説明

1つ又は複数のオレフィン類、オレフィン及びポリマーの生成方法

本発明は、少なくとも1つの再生可能な天然原料の残渣から1つ又は複数のオレフィンを生成する方法を記載する。本発明は、有利には、主に処理済みの再生可能な農業天然原料の残渣から、プロピレン並びに任意選択でエチレン及びブチレンを生成するための、再生可能な農業天然原料の処理方法と統合する方法に関する。プロピレンは、原材料の残渣に含まれるリグノセルロース材料及び他の有機生成物のガス化反応に次いで、メタノールの形成、及びその後のプロピレンへの変換によって得られ、この経路はさらに、副産物としてエチレン及び/又はブチレンを発生することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの再生可能な天然原料の残渣から1つ又は複数のオレフィンを生成する方法に関する。有利には、本発明は、主に処理済みの再生可能な農業天然原料の残渣から、プロピレン並びに任意選択でエチレン及びブチレンを生成するための、再生可能な農業天然原料の処理方法と一体化される方法に関する。オレフィン(複数可)は、原材料の残渣に含まれるリグノセルロース材料及び/又は他の有機生成物のガス化反応、次いでメタノールの形成、及びその後のジメチルエーテル中間物からプロピレンへの直接的又は間接的な変換によって得られ、この経路はさらに、副産物としてエチレン及び/又はブチレンを生産することができる。
【背景技術】
【0002】
プロピレンは主に、接触若しくは熱分解による石油精製の副産物として、又は天然ガスからのエチレンの生成における副産物として得られる(Propylene、Jamie G.Lacson、CEH Marketing Research Report−2004、Chemical Economics Handbook−SRI International)。
【0003】
プロピレンは、石油化学製品の合成における主なブロックの1つを構成し、多様なポリマー及び中間体の生成の原材料として使用することができる。プロピレンの主な誘導体の中には、ポリプロピレン及びそのコポリマー、オキソ合成によって得られるn−ブタノール及びイソブタノール、アクリロニトリル、プロピレンオキシド、イソプロパノール、クメン、アセトン、エピクロルヒドリン、アクリル酸、並びに多様な可能な用途を有する一連の生成物が含まれる。
【0004】
歴史的に、プロピレンに対する需要は、主に、その主な誘導体であるポリプロピレンに対する需要の絶え間ない増大により、エチレンに対する需要よりも速く増大してきた。プロピレンの生産は、天然ガス及び石油に基づき、これらの経路を介して得られるプロピレン/エチレン比は、生成することができるプロピレンに対して最大の制限を有するため、プロピレンの提供は、その需要に遅れて増大してきた。さらに、2003年及び2006年の間の期間に計画されたエチレンの25%超の生産は、供給原料としての天然ガスの使用に基づいており、この経路では、通常少量のプロピレンが生産される。したがって、この生成物に対して増大する需要を満たすのに必要な量のプロピレンを生成する新しい代替経路が求められている。
【0005】
広範囲の原料を使用してプロピレンを生成するための新しい技術経路の使用は、最近綿密に検討されている。これらの経路は、従来の経路と共に、「プロピレン及びプロピレン誘導体の技術開発(Technology Developments in Propylene and Propylene Derivatives)」、Nexant−2003年12月の研究で評価されている。この研究は、以下の代替経路を報告している。
−オレフィンメタセシス:メタセシスによるエチレンからのプロピレンの生成は、90%未満の収率レベルをもたらす。したがって、プロピレンの生成コストはエチレンのものよりも高くなり、エチレンのコストが低い場合、又はプロピレン需要レベルがその高い値に見合う場合にのみ、この経路の使用が正当化される。
−オレフィン相互変換:この経路は、4個及び5個の炭素原子の炭化水素流の接触分解に基づいている。この経路は、これらの流れが大量に利用可能な場所でのみ正当化できる。
−メタノールを介する生成:この経路には、比較的高い資本コストがかかることが明白であり、低コストで天然ガスが利用可能な場合にのみ正当化できる。低コストの天然ガスから大容量の製造設備で生成される、メタノールを介するオレフィンの生成に関するさらなる詳細は、参照文献「UOPメタノールからのオレフィン(UOP Methanol to Olefins)」、Abe Gelbein、PEP Review 2001−11、2003年9月、SRI International及び「Lurgi MTP法によるメタノールからのプロピレン(Methanol to Propylene by the Lurgi MTP Process)」、David Netzer、PEP Review 98−13、2002年8月、SRI Internationalで得ることができる。
【0006】
エチレンは、水蒸気改質又は接触分解によって、主に石油精製の副産物として生成されるオレフィンである。その生成に使用される他の一経路は、天然ガスに含まれるエタンの回収及び脱水素化である。
【0007】
エチレンは、多種多様な化学製品の原材料として使用される。これらの中でも、ポリエチレン及びそのコポリマー、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリスチレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、エチレンオキシド、エチレングリコール、エタノール、酢酸ビニル及びn−プロパノールを挙げるべきである。
【0008】
一方、再生可能な供給源由来の有機生成物への世界的な関心は、近年、特にプラスチックにおいて非常に高まっている。原料の化石供給源から得られる生成物よりも好ましい、天然産物から得られる生成物の使用は、増大しつつある大気中の二酸化炭素濃度を低減し、それによって温室効果の増大に効果的に対抗する実行可能な形態を構成するものとして、次第に広く受け入れられてきている。天然材料から得られる生成物は、技術標準ASTM D6866−06、「放射性炭素及び同位体比質量分析を使用して天然範囲の材料のバイオ系含有物を決定するための標準試験法(Standard Test Methods for Determining the Biobased Content of Natural Range Materials Using Radiocarbon and Isotope Ratio Mass Spectrometry Analysis)」に記載の方法論に従って、それらの再生可能な炭素含有量に関して認証することができる。
【0009】
天然材料から得られる工業製品の中で最も知られている例は、バイオエタノール又はバイオディーゼルなどの天然源の燃料である。市場で既に利用可能な他の代替は、糖又はデンプンから得ることができるポリ(乳酸)及びポリヒドロキシブチラートなどのバイオポリマーである。バイオポリマーは、高成長する潜在性を有することが明白であるが、それらの特性の点で依然として制限されており、高い生成コストを要し、このことがそれらの様々な用途を妨げている。これに関するより詳細な情報は、「生分解性ポリマー(Biodegradable Polymer)」、Gregory M.Bohlmann、CEH Marketing Research Report−2004年、Chemical Economics Handbook−SRI Internationalで得られる。
【0010】
バイオエタノールとして公知の生物学的供給源に由来するエタノールは、サトウキビなどの収穫物に見られる糖の発酵によって、又はトウモロコシなどの収穫物に由来する加水分解デンプンから得られる。発酵によって商業的に生成される他の生成物は、例えば乳酸、n−ブタノール、アセトン、及びポリヒドロキシアルカノアートなどのポリマーである。
【0011】
エタノールの脱水に基づくエチレンの生成は、ほんの少数の産業設備で商業的に利用された、広く知られている方法である。この技術に関するさらなる詳細は、「エタノールからのエチレン(Ethylene from Ethanol)」、Harold W.Scheeline and Ryoji Itoh、PEP Review 79−3−4、1980年1月、SRI Internationalの研究において、米国特許第4,232,179号、同第4,234,752号、同第4,396,789号及び同第4,529,827号の特許文献において、並びに特許出願WO2004/078336において見ることができる。この経路は、未だ大して競争力のあるものではないが、エタノール生成コストの継続的な低下に加えて石油副産物の絶え間ない価格上昇によって、同経路がエチレン生成の競争力のある一代替になる可能性がある。したがって、この技術を使用して、再生可能な炭素供給源から得られるエチレン系ポリマーを、ポリエチレン及びPVCの場合のようにそれらから一体的に、又はポリスチレン若しくはPETの場合のように部分的に生成することが可能になる。
【0012】
この技術の低い競争力の誘因の1つは、エタノールの脱水からのエチレンの生成が、使用される再生可能な農業天然原料によって生成される全炭素からの収率が低いという著しい欠点を示す事実にある。
【0013】
実際、例えばサトウキビの栽培で生成される有機炭素の20%をわずかに下回る量しか、所望の最終生成物であるエチレンに変換されない。サトウキビのバガス及び葉の低い再利用性、サトウキビジュースの非効率的な抽出、発酵中の副産物、特に二酸化炭素の形成が、かかる低収率に寄与する主な要因を構成する。
【0014】
発酵において副産物として発生する二酸化炭素の再利用化は、その高純度及び極度の低コストにもかかわらず、大規模ではあまり行われていない。例えば、炭酸清涼飲料の製造のためのそれらの使用、又はサトウキビジュースの浄化のための前処理におけるそれらの適用において、極少数の場合の商業利用が存するが、アルコール発酵の副産物として得られる大半の二酸化炭素は、大気に放出されるだけである。
【0015】
バガス及び/又は藁の再利用に関して、それらが適用される場合の主な目的は、電力及び水蒸気の熱電併給にある。しかしその使用は、かかる残渣が一部高い価値のある生成物の生成を対象とする場合に、はるかに効果的になり得る。
【0016】
例えば、サトウキビバガス、サトウキビ藁、トウモロコシ藁、小麦藁及び米藁、トウモロコシの穂軸及び木軸などのリグノセルロース農業残渣の再利用を目的とする現在開発中の研究ラインの絶対多数は、発酵される糖のこれらの材料の加水分解による開発にある。これらの材料を含む主な成分は、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンであり、バイオマスの種類の大部分の重量パーセントに関する組成物中のそれらの存在は、それぞれ約45%、35%及び20%である。セルロース及びヘミセルロースの加水分解は、酸性経路又は酵素的経路のいずれかによって実現することができ、グルコース及びキシロースなどの様々な糖を生成するが、その他の成分の中でもリグニンは廃棄される。さらに、キシロースなどの加水分解で得られる糖の幾つかは、エタノールの生成に従来使用されている微生物では発酵しない。酵素的加水分解はさらに、酵素が高価であるために生成コストが高い。酸性加水分解はコストが低いが、その装置内では上質(noble)の材料の使用が必要とされ、リグニンの加水分解から生じ、後の発酵ステップにとって有害なフェノール性化合物を生じるという不都合が伴う。
【0017】
かかるリグノセルロース材料の再利用に未だ大して使用されていない他の1つの代替的利用は、合成ガス(CO及びHの混合物)へのそれらの変換にある。この方法を使用して、任意形態の有機物質の事実上全ての炭素含有量を、一酸化炭素に変換することができる。
【0018】
リグノセルロース材料及び他の種類のバイオマスのガス化技術の開発が、1970年代初頭から急激に増大しながら実施されているという事実にもかかわらず、その大規模な適用は未だ始まったばかりである。この開発を推進する主な目的は、ガスタービン内で直接燃焼することができる高熱量出力を有するガスを得ることであり、これは、水蒸気を生成するためにボイラー内で燃料を燃焼し、その後こうして生成した水蒸気を使用して電力を発生させるよりもはるかに効率的に電力を発生させるものである。
【0019】
通常、合成ガスは、石炭、ナフサ又は天然ガスなどの化石炭素供給源から生成される。しかし、幾つかの再利用可能な生成物は、合成ガスの生成のための炭素供給源として使用することもできる。有用な再生可能な原料の幾つかの例には、木炭、木材、又はサトウキビバガス、米藁又はグリセロールなどの農業残渣が含まれる。灰、油及び他の不純物の除去を伴う合成ガスの精製は、米国特許出願第2004/0220285号に提案されているように、それらを後の液体燃料及び化学製品の製造に使用できるようにするための重要なステップである。
【0020】
現在、バイオマスのガス化のための幾つかの方法が開発中である。これらの方法の幾つかは、事前の熱分解ステップを企図しており、このステップから生じる蒸気は、高温で水蒸気及び制御された量の酸素と反応して、所望の比の一酸化炭素と水素の混合物を生成し、またこの方法を推進するための動力を供給する。
【0021】
他の方法は、ガス化反応器内で、一段階の形態で実施される。全ての方法に共通している1つの特徴は、空気の使用によって望ましくない酸化窒素の形成が促進されるので、酸素の使用が必要になることである。リグノセルロース材料及び他の種類のバイオマスを、一酸化炭素及び水素に変換する方法の例は、ブラジル特許文献PI9813292−0並びに米国特許出願第2004/0180971号、同第2004/0261670号及びWO2005/047436に提示されている。
【0022】
その後、一酸化炭素と水素成分の比は、米国特許文献第6,254,807号に教示のように水又は二酸化炭素を添加することによって、或いは特許出願WO83/04270に記載のように水素を添加することによって調節することができる。
【0023】
様々な種類のバイオマスが共通に保持している1つの特徴は、それらの高い残留水分であり、これがガス化法にとって不都合な要素となる。米国特許第5,695,532号には、バイオマスの湿度が乾燥容器内で必要値に調節される、統合ガス化法が記載されている。
【0024】
バイオマスガス化技術に関するさらなる詳細は、「バイオマスガス化(Biomass Gasification)」、Ronald G.Bray、PEP Report No.258、2005年11月、SRI Consultingの研究から得ることができる。
【0025】
合成ガスを生成するさらなる一手段は、米国特許文献第3,850,588号及び同第4,583,993号に記載のように有機材料を使用して、又は米国特許文献第3,479,149号、同第4,758,249号、同第5,346,679号及び同第5,496,530号に記載のように水素で二酸化炭素を還元することにある。
【0026】
しかし、今までに無数の開発が実現したにもかかわらず、バイオマスから合成ガスを生成するための、又は二酸化炭素の再利用による操業中の商業施設は未だ存在せず、かかる事実の主な理由は、総じて該方法のコストが依然として高いことにある。
【0027】
さらに、従来技術で示された教示には、再生可能な天然原料及び/又はその残渣からのポリプロピレン及びそのコポリマーの生成に関する説明がなされていない。こうして生成されたバイオポリプロピレンは、公知のバイオポリマーの大部分とは反対に、生成コストが低く、限りない種類の適用例に明らかに適した特性を有することが明白である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
先に示したことを考慮すると、本発明の一目的は、少なくとも1つの再生可能な天然原料の残渣から1つ又は複数のオレフィンを生成する方法を提供することである。
【0029】
本発明の別の一目的は、再生可能な農業天然原料の処理法と一体化した、1つ又は複数のオレフィンの生成方法を提供することにある。
【0030】
別の一目的は、高価でなく簡単であり、高いエネルギー及び材料の有効性及び高収率をもたらす統合された方法を提供することにある。
【0031】
別の一目的は、再生可能な天然原料から生成されるプロピレン、並びに任意選択でエチレン及びブチレンを得ることを可能にする統合された方法を提供することにある。
【0032】
別の一目的は、標準ASTM D6866−06に規定される試験法から明白となるように、再生可能な天然原料から生成される、ポリプロピレン及びポリエチレンなどの、プロピレン副産物並びに任意選択でエチレン及びブチレン副産物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0033】
本発明は、好ましくは再生可能な農業天然原料の処理法と統合された、少なくとも1つの再生可能な天然原料の残渣から1つ又は複数のオレフィンを生成する方法を開示する。より具体的には、本発明は、中でも糖、デンプン、紙及びパルプ、エタノール、n−ブタノール、アセトン、乳酸、酪酸、ポリヒドロキシアルカノアート、及び/又はエチレン(加水分解デンプン若しくは糖の発酵から得られるエタノールの脱水によって生じる)の生成プロセスから得られる1つ又は複数の再生可能な天然原料の残渣から、プロピレン並びに任意選択でエチレン及びブチレンを生成する方法、好ましくは統合法に関する。本発明によれば、オレフィン(複数可)は、再生可能な天然原料の残渣に存在するリグノセルロース材料及び/又は他の有機生成物のガス化反応、次いでメタノールの形成、及びその後の中間体であるジメチルエーテルからプロピレンへの直接的又は間接的な変換によって得られ、かかる経路はさらに、副産物としてエチレン及び/又はブチレンを生産することができる。
【0034】
本発明の1つ又は複数のオレフィンの生成に好ましく使用される統合法は簡単であり、有利には、サトウキビ、トウモロコシ又はソルガムなどの、糖及び/又はデンプン及びリグノセルロース材料に富む再生可能な農業天然原料が大量に利用可能な場合に使用することができる。
【0035】
任意選択で、他の再生可能な天然原料を、糖、デンプン、リグノセルロース材料、植物油、動物性脂肪、又は他の材料、中でもビート、マニオク、小麦藁及び米藁、木軸、グリセロールなど、中でもグリセロールを含有するバイオディーゼル生成残渣の供給源として使用することができる。
【0036】
本発明の統合法は、関連する特徴として、使用される経路の材料及びエネルギー流とを統合することが、本明細書で使用する方法間の相乗効果の結果として、より良好なエネルギー及び廃棄物の利用により、同じ量の農業原材料から相当多量の生成物を結果として生成することを明らかにする。
【0037】
本発明の生成法はさらに、再生可能な原料からエチレン及びプロピレンを低コストで生産すると共に、天然源のポリエチレン及びポリプロピレンなどのそれらの誘導体を得ることに特に適しており、これは、本発明の関連の一態様を構成する。
【0038】
本発明の利点及び特徴は、限定する目的ではなく例として与えられる好ましい実施形態の説明、及びそれらに言及される図によってさらに明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】原料としての処理済みサトウキビの使用に基づいた、本発明によるオレフィン産生のための統合法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明の方法は、好ましくは再生可能な農業天然原料の処理法と統合した、少なくとも1つの再生可能な天然原料の残渣からの1つ又は複数のオレフィンの生成にある。
【0041】
より具体的には、本発明は、再生可能な農業天然原料の処理に由来する1つ又は複数の残渣から、プロピレン並びに任意選択でエチレン及びブチレンを生成する方法、好ましくは統合プロセスからなる方法に言及する。
【0042】
少なくとも1つの再生可能な天然原料の残渣を構成するものとして、農作物の処理から生じた残渣、又は都市生活上若しくは産業上の有機残渣、又は漁業、動物育種及び採掘活動から生じるものを理解されたい。但し、それらがガス化でき、糖、デンプン、リグノセルロース成分、油、脂肪又は他の有機材料の中の高含量の1つ又は複数の成分を示すことが条件となる。前記残渣の再利用は、前記原料の処理に使用する方法と任意選択で統合され、その結果再生可能な農業天然原料の処理法で生じた残渣は、その後本発明による1つ又は複数のオレフィンを生成する方法に向けられる。
【0043】
本発明による1つ又は複数のオレフィンの生成法で好ましく使用される再生可能な農業天然原料の残渣は、例えば、サトウキビバガス、サトウキビ藁、トウモロコシ藁、トウモロコシの穂軸及びソルガム藁などのサトウキビ、トウモロコシ又はソルガムから生じる。任意選択で、中でもビート、マニオク、小麦又は米藁、ピーナッツの殻又はココナツの殻、木軸、木片又はおがくず、木炭、ヤシろう[Carnauba]の葉、ババスヤシ[Babacu]の残渣、様々な種類の草、大豆植物の葉及び枝、大豆、ヒマシ油植物及び他の油性植物の油の製造から得られる濾過ケーキなどの植物油の製造過程での残渣、使用済み植物油、動物性脂肪、藻類、再生紙及び板紙、リグニン、及びユーカリ及びパインなどの作物から生じる紙及びパルプ産業の他の残渣、生ごみ、発酵に由来するバイオガス、グリセロール又はグリセロールを含有する残渣、貝殻又は鳥の羽毛などの他の農作物の残渣、都市生活上又は産業上の残渣、並びに漁業、動物育種又は採掘活動から生じる残渣を使用することができる。
【0044】
本発明で有利に使用される再生可能な天然原材料は、サトウキビ、トウモロコシ又はソルガムなど、デンプン及び/又は糖、並びにリグノセルロース材料の両方を同時に豊富に含む農作物から生じる任意の原材料である。
【0045】
農業原材料としてサトウキビを使用する場合、その収穫は数年前まで、その葉を排除することによってサトウキビを手動で切断できるように、ほぼ例外なく田畑上でサトウキビを燃焼した後に行われていた。最近では、サトウキビの収穫は、次第に燃焼せずに機械的に切断することによって行われてきている。この手順は、二酸化炭素排出を排除するだけでなく、その過程で生じる煤煙を回避することによって、収穫過程の環境への影響を低減する。機械的収穫の場合、使用されるサトウキビの12重量%から14重量%の間を構成するサトウキビ植物の葉及び先端部から生じる藁に存する、サトウキビからの新しい炭素供給源が利用可能となる。向こう数年の傾向は、かかる手順が事実上その生成全体を包含するようになるまで、サトウキビの機械的収穫の使用が増大することを示している。
【0046】
機械的収穫が使用される場合、葉から生じる藁の最大50%までの部分は、日光及び雨から土壌を保護し、土壌の水分保持及びその浸食防止に貢献させるために、土壌用の枯草の覆い(dead cover)として使用することができる。
【0047】
機械的に収穫された茎は、梱包される平台ローダー上に載せられ、後処理のために糖及び/又はアルコール製造設備に輸送される。この処理は、粉砕又は拡散過程を含むことができ、水を用いて実施されるサトウキビジュースの抽出を伴ってバガスが生成される。
【0048】
順に、過剰のサトウキビ藁(元の藁の50%以上)も、それが後に処理されることになる場所へと田畑から運搬することができる。藁及びバガスの両方が、高含量のリグノセルロース成分を有する材料である。
【0049】
トウモロコシの収穫は、かなり類似した方法によって実現される。この操作はまた、好ましくは刈取り機を使用して実現され、それによってトウモロコシの穂軸は茎と葉に分離され、穀物の粒を穂軸及び藁から分離することによって脱穀される。デンプンに富むトウモロコシの粒は、事前の加水分解時のアルコール及び/又は他の発酵製品、並びに他のデンプン誘導体の生成に向けられ、したがってリグノセルロース材料に富み、廃棄物として処理される茎、葉、藁及び穂軸などのこの作物の他の構成要素よりもはるかに優れた価値を有する。
【0050】
本明細書で言及されるリグノセルロース成分は、リグニン、ヘミセルロース及びセルロースを含むと理解されたい。リグニンは、フェノールに由来する芳香族要素を含む高度疎水性の架橋高分子である。セルロースは、そのモノマー単位であるグルコースがβ1−4結合によって連結している、非架橋の長鎖(C10の結晶性多糖である。これらの結合は、デンプンのポリマー鎖を構成するグルコース分子間に存在するα1−4結合よりも加水分解しにくい。ヘミセルロースは、非晶構造を有する分岐した短鎖多糖ヘテロポリマーであり、セルロースよりも加水分解しやすい。同じものを構成するモノマーには、グルコースに加えて、キシロース(その主成分)、マンノース、ガラクトース、ラムノース及びアラビノースが含まれる。
【0051】
一般論として、リグノセルロース成分は、通常、生成過程の要件を満たすための水蒸気及び電力の熱電併給に使用される。これらの成分の最終的な過剰分は、商業化のためのさらなるエネルギーを発生するために使用することができ、或いはセラミックの製造又はさらには家畜飼養などのための、他種の産業にエネルギーを供給するために使用することができる。
【0052】
バガスは、サトウキビを原料として使用する方法のための主なエネルギー源である。サトウキビの全重量へのその寄与は、その茎に存在する繊維の形態で約14%に相当する。そのエネルギー容量は、特に過剰のバガスをもたらすエタノール生成の場合には、それらの方法の要求を超えている。高圧高性能ボイラー内でのバガスの燃焼は、徐々に採用されており、それによって多量の過剰バガスの生成が可能となり、生成されるバガスの全量の30%以上に達することがある。さらによりエネルギーの点で有効と思われる一代替手段は、バガスからの合成ガスの産生及びガスタービン内のそれらの直接燃焼にある。この代替手段の採用によって、本発明の統合法で原材料として使用される過剰バガスの可用性がさらに増大する可能性がある。
【0053】
サトウキビの収穫は約6カ月間続くが、過剰バガスは保存することができ、それによってほぼ年中通して、その後原材料としてそれを使用することが可能となる。さらに、製糖所又はアルコール蒸留所からの過剰バガスが、原料として相当多量のリグノセルロース材料を要する設備の消費要件を満たすのに十分ではない場合でも、常に2つ以上の設備からのバガス及び藁を使用して、その必要量を満たすことが可能となり、又は他の作物から生じる残渣を使用することも可能となる。
【0054】
サトウキビの場合、機械的収穫によって除去された葉から生じる藁は、日光及び雨の作用から土壌を保護し、土壌の水分保持及びその浸食防止に貢献させるために、土壌用の枯草の覆いとして使用される。しかし、かかる保護に効果的なレベルをもたらすために必要な量は、機械化収穫過程で生じる藁の量の50%以下に相当する。過剰の量は、エネルギーの熱電併給などの他の使用、又は好ましくは高い価値のある誘導体の生成に向けることができる。
【0055】
本発明による方法の好ましい実施形態の目的の一つは、エネルギー熱電併給におけるリグノセルロース残渣の使用の節約を実現するために、糖/デンプン、エタノール及び任意選択でエチレンの生成経路とオレフィンのガス化及び生成経路とをエネルギー統合することであり、それによってこの第2の経路で原材料として使用される多量の過剰生成物を得ることが可能となり、それによってプロピレンなどのはるかに高い価値のある生成物を得る可能性が最大化される。
【0056】
このエネルギー統合に加えて、好ましくはサトウキビ及びトウモロコシからの糖、デンプン、及びそれらの誘導体の収穫及び生成の過程で生じる過剰の藁及びバガスの1つ又は複数のオレフィンを生成するための再利用は、本発明の統合法の特徴の1つを構成する。
【0057】
サトウキビジュースの抽出後に得られるバガスは、約50重量%の残留含水量を有する。しかしこの値は、ガス化過程で必要とされる値(20重量%以下に相当する)よりも高い。藁の湿度はそれより少なく約25重量%であるが、藁は、好ましくはそれより低い湿度レベルで供給原料として使用されるべきである。本発明の方法で発生する幾らか高い温度流を利用することによって必要な熱を供給して、バガス及び藁の残留水分を、ガス化過程で必要なレベルに低減することができる。
【0058】
粉砕又は拡散過程によって得られたサトウキビジュースは、その精製に適した処理の後、糖及びエタノールなどのその誘導体の生成に向けられる。同時に、トウモロコシの粒を、デンプン及びその誘導体の生成に向けることもでき、デンプンの事前の加水分解時のエタノールの生成に使用することもできる。
【0059】
糖又はデンプンの発酵からエタノールを得る様々な経路が、その目的で使用されるバイオマスの組成に応じて可能である。
【0060】
例えば、トウモロコシ、小麦又はマニオクなどのデンプンに富む原料の場合、この方法は、デンプンの加水分解と共に、グルコースに富む培地の形成、栄養の添加、及びその後適切な微生物を使用する発酵を含む。
【0061】
サトウキビなどの糖含量が高い原料の場合、その発酵は、糖濃度の調節、培地のpHの調節及び栄養添加をして、そのジュースから直接行うことができる。
【0062】
本発明の好ましい一実施形態では、原材料は、糖又はデンプンに富む材料を含み、発酵では、サッカロマイセスセレビシエ酵母が使用され、生成物としてのエタノール及び主な副産物としての二酸化炭素(CO)が得られる。発酵過程では、他の種類の微生物を代わりに使用することもできる。
【0063】
糖及び加水分解デンプンの発酵のための他の生成経路は、乳酸及び酪酸などの有機酸、n−ブタノール及びアセトンなどの溶媒、並びにポリヒドロキシアルカノアートなどのポリマーの生成にある。それらの発酵及び精製経路は従来知られているものであり、本方法の発明の態様とは統合せず、以下の説明では、例示目的でエタノールの精製法のみに言及する。
【0064】
エタノールの生成の場合、発酵ステップから生じた果醪は、次いで水和エタノールの生成のための蒸留過程にかけられる。任意選択で、このエタノールを、無水アルコールの乾燥及び入手のための当技術分野で公知の方法の1つにかけることができる。
【0065】
こうして得られたエタノールは、車両の燃料として使用することができ、或いはアルコールの化学的誘導体の生成を対象にすることができる。かかる誘導体の中でも、化学的アルコールであるエチレンは、本発明の統合法の状況において注目する価値がある。エチレンは、「エタノールからのエチレン(Ethylene from Ethanol)」、Harold W.Scheeline and Ryoji Itoh、PEP Review 79−3−4、1980年1月、SRI Internationalの研究、米国特許第4,232,179号、同第4,234,752号、同第4,396,789号及び同第4,529,827号、並びに特許出願WO2004/078336の特許文献に記載のものなどの公知の方法を使用してエタノールを脱水することによって得ることができる。
【0066】
脱水法が共通に保持している1つの特徴は、その副産物としての水の生成である。水は、次第に乏しくなりつつある天然資産である。幾つかの種類の再生可能な農業原材料の生成に使用される水の可用性は、地球の幾つかの領域、幾つかの地方でも次第に価値が上昇しており、水の使用は、その喪失を回避し、排出流に目下存在する幾らかの量を再利用するように管理されるべきである。
【0067】
さらに、エタノールの脱水及び本発明の方法の他のステップの副産物として得られる水の再利用は、以下に例示するように、本発明の統合法のもう1つの特徴を構成している。
【0068】
本発明による1つ又は複数のオレフィンの生成法で好ましく使用される再生可能な天然原料の残渣は、例えば、サトウキビバガス、サトウキビ藁、トウモロコシ藁、トウモロコシの穂軸及びソルガム藁などのサトウキビ、トウモロコシ又はソルガムから生じる。任意選択で、中でもビート、マニオク、小麦又は米藁、ピーナッツの殻又はココナツの殻、木軸、木片又はおがくず、木炭、ヤシろう[Carnauba]の葉、ババスヤシ[Babacu]の残渣、様々な種類の大豆植物の草、葉及び枝、大豆油、ヒマシ油植物及び他の油性植物の製造から得られる濾過ケーキなどの植物油の製造過程による廃棄物、使用済み植物油、動物性脂肪、藻類、再生紙及び板紙、リグニン、及びユーカリ及びパインなどの作物から生じる紙及びパルプ産業の他の残渣、生ごみ、発酵に由来するバイオガス、グリセロール又はグリセロールを含有する残渣、貝殻又は鳥の羽毛などの他の農作物の残渣、都市生活上又は産業上の残渣、並びに漁業、動物育種又は採掘活動から生じる残渣を使用することができる。
【0069】
これら全ての残渣は、当技術分野で公知のバイオマスガス化法を用いることによって合成ガスを産生することができ、温度、圧力、酸素濃度及び水分の制御条件下で1段階又は2段階の反応を含み、一酸化炭素及び水素の混合物を生成し、所望の組成の合成ガス(CO/H)を形成するために、必要に応じて追加量の水素をそれに添加することができる。
【0070】
存在する合成ガスの生成方法(ガス化)の顕著な利点の1つは、それを非常に広範な原料に適用することができ、灰及び他の不純物を清浄にし、且つそれらを含まない合成ガスを生成できる点である。
【0071】
このガスのもう1つの生成方法は、水蒸気と、リグノセルロース材料、植物油残渣、石炭、ナフサ又は天然ガスなどの農業又は化石由来の様々な材料との反応によって、ガスを直接得ることである。
【0072】
リグノセルロース材料に富む再生可能な天然原料の残渣の場合、その残渣は、無酸素環境下で熱分解によって予め分解することができ、それによってその後ガス化プロセスへと運搬されることになる油性残渣に変換される。熱分解ステップは、ガス化が行われる同じ反応器内に統合することができる。
【0073】
通常、熱分解は、100℃及び700℃の間の温度並びに1×10kPa及び1×10kPaの間の圧力で生じる。ガス化は、通常700〜1,500℃の範囲及び1×10kPa〜2.5×10kPaの圧力の高温及び高圧で生じ、使用される過程に応じて、少量の酸素及び必要ならば蒸気の導入を伴う。植物油及び動物性脂肪並びにバイオガスに富む残渣は、有利にはガス化ステップで直接供給される。
【0074】
その過程に供給される材料の小部分は、プロセスに必要とされるエネルギーを供給するために、完全に燃焼される。本発明による統合法の特徴の1つは、熱分解及びガス化反応器内の充填物を予備加熱するために使用した後に使用される原材料の残留湿度をガス化法に適すると思われるレベル(通常は水分20重量%未満)に低減するために、ガス化反応器を高温で出る流れから利用可能なエネルギーを再利用することにある。熱分解及びガス化に使用される方法は、当技術分野で公知のそれらの方法のいずれもが使用できるため、本発明の文脈では大して重要ではない。
【0075】
合成ガス生成に可能な補完的な一供給源は、ガス化の副産物として得られる、又はアルコールの発酵から生成される二酸化炭素の再利用であり、それらは2つの方式で実施することができる。第1の方式では、二酸化炭素は、好ましくは、中でもアルミノケイ酸塩、酸化鉄、炭酸カリウム、硫化タングステン、鉄、ニッケル、コバルト種の触媒の存在下で、二酸化炭素と水素とを反応させることによって一酸化炭素に還元される。使用される触媒に依存して、二酸化炭素の還元反応は、300℃及び800℃の間の温度並びに1×10kPa及び1×10kPaの間の圧力で生じる。使用される水素は、原油及び天然ガスの処理で副産物として得られる水素、塩素生成の副産物として得られる水素、又は好ましくは水電解反応によって得られる水素などの様々な起源を有することができる。この電解は、高純度の酸素をさらに生成できる利点を示し、ガス化法で使用することができる。電解される水は、理想的には、本方法の反応で副産物として得られる水である。第2の方式では、二酸化炭素の再利用は、550〜1,100℃の範囲の温度並びに4×10kPa及び1.5×10kPaの間の圧力で、アルカリ金属炭酸塩で触媒して、炭素、酸素及び水素を含有する有機材料を用いて二酸化炭素を還元することによって生じる。これらの有機物質の中では、木炭などの農業原材料由来の炭素質材料の使用が注目される。
【0076】
本方法では、合成ガスは、大容量設備内で使用される公知の技術のいずれかを使用して、メタノールの生成に使用される(100万トン/年を超えるメタノール)。
【0077】
こうして得られたメタノールは、米国特許第4,929,780号、EP448000及び米国特許第6,534,692号の特許文献に記載のものなどの公知の技術を使用して、中間体であるジメチルエーテルから直接又は間接的に、プロピレンの形成に使用される。
【0078】
この方法の条件(温度、再利用)及び使用される触媒に応じて、高純度及び高収率でプロピレンを得ることができ、又は副産物としてエチレン及びブチレンを生成することができる。生産されるエチレン及びプロピレンの総量は、該方法に供給された最初のメタノールに対して、60重量%及び90重量%の間の全炭素収率を示す。プロピレン対エチレン比も制御され、ほぼ純粋なプロピレン又は1.5:1までのエチレン:プロピレン比を得ることができる。さらに、これらの2つのモノマーに対して少量のブチレンも得られる。このステップの他の一特徴は、この方法への及び/又は原料及び製品の輸送のためのエネルギーの供給に使用でき、或いはガス化ステップに再利用することもできる、天然ガス、LPG(液化石油ガス)及びガソリンの特徴に類似の特徴を有する追加副産物としての流れが生成されることにある。こうして生成した炭化水素は、対象となる様々な流れの中に蒸留することによって分離される。
【0079】
メタノール及び/又はジメチルエーテルをプロピレンに変換する反応は、段階的に一過程を構成している、連続に配置された1つ又は複数の反応器、蒸留ステップでも分離され、その組成に従ってこれらの段階に戻される様々な再利用流と共にを使用することを含む。メタノール、ジメチルエーテル又はそれらの混合物からのオレフィン形成反応で使用される触媒は、例えば、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩及び鉄ケイ酸塩種のゼオライトを含む。他の適切な種類の触媒は、高度結晶性金属アルミノリン酸塩であり、使用される好ましい金属は、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、クロム及びそれらの混合物であってよい。プロピレンへの高度な転換を得ることを目的とする場合、特許文献EP448000に記載のように、触媒としてアルミノケイ酸塩系ペンタシル型ゼオライトを使用するべきである。メタノール及び/又はジメチルエーテルは、無水状態で反応器に戻すことができ、又は好ましくは希釈剤として、水の重量に対して0.1:1及び2:1の間の比で水を使用することができる。反応温度は、250℃及び800℃の間、好ましくは300℃及び550℃の間で変わり、必要な圧力は、使用される触媒の種類により、10kPa及び100kPaの間で変わり得る。
【0080】
メタノールからのプロピレン及びその副産物(エチレン/ブチレン)の生成の重要な一特徴は、このステップの副産物として水も得られることである。こうして得られた水は、冷却後に相分離によって回収される。エタノールの脱水過程から副産物として得られる水と同様、プロピレン形成反応からの副産物であるこの水は高純度を示し、サトウキビジュースの抽出において発酵用のジュースの濃度を調節するため、又はガス化反応で使用される二酸化炭素及び酸素を低減するのに有用な水素生成のための水電解など、本発明による方法の幾つかのステップで使用することができる。
【0081】
したがって、本発明による方法で副産物として生じる水及び二酸化炭素の再利用は、本発明の統合法のさらなる特徴を構成する。
【0082】
さらに、プロピレン生成経路は、高温で行われる2つのステップを企図しているので(メタノール及び/又はジメチルエーテルからのプロピレン及び他のオレフィンのガス化及び形成)、これらのステップの出力流は、有利には、リグノセルロース材料からのこの経路において、或いはサトウキビ及びトウモロコシの、糖又はデンプン、エタノール及びエチレンなどのそれらの誘導体への処理において既に存在している流れを予熱するために使用することができる。好ましくは、ガス化反応器からの出力流を使用して、プロピレン及び他のオレフィンの形成反応器に供給されたメタノール及び/又はジメチルエーテルの充填物を加熱し、或いは脱水反応器に供給されたエタノール充填物を加熱することができる。さらに、プロピレン及び他のオレフィンを形成するための反応系の最終段階の出力流を使用して、サトウキビのバガス及び藁、又はトウモロコシ植物の葉、茎若しくは穂軸、又は高含水量の他のバイオマスに含まれる水部分を加熱且つ除去し、その湿度値を熱分解過程又はガス化過程に必要とされる濃度に調節することができる。
【0083】
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、別個のステップで副産物として生じる水、二酸化炭素、バガス、トウモロコシの穂軸及び藁などのサトウキビ及び/又はトウモロコシの処理に由来する様々な流れの統合及び再利用、並びに冷却流を加熱するための様々な熱流からの熱回収とのエネルギー統合によって、原料としてのリグノセルロース材料の使用が、オレフィン、特にプロピレン並びに任意選択でエチレン及びブチレンの生成にとって経済的に採算性のあるものとなる。
【0084】
本発明による方法によって生成したプロピレン、エチレン及びブチレンは、それらの公知の誘導体を得るために、好ましくはポリプロピレン及びそのコポリマー並びにポリエチレン及びそのコポリマーを生成するために使用することができ、再生可能な天然源からの原料及び残渣のみを使用する本発明の最も好ましい実施形態が適用される場合、その組成が、ASTM D6866−06標準による試験法で決定して、再生可能な天然源からの炭素を100%含むポリマーが得られる。他の補完的な一代替は、中でも、例えばナフサ、天然ガス、石炭、再生プラスチック及び熱電力発生設備からの燃焼ガスなどの合成ガス生成のための非天然(化石)由来の他の原料を使用することにあり、但しASTM D6866−06標準による試験法で決定して、最終生成物(オレフィン及びそれらの公知の誘導体、並びにポリエチレン及びそのコポリマー、ポリプロピレン及びそのコポリマー、並びにPVCなどのポリマー)が、再生可能な天然源からの炭素を少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%含む。
【実施例】
【0085】
本発明のより良好な理解を提供し、既に実現されている技術的進歩を明白にするために、エチレンを生成するためにサトウキビの処理からメタノールを得、その後こうして生成したエタノールを脱水する方法を考慮して、2つの実施例の結果をここに提示する。比較例1では、エタノールの脱水によるエチレンの生成のみを企図した。実施例1では本発明に従って、前記エチレンの生成に加えて、エタノールの生成法に由来する残渣からのプロピレンの生成を企図した。
【0086】
この説明の理解を容易にするために、両方の実施例の質量平衡は、原料としてのサトウキビ1,000トンの使用に対するものとする。実施例に示されている全てのパーセントは、重量パーセントである。
【0087】
(比較例1)
刈取り機を使用して、発酵可能な糖(ショ糖、グルコース及びフルクトース)13.0%、バガス13.7%並びに葉及び植物の先端部14.0%を含有するサトウキビ1,000トンを収穫した。糖及びバガスの総量を入れた梱を、特定の平台ローダー上に載せ、サトウキビ植物の葉及び先端部の100%を土壌の上に散布して、土壌保護のための枯草の覆いを形成した。梱を蒸留施設に輸送した。
【0088】
梱を蒸留施設で受け取るとそれを調製過程にかけ、それによって小片に刻み、連続に配置された3つのロール粉砕機の6つのセットを含むアセンブリに供給した。糖の抽出を補助するために、逆流水300立方メートルを供給した。粉砕の最後に、含水量49%、灰分5%及び残りの糖0.6%を含有するバガス274トン、並びに発酵可能な糖14.9%を含有するサトウキビジュース826トンを得た。少量の水が蒸発によって喪失した。
【0089】
バガス70%に相当する量を65バールの圧力のボイラー内で燃焼して、サトウキビの粉砕及びエタノールの生成過程に必要とされる電気及び熱エネルギーを供給した。残りの82トンのバガスは、他の産業又は家畜の給餌に使用するために商業化することができた。
【0090】
サトウキビジュースを、従来の濾過法、濾過ケーキの洗浄及びpH調節にかけてすぐに、発酵可能な糖14%を含むジュース880トンを得た。次いで接種したサッカロマイセスセレビシエの存在下、供給バッチ形態でジュースを発酵樽に供給した。発酵の終了時、エタノール7.2%を含む発酵果醪802トンを生成した。蒸留後、発酵果醪は、純度が92.8%の水和エタノール62.2トンをもたらした。発酵過程において、58トンの量の二酸化炭素は、このガスの放出に取り込まれていた水と一緒になって大気に拡散した。
【0091】
次いで、こうして生成したエタノールを、触媒としてγ−アルミナを使用して、それぞれ固定床を有する連続に配置された3つの断熱反応器を含む脱水系に供給した。水和エタノール62.2トンと一緒に、断熱過程に必要とされる蒸気135トンをこの反応器に供給した。脱水反応は吸熱性なので、3つの反応器のそれぞれの入口で470℃の所望の温度を実現するために、水和エタノール及び水蒸気の混合物を、天然ガス燃焼窯内で予熱した。第3の反応器の出力流を、精製及び乾燥過程にかけ、最終的にポリマーグレードのエチレン34.1トンを生成した。脱水反応の副産物(エーテル、エステル、未反応エタノール等)として得られる不純物を除去し処理する際、水154トンを回収した。
【0092】
この過程の最後、エチレンの炭素含有量は、サトウキビに最初に存在する炭素に対して約18重量%に相当するものであった。
【0093】
(実施例1)
実施例1では、エタノールを生成しそれを脱水して、サトウキビからエチレンを生成することを企図し、この生成は、サトウキビの処理から生じる残渣からのプロピレン生成と統合される。本明細書に示されている全てのパーセントは、重量パーセントである。
【0094】
刈取り機を使用して、発酵可能な糖(ショ糖、グルコース及びフルクトース)13.0%、バガス13.7%並びに葉及び植物の先端部14.0%を含有するサトウキビ1,000トンを収穫した。糖及びバガスの総量を入れた梱を、特定の平台ローダー上に載せ、サトウキビ植物の葉及び先端部の50%を補助の平台ローダー上に載せた。サトウキビ藁を構成するサトウキビ植物の葉及び先端部の残りの50%を土壌の上に散布して、土壌の水分保存のための枯草の覆いを形成した。梱及び植物の先端部と一緒にした葉を、蒸留施設に輸送した。
【0095】
梱を蒸留施設で受け取るとそれを調製過程にかけ、それによって小片に刻み、連続に配置された3つのロール粉砕機の6つのセットを含むアセンブリに供給した。糖の抽出を補助するために、逆流水300立方メートルを供給した。この水の一部は、以下に記載のエチレン及びプロピレン法から再利用した。粉砕の最後に、含水量49%、灰分5%及び残りの糖0.6%を含有するバガス274トン、並びに発酵可能な糖14.9%を含有するサトウキビジュース826トンを得た。少量の水が蒸発によって喪失した。
【0096】
合計96トンに相当し、含水量27%及び灰分4%を含むサトウキビ藁を構成する、葉及び先端部の50%部分を蒸留施設に運搬した。
【0097】
バガス70%に相当する量を65バールの圧力のボイラー内で燃焼して、サトウキビの粉砕及びエタノールの生成過程に必要とされる電気及び熱エネルギーを供給した。
【0098】
サトウキビジュースを、従来の濾過法、濾過ケーキの洗浄及びpH調節にかけてすぐに、発酵可能な糖14%を含むジュース880トンを得た。次いで接種したサッカロマイセスセレビシエの存在下、供給バッチ形態でジュースを発酵樽に供給した。発酵の終了時、エタノール7.2%を含む発酵果醪802トンを生成した。蒸留後、発酵果醪は、純度が92.8%の水和エタノール62.2トンをもたらした。発酵過程において、56トンの量の二酸化炭素を、乾燥時に回収した。
【0099】
次いで、こうして生成したエタノールを、触媒としてγ−アルミナを使用して、それぞれ固定床を有する連続に配置された3つの断熱反応器を含む脱水系に供給した。水和エタノール62.2トンと一緒に、断熱過程に必要とされる水蒸気135トンを、この反応器に供給した。脱水反応は吸熱性なので、3つの反応器のそれぞれの入口で470℃の所望の温度を実現するために、プロピレン形成からの副産物として得られたLPGの燃焼に加えて、以下に記載のガス化装置からの出力流に存在する熱を使用して、水和エタノール及び水蒸気の混合物を窯内で予熱した。最終的にこのステップのための追加の熱供給は、天然ガスなどの補完的燃料の燃焼によって提供することができた。第3の反応器からの出力流を、精製及び乾燥過程にかけ、最終的にポリマーグレードのエチレン34.1トンを生成した。脱水反応の副産物(エーテル、エステル、未反応エタノール等)として得られる不純物を除去し処理する際、その過程に再利用すべき水154トンを回収した。
【0100】
過剰のバガス及び藁は、合計178トンに相当し、平均含水量は37%であった。エタノール生成に由来するこれら2種の残渣は、空気によって間接的に加熱された容器内で最初に部分的に乾燥されたが、この熱は、以下に記載のようにメタノールを介するプロピレンの生成反応器からの排出流によってもたらされる。最終的に、エタノールの脱水を介するエチレンの生成反応器からの排出流を使用することができる。
【0101】
残留含水量が約15%のバガス及び藁の混合物を予め乾燥した後、空気なしに150℃に加熱した。次いで、こうして得られた熱分解蒸気を、1,200℃の温度に維持するために必要な少量の酸素と一緒に、ガス化反応器に供給した。先に言及したように、反応器の出口で発生した合成ガスのこの熱流は、脱水反応器に供給されたエタノール及び水蒸気の混合物の一部を予熱するために使用した。ガス化過程で形成された二酸化炭素は、反応器に水素を添加することによって一酸化炭素に還元した。こうして得られた合成ガスを使用して、メタノール93トンを生成した。
【0102】
その後、特許文献EP448000に記載の技術を使用して、メタノールをジメチルエーテルに転換し、触媒を使用する反応器系に供給した。蒸留の際、ガソリン8トン、LPG3トン及び再利用のための水52トンに加えて、ポリマーグレードのプロピレン30トンを回収した。こうして得られたLPGの燃焼をさらに使用してエネルギーを供給し、エタノール脱水反応器の充填物を予熱した。
【0103】
水素との反応を用いて、発酵で得られた二酸化炭素を、還元反応によってさらなる合成ガスに変換することがさらに可能となった。こうして得られた合成ガスは、14トンの追加量のプロピレンを発生することができ、したがってこのオレフィンを合計44トン生成した。
【0104】
この過程の最後に、こうして得られたエチレン及びプロピレンに含まれる炭素は、サトウキビに最初に存在する炭素に対して約42質量%に相当していた。
【0105】
(実施例2)
実施例1で得られたプロピレンのサンプルを、チーグラーナッタ触媒を使用して4リットルの容量の反応器中、70℃及び30バールの圧力で塊状重合した。反応の2時間後、ポリプロピレン310グラムを生成した。
【0106】
こうして得られたポリマーを、ASTM D6866−06標準に規定の試験法に従って、その炭素14含量を決定するために試験した。試験結果は、ポリマーが100%に等しい天然の炭素含量を有していたことを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)再生可能な天然原料の残渣に含まれるリグノセルロース材料及び/又は他の有機成分のガス化反応によって、一酸化炭素及び水素の混合物(合成ガス)を生成するステップ、
(ii)ステップ(i)で発生した合成ガスからメタノールを形成するステップ、並びに
(iii)ステップ(ii)で得られたメタノールを、中間体であるジメチルエーテルから直接又は間接的に1つ又は複数のオレフィンに変換するステップ
を含む、少なくとも1つの再生可能な天然原料の残渣の使用に基づくことを特徴とする、1つ又は複数のオレフィンの生成方法。
【請求項2】
任意選択でステップ(i)より先に、少なくとも1つの再生可能な天然原料の残渣の熱分解過程が酸素なしで行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの再生可能な天然原料の残渣が、農作物からの残渣、都市生活上若しくは産業上の残渣、又は漁業、動物育種又は採掘活動から生じた残渣であり、但しそれらがガス化できることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの再生可能な天然原料の残渣が、糖、デンプン、リグノセルロース成分、油、脂肪又は他の有機材料の中の、高含量の1つ又は複数の成分を有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの再生可能な天然原料の残渣が、サトウキビバガス及び藁、トウモロコシ藁及び穂軸、並びにソルガム藁などのサトウキビ、トウモロコシ又はソルガムから生じることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数のオレフィンが、プロピレン並びに任意選択でエチレン及びブチレンを含むことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(i)のガス化反応が、700℃〜1,500℃の範囲の温度及び1〜25バールの圧力で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記熱分解過程が、100℃及び700℃の間の絶対温度並びに1バール及び10バールの間の絶対圧力で行われることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(iii)の1つ又は複数のオレフィンへのメタノールの変換が、250℃及び800℃の間の温度及び10kPa及び100kPaの間の圧力で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
生成したオレフィンの量が、メタノールに対して65%及び90%の間、又はそれを超える全炭素収率に相当することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(iii)が、追加の副産物としての天然ガス、LPG及びガソリンの特徴と類似した特徴を有する流れを発生することを特徴とする、請求項1又は請求項9に記載の方法。
【請求項12】
再生可能な農業天然原料の処理法と統合されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項13】
再生可能な農業天然原料の処理法で生じた残渣が、ステップ(i)の熱分解過程又はガス化反応を対象とすることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記処理法が、糖又はデンプンの発酵を含み、但し再生可能な農業天然原料に見られるデンプンが、予め加水分解されており、それによってエタノール及び二酸化炭素を生成することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記発酵ステップにおいて、酵母サッカロマイセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が使用されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記発酵ステップから生じた果醪が、エタノール生成のための蒸留過程にかけられることを特徴とする、請求項14又は請求項15に記載の方法。
【請求項17】
エチレンを得るために、前記エタノールが脱水されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記発酵で発生した二酸化炭素が、水素と、又は炭素、酸素及び水素を含有する有機材料と反応することによって一酸化炭素に還元され、補完的な量の合成ガスを発生することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
水素での二酸化炭素の還元が、300℃及び800℃の間の温度並びに1バール及び100バールの間の圧力で行われることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
有機材料での二酸化炭素の還元が、550〜1,100℃の範囲の温度及び4バール及び150バールの間の圧力で行われることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
水素が、水電解反応から生じることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
メタノールからの1つ又は複数のオレフィンの生成、及びエタノールの脱水過程において副産物として生じた水が、発酵用のジュースの濃度を調節するためのサトウキビジュースの抽出に使用でき、或いは二酸化炭素の還元に有用な水素発生のための、及びガス化反応に使用される酸素の発生のための水電解において使用できることを特徴とする、請求項1から21までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記過程で発生した高温の幾つかの流れが、サトウキビバガス及び藁、トウモロコシ植物の葉、茎及び穂軸、並びに高含水量の他のバイオマスの残留湿度をガス化過程に必要なレベルに低減し、或いは脱水反応器に供給される熱分解及びガス化反応器内の充填物、メタノール及び/又はジメチルエーテルの充填物、或いはエタノールの充填物を予熱するために必要な熱を提供することを特徴とする、請求項1から22までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記高温流が、ガス化反応器を出た流れ及びメタノールからのオレフィン形成ステップから出た流れを含むことを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ASTM D6866−06標準に従う試験法によって決定して、再生可能な天然源からの炭素を少なくとも50%含むことを特徴とする、請求項1から24までのいずれか一項に記載の方法によって生成されるオレフィン。
【請求項26】
ASTM D6866−06標準に従う試験法によって決定して、再生可能な天然源からの炭素を少なくとも80%含むことを特徴とする、請求項25に記載のオレフィン。
【請求項27】
ナフサ、天然ガス、石炭、再生プラスチック及び熱電力発生設備からの燃焼ガスなどの、非天然(化石)由来の原材料の供給源を使用することを特徴とする、請求項25又は請求項26に記載のオレフィン。
【請求項28】
ASTM D6866−06標準に従う試験法によって決定して、再生可能な天然源からの炭素を100%含むことを特徴とする、請求項26に記載のオレフィン。
【請求項29】
請求項25から28までのいずれか一項に定義のオレフィンに由来することを特徴とするポリマー。

【図1】
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【公表番号】特表2010−511634(P2010−511634A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539573(P2009−539573)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【国際出願番号】PCT/BR2007/000328
【国際公開番号】WO2008/067627
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(508016114)ブラスケム エス.エイ. (1)
【Fターム(参考)】