説明

黄色ブドウ球菌エピトープIsaAまたはIsaBに対する抗体またはそれらのフラグメント

本発明は、黄色ブドウ球菌エピトープに対する抗体またはそれらのフラグメントに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus(=S. aureus))エピトープに対する抗体またはそれらのフラグメント、これら抗体またはフラグメントを含むキット、これら抗体またはフラグメントの使用、これら抗体を生産するハイブリドーマ細胞株および処置の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
FEMS Imunol. Med. Microbial. 2000 Oct.; 29(2), pages 145 to 153では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin resistant Staphylococcus aureus(MRSA))が原因による敗血症の間にインビボで発現した免疫優性構造が知られている。これら構造は、29kDaタンパク質IsaAおよび17kDaタンパク質IsaBである。これらタンパク質が、MRSAに対する抗体ベースの治療の開発のための潜在的なターゲットとして役立つかもしれないことが述べられている。
【0003】
Ohlsen, Kらの"Development of antibody-based therapy targeting immunodominant antigens of Staphylococcus aureus"、the 59th annual conference of the Deutsche Gesellschaft fuer Hygiene und Mikrobiologie e.V. on September 2007の公表となった要旨集の128頁およびLorenz, Uらの"Therapeutische Effektivitaet von monoklonalen Antikoerpern gegen Staphylococcus aureus in einem Sepsis- und Abszess-Mausmodell", Chirurgisches Forum 2008, Springer Berlin Heidelberg, 29th May 2008, issue 17, pp. 225-226では、2つの動物感染モデルにおいて、免疫優性抗原IsaAをターゲットする最初のマウスモノクローナル抗体の適用が知られている。該研究は、抗IsaA MABの適用が、両感染モデルにおいて、感染負荷を下げることを明らかにした。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、黄色ブドウ球菌が原因による感染の処置および黄色ブドウ球菌の検出のために十分に適切である、新規な抗体またはそれらのフラグメントを提供することである。さらに、これら抗体またはフラグメントを含むキット、これら抗体またはフラグメントの使用、これら抗体またはフラグメントを分泌するハイブリドーマ細胞株および処置の方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1、8、15、16、17および19の主題によって解決される。本発明の態様は、請求項2〜7、9〜14、18および20〜24に開示される。
【0006】
本発明によると、抗体またはそれらのフラグメントが提供され、ここで、該抗体またはフラグメントは、DSM ACC2987またはDSM ACC2988の受託番号のもとに、"Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH, Inhoffenstr. 7B, D-38124 Braunschweig, Germany"(DSMZ)に寄託されたハイブリドーマ細胞株によって分泌される、さらなるモノクローナル抗体によって認識される黄色ブドウ球菌エピトープに対する。受託番号DSM ACC2987のもとにDSMZに寄託されたハイブリドーマ細胞株は、さらに「細胞株DSM ACC2987」として示し、受託番号DSM ACC2988のもとにDSMZに寄託されたハイブリドーマ細胞株は、さらに「細胞株DSM ACC2988」として示す。細胞株DSM ACC2987およびDSM ACC2988によって分泌されるさらなるモノクローナル抗体は、モノクローナルマウス抗体である。
【0007】
本発明による抗体は、完全な免疫グロブリン分子、好ましくはIgMs、IgDs、IgEs、IgAsまたはIgGsであり、より好ましくはIgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3またはIgG4を包含する一方で、フラグメントは、FabフラグメントまたはV−、VH−またはCDR−領域のような、かかる免疫グロブリン分子の部分を包含する。さらに、抗体は、キメラのおよびヒト化した抗体のような、修飾および/または変化した抗体を包含する。抗体は、修飾または変化したモノクローナルまたはポリクローナル抗体、ならびに、組み換えもしくは合成的に産生したまたは合成した抗体も包含する。フラグメントは、抗体フラグメント、ならびに、分離した軽鎖および重鎖、Fab、Fab/c、Fv、Fab’、F(ab’)のような、それらの部分も包含する。本発明の抗体は、二機能性抗体(bifunctional antibodies)のような抗体派生物、および、単鎖Fvs(scFv)、二重特異性(bispecific)scFvsまたは抗体融合タンパク質のような抗体構築物(antibody construct)も包含する。すべての抗体派生物は、ハイブリドーマ細胞株のDSM ACC2987またはDSM ACC2988によって分泌される、さらなるモノクローナル抗体によって認識される黄色ブドウ球菌エピトープに由来する、すなわち、それらに対する抗体の結合特異性を奏する。
【0008】
細胞株DSM ACC2987によって分泌される、さらなるモノクローナル抗体によって認識されるエピトープは、免疫優性の黄色ブドウ球菌抗原IsaAに位置する。細胞株DSM ACC2988によって分泌される、さらなるモノクローナル抗体によって認識されるエピトープは、免疫優性の黄色ブドウ球菌抗原IsaBに位置する。本発明の発明者らは、本発明による抗体によって認識されるエピトープは、とくに黄色ブドウ球菌で露出していることを見出した。これらエピトープに対する抗体またはそれらのフラグメントは、黄色ブドウ球菌の検出および黄色ブドウ球菌の感染の処置に十分に適切である。異なる菌株における異なる程度の発現および抗体の変異が原因となる黄色ブドウ球菌の高度な多様性のため、他の抗体によっては認識されない追加のエピトープを認識するすべての抗体は、黄色ブドウ球菌の検出、ならびに、黄色ブドウ球菌感染の治療に有用である。
【0009】
抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体であってもよい。とくに、抗体は、さらなるモノクローナル抗体、すなわち、ハイブリドーマ細胞株DSM ACC2987またはDSM ACC2988によって分泌される抗体であってもよい。これら抗体は、黄色ブドウ球菌の検出ならびに感染の処置に非常に有用である。それらは、非常に高い親和性および特異性を奏する。ハイブリドーマ細胞株DSM ACC2987によって分泌される抗体の、これら抗体によって認識されるエピトープに対する高い親和性は、該エピトープに対する該抗体の結合についての低いK値によって示される。≦18pMのK値の決定方法によって、この結合について17nMと決定された(図6および7および対応する本文を参照)。
【0010】
モノクローナル抗体またはハイブリドーマ細胞株DSM ACC2987および/またはDSM ACC2988によって分泌される抗体は、IgG型、とくにIgG1型またはIgG2b型の抗体であってもよい。フラグメントは、Fabフラグメント、Fab/cフラグメント、Fvフラグメント、Fab’フラグメントまたはF(ab’)フラグメントであってもよい。黄色ブドウ球菌の細胞壁が、Fc部を介して免疫グロブリンと非特異的に結合するプロテインAを含むため、これらフラグメントはとくに黄色ブドウ球菌の検出に有用である。
【0011】
抗体は、動物の抗体、すなわち、動物で生産される抗体、とくにマウス、ウシまたはラクダの抗体、ヒト抗体、植物、卵または真菌、とくにSaccharomycesで生産される抗体、細胞株の細胞で生産される組み換え抗体、キメラ抗体、またはヒト化抗体であってもよい。ヒト化抗体は、例えば、DSM ACC2987またはDSM ACC2988のハイブリドーマ細胞株によって分泌されるモノクローナル抗体などのモノクローナルマウス抗体の結合部分およびヒト抗体の非結合部分を含むモノクローナル抗体であってもよい。
【0012】
各抗体は、第一の可変領域を有する重鎖および第二の可変領域を有する軽鎖を有してもよく、
ここで、ハイブリドーマ細胞株は、DSM ACC2987であって、ここで、第一の可変領域は、配列番号2の配列と、少なくとも90%同一、とくに少なくとも92.5%同一、とくに少なくとも95%同一、とくに少なくとも97.5%同一、とくに100%同一のアミノ酸配列を包含し、ここで、第二の可変領域は、配列番号4の配列と、少なくとも90%同一、とくに少なくとも92.5%同一、とくに少なくとも95%同一、とくに少なくとも97.5%同一、とくに100%同一のアミノ酸配列を包含し、
または、
ここで、ハイブリドーマ細胞株は、DSM ACC2988であって、ここで、第一の可変領域は、配列番号6の配列と、少なくとも90%同一、とくに少なくとも92.5%同一、とくに少なくとも95%同一、とくに少なくとも97.5%同一、とくに100%同一のアミノ酸配列を包含し、ここで、第二の可変領域は、配列番号8の配列と、少なくとも90%同一、とくに少なくとも92.5%同一、とくに少なくとも95%同一、とくに少なくとも97.5%同一、とくに100%同一のアミノ酸配列を包含する。
【0013】
上述のように特徴付けられた第一の可変領域および第二の可変領域は、エピトープに対する高い親和性および特異性を有する結合部位を一緒に形成する。
【0014】
配列番号2によって、第一の可変領域をコードするDNA配列の候補の一つは、配列番号1の配列である。配列番号1は、細胞株DSM ACC2987によって分泌される抗体の第一の可変領域をコードする配列である。配列番号4による第二の可変領域は、配列番号3の配列によってコードされてもよい。配列番号3は、細胞株DSM ACC2987によって分泌される抗体の第二の可変領域をコードする配列である。
【0015】
配列番号6による第一の可変領域は、細胞株DSM ACC2988によって分泌される抗体の第一の可変領域をコードする配列である配列番号5によってコードされてもよい。配列番号8による第二の可変領域は、配列番号7の配列によってコードされてもよい。配列番号7は、細胞株DSM ACC2988によって分泌される抗体の第二の可変領域をコードする配列である。
【0016】
ハイブリドーマ細胞株がDSM ACC2987、すなわち、エピトープが免疫優性の黄色ブドウ球菌抗原IsaAに位置する場合、エピトープは、配列表による配列番号15、17〜19、21〜26、32〜34および57の配列の1つを有するアミノ酸と、少なくとも10、とくに少なくとも11、とくに少なくとも12、とくに少なくとも13、とくに少なくとも14、とくに15において同一のアミノ酸配列を少なくとも1つ包含してもよい。
【0017】
エピトープマッピングは、配列番号15、17〜19、21〜26、32〜34および57が、エピトープに対する抗体またはフラグメントの結合に関与することを明らかにした。エピトープは、上記に特定されるように、1を超えるアミノ酸配列を包含する。エピトープは、IsaAのアミノ酸配列中で互いに離れて位置する2またはそれ以上の配列によってすら形成されてよい。
【0018】
本発明による抗体またはフラグメントは、薬剤として使用してもよい。とくにそれらは、ヒトまたは動物が、とくにメチシリン耐性またはメチシリン感受性の黄色ブドウ球菌である黄色ブドウ球菌に感染している、または、かかる感染を受けるリスクがある、ヒトまたは動物の処置用薬剤として使用してもよい。ヒトまたは動物は、感染が原因による乳腺炎または敗血症を有していてもよい。乳腺炎は、ウシ乳房炎であってもよい。雌ウシがウシ乳房炎を有する場合、使用可能な牛乳は該雌ウシによって生産されず、この場合には通常、雌ウシは抗生物質で処置され、その場合にはこの雌ウシによって生産された牛乳は、抗生物質がこの雌ウシの牛乳から含まれなくなるまで、廃棄しなければならない。通常の処置のこの不都合は、ウシ乳房炎の処置用薬剤としての本発明による抗体またはフラグメントの使用によって、避けることができる。
【0019】
薬剤は、全身および/または局所適用に調製される薬剤であってもよい。本発明者らは、深刻な黄色ブドウ球菌感染の、本発明による抗体またはフラグメントを用いる処置は、死亡率および処置したヒトまたは動物の臓器における黄色ブドウ球菌数の顕著な低下をもたらしたことを認識した。さらに、本発明者らは、多形核白血球による貪食性の黄色ブドウ球菌細菌の死滅は、本発明による抗体が黄色ブドウ球菌細菌に結合している場合に、これら抗体のない黄色ブドウ球菌細菌と比較して、有意に高められることを認識した。
【0020】
抗体またはフラグメントは、黄色ブドウ球菌の少なくとも1つの追加的なエピトープに対する他の抗体またはこれら他の抗体のフラグメントとの混合物中に存在してもよい。このさらなるエピトープは、エピトープが位置する抗原、すなわちIsaAまたはIsaB、またはさらなる抗原の上に位置してもよい。薬剤としてのかかる混合物の使用は、単に本発明による抗体またはフラグメントを含む薬剤の使用より効率的になり得る。これは、異なる菌株での異なる程度の抗原発現の原因となる黄色ブドウ球菌の高度な多様性のためであり得、抗体またはフラグメント単独よりも、より多くの細菌が抗体またはフラグメントの混合物によって認識される。
【0021】
抗体またはフラグメントは、少なくとも1の抗生物質との混合物中に存在してもよい。薬剤で処置されるヒトまたは動物において、変異した黄色ブドウ球菌は、一般的な黄色ブドウ球菌に加えて存在し得る。変異した黄色ブドウ球菌は、本発明による抗体またはフラグメントによって認識されない変異したIsaAおよび/またはIsaBを有し得る。この場合に、抗生物質は、変異した黄色ブドウ球菌に対して効果的となり得る。
【0022】
本発明の抗体またはフラグメントは、哺乳動物の血漿、とくにヒトの血漿との混合物中に存在してもよい。本発明者らは、血漿と混合した本発明による抗体またはフラグメントは、生理食塩水中に含まれる本発明による抗体またはフラグメントよりも、さらにいっそう効率的となり得ることを見出した。
【0023】
本発明は、黄色ブドウ球菌の検出のための、本発明による抗体またはフラグメントを含むキットにも関する。かかるキットは、診断の目的に使用されてもよい。
本発明はさらに、黄色ブドウ球菌の検出、とくに非常に特異的な検出のための本発明による抗体またはフラグメントの使用に関する。
本発明はさらに、本発明による抗体を産生するハイブリドーマ細胞株に関する。ハイブリドーマ細胞株は、DSM ACC2987またはDSM ACC2988の受託番号のもとにDSMZに寄託した細胞株であってもよい。
【0024】
本発明はさらに、ヒトまたは動物が、とくにメチシリン耐性またはメチシリン感受性黄色ブドウ球菌である黄色ブドウ球菌に感染している、または、かかる感染を受けるリスクにある、ヒトまたは動物の処置方法に関し、ここで、本発明による抗体またはフラグメントは、ヒトまたは動物に投与される。抗体またはフラグメントは、黄色ブドウ球菌の量を減少させるのに、またはヒトまたは動物における黄色ブドウ球菌の除去をもたらすのに十分な投与量で投与される。抗体またはフラグメントは、適切な担体と混合してもよい。
【0025】
ヒトまたは動物は、感染が原因による乳腺炎または敗血症を有していてもよい。抗体またはフラグメントは、他の抗体またはこれら他の抗体のフラグメントとの混合物中に存在してもよく、ここで他の抗体は黄色ブドウ球菌の少なくとも1の追加的なエピトープに対する抗体である。さらに、抗体またはフラグメントは、投与される前に、哺乳動物、とくにヒトの血漿または血液と混合してもよい。抗体またはフラグメントは、全身的に、とくに静脈内、経鼻または舌下で投与されてもよい。それらはまた、少なくとも1の抗生物質とともに投与されてもよい。
本発明の実施態様
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1a】図1aは、黄色ブドウ球菌株MA12(図1a)の本発明による抗体を用いた免疫蛍光染色を示す。
【図1b】図1bは、黄色ブドウ球菌IsaAノックアウト株MA12ΔisaA(図1b)の本発明による抗体を用いた免疫蛍光染色を示す。
【図1c】図1cは、黄色ブドウ球菌プロテインAノックアウト株Cowan IΔspa::Tcr(図1c)の本発明による抗体を用いた免疫蛍光染色を示す。
【図2】図2は、MAB-UK-66と比較する、MAB-IsaA29 clone 215のIsaA結合のELISAデータを示す。
【図3】図3は、黄色ブドウ球菌株USA300でのi.v.による接種(i.v. challenge)および本発明によるモノクローナル抗体またはアイソタイプコントロール抗体での処置後のマウスの生存を示す。
【図4】図4は、中心静脈カテーテル、および黄色ブドウ球菌および本発明によるモノクローナル抗体で処置したマウスの臓器からの、黄色ブドウ球菌株MA12の回復を示す。
【図5】図5は、本発明による抗体の存在および不在における、多形核白血球による黄色ブドウ球菌のファゴサイトーシスを示す。
【図6】図6は、モノクローナル抗体MAB-UK-66による固定化したIsaAへの結合のカイネティクスを示す。
【図7】図7は、IsaAによる固定化したモノクローナル抗体MAB-UK-66への結合のカイネティクスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1a〜1cは、ハイブリドーマ細胞株DSM ACC2987によって生産され、MAB-UK-66と命名された、IsaAのエピトープに対する一次抗体としてのモノクローナル抗体での染色の結果を示す。マウスIgGに対するFITC接合抗体が、二次抗体として使用された。
【0028】
図1aおよび1cは、黄色ブドウ球菌MA12およびCowan IΔspa::Tcrの免疫蛍光染色の陽性を示し、図1bは、黄色ブドウ球菌MA12ΔisaAが免疫蛍光染色されないことを示す。天然の黄色ブドウ球菌細菌に対して、黄色ブドウ球菌株Cowan IΔspa::Tcrは、プロテインAを生産しない。プロテインAは、抗体のFc部と高い親和性を有する。細菌におけるプロテインAの存在は、一次および二次抗体の細菌への非特異的な強い結合をもたらす。Cowan IΔspa::Tcr株は、一次抗体と結合し、IsaAの存在を示すが、プロテインAとの抗体交差反応はない。
【0029】
図2は、既知のモノクローナル抗体MAB-IsaA29 clone 215のIsaA結合とMAB-UK-66のIsaA結合を比較するために行われた、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)の結果を示す。MAB-IsaA29 clone 215は、"Development of antibody-based therapy targeting immunodominant of Staphylococcus aureus", Ohlsen, K. et al., page 128 of the abstract book published for the 59th annual conference of the Deutsche Gesellschaft fuer Hygiene und Mikrobiologie e.V. on September 2007およびLorenz, U. et al., "Therapeutische Effektivitaet von monoklonalen Antikoerpern gegen Staphylococcus aureus in einem Sepsis- und Abszess-Mausmodell", Chirurgisches Forum 2008, Springer Berlin Heidelberg, 29th May 2008, issue 17, pp. 225-226のアブストラクトに記載されたモノクローナル抗体である。
【0030】
ELISAは以下のように行われた:
マイクロタイタープレートの各ウェルを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)中の0.5μg/ml濃度の組み換えIsaA−タンパク質(rIsaA)100μlの試料で一晩コーティングした後、ウェルは1%ウシ血清アルブミンで2時間ブロッキングした。上述の抗IsaA抗体は、1対4000の比で希釈してウェルに加えた。1hのインキュベーション後、西洋ワサビペルオキシダーゼ接合ウサギ抗マウスIgG(DAKO, Glostrup, Denmark)を加え、1hインキュベートした。その後、ABTS(2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリンスルホン酸)基質(Sigma Chemical Co., Deisenhofen, Germany)を加え、1hインキュベートした。吸光度は、マイクロプレート自動読取機を用いて、405nmで検出した。図1からわかるように、MAB-UK-66のrIsaAに対する結合は、既知の抗体MAB-IsaA29 clone 215のrIsaAに対する結合よりもずっと強力である。
【0031】
効果的な抗黄色ブドウ球菌の免疫療法は、黄色ブドウ球菌の致死的投与に対してマウスを保護するはずである。インビボにおける本発明による抗体の効率について調べるため、黄色ブドウ球菌敗血症の生存モデルを以下のようにマウスで確立した:
【0032】
年齢および性別がマッチしたNMRIマウス(Charles River, Sulzfeld, Germany)を、5×10のコロニー形成単位(cfu)の黄色ブドウ球菌USA300(ATCC番号BAA-1556)の静脈内注射によって、0日目に投与した。処置されるマウスは、MAB-UK-66またはコントロールとしてアイソタイプマッチの抗体を静脈内に受け入れた(倍量投与法:細菌投与(bacterial challenge)の直後および24h後に、pH7.4の100μlのPBSの容量で15mg/kg)。動物は8日間モニターされ、致死的な病気を記録した。
保護の有意性は、Log−Rank/Mantel−Cox検定で測定した:P=0.022。結果を、図3に示す。
【0033】
本発明による抗体のインビボでの効率をさらに調べるため、カテーテル関連黄色ブドウ球菌敗血症のモデルをマウスで次のように確立した:
年齢、性別および体重がマッチしたNMRIマウス(Charles River Wiga Deutschland GmbH, 97633 Sulzfeld, Germany)を実験に使用した。マウスは、腹腔内にキシラジンで麻酔し(8mg/kg体重)/ケタミン(100mg/kg体重)、剪毛した首の左側に、水平の皮膚切開を最小で行った。手術用顕微鏡(Carl Zeiss Jena GmbH, 07745 Jena, Germany)を用いて、10〜16×の倍率のもとで、前方および後方の顔面静脈の分岐を露出するために、下顎の腺を単離した。単離した後方顔面静脈上の、緩い結紮糸間の静脈切開術を実行した。無菌のシングルルーメンポリエチレンカテーテル(内部直径0.28mm×外部直径0.6mm)を、切開を通じて挿入し、上大静脈に向かって進行させた。結紮糸を結び、カテーテルを皮下にもぐらせ、正中肩甲切開を通じて体外に出した。開存性は検査され、カテーテルはヘパリン溶液で満たされ、栓で密封し、実験を通じて留置した。
【0034】
手術の24時間後、マウスはカテーテルによって、1×10cfuの黄色ブドウ球菌細菌MA12株を含む、100μlの黄色ブドウ球菌懸濁液で播種した。MA12株は、Ohlsen, K., Ziebuhr, W., Koller, K. P., Hell, W., Wichelhaus, T. A., and Hacker, J. "Effects of subinhibitory concentrations of antibiotics on alpha-toxin (hla) gene expression of methicillin-sensitive and methicillin-resistant Staphylococcus aureus isolates", Antimicrob. Agents Chemother. (1998), 42, pages 2817 to 2823に記載される看護スタッフからの粘膜単離株である。細菌懸濁液は、カテーテルルーメン内に15分間存在するようにした。カテーテルの中身は、その後マウスの中で0.2mlの0.9%生理食塩水で流された。処置されたマウスは、ハイブリドーマ細胞株DSM ACC2987によって生産された抗体を静脈注射(倍量投与法:細菌投与の直後および24h後に、100μlの容量で15mg/kg)または生理食塩水の静脈注射(コントロール群)で受け取った。体重および一般的な外観を、実験の間毎日評価した。播種の5日後、マウスをCOの吸入で安楽死させた。
【0035】
臓器は、安楽死したマウスから無菌的に収集し、2mlの生理食塩水中でホモジナイズした。さらに、上大静脈におけるカテーテルの位置を確認し、外植したカテーテルは、2mlの生理食塩水で洗浄し、洗浄液を収集した。臓器ホモジネートの連続希釈液およびカテーテル液の収集物は、37℃で少なくとも48時間、マンニット食塩フェノールレッド寒天培地プレート上で培養した。コロニー形成単位は、cfu/臓器またはcfu/カテーテルとして計算した。結果を、図4に示す。データは、本発明による抗体での処置が、臓器の顕著な細菌負荷の低下をもたらしたことを示す。
【0036】
本発明による抗体のファゴサイトーシスへの効果を調べるため、Polymorphprep (Nycomed, Oslo, Norway)を用いて、ヒト好中球を製造業者の使用説明書に従って単離した。0.1%(重量/体積)のゼラチン(HBSS−gel)およびハイブリドーマ細胞株DSM ACC2987によって生産された、15%(体積/体積)の精製MAB-UK-66抗体が補充された、ハンクス平衡化塩溶液(HBSS)1ml中、またはPBS(コントロール)1ml中の1×10cfuの黄色ブドウ球菌MA12を、低速振盪のウォーターバスにおいて、37℃で30分間インキュベートした。等容量の5×10の抗体−およびPBS−処置の黄色ブドウ球菌および最終容量1.5mlの1×10のPMN−細胞/ml HBSS−gelを37℃、振盪下でインキュベートした。ゼロから60分の間隔で、この懸濁液の試料を取り除き、250×gで4分間遠心分離し、そして上清中の細菌数をcfuの計数によって決定した。
【0037】
ファゴサイトーシスは、細胞外細菌パーセント数の3つの測定±SDの平均値として表わした。統計学的解析は、ノンパラメトリックマンホイットニーU検定を用いて行った。すべての比較について、<0.05のP値は、統計学的に有意とみなした。値は、平均値±SDとして表わした。図5に示す結果は、本発明による抗体の存在にかかわらず、多形核白血球によって黄色ブドウ球菌がファゴサイトーシスされたことを示す。しかしながら、本発明による抗体とともに、ファゴサイトーシスの過程は、コントロールと比較して有意に加速した。抗体は、多形核白血球による黄色ブドウ球菌のファゴサイトーシスのオプソニンとして作用する。
【0038】
モノクローナル抗体MAB-UK-66のIsaAに対する親和性を決定するため、これら抗体の固定化したIsaAに対する結合カイネティクスを、BIACORE(登録商標)2000 system (GE Healthcare Europe GmbH, Munzinger Strasse 5, 79111 Freiburg, Germany)を用いて、ラベルフリーの表面プラズモン共鳴を測定する方法によって決定した。抗原の固定化のために、IsaAは、等モルのsulfo-NHS-LC-biotin (Thermo Fisher Scientific, p/a Perbio Science, Adenauerallee 113, 53113 Bonn, Germany)とともにインキュベーションしてN−ビオチン化した。これら条件下で、主要な分子は、モノクローナル抗体MAB-UK-66によって認識される主要なエピトープに影響を与えないまま、単一の部位のみでビオチン化した。Nickel, J., Kotzsch, A., Sebald, W., and Mueller, T. D. "A single residue of GDF-5 defines binding specificity to BMP receptor IB" J. Mol. Biol. (2005), 349, pages 933 to 947に記載されるように、バイオセンサーCM5チップのストレプトアビジンでコートしたマトリックスへの抗原の固定が行われた。固定化した抗原の量は、BIACORE(登録商標)2000 systemの方法によって測定される約100共鳴単位(RU)に相当する。
【0039】
HBS150緩衝液(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、3.4mM EDTA)を用いて、相互作用解析を行った。25℃、10μl/分の流速でセンサーグラム(sensorgrams)を記録した。会合及び解離の時間は、10分に設定した。チップは、各サイクル後に、異なる再生溶液(A:1mM CHCOOH、1M NaCl、pH3; B:4M MgCl; C:1mM CHCOOH、1M NaCl、6M 尿素、pH3)で2分間再生した。IsaAに固定化したこれら抗体の結合カイネティクスを、図6に示す。
【0040】
すべての見かけの結合親和性は、Biaevaluation software 2.2.4を用いて計算した。相互作用の親和性kon(<10−1−1)およびkoff(<10−2−1)は、1:1ラングミュア結合モデル(1:1 Langmuir binding model)に対するカイネティクスデータを、konおよびkoffをフィッティングすることにより計算した。この方法によって、解離定数Kを決定した。解離定数Kは、(抗体およびそれぞれの抗原などの)2つの相互作用する分子間の親和性を示す。低いK値は、高い親和性を示し、高いKは低い親和性を示す。この方法で決定したK値の標準偏差は、50%以下である。したがって、2倍以上の結合親和性の差異は有意とみなす。
【0041】
上記測定条件下で、MAB-UK-66抗体は、評価不可能な低い解離速度(slow off-rates)が原因で、29kDa IsaA抗原と不可逆的に相互作用する。カイネティック速度定数の評価が10−5−1に制限されるため、観察された解離速度はその値よりも小さくなるはずである。解離速度を10−5−1と設定することにより、会合率(on rate)を、1.8×10−11Mの解離定数の値を生じる5.6×10−1−1と決定することができた。したがって、この相互作用のK値は、<1.8×10−11Mである。重要なことに、抗原との相互作用後に、上記の再生溶液を用いて、抗体をチップ表面から取り除くことはできなかった。これは、大変強力であり、非常に特異的な相互作用を示す。
【0042】
モノクローナル抗体MAB-UK-66のIsaAに対する高い親和性を確認するため、BIACORE(登録商標)2000 system (GE Healthcare Europe GmbH, Munzinger Strasse 5, 79111 Freiburg, Germany)を用いて、ラベルフリーの表面プラズモン共鳴の方法によって、IsaAの固定化した抗体に対する結合カイネティクスを決定した。抗体MAB-UK-66の可逆的な固定化は、製造業者の使用説明書(Mouse Antibody Capture Kit, GE Healthcare)に従って、高密度(187000共鳴単位RU)に共有結合でCM5センサーの表面に連結した、抗マウスFc抗体を使用して行われた。
【0043】
抗マウスFc表面上に捕捉された抗体MAB-UK-66の平均量は、約640RUに相当する。ブランクの抗マウスFc表面は、非特異的な結合をモニタリングおよびリファレンスを差し引くためのコントロール表面として使用した。相互作用解析は、HBS−EP緩衝液(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、3mM EDTA、0.005% Tween20)を用いて行った。センサーグラムは、25℃、30μl/分の流速で記録した。会合および解離の時間は、それぞれ3および15分に設定した。10mM グリシンpH1.7のショートパルスを用いる各サイクル後に、抗Fc捕捉表面を再生した。固定化したモノクローナル抗体MAB-UK-66に対するIsaAの結合カイネティクスを、図7に示す。
【0044】
会合(kon)および解離(koff)の親和性および速度定数は、1:1ラングミュア結合モデルに得られたセンサーグラムをフィッティングする、BIAevaluation software 4.0.1を用いて計算した。この方法において、1.7nMの解離定数Kを、2回の独立した測定で決定した。MAB-UK-66およびIsaA間の相互作用の会合および解離の速度定数は、それぞれ1.8×10−1−1(kon)および2.9×10−4−1(koff)と決定した。
【0045】
上記の測定条件下で、MAB-UK-66抗体は、すでにMAB-UK-66抗体の固定化したIsaAの結合によって決定されたように、強力で非常に特異的な相互作用を確認する、高い親和性および低い解離速度で29kDa IsaA抗原と相互作用する。
【0046】
本発明による抗体またはフラグメントによって認識されるIsaAのエピトープを特徴付けるため、エピトープマッピングを行った。このため、15アミノ酸長のオリゴペプチドを合成した。オリゴヌクレオチドの各配列は、IsaAの15アミノ酸の配列と同一である。各オリゴヌクレオチドは、それに続く全配列の部分を表わすオリゴヌクレオチドと11アミノ酸の重複を有する。オリゴヌクレオチドの配列は、配列表の配列番号9〜64の配列である。
【0047】
各オリゴヌクレオチドは、スライドガラス上の小さなスポットに固定化された。ハイブリドーマ細胞株DSM ACC2987によって分泌されるモノクローナル抗体の、およびコントロール抗体の、これらスポットへの結合は、これら抗体とともにインキュベーションすることにより、蛍光標識された二次抗体の結合および蛍光強度を検出することによって検討された。その結果を次の表に示す。
【0048】
【表1】

【表2】

【0049】
上記表からわかるように、配列番号15、17〜19、21〜26、32〜34および57の配列は、細胞株DSM ACC2987によって分泌される抗体のエピトープ結合に関与している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黄色ブドウ球菌エピトープに対する抗体またはそれらのフラグメントであって、該エピトープが、DSM ACC2987またはDSM ACC2988の受託番号のもとにDSMZに寄託されたハイブリドーマ細胞株によって分泌されるさらなるモノクローナル抗体によって認識される、前記抗体またはそれらのフラグメント。
【請求項2】
抗体が、モノクローナル抗体、とりわけさらなるモノクローナル抗体である、請求項1に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項3】
モノクローナル抗体またはさらなるモノクローナル抗体が、IgG型の抗体、とくにIgG1型またはIgG2b型の抗体である、請求項2に記載の抗体。
【請求項4】
フラグメントが、Fabフラグメント、Fab/cフラグメント、Fvフラグメント、Fab’フラグメントまたはF(ab’)フラグメントである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフラグメント。
【請求項5】
抗体が、動物の抗体、とくにマウス、ウシまたはラクダの抗体、ヒト抗体、植物、卵または真菌、とくにSaccharomycesで生産される抗体、細胞株の細胞で生産される組み換え抗体、キメラ抗体、またはヒト化抗体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項6】
各抗体が、第一の可変領域を有する重鎖および第二の可変領域を有する軽鎖を有し、
ハイブリドーマ細胞株がDSM ACC2987であって、
該第一の可変領域が、配列番号2の配列と少なくとも90%同一、とくに少なくとも92.5%同一、とくに少なくとも95%同一、とくに少なくとも97.5%同一、とくに100%同一のアミノ酸配列を包含し、該第二の可変領域が、配列番号4の配列と少なくとも90%同一、とくに少なくとも92.5%同一、とくに少なくとも95%同一、とくに少なくとも97.5%同一、とくに100%同一のアミノ酸配列を包含する、または
ハイブリドーマ細胞株がDSM ACC2988であって、
該第一の可変領域が、配列番号6の配列と少なくとも90%同一、とくに少なくとも92.5%同一、とくに少なくとも95%同一、とくに少なくとも97.5%同一、とくに100%同一のアミノ酸配列を包含し、該第二の可変領域が、配列番号8の配列と少なくとも90%同一、とくに少なくとも92.5%同一、とくに少なくとも95%同一、とくに少なくとも97.5%同一、とくに100%同一のアミノ酸配列を包含する、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項7】
ハイブリドーマ細胞株がDSM ACC2987であって、エピトープが、配列番号15、17〜19、21〜26、32〜34および57の配列の1つを有するアミノ酸と、少なくとも10、とくに少なくとも11、とくに少なくとも12、とくに少なくとも13、とくに少なくとも14、とくに15において同一のアミノ酸配列を少なくとも1包含する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項8】
薬剤として用いる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項9】
薬剤が、黄色ブドウ球菌の感染、とくにメチシリン耐性またはメチシリン感受性の黄色ブドウ球菌の感染を有するヒトまたは動物の処置に用いられる、請求項8に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項10】
ヒトまたは動物が、感染が原因による乳腺炎または敗血症を有する、請求項9に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項11】
抗体またはフラグメントが、黄色ブドウ球菌の少なくとも1の追加的なエピトープに対する他の抗体またはこれら他の抗体のフラグメントとの混合物中に存在する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項12】
抗体またはフラグメントが、少なくとも1の抗生物質との混合物中に存在する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項13】
抗体またはフラグメントが、哺乳動物の血漿、とくにヒトの血漿との混合物中に存在する、請求項8〜12のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項14】
薬剤が、全身および/または局所適用のための薬剤である、請求項8〜13のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメント。
【請求項15】
黄色ブドウ球菌の検出のための請求項1〜7のいずれか一項に記載する抗体またはフラグメントを含む、キット。
【請求項16】
黄色ブドウ球菌の検出のための請求項1〜7のいずれか一項に記載する抗体またはフラグメントの使用。
【請求項17】
請求項1〜7のいずれか一項に記載する抗体を生産する、ハイブリドーマ生産株。
【請求項18】
ハイブリドーマ細胞株が、DSM ACC2987またはDSM ACC2988の受託番号のもとにDMSZに寄託された細胞株である、請求項17に記載のハイブリドーマ細胞株。
【請求項19】
ヒトまたは動物の処置方法であって、ヒトまたは動物が、黄色ブドウ球菌の感染、とくにメチシリン耐性またはメチシリン感受性の黄色ブドウ球菌の感染を有するか、または該感染を受けるリスクがあり、請求項1〜7のいずれか一項に記載の抗体またはフラグメントを該ヒトまたは該動物に投与する、前記方法。
【請求項20】
ヒトまたは動物が、感染が原因による乳腺炎または敗血症を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
抗体またはフラグメントが、黄色ブドウ球菌の少なくとも1の追加的なエピトープに対する他の抗体またはこれら他の抗体のフラグメントとの混合物中に存在する、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
抗体またはフラグメントが、投与される前に、哺乳動物の血漿、とくにヒトの血漿との混合物中に存在する、請求項19〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
抗体またはフラグメントが、全身的に、とくに静脈内、経鼻または舌下で投与される、請求項19〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
抗体またはフラグメントが、少なくとも1の抗生物質とともに投与さる、請求項19〜23のいずれか一項に記載の方法。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図1c】
image rotate


【公表番号】特表2012−527423(P2012−527423A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511263(P2012−511263)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056827
【国際公開番号】WO2010/133600
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(510232393)ユリウス・マクシミリアンス−ウニヴェルジテート・ヴュルツブルク (3)
【氏名又は名称原語表記】Julius Maximilians−Universitaet Wuerzburg
【Fターム(参考)】