説明

2−プロピルヘプタノールのエステルを含有する化粧品組成物

本発明は、化粧品および/または医薬品における、2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステルの使用に関する。この化合物は、特に軽い感触を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品および/または医薬品における2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステルの使用、および特定のエステルならびにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚ケアおよびヘアケアエマルジョン化粧品は、消費者により、数多くの要求を満足することが期待されている。特定の用途を決定する洗浄およびケア効果の他に、可能性のある最高の皮膚適合性、良好な脂質層増強特性、エレガントな外観、最適な感覚印象および貯蔵期間などのような様々なパラメーターが重要である。
スキンケアおよびヘアケアのための化粧品用エマルションの分野においては、消費者から数多くの要求がなされている:使用目的を決定する洗浄およびケア効果だけでなく、最高級の皮膚適合性、良好な再脂肪化特性、エレガントな外観、最適な感触印象および貯蔵安定性のような、様々なパラメーターが価値を持つ。
【0003】
多くの界面活性剤のほかに、ヘアケアおよびスキンケア化粧品は、通常、とりわけ、油成分と水を含有する。用いられる油成分(エモリエント)は、例えば、炭化水素、エステル油および植物性と動物性の油/脂肪/ワックスを包含する。感覚特性および最適な皮膚適合性に関する商業上の厳しい要求を満たすため、新規な油成分および乳化剤混合物が絶えず開発され試験されている。化粧品におけるエステル油の使用は、長い間既知である。それらの重要性のため、それらの新規製造方法も絶えず開発されている。したがって、特に「より軽い」皮膚感覚を与える分枝状エステル油は、徹底した研究の対象である。2−メチル−1,3−プロパンジオールモノエステルの使用は、例えば、DE10160681に記載されている。2−メチル−1,3−プロパンジオールジエステルの使用は、DE10160682に記載されている。
【0004】
US2,921,089は、ジ−(2−プロピルヘプチル)−フタレートおよびPVC用可塑剤としてのその好適性を記載する。EP1415978A1(Oxeno Olefinchemie GmbH)は、安息香酸−2−プロピルヘプチルエステルを含有する混合物およびポリマー、PVCまたはPVCプラスチゾル用可塑剤としてのこれらの混合物の使用、ならびにペンキ、ラッカー、粘着剤、粘着組成物およびシーリング組成物におけるそれらの使用を記載する。
【0005】
本発明により解決される課題は、それらの感覚特性(軽さ、油っぽくない皮膚感覚、柔らかさ、伸展性、吸収性、分布挙動、油性)に関して改善されたプロフィールを有する、および多くの化粧品処方物に組み込まれ得る、好ましくは20℃で液体である、化粧品用途のための新規エステル油を提供することである。これに関して、該エステルの加水分解安定性および低pH値でのそれらの処方能力も興味深いものである。さらに、該エステルはw/o処方物およびo/w処方物の両方に組み込まれ、および特に結晶性UVフィルター、顔料、制汗剤、塩およびシリコーンと適合性である。驚くべきことに、2−プロピルヘプタノールのエステルは感覚的に軽い生成物を導くことが見出された。これらのエステルおよびそれらの製造方法の幾つかは、DE10305562から既知であるが、これらは、全く異なる用途、すなわち、ポリマー添加剤としての用途に関するものである。WO2006/097235は、2−プロピルヘプタノールと直鎖状または分枝状カルボン酸とのエステルを記載する。残念ながら、これらのエステルは紫外線フィルターを含有する処方において問題を有する。中でも、UVフィルターの不満足な溶解性は制限要素である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第10160681号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10160682号明細書
【特許文献3】米国特許第2921089号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1415978号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10305562号明細書
【特許文献6】国際公開第2006/097235号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明により解決される課題は、先行技術に対して改善されたエステルを提供することであり、特に、UVフィルターと容易に処方組みでき、同時に先行技術における感覚印象に関するいかなる不利な点をも有しないエステルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、化粧品および/または医薬品における2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステルの使用に関する。
【0009】
驚くべきことに、アルキル鎖においてプロピル分枝したエステルは、化粧品処方物、特には「軽い」皮膚感覚を与えることが期待される処方物に特に適当である。該エステルは、種々の処方物中に特に良く組み込むことができる。液体物質混合物が得られ、したがって、これは、鎖長、分枝および二重結合の数にしたがって油成分またはコンシステンシー因子として使用され得る。本発明によれば、単独の2−プロピルヘプチルエステルまたは様々なエステルの混合物が使用され得る。
【0010】
本発明は、特に、湿潤または含浸または被覆のための化粧品および/または医薬品、および身体の洗浄および/またはケアに使用されるユーティリティおよび/または衛生ワイプにおける、2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステルの使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好ましい本発明の実施態様は、合計24個またはそれより少し多い個数の炭素原子、好ましくは22個またはそれより少し多い個数の炭素原子を含有するエステルを使用することを特徴とする。
【0012】
本発明は、個々の2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステルの使用および少なくとも1つのこれらのエステルを含有する混合物の使用のいずれをも含む。
【0013】
本発明による、2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステル。本発明中、安息香酸誘導体とは、(2−プロピルヘプタノールとのエステル化のために利用できなければならないため)−COOH基が変化せずに残っている安息香酸に由来する全ての化合物である。
【0014】
適当な安息香酸誘導体は、カルボキシ置換された安息香酸である。用語「カルボキシ置換された」は、「カルボキシル化」と同義語として用いられ、少なくとも1つの他の−COOH基を有する安息香酸を意味する。適当なカルボキシ置換された安息香酸は、モノ−またはジ−カルボキシ置換安息香酸である。
【0015】
モノカルボキシ置換安息香酸(ベンゼンジカルボン酸)は、例えば、1,2−ベンゼンジカルボン酸(フタル酸)、1,3−ベンゼンジカルボン酸(イソフタル酸またはm−フタル酸)、1,4−ベンゼンジカルボン酸(テレフタル酸)である。
【0016】
ジカルボン酸置換安息香酸(=ベンゼントリカルボン酸)は、例えば、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸(=ヘミメリト酸)、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(=トリメリト酸)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸である。
【0017】
トリカルボキシ置換安息香酸(=ベンゼンテトラカルボン酸)は、例えば、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(=ピロメリト酸)である。
【0018】
カルボキシ置換安息香酸は、場合によりアルキル−またはヒドロキシ置換されていてもよい。
【0019】
適当な安息香酸誘導体は、アルキル置換された安息香酸である。用語「アルキル置換された」は、「アルキル化」と同義語として用いられ、ベンゼン環に少なくとも1つの他のR[置換基Rは、(互いに独立して)1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和アルキル基を表す。]を有する安息香酸を意味する。適当なRは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(=1−メチルエチル基)、プロペニル基、イソブチル基(2−メチルプロピル基)、sec−ブチル基(=1−メチルプロピル基)、tert−ブチル基(1,1−ジメチルエチル基)、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ブテニル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、4−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基である。
【0020】
モノアルキル置換安息香酸の例は、例えば2−メチル安息香酸(=o−トルイル酸)、3−メチル安息香酸(=m−トルイル酸)、4−メチル安息香酸(=p−トルイル酸)のようなメチル安息香酸、あるいは、例えば2−エチル安息香酸、3−エチル安息香酸または4−エチル安息香酸のようなエチル安息香酸である。ポリアルキル安息香酸の例は、2,4−ジメチル安息香酸、2,3−ジメチル安息香酸、2,5−ジメチル安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸または2,4,5−トリメチル安息香酸である。当然、ポリアルキル安息香酸には、アルキル基Rが同一でない(例えば2−メチル−4−エチル安息香酸)のようなものも含まれる。
【0021】
他の適当な安息香酸誘導体は、ヒドロキシ置換された安息香酸である。用語「ヒドロキシ置換された」は、「ヒドロキシル化」と同義語として用いられ、ベンゼン環に少なくとも1つの他の−OH基を有する安息香酸を意味する。モノヒドロキ置換安息香酸の例は、2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸である。ポリヒドロキシ置換安息香酸の例は、2,4−ジヒドロキシ安息香酸および2,5−ジヒドロキシ安息香酸である。
【0022】
他の適当な安息香酸誘導体は、ヒドロキシおよびアルキル置換安息香酸である。ヒドロキシおよびアルキル置換安息香酸は、ベンゼン環に少なくとも1つの−OH基と少なくとも1つのアルキル基R(上記アルキル置換安息香酸での定義と同じ)を有する安息香酸である。ヒドロキシおよびアルキル置換安息香酸の例は、2−メチル−3−ヒドロキシ安息香酸および2−エチル−3−ヒドロキシ安息香酸である。
【0023】
他の適当な安息香酸誘導体は、例えばアセチルサリチル酸のような、ヒドロキシ置換安息香酸のアシル化により得られる誘導体である。アシル化により挿入されるアシル基は、例えば下記式:−C(=O)−R[式中、Rは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和アルキル基である。]を有し得る。
【0024】
本発明の好ましい実施態様において、安息香酸誘導体として、メチル置換安息香酸、ヒドロキシ置換安息香酸、カルボキシ置換安息香酸、ヒドロキシ置換安息香酸のアシル化により得られる誘導体からなる群から選択される化合物を使用する。
【0025】
表現「2−プロピルヘプタノールとベンゼンジカルボン酸とのエステル」は、ベンゼンジカルボン酸と2−プロピルヘプタノールとのジエステル、すなわち、例えばジ−2−プロピルヘプチル−1,4−安息香酸ジエステル(ジ−2−プロピルヘプチルテレフタル酸)、およびモノエステル、例えば、2−プロピルヘプチル−1,4−安息香酸エステルの両方を包含し、それらはベンゼンジカルボン酸の1つ目の酸基のみがエステル化され、二つ目の酸基は遊離する。また、ベンゼンジカルボン酸の一つ目の酸基が2−プロピルヘプタノールでエステル化され、2つ目の酸基は別のアルコールによりエステル化された混合エステルも包含する。本発明の1つの実施態様は、ベンゼンジカルボン酸(特にベンゼン−1,4−ジカルボン酸)と2−プロピルヘプタノールおよび、3−メチル−2−プロピルヘキサノール、4−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび5−メチル−2−プロピルヘキサノールからなる群から選択される他のアルコールとの混合エステルの使用を特徴とする。
【0026】
本発明の1つの実施態様において、混合エステルは、対応するベンゼンジカルボン酸と、2−プロピルヘプタノール、3−メチル−2−プロピルヘキサノール、4−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび5−メチル−2−プロピルヘキサノールの混合物との反応によって得られる。
【0027】
別の実施態様は、ベンゼンジカルボン酸と、2−プロピルヘプタノールと、一般式R−OH[式中、Rは、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和アルキル基である]を有する別のアルコールとの混合エステルを使用することを特徴とする。
【0028】
別の実施態様は、ベンゼンジカルボン酸と、2−プロピルヘプタノールと、一般式R−OH[式中、Rは、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の飽和アルキル基である]を有する別のアルコールとの混合エステルを使用することを特徴とする。
【0029】
他の好ましい実施態様は、ベンゼンジカルボン酸と、2−プロピルヘプタノールおよび別のアルコール(該別のアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、オクタノール、デカノールまたはドデカノールからなる群から選択される)との混合エステルを使用することを特徴とする。
【0030】
本発明は、ジ−(2−プロピルヘプチル)−1,2−ベンゼンジカルボン酸エステルを除く、2−プロピルヘプタノールと安息香酸とのエステルに関する。
【0031】
本発明の他の好ましい実施態様においては、安息香酸誘導体として、メチル置換安息香酸、ヒドロキシ置換安息香酸、カルボキシ置換安息香酸、ヒドロキシ置換安息香酸のアシル化により得られる誘導体からなる群から選択される化合物を使用する。
【0032】
本発明の好ましい実施態様は、ジ−(2−プロピルヘプチル)−1,4−ベンゼンジカルボン酸ジエステル、2−プロピルヘプチル−1,4−ベンゼンジカルボン酸エステル、2−プロピルヘプチル−2−ヒドロキシ安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−2−メチル安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−3−メチル安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−4−メチル安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−2−アセトキシ安息香酸エステル(=2−プロピルヘプチルアセチルサリチル酸エステル)からなる群から選択されるエステルに関する。
【0033】
本発明は、個々のエステルおよび様々なエステルの混合物の両方を包含する。
【0034】
本発明は、2−プロピルヘプタノールと安息香酸誘導体とのエステル、および同安息香酸誘導体と3−メチル−2−プロピルヘキサノール、4−メチル−2−プロピルヘキサノールまたは5−メチル−2−プロピルヘキサノールからなる群から選択されるアルコールとの少なくとも1つの他のエステルを含有する組成物に関する。
【0035】
本発明の好ましい実施態様において、これらの組成物は、
− 80〜99.99重量%の2−プロピルヘプチルエステル、および
− 0.01〜20重量%の対応するメチル−2−プロピルヘキシルエステル
を含有する。
【0036】
該組成物は、化粧品および/または医薬品に適している。
【0037】
本発明は、また、2−プロピルヘプタノールと対応する安息香酸誘導体とを含有する混合物を反応させることを含む、本発明のエステルの製造方法に関する。
【0038】
本発明の製造方法は、2−プロピルヘプタノールと、3−メチル−2−プロピルヘキサノール、4−メチル−2−プロピルヘキサノールまたは5−メチル−2−プロピルヘキサノールからなる群から選択される少なくとも1つのアルコールと対応する安息香酸誘導体の混合物を反応させることを含む、請求項5に記載の組成物の製造方法をも包含する。
【0039】
本発明の好ましい実施態様において、アルコールおよび対応する安息香酸誘導体を含む混合物を、エステル化触媒の存在下で反応させる。
好ましい実施態様において、アルコールおよび対応する安息香酸を含有する混合物を加熱し、形成された水を連続的に除去し、粗生成物を蒸留する。該方法は、エステル化触媒、例えば酸または塩基の存在下に行うことができる。好ましい実施態様において、該方法は、溶媒の非存在下、好ましくは実質的に水を含有しない抽出物(educt)を用いて行う。該方法の好ましい実施態様は、錫触媒を使用することを特徴とする。適当な錫触媒は、例えば、シュウ酸錫(例えばFascat(登録商標)2001)、酸化錫(SnO、Fascat(登録商標)2000)および錫(IV)触媒、例えばジブチル錫ジアセテート(Fascat(登録商標)4200)、ジブチル錫オキシド(Fascat(登録商標)4201)およびジブチル錫ラウレート(Fascat(登録商標)4202)または酸化錫(SnO)である。これらは、かつてAtofinaから市販されていたが、現在は、Arkemaから市販されている。
該エステル化は、好ましくは100〜300℃の範囲の温度、とりわけ、200〜250℃の範囲の温度で行う。
【0040】
別の実施態様において、少なくとも1つの酵素が触媒として使用される。適当な酵素は、アルコールおよび酸のエステル化を触媒することができる、当業者に既知の任意の酵素または酵素混合物、例えばリパーゼ、アシルトランスフェラーゼおよびエステラーゼである。酵素触媒エステル化は、典型的に20〜100℃の温度、好ましくは40〜80℃の温度で行う。
【0041】
また、本発明は、2−プロピルヘプタノールおよび対応する安息香酸誘導体のメチルエステルとを含有する混合物をエステル交換触媒の存在下に反応させることを含む、本発明のエステルの製造方法に関する。
【0042】
また、本発明の製造方法は、2−プロピルヘプタノールを、エステル化触媒の存在下、対応する安息香酸誘導体のメチルエステル混合物と一緒に反応させることを含む、エステル混合物の製造方法を包含する。
【0043】
本発明の製造方法は、2−プロピルヘプタノールと、3−メチル−2−プロピルヘキサノール、4−メチル−2−プロピルヘキサノールまたは5−メチル−2−プロピルヘキサノールからなる群から選択される少なくとも1つのアルコールと対応する安息香酸誘導体のメチルエステルの混合物を反応させることを含む、請求項5に記載の組成物の製造方法をも包含する。
【0044】
好ましい実施態様においては、アルコールおよび対応する安息香酸のメチルエステルとを含有する混合物を加熱し、形成された水を連続的に除去し、粗生成物を蒸留する。好ましい実施態様において、該方法は、溶媒の非存在下、好ましくは実質的に水を含有しない抽出物を用いて行う。
【0045】
該エステル化は、好ましくは100〜300℃の範囲の温度、とりわけ、200〜250℃の範囲の温度で行う。該エステル交換触媒は、当業者に既知の任意のエステル交換触媒から選択されてよく、好ましくは、ナトリウムメチレートまたはテトラアルキルチタネートが使用される。
【0046】
別の実施態様において、少なくとも1つの酵素が触媒として使用される。適当な酵素は、アルコールおよび酸メチルエステルのエステル交換を触媒することができる、当業者に既知の任意の酵素または酵素混合物、例えばリパーゼ、アシルトランスフェラーゼおよびエステラーゼである。酵素触媒エステル化は、典型的に20〜100℃の温度、および好ましくは40〜80℃の温度で行う。
【0047】
以下で使用する表現「X−メチル−2−プロピルヘキサノールとベンゼンジカルボン酸とのエステル」は、ベンゼンジカルボン酸と特定のメチル−2−プロピルヘキサノールとのジエステル、すなわち、例えばジ−3−メチル−2−プロピルヘキシル−1,4−ベンゼンジカルボン酸ジエステルまたはジ−5−メチル−2−プロピルヘキシル−1,4−ベンゼンジカルボン酸ジエステル、およびモノエステル、例えば3−メチル−2−プロピルヘプチル−1,4−ベンゼンジカルボン酸モノエステルの両方、ならびにベンゼンジカルボン酸の1つ目の酸基が特定のメチル−2−プロピルヘキサノールでエステル化され、および該ベンゼンジカルボン酸の2つ目の酸基が第2のアルコールでエステル化された混合エステルを包含する。該第2のアルコールは、3−メチル−2−プロピルヘキサノール、4−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび5−メチル−2−プロピルヘキサノールから選択され得る。第2のアルコールは、第1のメチル−2−プロピルヘキサノールとは異なる必要がある。混合エステルの別の実施態様において、第2のアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、オクタノール、デカノールまたはドデカノールからなる群から選択される。
【0048】
〔3−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステル〕
また、本発明は、3−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステルならびにそれらの化粧品および/または医薬品における使用に関する。
本発明の1つの実施態様は、3−メチル−2−プロピルヘキシル安息香酸である。本発明の別の実施態様は、ジ−(3−メチル−2−プロピルヘキシル)−1,4−安息香酸ジエステルである。
【0049】
〔4−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステル〕
また、本発明は、4−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸誘導体とのエステルに関する。
また、本発明は、4−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステルの化粧品および/または医薬品における使用に関する。
本発明の1つの実施態様は、ジ−(4−メチル−2−プロピルヘキシル)−1,4−安息香酸ジエステルである。
【0050】
〔5−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステル〕
また、本発明は、5−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸誘導体とのエステルに関する。
また、本発明は、5−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステルの化粧品および/または医薬品における使用に関する。
本発明の1つの実施態様は、ジ−(5−メチル−2−プロピルヘキシル)−1,4−安息香酸ジエステルである。
【0051】
本発明は、3−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび対応する酸(カルボン酸および/またはジカルボン酸)を含有する混合物を反応させることを含む、3−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体の製造方法に関する。本発明の方法は、3−メチル−2−プロピルヘキサノールを対応する酸混合物と一緒に反応させることを含む、エステル混合物の製造を包含する。また、本発明の方法は、3−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび他のアルコールを対応するジカルボン酸と一緒に反応させることを含む、エステル混合物の製造を包含する。
【0052】
本発明は、4−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび対応する酸(カルボン酸および/またはジカルボン酸)を含有する混合物を反応させることを含む、4−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸誘導体の製造方法に関する。本発明の方法は、4−メチル−2−プロピルヘキサノールを対応する酸混合物と一緒に反応させることを含む、エステル混合物の製造を包含する。また、本発明の方法は、4−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび他のアルコールを対応するジカルボン酸と一緒に反応させることを含む、エステル混合物の製造を包含する。
【0053】
本発明は、5−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび対応する酸(カルボン酸および/またはジカルボン酸)を含有する混合物を反応させることを含む、5−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸誘導体の製造方法に関する。本発明の方法は、5−メチル−2−プロピルヘキサノールを対応する酸混合物と一緒に反応させることを含む、エステル混合物の製造を包含する。また、本発明の方法は、5−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび他のアルコールを対応するジカルボン酸と一緒に反応させることを含む、エステル混合物の製造を包含する。
【0054】
本発明の好ましい実施態様においては、アルコール(5−メチル−2−プロピルヘキサノール、4−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび/または3−メチル−2−プロピルヘキサノールまたは場合により他のアルコール)および対応する酸を含有する混合物を、エステル化触媒の存在下で反応させる。
【0055】
好ましい実施態様において、アルコール(5−メチル−2−プロピルヘキサノール、4−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび/または3−メチル−2−プロピルヘキサノールまたは場合により他のアルコール)および対応する酸を含有する混合物を加熱し、形成された水を連続的に除去し、粗生成物を蒸留する。該方法は、エステル化触媒、例えば酸または塩基の存在下に行うことができる。好ましい実施態様において、該方法は、溶媒の非存在下、好ましくは実質的に水を含有しない抽出物(educt)を用いて行う。該方法の好ましい実施態様は、錫触媒を使用することを特徴とする。適当な錫触媒は、例えば、シュウ酸錫(例えばFascat(登録商標)2001)、酸化錫(SnO、Fascat(登録商標)2000)および錫(IV)触媒、例えばジブチル錫ジアセテート(Fascat(登録商標)4200)、ジブチル錫オキシド(Fascat(登録商標)4201)およびジブチル錫ラウレート(Fascat(登録商標)4202)または酸化錫(SnO)である。これらは、かつてAtofinaから市販されていたが、現在は、Arkemaから市販されている。
該エステル化は、好ましくは100〜300℃の範囲の温度、とりわけ、200〜250℃の範囲の温度で行う。
【0056】
別の実施態様において、少なくとも1つの酵素が触媒として使用される。適当な酵素は、アルコールおよび酸のエステル化を触媒することができる、当業者に既知の任意の酵素または酵素混合物、例えばリパーゼ、アシルトランスフェラーゼおよびエステラーゼである。酵素触媒エステル化は、典型的に20〜100℃の温度、好ましくは40〜80℃の温度で行う。
【0057】
本発明は、3−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび対応する酸のメチルエステルとを含有する混合物を、エステル交換触媒の存在下で反応させることを含む、3−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体の製造方法に関する。本発明の方法は、3−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび他のアルコールを対応するジカルボン酸のメチルまたはジメチルエステルと一緒にエステル交換触媒の存在下で反応させることを含む、エステル混合物の製造を包含する。
【0058】
本発明は、4−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび対応する酸のメチルエステルとを含有する混合物を、エステル交換触媒の存在下で反応させることを含む、4−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸誘導体の製造方法に関する。本発明の方法は、4−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび他のアルコールを対応するジカルボン酸のメチルまたはジメチルエステルと一緒にエステル交換触媒の存在下で反応させることを含む、エステル混合物の製造を包含する。
【0059】
本発明は、5−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび対応する酸のメチルエステルとを含有する混合物を、エステル交換触媒の存在下で反応させることを含む、5−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸誘導体の製造方法に関する。本発明の方法は、5−メチル−2−プロピルヘキサノールおよび他のアルコールを対応するジカルボン酸のメチルまたはジメチルエステルと一緒にエステル交換触媒の存在下で反応させることを含む、エステル混合物の製造を包含する。また、本発明の方法は、アルコール(5−メチル−2−プロピルヘキサノール、4−メチル−2−プロピルヘキサノール、3−メチル−2−プロピルヘキサノール)を対応する酸のメチルエステル混合物と一緒にエステル交換触媒の存在下で反応させることを包含する。
【0060】
好ましい実施態様において、アルコール(5−メチル−2−プロピルヘキサノール、4−メチル−2−プロピルヘキサノール、3−メチル−2−プロピルヘキサノール)および対応する酸のメチルエステルとを含有する混合物をエステル化触媒の存在下で加熱し、形成された水を連続的に除去し、粗生成物を蒸留する。好ましい実施態様において、該方法は、溶媒の非存在下、好ましくは実質的に水を含有しない抽出物を用いて行う。
【0061】
該エステル化は、好ましくは100〜300℃の範囲の温度、とりわけ、200〜250℃の範囲の温度で行う。該エステル交換触媒は、当業者に既知の任意のエステル交換触媒から選択されてよく、好ましくは、ナトリウムメチレートまたはテトラアルキルチタネートが使用される。
【0062】
別の実施態様において、少なくとも1つの酵素が触媒として使用される。適当な酵素は、アルコールおよび酸メチルエステルのエステル交換を触媒することができる、当業者に既知の任意の酵素または酵素混合物、例えばリパーゼ、アシルトランスフェラーゼおよびエステラーゼである。酵素触媒エステル化は、典型的に20〜100℃の温度、および好ましくは40〜80℃の温度で行う。
【0063】
〔化粧品/医薬品〕
安息香酸および/または安息香酸誘導体の2−プロピルヘプチルエステルは、特に軽い皮膚感覚を有する安定性化粧品および医薬品エマルジョンの製造を可能にする。
【0064】
したがって、本発明は、
(a)2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体との少なくとも1つのエステル、および
(b)少なくとも1つの乳化剤および/または界面活性剤および/またはワックス成分および/またはポリマーおよび/または別の油成分
を含有する化粧品および/または医薬品に関する。
【0065】
本発明の調製物は、好ましくは0.1〜80重量%、特には0.5〜70重量%、好ましくは0.75〜60重量%、特には1〜50重量%、好ましくは1〜40重量%の、2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体との少なくとも1つのエステルを含有する。
【0066】
また、本発明は、
(a)2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体との少なくとも1つのエステル0.1〜80重量%、特には0.1〜70重量%、好ましくは0.1〜60重量%、特には0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%、
b)0.1〜20重量%の乳化剤(b−1)および/または界面活性剤(b−2)および/またはワックス成分(b−3)および/またはポリマー(b−4)、0.1〜40重量%の他の油成分(b−5)、および
c)0〜98重量%の水
を含有する化粧品および/または医薬品に関する。
【0067】
本発明の調製物は、少なくとも0.1重量%、特には少なくとも0.5重量%、特には少なくとも0.75重量%、好ましくは少なくとも1重量%、好ましくは少なくとも5重量%の1つまたはそれ以上のエステル(a)を含有する。
【0068】
重量%で表される全てのパーセンテージは、化粧品および/または医薬品に基づく。
【0069】
本発明の1つの実施態様において、調製物は2−プロピルヘプチル安息香酸、ジ−(2−プロピルヘプチル)−1,4−ベンゼンジカルボン酸ジエステル、2−プロピルヘプチル−1,4−ベンゼンジカルボン酸エステル、2−プロピルヘプチル−2−ヒドロキシ安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−2−メチル安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−3−メチル安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−4−メチル安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−2−アセトキシ安息香酸エステル(=2−プロピルヘプチルアセチルサリチル酸エステル)からなる群から選択される少なくとも1つのエステルを含有する。
【0070】
化粧品および/または医薬品の別の好ましい実施態様は、(a)2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体との少なくとも1つのエステル0.1〜80重量%、特には0.1〜70重量%、好ましくは0.1〜60重量%、好ましくは0.1〜50重量%、(b)0.1〜20重量%の乳化剤(b−1)および/または界面活性剤(b−2)および/またはワックス成分(b−3)および/またはポリマー(b−4)および0.1〜40重量%の他の油成分(b−5)、および(c)0〜98重量%の水を含有する。
【0071】
また、本発明は、
(a)3−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体との少なくとも1つのエステル、
(b)少なくとも1つの乳化剤および/または界面活性剤および/またはワックス成分および/またはポリマーおよび/または他の油成分
を含有する化粧品および/または医薬品に関する。
【0072】
また、本発明は、
(a)4−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体との少なくとも1つのエステル、
(b)少なくとも1つの乳化剤および/または界面活性剤および/またはワックス成分および/またはポリマーおよび/または他の油成分
を含有する化粧品および/または医薬品に関する。
【0073】
また、本発明は、
(a)5−メチル−2−プロピルヘキサノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体との少なくとも1つのエステル、
(b)少なくとも1つの乳化剤および/または界面活性剤および/またはワックス成分および/またはポリマーおよび/または他の油成分
を含有する化粧品および/または医薬品に関する。
【0074】
本発明の調製物、本発明の組成物および本発明のエステルは、ベースとして、全ての化粧品のボディケア調製物および洗浄調製物、例えば、ボディオイル、ベビーオイル、ボディミルク、クリーム、ローション、噴霧可能なエマルジョン、日焼け止め剤、制汗剤、液体および固形石鹸などの中に組み込むのに適当である。また、それらは、界面活性剤含有処方物、例えば、フォームおよびシャワーバス、ヘアシャンプーおよびヘアケアリンスなどにおいて使用できる。それらは、ケア成分として、衛生学およびケアの分野で使用されるティッシュ、ペーパー、ワイプ、不織布、スポンジ、パフ、石膏および包帯(ベビー衛生およびベビーケア用ウェットワイプ、洗浄ワイプ、顔用ワイプ、スキンケアワイプ、皮膚老化に対する活性成分を含有するケアワイプ、日焼け防止処方物および防虫剤を含有するワイプおよび化粧品用または紫外線治療後用ワイプ、トイレ用ワイプ、制汗用ワイプ、おむつ、ハンカチ、ウェットワイプ、衛生品、日焼け用ワイプ)に適用することができる。また、それらは、ヘアケア、洗髪または染毛調製物において使用することができる。
【0075】
想定される用途に応じて、化粧品処方物は、多くの他の助剤および添加剤、例えば、界面活性剤、他の油成分、乳化剤、真珠光沢ワックス、粘稠剤、増粘剤、過脂肪剤、安定剤、ポリマー、脂質、ワックス、レシチン、リン脂質、生体由来物質、UV保護剤、抗酸化剤、脱臭剤、発汗防止剤、ふけ防止剤、皮膜形成剤、膨潤剤、防虫剤、日焼け剤、チロシン阻害剤(脱色剤)、ヒドロトロープ、可溶化剤、防腐剤、香油、染料などを含有する。これらの例を以下に列挙する。
【0076】
〔乳化剤b−1〕〕
本発明の1つの実施態様において、本発明の調製物は、少なくとも1つの乳化剤を含有する。本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0〜40重量%、好ましくは0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%および特には0.1〜10重量%の量で乳化剤を含有する。
【0077】
本発明の1つの実施態様において、本発明の調製物は、1つ以上の乳化剤を含有する。他の成分に応じて、当業者は、典型的な乳化剤系(例えば、乳化剤および共乳化剤など)を使用する。
【0078】
〔非イオン性乳化剤〕
非イオン性乳化剤の群は、例えば、以下のものを含む:
(1)8〜40個の炭素原子を含有する直鎖状脂肪アルコール、12〜40個の炭素原子を含有する脂肪酸およびアルキル基中に8〜15個の炭素原子を含有するアルキルフェノールへの、2〜50モルのエチレンオキシドおよび/または1〜20モルのプロピレンオキシドの付加生成物;
(2)グリセロールへの1〜50モルのエチレンオキシド付加生成物のC12−18脂肪酸モノエステルおよびジエステル;
(3)6〜22個の炭素原子を含有する飽和および不飽和脂肪酸のソルビタンモノエステルおよびジエステル、ならびにそのエチレンオキシド付加生成物;
(4)アルキル基中に8〜22個の炭素原子を含有するアルキルモノおよびオリゴグリコシドおよびそのエトキシル化類似体;
(5)ヒマシ油および/または水添ヒマシ油への7〜60モルのエチレンオキシドの付加生成物;
(6)ポリオールエステル、および、特にポリグリセロールエステル、例えばポリオールポリ−12−ヒドロキシステアレート、ポリグリセロールポリリシノレエート、ポリグリセロールジイソステアレートまたはポリグリセロールダイメレートなど。これらのクラスの幾つかの化合物の混合物も適当である;
(7)ヒマシ油および/または水添ヒマシ油への2〜15モルのエチレンオキシドの付加生成物;
(8)直鎖状、分枝状、不飽和または飽和C6−22脂肪酸、リシノール酸および12−ヒドロキシステアリン酸と、例えば、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)に基づく部分エステル、または混合エステル、例えばグリセリルステアレートシトレートおよびグリセリルステアレートラクテート;
(9)ポリシロキサン/ポリアルキルポリエーテル共重合体または対応する誘導体;
(10)ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステルおよび/または6〜22個の炭素原子を含有する脂肪酸と、メチルグルコースおよびポリオール、好ましくはグリセロールまたはポリグリセロールとの混合エステル。
【0079】
脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、グリセロールモノエステルおよびジエステル、および脂肪酸のソルビタンモノエステルおよびジエステルまたはヒマシ油へのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物は、既知の市販品である。それらは、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、付加反応を行うのに用いられる基質との間の比率に対応する平均アルコキシル化度のホモログ混合物である。これらの乳化剤は、エトキシル化度に応じてw/oまたはo/w乳化剤となる。グリセロールへのエチレンオキシドの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、化粧品調製物のための脂質層増強剤として既知である。
【0080】
本発明によれば、特に適当なおよび穏やかな乳化剤は、「Dehymuls(登録商標)PGPH」(w/o乳化剤)または「Eumulgin(登録商標)VL 75」(ココグリコシドとの重量比1:1の混合物、o/w乳化剤)または「Dehymuls(登録商標)SBL」(w/o 乳化剤)の名称のもとCognis Deutschland GmbHから上市されているポリオールポリ−12−ヒドロキシステアレートおよびそれらの混合物である。これに関して、特に欧州特許EP0766661B1が参照される。これらの乳化剤のポリオール成分は、少なくとも2個、好ましくは3〜12個および特には3〜8個のヒドロキシ基および2〜12個の炭素原子を含有する物質から誘導され得る。
【0081】
原理上、適当な親油性w/o乳化剤は、1〜8のHLB値を有する乳化剤である。これは、数多くの表に列挙され、および当業者に周知である。これらの乳化剤の幾つかは、例えば、Kirk−Othmer、「Encyclopedia of Chemical Technology」、第3版、1979年、第8巻、第913頁に列挙されている。また、エトキシル化生成物についてのHLB値は、以下の式:
HLB=(100−L):5
[式中、Lは、エチレンオキシド付加生成物の重量%における、新油性基、すなわち、脂肪アルキル基または脂肪アシル基の重量%である]
から算出することができる。
【0082】
w/o乳化剤の群からの特に有利なものは、ポリオール、特にはC4−6ポリオールの部分エステル、例えばペンタエリスリトールの部分エステルまたは糖エステル、例えば、スクロースジステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレエート、ソルビタンセスキリシノレエート、ソルビタンジリシノレエート、ソルビタントリリシノレエート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノタータラート、ソルビタンセスキタータラート、ソルビタンジタータレート、ソルビタントリタータラート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタンセスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエートおよびそれらの工業用混合物である。また、前記ソルビタンエステルへの1〜30および好ましくは5〜10モルのエチレンオキシドの付加生成物も適当な乳化剤である。
【0083】
また、処方に応じて、非イオン性o/w乳化剤(HLB値:8〜18)および/または可溶化剤の群からの少なくとも一つの乳化剤を使用することがさらに有利であり得る。このような乳化剤の例は、対応する高エトキシル化度、例えばo/w乳化剤について10〜20のエチレンオキシド単位およびいわゆる可溶化剤について20〜40のエチレンオキシド単位を有する、初めに記載したエチレンオキシド付加生成物である。本発明の目的のために特に有利なo/w乳化剤は、セテアレス−12およびPEG−20ステアレートである。特に適当な可溶化剤は、Eumulgin(登録商標)HRE 40(INCI名:PEG−40水添ヒマシ油)、Eumulgin(登録商標)HRE 60(INCI名:PEG−60水添ヒマシ油)、Eumulgin(登録商標)L(INCI名:PPG−1−PEG−9ラウリルグリコールエーテル)およびEumulgin(登録商標)SML 20(INCI名:ポリソルベート−20)である。
【0084】
アルキルオリゴグリコシドの群からの非イオン性乳化剤は、特に皮膚に適合性である。C8−22アルキルモノおよびオリゴグリコシド、それらの製造法およびそれらの使用は、先行技術から既知である。それらは、特にグルコースまたはオリゴ糖と、8〜22個の炭素原子を含有する第1級アルコールを反応させることにより製造される。グリコシド成分に関する限り、環式糖単位がグリコシド結合により脂肪アルコールに結合しているモノグリコシドおよび好ましくは約8までのオリゴマー化度を有するオリゴマーグリコシドの両方が適当である。オリゴマー化度は、統計的平均値であり、このような工業用製品に典型的な同族体分布は、統計的平均値に基づく。Plantacare(登録商標)の名称のもと市販されている製品は、平均オリゴマー化度1〜2を有するオリゴグリコシド単位にグルコシド結合により結合したC8−16アルキル基を含有する。グルカミンから誘導されるアシルグルカミドも、適当な非イオン性乳化剤である。Emulgade(登録商標)PL 68/50の名称のもとCognis Deutschland GmbHから市販される製品(これは、アルキルポリグリコシドと脂肪アルコールとの1:1混合物である)は、本発明の目的のために好ましい。本発明によれば、ラウリルグリコシド、ポリグリセリル−2−ジポリヒドロキシステアレート、グリセロールおよび水の混合物(これは、Eumulgin(登録商標)VL 75として市販されている)も、本発明にしたがって有利に使用することができる。
【0085】
他の適当な乳化剤は、レシチンおよびリン脂質のような物質である。天然レシチンの例は、ケファリン(これは、ホスファチジン酸としても既知であり、および1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−リン酸の誘導体である)である。一方、リン脂質は、通常、リン酸とグリセロール(グリセロホスフェイト)とのモノおよび好ましくはジエステルと理解され、これは、通常、脂肪に分類される。スフィンゴシンおよびスフィンゴリピドも、脂肪様物質として適当である。
【0086】
〔界面活性剤b−2〕〕
本発明の1つの実施態様において、本発明の調製物は、少なくとも1つの界面活性剤を含有する。界面活性剤は、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性および/または両性または双性イオン性界面活性剤から選択することができる。界面活性剤含有化粧品、例えばシャワーゲル、フォームバス、シャンプーなどは、好ましくは少なくとも1つの陰イオン性界面活性剤を含有する。
【0087】
本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0〜40重量%、好ましくは0〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%および特には0.1〜10重量%の量で界面活性剤を含有する。
【0088】
非イオン性界面活性剤の代表例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエーテル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルまたは混合ホルマール、場合により部分的に酸化したアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドまたはグルクロン酸誘導体、脂肪酸N−アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、コムギに基づく植物生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベートおよびアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有する場合、それらは通常の同族体分布を有していてよいが、好ましくは狭い同族体分布を有する。
【0089】
双性イオン性界面活性剤は、少なくとも1つの第4級アンモニウム基と少なくとも1つの−COO(−)または−SO(−)基を分子中に有する界面活性化合物である。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えば、ヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えば、ヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリンであって、それぞれアルキルまたはアシル基中に8〜18個の炭素原子を含むもの、ならびにヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。INCI名ヤシ油アミドプロピルベタインとして知られる脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。
【0090】
また、両性界面活性剤も、特に共界面活性剤として適当である。両性界面活性剤は、分子中に、C8−18−アルキルまたは−アシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基と少なくとも1つの−COOH基または−SOH基を含有し、分子内塩を形成することができる、界面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例は、アルキル基中に約8〜18個の炭素原子を含む、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。特に好適な両性界面活性剤は、N−ヤシ油アルキルアミノプロピオン酸塩、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオン酸塩およびC12−18アシルサルコシンである。
【0091】
陰イオン性界面活性剤は、水溶性を与える陰イオン基、例えばカルボキシレート、スルフェート、スルホネートまたはホスフェート基と親油性基を特徴とする。皮膚科学的に安全な陰イオン性界面活性剤は、関連文献から多くの当業者に既知であり、市販されている。それらは、特に、アルカリ金属、アンモニウムまたはアルカノールアンモニウム塩の形態のアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルイセチオネート、アシルサルコシネート、直鎖状C12−18アルキルまたはアシル基を含有するアシルタウリン、およびアルカリ金属またはアンモニウム塩の形態のスルホスクシネートおよびアシルグルタマートである。
【0092】
特に適当な陽イオン性界面活性剤は、第4級アンモニウム化合物、好ましくはアンモニウムハライド、より詳細にはクロリドおよびブロミド、例えばアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリドおよびトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドおよびトリセチルメチルアンモニウムクロリドである。さらに、易生分解性第4級エステル化合物、例えば、Stepantex(登録商標)の名称のもと上市されているジアルキルアンモニウムメトスルフェートおよびメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキルアンモニウムメトスルフェートおよび対応するDehyquart(登録商標)シリーズの製品などは、陽イオン性界面活性剤として使用することができる。「エステルクォート」は、通常、4級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩であると理解される。それらは、特に柔軟な組成物を与えることができる。それらは、有機化学の関連方法によって製造される既知物質である。本発明による使用に適当な他の陽イオン性界面活性剤は、4級化タンパク質加水分解物である。
【0093】
〔ワックス成分b−3〕〕
本発明の1つの実施態様において、本発明の調製物は、少なくとも1つのワックス成分を含有する。本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0〜40重量%、特には0〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%および特には0.1〜10重量%の量でワックス成分を含有する。
【0094】
ワックスは、通常、以下の特性を有する天然または合成物質および混合物であると理解される:それらは、固体から脆い硬いまでのコンシステンシーを有し、粗いから細かいまでの結晶性であり、30℃より高い温度で分解せずに不透明になり、融解する。それらの融点をわずかに超える場合でさえも、それらは粘度が低く、非曳糸性であり、およびそれらのコンシステンシーおよび溶解性は非常に温度依存性である。30℃以上で融解する単独のワックス成分またはワックス成分の混合物は、本発明にしたがって使用することができる。
【0095】
本発明によれば、ワックス様コンシステンシーを有する脂肪および脂肪様物質も、それらが所定の融点を有する限りワックスとして使用することができる。これらとしては、とりわけ、脂肪(トリグリセリド)、モノおよびジグリセリド、天然および合成ワックス、脂肪およびワックスアルコール、脂肪酸、脂肪アルコールと脂肪酸とのエステル、および脂肪酸アミドまたはこれらの物質の混合物が挙げられる。
【0096】
本発明における脂肪は、トリアシルグリセロール、すなわち、脂肪酸とグリセロールとのトリプルエステルであると理解される。トリアシルグリセロールは、好ましくは飽和、非分枝状および非置換脂肪酸成分を含有する。また、それらは、混合エステル、すなわち、グリセロールと種々の脂肪酸とのトリプルエステルであり得る。部分水素化によって得られるいわゆる硬化脂肪および油は、本発明にしたがって使用することができ、コンシステンシー因子として特に適当である。植物性硬化脂肪および油、例えば硬化ヒマシ油、落花生油、大豆油、セイヨウアブラナ油、菜種油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油、パーム油、パーム核油油、亜麻仁油、アーモンド油、コーン油、オリーブ油、ゴマ油、ココアバターおよびヤシ脂肪が好ましい。
【0097】
適当な脂肪は、とりわけ、グリセロールとC12−60脂肪酸(特にC12−36脂肪酸)とのトリプルエステルである。これらとしては、水添ヒマシ油、グリセロールとヒドロキシステアリン酸とのトリプルエステル(これは、例えばCutina(登録商標)HRの名称のもと市販されている)が挙げられる。グリセロールトリステアレート、グリセロールトリベヘネート(例えばSyncrowax(登録商標)HRC)、グリセロールトリパルミテートまたはSyncrowax(登録商標)HGLCの名称のもと既知のトリグリセリド混合物も、ワックス成分または混合物の融点が30℃以上である限り、適当である。
【0098】
本発明によれば、適当なワックス成分は、特に、これらの部分グリセリドのモノおよびジグリセリドおよび混合物である。本発明による使用に適当なグリセリド混合物としては、Cognis Deutschland GmbHから市販されている製品Novata(登録商標)ABおよびNovata(登録商標)B(C12−18モノ、ジ−およびトリグリセリドの混合物)およびCutina(登録商標)MDまたはCutina(登録商標)GMS(グリセリルステアレート)が挙げられる。
【0099】
本発明によるワックス成分としての使用に適当な脂肪アルコールとしては、C12−50脂肪アルコールが挙げられる。該脂肪アルコールは、天然脂肪、油およびワックス、例えば、ミリスチルアルコール、1−ペンタデカノール、セチルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、1−ノナデカノール、アラキジルアルコール、1−ヘネイコサノール、ベヘニルアルコール、ブラシジルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコールまたはミリシルアルコールなどから得られ得る。本発明によれば、飽和非分枝状脂肪アルコールが好ましい。しかしながら、不飽和、分枝状または非分枝状脂肪アルコールも、それらが所定の融点を有する限り、ワックス成分として本発明にしたがって使用することができる。他の適当な脂肪アルコールは、天然に存在する脂肪および油、例えば牛脂、落花生油、セイヨウアブラナ油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油、パーム核油、亜麻仁油、ヒマシ油、コーン油、菜種油、ゴマ油、ココアバターおよびヤシ油などを還元することにより得られる脂肪アルコールカットである。しかしながら、合成アルコール、例えばチーグラー合成からの直鎖状偶数脂肪アルコール(アルフォール)またはオキソ合成からの部分分枝状アルコール(ドバノール)も使用することができる。例えば、名称Lanette(登録商標)16(C16アルコール)、Lanette(登録商標)14(C14アルコール)、Lanette(登録商標)O(C16/18アルコール)およびLanette(登録商標)22(C18/22アルコール)のもとCognis Deutschland GmbHから市販されるC14−22脂肪アルコールは、本発明の目的に特に適当である。脂肪アルコールは、組成物に、トリグリセリドよりも皮膚に対する乾燥した感覚を与える。
【0100】
14−40脂肪酸またはそれらの混合物も、ワックス成分として使用することができる。これらとしては、例えば、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリッシン酸、エルカ酸およびエレオステアリン酸および置換脂肪酸(例えば、12−ヒドロキシステアリン酸など)、および脂肪酸のアミドまたはモノエタノールアミドが挙げられる。このリストは、如何なる限定も伴わない、純粋に例示を意味する。
【0101】
本発明による使用に適当なワックスは、例えば、天然植物ワックス、例えばキャンデリラワックス、カルナバワックス、木蝋、エスパルトグラスワックス、コルクワックス、グアルマワックス、コメ油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリーワックス、モンタンワックス、ヒマワリワックス、フルーツワックス、例えばオレンジワックス、レモンワックス、グレープフルーツワックス、ヤマモモワックス、および動物ワックス、例えば蜜蝋、シェラックワックス、鯨蝋、羊毛ワックスおよび尾脂などである。本発明によれば、水素化または硬化ワックスを使用することが有利であり得る。また、本発明にしたがって使用可能な天然ワックスとしては、鉱物ワックス、例えばセレシンおよびオゾケライトなど、または石油化学ワックス、例えばペトロラタム、パラフィンワックスおよびマイクロワックスも挙げられる。他の適当なワックス成分は、化学変性ワックス、特には硬質ワックス、例えばモンタンエステルワックス、サゾールワックスおよび水素化ホホバワックスなどである。本発明にしたがって使用可能な合成ワックスとしては、例えば、ワックス様ポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスが挙げられる。植物ワックスは、本発明の目的に好ましい。
【0102】
また、ワックス成分は、飽和および/または不飽和、分枝状および/または非分枝状アルカンカルボン酸と、飽和および/または不飽和、分枝状および/または非分枝状アルコールとのワックスエステルの群、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸(例えば12−ヒドロキシステアリン酸)と、飽和および/または不飽和の分枝状および/または非分枝状アルコールとのエステルの群、ならびに、長鎖ヒドロキシカルボン酸のラクチドの群から選択することもできる。エステルの例としては、例えば、C16−40アルキルステアレート、C20−40アルキルステアレート(例えばKesterwachs(登録商標)K82H)、ダイマー酸のC20−40ジアルキルエステル、C18−38アルキルヒドロキシステアロイルステアレートまたはC20−40アルキルエルケートが挙げられる。使用し得る他の適当なワックス成分は、C30−50アルキル蜜蝋、トリセテアリルシトレート、トリイソステアリルシトレート、ステアリルヘプタノエート、ステアリルオクタノエート、トリラウリルシトレート、エチレングリコールジパルミテート、エチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジ(12−ヒドロキシステアレート)、ステアリルステアレート、パルミチルステアレート、ステアリルベヘネート、セチルエステル、セテアリルベヘネートおよびベヘニルベヘネートである。
【0103】
〔ポリマーb−4〕〕
本発明の1つの実施態様において、本発明の調製物は、少なくとも1つのポリマーを含有する。本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて、0〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、とりわけ、0.1〜10重量%の量でポリマーを含有する。
【0104】
適当な陽イオン性ポリマーは、例えば、陽イオン性セルロース誘導体、例えば、AmercholからPolymer JR 400(登録商標)の名称のもと入手できる4級化ヒドロキシエチルセルロースなど、陽イオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとの共重合体、4級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えば、Luviquat(登録商標)(BASF)など、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、4級化コラーゲンポリペプチド、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L、Gruenau)など、4級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、陽イオン性シリコーンポリマー、例えば、アモジメチコンなど、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとの共重合体(Cartaretine(登録商標)、Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとの共重合体(Merquat(登録商標)550、Chemviron)、ポリアミノポリアミド、陽イオン性キチン誘導体、例えば、必要に応じて微結晶性分布の4級化キトサンなど、ジハロアルキル(例えばジブロモブタン)とビス−ジアルキルアミン(例えばビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパン)との縮合生成物、陽イオン性グアーガム、例えば、CelaneseのJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16など、四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば、MiranolのMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1などである。
【0105】
適当な陰イオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマーは、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニル共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体およびそれらのエステル、非架橋およびポリオール架橋ポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレート共重合体、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/tert.−ブチルアミノエチルメタクリレート/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル共重合体、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマーおよび必要に応じて誘導体化されたセルロースエーテルおよびシリコーンである。
【0106】
他の適当なポリマーは、多糖類、特にはキサンタンガム、グアーガム、寒天、アルギン酸塩およびチロースである。
【0107】
〔他の油成分b−5)〕
クリーム、ローションおよび乳液などのボディケア製剤は、通常、その感覚特性をさらに最適化するのに寄与する多くの他の油成分およびエモリエントを含有する。油成分(本発明のエステルおよび他の油成分)は、典型的に0.1〜80重量%、特には0.5〜70重量%、好ましくは1〜60重量%、特には1〜50重量%、特には1〜40重量%、好ましくは5〜25重量%および特には5〜15重量%の総量で存在する。他の油成分は、典型的に0.1〜40重量%の量で存在する。
【0108】
他の油成分は、例えば、炭素数6〜18(好ましくは炭素数8〜10)の脂肪アルコール、および他のさらなるエステル、例えば例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシルおよびエルカ酸エルシルから選択することができる。他の適当な例は、C18−38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分枝状C6−22脂肪アルコールとのエステル(とりわけジオクチルマレート)、直鎖および/または分枝状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオールまたは三量体トリオール)とのエステル、C6−10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6−18脂肪酸に基づく液体モノ−、ジ−、トリグリセリド混合物、C6−22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(とりわけ安息香酸)とのエステル、C2−22ジカルボン酸と2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシ基を有するポリオールとのエステル、植物油、分枝状第1級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分枝状C6−22脂肪アルコールカーボネート、例えばジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC)、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖状および/または分枝C6−22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標)TN)、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)のようなアルキル基に6〜22個の炭素原子を有する、直鎖または分枝状の、対称または非対称のジアルキルエーテル、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールでの開環生成物、および炭化水素またはそれらの混合物(Cetiol(登録商標)DD)である。
【0109】
〔他の成分〕
適当な増粘剤は、例えば、Aerosil(登録商標)型(親水性シリカ)、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびベントナイト、例えばBentone(登録商標)Gel VS−5PC(Rheox)である。
【0110】
本発明におけるUV光保護剤は、例えば、室温で液状または結晶であり、紫外線を吸収して、その吸収したエネルギーを、例えば熱のようなより長波長の放射線として放出することのできる有機物質(光保護フィルター)である。UV−Bフィルターは、油溶性または水溶性であり得る。通常のUV−Aフィルターはとりわけ、ベンゾイルメタン誘導体である。UV−AフィルターとUV−Bフィルターを混合物として使用しても当然よい。特に好ましい組成物は、ベンゾイルメタン誘導体、例えば4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)および2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)と、桂皮酸エステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステルおよび/または4−メトキシ桂皮酸プロピルエステルおよび/または4−メトキシ桂皮酸イソアミルエステルとの組み合わせから成る。このような組み合わせは、水溶性フィルター、例えば2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸並びにそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカンモニウム塩と有利に組み合わせる。
【0111】
上記可溶性物質のほかに、不溶性遮光顔料、すなわち、微分散金属酸化物または塩も、この目的のために使用し得る。適当な金属酸化物の例は、とりわけ、酸化亜鉛、二酸化チタンである。上記二群の主な光保護物質のほかに、抗酸化剤タイプの副次的日焼け止め剤をも使用し得る。抗酸化剤タイプの副次的日焼け止め剤は、UV線が皮膚に侵入すると開始される光化学反応鎖を断つものである。
【0112】
本発明において生体活性物質とは、例えばトコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその断片化生成物、β−グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、擬似セラミド、精油、植物抽出物、例えばプルーン抽出物およびバンバラナッツ抽出物、並びにビタミン複合体である。
【0113】
防臭剤は、体臭を打ち消すか、マスクするか、または抑制する。体臭は、アポクリン汗に皮膚細菌が作用して不快臭のある分解産物を形成することによって生じる。従って、適当な防臭剤は、抗菌剤、酵素阻害剤、臭気吸収剤または臭気マスキング剤である。
【0114】
適当な防虫剤は、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ペンタン−1,2−ジオールまたは3−(N−n−ブチル−N−アセチルアミノ)−プロピオン酸エチルエステル)(これは防虫剤(登録商標)3535の名称でMerck KGaAから市販されている)およびブチルアセチルアミノプロピオネートである。
【0115】
適当な日焼け剤はジヒドロキシアセトンである。メラニンの生成を抑制し、脱色剤として使用する適当なチロシン抑制剤の例は、アルブチン、フェルラ酸、コウジ酸、クマリン酸およびアスコルビン酸(ビタミンC)である。
【0116】
適当な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸およびSurfacine(登録商標)の商品名で既知の銀錯体、並びに化粧品条例Kosmetikverordnung(Cosmetics Ordinance)の別表6、パートAおよびBに記載された種類の他の化合物である。
【0117】
適当な香油は、天然および合成香料の混合物である。天然香料は、下記植物の抽出物を包含する:花、茎および葉、果実、果皮、根、木、ハーブおよび草、針葉および枝、樹脂およびバルサム。また、動物性原料、例えばシベットおよびビーバー、並びにエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の合成香料化合物も使用できる。
【0118】
適当な真珠光沢ワックスの例は、アルキレングリコールエステル、とりわけエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、とりわけヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、とりわけステアリン酸モノグリセリド;多塩基性の、場合によりヒドロキシ置換したカルボン酸と、炭素数6〜22の脂肪アルコールとのエステル、とりわけ酒石酸の長鎖エステル;脂肪物質、例えば脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート(少なくとも24個の炭素原子を含有する)、とりわけラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸;12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子および2〜10個のヒドロキシ基を有するポリオールによる開環生成物;並びにそれらの混合物である。
【0119】
過脂肪剤は、例えば、ラノリンおよびレシチンならびにポリエトキシル化またはアシル化ラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミド(脂肪酸アルカノールアミドは、発泡安定剤としても役立つ)のような物質から選択することができる。
【0120】
脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸またはリシノール酸のマグネシウム塩、アルミニウム塩および/または亜鉛塩を安定剤として使用してよい。
【0121】
更に、流動性を改善するために、ヒドロトロープ、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、またはポリオールを使用してもよい。適当なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシ基を有する。ポリオールは、他の官能性基、特にアミノ基を含有していてもよく、または窒素で変性されていてもよい。
【0122】
本発明の調製物、本発明の組成物および本発明のエステルは、特に湿潤または含浸または被覆のための化粧品および/または医薬品に、および身体のケアおよび/または洗浄に使用されるユーティリティおよび衛生ワイプに適当である。
【0123】
ユーティリティおよび衛生ワイプの例としては、衛生学およびケアの分野で使用されるティッシュ、ペーパー、ワイプ、不織布、スポンジ、パフ、石膏および包帯が挙げられる。これらは、ベビー衛生およびベビーケア用ウェットワイプ、洗浄ワイプ、顔用ワイプ、スキンケアワイプ、皮膚老化に対する活性成分を含有するケアワイプ、日焼け防止処方物および防虫剤を含有するワイプおよび化粧品用または紫外線治療後用ワイプ、トイレ用ワイプ、制汗用ワイプ、おむつ、ハンカチ、ウェットワイプ、衛生品、日焼け用ワイプであり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品および/または医薬品における、2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体とのエステルの使用。
【請求項2】
安息香酸誘導体として、メチル置換安息香酸、ヒドロキシ置換安息香酸、カルボキシ置換安息香酸、ヒドロキシ置換安息香酸のアシル化により得られる誘導体からなる群から選択される化合物を使用することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
ジ−(2−プロピルヘプチル)−1,2−ベンゼンジカルボン酸エステルを除く、2−プロピルヘプタノールと安息香酸誘導体とのエステル。
【請求項4】
ジ−(2−プロピルヘプチル)−1,4−ベンゼンジカルボン酸ジエステル、2−プロピルヘプチル−1,4−ベンゼンジカルボン酸エステル、2−プロピルヘプチル−2−ヒドロキシ安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−2−メチル安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−3−メチル安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−4−メチル安息香酸エステル、2−プロピルヘプチル−2−アセトキシ安息香酸エステル(=2−プロピルヘプチルアセチルサリチル酸エステル)からなる群から選択される、請求項3に記載のエステル。
【請求項5】
2−プロピルヘプタノールと安息香酸誘導体とのエステル、および同安息香酸誘導体と、3−メチル−2−プロピルヘキサノール、4−メチル−2−プロピルヘキサノールまたは5−メチル−2−プロピルヘキサノールからなる群から選択されるアルコールとの少なくとも1つの他のエステルを含有する組成物。
【請求項6】
2−プロピルヘプタノールと対応する安息香酸誘導体とを含有する混合物を反応させる、請求項1〜5のいずれかに記載のエステルの製造方法。
【請求項7】
2−プロピルヘプタノールと対応する安息香酸誘導体のメチルエステルとを含有する混合物を、エステル交換触媒の存在下で反応させる、請求項1〜6のいずれかに記載のエステルの製造方法。
【請求項8】
(a)2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体との少なくとも1つのエステル、
(b)少なくとも1つの乳化剤(b−1)および/または界面活性剤(b−2)および/またはワックス成分(b−3)および/またはポリマー(b−4)および/または他の油成分(b−5)
を含有する化粧品および/または医薬品組成物。
【請求項9】
2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体との少なくとも1つのエステル0.1〜80重量%、特に0.1〜70重量%、好ましくは0.1〜60重量%、特に0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%を含有する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
a)2−プロピルヘプタノールと安息香酸および/または安息香酸誘導体との少なくとも1つのエステル0.1〜80重量%、特に0.1〜70重量%、好ましくは0.1〜60重量%、特に0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%、
b)0.1〜20重量%の乳化剤(b−1)および/または界面活性剤(b−2)および/またはワックス成分(b−3)および/またはポリマー(b−4)、0.1〜40重量%の他の油成分(b−5)、および
c)0〜98重量%の水
を含有する、請求項8または9に記載の組成物。

【公表番号】特表2010−526772(P2010−526772A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504506(P2010−504506)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003066
【国際公開番号】WO2008/131862
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】