説明

1型および2型サイトカイン産生における不均衡を調節するためのベータ−ヒドロキシ−ベータ−メチルブチラートの使用

1型サイトカインおよび2型サイトカインの産生における不均衡により特徴づけられる状態を有する個体の治療方法であって、1型サイトカイン対2型サイトカインの比を調節し又は増加させる(例えば、2型サイトカインレベルの対応増加を伴うことなく1型サイトカイン対2型サイトカインの比を増加させる)のに有効な量のβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラート(HMB)を該個体に投与することを含む治療方法を開示する。喘息、アレルギーおよび癌を治療するためのHMBの使用方法も開示する。本発明の方法は、HMBが、最も典型的には2型サイトカインの対応増加を伴うことなく1型サイトカインを増加させることにより、サイトカイン産生を調節する、という知見に基づくものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイトカイン産生を調節するためにβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラート(HMB)で個体を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業化社会におけるアレルギーおよび喘息は、近年、罹患率および重症度において増加している。実際、喘息は現在、小児において最もよく見られる慢性疾患である。
【0003】
アレルギーおよび喘息の病因に関しては多くのことが公知である。どちらも、免疫に基づく疾患である。どちらも、体内の1型サイトカインおよび2型サイトカインの相対レベルの不均衡に関連している。アレルギーまたは喘息を有する個体は、2型サイトカイン対1型サイトカインの、より高い比を有することが認められている。そして、この偏向した比がアレルギーおよび喘息の発病に関与していると考えられている。
【0004】
一般に、サイトカインは、傍分泌または自己分泌の様態で細胞機能に影響を及ぼす、細胞により産生される調節タンパク質である。それらは免疫細胞により産生され、したがって、それらの誘導可能な機能および応答に関与する細胞型により分類される。
【0005】
例えば、1型サイトカインは主として、病原体に対する細胞性免疫応答を惹起または増強する。1型サイトカインは炎症応答、ウイルス免疫、細胞内寄生生物免疫および同種移植片拒絶に関与する。1型サイトカインには、インターロイキン2(IL−2)、インターロイキン12(IL−12)およびインターフェロンγ(IFNγ)が含まれる。1型サイトカインは2型サイトカインの産生を抑制しうる。
【0006】
一方、2型サイトカインは主として、抗体依存性免疫応答を惹起または増強する。2型サイトカインは体液性応答、蠕虫免疫およびアレルギー応答に関与する。2型サイトカインには、インターロイキン4(IL−4)、インターロイキン5(IL−5)、インターロイキン10(IL−10)およびインターロイキン13(IL−13)が含まれる。2型サイトカインは1型サイトカインの産生を抑制しうる。
【0007】
アレルギーおよび喘息におけるサイトカイン不均衡の関連性を仮定すれば、1型サイトカインレベル対2型サイトカインレベルの比の正常化に向けた療法はそのような疾患を治療し又は更には予防するのを助けると考えられる。その目的において、β−ヒドロキシ−β−メチルブチラート(HMB)の曝露(インビトロ)が、刺激された末梢血単核細胞(PBMC)において、1型サイトカイン対2型サイトカインの相対比を増加させて、アレルギーおよび喘息またはそれらの発生のリスクを有する個体を治療するための潜在的な新規療法となることが、ここに見出された。
【0008】
商業的に入手可能な成分として、HMBは種々の栄養製品中に見出される。それは、必須アミノ酸であるロイシンの代謝産物でもあり、したがって、人体中に天然で見出される。HMBは、柑橘類果実およびアルファルファを含む種々の植物ならびにナマズ目魚類においても見出される。それは、適当な個体における筋肉塊を構築または維持すること及び全体的な免疫機能を増強することを含む種々の目的で公知であり使用されている。
【0009】
しかし、現在のところ、1型および2型サイトカイン産生の調節におけるHMBの効果に関する報告も、サイトカインの不均衡に影響を及ぼすための、それに応答性の状態(アレルギーおよび喘息を含む)の治療におけるHMBの使用の開示もなされていない。
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
本発明の方法は、対応するサイトカインの不均衡により特徴づけられる状態に罹患している個体の体内の1型サイトカインレベル対2型サイトカインレベルの調節により、根底にある状態の治療をもたらすことに関する。そのような状態のなかで最も注目すべきものとして、アレルギーおよび喘息が挙げられる。
【0011】
本発明の第1の実施形態は、体内の1型サイトカインレベル対2型サイトカインレベルの相対的不均衡により特徴づけられる状態を有する個体の治療方法であって、β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの有効量を該個体に投与して、典型的には1型サイトカイン対2型サイトカインの相対レベルまたは産生を増加させることにより該不均衡を調節することを含んでなる治療方法である。本発明は、該状態が喘息、アレルギーまたはそれらの両方である実施形態を含む。
【0012】
本発明の第2の実施形態は、アレルギーまたはその発生のリスクを有する個体の治療方法であって、β−ヒドロキシ−β−メチルブチラート(HMB)の有効量を該個体に投与することを含んでなる治療方法である。
【0013】
本発明の第3の実施形態は、喘息またはその発生のリスクを有する個体の治療方法であって、β−ヒドロキシ−β−メチルブチラート(HMB)の有効量を該個体に投与することを含んでなる治療方法である。
【0014】
本発明の第4の実施形態は、加齢関連感染症の発生のリスクを有する高齢者の治療方法であって、β−ヒドロキシ−β−メチルブチラート(HMB)の有効量をそのような個体に投与することを含んでなる治療方法である。
【0015】
本発明は、T細胞刺激因子CD3/CD28で刺激され同時にHMBに曝露された末梢単核細胞(PBMC)が、1型サイトカインの産生が優勢になる、1型サイトカインおよび2型サイトカインの産生における変化を示す、という知見に基づくものである。該変化は、インターロイキン4(IL−4)、インターロイキン5(IL−5)、インターロイキン10(IL−10)およびインターロイキン13(IL−13)のような2型サイトカインの産生における対応増加を伴うことなくインターフェロンγ(IFNγ)、インターロイキン12(IL−12)およびインターロイキン2(IL−2)のような1型サイトカインの産生をHMBの曝露が増加させることにより生じる。
【0016】
詳細な説明
本発明の方法は、β−ヒドロキシ−β−メチルブチラート(HMB)の有効量を、それを要する個体に、本明細書に記載されている様態および目的で投与することを含む。本発明の方法のこれらの及び他の必須または随意的な要素または特徴を以下に詳細に説明する。
【0017】
本明細書中で用いる「治療する」および「治療」なる語は、特に示さない限り、状態を予防すること、状態の開始を遅らせること、状態の症状の重症度を軽減すること、または状態の症状の一部または全部を除去することを含む。
【0018】
本明細書中で用いる「改善」なる語は、特に示さない限り、状態に関連した症状の罹患または重症性を除去し、遅らせ又は軽減することを意味する。
【0019】
本明細書中で用いる「状態」なる語は、特に示さない限り、病的状態および非病的状態を含み、これらはすべて、1型サイトカイン対2型サイトカインの相対量における異常または不均衡により特徴づけられる。
【0020】
本明細書中で用いる「高齢者個体」なる語は、特に示さない限り、60歳を超える、好ましくは、70歳を超える者を意味する。
【0021】
本明細書中で用いる「調節」なる語は、特に示さない限り、体内の1型サイトカインレベル対2型サイトカインレベルの不均衡(すなわち、状態に関連した不均衡)を軽減すること、または1型サイトカイン対2型サイトカインの比を増加させること、例えば、2型サイトカインレベルの対応増加を伴うことなく1型サイトカインレベルを増加させることを意味する。
【0022】
本明細書中で用いる全てのパーセント、部および比は、特に示さない限り、全組成物の重量に対するものである。挙げられている成分に関する全てのそのような重量は活性レベルに基づくものであり、したがって、特に示さない限り、商業的に入手可能な材料中に含まれうる溶媒または副産物を含まない。
【0023】
本明細書中で用いる全ての数的範囲は、特に示さない限り、「約」なる語が明示的に先行しているかどうかにかかわらず、その語が先行していると意図され、そのように理解される。
【0024】
単数形で示された本発明の特徴または限定に対する全ての言及は、特に示さない限り、あるいは言及がなされている文脈に明らかに矛盾しない限り、対応する複数形で示される特徴または限定を含むものとし、その逆も成立するものとする。
【0025】
本明細書中で用いる方法またはプロセス工程の全ての組合せは、特に示さない限り、あるいは言及がなされている文脈に明らかに矛盾しない限り、任意の順序で行われうる。
【0026】
本発明の方法は、本明細書に記載のいずれかの随意的な又は選択される必須の特徴を実質的に含有しないことも可能である。ただし、この場合、残された方法が尚も、本明細書に記載の要求される限定の全てを含有していなければならない。
【0027】
実施形態
つぎに、本発明の第1の実施形態について説明する。本発明の第1の実施形態に含まれる状態には、アレルギー、喘息、充実性腫瘍、癌、例えば進行性卵巣癌およびメラノーマ、腎臓腫瘍、ならびにストレス、例えば熱傷後の心理的ストレス、外科的ストレスおよび手術前ストレスが含まれる。該方法は特に、アレルギー、喘息およびそれらの両方を治療するのに有用である。
【0028】
アレルギーおよび喘息に関しては、2型サイトカインであるIL−4のレベルの増加はアレルギーおよび喘息の促進または悪化に関連づけられている。したがって、2型サイトカインレベルの対応増加を伴うことなく1型サイトカインレベルを調節し又は増加させるのに有効な量のHMBを個体に投与することを含む、そのような状態を有する個体の治療方法に関する本発明の第1の実施形態は、アレルギーおよび喘息の症状に罹患している個体を治療しうる。なぜなら、1型サイトカインの増加は、1型サイトカイン対2型サイトカインのプロファイルの均衡化を促すように働くからである。
【0029】
進行性卵巣癌を含む癌に関しては、1型サイトカインであるIFN−γの腹腔内への直接注射は進行性卵巣癌の女性の生存時間を延長させうることを、幾つかの研究は示している。この治療は、化学療法が失敗に終わった個体に対して、初期化学療法中および化学療法後の両方において有効であることが示されている。したがって、2型サイトカインレベルの対応増加を伴うことなく1型サイトカインレベルを調節し又は増加させるのに有効な量のHMBを個体に投与することを含む、そのような状態を有する個体の治療方法に関する本発明の第1の実施形態は、進行性卵巣癌を含む癌を有する個体の治療を促進する。なぜなら、該方法は、IFNγを含む1型サイトカインのレベルを増加させるからである。
【0030】
腎臓腫瘍およびメラノーマに関しては、皮下注射として投与されたインターロイキン2は幾つかの腎臓腫瘍およびメラノーマを治療しうることを、幾つかの研究は示している。IL−2は、癌の治療薬として使用された場合に、身体の自然防御メカニズムを増強し、免疫細胞による幾つかの癌細胞の認識および排除をもたらすと考えられている。したがって、2型サイトカインの増加を伴うことなく1型サイトカインレベルを調節し又は増加させるのに有効な量のHMBを個体に投与することを含む、そのような状態を有する個体の治療方法に関する本発明の第1の実施形態は、腎臓腫瘍またはメラノーマを有する個体の治療を増強する。なぜなら、本発明者らは、本発明の第1の実施形態の方法が、IL−2を含む1型サイトカインのレベルを増加させうることを見出しているからである。
【0031】
熱傷後の心理的ストレス、外科的ストレスおよび手術前ストレスに関しては、ストレスは2型サイトカインの産生を増加させ、1型サイトカインの産生を抑制することを、幾つかの研究は示している。2型サイトカインの産生によるストレスおよび或る期間のストレスに伴う1型サイトカインの抑制を個体が経験すると、免疫系が損なわれる。したがって、2型サイトカインの増加を伴うことなく1型サイトカインレベルを調節し又は増加させるのに有効な量のHMBを個体に投与することを含む、そのような状態を有する個体の治療方法に関する本発明の第1の実施形態は、熱傷後のストレス、外科的ストレスおよび手術前ストレスを有する個体を治療しうる。なぜなら、2型サイトカインレベルの増加を伴うことなく1型サイトカインレベルを増加させるのに有効な量のHMBを個体に投与することは、ストレスに伴うサイトカインの不均衡に対処するからである。1型サイトカインの増加は該個体における1型サイトカイン対2型サイトカインのプロファイルの均衡化を促す。
【0032】
本発明の第1の実施形態に含まれる1型サイトカインには、インターフェロンγ、インターロイキン2およびインターロイキン12が含まれる。本発明の第1の実施形態に含まれる2型サイトカインには、インターロイキン4、インターロイキン5、インターロイキン10およびインターロイキン13が含まれる。
【0033】
IFNγの防御機能の幾つかには、ウイルス複製の抑制、マクロファージの刺激、および免疫応答における自己認識に必要な細胞表面分子の増強が含まれる。また、感染および疾患に対する防御には、適度なレベルのIFNγが要求される。また、IFNγは、2型サイトカインであるIL−4の幾つかの作用に拮抗し、IL−4産生細胞の増殖を抑制する。したがって、IFNγの産生を誘導しうることは、例えば前記のような状態を有する個体の治療に役立つ。本発明者らは、HMBが、2型サイトカインの産生に影響を及ぼすことなくIFNγの産生を誘導しうることを見出した。したがって、本発明の方法は、本明細書に記載されているタイプの状態の治療に有効である。
【0034】
IL−2の防御機能の幾つかには、全てのT細胞の増殖、B細胞の活性化およびナチュラルキラー細胞の誘導、ならびにT細胞およびナチュラルキラー細胞からの殺腫瘍性サイトカインの誘導による腫瘍細胞の殺傷の増強が含まれる。また、感染および疾患に対する防御には、適度なレベルのIL−2が要求される。したがって、IL−2の産生を誘導しうることは、例えば前記のような状態を有する個体の治療に役立つ。本発明者らは、HMBの投与が、2型サイトカインレベルの増加を伴うことなくIL−2の産生を誘導することを見出した。したがって、本発明の方法は、本明細書に記載されているタイプの状態の治療に有効である。
【0035】
感染および疾患に対する防御には、2型サイトカインである適度なレベルのIL−4が要求されるが、IL−4のレベルの増加はアレルギー、喘息およびストレスの促進に関連づけられている。したがって、本明細書に記載されている状態を有する個体が治療されうることは、IFNγおよびIL−2のような1型サイトカインの産生が誘導されうること、および2型サイトカイン、特にIL−4の産生が同時に増強され得ないことの両方に基づく。なぜなら、IL−4のレベルの増加はアレルギー、喘息およびストレスを促進することが公知だからである。本発明の第1の実施形態は、HMBの投与が、IL−4レベルの対応増加を伴うことなくIL−2およびIFNγの産生を誘導する、そのような状態を有する個体の治療方法に関する。
【0036】
本発明の第1の実施形態のもう1つの態様は、1型サイトカインおよび2型サイトカインにおける不均衡により特徴づけられる状態を有する個体の治療方法であって、2型サイトカインレベルの対応増加を伴うことなく1型サイトカインレベルを調節し又は増加させるのに有効な量のHMBを該個体に投与することを含んでなり、投与するHMBの量が、アレルギー症状を改善するのに有効な量である、治療方法に関する。2型サイトカインであるIL−4のレベルの増加はアレルギーの促進に関連している。しかし、IFNγのような1型サイトカインはIL−4の幾つかの作用に拮抗し、IL−4産生細胞の増殖を抑制する。したがって、本発明の方法は、個体に投与するHMBの量が、1型サイトカイン対2型サイトカインのプロファイルの均衡化を促すための有効な量である場合に、アレルギーの症状を改善しうる。
【0037】
同様に、本発明は、1型サイトカインおよび2型サイトカインにおける不均衡により特徴づけられる状態を有する個体の治療方法であって、2型サイトカインレベルの対応増加を伴うことなく1型サイトカインレベルを調節し又は増加させるのに有効な量のHMBを該個体に投与することを含んでなり、投与するHMBの量が、喘息症状を改善するのに有効な量である、治療方法に関する。2型サイトカインであるIL−4のレベルの増加は喘息の促進に関連している。しかし、IFNγのような1型サイトカインはIL−4の幾つかの作用に拮抗し、IL−4産生細胞の増殖を抑制する。したがって、本発明の方法は、個体に投与するHMBの量が、1型サイトカイン対2型サイトカインのプロファイルの均衡化を促すための有効な量である場合に、喘息の症状を改善しうる。
【0038】
本発明の第1の実施形態の更にもう1つの態様は、1型サイトカインおよび2型サイトカインにおける不均衡により特徴づけられる状態を有する個体の治療方法であって、2型サイトカインレベルの対応増加を伴うことなく1型サイトカインレベルを調節し又は増加させるのに有効な量のHMBを該個体に投与することを含んでなり、投与するHMBの量が、FEV、すなわち、一秒率の減少を予防するのに有効な量である、治療方法に関する。重度で持続的な喘息に罹患している個体は、低いFEVパーセント値を示し、一方、軽度および中等度の喘息に罹患しているに過ぎない個体は、より高いパーセント値を示す。したがって、1型サイトカイン対2型サイトカインのプロファイルの不均衡に関連した喘息の促進を軽減するために、2型サイトカインの産生を誘導することなく1型サイトカインの産生を誘導するのに有効な量のHMBを投与する場合、本発明の方法はFEVの減少を予防しうる。
【0039】
喘息の軽度および中等度の症状を示しているに過ぎない個体は、80%以上のFEV値を示す。したがって、本発明の第1の実施形態のもう1つの態様は、サイトカイン産生が誘導された状態を有する個体の治療方法であって、2型サイトカインレベルの対応増加を伴うことなく1型サイトカインレベルを増加させるのに有効な量のHMBを該個体に投与することを含んでなり、投与するHMBの量が、80%を超える基礎FEVを維持するのに有効な量である治療方法に関する。本発明の第1の実施形態の方法により、喘息に関連した1型サイトカイン対2型サイトカインのプロファイルの不均衡を改変する場合、該方法は、80%を超える基礎FEVを維持しうる。
【0040】
つぎに、本発明の第2の実施形態に移る。本発明は、アレルギーまたはその発生のリスクを有する個体におけるアレルギーの治療方法であって、アレルギーの症状を予防または改善するのに有効な量のβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラートを該個体に投与することを含んでなる治療方法を含む。アレルギーのリスクを有する個体には、アレルギーに既に罹患している個体、および遺伝的その他によりアレルギーの素因を有する個体が含まれる。
【0041】
本明細書中で用いる「アレルギー」なる語には、花粉症、食物アレルギー、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、吸入因子(風媒性アレルゲン)アレルギーおよび他の一般的なアレルギーが含まれる。そのようなアレルギーは、しばしば、アレルゲン、例えば動物の鱗せつ、花粉、昆虫の刺咬、ハウスダスト、ハウスダストダニ、カビ、幾つかの薬物、ならびに食物、特に魚類、卵、ミルクおよびナットに対する曝露に関連している。
【0042】
つぎに、本発明の第3の実施形態に移る。本発明は、喘息またはそのリスクを有する個体における喘息の治療方法であって、喘息症状を予防または改善するのに有効な量のβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラートを該個体に投与することを含んでなる治療方法を含む。喘息のリスクを有する個体には、喘息に既に罹患している個体、および遺伝的その他により喘息の素因を有する個体が含まれる。
【0043】
つぎに、本発明の第4の実施形態に移る。本発明は、加齢関連感染症(呼吸性および非呼吸性の細菌感染症およびウイルス感染症の両方を含む)の発生のリスクを有する高齢個体の治療方法であって、そのような感染症のリスクまたは罹患を軽減するのに有効な量のβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラートをそのような個体に投与することを含んでなる治療方法を含む。
【0044】
本明細書に記載されている方法のためのHMBの有効量は、最も典型的には、1日当たりHMB0.1g〜10g、例えば、0.5g〜5.0g、また、1.0g〜3.5gの範囲である。合計1日量は、1回量、分割量または連続的(または半連続的)用量(例えば、経腸供給)で、毎日または選択された断続的な日に投与されうる。
【0045】
本発明の方法は、好ましくは、経口投与に関する。
【0046】
製品形態
本発明の方法は、すべて本明細書の方法に従って、標的集団または選択された個体へのHMBの有効量の安全な投与に適した任意の製品形態に関するものでありうる。そのような製品には、医薬剤形(例えば、カプセル剤、錠剤、液剤、局所剤など)および栄養製品が含まれる。
【0047】
本発明における使用のための栄養製品は更に、脂肪、タンパク質、炭水化物、ミネラルおよびビタミンの1以上(好ましくは全て)を含む。そのような製品には、固体、液体、粉末およびゲルが含まれる。
【0048】
本発明における使用に適した固体栄養製品形態の非限定的な具体例には、スナックおよび食事代替製品、例えば、棒状物(バー)、棒(ステッィク)、クッキー、またはパン、またはケーキ、または他の焼かれた品物、冷凍液、キャンディー、朝食シリアル、粉末または顆粒化固体、または他の粒状物、スナックの小片または一切れなどとして製剤化されたものが含まれる。
【0049】
本明細書液体栄養製品形態の非限定的な具体例には、スナックおよび食事代替製品、例えば、ジュースまたは他の酸性化飲料、ミルクまたはダイズに基づく飲料、シェイク、コーヒー、茶、炭酸飲料、経腸供給組成物などとして製剤化されたものが含まれる。これらの液体組成物は、最も典型的には、懸濁液またはエマルションの形態で製剤化されるが、溶液、液体ゲルなどのような任意の他の適当な形態としても製剤化されうる。
【0050】
タンパク質、脂質および炭水化物の多種多様な起源およびタイプが公知であり、本明細書に記載されている種々の栄養製品において使用されうる。ただし、選択される栄養素は経口投与の場合に安全かつ有効であり、必須成分および他の添加成分に適合しうるものでなければならない。
【0051】
該栄養製品における使用に適した炭水化物は単純体、複合体またはそれらの変形体もしくは組合せ体でありうる。適当な炭水化物の非限定的な具体例には、加水分解または修飾されたデンプンまたはコーンスターチ、マルトデキストリン、グルコース重合体、スクロース、コーンシロップ、コーンシロップ固体、コメ由来炭水化物、グルコース、フルクトース、ラクトース、高フルクトースコーンシロップ、消化不能なオリゴ糖(例えば、フルクトオリゴ糖)、ハチミツ、糖アルコール(例えば、マンニトール、エリトリトール、ソルビトール)およびそれらの組合せが含まれる。
【0052】
本発明における使用に適した炭水化物には、可溶性食用繊維も含まれ、その非限定的な具体例には、アラビアガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グアーガム、シトラスペクチン、低および高メトキシペクチン、エンバクおよびオオムギグルカン、カラゲナン、アメリカオオバコおよびそれらの組合せが含まれる。可溶性食用繊維は本発明における炭水化物源としても適しており、その非限定的な具体例には、エンバク外皮繊維、エンドウ外皮繊維、ダイズ子葉繊維、テンサイ繊維、セルロース、トウモロコシフスマおよびそれらの組合せが含まれる。
【0053】
該栄養製品における使用に適したタンパク質には、加水分解、部分加水分解または非加水分解タンパク質またはタンパク質源が含まれ、これらは、任意の公知の又は適当なタンパク質源、例えばミルク(乳)(例えば、カゼイン、ホエー)、動物(例えば、肉、魚)、穀類(例えば、コメ、トウモロコシ)、野菜(例えば、ダイズ)またはそれらの組合せに由来しうる。本発明における使用に適したタンパク質には、栄養製品において使用されることが公知の遊離アミノ酸も含まれ、あるいは全体的または部分的にそれらにより置換されることが可能であり、該遊離アミノ酸の非限定的な具体例には、トリプトファン、グルタミン、チロシン、メチオニン、システイン、アルギニンおよびそれらの組合せが含まれる。
【0054】
該栄養製品における使用に適した脂肪には、ヤシ油、分画ヤシ油、ダイズ油、トウモロコシ油、オリーブ油、サフラワー油、高オレイン酸サフラワー油、MCT油(中鎖トリグリセリド)、ヒマワリ油、高オレイン酸ヒマワリ油、パーム油およびパーム核油、オパームオレイン、カノラ油、水産油脂、綿実油およびそれらの組合せが含まれる。
【0055】
本発明の栄養組成物中の炭水化物、タンパク質および炭水化物の濃度または量は、個々の製品形態ならびに種々の他の製剤および意図される食事の必要性によって相当異なりうる。これらの多量栄養素は、最も典型的には、以下の表に示すカロリー範囲(実施形態A、BまたはC)のいずれかで製剤化される。
【0056】
【表1】

【0057】
本発明において使用する栄養組成物は更に、該製品の物理的、化学的、美的もしくは加工特性を修飾し又は標的集団において使用された場合に医薬もしくは追加的な栄養成分として機能しうる他の随意的成分を含みうる。多数のそのような随意的成分は公知であるか、または医療用食品または他の栄養製品もしくは医薬剤形における使用に適しており、本発明における組成物においても使用されうる。ただし、そのような随意的成分は経口投与の場合に安全であり、選択された製品形態における必須成分および他の成分に適合しうるものでなければならない。
【0058】
そのような随意的成分の非限定的な具体例には、保存剤、抗酸化剤、乳化剤、バッファー、追加的な医薬活性物、本明細書に記載の追加的な栄養素、人工甘味料を含む甘味料(例えば、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース)、着色剤、香料、増粘剤および安定剤、乳化剤、滑沢剤などが含まれる。
【0059】
本発明において使用する栄養組成物は更に、種々の他のビタミンまたは関連栄養素のいずれかを含みうる。それらの非限定的な具体例には、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ビタミンB12、カロテノイド(例えば、ベータ−カロテン、ゼアキサンチン、ルテイン、リコペン)、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、コリン、イノシトール、それらの塩および誘導体ならびにそれらの組合せが含まれる。
【0060】
本発明において使用する栄養組成物は更に、種々の他の追加的なミネラルのいずれかを含みうる。それらの非限定的な具体例には、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、ナトリウム、カリウム、モリブデン、クロム、クロリドおよびそれらの組合せが含まれる。
【0061】
実験
HMB曝露とサイトカイン産生との間の関係を確認するために、以下の実験を行う。
【0062】
サイトカインの産生を誘導するために、10人の健常ドナーの末梢血から単離したPBMCをT細胞刺激因子CD3/CD28で24時間刺激する。Bio‐plex Cytokaine Assay(バイオプレックス・サイトカイン・アッセイ)を使用して、サイトカイン産生を分析する。Bio‐Plex技術は、抗体−抗原相互作用に基づくものであり、関心のあるサイトカインに対する抗体に結合した蛍光標識ビーズが標的サイトカインを該ビーズに結合させる。ついで、このビーズ‐サイトカイン複合体をビオチン化検出抗体およびストレプトアビジン‐PE(フィコエリトリン)レポーター分子にさらす。該レポーター分子からのシグナルは、存在するサイトカインの量に正比例して、サイトカインの定量を可能にする。
【0063】
該実験において定量されたT細胞由来サイトカインのそれぞれを以下の表に記載する。
【0064】
【表2】

【0065】
HMBの非存在下の培養との対比においてHMBの存在下の培養からの広範囲の1型および2型サイトカインを評価するt検定(対標本、両側)を行う。
【0066】
ついで、以下の1型サイトカインの産生における有意な用量応答増加を観察する:IL−2(5mMおよび10mM HMB)、IL−12(5mMおよび10mM HMB)およびIFNγ(5mMおよび10mM HMB)。その結果を図1に要約する。
【0067】
2型サイトカインの産生に関しては、HMBへの10mM曝露の後のIL−10の産生における有意な減少が見られ(図2を参照されたい)、一方、HMBはGC−CSF、TNFα、IL−4、IL−5およびIL−13には有意な影響を及ぼさない。これらの結果を図1および図3に要約する。
【0068】
1型サイトカイン産生が優勢になる、サイトカイン産生における変化を図3、4および5に要約する。5mMおよび10mMのHMB濃度において、IL−4およびIL−10産生との対比におけるIL−2産生の増加が示されており、一方、1mM、5mMおよび10mMのHMB濃度において、IL−5およびIL−13産生との対比におけるIL−2産生の増加が示されている(図3)。5mMおよび10mMのHMB濃度において、IL−4、IL−5、IL−13およびIL−10との対比におけるIL−12産生の増加が示されている(図4)。10mMのHMB濃度において、IL−4およびIL−10との対比におけるIFNγ産生の増加が示されており、一方、5mMおよび10mMのHMB濃度において、IL−5との対比における増加が示されている(図5)。
【0069】
該データは、HMB曝露が1型サイトカイン産生(IL−2、IL−12、IFNγ)を増加させ、一方、ある2型サイトカイン(IL−10)の産生を減少させ、他の2型サイトカイン(GC−CSF、TNFγ、IL−4、IL−5、IL−3)の産生には有意な影響を及ぼさないことを示している。したがって、正味の結果は、1型サイトカイン産生が優勢になる、1型および2型サイトカイン産生における変化である。
【実施例】
【0070】
実施例
以下の実施例は、本発明における使用に適した幾つかの栄養製品形態および他の製品形態を含む本発明の方法の具体的な実施形態を例示する。これらの実施例は専ら例示目的で記載されており、本発明を限定すると解釈されるべきではなく、本発明の精神および範囲から逸脱することなくその多数の変法が可能である。
【0071】
以下に記載する栄養組成物は、本発明の方法における使用に適した栄養製品の代表例である。それぞれは栄養エマルションの通常の製造方法により製造可能であり、それらの幾つかの例は米国特許公開20050215640A1(その記載を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。
【0072】
【表3】

【0073】
【表4】

【0074】
【表5】

【0075】
【表6】

【0076】
【表7】

【0077】
【表8】

【0078】
実施例I
春に季節性アレルギーに罹患する28歳の個体に0.25〜1gのHMB(栄養液#5)を週1回、1年間投与する。翌春、季節性アレルギーの症状は軽減する。
【0079】
実施例II
1年に通常4回の喘息の増悪を示す30歳の白人男性に1〜10gのHMB(栄養液#5)を週4回、1年間投与する。増悪頻度は年1回に減少する。
【0080】
実施例III
卵巣癌に対する化学療法を受けている45歳の女性に2〜10gのHMB(栄養液#1)を週4回、1年間投与する。1年後、卵巣癌は再発していない。
【0081】
実施の例IV
腎臓腫瘍と診断されそれに対して治療されている50歳の男性に750mgのHMB(カプセル剤)を週4回、1年間投与する。6ヵ月後、該腫瘍は該個体の他の身体部分に広がっていない。
【0082】
実施例V
メラノーマと診断されそれに対して治療されている42歳の女性に1gのHMB(栄養液#1)を週4回、1年間投与する。6ヵ月後、該メラノーマは該個体の他の身体部分に広がっていない。
【0083】
実施例VI
熱傷による心理的ストレスの重度の症状に罹患している37歳の男性に500mgのHMB(栄養液#1)を週4回、1年間投与する。1年後、心理的ストレスの症状は軽減する。
【0084】
実施例VII
外科的ストレスの症状に罹患している29歳の女性に200mgのHMB(栄養液#2)を週7回、2ヶ月間投与する。2ヵ月後、外科的ストレスの症状は軽減する。
【0085】
実施例VIII
手術前ストレスの症状に罹患している25歳の男性に200mgのHMB(カプセル剤)を、該個体の予定されている手術の前の3週間にわたり1日1回投与する。その3週間の終了時に、手術前ストレスの症状は軽減する。
【0086】
実施例IX
中等度の持続性喘息に罹患している24歳の男性を、該個体のFEVパーセント値を測定するために試験し、該値を記録する。ついで該個体に5〜10gのHMB(栄養液#5)を週4回、1年間投与する。1年後、該個体のFEVは減少せず、喘息の症状は軽減する。
【0087】
実施例X
軽度の間欠性喘息に罹患している33歳の男性を、該個体のFEVパーセント値を測定するために試験し、83%の値を記録する。ついで該個体に1.5〜6gのHMB(栄養液#5)を週4回、1年間投与する。1年後、該個体のFEVは依然として80%を上回っており、喘息の症状は軽減する。
【0088】
実施例XI
季節性アレルギーの家族歴を有する14歳の女性は、季節性アレルギーに罹患している徴候を何ら示していない。該個体に0.1〜1.5gのHMB(栄養液#3)を1日1回、6ヶ月間投与する。6ヵ月後、該個体は、季節性アレルギーに罹患している徴候を尚も示していない。
【0089】
実施例XII
喘息の家族歴を有する16歳の男性は、喘息の症状に罹患している徴候を何ら示していない。該個体に250mgのHMB(栄養液#4)を1日1回、6ヶ月間投与する。6ヵ月後、該個体は、喘息の症状に罹患している徴候を尚も示していない。
【0090】
実施例XIII
肺炎に対する通常の治療を受け、それから回復した後の72歳の男性に250mgのHMB(栄養液#1)を1日1回、6ヶ月間投与する。その6ヶ月の間、該個体は依然として、肺炎の再発を含む気道感染症に罹患していない。
【0091】
実施例XIV
24歳の男性はニューヨークマラソンのためにトレーニングしている。彼のトレーニング期間中および該マラソンの後の3ヵ月間、栄養製剤#6(1杯当たり1グラムのHMBを含有する)を1日2杯、彼に摂取してもらう。彼の前年の経験とは異なり、彼は、この集中的なトレーニング計画の実施中に、呼吸感染症を何ら経験していない(そのような感染症は、過度な身体トレーニングプログラムに関連していることが公知である免疫抑制を反映する)。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1は、CD3/CD28で同時に24時間刺激された末梢血単核細胞からの1型サイトカイン(IL−2、IL−12、IFNγ、TNFα、GM−CSF)の産生に対するHMBの効果を示す実験データを要約する(p<0.05、対標本、両側t検定、HMBの非存在下に対する比較)。
【図2】図2は、CD3/CD28で同時に24時間刺激された末梢血単核細胞からの2型サイトカイン(IL−4、IL−5、IL−10、IL−13)の産生に対するHMBの効果を示す実験データを要約する(p<0.05、対サンプル(対標本)、両側t検定、HMBの非存在下に対する比較)。
【図3】図3は、CD3/CD28で同時に24時間刺激された末梢血単核細胞からのサイトカイン1型(IL−2)対2型サイトカイン(IL−4、IL−5、IL−13、IL−10)の比に対するHMBの効果を示す実験データを要約する(p<0.05、対標本、両側t検定、HMBの非存在下に対する比較)。
【図4】図4は、CD3/CD28で同時に24時間刺激された末梢血単核細胞からのサイトカイン1型(IL−12)対2型サイトカイン(IL−4、IL−5、IL−13、IL−10)の比に対するHMBの効果を示す実験データを要約する(p<0.05、対標本、両側t検定、HMBの非存在下に対する比較)。
【図5】図5は、CD3/CD28で同時に24時間刺激された末梢血単核細胞からのサイトカイン1型(IL−12)対2型サイトカイン(IL−4、IL−5、IL−13、IL−10)の比に対するHMBの効果を示す実験データを要約する(p<0.05、対標本、両側t検定、HMBの非存在下に対する比較)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1型サイトカインレベルおよび2型サイトカインレベルにおける不均衡により特徴づけられる状態を有する個体の治療方法であって、1型サイトカインおよび2型サイトカインの産生における不均衡を調節するために有効量のβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラートを該個体に投与することを含んでなる治療方法。
【請求項2】
β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの投与により、1型サイトカインレベル対2型サイトカインレベルの比を増加させる、請求項1の方法。
【請求項3】
2型サイトカインの増加を伴うことなくβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラートを投与することにより、1型サイトカインのレベルを増加させる、請求項2の方法。
【請求項4】
β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの有効量が1日当たり0.5gから10gの範囲である、請求項2の方法。
【請求項5】
1以上の脂肪、タンパク質および炭水化物を更に含む栄養製品としてβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラートを投与する、請求項2の方法。
【請求項6】
状態がアレルギーである、請求項1の方法。
【請求項7】
β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの量が、アレルギー症状を改善するのに有効なものである、請求項6の方法。
【請求項8】
状態が喘息である、請求項1の方法。
【請求項9】
β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの量が、喘息症状を改善するのに有効なものである、請求項8の方法。
【請求項10】
β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの量が、FEVの減少を予防するのに有効なものである、請求項8の方法。
【請求項11】
β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの量が、80%を超える基礎FEVを維持するのに十分なものである、請求項8の方法。
【請求項12】
状態が癌である、請求項1の方法。
【請求項13】
1型サイトカインがインターフェロンγまたはインターロイケン2であり、および2型サイトカインがインターロイキン4である、請求項1の方法。
【請求項14】
1型サイトカインがインターフェロンγ、インターロイキン2またはインターロイキン12であり、および2型サイトカインがインターロイキン4、インターロイキン5、インターロイキン13またはインターロイキン10である、請求項2の方法。
【請求項15】
アレルギーまたはその発生のリスクを有する個体におけるアレルギーの治療方法であって、β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの有効量を該個体に投与することを含んでなる治療方法。
【請求項16】
1以上の脂肪、タンパク質および炭水化物を更に含む栄養製品としてβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラートを投与する、請求項15の方法。
【請求項17】
β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの有効量が1日当たり0.5gから10gの範囲である、請求項16の方法。
【請求項18】
喘息またはその発生のリスクを有する個体における喘息の治療方法であって、β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの有効量を該個体に投与することを含んでなる治療方法。
【請求項19】
1以上の脂肪、タンパク質および炭水化物を更に含む栄養製品としてβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラートを投与する、請求項18の方法。
【請求項20】
β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの有効量が1日当たり0.5gから10gの範囲である、請求項19の方法。
【請求項21】
感染症の発生のリスクを有する高齢者における感染症のリスクを軽減する方法であって、β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの有効量を該個体に投与することを含んでなる方法。
【請求項22】
1以上の脂肪、タンパク質および炭水化物を更に含む栄養製品としてβ−ヒドロキシ−β−メチルブチラートを投与する、請求項21の方法。
【請求項23】
β−ヒドロキシ−β−メチルブチラートの有効量が1日当たり0.5gから10gの範囲である、請求項22の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−520029(P2009−520029A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547409(P2008−547409)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/048303
【国際公開番号】WO2007/075605
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】