説明

1つ以上の基地局に関して無線移動装置の位置を推定すること

【課題】一つ以上の基地局に関して無線移動基地局の位置を推定する方法を提供する。
【解決手段】複数の基地局(BTS)を持っている通信網において移動装置(MS)の位置を推定する第1の方法は、MSがBTSのうちの1つのみと通信することができるエリアを決定する。そのエリア内の平均位置が計算され、推定として使用される。第2の方法はMSが2つのBTSのオーバーラップしているカバレージエリア内にあるエリアを決定する。各BTSからMSによって受信された信号の到着の相対時間差が一定の距離点の軌跡が決定される。MSで、1つのBTSの第1および第2のセクター間の相対的な信号電力に基づいた角度θを有する線が、軌跡と交差する点が決定され、MSの位置の推定として使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は無線通信システムに係り、より明確にはそのようなシステムにおける無線移動装置の位置の推定に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー電話、PDA、ラップトップ・コンピュータまたはその他同種のもののような無線移動装置(ここにMSという)の位置の決定の需要が高まっている。1つの方法は、セルラー電話基地局(ここにBTSという)によって送信され受信された信号を使用する。地上BTSを使用するMSの位置を検知するために開発された既知の1つのアルゴリズムは、アドバンスド・フォワードリンク・トライラテレーション(Advanced Forward Link Trilateration(AFLT))と呼ばれる。AFLTを使用してMSの位置を検知するため、無線網のBTSの位置、BTSからの信号の送信時間およびMSでの信号の到着時間が必要である。従来のAFLTアルゴリズムは、MSがその位置を検知するために少なくとも3つのBTSと通信することが必要である。
【0003】
MSが3つ未満のBTSのカバレージエリアにいれば、MSの位置はしばしば推定される。1つの推定方法は、MSが通信することができるBTSの1つ以上のカバレージエリアの“中心”にMSの位置があると推測する。例えば、MSがたった1つのBTSと通信することができれば、その位置はカバレージエリアの中心であると推測される。カバレージエリアの“中心”は、MSが通信にあるBTSに関してMSが有効に作動することができるすべての可能な位置の平均位置を指定するために一般に理解される。MSが2つのBTSと通信することができれば、その位置は、2つのBTSの最強のものによってカバーされた領域の中心であると、または、2つのBTSによってカバーされたエリアの加重平均をとることにより決定された位置と推測されてもよい。
【0004】
典型的なBTSカバレージエリアが様々な理由で、形において完全に円形ではないかもしれないことが注目されるべきである。山、丘、ビルディング、水溜りおよびその他同種のもののような地形の特徴は、BTSから放射された電波の伝送特性に影響し、その結果不規則なカバレージエリアを引き起こす。大気および他の要因もまた、BTSによって送られかつ受信された無線信号の放射パターンに影響するかもしれない。
【0005】
さらに、典型的には、各BTSはBTSを囲むセクター化された領域に放送する多くの送信機を持っている。例えば、3つのセクターがあるBTSは、BTSを包囲するそれぞれ120度の領域に放送する。それらのセクター内の無線信号はまた、様々な地形、大気、また上に記述された他の要因によって影響を受け、各セクターの地理的なカバレージエリアに影響を与える。さらに、セクター・アンテナはそれら自身一般に指向性アンテナである。したがって、典型的には、セクター・アンテナの後側の信号強度はセクター・アンテナの前側の信号強度より著しく低い。
【発明の概要】
【0006】
特定のBTS、またはそのセクターのカバレージエリアが典型的に非対称であるので、カバレージエリアの“中心”は通常BTSの位置と一致しない(それは偶然に一致するかもしれないが)。BTSセクターのカバレージエリアの“中心”が、BTSの位置からある距離はなれて位置するかもしれないことが理解される。
【0007】
複数のBTSがある通信網中のMSの位置を推定する第1の方法は、MSがBTSのうちの1つのみと通信することができるエリアを決定することを含んでいる。エリア内の平均位置が計算され、推定として使用される。第2の方法はMSがBTSのうちの2つのオーバーラップするカバレージエリア内にいるエリアを決定することを含んでいる。BTSの各々からのMSによって受信された信号の到着の相対時間差が一定である距離点の軌跡が決定される。BTSのうちの1つの第1および第2のセクター間のMSにおける相対的な信号電力に基づいた、角度θを有する線が軌跡と交差する点が決定され、MSの位置の推定として使用される。
【0008】
図面の様々な図の中で、同様な参照番号が同様または類似部分を表示するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】オーバーラップしているカバレージエリアを有する無線網における一対のBTSの単純化された平面視である。
【図2】より非常に詳しく、図1の無線網のBTSのうちの1つの平面視である。
【図3】最強の受信電力を送信するBTSからの距離の関数として、1つ、2つ、3つ、または4つ以上のBTSと通信するMSからもたらされる確率分布関数のグラフである。
【図4】一部分、図1の無線網の2つのBTSに関してMSの位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
通信システムは典型的にMSおよびBTSの網を含んでいる。“BTS”は その位置が伝送の時に知られている任意の送信機/受信機を指す。例えば、BTSは無線網または他の無線送信機のセルタワー、またはインフラストラクチャーを含んでいてもよい。
【0011】
一実施例において、MSが1つのBTSのみのカバレージエリア内にいて、したがってそのBTSとのみ通信することができれば、その位置はそれがそのBTSだけと通信することができるBTSのカバレージエリアのその部分の“中心” に位置すると推測されてもよい。MSがそのBTSだけと通信することができるBTSのカバレージエリアのその部分の“中心”は、MSが通信にある、かつ他のものではないBTSでのみそれが有効に通信することができるすべての位置の特定位置を指定するために使用される。より明確に、MSがたった1つのBTSと通信することができれば、そのBTSのカバレージエリア内に位置するが、そのBTSおよび他のBTSの任意のオーバーラップするカバレージエリアの外に位置する。図1を参照して、例えば、MSが無線網10のBTS20とのみ通信することができれば、MSはカバレージエリア25内に位置するがオーバーラップエリア40の外である。
【0012】
“中心”のために指定された特定位置は、例えば平均位置かもしれない。“平均”位置は、算術平均、幾何平均または、MSがそのBTSだけと通信することができるBTSのカバレージエリアの部分に関して指定された他の適切な平均の計算かもしれない。他方では、特定位置は、MSがそのBTSだけと通信することができるBTSのカバレージエリアの部分に関して任意に指定されてもよい。これは例えば、1つのBTSだけがそのBTSの全カバレージ領域の境界に対して検知することができるカバレージ領域の境界の比率として測定された1/2、1/3、1/4の距離、または他の距離であると明示されてもよい。メトリックがその選択されることによって決定されたその距離は、点の軌跡を定義する。例えば、そのBTSとだけ通信することができるBTSのカバレージエリアの部分が円ならば(それは一般にありそうもないが)、前記軌跡は全体のカバレージエリアの半径より小さな半径の円を定義するだろう。したがって、MSの位置は円の円周上にあると推測されてもよい。
【0013】
典型的な場合であるBTSが複数のセクターを持っている場合、基準角に関してMSの角度θを決定することができる。そのときその角度で引かれた線は、点で前記軌跡と交差する。したがって、その点はMSの位置推定として使用することができる。MSの位置に関係した角度θは、以下に詳細に述べられる方法で、MSによってBTSの各セクターから受信された信号電力の相対的測定値を使用して計算されてもよい。
【0014】
今付加的に図2を参照すると、zとしてマークされた装置はBTS20のみと通信することができる。単純性のために、オーバーラップ領域40を除いて、隣接したBTS30の残りのカバレージエリアは示されない。BTS20のカバレージエリア25は半径Rをもつ円であるように単純化される。中央エリア28はMSがBTS20とのみ通信することができるBTS20のカバレージエリアであるとして定義され、半径Rをもつ円として示される。中央エリア28の半径Rは、例えば円25の半径Rの2分の1かもしれないが、BTS20の特徴およびオーバーラップ領域40の範囲によって決定される。
【0015】
この例において、MSはBTS20の付近を中心とする半径R(それはRの2分の1である)を持つ点線で示された円27に位置すると推測され、その円周は、MSがBTS20とのみ通信することができるカバレージエリア28の算術および幾何平均である。以下に実証されるように、MSがBTS20とのみ通信することができれば、MSは、円27の円周上に位置する可能性がありそうである。数学的な平均の計算、または別の適切な技術によって、以下に議論されるように、この位置は確率的な予測技術によって決定されてもよい。
【0016】
別の実施例では、BTS20はそれと関係して複数のセクターを持ち、3つのセクター22、24および26が示されている。3つのセクターが示されるが、BTSは任意の数のセクターを持っていてもよい。3つのセクター実施例では、セクター22および26は共通の半径29aを共有する。同様に、セクター22および24は共通の半径29bを共有する。また、セクター24および26は共通の半径29cを共有する。x軸はセクター22を2つの等しいエリアに分割する。したがって、半径29aおよび29bはそれぞれx軸と60度の角度を形成する。
【0017】
MSの角位置は、2つの隣接したBTSセクターからMSに見られた信号電力、即ち強さから推定することができる。したがって、例えば、MSが半径29bに接近して位置すれば、MSはセクター22および24から同様または実質的に同様の電力、即ち信号強度を持っている信号を受け取ると予想されるだろう。MSがセクター22へさらに移動するとともに、MSがセクター22から受け取ると予想される電力、即ち信号の強さは、MSがセクター24から受け取ると予想される電力より大きくなる。MSがセクター22のx軸に接近して移動するとともに、MSはセクター24および26からほとんど信号を受け取らないと予想されるだろう。従って、MSによって各々のセクター22、24および26から受信された信号電力の相対的測定値は、x軸に関してのx−y平面中の点zの角度θを推定するために使用されてもよい。
【0018】
典型的に、例証された特別の実施例中のx軸のようなセクターの範囲を二分する線の角度が、BTSの暦データの“GPS北”に関して特定されることに注目すべきである。したがって、角度θはここに例において単に任意に参照され、任意の好ましい基準角に関して定義されるように容易に移されてもよい。さらに、図2の図面の含意に反して、実際のBTSのセクターの二分線は、そのような整列が計算を容易にする助けになるが、必ずしも特定のコンパス方位と整列させる必要はない。
【0019】
角度θの推定値を計算する方法の例として、次の擬似コードメトリックが使用されてもよい:
−P>20 のとき、θ=A
−P<3 のとき、θ=A−0.4×(A−A
その他のとき、 θ=A−0.4×(A−A)×(20−(P−P))/17
ただし、PはdBで最強の受信信号の電力であり、Aは基準半径に関して、受信電力Pを持っている信号を送信するBTSのセクターの角度を表わし、PはdBで2番目に強い受信信号の電力であり、Aは基準半径に関して、受信電力Pを持っている信号を送信するセクターの角度を表わす。例えば、そのセクター22が最強の受信電力を持っていると仮定し、Aがセクター22の中心の角度、即ち、x軸に関して0度を表わし、Aがセクター26の中心の角度、即ち、x軸に関して240度、または半径29aおよび29c間の角度を等しく分割する線を表わす。メトリックの定数は、以下に述べられるように、例えばMSの計算された確率に基づいて、発見的に引き出されてもよい。
【0020】
角度θは他の線形または非線形の表現を同様に使用して計算されてもよい。しかしながら、そのような表現で、角度θはMSが通信することができるBTSの様々なセクターからMSが受け取る信号の電力の相対的測定値を使用して計算される。上に記述されたように、BTSに関してその角度と同様にBTSからの装置の距離の両方が推定されるので、装置のための唯一の位置推定が決定される。
【0021】
いくつかの実施例において、距離および角度θの両方がMSにより決定され、続いて位置が計算され、選択的にBTSに送信されてもよい。そのような実施例では、MSは、無線網内のBTSの位置、そのカバレージエリア、その中心などのような各BTSに関係している様々なパラメータに関する情報を持つデータベースを含んでもよい。また他の実施例において、MSは各セクターからそれが受け取る信号の電力に関する情報をBTSに送信してもよい。その後、上に記述されたように、位置決定エンティティー(PDE)、または無線網で通信している別の装置が、MSによって送信された情報を得てMSの位置を決定してもよい。しかしながら、そのような実施例では、MSの位置の決定は、プログラムを形成し、例えば中央処理装置、またはMSの位置を決定するために特に構成された専用のハードウェアモジュールを使用することにより命令/データとして実行される、1つ以上のソフトウェアモジュールの様々なコードを使用して実行されてもよい。代わりに、両方の実施例では、MSの位置の決定はソフトウェアとハードウェアモジュールの組み合わせを使用して実行されてもよい。
【0022】
別の実施例において、MSが2つのBTSのオーバーラップしているカバレージエリア内にいれば、MSによって1つまたは両方のBTSの関連するセクターから受信された信号電力の相対的測定値と一緒に、MSによって2つのBTSから受信された信号の到着の時間差(TDOA)がMSの位置を推定するために使用されてもよい。
【0023】
再び図1を参照すると、典型的な無線網10のセクションは、一部分、MS(示されない)と通信するように構成されたBTS20および30を含んでいる。BTS20および30はそれぞれのセル、即ちカバレージエリア25および35を持っている。カバレージエリア25はBTS20に集中した円のエリアである。同様に、カバレージエリア35はBTS30に集中した円のエリアである。
【0024】
この例において、BTS20および30はまた3つのセクター22、24および26、および32、34および36をそれぞれ持っており、それは符号分割多元接続(CDMA)または他の適切な標準に従っている。BTS20および30は3つより少ないまたは多いセクターを持っていてもよい。BTS20および30はオーバーラップエリア40を持っている。2つのBTS20および30がこの例において示されるが、無線網10はBTS20および30のカバレージエリア25および35とオーバーラップしてもよいし、オーバーラップしなくてもよいカバレージエリアを備えたより多くのBTSを持っていてもよい。
【0025】
BTS20は、円形領域25と同心であるダッシュされた円形領域28によって示された中央カバレージエリアを持っている。同様に、BTS30は円形領域35と同心であるダッシュされた円形領域38によって示された中央カバレージエリアを持っている。再び、明瞭さのために、カバレージエリアは形において円で示されるが、実際上、それらは異形であるかもしれない。各円形領域28および38の半径は、BTSの特別の信号特性に依存して、例えばそれぞれ対応する円形領域25、35の半径の半分かもしれない。しかしながら、特定の半径はBTSカバレージエリアの部分に関して任意に指定されてもよい。これは例えば、1つのBTSだけがそのBTSの全カバレージ領域の境界に対して検知することができるカバレージ領域の境界の比率として測定された1/2、1/3、1/4の距離、または他の距離であると明示されてもよい。
【0026】
カバレージエリア25の外側に位置したMSは、BTS20のセクター22、24、26のうちのどれからも信号を受け取らない。同様に、カバレージエリア35の外側に位置したMSは、BTS30のセクター32、34、36のうちのどれからも信号を受け取らない。他方では、BTS20の任意のセクターにあるMSは、BTS20の他のセクターと同様にそのセクターから信号を受け取ってもよい。例えば、セクター22にあるMSは、セクター24および26からもセクター22からも信号を受け取ってもよい。または、セクター24にあるMSは、セクター22および26からもセクター24からも信号を受け取ってもよい。同様に、BTS30の任意のセクターにある移動装置は、BTS30の他のセクターと同様にそのセクターから信号を受け取ってもよい。オーバーラップ領域40にある装置は、両方のBTS20および30から信号を受け取る。
【0027】
別の実施例では、MSの位置はMSの位置の発見的決定確率を使用して推定することができる。様々なBTS数の曲線群が図3に示される。y軸はMSが見つかる確率を示す確率密度関数値を表わす。また、x軸はBTSからのMSのメーターでの距離を表わす。図3で示されるデータは1つの特定なセルラー網位置に基づいて発見的に決定された。他のセルラー網位置は異なる曲線群を持っているかもしれない。また、図3で示される特別のデータは500メートル増分でグループ化されるように考慮される。すなわち、線上の様々な形により見られる値は、形が現われる500メートルセグメントの中ですべてのMSに対するPDF値を表わす。更に、示された特別のデータについては、各BTSの組合せ、つまり1つのBTS、2つのBTS、3つのBTS、および4つ以上のBTSについて、最大の確率値が生じることが理解され得る。例えば、2つのBTSが可視である場合、MSはその時のおよそ90%で最強のBTSの1キロメートル以内にある最尤度を有し、またはその時の95%で最強のBTSの1.5キロメートル以内にある最尤度を有する(各々の曲線に沿った確率が合計1.0であることに注意を要す)。
【0028】
このデータはMSの位置を推定するために使用されてもよい。したがって、例えば、MSがたった1つのBTSと通信可能である(即ち、1つのBTSだけが可視である)場合、MSはその時95%の確率でそのBTSの1キロメートル以内にいる。したがって、半径R(図2を参照)は1キロメートル以内であると選定される。または、例えばデータに基づいて、ユーザ位置は500メートルであると推定されてもよく、その時の95%の確率で、MSが500メートルにいるかあるいは推定位置に接近するであろう。
【0029】
MSが2つのBTSと通信することができれば、それは図1で見ることができるように2つのBTS20および30のオーバーラップするカバレージエリア40内に位置する。そのような条件の下では、MSによってBTSの様々なセクターから受信された信号電力の相対的測定値と一緒に、MSによって2つのBTSから受信された信号のTDOAが、さらに以下に記述されるように、MSの位置を検知するために使用されてもよい。
【0030】
図4は、例えば指定されたx−y軸の原点で示されるBTS20に関して、2つのBTSのオーバーラップするカバレージエリア内にあると仮定されるMSの座標x,yと同様に、例えばBTS30の座標x30,y30を示す。t20とt30がそれぞれBTS20および30から送信された信号のMSへ到達する時間経過を表すと仮定する。TDOAに従って、均一な信号伝送を仮定して、MSの可能な位置は次の式(2)を使用して形成された点50の軌跡に沿った点によって一方では定義される:
[(x+y1/2−((x−x30+(y−y301/2]=C×(t20−t30) (2)
ここにCは光速である。実施例では、点50の軌跡は放物線を形成する。
【0031】
MSの位置をさらに定義するために、図4で見られるように、x軸とBTS20から装置へ引かれた線の間の角度θが計算される。放物線50と線の交差はMSの位置を唯一に検知する。以前のように、MSによってBTSの様々なセクターから受信された信号の電力の相対的測定値は、角度θを決定するために使用される。
【0032】
角度θを計算する際に上に示された擬似コード(1)は、装置が2つのBTSで通信することができる状況で等しく適用可能である。したがって、擬似コード(1)は、x(またはy)軸に関してMSの角度位置を決定するために使用されてもよい。擬似コード(1)に従って、装置がx軸に関して角度θで線52に沿って位置すると仮定する。したがって、MSは点zに位置すると推測され、ここで線52は点50の軌跡との交差として示される。擬似コード(1)が角度θを計算するただ1つの典型的な方法を表わすことが理解される。他の多くの線形または非線形の表現がこの角度を計算するために使用されてもよい。すべてのそのような表現で、角度θはMSによって1つまたは両方のBTSの様々なセクターから受信された信号の電力の相対的測定値を使用して計算される。
【0033】
いくつかの実施例において、角度θと同様に、放物曲線は続いて計算されかつBTSに選択的に送信される位置と共に装置によって決定されてもよい。そのような実施例では、MSは、その無線網、そのカバレージエリア、その中央などの内のBTSの位置のような、各BTSに関係した様々なパラメータに関する情報を有するデータベースを含んでもよい。他の実施例では、MSは電力と到着時間、または代わりに、それがBTSの各セクターから受信する信号の到着の時間差に関して情報を送信してもよい。その後、上に記述されたように、位置決定エンティティー(PDE)または無線網と通信する別の装置は、MSによって送信された情報を得て、MSの位置を決定してもよい。
【0034】
MSの位置の決定は、プログラムを形成し、例えば中央処理装置、またはMSの位置を決定するために特に構成された専用のハードウェアモジュールを使用することにより命令/データとして実行される、1つ以上のソフトウェアモジュールの様々なコードを使用して実行されてもよい。代わりに、MSの位置の決定はソフトウェアとハードウェアモジュールの組み合わせを使用して実行されてもよい。
【0035】
開示は、無線網中のBTSの任意の特定数、任意のBTSのカバレージエリアの大きさ、またはBTSの対間のオーバーラップ地域の大きさに制限されるようには意図されない。更に、開示は、BTSが、MSが通信することができるただ1つのBTSである場合に、MSが検知されるBTSから予め定義された距離の大きさによって制限されるようには意図されない。また、開示は無線網、BTSまたはMSのタイプによっても制限されるようには意図されない。他の追加、削減、削除および修正は、添付請求項で述べられるような本開示の範囲から逸脱することなく成されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基地局(BTS)を持つ通信網において移動装置(MS)の位置を推定する方法であって、
前記MSが前記複数のBTSの1つとのみ通信することができるエリアを決定し、
前記エリア内の平均位置を決定し、
前記MSの位置の前記推定として計算された前記平均位置を使用することを含む方法。
【請求項2】
前記エリアが発見的に決定される請求項1の方法。
【請求項3】
前記平均が代数平均である請求項1の方法。
【請求項4】
前記平均が幾何平均である請求項1の方法。
【請求項5】
複数のBTSを持ち、各BTSが複数のセクターを持つ通信網においてMSの位置を推定する方法であって、
前記MSが前記複数のBTSのうちの1つのセクターのみと通信することができるエリアを決定し、
前記エリア内の平均位置を計算し、
前記計算された平均位置を前記MSの位置の前記推定として使用することを含む方法。
【請求項6】
前記平均が代数平均である請求項5の方法。
【請求項7】
前記平均が幾何平均である請求項5の方法。
【請求項8】
前記エリアが発見的に決定される請求項5の方法。
【請求項9】
複数のBTSを持ち、各BTSが複数のセクターを持つ通信網においてMSの位置を推定する方法であって、
前記MSが前記複数のBTSのうちの1つのみと通信することができるエリアを決定し、
前記エリア内の平均位置への距離を計算し、
前記複数のBTSの前記1つの前記1つのセクターおよび隣接したセクターの相対的な電力に基づいた前記MSの角度θを計算し、
前記距離および角度を前記MSの位置の前記推定として使用することを含む方法。
【請求項10】
前記平均が代数平均である請求項9の方法。
【請求項11】
前記平均が幾何平均である請求項9の方法。
【請求項12】
前記エリアが発見的に決定される請求項9の方法。
【請求項13】
前記角度θが一次式を使用して計算される請求項9の方法。
【請求項14】
前記角度θが以下に従って計算される請求項9の方法:
−P>20 のとき、θ=A
−P<3 のとき、θ=A−0.4×(A−A
その他のとき、 θ=A−0.4×(A−A)×(20−(P−P))/17
ただし、PはMSによって受信されるdBで最強の信号の電力であり、Aは基準角に関して、受信電力Pを持っている信号を送信する複数のBTSの第1の1つのセクターの角度を表わし、PはMSによって受信されるdBで2番目に強い信号の電力であり、Aは前記基準角に関して、受信電力Pを持っている信号を送信する複数のBTSの第1の1つの第2のセクターの角度を表わす。
【請求項15】
複数のBTSを持っている通信網中のMSの位置を推定する方法において、
前記MSが通信することができるBTSからの様々な距離にMSが位置する確率を決定し、
前記確率が最大値を持っている距離を決定し、
前記MSの位置の前記推定の一部として前記確率が最大値を持っている前記距離を使用することを含む方法。
【請求項16】
前記確率が発見的に決定される請求項15の方法。
【請求項17】
複数のBTSを持っている通信網中のMSの位置を推定する方法であって、
前記MSが前記BTSのうちの2つのオーバーラップしているカバレージエリア内にあるエリアを決定し、
前記BTSの各々の前記2つからMSによって受信された信号の到着の相対時間差が一定の距離点の軌跡を決定し、
前記MSで、前記BTSの前記2つのうちの1つの第1および第2のセクター間の相対的な信号電力に基づいた角度θを有する線が前記軌跡と交差する点を決定し、
前記MSの位置の前記推定として前記点を使用することを含む方法。
【請求項18】
信号の到着の前記測定された時間差と一定の光速を乗算することにより、前記距離点を決定することをさらに含む請求項17の方法。
【請求項19】
前記角度θが一次式を使用して計算される請求項17の方法。
【請求項20】
前記角度θが以下に従って計算される請求項17の方法。
−P>20 のとき、θ=A
−P<3 のとき、θ=A−0.4×(A−A
その他のとき、 θ=A−0.4×(A−A)×(20−(P−P))/17
ただし、PはMSによって受信されるdBで最強のセクター信号の電力であり、Aは基準角に関して、受信電力Pを持っている信号を送信する前記第1のセクターの角度を表わし、PはMSによって受信されるdBで2番目に強い信号の電力であり、Aは前記基準角に関して、受信電力Pを持っている信号を送信する前記第2のセクターの角度を表わす。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−108136(P2012−108136A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−280052(P2011−280052)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【分割の表示】特願2011−180435(P2011−180435)の分割
【原出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】