説明

2ミラー位相シフタを有する光ピックアップ・ユニット

【課題】ブルーレイ、DVDおよびCDなどの異なるフォーマットを読取るための、いくつかの光源を必要とする光ピックアップ・ユニットにおいて、従来のOPUシステム内でのPBCアレイ、LDアレイ、および関連する光学コンポーネントの配置を維持し、また、透過性QWPを反射性QWPに置換えることを可能とする。
【解決手段】少なくとも一方のミラーが薄膜誘電体リターダ素子を含む2ミラー反射器サブユニットが使用されて、共通経路に沿って進行するビームをディスク媒体上に再誘導し、一方、偏光した光入射に90°リターデーションを課し、それにより、ディスク媒体から戻る光は、1つの直線偏光から他の直交直線偏光へ、偏光状態の90°配向変化を受ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光記憶および読取りデバイスの光ピックアップ・ユニットに関し、特に、2ミラー位相シフタおよびビーム偏向器を含むマルチフォーマット互換光ピックアップ・ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクト・ディスク(CD)およびデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)の使用は、光記憶およびデータの搬送にとって当たり前のことになってきた。オーディオCDおよび/またはCD−ROMユニットは、近赤外(NIR)、たとえば、780nm、785nm、790nmの半導体レーザを使用して、エンコードされたデジタル情報を読出す光ピックアップ・ユニット(OPU)、および、ディスク中心からの半径方向距離に応じて、大きさが深さ約100nm、幅500nm、および長さ850nm〜3500nmである、ピット、すなわち、ディスク上でのエンコードの1単位を可能にする、約0.45の開口数(NA)を有する対物レンズを有する。DVDフォーマットは、(オーディオCDユニットの780nmNIRレーザと比較して)短波長の、たとえば、赤色帯の650nmまたは660nmの半導体(SC)レーザ、および、大きなNA、たとえば、0.6NAを有するレンズを使用することによって、さらなる記憶密度を獲得し、0.6mm厚のDVDディスクを必要とする。後方互換性のあるDVD/CD OPUは、それぞれが単一コンポーネントとして、または、別々にパッケージングされた2つのレーザ源を使用し、2つのレーザ源は、偏光ビーム合成器(PBC)および/またはダイクロイック・ビーム合成器(DBC)によって結合された読取りビームを有する。
【0003】
DVD媒体フォーマットに対する後継技術は、ブルーレイ・ディスク(BD)であり、BDでは、読取り/書込み半導体(SC)レーザ波長は、青紫色帯の約405nm〜410nmにさらに減少し、また、対物レンズのNAは、約0.85に増加する。DVD/CDフォーマットに対して後方互換性のあるBDアクセス・システムでは、たとえば、最初の2つのレーザに対して同一容器内にパッケージングされるか、または、第3波長レーザが、3つ全てのディスク・フォーマットをサポートするために必要とされる。
【0004】
従来のマルチチャネルOPUシステムは、ソース/検出器セグメント内の直線偏光を、ディスク読取り/書込みセグメント内の円偏光に変換する、または、その逆をするために、透過性4分の1波長板(QWP)を利用する。
【0005】
図1を参照すると、従来の3波長BD/DVD/CD OPU100は、3つの別々のレーザ・ダイオード(LD)として示される半導体レーザ源のアレイ110を含み、半導体レーザ源のアレイ110は、λ=780nmの第1LD111、λ=660nmの第2LD112、およびλ=405nmの第3LD113を含む。第1、第2、および第3LD111、112、および113の出力は、偏光ビーム合成器キューブ(PBC)131、132、および133のアレイ130によって、それぞれ空間的に多重化され、レンズ・システム160によってコリメートされる。出力ビームは、その後、漏洩ミラー140によって再誘導され、漏洩ミラー140は、また、QWP145および対物レンズ161によって、回転ディスク媒体150上の単一「ピット」エリア上に結像される(収束される)前に、垂直フォールド・ミラーとして働く。漏洩ミラー140は、また、入射ビーム・エネルギーのほんのわずか、たとえば、5%が、漏洩ミラー140を通過し、採取され、別のレンズ165によってモニタ・フォトダイオード(PD)175上に収束されることを可能にする。
【0006】
LD源のアレイ110からの出力は、PBC131、132、および133の斜辺面に対して、実質的に直線偏光される、たとえば、「S」偏光される。PBCキューブ130のアレイに達する前に、直線偏光されたビームは、仕様の低い偏光子のアレイ120を通して透過され、仕様の低い偏光子のアレイ120は、LD源111、112、および113を、好ましくないフィードバック、たとえば、「P」偏光された光から保護する。従来、保護フィルタ120は、10:1偏光消光比を有する単純なダイクロイック吸収性偏光子である。
【0007】
LD源111、112、または113のそれぞれからの主光線は、共通経路180に沿ってディスク媒体150の方に誘導される。4分の1波長板(QWP)145に達する前に、光は実質的に直線偏光される。QWP145を通過した後、直線偏光された(LP)光は、円偏光された(CP)光に変換される。CP光の左右性は、所与のS偏光入力またはP偏光入力についての、QWP145の光軸配向に依存する。図示する例では、QWP145に対して「S」偏光入力がある状態で、QWP145の遅軸が、PBC131のp面に対して45°半時計方向(CCW)で位置合わせされる場合、左旋円(left-handed circularly)(LHC)偏光がQWP145の出口に生じる(LHC、ジョーンズベクトル[1j]/√2を有し、観察者に到来するビームを見ながらの直感的RH−XYZ座標系を仮定する;上付き添え字「T」は行列転置を示す)。
【0008】
記録されたピットの物理的窪みが存在する事前記録されたCDおよびDVDディスクでは、ピットと、周囲「ランド(land)」、たとえば、1/6〜1/4波との間の光学経路長差は、少なくとも部分的な破壊的干渉を与え、PBCキューブ・アレイ130の出力ポートに配置された主フォトダイオード170によって検出される、OPU100を通して反射して戻る光を減少させる。一方、ピットが存在しないことによって、PBCキューブ・アレイ130の方への戻りにおいて、実質的に同じ光パワーでCP左右性の変化を生じる。従って、QWP145を2回通過する光は、PBCアレイ130へ戻ることによって、最初のS偏光された光からP偏光した光に効率的に変換され、光が、PBS131、132、および133のそれぞれを通過して主フォトダイオード170に到ることを可能にした。
【0009】
図1に示すOPUシステム100では、QWP145は、第1パスにおいて、第1偏光状態を有する直線偏光された光を円偏光された光に変換し、第2パスにおいて、円偏光された光を第2の直交偏光状態を有する直線偏光された光に変換することによって、偏光変換器として機能する。従来、QWPは、無機結晶、たとえば、単結晶石英、単結晶MgF、LiNbO;液晶;または、伸張したポリマー膜、たとえば、ポリカーボネート、ポリビニルアルコールなどの複屈折素子から形成される。残念ながら、従来のQWPは、狭い波長帯内で効率的に機能するだけである。
【0010】
従って、図1に示すようなOPUシステムは、アクロマティックQWP(AQWP)を使用することが多く、AQWPは、2以上の波長帯において、かつ/または、比較的広い波長帯にわたって4分の1波長リターダンスを提供する。従来、AQWPは、互いに直交する光学軸を有する、接着剤によって接合された、石英およびMgFなどの2つの異なる屈折率分散複屈折材料の、または、所定のアジマス角度オフセットで位置合わせされた同様の複屈折層の2つ以上の層の、2つ以上の異なる波長板、たとえば、2分の1波長板層と4分の1波長板層を積層することによって作製される。しかし、積層したAQWP構造は、実際に、増加した帯域幅を提供するが、弱い環境耐性も伴う。さらに、2つ以上の波長板層の使用は、必要とされる厚さおよびアジマス角度オフセット公差によって、AQWPの製造コストを増加させる。
【0011】
最新の高密度記憶システム、すなわち、BDディスク読取り/書込みチャネルを含むシステムの場合、QWP素子の信頼性は、速い読取り/書込み速度の場合、ハイパワー青紫色レーザ出力、たとえば、240mW以上のパワーにおいてクリティカル・ファクターになる。さらに、3つ全ての光チャネル、青紫色405nm、赤色660nm、およびNIR780nmについてのAQWPは、約100nm、165nm、および200nmのリターデーション・マグニチュードを生成することを必要とされる。信頼性の高い複屈折コンポーネントから、また、消費者電子集積化のために低コストで得られた、これらの本質的に異なるリターデーション・マグニチュード要件は、単結晶材料および伸張した有機箔以外の代替のQWP技術の探索を促進させる。1つの解決策は、短波長青紫色チャネルを、伸張した箔AQWPを含む、従来のOPU内のレガシー赤/NIR DVD/CDチャネルを有する別個のOPUに分離することを含む。しかし、この手法は、複数の冗長な光学コンポーネント、たとえば、フォールド・ミラー、レンズなどを必要とするために、コストを増加させる。
【0012】
参照により本明細書に組み込まれる、Tan他の名前で2008年2月28日に発行された同時係属の米国特許公報2008/0049584では、直線偏光から円偏光への変換およびその逆を実現することに対する代替手法が詳述される。Tan他の参考文献のOPUシステムは、従来の透過性QWPの代わりに薄膜反射性QWP(QWPミラーとも呼ばれる)を組込む。光源セグメントとディスク読取り/書込みセグメントとの間で、±45°のアジマス角度スキューを有するOPUシステムが図2に示される。図1に示すシステム100と同様な構成を有するOPUシステム200は、少なくとも1つの光源211、212、および213を含む光源のアレイ210、保護フィルタのアレイ220、偏光ビーム合成器(PBC)231、232、および233のアレイ230、反射器240、回転光ディスク250、コリメート用レンズ260、対物レンズ261、収束レンズ265、主フォトダイオード270、およびモニタ・フォトダイオード275を含む。
【0013】
光源のアレイ210は、1つまたは複数の異なる波長で、たとえば、それぞれ、780nm、660nm、および405nmで直線偏光された光を提供する。あるいは、光源のアレイ210は、同一容器内にパッケージングされた3つのLDを含む。あるいは、光源のアレイ210は、3つより多いか、または、少ないLDを含む。
【0014】
第1PBC231、第2PBC232、および第3PBC233を含むPBCのアレイ230が使用されて、LDのアレイ210からの出力が空間的に多重化され、共通光経路280に沿って誘導される。常に、1つの偏光、たとえば、S偏光を反射し、直交偏光、たとえば、P偏光を透過させる、従来のMacNeille型PBCと対照的に、偏光ビーム合成器のアレイ230は、波長依存性がある。たとえば、前伝播方向では、第1PBC231は、第1LD211からの光λを、λのS偏光された光を反射することによって共通経路280に結合する。後伝播方向では、第1PBC231は、λのP偏光された光を透過すると共に、それぞれ、LD212およびLD213に関連するλおよびλのP偏光された光を透過する。同様に、PBC232は、λの光を、λのS偏光された光を反射し、λ、λ、およびλのP偏光された光を透過すると共に、λのS偏光された光を透過することによって共通経路280に結合し、一方、PBC233は、λの光を、λのS偏光された光を反射し、λ、λ、およびλのP偏光された光を透過すると共に、λおよびλのS偏光された光を透過することによって共通経路280に結合する。
【0015】
反射器240は、PBCのアレイ230から透過された光を90°ビーム・フォールディング(folding)を通して回転光ディスク250に再誘導する。反射器240は、薄膜コーティング292を含み、薄膜コーティング292は、たとえば、図3に示すOPUシステムについて約405nm、660nm、および780nmを有する3つの波長の少なくとも1つの波長チャネルについて、実質的に4分の1波長リターデーションを提供する。一実施形態によれば、薄膜コーティング292は、たとえば、短波パスまたは長波パス、バンド・パス、高反射などのフィルタ内に組込まれ、かつ、透明基材上に堆積される、対照をなす屈折率を有する複数の交互層を含む。透明基材は、平行板、または、ほぼ45°のプリズムであってよく、たとえば、薄膜コーティング292は、プリズムの傾斜面上に堆積されてもよい。この実施形態では、フィルタ292は、漏洩ミラーとして機能し、入射ビーム・エネルギーのほんのわずか、たとえば、5%が、反射器240を通過し、採取され、モニタ・フォトダイオード275上に収束されることを可能にする。別の実施形態では、高反射器240は、実質的に全ての入射光、S偏光、およびP偏光を、光ディスク250に向かうように直交ビーム経路に再誘導する。
【0016】
コリメート用レンズ260、対物レンズ261、収束レンズ265、およびフォトダイオード(PD)270、275を含む残りの光学コンポーネントは、従来技術で使用されるものと同じである。特に、図3に示すシステム200は、例証のためにある程度簡略化された。たとえば、市販のOPUでは、LD出力は、通常、ピットレーンに追従するために、複数の、たとえば、3つのスポットにファンアウトされ、補助フォトダイオード素子は、検出器面に搭載されて、正確な追従を判定する。さらに、フォトダイオード・アレイは、主PD270の代わりに使用されて、検出器面における円筒収束レンズと一緒に、対物レンズの収束を補助してもよい。
【0017】
動作時、各LD211、212、213からの直線偏光された光は、偏光された光、たとえば、S偏光された光として保護フィルタのアレイ220を通して透過され、PBCのアレイ230によって空間的に多重化され、共通光学経路280に沿って誘導される。直線偏光された光は、その後、コリメート用レンズ260によってコリメートされ、CプレートQWPコーティング292を有する漏洩ミラー240に送信される。漏洩ミラー240は、直線偏光された光を円偏光された光に変換し、円偏光された光を、対物レンズ261を介して光ディスク250に再誘導する。光ディスク250によって反射した光は、対物レンズ261を通して再送信され、反射器240から反射され、コリメート用レンズ260に向かう。漏洩ミラー240からの通過/反射を2回した後に、円偏光された光は、入射光に直交する偏光状態を有する直線偏光した光に再び変換され、たとえば、P偏光された光になるであろう。PBCのアレイ230は、複数の波長のそれぞれのP偏光された光を通過させ、光を主フォトダイオード270に誘導する。
【0018】
特に、この光学システム200の性能は、反射器240の上流のコンポーネントと反射器240の下流のコンポーネントとの間の角度オフセットに依存する。種々のシステムコンポーネントのアジマス配向に関する後の説明を容易にするために、光学システム100/200は、ビーム多重化と読出しビーム検出を行うソース/検出器セグメントと、多重化されたビームをコリメートし、光ディスク媒体に中継するディスク読取り/書込みセグメントに図式的に分離される。再び図1および2を参照すると、ソース/検出器セグメントは、PBCアレイ130/230の出力ポートの左に、すなわち、共通経路ラベル180/280の左に光学コンポーネントを含んでもよく、一方、ディスク読取り/書込みセグメントは、共通経路ラベル180/280の右に光学コンポーネントを含んでもよい。コリメート用レンズ160/260は、そのロケーションに応じていずれかのセグメントに属してもよい。一般に、ディスク読取り/書込みセグメントは、反射器240および/または実質的に円偏光されている光ビームを含むことになる。
【0019】
Tan他の発明の一実施形態では、ソース/検出器セグメントは、共通ビーム軸の周りに±45°だけ回転されなければならない。このアジマス角度スキューは、QWPミラーの同じS偏光照明およびP偏光照明を可能にする。結果として、QWPミラーによって与えられる90°位相リターダンスは、ディスク媒体上のエンコードされたデータにアクセスするために、直線偏光入力を円偏光出力に変換することになる。
【0020】
プリスム・アレイ、すなわち、偏光ビーム合成器およびスプリッタ、PBC、アセンブリ、ならびに関連するLDアレイを回転させる必要性は、実用的な必要性ではない。LDおよびPBCアレイの合成横方向寸法は、数十ミリメートルまで延びる。±45°スキュー角度によって必要とされる、共通ビーム軸の周りの面外回転は、パッケージングされたOPUシステムについて垂直高さの増加をもたらす。コンピュータ・ノートブック用途についての薄いディスク・トレイでは、容積の増加は容認されず、たとえば、10mm未満のOPU高さが、通常必要とされる。その結果、反射性QWPにおける、たとえば、45°の非直角入射と、到来する直線偏光とQWPミラーのP面との間における、必要とされる±45°アジマス角度差の両方を課すことに対する代替手法が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許公報2008/0049584
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、第1デバイス平面、たとえば、水平面に沿う、従来のOPUシステム内でのPBCアレイ、LDアレイ、および関連する光学コンポーネントの配置を維持し、また、透過性QWPを反射性QWPに置換えることを可能にしながら、ディスク媒体にアクセスするために、たとえば、垂直に誘導される、第1デバイス平面に直交したビーム結合素子の配置によって、従来技術の欠点を克服することである。従来のOPUレイアウトでは、90°垂直フォールド・ミラーは、ソース/検出器セグメントとディスク読取り/書込みセグメントの境界として役立つ。垂直フォールド・ミラーは、通常、水平面に対して45°傾斜する。本発明では、垂直フォールド・ミラーは、45°でない角度で傾斜する。透過性QWPは、取除かれ、反射性QWPに置換えられ、垂直フォールド・ミラーの前に配置される。QWPミラーは、共通ビーム経路に対して公称45°の入射角度で配列され、QWPミラーの入射面は、入力直線偏光から±45°アジマス角度差で配列される。QWPミラーと垂直フォールド・ミラーによる2段ビーム・フォールディングの組合せは、水平面に沿って入射する直線偏光された到来ビームを、円偏光された出力ビームに変換し、ビームを水平面から垂直方向に偏向させて、ディスク媒体にアクセスする。こうしたOPUレイアウトは、OPU内の主要な光学コンポーネントのアジマス配置に、第1デバイス平面から離れるようにスキューを生じさせる必要なしで、信頼性の高いQWP反射器を利用する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
従って、本発明は、光ディスクにアクセスする光ピックアップ・ユニットに関し、光ピックアップ・ユニットは、
複数の光源を備え、各光源は、第1偏光状態で異なる波長の光ビームを発生するものであり、
各光ビームを共通経路に沿って誘導する少なくとも1つのビーム合成器を備え、
共通経路に沿って進行する光ビームをコリメートする第1レンズを備え、
共通経路に沿って進行する光ビームを再誘導する第1反射器を備え、第1反射器は、共通ビーム経路に対して公称45°の入射角度で、かつ、第1偏光状態と第1反射器の入射面との間の実質的に±45°のアジマス角度差で配設されるものであり、
第1ミラーから光ディスクへ光ビームを再誘導する第2反射器を備え、
光ビームを光ディスク上に収束させる第2レンズを備え、
第1および第2反射器の少なくとも一方は、薄膜誘電体リターダ積層体を含み、それにより、第1および第2反射器の反射は、第1偏光状態を第2偏光状態に変換するために光ビームにおいて実質的に80°〜100°の位相リターダンスを生成する。
【0024】
本発明は、本発明の好ましい実施形態を示す添付図面を参照してより詳細に述べられるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来の多波長光ピックアップ・ユニットの側面図である。
【図2】代替の従来の多波長光ピックアップ・ユニットの側面図である。
【図3】本発明の多波長光ピックアップ・ユニットの等角図である。
【図4a】図3の光ピックアップ・ユニットの代替の実施形態の略断面図である。
【図4b】図3の光ピックアップ・ユニットの代替の実施形態の略断面図である。
【図5a】図3の2ミラー・ビーム偏向サブシステムの等角図である。
【図5b】図3の2ミラー・ビーム偏向サブシステムの代替の実施形態の等角図である。
【図6】図6aは図4の2ミラー・ビーム偏向サブシステムの断面図である。図6bは図5の2ミラー・ビーム偏向サブシステムの断面図である。
【図7】本発明の多波長光ピックアップ・ユニットの代替の実施形態の等角図である。
【図8】異なる入射角度におけるアルミニウム・ミラーについての、波長対リニア・リターダンスのプロットである。
【図9】異なる波長における2つのミラー間のリニア・リターダンスの差のプロットである。
【図10】異なる波長における2つのミラー間のリニア・リターダンスの差のプロットである。
【図11】異なる波長における2つのミラー間のリニア・リターダンスの差のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図3を参照すると、本発明による、全体が500で示される光ピックアップ(OPU)システムは、LD光源511、512、および513のアレイ510を備え、光源の出力は、多重化され、偏光ビーム合成器(PBC)531、532、および533のアレイ530から共通経路580内に誘導される。LD源アレイ510は、複数の別々の固体光源に相当する少なくとも2つの部材を備え、固体光源はそれぞれ、当技術分野でよく知られているように、BD、DVD、および/またはCDなどの異なるディスク媒体フォーマットについて異なる波長の光ビームを発生する。LD源はそれぞれ、たとえば、各PBC531〜533の斜辺面のS偏光に位置合わせされた、直線偏光された光を出力する。示す実施形態では、第1直線(垂直)偏光591を有するものとして、3波長OPUシステムの場合に、それぞれ、LD光源511、512、および513から延びている3つの光経路581、582、および583が示される。第1直線偏光は、PBCアレイ530によって反射され、反射性波長板341およびビーム偏向サブアセンブリの方に誘導される。
【0027】
広帯域にわたって、1つの偏光、たとえば、S偏光を反射し、直交偏光、たとえば、P偏光を送信する、従来の広帯域MacNeille型偏光ビーム・スプリッタ・キューブと対照的に、偏光ビーム合成器のアレイ530は、波長依存性がある。たとえば、前伝播方向では、第1PBC531は、第1LD511からの光λを、λのS偏光された光を反射することによって共通経路580に結合する。後伝播方向では、第1PBC531は、λのP偏光された光を透過すると共に、それぞれ、LD512およびLD513に関連するλおよびλのP偏光された光を透過する。同様に、第2PBC532は、λの光を、λのS偏光された光を反射すると共に、λのS偏光された光を透過することによって共通経路580に結合する。戻り光について、第2PBC532は、λ、λ、およびλのP偏光された光を透過する。第3PBC533は、λの光を、λのS偏光された光を反射すると共に、λおよびλのS偏光された光を透過し、一方、λ、λ、およびλのP偏光された戻り光を透過することによって共通経路580に結合する。
【0028】
多重化されたLD源は、その後、2ミラー・サブシステム300を通して正味90°のリターダンスで変調され、2ミラー・サブシステム30は、また、出口において、ビームを直交軸に偏向する。多重化された第1直線偏光は、2ミラー・サブシステム300の出口で第1円偏光に変換され、ディスク媒体350の方に誘導される。実際には、正味90°のリターダンスは、80°と100°との間である。
【0029】
2ミラー・ビーム偏向器サブシステム300および400を示す図5aおよび5bを参照すると、いくつかのLD出力ビームのうちの1つが、共通経路380内に多重化され、Z軸の方向に向かう。略図では、第1デバイス平面は、通常、水平面でもあるXZ面に平行である。XYZは、偏光ビーム合成器530から2ミラー・ビーム偏向器サブシステム300への共通経路に沿う第1パス・ビーム伝播に関して右手座標系である。共通経路380は、複合角度チルトで傾斜して、第1リターダ・ミラー341/441に交差する。複合角度は、共通経路380に対して直角入射になるよう第1リターダ・ミラー341/441を位置合わせし、リターダ・ミラー341/441を、第1オイラー角θ(通常、±45°)だけ+X軸の周りに回転させ、傾斜ミラー341/441を、±45°か、または、±135°の第2オイラー角φだけグローバル+Z軸の周りに回転させることによって得られる。図4および5のビーム偏向の略図は、それぞれ、+135°および+45°の第2オイラー角に相当し、また、45°の同じ第1オイラー角の回転についてのものである。−135°/−45°の第2オイラー角を有するビーム偏向は、ここに示す略図には示されない。
【0030】
3ステップ・アライメント・プロセスの作用は、第2デバイス平面に沿って斜めに誘導された、第1偏向ビーム381/481を生成することである。通常、垂直面である第2デバイス平面は、第1デバイス平面に直交する。第2デバイス平面は、図5(a)および5(b)で点線輪郭を有する長方形で示される。複合チルト角度の第1リターダ・ミラー341/441は、グローバルZ軸に対して入射角度θ370をなす。θが±45°である場合、第1偏向ビーム381/481は、また、共通経路380に直交する。一般的な場合、入射角度は、±45°に拘束される必要はない。この一般的な場合、第2デバイス平面は、第1デバイス平面に直交しながら、グローバルZ軸に直交しない。
【0031】
X軸の周りの第1リターダ・ミラーの±45°の第1オイラー回転に加えて、Z軸の周りの第1リターダ・ミラー341/441の±45°か、または、±135°の第2オイラー回転によって、第1リターダ・ミラー341/441の入射面は、多重化されたLD出力の第1直線偏光に対して平行である/直交することから±45°だけスキューを生じる。第1直線偏光は、第1デバイス平面に平行であってよく、または、直交してもよい。結果として、共通経路380内のLD出力は、複合角度傾斜した第1リターダ・ミラー341/441を照射する、半S偏光成分および半P偏光成分を提供する。共通ビームは、最初は、直線偏光される。そのため、第1リターダ・ミラー341/441への衝突前に、S偏光ビーム成分とP偏光ビーム成分との間に位相差は存在しない。第1ミラー341/441のリターダンスに応じて、第2デバイス平面に沿って進行する出力ビーム381/481は、修正された偏光状態を有する。この鏡面反射した出力381/481は、第1デバイス平面から、それぞれ、+135°/+45°のアジマス角度372/472で傾斜する。第1偏向ビームは、また、複合角度チルトに配列された第1リターダ・ミラー341/441のデバイス平面に対して角度371をなす。
【0032】
図4および5の第1偏向ビーム381/481の伝播方向は、それぞれ、第1デバイス平面に平行に配置されるディスク媒体350にアクセスするために補正されなければならない。これは、第1偏向ビームを第2ミラー342/442で遮断することによって達成されることができる。第2ミラー342/442は、第1デバイス平面に対して所定のチルト角度で傾斜するため、第2偏向ビーム382は、第1デバイス平面に直交して誘導される(すなわち、垂直に誘導される)。第2偏向ビーム382は、その後、軸上コーンでディスク媒体350上に収束される。収束に使用される対物レンズは、簡略化するために省略される。
【0033】
第2ミラー342/442は、第2デバイス平面に沿って傾斜する。第2デバイス平面は、第2ミラー342/442の入射面に一致する。第1偏向ビーム381/481と第2偏向ビーム382の方向角度差は、それぞれ、第2オイラー角回転の+135°/+45°について、45°および135°である。第2ミラー342/442を利用して、第2偏向ビーム382を垂直に向けるために、第2ミラー342/442は、半分の角度差で位置合わせされなければならない(すなわち、第2ミラーのデバイス法線は、第1偏向ビーム方向と第2偏向ビーム方向を2等分する)。そのため、図4に示す略図の場合、第2ミラー342は、第1デバイス平面に対して22.5°で傾斜する。同様に、図5に示す略図の場合、第2ミラー442は、第1デバイス平面に対して67.5°で傾斜する。2つのビーム偏向の結果として、読取り/書込みビームは、第1デバイス平面に対して直交方向にアウトカップリングし、ディスク媒体350の方に誘導される。そのため、2ミラー偏向サブシステムを使用して有効90°ビーム・フォールディングを構成するという目的が達成される。
【0034】
第1および第2ミラー341/441および342/442のS面(入射面と直交する)およびP面(入射面)が、相対して配列されることが、図4および5に示す2ミラー・ビーム偏向器サブシステムのレイアウトによって立証される。第1ミラー341/441のP面は、第2ミラー342/442のS面に相当し、また、その逆である。第1ミラー341/441のS面およびP面は、第1直線偏光入力に対して±45°アジマス角度差をなすことが示された。その結果、第2ミラー342/442のP面およびS面もまた、第1直線偏光入力に対して±45°アジマス角度差をなす。さらに、第1ミラー341/441が、反射時にリターダンスを生じるように設計されることが述べられ、このことは、また、第2ミラー342/442内に設計された任意のリターダンス特性が第1偏向ビーム381/481によってアクセスされることができることを意味する。
【0035】
従って、2ミラー偏向器サブシステム300/400機構の別の目的は、第1直線偏光入力を第1円偏光出力に変換するために、正味4分の1波長リターダンス、すなわち、90°を提供することである。誘電体Cプレート・リターダを使用することによって、幾何形状は、非直角入射を可能にしなければならず、また、入射第1直線偏光390と、リターダ・ミラー341/441および342/442に関する入射面との間に角度差が存在する。一実施形態では、必要とされる90°反射リターダンスは、所定の波長窓にわたって第1ミラー341/441から得られ、第2ミラー342/442は、所定の波長窓にわたってリターダンスを生じない。そのため、直線偏光された共通ビームは、第1偏向ビーム381/481において円偏光(左旋または右旋)に変換される。反射性薄膜の設計は、強度および位相特性のクロス結合によって制約されない。その結果、構成する薄膜材料の分散が軽減されることができるため、高い反射を維持しながら、真のアクロマティック反射リターダンスが、広帯域波長範囲にわたって得られることができる。たとえば、第1ミラー341/441は、それぞれ、BD、DVD、およびCDレーザ・ラインに相当する、405nm、660nm、および780nmのそれぞれの波長窓(通常、中心波長に対して±2%帯域幅を有する)にわたってアクロマティック±90%リターダンスを生成するように設計されることができる。こうして、直線偏光された共通ビーム380を、右旋円偏光された、または、左旋円偏光された光382に変換するという目的は達成された。ディスク媒体350から反射することによって、反射光線383は、ディスク媒体350から2ミラー・ビーム偏向器サブシステム300/400の方に逆方向に伝播し、円偏光は、反対の左右性の円偏光に変換される。実際には、正味のリターダンスは、80°と100°との間である。
【0036】
円偏光の左右性は、ミラーにおける反射によって反転すると考えられるが、入射光線および反射光線についての電気ベクトルの位置は、空間内の同じ意味の回転を有することに留意されたい。図5aおよび5bでは、ディスク媒体350への入射ビーム382の円偏光392およびディスク媒体350からの反射ビーム383の円偏光393は、反対の左右性を持つように示された。実際には、反転するのは座標系であり、空間内の、または、経時的な電気ベクトルの回転の意味ではない。392および393で示す反対の矢印は、左右性反転を明確に示し、また、入射ビームおよび反射ビームについて空間内の電気ベクトルの回転を示すのに、全く正しいというわけではない。
【0037】
ディスク媒体350からの反射ビーム383は、その後、それぞれ、光線384および385として第2ミラー342/442および第1ミラー341/441を通して通過する。2ミラー・ビーム偏向器サブシステム300/400の出力は、やはり共通経路380に平行になるが、戻り経路585に沿って逆に伝播する。第1パスと同様に、2ミラー位相シフタおよびビーム偏向器300/400は、円偏光された第2パス光線383に90°リターダンスを課す。このリターダンスは、円偏光を第2直線(水平)偏光395に変換する。第2直線偏光395は、共通ビームが往復で180°リターダンスにわたって通過したため、第1直線偏光390に直交する。実際には、正味のリターダンスは、160°と200°との間である。第1直線偏光が利用されて、いくつかのLD出力を共通経路580内に多重化する場合、第2直線偏光が利用されて、戻り経路585に沿って第1パス・ビームから戻り第2パス・ビームを分離することができる。そのため、戻りビームは、偏光用ビーム合成器のアレイ530を通して、戻り経路585に沿って配設された1つまたは複数の光検出器(複数可)570の方に誘導される。
【0038】
あるいは、図4aおよび4bに示すように、さらなるビーム・スプリッタ538/539が利用されて、第1光ビームλ、たとえば、405nmのブルーレイ・ビームを第1光検出器571に誘導し、第2および第3光ビームλおよびλ、たとえば、660nmのDVDビームおよび780nmのCDビームを第2光検出器572に誘導することができる。さらなるビーム・スプリッタ538は、偏光依存性があり、かつ、波長依存性があり、図4aの場合と同様に、2ミラー・ビーム偏向器サブシステム300/400と、偏光用ビーム合成器のアレイ530との間に配置されることができる。あるいは、さらなるビーム・スプリッタ539は、波長依存性がある、たとえば、ダイクロイック・ビーム・スプリッタであり、図4bの場合と同様に、偏光用ビーム合成器のアレイ530と、光検出器571および572との間に配置されることができる。
【0039】
図5aおよび5bの2ミラー・ビーム偏向器サブシステム300および400のレイアウトは、いくつかの目的を達成する。いくつかの目的とは、
1)反射時に誘電体膜のリターダンスを利用するために、第1ミラー341/441上への、共通経路に沿う、空間的に多重化されたビーム(共通ビームと呼ぶ)についての非直角入射を提供すること、
2)第1ミラー341/441に対して半S偏光入力光および半P偏光入力光を提供するために、共通ビームの第1直線偏光軸390と、2ミラー偏光器サブシステム300/400のS面およびP面との間の±45°アジマス角度差を提供すること、
3)2ミラー・ビーム偏向器サブシステム300/400の出口において、共通ビームの第1直線偏光390を第1円偏光392に変換すること、
4)第1デバイス平面に対して直交方向にアウトカップリングし、ディスク媒体350にアクセスするために、Z軸に沿って誘導し、かつ、第1デバイス平面に平行に共通ビームを向けること、
5)共通経路に沿ってビーム軸を再捕捉するために、ディスク媒体からの反射によって逆方向経路を設け、逆伝播させ、2ミラー・ビーム偏向器サブシステム300/400を反対方向に2回通過した戻りビームについて第1直線偏光390を第2直交直線偏光395に変換することを含む。
【0040】
+135°/+45°第2オイラー回転によって与えられるビーム偏向は、図6aおよび6bの断面図で示される。図6(a)では、Z軸の周りの第2オイラー回転角度は+135°であり、一方、図6(b)では、Z軸の周りの第2オイラー回転角度は+45°である。両方の図で、共通ビーム380に対して最初に直角に位置合わせされた、第1ミラー341/441の第1オイラー回転角度は45°である。第1および第2オイラー回転の結果として、第1偏向ビームは、XY面内に含まれ、斜め軸に沿って位置合わせされる。RH−XYZ座標系に関してZ軸の周りの−135°/−45°第2オイラー回転の2つの他の場合は、ここでは示されない。第1パス内で+Z軸に沿って伝播する共通ビーム380から始めて、観察者は、図6(a)と図6(b)の両方において、シンボル

で示すビームのテール・エンドを見る。共通ビーム380は、第1デバイス平面、すなわち、水平面XZに平行に位置合わせされる。第1ミラー341/441は、共通ビーム380に対して45°で傾斜する。そのため、第1反射ビーム381/481は、入射ビーム380に直交する。第1ミラー341/441は、また、Z軸の周りに+135°/+45°だけ回転する。結果として、サブシステム300は、第1偏向ビームを381として斜め下に向け、一方、サブシステム400は、第1偏向ビーム380を481として斜め上に向ける。両方の場合において、第1偏向ビームを381/481は、第1デバイス平面に対して±45°の角度差をなす。その結果、第2ミラー342/442の位置は、第2偏向が、垂直軸、すなわち、Y軸に平行に誘導されるようになっていなければならず、このことは、それぞれ、サブシステム300および400内の第2ミラー342および442が、第1デバイス平面に対して、それぞれ、22.5° 373および67.5° 473で位置合わせされることを必要とする。第2ミラー342上への入射角度は、公称で22.5°であり、第2ミラー442上への入射角度は、公称で67.5°である。両方のビーム偏向方式は、ディスク350にアクセスするために、Y軸に沿って2ミラー・サブシステム300/400の出力ビームを誘導する。ディスク350は、通常、第1デバイス平面、すなわち、XZ面に平行に位置合わせされる。
【0041】
共通ビーム380が第1ミラー341/441から反射された後の斜めビーム偏向は、OPUアセンブリ500についてさらなる高さを占有する。共通経路セクション380における2mmと3mmとの間の最大ビーム径ならびに4mmの第1および第2ミラー径の場合、図6aを参照して以下の通りにサブシステム300の場合について、さらなる垂直ウォークオフが推定されることができる。
【0042】
第2ミラー342に対する垂直高さ374=4mmであり、
2mm厚を有する第2ミラー342の垂直距離=2/cos(22.5°)であり、
ビーム380の中心からパッケージ・ベースまでの総垂直距離375=4+2/cos(22.5°)+2*sin(22.5°)で、これは約7mmである。
【0043】
約10mmのパッケージ高さを有する従来のOPUアセンブリでは、共通経路380は、パッケージのベースから約5mmのところに既に位置することに留意されたい。2回偏向式ビーム方向付け方式は、2mmの余分な高さ要件を付加するに過ぎない。
【0044】
垂直フォールド・ミラーおよび透過性QWPサブシステムを2ミラー正味QWPサブシステム300または400と置換えることを可能にするビーム偏向方式は、先に述べられた。第1ミラー341/441は、反射性QWPとして設計されることができ、一方、第2ミラー342/442は、通常の金属反射器として設計されることができる。全て無機の第1ミラー341/441は、可撓性があり、耐久性があり、高い光露出について信頼性が高く、また、偏光変換用途についておそらく低コストである。第2金属ミラー342/442は、反射光に対してゼロ位相から非常に低い位相までの変化を与える、従来の低コスト反射器であることができる。
【0045】
図7を参照すると、本発明によるOPUシステム600の別の実施形態は、集積化されたソース/検出器ユニットのアレイ610、ダイクロイック・ビーム合成器のアレイ630、2ミラー位相シフタおよびビーム偏向器300’、偏光ホログラム645、および回転光ディスク350を備える。集積化されたソース/検出器ユニットのアレイ610およびダイクロイック・ビーム合成器のアレイ630などの主要な光学コンポーネントは、第1デバイス平面を埋めるように配列される。光ディスク350は、また、第1デバイス平面に平行に配列される。同一容器内にパッケージングされたLD/PD、DBCアレイ、偏光ホログラム、反射性QWP、およびフォールド・ミラーを組込むOPUレイアウトについての同時係属の米国特許公報2008/0049584では、LDアレイの直線偏光出力は、デバイス平面に対して±45°で位置合わせされなければならない。これは、おそらく実施されることができるが、透過性アクロマティックQWPを利用する従来のOPUシステムおよび反射性4分の1波長リターダを利用する代替のOPUシステムについて互換性のある方法でLD/PD集積化ユニットをパッケージングすることから問題が生じる。従来のOPUレイアウトでは、パッケージングされたLD/PDユニットは、第1デバイス平面に平行な面および直交する面(facet)に位置合わせされる。各レーザ・エミッタ出力は、また、第1デバイス平面に平行か、または、直交するように配列される。本発明は、第1デバイス平面に平行に、または、直交して位置合わせされたLD出力偏光のアレイと一緒に、誘電体の反射性4分の1波長リターダの使用を可能にするという有用性を提供する。
【0046】
集積化されたソース/検出器ユニットのアレイ610は、第1部材611、第2部材612、および第3部材613を含む。各集積化ユニットは、LDなどの光源、フォトダイオード(PD)などの同一容器内にパッケージングされた光検出器を含む。集積化ユニットのアレイ610は、OPU波長のそれぞれで、たとえば、それぞれ、780nm、660nm、および405nmで直線偏光された光ビームを提供する。あるいは、アレイ610は、3つより多いか、または、少ない集積化ユニットを含む。
【0047】
第1部材631、第2部材632、および第3部材633を含むダイクロイック・ビーム合成器(DBC)のアレイ630が使用されて、集積化アレイ610からの出力を空間的に多重化し、それを共通光経路680に沿って誘導する。各DBC631/632/633は、2つのプリズム間に挟まれたダイクロイック・インタフェースを使用して、集積化アレイ610からの光を送信するか、または、反射する。DBC630は、偏光ビーム分割キューブではなく、むしろ、あるタイプのダイクロイック・バンドパス・フィルタとして機能して、波長に依存して、入射光を送信する、かつ/または、反射することに留意されたい。
【0048】
2ミラー位相シフタおよびビーム偏向器300’は、DBC630から透過された光を回転光ディスク350に再誘導する。2ミラー・サブシステム300’は、300および400として述べたものと同じである。しかし、300方式だけが図7に示される。2ミラー・サブシステム300’は、3つのOPU波長、たとえば、405nm、660nm、および780nmにおいて実質的に4分の1波長リターデーションを提供する薄膜コーティングを備える。一実施形態によれば、薄膜コーティングは、たとえば、短波パスまたは長波パス、バンド・パス、高反射などのフィルタ内に組込まれ、かつ、基材上に堆積される、対照をなす屈折率を有する複数の交互層を含む。別の実施形態では、高反射器は、実質的に全ての入射光、S偏光、およびP偏光を、光ディスク350に向かうように直交ビーム経路に再誘導する。
【0049】
偏光ホログラム645は、戻りビームが、LD部分ではなく集積化ユニット611、612、および613のPD部分に誘導されるように、1つまたは複数の異なる波長の、たとえば、780nm、660nm、および405nmの、光ディスク350から反射した光を回折するように設計される。たとえば、複屈折基材上に形成された回折格子を含んでもよい偏光ホログラムは、当技術分野でよく知られており、さらに詳細には説明されない。偏光ホログラム645の偏光選択性直線方向は、第1パスにおいて、非回折のために第1直線偏光に平行に位置合わせされ、第2パスにおいて、回折のために第2直線偏光に平行に位置合わせされることが留意される。一般に、偏光ホログラム645の回折面(同様に、格子ベクトル)は、任意のアジマス面に対して構成されることができる。有利には、回折面は、(図7に示すように)第1デバイス平面に平行に、または、直交して位置合わせされる。この場合、偏光選択性方向は、偏光ホログラム645の回折線に直交して、または、平行に位置合わせされる。この回折面構成は、同一容器内にパッケージングされたLDおよびPD集積化ユニット611、612、および613が、OPUパッケージ長方形断面に対してOPUシステム600内で規則的に搭載されることを可能にする。
【0050】
動作時、第1集積化ユニット611からの第1波長λの第1の直線偏光された光は、DBCのアレイ630を通して透過され、共通光学経路680に沿って誘導される。同様に、第2集積化ユニット612からの第2波長λの第1の直線偏光された光は、第1DBC632から反射され、第2DBC633を通過し、共通光学経路680に沿って誘導される。最後に、第3集積化ユニット613からの第3波長λの第1の直線偏光された光は、第2DBC633から反射され、共通光学経路680に沿って誘導される。共通経路680に沿う、多重化され直線偏光された光は、その後、レンズ(図示せず)によってコリメートされ、回折されない偏光ホログラム645を通過し、アクロマティックQWPコーティングを有する2ミラー位相シフタ300’によって偏向される。2ミラー・サブシステム300’は、第1の直線偏光された光を第1の円偏光された光に変換し、それを、対物レンズ(図示せず)を介して光ディスク350に再誘導する。光ディスク350によって反射した光は、対物レンズ(図示せず)を通して再送信され、2ミラー・サブシステム300’から偏光ホログラム645を通してコリメート用レンズ(図示せず)の方に偏向される。アクロマティックQWPコーティングは、アクロマティックQWPコーティングの2回の通過によって、第1の直線偏光された光の偏光状態を変換して第2の直交する直線偏光された光にするため、偏光ホログラム645は、光学経路がわずかにシフトするように戻り光を回折させる。変位した第2の直線偏光された光は、それぞれの集積化ユニット611、612、または613のフォトダイオード部分上に結像される。DBC632および633は、前方光パスと後方光パスの両方において、波長の関数として、S偏光とP偏光の両方を送信するか、または、反射する、ローパス・フィルタおよびハイパス・フィルタである。
【0051】
一般的な場合、2ミラー・サブシステム300’の合成された正味リターダンスは、90°であることを必要とされ、そのリターデーション軸は、第1直線偏光に対して±45°アジマス角度オフセットで配向する。リターデーション軸は、異なる波長窓にわたって異なる符号の角度配向をとってもよい。しかし、個々のミラー・リターダンスは、90°または0°リターデーションである必要はない。たとえば、第2ミラーが金属反射器として作製される場合、金属ミラーからの軸外反射は、P偏光とS偏光との間に位相差を有する、すなわち、リターダンスを有することがよく知られている。アルミニウム・ミラー上への22.5°および67.5°AOIにおける反射リターダンスの例示的な計算結果が図8に示される。これら2つの入射角度は、それぞれ、2ミラー・サブシステム300および400内の第2ミラー・アライメントに相当する。より浅い入射角度のビームは、反射によって数度のリターダンスを蓄積することが示される。リターデーション変換は、ここでは、e波(同様に、P偏光)とo波(同様に、S偏光)の位相差を指し、Abeles位相変換が採用される。Abeles位相変換によって、理想的なミラーは、直角入射において2つの直交する直線偏光間にゼロ度の位相差を有する。ここで、米国特許公報2008/0049584の図15に示す3波長反射性QWP設計を参照すると、e波とo波との間のリターダンス値は、3つのOPU波長、それぞれ、405、660、および780nmで、+90°/−90°/+90°である。
【0052】
2ミラー・サブシステム300/400の設計は、必要とされる±90°位相リターダンスが、2つのミラーコーティングにわたって分布することを可能にしてもよい。こうして、一般的な場合、第1および第2ミラー341/441および342/442の反射リターダンスは、それぞれ、±90°および0°である、または、その逆である必要はない。適切なビーム偏向について必要とされる入射角度での反射によって、第1および第2ミラー341/441および342/442が、それぞれ、+45°および−45°リターダンスを達成する必要もない。±90°の正味のリターダンスをもたらす、これら2つのミラーの必要とされる入射角度における2つの構成リターダンス値の任意の組合せは、第1直線偏光を第1円出力偏光に変換するための十分な要件である。円出力偏光は、左旋であるか、または、右旋であることができる。円偏光の左右性は、2回パス・システムについては重要でない。2ミラー・サブシステム300/400を2回通過することによって、第2直線偏光が生じる。第2直線偏光は、第1直線偏光に直交する。図3のOPUシステム・レイアウト500によれば、第2直線偏光は、偏光用ビーム・スプリッタのアレイ530によって第1直線偏光から分離される。図7のOPUシステム・レイアウトによれば、第2直線偏光によって、偏光ホログラム645が、第2パス内で光ビームを回折させる。回折は、第1パス内で、ビーム経路から離れるように戻り光ビームを方向付ける。空間的に分離された戻りビームは、その後、フォトダイオード(複数可)に誘導される。
【0053】
共通ビーム380を、位相シフトさせ、ディスク媒体350に偏向させる、本発明による2ミラー・サブシステム300/400を使用する例として、第2ミラー342/442は、通常のアルミニウム反射器として設計されることができ、一方、第1ミラー341/441は、第2ミラー342/442のオフセット・リターダンスを補償するために再最適化されることができる。第1ミラー341/441および第2ミラー342/442における連続入射に関する入射面の反転のために、正味反射リターダンスは、第1反射リターダンスと第2反射リターダンスとの差である。第1ミラー341/441によって与えられた第1反射リターダンス、および、第2ミラー342/442によって与えられた第2反射リターダンスは、共に、局所入射面に対してe波とo波の位相差をとることによって規定される。米国特許公報2008/0049584の図15に示すベース設計およびアルミニウム反射器リターダンスを考えると、新しい第1ミラー設計は、図9に示す3つ全ての波長においてリターダンス・ターゲットを生成することを必要とされる。第1波長窓(λ)では、第1ミラー341/441はΓ(λ)リターダンスを生成し、一方、第2ミラー342/442はΓ(λ)リターダンスを生成し、第2波長窓(λ)では、第1ミラー341/441はΓ(λ)リターダンスを生成し、一方、第2ミラー342/442はΓ(λ)リターダンスを生成し、第3波長窓(λ)では、第1ミラー341/441はΓ(λ)リターダンスを生成し、一方、第2ミラー342/442はΓ(λ)リターダンスを生成する。設計および作製の目的は、±90°に等しい、各波長窓内での第1ミラー341/441と第2ミラー342/442のリターダンス差を生成することである。実際には、正味リターダンスは、80°と100°との間にある。
【0054】
Γ(λ)−Γ(λ)=±90°、
【0055】
Γ(λ)−Γ(λ)=±90°、および
【0056】
Γ(λ)−Γ(λ)=±90°。
【0057】
3つの波長窓のそれぞれにわたる第1ミラー341/441と第2ミラー342/442のリターダンス差は、図9の701、702、および703の垂直値の差によって示される。局所入射面を参照すると、各ミラー・リターダンスは、P偏光(同様に、e波)のAbeles位相からS偏光(同様に、o波)のAbeles位相を引いた値によって得られる。各ミラーの位相差はリターダンスを生じる。2ミラー位相シフタおよびビーム偏向器サブシステム300/400では、第1ミラー341/441から第2ミラー342/442への局所入射面は反転する。その結果、2つのミラーのリターダンス差は、サブシステム300/400の正味のリターダンスを生じる。
【0058】
±90°正味リターダンスを得るという上記例は、第2ミラー342/442がわずかの量の反射リターダンスだけを生じることに関係する。こうしたデバイス特性は、たとえば、2ミラー・サブシステム300に従って22.5°のチルトで金属反射器を位置合わせすることによって得られることができる。位相シフトおよびビーム偏向を与えるための2ミラー方式400が、より有利である場合、2つのミラーにおいて反対符号のリターダンスを提供するコーティング設計がより適切である。この設計手法は、図10の個々のミラー・リターダンスおよびリターダンス差によって示される。たとえば、図8に示す計算結果によれば、アルミニウム反射器は、67.5°AOIの場合、405nm波長で約47.5°のリターダンスを生じる。その結果、第1誘電体ミラーは、405nm波長において、必要とされるAOI(たとえば、45°)で−42.5°の反射リターダンスを提供することだけが必要である。第1および第2ミラーの連続反射による入射面の反転は、この例では、−90°の正味リターダンスを生じる。同様に、第1ミラー341/441のコーティング設計は、また、2つの他の波長帯にわたる第2ミラー342/442のリターダンスと反対符号のリターダンスを生じる。必要とされる±90°正味リターダンスは、それぞれ、第1、第2、および第3波長窓について、デバイス・リターダンス差711、712、および713によって示される。正味の±90°位相シフトおよびビーム偏向機能を提供するために、2つの金属ミラーが縦続接続される可能性はない。誘電体反射器膜積層体の干渉特性を利用することなしで、リターダンス分散が、効率的に軽減される可能性はない。そのため、2つのリターダ・ミラー341/441または342/442の少なくとも一方は、無機誘電体膜積層体が、透明/不透明基材上に、または、別の金属反射器上に塗布されることを必要とする。こうして、4分の1波長リターダンスのアクロマティック性が達成されることができる。
【0059】
2つのミラーの役割を逆にすることも可能である。たとえば、第1ミラー341/441は、第1直線偏光軸と局所ミラー入射面との間で±45°アジマス角度差を作るために、複合角度で傾斜されることができる。このミラーは、反射ビームにわずかの量のリターダンスだけを与える。第1ミラー341/441と連携して働く第2ミラー342/442は、ビームをディスク媒体350に偏向し、±90°リターダンスのバルクを提供する。個々のミラー・リターダンス値は、図11に示される。リターダンス差は、3つのOPU波長窓のそれぞれにおいて721、722、および723で示される。
【0060】
直線偏光から円偏光への変換、および、その逆を可能にし、また、共通ビーム380を、従来OPUレイアウトの単一デバイス平面から直交方向に向けて、光ディスクにアクセスする2ミラー位相シフトおよびビーム偏向サブシステム300/400が述べられた。2つのミラー341/441および342/442の少なくとも一方は、2つ以上のOPU照明波長でリターデーション特性を生じる誘電体積層体でコーティングされる。あるいは、位相シフトおよびビーム偏向サブシステム300/400は、2つ以上のミラーを備え、少なくとも一方のミラーは誘電体薄膜積層体を使用して作製される。2ミラー・サブシステム300/400は、複合角度チルトで位置合わせされるため、ミラー341/441および342/442のそれぞれにおいて、直線偏光入力と局所入射面との間に±45°角度差が存在する。第1ミラー341/441の面と共通ビーム軸380のポーラ角度差は、公称45°である。しかし、第1ミラー341/441のリターダンスにアクセスするための、第1ミラー341/441の任意の適した軸外照明で十分である。+135°および+45°の、共通ビーム軸の周りの第1ミラー341/441の2つのオイラー回転は、略図によって示された。−135°および−45°などの他の第2オイラー回転が、本発明にも適用可能であることが予想される。さらに、第1ミラー素子341/441の第2オイラー回転は、第1ミラー入射時に、ほぼ等しいS偏光波とP偏光波をもたらす。光学レイアウトならびにS偏光およびP偏光入力部分の所望の分布に応じて、第2オイラー回転は、第1ミラー341/441を通過した後、やや斜めでないビーム偏向をもたらす可能性があることが理解される。換言すれば、第1ミラー341/441の第2オイラー角度は、±45°および±135°回転からわずかに変位する可能性があり、それが、たとえば、ミラーコーティングのS偏光およびP偏光反射率のわずかの非減衰量を補償するのに使用されることができる。
【0061】
2ミラー位相シフトおよびビーム偏向機構は、レガシーDVDおよびCDディスク・フォーマットをカバーするような2波長OPUシステムについて正味90°リターダンスを与えるのに同様に適用可能であることがさらに予想される。本発明は、適用可能であるが、単一波長システムについて不必要に複雑である。単一波長システムでは、複屈折結晶板および形態複屈折格子などの複数の技術が、透過性4分の1波長リターダとして使用されることができる。これらのデバイスは、単一帯90°リターダンスをターゲットにし、短波長405nm照明についても信頼性がある。
【0062】
本発明は、特に、2ミラー・サブシステム300/400と、光ディスク350にアクセスするために共通ビーム380を偏向しながら、有効な±90°位相リターダンスを実現する方法と、2ミラー位相シフタおよびビーム偏向器サブシステム300/400を組込むOPUシステムに関する。OPUシステムは、アレイまたは偏光ビーム合成器、ダイクロイック・ビーム合成器、または、偏光ビーム合成器とダイクロイック・ビーム合成器の両方の組合せを備えてもよい。OPUシステムでは、LDのアレイからビーム合成器のアレイまで伝播軸を結合することによって形成されるデバイス平面は、光ディスクに平行に配列される。2ミラー位相シフタおよびビーム偏向器サブシステム内に入力するための、必要とされるほぼ半分のS偏光および半分のP偏光パワー分布は、第1リターダ・ミラーを複合角度で傾斜させることによって実施され、第2ミラーは、第1ミラー後に、ビーム偏向および反射リターダンス特性を補正するために連携して配列される。OPUシステムは、LDおよびビーム合成器アレイの従来の機構によっており、一方、ソース/検出器セグメント内での直線偏光とディスク読取り/書込みセグメント内での円偏光を変換するために、信頼性および耐久性が高い無機反射性4分の1波長リターダの使用を可能にする。
【0063】
本発明による光ピックアップ・システムは、光ディスク媒体を読取るため、ディスク媒体上に書込むため、または、読取りと書込みの両方のため、すなわち、ディスク媒体にアクセスするために排他的に使用されることができる。光検出器は、書込みのためだけに使用されるOPUから省略されることができる。
【符号の説明】
【0064】
300、400 2ミラー・ビーム偏向器サブシステム
300’ 2ミラー位相シフタおよびビーム偏向器
341、441 第1ミラー
342、442 第2ミラー
350 ディスク媒体
371 角度
372、472 アジマス角度
380 共通経路
381、481 第1偏向ビーム
382 第2偏向ビーム
383、384、385 光線
390、395 直線偏光
392、393 円偏光
500、600 光ピックアップ・システム
511、512、513 LD(レーザ・ダイオード)光源
510 LD光源アレイ
531、532、533 偏光ビーム合成器(PBC)
530 PBCアレイ
538、539 ビーム・スプリッタ
570、571、572 光検出器
580 共通経路
581、582、583 光経路
585 戻り経路
591 第1直線(垂直)偏光
610 集積化されたソース/検出器ユニットのアレイ
611 第1部材(集積化ユニット)
612 第2部材(集積化ユニット)
613 第3部材(集積化ユニット)
630 ダイクロイック・ビーム合成器のアレイ
631 第1部材(DBC)
632 第2部材(DBC)
633 第3部材(DBC)
645 偏光ホログラム
680 共通光経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクにアクセスする光ピックアップ・ユニットであって、
複数の光源を備え、各光源は、第1偏光状態で異なる波長の光ビームを発生するものであり、
各光ビームを共通経路に沿って誘導する少なくとも1つのビーム合成器を備え、
前記共通経路に沿って進行する前記光ビームをコリメートする第1レンズを備え、
前記共通経路に沿って進行する前記光ビームを再誘導する第1反射器を備え、前記第1反射器は、前記共通ビーム経路に対して公称45°の入射角度で、かつ、前記第1偏光状態と前記第1反射器の入射面との間の実質的に±45°のアジマス角度差で配設されるものであり、
前記第1ミラーから前記光ディスクへ前記光ビームを再誘導する第2反射器を備え、
前記光ビームを前記光ディスク上に収束させる第2レンズを備え、
前記第1および第2反射器の少なくとも一方は、薄膜誘電体リターダ積層体を含み、それにより、前記第1および第2反射器からの反射は、前記第1偏光状態を第2偏光状態に変換するために前記光ビームにおいて実質的に80°〜100°の位相リターダンスを生成する光ピックアップ・ユニット。
【請求項2】
前記分離した経路および前記共通経路は、第1平面を画定し、
前記第1反射器は、前記光ビームを前記第1平面から下に前記第2反射器まで再誘導し、
前記第2反射器は、前記光ビームを、前記光ディスクの方に前記第1平面に対して垂直方向上に再誘導する請求項1に記載の光ピックアップ・ユニット。
【請求項3】
前記第1および第2反射器によって反射して戻る戻り光を受信する少なくとも1つの光検出器をさらに備える請求項1に記載の光ピックアップ・ユニット。
【請求項4】
前記光ディスクからの反射は、前記第2偏光を第3偏光に変換し、
反対方向に2回目の、前記第1および第2反射器からの反射は、前記第3偏光を、前記第1偏光に直交する第4偏光に変換し、
前記複数の光源は、第1波長の第1光源および第2波長の第2光源を備え、
前記少なくとも1つのビーム合成器は、前記第1および第4偏光の前記第1波長ならびに前記第4偏光の前記第2波長を、前記共通経路に沿って送信するための、また、前記第1偏光の前記第2波長を前記第2光源から前記共通経路へ反射するための第1波長依存偏光ビーム合成器(532)を含む請求項3に記載の光ピックアップ・ユニット。
【請求項5】
前記複数の光源は、また、第3波長の第3光源を含み、
前記少なくとも1つのビーム合成器は、また、前記第1および第4偏光の前記第1および第2波長ならびに前記第4偏光の前記第3波長を、前記共通経路に沿って送信するための、また、前記第1偏光の前記第3波長を前記第3光源から前記共通経路へ反射するための第2波長依存偏光ビーム合成器(533)を含む請求項4に記載の光ピックアップ・ユニット。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光検出器は、前記共通経路に沿って配設された第1光検出器を備え、
前記少なくとも1つのビーム合成器は、また、前記第4偏光の前記第1、第2、および第3波長を、前記共通経路に沿って前記単一光検出器に送信するための、また、前記第1波長を前記第1光源から前記共通経路に沿って反射するための第3波長依存偏光ビーム合成器(531)を含む請求項5に記載の光ピックアップ・ユニット。
【請求項7】
前記第4偏光の前記第1、第2、および第3波長のうちの少なくとも1つの波長を受信する第2光検出器と、
前記第4偏光の、前記戻り光の前記第1、第2、および第3波長のうちの少なくとも1つの波長を、前記第2光検出器に誘導し、一方、前記第4偏光の前記第1、第2、および第3波長のうちの他の波長を、前記第1光検出器に送信する、さらなるビーム・スプリッタとをさらに備える請求項6に記載の光ピックアップ・ユニット。
【請求項8】
前記光ディスクからの反射は、前記第2偏光を第3偏光に変換し、
反対方向に2回目の、前記第1および第2反射器からの反射は、前記第3偏光を、前記第1偏光に直交する第4偏光に変換し、
前記複数の光源は、第1波長の第1光源および第2波長の第2光源を備え、
前記少なくとも1つの光検出器は、前記第1光源に隣接して配設された第1光検出器および前記第2光源に隣接して配設された第2光検出器を含み、
前記少なくとも1つのビーム合成器は、前記第1および第4偏光の前記第1波長を、前記共通経路に沿って送信するための、また、前記第1および第4偏光の前記第2波長を、前記第2光源と、前記共通経路と、前記第2光検出器との間で反射するための第1ダイクロイック・ビーム合成器(632)を含む請求項3に記載の光ピックアップ・ユニット。
【請求項9】
前記複数の光源は、また、第3波長の第3光源を含み、
前記少なくとも1つの光検出器は、前記第3光源に隣接して配設された第3光検出器を含み、
前記少なくとも1つのビーム合成器は、また、前記第1および第4偏光の前記第1および第2波長を、前記共通経路に沿って送信するための、また、前記第1および第4偏光の前記第3波長を、前記第3光源と、前記共通経路と、前記第3光検出器との間で反射するための第2ダイクロイック・ビーム合成器(633)を含む請求項8に記載の光ピックアップ・ユニット。
【請求項10】
前記第4偏光の、戻り光の前記1、第2、または第3波長を、それぞれ、前記第1、第2、または第3光検出器の方に再誘導する偏光依存回折素子をさらに備える請求項9に記載の光ピックアップ・ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−181689(P2009−181689A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−17433(P2009−17433)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(502151820)ジェイディーエス ユニフェイズ コーポレーション (90)
【氏名又は名称原語表記】JDS Uniphase Corporation
【住所又は居所原語表記】430 N. McCarthy Boulevard, Milpitas, California, 95035, USA
【Fターム(参考)】