2列配列型ラインセンサーを用いた競技用カラー電子判定装置
【課題】2列配列のカラー型ラインセンサーにおいて、時間軸方向の精度をモノクロと同様の高精度とした競技用電子判定装置およびシステムを提供する。
【解決手段】本発明の競技用カラー型電子判定装置は、レース場のゴールライン上をスリットを介して撮像し、一定のスリット間隔でライン状に撮像した該ライン状の画像を連続してモニター上に表示することにより着順判定画像とする競技用カラー電子判定装置において、前記スリットを介して入力した入力光をオプチカル・ローパスフィルタでの分線または拡散レンズで散光し、各入力光を2列のラインセンサーの各列に照射し、該2列配列のラインセンサーの3原色(R、G、B)出力を合成して判定用カラー画像とする。
【解決手段】本発明の競技用カラー型電子判定装置は、レース場のゴールライン上をスリットを介して撮像し、一定のスリット間隔でライン状に撮像した該ライン状の画像を連続してモニター上に表示することにより着順判定画像とする競技用カラー電子判定装置において、前記スリットを介して入力した入力光をオプチカル・ローパスフィルタでの分線または拡散レンズで散光し、各入力光を2列のラインセンサーの各列に照射し、該2列配列のラインセンサーの3原色(R、G、B)出力を合成して判定用カラー画像とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、競馬、競輪、競艇、オート等の競技(レース)における改良された高感度・高速度の電子判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、競馬等においてゴールライン上を連続してラインセンサーで撮像し、該撮像された画像から競馬等の着順判定やタイム表示を行うシステムが知られている。
前記競技用の電子判定装置にはラインセンサー(直線状のCCDセンサー)が用いられており、該ラインセンサーは、レース場のゴールライン上を一定のスリット間隔でライン状に撮像し、該ライン状の画像を連続してモニター上に表示することにより着順判定画像としている。
【0003】
これは、従来スリット・カメラで対象物(例えば、馬)の速度とほぼ同じ速度でフィルムを走らせて連続して撮影し、これを表示することにより着順判定画像としていたものをCCDラインセンサーとモニターにより電子的に実現したものである。
【0004】
従来のカラー型ラインセンサーは、図1(a)に示すように、縦一列に赤1、緑2、青3の順で画素検出素子の配列がなされる構造のものであった。
しかし、上記縦一列配置のランセンサーは、時間方向(図面上下方向)では各画素検出素子間での検出時期の差異は生じないが、3つの画素で1つの表示単位となるので、それぞれが画素単位となるモノクロのランセンサーに比べると分解能(解像度)が1/3になってしまう欠点がある。
【0005】
このため、図1(b)に示されるように、縦方向(図中、左右方向。ラインセンサーは地面に垂直にして用いられるので、以後、ラインセンサーの長手方向を縦方向という。)には赤6、青4、緑5の画素検出素子を一列に連続して配置し、これを横方向(図中、上下方向)に3列一組で用いる方法も考えられるが、この場合は時間軸方向(図中、上下方向)の解像度がモノクロの1/3になってしまう。また、色ズレが大きい欠点がある。
【0006】
従って、図1(a)、(b)の折衷案として、従来図1(c)のように2列配列で一列が縦方向に緑画素検出素子7、青画素検出素子8が交互に配列され、その隣接する一列に赤画素検出素子9、緑画素検出素子7を交互に配列した2列を一組としたラインセンサーが一般的に用いられていた。
【0007】
この2列構造のものは色ズレが少ないが、やはり時間軸方向の分解能は2列相当となり、モノクロの1/2の精度となる。また、縦方向の分解能もモノクロのほぼ1/2となる。
【特許文献1】特開平9−305820号公報
【特許文献2】特開平8−322010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、2列配列のカラー型ラインセンサーにおいて、時間軸方向の精度をモノクロと同様の高精度とした競技用電子判定装置およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の競技用カラー型電子判定装置は、レース場のゴールライン上をスリットを介して撮像し、一定のスリット間隔でライン状に撮像した該ライン状の画像を連続してモニター上に表示することにより着順判定画像とする競技用カラー電子判定装置において、前記スリットを介して入力した入力光をオプチカル・ローパスフィルタでの分線または拡散レンズで散光し、該分線した各入力光を2列配列のラインセンサーの各列に照射し、該2列配列のラインセンサーの3原色(R、G、B)出力を合成して判定用カラー画像とすることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記ラインセンサーが2列配列型であって、1列は緑画素検出素子のみが連続的に配置され、他の1列は青画素検出素子と赤画素検出素子が交互に配置された2列構造のラインセンサーであり、着順判定を上記3つの画素検出素子の合成出力を基準として行うことを特徴とする。
【0011】
また、前記緑画素検出素子のみが連続的に配置された1列の出力のライン平均値、及び青画素検出素子と赤画素検出素子が交互に配置された他の列のライン平均値を各計算し、該2つの平均値の出力を比較して各列出力の利得を調整し、R、G、B各出力の比重のバランスを取ることによってホワイトバランスのとれたR、G、B出力を得ることを特徴とする。
【0012】
あるいはまた、前記交互に配置された青画素検出素子および赤画素検出素子の出力と前記連続して配置された緑画素検出素子の出力の時系列データのそれぞれの素子列出力において、青、赤、緑の出力データ間において時間的な重心位置が一致するようにそれぞれ前後の時系列データから計算して不足する画素データを補間し、必要な時間間隔のデータを作成することを特徴とする。
また、前記各画素検出素子の形状が正方形であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の装置では、スリットを介して入力した入力光をオプチカル・ローパスフィルタでの分線または拡散レンズで散光し、各入力光を2列配列のラインセンサーの各列に照射し、該2列配列のラインセンサーの3原色(R、G、B)出力を合成してカラー画像としているので、上記各列の検出素子に入力する光情報は同時刻のものとなり、従来の2列ないし3列配列のラインセンサーの各列に照射される入力光がラインセンサーの列の幅だけ時間的にずれたものと比較して、色ズレの発生が少ない効果がある。また、ラインセンサーへの入力位置によって色ズレが発生することがない。
【0014】
さらにまた、上記のように、各列の検出素子に入力する光情報は同時刻のものなので、これを合成してカラー画像としたものを着順判定に用いた場合の分解能が上記従来のカラー画像のものに比べ、2倍または3倍となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の2列型ランセンサーのカラー画素検出素子の配列構造を図1(d)に示す。
図に示されるごとく、本発明は、2列配列で一列が縦方向に緑画素検出素子10が連続して配列され、その隣接する一列に赤画素検出素子11、青画素検出素子12を交互に配列した2列を一組としたラインセンサーを用いている。なお、この2列構造のものは、図1(c)のチドリ配置のものでもよい。
【0016】
2列配列のラインセンサーは、通常は色ズレ特性のよい図1(c)のチドリ配置のものが用いられる。これは図1(d)のように配列しても、分解能は図1(c)と同じになるためである。
【0017】
一般的に、カラー画像はR,G,Bの3原色の合成出力となるので、拡大して微細な部分を見るとき、R、G、Bの画素センサーの位置ズレにより微妙に色誤差が生じ、このため画面がその分不鮮明になる傾向がある。
【0018】
従って、上記のように微細な着順判定をする場合は、3原色を混合したモノクロ画面の方が微細画面においてはより鮮明になるので、判定画像はモノクロ画面を用いている。
しかし、カラー画像とモノクロ画像を併用することは操作が煩わしいので、カラー画像のみで着順判定がなされることが望ましい。
【0019】
この発明は、カラー画像で着順判定を行う際に、従来より色ズレが少なく、時間的に正確で、分解能も優れた撮像方式を提案するものである。
図4は、図1(d)の2列型カラー・ラインセンサーを用いた場合の画像検出の模式図を示す。図4の左端に示されるように、図1(d)のラインセンサーが縦方向に設置され、その前を対象物43が通過する場合のセンサー出力を図6に示す。図4において、40は赤画素検出素子、41は青画素検出素子、42は緑画素検出素子を示す。
【0020】
図4の場合は、撮像対象物(例えば、馬)の先端部分がまず青画素40の部分に入り(図中、44)、矢印の方向に進行するにしたがって徐々にラインセンサー全体に感知されるようになる。(図中44→45→46)。この時の各時点のセンサー出力が図6に示される。最終出力は、各時点のセンサー出力が連続して表示されている。なお、図6において、53は対象物のイメージ、2段目54はセンサー出力、3段目55はモニターでの表示出力である。
【0021】
図4に参照されるようにR、G、B(赤、緑、青)各画素出力の合成された色が、および明るさがモニター上で図6のパターン56のごとく表示される。
また、一方、図5のように、撮像対象物(例えば、馬)50の先端部分がまず赤画素検出素子41の部分に入り(図中、47)、徐々にラインセンサー全体に感知されるようになる場合もある。(図中47→48→49)。この時のR、G、B(赤、緑、青)各画素出力の合成された色が、および明るさがモニター上で図6のパターン56と同様になるが、個別の検出素子部分の色が図4の場合と大きく異なってしまう。例えば、図6の57の箇所は、図4の場合は茶色であるが、図5の場合は濃紺となる。また、図6の58の箇所は、図4の場合は濃紺であるが、図5の場合は茶色となる。あるいは、図6の59の箇所は、図4の場合は薄青色であるが、図5の場合は薄茶色となる。また、図1(c)のチドリ配置の2列配列型ラインセンサーの場合も、図示が省略されるが、色ズレのみならず出力パターンも変化してしまうことが検証されている。
【0022】
これらは画像の検出位置によって、色ズレが生じることを示している。
以下、本発明の競技用カラー型電子判定装置の実施例について図2を用いて説明する。
図2(a)において、20はスリット、21は受光入力、22はオプチカルフィルタ、27,28,29は検出素子(図1の10,11,12に相当)である。
【0023】
図2(a)に示されるように、本発明の競技用カラー型電子判定装置は、まず検出素子27,28,29の幅に相当する幅のスリット20を設け、該スリットを介して撮像対象の撮像入力を導く。該スリット20を介して入力された入力光はオプチカルフィルタ22で、その材質である水晶の複屈折性を利用して1個使用することで1本の光線から2列のセンサー方向に向けて二本の光線に分離される。オプチカルフィルタ22は、例えば水晶複屈折板である。
【0024】
オプチカルフィルタ22で2本に分離された入力光は、それぞれの検出素子27,28,29に入力する。該検出されたR、G、B検出素子の出力は、図6と同様に合成されてカラー画像となる。
【0025】
このようにして得られたカラー画像は、その元となるR、G、B各検出素子のデータが同じスリットを介した同時刻の入力光に基づくものなので、従来のラインセンサーのように異なる時刻の入力を合成することに起因する色ズレが生じない。
【0026】
また、図2(b)は他の実施例であり、同図において、ラインセンサ検出素子27,29を一組、28,29を一組(図1の10,11,12に相当)としたオンチップ拡散マイクロレンズ22‘を置き、同一時間の入力光を2列幅のラインセンサーの幅の大きさに拡散してR、G、B検出素子に同時に入力できれば、従来のラインセンサーのように異なる時刻の入力を合成することに起因する色ズレが生じない。
【0027】
従って、画面は鮮明であり、着順判定にカラー画像を用いてもモノクロの場合と同様の精度を得ることができる。カラー画像の方が騎手服の色や模様等の情報が多いので、モノクロよりカラー画像の方が判定用画像として優れているのはいうまでもない。
このように本発明の競技用カラー型電子判定装置は、モノクロの場合と同様の精度の着順判定画像をカラーで提供することに成功した。
【0028】
図3は、本発明の競技用カラー型電子判定装置の具体的構成を示したものである。
前記2列配置のラインセンサー31の出力は、上下2本の引き出し線から、例えば電荷増倍部32,33に入力され、増幅後AD変換してライン平均値計算部34,35に入力される。ライン平均値計算部34,35においては、ラインセンサーへの入力がホワイト画像の場合の各画素出力の平均値を計算し、RGBの合成出力がホワイトバランスが取れるようにR、G、B各画素検出素子の出力の利得を調整する。
【0029】
図3において、2列配置のラインセンサーの各列から各検出素子の出力を取り出して増倍してそれぞれR、G、Bデータの加工をしているので、従来のように1本の引き出し線で時系列にして直列で処理するものに比較し、倍の速度で処理できる効果がある。
【0030】
図3の場合は、前記緑画素検出素子のみが連続的に配置された1列の出力のライン平均値、及び青画素検出素子と赤画素検出素子が交互に配置された他の列のライン平均値を各計算し、該2つの平均値の出力を比較して、R、G、B各出力の比重のバランスを取ることによってホワイトバランスのとれたR、G、B出力を得ているが、図1(c)のチドリ配置のものの場合や、前記ラインセンサーが3列配列型であり、各列が赤画素検出素子のみ、青画素検出素子のみ、緑画素検出素子のみからなり、着順判定を上記3つの画素検出素子の合成出力を基準として行う構成においても同様にして各出力の利得を調整すればホワイトバランスの取れたRGB出力を得ることができる。
【0031】
・データ補間
本発明において、図1(d)のラインセンサーを用いた場合、その出力は図7のごとくなる。図7に見られるごとく、緑画素(G)情報はすべてのスキャンタイムに出力されるが、青(B)とR(赤)の画素情報は1回おきなので、出力データは歯抜け状態となる。
【0032】
この歯抜けの空白のデータを補間する方法として従来は図8(標準モード)や図9(縮小モード)の手法が用いられていた。
しかし、図8のB,Rデータの配列は同じ画素データが2回づつ続き、ギクシャクした階段状の画像データとなり連続画面がスムーズでない。同様に、図9のデータ出力の連続性も最適とはいえない。
【0033】
本発明は、上記画像データ出力としてG、B、R各画素の重心の位置が元のピクセル位置に近く、連続画面がスムーズに変化する図10、図11の配列手法を提案している。ここで重心位置の位置合わせとは、R,G,B各出力データ間でそれぞれの時間的な重心位置を計算して、同じ時間のデータ出力にして時間を一致させることをいう。
【0034】
図10、図11の配列出力を用いれば、ピクセルデータの重心位置が元のデータの重心位置により近いので連続画像のスムーズな展開がなされ、画面のチラツキ等がより改善され、見易い画面となる。
【0035】
・単位センサーの形状
また、一般にカラー・ラインセンサーは画素検出素子が縦一列に配列され、縦方向の2つ、または3つの合成出力で1つのカラー画素情報となるので、従来のモノクロラインセンサーに比べ、鮮明度が1/2、または1/3になってしまう欠点がある。
【0036】
このため、鮮明度を上げるため、縦方向の画素検出素子数を多くして鮮明度を上げるとその分検出素子の面積が減るので、今度は各画素出力の光量が不足してしまう。このため、光量を確保するためには、横方向の長さを長くして長方形になるが、今度は時間軸(横方向)が長くなるので、着順判定の判定精度が悪くなる。
【0037】
本発明では、種々実験の結果、該画素センサーの形状は正方形が最適であることを確認した。競馬等の競技着順判定の通常のスキャン速度の場合、明度、鮮明度のバランスから、正方形がちょうどよい形状であった。なお、この形状が最適であることは、本発明のような2列配列に限らず、従来の図1(a)の一列配列のラインセンサーにも当てはまることである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の競技用カラー型電子判定装置は、得られたカラー画像は、その元となるR、G、B各検出素子のデータが同じスリットを介した同時刻の入力光に基づくものなので、従来のラインセンサーのように異なる時刻の入力を合成することに起因する色ズレが生じない。
【0039】
したがって、画面は鮮明であり、着順判定にカラー画像を用いてもモノクロの場合と同様の精度を得ることができる。カラー画像の方が騎手服の色や模様等の情報が多いので、モノクロよりカラー画像の方が判定用画像として優れているのはいうまでもない。
【0040】
このように本発明の競技用カラー型電子判定装置は、モノクロの場合と同様の精度の着順判定画像をカラーで提供することに成功し、その産業上の利用性は高い。
また、2列配列型カラー・ラインセンサーの出力において、空白のピクセルデータを前後のピクセルデータの重心位置に取ることにより連続画面の画面遷移がよりスムーズになる効果がある。また、各画素センサーの形状を正方形とすることにより、縦方向の鮮明度と横方向の判定精度のバランスが取れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】各種カラー・ラインセンサーのセンサー(画素検出素子)配列を示す図である。
【図2】本発明の競技用カラー型電子判定装置の基本的構成を示す図である。
【図3】本発明の競技用カラー型電子判定装置の回路構成を示す図である。
【図4】ラインセンサーと撮像対象物の関係の模式図である。
【図5】ラインセンサーと撮像対象物の関係の模式図の他の例である。
【図6】ラインセンサーのカラー出力例を示す図である。
【図7】2列配列のラインセンサーを用いた場合の時系列の画素出力の示す図である。
【図8】図7の空白部分の従来のデータ補間例を示す図である。
【図9】図7の空白部分の従来の他のデータ補間例を示す図である。
【図10】図7の空白部分の本発明のデータ補間例を示す図である。
【図11】図7の空白部分の本発明の他のデータ補間例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 赤画素検出素子(センサー)
2 緑画素検出素子(センサー)
3 青画素検出素子(センサー)
4 青画素検出素子(センサー)
5 緑画素検出素子(センサー)
6 赤画素検出素子(センサー)
7 緑画素検出素子(センサー)
8 青画素検出素子(センサー)
9 赤画素検出素子(センサー)
10 緑画素検出素子(センサー)
11 赤画素検出素子(センサー)
12 青画素検出素子(センサー)
20 スリット
21 入力光
22 オプチカルフィルタ
22’ オンチップ拡散マイクロレンズ
26 ラインセンサー
31 ラインセンサー
32,33 電荷増倍部
34,35 ライン平均値計算部
36 比較調整回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、競馬、競輪、競艇、オート等の競技(レース)における改良された高感度・高速度の電子判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、競馬等においてゴールライン上を連続してラインセンサーで撮像し、該撮像された画像から競馬等の着順判定やタイム表示を行うシステムが知られている。
前記競技用の電子判定装置にはラインセンサー(直線状のCCDセンサー)が用いられており、該ラインセンサーは、レース場のゴールライン上を一定のスリット間隔でライン状に撮像し、該ライン状の画像を連続してモニター上に表示することにより着順判定画像としている。
【0003】
これは、従来スリット・カメラで対象物(例えば、馬)の速度とほぼ同じ速度でフィルムを走らせて連続して撮影し、これを表示することにより着順判定画像としていたものをCCDラインセンサーとモニターにより電子的に実現したものである。
【0004】
従来のカラー型ラインセンサーは、図1(a)に示すように、縦一列に赤1、緑2、青3の順で画素検出素子の配列がなされる構造のものであった。
しかし、上記縦一列配置のランセンサーは、時間方向(図面上下方向)では各画素検出素子間での検出時期の差異は生じないが、3つの画素で1つの表示単位となるので、それぞれが画素単位となるモノクロのランセンサーに比べると分解能(解像度)が1/3になってしまう欠点がある。
【0005】
このため、図1(b)に示されるように、縦方向(図中、左右方向。ラインセンサーは地面に垂直にして用いられるので、以後、ラインセンサーの長手方向を縦方向という。)には赤6、青4、緑5の画素検出素子を一列に連続して配置し、これを横方向(図中、上下方向)に3列一組で用いる方法も考えられるが、この場合は時間軸方向(図中、上下方向)の解像度がモノクロの1/3になってしまう。また、色ズレが大きい欠点がある。
【0006】
従って、図1(a)、(b)の折衷案として、従来図1(c)のように2列配列で一列が縦方向に緑画素検出素子7、青画素検出素子8が交互に配列され、その隣接する一列に赤画素検出素子9、緑画素検出素子7を交互に配列した2列を一組としたラインセンサーが一般的に用いられていた。
【0007】
この2列構造のものは色ズレが少ないが、やはり時間軸方向の分解能は2列相当となり、モノクロの1/2の精度となる。また、縦方向の分解能もモノクロのほぼ1/2となる。
【特許文献1】特開平9−305820号公報
【特許文献2】特開平8−322010号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、2列配列のカラー型ラインセンサーにおいて、時間軸方向の精度をモノクロと同様の高精度とした競技用電子判定装置およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の競技用カラー型電子判定装置は、レース場のゴールライン上をスリットを介して撮像し、一定のスリット間隔でライン状に撮像した該ライン状の画像を連続してモニター上に表示することにより着順判定画像とする競技用カラー電子判定装置において、前記スリットを介して入力した入力光をオプチカル・ローパスフィルタでの分線または拡散レンズで散光し、該分線した各入力光を2列配列のラインセンサーの各列に照射し、該2列配列のラインセンサーの3原色(R、G、B)出力を合成して判定用カラー画像とすることを特徴とする。
【0010】
さらに、前記ラインセンサーが2列配列型であって、1列は緑画素検出素子のみが連続的に配置され、他の1列は青画素検出素子と赤画素検出素子が交互に配置された2列構造のラインセンサーであり、着順判定を上記3つの画素検出素子の合成出力を基準として行うことを特徴とする。
【0011】
また、前記緑画素検出素子のみが連続的に配置された1列の出力のライン平均値、及び青画素検出素子と赤画素検出素子が交互に配置された他の列のライン平均値を各計算し、該2つの平均値の出力を比較して各列出力の利得を調整し、R、G、B各出力の比重のバランスを取ることによってホワイトバランスのとれたR、G、B出力を得ることを特徴とする。
【0012】
あるいはまた、前記交互に配置された青画素検出素子および赤画素検出素子の出力と前記連続して配置された緑画素検出素子の出力の時系列データのそれぞれの素子列出力において、青、赤、緑の出力データ間において時間的な重心位置が一致するようにそれぞれ前後の時系列データから計算して不足する画素データを補間し、必要な時間間隔のデータを作成することを特徴とする。
また、前記各画素検出素子の形状が正方形であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の装置では、スリットを介して入力した入力光をオプチカル・ローパスフィルタでの分線または拡散レンズで散光し、各入力光を2列配列のラインセンサーの各列に照射し、該2列配列のラインセンサーの3原色(R、G、B)出力を合成してカラー画像としているので、上記各列の検出素子に入力する光情報は同時刻のものとなり、従来の2列ないし3列配列のラインセンサーの各列に照射される入力光がラインセンサーの列の幅だけ時間的にずれたものと比較して、色ズレの発生が少ない効果がある。また、ラインセンサーへの入力位置によって色ズレが発生することがない。
【0014】
さらにまた、上記のように、各列の検出素子に入力する光情報は同時刻のものなので、これを合成してカラー画像としたものを着順判定に用いた場合の分解能が上記従来のカラー画像のものに比べ、2倍または3倍となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の2列型ランセンサーのカラー画素検出素子の配列構造を図1(d)に示す。
図に示されるごとく、本発明は、2列配列で一列が縦方向に緑画素検出素子10が連続して配列され、その隣接する一列に赤画素検出素子11、青画素検出素子12を交互に配列した2列を一組としたラインセンサーを用いている。なお、この2列構造のものは、図1(c)のチドリ配置のものでもよい。
【0016】
2列配列のラインセンサーは、通常は色ズレ特性のよい図1(c)のチドリ配置のものが用いられる。これは図1(d)のように配列しても、分解能は図1(c)と同じになるためである。
【0017】
一般的に、カラー画像はR,G,Bの3原色の合成出力となるので、拡大して微細な部分を見るとき、R、G、Bの画素センサーの位置ズレにより微妙に色誤差が生じ、このため画面がその分不鮮明になる傾向がある。
【0018】
従って、上記のように微細な着順判定をする場合は、3原色を混合したモノクロ画面の方が微細画面においてはより鮮明になるので、判定画像はモノクロ画面を用いている。
しかし、カラー画像とモノクロ画像を併用することは操作が煩わしいので、カラー画像のみで着順判定がなされることが望ましい。
【0019】
この発明は、カラー画像で着順判定を行う際に、従来より色ズレが少なく、時間的に正確で、分解能も優れた撮像方式を提案するものである。
図4は、図1(d)の2列型カラー・ラインセンサーを用いた場合の画像検出の模式図を示す。図4の左端に示されるように、図1(d)のラインセンサーが縦方向に設置され、その前を対象物43が通過する場合のセンサー出力を図6に示す。図4において、40は赤画素検出素子、41は青画素検出素子、42は緑画素検出素子を示す。
【0020】
図4の場合は、撮像対象物(例えば、馬)の先端部分がまず青画素40の部分に入り(図中、44)、矢印の方向に進行するにしたがって徐々にラインセンサー全体に感知されるようになる。(図中44→45→46)。この時の各時点のセンサー出力が図6に示される。最終出力は、各時点のセンサー出力が連続して表示されている。なお、図6において、53は対象物のイメージ、2段目54はセンサー出力、3段目55はモニターでの表示出力である。
【0021】
図4に参照されるようにR、G、B(赤、緑、青)各画素出力の合成された色が、および明るさがモニター上で図6のパターン56のごとく表示される。
また、一方、図5のように、撮像対象物(例えば、馬)50の先端部分がまず赤画素検出素子41の部分に入り(図中、47)、徐々にラインセンサー全体に感知されるようになる場合もある。(図中47→48→49)。この時のR、G、B(赤、緑、青)各画素出力の合成された色が、および明るさがモニター上で図6のパターン56と同様になるが、個別の検出素子部分の色が図4の場合と大きく異なってしまう。例えば、図6の57の箇所は、図4の場合は茶色であるが、図5の場合は濃紺となる。また、図6の58の箇所は、図4の場合は濃紺であるが、図5の場合は茶色となる。あるいは、図6の59の箇所は、図4の場合は薄青色であるが、図5の場合は薄茶色となる。また、図1(c)のチドリ配置の2列配列型ラインセンサーの場合も、図示が省略されるが、色ズレのみならず出力パターンも変化してしまうことが検証されている。
【0022】
これらは画像の検出位置によって、色ズレが生じることを示している。
以下、本発明の競技用カラー型電子判定装置の実施例について図2を用いて説明する。
図2(a)において、20はスリット、21は受光入力、22はオプチカルフィルタ、27,28,29は検出素子(図1の10,11,12に相当)である。
【0023】
図2(a)に示されるように、本発明の競技用カラー型電子判定装置は、まず検出素子27,28,29の幅に相当する幅のスリット20を設け、該スリットを介して撮像対象の撮像入力を導く。該スリット20を介して入力された入力光はオプチカルフィルタ22で、その材質である水晶の複屈折性を利用して1個使用することで1本の光線から2列のセンサー方向に向けて二本の光線に分離される。オプチカルフィルタ22は、例えば水晶複屈折板である。
【0024】
オプチカルフィルタ22で2本に分離された入力光は、それぞれの検出素子27,28,29に入力する。該検出されたR、G、B検出素子の出力は、図6と同様に合成されてカラー画像となる。
【0025】
このようにして得られたカラー画像は、その元となるR、G、B各検出素子のデータが同じスリットを介した同時刻の入力光に基づくものなので、従来のラインセンサーのように異なる時刻の入力を合成することに起因する色ズレが生じない。
【0026】
また、図2(b)は他の実施例であり、同図において、ラインセンサ検出素子27,29を一組、28,29を一組(図1の10,11,12に相当)としたオンチップ拡散マイクロレンズ22‘を置き、同一時間の入力光を2列幅のラインセンサーの幅の大きさに拡散してR、G、B検出素子に同時に入力できれば、従来のラインセンサーのように異なる時刻の入力を合成することに起因する色ズレが生じない。
【0027】
従って、画面は鮮明であり、着順判定にカラー画像を用いてもモノクロの場合と同様の精度を得ることができる。カラー画像の方が騎手服の色や模様等の情報が多いので、モノクロよりカラー画像の方が判定用画像として優れているのはいうまでもない。
このように本発明の競技用カラー型電子判定装置は、モノクロの場合と同様の精度の着順判定画像をカラーで提供することに成功した。
【0028】
図3は、本発明の競技用カラー型電子判定装置の具体的構成を示したものである。
前記2列配置のラインセンサー31の出力は、上下2本の引き出し線から、例えば電荷増倍部32,33に入力され、増幅後AD変換してライン平均値計算部34,35に入力される。ライン平均値計算部34,35においては、ラインセンサーへの入力がホワイト画像の場合の各画素出力の平均値を計算し、RGBの合成出力がホワイトバランスが取れるようにR、G、B各画素検出素子の出力の利得を調整する。
【0029】
図3において、2列配置のラインセンサーの各列から各検出素子の出力を取り出して増倍してそれぞれR、G、Bデータの加工をしているので、従来のように1本の引き出し線で時系列にして直列で処理するものに比較し、倍の速度で処理できる効果がある。
【0030】
図3の場合は、前記緑画素検出素子のみが連続的に配置された1列の出力のライン平均値、及び青画素検出素子と赤画素検出素子が交互に配置された他の列のライン平均値を各計算し、該2つの平均値の出力を比較して、R、G、B各出力の比重のバランスを取ることによってホワイトバランスのとれたR、G、B出力を得ているが、図1(c)のチドリ配置のものの場合や、前記ラインセンサーが3列配列型であり、各列が赤画素検出素子のみ、青画素検出素子のみ、緑画素検出素子のみからなり、着順判定を上記3つの画素検出素子の合成出力を基準として行う構成においても同様にして各出力の利得を調整すればホワイトバランスの取れたRGB出力を得ることができる。
【0031】
・データ補間
本発明において、図1(d)のラインセンサーを用いた場合、その出力は図7のごとくなる。図7に見られるごとく、緑画素(G)情報はすべてのスキャンタイムに出力されるが、青(B)とR(赤)の画素情報は1回おきなので、出力データは歯抜け状態となる。
【0032】
この歯抜けの空白のデータを補間する方法として従来は図8(標準モード)や図9(縮小モード)の手法が用いられていた。
しかし、図8のB,Rデータの配列は同じ画素データが2回づつ続き、ギクシャクした階段状の画像データとなり連続画面がスムーズでない。同様に、図9のデータ出力の連続性も最適とはいえない。
【0033】
本発明は、上記画像データ出力としてG、B、R各画素の重心の位置が元のピクセル位置に近く、連続画面がスムーズに変化する図10、図11の配列手法を提案している。ここで重心位置の位置合わせとは、R,G,B各出力データ間でそれぞれの時間的な重心位置を計算して、同じ時間のデータ出力にして時間を一致させることをいう。
【0034】
図10、図11の配列出力を用いれば、ピクセルデータの重心位置が元のデータの重心位置により近いので連続画像のスムーズな展開がなされ、画面のチラツキ等がより改善され、見易い画面となる。
【0035】
・単位センサーの形状
また、一般にカラー・ラインセンサーは画素検出素子が縦一列に配列され、縦方向の2つ、または3つの合成出力で1つのカラー画素情報となるので、従来のモノクロラインセンサーに比べ、鮮明度が1/2、または1/3になってしまう欠点がある。
【0036】
このため、鮮明度を上げるため、縦方向の画素検出素子数を多くして鮮明度を上げるとその分検出素子の面積が減るので、今度は各画素出力の光量が不足してしまう。このため、光量を確保するためには、横方向の長さを長くして長方形になるが、今度は時間軸(横方向)が長くなるので、着順判定の判定精度が悪くなる。
【0037】
本発明では、種々実験の結果、該画素センサーの形状は正方形が最適であることを確認した。競馬等の競技着順判定の通常のスキャン速度の場合、明度、鮮明度のバランスから、正方形がちょうどよい形状であった。なお、この形状が最適であることは、本発明のような2列配列に限らず、従来の図1(a)の一列配列のラインセンサーにも当てはまることである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の競技用カラー型電子判定装置は、得られたカラー画像は、その元となるR、G、B各検出素子のデータが同じスリットを介した同時刻の入力光に基づくものなので、従来のラインセンサーのように異なる時刻の入力を合成することに起因する色ズレが生じない。
【0039】
したがって、画面は鮮明であり、着順判定にカラー画像を用いてもモノクロの場合と同様の精度を得ることができる。カラー画像の方が騎手服の色や模様等の情報が多いので、モノクロよりカラー画像の方が判定用画像として優れているのはいうまでもない。
【0040】
このように本発明の競技用カラー型電子判定装置は、モノクロの場合と同様の精度の着順判定画像をカラーで提供することに成功し、その産業上の利用性は高い。
また、2列配列型カラー・ラインセンサーの出力において、空白のピクセルデータを前後のピクセルデータの重心位置に取ることにより連続画面の画面遷移がよりスムーズになる効果がある。また、各画素センサーの形状を正方形とすることにより、縦方向の鮮明度と横方向の判定精度のバランスが取れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】各種カラー・ラインセンサーのセンサー(画素検出素子)配列を示す図である。
【図2】本発明の競技用カラー型電子判定装置の基本的構成を示す図である。
【図3】本発明の競技用カラー型電子判定装置の回路構成を示す図である。
【図4】ラインセンサーと撮像対象物の関係の模式図である。
【図5】ラインセンサーと撮像対象物の関係の模式図の他の例である。
【図6】ラインセンサーのカラー出力例を示す図である。
【図7】2列配列のラインセンサーを用いた場合の時系列の画素出力の示す図である。
【図8】図7の空白部分の従来のデータ補間例を示す図である。
【図9】図7の空白部分の従来の他のデータ補間例を示す図である。
【図10】図7の空白部分の本発明のデータ補間例を示す図である。
【図11】図7の空白部分の本発明の他のデータ補間例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 赤画素検出素子(センサー)
2 緑画素検出素子(センサー)
3 青画素検出素子(センサー)
4 青画素検出素子(センサー)
5 緑画素検出素子(センサー)
6 赤画素検出素子(センサー)
7 緑画素検出素子(センサー)
8 青画素検出素子(センサー)
9 赤画素検出素子(センサー)
10 緑画素検出素子(センサー)
11 赤画素検出素子(センサー)
12 青画素検出素子(センサー)
20 スリット
21 入力光
22 オプチカルフィルタ
22’ オンチップ拡散マイクロレンズ
26 ラインセンサー
31 ラインセンサー
32,33 電荷増倍部
34,35 ライン平均値計算部
36 比較調整回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レース場のゴールライン上をスリットを介して撮像し、一定のスリット間隔でライン状に撮像した該ライン状の画像を連続してモニター上に表示することにより着順判定画像とする競技用カラー電子判定装置において、
前記スリットを介して入力した入力光をオプチカル・ローパスフィルタでの分線または拡散レンズで散光し、各入力光を2列のラインセンサーの各列に照射し、該2列配列のラインセンサーの3原色(R、G、B)出力を合成して判定用カラー画像とすることを特徴とする競技用カラー電子判定装置。
【請求項2】
前記ラインセンサーが2列配列型であって、1列は緑画素検出素子のみが連続的に配置され、他の1列は青画素検出素子と赤画素検出素子が交互に配置された2列構造のラインセンサーであり、着順判定を上記3つの画素検出素子の合成出力を基準として行うことを特徴とする前記請求項1記載の競技用カラー電子判定装置。
【請求項3】
前記緑画素検出素子のみが連続的に配置された1列の出力のライン平均値、及び青画素検出素子と赤画素検出素子が交互に配置された他の列のライン平均値を各計算し、該2つの平均値の出力を比較して各列出力の利得を調整し、R、G、B各出力の比重のバランスを取ることによってホワイトバランスのとれたR、G、B出力を得ることを特徴とする前記請求項2記載の競技用カラー電子判定装置。
【請求項4】
前記交互に配置された青画素検出素子および赤画素検出素子の出力と前記連続して配置された緑画素検出素子の出力の時系列データのそれぞれの素子列出力において、青、赤、緑の出力データ間において時間的な重心位置が一致するようにそれぞれ前後の時系列データから計算して不足する画素データを補間し、必要な時間間隔のデータを作成することを特徴とする前記請求項1記載の競技用カラー電子判定装置。
【請求項5】
前記各画素検出素子の形状が正方形であることを特徴とする前記請求項1記載の競技用カラー電子判定装置。
【請求項1】
レース場のゴールライン上をスリットを介して撮像し、一定のスリット間隔でライン状に撮像した該ライン状の画像を連続してモニター上に表示することにより着順判定画像とする競技用カラー電子判定装置において、
前記スリットを介して入力した入力光をオプチカル・ローパスフィルタでの分線または拡散レンズで散光し、各入力光を2列のラインセンサーの各列に照射し、該2列配列のラインセンサーの3原色(R、G、B)出力を合成して判定用カラー画像とすることを特徴とする競技用カラー電子判定装置。
【請求項2】
前記ラインセンサーが2列配列型であって、1列は緑画素検出素子のみが連続的に配置され、他の1列は青画素検出素子と赤画素検出素子が交互に配置された2列構造のラインセンサーであり、着順判定を上記3つの画素検出素子の合成出力を基準として行うことを特徴とする前記請求項1記載の競技用カラー電子判定装置。
【請求項3】
前記緑画素検出素子のみが連続的に配置された1列の出力のライン平均値、及び青画素検出素子と赤画素検出素子が交互に配置された他の列のライン平均値を各計算し、該2つの平均値の出力を比較して各列出力の利得を調整し、R、G、B各出力の比重のバランスを取ることによってホワイトバランスのとれたR、G、B出力を得ることを特徴とする前記請求項2記載の競技用カラー電子判定装置。
【請求項4】
前記交互に配置された青画素検出素子および赤画素検出素子の出力と前記連続して配置された緑画素検出素子の出力の時系列データのそれぞれの素子列出力において、青、赤、緑の出力データ間において時間的な重心位置が一致するようにそれぞれ前後の時系列データから計算して不足する画素データを補間し、必要な時間間隔のデータを作成することを特徴とする前記請求項1記載の競技用カラー電子判定装置。
【請求項5】
前記各画素検出素子の形状が正方形であることを特徴とする前記請求項1記載の競技用カラー電子判定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−271060(P2008−271060A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109926(P2007−109926)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000144670)株式会社プラスミック (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000144670)株式会社プラスミック (9)
【Fターム(参考)】
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