説明

魚類およびその生産

本発明は、1つまたは複数の成分を豊富に含む改善された食用の魚類、甲殻類(crustacean)または軟体動物製品(mollusk products)の組成、生産方法および使用に関するものである。1つまたは複数の成分は、製品を摂取する人間または他の動物の健康を増進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
魚類およびその生産
【背景技術】
【0002】
消費者は、政府機関が農薬、ホルモン、または通常自然食品には含まれていない合成化学薬品のような化学物質を含んでいないと認定する「有機」食品をますます好ましいと思うという意見を表明している。消費者は、天然のシーフードが人間が摂取するのに適しているかどうかについて関心を持っているし(自然破壊および自然資源の過度の開発による)、汚染されおよび/または減少しつつある天然資源(例えば、魚粉および魚油)からの成分を含んでいる飼料で飼育された動物の認識されている粗悪さのために、有機水産養殖技術を開発する必要がある。米国の有機認定を受けるには、水産養殖する種に供給する飼料は、1991年の米国オーガニック食品保護法(OFPA)、およびすべての食料は、有機的に生産した、できれば有機的に処理した製品を含むものでなければならないと規定しているUSDA全米有機基準(USDA NOS、2002年)の要件に適合するものでなければならない。我々の知る限りでは、USDA NOSが規定する100%有機認定に関する要件に適合することができるすべての水生動物用の飼料は市場には存在しないように思われる。より詳細には、問題なのは、ある種の動物、特に肉食種の最適な成長のための飼料内の魚粉および/または魚油に対する要件である(SargentおよびTacon、1999年)。食品として現在市場で売られている水生動物は、天然物、または有機認定されない半集約的または高度に集約的な生産システムで生産されたものである。
【0003】
魚類、軟体動物および甲殻類のような水生動物は、通常、陸上動物よりも多くのω−3長鎖多不飽和脂肪酸(LC−PUFA)を含んでいる(Crawford、Bloom他、1999年)。しかし、これらの水生動物は、新たに十分なω−3LC−PUFAを合成することができず、それどころか水生生態系の微小藻類(microalgae)、植物プランクトンおよび動物プランクトンから、水生食物網を通してω−3LC−PUFAを摂取している(KyleおよびArterburn、1998年)。重要なことは、魚類が最適な成長および発育のために食事としてω−3LC−PUFAを摂取することである。サケおよびマグロのような海水魚の天然種は、エイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサン酸(DHA)のようなある種のω−3LC−PUFAを比較的高いレベルで含んでいるが、一方、ナマズおよびテラピアのような温水淡水魚は、遥かに低いレベルのEPAおよびDHAしか含んでいない(Chetty、Reavis他、1989年)。
【0004】
水生動物の商業的農業は、魚類、甲殻類または軟体動物を最適に成長させるための飼料の開発を必要とした(ShephardおよびBromage、1992年;McVey、1993年)。大部分の商業的飼料は、水生動物を最適に成長させるために、十分な量の消化しやすい蛋白質源およびω−3LC−PUFA源として魚類の副産物(魚粉および/または魚油)を含む。水生動物の飼料に添加するDHAおよびEPAのレベルは種により異なる。何故なら、ある種の種(例えば、タイ、オヒョウ、タラ、マグロ)は、他の水生種(例えば、ナマズ、テラピア、イガイ)と比較すると、より多くのDHAおよびEPAを必要とするからである。大量のDHAを必要とする種は食肉魚類に多い傾向があり、一方、草食魚類は、通常、もっと少ない量のDHAしか必要としない(Chetty、Reavis他、1989年)。
【0005】
DHAのようなLC−PUFAは、通常、発育中の幼児、授乳中の母親、子供および成人に有意な健康上のメリットを有する(Gormley、1999年)。それ故、現代の食事内のω−3の不足を補うために、DHAの摂取量を増やすことが推奨されている。陸上植物および動物をベースとする食料は、ω−3LC−PUFA、特にDHAおよびEPAが比較的少なく、一方、高いレベルのω−6LC−PUFAを含む。それ故、現代の人間の食料のDHAおよびEPAの主な供給源は、魚類、甲殻類および軟体動物のような水生動物である。米国内の主な水産養殖の魚種は、すべての魚種の中でDHAおよびEPAが最も少ない供給源の1つであるナマズである(USDA、2002年)。それ故、サケまたはマグロのレベル類似のレベルでDHAを供給するナマズの供給源を供給することができれば健康にとって大きなメリットがある。本発明の前には、このような高DHAのナマズまたはテラピア製品は入手できなかった。
【0006】
多くの養殖水生動物種の飼料は、ω−6脂肪酸リノレン酸(LA)を豊富に含んでいるが、多くの種のLAのアラキドン酸(ARA)への変換は比較的不十分であり、これらの魚からの肉またはオイル分画内(meat or oil fractions)のARAレベルは非常に低い(USDA、2002年)。このことは、非常に高レベルの魚粉および魚油で飼育される水生種について特に言えることである。ARAは人間および他の動物の成長および発育を促進するが、飼料としてのARAの供給源は肉および卵に限られている(Kyle、1997年)。例えば、肝臓疾患を持つ人間は、LAをARAに変換することができず、血液内のARAのレベルが低くなる(Pita、Rubio他、1997年)。このため、トロンボキシンA2およびプロスタグランジンE2のレベルが低くなり、過度の出血を起こすことになる(Burke、Ling他、2001年)。飼料としてのARAは、猫の不可欠な飼料成分である(SalemおよびPawlosky、1994年)。それ故、そのARAのレベルを高くするために必要な場合がある、人間および他の動物が摂取するためのもっと健康によい飼料成分を供給するために、ARAを含む水生動物の脂質分画を豊富にすると有利である。
【0007】
カロチノイド(例えば、アスタキサンチン)は、エビおよびサケ科の魚のようなある種の水生動物の身体の色を望ましい色にすることができる(MeyersおよびLatscha、1997年)。調理前後の外見は、消費者のシーフード製品の購入に影響を与える重要な要因である。このようなカロチノイドは、直接飼料に由来するものでも、他の飼料カロチノイドの代謝による変換によるものであってもよい(MeyersおよびLatscha、1997年)。アスタキサンチンは、大部分の水生動物内の主要なカロチノイドであり、多くの飼料に添加される(MeyersおよびLatscha、1997年)。アスタキサンチンは、食物網を通して飼料内に直接的または間接的に存する植物プランクトン(藻類)または動物プランクトン(カイアシ類)源から天然水生動物によって摂取される。他のキサントフィル(ルテイン(lutein)またはゼアキサンチン(zeaxanthin)など)および他のカロチン(リコピン(lycopene)またはγカロチンなど)は、通常、水生動物に大量には含まれていない。しかし、人体内においては、ルテインおよびゼアキサンチンは、目の健康増進と関連している(Snodderly、1995年)。年齢に関連する筋肉の退化(AMD)の発症は、逆にルテインおよび/またはゼアキサンチンの食事摂取量と相互関係を有する(Rapp、Maple他、2000年)。それ故、食用水生動物のアスタキサンチンをルテインおよび/またはゼアキサンチンで置換するか、またはルテインおよび/またはゼアキサンチンを含む強化食品で置換すると、消費者の目の健康にさらにメリットがある食品ができる。
【0008】
タウリン(taurine)は、人体内で多くの生理学的作用を持つことが分かっている硫黄を含むアミノ酸である(LourencoおよびCamilo、2002年)。タウリンを合成する人間の能力には限界があり、ある条件の時だけ起こる欠乏が起こる恐れがあり、特に新生児の場合に起こる恐れがある(Chesney、Helms他、1998年)。猫のようなある種の他の哺乳動物は、タウリンを合成することができない。猫の体内でタウリンが欠乏すると、視力障害を起こすことが分かっている(Neuringer、Imaki他、1987年)。タウリンは、通常、肉製品および魚製品に含まれているが、植物には含まれていない。それ故、酪農製品または卵製品を摂取しない菜食主義者も、タウリンの欠乏を起こすことがある。タウリンは、中枢神経系、骨格筋および心臓に含まれている(Suleiman、Moffatt他、1997年)。タウリンは、また細胞内および細胞外でのカリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウムの移動にも関連があるように思われる(Tricarico、Barbieri他、2001年)。タウリンは、てんかん性発作または他の興奮性脳状態の治療の際に抑制神経伝達物質として使用されてきたし(Lombardini、1992年)、網膜疾患、鬱病、男性不妊症および心臓血管疾患を含む問題に治療効果がある場合がある(LourencoおよびCamilo、2002年)。本発明者は、タウリンが、DHAを必要とするほとんどすべての機能に関連しているらしいことを発見した。DHAの欠乏を起こしている臨床症状の場合には、タウリンも欠乏している。それ故、DHAおよびタウリンを同時に補充すると、中枢神経系の疾患(例えば、鬱病、注意欠乏障害(ADD)、アルツハイマー病(AD)、てんかん、精神分裂症、双極性障害等)、心臓血管疾患(例えば、高血圧、高コレステロール血症、アンギナ、不整脈等)、他の代謝性疾患(例えば、糖尿病、心室性細動、筋ジストロフィ等)を含むがこれらに限定されない多くのこれらの疾患の治療に効果があることがある。さらに、DHAとタウリンを同時に補充すると、哺乳動物(例えば、猫科の動物、犬科の動物、牛科の動物、豚科の動物等)、鳥類(例えば、鶏、七面鳥等)、および魚類(例えば、硬骨魚類種および軟骨魚類種)を含むがこれらに限定されない人間でない脊椎動物、および軟体動物および甲殻類を含むがこれらに限定されないある種の海洋無脊髄動物に特に効果がある場合がある。タウリンは、例えば、猫に対して不可欠な飼料成分であることが分かっているので、タウリンを多く含む魚製品を猫に与えると特に効果がある。
【0009】
消費者および動物の健康を増強するLC−PUFAプロファイルが改善された(例えば、DHAのレベルの高い)、またはルテインおよび/またはゼアキサンチンが豊富なはっきりしたうれしい視覚プロファイル(a distinct,pleasing visual profile )、またはアミノ酸タウリンのレベルが高い、魚類(例えば、ナマズ、テラピア等)、軟体動物(例えば、カキ,イガイ等)、および甲殻類(例えば、ロブスター、エビ、カニ等)を製造することができる特別設計の水生動物飼料および生産方法は、新規なものであり、現在の市販のシーフード製品を有意に改善する。天然捕獲数が減少しているので、このような設計魚、貝および甲殻類は、現在天然および養殖動物以上の供給栄養価を改善する一方で、増大する市場の要求を満たす。
【0010】
本発明は、上記シーフードを摂取する人間または動物の健康を増進する1つまたは複数の成分を豊富に含む食用水生動物(例えば、魚類、軟体動物および甲殻類)の生産および使用に関する。より詳細には、これらの水生動物は、ある種のLC−PUFA(DHA、EPAまたはARAを含むがこれらに限定されない)、ある種のアミノ酸(タウリン、アルギニンまたはメチオニンを含むがこれらに限定されない)、ある種のカロチノイド(ルテイン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、ゼアキサンチンまたはリコピンを含むがこれらに限定されない)を豊富に含むことができる。微小藻類バイオマス(biomass)を含むがこれに限定されないような定義した成分で、魚粉および/または魚油成分を置換することにより、水産養殖したシーフード製品の有機認定を可能にするいくつかの方法も考慮の対象になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解決すべき問題は、野菜だけの飼料により強化した栄養価を含む水生動物の養殖である。魚粉は、コーンミールまたは大豆ミールのようなある種の植物性蛋白質源で置換することができるが、魚油は、動物の最適な成長のために(すなわち、DHA、EPAまたはARAを供給するために)依然として使用しなければならないが、そうするとこのような飼料は野菜だけのものでなくなり、現在の「有機」ラベル分類下では認定されないものになる。本発明者は、この問題をDHA、EPAおよびARAのある種の野菜だけの供給源を使用することにより解決した。
【0012】
解決しなければならない第2の問題は、黄斑変性、色素性網膜炎、および白内障を含むがこれらに限定されない視力障害を持つ個人または動物の飼料を補充するために使用することができるルテインおよび/またはゼアキサンチンの治療用量を供給する水生動物製品の供給である。本発明者は、マリゴールドの花弁、Lycium Chinese Mill berry、トマト処理廃棄物、ある種のバクテリア(例えば、フラボバクテリウム)、および/またはある種の微小藻類(例えば、クロレラ、Dunaliella、ナノクロロプシス(Nannochloropsis))を含むがこれらに限定されない飼料ルテイン、ゼアキサンチンまたはリコピンのある種の野菜だけの供給源を供給することによりこの問題を解決した。本発明者は、また、大豆レシチン、卵レシチン、または藻類からのDHAを豊富に含む燐脂類抽出物を含むがこれらに限定されない燐脂類を含むカロチノイドを同時に補充すると、カロチノイド色素の生物学的利用能が予想外に増大することを発見した。
【0013】
解決しなければならない第3の問題は、通常、これらの脂肪酸を非常に僅かしか含んでいないが、依然として野菜だけの飼料を維持し、それにより最終製品の「有機」認定を受けることができるようにする水生種(例えば、ナマズ、テラピアおよびエビ)のEPA、DHA、ARAおよびアルファ・リノレン酸(ALA)の含有量を増大することである。本発明者は、水生動物のDHA含有量が野生の捕獲動物のそれよりも少なくとも50%、または現在の水産養殖動物のそれよりも100%多くなるように、水生動物に微小藻類または菌類飼料を補充することによりこの問題を解決した。
【0014】
解決しなければならない第4の問題は、魚類、軟体動物または甲殻類の水生種内のアミノ酸タウリンのレベルを増大することである。有機源を維持しながら、それにより最終製品の「有機」認定を受けることができるようにする場合にはこの問題は特に問題になる。本発明者は、水生動物のタウリン含有量を現在の水産養殖動物のそれより少なくとも50%多くなるように、飼料内のタウリンの微小藻類源により水生動物に飼料を補充することによりこの問題を解決した。
【課題を解決するための手段】
【0015】
定義
【0016】
本発明の説明には、以下の定義による下記の用語を使用する。
【0017】
「水産養殖した」水生動物とは、その全文を本明細書に組み込むものとする「集約魚類養殖」という研究論文(ShephardおよびBromage、1992年;McVey、1993年)に記載されている魚類、甲殻類または軟体動物の通常の養殖と定義されている標準水産養殖方法により養殖した水生動物である。
【0018】
水生動物の「有機」認定を受けるには、生産のために使用する飼料内の成分の95%が認定された有機源からのものになるように、動物を飼育しなければならない。これらの有機魚類、軟体動物または甲殻類のために使用する生産プロセスは、環境に対する水生動物の生産の影響を最小限度に低減するために、生産システムの入力および出力を制御する。この特許出願の目的のために、USDA全米有機基準(2002年)に概略記載されている有機という用語の化学的使用(すなわち、炭素を含む化合物)から、本明細書に記載する有機という用語の法定使用を区別するために、organicの頭文字を大文字にしてある、すなわち、Organicにしてある。
【0019】
「100%有機シーフード」という用語は、生産のために使用する飼料の100%が、認定された有機源からのものになるように飼育した任意の水生動物を意味する。これらの有機シーフードのための生産プロセスは、環境に対するシーフード生産の影響を最小限度に低減するために、生産システムの入力および出力を制御する。この特許出願の目的のために、USDA全米有機基準(2002年)に概略記載されている有機という用語の化学的使用から、本明細書に記載する有機という用語の法定使用を区別するために、organicの頭文字を大文字にしてある、すなわち、Organicにしてある。
【0020】
「仕上げ用飼料」という用語は、生産の全行程中にではなく、収穫前に動物に与える飼料を意味する。好適には、その期間は一日であることが好ましいが、この期間は2カ月まで延長することができる。
【0021】
「水生動物」という用語は、主として水中環境に生息している動物であり、魚類、甲殻類および軟体動物を含む。本発明の目的ために、「水生動物」という用語は、そのために水産養殖法および/または商業的生産法が開発されたこれらの動物にさらに限定され、それにより、この出願提出の日付現在のすべての非養殖または天然の水生種を除く。
【0022】
本発明においては、単数の「魚」および複数の「魚」は、サメ、エイ、チョウザメ、ウナギ、アンチョビー、ニシン、コイ、キュウリウオ科の魚、サケ、マス、メルルーサ科の魚、タラ、フサカサゴ科の魚、バス、ニベ科の魚、サバ、マグロ、バターフィッシュ、ナマズ、ヒラメおよびタイ科の魚を含むがこれらに限定されない任意の硬骨魚または軟骨魚と定義されている。
【0023】
本発明においては、単数の「軟体動物」および複数の「軟体動物」は、二枚貝、腹足類動物、頭足動物、およびイガイ、ハマグリ、カキ、イタヤガイ、カタツムリ、巻貝、アワビ、イカおよびコウイカを含むがこれらに限定されないヒザラガイ類を含む軟体動物門からのすべての貝として定義されている。
【0024】
本発明においては、単数の「甲殻類」および複数の「甲殻類」は、エビ、ロブスター、レッドクロー(red claw)およびカニを含むがこれらに限定されない甲殻類の任意の一員として定義されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
実施形態
【0026】
ある好ましい実施形態の場合には、本発明は、LC−PUFA(例えば、DHA、ARA、EPA等)、カロチノイド(例えば、ルテイン、β−カロチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、γ−カロチン、リコピン等)、アミノ酸(例えば、タウリン、アルギニン、メチオニン、リジン、システイン等)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE等)、ミネラル(例えば、鉄、亜鉛、セレン、マグネシウム等)を含むがこれらに限定されないある種の有益な化合物、または他の有益な化合物で選択的に強化されたナマズまたは他の魚類、軟体動物または甲殻類を提供する。
【0027】
他の好ましい実施形態の場合には、本発明は、魚、軟体動物または甲殻類に与えた場合、LC−PUFA(例えば、DHA、ARA、EPA等)、カロチノイド(例えば、ルテイン、β−カロチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、γ−カロチン、リコピン等)、アミノ酸(例えば、タウリン、アルギニン、メチオニン、リジン、システイン等)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE等)、ミネラル(例えば、鉄、亜鉛、セレン、マグネシウム等)を含むがこれらに限定されないある種の健康に有益な化合物、または他の有益な化合物で水生動物を選択的に強化する飼料組成物を提供する。
【0028】
もう1つの好ましい実施形態の場合には、本発明は、有機であると認定され、5%以下の動物性原料または100%の有機物を含んでいて、魚、軟体動物または甲殻類に与えた場合、LC−PUFA(例えば、DHA、ARA、またはアラキドン酸、EPA等)、カロチノイド(例えば、ルテイン、β−カロチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、γ−カロチン、リコピン等)、アミノ酸(例えば、タウリン、アルギニン、メチオニン、リジン、システイン等)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE等)、ミネラル(例えば、鉄、亜鉛、セレン、マグネシウム等)を含むがこれらに限定されないある種の健康に有益な化合物、または他の有益な化合物で水生動物を選択的に強化する飼料組成物を提供する。
【0029】
他の実施形態の場合には、本発明は、LC−PUFA(例えば、DHA、ARA、EPA等)、カロチノイド(例えば、ルテイン、β−カロチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、γ−カロチン、リコピン等)、アミノ酸(例えば、タウリン、アルギニン、メチオニン、リジン、システイン等)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE等)、ミネラル(例えば、鉄、亜鉛、セレン、マグネシウム等)を含むがこれらに限定されないある種の健康に有益な化合物、または有機または100%有機である飼料を使用して、有機または100%有機のシーフード製品を生産することができる他の有益な化合物で選択的に強化された魚類、軟体動物または甲殻類を養殖する方法を提供する。本発明は、人間のための食料または動物のための飼料として有機または100%有機のシーフード製品の使用を含む。
【0030】
さらにもう1つの実施形態の場合には、本発明は、LC−PUFA(例えば、DHA、ARA、EPA等)、カロチノイド(例えば、ルテイン、β−カロチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、γ−カロチン、リコピン等)、アミノ酸(例えば、タウリン、アルギニン、メチオニン、リジン、システイン等)、ビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE等)、ミネラル(例えば、鉄、亜鉛、セレン、マグネシウム等)を含むがこれらに限定されないある種の健康に有益な化合物、または食料または飼料として有益な他の化合物で選択的に強化されたこれら設計魚、軟体動物または甲殻類を使用する方法を提供する。
【0031】
生産方法
【0032】
標準水産養殖方法は明確に記述され(ShephardおよびBromage、1992年;McVey、1993年)、完全内蔵水産養殖システムも記述されていて、参照により本明細書に組み込むものとする(Jory、McMahon他、2002年)。当業者であれば周知のこのようなシステムは、本発明を実行するために使用することができる。別の方法としては、半集約的生産システムも当業者にとって周知のものであり、同様に使用することができる(Lopez、Allen他、2002年)。これらのシステムは、ケージ、囲い、池、タンクおよび任意の他の開放または閉鎖生産システムを含むことができる。本発明の1つの重要な構成要素は、LC−PUFA、必須アミノ酸、ピグメント等のような有益な化合物を含む、本明細書に記載する飼料を水産養殖した動物に与えた後の、水産養殖した動物製品の選択的栄養価の増強という予想外の結果である。
【0033】
(有機生産方法)
魚類、貝類および甲殻類動物用の制御水生動物生産システムは、当業者にとって周知ものである(Jory、McMahon他、2002年)。米国および国際規定(例えば、USDA全米有機基準2002)が有機管理方法を定義していて、「有機」シーフードの生産の際に参照することができる(Hardy、2002年)。しかし、完全な認定を受けるには、飼料成分は動物を起源とするものであってはならない。今日まで、水生動物の飼料から魚類の副産物(肉およびオイル)の完全な除去は達成されていない(Hardy、2002年)。消費者が、水産養殖した魚類、軟体動物または甲殻類を好んで受け入れてくれるようにするためには、制御状況の下で飼育され、(USDAが定める制限および規定に適合する)認定された有機成分を95または100%含む飼料で育てられた有機シーフードまたは100%有機シーフードを生産しなければならない。魚類、軟体動物および甲殻類用の全部植物性飼料について記述するのは本発明が初めてである。この場合、魚粉および/または魚油は、加水分解した植物蛋白質、バクテリア、およびω−3LC−PUFAを含む微小藻類の組合わせにより置換される。このような飼料は、魚粉/魚油を使用しなでも海洋動物の成長をサポートする。全米有機基準委員会(NOSB)等のような標準有機認証団体が定義する、それ自身「有機」である飼料成分を選択することにより、これら新規飼料も初めて「有機飼料」として分類することができる。このような飼料は、非遺伝的に修正した飼料材料だけを含んでいて、抗生物質も魚粉および魚油も含んでいない。NOSBのような標準有機認証団体が同様に「有機である」と見なす、当業者であれば周知の管理方法により魚、軟体動物または甲殻類を飼育すると、一意の組成を有し、例えば、NOSBのような標準有機認証団体の規格の下で初めて「有機エビ」、「有機ナマズ」または「有機ハマグリ」として分類される動物ができる。100%有機シーフードを生産するには、すべての入力が有機であると認定されなければならないし、生産方法がNOSBにより承認されなければならない。本発明は、また、豚、牛、鶏および身近な動物(例えば、猫、犬、馬等)を含むがこれらに限定されない陸上動物用の有機飼料の使用も含む。
【0034】
ピグメント増強
【0035】
本発明は、また、高レベルのルテインおよび/またはゼアキサンチンを含む魚類、軟体動物または甲殻類の生産も行う。天然のまたは養殖した魚類およびエビの主なカロチノイドはアスタキサンチンである(MeyersおよびLatscha、1997年)。ある場合には、化学的に合成したカンタキサンチンが、サケの飼料内のアスタキサンチンの代用品として使用されてきたが、目の網膜内のカンタキサンチン結晶の蓄積への懸念のため最近その使用が制限されている(Goralezyk、Barker他、2000年)。アスタキサンチンが動物の支配的なカロチノイドでない、エビまたはサケ科の魚についての報告はない。本発明者は、驚くべきことに、飼料カロチノイドを調整すると、主なカロチノイドがアスタキサンチンでない水生動物ができる場合があることを発見した。すなわち、この場合、アスタキサンチンは、全カロチノイドの50%以下である。別の結果としては、自然界では全カロチノイド分画の5%以上蓄積しないカロチノイドが、飼料を変更することにより10%以上増強されるカロチノイドのプロファイルの有意な調整がある。マリゴールドの花弁、Lycium Chinese Mill Berry、トマト製品、トウモロコシ・グルテン、Chlorella、Spirulina、Crypthecodintum、Schizochytrium、珪藻を含むがこれに限定されないある種の微小藻類、Flavobacteriumおよび/またはこれらの供給源の任意のものからの抽出物を含むがこれらに限定されないある種のバクテリアを含むがこれらに限定されないある種の材料をエビに飼料として補充して、動物の組織内のルテイン、ゼアキサンチン、リコピンおよび他のカロチノイドのレベルを上昇することができる。驚いたことに、これらの供給源は、追加したカロチノイドをアスタキサンチンに完全に変換しない。
【0036】
本発明は、またルテイン、ゼアキサンチン、リコピン、γ−カロチン、およびβ−カロチンを含むがこれらに限定されない人工ピグメントの使用も含む。しかし、これら材料を含んでいても、飼料または上記飼料を摂取する水生動物は100%有機であると認定されない。しかし、両方の場合、全カロチノイドの50〜75%以下をアスタキサンチンとして含むシーフード製品ができる。その種々の形のルテイン、ゼアキサンチンまたはリコピンが、最終カロチノイド濃度を1kgの飼料当たり1mgから10gにするために標準飼料に添加される。甲殻類内に存在することが分かっていて、下記のグループ、すなわちドラデキサンチン、イドキサンチン、テトロール、α−クリプトキサンチン、β−クリプトキサンチン、エキネノン、4−ヒドロキシエキネノン、カンタキサンチン、β−アポ−8’−カロチナール、フェニコキサンチン、イソクリプトキサンチン、アドニキサンチンから選択した代わりのカロチノイド(MeyersおよびLatscha、1997年)を、種々の藻類株または合成方法により飼料に添加することができる。これらのカロチノイドは、養殖した動物の視覚プロファイルを増強する。
【0037】
本発明は、また、生物学的利用能をもっと高めるために、燐脂類と関連するカロチノイドの供給も含む。アスタキサンチンの野菜供給源は当業者にとって周知のものであり、藻類Hematococcusから供給することができ(LorenzおよびCysewski、2000年)、またはイーストPhaffiaから供給することができる(Ramirez、Gutierrez他、2001年)。本明細書に記載する特定の有機生産方法を使用して、これらの供給源をアスタキサンチンの有機源として使用することができる。魚類、軟体動物または甲殻類のカロチノイドの生物学的利用能を有意に改善するために、これらの供給源および上記ルテイン、ゼアキサンチンおよびリコピンの他の供給源を燐脂類と一緒に使用することができる。植物をベースとする燐脂類(例えば、大豆レシチン)を使用することができるが、LC−PUFA(例えば、海洋藻類から抽出したDHAを多く含んでいる燐脂類、卵燐脂類、魚抽出物等)に多く含まれている燐脂類は、本発明の好ましい実施形態である。最も好ましい実施形態は、海洋藻類から抽出した燐脂類である。何故なら、この燐脂類は有機飼料の追加を表しているからである。
【0038】
脂肪酸プロファイル増強
【0039】
エビは少量のDHA(144mg/調理したエビ100g当たり)を含んでいることが知られていて、通常、0.8のDHA/EPA比を有する(USDA、2002年)。ナマズも、ごく僅かな量のDHA(128mgDHA/調理したナマズ100g当たり)を含んでいて、一方、天然のマグロは非常に多くのDHA(約1,141mgDHA/調理したマグロ100g当たり)を含み、DHA/EPA比は、3.1である(USDA、2002年)。食品内のDHAレベルの他の供給源は、SimopoulosおよびRobinsonの著作に記載されていて、この著作は参照により本明細書に組み込むものとする(SimopoulosおよびRobinson、1998年)。マグロの体内に存在するような高レベルのDHAは、健康によいと考えられている。DHAは、多くの特定の健康上の利点を有していて、エビ、ナマズまたはテラピアのようなDHAが本来比較的少ない水生動物のDHAレベルを増大するのに有益である。しかし、これらの動物のDHAレベルを増大するために魚油または魚粉を使用すると、多くの有機認証団体が有機であるともはや認定することができない製品になる。さらに、魚油によりDHAを増強すると、EPAレベルもついでに増大するがこれは望ましくないことである。EPAレベルが上昇すると、人体内での成長が遅れ、出血時間が長くなり、そのためシーフード製品にとって有益ではない。ある種の微小藻類(例えば、Crypthecodinium、Schizochytrium等)、またはそこからの抽出物を含むがこれらに限定されないDHA供給源、特に米国特許第6,372,460号に記載の燐脂類抽出物を与えると、天然種または水産養殖種内のレベルと比較した場合、魚、軟体動物または甲殻類のDHAレベルが効果的に上昇する。さらに、天然種または水産養殖種のDHA/EPAレベルと比較した場合DHA/EPAレベルを上昇させることができる。DHA供給源は、飼料の全脂肪の1%から飼料の全脂肪の50%の範囲で、飼料内にDHA含有量を供給するようなレベルで追加される。DHAを含む微小藻類のバイオマスおよびARA、EPAおよび他のLC−PUFAを含む他の藻類または菌類からのバイオマスは、非GMO菌株により指定の条件内で成長することができるので、これらの材料は有機であると認定され、その生産方法は有機であると認定することができる。それ故、この方法を使用すれば、初めてこのような指定のシステムで生産した動物に対して有機認定を請願することができる。
【0040】
ある実施形態の場合には、この補充は、少なくとも約60mg/kgのレベルのルテイン、約60mg/kgから約200mg/kgのレベルのルテイン、約200mg/kgから約500mg/kgレベルのルテイン、または約60mg/kgから約500mg/kgレベルのルテインを供給するのに十分である。ある実施形態の場合には、この補充は、少なくとも約60mg/kgのレベルのゼアキサンチン、約60mg/kgから約200mg/kgのレベルのゼアキサンチン、約200mg/kgから約500mg/kgのゼアキサンチン、または約60mg/kgから約500mg/kgのレベルのゼアキサンチンを供給するのに十分である。ある実施形態の場合には、この補充は、少なくとも約12mg/kgのレベルのDHA、約12mg/kgから約24mg/kgのレベルのDHA、約24mg/kgから約40mg/kgのレベルのDHA、または約12mg/kgから約40mg/kgのレベルのDHAを供給するのに十分である。
【0041】
また、飼料内にLC−PUFAを補充すると、トコフェノールおよび誘導体(例えば、ビタミンE)、アスコルビン酸および誘導体(例えば、ビタミンC)、セレン、有機セレン化合物(例えば、ガーリック抽出物)、カロチノイドなどを含むがこれらに限定されない追加の天然酸化防止剤、または化学的酸化防止剤(例えば、ブチルヒドロキシトルエン、ベンゾキノン等)を伴う場合がある。このような酸化防止剤の追加のレベルは、当業者にとって周知のものである。例えば、Muggliは、その製品内のLC−PUFAの量に基づいて製品に添加するビタミンEの量を計算するための式を示している(Muggli、1989年)。
【0042】
タウリン強化
【0043】
魚類および陸上動物は、タウリンの優れた供給源であると考えられている。しかし、現代農業技術により飼育されたある種の魚、軟体動物および甲殻類は、タウリンの量が比較的少ない場合がある(Takeuchi、2001年)。一般的に草食(例えば、ナマズ、テラピア、コイ等)である動物の場合は特にそうである。水生飼料に魚粉を追加すると、飼料内のタウリンをある程度強化することができる。しかし、このように魚粉を追加しても、有機認定を受けられない場合がある。何故なら、飼料が動物生産物および副産物を含んでいるからである。このアミノ酸を増大するために、自然界で選択した、イースト、バクテリア、藻類または菌類から発酵プロセスにより製造した補充タウリンにより飼料を調製することができる。このような飼料は、野菜だけのものと見なされて、そのため発酵プロセスの際に適当な配慮を行った場合には有機として分類される。イースト、バクテリア、菌類または藻類は、直接使用することもできるし、その抽出物を飼料添加物として使用することもできる。タウリン含有材料(1kgの飼料当たり0.01〜100g)は、魚粉を含まない飼料で飼育した動物と比較した場合50%以上、または魚粉を含む飼料で飼育した動物と比較した場合25%以上、水生動物のタウリン含有量を増大するために十分な量で飼料に追加される。ある実施形態の場合には、この補充は、少なくとも約200mg/kgのタウリンのレベルで、約200mg/kgから約1g/kgタウリンのレベルで、約1g/kgから約2g/kgのタウリンのレベルで、または約200mgから約2g/kgのタウリンのレベルでタウリンを供給するのに十分である。
【0044】
(仕上げ飼料)
上記の任意の強化剤を含む仕上げ飼料または添加物を、動物の飼育全体を通して供給することができる。別の方法としては、および好適には、上記有益な成分内の動物の組成を最終的に強化しまた変化させるために、仕上げ飼料または添加物が収穫の前1〜70日間に供給される。有機または100%有機であると見なされた魚類、軟体動物または甲殻類は、全飼育中、魚粉または魚油の完全な代替物としての藻類飼料または抽出物および/または野菜蛋白質と一緒に摂取しなければならない。他の強化剤は、飼育サイクルの最後の3週間に制限することができる。
【0045】
下記の例は、例示としてのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0046】

【0047】
例1.高レベルのDHAを含むナマズの生産
【0048】
標準水産養殖方法によりナマズを集約的に飼育するために最小水放出池を確立した(SargentおよびTacon、1999年)。収穫日の4週間前に、標準ナマズ生育飼料に200gのAQUAGROW ADVANTAGE/kg飼料(メリーランド州コロンビア所在のAdvanced BioNutrition Corp社)として供給された藻類DHA(25gのDHA/kg飼料)の補充を加えたものを含む仕上げ飼料を供給するために、ナマズの飼育管理を変更する。別の方法としては、300gのALGAMAC30/50/kgの飼料(カリフォルニア州ホーソーン所在のAquafauna BioMarine社)を使用することができる。当業者にとって周知のプロセスおよび方法により高DHAのナマズが収穫される。
【0049】
例2.高レベルのDHAを含むテラピアの生産
【0050】
集約的、自蔵半集約的または広いテラピア生産システムを含む標準水産養殖方法を使用することができる。集約的最小水放出システムは、有機または100%有機高DHAのテラピアを生産するのに好適なものである。収穫日の2週間前に、標準テラピア生育飼料に100gのAQUAGROW ADVANTAGE/kg飼料(メリーランド州コロンビア所在のAdvanced BioNutrition Corp社)として供給された藻類DHA(12gのDHA/kg飼料)の補充を加えたものを含む仕上げ飼料を供給するために、テラピアの飼育管理を変更する。別の方法としては、150gのALGAMAC30/50/kgの飼料(カリフォルニア州ホーソーン所在のAquafauna BioMarine社)を使用することができる。当業者にとって周知のプロセスおよび方法により高DHAのテラピアが収穫される。
【0051】
例3.ルテインを含むニジマスの生産
【0052】
集約的、自蔵半集約的または広いニジマス生産システムを含む標準水産養殖方法を使用することができる。集約的最小水交換システムは、有機高ルテインのニジマスを生産するのに好適なものである。収穫日の2週間前に、標準マス生育飼料にkgの飼料当たり1gのマリゴールドの抽出物を添加することにより、標準化マリゴールド抽出物(6mgルテイン/100mgオイル)として供給されたルテインの補充(60mgのルテイン/kg飼料)を加えたものを含む仕上げ飼料を供給するために、マスの飼育管理を変更する。当業者にとって周知のプロセスおよび方法により高ルテインのマスが収穫される。
【0053】
例4.アスタキサンチンおよびDHAを含むニジマスの生産
【0054】
集約的、および自蔵半集約的または広いニジマス生産システムを含む標準水産養殖方法を使用することができる。集約的で、水交換を全然しないですむシステムは、有機高ルテインのニジマスを生産するのに好適なものである。収穫日の2週間前に、標準マス生育飼料にPhaffiaイースト(メリーランド州コロンビア所在のIgene Inc社)およびAQUAGROW DHA(メリーランド州コロンビア所在のAdvanced BioNutrition Corp社)の混合物により供給したアスタキサンチンの補充を加えたものを含む仕上げ飼料を供給するために、マスの飼育管理を変更する。AQUAGROW DHAに対するPhaffiaイーストの好適な割合は1:1から1:10であり、1〜10,000ppmの最終アスタキサンチン・レベルとするために、飼料に上記混合物を添加する。当業者にとって周知のプロセスおよび方法により高アスタキサンチンのマスが収穫される。
【0055】
例5.高ルテイン/高DHAのシマスズキの生産
【0056】
集約的、自蔵半集約的または広いシマスズキ生産システムを含む標準水産養殖方法を使用することができる。集約的最小水交換システムは、有機高ルテイン/高DHAのシマスズキを生産するのに好適なものである。収穫日の1週間前に、標準生育飼料に1kgの飼料当たり3gのマリゴールドの花弁飼料(約2重量%のルテイン)を添加することにより供給したルテインの補充(60mgのルテイン/kg飼料)および40gのAQUAGROW DHA(メリーランド州コロンビア所在のAdvanced BioNutrition Corp社)を添加することにより供給した、藻類DHA(5,000mgDHA/kg飼料)の補充を加えたものを含む仕上げ飼料を供給するために、シマスズキの飼育管理を変更する。当業者にとって周知のプロセスおよび方法により高ルテイン、高DHAのシマスズキが収穫される。
【0057】
例6.高ゼアキサンチン/高DHAのエビの生産
【0058】
集約的、自蔵半集約的または広いエビ生産システムを含む標準水産養殖方法を使用することができる(LeungおよびMoss、2000年;HawsおよびBoyd、2001年)。米国特許第6,327,996号に記載されている集約的最小水交換システムは、有機高ルテイン/高DHAのエビを生産するのに好適なものである。収穫日の2週間前に、標準生育飼料に1kgの飼料当たり30gのLycium Chinese Mill Berry(約0.2%のゼアキサンチン)を添加することにより供給したゼアキサンチン(60mgのゼアキサンチン/kg飼料)、および40gのAQUAGROW DHA(メリーランド州コロンビア所在のAdvanced BioNutrition Corp社)を添加することにより供給した藻類DHA(5,000mgDHA/kg飼料)の補充を加えたものを含む仕上げ飼料を供給するために、エビの飼育管理を変更する。当業者にとって周知のプロセスおよび方法により高ゼアキサンチン/高DHAのエビが収穫される。
【0059】
例7.リコピンおよびDHAを含むサケの生産
【0060】
集約的、自蔵半集約的または広いサケ生産システムを含む標準水産養殖方法を使用することができる。集約的最小水交換システムは、有機高リコピンのサケを生産するのに好適なものである。収穫日の2週間前に、標準マス生育飼料にトマト抽出物(1gのリコピン/kg飼料)およびAQUAGROW DHAの混合物により供給したリコピンの補充を加えたものを含む仕上げ飼料を供給するために、サケの飼育管理を変更する。AQUAGROW DHAに対するリコピンの好適な割合は1:1から1:10である。最終的なリコピン・レベルを1%にするために、混合物を飼料に添加する。当業者にとって周知のプロセスおよび方法により高リコピンのサケが収穫される。
【0061】
例8.高ルテイン/高DHA/高タウリンのエビの生産
【0062】
集約的、自蔵半集約的または広いエビ生産システムを含む標準水産養殖方法を使用することができる(LeungおよびMoss、2000年;HawsおよびBoyd、2001年)。米国特許第6,327,996号に記載の集約的最小水交換システムは、有機高ルテイン/高DHAのエビを生産するのに好適なものである。収穫日の2週間前に、標準生育飼料に1kgの飼料当たり3gのマリゴールドの花弁を添加することにより供給したルテイン(60mgルテイン/kg飼料)、40gのAQUAGROW DHAの添加により供給した藻類DHA(5,000mgDHA/kg飼料)、およびイースト(味の素株式会社、日本)から作った2gの精製した粉末補充を添加することにより供給したタウリン(2g/kg飼料)の補充を加えたものを含む仕上げ飼料を供給するために、エビの飼育管理を変更する。当業者にとって周知のプロセスおよび方法により高ルテイン/高DHA/高タウリンのエビが収穫される。
【0063】
例9.高レベルのタウリンを含むナマズの生産
【0064】
集約的、自蔵半集約的または広いナマズ生産システムを含む標準水産養殖方法を使用することができる。集約的最小水放出システムは、有機または100%有機高DHAのナマズを生産するのに好適なものである。収穫日の2週間前に、標準ナマズ生育飼料にイースト(味の素株式会社、日本)から作った2gの精製した粉末補充を添加することにより供給したタウリン(2g/kg飼料)の補充を加えたものを含む仕上げ飼料を供給するために、ナマズの飼育管理を変更する。当業者にとって周知のプロセスおよび方法により高タウリンのナマズが収穫される。
【0065】
例10.100%有機エビの生産
【0066】
集約的最小水交換生産システム(LeungおよびMoss、2000年)は、有機エビを生産するのに好適なものである。このようなシステムは、NOSBのガイドラインの下で全有機操業として管理される。システムへの飼料の入力はすべて野菜である。蛋白質−蛋白質ベースで魚粉の代わりにSPC、加水分解した非GMO大豆ミール濃縮物(米国イリノイ州ディケーター所在のADM Corp社)を使用する。一方、魚油の代わりにDHAベースでDHAの微小藻類源を使用する。通常のエビ生育飼料は、約7gのDHA/kgを含む。認定された有機飼料を、標準飼料の魚粉蛋白質成分と等しい量で非GMO大豆ミール、および最終仕上げ飼料の70g/kgでALGAMAC30/50(約10重量%のDHAを含む藻類DHA源)を使用して調製する。
【0067】
この認定された有機飼料は、抗生物質または他の防腐化学薬品を含まない。エビには、業界の標準手順により、小エビ用の小さな微粒子の形およびもっと大きいエビ用のもっと大きい標準化ペレットの形に作った有機飼料を与える。有機仕上げ飼料を使用しない場合には(本発明による)、収穫時までこの有機飼料を使用する。次に、有機エビを当業者にとって周知のプロセスおよび方法で収穫する。これらのエビは、高DHA/EPA比により生化学的に区別される。この比率は1:1より大きい。
【0068】
例11.有機エビの生産
【0069】
4.99%の成分が有機であると認定されなくてもよいという点を除けば、例10と同じ。
【0070】
例12.高DHAおよび高ゼアキサンチンの有機エビの生産
【0071】
例10および例11として生産したエビは有機認定を受けているが、標準DHAレベル(DHAは全脂質の約10〜12%)および少量のゼアキサンチンまたは検出できない量のゼアキサンチンしか含んでいない。DHAレベルは、例6のところで記述したDHA/ゼアキサンチンを豊富に含む仕上げ飼料およびプロセスを、収穫の前14日間、仕上げ飼料として使用する時に、全脂質の15%以上になるように改善され、エビに有意のレベルのゼアキサンチンが内蔵される。
【0072】
例13.有機ナマズの生産
【0073】
集約的、制御水交換生産システムは、「有機」ナマズの生産に好適である。このようなシステムは、NOSBのガイドラインの下で全有機操業として管理される。システムへの飼料の入力はすべて野菜である。蛋白質−蛋白質ベースで魚粉の代わりに加水分解した非GMO大豆ミールを使用する。一方、魚油の代わりにDHAベースでDHAの微小藻類源を使用する。通常のナマズ生育飼料は、約1gのDHA/kgを含む。認定された有機飼料を、標準飼料の魚粉蛋白質成分と等しい量で非GMO大豆ミール、および最終仕上げ飼料の10g/kgでALGAMAC30/50(約10重量%のDHAを含む藻類DHA源)を使用して調製する。
【0074】
この認定された有機飼料は、抗生物質または他の防腐化学薬品を含まない。ナマズには、業界の標準手順により、小動物用の小さな微粒子の形およびもっと大きい動物用のもっと大きい標準化ペレットの形に作った有機飼料を与える。有機仕上げ飼料を使用しない場合には(本発明による)、収穫時までこの有機飼料を使用する。次に、有機ナマズを当業者にとって周知のプロセスおよび方法で収穫する。これらのナマズは、高DHA/EPA比により生化学的に区別される。
【0075】
例14.高DHAの有機ナマズの生産
【0076】
例13として生産したナマズは有機認定を受けているが、標準DHAレベル(DHAは全脂質の約3%)しか含んでいない。DHAレベルは、例1のところで記述したDHAを豊富に含む仕上げ飼料およびプロセスを使用する時に、ナマズ内の全脂質の5%以上になるように改善される。
【0077】
例15.高DHAの有機サケの生産
【0078】
例14のナマズのところで記述したのと同じ有機方法によりサケを生産するが、ナマズ用飼料の代わりにサケ用飼料を使用する。これらのサケは有機認定を受けているが、標準DHAレベル(DHAは全脂質の約10%)しか含んでいない。DHAレベルは、例1のところで記述したDHAを豊富に含む仕上げ飼料およびプロセスを使用する時に、サケの全脂質の15%以上になるように改善される。
【0079】
例16.猫用高DHAおよび高タウリン飼料
【0080】
市販の猫用飼料を原料として使用し、40gのAquaGrow DHA(Advanced BioNutrition Corp社の市販のDHA製品)を添加することにより供給した藻類からのDHA(5,000mgDHA/kg飼料)、およびイースト(味の素株式会社、日本)から作ったタウリンの2gの精製した粉末補充を添加することにより供給したタウリン(2,000mgタウリン/kg飼料)を含む混合物を添加して、猫用の飼料を調製する。
【0081】
例17.豚用高DHAおよび高タウリン有機飼料
【0082】
市販の豚用飼料を原料として使用し、50gのALGAMAC 30/50を添加することにより供給した微小藻類からの藻類DHA(5,000mgDHA/kg飼料)、およびイースト(味の素株式会社、日本)を含むタウリンを添加することにより供給したタウリン(2,000mgタウリン/kg飼料)を含む混合物を添加して、豚用の有機飼料を調製する。
【0083】
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【0114】
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【0115】
本明細書に記載されている各特許、特許出願および公報の開示の全文は、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0116】
特定の実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、他の当業者であれば、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなしに、本発明の他の実施形態および変形例を思い付くことは明らかである。添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような実施形態および等価の変形例を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準水産養殖方法により生産したものよりも約50%多いレベルでDHAを含む水産養殖した水生動物。
【請求項2】
標準水産養殖方法により生産したものよりも約50%多いレベルでDHAを含む有機水産養殖した水生動物。
【請求項3】
標準水産養殖方法により生産したものよりも約50%多いレベルでDHAを含む100%有機水産養殖した水生動物。
【請求項4】
少なくとも約12g/kgのレベルでDHAを含む水産養殖した水生動物。
【請求項5】
約12g/kgから約24g/kgのレベルでDHAを含む水産養殖した水生動物。
【請求項6】
約24g/kgから約40g/kgのレベルでDHAを含む水産養殖した水生動物。
【請求項7】
約12g/kgから約40g/kgのレベルでDHAを含む水産養殖した水生動物。
【請求項8】
前記動物が有機水産養殖した水生動物である、請求項4〜7の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項9】
前記動物が100%有機水産養殖した水生動物である、請求項4〜7の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項10】
前記動物がエビであり、前記DHAレベルが約3mg/g乾燥重量を超える、請求項1〜3の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項11】
前記動物がエビであり、前記DHAレベルが約5mg/g乾燥重量を超える、請求項1〜3の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項12】
前記動物がエビであり、前記DHAレベルが約10mg/g乾燥重量を超える、請求項1〜3の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項13】
前記動物が魚である、請求項1〜9の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項14】
前記魚がナマズであり、前記DHAレベルが抽出可能な全脂肪の約5%を超える、請求項13に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項15】
前記魚がナマズであり、前記DHAレベルが抽出可能な全脂肪の約10%を超える、請求項13に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項16】
前記魚がナマズであり、前記DHAレベルが抽出可能な全脂肪の約15%を超える、請求項13に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項17】
前記魚がナマズであり、前記DHAレベルが抽出可能な全脂肪の約20%を超える、請求項13に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項18】
前記動物が軟体動物である、請求項1〜9の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項19】
前記軟体動物がアワビであり、前記DHAレベルが抽出可能な全脂肪の約10%を超える、請求項18に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項20】
標準水産養殖方法により生産したものより約50%高いレベルで、ルテイン、ゼアキサンチンおよび/またはリコピンを含む水産養殖した水生動物。
【請求項21】
標準水産養殖方法により生産したものより約50%高いレベルで、ルテイン、ゼアキサンチンおよび/またはリコピンを含む有機水産養殖した水生動物。
【請求項22】
標準水産養殖方法により生産したものより約50%高いレベルで、ルテイン、ゼアキサンチンおよび/またはリコピンを含む100%有機水産養殖した水生動物。
【請求項23】
少なくとも約60mg/kgのレベルでルテインを含む水産養殖した水生動物。
【請求項24】
約60mg/kgから約200mg/kgのレベルでルテインを含む水産養殖した水生動物。
【請求項25】
約200mg/kgから約500mg/kgのレベルでルテインを含む水産養殖した水生動物。
【請求項26】
約60mg/kgから約500mg/kgのレベルでルテインを含む水産養殖した水生動物。
【請求項27】
少なくとも約60mg/kgのレベルでゼアキサンチンを含む水産養殖した水生動物。
【請求項28】
約60mg/kgから約200mg/kgのレベルでゼアキサンチンを含む水産養殖した水生動物。
【請求項29】
約200mg/kgから約500mg/kgのレベルでゼアキサンチンを含む水産養殖した水生動物。
【請求項30】
約60mg/kgから約500mg/kgのレベルでゼアキサンチンを含む水産養殖した水生動物。
【請求項31】
前記動物が有機水産養殖した水生動物である、請求項23〜30の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項32】
前記動物が100%有機水産養殖した水生動物である、請求項23〜30の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項33】
前記アスタキサンチン含有量が、前記動物の全カロチノイド含有量の約50%未満である、請求項20〜32の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項34】
前記動物が甲殻類である、請求項20〜32の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項35】
前記動物が魚である、請求項20〜32の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項36】
前記動物が軟体動物である、請求項20〜32の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項37】
標準水産養殖方法により生産したものより約50%高いレベルでタウリンを含む水産養殖した水生動物。
【請求項38】
標準水産養殖方法により生産したものより約50%高いレベルでタウリンを含む有機水産養殖した水生動物。
【請求項39】
標準水産養殖方法により生産したものより約50%高いレベルでタウリンを含む100%有機水産養殖した水生動物。
【請求項40】
少なくとも約200mg/kgのレベルでタウリンを含む水産養殖した水生動物。
【請求項41】
約200mg/kgから約1g/kgのレベルでタウリンを含む水産養殖した水生動物。
【請求項42】
約1g/kgから約2g/kgのレベルでタウリンを含む水産養殖した水生動物。
【請求項43】
約200mg/kgから約2g/kgのレベルでタウリンを含む水産養殖した水生動物。
【請求項44】
前記動物が有機水産養殖した水生動物である、請求項40〜43の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項45】
前記動物が100%有機水産養殖した水生動物である、請求項40〜43の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項46】
前記動物が甲殻類である、請求項37〜45の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項47】
前記動物が魚である、請求項37〜45の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項48】
前記動物が軟体動物である、請求項37〜45の何れか1項に記載の水産養殖した水生動物。
【請求項49】
有機物であると認定された水産養殖した水生動物。
【請求項50】
100%有機物であると認定された水産養殖した水生動物。
【請求項51】
前記動物が甲殻類である、請求項49または50の何れかに記載の水産養殖した水生動物。
【請求項52】
前記動物が魚である、請求項49または50の何れかに記載の水産養殖した水生動物。
【請求項53】
前記動物が軟体動物である、請求項49または50の何れかに記載の水産養殖した水生動物。
【請求項54】
2〜10週間、前記飼料を摂取した動物内の前記成分が少なくとも約50%強化されるレベルで、DHA、ルテイン、リコピン、ゼアキサンチンまたはタウリンを含む水生動物用飼料。
【請求項55】
少なくとも約60mg/kgのレベルでルテインを供給するのに十分な量のマリゴールドの花弁を含む水生動物用飼料。
【請求項56】
約60mg/kgから約200mg/kgのレベルでルテインを供給するのに十分な量のマリゴールドの花弁を含む水生動物用飼料。
【請求項57】
約200mg/kgから約500mg/kgのレベルでルテインを供給するのに十分な量のマリゴールドの花弁を含む水生動物用飼料。
【請求項58】
約60mg/kgから約500mg/kgのレベルでルテインを供給するのに十分な量のマリゴールドの花弁を含む水生動物用飼料。
【請求項59】
少なくとも約60mg/kgのレベルでゼアキサンチンを供給するのに十分な量のLycium Chinese Mill Berryを含む水生動物用飼料。
【請求項60】
約60mg/kgから約200mg/kgのレベルでゼアキサンチンを供給するのに十分な量のLycium Chinese Mill Berryを含む水生動物用飼料。
【請求項61】
約200mg/kgから約500mg/kgのレベルでゼアキサンチンを供給するのに十分な量のLycium Chinese Mill Berryを含む水生動物用飼料。
【請求項62】
約60mg/kgから約500mg/kgのレベルでゼアキサンチンを供給するのに十分な量のLycium Chinese Mill Berryを含む水生動物用飼料。
【請求項63】
少なくとも約2g/kgのタウリンを含む動物用飼料。
【請求項64】
約12gDHA/kg飼料のレベルでDHAを含み、少なくとも約60mg/kg飼料のレベルでルテイン、リコピンまたはゼアキサンチンを含む動物用飼料。
【請求項65】
約12g/kgDHAおよび少なくとも約2g/kgのタウリンを含む動物用飼料。
【請求項66】
前記飼料が酸化防止剤を含む、請求項54〜65の何れか1項に記載の動物用飼料。
【請求項67】
前記酸化防止剤が天然の酸化防止剤である、請求項66に記載の動物用飼料。
【請求項68】
前記動物に唯一のDHA源として微小藻類DHA源を含む飼料を与えることにより有機水生動物を生産するための方法。
【請求項69】
前記微小藻類DHA源が、Crypthecodinium、Schizochytrium、Thraustochytrium、Pavlova、TetraselmisおよびIsochrysisから選択され、少なくとも約12gDHA/kg飼料のレベルで供給される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記微小藻類DHA源が、Crypthecodinium、Schizochytrium、Thraustochytrium、Pavlova、TetraselmisおよびIsochrysisから選択され、約12gDHA/kgから約24gDHA/kg飼料のレベルで供給される、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記微小藻類DHA源が、Crypthecodinium、Schizochytrium、Thraustochytrium、Pavlova、TetraselmisおよびIsochrysisから選択され、約24gDHA/kgから約40gDHA/kg飼料のレベルで供給される、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記微小藻類DHA源が、Crypthecodinium、Schizochytrium、Thraustochytrium、Pavlova、TetraselmisおよびIsochrysisから選択され、約12gDHA/kgから約40gDHA/kg飼料のレベルで供給される、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
水生動物に、少なくとも約60mg/kgのリコピンまたはゼアキサンチンを供給するのに十分な飼料を豊富に含むバイオマスを供給することにより前記水生動物を生産するための方法。
【請求項74】
前記バイオマスが、下記のもの、すなわち、微小藻類またはその抽出物、マリゴールドの花弁またはその抽出物、トマトまたはその抽出物、Lycium Chinese Mill Berryまたはその抽出物、およびFlavobacteriumまたはその抽出物のうちの1つまたは複数を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
水生動物に、少なくとも約2g/kgのタウリンを含む飼料を供給することにより、タウリンを豊富に含む前記水生動物を生産するための方法。
【請求項76】
タウリンを純粋な化学薬品、少なくとも約10%のタウリンを含む不純なタウリン抽出物、または少なくとも約5重量%のタウリンを含む微生物バイオマスとして供給することができる、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
水生動物の生産物または副産物を含む飼料を、人間を含む動物に与えるための方法であって、前記水生動物の生産物または副産物が、約50%より高いレベルにDHA、ルテイン、ゼアキサンチン、リコピンまたはタウリンを豊富に含み、前記飼料が、請求項54〜67に記載の前記飼料を含む方法。
【請求項78】
前記水生動物が魚である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記水生動物が甲殻類である、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記水生動物が軟体動物である、請求項77に記載の方法。

【公表番号】特表2007−525161(P2007−525161A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507407(P2006−507407)
【出願日】平成16年3月19日(2004.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/008561
【国際公開番号】WO2004/082399
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(505350798)アドバンスド バイオニュートリション コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】