説明

2’−ターミネーター・ヌクレオチドを含む核酸の合成及び組成物

本発明は、2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含むブロック・オリゴヌクレオチドの製造法を提供する。これらのブロック・オリゴヌクレオチドは、様々な核酸技術においてプライマー及びプローブとして使用される。関連キットもまた提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、概して、2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含む核酸、及びその製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ブロック又は伸長不可能なオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドには、所定の反応条件下にて付加的なヌクレオチドがそのオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドに付加されるのを妨げるターミネーター・ヌクレオチドなどの残基が含まれている。これらの分子は、様々な核酸技術で一般的に使用されている。例えば、ブロック・オリゴヌクレオチド(blocked oligonucleotides)は、リアルタイム・ポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)などのいくつかの適用においてプローブとして使用され、プローブがその反応の中の伸長ステップ中に伸長されるのを防ぐ。さらに例えば、ブロック・オリゴヌクレオチドはまた、特定の適用においてプライマーとしても使用される。例えば、加ピロリン酸分解活性化重合(PAP)は、プライマーが伸長される前に加ピロリン酸分解によって取り除かれる3’末端ターミネーター・ヌクレオチドをもったプライマーを伴うPCR法である。既存のPAP法は、通常、ジデオキシ終端プライマーとジデオキシ組み込みポリメラーゼを使用する。これらの既存のアプローチに使用されるポリメラーゼは、多くの場合、プライマー核酸を伸長する能力を制限し、従って、効率の悪い増幅反応しか引き起こさない。
【0003】
リアルタイムPCR法、PAP法、及び他の核酸技術に役に立つターミネーター・ヌクレオチドを含む付加的なオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドが、望ましい。本発明は、これらの適用で有用な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドを提供する。本発明のこれら及び他の様々な特徴が、以下の開示の完全な検討により明らかになるだろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、既存のブロック・オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの経済的な代替品である、2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドに関する。例えば、本明細書中に記載のブロック・オリゴヌクレオチドは、使いやすさを損なうことなしに、様々なPCR関連プロトコールにおいて容易に置換される。本明細書中に記載のオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの2’-ターミネーター・ヌクレオチドは、完全な糖環又は糖類似体環(例えば、炭素環式環など)を典型的に持ち、そして、これらの糖部分の2’位にブロッキング基(blocking groups)(例えば、陰性荷電ブロッキング基、嵩高いブロッキング基、及び/又は同様のもの)を含む。これらのオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの製造方法に加えて、本発明はまた、関連するビジネス方法及びキットも提供する。
1つの側面において、本発明は、以下の式:
【0005】
【化1】

【0006】
{式中、ZがO又はCH2であり;Bが、少なくとも1つの同素環、少なくとも1つの複素環、少なくとも1つのアリール基、又はその組み合わせであり;BGが、ブロッキング基であり;R1が、H、OH、親水基、又は疎水基であり;Xが、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体であり;nが、0より大きな整数であり;そして、
【0007】
【化2】

【0008】
が、単結合又は二重結合を表す。}を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを提供する。特定の態様において、少なくとも1つの標識(例えば、ドナー部分、クエンチャー部分、アクセプター部分、レポーター部分など)が、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドに取り付けられる。これらの態様の一部において、少なくとも1つの標識が、リンカー部分を介してオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドに取り付けられる。
1つの側面において、本発明は、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの製造方法を提供する。前記方法は、(a)以下の式:
【0009】
【化3】

【0010】
{式中、Zが、O又はCH2であり;Bが、少なくとも1つの同素環、少なくとも1つの複素環、少なくとも1つのアリール基、又はその組み合わせであり;BGが、ブロッキング基であり;Rが、O、NH、又はSであり;PGが、保護基であり;Xが、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体であり;nが、0より大きな整数であり;そして、
【0011】
【化4】

【0012】
が、単結合又は二重結合を表す。}を含む核酸合成試薬を準備するステップを含む。加えて、前記方法はまた、(b)前記核酸合成試薬からPGを取り除いて、以下の式:
【0013】
【化5】

【0014】
{式中、R1が、H、OH、親水基、又は疎水基である。}を含むオリゴヌクレオチドを製造し、その結果、前記オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを製造するステップも含む。いくつかの態様において、前記方法は、(b)に先立って、固体支持体に、核酸合成試薬又はその成分(例えば、ホスホラミデートなどの前駆体試薬)を取り付けるステップを含む。特定の態様において、前記方法は、少なくとも1つの標識(例えば、ドナー部分、クエンチャー部分、アクセプター部分など)を核酸合成試薬、その成分、及び/又はオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドに取り付けるステップを含む。これらの態様の一部において、標識が、少なくとも1つのリンカーの部分を介して、核酸合成試薬、その成分、及び/又はオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドに取り付けられる。
【0015】
様々な保護基が、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの製造方法の中で随意に利用される。いくつかの態様において、例えば、保護基は、例えば、トリチル基、モノメトキシトリチル基、ジメトキシトリチル基、レブリニル(levulinyl)基、フルオレニルメトキシカルボニル基、ベンズヒドリルオキシカルボニル基等から選択される。さらに例えば、特定の態様において、保護基は、以下の式:
【0016】
【化6】

【0017】
を含む。
【0018】
特定の態様において、2’-ターミネーター・ヌクレオチドは、以下の式:
【0019】
【化7】

【0020】
{式中、R1が、H、OH、親水基、又は疎水基であり;Bが、少なくとも1つの同素環、少なくとも1つの複素環、少なくとも1つのアリール基、又はその組み合わせであり;BGが、ブロッキング基であり;Zが、O又はCH2であり;そして、
【0021】
【化8】

【0022】
が、単結合又は二重結合を表す。}を含む。いくつかの態様において、例えば、2’-ターミネーター・ヌクレオチドは、2’-モノホスフェート3’-ヒドロキシル・ヌクレオチドを含む。さらに、2’-ターミネーター・ヌクレオチドは、通常、例えば、G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E E678G CS6 DNAポリメラーゼ、ΔZ05Rポリメラーゼ、E615G Taq DNAポリメラーゼ、サーマス・フラバス(Thermus flavus)ポリメラーゼ、TMA-25ポリメラーゼ、E678G TMA-25ポリメラーゼ、TMA-30ポリメラーゼ、E678G TMA-30ポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、サーマス属SPS-17ポリメラーゼ、E615G Taq ポリメラーゼ、サーマス属Z05Rポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、コーンバーグDNAポリメラーゼI、クレノウDNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ミクロコッカス(Micrococcal)DNAポリメラーゼ、αDNAポリメラーゼ、逆転写酵素、AMV逆転写酵素、M-MuLV逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、E.コリ(E. coli)RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼII、ターミナル・トランスフェラーゼ、ポリヌクレオチド・ホスホリラーゼ、リボヌクレオチド組み込みDNAポリメラーゼ等から選択される1つ以上のヌクレオチド組み込み生体触媒(nucleotide incorporating biocatalyst)によって伸長不可能である。
【0023】
もう一つの側面において、本発明は、(a)以下:(i)2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを製造するための教示、又は(ii)2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドのうちの1つ以上に関して客から注文を受けるステップを含むビジネス方法を提供する。前記方法はまた、(b)(i)、及び/又は(ii)を客に提供するステップを含む。特定の態様において、前記方法は、電子媒体を介して(例えば、インターネットなどを通して)注文を受けるステップを含む。
もう一つの側面において、本発明は、以下:(a)2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを製造するための教示、又は(b)2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドのうちの1つ以上を含むキットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】図1Aは、代表的な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に説明する。
【図1B】図1Bは、代表的な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に説明する。
【図1C】図1Cは、代表的な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に説明する。
【図1D】図1Dは、代表的な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に説明する。
【図2A】図2Aは、2’-ターミネーター・ヌクレオチドのいくつかの態様を図式的に示す。
【図2B】図2Bは、2’-ターミネーター・ヌクレオチドのいくつかの態様を図式的に示す。
【図3A】図3Aは、様々な態様による色素標識テトラホスフェートを図式的に説明する。
【図3B】図3Bは、様々な態様による色素標識テトラホスフェートを図式的に説明する。
【図3C】図3Cは、様々な態様による色素標識テトラホスフェートを図式的に説明する。
【図4A】図4Aは、標識ヌクレオチド・テトラホスフェートの特定の態様を図式的に示す。
【図4B】図4Bは、標識ヌクレオチド・テトラホスフェートの特定の態様を図式的に示す。
【図5】図5は、リンカーを介してヌクレオチド・テトラホスフェートに取り付けられた標識を図式的に描く。
【図6A】図6Aは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図6B】図6Bは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図6C】図6Cは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図6D】図6Dは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図6E】図6Eは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図6F】図6Fは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図6G】図6Gは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図6H】図6Hは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図6I】図6Iは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図6J】図6Jは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図6K】図6Kは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図6L】図6Lは、蛍光色素を取り付けた様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【図7】図7は、代表的なリンカーを図式的に描く。
【図8】図8は、5’-トリホスフェート3’-モノホスフェート・ヌクレオチドと5’-トリホスフェート2’-モノホスフェート・ヌクレオチドの混合物を製造する合成反応を図式的に説明する。
【図9】図9は、1つの態様によるウリジン・テトラホスフェートの固相合成経路における特定のステップを図式的に描く。
【図10】図10は、TAMRA-ウリジン・テトラホスフェートの代表的な位置特異的合成経路における特定のステップを図式的に示す。
【図11】図11は、鋳型核酸、及び組み込まれたシチジン・テトラホスフェート・ヌクレオチドを含むプライマー核酸に結合したポリメラーゼを図式的に説明する。
【図12】図12は、ウリジン・テトラホスフェートの位置特異的合成経路を図式的に描く。
【図13】図13は、5’-トリホスフェート3’-モノホスフェート・アデニンヌクレオシドと5’-トリホスフェート2’-モノホスフェート・アデニンヌクレオシドの混合物を製造する合成反応を図式的に説明する。
【図14A】図14Aは、アデノシン・テトラホスフェート・ヌクレオチドの検出を示すHPLCトレースである。
【図14B】図14Bは、アデノシン・テトラホスフェート・ヌクレオチドの検出を示すHPLCトレースである。
【図14C】図14Cは、アデノシン・テトラホスフェート・ヌクレオチドの検出を示すHPLCトレースである。
【図15】図15は、TAMRA標識ウリジン・テトラホスフェートの合成経路における特定のステップを図式的に示す。
【図16】図16は、図15に示された構造物4及び5に相当するBOC保護プロパルギル・ウリジン・テトラホスフェートの検出を示すHPLCクロマトグラムである。
【図17】図17は、ROX標識シチジン・テトラホスフェートの合成経路における特定のステップを図式的に説明する。
【図18】図18は、R6G標識アデニン・テトラホスフェートの合成経路における特定のステップを図式的に描く。
【図19】図19は、R110標識グアニン・テトラホスフェートの合成経路における特定のステップを図式的に示す。
【図20】図20Aは、種々の伸長されたプライマー核酸の検出を示す電気泳動図である。図20Bは、種々の伸長されたプライマー核酸の検出を示す電気泳動図である。図20Cは、種々の伸長されたプライマー核酸の検出を示す電気泳動図である。図20Dは、種々の伸長されたプライマー核酸の検出を示す電気泳動図である。
【図21】図21は、2’-ターミネーター・ヌクレオチドを使用したM13mp18 DNA鋳型の配列分析からのデータを示すスペクトル特徴である。
【図22A】図22Aは、未標識プライマーと蛍光色素標識2’-ターミネーター・ヌクレオチドを使用したM13mp18 DNA鋳型の配列分析からのデータを示すスペクトル特徴である。
【図22B】図22Bは、未標識プライマーと蛍光色素標識2’-ターミネーター・ヌクレオチドを使用したM13mp18 DNA鋳型の配列分析からのデータを示すスペクトル特徴である。
【図23】図23は、代表的なブロック・オリゴヌクレオチド合成経路を図式的に描く。
【図24】図24は、本発明の1つの態様によるビジネス方法において実施される特定のステップを示すブロック・ダイアグラムである。
【図25】図25は、本発明の1つの態様によるブロック・オリゴヌクレオチドを図式的に説明する。
【図26】図26は、本発明の1つの態様によるブロック・オリゴヌクレオチドの固相合成経路を図式的に示す。
【図27】図27は、3’-O-TBDMS-2’-O-ホスホラミデートを図式的に描く。
【図28】図28は、PAP関連HIV DNA鋳型力価測定を伴った分析からのPCR産物の検出を示すゲルの写真である。
【図29】図29は、ブロック又は非ブロック・プライマーを伴った増幅に利用された様々な突然変異K-Rasプラスミド鋳型コピー数に関して観察されたサイクル(Ct)値の閾値を示すグラフである。
【図30】図30は、K-Rasプラスミド鋳型を伴った増幅において利用された様々な酵素、及び酵素濃度に関して観察されたサイクル(Ct)値の閾値を示すグラフである。
【図31】図31は、G46E L329A E678G(GLE)CS5 DNAポリメラーゼを利用した加ピロリン酸分解活性化重合(PAP)反応におけるサイクル(Ct)値の閾値に対する酵素濃度の効果を示す棒グラフである。Y軸はCt値を表し、一方で、X軸は酵素濃度(nM)を表す。プロットに付随する凡例は、グラフ(0コピーの鋳型核酸(鋳型なし)、1e4コピーの鋳型核酸(1E4/rxn)、1e5コピーの鋳型核酸(1E5/rxn)、及び1e6コピーの鋳型核酸(1E6/rxn))内のそれぞれトレースに対応する鋳型核酸のコピー数を示す。
【図32】図32は、G46E L329A D640G S671F E678G(GLDSE)CS5 DNAポリメラーゼを利用した加ピロリン酸分解活性化重合(PAP)反応におけるサイクル(Ct)値の閾値に対する酵素濃度の効果を示す棒グラフである。Y軸はCt値を表し、一方で、X軸は酵素濃度(nM)を表す。プロットに付随する凡例は、グラフ(0コピーの鋳型核酸(鋳型なし)、1e4コピーの鋳型核酸(1E4/rxn)、1e5コピーの鋳型核酸(1E5/rxn)、及び1e6コピーの鋳型核酸(1E6/rxn))内のそれぞれトレースに対応する鋳型核酸のコピー数を示す。
【図33】図33は、cDNA反応の生成物がHCV cDNAに特異的な定量的PCRアッセイを使用して計測されるところの、HCV RNAに対するPAP逆転写反応に関するデータを示す棒グラフである。Y軸はCt値を表し、一方で、X軸は反応で利用された酵素の単位を表す。示したように、これらの反応に使用した酵素は、Z05 DNAポリメラーゼ(Z05)、又はG46E L329A Q601R D640G S671F E678G(GLQDSE)とG46E L329A Q601R D640G S671F(GLQDS)CS5 DNAポリメラーゼの混合物であった。
【図34】図34は、双方向PAPを実施したときに作り出されるBRAF癌遺伝子増幅のPCR成長曲線を示す。X軸は標準化した、蓄積蛍光を示し、そして、Y軸はPAP PCR増幅のサイクルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
I. 定義
本発明を詳細に説明する前に、本願発明は、特定の方法又はキットに制限されることなく、それが変化する可能性があることは理解されるべきである。この明細書及び添付の請求項で使用されるとき、単数形の「a」、「an」、及び「the」はまた、文脈が別の方法を明確に提供しない限り、複数の指示対象も含む。これにより、例えば、「(単数の)2’-モノホスフェート3’-ヒドロキシル・ヌクレオシド」への言及はまた、2つ以上の2’-モノホスフェート3’-ヒドロキシル・ヌクレオシドの組み合わせも含む。本明細書中に使用される専門用語が、特定の態様だけを説明する目的のためにあり、制限することを意図しないこともまた、理解されるべきである。さらに、別段の規定のない限り、すべての本明細書中に使用される技術用語及び科学用語は、本願発明に関連する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本発明を説明及び主張する際に、以下の専門用語、及びその文法的な異形が、以下に記載の定義に従って使用されるだろう。
【0026】
「2’-ターミネーター・ヌクレオチド」は、ヌクレオチドの糖部分の2’位にブロッキング基(BG)を含むヌクレオチド類似体を指す。「ブロッキング基(blocking group)」は、核酸の伸長を通常妨げる化学基又は化学部分を指す(すなわち、通常、2’-ターミネーター・ヌクレオチドは、1種類以上のヌクレオチド組み込み生体触媒によって伸長不可能である)。すなわち、一旦、2’-ターミネーター・ヌクレオチドが核酸内に(例えば、核酸の3’末端部に)に組み込まれると、ブロッキング基が、例えば、G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E E678G CS6 DNAポリメラーゼ、ΔZ05Rポリメラーゼ、E615G Taq DNAポリメラーゼ、サーマス・フラバス・ポリメラーゼ、TMA-25ポリメラーゼ、E678G TMA-25ポリメラーゼ、TMA-30ポリメラーゼ、E678G TMA-30ポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、サーマス属SPS-17ポリメラーゼ、E615G Taq ポリメラーゼ、サーマス属Z05Rポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、コーンバーグDNAポリメラーゼI、クレノウDNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ミクロコッカスDNAポリメラーゼ、αDNAポリメラーゼ、逆転写酵素、AMV逆転写酵素、M-MuLV逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、E.コリRNAポリメラーゼ、SP6 RNA ポリメラーゼ、T3 RNA ポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 RNA ポリメラーゼ、RNAポリメラーゼII、ターミナル・トランスフェラーゼ、ポリヌクレオチド・ホスホリラーゼ、リボヌクレオチド組み込みDNAポリメラーゼ等から選択される少なくとも1種類のヌクレオチド組み込み生体触媒による核酸のさらなる伸長を妨げる。代表的なブロッキング基は、ホスフェート基である。他の代表的ブロッキング基もまた、本明細書中に記載する。代表的な2’-ターミネーター・ヌクレオチドは、2’-モノホスフェート3’-ヒドロキシル-5’-トリホスフェート・ヌクレオシド及び2’-モノホスフェート3’-ヒドロキシル-5’-ジホスフェート・ヌクレオシドを含む。他の2’-ターミネーター・ヌクレオチドもまた、本明細書中にさらに記載する。
【0027】
「アクセプター部分」又は「アクセプター」は、エネルギー源から移ってきたエネルギーを受け取るか、又は吸収することができる部分を指す。いくつかの態様において、アクセプター残基はまた、十分な量の移動エネルギーを吸収した時点で、エネルギー(例えば、光、熱など)を放射することができる。これらの態様において、アクセプターは、「レポーター残基」又は「レポーター」とも呼ばれる。代表的なアクセプター残基には、これだけに制限されることなく、例えば、とりわけ、LightCycler(登録商標)-Red 610(LC-Red 610)、LC-Red 640、LC-Red 670、LC-Red 705、JA-270、CY5、CY5.5などの様々な蛍光発色団が含まれる。
【0028】
「アルコール基」は、少なくとも1つのヒドロキシ基を含む有機基を指す。
【0029】
「アルデヒド基」は、式CHOを含む有機基を指す。
【0030】
「アルケニル基」は、1つ以上の炭素‐炭素二重結合を含む、線状、分岐、又は環状の不飽和炭化水素部分を指す。代表的なアルケニル基には、エテニル、2-プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-2-プロペニル等が含まれる。アルケニル基は、典型的には約1〜20個の炭素原子を含み、そして、より典型的には約2〜15個の炭素原子を含む。アルケニル基は、置換されていても、又は置換されていなくてもよい。
【0031】
「アルケニルアミン基」は、少なくとも1つのアルケニル基を含むアミノ基を指す。
【0032】
「アルコキシ基」は、酸素原子を含むアルキル基を指し、そして、それには、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ等が含まれる。
【0033】
「アルキル基」は、線状、分岐、又は環状の飽和炭化水素部分を指し、そして、すべての位置異性体、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、1-メチルエチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、及び1-エチル-2-メチルプロピル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、n-デシル等が含まれる。アルキル基は、典型的には約1〜20個の炭素原子を含み、そして、より典型的には約2〜15個の炭素原子を含む。アルキル基は、置換されていても、又は置換されていなくてもよい。
【0034】
「アルキルアミン基」は、少なくとも1つのアルキル基を含むアミノ基を指す。
【0035】
「アルキニル基」は、1つ以上の炭素‐炭素三重結合を含む、線状、分岐、又は環状の不飽和炭化水素部分を指す。代表的なアルキニル基には、例えば、2-プロピニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-メチル-2-ブチニル、1-メチル-3-ブチニル、2-メチル-3-ブチニル、1,1-ジメチル-2-プロピニル、1-エチル-2-プロピニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、1-メチル-2-ペンチニル、1-メチル-3-ペンチニル、1-メチル-4-ペンチニル、2-メチル-3-ペンチニル、2-メチル-4-ペンチニル、3-メチル-4-ペンチニル、4-メチル-2-ペンチニル、1,1-ジメチル-2-ブチニル、1,1-ジメチル-3-ブチニル、1,2-ジメチル-3-ブチニル、2,2-ジメチル-3-ブチニル、3,3-ジメチル-1-ブチニル、1-エチル-2-ブチニル、1-エチル-3-ブチニル、2-エチル-3-ブチニル、1-エチル-1-メチル-2-プロピニル等が含まれる。アルキニル基は、典型的には約1〜20個の炭素原子を含み、そして、より典型的には約2〜15個の炭素原子を含む。アルキニル基は、置換されていても、又は置換されていなくてもよい。
【0036】
「アルキニルアミン基」は、少なくとも1つのアルキニル基を含むアミノ基を指す。
【0037】
「アリール基」は、芳香族化合物から得られる置換基原子団又は部分を指す。代表的なアリール基には、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、又は同様のものが含まれる。アリール基は、複数の芳香族環(例えば、ジフェニル基など)を随意に含む。加えて、アリール基は、置換されていても、又は置換されていなくてもよい。
【0038】
「アリールオキシ基」は、酸素原子を含むアリール基を指し、そして、それには、例えば、フェノキシ、クロロフェノキシ、メチルフェノキシ、メトキシフェノキシ、ブチルフェノキシ、ペンチルフェノキシ、ベンジルオキシ等が含まれる。
【0039】
「接着」という用語は、たとえ一時的であったとしても、二つ以上の物質が互いに共有結合的に、及び/又は非共有結合的に結び付く過程を指す。特定の態様において、例えば、オリゴヌクレオチドの製造方法の一部として、核酸合成試薬が互いに接着した。
【0040】
「ドナー部分」は、1つ以上のアクセプター残基に対して、1以上の形態の励起エネルギーを移すか、発するか、又は提供することができる部分を指す。
【0041】
「エステル基」は、一般式RCOOR’{ここで、R及びR’が、独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はその組み合わせから選択される。}を含む有機化合物のクラスを指す。
【0042】
「エーテル基」は、一重項酸素原子に取り付けられた2つの炭素原子を含む、線状、分岐、又は環状の部分を指す。代表的なエーテル基には、例えば、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシエチル等が含まれる。
【0043】
「ハロ基」は、例えば、F、Cl、Br、又はIなどのハロゲン原子を含む基を指す。
【0044】
「複素環」は、飽和、不飽和、又は芳香族のいずれかである、窒素、酸素、及び硫黄から独立に選択される1つ以上のヘテロ原子を含む単環式又は二環式の環を指す。複素環は、いずれかのヘテロ原子又は炭素原子を介して本発明のヌクレオチドに糖部分又はその類似体に取り付けられるかもしれない。代表的な複素環には、モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロプリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、アザインドリル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル等が含まれる。
【0045】
「同素環」は、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロヘキセン等の飽和又は不飽和の(しかし、芳香族でない)炭素環式環を指す。
【0046】
「標識」は、分子に(共有結合的又は非共有結合的に)取り付けた、又は取り付けることができる部分であって、その分子に関する情報(例えば、その分子に関する説明的、識別などの情報)を提供するか、又は提供できる前記部分を指す。代表的な標識には、蛍光標識、非蛍光標識、比色標識、化学発光標識、生物発光標識、放射性標識、質量変更基、抗体、抗原、ビオチン、ハプテン、及び(例えば、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼなどを含めた)酵素が含まれる。
【0047】
「部分(moiety)」又は「基」は、何か、例えば、分子が分割されるか、又は分割され得る部位のうちの1つ(例えば、官能基、置換基又は同様のもの)を指す。例えば、本発明のオリゴヌクレオチドは、特定の態様において、少なくとも1つのドナー部分、及び/又は少なくとも1つのアクセプター部分を含む。
【0048】
「伸長不可能な」ヌクレオチドは、核酸内への組み込みによる、例えば、少なくとも1つのヌクレオチド組み込み生体触媒による、核酸のさらなる伸長を妨げるヌクレオチドを指す。
【0049】
用語「核酸」又は「ポリヌクレオチド」は、リボース核酸(RNA)又はデオキシリボース核酸(DNA)重合体、あるいは、その類似体に相当する重合体を指す。これには、例えば、RNA及びDNA、並びにその修飾形態、ペプチド核酸(PNAs)、ロックド核酸(locked nucleic acids)(LNA(商標)s)等のヌクレオチドの重合体を含む。特定の態様において、核酸は、複数の単量体タイプ、例えば、RNAとDNAサブユニットの両方、を含む重合体であってもよい。核酸は、例えば、染色体又は染色体セグメント、ベクター(例えば、発現ベクター)、発現カセット、裸のDNA又はRNA重合体、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)の産物、オリゴヌクレオチド、プローブ、プライマーなどであっても、又はそれらを含んでもよい。核酸は、例えば、1本鎖、二本鎖、三本鎖などであってもよく、そして、いずれか特定の長さに制限されない。別段の指示のない限り、特定の核酸配列は、明らかに示されたいずれかの配列に加えて、相補配列を随意に含んでも、又はコードしてもよい。
【0050】
核酸は、天然に存在するポリヌクレオチド配列又は構造、天然に存在する骨格、及び/又は天然に存在するヌクレオチド間結合を有する分子に制限されない。例えば、1つ以上の炭素環式糖を含む核酸もまた、この定義の中に含まれる(Jenkins et al. (1995) Chem. Soc. Rev. pp169-176)。さらに例えば、核酸は、ホスホジエステル結合を通常含むが、場合によっては、核酸類似体には、代替の骨格を有するものが含まれる。これらには、これだけに制限されることなく、ホスホルアミド(Beaucage et al. (1993) Tetrahedron 49 (10):1925及びその中の参考文献;Letsinger (1970) J. Org. Chem. 35:3800;Sprinzl et al. (1977) Eur. J. Biochem. 81:579;Letsinger et al. (1986) Nucl. Acids Res. 14: 3487;Sawai et al. (1984) Chem. Lett. 805;Letsinger et al. (1988) J. Am. Chem. Soc. 110:4470;及びPauwels et al. (1986) Chemica Scripta 26:1419)、ホスホロチオアート(Mag et al. (1991) Nucleic Acids Res. 19:1437及び米国特許番号第5,644,048号)、ホスホロジチオアート(Briu et al. (1989) J. Am. Chem. Soc. 111:2321)、O-メチルホスホラミデート結合(Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach. Oxford University Press (1992))、並びにペプチド核酸骨格及び結合(Egholm (1992) J. Am. Chem. Soc. 114:1895;Meier et al. (1992) Chem. Int. Ed. Engl. 31:1008;Nielsen (1993) Nature 365:566;及びCarlsson et al. (1996) Nature 380:207)が含まれる。他のアナログ核酸には、陽性荷電骨格を持つもの(Denpcy et al. (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:6097);非イオン性骨格をもつもの(米国特許番号第5,386,023号、同第5,637,684号、同第5,602,240号、同第5,216,141号、及び同第4,469,863号;Angew (1991) Chem. Intl. Ed. English 30: 423; Letsinger et al. (1988) J. Am. Chem. Soc. 110:4470;Letsinger et al. (1994) Nucleoside & Nucleotide 13:1597;第2及び3章、ASC Symposium Series 580, "Carbohydrate Modifications in Antisense Research", Ed. Y. S. Sanghvi and P. Dan Cook; Mesmaeker et al. (1994) Bioorganic & Medicinal Chem. Lett. 4: 395;Jeffs et al. (1994) J. Biomolecular NMR 34:17; Tetrahedron Lett. 37:743 (1996))、並びに米国特許番号第5,235,033号と同第5,034,506号、及び第6章と第7章、ASC Symposium Series 580, Carbohydrate Modifications in Antisense Research, Ed. Y. S. Sanghvi and P. Dan Cookに記載のものを含めた非リボース骨格を持つものが含まれる。いくつかの核酸類似体がまた、例えば、Rawls, C & E News Jun. 2, 1997 page 35にも記載されている。リボース‐リン酸骨格の修飾は、例えば、標識部分などの追加残基の付加を容易にするか、又は生理環境内におけるそのような分子の安定性及び半減期を変更するためにおこなわれるかもしれない。
【0051】
核酸において通常見られる天然に存在する複素環式塩基(例えば、アデニン、グアニン、チミン、シトシン、及びウラシル)に加えて、核酸類似体にはまた、天然に存在しない複素環式又は他の修飾塩基を持つものも含まれる。例えば、融解温度(Tm)変更因子として働くヌクレオチドにおいて使用される特定の塩基が、随意に含まれる。例えば、これらの一部には、7-デアザプリン(例えば、7-デアザグアニン、7-デアザアデニンなど)、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、プロピニル-dN(例えば、プロピニル-dU、プロピニル-dCなど)等が含まれる。例えば、1999年11月23日付でSeelaに対して発行された「7-デアザ-2'-デオキシグアノシン・ヌクレオチドの合成」と題する米国特許番号第5,990,303号を参照のこと。他の代表的な複素環式塩基には、例えば、ヒポキサンチン、イノシン、キサンチン;2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン、及びキサンチンの8-アザ誘導体;アデニン、グアニン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノ-6-クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン、及びキサンチンの7-デアザ-8-アザ誘導体;6-アザシトシン;5-フルオロシトシン;5-クロロシトシン;5-ヨードシトシン;5-ブロモシトシン;5-メチルシトシン;5-プロピニルシトシン;5-ブロモビニルウラシル;5-フルオロウラシル;5-クロロウラシル;5-ヨードウラシル;5-ブロモウラシル;5-トリフルオロメチルウラシル;5-メトキシメチルウラシル;5-エチニルウラシル;5-プロピニルウラシル等が含まれる。多くの天然に存在しない塩基がまた、例えば、Seela et al. (1991) Helv. Chim. Acta 74:1790、Grein et al. (1994) Bioorg. Med. Chem. Lett. 4:971-976、及びSeela et al. (1999) Helv. Chim. Acta 82:1640にも記載されている。
【0052】
修飾塩基及びヌクレオチドの追加の例はまた、例えば1996年1月16日付でFroehlerらに発行された「5-プロピニル・ピリミジン含有オリゴヌクレオチド」と題する米国特許番号第5,484,908号、1997年7月8日付でFroehlerらに発行された「オリゴマー含有修飾ピリミジンを用いたトリプルヘリックス及びダブルヘリックス形成の促進」と題する米国特許番号第5,645,985号、1998年11月3日付でFroehlerらに発行された「オリゴマー含有修飾ピリミジンの使用方法」と題する米国特許番号第5,830,653号、2003年10月28日付でKochkineらに発行された「[2.2.1]ビシクロ・ヌクレオシドの合成」と題する米国特許番号第6,639,059号、2001年10月16日付でSkouvに発行された「混成生物学的サンプルにおけるワンステップ・サンプル調製及び核酸の検出」と題する米国特許番号第6,303,315号、及び2003年5月15日付でKochkineらに発行された「[2.2.1]ビシクロ・ヌクレオシドの合成」と題する米国特許出願公開番号第2003/0092905号にも記載されている。
【0053】
「核酸合成試薬」は、オリゴヌクレオチド又は他の核酸を合成するのに使用される化合物を指す。
【0054】
「ヌクレオシド」は、糖部分(例えば、リボース糖など)、糖部分の誘導体、若しくは糖部分の機能的な同等物(例えば、炭素環式環などの類似体)に共有結合的に連結された塩基又は(例えば、少なくとも1つの同素環、少なくとも1つの複素環、少なくとも1つのアリール基、及び/又は同様のものを含む)塩基性基を含む核酸成分を指す。例えば、ヌクレオシドが糖部分を含むとき、塩基はその糖部分の1’位に通常連結される。先に記載のとおり、塩基は、天然に存在していても(例えば、アデニン(A)又はグアニン(G)などのプリン塩基、チミン(T)、シトシン(C)、又はウラシル(U))などのピリミジン塩基)、又は天然に存在していなくても(例えば、7-デアザプリン塩基、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン塩基、プロピニル-dN塩基など)よい。代表的なヌクレオシドには、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシド、ジデオキシリボヌクレオシド、炭素環ヌクレオシドなどが含まれる。
【0055】
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドのエステル、例えばヌクレオシドのリン酸エステルを指す。例えば、ヌクレオシドは、(例えば、5’位、3’位、2’位などにて)そのヌクレオチドの糖部分に共有結合的に連結した1、2、3、又はそれより以上のリン酸基を含み得る。
【0056】
「ヌクレオチド組み込み生体触媒」は、核酸内へのヌクレオチドの組み込みを触媒する触媒を指す。ヌクレオチド組み込み生体触媒は、通常、酵素である。「酵素」は、他の化合物又は「基質」に関与する化学反応の活性化エネルギーを低減するように作用するタンパク質、及び/又は核酸ベースの触媒である。「ヌクレオチド組み込み酵素」は、例えば、核酸増幅又は同様の事象の中で、核酸内へのヌクレオチドの組み込みを触媒する酵素を指す。代表的なヌクレオチド組み込み酵素には、例えば、ポリメラーゼ、ターミナル・トランスフェラーゼ、逆転写酵素、テロメラーゼ、ポリヌクレオチド・ホスホリラーゼ等が含まれる。「熱安定性酵素」は、熱に対して安定であり、耐熱性であり、選択された期間に高温に晒された場合に、十分な触媒能を維持している酵素を指す。例えば、熱安定性ポリメラーゼは、二本鎖核酸の変性を達成するのに必要な時間、高温に晒された場合に、その後のプライマー伸長反応を達成するのに十分な活性を維持する。核酸変性に必要な加熱条件は、当業者にとって周知であり、そして、1987年7月28日付でMullisに発行された「核酸配列の増幅過程」と題する米国特許番号第4,683,202号、及び1987年7月28日付でMullisらに発行された「核酸配列の増幅、検出、及び/又はクローニング過程」と題する米国特許番号第4,683,195号に例示されている。さらに例えば、「熱安定性ポリメラーゼ」は、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)などの温度サイクリング反応における使用に好適な酵素を指す。熱安定性ポリメラーゼについて、酵素活性は、鋳型核酸に相補的であるプライマー伸長産物を形成するために適切な様式でのヌクレオチドの組み合わせの触媒作用を指す。
【0057】
「オリゴヌクレオチド」は、少なくとも2つの核酸単量体ユニット(例えば、ヌクレオチド)、典型的には4以上の単量体ユニット、そして、より典型的には11以上の単量体ユニットを含む核酸を指す。オリゴヌクレオチドの実際のサイズは、オリゴヌクレオチドの最終的な機能又は使用を含めた様々な要因に通常依存する。典型的には、ヌクレオチド単量体は、そのような対イオンが存在している場合には、関連対イオン、例えばH+、NH4+、Na+等を含む、ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホロセレノアート、ホスホロジセレノアート、ホスホロアニロチオエート、ホスホルアニリダート(phosphoranilidate)、ホスホルアミダート等を含めたホスホジエステル結合又はその類似物によって連結される。オリゴヌクレオチドは、これだけに制限されることなく、既存の又は天然の配列の分離、DNAの複製又は増幅、逆転写、適切な配列のクローンニング及び制限消化、例えば、Narang et al. (1979) Meth. Enzvmoi. 68:90-99のホスホトリエステル法;Brown et al. (1979) Mcth. Enzvmoi. 68:109-151のホスホジエステル法;Beaucage et al. (1981) Tetrahedron Lett. 22:1859-1862のジエチルホスホラミデート方法;Matteucci et al. (1980) J. Am. Chem. Soc. 103:3185-3191のトリエステル法;自動化合成方法;又は1984年7月3日付でCaruthersらに発行された「ポリヌクレオチドの調製過程」と題する米国特許番号第4,458,066号の固体支持体法、又は当業者に知られている他の方法などの方法による直接的な化学合成を含めたいずれかの好適な方法によって随意に調製される。
【0058】
「ホスホラミデート」は、以下の式:
【0059】
【化9】

【0060】
{式中、R1及びR2が、以下の:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びヘプチルから成る群から独立に選択されるアルキル基であり、そして、R3が、(CH22CN又はCH3である。}を含む基を含む化合物を指す。特定の態様において、例えば、ホスホラミデートは、オリゴヌクレオチド合成手順で一般的に使用される、ヌクレオシド-3’-ホスホラミデート単量体又はヌクレオシド-2’-ホスホラミデート単量体である。これらの態様の一部において、これらのホスホラミデート単量体は、保護基により5’-ヒドロキシル位置にて保護される。異なった保護基もまた、塩基の環外アミンに通常取り付けられる。加えて、前記単量体のリン原子は、β-シアノエチル(R3)及びジイソプロピルアミン(NR1R2)基、又は先に示した式と一致する他の基により随意に保護される。ホスホラミデート及びオリゴヌクレオチド合成はまた、例えば、Beaucage et al. (1992) "Advances in the synthesis of oligonucleotides by the phosphoramidite approach," Tetrahedron 48:2223-2311に記載されてもいる。
【0061】
「保護基」は、所定の化合物に共有結合的に又は非共有結合的に取り付けられた(例えば、取り外せるように取り付けられた)、且つ、その化合物の1ヶ所以上の部位にて望ましくない化学反応が起こるのを防ぐ化学基を指す。代表的な保護基には、トリチル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチル、レブリニル、フルオレニルメトキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル等が含まれる。
【0062】
「加ピロリン酸分解」という用語は、1つ以上のヌクレオチド三リン酸を作り出すためのピロリン酸(PPi)の存在下での核酸からの1つ以上のヌクレオチドの除去を指す。
【0063】
「クエンチャー部分」又は「クエンチャー」は、本来ならばこの放射を放出しただろう線源からの放射、例えば蛍光又はルミネセンス放射、の検出可能な放出を低減できる部分を指す。クエンチャーは、線源によって放出された検出可能な放射を少なくとも50%まで、典型的には、少なくとも80%まで、そして、より典型的には、少なくとも90%まで低減する。特定のクエンチャーは、そのクエンチャーのシグナル特性により、例えば、蛍光色素、から吸収したエネルギーを再放出するかもしれず、それ故に、クエンチャーはまた、アクセプター部分になり得る。この現象は、蛍光共鳴エネルギー移動、又はFRETとして広く知られている。あるいは、クエンチャーは、蛍光色素から吸収したエネルギーを光以外の形態、例えば、熱など、で消散するかもしれない。FRET適用において一般的に使用される分子には、例えば、フルオレセイン、FAM、JOE、ローダミン、R6G、TAMRA、ROX、DABCYL、及びEDANSが含まれる。蛍光色素がアクセプターであるか、又はクエンチャーであるかどうかは、その励起及び発光スペクトル、並びにそれが対を成す蛍光色素によって規定される。例えば、FAMは、488nmの波長の光によって最も効率的に励起され、そして、500〜650nmのスペクトル、及び525nmの発光極大を有する光を発する。例えば、クエンチャーとして、その励起最大を514nmに有するTAMRAを用いた使用に関して、FAMが好適なドナー部分である。蛍光色素から吸収したエネルギーを消散する、代表的な非蛍光又はダーククエンチャーには、Biosearch Technologies, Inc.(Novato、CA, USA)によって売り出されたBlack Hole Quenchers(商標)が含まれる。Black Hole Quenchers(商標)は、少なくとも2つの残基が環外ジアゾ結合を介して連結される、置換されているか又は置換されていないアリール、ヘテロアリール化合物、又はその組み合わせから選択される少なくとも3つのラジカルを含む構造物である(例えば、2001年11月15日付でCookらに発行された「ドナー‐アクセプター・エネルギー移動のためのダーククエンチャー」と題する国際公開番号WO 01/86001を参照のこと)。代表的なクエンチャーはまた、2002年10月15日付でHornらに発行された「クエンチ可能な蛍光標識を担持するオリゴヌクレオチド・プローブ及びその使用方法」と題する米国特許番号第6,465,175号にも提供されている。
【0064】
「シリル基」は、一般式SiRR1R2{式中、R、R1、及びR2が、独立に、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はそのような基の組み合わせである。}を含む化合物のクラスを指す。
【0065】
「固体支持体」は、例えば、プローブ又は同様のものなどの化学部分により誘導体化されるか、そうでなければそれに取り付けられる固体物質を指す。代表的な固体支持体には、板、ビーズ、マイクロビーズ、管、繊維、ウィスカー(whisker)、コーム、(例えば、GeneChip(登録商標)プローブ・アレイ(Affymetrix, Inc.、Santa Clara, CA, USA)等に使用されるものなどのマイクロアレイ基板を含めた)ハイブリダイゼーション・チップ、膜、単結晶、セラミック層、自己集積化単分子層等が含まれる。
【0066】
「ターミネーター・ヌクレオチド」は、核酸内への組み込みにより、例えば、少なくとも1つのヌクレオチド組み込み生体触媒による、その核酸のさらなる伸長を妨げるヌクレオチドを指す。
「チオエーテル基」は、1つの硫黄原子に取り付けられた2つの炭素原子を含む線状、分岐、又は環状の部分を指し、そして、例えば、メチルチオメチル、メチルチオエチル、メチルチオプロピル等が含まれる。
【0067】
II. 総説
本発明は、様々な核酸技術においてプローブ、及び/又はプライマー核酸として有用なブロック・オリゴヌクレオチドに関する。例えば、本明細書中に記載したブロック・オリゴヌクレオチドは、使いやすさを犠牲にすることなく多くの異なったPCR関連プロトコールに容易に置換され、且つ、既存のブロック・オリゴヌクレオチドに対する経済的な代替物である。これらのブロック・オリゴヌクレオチドのいくつかの適用が、以下に提供される実施例でさらに説明され、そして、また、例えば、2004年6月28日付でGelfandらによって出願された「2’-ターミネータ関連加ピロリン酸分解活性化重合」と題する米国特許出願番号第10/879493号、及び2006年10月18日付でBauerらによって出願された「突然変異DNAポリメラーゼと関連方法」と題する米国特許番号第60/852882号にも記載されている。
【0068】
本発明のブロック・オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドは、様々なヌクレオチド組み込み生体触媒によりオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドを伸長不可能にする2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含む。これらのオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの2’-ターミネーター・ヌクレオチドは、典型的には、完全な糖環又は糖類似体環(例えば、炭素環式環など)を持っていて、且つ、これらの糖部分の2’位にブロッキング基(例えば、陰性荷電ブロッキング基、巨大ブロッキング基、及び/又は同様のもの)を含む。これらのオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの製造方法に加えて、本発明はまた、関連するビジネス方法とキットも提供する。これらの特徴、及び本発明の他の多くの特徴を、以下でさらに説明する。
【0069】
III. 2’-ターミネーター・ヌクレオチド
本発明は、2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの製造方法に関する。オリゴヌクレオチド合成、及び関連する核酸合成試薬を、以下でさらに説明する。本発明の方法で利用されるヌクレオチド及びヌクレオシドは、典型的には、完全な糖環の3’位にヒドロキシル基を、及び糖部分の2’位にブロッキング基(例えば、陰性荷電ブロッキング基、巨大ブロッキング基、及び/又は同様のもの)を含む。本明細書中に記載の特定のヌクレオチド組み込み生体触媒は、鋳型定方向様式(template directed manner)でこれらの2’-ターミネーター・ヌクレオチドを持つプライマー核酸を伸長する能力を含む。プライマー核酸の3’末端部における2’-ターミネーター・ヌクレオチドの組み込みにより、その核酸は、通常、ヌクレオチド組み込み生体触媒によって伸長不可能になる。加えて、いくつかのヌクレオチド組み込み生体触媒には、例えば、加ピロリン酸分解により、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドから2’-ターミネーター・ヌクレオチドを取り外す能力がある。従って、本発明のオリゴヌクレオチドはまた、様々なPAP適用において、プライマー核酸として随意に使用される。本発明のブロック・オリゴヌクレオチドの特定の適用、並びにこれらの適用に有用なヌクレオチド組み込み生体触媒もまた、例えば、2004年6月28日付でGelfandらによって出願された「2’-ターミネータ関連加ピロリン酸分解活性化重合」と題する米国特許出願番号第10/879493号、及び2006年10月18日付でBauerらによって出願された「突然変異DNAポリメラーゼと関連方法」と題する米国特許出願番号第60/852882号に記載されている。2’-ターミネーター・ヌクレオチド及びヌクレオシドに関連する追加の詳細は、例えば、2004年6月28日付でGelfandらによって出願された「2’-ターミネーター・ヌクレオチド関連方法とシステム」と題する米国特許出願番号第10/879,493号において提供されている。
【0070】
本発明の方法及び他の側面で利用されるヌクレオシド及びヌクレオチドは、典型的には、以下の式:
【0071】
【化10】

【0072】
{式中、R1が、H、OH、親水基、又は疎水基であり;Bが、少なくとも1つの同素環、(環外ヘテロ原子のあるなしにかかわらず)少なくとも1つの複素環、少なくとも1つのアリール基、又はその組み合わせであり;BGが、ブロッキング基であり;Zが、O又はCH2であり;そして、
【0073】
【化11】

【0074】
が、単結合又は二重結合を表す。}を含む。
いくつかの態様において、これらのヌクレオシド及びヌクレオチドは、標識されている。さらに、これらの2’-ターミネーター・ヌクレオチドは、典型的には、5’位に取り付けられた1、2、3、又はそれを超えるリン酸基を含む。1つの態様において、例えば、2’-ターミネーター・ヌクレオチドは、2’-モノホスフェート3’-ヒドロキシル-5’-トリホスフェート・ヌクレオシドを含む。
【0075】
図1A〜Dは、2’-ターミネーター・ヌクレオチドの特定の態様を図式的に説明する。具体的には、図1Aはアデノシン・テトラホスフェート・ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示し、図1Bはグアノシン・テトラホスフェート・ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に描き、図1Cはウリジン・テトラホスフェート・ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に説明し、そして、図1Dはシチジン・テトラホスフェート・ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。
【0076】
A. 塩基
基本的に、例えば、水素結合を介して、又は塩基スタッキング機構を通して、別の核酸と塩基対を形成できるいずれかの複素環又はアリール基(すなわち、塩基又はB基)が、2’-ターミネータ・ヌクレオシド又はヌクレオチドの糖部分の1’位に随意に含まれている。従って、本明細書中において、利用され得る可能性のある基のすべてを記載しようとする試みをしない。しかしながら、特定の代表的なB基を、図解の目的で以下に提供する。いくつかの態様において、例えば、Bは、以下の式:
【0077】
【化12】

【0078】
{式中、X1及びX2が、CR8及びNから独立に選択され;R2が、H、OH、又はNR4R5であり;R3が、H、OH、又はNR6R7であり;R4、R5、R6、及びR7が、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、及びその組み合わせから独立に選択され;そして、R8が、H、ハロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、アルキル・アルコール基、アルケニル・アルコール基、アルキニル・アルコール基、置換されていないポリエチレングリコール、又は置換されているポリエチレングリコールである。}を含む。
他の態様において、Bは、以下の式:
【0079】
【化13】

【0080】
{式中、X1及びX2が、CH及びNから独立に選択され;R2が、O又はSであり;R3が、H、OH、又はNR4R5であり;そして、R4及びR5が、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、及びその組み合わせから独立に選択される。}を含む。
いくつかの態様において、Bは、以下の式:
【0081】
【化14】

【0082】
{式中、R2が、H、OH、又はNR4R5であり;R3が、H、OH、又はNR5R6であり;そして、R4、R5、R6、及びR7が、独立に、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、及びその組み合わせから選択される。}を含む。
いくつかの態様において、Bは、以下の式:
【0083】
【化15】

【0084】
{式中、Xが、CH又はNであり;R2及びR3が、H、OH、及びNHR4から独立に選択され;R4が、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、又はその組み合わせであり;そして、R5が、OH、NH2、SH、ハロ基、エーテル基、チオエーテル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、又はその組み合わせである。}を含む。
他の態様において、Bは、以下の式:
【0085】
【化16】

【0086】
{式中、Xが、CH又はNであり;R2が、O又はSであり;R3が、H、OH、又はNHR4であり;R4が、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、又はその組み合わせであり;そして、R5が、OH、NH2、SH、ハロ基、エーテル基、チオエーテル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、又はその組み合わせである。}を含む。
特定の態様において、Bは、以下の式:
【0087】
【化17】

【0088】
{式中、X1及びX2が、CH及びNから独立に選択され;R2が、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、又はその組み合わせから選択され;そして、R3が、O又はSである。}を含む。
他の態様において、Bは、以下の式:
【0089】
【化18】

【0090】
{式中、R2及びR3が、O及びSから独立に選択され;そして、R4及びR5が、H、NH2、SH、OH、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基、及びその組み合わせから独立に選択される。}を含む。
いくつかの態様において、Bは、以下の式:
【0091】
【化19】

【0092】
{式中、R2及びR3が、O及びSから独立に選択され;そして、R4が、H、NH2、SH、OH、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基、又はその組み合わせである。}を含む。
他の態様において、Bは、以下の式:
【0093】
【化20】

【0094】
{式中、R2及びR3が、O及びSから独立に選択される。}を含む。
いくつかの態様において、Bは、以下の式:
【0095】
【化21】

【0096】
{式中、R2及びR3が、O及びSから独立に選択され;そして、R4が、H、アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基である。}を含む。
他の態様において、Bは、以下の式:
【0097】
【化22】

【0098】
{式中、R2が、O又はSであり;R3及びR4が、H、NH2、SH、OH、COOH、COOCH3、COOCH2CH3、CHO、NO2、CN、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基、及びその組み合わせから独立に選択され;そして、R5が、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ベンジル基、又はその組み合わせである。}を含む。
【0099】
B. ブロッキング基
糖部分の2’位にて利用されるブロッキング基(BG)もまた、様々な態様を含む。いくつかの態様において、例えば、BGは、陰性荷電基、及び/又は巨大基(bulky group)である。さらに例えば、BGは、例えば、CN、NO2、N3、ハロ基、エーテル基、アルデヒド基、カルボン酸基、エステル基、アミノ基、OCH3、OCH2COOH、O-シリルエーテル基、ケト基、O-ラクトン基、O-アルキル基、O-環式アルキル基、O-アルケニル基、O-アルキニル基(O-alkynl group)、カルバメート基、イミド基、アミド基、及びその組み合わせから随意に選択される。より詳しく述べると、BGは、以下の式:
【0100】
【化23】

【0101】
を随意に含む。
他の態様において、BGは、以下の式:
【0102】
【化24】

【0103】
{式中、Qが、O、S、又はNHであり;Xが、H、OH、CH3、BH3、F、又はSeHであり;そして、Zが、O、S、又はSeである。}を含む。図2Bは、この式を持ったブロッキング基を含む、あるヌクレオチドを図式的に描いている。さらに例えば、BGは、以下の式
【0104】
【化25】

【0105】
{式中、Qが、O、S、又はNHであり;Xが、O、S、又はNHであり;Zが、O、S、又はSeであり;そして、Rが、アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基である。}を随意に含む。図2Aは、この式を持ったブロッキング基を含む、ある2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に描いている。別の代表的な態様において、BGは、以下の式:
【0106】
【化26】

【0107】
{式中、Qが、O、S、又はNHであり;Xが、O、S、又はNHであり;Zが、O、S、又はSeであり;Lが、-CONH(CH2nNH-、-CO(CH2nNH、又は-CONH(CH2CH2O)nCH2CH2NHであり;nが、0より大きな整数であり;そして、Rが、NH2、SH、COOH、クエンチャー部分、レポーター部分、ビオチン、又は親和性部分である。}を含む。
【0108】
C. 標識化
本発明のオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドは、合成に続いて随意に標識される。いくつかの態様において、核酸合成試薬(例えば、2’-ターミネーター・ヌクレオチドのホスホラミデート前駆体、保護基を含む他のヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、又はポリヌクレオチドのホスホラミデート前駆体など)は、そのオリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの合成の前に標識される。例えば、標識は、例えば、アミド、エステル、チオエステル、エーテル、チオエーテル、炭素‐炭素、又は他のタイプの共有結合を通して、例えば、2’-ターミネーター・ヌクレオチド又は(例えば、ピリミジンのC5、シチジンのN4、プリンのC7、アデノシンのN6、プリンのC8、又は当該技術分野で知られている別の付着部位を介して)他のヌクレオチドの同素環、複素環、又はアリール基に随意に取り付けられる。加えて、又はあるいは、標識は、共有結合、すなわち、アミド、エステル、チオエステル、エーテル、チオエーテル、炭素‐炭素、又は他の結合によって、2’-ターミネーター・ヌクレオチド又は他のヌクレオチド(例えば、dNTP又は同様のもの)の糖部分(例えば、リボース糖など)、又はその類似体(例えば、炭素環式環など)に、及び/又は2’-ターミネーター・ヌクレオチド又は他のヌクレオチドのリン酸基に取り付けられる。共有結合は、標識とヌクレオチドの求電子基と求核基の間の反応により通常形成される。特定の態様において、標識とヌクレオチドは、(例えば、一重、二重、三重、若しくは芳香族の炭素‐炭素結合を介して、又は炭素‐窒素結合、窒素‐窒素結合、炭素‐酸素結合、炭素-硫黄結合、リン‐酸素結合、リン‐窒素結合などを介して)互いに直接的に結合される。随意に、リンカーが、2’-ターミネーター・ヌクレオチド又は他のヌクレオチドに標識を取り付ける。様々なリンカーを、標識とヌクレオチドを結合するために使用し得るか、又は使用のために適合させ得る。そのようなリンカーの特定の限定されることのない説明は、本明細書中に言及される。
【0109】
さらに例えば、図3A〜Cは、特定の態様による色素標識テトラホスフェートを図式的に示す。具体的には、図3Aは、リンカー基を介して2’-ターミネーター・ヌクレオチドの塩基に取り付けられたレポーター色素を図式的に示し、図3Bは、リンカー基を介して2’-ターミネーター・ヌクレオチドのブロッキング基に取り付けられたレポーター色素を図式的に描き、そして、図3Cは、リンカー基を介して2’-ターミネーター・ヌクレオチドの糖部分に取り付けられたレポーター色素を図式的に示しており、ここで、Xは、H、OH、NHR1、SR1、アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルキル‐アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、又は同様のもの(式中、R1が、H、アルキル基、ベンジル基、アリール基、アルキル‐アリール基、アルケニル基、又は同様のものである。)であるか、又はO、S、N、C、又は同様のものを含んで成り、Yが、OR2、SR2、NHR2、又は同様のもの(式中、R2が、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキル‐アリール基、又は同様のものである。)であり、そして、Zが、O、S、N、C、Si、又は同様のものを含む。図4A及びBもまた、標識ヌクレオシド・テトラホスフェートのいくつかの態様を図式的に示す。より詳しく述べると、図4A及びBは、ヌクレオシド・テトラホスフェートの塩基にリンカーを介して取り付けられた標識を図式的に示しており、ここで、Rが、例えば、H、OH、アルキル基、アリール基、アルキル‐アリール基、アルケニル基、アルキニル基等から選択される。加えて、図5は、リンカーを介してヌクレオシド・テトラホスフェートのリン酸基に取り付けられた標識を図式的に描いている。図6A〜Lもまた、特定の態様によるヌクレオチドの塩基に取り付けられた蛍光色素を持つ様々な2’-ターミネーター・ヌクレオチドを図式的に示す。具体的には、図6A〜Cは、R6G標識アデノシン・テトラホスフェートを図式的に示し、図6D〜Fは、R110標識グアノシン・テトラホスフェートを図式的にえがき、図6G〜Iは、TAMRA標識ウリジン・テトラホスフェートを図式的に説明し、そして、図6J〜Lは、ROX標識シチジン・テトラホスフェートを図式的に示す。もちろん、標識は、2’-ターミネーター・ヌクレオチドに、又はリンカーを介することを含めて本明細書中に記載したように、他の位置にて他のヌクレオチドに取り付けられるかもしれない。例えば、図7は、リンカーの1つの態様を図式的に描いている。いくつかの態様において、例えば、図6C、6F、6I、及び6Lの2’-ターミネーター・ヌクレオチドは、図7のリンカーを含む。
【0110】
基本的に、あらゆる標識が、本発明のオリゴヌクレオチドに利用されるヌクレオチド又はヌクレオシドを標識するために随意に利用される。いくつかの態様において、例えば、標識は、蛍光色素(例えば、ローダミン染料(例えば、R6G、R110、TAMRA、ROXなど)、フルオレセイン染料(例えば、JOE、VIC、TET、HEX、FAMなど)、ハロフルオレセイン色素、シアニン色素(例えば、CY3、CY3.5、CY5、CY5.5など)、BODIPY(登録商標)色素(例えば、FL、530/550、TR、TMRなど)、ALEXA FLUOR(登録商標)色素(例えば、488、532、546、568、594、555、653、647、660、680など)、ジクロロローダミン色素、エネルギー移動色素(例えば、BIGDYE(商標)v1色素、BIGDYE(商標)v2色素、BIGDYE(商標)v3色素など)、Lucifer色素(例えば、Lucifer yellowなど)、CASCADE BLUE(登録商標)、Oregon Green等を含む。蛍光色素に関する追加の詳細が、例えば、Haugland, Molecular Probes Handbook of Fluorescent Probes and Research Products, Ninth Ed. (2003)、及びその最新版に提供されている。蛍光色素は、通常、例えば、Molecular Probes, Inc.(Eugene, OR)、Amersham Biosciences Corp.(Piscataway, NJ)、Applied Biosystems(Foster City, CA)など含めた種々の商業的な供給業者から容易に入手可能である。その他の標識には、例えば、ビオチン、弱い蛍光標識(Yin et al. (2003) Appl Environ Microbiol. 69(7):3938、Babendure et al. (2003) Anal. Biochem. 317(1):1、及びJankowiak et al. (2003) Chem Res Toxicol. 16(3):304)、非蛍光標識、比色標識、化学発光標識(Wilson et al. (2003) Analyst. 128(5):480及びRoda et al. (2003) Luminescence 18(2):72)、ラマン標識、電気化学的標識、生物発光標識(Kitayama et al. (2003) Photochem Photobiol. 77(3):333、Arakawa et al. (2003) Anal. Biochem. 314(2):206、及びMaeda (2003) J. Pharm. Biomed. Anal. 30(6):1725)、並びに、例えば、2002年11月22日に出願された米国特許仮出願番号第60/428,484号に記載のα-メチル-PEG標識試薬が含まれる。
【0111】
特定の態様において、標識は、例えば、3H、14C、22Na、32P、33P、35S、42K、45Ca、59Fe、125I、203Hg、又は同様のものなどの放射性同位元素を含む。さらに例えば、標識はまた、少なくとも1つの質量変更基を随意に含む。例えば、質量変更基は、例えば、重水素、F、Cl、Br、I、S、N3、XY、CH3、SPO4、BH3、SiY3、Si(CH33、Si(CH32(C2H5)、Si(CH3)(C2H52、Si(C2H53、(CH2nCH3、(CH2nNY2、CH2CONY2、(CH2nOH、CH2F、CHF2、CF3、及びホスホロチオアート基{ここで、Xが、O、NH、NY、S、NHC(S)、OCO(CH)nCOO、NHCO(CH2nCOO、OSO2O、OCO(CH2n、NHC(S)NH、OCO(CH2nS、OCO(CH2)S、NC4O2H2S、OPO(O-アルキル)、又はOP(O-アルキル)であり;nが、1から20までを含めた整数であり;そして、Yが、H、重水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ポリオキシメチレン基、モノアルキル化ポリオキシメチレン基、ポリエチレン・イミン基、ポリアミド基、ポリエステル基、アルキル化シリル基、ヘテロオリゴ、ポリアミノ酸、ヘテロオリゴ/ポリアミノ酸基、又はポリエチレングリコール基である。}から随意に選択される。核酸標識付加及び配列分析に関連する追加の詳細は、例えば、Sterky et al. (2000) "Sequence analysis of genes and genomes," J. Biotech. 76(2000):1、Sensen (Ed.) Biotechnology. Volume 5B. Genomics and Bioinformatics, John Wiley & Sons, Inc. (2001)、及びSensen (Ed.) Essentials of Genomics and Bioinformatics. John Wiley & Sons, Inc. (2002)の中に提供されている。
【0112】
様々なリンカーが、核酸に標識を連結するために利用可能であり、且つ、当業者にとって明らかであるだろう。リンカーは、通常、核酸内への組み込みのために、立体的及び電子的に好適な構造のものである。リンカーは、例えば、エーテル、チオエーテル、カルボキサミド、スルホンアミド、ウレア、ウレタン、ヒドラジン、又は他の残基を随意に含む。さらに例えば、リンカーは、通常、例えば、C、N、O、P、Si、Sなどから選択される水素以外の原子を約1〜約25個含み、且つ、基本的に、例えば、エーテル、チオエーテル、アミン、エステル、カルボキサミド、スルホンアミド、ヒドラジド結合、及び芳香族又は複素芳香族結合のいずれかの組み合わせを含む。いくつかの態様において、例えば、リンカーは、単独の炭素‐炭素結合、及びカルボキサミド又はチオエーテルの組み合わせを含む。リンカーのより長い線状セグメントが随意に利用されるが、最も長い線状セグメントは、通常、1つ以上のヘテロ原子を含めた、約3〜約15個の水素以外の原子を含む。
【0113】
限定されることのないリンカー残基の例には、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリメチレン基、アリーレン基、アルキルアリーレン基(alkylarylene groups)、アリーレンアルキル基(arylenealkyl groups)、アリールチオ基、アミド・アルキル基、アルキニル・アルキル基、アルケニル・アルキル基、アルキル基、アルコキシル基、チオ基、アミノ・アルキル基、モルホリン誘導体化リン酸、ペプチド核酸(例えば、N-(2-アミノエチル)グリシンなど)などの置換されている(例えば、官能化)又は置換されていない基等が含まれる。これらの特定のリンカー、及びその他のリンカーが、例えば、Hauglandらに対する米国特許番号第6,339,392号、Hobbs, Jr.らに対する米国特許番号第5,047,519号、Iizukaらに対する米国特許番号第4,711,958号、Stavrianopoulosに対する米国特許番号第5,175,269号、Wardらに対する米国特許番号第4,711,955号、Engelhardtらに対する米国特許番号第5,241,060号、Wardらに対する米国特許番号第5,328,824号、及びKhanらによる米国特許公開番号第2002/0151711号の中にさらに記載されている。核酸標識付加及びリンカーに関連する追加の詳細が、例えば、Hermanson, Bioconnigate Techniques. Elsevier Science (1996)の中に提供されている。特定の態様において、好適なリンカーは、光開裂可能な部分、例えば、2-ニトロベンジル部分、α-置換2-ニトロベンジル部分(例えば、1-(2-ニトロフェニル)エチル部分)、3,5-ジメトキシベンジル部分、チオヒドロキサム酸、7-ニトロインドリン部分、9-フェニルキサンチル部分、ベンゾイン部分、ヒドロキシフェナシル部分、NHS-ASA部分等を含む。光開裂可能なリンカーは、例えば、Olejnikらによる米国特許公開番号第2003/0099972号にさらに記載されている。いくつかの態様において、リンカーは、プラチナ原子などの金属を含む。これらは、例えば、Houthoffらに対する米国特許番号第5,714,327号にさらに記載されている。異なった長さの数多くのリンカーが、例えば、Qiagen - Operon Technologies, Inc.(Alameda, CA, USA)、BD Biosciences Clontech(Palo Alto, CA, USA)、及びMolecular BioSciences(Boulder, CO, USA)を含めた様々な供給業者から市販されている。
【0114】
IV. 2’-ターミネータ・ヌクレオシド又はヌクレオチドの合成
本発明のオリゴヌクレオチドに含まれる2’-ターミネータ・ヌクレオシド及びヌクレオチドは、様々な方法を使用することで合成できる。例えば、標識された、伸長不可能なヌクレオチドの製造方法の1つは、ヌクレオシド(例えば、リボヌクレオシド、炭素環ヌクレオシドなど)の糖部分の5’位に少なくとも1つのリン酸基を取り付け、そして、そのヌクレオシドの糖部分の2’位に少なくとも1つのブロッキング基を取り付けるステップを含む。この方法で利用されるヌクレオシドに随意に含まれる代表的なブロッキング基及び塩基を、本明細書中に記載する。前記方法はまた、少なくとも1つの標識をヌクレオシドの糖部分、ブロッキング基、及び/又は塩基に取り付けるステップも含む。好適な標識は、前記、及び、以下に提供される特定の実施例の中でさらに記載されている。
さらに例えば、随意に利用される2’-モノホスフェート・ヌクレオシドの製造方法の1つは、以下の式:
【0115】
【化27】

【0116】
{式中、Pが、少なくとも1つのリン酸基であり;nが、0より大きな整数であり;R1が、H、OH、親水基、又は疎水基であり;Bが、少なくとも1つの同素環、少なくとも1つの複素環、少なくとも1つのアリール基、又はその組み合わせであり;Zが、O又はCH2であり;そして、
【0117】
【化28】

【0118】
が、単結合又は二重結合を表す。}を含むヌクレオチドを、2’-モノホスフェート・ヌクレオシドを製造するのに有効な条件下、トリメタリン酸三ナトリウム(NaPO33と反応させるステップを含む。特定の態様において、例えば、ヌクレオチドは、2つのリン酸基を含むのに対して、他のものでは、ヌクレオチドは、3つ以上のリン酸基を含む。ヌクレオチドを製造するのに有効な条件は、典型的には、アルカリ性pHの溶液中で反応を実施することを含む。例えば、合成は、典型的には、約8.0より高いpHにて、より典型的には、約10.0より高いpHにて、そして、よりいっそう典型的には、約12.0より高いpHにて(例えば、約12.5、13.0、13.5、又は14.0にて)実施される。例えば、当該技術分野で広く知られている多くのその他のものの中でもKOH及びNaOHを含めた様々な塩基性化合物が、反応混合物のpHを調整するのに使用される。ヌクレオチドは、通常、制限試薬である。他の温度条件が随意に利用されるが、これらの合成反応は、室温にて、又はほぼ室温にて(すなわち、約20℃〜約30℃、例えば、約23℃、24℃、25℃、26℃などにて)通常実施される。加えて、これらの反応は、典型的には、少なくとも約4時間、典型的には、少なくとも約6時間、そして、よりいっそう典型的には、少なくとも約16時間続けてもよい。
【0119】
加えて、図8は、(例えば、約50:50のモル比で)5’-トリホスフェート3’-モノホスフェート・ヌクレオシドと5’-トリホスフェート2’-モノホスフェート・ヌクレオシドの混合物を製造する合成反応を図式的に説明する。プリン・ヌクレオチドの混合物の合成を、実施例において以下に提供する。特異的、又は少なくとも選択的な合成経路もまた、本明細書中に記載する。ヌクレオチドの混合物が製造される態様において、その方法は、通常、5’-トリホスフェート3’-モノホスフェート・ヌクレオシドから5’-トリホスフェート2’-モノホスフェート・ヌクレオシドを分離するステップをさらに含む。液体クロマトグラフィーを含めて、様々な分離技術が、他の化合物又は不純物から5’-トリホスフェート2’-モノホスフェート・ヌクレオシドを分離するのに利用される。ヌクレオチド合成産物を精製するのに有用な様々な分離技術は、例えば、Skoog et al., Principles of Instrumental Analysis, 5th Ed., Harcourt Brace College Publishers (1998)及びCurrell, Analytical Instrumentation: Performance Characteristics and Quality. John Wiley & Sons, Inc. (2000)にさらに記載されている。
【0120】
先に触れたとおり、完全に排除されないならば、様々な位置特異的、又は少なくとも位置選択的な合成経路もまた、生成物精製が通常最低限になるように利用されてもよい。糖部分の3’位にて様々な保護基(例えば、t-ブチルジメチルシロキシ(TBDMS)、SiR1R2R3(ここで、R1、R2、及びR3が、アルキル基から独立に選択される。)、トリイソプロピルシリル‐オキシメチル(TOM)など)の使用を典型的には含む、これらの合成経路を、以下でさらに記載する。
【0121】
本発明の合成経路は、例えば、ウリジン・テトラホスフェートの固相合成経路の中の特定のステップを図式的に示す図9でさらに説明された。加えて、図10は、1つの態様によるTAMRA‐ウリジン・テトラホスフェートの位置特異的合成経路の中の特定のステップを図式的に示す。2’-ターミネーター・ヌクレオチドの製造に関連する追加の合成経路及び他の側面を、以下の実施例において提供する。
【0122】
本発明の合成プロトコールにおける使用に適合させることができる様々な合成的技術が、一般的に知られていて、且つ、例えば、March, Advanced Organic Chemistry: Reactions. Mechanisms, and Structure, 4th Ed., John Wiley & Sons, Inc. (1992)及びCarey and Sundberg, Advanced Organic Chemistry Part A: Structure and Mechanism, 4th Ed., Plenum Press (2000)に記載されている。本発明のヌクレオチドの合成に有用な化学出発物質及び他の反応成分は、例えば、Sigma-Aldrich, Inc.(St Louis, MO)を含めた様々な商業的な供給業者から容易に入手可能である。
【0123】
V. 2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含むブロック・オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの合成
2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含むブロック・オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの合成は、様々なタイプの核酸合成試薬を使用して達成できる。例えば、オリゴヌクレオチドは、例えばヌクレオチド組み込み生体触媒(例えば、DNAポリメラーゼ、リガーゼなど)を使用することで、酵素的に合成されるか、又は例えば、ホスホラミデート法又は亜リン酸トリエステル法を使用することで、化学合成によって合成されるかもしれない(Herdewijn, Oligonucleotide Synthesis: Methods and Applications, Humana Press (2005), Gait (Ed.), Oligonucleotide Synthesis, Oxford University Press (1984)、Vorbruggen et al., Handbook of Nucleoside Synthesis, John Wiley & Sons, Inc. (2001)、及びHermanson, Bioconiugate Techniques, Elsevier Science (1996))。標識は、例えば、標識ヌクレオシド・トリホスフェート単量体(例えば、標識された伸長可能なヌクレオチド、標識2’-ターミネーター・ヌクレオチドなど)を、酵素的合成中に利用して導入され得るか、又は標識した非ヌクレオチド又はヌクレオチド・ホスホラミデートを使用して化学合成中に導入され得るか、あるいは、合成に続いて導入されるかもしれない。
【0124】
標識オリゴヌクレオチドを酵素的に合成するための代表的な手順は、鋳型又は標的核酸を変性させ、そして、その鋳型に1組のプライマーをアニーリングさせるステップを含む。いくつかの態様において、デオキシヌクレオシド三リン酸(例えば、dGTP、dATP、dCTP、及びdTTP)の混合物が、反応混合物に加えられ、そこで上記デオキシヌクレオチドの中の1つの少なくとも一部分が本明細書中に記載のように標識されている。次に、DNAポリメラーゼ酵素などのヌクレオチド合体触媒が、酵素が活性である条件下で、反応混合物に通常加えられる。標識オリゴヌクレオチドが、ポリメラーゼ鎖合成中の標識デオキシヌクレオチドの組み込みによって形成される。この方法で利用されるDNAポリメラーゼは、通常、熱安定性であり、且つ、反応温度は変性温度と伸長温度で通常循環されて、PCR法による標的核酸の標識された相補鎖の合成に作用する(Edwards et al. (Eds.), Real-Time PCR: An Essential Guide, Horizon Scientific Press (2004)、Innis et al. (Eds.), PCR Strategies, Elsevier Science & Technology Books (1995)、及びInnis et al. (Eds.), PCR Protocols, Academic Press (1990))。その後、所望の単位複製配列は、当業者に知られている様々な精製技術を使用して、反応混合物の他の成分から分離される。その後、その単位複製配列は、変性されて、2’-ターミネーター・ヌクレオチドが個々の単位複製配列鎖の3’末端に組み込まれ、所望のブロック・オリゴヌクレオチドを製造する条件下で、鋳型核酸にアニーリングさせる。あるいは、2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含む(酵素的に又は化学的に合成された)オリゴヌクレオチドが、前記単位複製配列鎖に連結されて、所望のブロック・オリゴヌクレオチドを製造する。ブロック・オリゴヌクレオチド合成に対するこれらの酵素的アプローチの他の変形形態は、当業者にとって明らかであるだろう。
【0125】
化学合成を使用して作られたブロック・オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドは、ホスホラミデート法を使用して通常製造されが、他のアプローチもまた、随意に利用される。ホスホラミデート・ベースの合成は、液相中に存在する過剰な試薬が濾過によって容易に取り除かれるように固体支持体に取り付けられた伸長するオリゴヌクレオチド鎖を用いて一般的に実施される。これは、サイクル間の他の精製法の必要性を排除する。
【0126】
ホスホラミデート法を利用する代表的な固相オリゴヌクレオチド合成サイクルを簡潔に説明すると、保護されたヌクレオチド単量体を含む固体支持体は、通常、初めは酸(例えば、三塩化酢酸)で処理されて、5’-ヒドロキシル保護基を取り外し、その後のカップリング反応のためにヒドロキシルを遊離する。そして、活性化中間体は、反応物に保護されたヌクレオシド・ホスホラミデート単量体と弱酸(例えば、テトラゾール)を同時に加えることによって通常形成される。弱酸は、反応中間体を形成するホスホラミデートの窒素をプロトン化する。伸長する核酸鎖へのヌクレオチド付加は、通常、30秒以内に完了する。その後、ヌクレオチド付加を受けなかったすべてのオリゴヌクレオチド鎖を終結させるために、キャッピング・ステップが通常実施される。キャッピングは、例えば、無水酢酸、1-メチルイミダゾール、又は同様のものを用いて実施され得る。そして、ヌクレオチド間結合が、例えば、酸化剤としてのヨウ素、及び酸素供与体としての水、を使用した酸化によって亜リン酸塩からより安定したホスホトリエステルに変換される。酸化に続いて、ヒドロキシル保護基が、プロトン酸(例えば、トリクロロ酢酸又はジクロロ酢酸)を用いて通常取り外され、そして、サイクルは、鎖伸長が完了するまで繰り返される。合成後に、合成されたオリゴヌクレオチドは、通常、例えば、水酸化アンモニウム又はt-ブチルアミンなどの塩基を使用して固体支持体から開裂される。開裂反応はまた、あらゆるリン酸エステル保護基(例えば、シアノエチル)も取り除く。最後に、塩基の環外アミン上の保護基、及び(単数又は複数の)標識部分上のヒドロキシル保護基が、高温(例えば、最高で約55℃)にて塩基性条件下、オリゴヌクレオチド溶液を処理することによって取り除かれる。代表的なホスホラミデート・ベースの合成経路はまた、図23において図式的に説明される。ブロック・オリゴヌクレオチドの合成は、以下に提供される実施例でさらに説明される。
【0127】
ホスホラミデート法によるオリゴヌクレオチドを形成するために使用される化学反応の説明はまた、例えば1984年7月3日付でCaruthersらに発行された「ポリヌクレオチド調製のための過程」と題する米国特許番号第4,458,066号、及び1983年11月15日付でCaruthersらに発行された「ホスホラミデート化合物と過程」と題する米国特許番号第4,415,732号にも提供されている。
【0128】
ヌクレオシド・ホスホラミデート単量体のいずれかが、所望されるように標識されるかもしれない。特定の態様において、オリゴヌクレオチドの5’末端が標識されるべき場合には、標識されたヌクレオシド又は非ヌクレオチド・ホスホラミデートが、最終的な縮合ステップの間に使用されるかもしれない。オリゴヌクレオチドの内部位置が標識されるべき場合には、標識されたヌクレオチド・ホスホラミデートが、いずれかの縮合ステップの間に使用される可能性がある。加えて、合成に続いて、オリゴヌクレオチドはまた、原則的に、いくつかの位置で標識され得る(Eckstein et al. (Eds.), Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, Oxford University Press (1992)、Chu et al. (1983) "Derivatization of unprotected polynucleotides," Nucleic Acids Res. 11(18): 6513-6529、及び1992年6月2日付でSmithらに発行された「末端ヌクレオチド内に一級アミノ基を持つオリゴヌクレオチド」と題する米国特許番号第5,118,800号)。さらに例えば、オリゴヌクレオチドはまた、それらのリン酸ジエステル骨格上(Eckstein et al. (1992)、前掲)、又は3’末端(Nelson et al. (1992) "Oligonucleotide labeling methods. 3. Direct labeling of oligonucleotides employing a novel, non-nucleosidic, 2-aminobutyl-1,3-propanediol backbone," Nucleic Acids Res. 20(23):6253-6259、1995年3月28日付でNelsonに発行された「固相オリゴヌクレオチド合成における、独特な多機能の制御された細孔ガラス(MF-CPG)試薬を使用した合成オリゴヌクレオチドの3’末端を標識する方法」と題する米国特許番号第5,401,837号、及び1992年8月25日付でNelsonに発行された「固相オリゴヌクレオチド合成のための多機能の制御された細孔ガラス試薬」と題した米国特許番号第5,141,813号)にて標識される可能性もある。
【0129】
特定の態様において、修飾ヌクレオチドが、本明細書中に記載のブロック・オリゴヌクレオチド内に含まれている。例えば、オリゴヌクレオチド配列内への修飾ヌクレオチド置換の導入は、例えば、所望されるように、そのオリゴヌクレオチドの融解温度を変更する可能性がある。いくつかの態様において、これは、標的核酸と特定のオリゴヌクレオチドの間の配列内の1つ以上のミスマッチの存在下でさえ、対応する非修飾オリゴヌクレオチドに対してより高い感度をもたらす可能性がある。オリゴヌクレオチドにおいて置換されるか、又は付加される可能性のある代表的な修飾ヌクレオチドには、例えば、C5-エチル-dC、C5-メチル-dC、C5-エチル-dU、2,6-ジアミノプリン、C5-プロピニル-dU、C5-プロピニル-dC、C7-プロピニル-dA、C7-プロピニル-dG、C5-プロパルギルアミノ-dC、C5-プロパルギルアミノ-dU、C7-プロパルギルアミノ-dA、C7-プロパルギルアミノ-dG、7-デアザ-2-デオキシキサントシン、ピラゾロピリミジン類似体、偽dU(pseudo-dU)、ニトロ・ピロール、ニトロ・インドール、2’-O-メチル・リボ-U、2-O-メチル・リボ-C、8-アザ-dA、8-アザ-dG、7-デアザ-dA、7-デアザ-dG、N4-エチル-dC、及びN6-メチル-dAが含まれる。さらに例えば、修飾オリゴヌクレオチドに関する他の例には、1つ以上のLNA(商標)単量体を持つものが含まれる。これらのようなヌクレオチド類似体はまた、例えば、2003年10月28日付でKochkineらに発行された「[2.2.1]ビシクロ・ヌクレオシドの合成」と題する米国特許番号第6,639,059号、2001年10月16日付でSkouvに発行された「混成の生物学的サンプルにおけるワンステップ・サンプル調製と核酸の検出」と題する米国特許番号第6,303,315号、及び2003年5月15日付で公開されたKochkineらによる「[2.2.1]ビシクロ・ヌクレオシドの合成」と題する米国特許出願公開番号第2003/0092905号にも記載されている。LNA(商標)単量体を含むオリゴヌクレオタイドは、例えば、Exiqon A/S(Vedbaek, DK)、を通じて商業的に入手可能である。追加のオリゴヌクレオチドの変更は、先に提供された定義を含めて、本明細書中で言及されている。
【0130】
VI. ヌクレオチド組み込み生体触媒
本発明のブロック・オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドは、典型的には、例えば、G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E E678G CS6 DNAポリメラーゼ、ΔZ05Rポリメラーゼ、E615G Taq DNAポリメラーゼ、サーマス・フラバス・ポリメラーゼ、TMA-25ポリメラーゼ、E678G TMA-25ポリメラーゼ、TMA-30ポリメラーゼ、E678G TMA-30ポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、サーマス属SPS-17ポリメラーゼ、E615G Taq ポリメラーゼ、サーマス属Z05Rポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、コーンバーグDNAポリメラーゼI、クレノウDNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ミクロコッカスDNAポリメラーゼ、αDNAポリメラーゼ、逆転写酵素、AMV逆転写酵素、M-MuLV逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、E.コリRNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼII、ターミナル・トランスフェラーゼ、ポリヌクレオチド・ホスホリラーゼ、リボヌクレオチド組み込みDNAポリメラーゼ等から選択される少なくとも1種類のヌクレオチド組み込み生体触媒によって伸長不可能である。これらのヌクレオチド組み込み生体触媒の特定の配列は、例えば、GenBank(登録商標)等を含めた様々な情報源から公的に入手可能である。本発明の側面をさらに説明するために、図11は、鋳型核酸、及び組み込みシチジン・テトラホスフェート・ヌクレオチドを伴うプライマー核酸へのポリメラーゼ結合を図式的に描く。
【0131】
組み込むことはできるが、通常伸長することができないポリメラーゼの1つのタイプである本発明の2’-ターミネーター・ヌクレオチドは、その酵素のヘリックスO内のFからYへの突然変異を欠いているか、そうでなければ、その酵素による3’-デオキシヌクレオチドの組み込みを促進する突然変異を欠いている。随意に、前記酵素は、3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を含む、及び/又は熱安定酵素である。前記酵素は、典型的には、例えば、サーマス・アントラニキアニイ(Thermus antranikianii)、サーマス・アクアティクス(Thermus aquaticus)、サーマス・カルドフィルス(Thermus caldophilus)、サーマス・クリアロフィルス(Thermus chliarophilus)、サーマス・フィリホルミス(Thermus filiformis)、サーマス・フラバス(Thermus flavus)、サーマス・イグニテラ(Thermus igniterrae)、サーマス・ラクテウス(Thermus lacteus)、サーマス・オシマイ(Thermus oshimai)、サーマス・ルベル(Thermus ruber)、サーマス・ルベンス(Thermus rubens)、サーマス・スコトダクツス(Thermus scotoductus)、サーマス・シルバヌス(Thermus silvanus)、サーマス属Z05(Thermus species Z05)、サーマス属sps17(Thermus species sps 17)、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、サーモトガ・ネアポリタナ(Thermotoga neapolitana)、サーモシホ・アフリカヌス(Thermosipho africanus)、アナエロセルム・サーモフィルム(Anaerocellum thermophilum)、バチルス・カルドテナキス(Bacillus caldotenax)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、又は同様のものなどの生物体から得られる。
【0132】
いくつかの態様において、酵素は修飾されている。代表的な修飾酵素には、例えば、G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E E678G CS6 DNAポリメラーゼ、E615G Taq DNAポリメラーゼ等が含まれる。これらの修飾酵素は、通常、修飾されていない酵素に対して、増強された2’-ターミネーター・ヌクレオチド取り込み能力を含む。すなわち、修飾酵素は、例えば、これらの突然変異の1つ以上を欠く酵素に対して、リボヌクレオチドの組み込みを促進する突然変異、リボヌクレオチドの2’-修飾類似体の組み込みを促進する突然変異、及び/又は5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を低減するか若しくは排除する突然変異を通常含む。有用なヌクレオチド組み込み生体触媒に関連する追加の詳細はまた、例えば、Bauerらによって2006年10月18日付で出願された「突然変異体DNAポリメラーゼと関連方法」と題する米国特許出願番号第60/852882号、1999年8月17日付でGelfandらに発行された「リボ-NTPSに対する低減された識別を有する熱安定性DNAポリメラーゼ」と題する米国特許番号第5,939,292号、1989年12月26日付でGelfandらに発行された「精製熱安定酵素」と題する(米国特許番号第4,889,818号、1994年12月20日付でGelfandらに発行された「サーモトガ・マリティマ(THERMOTOGA MARITIMA)からの熱安定性核酸ポリメラーゼ酵素をコードするDNA」と題する米国特許番号第5,374,553号、1995年5月30日付でGelfandらに発行された「サーモトガ・マリティマからの突然変異熱安定性核酸ポリメラーゼ酵素」と題した米国特許番号第5,420,029号、1995年10月3日付でAbramsonらに発行された「サーマス属Z05からの突然変異熱安定性核酸ポリメラーゼ酵素」と題する米国特許番号第5,455,170号、1995年11月14日付でAbramsonらに発行された「熱安定性DNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ突然変異」と題する米国特許番号第5,466,591号、1997年4月8日付でGelfandらに発行された「サーマス・サーモフィルスDNAポリメラーゼの組み換え発現ベクターと精製方法」と題する米国特許番号第5,618,711号、1997年4月29日付でGelfandらに発行された「サーモトガ・マリティマからの精製熱安定性核酸ポリメラーゼ酵素」と題する米国特許番号第5,624,833号、1997年10月7日付でAbramsonらに発行された「サーマス属Z05からの熱安定性核酸ポリメラーゼ酵素をコードするDNA」と題する米国特許番号第5,674,738号、1998年8月4日付でGelfandらに発行された「サーマス・サーモフィルスDNAポリメラーゼの組み換え発現ベクターと精製方法」と題する米国特許番号第5,789,224号、1998年8月18日付でAbramsonらに発行された「熱安定性DNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ突然変異」と題する米国特許番号第5,795,762号、2002年1月31日付でSmithらによって公開された「突然変異DNAポリメラーゼを使用した高熱逆転写」と題する米国特許出願公開番号第US 2002/0012970号、及び2003年3月26日付で出願された米国特許出願番号第10/401,403号にも提供されている。
【0133】
例えば、2’-ターミネーター・ヌクレオチドの取り込みに関する高い効率、又は他の所望の特性を有する修飾酵素の製造は、例えば、部位特異的突然変異誘発、化学修飾などを含めた様々な過程によって達成されるかもしれない。より詳しく述べると、部位特異的突然変異誘発は、部位特異的プライマー指向性突然変異によって通常達成される。この技術は、所望の突然変異を示す限定されたミスマッチ除いて、突然変異を誘発されるべき一本鎖ファージDNAに相補的な合成オリゴヌクレオチド・プライマーを使用して通常行われる。簡単に言えば、合成オリゴヌクレオチドはプラスミド又はファージに対する相補鎖の直接的な合成のためのプライマーとして使用され、そして、得られた二本鎖DNAが、ファージを扶養する宿主細菌内に形質転換される。得られた細菌は、所望の突然変異遺伝子配列を保有するそれらのプラークを特定するために、例えば、DNA配列分析又はプローブ・ハイブリダイゼーションによってアッセイされる。さらに例えば、「組み換えPCR」法などの核酸を修飾するための他の多くのアプローチもまた、利用される。
【0134】
本発明の側面(例えば、修飾された酵素の製造、配列決定反応の実施など)を実施する際に、分子生物学と組み換えDNAの多くの従来型の手法が随意に利用される。これらの技術は、周知であり、且つ、例えば、Current Protocols in Molecular Biology, Volumes I, II, and III, 1997 (F. M. Ausubel ed.);Sambrook et al., 2001, Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.;Berger and Kimmel, Guide to Molecular Cloning Techniques. Methods in Enzvmology volume 152 Academic Press, Inc., San Diego, CA (Berger), DNA Cloning:A Practical Approach, Volumes I and II, 1985 (D. N. Glover ed.);Oligonuclcotide Synthesis, 1984 (M. L. Gait ed.);Nucleic Acid Hybridization, 1985, (Hames and Higgins);Transcription and Translation, 1984 (Hames and Higgins eds.);Animal Cell Culture, 1986 (R. I. Freshney ed.);Immobilized Cells and Enzymes, 1986 (IRL Press);Perbal, 1984, A Practical Guide to Molecular Cloning;the series, Methods in Enzvmology (Academic Press, Inc.);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells, 1987 (J. H. Miller and M. P. Calos eds., Cold Spring Harbor Laboratory);Methods in Enzvmology Vol. 154 and Vol. 155 (それぞれ、Wu and Grossman, and Wu, eds.)の中で説明されている。
【0135】
VII. ビジネス方法
他の代表的な態様において、本発明は本明細書中に記載のブロック・オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドを伴う営業方法を提供する。例えば、図24は、本発明の1つの態様によるビジネス方法で実施される特定のステップを示すブロック・ダイアグラムである。ステップ2400に示されているように、前記方法は、本明細書中に記載のブロック・オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドについての注文、及び/又はそのようなオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを製造するための教示を客からを受けるステップを含む。加えて、方法はまた、前記注文に対応して客にオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド、及び/又は教示を供給するステップ(ステップ2402)を含む。いくつかの態様において、例えば、企業体は、客若しくはその代理人による個人の出頭(personal appearance)を介して、郵便又は他のデリバリー・サービス(例えば、運送業者)を介して、電話連絡を介して、メール連絡若しくは他の電子媒体を介して、又はいずれか他の適切な方法を介して注文を受ける。いくつかの態様において、注文を受ける、及び/又は供給される、ブロック・オリゴヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド、並びに/あるいは、教示は、本明細書中に記載のキット内に含まれる。さらに、ブロック・オリゴヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド、及び/又は教示は、客若しくはその代理人による個人の出頭により、郵便若しくは運送業者のような他のデリバリー・サービスを介することを含めて、いずれかの適切な方法によってその客に(例えば、支払形式と引き換えに)供給又は提供される。
【0136】
VIII. キット
本発明はまた、本明細書中に記載のブロック・オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを製造するための教示、及び/又は1つ以上のブロック・オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを含む様々なキットも提供する。本明細書中に記載したように、本発明のブロック・オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドは、典型的には、様々な核酸技術においてプライマー又はプローブとして使用される。従って、キットは、特定の態様において、ブロック・オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドに加えて、特殊な適用(例えば、リアルタイムPCR法、PAPベースの方法など)を実施するための他の試薬(例えば、バッファー、酵素など)及び教示を含む。さらに、前記キットはまた、典型的には、包装試薬、教示、及び他のキット成分のためのコンテナを含む。
【実施例】
【0137】
IX. 実施例
以下の実施例を、例示としてのみ提供し、請求の範囲に記載されている発明の範囲を制限することを意図しない。
実施例I:ウリジン・テトラホスフェートの位置特異的合成
【0138】
図12は、本発明の1つの態様によるウリジン・テトラホスフェートの位置特異的合成経路を図式的に描いている。角括弧書きした数字がこの実施例における図12に示した化合物を指すことに留意すること。
【0139】
5’-O-DMT-3’-O-TBDMSウリジン2’-O(ビスシアノエチル)ホスファイト[2]の合成:
化合物[1](ChemGenesカタログ番号ANP-4845、0.680g、0.790mmol)を、アセトニトリル(Aldrich、無水、10mL)中に溶かした。1-H-テトラゾール(Aldrich、0.211g、3.01mmol)を、その溶液に一度に加え、それに続いて、3-ヒドロキシプロピオニトリル(Aldrich、0.109mL、1.58mmol)を加えた。得られた溶液を、アルゴン雰囲気下、外気温にて1時間撹拌した。溶媒を、ロータリーエバポレターにより取り除いた。残渣をEtOAc(50mL)中に溶かし、そして、得られた溶液を飽和NaHCO3水溶液(2×20mL)で洗浄した。有機層を、分離し、そして、MgSO4上で乾燥させた。濾過と、それに続く溶媒の留去によって、未精製の生成物を得た。Biotageフラッシュ40Sカートリッジを、生成物混合物を添加する前に、CH2Cl2中、2%のEt3Nの溶液(200mL)を溶出することによって、前もって調整した。生成物混合物を、最小限の量のCH2Cl2溶液中の溶液としてBiotageカラムの上端に添加した。生成物を、2%のEt3N/98%のCH2Cl2(200mL)、0.5%のメタノール/2%のEt3N/97.5%のCH2Cl2(200mL)、1%のメタノール/2%のEt3N/97%のCH2Cl2(200mL)から成る段階的グラジエントを用いて溶出することによって精製した。精製した生成物を、0.5〜1.0%のメタノール溶媒強度画分中に溶出した。精製した生成物を含んだ画分を合わせ、そして、溶媒をロータリーエバポレターで取り除いた。このように、白いフォームとして精製した生成物[2]を得た(0.510g、78%の収率)。
【0140】
5’-OH-3’-O-TBDMSウリジン2’-O(ビスシアノエチル)ホスフェート[4]の合成:
化合物[2](0.335g、0.403mmol)を、THF(Aldrich、無水、6.7ml)中に室温にて溶解した。ピリジン/THF/H2O(0.02M、2.2:6.8:1;Glen Research、24mL、0.48mmol)中、I2の溶液を、撹拌しながら混合物に加えた。得られた溶液を、外気温にて20分間撹拌する。亜硫酸水素ナトリウム(3mLのH2O中、1g)の水溶液を、ヨウ素呈色がその溶液によりクエンチされるまで滴下して加えた。揮発性溶剤を、ロータリーエバポレターにより取り除いた。その溶液を、EtOAcで100mLの全容積まで希釈した。その溶液を、飽和NaHCO3(50mL)で慎重に洗浄した。有機層を、分離し、そして、MgSO4上で乾燥させた。その溶液を濾過し、そして、溶媒をロータリーエバポレターで取り除いて、化合物[3]を得た。この未精製[3]物質を、撹拌しながらCH2Cl2(8mL)中に溶かした。得られた溶液を、−30℃に冷やした。CH2Cl2(4mL)中、三塩化酢酸(Fisher、0.487g、2.98mmol)の溶液を、冷やした撹拌ヌクレオシド溶液に加えた。トリチルカチオンの赤色/茶色の呈色特徴がすぐに現れた。三塩化酢酸の添加後、撹拌を−30℃にて20分間続けた。MeOH(1.5mL)を加え、そして、得られた溶液を分液漏斗に移した。その溶液をCH2Cl2(75mL)で希釈した。得られた溶液を、飽和NaHCO3(2×30mL)で洗浄した。有機層を、分離し、そして、Na2SO4上で乾燥させた。その溶液を濾過し、そして、溶媒をロータリーエバポレターで取り除いた。未精製の生成物を、Biotage 40Sカートリッジを使用したシリカゲルによるフラッシュ・カラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物を、最小限の量のCH2Cl2中の溶液としてBiotageカラムの上端に添加した。生成物を、EtOAc(200mL)、EtOAc中の1%のMeOH(200mL)、EtOAc中の2%のMeOH(200mL)、EtOAc中の3%のMeOH(200mL)、EtOAc中の4%のMeOH(200mL)、EtOAc中の5%のMeOH(200mL)、そして、EtOAc中の10%のMeOH(200mL)の段階的グラジエントを使用することで溶出した。生成物を、10%のMeOH溶媒強度を使用することで溶出した。精製した生成物を含む画分を合わせ、そして、溶媒をロータリーエバポレターで取り除いた。このように、白いフォームとして純粋な生成物[4]を得た(0.145g、66%の収率)。
【0141】
化合物[4]の、その対応トリホスフェート[7]への転換:
5’-OH-3’-O-TBDMSウリジン2’-O-(ビスシアノエチル)リン酸(化合物[4]、0.0335g、0.0615mmol)を、ピリジン(3×0.2mL)との共留去によって乾燥させた。得られた物質を、ピリジン(Aldrich、無水、70μL)及びDMF(Aldrich、無水、180μL)中に溶かした。DMF中、サリチルホスホロクロライドの溶液(0.5M、137μL、0.0677mmol)を、撹拌している溶液に加えた。得られた反応混合物を、外気温にて20分間撹拌した。トリ-N-ブチルアミン(Aldrich、38μL、0.160mmol)を加え、それに続いて、DMF中、テトラブチルアンモニウム・ピロリン酸の溶液(0.5M、185μL、0.0925mmol)を加えた。得られた反応混合物を、外気温にて20分間撹拌した。ピリジン/H2O/THF中、I2の溶液(0.02M、Glen Research、3.6mL、0.072mmol)を加え、そして、得られた反応混合物を、外気温にてさらに20分間撹拌した。余分なヨウ素を、ヨウ素の独特の呈色が見えなくなるまで、亜硫酸水素ナトリウム溶液(3mLの水中、1gのNaHSO3)の滴下による添加によってクエンチした。得られた溶液を、外気温にて一晩静置した。−20℃にて72時間を越えて静置することで、環状トリホスフェートの線状トリホスフェートへの同じ変換を行うことに留意のこと。この時点で、環状トリホスフェートは、フロー・インジェクション質量分析法(MS)によって検出できなかった。得られた線状トリホスフェートを、逆相HPLCで単離した(カラム:Zorbax SB-C18、21.2mm×25cm。溶媒A:0.1MのTEAA、2.5%のCH3CN、pH=7.0;溶媒B:CH3CN。流速:10.0mL/分。グラジエント:t=0分、100%のA; t=15分、50%のA/50%のB;t=20分間、100%B; t=25分間、100%のB; t=25.01分、100%のA; t=30分、100%のA。保持時間:20.9分)。
【0142】
3’-O-TBDMS-ウリジン・テトラホスフェート[8]の合成:
ウリジン2’-O-ビス(O-シアノエチル)ホスフェート[7](9mg、0.0117mmol)を、連続的にMeOH(3×5mL)、CH2Cl2(3×5mL)、そして最後に無水CH3CN(1×5mL)と共留去した。そして、その物質を、CH3CN(Aldrich、無水、2.25ml)中に溶かした。1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU、Aldrich、175μL、1.17mmol)及びクロロトリメチルシラン(Aldrich、59μL、0.468mmol)を、撹拌している溶液に加えた。反応混合物を、外気温にて2時間撹拌した。水(1mL)を加え、そして、揮発性物質をロータリーエバポレターによって取り除いた。得られた生成物を、逆相HPLCで精製した(カラム:Zorbax SB-C18、21.2mm×25cm。溶媒A:0.1MのTEAA、2.5%のCH3CN、pH=7.0;溶媒B:CH3CN。流速:10.0mL/分。グラジエント:t=0分、100%のA;t=15分、50%のA/50%のB;t=20分、100%のB;t=25分、100%のB;t=25.01分、100%のA;t=30分、100%のA。保持時間:13.6分)。
凍結乾燥後に、このように得られた化合物[8]を、UVによって定量化した(8mg)。ウリジンのモル吸光係数(εmax)を10(mM-1cm-1)であるとみなし、そして、その吸収極大(λmax)を262nmであるとみなした。
【0143】
ウリジン・テトラホスフェート[9]の合成:
3’-O-TBDMS-ウリジン・テトラホスフェート[8](2.55mg、0.00376mmol)を、CH3CN(Aldrich、無水、160μL)中に溶かした。THF中、フッ化テトラブチルアンモニウム(1.0M、Aldrich、113μL、0.113mmol)、及びHOAc(氷、Aldrich、2.2μL、0.0376mmol)を、前記溶液に加えた。得られた反応混合物を、外気温にて21時間撹拌した。このとき、反応物のHPLC分析は、シリルエーテルの残留を示さなかった。揮発性物質を、ロータリーエバポレターにより取り除いた。生成物混合物をH2O中に再懸濁し、そして、生成物を逆相HPLCによって精製した(カラム:Zorbax SB-C18、9.4mm×25cm。溶媒A:0.1MのTEAA、2.5%のCH3CN、pH=7.0;溶媒B:CH3CN。流速:4.0mL/分。グラジエント:t=0分、100%のA;t=15分、75%のA/25%のB;t=15.01分、100%のB;t=20分、100%のA; t=27分、100%のA。保持時間:7.05分)。精製した物質を凍結乾燥した。得られた物質を、合計5回、再懸濁し、そして、凍結乾燥して、TEAA塩の完璧な除去を確実にした。最終的な凍結乾燥の前に、その物質を、UVによって定量化した(2.00mg、94%の収率)。このように得られた化合物[9]は、白色固体であった。
【0144】
実施例II:アデノシン・テトラホスフェートの合成
概要
この実施例は、本発明の1つの合成反応によるアデノシン・テトラホスフェートの合成を説明する。図式的に示されているように、図13において、合成反応で、5’-トリホスフェート3’-モノホスフェート・アデニンヌクレオシドと5’-トリホスフェート2’-モノホスフェート・アデニンヌクレオシドの混合物を製造した。合成反応では、ATPを、室温にて1NのKOH中、トリメタホスフェート三ナトリウム(NaPO33と反応させた。反応混合物を、8時間継続させた。製造した5’-トリホスフェート3’-モノホスフェート・アデニンヌクレオシド対5’-トリホスフェート2’-モノホスフェート・アデニンヌクレオシドのモル比は、約50:50であった。
【0145】
図14A〜Cは、様々なアデノシン・ヌクレオチドの検出を示すHPLCトレース(横座標‐保持時間(分);縦座標‐260nmの吸収単位(AU))である。そのトレースを、イオン対形成RP-HPLCクロマトグラフィーを使用したヌクレオチド分離に続いて作成した。具体的には、分析と精製を、TEAA‐アセトニトリル・バッファーを用いたSymmetry Shield(商標)逆相カラム(Waters Corporation, Milford, MA)により実施した。図14Aは、アデノシン・テトラホスフェート反応のHPLC分析法を示すが、図14B及びCは、精製したアデノシン・テトラホスフェート画分のHPLC分析法(保持時間:それぞれ、4.166分及び4.52分)を示す。以下でさらに説明される、別々のNMR分析(31P NMR;2D Proton-Phosphorus NMR)が、2’-PO4-ATPに相当する4.33分に溶出したピーク、及び3’-PO4-ATPに相当する4.65分のピークを明らかにした(図14Aを参照のこと)。
【0146】
NMR分析
先に記載したHPLC分析法における4.33分にピークを有するアデノシン・テトラホスフェートの1Hと31Pの化学シフトを、表Iに示す。プロトン化学シフトの挙示は、それがたった1つのプロトン・カップリングを有するべきであり、且つ、それがリボース・プロトンの最も遠い低磁場であるべきであったので、COSYスペクトル、並びにプロトンH-1’が容易に特定できるかもしれないという事実によって容易になった。
【0147】
【表1】

【0148】
プロトン・デカップリングの有無にかかわらず、31Pスペクトルもまた、取得した。4つのリン酸ピークを、31Pスペクトルの中で観察した。−22.44、−10.69、及び−9.92ppmの3つのピークは、31P-31Pカップリングを示したので、リボース環の5’位のトリホスフェート基に属した。0.87ppmの4番目のピークは、31P-31Pカップリングを示さないので、モノホスフェートに属した。しかしながら、モノホスフェートの31Pの化学シフトは、それぞれ、0.87と1.08ppmの両方のアデノシン・テトラホスフェート(すなわち、4.33分と4.65分のピーク)で非常に類似していて、そのため、それは、リン酸基の位置を決定するのに有用でなかった。加えて、モノホスフェート及びトリホスフェート・ピークの線幅は、プロトン・デカップリングなしに得られる31Pスペクトルにおいて、31P-1Hカップリングが解明されないほど幅広かった。
【0149】
アデノシン5’-ホスフェート、アデノシン2’-モノホスフェート、及びアデノシン・テトラホスフェートのH’-2とH-3’の化学シフト(4.33分にピーク)の比較は、モノホスフェートが4.33分にピークを有するアデノシン・テトラホスフェートのC-2’に取り付けられていることを示した(表IIを参照のこと)。加えて、2つの隣接したプロトンを持つので、そのため、二重の二重項又は三重項であると予想されたH-2’は、二重の三重項であった。追加の8.8Hzカップリングは、3つの結合31P-1Hカップリングであるのに正当な大きさである。これらの結果に基づいて、4.33分にピークを有するアデノシン・テトラホスフェートの構造が、決定され、そして、2’-PO4-ATPに相当する。2’-PO4-ATPの構造を、図13に図式的に示している。
【0150】
【表2】

【0151】
4.65分にピークを有するサンプルは、ヌクレオチドと、多量のトリエチルアミン塩と思われるものの混合物であった。1H及び31Pスペクトルから計測される、1H及び31Pの化学シフト、及び計測されたヌクレオチドの分離を、表IIIに示す。プロトン化学シフトの挙示は、それがたった1つのプロトン・カップリングを有するべきであり、且つ、それがリボース・プロトンの最も遠い低磁場であるべきであったので、COSYスペクトル、並びにプロトンH-1’が容易に特定できるかもしれないという事実によって容易になった。カップル化及びデカップル化31Pスペクトルは、4.33分にピークを有するアデノシン・テトラホスフェートについて先に議論したのと同じ理由で有用でなかった。
【0152】
【表3】

【0153】
H-2’及びH-3’の化学シフトは、4.65分にピークを有するアデノシン・テトラホスフェートのサンプルは、共に、約4.8ppmであった。そのため、H-2’は、アデノシン5’-ホスフェートにおけるH-2’の化学シフト4.75ppmに近い、高磁場に逆行した(表IIを参照のこと)。H-3’は、アデノシン5’-リン酸、4.51ppm、及びアデノシン・テトラホスフェート(4.33分にピーク)、4.67ppmの両方のH-3’の化学シフトに対して低磁場に移動した(表IIを参照のこと)。これらの観察に基づいて、4.65分にピークを有するアデノシン・テトラホスフェートの構造を、決定し、そして、3’-PO4-ATPに相当した。3’-PO4-ATPの構造を、図13に図式的に示している。
【0154】
実施例III:TAMRA標識2’-モノホスフェートリジン・トリホスフェート及び3’-モノホスフェートリジン・トリホスフェートの合成
この実施例は、本発明の1つの態様によるTAMRA標識2’-モノホスフェートリジン・トリホスフェート及び3’-モノホスフェートリジン・トリホスフェートの合成経路を説明する。さらに例えば、図15は、この実施例に記載されている経路の特定のステップを図式的に示す。角括弧書きの数字がこの実施例において図15に示した化合物を指すことに留意のこと。
【0155】
化合物[3]を、H2O(300μL)中に溶かし、そして、この溶液100μLをコニカル・バイアルに入れた。前記コニカル・バイアル中の溶液を、1.0mLの1N KOHで希釈した。トリメタホスフェート・ナトリウム(50mg)を加え、そして、その溶液を外気温にて1時間撹拌した。50mgのトリメタホスフェート・ナトリウムを加え、そして、撹拌をさらに2時間続けた。次に、追加の50mgのトリメタホスフェート・ナトリウムを加え、そして、撹拌を外気温にて一晩続けた。翌日、80μLの氷酢酸を、pHを約7.0にするために加えた。そして、得られた反応混合物を、RP-HPLCで精製した。まず最初に、ヌクレオシドを含む反応混合物の一部を、塩から分離した。凍結乾燥後に、テトラホスフェートを、出発物質から分離した。図16は、これらのテトラホスフェートの検出を示すクロマトグラム(横座標‐保持時間(分);縦座標‐290nmの吸収単位(AU))である。具体的には、15.9分及び16.1分に溶出したピークがテトラホスフェートに相当し、そして、16.8のピークが出発物質に相当する。
【0156】
7mgのテトラホスフェート異性体混合物(化合物[4]と[5])を、外気温にて200μLのトリフルオロ酢酸(TFA)中に溶かした。得られた溶液を30分間撹拌した。次に、その溶液を液体窒素中で冷やし、そして、TFAを凍結乾燥を用いて取り除いた。その物質を、さらなる操作なしに、カルボキシテトラメチルローダミン・スクシンイミジル・エステル(TAMRA-SE)と反応するように進めた。
【0157】
TAMRA-SE原液を、350μLのジメチルホルムアミド(DMF)中に5mgのTAMRA-SEを溶解することによって調製した。加えて、テトラホスフェート原液(化合物[6]と[7]を含む)を、100μLのH2O中に6mgのテトラホスフェート混合物を溶解することによって調製した。
【0158】
TAMRA-SE原液を、175μLのH2Oと共にコニカル・バイアルに移した。加えて、1.875μLの標識バッファー(0.1Mのテトラホウ酸ナトリウム)とテトラホスフェート原液を、その混合物に加えた。得られた反応混合物を、暗所(アルミホイルで覆ったコニカル・バイアル)中、外気温にて一晩撹拌した。翌日、100μLの反応混合物のHPLC分離は、標識テトラホスフェート異性体(化合物[8]と[9])であると思われる、約17分に溶出する2つのピークを示した。RP-HPLCによって、これらのピークに相当する画分を、反応混合物の残りの部分から単離した。凍結乾燥によって収集したサンプルを濃縮した後に、フロー・インジェクション分析‐質量分析法(FIA-MS)は、1質量単位によって見込まれる(M-H)-イオンの質量から外れた1027.8においてイオンを示した。反応混合物の残りの部分を、外気温にて一晩撹拌した。
【0159】
蛍光標識が陽性荷電しているので、1つのプロトン(M-H)の除去が全体的中性分子をもたらすだろうと考えられている。そのため、(M-2H)は、−1の質量:荷電比としてMSによって検出可能な分子に通じるだろう。これは、前記の観察された分子イオンを説明するかもしれない。
【0160】
追加の標識テトラホスフェートの他の代表的な合成経路を、図17〜19で図式的に描いている。具体的には、図17は、ROX標識シチジン・テトラホスフェートの合成経路における特定のステップを図式的に説明する。図18は、R6G標識アデニン・テトラホスフェートの合成経路における特定のステップを図式的に描く。図19は、R110標識グアニン・テトラホスフェートの合成経路における特定のステップを図式的に示す。
【0161】
実施例IV:2’-ターミネーター・ヌクレオチドを使用したプライマー核酸伸長の終止
この実施例は、2つのプライマー核酸伸長反応の比較を示す。これらの分析に使用した鋳型及びプライマー核酸の配列を、図20に示し、それぞれ配列表示NJS115及びNJS01*に相当する。図20A及びBは、ターミネーター・ヌクレオチドを伴わない反応によるNJS01*内へのアデニン及びグアニン残基の組み込みを示す電気泳動図トレースである。対照的に、図20C及びDは、NJS01*が本発明のアデノシン・テトラホスフェート・ターミネータの組み込みにより伸長不可能な状態にされること示す電気泳動図トレースである。
【0162】
実施例V:修飾された熱安定性DNAポリメラーゼと蛍光プライマーを使用した自動サイクルDNA配列決定
この実施例は、自動色素プライマー・サイクルDNA配列決定への本発明の2’-ターミネーター・ヌクレオチドの適用を説明する。具体的には、M13mp18 DNA鋳型を、リボヌクレオシド2’-モノホスフェート5’-トリホスフェートを使用して配列決定した。
【0163】
サイクル配列決定反応を、リボヌクレオチド類似体の組み込みのために修飾したG46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ(前記)、色素プライマー、及びリボヌクレオシド2’-モノホスフェート5’-トリホスフェート類似体を用いて実施した。反応物は、50mMのトリシンpH8.5;40mMのKOAc;4mMのMg(OAc)2;100μMの各dATP、dCTP、dTTP;150μMのc7dGTP;0.5単位/μlのG46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ;1.0単位/μlのrTth熱安定性ピロホスファターゼ;及び20ng/μlのM13mp18鋳型から成る。4つの個々の反応物であって、各塩基に関するものを実施した。それぞれの塩基のための反応物は、前記のものに加えて、以下の試薬を含んだ:
【0164】
アデノシン反応物(10μL):
3.5μMのアデノシン2’-モノホスフェート5’-トリホスフェート
0.1μMのFR686NHEXプライマー
シチジン反応物(10μL):
7.5μMのシチジン2’-モノホスフェート5’-トリホスフェート
0.1μMのFR686NFAMプライマー
グアノシン反応物(20μL):
5μMのグアノシン2'-モノホスフェート5’-トリホスフェート
0.1μMのFR686NTAMRAプライマー
ウリジン反応物(20μL):
10μMのウリジン2’-モノホスフェート5’-トリホスフェート
0.1μMのFR686NROXプライマー。
【0165】
アデノシン反応物では、アデノシン2’-モノホスフェート5’-トリホスフェートは、約95%純粋であった(すなわち、約5%は、アデノシン3’-モノホスフェート5’-トリホスフェートであった)。シチジン反応物では、シチジン2’-モノホスフェート5’-トリホスフェートと、シチジン3’-モノホスフェート5’-トリホスフェートは、50/50混合物として存在していた。グアノシン反応物では、グアノシン2’-モノホスフェート5’-トリホスフェートは、約94%純粋であった(すなわち、約6%は、グアノシン3’-モノホスフェート5’-トリホスフェートであった)。ウリジン反応物では、ウリジン2’-モノホスフェート5’-トリホスフェートは、100%純粋であった。
【0166】
オリゴヌクレオチド・プライマー配列は、以下のとおりであった:
FR686NFAM FCGCCAGGGTTTTCCCAGTEA
E=2’-アミノ(リボ)C F=5’FAM ABD
FR686NHEX ICGCCAGGGTTTTCCCAGTEA
E=2’-アミノ(リボ)C I=5’HEX ABD
FR686NROX JCGCCAGGGTTTTCCCAGTEA
E=2’-アミノ(リボ)C J=6-ROX
FR686NTAMRA LCGCCAGGGTTTTCCCAGTEA
E=2’-アミノ(リボ)C L=C 6-アミノTAMRA。
【0167】
4つの反応物のそれぞれを、Perkin-Elmer GeneAmp(登録商標)PCRシステム9600サーマルサイクラーに入れ、そして、95℃にて45秒間、次に、95℃にて15秒間の、55℃にて15秒間、70℃にて90秒間の20サイクルとそれに続く、95℃にて15秒間、70℃にて90秒間の20サイクルにかけた。4つの反応物をプールし、そして、144μlの100%エタノールと6μlの3M NaOAc(pH5.2)の添加によって4℃にて15分間沈殿させた。プールした反応物を、4℃にて15分間微量遠心機にかけて、DNAを沈殿させ、そして、上清を取り除いた。ペレットを、350μlの70%冷エタノールで洗浄し、4℃にて5分間、微量遠心機にかけ、上清を取り除き、そして、DNAペレットを乾燥させた。沈殿させたDNAを、10μlのHi-Diホルムアミド(Applied Biosystems、Foster City, CA、部品番号4311320)中に再懸濁し、90℃にて3分間加熱し、そして、氷上に置いた。2μlのそれぞれのサンプルを、前もって電気泳動した48cm、4.25%のアクリルアミド:ビス(29:1)、6Mの尿素ゲル上に添加し、ABI PRISM(商標)377 DNAシーケンサ(Applied Biosystems, Foster City, CA)により7時間、電気泳動した。
【0168】
プライマー・ファイルDP4%Ac{KS}、半適応ベースコーラー(basecaller)バージョン3.3.1b2、及びApplied Biosystemsマニュアル(部品番号903436)の手順に従って作り出した先に使用した色素プライマーに特異的なマトリックス・ファイルを使用した配列分析ソフトウェア3.4.1(Applied Biosystems、Foster City, CA)を用いて、データを分析した。M13mp18参照配列と比較したとき、分析ソフトウェアによる自動ベースコール(basecalling)は、配列プライマーから塩基+18〜+739に関して100%正確であった。図21は、この配列分析からのデータのスペクトル特徴を提供する。
【0169】
実施例VI:修飾した熱安定性DNAポリメラーゼ、及び色素標識リボヌクレオシド2’-モノホスフェート5’-トリホスフェートを使用したサイクルDNAプライマー伸長
熱サイクル・プライマー伸長反応を、リボヌクレオチド類似体の組み込みに関して修飾したG46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、未標識プライマー、及びTAMRA色素標識ウリジン2’-モノホスフェート5’-トリホスフェートを用いて実施した。20μlの反応物は、50mMのトリシンpH7.5;25mMのKOAc;2.5mMのMg(OAc)2;100μMの各dATP、dCTP、及びdTTP;150μMのdITP;0.5単位/μlのG46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ;1.0単位/μlのrTth熱安定性無機ピロホスファターゼ;5ng/μlのM13mp18鋳型;0.15μMのプライマー;及び0.25μMのTAMRA-ウリジン2’-ホスフェート5’-トリホスフェートから成る。
【0170】
対照反応を、AmpliTaq DNAポリメラーゼ、FS、未標識プライマー、及びTAMRA色素標識ddTTPを用いて実施した。20μlの反応物は、50mMのTris pH9;2mMのMgCl2;100μMの各dATP、dCTP、及びdTTP;150μMのdITP;0.5単位/μlのAmpliTaq DNAポリメラーゼ、FS;1.0単位/μLのrTth熱安定性無機ピロホスファターゼ;5ng/μlのM13mp18鋳型;0.15μMのFR686Nプライマー;及び0.2μMのTAMRA-ddTTPから成る。
FR686N CGCCAGGGTTTTCCCAGTEA
E=2’-アミノ(リボ)C
【0171】
反応物を、Perkin-Elmer GeneAmp(登録商標)PCRシステム9700サーマルサイクラーに入れ、そして、96℃にて20秒間、次に、96℃にて10秒間、50℃にて5秒間、60℃にて4分間の25サイクルにかけた。サイクル実施後に、組み込まれていない色素標識ターミネータを、Sephadex-G50カラム(Sigma、Part No G-50-80)を通して700×gにて2分間の遠心分離によって反応物から取り除いた。そのサンプルを、95℃にて3分間加熱し、そして、氷上に置いた。そのサンプルを、50cmのキャピラリー・アレイ及びPOP6重合体を使用した、StdSeq50 POP6DefaultModuleパラメーターに従ったGeneScanアプリケーションを備えたApplied Biosystems 3100 Genetic Analyzerにより電気泳動した。
【0172】
データを、Applied Biosystems GeneScan 3.7フラグメント分析ソフトウェアを用いて分析した。図22は、プライマーFR686Nからの77〜273塩基のTピークに関する断片パターンを示す。より詳しく述べると、G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼとTAMRA‐ウリジン2’-モノホスフェート5’-トリホスフェートを用いて作り出された断片パターン(パネルB)と、対照AmpliTaq DNA ポリメラーゼであるFSとTAMRA-ddTTPを用いて作り出された断片パターン(パネルA)の比較は、類似したピーク・パターンを明らかにした。
【0173】
実施例VII:ブロック・オリゴヌクレオチドの合成
2’-O-PO3ブロック・オリゴヌクレオチド(図25)を、標準的なβ-シアノエチルホスホラミデート化学反応を使用した、自動化されたApplied Biosystems 394シンセサイザにより合成した(図26)。これらのオリゴヌクレオチドの合成に使用される固体支持体は、オリゴヌクレオチドの3’末端におけるリン酸基の導入を容易にする3’-ホスフェートCPG(Glen Research製、#20-2900-41)であった。合成の最初のサイクルにおいて、ChemGenesから購入したリボヌクレオシド-2’-O-ホスホラミデート(図27、ここで、B=塩基;アデノシン(部品番号ANP-5681)、シチジン(ANP-5682)、グアノシン(ANP-5683)、及びウリジン(ANP-5684)))を、固形支持体に結合するように使用した。合成の2番目のサイクルとそれ以降において、標準的なデオキシヌクレオシド・ホスホラミデートを使用した。合成の後に、そのオリゴヌクレオチドを、固体支持体から切り離し、そして、濃厚水酸化アンモニウムで室温にて24〜48時間、脱保護した。次に、サイズ排除クロマトグラフィー(NAP-10カラム;滅菌水で溶出)によって水酸化アンモニウムを取り除いた。次に、逆相HPLC(PRP-1カラム、トリエチル酢酸アンモニウム‐アセトニトリル・バッファー)によって、前記オリゴヌクレオチドを精製した。精製したオリゴヌクレオチドを、濃縮し、次に、フッ化カリウムで処理して、オリゴヌクレオチドの3’末端の3’-ヒドロキシル基のシリル保護を取り除いた。RP-HPLC(Xterra SB-18カラム)によって、前記オリゴヌクレオチドをさらに精製した。これらのオリゴヌクレオチドの純度と同一性を、イオン交換HPLC(Dionex、60℃にてpH8.0)及びLC-MS分析法によって確認した。
【0174】
実施例VIII:HIV DNA鋳型の力価測定
PAP関連HIV DNA鋳型力価測定を、ゲノムDNAの存在下、又はそれなしに実施した。図28は、この分析で利用した様々な反応条件下のPCR産物の検出を示すゲルの写真である。このデータは、例えば、それらのプライマーを使用しなかった反応に対して、本明細書中に記載したブロック・プライマーを使用することで達成され得る、改良された増幅特異性及び感度を説明する。
【0175】
より詳しく述べると、前記反応を、以下の温度特性を用いたABI 5700配列検出システムを使用して実施した:
50℃にて2分間
93℃にて1分間
93℃にて15秒間→52℃にて4分間×4サイクル
90℃にて15秒間→55℃にて4分間×56サイクル
以下の反応条件は、すべての反応に共通であった:
【0176】
【表4】

【0177】
「GLQDSE CS5 DNAポリメラーゼ」がG46E L329A Q601R D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼを指すことに留意のこと。さらに、「Tth保存バッファー」が、0.2%のTween20、20mMのTris pH8.0、0.1mMのEDTA、100mMのKCl、1mMのDTT、及び50%v/vのグリセロールを含むことに留意のこと。加えて、各反応容量を、ジエチルピロカルボナート(DEPC)処理水によって50μlにした。
【0178】
様々な反応成分には、以下の非ブロック・プライマー(図28における「非ブロック・プライマー」を示す反応を参照のこと):
プライマー1 5’-TGAGACACCAGGAATTAGATATCAGTACAATGT-3’
プライマー2 5’-CTAAATCAGATCCTACATATAAGTCATCCATGT-3’
及び以下のブロック・プライマー(図28における「ブロック・プライマー」を示す反応を参照のこと):
プライマー3 5’-TGAGACACCAGGAATTAGATATCAGTACAATGU*-3’
プライマー4 5’-CTAAATCAGATCCTACATATAAGTCATCCATGU*-3’
が含まれ、ここで、U*は、2’-ホスフェートU(すなわち、2’位にリン酸基を含む2’-ターミネーター・ヌクレオチド)を指す。反応はまた、混合物に加えた25ngのヒト・ゲノムDNAを含むか(図28において「25ngのゲノムDNA」と示した反応を参照のこと)、又はそれを欠いた(図28において「他の物質が入っていない標的」と示した反応を参照のこと)。図28にさらに示されているように、前記反応はまた、1μlのHIV標本希釈剤(10mMのTris、0.1mMのEDTA、20μg/mlのポリA、及び0.09%のNaN3)中に希釈した105、104、103、102、又は101コピーの、目的の核酸を含む線状プラスミドDNA、又は「Neg」反応においては、1μlのHIV標本希釈剤を含んだ。示したプライマー対は、プラスミドDNAから170塩基対の生成物を増幅した。
【0179】
実施例IX:野生型K-RASプラスミド鋳型バックグラウンドを使った突然変異K-RASプラスミド鋳型の増幅
野生型K-Rasプラスミド鋳型バックグラウンドを使った、様々なコピー数の突然変異K-Rasプラスミド鋳型を伴った増幅、及びブロック・プライマーと非ブロック・プライマーの比較を実施した。図29は、これらの反応で利用した様々な突然変異K-Rasプラスミド鋳型コピー数(X軸)に関して観察された閾値サイクル(CT)値(Y軸)を示すグラフである。図29は、例えば、本明細書中に記載したブロック・プライマーを使用することで達成できる改善された識別をさらに説明する。
【0180】
前記反応は、以下の温度特性を用いたABI 5700配列検出システムを使用して実施した:
50℃にて2分間
93℃にて1分間
92℃にて15秒間→65℃にて2分間×60サイクル。
以下の反応条件は、すべての反応に共通であった:
【0181】
【表5】

【0182】
「GDSE CS5 DNAポリメラーゼ」が、G46E D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼを指すということに留意のこと。加えて、各反応容量を、DEPC処理水で50μlにした。
様々な反応成分には、以下の非ブロック・プライマー(図29において「非ブロック」を示す反応を参照のこと):
プライマー5 5’-AAACTTGTGGTAGTTGGAGCTC-3’
プライマー6 5’-GTTGGATCATATTCGTCCACAA-3’
及び以下のブロック・プライマー(図29において「ブロック」を示す反応を参照のこと):
プライマー7 5’-AAACTTGTGGTAGTTGGAGCTC*-3’
プライマー8 5’-GTTGGATCATATTCGTCCACAA*-3’
が含まれ、ここで、C*が2’-ホスフェートCを指し、A*が2’-ホスフェートA(すなわち、2’位にリン酸基を含む2’-ターミネーター・ヌクレオチド)をに指す。加えて、106、105、104、103、102、101、又は0コピー(NTC反応)(図29では、それぞれ、10e6c、10e5c、10e4c、10e3c、10e2c、10e1c、及びNTC)の線状突然変異K-RasプラスミドDNAを、前記反応に加えた。突然変異プラスミドDNAの関連サブシークエンスは、ブロック・プライマー・セット及び非ブロック・プライマー・セットの両方に完全に合致した。さらに、突然変異K-RasプラスミドDNAを、1μlのHIV標本希釈剤(前記を参照のこと)中に希釈し、又は「NTC」反応では、1μlのHIV標本希釈剤(前記を参照のこと)であった。加えて、106コピーの線状野生型K-RasプラスミドDNAが、すべての反応で存在した。野生型K-RasプラスミドDNAは、それがプライマー5及び7の中の最遠方の3’塩基(dC)とC:Cミスマッチを作ることを除いて、突然変異プラスミドDNAと配列が同一であった。ブロック・プライマー対と非ブロック・プライマー対の両方が、突然変異線状プラスミド鋳型上に92塩基対の単位複製配列を生じた。
【0183】
実施例X:様々な濃度にて様々な酵素を用いたK-RASプラスミド鋳型の増幅
様々な濃度にて様々な酵素を用いた、K-Rasプラスミド鋳型を伴った増幅を実施した。図30は、これらの反応で利用した様々な酵素と濃度(X軸)に関して観察された閾値サイクル(CT)値(Y軸)を示すグラフである。前記反応は、以下の温度特性を用いたABI 5700配列検出システムを使用して実施した:
50℃にて2分間
93℃にて1分間
92℃にて15秒間→60℃にて2分間×60サイクル。
以下の反応条件は、すべての反応に共通であった:
【0184】
【表6】

【0185】
反応成分には、以下のブロック・プライマー:
プライマー9 5’-AAACTTGTGGTAGTTGGAGCTGU*-3’
プライマー10 5’-GTTGGATCATATTCGTCCACAA*-3’
が含まれ、ここで、U*が2’-ホスフェートUを指し、且つ、A*が2’-ホスフェートA(すなわち、2’位にリン酸基を含む2’-ターミネーター・ヌクレオチド)を指す。前記プライマー対は、線状K-Rasプラスミド鋳型上に92塩基対の単位複製配列を生じた。加えて、各反応容量を、ジエチルピロカーボナート(DEPC)処理水で50μlにした。
ポリメラーゼ濃度、及びKOAc濃度を、以下のようにそれぞれの個々のポリメラーゼについて最適化した:
【0186】
【表7】

【0187】
「GLQDSE」がG46E L329A Q601R D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼを指し、「GLDSE」がG46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼを指し、そして、「GLE」がG46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼを指すことに留意のこと。
【0188】
実施例XI:PAP関連酵素の比較
重合活性化加ピロリン酸分解(「PAP」)を実施するG46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼとG46E L329A D640 S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼの能力を比較した。反応バッファーは、100mMのトリシンpH8.0、0mM(G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼ、)又は50mM(G46E L329A D640 S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼ、)のKOAc、10%v/vのグリセロール、0.04U/μlのUNG、4mMのMg(OAc)2、0.2X SYBR Green I、2.5%v/vの酵素保存バッファー(50%v/vのグリセロール、100mMのKCl、20mMのTris pH8.0、0.1mMのEDTA、1mMのDTT、0.5%のTween20)、0.2mMのそれぞれdATP、dCTP、及びdGTP、並びに0.4mMのdUTP、そして、100μMのピロリン酸を含む。M13鋳型(GenBank受入番号X02513)と酵素を、交差力価測定した。使用したMl3濃度は、20μlの反応物あたり0、104、105、及び106コピーであった。使用した酵素濃度は、2.5nM、5nM、10nM、15nM、20nM、25nM、35nM、及び50nMであった。反応は、以下のサイクル・パラメーター:50℃にて2分間; 90℃にて1分間;次に90℃にて15秒間と、それに続く62℃の伸長温度にて60秒間の46サイクル、を使用した384ウェル・サーモサイクラーにより三重反復試験で設定した。
【0189】
使用したプライマー配列は、5’-CGCCTGGTCTGTACACCGTTXA-3’(プライマー11)及び5’-GGAACGAGGGTAGCAACGGCTACE-3’(プライマー12)であり、ここで、X=2’-アミノ-Cであり、そして、E=2’-PO4-A(すなわち、2’-ターミネーター・ヌクレオチド)であった。それぞれ0.1μMにて反応混合物に加えたこれらのプライマーは、M13鋳型から348bpの生成物をもたらす。プライマーとして機能するように、プライマー12は、末端残基の加ピロリン酸分解による除去によって活性化されなければならない。
蛍光データを分析して、エルボー値(すなわち、C(t)(ベースラインを超える蛍光の出現))を決定した。G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼのC(t)値を、図31に示す。G46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼのC(t)値を、図32に示す。
【0190】
実施例XII:非ブロックRTプライマーとブロックRTプライマーを比較するC型肝炎ウイルス(HCV)RNAからCDNAへ逆転写(RT)
逆転写反応におけるHCV RNA鋳型に対して、非ブロックHCV RTプライマーの伸長をブロック・プライマーの伸長と比較した。これらのRT比較を、様々なポリメラーゼを使用して実施した。例えば、図33は、cDNAが5’-ヌクレアーゼ・プローブを伴うリアルタイムPCR法を使用することで計測される、これらの反応において利用した様々な酵素(X軸)について観察された閾値サイクル(Ct)値(Y軸)を示すグラフである。
以下の反応条件は、すべてのRT反応に共通であった:
【0191】
【表8】

【0192】
様々な反応成分には、以下の3’-OH非ブロック・プライマー(図33において「3’OHプライマー(非ブロック)」を示す反応を参照のこと):
プライマー1 5’-GCAAGCACCCTATCAGGCAGTACCACAA-3’
及び以下のブロック・プライマー(図33において「2’PO4(ブロック)」を示す反応を参照のこと):
プライマー2 5’-GCAAGCACCCTATCAGGCAGTACCACAA*-3’
が含まれ、ここで、A*が、2’-ホスフェートA又は2’-モノホスフェート3’-ヒドロキシル・アデノシン・ヌクレオチド(すなわち、2’位にリン酸基を含む2’-ターミネーター・ヌクレオチド)を指す。さらに、以下のポリメラーゼ条件:
Z05 DNAポリメラーゼ(13nM)
GLQDS CS5 DNAポリメラーゼ(25nM)と組み合わせたGLQDSE CS5 DNAポリメラーゼ(100nM)
GLQDS CS5 DNAポリメラーゼ(50nM)と組み合わせたGLQDSE CS5 DNAポリメラーゼ(50nM)
を、cDNA反応において比較した、ここで、「GLQDSE CS5 DNAポリメラーゼ、」はG46E L329A Q601R D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼを指し、且つ、「GLQDS CS5 DNAポリメラーゼ」はG46E L329A Q601R D640G S671F CS5 DNAポリメラーゼを指す(図33を参照のこと)。加えて、各反応物を、ジエチルピロカーボナート(DEPC)処理水によって20ulにした。
【0193】
RT反応物を、ABI 9600 Thermal Cyclerにより60℃にて60分間インキューベートした。RTインキュベーション後に、RT反応物を、DEPC処理水中に100倍希釈した。cDNAの存在を、RT反応のHCV cDNA生成物を特異的に計測するように設計した5’ヌクレアーゼ・プローブ・ベースのリアルタイムHCV PCR反応によって確認し、そして、定量化した。これらの反応を、以下の温度特性:
50℃にて2分間
95℃にて15秒間→60℃にて1分間×50サイクル
を用いたABI PRISM 7700配列検出装置を使用して実施した。
【0194】
実施例XIII:BRAF突然変異検出のための双方向PAP
図34は、双方向PAPを実施したときに生じるBRAF癌遺伝子増幅のPCR伸長曲線を示す。X軸は標準化した蓄積蛍光を示し、そして、Y軸はPAP PCR増幅のサイクルを示す。より詳しく述べると、これらのデータは、BRAF癌遺伝子におけるV599Eコドン変化の原因となるT→A突然変異の突然変異特異的増幅(Brose et al. (2002) Cancer Res 62:6997-7000を参照のこと)を、突然変異の正確な位置にてそれらの3’末端ヌクレオチドが重なる2'-ターミネータ・ブロック・プライマーを使用して実施したときに生じた。野生型配列に特異的なプライマーを野生型標的又は突然変異標的に対して反応させたとき、野生型標的だけが検出された。逆に、突然変異配列に特異的なプライマーを野生型標的又は突然変異標的に対して反応させたとき、突然変異標的だけが検出された。
以下の反応条件は、すべてのRT反応に共通であった:
【0195】
【表9】

【0196】
ここで、「GLQDSE」は、G46E L329A Q601R D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼを指す。
様々な反応成分には、以下の野生型BRAFプライマー(図34において「F5W/ R5W」と明示される):
F5W 5’-AATAGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGU*-3’
R5W 5’-GGACCCACTCCATCGAGATTTCA*-3’
及び以下の突然変異BRAFプライマー(図34において「F5M/R5M」と明示される):
F5M 5’-AATAGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA*-3’
R5M 5’-GGACCCACTCCATCGAGATTTCU*-3’
が含まれ、ここで、A*は、2’-ホスフェートA又は2’-モノホスフェート3’-ヒドロキシル・アデノシン・ヌクレオチドを指し、そして、U*は、2’-ホスフェートU又は2’-モノホスフェート3’-ヒドロキシル・ウリジン・ヌクレオチド(すなわち、2’位にリン酸基を含む2’-ターミネーター・ヌクレオチド)である。
【0197】
加えて、各反応物を、DEPC処理水によって50μlにした。野生型反応(図34において「WT」と明示される)は、BRAF野生型配列の線状DNAプラスミドを含み、そして、変異体反応(図34において「MX」と明示される)は、BRAF変異配列の線状DNAプラスミドを含んだ。陰性反応(図34において「NEG」と明示される)は、DNAを含まないHIV標本希釈剤(10mMのTris、0.1mMのEDTA、20μg/mLのポリA、及び0.09%のNaN3)を含んだ。PCRにおける前記プライマーの組み合わせは、50bpの単位複製配列を生じた。さらに、前記反応を、以下の温度特性:
50℃にて1分間
93℃にて1分間
90℃にて15秒間
60℃にて150秒間→×60サイクル
を用いたABI PRISM 7700配列検出装置を使用して実施した。
【0198】
実施例XIV:蛍光PAP放出産物の検出
この予言的な実施例は、ブロック・プライマーが活性化され、そして、伸長されるとき、そのプライマーが検出可能なシグナルの産生につながるPAP活性化に関与するリアルタイム・モニタリング・プロトコールを説明する。
3’終端、二重標識オリゴヌクレオチド・プライマーの構造:
以下のプライマーQXは、クエンチング色素分子である、3’末端から13番目のヌクレオチド(A)に取り付けられたBlack Hole Quencher(登録商標)(BHQ)(Biosearch Technologies, Inc.)を含むDNAオリゴヌクレオチドである。
【0199】
QXのオリゴヌクレオチド・プライマーは、それらがハイブリッド二重鎖を形成するように、相補オリゴヌクレオチドR1(以下を参照のこと)と共に溶液中で混合される。この二重鎖は、とりわけ、フルオレセイン標識デオキシリボアデニン・テトラホスフェート(すなわち、フルオレセイン標識2’-ターミネーター・ヌクレオチド)、及びそのような標識テトラホスフェートを取り込むことができるDNAポリメラーゼを含めた、以下に提供した表IVの中の試薬とさらに混合する。2004年6月28日付で出願された「2’-ターミネーター・ヌクレオチドの合成と組成物」と題する米国特許出願番号第10/879,494号、及び2004年6月28日付で出願された「2’-ターミネーター・ヌクレオチドに関連した方法とシステム」と題した米国特許出願番号第10/879,493号を参照のこと。60℃の温度にて、例えば、1時間の、前記混合物のインキュベーションは、プライマーQXFAMとして以下に表される、フルオレセイン標識デオキシリボアデニン2’-ホスフェート・ヌクレオチドを含むそれらの3’末端で伸長されているQXオリゴヌクレオチドの少なくとも一部をもたらす、鋳型定方向様式によりあるヌクレオチドを伸長すべき配列QXの3’末端をもたらすことができた。
【0200】
【表10】

【0201】
新たに伸長されたプライマーQXは、当業者に知られているいくつもの精製方法を使用して前述の混合物から精製される。前記混合物からプライマーQXFAMを精製することができるそのような方法の例は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)である。HPLC精製パラメーターは、プライマーQXFAMの調製物が伸長していないプライマーQX及びフルオレセイン標識アデニン・テトラホスフェートを実質的に含まないように選択される。二重HPLC(逆相及び陰イオン交換HPLC)は、そのような分子を精製するための方法として知られている。
【0202】
精製した時点で、同じオリゴヌクレオチド上にBHQクエンチング分子とフルオレセイン分子を含むプライマーQXFAMなどの分子は、BHQ2「クエンチャー」分子によるエネルギー吸収のため、通常、抑制されたフルオレセイン・シグナルを示す。
随意に、プライマーQXFAMは、本明細書中に記載したように化学的に合成される。
【0203】
この実施例で言及される配列は、以下のとおりである:
プライマーQX 5’-GCAAGCACCCTATCAQGGCAGTACCACA-3’
(ここで、QはBHQ分子の存在を表す)
R1 3’-PCGTTCGTGGGATAGTCCGTCATGGTGTT-5’
(ここで、Pは3’ホスフェートを表す)
プライマーQXFAM 5’-GCAAGCACCCTATCAQGGCAGTACCACAF-3’
(ここで、QはBHQ分子の存在を表し、且つ、Fはフルオレセイン標識2’リン酸アデニンを表す)
プライマーHC2 5’-GCAGAAAGCGTCTAGCCATGGCTTA-3’。
【0204】
PCR法におけるプライマーの使用
先に記載したプライマーQXFAMは、表Vの試薬と組み合わせられる。
【0205】
【表11】

【0206】
加えて、各反応物は、DEPC処理水によって50μlにする。いくつかの反応物は、PCR増幅の基質として機能する標的配列を含むのに対して、その他のものは標的を含まない。例えば、標的は、HCVゲノムの5’UTR領域と同一のDNA配列であってもよい。PCR法におけるこれらのプライマーの組み合わせは、約244bpの単位複製配列を生じると予想される。
前記反応は、以下の温度特性:
50℃にて1分間
93℃にて1分間
90℃にて15秒間
60℃にて150”→×60サイクル
を用いたABI PRISM 7700配列検出装置を使用して実施される。
【0207】
そのようなPCRが進展するためには、フルオレセイン終端プライマーQXFAMのPAP活性化が必要であり、それはフルオレセイン標識デオキシアデニン・テトラホスフェート分子の除去をもたらすだろう。前述の放出は、約520nmの波長の蛍光シグナルの増大をもたらすと予想される。PCRの進展として約520nmの波長のシグナルをモニタリングすることにより、当業者は、標的核酸を含むそれらの反応において蛍光の増強を観察するのに対して、標的を含まない反応において増強した蛍光を観察しないと予想するだろう。
【0208】
前述の発明を、明確さと理解を目的として多少詳しく説明したが、形態及び詳細における様々な変更が本発明の真の範囲から逸脱することなく行われ得ることが、この開示を読むことで当業者にとって明確になる。例えば、先に記載したすべての技術及び装置が、様々な組み合わせで使用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式:
【化1】

{式中、
Zは、O又はCH2であり;
Bは、少なくとも1つの同素環、少なくとも1つの複素環、少なくとも1つのアリール基、又はその組み合わせであり;
BGは、ブロッキング基であり;
R1は、H、OH、親水基、又は疎水基であり;
Xは、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体であり;
Nは、0より大きな整数であり;そして
以下:
【化2】

は単結合又は二重結合を表す。}
で表される2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含む、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド。
【請求項2】
前記2’-ターミネーター・ヌクレオチドが、2’-モノホスフェート3’-ヒドロキシル・ヌクレオチドを含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記2’-ターミネーター・ヌクレオチドが、以下:G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E E678G CS6 DNAポリメラーゼ、ΔZ05Rポリメラーゼ、E615G Taq DNAポリメラーゼ、サーマス・フラバス・ポリメラーゼ、TMA-25ポリメラーゼ、E678G TMA-25ポリメラーゼ、TMA-30ポリメラーゼ、E678G TMA-30ポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、サーマス属SPS-17ポリメラーゼ、E615G Taqポリメラーゼ、サーマスZ05Rポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、コーンバーグDNAポリメラーゼI、クレノウDNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ミクロコッカスDNAポリメラーゼ、αDNAポリメラーゼ、逆転写酵素、AMV逆転写酵素、M-MuLV逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、E.コリRNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼII、ターミナル・トランスフェラーゼ、ポリヌクレオチド・ホスホリラーゼ、及びリボヌクレオチド組み込みDNAポリメラーゼから成る群から選択される1種類以上のヌクレオチド組み込み生体触媒によって伸長不可能である、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記Bが、以下:
a)
【化3】

{式中、
X1及びX2は、CR8及びNから独立に選択され;
R2は、H、OH、又はNR4R5であり;
R3は、H、OH、又はNR6R7であり;
R4、R5、R6、及びR7は、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、及びその組み合わせから独立に選択され;そして
R8は、H、ハロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、アルキル・アルコール基、アルケニル・アルコール基、アルキニル・アルコール基、置換されていないポリエチレングリコール、又は置換されているポリエチレングリコールである。};
b)
【化4】

{式中、
X1及びX2は、CH及びNから独立に選択され;
R2は、O又はSであり;
R3は、H、OH、又はNR4R5であり;そして
R4及びR5は、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、及びその組み合わせから独立に選択される。};
c)
【化5】

{式中、
R2は、H、OH、又はNR4R5であり;
R3は、H、OH、又はNR6R7であり;そして
R4、R5、R6、及びR7は、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、及びその組み合わせから独立に選択される。};
d)
【化6】

{式中、
X1及びX2は、CH及びNから独立に選択され;
R2は、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、又はその組み合わせから選択され;そして
R3は、O又はSである。};
e)
【化7】

{式中、
R2及びR3は、O及びSから独立に選択され;そして
R4及びR5は、H、NH2、SH、OH、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基、及びその組み合わせから独立に選択される。};
f)
【化8】

{式中、
R2及びR3は、O及びSから独立に選択され;そして
R4は、H、NH2、SH、OH、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基、又はその組み合わせである。};
g)
【化9】

{式中、
R2及びR3は、O及びSから独立に選択される。};
h)
【化10】

{式中、
R2及びR3は、O及びSから独立に選択され;そして
R4は、H、アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基である。};
i)
【化11】

{式中、
R2は、O又はSであり;そして
R3及びR4は、H、NH2、SH、OH、COOH、COOCH3、COOCH2CH3、CHO、NO2、CN、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基、及びその組み合わせから独立に選択され;そして
R5は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ベンジル基、又はその組み合わせである。};
j)
【化12】

{式中、
Xは、CH又はNであり;
R2及びR3は、H、OH、及びNHR4から独立に選択され;
R4は、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、又はその組み合わせであり;そして
R5は、OH、NH2、SH、ハロ基、エーテル基、チオエーテル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、又はその組み合わせである。};及び
k)
【化13】

{式中、
Xは、CH又はNであり;
R2は、O又はSであり;
R3は、H、OH、又はNHR4であり;
R4は、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、又はその組み合わせであり;そして
R5は、OH、NH2、SH、ハロ基、エーテル基、チオエーテル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、又はその組み合わせである。}
から成る群から選択される式を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド。
【請求項5】
前記BGは、CN、NO2、N3、ハロ基、エーテル基、アルデヒド基、カルボン酸基、エステル基、アミノ基、OCH3、OCH2COOH、O-シリルエーテル基、ケト基、O-ラクトン基、O-アルキル基、O-環式アルキル基、O-アルケニル基、O-アルキニル基、カルバメート基、イミド基、アミド基、及びその組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド。
【請求項6】
前記BGは、以下の式:
【化14】

{式中、
Qは、O、S、又はNHであり;
Xは、H、OH、CH3、BH3、F、又はSeHであり;そして
Zは、O、S、又はSeである。};
【化15】

{式中、
Qは、O、S、又はNHであり;
Xは、O、S、又はNHであり;
Zは、O、S、又はSeであり;そして
Rは、アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基である。};又は
【化16】

{式中、
Qは、O、S、又はNHであり;
Xは、O、S、又はNHであり;
Zは、O、S、又はSeであり;
Lは、-CONH(CH2nNH-、-CO(CH2nNH-、又は-CONH(CH2CH2O)nCH2CH2NH-であり;
nは、0より大きな整数であり;そして
Rは、NH2、SH、COOH、クエンチャー部分、レポーター部分、ビオチン、又は親和性部分である。}を含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド。
【請求項7】
オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの製造法であって、以下のステップ:
(a)以下の式:
【化17】

{式中、
Zは、O又はCH2であり;
Bは、少なくとも1つの同素環、少なくとも1つの複素環、少なくとも1つのアリール基、又はその組み合わせであり;
BGは、ブロッキング基であり;
Rは、O、NH、又はSであり;
PGは、保護基であり;
Xは、ヌクレオチド又はヌクレオチド類似体であり;
nは、0より大きな整数であり;そして
以下:
【化18】

は単結合又は二重結合を表す。}
で表される2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含む核酸合成試薬を準備し;そして
(b)上記核酸合成試薬からPGを取り外して、以下の式:
【化19】

{式中、R1は、H、OH、親水基、又は疎水基である。}
で表される2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを製造し、それによって、上記オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを製造すること、
を含む、前記製造法。
【請求項8】
前記2’-ターミネーター・ヌクレオチドが、2’-モノホスフェート3’-ヒドロキシル・ヌクレオチドを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記2’-ターミネーター・ヌクレオチドが、G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E E678G CS6 DNAポリメラーゼ、ΔZ05Rポリメラーゼ、E615G Taq DNAポリメラーゼ、サーマス・フラバス・ポリメラーゼ、TMA-25ポリメラーゼ、E678G TMA-25ポリメラーゼ、TMA-30ポリメラーゼ、E678G TMA-30ポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、サーマス属SPS-17ポリメラーゼ、E615G Taqポリメラーゼ、サーマスZ05Rポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、コーンバーグDNAポリメラーゼI、クレノウDNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ミクロコッカスDNAポリメラーゼ、αDNAポリメラーゼ、逆転写酵素、AMV逆転写酵素、M-MuLV逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、E.コリRNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼII、ターミナル・トランスフェラーゼ、ポリヌクレオチド・ホスホリラーゼ、及びリボヌクレオチド組み込みDNAポリメラーゼから成る群から選択される1種類以上のヌクレオチド組み込み生体触媒によって伸長不可能である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
(b)の前に、核酸合成試薬又はその成分を、固体支持体に取り付けるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
請求項7に記載の方法によって製造したオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド。
【請求項12】
前記保護基が、トリチル基、モノメトキシトリチル基、ジメトキシトリチル基、レブリニル基、フルオレニルメトキシカルボニル基、及びベンズヒドリルオキシカルボニル基から成る群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記保護基が、以下の式:
【化20】

を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記Bが、以下:
a)
【化21】

{式中、
X1及びX2は、CR8及びNから独立に選択され;
R2は、H、OH、又はNR4R5であり;
R3は、H、OH、又はNR6R7であり;
R4、R5、R6、及びR7は、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、及びその組み合わせから独立に選択され;そして
R8は、H、ハロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、アルキル・アルコール基、アルケニル・アルコール基、アルキニル・アルコール基、置換されていないポリエチレングリコール、又は置換されているポリエチレングリコールである。};
b)
【化22】

{式中、
X1及びX2は、CH及びNから独立に選択され;
R2は、O又はSであり;
R3は、H、OH、又はNR4R5であり;そして
R4及びR5は、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、及びその組み合わせから独立に選択される。};
c)
【化23】

{式中、
R2は、H、OH、又はNR4R5であり;
R3は、H、OH、又はNR6R7であり;そして
R4、R5、R6、及びR7は、H、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、及びその組み合わせから独立に選択される。};
d)
【化24】

{式中、
X1及びX2は、CH及びNから独立に選択され;
R2は、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、又はその組み合わせから選択され;そして
R3は、O又はSである。};
e)
【化25】

{式中、
R2及びR3は、O及びSから独立に選択され;そして
R4及びR5は、H、NH2、SH、OH、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基、及びその組み合わせから独立に選択される。};
f)
【化26】

{式中、
R2及びR3は、O及びSから独立に選択され;そして
R4は、H、NH2、SH、OH、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基、又はその組み合わせである。};
g)
【化27】

{式中、
R2及びR3は、O及びSから独立に選択される。};
h)
【化28】

{式中、
R2及びR3は、O及びSから独立に選択され;そして
R4は、H、アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基である。};
i)
【化29】

{式中、
R2は、O又はSであり;そして
R3及びR4は、H、NH2、SH、OH、COOH、COOCH3、COOCH2CH3、CHO、NO2、CN、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ハロ基、及びその組み合わせから独立に選択され;そして
R5は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ベンジル基、又はその組み合わせである。};
j)
【化30】

{式中、
Xは、CH又はNであり;
R2及びR3は、H、OH、及びNHR4から独立に選択され;
R4は、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、又はその組み合わせであり;そして
R5は、OH、NH2、SH、ハロ基、エーテル基、チオエーテル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、又はその組み合わせである。};及び
k)
【化31】

{式中、
Xは、CH又はNであり;
R2は、O又はSであり;
R3は、H、OH、又はNHR4であり;
R4は、H、アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基、又はその組み合わせであり;そして
R5は、OH、NH2、SH、ハロ基、エーテル基、チオエーテル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルアミン基、アルケニルアミン基、アルキニルアミン基、又はその組み合わせである。}から成る群から選択される式を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記BGが、CN、NO2、N3、ハロ基、エーテル基、アルデヒド基、カルボン酸基、エステル基、アミノ基、OCH3、OCH2COOH、O-シリルエーテル基、ケト基、O-ラクトン基、O-アルキル基、O-環式アルキル基、O-アルケニル基、O-アルキニル基、カルバメート基、イミド基、アミド基、及びその組み合わせから成る群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記BGが、以下の式:
【化32】

{式中、
Qは、O、S、又はNHであり;
Xは、H、OH、CH3、BH3、F、又はSeHであり;そして
Zは、O、S、又はSeである。};
【化33】

{式中、
Qは、O、S、又はNHであり;
Xは、O、S、又はNHであり;
Zは、O、S、又はSeであり;そして
Rは、アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基である。};又は
【化34】

{式中、
Qは、O、S、又はNHであり;
Xは、O、S、又はNHであり;
Zは、O、S、又はSeであり;
Lは、-CONH(CH2nNH-、-CO(CH2nNH-、又は-CONH(CH2CH2O)nCH2CH2NH-であり;
nは、0より大きな整数であり;そして
Rは、NH2、SH、COOH、クエンチャー部分、レポーター部分、ビオチン、又は親和性部分である。}
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
以下:
(a)2’-ターミネーター・ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを製造するための教示;又は
(b)2’-ターミネーター・ヌクレオチド’を含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド、
の1つ以上を含むキット。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図6K】
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【図6L】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2010−527580(P2010−527580A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532723(P2009−532723)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/009019
【国際公開番号】WO2008/046609
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】