説明

1つの画像から虹彩認証を行う方法および装置

少なくとも1つの画像から虹彩認証を行うための方法および装置が開示される。複数の画像を取り込むために複数のカメラが用いられ、その複数の画像の少なくとも1つは虹彩の少なくとも一部を有する範囲を含む。これら複数の画像の少なくとも1つは次いで虹彩認証を行う目的で処理される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明における政府の権利
本発明は契約番号NMA401−02−9−2001に基づく合衆国政府補助により行われた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
関連出願の相互参照
本出願は本明細書に援用する2003年9月4日に出願された米国仮特許出願通し番号60/500088号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
虹彩認証は生体情報に基づき個人を識別するための最も確実な手段の1つとして知られている。典型的な虹彩認証システムは目の画像を得るため1台のカメラを用いる。既存の虹彩認証システムは虹彩画像を得る際に認証対象者が静止することを求めるものである。さらに、ほとんどのシステムは認証対象者が虹彩認証装置の前に自らを位置づけることを求めるものである。これらの制約は虹彩認証の潜在的に幅広い配備を著しく制限している。したがって、虹彩認証システムの最も難しい課題の1つは柔軟な環境で機能させることである。
したがって、当技術分野に必要なのは虹彩認証に使用する目的で動的環境において画像を捕捉することができるシステムおよび方法である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は一般に、少なくとも1つの画像から虹彩認証を行うための方法および装置を開示する。一実施形態において、複数のカメラを用いて、少なくとも1つの画像が虹彩の少なくとも一部を有する領域を含む複数の画像を取り込む。これら複数の画像の少なくとも1つは次いで虹彩認識を行うために処理される。
【0004】
虹彩の少なくとも一部を含む複数の画像からその虹彩を含む単一の画像を形成するための方法および装置も開示する。一実施形態において、複数の画像は経時的に位置合せされる。人工物を伴わない複数の画像のサブセットが選択される。次いで画像の選択されたサブセットは組み合わされてその虹彩の単一の画像を生成する。
【0005】
上に述べられた本発明の特徴が詳しく理解できるように、上に短く要約された本発明を、実施形態を参照してより具体的に説明することができる。この実施形態の一部は添付図面で説明される。しかし、添付図面は本発明の典型的な実施形態だけを説明するものであり、したがって本発明はその他の等しく効果的な実施形態を認めることができるため、添付図面は本発明の範囲を限定するものとみなすべきではないことに留意されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、虹彩認証に使用する目的で動的環境において画像を捕捉するシステムおよび方法を開示する。本発明は虹彩の捕捉、処理および認証の作業が行われる間に人々が移動することを可能にする。本発明の一実施形態において、典型的な作業状況は、1人物が遠くから入口に向かって歩いてくること、その人物を検出すること、その人物の虹彩画像を捕捉/照合すること、およびその人物が入口を通過する際、または適当な時間内にプラス信号またはマイナス信号を発動することを伴う。
【0007】
図1は本発明の一実施形態による虹彩の検知および捕捉システム100を例示する。カメラ配列105、115は焦点領域104範囲内の複数の画像を取り込む。このカメラ配列により取り込まれた複数の画像の少なくとも1つは認証対象者102の虹彩の少なくとも一部を有する領域を含む。
【0008】
一実施形態において、広角(WFOV)カメラ105は、認証対象者102が移動することを可能にすると同時に、顔を検出し、両目を見つけ、虹彩の関心領域(ROI)を識別する。このROI情報は選別機110に送られ、複数の虹彩画像を取り込むための1台(または複数の)狭角(NFOV)カメラ配列115の選定を制御する。一実施形態において、複数の虹彩画像は一続きの高解像度の虹彩画像を有する。NFOVカメラ配列115は固定カメラおよび/またはパン・ティルト・ズーム・カメラを含んでよい。さらに、NFOVカメラ115の選択を支援する目的でROIの奥行き情報は自動的に推定されることが可能である。奥行き推定は、例えばステレオ・カメラ、赤外線、超音波、レーダーなど様々な方法で実行できる。システムの柔軟性を高めるために、取込み範囲を拡大したNFOVカメラを用いてもよい。一実施形態において、NFOVカメラ配列115は1台(または複数の)WFOVカメラ105を使用せずに本発明を実施するために動作可能であってもよい。
【0009】
取り込まれた一続きの虹彩画像は移動している人物から得られたものであることから、このシステムが、例えば雑音の軽減、画像合成、および特徴強調を含め、画像を十分に処理することが重要である。次いで、処理された虹彩像は照合および識別のために虹彩認証モジュール120に送られる。信号対雑音比(SNR)を積極的に改善し、捕捉された虹彩画像の質を高めるために、シャッター・コントローラー130を備えた、不可視の反応性赤外線LED照明などの照明装置125を用いてもよい。さらに、画質管理モジュール(IQCM)150は、複数の入力画像を虹彩認証モジュール120に送る前にそれら入力画像を組み合わせることによって1つの虹彩画像を選択または改善する。
【0010】
処理された1つの虹彩画像は、特徴抽出、パターン照合、および個人識別に向けて虹彩認証モジュール120に送られる。当業者は本発明の選別機110およびモジュール135、140、150の特徴は認証装置120により実行可能であることを理解されるであろう。
【0011】
虹彩モデル・データベース145は照合処理に用いるために提供される。データベース145は複数の虹彩画像または抽出されたパターン特徴を含む。虹彩モデル・データベース145からのデータは虹彩パターンを認証装置120により得られた虹彩画像と照合させるために用いる。
【0012】
図2は本発明の方法200による図である。方法200は工程205で始まり、工程210に進む。
【0013】
一実施形態において、虹彩画像の取込み作業は2つのモジュールに分類されている。虹彩検知モジュールと虹彩捕捉モジュールである。虹彩検知モジュールはWFOVステレオペアを用いて任意の動きに対して指定された空間領域を監視する。ある個人がその現場に現れると、頭・顔・目ファインダ135が作動し、両目の位置を突き止め、両目のROI(および奥行き)を推定する。次いで高解像度の虹彩画像は検知モジュールから供給されたROI(および奥行き)情報に基づいて選択された1台のNFOVカメラによって捕捉される。
【0014】
工程210において、複数のカメラを用いて複数の画像を取り込む。複数のカメラによって取り込まれた複数の画像の少なくとも1つは虹彩の少なくとも一部分を含む。
【0015】
虹彩パターンを正確に照合および識別するには、虹彩像の直径は通常少なくとも150画素とすべきである。虹彩の平均直径は約1.0cmであることから、解像度が512×512の従来型カメラは3.0×3.0cmの空間領域しかカバーできない。一実施形態において、この制限を克服する目的で複数のWFOVカメラ、1台のNFOVカメラ、および1つのペン/ティルト・ユニットを用いた能動的視覚システム(active vision system)を使用してもよい。しかし、この構成は動きの遅い機械モーターを使用し、メンテナンスを必要とし、さらにシステムの応答時間を著しく減らす可能性がある。これらの制限を克服するために、本発明はWFOVステレオ・カメラ・ペアおよび静的高解像度NFOVカメラ配列を用いて空間的取込み範囲および時相的応答時間(すなわち、人間の動きの処理)を改善する。
【0016】
一実施形態において、WFOVカメラ装置105は現場の広角を捕らえて分析する。(個別の奥行き検出器からまたはWFOVカメラ独自のステレオ画像ペアから提供された)奥行き情報でより拡張された頭・顔・目ファインダ135はWFOVカメラ105から得た複数の画像を介したサーチによって頭、顔および両目の位置を検出する。
【0017】
虹彩の画像を取り込む方法は、まず認証対象者の頭、次いで顔、そして目の位置を突き止めることである。この粗から密の(coarse to fine)アプローチは通常画像取込みおよび処理要件を著しく削減する。このようなアプローチの一例はシステムに最も接近した奥行き(最も近い地点)かつ焦点領域内で認証対象者の位置を突き止めることである。利用者の奥行きは、スレテオ・カメラを用いてリアルタイムで探し出される。複数の認証対象者が入口に向かって歩き続けることになり、第1認証対象者がシステムの正面にいることにより第2認証対象者の虹彩を覆わないことを確実にする必要がある。これは歩行速度および個人間の隔離距離の研究を用いて、さらに賢明なシステム配置によって実現することができる。例えば入口上部に配置することはほとんどの環境で視認性を確保すると思われる。
【0018】
次の工程は顔の位置を突き止めることである。顔は虹彩と比較してより低い解像度で検出および探知することができ、したがって画像の取込みおよび処理に課される制約をはるかに抑えることが可能である。顔は、鼻、口、両目および両頬の特徴を備える包括的な顔型を用いて検出することができる。(顔検出器を用いて探し出された)目の位置は次いでROIを限定するために用いられる。ROIにおいて、虹彩認証に求められるより高い解像度で目の画像の位置を突き止めるために画像の取込みおよび処理が行われる。人物は移動していることから、システムの潜在性を克服する目的で、粗から密の(coarse to fine)解像度分析の引渡しにおいて人間動作の単純な予測モデルを用いることができる。このモデルは画像の取込み要件および処理要件を限定することを目的とする動作の予測にのみ使われるため正確でなくてもよい。
【0019】
適切な絞り設定のWFOVレンズを用いてもよい。WFOVレンズを使うことにより、通常の解像度のWFOVステレオペアは、0.5m×0.5m×0.5mから1.0m×1.0m x1.0mの空間的立方体など、より広い空間領域をカバーすることができる。
【0020】
一実施形態において、領域の十分なカバー範囲を保証するために、NFOV高解像度カメラ配列115が用いられる。NFOVカメラははるかに浅い焦点奥行きを有するため、高質画像を得るには正確な奥行き推定が重要である。一実施形態において、奥行き情報はWFOV情報から入手される。奥行き情報を入手する方法は多く存在する。すなわち、ステレオ・カメラ、飛行時間(TOF)装置、赤外線(IR)センサー、および超音波センサーを使用することである。システムのロバスト性をさらに高めるには、移動する対象が、焦点領域104などの焦点領域に入る状態にあることを信号で知らせるために、例えば空港における金属探知器ゲートなど、現場に赤外線に基づく閉鎖検出器など何らかの簡易装置を簡単に設置することができる。
【0021】
WFOV画像において計算された目のROI(x,y,dx,dy)は、ROIおよびカメラIDモジュール140を用いてNFOVカメラ配列の局所座標系にマップされる。このマッピングはNFOVカメラの画像に対応する新たなROI(cid,x’,y’,dx’,dy’)を生み出す。cidは虹彩が描かれるNFOV配列におけるカメラのカメラ識別子である。マッピングは奥行き情報を用いることによって支援することができる。マッピング機能は「参照テーブル」(LUT)形式で事前校正処理により得ることが可能である。
【0022】
虹彩の位置が1台を超えるNFOVカメラの境界線を越えて突き止められる場合、WFOV装置はそれぞれの関連するNFOVカメラに対して副次的ROIを識別し、虹彩画像の捕捉に向けて副次的ROIをNFOV装置に送ることができる。
【0023】
WFOV装置は動作を探知し、安定させる機能を備える。この動作を探知し、安定させる機能は頭/顔の動作を探知し、両目のROIをリアルタイムで更新するために用いることができる。
【0024】
高解像度の虹彩画像はNFOVカメラ装置を用いて捕捉される。高解像度カメラ配列を用いることにより、この装置は対象が移動する間に虹彩を捕捉できるように広い検知範囲をカバーすることができる。
【0025】
このカバー領域はカメラの解像度、視角、および焦点奥行きによって決まる。一般的に、高解像度カメラに用いられるレンズは焦点奥行が浅い。NFOVカメラ用のレンズを適切に選択することにより拡張焦点奥行きが可能になる。取込み領域を拡大するために、本発明は、1)潜在的にシステム応答時間を増やすことが可能な高速ズーム・レンズ、2)特にZ−方向に沿って重複範囲をカバーする複数のカメラ、または3)特殊なオプティカルエンコーダーのいずれかを用いる。十分な焦点奥行きカバー範囲は、対象がNFOVカメラに向かって移動するまたは当該カメラから後退する間に虹彩の画質を保証する。
【0026】
機械的なレンズ焦点機構は通常ゆっくりと動作する。したがって、認証対象者が「奥行きカーテン」を通過すると虹彩の高解像画像の取込みが誘発されるように、レンズ焦点を1組の「奥行きカーテン」に設定する単純な予測モデル。認証対象者の奥行きは、WFOVカメラからの画像のリアルタイムのステレオ分析を用いて回復される。
【0027】
焦点の合った画像を得るためのさらに別の方法は、個人が奥行きカーテンを通る際に複数の画像を捕捉し、最も焦点の合った複数の画像を選択するまたはぼやけている可能性のある一続きの画像から1つの鮮明な画像を形成することである。
【0028】
NFOVカメラ配列115の虹彩画像捕捉はROIに基づくものである。ROIはWFOVカメラ・モジュール105で作成される。NFOVカメラのROI領域からの画素のみが捕捉され、さらなる処理に向けて転送される。ROIに基づく虹彩画像捕捉はシステムの帯域幅要件を削減し、制限時間内に複数の虹彩画像を捕捉する可能性を加える。
【0029】
NFOV選別機モジュール110はWFOVからのROI情報および関連する奥行き情報を用いてスイッチを入れるNFOVカメラ115を判断し、虹彩画像捕捉に向けてROIを設定する。またこのモジュールは照明装置125コントロールに信号を出す。照明装置は異なる波長の混合物を備えてもよく、「常時オン」設定を備えてもまたはカメラのシャッターに合わせて同期的にスイッチを切り替えてもよい。
【0030】
システムの時間応答に著しい影響を与えずに、さらに広い範囲をカバーするまたはシステム原価を削減するには、傾斜台と単列カメラとの組合せが妥協的な解決法である可能性がある。単列カメラは高解像度の画面捕捉に必要な水平の空間領域をカバーする。傾斜台は身長が異なる複数の人物の虹彩をスキャンする1自由度をカメラに与える。一実施形態において、固定されたカメラの列に画像を反射できるようにこの傾斜台に鏡を設置してもよい。別の実施形態では、カメラの列をこの傾斜台に直接設置してもよい。機械部分は1自由度しか備えていないため、確実性は高まるであろう。
【0031】
一実施形態において、NFOV装置は顔/目を直接検出する能力も備える。NFOVカメラ配列を活用できるであろう。この実施形態において、各NFOVカメラはそれぞれの視野において虹彩の少なくとも一部分を検出するために動作可能である。この実施形態では、NFOV配列は焦点領域の空間的カバー範囲を提供するために動作可能である。さらに、NFOV配列は焦点奥行き情報で拡張できる。焦点奥行き情報はWFOV装置の方法と類似した方法を用いてNFOVカメラから得ることができる。首尾よい虹彩照合を確実にするために、十分焦点の合った両目が検出された場合のみ信号が呼び出されるであろう。これはある種の利用者設定された反射光(specularity)パターンに従って照合フィルタを応用することにより実現可能である。
【0032】
工程220では、複数の画像の少なくとも1つが処理されて虹彩認証が行われる。一実施形態において、IQCM150からの処理された虹彩画像は特徴抽出、パターン照合および個人識別に向けて虹彩認証モジュールに送られる。虹彩モデル・データベース145は照合処理に用いるために提供される。このデータベースは虹彩画像または抽出されたパターン特徴を含む。虹彩モデル・データベース145からのこのデータは虹彩パターン照合に用いられる。方法200は工程225で終了する。
【0033】
一実施形態において、制御された反射光を用いて、関心領域において瞳孔を検出する。前項で論じられたように、1つの運用可能な実施形態はWFOVを用いて頭、次いで顔、さらに目を見つけ、次いでNFOVを用いて虹彩の位置を突き止める。この運用可能な実施形態は正像の使用に基づくものであると同時に、反射光などの異常な画像領域は異常値として処理される。しかし、制御できる場合は人工物を用いてもよい。例えば近赤外イルミネータ125を用いて両目が照らされる場合、人間の瞳孔を直接検出する目的で反射光が用いられている。カメラの中心線に沿ってそしてこの中心線から外して複数のイルミネータ125を配置することにより、明るい瞳孔効果と暗い瞳孔効果をそれぞれ生み出すことができる。2組のイルミネータを連続して点滅させることにより、明るい瞳孔をIR照明の角膜反射により生じる輝きと混同することなく、明るい瞳孔の確実な検出が実現できる。
【0034】
制御されたイルミネータ125を用いることで、反射光を利用して目の領域を直接検出することができる。制御されたイルミネータ125は、WFOV装置および/またはNFOV装置の範囲内で速度およびロバスト性を目的として頭・顔・目アプローチと一体化してもよい。この実施形態において、複数の光源は経時的に調整されて目の位置の識別を助ける。
【0035】
図3は本発明の虹彩画像強調処理の図である。一実施形態において、複数の虹彩画像を処理して1つの虹彩画像を形成することができる。個人が移動する間に複数の虹彩画像が捕捉される場合、虹彩画像は認証モジュールに送られる前に処理および選択される必要がある。画質制御モジュール(IQCM)150がこの作業を行う。IQCM150はまず、焦点がずれたもの、不完全なもの、または反射の多すぎるものなど、質の悪い虹彩画像を除去する。次いで適格な画像群が処理されて1つの上質の虹彩画像を形成する。次いで虹彩および瞳孔の輪郭を検出することにより虹彩の位置測定が行われる。この処理は、経時的に虹彩画像の位置合せを行い、人工物を伴わない画像部分を選択し、残りの画像部分を組み合わせて1つの上質な虹彩画像を生成するために画像記録を必要とする。
【0036】
画像記録のために、経時的に画像を記録する目的でパラメトリック・モデルに基づく配列を用いてもよい。モデルの複雑性は像が記録される時間によって異なる可能性がある。例えば時間が非常に短い場合はわずかな動作しか生じないため、簡単なアフィン・モデル(affine model)で十分な可能性がある。
【0037】
IQCM150は異なる複数のNFOVカメラから得られた不完全な複数の虹彩画像を寄せ集めて1つの完全な画像にする機能も備える。システムは1人物の虹彩の位置が画像境界線を越えて突き止められる可能性のある自由な動作環境で動作するため、たいていの場合この機能は必要である。
【0038】
図4は本発明の画像処理装置または画像処理システム400のブロック図である。具体的に、このシステムは虹彩認証を行う目的で複数のカメラからの複数の画像を処理するために用いることができる。一実施形態において、画像処理装置または画像処理システム400は多目的コンピュータまたはその他のハードウェア同等物を用いて実行される。
【0039】
したがって、画像処理装置または画像処理システム400は、プロセッサ(CPU)410、例えばランダム・アクセス・メモリ(RAM)および/または読み出し専用メモリ(ROM)などのメモリ420、虹彩捕捉および認証モジュール440、および様々な入力/出力装置430(テープ・ドライブ、フロッピー(登録商標)・ドライブ、ハードディスク・ドライブまたはコンパクトディスク・ドライブを含むがこれに限定されない記憶装置、受信機、送信機、スピーカー、ディスプレイ、例えばデジタル・カメラまたはデジタル・ビデオ・カメラに用いられる画像取り込みセンサー、時計、出力ポート、ユーザ入力装置(キーボード、キーパッド、マウス、その他同種類のもの、または音声コマンドを取り込むためのマイクロフォンなど)を備える。
【0040】
虹彩の捕捉および認証モジュール440は、通信路を介してCPU410に結合される1つまたは複数の物理装置として実施可能であることを理解されたい。あるいは、虹彩の捕捉および認証モジュール440は、ソフトウェアが記憶媒体(例えば磁気ドライブもしくはオプティカル・ドライブまたはディスケット)からロードされてコンピュータのメモリ420においてCPUによって動作する1つまたは複数のアプリケーション(または、さらにソフトウェアと特定用途向け集積回路(ASIC)などのハードウェアとの組合せ)で代行してもよい。したがって、本発明の虹彩の捕捉および認証モジュール440(関連するデータ構造を含む)は、例えばRAMメモリ、磁気ドライブもしくはオプティカル・ドライブまたはディスケットおよびその他同種類のものなどコンピュータ可読媒体に格納することができる。
【0041】
前記は本発明の実施形態に関するものであるとともに、当該発明の基本範囲から逸脱することなく当該発明の別の実施形態およびさらなる実施形態を考案することが可能であり、その範囲は特許請求の範囲によって決まる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態による虹彩の検知および捕捉システムの図である。
【図2】本発明の方法による図表である。
【図3】本発明の一実施形態による複数の画像を組み合わせる画像処理の図である。
【図4】本発明の一実施形態による画像処理装置または画像処理システムのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの画像から虹彩認証を行うための方法であって、
複数のカメラを用いて認証対象者の複数の画像を取り込む工程であって、前記画像の少なくとも1つが虹彩の少なくとも一部を有する領域を含む、工程と
虹彩認証を行うために前記複数の画像のうち少なくとも1つを処理する工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記複数のカメラは関心領域を検出するために少なくとも1つの広角カメラを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のカメラの少なくとも1つは、前記複数のカメラの他の少なくとも1つのカメラとは異なる空間領域をカバーする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のカメラの少なくとも1つは、前記複数のカメラの他の少なくとも1つのカメラとは異なる焦点奥行きをカバーする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのカメラにより取り込まれた各画像は奥行き情報でより拡張される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに前記認証対象者に光を当てるためのイルミネータを用いる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の画像のうち少なくとも1つを処理する工程が、
経時的に前記複数の画像の位置合せを行うことと、
人工物を伴わない前記複数の画像のサブセットを選択することと、
前記選択された画像のサブセットを組み合わせて前記虹彩の単一の画像を生成することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの画像から虹彩認証を行うための装置であって、
認証対象者の複数の画像を取り込むために用いられる複数のカメラであって、前記画像の少なくとも1つが虹彩の少なくとも一部を有する領域を含む、複数のカメラと、
虹彩認証を行うために前記複数の画像のうち少なくとも1つを処理するためのプロセッサと
を含む装置。
【請求項9】
複数の命令が格納されたコンピュータ可読媒体であって、前記複数の命令は、プロセッサにより実行される際に前記プロセッサに少なくとも1つの画像から虹彩認証を行う方法の複数工程を行わせる複数の命令を含み、前記プロセッサは
複数のカメラを用いて認証対象者の複数の画像を取り込む工程であって、前記画像の少なくとも1つが虹彩の少なくとも一部を有する領域を含む、工程と、
虹彩認証を行うために前記複数の画像のうち少なくとも1つを処理する工程と
を実行するコンピュータ可読媒体。
【請求項10】
虹彩の少なくとも一部を含む複数の画像から前記虹彩を含む単一の画像を形成する方法であって、
経時的に前記複数の画像の位置合せを行う工程と、
人工物を伴わない前記複数の画像のサブセットを選択する工程と、
前記選択された画像のサブセットを組み合わせて前記虹彩の単一の画像を生成する工程と、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−504562(P2007−504562A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525486(P2006−525486)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/028871
【国際公開番号】WO2005/024698
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(505316842)サーノフ コーポレーション (6)
【Fターム(参考)】