麻酔およびその関連方法下の患者に使用する姿勢固定装置
本発明は、麻酔およびその関連方法下の患者に使用する装置を提供する。本発明の各種実施形態は、患者の頭および/または顎を、匂嗅姿勢などの特定の姿勢に確定し維持する装置を含む。実施形態は、患者を所望の姿勢にほぼ維持することができる本発明の装置の使用を備える患者の姿勢固定方法も含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全身麻酔または鎮静下の患者を含む患者の姿勢を固定する外科装置、およびいくつかの実施形態では、患者の頭および/または顎を特定姿勢に確定し維持する外科装置に関する。
【背景技術】
【0002】
毎年米国では、何百万もの外科手術および侵襲性診断処置が実行されている。これらの外科手術および処置のすべてではないが、大半が何らかの形の麻酔または鎮静の使用を含む。場合によっては、患者の意識をなくす全身麻酔が使用される。一般的に、このような外科手術の前および/または途中、医師(「麻酔医」または「口腔外科医」)および/または認定看護麻酔士が麻酔薬を投与し、患者が麻酔または鎮静下にある間、患者を監視する。
【0003】
麻酔医または麻酔士の仕事は単純ではない。最近の麻酔では、幅広いさまざまな医療機器が使用される場合がある。麻酔専門家は各種医療ガス、麻酔薬や吸入剤、医療呼吸回路、およびさまざまな麻酔機器(たとえば、気化器、人工呼吸器、および圧力ゲージ)の使用、ならびにそれらに対応する安全性の特徴、危険、および制限に関する包括的で複雑な知識を有していなければならない。さらに、全身麻酔下で治療されている患者は、患者の安全性を確保するために継続的に監視されなければならない。小手術の場合、これには一般的に、心拍、酸素飽和度、非侵襲性血圧、吸気および呼気ガス(酸素、二酸化炭素、亜酸化窒素、および揮発剤)などの監視が含まれる。中〜大手術の場合、監視には、体温、尿量、侵襲性血圧測定、肺動脈圧および肺動脈閉塞圧、大脳活動、神経筋機能、および心拍出量が含まれるかもしれない。機器の各部や考慮事項のために、麻酔医または麻酔士は外科処置の前、途中、および後もずっと従事させられる可能性がある。
【0004】
当然ながら、患者が鎮静または全身麻酔下にある間の重要な考慮事項の1つは、患者が適切に呼吸できるように確保することである。いくつかの例では、チューブの挿入などの物理的に侵襲的な方法が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、患者の姿勢固定が、患者が適切に呼吸できるように確保するのに関係することが証明されている。たとえば、患者を特定姿勢(たとえば、「匂嗅」姿勢)に配置し維持することで、患者の気道が閉塞されないように確保する助けとなる。よって、患者の姿勢固定は、麻酔医または麻酔士が処置中に監視する必要のあるもう1つの条件である。したがって、呼吸を容易にする姿勢に患者を配置するのを助け、および/または処置中にその姿勢に患者を維持する方法または装置は、外科手術または類似の処置の前、途中、および後の担当麻酔専門家の負担を軽減することができる。このような方法または装置は、患者が麻酔下にあるか否かにかかわらず、患者が無意識である、および/または固定されている状況を含め、医療および歯科医療において幅広く適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、いくつかの実施形態では、第1の側と第2の側とを備え、患者の頭をほぼ収容するように構成されるベースと、ベースの第1の側上に位置決めされる第1の支持体と、ベースの第2の側上に位置決めされる第2の支持体と、第1の支持体上に位置決めされ、患者の顎に接触するように構成される第1の下顎骨アームと、第2の支持体上に位置決めされ、患者の顎に接触するように構成される第2の下顎骨アームと、を含み、第1の下顎骨アームと第2の下顎骨アームのそれぞれが、患者の顎と接触し、患者を所望の姿勢に維持するように位置決め可能であるように、3軸上を移動可能である装置を含む。
【0007】
特定の実施形態では、ベースは矩形である。
【0008】
いくつかの実施形態では、下顎骨アームは患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である。別の実施形態では、第1の下顎骨アームと第2の下顎骨アームはそれぞれ下顎骨パッドを含む。
【0009】
さらに別の実施形態では、第1の下顎骨アームと第2の下顎骨アームは、第1の支持体と第2の支持体にそれぞれ脱離可能に接続される。別の実施形態では、第1の下顎骨アームは第1の支持体に対して移動可能であり、第2の下顎骨アームは第2の支持体に対して移動可能である。いくつかの実施形態では、3軸は患者に対するx、y、およびw軸である。各種実施形態では、所望の姿勢は匂嗅姿勢である。
【0010】
特定の実施形態では、下顎骨パッドは発泡体を備える。別の実施形態では、下顎骨アームは、下顎骨パッドが患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するように位置決め可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、下顎骨アームは、下顎骨パッドが患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である。
【0012】
さらに別の実施形態では、第1の支持体はベースに対して移動可能であり、第2の支持体はベースに対して移動可能である。各種実施形態では、第1の支持体は2軸上でベースに対して移動可能であり、第2の支持体は2軸上でベースに対して移動可能である。いくつかの実施形態では、第1の支持体は3軸上でベースに対して移動可能であり、第2の支持体は3軸上でベースに対して移動可能である。
【0013】
別の実施形態では、第1の支持体は第1の下顎骨アームに対して移動可能であり、第2の支持体は第2の下顎骨アームに対して移動可能である。
【0014】
別の実施形態では、本発明は、複数の支持体を備え、患者の頭をほぼ収容するように構成されるベースを含む装置であって、各支持体は下顎骨アームを備え、各下顎骨アームは患者の顎と接触するように構成され、各下顎骨アームは患者の顎と接触し、患者を所望の姿勢に維持するように位置決め可能であるように3軸上で移動可能である装置を含む。特定の実施形態では、ベースは矩形である。
【0015】
別の実施形態では、各下顎骨アームは、患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である。
【0016】
別の実施形態では、各下顎骨アームは下顎骨パッドを備える。さらに別の実施形態では、各下顎骨アームは各支持体に脱離可能に接続される。いくつかの実施形態では、各下顎骨アームは支持体に対して移動可能である。
【0017】
別の実施形態では、3軸は患者に対するx、y、およびw軸である。
【0018】
さらに別の実施形態では、所望の姿勢は匂嗅姿勢である。各種実施形態では、各下顎骨パッドは発泡体を含む。
【0019】
特定の実施形態では、各下顎骨アームは、下顎骨パッドが患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するように位置決め可能である。
【0020】
特定の実施形態では、各下顎骨アームは、下顎骨パッドが患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である。
【0021】
別の実施形態では、各支持体はベースに対して移動可能である。
【0022】
さらに別の実施形態では、各支持体は2軸上でベースに対して移動可能である。別の実施形態では、各支持体は下顎骨アームに対して移動可能である。
【0023】
別の実施形態では、本発明は方法を含む。
【0024】
該方法は、本発明の装置のいずれかの実施形態を設けるステップと、患者の頭をほぼ装置のベース上に配置するステップと、患者の頭を所望の姿勢に配置するステップと、第1の下顎骨アームを患者の顎に接触するように移動するステップと、第2の下顎骨アームを患者の顎に接触するように移動するステップと、を含む患者の姿勢を固定する方法であって、第1の下顎骨アームと第2の下顎骨アームの接触は、患者の頭および/または顎を所望の姿勢にほぼ保持するのに十分な力を提供する。
【0025】
さらに別の実施形態では、本発明は、略剛体の湾曲部と、柔軟であり、湾曲部に装着するように構成される遠位側と患者の顎に複数箇所で接触するように構成される近位側とを有する下顎骨パッドと、支持体に装着するように構成されるコネクタ部と、を含む下顎骨アームを含む。いくつかの実施形態では、下顎骨アームは、本発明の装置のいずれかの実施形態と協働するように適合させることができる。
【0026】
別の実施形態では、下顎骨パッドは発泡体を備える。
【0027】
さらに別の実施形態では、コネクタ部は、左側と右側を備えるベースに装着される支持体に装着するように構成され、ベースは患者の頭をほぼ収容するように構成され、支持体は、下顎骨パッドが患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触し、患者を所望の姿勢に維持するように位置決め可能であるように、3軸上で移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の装置の一実施形態の上面を示す概略図である。
【図2A】本発明の装置の一実施形態の側面を示す概略図である。
【図2B】本発明の装置の一実施形態の側面を示す概略図である。
【図3A】本発明の装置の一実施形態の概略図である。
【図3B】本発明の装置の一実施形態の概略図である。
【図4A】本発明の下顎骨パッドの実施形態を複数示す概略図である。
【図4B】本発明の下顎骨パッドの実施形態を複数示す概略図である。
【図4C】本発明の下顎骨パッドの実施形態を複数示す概略図である。
【図4D】本発明の下顎骨パッドの実施形態を複数示す概略図である。
【図4E】本発明の下顎骨パッドの実施形態を複数示す概略図である。
【図5A】本発明の支持体の一実施形態の概略図である。
【図5B】本発明の支持体の一実施形態の概略図である。
【図5C】本発明の支持体の一実施形態の概略図である。
【図6】本発明の装置の一実施形態の側面を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の段落では、本発明は、添付図面を参照して例示によって詳細に説明される。本明細書全体を通じて、好適な実施形態および図示される例は、本発明に対する限定としてではなく例とみなすべきである。本明細書で使用される際、「本発明」は、本明細書に記載される本発明の実施形態のうちいずれか、およびその等価物を指す。さらに、本文書全体を通じて「本発明」のさまざまな特徴は、請求されるすべての実施形態または方法が言及される特徴を含まなければならないということを意味するものではない。
【0030】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的で使用されており、本発明の範囲を限定することを目的としていないと理解される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される際、「a」、「an」、および「the」などの単数形は、文脈上別な意味を明らかに要求していない限りは複数の言及も含むと指摘しておかねばならない。よって、たとえば、「支持体」の言及は1つまたはそれ以上の支持体への言及であり、当業者等にとって公知な等価物を含む。
【0031】
本発明は、装置と方法を含む。本発明の装置は、患者の姿勢を固定する装置を含む。いくつかの実施形態では、該装置は、医療(外科手術を含む)、歯科または診断処置の前、途中、および/または後に患者を所与の姿勢に設定し、および/または維持するために使用することができる。多くの実施形態では、患者は鎮静または全身麻酔下にあり、いくつかの実施形態では、患者は、全身麻酔によって意識を失くさせることができる。いくつかの実施形態では、患者の姿勢固定は、たとえば、確実に患者の気道を解剖学上位置合わせすることによって、人が患者の呼吸を容易にする、あるいは楽にする。該装置は、患者を「匂嗅」姿勢または類似の姿勢に設定することができる。本発明の装置によって、たとえば、麻酔医または麻酔士は、患者を所望の姿勢に配置し維持することができる。いくつかの実施形態では、本発明の装置によって、患者を迅速かつ効率的に特定姿勢に配置することができる。
【0032】
本発明の装置は、内科と歯科の両方に適用し、「処置」または「外科処置」への言及は、医療処置、診断処置、および口腔手術、根管、抜歯などを含む歯科処置を指す。
【0033】
本発明の方法は、患者の姿勢を固定する方法を含む。いくつかの方法は、外科手術、診断、または歯科処置の前、途中、および/または後に患者の姿勢を固定する、および/または患者を所与の姿勢に維持することを含むことができる。本発明のいくつかの方法は、本発明の装置の使用を含むことができる。いくつかの実施形態は、患者の呼吸を楽にする、あるいは容易にする姿勢、たとえば「匂嗅」姿勢に患者の姿勢を固定することを含む。多くの実施形態では、患者は鎮静または麻酔下にあり、全身麻酔によって意識を失くしている、あるいは全身麻酔後の眠い状態にある患者を含む。
【0034】
図1を参照すると、本発明の装置の実施形態が示されている。左側20、右側30、上側40、および下側50を有するベース10が図示されている。図示される実施形態では、ベース10は、矩形であるが、任意の適切な形状を取ることができる。ベース10は、磁気共鳴映像法(「MRI」)対応、洗浄可能、および/または減菌可能な材料を含む任意の適切な材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、ベース10は、医療等級プラスチックまたは独立気泡発泡体で作製することができる。ベース10は、プラスチック、樹脂、レジノイド、ポリマー、セルロース誘導体、カゼイン材料、および金属などのさまざまなその他のMRI対応材料で作製することもできる。ベース10は、ベース10の全部または一部にカバーを含むこともできる。たとえば、このようなカバーは、軟質または硬質の発泡体、繊維、または緩衝材料で作製することができる。このような材料は、ベース10の一部と一体化させてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、ベース10は、位置合わせガイド155をさらに有することができる。位置合わせガイド155は、図1では位置合わせ線として示されているが、任意の適切な構造または構成要素であってもよい。たとえば、位置合わせガイド155は、輪郭、矢印、切欠きまたは一連の切欠き、刻み目、または任意の適切な構造とすることができる。位置合わせガイド155は、人が患者を所望の姿勢に配置しようとする際に視覚ガイドを提供する。よって、位置合わせガイド155は、移動可能である、あるいは、患者の所望の姿勢に応じて複数の位置または標示を有することができる。位置合わせガイド155がベース10上の線である実施形態では、線は下顎骨アーム120とほぼ一致する。その後、患者の唇が位置合わせガイド155とほぼ一致して配置される。さらに、患者は、下顎骨パッド130が患者の顎と揃うように調節される。
【0036】
図2Aおよび2Bを参照すると、グリップ要素160も示されている。グリップ要素160は、任意の適切なサイズおよび構造を有する任意の適切な構造とすることができる。たとえば、グリップ要素160は、凸部もしくは凹部、または人がベース10を動かしやすくするその他任意の構造またはテクスチャであってもよい。
【0037】
図1に戻ると、ベース10は、幅60と長さ70を有する。幅60は、任意の適切な幅とし、長さ70に沿って略均一または略不均一とすることができる。一般的に、幅60は、患者の頭の幅を収容する、あるいはほぼ収容するのに十分である。いくつかの実施形態では、幅60は、特定の装置の意図する、または所望の用途に応じて変動させることができる。たとえば、小児患者向けに使用されるベース10は、成人患者向けに使用されるベース10の幅60よりも狭い幅60を有することができる。別の実施形態では、ベース10は、成人患者と小児患者の両方が利用可能な幅60を有する。ある実施形態では、幅60は約3インチ〜約18インチとすることができる。別の実施形態では、幅60は、約6インチ〜約10インチとすることができる。別の実施形態では、幅60は約6インチ〜3.25インチとすることができる。
【0038】
同様に、長さ70は、任意の適切な長さとすることができる。一般的に、長さ70は、患者の頭の長さを収容する、あるいはほぼ収容するのに十分である。長さ70は、患者の首を収容する、あるいはほぼ収容するのに十分であってもよい。いくつかの実施形態では、長さ70は、特定の装置の意図する、または所望の用途に応じて変動させることができる。たとえば、小児患者向けに使用されるベース10は、成人患者向けに使用されるベース10の長さ70よりも短い長さ70を有することができる。別の実施形態では、ベース10は、成人患者と小児患者の両方が利用可能な長さ70を有する。特定の実施形態では、長さ70は、約8インチ〜約36インチとすることができる。別の実施形態では、長さ70は、約12インチ〜約24インチとすることができる。いくつかの実施形態では、長さ70は、1つまたはそれ以上の材料、高さ、および勾配(または傾斜)などの特徴の異なる1つまたはそれ以上の区域または領域に分割することができる。長さ70は、任意の適切な特徴を有する任意の適切な数の区域を有することができる。図示される実施形態では、長さ70は、以下の3つの区域、隆起区域80、傾斜区域90、および陥凹区域100に分離される。
【0039】
図2Aは、本発明の実施形態の左側20の側面図である。該側面図は、図示される区域の差異がさらに容易に自明となるように、隆起区域80、傾斜区域90、および陥凹区域100を有する実施形態をさらに適切に示す。隆起区域80は、一般的に上側40の近傍に位置し、一般的に下側50の近傍に位置する陥凹区域100よりも大きな高さ170を有する。傾斜区域90では、隆起区域80の高い高さ170から陥凹区域100の低い高さまで移行する。傾斜区域90は、一定または可変の傾斜を有することができ、その傾斜は、任意の適切な大きさとすることができる。いくつかの実施形態では、隆起区域80、傾斜区域90、および陥凹区域100は、一般的に患者の頭と首を収容するように構成され、傾斜区域90は、患者の首とほぼ一直線になっている。
【0040】
図2Bは、図2Aに類似の実施形態を示す。図2Bは、隆起区域80と傾斜区域90のみを有するベース10の実施形態を示す。
【0041】
高さ170は、任意の適切な高さとすることができる。好ましくは、高さ170は、たとえば、患者の呼吸を改善し、楽にし、または一定にするために、患者の頭が「匂嗅」姿勢または所望のその他の姿勢に配置されるように、患者の頭を適切な距離だけ上昇させるのに十分な高さである。上述したように、高さ170は、長さ70を超えて一定であっても、可変であってもよい。いくつかの実施形態では、高さ170は、約1/4インチ〜約6インチとすることができる。別の実施形態では、高さ170は、約1インチ〜約3インチとすることができる。いくつかの実施形態では、隆起区域80の高さは、約2インチ〜約4インチ、陥凹区域100の高さは、約1/4インチ〜約1インチとすることができる。
【0042】
図1に戻ると、右側30と左側40のそれぞれに支持体110を有するベース10が示されている。支持体110は、ベース10と一体であってもよく、あるいは支持体110は、ベース10から脱離可能であってもよい。各支持体110は、下顎骨パッド130を有する下顎骨アーム120に装着される。いくつかの実施形態では、支持体幅140と下顎骨間隙150の両方が調節可能である。支持体幅140は、一方の支持体110の外縁から対向する支持体110の外縁までの距離を表す。いくつかの実施形態では、支持体幅140は、支持体110の移動(あるいはベース10の幅の変更)によって調節可能である。支持体幅140は、任意の適切な幅とすることができるが、一般的には、患者の頭の幅を収容するのに十分な幅である。いくつかの実施形態では、支持体幅140は、約2インチ〜約12インチ、約4インチ〜約8インチ、約5インチ〜約7インチ、約8インチ、または任意の適切な幅または幅範囲とすることができる。下顎骨間隙150は、ベース10の一方の側上の下顎骨アーム120の中間縁とベース10の対向側の下顎骨アーム120の中間縁との間の距離を表す。いくつかの実施形態では、下顎骨間隙150は、支持体110および/または下顎骨アーム120の移動によって調節可能である。下顎骨間隙150は、任意の適切な距離とすることができるが、一般的には、患者の顎の幅を収容するのに十分な距離である。いくつかの実施形態では、下顎骨間隙150は、約2インチ〜約8インチ、約3インチ〜約6インチ、約3インチ〜約5インチ、約5インチ、または任意の適切な距離または距離範囲とすることができる。
【0043】
図3Aは、本発明の装置の実施形態の底面図を示す。ベース10の底面180が示されている。本実施形態では、底面180は滑らない面190を有する。底面180の他の実施形態は、滑らない面190を有しておらず、その他の適切な構造または特徴を取ることができる。滑らない面190は、患者がベース10上にいないときはベース10の移動を許可するが、患者がベース10上に配置されるときはベース10の移動を禁止する任意の表面とすることができる。滑らない面190は、底面180の全部または一部のみを包含することができる。たとえば、滑らない面190は、ゴム加工したまたは粘着性の表面、凹凸のある表面、またはその他の適切な物質またはテクスチャであってもよい。
【0044】
図3Aは、ベース10に脱離可能に装着することのできる支持体110の実施形態を示す。別の実施形態では、支持体110は、ベース10に固定して装着される、あるいはベース10と一体化させることができる。支持体110は、挿入部200を有して示される。
【0045】
図3Bを参照すると、患者1000は、ベース10上に示されている。スロット210も示されている。挿入部200は、スロット210内に嵌合するように構成される。次に、スロット210は挿入部200を収容するように構成される。スロット210と挿入部200は、矩形で図示されているが、それぞれが任意の適切な形状、サイズ、または構成を有することができる。たとえば、スロット210と挿入部200は、円柱状、三角形、または任意のその他の適切な形状とすることができる。また、スロット210および挿入部200は、複数のスロットおよび/または挿入部であってもよい。たとえば、挿入部200は、2つの矩形のスロットを備えるスロット210に挿入するように構成される2つの矩形部を有することができる。
【0046】
引き続き図3Aを参照すると、いくつかの実施形態では、挿入部200は、挿入部200がスロット210にいったん挿入されれば、ある位置で係止される、あるいはさまざまな位置で係止可能となるように、スロット210内の構成要素と係合可能なコネクタ220を有する。コネクタ220は、任意の適切な構成を有する任意の適切な構造であってもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ220は、延在してスロット210内の構成要素と係合するように、挿入部200から突出する溝付き構造を有することができる。いくつかの実施形態では、ボタン230は、挿入部200が選択された増分でスロット210内に押し込まれる、あるいはスロット210から引き出されるようにコネクタ220を選択的に係合/分離させる(たとえば、延長および/または退却させる)ために使用することができる。
【0047】
再び図1を参照すると、このような移動によって、支持体幅140および/または、下顎骨間隙150を調節することができる。ボタン230は、、挿入部210の挿入程度を制御するために使用可能な任意の適切な構造を取ることができる。支持体110を図5Aおよび5Bを参照してより詳細に説明する。
【0048】
図4A〜4Eは、下顎骨アーム120の実施形態の近接図である。下顎骨アーム120は、特定の患者に合わせた特注のサイズを有する、あるいは多数の患者に適合するサイズを有することができる。たとえば、下顎骨アーム120は、成人患者向けよりも小児患者向けの方を小さくすることができる、あるいは下顎骨アーム120は、さまざまなサイズで利用可能にすることができる。下顎骨アーム120は、支持体110に離脱可能に、または固定して装着することができる、あるいは支持体110と一体化させることができる。いくつかの実施形態では、下顎骨アーム120は、使い捨て可能であるが、別の実施形態では、再利用可能、洗浄可能、および/または減菌可能である。いくつかの実施形態では、下顎骨アーム120の形状は、患者が本発明の装置と係合するような形状であり、患者の口および/または鼻上方に装着される標準的な酸素マスクを有する。
【0049】
図示される実施形態では、下顎骨アーム120は、下顎骨パッド130、湾曲部300、およびアーム部340を有する。湾曲部300は、任意の適切な材料で作製され、任意の適切な構成を有することができる。好適な実施形態では、湾曲部300は、略剛体で、細長く、窪んでおり、患者の顎との有効な接触を容易にする湾曲を有する。いくつかの実施形態では、湾曲部300の形状は、下顎骨パッド130の形状を提供する。いくつかの実施形態では、下顎骨アーム120が患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するよう構成されるように、湾曲部300が構成される。いくつかの実施形態では、湾曲部300は、患者顎と2または3箇所で接触するように構成される。特定の実施形態では、湾曲部300は、患者の顎の下顎枝、患者の顎の本体、および患者の顎の角と下顎骨アーム120との接触を容易にするように構成される。別の実施形態では、湾曲部300は、非剛体であってもよいし、非剛体部分を有していてもよく、さらには湾曲が実質上欠けてさえいてもよい。特定の実施形態では、湾曲部300は、医療等級プラスチックで作製されるが、さまざまなその他のプラスチック、樹脂、レジノイド、ポリマー、セルロース誘導体、カゼイン材料、ガラス、および金属などのその他材料で作製することもできる。
【0050】
湾曲部300は、下端310と上端320を有して図示される。図示される実施形態では、下端310は、ベース10の下側50の方を向き、上端320は、ベース10の上側40の方を向いている。湾曲部300上には、チューブグリップ330も示されている。チューブグリップ330は、外科的または類似の処置の実行中、実行前、または実行後に使用されるツールまたは機器に装着可能なチューブを把持し保持するように構成される任意の構造を取ることができる。たとえば、チューブグリップ330は、患者の口と鼻の上方に配置される酸素マスクにつながるチューブを把持するのに使用することができる。
【0051】
図4Aでは、チューブグリップ330は、チューブを通るガス流を実質上邪魔せずにリブがチューブを把持できるように適切な距離をおいて配置された一対のリブとして示される。
【0052】
図4Dでは、チューブグリップ330は、チューブを通るガス流を実質上邪魔せずにリブがチューブを把持できるように適切な距離をおいて配置された一対の柱として示される。いくつかの実施形態では、リブ間の距離および/または柱間の距離は約1mm〜約5mmである。別の実施形態では、リブ間の距離および/または柱間の距離は約2mmである。さらに別の実施形態では、リブ間の距離および/または柱間の距離は約2.8mmである。
【0053】
図4Aに戻ると、アーム部340は、湾曲部300から内側に延在し、支持体110と係合するように構成される。平坦面350を有する略円柱状に図示されているが、アーム部340は、任意の適切な形状、サイズ、および構成を取ることができ、任意の適切な材料で作製することができる。アーム部340は、支持体110に脱離可能に、または固定して装着することができ、いくつかの実施形態では、アーム部340は、支持体110と一体化させることができる。アーム部340は、適切な支持体110にのみ装着するようにキー結合することもできる。たとえば、ベース10の左側20の支持体110と共に使用されるアーム部340は、支持体110のみに装着するように構成することができる。図示される実施形態では、アーム部340は、平坦面350と中間端360を有する。
【0054】
図4Cを参照すると、下顎骨パッド130が強調されている。図4Cは、アーム部340、湾曲部300、および下顎骨パッド130を有する下顎骨アーム120を示す。下顎骨パッド130は、任意の適切なサイズ、形状、および特性を有する任意の適切な材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、下顎骨パッド130は、細長だが、別の実施形態では、楕円形、円形、矩形、または任意のその他の適切な形状を取ることができる。ある実施形態では、下顎骨パッド130は柔軟であるが、別の実施形態では、展性がある、弾性がある、剛体である、あるいは任意のその他の軟度を有することができる。下顎骨パッド130は成型された、または平坦な発泡体で作製可能であるが、別の実施形態では、医療等級プラスチックまたはオーバーモールド発泡体、その他のプラスチック、ゴム、樹脂、金属、または任意のその他の適切な材料で作製することができる。別の実施形態では、下顎骨パッド130は、使い捨て可能であるが、別の実施形態では、再利用可能、洗浄可能、および/または減菌可能でありうる。下顎骨パッド130は、湾曲部300に脱離可能に、または固定して装着することができる。いくつかの実施形態では、下顎骨パッド130は接着剤、エポキシ樹脂、セメントなどで装着することができるが、別の実施形態では、下顎骨パッド130は、任意の適切な方法で湾曲部300に装着することができる。好適な実施形態では、下顎骨パッド130は、柔軟な発泡体で作製され、細長であり、接着剤またはエポキシ樹脂で湾曲部300に固定して装着される。
【0055】
いくつかの実施形態では、下顎骨パッド130は、患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するように構成される。いくつかの実施形態では、下顎骨パッド130は、患者の顎と2または3箇所で接触するように構成される。たとえば、図6を参照すると、顎ライン900を有する患者1000は、上側40、下側50、支持体110、および下顎骨パッド130を有する下顎骨アーム120を含むベース10を有する本発明の装置上に示されている。顎ライン900は、患者の顎骨の異なる部に対応する複数の部分を有する。下顎枝930は、患者の顎骨の下顎枝の縁に対応し、本体910は、患者の顎骨の本体の縁に対応し、角920は、患者の顎骨の角の縁に対応する。特定の実施形態では、下顎骨パッド130は、患者の顎の下顎枝930、患者の顎の本体910、および患者の顎の角920に接触するように構成される。当然ながら、ここでの、および本開示の他の部分でのこのような接触は直接接触を指すものではなく、患者の皮膚の接触による間接的接触を指す。
【0056】
以下、図4Cを参照すると、下顎骨パッド130は、遠位面400、中間面410、高さ420、幅460を有し、湾曲部300から距離430だけ延在する。高さ420は、任意の適切な高さとすることができる。たとえば、高さ420は、約1/10インチ〜約5インチ、約1/4インチ〜約1.5インチ、約1/2インチ〜1インチ、または任意の適切な高さとすることができる。同様に、距離430は任意の適切な距離とすることができる。たとえば、距離430は、約1/10インチ〜約5インチ、約1/4インチ〜約1.5インチ、約1/2インチ〜1インチ、または任意の適切な高さとすることができる。さらに、幅460は、任意の適切な幅とすることができる。たとえば、幅460は、約1/8インチ〜約4インチ、約1/2インチ〜約2.5インチ、約1インチ〜約2インチ、または任意のその他の適切な幅とすることができる。図示される実施形態は、奥行き440の窪み450を有する中間面410を有する。別の実施形態では、中間面410は、平坦、略平坦、または凸面であってもよい。円形に図示されているが、窪み450は、任意の適切な形状を取ることができる。また、中間面410は、類似の、異なる、あるいは同一の構成の複数の窪み450を有することができる。窪み450は、下顎骨パッド130の長さ470(図4Eに示される)に沿って均一または略均一とし、その存在または特徴は下顎骨パッド130の長さ470全体にわたり変動させることができる。たとえば、窪み450の奥行き440は、略一定とすることができる、あるいは下顎骨パッド130の長さ470に沿って変動させることができる。奥行き440は、中間面410の最高点からの任意の適切な奥行きであってもよい。たとえば、奥行き440は、約1/16インチ〜約1インチ、約1/8インチ〜約3/4インチ、約1/4インチ〜約1/2インチ、または任意の適切な深さとすることができる。同様に、長さ470は任意の適切な長さとすることができる。たとえば、長さ470は、約1インチ〜約7インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3.5インチ、またはその他の適切な長さとすることができる。
【0057】
図4Eを参照すると、下顎骨アーム120と下顎骨パッド130の実施形態の上面が示されている。本図は、上述の長さ470を示す。本図は、湾曲部300の湾曲のため、第1の長さ480と第2の長さ490を有する下顎骨アーム120の実施形態も示す。好適な実施形態では、第1の長さ480は、第2の長さ490よりも長い。いくつかの実施形態では、第1の長さ480は、約1インチ〜約5インチ、約1.5インチ〜約4インチ、約2.5インチ〜約3.5インチ、約3インチ、またはその他の適切な長さである。いくつかの実施形態では、第2の長さ490は、約1/2インチ〜約5インチ、約1インチ〜約4インチ、約2インチ〜約3インチ、約2.5インチ、またはその他の適切な長さである。一実施形態では、第1の長さ480は、約3インチであり、第2の長さ490は、約2.5インチである。
【0058】
図5A〜5Cは、支持体110の実施形態の近接図である。図示される実施形態では、支持体110は、互いにおよび/またはベース10に脱離可能にあるいは固定して装着される第1の部分500、第2の部分510、および第3の部分560を有する。別の実施形態では 支持体110は、一体型構造であってもよく、および/またはベース10および/または下顎骨アーム120と一体化されていてもよい。特定の形状および接続を有する各種部品が示されているが、支持体110は、任意の適切な構成および任意の適切な形状を有することができる。
【0059】
好適な実施形態では、支持体110は、少なくとも1つの軸上で調節可能である。いくつかの実施形態では、支持体110は、x軸(たとえば、挿入部200と下顎骨間隙150(図1を参照)によって定義される)および/またはy軸(たとえば、上部610の高さ620によって定義される)上で調節可能である。別の実施形態では、支持体110はz軸(たとえば、図1を参照すると、ベース10の左側20の縁で定義される)および/またはw軸(たとえば、第3の部分560の回転によって定義される)上でも調節可能である。好適な実施形態では、支持体110は、少なくともx、y、およびw軸で調節可能である。
【0060】
いくつかの実施形態では、支持体110を調節して、下顎骨アーム120を患者の顎と2または3箇所で接触させて配置する。いくつかの実施形態では、支持体110を調節して、患者を所望の姿勢に配置する、および/または保持する。いくつかの実施形態では、所望の姿勢は匂嗅姿勢である。
【0061】
たとえば、図6を参照すると、顎ライン900を有する患者1000は、上側40、下側50、支持体110、および下顎骨パッド130を有する下顎骨アーム120を含むベース10を有する本発明の装置上に図示されている。顎ライン900は、患者の顎骨の異なる部分に対応する複数の部分を有する。特定の実施形態では、支持体110は、患者の顎の下顎枝930、患者の顎の本体910、および患者の顎の角920と接触するよう下顎骨アーム120を移動させることができるように調節可能である。
【0062】
図5Aを参照すると、支持体110の第1の部分500の実施形態が示されている。第1の部分500は、長さ600、第1の高さ590、第2の高さ620、コネクタ220、ボタン230、挿入部200、および上部610を有する。コネクタ220、ボタン230、および挿入部200は、図3Aおよび3Bを参照して説明した。図示されるように、挿入部200は、長さ600、幅580、および高さ590を有し、そのそれぞれが任意の適切な大きさを取ることができる。たとえば、長さ600は、約1インチ〜約8インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3インチ〜約3.5インチ、または任意の適切な長さとすることができる。たとえば、幅580は、約1/2インチ〜約6インチ、約1インチ〜約3インチ、約1.5インチ〜約2.5インチ、または任意の適切な幅とすることができる。たとえば、高さ590は、約1/8インチ〜約3インチ、約1/4インチ〜約1.5インチ、約1/2インチ〜約1インチ、または任意の適切な厚さとすることができる。同様に、上部610は、挿入部200の長さと類似のまたは異なる長さ620を有することができる。たとえば、長さ600は、約1インチ〜約8インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3インチ〜約3.5インチ、または任意の適切な長さとすることができる。上部610のその他の寸法は、挿入部200に関して説明した寸法と同様であってもよい。上部610は、支持体110の第1の部分500と第2の部分510との接続を容易にする、あるいは達成する接続要素をさらに有することができる。
【0063】
引き続き図5Aを参照すると、第2の部分510の実施形態が示されている。第2の部分510は、高さ630、幅640、および厚さ690を有し、そのそれぞれが任意の適切な大きさを取ることができる。たとえば、高さ630は、約1インチ〜約8インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3インチ〜約3.5インチ、または任意の適切な高さとすることができる。たとえば、幅640は、約1/2インチ〜約6インチ、約1インチ〜約3インチ、約1.5インチ〜約2.5インチ、または任意の適切な幅とすることができる。たとえば、厚さ690は、約1/8インチ〜約3インチ、約1/4インチ〜約1.5インチ、約1/2インチ〜約1インチ、または任意の適切な厚さとすることができる。いくつかの実施形態では、厚さ690および幅640は、第1の部分500の少なくとも一部が第2の部分510に嵌合するように、第1の部分500の上部610の対応する寸法よりも大きい。好ましくは、それらの寸法は、支持体110の高さが支持体110の第1の部分500の上部610全体にわたるy軸に沿った第2の部分510の移動によって調節可能であるように、十分大きくされる。別の実施形態では、第2の部分510の少なくとも一部が第1の部分500に嵌合するように、第1の部分500の寸法は、第2の部分510の寸法よりも大きくすることができる。
【0064】
第2の部分510は、第1の部分コネクタ700と第3の部分コネクタ520をさらに有する。第1の部分コネクタ700は、支持体110の第2の部分510と第1の部分500との接続を容易にする任意の適切な構造を取ることができる。好ましくは、第2の部分510が第1の部分500に対して選択的に移動できるように、第1の部分コネクタ700は、第1の部分500上の構成要素と相互作用する。いくつかの実施形態では、第1の部分コネクタ700は、高さ調節ボタン540(図5Bを参照)によって第1の部分500の構成要素と選択的に係合/分離される。このような実施形態では、高さ調節ボタン540を押すと、第1の部分コネクタ700が分離し、y軸に沿った第1の部分500に対する第2の部分510の移動を可能にする。その後、高さ調節ボタン540を解放すると、第2の部分510がy軸に沿った適所に係止されるように第1の部分コネクタ700が係合される。いくつかの実施形態では、第1の部分コネクタ700は、第3の部分560(図5Bを参照)で高さアジャスタ720と相互作用する。このような実施形態では、高さ調節ボタン540を押すと、第1の部分コネクタが第1の部分500の構成要素から分離することによって、y軸に沿った第1の部分500に対する第2の部分510の移動を可能にするように、高さアジャスタ720を第1の部分コネクタ700と相互作用させる。
【0065】
第2の部分510は、第3の部分コネクタ520をさらに備える。第3の部分コネクタ520は、第2の部分510と第3の部分560との接続を容易にする任意の適切な構造を取ることができる。図示される実施形態では、第3の部分コネクタは、第3の部分570の穴680(図5Bを参照)に嵌合する第2の部分510からの円柱状の延長部である。第3の部分コネクタ520および穴680は、任意の適切なサイズおよび特徴を有することができる。
【0066】
図5Bおよび5Cを参照すると、好ましくは、第2の部分コネクタ520は、第3の部分560が第2の部分510に対して選択的に移動できるように、第3の部分560上の回転アジャスタ710と相互作用する。いくつかの実施形態では、第3の部分コネクタ520は、回転調節ボタン550(図5Bを参照)によって回転アジャスタ710と選択的に係合/分離される。このような実施形態では、回転調節ボタン550を押すと、第3の部分コネクタ520が回転アジャスタ710から分離して、w軸に沿った第2の部分510に対する第3の部分560の移動を可能にする。その後、回転調節ボタン550を解放すると、第3の部分560がw軸に沿った適所に係止されるように、第2の部分コネクタ520が回転アジャスタ710と係合する。
【0067】
再度図5Bおよび5Cを参照すると、第3の部分560の実施形態が示されている。第3の部分560は、回転調節ボタン550、高さ調節ボタン540、下顎骨アーム受け530、主部570、穴680、回転アジャスタ710、および高さアジャスタ720を有する。ボタンとして図示されているが、回転調節ボタン550および高さ調節ボタン540は、人が操作可能な任意の適切な構造を取ることができる。さらに、回転調節ボタン550および高さ調節ボタン540は、支持体110(さらには、本明細書に記載のさまざまな部分のそれぞれ)の上、あるいは本装置の別の部品上の任意の適切な位置に配置することができる。好ましくは、回転調節ボタン550および高さ調節ボタン540は、人が手で支持体110上に配置し、両方と相互作用できるように位置決めされる。
【0068】
第3の部分560は、任意の適切な構成と任意の適切な形状を有することができる。よって、図示される実施形態では、第3の部分560は、略円形であるが、任意の適切な形状を取ることができる。好適な実施形態では、第3の部分560は、下顎骨アーム120がw軸上を移動するように、w軸上で回転する。いくつかの実施形態では、この運動が、下顎骨アーム120を、患者、より具体的には患者の顎骨に対して位置決めする助けとなる。好ましくは、第3の部分560は、人の手によって把持および操作できるように構成される。よって、好ましくは、人が回転調節ボタン550および高さ調節ボタン540と相互作用して、人が支持体110の調節を可能にすることによって下顎骨アーム120を調節する/位置決めできるように、人が第3の部分560を把持することができる。そうすることにより、次に人は、患者が所望の姿勢、たとえば匂嗅姿勢に配置される、および/または保持されるように、下顎骨アーム120を患者に接触させることができる。
【0069】
主部560は、円形で示されているが、任意の適切な形状を取ることができる。主部560は、同一でも異なっていてもよい高さ650と幅670とを有し、任意の適切な大きさを取ることができる。たとえば、高さ650は、1インチ〜約8インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3〜約3.5インチ、約1/2インチ〜約6インチ、約1インチ〜約3インチ、約1.5インチ〜約2.5インチ、または任意の適切な高さとすることができる。たとえば、幅670は、1インチ〜約8インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3インチ〜約3.5インチ 約1/2インチ〜約6インチ、約1インチ〜約3インチ、約1.5インチ〜約2.5インチ、または任意の適切な長さとすることができる。
【0070】
再度図5Bおよび5Cを参照すると、第3の部分560は、下顎骨アーム受け530も有する。下顎骨アーム受けは、下顎骨アーム120のアーム部340(図4A〜4Eを参照)と相互作用する。下顎骨アーム受け530は、任意の適切な長さを有することができる。たとえば、下顎骨アーム受け530は、約1/8インチ〜約3インチ、約1/4インチ〜約1.5インチ、約1/2インチ〜約1インチ、または任意の適切な厚さとすることができる。下顎骨アーム受け530は、任意の適切な構成および/または形状を有することもできる。よって、図示される実施形態では、下顎骨アーム受け530は、略円柱状であるが、任意の適切な構造を取ることができる。図示される実施形態では、遠位端360(図4Aを参照)は、下顎骨アーム受け530に挿入され、下顎骨アーム受け530は、アーム部340との接続を介して適所に下顎骨アーム120を保持する。アーム部340は、下顎骨アーム受け530に脱離可能に、調節可能に、あるいは固定して装着することができ、アーム部340は、下顎骨アーム受け530と一体化させることもできる。下顎骨アーム受け530は、解放ボタン370もさらに備えることができる。解放ボタン370は、アーム部340と直接的または間接的に相互作用して、アーム部340の下顎骨アーム受け530への挿入、および/またはアーム部340の下顎骨アーム受け530からの脱離を可能にする。解放ボタン370は、アーム部340の下顎骨アーム受け530への挿入程度の調節も行えるため、下顎骨アーム120と第3の部分560との間の距離を増大または減少させることができる。このような運動は、下顎骨間隙150(図1を参照)の調節も可能にする。解放ボタン370は、ボタン、ラッチ、スイッチ、またはダイヤルなどの任意の適切な構造であってもよい。解放ボタン370は本装置の任意の適切な位置に配置することもできる。
【0071】
いくつかの実施形態では、アーム部340は、下顎骨アーム受け530内の表面と相互作用する平坦部350を有する。いくつかの実施形態では、この相互作用によって、右の下顎骨アーム120が左の支持体110に挿入されること、またはその反対が防止される。
【0072】
図5Cを参照すると、特定の実施形態では、下顎骨アーム120は、下顎骨アーム120の支持体110に対する移動を可能にするように、第3の部分560に接続することができる。たとえば、下顎骨アーム120は、支持体110に対してx、y、およびz軸を含む1つまたはそれ以上の軸上で移動可能とすることができる。このような実施形態では、下顎骨アーム120の移動は、患者を匂嗅姿勢などの所望の姿勢に配置する、および/または維持することを容易にする。
【0073】
本明細書に記載される各種装置に加えて、本発明は、方法も含む。一般的に、本発明の方法は、患者を所望の姿勢に配置する、および/または維持することに関する。いくつかの実施形態では、この姿勢は、鎮静または全身麻酔下の患者による規則的または半規則的な呼吸を簡易にする姿勢である。たとえば、所望の姿勢は、匂嗅姿勢であってもよい。該方法は、マスクの通気を提供するためのチューブに関連する酸素マスクやフェイスマスクなどの各種機器や、患者に少なくとも部分的に挿入されるチューブなどのその他の各種呼吸器の使用を含むことができる。本方法の各種実施形態は、本明細書に記載の装置の使用を含む。たとえば、患者を所望の姿勢に配置することができ、その後、患者を所望の姿勢に維持するように本発明の装置を調節することができる。別の実施形態では、患者を所望の姿勢に配置するために本発明の装置を使用することができる。別の実施形態では、患者を所望の姿勢に配置し維持するために本発明の装置を使用することができる。いくつかの実施形態では、該方法は、本装置との単独の相互作用で、患者の姿勢を迅速かつ容易に設定する。いくつかの実施形態では、該方法は、単独の運動で、あるいは本発明との単独の接触で、患者の姿勢固定を行うことができる。
【0074】
例として、図6を参照すると、本発明に係る装置は、ガーニー、手術台、歯科医の椅子、または任意のその他の適切な場所でベース10を操作し位置決めするために、グリップ要素160を使用して、あるいは使用せずに適切に位置決めすることができる。患者1000は、患者の頭の頂部がベース10の上側40を向き、患者の首がベース10の下側50を向くように、ベース10を有する本発明の装置上に配置することができる。このような配置は、ベース10の位置決めの前または後に実行することができる。患者は、位置合わせガイド155(図1を参照)を参照して、あるいは参照せずにベース10上に適切に配置することができる。たとえば、患者1000は、患者の口が支持体110(および/または位置合わせガイド155)とほぼ一致するように姿勢を固定することができる。いったん姿勢が設定されれば(あるいは、いくつかの実施形態では、患者1000が位置決めされれば)、支持体110をx軸に沿って移動させて支持体幅140を増大させることによって、下顎骨間隙150(図1を参照)を調節することができる。いくつかの実施形態では、これは、支持体110上のボタン230を押して、支持体110が所望の姿勢を取るまで支持体をベース10に近づけるように、あるいはベース10から離れるように移動させた後、ボタン230を解放させて支持体110を適所に係止することによって達成することができる。また、支持体110はy軸上で調節することもできる。いくつかの実施形態では、これは、高さ調節ボタン540を押して、支持体110が所望の姿勢を取るまでy軸上で支持体110を移動させた後、高さ調節ボタン540を解放することによって達成することができる。さらに、必要に応じて、支持体110は、w軸またはz軸上で調節することもできる。いくつかの実施形態では、これは、回転調節ボタン550を押して、支持体110が所望の姿勢を取るまでw軸上で支持体110を移動させた後、回転調節ボタン550を解放することによって達成することができる。このような処置は、ベース10の別の側で支持体110に対して繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、支持体110(および下顎骨アーム120)のw軸上での回転により、患者の頭が後方に傾いて患者の気道が開放されるように、支持体110が患者1000に対して位置決めされる。
【0075】
患者が所望の姿勢に配置される、および/または維持されるように、下顎骨アーム120が患者に接触するまで、さまざまな調節(必要に応じてのみ行われる)を実行することができる。たとえば、下顎骨パッド130が患者の顎の1つまたはそれ以上の箇所に接触するまで調節を実行することができる。いくつかの実施形態では、下顎骨パッド130が患者の顎の下顎枝930、患者の顎の本体910、および患者の顎の角920に接触するまで調節することができる。
【0076】
よって、装置と方法が提供されると考えられる。当業者であれば、本発明は、限定ではなく例示のために本明細書で提示される各種実施形態および好適な実施形態以外によっても実施可能であり、本発明は、後述の請求項によってのみ限定されると理解するであろう。なお、本明細書に記載される具体的な実施形態の等価物も本発明を実施可能である。
【0077】
本発明の各種実施形態を上述したが、それらは単に例であって限定するために提示されていないことを理解すべきである。同様に、各種図面は、本発明の代表的な構造を示しており、本発明に含まれ得る特徴および機能を理解する助けとなる。本発明は、図示された例示の構成に限定されず、さまざまな代替の構成を用いて所望の特徴を実現することができる。実際に、当業者にとっては、代替の機能的、理論的、または物理的構成が本発明の所望の特徴を実現するためにどのように実行可能であるかは自明であろう。さらに、本明細書に示されるものとは異なる多数の構成要素名が、各種部品や構成要素に適用可能である。また、方法請求項に関しては、本明細書で提示されるステップの順番は、文脈上他の意味を命じる場合を除き、同じ順番で記載の機能を実行するように各種実施形態を実行させることを要求するものではない。
【0078】
本発明は、さまざまな代表的実施形態および具体化の観点から上述してきたが、個々の実施形態のうち1つまたはそれ以上に記載される各種特徴、態様、および機能は、それらが共に記載される具体的な実施形態への適用に限定されず、その代わりに、1つまたはそれ以上のその他の本発明の実施形態に対し、上記実施形態が記載されるか否か、および上記特徴が記載の実施形態の一部として提示されるか否かにかかわらず、個別にまたはさまざまな組み合わせで適用することができる。よって、本発明の幅および範囲は、上述の代表的実施形態のいずれにも限定されるべきではない。
【0079】
本文書で使用される用語および句ならびにその変形は、特に明示されていない限り、限定的ではなく非限定的に解釈されるべきである。上記の例として、「含む」という用語は、「限定なく含む」などの意味に解釈すべきである。「例」という用語は、網羅的または限定的リストではなく、当該アイテムの代表的例を提供するために使用される。「従来の」、「伝統的な」、「通常の」、「標準的な」、「公知の」などの形容詞および類似の意味を持つ用語は、記載されるアイテムを所与の期間または所与の時点で利用可能なアイテムに限定するものと解釈されるべきではなく、現在または未来のいずれかの時点で利用可能または公知になり得る従来の、伝統的な、通常の、または標準的な技術を包含するように解釈されるべきである。同様に、本文書が当業者にとって自明または公知であると思われる技術に言及する場合、その技術は、現在または未来のいずれかの時点で当業者にとって自明または公知である技術を包含する。
【0080】
「および」という接続詞で連結されるアイテム群は、それらのアイテムのすべてが群内に存在することを要求するものではなく、特に明示されない限り「および/または」として解釈されるべきである。同様に、「または」という接続詞で連結されるアイテム群は、この群内の相互排他性を要求するものではなく、特に明示されない限り「および/または」として解釈されるべきである。さらに、本発明のアイテム、構成要素、および構成材は単数で記載されているが、単数への限定が明示されていない限り、複数も本発明の範囲に入ると企図される。
【0081】
いくつかの例における「1つまたはそれ以上」、「少なくとも」、「限定されず」、またはその他の類似の句などの幅を広げる語および句の存在は、上記幅を広げる句が存在しない例では、より狭い場合が意図される、あるいは要求されることを意味するように解釈されるべきではない。さらに、本明細書に記載される各種実施形態は、代表的ブロック図およびその他の図に関して記載される。本文書に目を通した当業者にとって自明であるように、図示される実施形態およびその各種代替は、図示される例に制限されずに実現することができる。たとえば、図面およびその関連説明は、各種部品および構成要素の具体的な形状を含め、特定の構成を要求するように解釈されるべきではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、全身麻酔または鎮静下の患者を含む患者の姿勢を固定する外科装置、およびいくつかの実施形態では、患者の頭および/または顎を特定姿勢に確定し維持する外科装置に関する。
【背景技術】
【0002】
毎年米国では、何百万もの外科手術および侵襲性診断処置が実行されている。これらの外科手術および処置のすべてではないが、大半が何らかの形の麻酔または鎮静の使用を含む。場合によっては、患者の意識をなくす全身麻酔が使用される。一般的に、このような外科手術の前および/または途中、医師(「麻酔医」または「口腔外科医」)および/または認定看護麻酔士が麻酔薬を投与し、患者が麻酔または鎮静下にある間、患者を監視する。
【0003】
麻酔医または麻酔士の仕事は単純ではない。最近の麻酔では、幅広いさまざまな医療機器が使用される場合がある。麻酔専門家は各種医療ガス、麻酔薬や吸入剤、医療呼吸回路、およびさまざまな麻酔機器(たとえば、気化器、人工呼吸器、および圧力ゲージ)の使用、ならびにそれらに対応する安全性の特徴、危険、および制限に関する包括的で複雑な知識を有していなければならない。さらに、全身麻酔下で治療されている患者は、患者の安全性を確保するために継続的に監視されなければならない。小手術の場合、これには一般的に、心拍、酸素飽和度、非侵襲性血圧、吸気および呼気ガス(酸素、二酸化炭素、亜酸化窒素、および揮発剤)などの監視が含まれる。中〜大手術の場合、監視には、体温、尿量、侵襲性血圧測定、肺動脈圧および肺動脈閉塞圧、大脳活動、神経筋機能、および心拍出量が含まれるかもしれない。機器の各部や考慮事項のために、麻酔医または麻酔士は外科処置の前、途中、および後もずっと従事させられる可能性がある。
【0004】
当然ながら、患者が鎮静または全身麻酔下にある間の重要な考慮事項の1つは、患者が適切に呼吸できるように確保することである。いくつかの例では、チューブの挿入などの物理的に侵襲的な方法が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、患者の姿勢固定が、患者が適切に呼吸できるように確保するのに関係することが証明されている。たとえば、患者を特定姿勢(たとえば、「匂嗅」姿勢)に配置し維持することで、患者の気道が閉塞されないように確保する助けとなる。よって、患者の姿勢固定は、麻酔医または麻酔士が処置中に監視する必要のあるもう1つの条件である。したがって、呼吸を容易にする姿勢に患者を配置するのを助け、および/または処置中にその姿勢に患者を維持する方法または装置は、外科手術または類似の処置の前、途中、および後の担当麻酔専門家の負担を軽減することができる。このような方法または装置は、患者が麻酔下にあるか否かにかかわらず、患者が無意識である、および/または固定されている状況を含め、医療および歯科医療において幅広く適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、いくつかの実施形態では、第1の側と第2の側とを備え、患者の頭をほぼ収容するように構成されるベースと、ベースの第1の側上に位置決めされる第1の支持体と、ベースの第2の側上に位置決めされる第2の支持体と、第1の支持体上に位置決めされ、患者の顎に接触するように構成される第1の下顎骨アームと、第2の支持体上に位置決めされ、患者の顎に接触するように構成される第2の下顎骨アームと、を含み、第1の下顎骨アームと第2の下顎骨アームのそれぞれが、患者の顎と接触し、患者を所望の姿勢に維持するように位置決め可能であるように、3軸上を移動可能である装置を含む。
【0007】
特定の実施形態では、ベースは矩形である。
【0008】
いくつかの実施形態では、下顎骨アームは患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である。別の実施形態では、第1の下顎骨アームと第2の下顎骨アームはそれぞれ下顎骨パッドを含む。
【0009】
さらに別の実施形態では、第1の下顎骨アームと第2の下顎骨アームは、第1の支持体と第2の支持体にそれぞれ脱離可能に接続される。別の実施形態では、第1の下顎骨アームは第1の支持体に対して移動可能であり、第2の下顎骨アームは第2の支持体に対して移動可能である。いくつかの実施形態では、3軸は患者に対するx、y、およびw軸である。各種実施形態では、所望の姿勢は匂嗅姿勢である。
【0010】
特定の実施形態では、下顎骨パッドは発泡体を備える。別の実施形態では、下顎骨アームは、下顎骨パッドが患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するように位置決め可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、下顎骨アームは、下顎骨パッドが患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である。
【0012】
さらに別の実施形態では、第1の支持体はベースに対して移動可能であり、第2の支持体はベースに対して移動可能である。各種実施形態では、第1の支持体は2軸上でベースに対して移動可能であり、第2の支持体は2軸上でベースに対して移動可能である。いくつかの実施形態では、第1の支持体は3軸上でベースに対して移動可能であり、第2の支持体は3軸上でベースに対して移動可能である。
【0013】
別の実施形態では、第1の支持体は第1の下顎骨アームに対して移動可能であり、第2の支持体は第2の下顎骨アームに対して移動可能である。
【0014】
別の実施形態では、本発明は、複数の支持体を備え、患者の頭をほぼ収容するように構成されるベースを含む装置であって、各支持体は下顎骨アームを備え、各下顎骨アームは患者の顎と接触するように構成され、各下顎骨アームは患者の顎と接触し、患者を所望の姿勢に維持するように位置決め可能であるように3軸上で移動可能である装置を含む。特定の実施形態では、ベースは矩形である。
【0015】
別の実施形態では、各下顎骨アームは、患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である。
【0016】
別の実施形態では、各下顎骨アームは下顎骨パッドを備える。さらに別の実施形態では、各下顎骨アームは各支持体に脱離可能に接続される。いくつかの実施形態では、各下顎骨アームは支持体に対して移動可能である。
【0017】
別の実施形態では、3軸は患者に対するx、y、およびw軸である。
【0018】
さらに別の実施形態では、所望の姿勢は匂嗅姿勢である。各種実施形態では、各下顎骨パッドは発泡体を含む。
【0019】
特定の実施形態では、各下顎骨アームは、下顎骨パッドが患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するように位置決め可能である。
【0020】
特定の実施形態では、各下顎骨アームは、下顎骨パッドが患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である。
【0021】
別の実施形態では、各支持体はベースに対して移動可能である。
【0022】
さらに別の実施形態では、各支持体は2軸上でベースに対して移動可能である。別の実施形態では、各支持体は下顎骨アームに対して移動可能である。
【0023】
別の実施形態では、本発明は方法を含む。
【0024】
該方法は、本発明の装置のいずれかの実施形態を設けるステップと、患者の頭をほぼ装置のベース上に配置するステップと、患者の頭を所望の姿勢に配置するステップと、第1の下顎骨アームを患者の顎に接触するように移動するステップと、第2の下顎骨アームを患者の顎に接触するように移動するステップと、を含む患者の姿勢を固定する方法であって、第1の下顎骨アームと第2の下顎骨アームの接触は、患者の頭および/または顎を所望の姿勢にほぼ保持するのに十分な力を提供する。
【0025】
さらに別の実施形態では、本発明は、略剛体の湾曲部と、柔軟であり、湾曲部に装着するように構成される遠位側と患者の顎に複数箇所で接触するように構成される近位側とを有する下顎骨パッドと、支持体に装着するように構成されるコネクタ部と、を含む下顎骨アームを含む。いくつかの実施形態では、下顎骨アームは、本発明の装置のいずれかの実施形態と協働するように適合させることができる。
【0026】
別の実施形態では、下顎骨パッドは発泡体を備える。
【0027】
さらに別の実施形態では、コネクタ部は、左側と右側を備えるベースに装着される支持体に装着するように構成され、ベースは患者の頭をほぼ収容するように構成され、支持体は、下顎骨パッドが患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触し、患者を所望の姿勢に維持するように位置決め可能であるように、3軸上で移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の装置の一実施形態の上面を示す概略図である。
【図2A】本発明の装置の一実施形態の側面を示す概略図である。
【図2B】本発明の装置の一実施形態の側面を示す概略図である。
【図3A】本発明の装置の一実施形態の概略図である。
【図3B】本発明の装置の一実施形態の概略図である。
【図4A】本発明の下顎骨パッドの実施形態を複数示す概略図である。
【図4B】本発明の下顎骨パッドの実施形態を複数示す概略図である。
【図4C】本発明の下顎骨パッドの実施形態を複数示す概略図である。
【図4D】本発明の下顎骨パッドの実施形態を複数示す概略図である。
【図4E】本発明の下顎骨パッドの実施形態を複数示す概略図である。
【図5A】本発明の支持体の一実施形態の概略図である。
【図5B】本発明の支持体の一実施形態の概略図である。
【図5C】本発明の支持体の一実施形態の概略図である。
【図6】本発明の装置の一実施形態の側面を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の段落では、本発明は、添付図面を参照して例示によって詳細に説明される。本明細書全体を通じて、好適な実施形態および図示される例は、本発明に対する限定としてではなく例とみなすべきである。本明細書で使用される際、「本発明」は、本明細書に記載される本発明の実施形態のうちいずれか、およびその等価物を指す。さらに、本文書全体を通じて「本発明」のさまざまな特徴は、請求されるすべての実施形態または方法が言及される特徴を含まなければならないということを意味するものではない。
【0030】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的で使用されており、本発明の範囲を限定することを目的としていないと理解される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される際、「a」、「an」、および「the」などの単数形は、文脈上別な意味を明らかに要求していない限りは複数の言及も含むと指摘しておかねばならない。よって、たとえば、「支持体」の言及は1つまたはそれ以上の支持体への言及であり、当業者等にとって公知な等価物を含む。
【0031】
本発明は、装置と方法を含む。本発明の装置は、患者の姿勢を固定する装置を含む。いくつかの実施形態では、該装置は、医療(外科手術を含む)、歯科または診断処置の前、途中、および/または後に患者を所与の姿勢に設定し、および/または維持するために使用することができる。多くの実施形態では、患者は鎮静または全身麻酔下にあり、いくつかの実施形態では、患者は、全身麻酔によって意識を失くさせることができる。いくつかの実施形態では、患者の姿勢固定は、たとえば、確実に患者の気道を解剖学上位置合わせすることによって、人が患者の呼吸を容易にする、あるいは楽にする。該装置は、患者を「匂嗅」姿勢または類似の姿勢に設定することができる。本発明の装置によって、たとえば、麻酔医または麻酔士は、患者を所望の姿勢に配置し維持することができる。いくつかの実施形態では、本発明の装置によって、患者を迅速かつ効率的に特定姿勢に配置することができる。
【0032】
本発明の装置は、内科と歯科の両方に適用し、「処置」または「外科処置」への言及は、医療処置、診断処置、および口腔手術、根管、抜歯などを含む歯科処置を指す。
【0033】
本発明の方法は、患者の姿勢を固定する方法を含む。いくつかの方法は、外科手術、診断、または歯科処置の前、途中、および/または後に患者の姿勢を固定する、および/または患者を所与の姿勢に維持することを含むことができる。本発明のいくつかの方法は、本発明の装置の使用を含むことができる。いくつかの実施形態は、患者の呼吸を楽にする、あるいは容易にする姿勢、たとえば「匂嗅」姿勢に患者の姿勢を固定することを含む。多くの実施形態では、患者は鎮静または麻酔下にあり、全身麻酔によって意識を失くしている、あるいは全身麻酔後の眠い状態にある患者を含む。
【0034】
図1を参照すると、本発明の装置の実施形態が示されている。左側20、右側30、上側40、および下側50を有するベース10が図示されている。図示される実施形態では、ベース10は、矩形であるが、任意の適切な形状を取ることができる。ベース10は、磁気共鳴映像法(「MRI」)対応、洗浄可能、および/または減菌可能な材料を含む任意の適切な材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、ベース10は、医療等級プラスチックまたは独立気泡発泡体で作製することができる。ベース10は、プラスチック、樹脂、レジノイド、ポリマー、セルロース誘導体、カゼイン材料、および金属などのさまざまなその他のMRI対応材料で作製することもできる。ベース10は、ベース10の全部または一部にカバーを含むこともできる。たとえば、このようなカバーは、軟質または硬質の発泡体、繊維、または緩衝材料で作製することができる。このような材料は、ベース10の一部と一体化させてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、ベース10は、位置合わせガイド155をさらに有することができる。位置合わせガイド155は、図1では位置合わせ線として示されているが、任意の適切な構造または構成要素であってもよい。たとえば、位置合わせガイド155は、輪郭、矢印、切欠きまたは一連の切欠き、刻み目、または任意の適切な構造とすることができる。位置合わせガイド155は、人が患者を所望の姿勢に配置しようとする際に視覚ガイドを提供する。よって、位置合わせガイド155は、移動可能である、あるいは、患者の所望の姿勢に応じて複数の位置または標示を有することができる。位置合わせガイド155がベース10上の線である実施形態では、線は下顎骨アーム120とほぼ一致する。その後、患者の唇が位置合わせガイド155とほぼ一致して配置される。さらに、患者は、下顎骨パッド130が患者の顎と揃うように調節される。
【0036】
図2Aおよび2Bを参照すると、グリップ要素160も示されている。グリップ要素160は、任意の適切なサイズおよび構造を有する任意の適切な構造とすることができる。たとえば、グリップ要素160は、凸部もしくは凹部、または人がベース10を動かしやすくするその他任意の構造またはテクスチャであってもよい。
【0037】
図1に戻ると、ベース10は、幅60と長さ70を有する。幅60は、任意の適切な幅とし、長さ70に沿って略均一または略不均一とすることができる。一般的に、幅60は、患者の頭の幅を収容する、あるいはほぼ収容するのに十分である。いくつかの実施形態では、幅60は、特定の装置の意図する、または所望の用途に応じて変動させることができる。たとえば、小児患者向けに使用されるベース10は、成人患者向けに使用されるベース10の幅60よりも狭い幅60を有することができる。別の実施形態では、ベース10は、成人患者と小児患者の両方が利用可能な幅60を有する。ある実施形態では、幅60は約3インチ〜約18インチとすることができる。別の実施形態では、幅60は、約6インチ〜約10インチとすることができる。別の実施形態では、幅60は約6インチ〜3.25インチとすることができる。
【0038】
同様に、長さ70は、任意の適切な長さとすることができる。一般的に、長さ70は、患者の頭の長さを収容する、あるいはほぼ収容するのに十分である。長さ70は、患者の首を収容する、あるいはほぼ収容するのに十分であってもよい。いくつかの実施形態では、長さ70は、特定の装置の意図する、または所望の用途に応じて変動させることができる。たとえば、小児患者向けに使用されるベース10は、成人患者向けに使用されるベース10の長さ70よりも短い長さ70を有することができる。別の実施形態では、ベース10は、成人患者と小児患者の両方が利用可能な長さ70を有する。特定の実施形態では、長さ70は、約8インチ〜約36インチとすることができる。別の実施形態では、長さ70は、約12インチ〜約24インチとすることができる。いくつかの実施形態では、長さ70は、1つまたはそれ以上の材料、高さ、および勾配(または傾斜)などの特徴の異なる1つまたはそれ以上の区域または領域に分割することができる。長さ70は、任意の適切な特徴を有する任意の適切な数の区域を有することができる。図示される実施形態では、長さ70は、以下の3つの区域、隆起区域80、傾斜区域90、および陥凹区域100に分離される。
【0039】
図2Aは、本発明の実施形態の左側20の側面図である。該側面図は、図示される区域の差異がさらに容易に自明となるように、隆起区域80、傾斜区域90、および陥凹区域100を有する実施形態をさらに適切に示す。隆起区域80は、一般的に上側40の近傍に位置し、一般的に下側50の近傍に位置する陥凹区域100よりも大きな高さ170を有する。傾斜区域90では、隆起区域80の高い高さ170から陥凹区域100の低い高さまで移行する。傾斜区域90は、一定または可変の傾斜を有することができ、その傾斜は、任意の適切な大きさとすることができる。いくつかの実施形態では、隆起区域80、傾斜区域90、および陥凹区域100は、一般的に患者の頭と首を収容するように構成され、傾斜区域90は、患者の首とほぼ一直線になっている。
【0040】
図2Bは、図2Aに類似の実施形態を示す。図2Bは、隆起区域80と傾斜区域90のみを有するベース10の実施形態を示す。
【0041】
高さ170は、任意の適切な高さとすることができる。好ましくは、高さ170は、たとえば、患者の呼吸を改善し、楽にし、または一定にするために、患者の頭が「匂嗅」姿勢または所望のその他の姿勢に配置されるように、患者の頭を適切な距離だけ上昇させるのに十分な高さである。上述したように、高さ170は、長さ70を超えて一定であっても、可変であってもよい。いくつかの実施形態では、高さ170は、約1/4インチ〜約6インチとすることができる。別の実施形態では、高さ170は、約1インチ〜約3インチとすることができる。いくつかの実施形態では、隆起区域80の高さは、約2インチ〜約4インチ、陥凹区域100の高さは、約1/4インチ〜約1インチとすることができる。
【0042】
図1に戻ると、右側30と左側40のそれぞれに支持体110を有するベース10が示されている。支持体110は、ベース10と一体であってもよく、あるいは支持体110は、ベース10から脱離可能であってもよい。各支持体110は、下顎骨パッド130を有する下顎骨アーム120に装着される。いくつかの実施形態では、支持体幅140と下顎骨間隙150の両方が調節可能である。支持体幅140は、一方の支持体110の外縁から対向する支持体110の外縁までの距離を表す。いくつかの実施形態では、支持体幅140は、支持体110の移動(あるいはベース10の幅の変更)によって調節可能である。支持体幅140は、任意の適切な幅とすることができるが、一般的には、患者の頭の幅を収容するのに十分な幅である。いくつかの実施形態では、支持体幅140は、約2インチ〜約12インチ、約4インチ〜約8インチ、約5インチ〜約7インチ、約8インチ、または任意の適切な幅または幅範囲とすることができる。下顎骨間隙150は、ベース10の一方の側上の下顎骨アーム120の中間縁とベース10の対向側の下顎骨アーム120の中間縁との間の距離を表す。いくつかの実施形態では、下顎骨間隙150は、支持体110および/または下顎骨アーム120の移動によって調節可能である。下顎骨間隙150は、任意の適切な距離とすることができるが、一般的には、患者の顎の幅を収容するのに十分な距離である。いくつかの実施形態では、下顎骨間隙150は、約2インチ〜約8インチ、約3インチ〜約6インチ、約3インチ〜約5インチ、約5インチ、または任意の適切な距離または距離範囲とすることができる。
【0043】
図3Aは、本発明の装置の実施形態の底面図を示す。ベース10の底面180が示されている。本実施形態では、底面180は滑らない面190を有する。底面180の他の実施形態は、滑らない面190を有しておらず、その他の適切な構造または特徴を取ることができる。滑らない面190は、患者がベース10上にいないときはベース10の移動を許可するが、患者がベース10上に配置されるときはベース10の移動を禁止する任意の表面とすることができる。滑らない面190は、底面180の全部または一部のみを包含することができる。たとえば、滑らない面190は、ゴム加工したまたは粘着性の表面、凹凸のある表面、またはその他の適切な物質またはテクスチャであってもよい。
【0044】
図3Aは、ベース10に脱離可能に装着することのできる支持体110の実施形態を示す。別の実施形態では、支持体110は、ベース10に固定して装着される、あるいはベース10と一体化させることができる。支持体110は、挿入部200を有して示される。
【0045】
図3Bを参照すると、患者1000は、ベース10上に示されている。スロット210も示されている。挿入部200は、スロット210内に嵌合するように構成される。次に、スロット210は挿入部200を収容するように構成される。スロット210と挿入部200は、矩形で図示されているが、それぞれが任意の適切な形状、サイズ、または構成を有することができる。たとえば、スロット210と挿入部200は、円柱状、三角形、または任意のその他の適切な形状とすることができる。また、スロット210および挿入部200は、複数のスロットおよび/または挿入部であってもよい。たとえば、挿入部200は、2つの矩形のスロットを備えるスロット210に挿入するように構成される2つの矩形部を有することができる。
【0046】
引き続き図3Aを参照すると、いくつかの実施形態では、挿入部200は、挿入部200がスロット210にいったん挿入されれば、ある位置で係止される、あるいはさまざまな位置で係止可能となるように、スロット210内の構成要素と係合可能なコネクタ220を有する。コネクタ220は、任意の適切な構成を有する任意の適切な構造であってもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ220は、延在してスロット210内の構成要素と係合するように、挿入部200から突出する溝付き構造を有することができる。いくつかの実施形態では、ボタン230は、挿入部200が選択された増分でスロット210内に押し込まれる、あるいはスロット210から引き出されるようにコネクタ220を選択的に係合/分離させる(たとえば、延長および/または退却させる)ために使用することができる。
【0047】
再び図1を参照すると、このような移動によって、支持体幅140および/または、下顎骨間隙150を調節することができる。ボタン230は、、挿入部210の挿入程度を制御するために使用可能な任意の適切な構造を取ることができる。支持体110を図5Aおよび5Bを参照してより詳細に説明する。
【0048】
図4A〜4Eは、下顎骨アーム120の実施形態の近接図である。下顎骨アーム120は、特定の患者に合わせた特注のサイズを有する、あるいは多数の患者に適合するサイズを有することができる。たとえば、下顎骨アーム120は、成人患者向けよりも小児患者向けの方を小さくすることができる、あるいは下顎骨アーム120は、さまざまなサイズで利用可能にすることができる。下顎骨アーム120は、支持体110に離脱可能に、または固定して装着することができる、あるいは支持体110と一体化させることができる。いくつかの実施形態では、下顎骨アーム120は、使い捨て可能であるが、別の実施形態では、再利用可能、洗浄可能、および/または減菌可能である。いくつかの実施形態では、下顎骨アーム120の形状は、患者が本発明の装置と係合するような形状であり、患者の口および/または鼻上方に装着される標準的な酸素マスクを有する。
【0049】
図示される実施形態では、下顎骨アーム120は、下顎骨パッド130、湾曲部300、およびアーム部340を有する。湾曲部300は、任意の適切な材料で作製され、任意の適切な構成を有することができる。好適な実施形態では、湾曲部300は、略剛体で、細長く、窪んでおり、患者の顎との有効な接触を容易にする湾曲を有する。いくつかの実施形態では、湾曲部300の形状は、下顎骨パッド130の形状を提供する。いくつかの実施形態では、下顎骨アーム120が患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するよう構成されるように、湾曲部300が構成される。いくつかの実施形態では、湾曲部300は、患者顎と2または3箇所で接触するように構成される。特定の実施形態では、湾曲部300は、患者の顎の下顎枝、患者の顎の本体、および患者の顎の角と下顎骨アーム120との接触を容易にするように構成される。別の実施形態では、湾曲部300は、非剛体であってもよいし、非剛体部分を有していてもよく、さらには湾曲が実質上欠けてさえいてもよい。特定の実施形態では、湾曲部300は、医療等級プラスチックで作製されるが、さまざまなその他のプラスチック、樹脂、レジノイド、ポリマー、セルロース誘導体、カゼイン材料、ガラス、および金属などのその他材料で作製することもできる。
【0050】
湾曲部300は、下端310と上端320を有して図示される。図示される実施形態では、下端310は、ベース10の下側50の方を向き、上端320は、ベース10の上側40の方を向いている。湾曲部300上には、チューブグリップ330も示されている。チューブグリップ330は、外科的または類似の処置の実行中、実行前、または実行後に使用されるツールまたは機器に装着可能なチューブを把持し保持するように構成される任意の構造を取ることができる。たとえば、チューブグリップ330は、患者の口と鼻の上方に配置される酸素マスクにつながるチューブを把持するのに使用することができる。
【0051】
図4Aでは、チューブグリップ330は、チューブを通るガス流を実質上邪魔せずにリブがチューブを把持できるように適切な距離をおいて配置された一対のリブとして示される。
【0052】
図4Dでは、チューブグリップ330は、チューブを通るガス流を実質上邪魔せずにリブがチューブを把持できるように適切な距離をおいて配置された一対の柱として示される。いくつかの実施形態では、リブ間の距離および/または柱間の距離は約1mm〜約5mmである。別の実施形態では、リブ間の距離および/または柱間の距離は約2mmである。さらに別の実施形態では、リブ間の距離および/または柱間の距離は約2.8mmである。
【0053】
図4Aに戻ると、アーム部340は、湾曲部300から内側に延在し、支持体110と係合するように構成される。平坦面350を有する略円柱状に図示されているが、アーム部340は、任意の適切な形状、サイズ、および構成を取ることができ、任意の適切な材料で作製することができる。アーム部340は、支持体110に脱離可能に、または固定して装着することができ、いくつかの実施形態では、アーム部340は、支持体110と一体化させることができる。アーム部340は、適切な支持体110にのみ装着するようにキー結合することもできる。たとえば、ベース10の左側20の支持体110と共に使用されるアーム部340は、支持体110のみに装着するように構成することができる。図示される実施形態では、アーム部340は、平坦面350と中間端360を有する。
【0054】
図4Cを参照すると、下顎骨パッド130が強調されている。図4Cは、アーム部340、湾曲部300、および下顎骨パッド130を有する下顎骨アーム120を示す。下顎骨パッド130は、任意の適切なサイズ、形状、および特性を有する任意の適切な材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、下顎骨パッド130は、細長だが、別の実施形態では、楕円形、円形、矩形、または任意のその他の適切な形状を取ることができる。ある実施形態では、下顎骨パッド130は柔軟であるが、別の実施形態では、展性がある、弾性がある、剛体である、あるいは任意のその他の軟度を有することができる。下顎骨パッド130は成型された、または平坦な発泡体で作製可能であるが、別の実施形態では、医療等級プラスチックまたはオーバーモールド発泡体、その他のプラスチック、ゴム、樹脂、金属、または任意のその他の適切な材料で作製することができる。別の実施形態では、下顎骨パッド130は、使い捨て可能であるが、別の実施形態では、再利用可能、洗浄可能、および/または減菌可能でありうる。下顎骨パッド130は、湾曲部300に脱離可能に、または固定して装着することができる。いくつかの実施形態では、下顎骨パッド130は接着剤、エポキシ樹脂、セメントなどで装着することができるが、別の実施形態では、下顎骨パッド130は、任意の適切な方法で湾曲部300に装着することができる。好適な実施形態では、下顎骨パッド130は、柔軟な発泡体で作製され、細長であり、接着剤またはエポキシ樹脂で湾曲部300に固定して装着される。
【0055】
いくつかの実施形態では、下顎骨パッド130は、患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するように構成される。いくつかの実施形態では、下顎骨パッド130は、患者の顎と2または3箇所で接触するように構成される。たとえば、図6を参照すると、顎ライン900を有する患者1000は、上側40、下側50、支持体110、および下顎骨パッド130を有する下顎骨アーム120を含むベース10を有する本発明の装置上に示されている。顎ライン900は、患者の顎骨の異なる部に対応する複数の部分を有する。下顎枝930は、患者の顎骨の下顎枝の縁に対応し、本体910は、患者の顎骨の本体の縁に対応し、角920は、患者の顎骨の角の縁に対応する。特定の実施形態では、下顎骨パッド130は、患者の顎の下顎枝930、患者の顎の本体910、および患者の顎の角920に接触するように構成される。当然ながら、ここでの、および本開示の他の部分でのこのような接触は直接接触を指すものではなく、患者の皮膚の接触による間接的接触を指す。
【0056】
以下、図4Cを参照すると、下顎骨パッド130は、遠位面400、中間面410、高さ420、幅460を有し、湾曲部300から距離430だけ延在する。高さ420は、任意の適切な高さとすることができる。たとえば、高さ420は、約1/10インチ〜約5インチ、約1/4インチ〜約1.5インチ、約1/2インチ〜1インチ、または任意の適切な高さとすることができる。同様に、距離430は任意の適切な距離とすることができる。たとえば、距離430は、約1/10インチ〜約5インチ、約1/4インチ〜約1.5インチ、約1/2インチ〜1インチ、または任意の適切な高さとすることができる。さらに、幅460は、任意の適切な幅とすることができる。たとえば、幅460は、約1/8インチ〜約4インチ、約1/2インチ〜約2.5インチ、約1インチ〜約2インチ、または任意のその他の適切な幅とすることができる。図示される実施形態は、奥行き440の窪み450を有する中間面410を有する。別の実施形態では、中間面410は、平坦、略平坦、または凸面であってもよい。円形に図示されているが、窪み450は、任意の適切な形状を取ることができる。また、中間面410は、類似の、異なる、あるいは同一の構成の複数の窪み450を有することができる。窪み450は、下顎骨パッド130の長さ470(図4Eに示される)に沿って均一または略均一とし、その存在または特徴は下顎骨パッド130の長さ470全体にわたり変動させることができる。たとえば、窪み450の奥行き440は、略一定とすることができる、あるいは下顎骨パッド130の長さ470に沿って変動させることができる。奥行き440は、中間面410の最高点からの任意の適切な奥行きであってもよい。たとえば、奥行き440は、約1/16インチ〜約1インチ、約1/8インチ〜約3/4インチ、約1/4インチ〜約1/2インチ、または任意の適切な深さとすることができる。同様に、長さ470は任意の適切な長さとすることができる。たとえば、長さ470は、約1インチ〜約7インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3.5インチ、またはその他の適切な長さとすることができる。
【0057】
図4Eを参照すると、下顎骨アーム120と下顎骨パッド130の実施形態の上面が示されている。本図は、上述の長さ470を示す。本図は、湾曲部300の湾曲のため、第1の長さ480と第2の長さ490を有する下顎骨アーム120の実施形態も示す。好適な実施形態では、第1の長さ480は、第2の長さ490よりも長い。いくつかの実施形態では、第1の長さ480は、約1インチ〜約5インチ、約1.5インチ〜約4インチ、約2.5インチ〜約3.5インチ、約3インチ、またはその他の適切な長さである。いくつかの実施形態では、第2の長さ490は、約1/2インチ〜約5インチ、約1インチ〜約4インチ、約2インチ〜約3インチ、約2.5インチ、またはその他の適切な長さである。一実施形態では、第1の長さ480は、約3インチであり、第2の長さ490は、約2.5インチである。
【0058】
図5A〜5Cは、支持体110の実施形態の近接図である。図示される実施形態では、支持体110は、互いにおよび/またはベース10に脱離可能にあるいは固定して装着される第1の部分500、第2の部分510、および第3の部分560を有する。別の実施形態では 支持体110は、一体型構造であってもよく、および/またはベース10および/または下顎骨アーム120と一体化されていてもよい。特定の形状および接続を有する各種部品が示されているが、支持体110は、任意の適切な構成および任意の適切な形状を有することができる。
【0059】
好適な実施形態では、支持体110は、少なくとも1つの軸上で調節可能である。いくつかの実施形態では、支持体110は、x軸(たとえば、挿入部200と下顎骨間隙150(図1を参照)によって定義される)および/またはy軸(たとえば、上部610の高さ620によって定義される)上で調節可能である。別の実施形態では、支持体110はz軸(たとえば、図1を参照すると、ベース10の左側20の縁で定義される)および/またはw軸(たとえば、第3の部分560の回転によって定義される)上でも調節可能である。好適な実施形態では、支持体110は、少なくともx、y、およびw軸で調節可能である。
【0060】
いくつかの実施形態では、支持体110を調節して、下顎骨アーム120を患者の顎と2または3箇所で接触させて配置する。いくつかの実施形態では、支持体110を調節して、患者を所望の姿勢に配置する、および/または保持する。いくつかの実施形態では、所望の姿勢は匂嗅姿勢である。
【0061】
たとえば、図6を参照すると、顎ライン900を有する患者1000は、上側40、下側50、支持体110、および下顎骨パッド130を有する下顎骨アーム120を含むベース10を有する本発明の装置上に図示されている。顎ライン900は、患者の顎骨の異なる部分に対応する複数の部分を有する。特定の実施形態では、支持体110は、患者の顎の下顎枝930、患者の顎の本体910、および患者の顎の角920と接触するよう下顎骨アーム120を移動させることができるように調節可能である。
【0062】
図5Aを参照すると、支持体110の第1の部分500の実施形態が示されている。第1の部分500は、長さ600、第1の高さ590、第2の高さ620、コネクタ220、ボタン230、挿入部200、および上部610を有する。コネクタ220、ボタン230、および挿入部200は、図3Aおよび3Bを参照して説明した。図示されるように、挿入部200は、長さ600、幅580、および高さ590を有し、そのそれぞれが任意の適切な大きさを取ることができる。たとえば、長さ600は、約1インチ〜約8インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3インチ〜約3.5インチ、または任意の適切な長さとすることができる。たとえば、幅580は、約1/2インチ〜約6インチ、約1インチ〜約3インチ、約1.5インチ〜約2.5インチ、または任意の適切な幅とすることができる。たとえば、高さ590は、約1/8インチ〜約3インチ、約1/4インチ〜約1.5インチ、約1/2インチ〜約1インチ、または任意の適切な厚さとすることができる。同様に、上部610は、挿入部200の長さと類似のまたは異なる長さ620を有することができる。たとえば、長さ600は、約1インチ〜約8インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3インチ〜約3.5インチ、または任意の適切な長さとすることができる。上部610のその他の寸法は、挿入部200に関して説明した寸法と同様であってもよい。上部610は、支持体110の第1の部分500と第2の部分510との接続を容易にする、あるいは達成する接続要素をさらに有することができる。
【0063】
引き続き図5Aを参照すると、第2の部分510の実施形態が示されている。第2の部分510は、高さ630、幅640、および厚さ690を有し、そのそれぞれが任意の適切な大きさを取ることができる。たとえば、高さ630は、約1インチ〜約8インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3インチ〜約3.5インチ、または任意の適切な高さとすることができる。たとえば、幅640は、約1/2インチ〜約6インチ、約1インチ〜約3インチ、約1.5インチ〜約2.5インチ、または任意の適切な幅とすることができる。たとえば、厚さ690は、約1/8インチ〜約3インチ、約1/4インチ〜約1.5インチ、約1/2インチ〜約1インチ、または任意の適切な厚さとすることができる。いくつかの実施形態では、厚さ690および幅640は、第1の部分500の少なくとも一部が第2の部分510に嵌合するように、第1の部分500の上部610の対応する寸法よりも大きい。好ましくは、それらの寸法は、支持体110の高さが支持体110の第1の部分500の上部610全体にわたるy軸に沿った第2の部分510の移動によって調節可能であるように、十分大きくされる。別の実施形態では、第2の部分510の少なくとも一部が第1の部分500に嵌合するように、第1の部分500の寸法は、第2の部分510の寸法よりも大きくすることができる。
【0064】
第2の部分510は、第1の部分コネクタ700と第3の部分コネクタ520をさらに有する。第1の部分コネクタ700は、支持体110の第2の部分510と第1の部分500との接続を容易にする任意の適切な構造を取ることができる。好ましくは、第2の部分510が第1の部分500に対して選択的に移動できるように、第1の部分コネクタ700は、第1の部分500上の構成要素と相互作用する。いくつかの実施形態では、第1の部分コネクタ700は、高さ調節ボタン540(図5Bを参照)によって第1の部分500の構成要素と選択的に係合/分離される。このような実施形態では、高さ調節ボタン540を押すと、第1の部分コネクタ700が分離し、y軸に沿った第1の部分500に対する第2の部分510の移動を可能にする。その後、高さ調節ボタン540を解放すると、第2の部分510がy軸に沿った適所に係止されるように第1の部分コネクタ700が係合される。いくつかの実施形態では、第1の部分コネクタ700は、第3の部分560(図5Bを参照)で高さアジャスタ720と相互作用する。このような実施形態では、高さ調節ボタン540を押すと、第1の部分コネクタが第1の部分500の構成要素から分離することによって、y軸に沿った第1の部分500に対する第2の部分510の移動を可能にするように、高さアジャスタ720を第1の部分コネクタ700と相互作用させる。
【0065】
第2の部分510は、第3の部分コネクタ520をさらに備える。第3の部分コネクタ520は、第2の部分510と第3の部分560との接続を容易にする任意の適切な構造を取ることができる。図示される実施形態では、第3の部分コネクタは、第3の部分570の穴680(図5Bを参照)に嵌合する第2の部分510からの円柱状の延長部である。第3の部分コネクタ520および穴680は、任意の適切なサイズおよび特徴を有することができる。
【0066】
図5Bおよび5Cを参照すると、好ましくは、第2の部分コネクタ520は、第3の部分560が第2の部分510に対して選択的に移動できるように、第3の部分560上の回転アジャスタ710と相互作用する。いくつかの実施形態では、第3の部分コネクタ520は、回転調節ボタン550(図5Bを参照)によって回転アジャスタ710と選択的に係合/分離される。このような実施形態では、回転調節ボタン550を押すと、第3の部分コネクタ520が回転アジャスタ710から分離して、w軸に沿った第2の部分510に対する第3の部分560の移動を可能にする。その後、回転調節ボタン550を解放すると、第3の部分560がw軸に沿った適所に係止されるように、第2の部分コネクタ520が回転アジャスタ710と係合する。
【0067】
再度図5Bおよび5Cを参照すると、第3の部分560の実施形態が示されている。第3の部分560は、回転調節ボタン550、高さ調節ボタン540、下顎骨アーム受け530、主部570、穴680、回転アジャスタ710、および高さアジャスタ720を有する。ボタンとして図示されているが、回転調節ボタン550および高さ調節ボタン540は、人が操作可能な任意の適切な構造を取ることができる。さらに、回転調節ボタン550および高さ調節ボタン540は、支持体110(さらには、本明細書に記載のさまざまな部分のそれぞれ)の上、あるいは本装置の別の部品上の任意の適切な位置に配置することができる。好ましくは、回転調節ボタン550および高さ調節ボタン540は、人が手で支持体110上に配置し、両方と相互作用できるように位置決めされる。
【0068】
第3の部分560は、任意の適切な構成と任意の適切な形状を有することができる。よって、図示される実施形態では、第3の部分560は、略円形であるが、任意の適切な形状を取ることができる。好適な実施形態では、第3の部分560は、下顎骨アーム120がw軸上を移動するように、w軸上で回転する。いくつかの実施形態では、この運動が、下顎骨アーム120を、患者、より具体的には患者の顎骨に対して位置決めする助けとなる。好ましくは、第3の部分560は、人の手によって把持および操作できるように構成される。よって、好ましくは、人が回転調節ボタン550および高さ調節ボタン540と相互作用して、人が支持体110の調節を可能にすることによって下顎骨アーム120を調節する/位置決めできるように、人が第3の部分560を把持することができる。そうすることにより、次に人は、患者が所望の姿勢、たとえば匂嗅姿勢に配置される、および/または保持されるように、下顎骨アーム120を患者に接触させることができる。
【0069】
主部560は、円形で示されているが、任意の適切な形状を取ることができる。主部560は、同一でも異なっていてもよい高さ650と幅670とを有し、任意の適切な大きさを取ることができる。たとえば、高さ650は、1インチ〜約8インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3〜約3.5インチ、約1/2インチ〜約6インチ、約1インチ〜約3インチ、約1.5インチ〜約2.5インチ、または任意の適切な高さとすることができる。たとえば、幅670は、1インチ〜約8インチ、約2インチ〜約5インチ、約2.5インチ〜約4インチ、約3インチ〜約3.5インチ 約1/2インチ〜約6インチ、約1インチ〜約3インチ、約1.5インチ〜約2.5インチ、または任意の適切な長さとすることができる。
【0070】
再度図5Bおよび5Cを参照すると、第3の部分560は、下顎骨アーム受け530も有する。下顎骨アーム受けは、下顎骨アーム120のアーム部340(図4A〜4Eを参照)と相互作用する。下顎骨アーム受け530は、任意の適切な長さを有することができる。たとえば、下顎骨アーム受け530は、約1/8インチ〜約3インチ、約1/4インチ〜約1.5インチ、約1/2インチ〜約1インチ、または任意の適切な厚さとすることができる。下顎骨アーム受け530は、任意の適切な構成および/または形状を有することもできる。よって、図示される実施形態では、下顎骨アーム受け530は、略円柱状であるが、任意の適切な構造を取ることができる。図示される実施形態では、遠位端360(図4Aを参照)は、下顎骨アーム受け530に挿入され、下顎骨アーム受け530は、アーム部340との接続を介して適所に下顎骨アーム120を保持する。アーム部340は、下顎骨アーム受け530に脱離可能に、調節可能に、あるいは固定して装着することができ、アーム部340は、下顎骨アーム受け530と一体化させることもできる。下顎骨アーム受け530は、解放ボタン370もさらに備えることができる。解放ボタン370は、アーム部340と直接的または間接的に相互作用して、アーム部340の下顎骨アーム受け530への挿入、および/またはアーム部340の下顎骨アーム受け530からの脱離を可能にする。解放ボタン370は、アーム部340の下顎骨アーム受け530への挿入程度の調節も行えるため、下顎骨アーム120と第3の部分560との間の距離を増大または減少させることができる。このような運動は、下顎骨間隙150(図1を参照)の調節も可能にする。解放ボタン370は、ボタン、ラッチ、スイッチ、またはダイヤルなどの任意の適切な構造であってもよい。解放ボタン370は本装置の任意の適切な位置に配置することもできる。
【0071】
いくつかの実施形態では、アーム部340は、下顎骨アーム受け530内の表面と相互作用する平坦部350を有する。いくつかの実施形態では、この相互作用によって、右の下顎骨アーム120が左の支持体110に挿入されること、またはその反対が防止される。
【0072】
図5Cを参照すると、特定の実施形態では、下顎骨アーム120は、下顎骨アーム120の支持体110に対する移動を可能にするように、第3の部分560に接続することができる。たとえば、下顎骨アーム120は、支持体110に対してx、y、およびz軸を含む1つまたはそれ以上の軸上で移動可能とすることができる。このような実施形態では、下顎骨アーム120の移動は、患者を匂嗅姿勢などの所望の姿勢に配置する、および/または維持することを容易にする。
【0073】
本明細書に記載される各種装置に加えて、本発明は、方法も含む。一般的に、本発明の方法は、患者を所望の姿勢に配置する、および/または維持することに関する。いくつかの実施形態では、この姿勢は、鎮静または全身麻酔下の患者による規則的または半規則的な呼吸を簡易にする姿勢である。たとえば、所望の姿勢は、匂嗅姿勢であってもよい。該方法は、マスクの通気を提供するためのチューブに関連する酸素マスクやフェイスマスクなどの各種機器や、患者に少なくとも部分的に挿入されるチューブなどのその他の各種呼吸器の使用を含むことができる。本方法の各種実施形態は、本明細書に記載の装置の使用を含む。たとえば、患者を所望の姿勢に配置することができ、その後、患者を所望の姿勢に維持するように本発明の装置を調節することができる。別の実施形態では、患者を所望の姿勢に配置するために本発明の装置を使用することができる。別の実施形態では、患者を所望の姿勢に配置し維持するために本発明の装置を使用することができる。いくつかの実施形態では、該方法は、本装置との単独の相互作用で、患者の姿勢を迅速かつ容易に設定する。いくつかの実施形態では、該方法は、単独の運動で、あるいは本発明との単独の接触で、患者の姿勢固定を行うことができる。
【0074】
例として、図6を参照すると、本発明に係る装置は、ガーニー、手術台、歯科医の椅子、または任意のその他の適切な場所でベース10を操作し位置決めするために、グリップ要素160を使用して、あるいは使用せずに適切に位置決めすることができる。患者1000は、患者の頭の頂部がベース10の上側40を向き、患者の首がベース10の下側50を向くように、ベース10を有する本発明の装置上に配置することができる。このような配置は、ベース10の位置決めの前または後に実行することができる。患者は、位置合わせガイド155(図1を参照)を参照して、あるいは参照せずにベース10上に適切に配置することができる。たとえば、患者1000は、患者の口が支持体110(および/または位置合わせガイド155)とほぼ一致するように姿勢を固定することができる。いったん姿勢が設定されれば(あるいは、いくつかの実施形態では、患者1000が位置決めされれば)、支持体110をx軸に沿って移動させて支持体幅140を増大させることによって、下顎骨間隙150(図1を参照)を調節することができる。いくつかの実施形態では、これは、支持体110上のボタン230を押して、支持体110が所望の姿勢を取るまで支持体をベース10に近づけるように、あるいはベース10から離れるように移動させた後、ボタン230を解放させて支持体110を適所に係止することによって達成することができる。また、支持体110はy軸上で調節することもできる。いくつかの実施形態では、これは、高さ調節ボタン540を押して、支持体110が所望の姿勢を取るまでy軸上で支持体110を移動させた後、高さ調節ボタン540を解放することによって達成することができる。さらに、必要に応じて、支持体110は、w軸またはz軸上で調節することもできる。いくつかの実施形態では、これは、回転調節ボタン550を押して、支持体110が所望の姿勢を取るまでw軸上で支持体110を移動させた後、回転調節ボタン550を解放することによって達成することができる。このような処置は、ベース10の別の側で支持体110に対して繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、支持体110(および下顎骨アーム120)のw軸上での回転により、患者の頭が後方に傾いて患者の気道が開放されるように、支持体110が患者1000に対して位置決めされる。
【0075】
患者が所望の姿勢に配置される、および/または維持されるように、下顎骨アーム120が患者に接触するまで、さまざまな調節(必要に応じてのみ行われる)を実行することができる。たとえば、下顎骨パッド130が患者の顎の1つまたはそれ以上の箇所に接触するまで調節を実行することができる。いくつかの実施形態では、下顎骨パッド130が患者の顎の下顎枝930、患者の顎の本体910、および患者の顎の角920に接触するまで調節することができる。
【0076】
よって、装置と方法が提供されると考えられる。当業者であれば、本発明は、限定ではなく例示のために本明細書で提示される各種実施形態および好適な実施形態以外によっても実施可能であり、本発明は、後述の請求項によってのみ限定されると理解するであろう。なお、本明細書に記載される具体的な実施形態の等価物も本発明を実施可能である。
【0077】
本発明の各種実施形態を上述したが、それらは単に例であって限定するために提示されていないことを理解すべきである。同様に、各種図面は、本発明の代表的な構造を示しており、本発明に含まれ得る特徴および機能を理解する助けとなる。本発明は、図示された例示の構成に限定されず、さまざまな代替の構成を用いて所望の特徴を実現することができる。実際に、当業者にとっては、代替の機能的、理論的、または物理的構成が本発明の所望の特徴を実現するためにどのように実行可能であるかは自明であろう。さらに、本明細書に示されるものとは異なる多数の構成要素名が、各種部品や構成要素に適用可能である。また、方法請求項に関しては、本明細書で提示されるステップの順番は、文脈上他の意味を命じる場合を除き、同じ順番で記載の機能を実行するように各種実施形態を実行させることを要求するものではない。
【0078】
本発明は、さまざまな代表的実施形態および具体化の観点から上述してきたが、個々の実施形態のうち1つまたはそれ以上に記載される各種特徴、態様、および機能は、それらが共に記載される具体的な実施形態への適用に限定されず、その代わりに、1つまたはそれ以上のその他の本発明の実施形態に対し、上記実施形態が記載されるか否か、および上記特徴が記載の実施形態の一部として提示されるか否かにかかわらず、個別にまたはさまざまな組み合わせで適用することができる。よって、本発明の幅および範囲は、上述の代表的実施形態のいずれにも限定されるべきではない。
【0079】
本文書で使用される用語および句ならびにその変形は、特に明示されていない限り、限定的ではなく非限定的に解釈されるべきである。上記の例として、「含む」という用語は、「限定なく含む」などの意味に解釈すべきである。「例」という用語は、網羅的または限定的リストではなく、当該アイテムの代表的例を提供するために使用される。「従来の」、「伝統的な」、「通常の」、「標準的な」、「公知の」などの形容詞および類似の意味を持つ用語は、記載されるアイテムを所与の期間または所与の時点で利用可能なアイテムに限定するものと解釈されるべきではなく、現在または未来のいずれかの時点で利用可能または公知になり得る従来の、伝統的な、通常の、または標準的な技術を包含するように解釈されるべきである。同様に、本文書が当業者にとって自明または公知であると思われる技術に言及する場合、その技術は、現在または未来のいずれかの時点で当業者にとって自明または公知である技術を包含する。
【0080】
「および」という接続詞で連結されるアイテム群は、それらのアイテムのすべてが群内に存在することを要求するものではなく、特に明示されない限り「および/または」として解釈されるべきである。同様に、「または」という接続詞で連結されるアイテム群は、この群内の相互排他性を要求するものではなく、特に明示されない限り「および/または」として解釈されるべきである。さらに、本発明のアイテム、構成要素、および構成材は単数で記載されているが、単数への限定が明示されていない限り、複数も本発明の範囲に入ると企図される。
【0081】
いくつかの例における「1つまたはそれ以上」、「少なくとも」、「限定されず」、またはその他の類似の句などの幅を広げる語および句の存在は、上記幅を広げる句が存在しない例では、より狭い場合が意図される、あるいは要求されることを意味するように解釈されるべきではない。さらに、本明細書に記載される各種実施形態は、代表的ブロック図およびその他の図に関して記載される。本文書に目を通した当業者にとって自明であるように、図示される実施形態およびその各種代替は、図示される例に制限されずに実現することができる。たとえば、図面およびその関連説明は、各種部品および構成要素の具体的な形状を含め、特定の構成を要求するように解釈されるべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側と第2の側とを備え、患者の頭をほぼ収容するように構成されるベースと、
前記ベースの前記第1の側上に位置決めされる第1の支持体と、
前記ベースの前記第2の側上に位置決めされる第2の支持体と、
前記第1の支持体上に位置決めされ、患者の顎に接触するように構成される第1の下顎骨アームと、
前記第2の支持体上に位置決めされ、患者の顎に接触するように構成される第2の下顎骨アームと、
を含み、
前記第1の下顎骨アームと前記第2の下顎骨アームのそれぞれは、患者の顎と接触し、患者を所望の姿勢に維持するように位置決め可能であるように、3軸上を移動可能である装置。
【請求項2】
前記ベースは、矩形である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記下顎骨アームは、患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の下顎骨アームと第2の下顎骨アームは、それぞれ下顎骨パッドを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の下顎骨アームおよび前記第2の下顎骨アームは、それぞれ前記第1の支持体および前記第2の支持体に対して脱離可能に接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の下顎骨アームは、前記第1の支持体に対して移動可能であり、前記第2の下顎骨アームは、前記第2の支持体に対して移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記3軸は、前記患者に対するx、y、およびw軸である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記所望の姿勢は、前記匂嗅姿勢である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記下顎骨パッドは、発泡体を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の下顎骨アームおよび前記第2の下顎骨アームのそれぞれは、前記下顎骨パッドは、患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するように位置決め可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の下顎骨アームおよび前記第2の下顎骨アームのそれぞれは、前記下顎骨パッドは、患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の支持体は、前記ベースに対して移動可能であり、前記第2の支持体は、前記ベースに対して移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の支持体は、2軸上で前記ベースに対して移動可能であり、前記第2の支持体は、2軸上で前記ベースに対して移動可能である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の支持体は、3軸上で前記ベースに対して移動可能であり、前記第2の支持体は、3軸上で前記ベースに対して移動可能である、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の支持体は、前記第1の下顎骨アームに対して移動可能であり、前記第2の支持体は、前記第2の下顎骨アームに対して移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
複数の支持体を備え、患者の頭をほぼ収容するように構成されるベースを備える装置であって、各支持体が下顎骨アームを備え、各下顎骨アームが患者の顎と接触するように構成され、各下顎骨アームが、患者の顎と接触し患者を所望の姿勢に維持するよう位置決め可能であるように、3軸上で移動可能である装置。
【請求項17】
前記ベースは、矩形である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
各下顎骨アームが患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
各下顎骨アームが下顎骨パッドを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
各下顎骨アームが脱離可能に前記支持体に接続される、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
各下顎骨アームが前記支持体に対して移動可能である、請求項16に記載の装置。
【請求項22】
前記3軸は、前記患者に対するx、y、およびw軸である、請求項16に記載の装置。
【請求項23】
前記所望の姿勢は、匂嗅姿勢である、請求項16に記載の装置。
【請求項24】
各下顎骨パッドが発泡体を備える、請求項19に記載の装置。
【請求項25】
各下顎骨アームが、前記下顎骨パッドが患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するように位置決め可能である、請求項19に記載の装置。
【請求項26】
各下顎骨アームが、前記下顎骨パッドが患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である、請求項19に記載の装置。
【請求項27】
各支持体が前記ベースに対して移動可能である、請求項16に記載の装置。
【請求項28】
各支持体が2軸上で前記ベースに対して移動可能である、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
各支持体が前記下顎骨アームに対して移動可能である、請求項16に記載の装置。
【請求項30】
請求項1の装置を設けるステップと、
患者の頭をほぼベース上に配置するステップと、
患者の頭を所望の姿勢に配置するステップと、
第1の下顎骨アームを患者の顎に接触するように移動するステップと、
第2の下顎骨アームを患者の顎に接触するように移動するステップと、
を備え、
前記第1の下顎骨アームと前記第2の下顎骨アームの接触は、患者の頭および/または顎を所望の姿勢にほぼ維持するのに十分な力を提供する患者の姿勢を固定する方法。
【請求項31】
請求項16の装置を設けるステップと、
患者の頭をほぼベース上に配置するステップと、
患者の頭を所望の姿勢に配置するステップと、
下顎骨アームを患者の顎に接触するように移動するステップと、
を備え、
患者の顎上の前記下顎骨アームの接触が、患者の頭および/または顎を所望の姿勢にほぼ維持するのに十分な力を提供する患者の姿勢を固定する方法。
【請求項32】
略剛体である湾曲部と、
柔軟であり、前記湾曲部に装着するように構成される遠位側と患者の顎に複数箇所で接触するように構成される近位側とを有する下顎骨パッドと、
支持体に装着するように構成されるコネクタ部と、
を備える下顎骨アーム。
【請求項33】
前記下顎骨パッドは、発泡体を備える、請求項32に記載の下顎骨アーム。
【請求項34】
前記コネクタ部は、左側と右側とを備えるベースに装着される支持体に装着するように構成され、前記ベースは、患者の頭をほぼ収容するように構成され、前記下顎骨パッドは、患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触し患者を所望の姿勢に維持するように位置決め可能であるように、前記支持体は、3軸上で移動可能である、請求項32に記載の下顎骨アーム。
【請求項1】
第1の側と第2の側とを備え、患者の頭をほぼ収容するように構成されるベースと、
前記ベースの前記第1の側上に位置決めされる第1の支持体と、
前記ベースの前記第2の側上に位置決めされる第2の支持体と、
前記第1の支持体上に位置決めされ、患者の顎に接触するように構成される第1の下顎骨アームと、
前記第2の支持体上に位置決めされ、患者の顎に接触するように構成される第2の下顎骨アームと、
を含み、
前記第1の下顎骨アームと前記第2の下顎骨アームのそれぞれは、患者の顎と接触し、患者を所望の姿勢に維持するように位置決め可能であるように、3軸上を移動可能である装置。
【請求項2】
前記ベースは、矩形である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記下顎骨アームは、患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の下顎骨アームと第2の下顎骨アームは、それぞれ下顎骨パッドを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の下顎骨アームおよび前記第2の下顎骨アームは、それぞれ前記第1の支持体および前記第2の支持体に対して脱離可能に接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の下顎骨アームは、前記第1の支持体に対して移動可能であり、前記第2の下顎骨アームは、前記第2の支持体に対して移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記3軸は、前記患者に対するx、y、およびw軸である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記所望の姿勢は、前記匂嗅姿勢である、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記下顎骨パッドは、発泡体を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の下顎骨アームおよび前記第2の下顎骨アームのそれぞれは、前記下顎骨パッドは、患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するように位置決め可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の下顎骨アームおよび前記第2の下顎骨アームのそれぞれは、前記下顎骨パッドは、患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の支持体は、前記ベースに対して移動可能であり、前記第2の支持体は、前記ベースに対して移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の支持体は、2軸上で前記ベースに対して移動可能であり、前記第2の支持体は、2軸上で前記ベースに対して移動可能である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の支持体は、3軸上で前記ベースに対して移動可能であり、前記第2の支持体は、3軸上で前記ベースに対して移動可能である、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の支持体は、前記第1の下顎骨アームに対して移動可能であり、前記第2の支持体は、前記第2の下顎骨アームに対して移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
複数の支持体を備え、患者の頭をほぼ収容するように構成されるベースを備える装置であって、各支持体が下顎骨アームを備え、各下顎骨アームが患者の顎と接触するように構成され、各下顎骨アームが、患者の顎と接触し患者を所望の姿勢に維持するよう位置決め可能であるように、3軸上で移動可能である装置。
【請求項17】
前記ベースは、矩形である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
各下顎骨アームが患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
各下顎骨アームが下顎骨パッドを備える、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
各下顎骨アームが脱離可能に前記支持体に接続される、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
各下顎骨アームが前記支持体に対して移動可能である、請求項16に記載の装置。
【請求項22】
前記3軸は、前記患者に対するx、y、およびw軸である、請求項16に記載の装置。
【請求項23】
前記所望の姿勢は、匂嗅姿勢である、請求項16に記載の装置。
【請求項24】
各下顎骨パッドが発泡体を備える、請求項19に記載の装置。
【請求項25】
各下顎骨アームが、前記下顎骨パッドが患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触するように位置決め可能である、請求項19に記載の装置。
【請求項26】
各下顎骨アームが、前記下顎骨パッドが患者の顎と3箇所で接触するように位置決め可能である、請求項19に記載の装置。
【請求項27】
各支持体が前記ベースに対して移動可能である、請求項16に記載の装置。
【請求項28】
各支持体が2軸上で前記ベースに対して移動可能である、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
各支持体が前記下顎骨アームに対して移動可能である、請求項16に記載の装置。
【請求項30】
請求項1の装置を設けるステップと、
患者の頭をほぼベース上に配置するステップと、
患者の頭を所望の姿勢に配置するステップと、
第1の下顎骨アームを患者の顎に接触するように移動するステップと、
第2の下顎骨アームを患者の顎に接触するように移動するステップと、
を備え、
前記第1の下顎骨アームと前記第2の下顎骨アームの接触は、患者の頭および/または顎を所望の姿勢にほぼ維持するのに十分な力を提供する患者の姿勢を固定する方法。
【請求項31】
請求項16の装置を設けるステップと、
患者の頭をほぼベース上に配置するステップと、
患者の頭を所望の姿勢に配置するステップと、
下顎骨アームを患者の顎に接触するように移動するステップと、
を備え、
患者の顎上の前記下顎骨アームの接触が、患者の頭および/または顎を所望の姿勢にほぼ維持するのに十分な力を提供する患者の姿勢を固定する方法。
【請求項32】
略剛体である湾曲部と、
柔軟であり、前記湾曲部に装着するように構成される遠位側と患者の顎に複数箇所で接触するように構成される近位側とを有する下顎骨パッドと、
支持体に装着するように構成されるコネクタ部と、
を備える下顎骨アーム。
【請求項33】
前記下顎骨パッドは、発泡体を備える、請求項32に記載の下顎骨アーム。
【請求項34】
前記コネクタ部は、左側と右側とを備えるベースに装着される支持体に装着するように構成され、前記ベースは、患者の頭をほぼ収容するように構成され、前記下顎骨パッドは、患者の顎と1つまたはそれ以上の箇所で接触し患者を所望の姿勢に維持するように位置決め可能であるように、前記支持体は、3軸上で移動可能である、請求項32に記載の下顎骨アーム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【公表番号】特表2012−501795(P2012−501795A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526909(P2011−526909)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/055554
【国際公開番号】WO2010/030527
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(511033058)ヒプノス セラピューティック ディバイシズ,インク. (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/055554
【国際公開番号】WO2010/030527
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(511033058)ヒプノス セラピューティック ディバイシズ,インク. (1)
【Fターム(参考)】
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