説明

2次元放射線および中性子イメージ検出器

【課題】
波長変換された蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る。
【解決手段】
蛍光波長を他の波長にシフトさせる機能を持つ波長シフター板の上面に、横方向および縦方向に決められた間隔で波長シフター板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、縦方向の溝に光ファイバ束を配置し、横方向の溝には、蛍光を反射する反射材を埋め込んだ構造とし、波長シフター板の下面に上記の光ファイバと直交する方向である横方向に光ファイバ束を配置し、上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置し、放射線検出体から発生する蛍光を波長シフター板の波長シフト機能により他の波長に変換し、波長変換された蛍光を波長シフター板の溝内に配置した光ファイバ束と上面あるいは下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線検出体としてシンチレータおよび蛍光体を用いて2次元放射線イメージを得る検出器に関するものであり、短蛍光寿命のシンチレータおよび蛍光体と波長シフトファイバとを組み合わせた検出器を構成することにより、放射線が高い入射率で入った場合でも2次元放射線イメージを高速にかつ位置精度良く検出できることを特長としている。特に中性子コンバータと組み合わせた2次元中性子イメージングも可能としており、このため、原子炉や加速器を用いた中性子散乱あるいは放射光を用いたX線散乱等による物性物理研究や構造生物学の研究、 X線発生装置や加速器を用いた医療X線診断、X線あるいは中性子を用いたオートラジオグラフィなどに使用される。また、加速器を用いた高エネルギー物理研究用の放射線イメージ検出器等の高速処理及び実時間放射線画像検出を用いた動的な事象の把握に使用され、かつ原子炉や核融合炉における中性子を含めた放射線の高機能な分布モニタ装置などにも使用される。
【背景技術】
【0002】
従来より、シンチレータあるいは蛍光体に放射線が入射した際に発生する蛍光を横方向および縦方向に格子状に配置した波長シフトファイバ等の光ファイバ束を利用して検出し放射線の入射位置を決定する方法を用いた2次元放射線イメージ検出器が使用されてきた。シンチレータを用いた検出器の場合、2次元化するのに図31(K. Kuroda他: Nucl. Instr. and Meth. A430(1999)311-320)あるいは図32(片桐政樹:特開2000−187077)に示すように1つのピクセルを1つのシンチレータで構成する必要があるため比較的にサイズの大きなシンチレータを用いることから、位置分解能が5mm程度以上で比較的に大きな面積の2次元放射線イメージ検出器に用いられてきた。
【0003】
一方、蛍光体を用いた場合、薄い蛍光シートを用い横方向および縦方向に格子状に配置した波長シフトファイバ等の光ファイバ束を利用して検出するため、蛍光の検出効率を上げるには光ファイバ束の配置間隔を短くする必要があることから、位置分解能が2mm程度以下で比較的に小さい面積の2次元放射線イメージ検出器に用いられてきた。
【0004】
一方、このような検出器の場合、蛍光寿命の短いシンチレータあるいは蛍光体が使用され、発生する蛍光を横方向および縦方向に格子状に配置した波長シフトファイバ等の光ファイバを利用して検出するため、光検出器に到達する光子は蛍光量の多いZnS:Ag等の一部の蛍光体を除いて数10個以下である。このため、放射線が入射した場合、ポアソン分布にしたがって蛍光が発生することを利用し、横方向および縦方向の波長シフトファイバからの蛍光を光電子増倍管、その信号を増幅する増幅回路、信号のタイミングを取り出す波高弁別回路、一定時間幅パルス発生回路および同時計数回路から構成する信号処理システムにより2次元化を図る方法がK. Kuroda等により考案された(K. Kuroda他: Nucl. Instr. and Meth. A430(1999)311-320)。この方法の場合、 同時検出の一定以上の効率を確保するため横方向および縦方向に対応した信号の同時計数を行う場合に設定する同時計数(コインシデンス)時間は蛍光寿命の2倍程度以上の一定時間取る方法が使用されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、シンチレ−タあるいは蛍光体を用いた2次元放射線イメージ検出器において波長シフトファイバ等の光ファイバを利用して信号検出を行い2次元放射線イメージを求める場合、従来法によっては実装作業が困難であった小さなシンチレータを多数個平面に配置する2次元放射線イメージ検出器の製作を容易にすることを目的とする。
【0006】
蛍光体シートなどを用いる2次元放射線イメージ検出器において実現が困難であった大きなピクセルを用いた2次元放射線イメージ検出器への蛍光体の適用を可能とすることを目的とする。
【0007】
また、シンチレータ及び蛍光体を用いて2次元放射線イメージ検出器を構成する場合、放射線検出体の厚さを厚くすることが困難となり検出効率を上げることが難しい場合でも、両者を組み合わせた構成にすることにより検出効率を改善することを目的とする。
【0008】
さらに、蛍光寿命の短いシンチレータあるいは蛍光体を使用し、発生する蛍光を縦方向および横方向に格子状に配置した波長シフトファイバ等の光ファイバを利用して光子検出する方法を用いた2次元放射線イメージ検出器の高計数率化を目的とする。
【0009】
また、放射線ばかりではなく中性子の2次元中性子イメージ検出を高速に、かつ容易に行うことができる検出装置を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明においては、シンチレータを用いた2次元放射線イメージ検出器の場合、面積の大きなシンチレータ板をもとに、シンチレータ板の横方向及び縦方向に決められたピクセルサイズの間隔で溝を作り、溝にMgOなどの蛍光反射材、あるいは蛍光を反射すると共にガンマ線吸収率の大きい材料、あるいは蛍光を反射すると共に中性子吸収断面積の大きい材料を埋め込むことにより、ピクセル間の蛍光漏洩を防ぐと共に蛍光検出面での蛍光放射効率を向上させ、かつガンマ線あるいは中性子吸収能力の大きい材料を用いることにより、ガンマ線あるいは中性子に対する位置検出性能を向上させる。また、溝に波長シフトファイバ等の光ファイバを配置し、ピクセルの側面からの蛍光読み出しを行うことにより多機能な放射線イメージ検出を可能とする。
【0011】
蛍光体の場合については、蛍光集光用の基板として透明ブロックあるいは波長シフターブロックあるいはシンチレータブロック等を用い、従来法である基板の側面に波長シフトファイバ等の光ファイバを配置し蛍光を検出して2次元放射線イメージ検出器とする。
放射線検出体を蛍光体とシンチレータとを組み合わせて使用でき構造にすることにより、蛍光体の厚さを厚くすることが難しく検出効率を上げることが困難な場合にも検出効率を向上させることが可能とする。
【0012】
さらに、蛍光寿命の短いシンチレータあるいは蛍光体を使用し、発生する蛍光を横方向および縦方向に格子状に配置した波長シフトファイバ等の光ファイバを利用して検出する2次元放射線イメージ検出器において、出力された横方向光子検出信号及び縦方向光子検出信号を基に放射線イメージを構成する場合に、波高弁別器から出力されるタイミングパルス信号を基に、再トリガ可能な状態でパルスを発生する再トリガブルパルス信号発生器を用いて検出媒体の蛍光寿命に対応してポアソン分布に基づいて時間幅が決められ発生するパルス信号を発生させ、この信号を用いて同時計測法をもとに2次元放射線イメージを求めることにより高計数率化を図る。
【0013】
一方、検出体内に中性子を電離可能な放射線に変換する中性子コンバータ材である6Li、10BあるいはGdを一種類以上含み、あるいは混合し、あるいは組み合わせた中性子用検出体を用いることにより、2次元中性子イメージを得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以上に説明したように構成されているので以下に記載されるような効果を奏する。従来には多数のシンチレータブロックを配置するため製作するのに手間がかかりかつ困難であったシンチレータを用いた2次元放射線イメージ検出器を、本発明により面積の大きなシンチレータ板をもとに容易に製作ができるようなるため、コストの安い大面積の2次元放射線イメージ検出器を製作することができる。
【0015】
蛍光反射材であると共にガンマ線あるいは中性子の吸収材である材料を検出体の側面に配置することにより、ガンマ線あるいは中性子に対する位置検出性能を向上させた放射線イメージ検出器あるいは中性子イメージ検出器が実現できる。
【0016】
蛍光体と透明ブロックあるいは波長シフターブロックあるいはシンチレータブロックなどを組み合わせて用いることにより、従来法ではできなかった比較的大きな面積のピクセルをもつ大面積の蛍光体を用いた2次元放射線イメージ検出器を実現することができる。
【0017】
さらに、蛍光体とシンチレータとを組み合わせて使用できる構造にすることにより、検出効率を向上させたあるいは多機能な放射線イメージ検出器が実現できる。
一方、横方向光子検出信号及び縦方向光子検出信号を基に同時計測法により放射線イメージを得る検出器の場合、同時計測に用いるパルス信号として再トリガブルパルス信号発生器を用いて検出媒体の蛍光寿命に対応してポアソン分布に基づいて時間幅が決められ発生するパルス信号を用いることにより、高計数率に対応した2次元放射線イメージ検出器を実現できる。
【0018】
シンチレータあるいは蛍光体を用いた上記放射線イメージ検出器と中性子コンバータ材とを組み合わせて使用することにより、2次元中性子イメージ検出器を実現できる。シンチレータ及び蛍光体の厚さとしてはあまり厚くないものが位置分解能の点から良いため、X線イメージ検出器あるいは2次元中性子イメージ検出器として最適なものを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】シンチレータ板を素材とし、シンチレータ板の横方向と縦方向の上面に作製された溝に蛍光反射材を埋め込んで区切ることによって作られた検出ピクセル群から構成される2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図2】シンチレータ板を素材とし、シンチレータ板の横方向と縦方向に上面と下面とに交互に作製された溝に蛍光反射材を埋め込んで区切ることによって作られた検出ピクセル群から構成される2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図3】シンチレータ板を素材とし、シンチレータ板の横方向と縦方向の上面に作製された溝に放射線吸収材を埋め込んで区切ることによって作られた検出ピクセル群から構成される2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図4】中性子コンバータを含んだシンチレータ板を素材とし、シンチレータ板の横方向と縦方向の上面に作製された溝に中性子吸収材を埋め込んで区切ることによって作られた検出ピクセル群から構成される2次元中性子イメージ検出器の実施例である。
【図5】シンチレータ板を素材とし、シンチレータ板の横方向と縦方向の上面に作製された溝に配置した波長シフトファイバ束とシンチレータ板の下面に配置した波長シフトファイバ束を用いて、シンチレータから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図6】シンチレータ板を素材とし、シンチレータ板の横方向と縦方向の上面に作製された溝に配置した波長シフトファイバ束とシンチレータ板の下面に配置した波長シフトファイバ束を用い、シンチレータ板の上面に配置した放射線検出体とシンチレータから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図7】Liガラスシンチレータの上面に配置した蛍光体Y2SiO5:Ceのα線による蛍光をLiガラスシンチレータを介してその側面で蛍光スペクトルを検出した例(上図)である。比較のため、Liガラスシンチレータの背面で測定した例を下図に示す。
【図8】蛍光集光体である石英ガラス板を素材とし、石英ガラス板の縦方向の上面に作製された溝に配置した波長シフトファイバ束とシンチレータ板の下面に配置した光ファイバ束を用いて、石英ガラスから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図9】石英ガラスの上面に配置した蛍光体Y2SiO5:Ceのα線による蛍光を石英ガラスを介してその側面で蛍光スペクトルを検出した例である。
【図10】蛍光集光体である波長シフター板を素材とし、波長シフター板の縦方向の上面に作製された溝に配置した波長シフトファイバ束とシンチレータ板の下面に配置した波長シフトファイバ束を用いて、波長シフターにより波長変換された蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図11】波長シフターの上面に配置した蛍光体Y2SiO5:Ceのα線による蛍光を波長シフターを介してその側面で蛍光スペクトルを検出した例である。
【図12】シンチレータ板を素材とし、シンチレータ板の横方向と縦方向に上面と下面とに交互に溝を作製し、縦方向の溝に配置した波長シフトファイバ束とシンチレータ板の下面に配置した波長シフトファイバ束を用いて、シンチレータから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図13】平面に並べた矩形のシンチレータブロックの上面と下面の横方向に配置した波長シフトファイバ束とシンチレータブロックの側面の縦方向に配置した波長シフトファイバ束を用いて、シンチレータから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図14】平面に並べた矩形のシンチレータブロックの縦方向の相対する側面に配置した波長シフトファイバ束とシンチレータブロックの下面の横方向に配置した波長シフトファイバ束を用いて、シンチレータから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図15】平面に並べた矩形のシンチレータブロックの縦方向の相対する側面に配置した波長シフトファイバ束とシンチレータブロックの下面の横方向に配置した波長シフトファイバ束を用いて、シンチレータブロックの上面に配置した放射線検出体とシンチレータから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図16】平面に並べた矩形の蛍光集光体である石英ガラスブロックの縦方向の相対する側面に配置した波長シフトファイバ束と石英ガラスブロックの下面の横方向に配置した波長シフトファイバ束を用いて、石英ガラスブロックの上面に配置した放射線検出体から放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図17】平面に並べた矩形の蛍光集光体である波長シフターブロックの縦方向の相対する側面に配置した波長シフトファイバ束と波長シフターブロックの下面の横方向に配置した波長シフトファイバ束を用いて、波長シフターブロックの上面に配置した放射線検出体から放出され波長シフターブロックにより波長変換された蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図18】平面に並べた矩形のシンチレータブロックの縦方向の相対する側面と横方向の相対する側面に配置した波長シフトファイバ束を用いて、シンチレータブロックの上面と下面に配置された放射線検出体とシンチレータブロックから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図19】平面に並べた矩形の蛍光集光体である石英ガラスブロックの縦方向の相対する側面と横方向の相対する側面に配置した波長シフトファイバ束を用いて、石英ガラスブロックの上面と下面に配置された放射線検出体から放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図20】平面に並べた矩形の蛍光集光体である波長シフターブロックの縦方向の相対する側面と横方向の相対する側面に配置した波長シフトファイバ束を用いて、波長シフターブロックの上面と下面に配置された放射線検出体から放出され波長シフターブロックにより波長変換された蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図21】縦方向及び横方向の矩形のブロックの相対する側面に波長シフトファイバ束を配置する際に、1つおきに縦方向及び横方向の波長シフトファイバ束を上下にクロスさせるように配置した実施例である。
【図22】中性子コンバータを含んだシンチレータ板を素材とし、シンチレータ板の縦方向の上面に作製された溝に配置した波長シフトファイバ束とシンチレータ板の下面に配置した波長シフトファイバ束を用い、シンチレータ板の上面に配置した放射線検出体とシンチレータから放出される蛍光を検出することにより、中性子の2次元イメージを得る2次元中性子イメージ検出器の実施例である。
【図23】格子状に区切られた反射体ブロックを内部に配置した、液体シンチレータを満たした検出容器の上部と下部に直交するように配置された波長シフトファイバ束を用いて、格子状に区切られた液体シンチレータから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図24】縦方向と横方向に直交するように波長シフトファイバ束を格子状にした光ファイバ検出ブロックを液体シンチレータを満たした検出容器の高さ方向に1個配置し、光ファイバ検出ブロックにより格子状に区切られた液体シンチレータから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図25】縦方向と横方向に直交するように波長シフトファイバ束を格子状にした光ファイバ検出ブロックを液体シンチレータを満たした検出容器の高さ方向に1個配置し、光ファイバ検出ブロックにより格子状に区切られた検出容器の上面と下面に配置した放射線検出体と液体シンチレータから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の実施例である。
【図26】液体シンチレータを満たした検出容器にバルブ、配管、及びポンプから構成される液体シンチレータ循環機構を付加した構造の2次元放射線イメージ検出器の例である。
【図27】縦方向と横方向に直交するように波長シフトファイバ束を格子状にした光ファイバ検出ブロックを中性子コンバータを含んだ液体シンチレータを満たした検出容器の高さ方向に1個配置し、光ファイバ検出ブロックにより格子状に区切られた検出容器の上面と下面に配置した中性子検出体と液体シンチレータから放出される蛍光を検出することにより、中性子の2次元イメージを得る2次元中性子イメージ検出器の実施例である。
【図28】シンチレータ板を素材とし、シンチレータ板の横方向と縦方向の上面に作製された溝に蛍光反射材を埋め込んで区切ることによって作られた検出ピクセル群から構成される2次元放射線イメージ検出器の蛍光検出用検出器としてストリークカメラを用いた実施例である。
【図29】従来のパルス発生器を用いた一定時間幅パルス発生法と本発明の再トリガ可能な再トリガブルパルス信号発生器を用いてポアソン分布に基づいて時間幅が決められパルス信号を発生する方法の比較図である。
【図30】中性子コンバータを含んだシンチレータ板を素材とし、シンチレータ板の縦方向の上面に作製された溝に配置した波長シフトファイバ束とシンチレータ板の下面に配置した波長シフトファイバ束を用い、シンチレータ板の上面に配置した中性子検出体とシンチレータから放出される蛍光をもとに作り出されるパルス信号を、パラレル信号入力回路と信号収録・解析装置を用いて時系列信号として収録し、同時計測法に基づき解析し、中性子の2次元イメージを得る2次元中性子イメージ検出器の実施例である。
【図31】シンチレータブロック上面の縦方向と下面の横方向に直交するように配置した波長シフトファイバ束を用いて、シンチレータブロックから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の従来方法の例である。
【図32】シンチレータブロックの縦方向及び横方向の相対する側面に直交するように配置した波長シフトファイバ束を用いて、シンチレータブロックから放出される蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得る2次元放射線イメージ検出器の従来方法の例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
シンチレータを用いた2次元放射線イメージ検出器において、従来法では多数のシンチレータブロックを配置するため製作するのに手間がかかっていたものを面積の大きなシンチレータ板をもとに溝を入れることにより容易に製作ができるようなる。蛍光反射材であると共にガンマ線あるいは中性子吸収材を側面に配置する方法を用いることにより、蛍光検出面での蛍光放射効率を上げると同時にガンマ線あるいは中性子に対する位置検出性能を向上させることができる。また、ピクセルの側面からの蛍光読み出しを行うことにより多機能な放射線イメージ検出が可能となる。
【0021】
蛍光体を用いた2次元放射線イメージ検出器において、蛍光読み出し用の基板として透明基板あるいは波長シフター基板あるいはシンチレータ板等を用いることにより、従来法ではできなかった比較的大きな面積のピクセルをもつ大面積2次元放射線イメージ検出器を可能とすることができる。
【0022】
さらに、蛍光体とシンチレータとを組み合わせて使用できる構造にすることにより、検出効率を向上させたあるいは多機能な放射線イメージ検出が可能となる。一方、横方向光子検出信号及び縦方向光子検出信号を基に放射線イメージを構成する場合に、波高弁別器から出力されるタイミングパルス信号を基に再トリガ可能な状態でパルスを発生する再トリガブルパルス信号発生器を用いて検出媒体の蛍光寿命に対応してポアソン分布に基づいて時間幅が決められ発生するパルス信号を発生させ、この信号を用いて同時計測法をもとに2次元放射線イメージを求める。従来法の一定時間幅を発生するパルス発生器を用いるより、同時計測に用いるパルス時間幅を短くすることができるため、高計数率化を図ることができる。
【0023】
シンチレータあるいは蛍光体と中性子コンバータ材とを組み合わせて使用することにより、2次元中性子イメージを得ることができる。
(実施例1)
実施例1として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図1を参照して述べる。本発明は、放射線が入射すると蛍光を発生するシンチレータ板の上面に、横方向および縦方向に決められた間隔でシンチレータ板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、この溝に蛍光を反射する反射材を埋め込むことにより、横方向と縦方向の溝で区切ることによって作られた検出ピクセル群を構成し、検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0024】
2次元放射線イメージ検出体の素材として使用されるシンチレータ板としては、従来よりX線あるいはα線等の電離放射線の検出媒体として使用されてきた米国バイクロン社製プラスチックシンチレータBC−412などが使用できる。蛍光寿命は3.3nsであり、蛍光波長は434nmである。実施例として、シンチレータ板の大きさを横幅100mm、縦幅100mmそして厚さ2mmとする。ダイヤモンドカッターなどを用いてこのシンチレータ板に横方向に2mm間隔で、縦方向に2mm間隔で幅0.5mmそして深さ1.5mmの溝を作る。この溝に、従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを埋め込むことにより、横方向と縦方向の溝に区切られた検出ピクセル群を構成する。シンチレータ板の厚さの半分以上の深さを形成することにより、検出ピクセル間の蛍光の漏洩による位置分解能の劣化はほとんどない。
【0025】
本発明の2次元放射線イメージ検出体は、従来方法である検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を、2次元放射線イメージ検出体の上面に横方向の光ファイバ束をそして下面に縦方向の光ファイバ束に格子状に配置し、同時計数法を適用することにより2次元放射線イメージ検出器が構成できる。光ファイバ束としてはプラスチックシンチレータBC−412の蛍光波長にあった米国バイクロン社製波長シフトファイバBCF−92などを使用することができる。波長シフトファイバによる蛍光検出効率を上げるためには、波長シフトファイバの光検出器に接続しない端面に蛍光反射材を配置する。この方法により数10%以上の検出効率の向上が得られる。また、図1では波長シフトファイバをピクセル毎に束として配置しているが、連続的に配置しても問題はない。この場合、検出ピクセル間にある波長シフトファイバを間引いて光検出器に接続しない方法を採ることも可能である。また。波長シフトファイバでの蛍光検出を多少上げる方法として波長シフトファイバ背面に蛍光反射材を置く方法も使用できる。
【0026】
なお、2次元放射線イメージ検出体の素材として使用されるシンチレータ板としては、ガラスシンチレータ、CsIシンチレータ、YAlO3:Ceシンチレータ、GSOシンチレータなどが使用できる。また、光ファイバ束として、光ファイバの側面の一部を削り取り、側面から光を入れることができる構成とした側面入射型光ファイバを用いることができる。
(実施例2)
実施例2として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図2を参照して述べる。本発明は、放射線が入射すると蛍光を発生するシンチレータ板の上面および下面に、横方向について上面と下面交互に、および縦方向について上面と下面交互に、決められた間隔でシンチレータ板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、この溝に蛍光を反射する反射材を埋め込むことにより、横方向と縦方向の溝で区切ることによって作られた検出ピクセル群を構成し、検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0027】
本実施例としては、実施例1と同じ2次元放射線イメージ検出体であるプラスチックシンチレータBC−412を用いることができ、シンチレータ板の大きさを横幅100mm、縦幅100mmそして厚さ2mmとする。ダイヤモンドカッターなどを用いてこのシンチレータ板の上面及び下面に、横方向について上面と下面交互に2mm間隔で、縦方向について上面と下面交互に2mm間隔で幅0.5mmそして深さ1.5mmの溝を作る。この溝に、従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを埋め込むことにより、上面と下面交互に作られた横方向と縦方向の溝に区切られた検出ピクセル群を構成する。本発明の2次元放射線イメージ検出体は、実施例1と同様の従来方法により2次元放射線イメージ検出器として構成できる。
(実施例3)
実施例3として、本発明による2次元中性子イメージ検出器について図3を参照して述べる。本発明は、上記実施例1あるいは2と同じ方法で2次元放射線イメージ検出体を作り、反射材として放射線遮蔽効果の大きな材料を用いて、検出ピクセル間に放射線遮蔽する機能を付加し放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0028】
2次元放射線イメージ検出体の溝に元素番号40以上の元素でありかつ白色で蛍光反射材にもなる銀粉末などを埋め込むことにより、検出ピクセル間を放射線遮蔽しコリメート機能を持たせ位置検出性能の向上を図ることができる。
(実施例4)
実施例4として、本発明による2次元中性子イメージ検出器について図4を参照して述べる。本発明は、シンチレータ板として少なくとも中性子コンバータである6Li、10B、あるいはGdを含んだ材料を用い、このシンチレータ板を基に上記実施例1あるいは2と同じ方法で2次元放射線イメージ検出体を作り、反射材として中性子遮蔽効果の大きな材料を用いて、検出ピクセル間に中性子遮蔽する機能を付加し中性子の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0029】
本実施例では、シンチレータ板として、中性子コンバータである6Liを6.6%含む6Liガラスシンチレータ(バイクロン社製GS20)を用いる。蛍光寿命は60nsであり、蛍光波長は390nmである。この2次元放射線イメージ検出体の溝に反射材として中性子吸収断面積が大きい元素を含んだ材料でありかつ白色で蛍光反射材にもなるGd23を埋め込むことにより、検出ピクセル間を中性子遮蔽しコリメート機能を持たせ位置検出性能の向上を図ることができる。
(実施例5)
実施例5として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図5を参照して述べる。本発明は、放射線が入射すると蛍光を発生するシンチレータ板の上面に、横方向および縦方向に決められた間隔でシンチレータ板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、縦方向の溝に光ファイバ束を配置し、横方向の溝には蛍光を反射する反射材を埋め込んだ構造とし、シンチレータ板の上面あるいは下面あるいは上面と下面に上記の光ファイバと直交する方向である横方向に光ファイバ束を配置し、横方向と縦方向の溝で区切ることによって作られた検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光をシンチレータ板の溝内に配置した光ファイバ束と上面あるいは下面あるいは上面と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0030】
2次元放射線イメージ検出体の素材として使用されるシンチレータ板としては、米国バイクロン社製プラスチックシンチレータBC−412などが使用できる。蛍光寿命は3.3nsであり、蛍光波長は434nmである。実施例として、シンチレータ板の大きさを横幅200mm、縦幅200mmそして厚さ2mmとする。ダイヤモンドカッターなどを用いてこのシンチレータ板に横方向に5mm間隔で、縦方向に5mm間隔で幅0.6mmそして深さ1.5mmの溝を作る。横方向の溝に太さ0.5mmの光ファイバを3本を配置し、縦方向の溝には、蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを埋め込む。横方向と縦方向の溝に区切られた検出ピクセルを構成する。溝内に配置した光ファイバ束と上面に太さ0.5mmの光ファイバを10本を配置した太さ光ファイバ束により検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。光ファイバとして波長シフトファイバであるBCF−92などを使用することができる。
(実施例6)
実施例6として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図6を参照して述べる。本発明は、放射線が入射すると蛍光を発生するシンチレータ板の上面に、横方向および縦方向に決められた間隔でシンチレータ板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、縦方向の溝に光ファイバ束を配置し、横方向の溝には蛍光を反射する反射材を埋め込んだ構造とし、シンチレータ板の下面に上記の光ファイバと直交する方向の横方向に光ファイバ束を配置し、上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置し、この放射線検出体から発生する蛍光を横方向と縦方向の溝で区切ることによって作られた検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光と放射線検出体から発生する蛍光をシンチレータ板の溝内に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0031】
本実施例では、2次元放射線イメージ検出体の素材として使用されるシンチレータ板として、Liガラスシンチレータを用いる。蛍光寿命は60nsであり、蛍光波長は390nmである。実施例として、シンチレータ板の大きさを横幅200mm、縦幅200mmそして厚さ2mmとする。ダイヤモンドカッターなどを用いてこのシンチレータ板に横方向に5mm間隔で、縦方向に5mm間隔で幅0.6mmそして深さ1.5mmの溝を作る。横方向の溝に太さ0.5mmの光ファイバを3本を配置し、縦方向の溝には、蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを埋め込む。横方向と縦方向の溝に区切られた検出ピクセルを構成する。
【0032】
検出体としては、Liガラスシンチレータの蛍光波長である390nmと近い蛍光波長の蛍光体Y2SiO5:Ceなどが使用できる。蛍光寿命は40nsであり、蛍光波長は410nmである。5mmx5mmのサイズで厚さ2mmのLiガラスシンチレータの上面にY2SiO5:Ceの粉末を塗り、241Amアルファ線源を用いて約5MeVのアルファ線を放射線検出体に照射した時Liガラスシンチレータの側面に放射される蛍光の蛍光スペクトルを図7に示す。シンチレータ側面で検出された蛍光の強度は、シンチレータ背面で検出された強度とあまり差はない。この結果、Y2SiO5:Ceの蛍光がLiガラスシンチレータを介してその側面で蛍光を検出できることが確認されている。
【0033】
従って、溝内に配置した光ファイバ束と上面に太さ0.5mmの光ファイバを10本を配置した太さ光ファイバ束により検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光と放射線検出体に入射した放射線の蛍光とを検出することにより、放射線の2次元イメージを効率良く得ることができる。なお、光ファイバとしては410nmの波長にも感度がある波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−92などを使用することができる。
【0034】
また、実施例では検出媒体として粉末状の蛍光体を用いたが薄いシンチレータなどでも構成することができる。また、図6では放射線検出体が検出ピクセル毎に配置されているが、シート状にした放射線検出体をシンチレータ板の上部全体に配置しても同様の結果が得られる。配置する際光学的グリースなどを用いて密着度を高めればさらに効果的である。
(実施例7)
実施例7として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図8を参照して述べる。本発明は、蛍光波長を十分透過させる透過率を有する蛍光集光板の上面に、横方向および縦方向に決められた間隔でシンチレータ板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、縦方向の溝に光ファイバ束を配置し、横方向の溝には、蛍光を反射する反射材を埋め込んだ構造とし、蛍光集光板の下面の上記の光ファイバ束と直交する方向である横方向に光ファイバ束を配置し、上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を置き、放射線検出体から発生する蛍光を横方向と縦方向の溝で区切ることによって作られた検出ピクセル内に入ってくる放射線検出体から発生する蛍光を蛍光集光板の溝内に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0035】
本発明は、2次元放射線イメージ検出器の検出媒体として蛍光体、特に粉末上の蛍光体を用いる場合に使用される。たとえば、蛍光体としてはX線、β線あるいはα線の検出に使用されるBaFBr:Eu2+、Y2SiO5:Ce、YAlO3:Ce、ZnS:Agなどが使用できる。実施例では、Y2SiO5:Ceを蛍光体として用いる。蛍光寿命は40nsであり、蛍光波長は410nmである。蛍光波長を十分透過させる透過率を有する蛍光集光板としては、石英ガラスを用いる。石英ガラスは300nm以上の波長に対して十分な透過性能を有している。実施例として、蛍光集光板の大きさを横幅200mm、縦幅200mmそして厚さ2mmとする。ダイヤモンドカッターなどを用いてこのシンチレータ板に横方向に5mm間隔で、縦方向に5mm間隔で幅0.6mmそして深さ1.5mmの溝を作る。横方向の溝に太さ0.5mmの光ファイバを3本を配置し、縦方向の溝には、蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを埋め込む。この結果、横方向と縦方向の溝に区切られたY2SiO5:Ceを放射線検出媒体とした検出ピクセルを構成することができる。
【0036】
5mmx5mmのサイズで厚さ2mmの蛍光集光板である石英ガラスの上面にY2SiO5:Ceの粉末を塗り、241Amアルファ線源を用いて約5MeVのアルファ線を放射線検出体に照射した時石英ガラスの側面に放射される蛍光の蛍光スペクトルを図9に示す。この結果、Y2SiO5:Ceから発生する蛍光を石英ガラスを介してその側面で蛍光を検出できることがわかった。
【0037】
従って、溝内に配置した光ファイバ束と上面に太さ0.5mmの光ファイバを10本を配置した太さ光ファイバ束により検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。なお、光ファイバとしては410nmに感度のある波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−92などを使用することができる。
【0038】
なお、実施例では検出媒体として粉末状の蛍光体を用いたが薄いシンチレータなどでも構成することができる。
(実施例8)
実施例8として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図10を参照して述べる。 本発明は、蛍光波長を他の波長にシフトさせる機能を持つ波長シフター板の上面に、横方向および縦方向に決められた間隔でシンチレータ板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、縦方向の溝に光ファイバ束を配置し、横方向の溝には、蛍光を反射する反射材を埋め込んだ構造とし、波長シフター板の下面に上記の光ファイバと直交する方向である横方向に光ファイバ束を配置し、上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を置き、放射線検出体から発生する蛍光を波長シフター板の波長シフト機能により他の波長に変換し、波長変換された蛍光を波長シフター板の溝内に配置した光ファイバ束と上面あるいは下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。本発明は、2次元放射線イメージ検出器の検出媒体として蛍光体、特に粉末上の蛍光体を用いる場合に使用される。たとえば、蛍光体としてはX線、β線あるいはα線の検出に使用されるBaFBr:Eu2+、Y2SiO5:Ce、YAlO3:Ce、ZnS:Agなどが使用できる。また、蛍光波長を他の波長にシフトさせる機能を持つ波長シフター板としては、プラスチック波長シフターなどを用いることができる。本実施例では、Y2SiO5:Ceを蛍光体として用いる。蛍光寿命は40nsであり、蛍光波長は410nmである。また、波長シフター板としては米国バイクロン社製プラスチック波長シフターBC−484を用いる。実施例として、波長シフター板の大きさを横幅200mm、縦幅200mmそして厚さ2mmとする。ダイヤモンドカッターなどを用いてこの波長シフター板に横方向に5mm間隔で、縦方向に5mm間隔で幅0.6mmそして深さ1.5mmの溝を作る。横方向の溝に太さ0.5mmの光ファイバを3本を配置し、縦方向の溝には、蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを埋め込む。この結果、横方向と縦方向の溝に区切られたY2SiO5:Ceを放射線検出媒体とした検出ピクセルを構成することができる。
【0039】
5mmx5mmのサイズで厚さ2mmの波長シフター板の上面にY2SiO5:Ceの粉末を塗り、241Amアルファ線源を用いて約5MeVのアルファ線を放射線検出体に照射した時波長シフター板の側面に放射される波長シフトされた蛍光の蛍光スペクトルを図11に示す。410nmを中心波長とする蛍光が434nmの蛍光に変換されたのがわかる。この結果、Y2SiO5:Ceから発生する蛍光を波長シフター板を介してその側面で蛍光を検出できることがわかった。
【0040】
従って、溝内に配置した光ファイバ束と上面に太さ0.5mmの光ファイバを10本を配置した太さ光ファイバ束により検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。なお、光ファイバとしては434nmに感度のある波長シフトファイバである米国クラレ社製Y−7あるいはY−11などを使用することができる。
【0041】
なお、実施例では検出媒体として粉末状の蛍光体を用いたが薄いシンチレータなどでも構成することができる。
(実施例9)
実施例9として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図12を参照して述べる。本発明は上記実施例6−8において、シンチレータ板、蛍光集光板あるいは波長シフター板の上面及び下面に、横方向について上面と下面交互に、および縦方向について上面と下面交互に、決められた間隔でシンチレータ板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、この溝に蛍光を反射する反射材を埋め込むことにより、横方向と縦方向の溝で区切ることによって作られた検出ピクセル群を構成し、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0042】
本実施例では、上記実施例8をもとに波長シフター板のピクセルの構成方法を波長シフター板の上面と下面に、横方向について交互に、および縦方向についても交互に、決められた間隔でシンチレータ板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、この溝に蛍光を反射する反射材を埋め込む方法に変えて、横方向と縦方向の溝で区切ることによって作られた検出ピクセル群を構成する。波長シフター板、放射線検出体及び波長シフトファイバなどは上記実施例8と同じ材料および構成を用いることができる。
(実施例10)
実施例10として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図13を参照して述べる。本発明は、矩形のシンチレータブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形のシンチレータブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、横方向の相対する側面に反射材を配置し、かつシンチレータブロックの上面に反射材を配置すると共に、平面に並べたシンチレータブロックの下面に側面に配置した光ファイバ束と直交する方向である横方向に光ファイバ束を配置した構造とし、各矩形のシンチレータブロックに入射した放射線の蛍光をシンチレータブロックの側面に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0043】
本実施例では、2次元放射線イメージ検出体の素材として使用される矩形のシンチレータとして、Liガラスシンチレータを用いる。蛍光寿命は60nsであり、蛍光波長は390nmである。実施例として、1つのシンチレータブロックの大きさを横幅5mm、縦幅5mmの正方形そして厚さ2mmとする。このシンチレータブロックを横方向に10個及び縦方向に10個それぞれ平面に並べる。シンチレータブロックの縦方向の相対する側面に太さ0.5mmの光ファイバを4本を配置し、横方向の側面には、蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを配置する。また、シンチレータブロックの上面にも蛍光反射材を配置する。1つのシンチレータブロックで検出ピクセルを構成する。シンチレータブロック下面に横方向に太さ0.5mmの光ファイバを10本を配置し、この光ファイバ束と上記シンチレータブロック側面に横方向に配置した光ファイバ束とを用い検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。なお、光ファイバとしては390nmの波長にも感度がある波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−92などを使用することができる。
(実施例11)
実施例11として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図14を参照して述べる。本発明は、矩形のシンチレータブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形のシンチレータブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、横方向の相対する側面に反射材を配置し、平面に並べたシンチレータブロックの上面及び下面に側面に配置した光ファイバ束と直交する方向である横方向に、光ファイバ束を配置した構造とし、各矩形のシンチレータブロックに入射した放射線の蛍光をシンチレータブロックの側面に配置した光ファイバ束と上面及び下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。本実施例は、上記実施例10においてシンチレータブロック上面に配置した反射材の代わりに、シンチレータブロック上面に横方向に太さ0.5mmの光ファイバを10本を配置することにより実現できる。この光ファイバ束とシンチレータブロック下面に横方向に配置した太さ0.5mmの光ファイバ10本とを合体し縦方向の光ファイバ束とし、シンチレータブロック側面に横方向に配置した光ファイバ束とを用いて検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。
(実施例12)
実施例12として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図15を参照して述べる。本発明は、矩形のシンチレータブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形のシンチレータブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、横方向の相対する側面に反射材を配置し、かつシンチレータブロックの上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置すると共に、平面に並べたシンチレータブロックの下面に側面に配置した光ファイバ束と直交する方向に、光ファイバ束を配置した構造とし、各矩形のシンチレータブロックに入射した放射線の蛍光と放射線検出体から発生する蛍光をシンチレータブロックの側面に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0044】
本実施例では、2次元放射線イメージ検出体の素材として使用される矩形のシンチレータブロックとして、Liガラスシンチレータを用いる。蛍光寿命は60nsであり、蛍光波長は390nmである。実施例として、1つのシンチレータブロックの大きさを横幅5mm、縦幅5mmの正方形そして厚さ2mmとする。このシンチレータブロックを横方向に10個及び縦方向に10個それぞれ平面に並べる。シンチレータブロックの縦方向の相対する側面に太さ0.5mmの光ファイバを4本を配置し、横方向の側面には、蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを配置する。また、シンチレータブロックの上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置する。たとえば、放射線検出体としては、X線、β線あるいはα線の検出に使用される蛍光体でありかつLiガラスシンチレータの蛍光波長に近い蛍光波長をもつBaFBr:Eu2+、Y2SiO5:Ce、YAlO3:Ceなどの粉末を使用できる。このような構造の1つのシンチレータブロックで検出ピクセルを構成する。シンチレータブロック下面に横方向に太さ0.5mmの光ファイバを4本を配置し、この光ファイバ束と上記シンチレータブロック側面に横方向に配置した光ファイバ束とを用い検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。なお、光ファイバとしては390nmの波長にも感度がある波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−92などを使用することができる。
(実施例13)
実施例13として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図16を参照して述べる。本発明は、蛍光波長を十分透過させる透過率を有する矩形の蛍光集光ブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形の蛍光集光ブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、横方向の相対する側面に反射材を配置し、かつ蛍光集光ブロックの上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置すると共に、平面に並べた蛍光集光ブロックの下面に側面に配置した光ファイバ束と直交する方向である横方向に光ファイバ束を配置した構造とし、各矩形の蛍光集光ブロックに配置した放射線検出体から発生する蛍光を蛍光集光ブロックの側面に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0045】
本実施例では、2次元放射線イメージ検出体の蛍光集光素材として使用される矩形の蛍光集光ブロックとして、石英ガラスを用いる。石英ガラスは300nm以上の波長に対して十分な透過性能を有している。実施例として、1つの蛍光集光ブロックの大きさを横幅5mm、縦幅5mmの正方形そして厚さ2mmとする。この蛍光集光ブロックを横方向に10個及び縦方向に10個それぞれ平面に並べる。シンチレータの縦方向の相対する側面に太さ0.5mmの光ファイバを4本を配置し、横方向の側面には、蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを配置する。そして、蛍光集光ブロックの上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置する。たとえば、放射線検出体としては、X線、β線あるいはα線の検出に使用される蛍光体であるBaFBr:Eu2+、Y2SiO5:Ce、YAlO3:Ce、ZnS:Agなどの粉末を使用できる。このような構造の1つのシンチレータで検出ピクセルを構成する。蛍光集光ブロック下面に横方向に太さ0.5mmの光ファイバを10本を配置し、この光ファイバ束と上記シンチレータ側面に横方向に配置した光ファイバ束とを用い検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。なお、光ファイバとしては390nmから450nmの波長に感度がある波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−92あるいはクラレ社製Y−11などを蛍光波長に応じて使用することができる。
(実施例14)
実施例14として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図17を参照して述べる。本発明は、蛍光波長を他の波長にシフトさせる機能を持つ矩形の波長シフターブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形の波長シフターブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、横方向の相対する側面に反射材を配置し、かつ波長シフターブロックの上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置すると共に、平面に並べた波長シフターブロックの下面に側面に配置した光ファイバ束と直交する方向に、光ファイバ束を配置した構造とし、各矩形の波長シフターブロックに配置した放射線検出体から発生する蛍光を波長シフターブロックの波長シフト機能により他の波長に変換し、波長変換された蛍光を波長シフターブロックの側面に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0046】
本実施例では、2次元放射線イメージ検出体の蛍光集光素材として使用される矩形の波長シフターブロックとして、プラスチック波長シフターである米国バイクロン社製プラスチック波長シフターBC−484を用いる。このプラスチック波長シフターは370nmの波長に対して十分な効率よく434nmの蛍光に波長変換することができる。実施例として、1つの波長シフターブロックの大きさを横幅5mm、縦幅5mmの正方形そして厚さ2mmとする。この波長シフターブロックを横方向に10個及び縦方向に10個それぞれ平面に並べる。波長シフターブロックの縦方向の相対する側面に太さ0.5mmの光ファイバを4本を配置し、横方向の側面には、蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを配置する。そして、波長シフターブロックの上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置する。この時、効率良く波長シフトするため、蛍光波長が370nmから400nmの蛍光体が使用できる。たとえば、放射線検出体としては、X線、β線あるいはα線の検出に使用される蛍光体であるYAlO3:Ceなどの粉末を使用できる。この蛍光体の蛍光寿命は30nsであり、蛍光波長は370nmである。このような構造の1つのプラスチック波長シフターで検出ピクセルを構成する。波長シフターブロックの下面に横方向に太さ0.5mmの光ファイバを10本を配置し、この光ファイバ束と上記シンチレータ側面に横方向に配置した光ファイバ束とを用い検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。光ファイバとしては434nmに感度のある波長シフトファイバである米国クラレ社製Y−7あるいはY−11などを使用する
ことができる。
(実施例15)
実施例15として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図18を参照して述べる。本発明は、矩形のシンチレータブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形のシンチレータブロックの相対する側面に光ファイバ束を装着すると共に、横方向の各矩形のシンチレータブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、かつシンチレータブロックの上面あるいは下面あるいは上面と下面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置した構造とし、各矩形のシンチレータブロックに入射した放射線の蛍光と上面あるいは下面あるいは上面と下面に配置した放射線検出体から発生する蛍光をシンチレータブロックの縦方向の側面と横方向の側面に配置した光ファイバ束とにより検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0047】
本実施例では、2次元放射線イメージ検出体の素材として使用される矩形のシンチレータとして、Liガラスシンチレータを用いる。蛍光寿命は60nsであり、蛍光波長は390nmである。実施例として、1つのシンチレータブロックの大きさを横幅5mm、縦幅5mmの正方形そして厚さ2mmとする。このシンチレータブロックを横方向に10個及び縦方向に10個それぞれ平面に並べる。シンチレータブロックの横方向の相対する側面に太さ0.5mmの光ファイバを2本を配置すると共に縦方向の相対する側面に太さ0.5mmの光ファイバを2本を配置する。シンチレータブロックの上面には、シンチレータブロックの下面に蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを配置する。本実施れでは、放射線検出体をシンチレータブロック上面に配置したが、下面あるいは上面及び下面に配置することもできる。このような構造の1つのシンチレータブロックで検出ピクセルを構成する。上記で述べたシンチレータブロック側面の横方向及び縦方向に配置した光ファイバ束を用い検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。なお、光ファイバとしては390nmの波長にも感度がある波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−92などを使用することができる。
(実施例16)
実施例16として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図19を参照して述べる。本発明は、蛍光波長を十分透過させる透過率を有する矩形の蛍光集光ブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形の蛍光集光ブロックの相対する側面に光ファイバ束を装着すると共に、横方向の各矩形の蛍光集光ブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、かつ蛍光集光ブロックの上面あるいは下面あるいは上面と下面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置した構造とし、各矩形の蛍光集光ブロックの上面あるいは下面あるいは上面と下面に配置した放射線検出体から発生する蛍光を蛍光集光ブロックの縦方向の側面と横方向の側面に配置した光ファイバ束とにより検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0048】
本実施例では、2次元放射線イメージ検出体の素材として使用される矩形の蛍光集光ブロックとして、石英ガラスを用いる。石英ガラスは300nm以上の波長に対して十分な透過性能を有している。実施例として、1つの蛍光集光ブロックの大きさを横幅5mm、縦幅5mmの正方形そして厚さ2mmとする。この蛍光集光ブロックを横方向に10個及び縦方向に10個それぞれ平面に並べる。蛍光集光ブロックの横方向の相対する側面に太さ0.5mmの光ファイバを2本を配置すると共に縦方向の相対する側面に太さ0.5mmの光ファイバを2本を配置する。蛍光集光ブロックの上面には、蛍光集光ブロックの下面に蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを配置する。本実施例では、放射線検出体を蛍光集光ブロック上面に配置したが、下面あるいは上面及び下面に配置することもできる。このような構造の1つの蛍光集光ブロックで検出ピクセルを構成する。上記で述べた蛍光集光ブロック側面の横方向及び縦方向に配置した光ファイバ束を用い検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。なお、光ファイバとしては390nmの波長にも感度がある波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−92などを使用することができる。
(実施例17)
実施例17として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図20を参照して述べる。本発明は、蛍光波長を他の波長にシフトさせる機能を持つ矩形の波長シフターブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形の波長シフターブロックの相対する側面に光ファイバ束を装着すると共に、横方向の各矩形の波長シフターブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、かつ波長シフターブロックの上面あるいは下面あるいは上下両面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置した構造とし、各矩形の波長シフターブロックの上面あるいは下面あるいは上下両面に配置した放射線検出体から発生する蛍光を波長シフターブロックの波長シフト機能により他の波長に変換し、波長変換された蛍光を波長シフターブロックの縦方向の側面と横方向の側面に配置した光ファイバ束とにより検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0049】
本実施例では、2次元放射線イメージ検出体の素材として使用される矩形の波長シフターブロックとして、プラスチック波長シフターを用いる。2次元放射線イメージ検出体の蛍光集光素材として使用される矩形の波長シフターブロックとして、プラスチック波長シフターである米国バイクロン社製プラスチック波長シフターBC−484を用いる。このプラスチック波長シフターは370nmの波長に対して十分な効率よく434nmの蛍光に波長変換することができる。実施例として、1つの波長シフターブロックの大きさを横幅5mm、縦幅5mmの正方形そして厚さ2mmとする。この波長シフターブロックを横方向に10個及び縦方向に10個それぞれ平面に並べる。波長シフターブロックの横方向の相対する側面に太さ0.5mmの光ファイバを2本を配置すると共に縦方向の相対する側面に太さ0.5mmの光ファイバを2本を配置する。波長シフターブロックの上面には、波長シフターブロックの下面に蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを配置する。本実施例では、放射線検出体を波長シフターブロック上面に配置したが、下面あるいは上面及び下面に配置することもできる。このような構造の1つの波長シフターブロックで検出ピクセルを構成する。上記で述べた波長シフターブロック側面の横方向及び縦方向に配置した光ファイバ束を用い検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。なお、光ファイバとしては434nmに感度のある波長シフトファイバである米国クラレ社製Y−7あるいはY−11などを使用することができる。
(実施例18)
実施例18として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図21を参照して述べる。本発明は、実施例15、16及び17で述べた矩形のシンチレータブロック、蛍光集光ブロック及び波長シフターブロックの各ブロックに、縦方向及び横方向の各矩形のブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置する際に、図21に示すように1つおきに縦方向及び横方向の光ファイバ束を上下にクロスさせるように配置し、検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。このような構造とすることにより光ファイバ束による蛍光検出効率を上げることができる。
(実施例19)
実施例19として、本発明による2次元放中性子イメージ検出器について図22を参照して述べる。本発明は、実施例5から18において、シンチレータとして少なくとも中性子コンバータである6Li、10B、あるいはGdの1つの元素を含んだシンチレータを用い、かつ中性子検出体として中性子コンバータである6Li、10B、あるいはGdの少なくとも1つの元素を含んだ材料を用いることにより、中性子の2次元イメージを得ることを特長とした2次元中性子イメージ検出器である。
【0050】
実施例とし実施例6に本発明を適用した例について述べる。本実施例では、2次元中性子イメージ検出体の素材として使用されるシンチレータとして、中性子コンバータである6Liを含んだ6Liガラスシンチレータを用いる。本ガラスシンチレータとしては6Liの含有量が6.6%の米国バイクロン社製GS20 6Liガラスシンチレータなどを用いることができる。蛍光寿命は60nsであり、蛍光波長は390nmである。実施例として、シンチレータ板の大きさを横幅200m、縦幅200mmそして厚さ2mmとする。ダイヤモンドカッターなどを用いてこのシンチレータ板に横方向に5mm間隔で、縦方向に5mm間隔で幅0.6mmそして深さ1.5mmの溝を作る。横方向の溝に太さ0.5mmの光ファイバを3本を配置し、縦方向の溝には、蛍光を反射する反射材として従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを埋め込む。横方向と縦方向の溝に区切られた検出ピクセルを構成する。中性子検出体としては、6Liガラスシンチレータの蛍光波長である390nmとほぼ同じ波長の370nmの蛍光波長のYAlO3:Ceの粉末に中性子コンバータである6LiFを混合した中性子検出媒体を使用できる。このような構造の1つの中性子に有感なシンチレータで検出ピクセルを構成する。
【0051】
従って、溝内に配置した光ファイバ束と上面に太さ0.5mmの光ファイバを10本を配置した光ファイバ束により検出ピクセル内に入射した中性子による蛍光と中性子検出体に入射した中性子による蛍光とを検出することにより、中性子の2次元イメージを効率良く得ることができる。なお、光ファイバとしては370nmから390nmまでの波長に感度がある波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−99−XX(特注)などを使用することができる。
(実施例20)
実施例20として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図23を参照して述べる。本発明は、放射線が入射すると蛍光を発生する液体シンチレータを検出媒体とし、蛍光を反射できる材料で作られた格子状に区切られた反射体ブロックを液体シンチレータを封じ切ることができる検出容器に配置した後、液体シンチレータを満たし、放射線が入射して各格子内の液体シンチレータから発生した蛍光を、各格子の上部と下部に直交するように配置された光ファイバ束により検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0052】
本実施例では、2次元放射線イメージ検出体の素材として使用される液体シンチレータとして、バイクロン社製BC−501Aを用いる。蛍光寿命は3.2nsであり、蛍光波長は425nmである。実施例として、液体シンチレータを封じきる検出容器として検出容器内の横幅が10cm及び縦幅が10cmの検出容器を用いることとする。内部の高さは4mmとする。検出容器の上部の1つの横方向の側面に波長シフトファイバを並列に並べて配置するための矩形の挿入口を設ける。また、検出容器の下部の縦方向の側面に、波長シフトファイバを並列に並べて配置するための矩形の挿入口を設ける。検出容器はアルミニウムあるいはステンレススチールなどで製作することができる。また、1つの区画が5mmの格子状の反射ブロックとして、全体サイズが横幅が10cm及び縦幅が10cmで高さが2.8mmのものを用いる。反射ブロックは表面が良く研磨されたアルミニウム板などで製作することができる。検出容器上部の横方向の側面にあけた矩形の光ファイバ挿入口を使って、本実施例の場合太さ0.5mmの波長シフトファイバを200本並列に並べて全検出容器内に配置する。また、検出容器下部の縦方向の側面にあけた矩形の光ファイバ挿入口を使って、本実施例の場合太さ0.5mmの波長シフトファイバを200本並列に並べて全検出容器内に配置する。上部に配置した波長シフトファイバ束と下部に配置した波長シフトファイバ束との間は3mmあいているので、このスペースに上記の反射体ブロックを納める。横方向及び縦方向の5本の光ファイバが反射体ブロックの格子により作り出された検出ピクセルから発生する蛍光を検出することになる。光ファイバとしては425nmの波長に有感な波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−91などを使用することができる。検出容器内に上記の液体シンチレータを入れた後、各検出ピクセルに対応した横方向及び縦方向の光ファイバ束を用いて液体シンチレータ検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。本実施例では、液体シンチレータとして、バイクロン社製BC−501Aを用いたが、X線用である液体シンチレータに鉛あるいは錫を混ぜたBC−551あるいはBC−553なども目的に合わせて使用できる。
(実施例21)
実施例21として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図24を参照して述べる。本発明は、放射線が入射すると蛍光を発生する液体シンチレータを検出媒体とし、液体シンチレータを封じ切ることができる検出容器内に液体シンチレータを満たし、縦方向と横方向に直交するように光ファイバ束を一定間隔で格子状にした光ファイバ検出ブロックを検出容器の厚さ方向に1個以上重ねて配置し、放射線が入射してそれぞれの格子内の液体シンチレータから発生した蛍光を、配置した光ファイバ検出ブロックにより検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0053】
本実施例では、2次元放射線イメージ検出体の素材として使用される液体シンチレータとして、バイクロン社製BC−501Aを用いる。蛍光寿命は3.2nsであり、蛍光波長は425nmである。実施例として、液体シンチレータを封じきる検出容器として検出容器内の横幅が10cm及び縦幅が10cmの検出容器を用いることとする。厚さは2mmとする。検出容器上部の横方向の側面に5mm間隔で光ファイバの形状に合わせた挿入口をあける。また、検出容器下部の縦方向の側面に5mm間隔で光ファイバの形状に合わせた挿入口をあける。実施例の場合、波長シフトファイバとして一片が1mmの正方形形状した波長シフトファイバを用いる。検出容器はアルミニウムあるいはステンレススチールなどで製作することができる。検出容器上部の横方向の側面にあけた矩形の光ファイバ挿入口を使って、本実施例の場合太さ1mmの正方形形状波長シフトファイバを5mm間隔に並べて全検出容器内に配置する。また、検出容器下部の縦方向の側面にあけた矩形の光ファイバ挿入口を使って、太さ1mmの正方形形状波長シフトファイバを5mm間隔に並べて全検出容器内に配置する。光ファイバとしては425nmの波長に有感な波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−91などを使用することができる。検出容器内に上記の液体シンチレータを入れた後、各検出ピクセルに対応した横方向及び縦方向の光ファイバを用いて液体シンチレータ検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。
(実施例22)
実施例22として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図25を参照して述べる。本発明は、上記実施例21において液体シンチレータを収納できる検出容器内の上部あるいは下部あるいは上部と下部の両方に放射線が入射すると蛍光を発生する放射線検出体を配置し、放射線検出体により発生する蛍光と放射線が入射してそれぞれの格子内の液体シンチレータから発生した蛍光を、光ファイバ束により検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長としている。
【0054】
本実施例では、2次元放射線イメージ検出体の素材として使用される液体シンチレータとして、バイクロン社製BC−501Aを用いる。蛍光寿命は3.2nsであり、蛍光波長は425nmである。実施例として、液体シンチレータを封じきる検出容器として検出容器内の横幅が10cm及び縦幅が10cmの検出容器を用いることとする。内部の高さは2.6mmとする。本実施例では、この検出容器内の上部及び下部の両面に放射線が入射すると蛍光を発生する放射線検出体を配置する。放射線検出体として、液体シンチレータの蛍光波長とほぼ同じ410nmを放出する蛍光体であるY2SiO5:Ceを用いることとする。この蛍光体を200μmの厚さで検出容器の上部及び下部の両面に配置する。
検出容器上部の内面から300μm下げた場所の横方向の側面に5mm間隔で光ファイバの形状に合わせた挿入口をあける。また、検出容器上部の内面から300μm上げた場所の縦方向の側面に5mm間隔で光ファイバの形状に合わせた挿入口をあける。実施例の場合、波長シフトファイバとして一片が1mmの正方形形状した波長シフトファイバを用いる。検出容器はアルミニウムあるいはステンレススチールなどで製作することができる。検出容器上部の横方向の側面にあけた矩形の光ファイバ挿入口を使って、本実施例の場合太さ1mmの正方形形状波長シフトファイバを5mm間隔に並べて全検出容器内に配置する。また、検出容器下部の縦方向の側面にあけた矩形の光ファイバ挿入口を使って、太さ1mmの正方形形状波長シフトファイバを5mm間隔に並べて全検出容器内に配置する。光ファイバとしては425nmの波長に有感な波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−91などを使用することができる。検出容器内に上記の液体シンチレータを入れた後、各検出ピクセルに対応した横方向及び縦方向の光ファイバを用いて、検出容器の上面と下面に配置した放射線検出体からの蛍光と液体シンチレータ検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることができる。
(実施例23)
実施例23として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図26を参照して述べる。本発明は、上記実施例20−22において、液体シンチレータを収納できる検出容器に、液体シンチレータを循環するため、少なくともバルブ、配管、及びポンプから構成される液体シンチレータ循環機構を付加した構造の2次元放射線イメージ検出器である。放射線が大量に来た場合に液体シンチレータは放射線損傷により発光量が減少する。また、一様に放射線がこないため、検出感度が一様でなくなる。このような場合に、ポンプを用いて液体シンチレータを循環させることにより検出感度の一様性あるいは感度の劣化を防ぐことができる。当然、本構造の場合完全に劣化した場合には交換することが容易にできる。
(実施例24)
実施例24として、本発明による2次元中性子イメージ検出器について図27を参照して述べる。本発明は、上記実施例20−23において、液体シンチレータの中に中性子コンバータである6Li、10B、あるいはGdの少なくとも1つの元素を含んだ材料を混合し、かつ放射線検出体と組あわせる場合には放射線検出体に中性子コンバータである6Li、10B、あるいはGdの少なくとも1つの元素を含んだ材料を混合し、中性子の2次元イメージを得ることを特長とした2次元中性子イメージ検出器である。
【0055】
本実施例では、実施例22をベースに2次元中性子イメージ化について述べる。中性子検出体の素材として使用される液体シンチレータとして、バイクロン社製BC−521を用いる。この液体シンチレータには中性子コンバータであるGdが1%含まれる。蛍光寿命は4nsであり、蛍光波長は425nmである。実施例として、液体シンチレータを封じきる検出容器として検出容器内の横幅が10cm及び縦幅が10cmの検出容器を用いることとする。内部の高さは2.6mmとする。本実施例では、この検出容器内の上部及び下部の両面に放射線が入射すると蛍光を発生する放射線検出体を配置する。中性子検出体として、液体シンチレータの蛍光波長とほぼ同じ410nmを放出する蛍光体であるY2SiO5:Ceに6LiFを混合した検出媒体を用いることとする。この中性子検出体を200μmの厚さで検出容器の上部及び下部の両面に配置する。
【0056】
検出容器上部の内面から300μm下げた場所の横方向の側面に5mm間隔で光ファイバの形状に合わせた挿入口をあける。また、検出容器上部の内面から300μmあげた場所の縦方向の側面に5mm間隔で光ファイバの形状に合わせた挿入口をあける。実施例の場合、波長シフトファイバとして一片が1mmの正方形形状した波長シフトファイバを用いる。検出容器はアルミニウムあるいはステンレススチールなどで製作することができる。検出容器上部の横方向の側面にあけた矩形の光ファイバ挿入口を使って、本実施例の場合太さ1mmの正方形形状波長シフトファイバを5mm間隔に並べて全検出容器内に配置する。また、検出容器下部の縦方向の側面にあけた矩形の光ファイバ挿入口を使って、太さ1mmの正方形形状波長シフトファイバを5mm間隔に並べて全検出容器内に配置する。光ファイバとしては425nmの波長に有感な波長シフトファイバである米国バイクロン社製BCF−91などを使用することができる。検出容器内に上記の液体シンチレータを入れた後、各検出ピクセルに対応した横方向及び縦方向の光ファイバを用いて、検出容器の上面と下面に配置した中性子検出体からの蛍光と液体シンチレータ検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を検出することにより、中性子の2次元イメージを得ることができる。この構造とすることにより、中性子コンバータとして、中性子捕獲断面積の中性子エネルギー依存性が異なる中性子検出体を利用できることから、中性子エネルギーに対する感度の平坦化を図ることができる。
【0057】
なお、本実施例では、中性子検出体の素材として液体シンチレータとして、バイクロン社製BC−521を用いているが、Bあるいは10Bが入ったBC−523あるいはBC−523Aなども使用できる。
(実施例25)
実施例25として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図28を参照して述べる。本発明は、上記実施例1−24において、光ファイバ束から放出される蛍光を検出する光検出器としてストリークカメラを用い、ストリークカメラによって検出された光ファイバ束から放出される蛍光の時系列データを同時計測法に基づいて解析することにより放射線あるいは中性子の2次元イメージを収得することを特長とした、2次元放射線イメージ検出器あるいは2次元中性子イメージ検出器である。本実施例は、実施例1に適用した場合について述べる。本実施例ではシンチレータ板としては、従来よりX線あるいはα線等の電離放射線の検出媒体として使用されてきた米国バイクロン社製プラスチックシンチレータBC−414などが使用できる。蛍光寿命は1.8であり、蛍光波長は392nmである。実施例として、シンチレータ板の大きさを横幅100m、縦幅100mmそして厚さ2mmとする。シンチレータ板に横方向に2mm間隔で、縦方向に2mm間隔で幅0.5mmそして深さ1.5mmの溝を作り従来から使用されている蛍光反射材であるAl23あるいはMgOなどを埋め込むことにより、横方向と縦方向の溝に区切られた検出ピクセルを構成する。
【0058】
この2次元放射線イメージ検出体は、従来方法である検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光を、2次元放射線イメージ検出体の上面にX方向の光ファイバ束をそして下面にY方向の光ファイバ束に格子状に配置し、同時計数法を適用することにより2次元放射線イメージ検出器が構成できる。光ファイバ束としてはプラスチックシンチレータBC−414の蛍光波長にあったバイクロン社製BCF−92などを使用することができる。X方向とY方向の波長シフト光ファイバ束を横に並列に並べた後、レンズ等の光学系によりその幅をストリーク管の有感な横幅に調整する。ストリーク管としては、できるだけ横幅の有感部分の大きいタイプを選択する必要があり有感長として18mmの長さを持つ浜松フォトニクスC7700などが使用可能である。光学系であるレンズ等により縮小されストリーク管の有感部分に入った波長シフトされた蛍光信号を、ストリーク管の制御回路により一定時間間隔でストリーク管の偏向板の偏向電圧を、ストリーク管の縦幅に相当する時間の間掃引し検出する。放射線検出体としてプラスチックシンチレータBC−414を用いた場合蛍光寿命が1.8nsであることからその約5倍の長さの時間10nsを時間分解能とする。このように蛍光寿命の数倍の時間を設定することにより、放射線が入射した際発生する蛍光をほぼ全部積分して検出することができる。縦幅に相当する時間掃引後ストリーク管の蛍光面にストリーク像を得ることができ、このストリーク像を撮像カメラで撮像する。撮像カメラとしては横1000画素、縦1000画素の検出特性を持つCCDカメラを使用することができる。この時、有効な掃引時間はCCDカメラの縦軸の画素数が1000画素であるから10nsを1000倍し10μsとなる。CCDカメラの映像信号を信号処理・解析装置によりデジタル化することにより、2つの光ファイバ束の時系列化されたデータを得ることができる。信号がこのデータは信号処理・解析装置内の記憶装置に記憶される。
【0059】
記憶された光ファイバ束の2つの発光信号強度の時系列化データは信号処理・解析装置によって解析処理する。解析処理方法としては2つある。1つは、発光信号強度の時系列化データを光子計数モード、つまりある設定値より発光信号強度の値が大きい場合に光子が入ったとするモードで解析処理を行い横方向と縦方向に同時に入った場合に、その位置を放射線入射位置とする方法である。もう1つは、発光信号強度の値を2段階以上に分けて解析し、同時に2つ以上放射線が横方向あるいは縦方向の検出ピクセルに入射した場合でも解析できるようにしたモードである。この場合解析時間が増加する。また、同時計数の時間分解能としては、本実施例の場合10nsとして前後1画素の比較により位置の特定ができる。
【0060】
このようにストリークカメラを用いることにより容易に多チャンネルの2次元光検出を高速にできるため、2次元放射線イメージ検出器あるいは2次元中性子イメージ検出器と組み合わせ飛行時間法などを用いて行う短時間に高計数率処理を必要とする研究に特に役立てることができる。
(実施例26)
実施例26として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図29を参照して述べる。本発明は、シンチレータ、液体シンチレータあるいは蛍光体を検出媒体として用い、これらの検出媒体から発生する蛍光を直交する格子状に配置された横方向光ファイバ束及び縦方向光ファイバ束を用いて検出し放射線あるいは中性子の入射位置を求める2次元放射線イメージ検出器あるいは2次元中性子イメージ検出器において、横方向光ファイバ束及び縦方向光ファイバ束から放出される蛍光を光検出器と波高弁別器を用いて光子検出を行い、出力された横方向光子検出信号及び縦方向光子検出信号を基に放射線イメージを構成する場合に、波高弁別器から出力されるタイミングパルス信号を基に、再トリガ可能な状態でパルスを発生する再トリガブルパルス信号発生器を用いて検出媒体であるシンチレータ、液体シンチレータあるいは蛍光体の蛍光寿命に対応してポアソン分布に基づいて時間幅が決められ発生するパルス信号を発生させ、発生したパルス信号をもとに放射線あるいは中性子の2次元イメージを収得することを特長とした、2次元放射線イメージ検出器あるいは2次元中性子イメージ検出器である。図29に示すように、本発明ではシンチレータ内に発生した蛍光をもとに作り出された横方向光電子増倍管出力信号及び縦方向光電子増倍管出力信号を基に放射線イメージを構成する場合に、図には示していない波高弁別器から出力されるタイミングパルス信号を基に再トリガ可能な状態でパルスを発生する再トリガブルパルス信号発生器を用いて検出媒体の蛍光寿命に対応してポアソン分布に基づいて時間幅が決められ発生するパルス信号を発生させる。発生した再トリガ可能横方向定時間幅パルス発生器出力信号と再トリガ可能縦方向定時間幅パルス発生器出力信号とを用いて、同時計数を行い出力される同時計数回路出力結果をもとに2次元放射線イメージを求める。この時、時間幅を蛍光寿命とほぼ同じ時間に設定すると最も効率よく同時計数効率をあげることができる。
【0061】
一方、従来法では、同時計数効率を上げる必要があるため、蛍光寿命の2倍以上の時間幅を設定する。このため、従来法の一定時間幅を発生する定時間幅パルス発生器を用いるよりも、本発明では同時計数に用いるパルス時間幅を短くすることができるため、高計数率化を図ることができる。なお、時間幅が80ns以上である場合には、市販のTTL集積回路素子であるSN74122あるいはSN74123などの再トリガ可能パルスジェネレータ素子により再トリガ可能定時間幅パルス発生器を作製することが容易にできる。
(実施例27)
実施例27として、本発明による2次元放射線イメージ検出器について図30を参照して述べる。本発明は、シンチレータ、液体シンチレータあるいは蛍光体を検出媒体として用い、これらの検出媒体から発生する蛍光を直交する格子状に配置された横方向光ファイバ束及び縦方向光ファイバ束を用いて検出し放射線あるいは中性子の入射位置を求める2次元放射線イメージ検出器あるいは2次元中性子イメージ検出器において、横方向光ファイバ束及び縦方向光ファイバ束から出てくる蛍光を光検出器と波高弁別器を用いて光子検出を行い、出力された横方向光子検出信号及び縦方向光子検出信号を基に放射線イメージを構成する場合に、波高弁別器から出力されるタイミングパルス信号を基に、パルス信号発生器を用いて発生する決められた時間幅のパルス信号あるいは再トリガ可能な再トリガブルパルス信号発生器を用いてポアソン分布に基づいて時間幅が決められ発生するパルス信号を、パラレル信号入力回路と信号収録・解析装置を用いて時系列信号として収録し、収録した時系列信号を信号収録・解析装置を用いて同時計測法に基づき解析し、放射線あるいは中性子の2次元イメージを収得することを特長とした、2次元放射線イメージ検出器あるいは2次元中性子イメージ検出器である。
【0062】
本実施例としては、実施例19をもとに構成した構造の中性子の2次元イメージを得ることを特長とした2次元中性子イメージ検出器に本発明を適用した例を示す。横方向と縦方向についてはそれぞれ6x6のシンチレータブロックを図30に示すように用いる。また、実施例26で述べた波高弁別器から出力されるタイミングパルス信号を基に再トリガ可能な再トリガ可能定時間幅パルス発生器を用いてポアソン分布に基づいて時間幅が決められ発生するパルス信号を、位置決定する際の同時計数用信号に使用する。
2次元中性子イメージ検出器のシンチレータ内に発生した蛍光を多チャンネル光電子増倍管を用いて電気信号とする。多チャンネル光電子増倍管としては浜松ホトニクス製の16チャネル光電子増倍管H6568などが使用できる。この電気信号を用いて波高弁別器によりタイミングパルス信号を作る。このタイミングパルス信号を基に、再トリガ可能な状態でパルスを発生する再トリガ可能定時間幅パルス発生器を用いて検出媒体の蛍光寿命に対応してポアソン分布に基づいて時間幅が決められ発生する横方向光子検出信号及び縦方向光子検出信号を作り出す。これらの信号を高速のパラレルに信号入力回路であるパラレルインターフェイスを用いて信号収録装置であるデジタル信号収集装置に取り込み、データ記録装置に収録する。パラレルインターフェイスとしてはナショナルインストルメント社の32チャンネルデータ収録ボードPCI−DIO−32HSなどが使用できる。図30ではパラレルインターフェイスを横方向と縦方向で別々に用意したが、1つのパラレルインターフェイスボードで処理することが可能である。また、このボードの場合、パルス信号を100ns間隔で時系列信号として収録できる。収録した時系列信号をデータ解析装置を用いて実施例26で例を示したような同時計数法に基づき解析し、放射線あるいは中性子の2次元イメージを得ることは容易にできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線が入射すると蛍光を発生するシンチレータ板の上面に、横方向および縦方向に決められた間隔でシンチレータ板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、縦方向の溝に光ファイバ束を配置し、横方向の溝には蛍光を反射する反射材を埋め込んだ構造とし、シンチレータ板の上面あるいは下面あるいは上面と下面に上記の光ファイバと直交する方向である横方向に光ファイバ束を配置し、横方向と縦方向の溝で区切ることによって作られた検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光をシンチレータ板の溝内に配置した光ファイバ束と上面あるいは下面あるいは上面と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項2】
放射線が入射すると蛍光を発生するシンチレータ板の上面に、横方向および縦方向に決められた間隔でシンチレータ板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、縦方向の溝に光ファイバ束を配置し、横方向の溝には蛍光を反射する反射材を埋め込んだ構造とし、シンチレータ板の下面に上記の光ファイバと直交する方向の横方向に光ファイバ束を配置し、上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置し、この放射線検出体から発生する蛍光を横方向と縦方向の溝で区切ることによって作られた検出ピクセル内に入射した放射線の蛍光と放射線検出体から発生する蛍光をシンチレータ板の溝内に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項3】
蛍光波長を十分透過させる透過率を有する蛍光集光板の上面に、横方向および縦方向に決められた間隔で蛍光集光板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、縦方向の溝に光ファイバ束を配置し、横方向の溝には、蛍光を反射する反射材を埋め込んだ構造とし、蛍光集光板の下面の上記の光ファイバ束と直交する方向である横方向に光ファイバ束を配置し、上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置し、放射線検出体から発生する蛍光を横方向と縦方向の溝で区切ることによって作られた検出ピクセル内に入ってくる放射線検出体から発生する蛍光を蛍光集光板の溝内に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項4】
蛍光波長を他の波長にシフトさせる機能を持つ波長シフター板の上面に、横方向および縦方向に決められた間隔で波長シフター板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、縦方向の溝に光ファイバ束を配置し、横方向の溝には、蛍光を反射する反射材を埋め込んだ構造とし、波長シフター板の下面に上記の光ファイバと直交する方向である横方向に光ファイバ束を配置し、上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置し、放射線検出体から発生する蛍光を波長シフター板の波長シフト機能により他の波長に変換し、波長変換された蛍光を波長シフター板の溝内に配置した光ファイバ束と上面あるいは下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項5】
シンチレータ板、蛍光集光板あるいは波長シフター板の上面及び下面に、横方向について上面と下面交互に、および縦方向について上面と下面交互に、決められた間隔で前記板の厚さの半分以上の深さの溝を作り、横方向と縦方向の溝で区切ることによって作られた検出ピクセル群を適用して、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした請求項2ないし4のいずれか1項に記載の2次元放射線イメージ検出器。
【請求項6】
矩形のシンチレータブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形のシンチレータの相対する側面に光ファイバ束を配置し、横方向の相対する側面に反射材を配置し、かつシンチレータブロックの上面に反射材を配置すると共に、平面に並べたシンチレータブロックの下面に側面に配置した光ファイバ束と直交する方向である横方向に光ファイバ束を配置した構造とし、各矩形のシンチレータブロックに入射した放射線の蛍光をシンチレータブロックの側面に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項7】
矩形のシンチレータブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形のシンチレータブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、横方向の相対する側面に反射材を配置し、平面に並べたシンチレータブロックの上面及び下面に側面に配置した光ファイバ束と直交する方向である横方向に、光ファイバ束を配置した構造とし、各矩形のシンチレータブロックに入射した放射線の蛍光をシンチレータブロックの側面に配置した光ファイバ束と上面及び下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項8】
矩形のシンチレータブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形のシンチレータブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、横方向の相対する側面に反射材を配置し、かつシンチレータブロックの上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置すると共に、平面に並べたシンチレータブロックの下面に側面に配置した光ファイバ束と直交する方向にである横方向に、光ファイバ束を配置した構造とし、各矩形のシンチレータブロックに入射した放射線の蛍光と放射線検出体から発生する蛍光をシンチレータブロックの側面に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項9】
蛍光波長を十分透過させる透過率を有する矩形の蛍光集光ブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形の蛍光集光ブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、横方向の相対する側面に反射材を配置し、かつ蛍光集光ブロックの上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置すると共に、平面に並べた蛍光集光ブロックの下面に側面に配置した光ファイバ束と直交する方向である横方向に光ファイバ束を配置した構造とし、各矩形の蛍光集光ブロックに配置した放射線検出体から発生する蛍光を蛍光集光ブロックの側面に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項10】
蛍光波長を他の波長にシフトさせる機能を持つ矩形の波長シフターブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形の波長シフターブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、横方向の相対する側面に反射材を配置し、かつ波長シフターブロックの上面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置すると共に、平面に並べた波長シフターブロックの下面に側面に配置した光ファイバ束と直交する方向に、光ファイバ束を配置した構造とし、各矩形の波長シフターブロックに配置した放射線検出体から発生する蛍光を波長シフターブロックの波長シフト機能により他の波長に変換し、波長変換された蛍光を波長シフターブロックの側面に配置した光ファイバ束と下面に配置した光ファイバ束により検出することにより、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項11】
矩形のシンチレータブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形のシンチレータブロックの相対する側面に光ファイバ束を装着すると共に、横方向の各矩形のシンチレータブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、かつシンチレータブロックの上面あるいは下面あるいは上面と下面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置した構造とし、各矩形のシンチレータブロックに入射した放射線の蛍光と上面あるいは下面あるいは上面と下面に配置した放射線検出体から発生する蛍光をシンチレータブロックの縦方向の側面と横方向の側面に配置した光ファイバ束とにより検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項12】
蛍光波長を十分透過させる透過率を有する矩形の蛍光集光ブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形の蛍光集光ブロックの相対する側面に光ファイバ束を装着すると共に、横方向の各矩形の蛍光集光ブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、かつ蛍光集光ブロックの上面あるいは下面あるいは上面と下面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置した構造とし、各矩形の蛍光集光ブロックの上面あるいは下面あるいは上面と下面に配置した放射線検出体から発生する蛍光を蛍光集光ブロックの縦方向の側面と横方向の側面に配置した光ファイバ束とにより検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項13】
蛍光波長を他の波長にシフトさせる機能を持つ矩形の波長シフターブロックを横方向及び縦方向にそれぞれ平面に並べ、縦方向の各矩形の波長シフターブロックの相対する側面に光ファイバ束を装着すると共に、横方向の各矩形の波長シフターブロックの相対する側面に光ファイバ束を配置し、かつ波長シフターブロックの上面あるいは下面あるいは上面と下面に放射線により蛍光を発生する放射線検出体を配置した構造とし、各矩形の波長シフターブロックの上面あるいは下面あるいは上面と下両に配置した放射線検出体から発生する蛍光を波長シフターブロックの波長シフト機能により他の波長に変換し、波長変換された蛍光を波長シフターブロックの縦方向の側面と横方向の側面に配置した光ファイバ束とにより検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項14】
矩形の各ブロックに、縦方向及び横方向の各矩形のブロックの相対する側面に光ファイバ束を装着する際に、1つおきに縦方向及び横方向の光ファイバ束を上下にクロスさせるように配置することを特長とした請求項11ないし13のいずれか1項に記載の2次元放射線イメージ検出器。
【請求項15】
シンチレータとして少なくとも中性子コンバータである6Li、10B、あるいはGdの1つの元素を含んだシンチレータを用い、かつ中性子検出体として中性子コンバータである6Li、10B、あるいはGdの少なくとも1つの元素を含んだ材料を用いることにより、中性子の2次元イメージを得ることを特長とした請求項1ないし14のいずれか1項に記載の2次元中性子イメージ検出器。
【請求項16】
放射線が入射すると蛍光を発生する液体シンチレータを検出媒体とし、蛍光を反射できる材料で作られた格子状に区切られた反射体ブロックを液体シンチレータを封じ切ることができる検出容器に配置した後、液体シンチレータを満たし、放射線が入射して各格子内の液体シンチレータから発生した蛍光を、各格子の上部と下部に直交するように配置された光ファイバ束により検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項17】
放射線が入射すると蛍光を発生する液体シンチレータを検出媒体とし、液体シンチレータを封じ切ることができる検出容器内に液体シンチレータを満たし、縦方向と横方向に直交するように光ファイバ束を一定間隔で格子状にした光ファイバ検出ブロックを検出容器の高さ方向に1個以上重ねて配置し、放射線が入射してそれぞれの格子内の液体シンチレータから発生した蛍光を、配置した光ファイバ検出ブロックにより検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした2次元放射線イメージ検出器。
【請求項18】
液体シンチレータを収納できる検出容器内の上部あるいは下部あるいは上部と下部の両方に放射線が入射すると蛍光を発生する放射線検出体を配置し、それぞれの格子内の放射線検出体により発生する蛍光と液体シンチレータから発生した蛍光を、光ファイバ束により検出し、放射線の2次元イメージを得ることを特長とした請求項17に記載の2次元放射線イメージ検出器。
【請求項19】
液体シンチレータを収納できる検出容器に、液体シンチレータを循環するため、少なくともバルブ、配管、及びポンプから構成される液体シンチレータ循環機構を付加した構造の請求項16ないし18のいずれか1項に記載の2次元放射線イメージ検出器。
【請求項20】
液体シンチレータの中に中性子コンバータである6Li、10B、あるいはGdの少なくとも1つの元素を含んだ材料を混合し、かつ放射線検出体と組あわせる場合には放射線検出体に中性子コンバータである6Li、10B、あるいはGdの少なくとも1つの元素を含んだ構成とし、中性子の2次元イメージを得ることを特長とした請求項16ないし19のいずれか1項に記載の2次元中性子イメージ検出器。
【請求項21】
光ファイバ束から放出される蛍光を検出する光検出器としてストリークカメラを用い、ストリークカメラによって検出された光ファイバ束から放出される蛍光の時系列データを同時計測法に基づいて解析することにより放射線あるいは中性子の2次元イメージを収得することを特長とした、請求項1ないし20のいずれか1項に記載の2次元放射線イメージ検出器あるいは2次元中性子イメージ検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2010−175570(P2010−175570A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113567(P2010−113567)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【分割の表示】特願2009−298069(P2009−298069)の分割
【原出願日】平成12年8月29日(2000.8.29)
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
【Fターム(参考)】