気回路が確立される電気接続と
を備え、前記加熱器格子が高電力処理によって処理され、それにより前記加熱器格子の抵抗が前記高電力処理が適用されていない場合の抵抗より小さくなったプラスチック窓アセンブリ。
【請求項26】
前記導電性インクが、担体媒体中に分散した導電性粒子を含有した、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項27】
前記導電性粒子が、金属薄片、金属粉末又はそれらの混合物から選択される1つを含有した、請求項26に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項28】
前記金属薄片及び金属粉末が、銀、酸化銀、銅、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、スズ又はそれらの混合物及び合金から選択される1つを含有した、請求項27に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項29】
前記導電性粒子の直径が約40μm未満である、請求項26に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項30】
前記導電性インクが重合体結合剤をさらに含有した、請求項26に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項31】
前記重合体結合剤が、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂又はそれらの共重合体若しくはブレンドから選択される1つを含有した、請求項30に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項32】
前記担体媒体が、前記重合体結合剤に溶解度を提供し、また、前記導電性粒子に分散安定性を提供する有機溶媒の混合物を含有した、請求項26に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項33】
前記導電性インクが、金属塩、金属化合物、メタロ分解生成物又はそれらの混合物若しくはブレンドから選択される添加剤をさらに含有した、請求項26に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項34】
前記金属塩が第三脂肪酸銀塩である、請求項33に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項35】
前記金属化合物が、金属炭酸塩、金属アセテート化合物又はそれらの混合物若しくはブレンドから選択される1つを含有した、請求項33に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項36】
前記メタロ有機分解生成物が、カルボン酸金属セッケン、銀ネオデカノアート、金アミン2カプロン酸エチル又はそれらの混合物若しくはブレンドから選択される1つを含有した、請求項33に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項37】
前記導電性加熱器格子が、前記透明プラスチック・パネルの表面に直接印刷された、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項38】
前記導電性加熱器格子が、保護層の表面に直接印刷された、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項39】
前記導電性インクが、熱加熱への露出、UV放射への露出、又は前記インクに存在している重合体樹脂の触媒交差結合によって硬化される、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項40】
前記高電力処理が、所定の振幅、パルス幅、パルス周波数、継続時間及び印加パルス数を有する波形を前記導電性加熱器格子に印加するステップを含む、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項41】
前記波形が、方形波、矩形波、三角波、正弦波、減衰正弦波、パルス列及びそれらの組合せのグループから選択される波形である、請求項40に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項42】
前記導電性加熱器格子の前記抵抗が、前記高電力処理が適用されていない加熱器格子の抵抗と比較して約10%超小さい、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項43】
前記導電性加熱器格子の前記抵抗が、前記高電力処理が適用されていない加熱器格子の抵抗と比較して約25%超小さい、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項44】
前記高電力処理によって、最も短い格子線の最大温度が約70度より高くなる、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項45】
前記高電力処理によって、さらに、前記硬化した導電性インクの初期シート抵抗率が約10%超小さくなる、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項46】
前記硬化した導電性インクの初期シート抵抗率が約25%超小さくなる、請求項45に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項47】
前記硬化した導電性インクの初期シート抵抗率が約5ミリオーム/25.4平方μm(平方ミル)より大きい、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項48】
前記硬化した導電性インクの初期シート抵抗率が約10ミリオーム/25.4平方mm(平方ミル)より大きい、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項49】
前記硬化し、且つ、処理された導電性インクのシート抵抗率が約6ミリオーム/25.4平方mm(平方ミル)未満である、請求項25に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項50】
前記硬化した導電性インクが高導電性インクである、請求項47に記載のプラスチック窓アセンブリ。
【請求項51】
前記硬化した導電性インクが従来の導電性インクである、請求項48に記載のプラスチック窓アセンブリ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−532233(P2008−532233A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557229(P2007−557229)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/006971
【国際公開番号】WO2006/091955
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(505365404)エクスアテック、エル.エル.シー. (51)
【Fターム(参考)】