説明

2次元のテキスタイルの波形を測定しおよび/または検査する方法

本発明は、2次元のテキスタイル(10)の幾何学的な形態パラメータ、特に波形を測定しおよび/または検査するための方法であって、以下の段階、すなわち、2次元のテキスタイル(10)を、支持体(26)と、可撓性のあるフィルム(22)との間の中間空間(26)に設けること、フィルム(22)が2次元のテキスタイル(10)に密着するように、中間空間(26)と周囲との間の差圧(Δp)を加えること、およびフィルム(22)の表面プロファイル(32)を検出すること、を有する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元のテキスタイルの波形を測定しおよび/または検査する方法に関する。第2の態様では、本発明は、2次元のテキスタイルを設けるための支持体を有する、2次元のテキスタイルの波形を測定しおよび/または検査するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2次元のテキスタイル、従って、例えば多軸型の織物のような2次元構造物は、特に、繊維強化プラスチック構成部材の製造の際に、用いられる。後の繊維強化構成部材の強度が、用いられた2次元のテキスタイルの均一性によって、他の影響と共に影響を受けることが明らかになった。従って、2次元のテキスタイルの幾何学的な形態パラメータ、特に、例えば層の波形のような波形をモニタすることは望ましい。その目的は、2次元のテキスタイルを用いて製造される繊維強化構成部材が、所望の強度を有することが保証されているためである。
【0003】
コンピュータを用いた2次元のテキスタイルの画像の分析をベースにした光学的方法が知られている。かような方法の枠内で、2次元のテキスタイルの画像が記録され、画像評価ソフトウェアによって、所定の幾何学的な形態パラメータが決定される。かような方法の欠点は、特に、層の波形を平面から決定することができないことである。
【0004】
層の波形の、すなわち、2次元のテキスタイル波形の形態をとる幾何学的な形態パラメータを平面から決定するためには、完成した構成部材を細かに切断し、かつ層の被覆を切断片で決定することは知られている。このことの欠点は、100%の検査が不可能であることである。このことは、特に安全部品において不十分である。
【0005】
特許文献1からは、2次元のテキスタイルの幾何学的な形態パラメータを測定しおよび/または検査する方法が読み取れる。2次元のテキスタイルは、支持体上に設けられ、2次元のテキスタイルの表面プロファイルが、光線を用いた走査によって検出される。
【0006】
特許文献2では、研磨ベルトの研磨面の微細形態(Feingestalt)、従って幾何学的な形態パラメータを測定するための方法および装置が記載されている。研磨ベルトは、支持体と、可撓性のあるフィルムとの間に設けられ、研磨ベルトとフィルムとの間の圧力は、(加圧ブロックによって)、発生される。それ故に、フィルムは、研磨ベルトに密着し、フィルムの表面形態は、密着工程がなされた後に、検出される。
【0007】
特許文献3からは、幾何学的な形態パラメータ、特に、表面の粗さを測定するための方法および装置が読み取れる。表面には、変形可能な要素が設けられ、要素と表面との間で圧力を加えることによって、要素が表面に密着され、従って、要素が、表面に向いた側で変形され、この変形は、要素の他側の変形を引き起こし、この側の変形は、検出され、表面の幾何学的な形態パラメータの尺度として評価される。
【0008】
特許文献4には、中空の本体の内側表面の幾何学的な形態パラメータを測定するための方法が記載されている。(チューブの形態の)可撓性のあるフィルムは、本体の中空空間に設けられ、圧力は、本体とチューブ・フィルムとの間で加えられる。それ故に、フィルムは、中空の本体の内側表面に密着し、内側表面の表面形態は、フィルムに伝えられ、フィルムを本体から取り外した後に、フィルムの表面プロファイルが検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】DE 195 35 259 A1
【特許文献2】DE 19 01 979 A
【特許文献3】US 49 51 497 A
【特許文献4】US 3,500,598 A
【発明の概要】
【0010】
2次元のテキスタイルの幾何学的な形態パラメータ、特に波形を、破壊なしに、高い精度をもって測定するという課題が、本発明の基礎になっている。
【0011】
本発明は、課題を、2次元のテキスタイルの波幾何学的な形態パラメータ、特に波形を測定しおよび/または検査するための方法であって、(a)2次元のテキスタイルを、ベースと、可撓性のあるフィルムとの間の中間空間に設けること、(b)フィルムが2次元のテキスタイルに密着するように、中間空間と周囲との間の差圧を加えること、および(c)フィルムの表面プロファイルを検出すること、を有する方法によって、解決する。
【0012】
第2の態様では、本発明は、課題を、フィルムを被覆するためのフィルム被覆装置と、フィルムが2次元のテキスタイルに密着するように、差圧を加えるための差圧供給装置と、フィルムの表面プロファイルを検出するための表面プロファイル検出装置と、を有する装置によって、解決する。
【0013】
2次元テキスタイルの100%の検査が可能であることは、本発明の利点である。2次元のテキスタイルが、多軸型の織物であるとき、この多軸型の織物は、繊維または繊維束の少なくとも2つの層を有する。1つの層の複数の繊維束は、各々の繊維方向へ互いに平行に延びており、隣り合った複数の繊維束は、それぞれと、ゼロではない角度を形成する。2次元のテキスタイルを用いて製造される繊維強化構成部材の強度が、個々の繊維束の横断面に大いに依存していることが明らかになった。繊維束が円形であればあるほど、隣り合った層の波形が一層際立ち、当該の位置における、完成した繊維強化構成部材の強度が、一層低くなる。従って、100%の検査によってのみ、波形、特に層の波形が、すべての位置で、事前設定された許容差の範囲内にあることが保証されていることができる。このことが、本発明によって保証される。
【0014】
本発明が、簡単な手段によって実現可能であることは、本発明の他の利点である。可撓性のあるフィルムは、例えば、ポリウレタン・フィルムの形態で、安価に製造可能である。それ故に、フィルムの被覆によって、わずかな追加のコストが引き起こされることだけである。
【0015】
更に、本発明に係わる方法が、非常に迅速にかつ高いプロセス信頼性をもって、実行可能であること利点である。知られた方法とは異なり、例えば1つの計測器が、2次元のテキスタイルの繊維に吊下していることを、考慮に入れる必要はない。従って、本発明は、2次元のテキスタイルの連続的な検査のためにも使用可能である。
【0016】
100%の検査の可能性および低いコストが、2次元のテキスタイルの製造の連続的なモニタを可能にすることも、更なる利点である。このことによって、工程におけるトラブルを即座に確認しかつ除去することができる。このことによって、製造方法の生産性が向上する。
【0017】
本発明の枠内で、幾何学的な形態パラメータとは、特に、平面からの2次元のテキスタイルの幾何学的広がりを特徴とするあらゆる指標数を意味する。この場合、平面とは、測定位置で2次元のテキスタイルが延びていてなる平面である。特に、幾何学的な形態パラメータは、波形、例えば、層の波形である。層の波形は、2次元のテキスタイルの表面の、接触面からの、平らな2次元のテキスタイルの場合には、接触平面からの偏差の、その尺度である。層の波形に関しては、特に、2つの繊維束の間隔の範囲にある形状偏差が考慮される。従って、層の波形は、特に、多軸型の織物の繊維束の横断面の均一性の尺度である。
【0018】
2次元のテキスタイルは、数学的平面に沿って延びているテキスタイルのみならず、巨視的な湾曲を有するテキスタイルをも意味する。層の波形を決定することができるように、2次元のテキスタイルの湾曲の局率半径は、しかし、この場合、隣り合う繊維同士の間隔に比較して大きくて、例えば10倍大きい。
【0019】
2次元のテキスタイルを、気密のベースと、可撓性のあるフィルムとの間の中間空間に設けるという特徴は、差圧を加えることが、フィルムの、2次元のテキスタイルへの密着をもたらすように、2次元のテキスタイルが、ベースとフィルムとの間に設けられることを意味すべきである。
【0020】
フィルムが厚くなって可撓性がなくなるにつれて、フィルムの表面プロファイルは、2次元のテキスタイルの表面プロファイルを正確に反映しなくなる。従って、出来るかぎり薄いフィルムを選択することは好都合である。他方では、非常に薄いフィルムの場合には、フィルムが裂けて、それ故に、中間空間と周囲との間の差圧が、プロセス信頼度をもって加えられない危険性がある。従って、フィルムの最適な厚さは、事前実験で決定される。これらの実験では、厚さが減じられるフィルムが用いられて、遂には、方法が最早プロセス信頼度をもって実施できないほど薄いフィルムが用いられる。このとき、例えば、最も薄いフィルムが用いられる。このフィルムでは、方法のプロセス信頼度をもった実施が、かろうじて可能である。
【0021】
2次元のテキスタイルは、特に、炭素繊維のフィルムを有してもよい。フィルムが200μm未満の厚さ有することは好ましい。何故ならば、フィルムは、このとき、2次元のテキスタイルに特に良好に密着することができるからである。例えば、ポリオレフィン、例えばポリエチレンのフィルムが適切である。
【0022】
好ましい実施の形態では、ベースが気密であり、中間空間と周囲との間の差圧の供給は、中間空間の真空化を含む。かような方法は、特に容易に実施可能である。何故ならば、ベースに複数の開口部が設けられていればよく、これらの開口部を通って、空気が中間空間から除去されることができるからである。このことによって、フィルムは、2次元のテキスタイルに特に密に宛がわれ、2次元のテキスタイルの幾何学的形態を特に良好に再現する。
【0023】
2次元のテキスタイルが、多軸型の織物、特に半製品であることは好ましい。例えば、半製品は、航空機部品の製造のために用いられる。このような半製品から、安全に関連のある構成部材のみがほとんど製造される。それ故に、基礎となる2次元テキスタイルの100%の検査を実行することが特に好都合である。
【0024】
表面プロファイルの検出が、非接触の走査を含むことは特に好ましい。このことは、例えば、光学的な走査によって、例えば、レーザまたは縞投影法によってなされることができる。
【0025】
その代わりにまたは追加的に、接触走査を、例えば触針走査装置によって実行することも可能である。しかしながら、非接触の方法は、特に速いという利点を有する。非接触の走査が特に良好に可能であるように、フィルムを選択することが可能である。例えば、フィルムが、反射防止用にコーティングされていてもよい。それ故に、反射による測定エラーが防止されることができる。
【0026】
表面プロファイルの検出を、テキスタイルの少なくとも1つの繊維配向に沿って、行なうことは好ましい。1つの繊維配向に沿って測定された波形が、2次元のテキスタイルでの万が一のエラーへの特に良好な指摘を提供することが明らかになった。2次元のテキスタイルが多軸型の織物であるとき、複数の繊維配向が存在し、つまりは、各々の層に対し、1つの繊維配向が存在する。1つの層の繊維配向は、複数の繊維が延びていてなる方向である。
【0027】
方法は、表面プロファイルの検出を、例えば光学的な方法で、2次元で行なうとき、特に迅速に実行可能である。表面プロファイルの検出のためには、従来の技術からは、表面のデータを如何にして迅速かつ正確に検出することができるか、およびデータを如何にして評価することができるか、という多数の方法が知られている。例えば、空間的なフーリエ変換、特に迅速なフーリエ変換を実行することができる。フーリエ変換によって、形状偏差の割合が決定される。形状偏差は、1つの多軸型の織物の2つの隣り合った繊維束の間隔の範囲に位置している波長を有する。
【0028】
2次元のテキスタイルを検査するために、方法が、以下の段階、すなわち、層の波形を描く表面プロファイルから指標値を算出すること、およびこの指標値を目標と比較すること、を有することは好ましい。指標値は、例えば、主な波長であり、事前設定された目標輪郭からの局所的な偏差であり、あるいは繊維角度である。2次元のプロファイルが、事前設定された、目標値同士の間隔の、その範囲内にあることによって、このプロファイルが要求を満たすとき、2次元のテキスタイルに基づいて製造された繊維強化部材が、所望の強度特性を有することが前提とされる。
【0029】
好ましい実施の形態では、方法は、繊維複合部材を製造するための方法である。まず、2次元のテキスタイルが提供され、本発明の方法で検査される。2次元のテキスタイルが、事前に設定された仕様に対応するときにはじめて、繊維強化構成部材の製造のために用いられる。この目的のために、2次元のテキスタイルに樹脂が含浸され、続いて、樹脂が硬化される。
【0030】
本発明に係わる好ましい実施の形態では、フィルム被覆装置は、回転するフィルムを被覆するために形成されている。このことは、例えば、フィルム・ループがあって、このフィルム・ループは、同一のフィルムが、何回も、2次元のテキスタイル上に宛がわれ、本発明に係わる方法の実行のために用いられるように、回転することを意味する。かようにして、フィルムの材料が節約される。しかし、フィルム・ロールの一枚一枚のフィルムが、常に、一回のみ、2次元のテキスタイル上に宛がわれるように、フィルムのロールを設けることも可能である。かくて、特に高い測定精度が達成される。かような方法が、特に高い質の2次元のテキスタイルが係わりあっているときに、特にそのときに、好都合である。
【0031】
支持体が、真空を、被覆されたテキスタイルと、このテキスタイルの上に被せられたフィルムとの間の中間空間へ供給するための装置を有することは好ましい。この装置は、例えば、支持体に複数の小さな開口部である。これらの開口部は、真空の供給によって、2次元のテキストが不十分にのみ変形されるほどに小さく形成されている。このような開口部が、真空の供給によって引き起こされる変形が、2次元のテキスタイルの万が一の材料欠損から分離されることができるように、設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係わる方法を実施するための本発明に係わる装置を示す。
【図2】本発明に係わる装置の代替の実施の形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、多軸型の織物の形態の、あるいは、強化繊維、例えば炭素繊維製の織物の形態の2次元のテキスタイル10を示す。2次元のテキスタイル10は、多数の繊維束14.1,14.2、....からなる第1の層12を有する。これらの繊維束は、互いに平行に延びており、好ましくは、すべて、図1には見えない同数の炭素繊維を有する。
【0034】
更に、2次元のテキスタイル10は、複数の繊維束からなる第2の層16を有し、これらの繊維束のうちの1つの繊維束18のみが、横断面で認められる。一方で繊維束14および他方で繊維束18は、図示しない繊維角度を形成する。2次元のテキスタイル10は、半製品である。この半製品には、後の加工段階で、マトリクス材、例えば合成樹脂が含浸され、それ故に、ラミネートが形成される。1つの型の中での硬化によって、例えば、航空機の部品が製造される。しかしまた、本発明は、航空機の部品、または他の構造用部品を製造するための方法に関する。
【0035】
2次元のテキスタイル10は、支持体20の上にあって、この支持体は、できる限り滑らかである平坦なベースプレートによって形成されている。検査される2次元のテキスタイル10の周りへ、フィルム22が被せられる。フィルム22は、12μmの厚さを有するポリエチレン・フィルムである。フィルム22は、シールストリップ24によって、支持体20へ押圧され、あるいは、シールテープ24によってベースに貼着される。それ故に、気密な結合が形成される。支持体20とフィルム22と間には、中間空間26が形成される。この中間空間には、2次元のテキスタイル10がある。
【0036】
吸引通路28の形態をとる、真空を供給するための装置によって、中間空間26が、真空ポンプ30に接続されている。真空ポンプは、空気を中間空間26から連続的に吸引する。それ故に、中間空間26内の周囲圧力PUmgebungと内圧Pinnenとの間で、800mbarより大きい差圧Δpが調整される。特には、周囲圧力が約1030mbarの気圧であり、内圧は200mbar未満であり、特に100mbar未満である。今の場合には、Pinnen=50mbarの内圧が加えられる。しかし、圧力が覆い被せられることによって、周囲圧力PUmgebungを増大させることも可能だろう。
【0037】
負圧を中間空間26に加えることによって、フィルム22は、2次元のテキスタイル10にぴったり密着し、このテキスタイルを厚さ方向に圧縮する。これによって、表面プロファイル32が形成される。テキスタイルの厚さの、理想的な形状との局所的な差異または厚さの偏差、あるいは、繊維量の分布の不均等は、フィルム22の表面プロファイル32で著しく際立っている。フィルムを2次元のテキスタイルへ吸引することによって、更に、波形であるが、連続的な表面を有する、しっかりした、もはや滑らない構造が、出来上がる。このような構造は、後続の作業段階で、計測器の形態の表面プロファイル検出装置によって、線状に走査される。その代わりに、視覚的に透明でないフィルム22が用いられる。このフィルムは、適切な後方散乱特性を有する。それ故に、非接触の光学的な測定装置も用いることができる。例えば、フィルムが反射しないことは好都合である。
【0038】
計測器34によって、特に、2次元のテキスタイル10の種々の方法で、フィルム22の表面プロファイル32が今や記録され、図示しないインタフェースを介して、同様に図示しないコンピュータに送られる。コンピュータは、データを処理する。このコンピュータは、例えば、フーリエ変換および/またはフィルタリングを実行することができる。次に、測定された表面プロファイル32から、例えば、繊維層12,16の主な波長または角度偏差に関する情報が算出され、かつ事前設定された限界値と比較される。このことによって、2次元のテキスタイルの品質に関する情報が得られる。幾何学的な形態パラメータ、例えば前記主な波長または角度偏差が、限界値内にあるとき、2次元のテキスタイル10は、良好と判断され、更なる製造のために使用し続けられる。他の場合には、2次元のテキスタイル10は除外される。
【0039】
真空ポンプ30と、吸引通路28を介して真空ポンプを中間空間26へ接続する手段とは、差圧供給装置の一部である。
【0040】
図2は、本発明に係わる装置の第2の実施の形態を示す。この実施の形態では、計測器34の形態をとる表面プロファイル検出装置が、支持体20の方へ動かされるのではなく、2次元のテキスタイル10が、搬送装置36上にあって、例えば、通気性材料からなるコンベヤベルト上にある。搬送装置は、2次元のテキスタイル10を、常に前方へ搬送し、真空ポンプ30の形態をとる差圧供給装置は、真空チャンバ38によって、負圧を、2次元のテキスタイルの表面部分40に常に加える。真空ポンプ30は、側方から流入する空気が除去され、それ故に、真空チャンバ38では200mbar未満の内圧Pinnenが調整されるように、設計されている。
【0041】
真空チャンバ38の反対側には、フィルム被覆装置42がある。フィルム被覆装置は、回転するフィルム22を、被覆ロール44によって、2次元のテキスタイル10へ被覆し、除去ロールによって、2次元のテキスタイル10からフィルムを再度除去する。被覆ロール44と除去ロール46との間には、計測器34の形態をとる表面プロファアイル検出装置が設けられている。表面プロファアイル検出装置は、真空チャンバ38に対し動かず、表面プロファイル32を常に記録する。図2に示されている測定機械は、好ましくは、テキスタイル生産ラインの一部であり、製造される2次元テキスタイル10の100%の検査を可能にする。このことは、2次元のテキスタイル10の製造の最中の誤作動を、非常に短い遅延で認識し、かつ即座に除去することを可能にする。
【符号の説明】
【0042】
10 2次元のテキスタイル
12 第1の層
14 繊維束
16 第2の層
18 繊維束
20 支持体
22 フィルム
24 シールストリップ、シールテープ
26 中間空間
28 吸引通路
30 真空ポンプ
32 表面プロファイル
34 計測器
36 搬送装置
38 真空チャンバ
40 表面部分
42 フィルム被覆装置
44 被覆ロール
46 除去ロール
Umgebung 周囲圧力
internal 内圧
Δp 差圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元のテキスタイル(10)の幾何学的な形態パラメータ、特に波形を測定しおよび/または検査するための方法であって、以下の段階、すなわち、
(a)前記2次元のテキスタイル(10)を、支持体(26)と、可撓性のあるフィルム(22)との間の中間空間(26)に設けること、
(b)前記フィルム(22)が前記2次元のテキスタイル(10)に密着するように、前記中間空間(26)と周囲との間の差圧(Δp)を加えること、および
(c)前記フィルム(22)の表面プロファイル(32)を検出すること、を有する方法。
【請求項2】
前記支持体(20)は、気密であり、前記中間空間(26)と周囲との間の前記差圧(Δp)の供給は、前記中間空間(26)の真空化を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記2次元のテキスタイル(10)は、多軸型の織物、特に半製品であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記表面プロファイル(32)を検出することは、非接触の走査を含むことを特徴とする1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記表面プロファイル(32)を検出することを、前記2次元のテキスタイル(10)の少なくとも1つの繊維配向に沿って、行なうことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記表面プロファイル(32)を検出することを、2次元で行なうことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
以下の段階、すなわち、
(d)層の波形を描く前記表面プロファイル(32)から指標値を算出すること、
(e)この指標値を、目標値同士の間隔と比較すること、を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項7に記載の段階および追加の段階、すなわち、
(f)前記指標値が、事前設定された、目標値同士の間隔の、その範囲内にあるときのみ、前記2次元のテキスタイル(10)を繊維複合部材に組み込むこと、を有することを特徴とする方法。
【請求項9】
(i)前記2次元のテキスタイル(10)を設けるための支持体(20)を、有する、2次元のテキスタイル(10)の波形を測定しおよび/または検査するための装置において、
(ii)フィルム(22)を被覆するためのフィルム被覆装置(42)と、
(iii)前記フィルム(22)が前記2次元のテキスタイル(10)に密着するように、差圧(Δp)を加えるための差圧供給装置と、
(iv)前記フィルム(22)の表面プロファイル(32)を検出するための表面プロファイル検出装置と、を有することを特徴とする装置。
【請求項10】
前記フィルム被覆装置(42)は、回転するフィルム(22)を被覆するために形成されていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記支持体(20)は、真空を、前記被覆されたテキスタイル(10)と、このテキスタイルの上に被せられた前記フィルム(22)との間の前記中間空間(26)へ供給するための装置を有することを特徴とする請求項9または10に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−504225(P2012−504225A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−528187(P2011−528187)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【国際出願番号】PCT/DE2009/001381
【国際公開番号】WO2010/037378
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(311014956)エアバス オペレーションズ ゲーエムベーハー (54)
【氏名又は名称原語表記】Airbus Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Kreetslag 10,21129 Hamburg,Germany
【Fターム(参考)】