説明

1つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基を有するアクリル系モノマーおよびそのポリマーの製造方法

【課題】1つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基を有するアクリル系モノマーの製造方法およびそのようなモノマーからのポリマー製造方法を提供する。
【解決手段】エチレン性不飽和基および分子当たりに2つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基を有するモノマーの製造方法であって、
(a)分子当たりに少なくとも1つのエチレン性不飽和基および少なくとも1つの第三級アミノ基を有する過剰の単量体型反応物を、ハロヒドロキシアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩と、水性媒体中で反応させること、
(b)遅くとも全ての反応物が水性媒体中に加えられた時から反応の完結まで、この水性媒体のpHを監視すること、および
(c)全ての反応物が水性媒体に加えられた後の、この反応混合物の見掛けのpHが最小値を示す時から、反応の完結まで、水性媒体のpHを9以上の値に調整および維持すること、を含む製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基を有するアクリル系モノマーの製造方法およびそのようなモノマーからのポリマーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第4495367号明細書に記載されているように、ジ第四級アクリル系モノマーは、それらの第三級アミンから、それを(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリアルキルアンモニウムクロリドと反応させることによって調製することができる。
【0003】
ジ第四級モノマーから誘導される単量体単位を有するポリマーは、水処理、油田および民生用アプリケーションにその用途を見出してきたが、それは例えば、米国特許第4387017号明細書に記載されているようにビチューメンを含むエマルジョン用の乳化破壊剤、米国特許出願公開第2003/223951号明細書に記載されているようにヘア・コンディショナー、および米国特許第6596261号明細書に記載されているように洗浄組成物中の添加剤としてである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4495367号明細書
【特許文献2】米国特許第4387017号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/223951号明細書
【特許文献4】米国特許第6596261号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、知られているジ第四級モノマーは通常は、残っている未反応の(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、同様に、反応中間体であり未反応のグリシジルトリアルキルアンモニウムクロリドを含んでいる。これらの不純物はモノマーから分離することが困難であり、従って通常は、最後はこれらのモノマーから作られるポリマー中に残る。両方のクロリド不純物は、毒性であることが知られており、そしてこのようなポリマー製品中にそれらが存在することは望ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本発明は、エチレン性不飽和基および分子当たりに2つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基(「多重四級モノマー」)を有するモノマーの製造方法であって、
(a)分子当たりに少なくとも1つのエチレン性不飽和基および少なくとも1つの第三級アミノ基を有する過剰の単量体型反応物を、ハロヒドロキシアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩と、水性媒体中で反応させること、
(b)遅くとも全ての反応物が水性媒体中に加えられた時から反応の完結まで、この水性媒体のpHを監視すること、および
(c)全ての反応物が水性媒体に加えられた後の、この反応混合物の見掛けのpHが最小値を示す時から、反応の完結まで、水性媒体のpHを9以上の値に調整および維持すること、を含む製造方法を指向している。
【0007】
第2の態様では、本発明は、ポリマーの1つまたはそれ以上の単量体単位が、単量体単位当たりにそれぞれ2つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基を含むポリマーの製造方法であって、
(a)エチレン性不飽和基および分子当たりに2つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基を有するモノマーを、
(i)分子当たりに少なくとも1つのエチレン性不飽和基および少なくとも1つの第三級アミノ基を有する過剰の単量体をハロヒドロキシアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩と、水性媒体中で反応させること、
(ii)遅くとも全ての反応物が水性媒体中に加えられた時から反応の完結まで、この水性媒体のpHを監視すること、および
(iii)全ての反応物が水性媒体に加えられた後の、この反応混合物の見掛けのpHが最小値を示す時から、反応の完結まで、水性媒体のpHを9以上の値に調整および維持すること、によって調製すること、ならびに
(b)工程(a)で形成されたモノマーを重合開始剤混合物の存在下で重合させること、を含む製造方法を指向している。
【発明の効果】
【0008】
このモノマーおよびポリマーは、不純物が低減された水準を示し、通常は未反応のハロヒドロキシアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩が検知不能の水準を、また未反応のグリシジルトリアルキルアンモニウムクロリドが検知不能の水準を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで用いられる有機基を参照する表記「(C−C)」(xおよびyはそれぞれ整数である)は、この基は基当たりにx個〜y個の炭素原子を含んでいてもよいことを示している。
【0010】
ここで用いられる用語「アルキル」は、一価の飽和直鎖または分岐炭化水素基、通常は一価の飽和(C−C)炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、またはn−ヘキシルを意味している。
【0011】
ここで用いられる用語「アルキレン」は、二価の飽和直鎖または分岐炭化水素基、より典型的には二価の飽和(C−C)炭化水素、例えばメチレン、ジメチレンおよびトリメチレンを意味している。
【0012】
水性媒体は、水および、所望により約90体積%以下の水混和性の有機液体、例えばアルコール、例えばメタノールまたはエタノール、を含んでいる。
【0013】
1つの態様では、反応は、ハロヒドロキシアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩の総量のモル当たり、第1の単量体型反応物が総量で約1.01モル以上、より典型的には約1.01〜約1.5モルで行われる。
【0014】
反応物はそれぞれ、1つまたはそれ以上の別個の部分として、または反応を通して反応混合物中への供給として、またはそれらの組み合わせで、例えば第1の部分を最初に添加して、続いて残りの部分を供給することによって、反応混合物へと導入することができる。
【0015】
1つの態様では、水性媒体および単量体型反応物の総量が反応の初めに反応器中にそれぞれ存在しており、そしてハロヒドロキシアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩は時間を掛けて反応器中に供給される。
【0016】
1つの態様では、多重四級モノマーを製造するための反応をなすための反応混合物は、反応物単量体および/または生成物モノマーが生成物の多重四級モノマーの合成の間に重合することを阻止するために、更に重合禁止剤、例えば1種またはそれ以上のヒドロキノン化合物を含んでいる。適切なヒドロキノン類としては、例えばヒドロキノンおよびメチルヒドロキノンが挙げられる。
【0017】
1つの態様では、多重四級モノマーを製造する反応は、反応物単量体および/または生成物モノマーが生成物の多重四級モノマーの合成の間に重合することを阻止するために、空気を通気して行われる。
【0018】
1つの態様では、分子当たりに少なくとも1つのエチレン性不飽和基および少なくとも1つのアミノアルキル官能基を有するモノマーとハロヒドロキシアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩との反応は、約50℃〜約90℃、より典型的には約55℃〜約75℃の温度範囲の中で行なわれる。通常は、この反応は、約1時間〜約8時間、より典型的には約3時間〜約6時間の反応時間で実施される。
【0019】
エチレン性不飽和基および分子当たりに2つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基を有するモノマーの製造方法の1つの態様では、次のスキームAによって製造され、
【0020】
【化1】

【0021】
構造(I)で示される過剰のモノマー(Rは二価の有機連結基、より典型的にはカルボニルまたはアルキレンであり(これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つもしくはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよい)、Rはアルキレン、より典型的には(C−C)アルキレン(これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つまたはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよい)、あるいは下記の、
【0022】
【化2】

【0023】
で表される基であり(R12はアルキレン、より典型的には(C−C)アルキレンであり、これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つまたはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよく、R13およびR14はそれぞれ独立してアルキル、より典型的には(C−C)アルキルであり、またmは1〜6の整数であり)、RはHまたは(C−C)アルキル、より典型的にはHまたは(C−C)アルキル、RはHまたは(C−C)アルキル、より典型的にはHまたは(C−C)アルキル、RそしてRはそれぞれ独立して(C−C)アルキルである)と、構造(II)で表されるハロアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩(Rは二価の有機連結基、通常はアルキレン、そしてより典型的には(C−C)アルキレン、Rはハロ、より典型的にはクロロ、R、R10およびR11はそれぞれ独立してアルキル、より典型的には(C−C)アルキル、またXはアニオン、より典型的にはClである)を反応させることによって、エチレン性不飽和基および分子当たりに2つの第四級アンモニウム基を有するモノマー(IV)(R,R、R、R、R,R、R、R、R10およびR11はそれぞれ上記に記載した通り)を形成する。
【0024】
水性媒体のpHは、遅くとも全ての反応物が水性媒体へと加えられてから、反応が完結するまで監視される。全ての反応物が水性媒体へと加えられてしまった時点で、pH値は見かけ上最小値を示し、すなわちpHは最初は低下し、見かけ上の最小値を経て、そして増加し始める。
【0025】
本発明の方法のpH調整工程がない場合には、スキームAによる反応が進行する速度は、反応媒体がpH最小値を示した時点の後に著しく減速する傾向にあり、そして次いで律速する反応物種の完全転換に到達することができない。
【0026】
一度、pHが見かけ上最小値を示し、そして増加し始めると、反応媒体に塩基が加えられ、pH値が9以上に調整される。pHの上方調整は反応の速度を増加させ、そして反応が進行して生成物化合物(IV)を生成し、通常は律速反応物である化合物(II)の転換を完結させる。
【0027】
1つの態様では、この塩基はアルカリ金属の水酸化物であり、より典型的にはNaOHまたはKOH、第四級アンモニウムの水酸化物、更により典型的にはNaOHである。通常は、百万当たりに約100部(ppm)〜約10000ppm、より典型的には約500ppm〜約2000ppmの塩基が反応混合物へと加えられ、pHが9以上の値に調整される。
【0028】
理論に拘束されることは望まないが、スキームAによる反応と並行して、化合物(II)はまた内部環化反応を起こす傾向にあり、構造(III)で表されるエポキシド官能性の中間体を生成すると信じられる。
【0029】
【化3】

【0030】
(ここで、R、R、R10およびR11はそれぞれ上記の通りである)。
また、中間体(III)は次いでモノマー(I)と反応して、目的の生成物(IV)および水酸基イオンを形成すると信じられる。しかしながら、中間体化合物(III)を経由した化合物(IV)への並行の経路はまた、酸残基を発生し、これが反応物の完全な転換より以前での反応の失速まで、化合物(IV)の生成を減速させる。理論に拘束されることは望まないが、本発明の方法のpH調整工程は、酸残基を中和し、そしてそれに伴う反応速度への阻害効果を克服させると、我々は信じている。
【0031】
適切な重合開始剤が知られており、例えば、分解して遊離ラジカル種を生じさせる化合物、例えばアゾ化合物、ペルオキシド、および過硫酸塩、例えば過硫酸ナトリウム、が挙げられる。1つの態様では、重合開始剤は、過硫酸ナトリウムおよびナトリウムメタビスルファート(metabisulfate)を含む対のレドックス開始剤を含んでいる。
【0032】
1つの態様では、重合反応は水性媒体中で、より典型的には水中で行われる。
【0033】
1つの態様では、重合反応は25℃〜150℃、より典型的には50℃〜100℃の温度範囲の中で、約1時間〜約20時間、より典型的には約3時間〜約8時間の反応時間で行われる。
【0034】
1つの態様では、重合は不活性雰囲気下、好ましくは窒素雰囲気下で行われる。
【0035】
1つの態様では、ポリマーはスキームBによって製造され、
【0036】
【化4】

【0037】
構造(IV)で表されるモノマーを(R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびXはそれぞれ上記の通りである)、重合開始剤の存在下に重合させることによって、構造(V)で表されるホモポリマー(R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびXはそれぞれ上記の通りであり、またmは2〜約30000、より典型的には2〜約4000の整数である)を形成する。
【0038】
他の態様によれば、ポリマーの1つまたはそれ以上の単量体単位がそれぞれ単量体単位当たりに2つの第四級アンモニウム基を含むポリマーがスキームCによって製造され、
【0039】
【化5】

【0040】
構造(IV)で表されるモノマー(R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11およびXはそれぞれ上記の通りである)を、コモノマー(VI)(R15はHまたは(C−C)アルキル、より典型的にはHまたは(C−C)アルキル、そしてR16はヒドロキシルである)と重合開始剤の存在下で共重合することによって、構造(VII)で表される共重合体(R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R15、R16およびXはそれぞれ上記の通りであり、そしてpおよびqはそれぞれ1〜約100000、より典型的には1〜約10000の整数である)を形成する。
【実施例】
【0041】
実施例1
エチレン性不飽和基および分子当たりに2つの第四級アンモニウム基を有するモノマーをスキームA−1に従って製造した。
【0042】
【化6】

【0043】
57.0グラムのジメチルアミノプロピルメタクリアミド(II)を、500mLの機械的攪拌機、熱電対、ガス入口、供給口およびpH探針を備えた丸底フラスコに充填した。このフラスコの内容物を62℃〜63℃の温度範囲に空気の通気の下に加熱した。温度が60℃に達した時に、ダウコート(DowQuat)188(I)の供給を開始した。29.77グラムの蒸留水中に希釈した、93.08グラムの化合物(I)をこのフラスコ中に2時間に亘って供給した。冷却および加熱によって、温度を60℃〜63℃の範囲に制御し、また反応のpHを連続的に監視した。pHが11から劇的に低下して、そして約8.5で横ばいになった。添加を終了すると、供給口および供給配管を3グラムの蒸留水で洗浄した。反応混合物を次いで60℃〜63℃に約30分間保持した。pHは約8の最小値に低下し、そして次いで増加し始めた。0.60グラムのNaOHを反応フラスコへと加え、そして温度を60℃〜63℃に保持し、そしてpHが9超となりかつ一定になるまで監視した。
【0044】
実施例2
ポリマーの1つまたはそれ以上の単量体単位がそれぞれ単量体単位当たりに2つの第四級アンモニウム基を含む共重合体をスキームC−1に従って製造し、
【0045】
【化7】

【0046】
アクリル酸(VI−a)を、実施例1に従って作られたジ第四級モノマー(IV−a)と反応させることによって、ジ第四級モノマーから誘導される第1の単量体単位およびアクリル酸から誘導される第二の単量体単位を有する共重合体(VII−a)(mは800〜6000の整数であり、またnは400〜3000の整数である)を形成した。
【0047】
凝縮器、機械的攪拌機、熱電対およびガス入口を備えた1リットルのフラスコに、52.1グラムのアクリル酸(ビーエイエスエフ(BASF))、193.4グラムの実施例1に従って作ったジ第四級モノマー、および593.9グラムの蒸留水を加えた。この内容物を、混合しながらまた窒素を通気しながら、70℃〜72℃の範囲の温度に加熱した。攪拌および窒素通気を反応の間中、維持した。内容物が1時間通気された後に、2mLの水中の過硫酸ナトリウム0.094グラムを加えた。発熱反応が始まり、そして温度を70℃〜72℃の範囲に維持するように冷却または加熱を加えた。2時間の反応の後に、1mLの水中のナトリウムメタビスルファイト(metabisulfite)0.23グラムを加えた。バッチ温度は、1時間に亘って63℃〜65℃まで徐々に低下した。次いで2mLの水中のナトリウムメタビスルファイト(metabisulfite)0.40グラムを加え、そして次に1mLの水中の過硫酸ナトリウム0.08グラムを加え、そしてバッチの温度を63℃〜65℃に1時間保持した。この最後の工程を残りの未反応のモノマーが10ppm未満になるまで繰り返した。
【産業上の利用可能性】
【0048】
1つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基を有するアクリル系モノマーの製造方法およびそのようなモノマーからのポリマー製造方法が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン性不飽和基および分子当たりに2つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基を有するモノマーの製造方法であって、
(a)分子当たりに少なくとも1つのエチレン性不飽和基および少なくとも1つの第三級アミノ基を有する過剰の単量体型反応物を、ハロヒドロキシアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩と、水性媒体中で反応させること、
(b)遅くとも全ての反応物が水性媒体中に加えられた時から反応の完結まで、この水性媒体のpHを監視すること、および
(c)全ての反応物が水性媒体に加えられた後の、この反応混合物の見掛けのpHが最小値を示す時から、反応の完結まで、水性媒体のpHを9以上の値に調整および維持すること、を含む製造方法。
【請求項2】
モノマー(IV)が以下のスキームA、
【化1】

に従って、構造(I)で示される過剰のモノマー(Rは二価の有機連結基(これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つもしくはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよい)、Rはアルキレン(これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つもしくはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよい)、あるいは下記の、
【化2】

で表される基であり(R12はアルキレンであり、これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つもしくはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよく、R13およびR14はそれぞれ独立してアルキルであり、またmは1〜6の整数であり)、RはHまたは(C−C)アルキル、RはHまたは(C−C)アルキル、RそしてRはそれぞれ独立して(C−C)アルキルである)と、構造(II)で表されるハロアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩(Rは二価の有機連結基、Rはハロ、R、R10およびR11はそれぞれ独立してアルキル、またXはアニオンである)とを反応させることによって製造される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
モノマー(IV−a)を下記のスキームA−1、
【化3】

に従って、過剰のモノマー(I−a)をハロアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩(II−a)(Rはハロであり、またXはアニオンである)と反応させることによって製造する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
がクロロであり、またXがClである、請求項3記載の方法。
【請求項5】
ポリマーの1つまたはそれ以上の単量体単位が、単量体単位当たりにそれぞれ2つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基を含むポリマーの製造方法であって、
(a)エチレン性不飽和基および分子当たりに2つまたはそれ以上の第四級アンモニウム基を有するモノマーを、
(i)分子当たりに少なくとも1つのエチレン性不飽和基および少なくとも1つの第三級アミノ基を有する過剰の単量体を、ハロヒドロキシアルキル(トリアルキル)第四級アンモニウム塩と、水性媒体中で反応させること、
(ii)遅くとも全ての反応物が水性媒体中に加えられた時から反応の完結まで、この水性媒体のpHを監視すること、および
(iii)全ての反応物が水性媒体に加えられた後の、この反応混合物の見掛けのpHが最小値を示す時から、反応の完結まで、水性媒体のpHを9以上の値に調整および維持すること、によって調製すること、ならびに
(b)工程(a)で形成されたモノマーを重合開始剤混合物の存在下で重合させること、を含む製造方法。
【請求項6】
ポリマーが下記のスキームB、
【化4】

に従って、構造(IV)で表されるモノマー(Rは二価の有機連結基(これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つもしくはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよい)、Rはアルキレン(これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つもしくはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよい)、あるいは下記の、
【化5】

で表される基であり(R12はアルキレンであり、これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つもしくはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよく、R13およびR14はそれぞれ独立してアルキルであり、またmは1〜6の整数であり)、RはHまたは(C−C)アルキル、RはHまたは(C−C)アルキル、RおよびRはそれぞれ独立して(C−C)アルキル、Rは二価の有機連結基、Rはハロ、R、R10およびR11はそれぞれ独立してアルキル、またXはアニオンである)を、重合開始剤の存在下に重合させ、構造(V)で表されるホモポリマー(mは2〜約30000の整数である)を形成することによって製造される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
ポリマーが下記のスキームC、
【化6】

に従って、構造(IV)で表されるモノマー(Rは二価の有機連結基(これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つもしくはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよい)、Rはアルキレン(これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つもしくはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよい)、あるいは下記の、
【化7】

で表される基であり(R12はアルキレンであり、これは場合によっては1つもしくはそれ以上の炭素原子が置換されていても、または1つもしくはそれ以上の位置でヘテロ原子によって中断されていてもよく、R13およびR14はそれぞれ独立してアルキルであり、またmは1〜6の整数であり)、RはHまたは(C−C)アルキル、RはHまたは(C−C)アルキル、RそしてRはそれぞれ独立して(C−C)アルキル、Rは二価の有機連結基、Rはハロ、R、R10およびR11はそれぞれ独立してアルキル、またXはアニオンである)を、コモノマー(VI)(R15はHまたは(C−C)アルキル、そしてR16はヒドロキシルである)と重合開始剤の存在下で共重合して、構造(VII)で表される共重合体(pおよびqはそれぞれ1〜約100000の整数である)を形成することによって製造される、請求項5記載の方法。
【請求項8】
ポリマー(VII−a)が下記のスキームC−1、
【化8】

に従って、アクリル酸(VI−a)を、ジ第四級モノマー(IV−a)(Xはアニオンであり、またmは約800〜6000の整数であり、また約400〜3000の整数である)と反応させることによって製造される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
がClである、請求項8記載の方法。

【公表番号】特表2010−522167(P2010−522167A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554559(P2009−554559)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/003589
【国際公開番号】WO2008/118315
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(598109291)ローディア インコーポレイティド (41)
【Fターム(参考)】