説明

2段ロータリ型膨張機

【課題】従来の2段ロータリ型膨張機では、1段目の作動室と2段目の作動室との連通が終わる瞬間、1段目の作動室で閉じ込められる作動流体が存在し、この作動流体の圧縮作用により、損失および騒音が発生していた。
【解決手段】2段ロータリ型の膨張機部101において、上軸受部材107に、弁ピストン126と、弁ピストン126の背面に設置された弁ばね127とを格納する筒状の弁シリンダ125を設け、弁ピストン126の背面側に吸入圧力を導く弁背圧供給路130と、弁ピストン126の側面側に吸入圧供給路131とを設けることにより、第1吐出側空間115b内の圧力が吸入圧力より高くなった時に、第1吐出側空間115b内に閉じ込められた作動流体を弁シリンダ125に排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2段ロータリ型膨張機と、それを用いた冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
膨張機で回収した作動流体の膨張エネルギーを、圧縮機の駆動エネルギーの一部として利用する動力回収式の冷凍サイクル装置が提案されている。上記冷凍サイクル装置に適用する膨張機として、2段ロータリ型膨張機などが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5(a)は、従来の2段ロータリ型の膨張機部100における第1シリンダ105の横断面図である。図5(b)は、従来の2段ロータリ型の膨張機部100における第2シリンダ106の横断面図である。
【0004】
図5(a)、(b)に示すように、従来の2段ロータリ型の膨張機部100は、密閉容器102の内部に、膨張機シャフト103、中板104(図示せず)、第1シリンダ105、第2シリンダ106、上軸受部材107(図示せず)、下軸受部材108(図示せず)、第1ピストン109、第2ピストン110、第1ベーン111、第2ベーン112、第1ばね113、および第2ばね114を備えている。
【0005】
膨張機シャフト103は、径方向に突出する第1偏心部103aと第2偏心部103bとを有し、密閉容器102の中央部に配置されている。
【0006】
第1シリンダ105には、第1ベーン溝105aが形成されている。第1ベーン溝105aには、第1ベーン111がスライド可能、言い換えれば、長手方向に進退可能に装着されている。第1ベーン111の背面側には、第1ばね113が配置されている。第1シリンダ105の内面には、吸入ポート105bが形成され、密閉容器102の内外を貫く膨張機吸入管117と連通している。第1シリンダ105の内部空間には、リング状の第1ピストン109が配置されている。第1ピストン109の外面は、第1ばね113により押し付けられた第1ベーン111の先端と接触し、第1ピストン109の内面は、膨張機シャフト103の第1偏心部103aと嵌合している。第1シリンダ105と第1ピストン109の上面には、上軸受部材107(図示せず)が設置され、膨張機シャフト103を回転可能に支持している。
【0007】
第2シリンダ106には、第2ベーン溝106aが形成されている。第2ベーン溝106aには、第2ベーン112がスライド可能、言い換えれば、長手方向に進退可能に装着されている。第2ベーン112の背面側には、第2ばね114が配置されている。第2シリンダ106の内面には、吐出ポート106bが形成され、密閉容器102の内外を貫く膨張機吐出管118と連通している。第2シリンダ106の内部空間には、リング状の第2ピストン110が配置されている。第2ピストン110の外面は、第2ばね114により押し付けられた第2ベーン112の先端と接触し、第2ピストン110の内面は、膨張機シャフト103の第2偏心部103bと嵌合している。第2シリンダ106と第2ピストン110の下面には、下軸受部材108(図示せず)が設置され、膨張機シャフト103を回転可能に支持している。
【0008】
第1シリンダ105と第2シリンダ106、および、第1ピストン109と第2ピストン110は、中板104(図示せず)を挟んで、それぞれ上下に配置されている。中板104には、厚さ方向に貫通するように、連通孔104aが形成されている。
【0009】
第1シリンダ105、第1ピストン109、上軸受部材107、および中板104により形成される三日月形状の空間(作動室)は、仕切り部材である第1ベーン111により、吸入側の作動室である第1吸入側空間115aと、吐出側の作動室である第1吐出側空間115bとに仕切られる。第2シリンダ106、第2ピストン110、下軸受部材108、および中板104により形成される三日月形状の空間(作動室)は、仕切り部材である第2ベーン112により、吸入側の作動室である第2吸入側空間116aと、吐出側の作動室である第2吐出側空間116bとに仕切られる。連通孔104aが、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとを連通することで、1つの膨張室が形成される。
【0010】
第1ピストン109と第2ピストン110が反時計回りに回転することで、作動流体は、膨張機吸入管117より第1シリンダ105の吸入ポート105bを通じて、第1吸入側空間115aに吸入される。吸入された作動流体は、上記膨張室で膨張し、第2吐出側空間116bから第2シリンダ106の吐出ポート106bを通じて、膨張機吐出管118より吐出される。
【0011】
上述したように、第1シリンダ105と第2シリンダ106とは、連通孔104aが形成された中板104(図示せず)によって仕切られている。このような構造を採用すると、作動流体が吸入される作動室と、作動流体が膨張する作動室と、作動流体が吐出される作動室とを簡単に仕切ることができると同時に、吸入側の作動室では360°連続吸入が可能となり、吸入脈動の低減を図ることができる。
【0012】
また、第1シリンダ105と第2シリンダ106とは、同心状の配置となっているが、第1ベーン111と第2ベーン112、および、第1ベーン溝105aと第2ベーン溝106aとは、膨張機シャフト103の中心軸Zを基点として、互いに所定角度ずれた配置となっている。第1ベーン111と第2ベーン112、および、第1ベーン溝105aと第2ベーン溝106aとが成す角度は、例えば数10度である。また、膨張機シャフト103の第1偏心部103aと第2偏心部103bとは、膨張機シャフト103の中心軸Zに対して、突出する向き(偏心方向)が相違しており、第1ベーン111と第2ベーン112、および、第1ベーン溝105aと第2ベーン溝106aとが成す角度と一致している。つまり、第1ピストン109が上死点に達するタイミングと、第2ピストン110が上死点に達するタイミングとが一致する。上記構成によれば、連通孔104aを介して、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとで形成される膨張室の体積を円滑に増加させることができ、2段ロータリ型の膨張機部100の回収動力を最大化させることができる。なお、ここで上死点とは、第1ベーン111および第2ベーン112が、膨張機シャフト103から最も遠ざかった状態、下死点とは、第1ベーン111および第2ベーン112が、膨張機シャフト103に最も近い状態を示す。
【0013】
上記従来の2段ロータリ型の膨張機部100を冷凍サイクル装置に適用し、冷凍サイクル装置全体の効率を向上させる手段として、例えば、上記2段ロータリ型の膨張機部100と作動流体を圧縮する圧縮機部とを一軸で連結した膨張機一体型圧縮機などが検討されている。図6に、従来の膨張機一体型圧縮機1を組み込んだ冷凍サイクル装置を示す。
【0014】
図6に示す冷凍サイクル装置は、2段ロータリ型の膨張機部100と圧縮機部200を有する膨張機一体型圧縮機1と、凝縮器300と、蒸発器310とを、流通路302により接続することで構成されている。また、凝縮器300と2段ロータリ型の膨張機部100との間には、流通路302から分岐したインジェクション通路301を有する。インジェクション通路301の出口側開口部は、2段ロータリ型の膨張機部100の第2吸入側空間116aに接続されている。
【0015】
2段ロータリ型の膨張機部100と圧縮機部200とは、電動機202を挟んで一軸で連結されている。これにより、構造が単純であり、かつ、2段ロータリ型の膨張機部100において高圧の作動流体が等エントロピー膨張を行うことで発生した回転動力を、圧縮機部200の駆動動力の一部として直接利用することができるため、動力回収ロスが少ない。
【0016】
一般に、膨張機一体型圧縮機においては、2段ロータリ型の膨張機部と圧縮機部とが常時、同一回転数で回転するため、一定の作動流体の循環量でシステムを運転するには、「作動流体の密度比=一定」の運転条件(制約)が発生する。そのため、冷凍サイクル装置全体の制御が難しくなり、必ずしも高効率運転が実現できるとは限らない。
【0017】
例えば、冷凍サイクルの運転条件によっては、冷凍サイクル装置全体の高圧圧力と低圧圧力との差が縮小して、冷凍サイクル装置全体の膨張比(高圧作動流体の密度と低圧作動流体の密度との比)が、2段ロータリ型の膨張機部が持つ固有の膨張比よりも小さくなる場合がある。つまり、2段ロータリ型の膨張機部内の吐出間際の流体圧力が、冷凍サイクル装置全体の低圧圧力よりも低くなり、過膨張の状態に陥る。その結果、2段ロータリ型の膨張機部の回転方向とは逆向きの差圧力が働き、回収動力が低下する。
【0018】
そこで、図6に示す冷凍サイクル装置では、上記「作動流体の密度比=一定」の運転条件(制約)を排除する構成、すなわち、過膨張の状態に陥った場合には、連通孔104a、もしくは、インジェクション通路301により、高圧作動流体を膨張途中の作動流体に注入する構成となっている。これにより、2段ロータリ型の膨張機部100内の吐出間際の流体圧力が、冷凍サイクル装置全体の低圧圧力よりも低くなることを防ぎ、膨張機一体型圧縮機1における回転動力の低下を防止することができる。
【特許文献1】特開2005−106046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
図7は、図5(a)の上死点における連通孔104a付近の拡大図である。図7中のθ1は、第1ピストン109が、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとの連通が終わる瞬間から上死点に達するまでの回転角度を示す。
【0020】
図7に示すように、第1ピストン109が連通孔104aの開口部104a1を塞ぎ、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとの連通が終わる瞬間には、第1吐出側空間115bは密閉状態となり、第1吐出側空間115b内の作動流体は行き場を失う。この密閉状態は、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとの連通が終わる瞬間(図7)から上死点に達するまで続くが、その間、第1吐出側空間115bの容積は徐々に小さくなり、上死点に達した時には、第1吐出側空間115bの容積は最も小さくなる。
【0021】
従来の2段ロータリ型の膨張機部100が、二酸化炭素を作動流体とする冷凍サイクル装置に用いられた場合、図7の瞬間では、第1吐出側空間115b内の二酸化炭素は、十分に膨張減圧した後であり、液相の比率が高い気液二相状態となっている。したがって、第1吐出側空間115b内に閉じ込められた作動流体の大部分は、液相状態の二酸化炭素と潤滑油とで構成される非圧縮性流体とみなされる。閉じ込められた作動流体は、第1ピストン109が、角度θ1回転して、第1吐出側空間115bの容積が小さくなるのに従って圧縮されるが、作動流体が非圧縮性であるために、第1吐出側空間115bの容積が少し小さくなっただけでも、その圧力は急激に上昇する。その結果、著しく高圧となった非圧縮性流体は、第1シリンダ105と第1ベーン111との間、第1ピストン109や第1シリンダ105と上軸受部材107との間、もしくは、第1ピストン109や第1シリンダ105と中板104との間にある隙間を通って、第1吐出側空間115bの外に漏れ出すか、第1ベーン111を跳ね上げることで、第1ベーン111と第1ピストン109との接合部に生じた隙間から、第1吸入側空間115a側に漏れ出すと考えられる。
【0022】
このように、従来の2段ロータリ型の膨張機部100が閉じ込められた作動流体を圧縮する間、膨張機シャフト103には回転方向とは逆向きにブレーキトルクが作用する。また、高圧作動流体が第1吸入側空間115a側に漏れた後、一度跳ね上がった第1ベーン111が衝撃を伴って、再度、第1ピストン109と接合するため、騒音が発生する。さらに、この衝撃によって、膨張機シャフト103の第1偏心部103aと第1ピストン109との接合部において、膨張機シャフト103の回転方向とは逆向きに働く摩擦抗力が瞬間的に異常増大し、膨張機シャフト103の円滑な回転を妨げる。
【0023】
本発明は、上記課題を解決するもので、第1ピストン109が、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとの連通が終わる瞬間から上死点に達するまで、第1吐出側空間115bが密閉状態となって、第1吐出側空間115b内の作動流体が行き場を失った時、閉じ込められた作動流体が圧縮されることにより発生する損失を低減し、高効率の2段ロータリ型膨張機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記従来の課題を解決するために、本発明の2段ロータリ型膨張機は、第1シリンダと、前記第1シリンダの内外を貫くシャフトと、前記シャフトに取り付けられ前記第1シリンダ内で偏心回転する第1ピストンと、前記シャフトを共有する形で前記第1シリンダと同心状に配置された第2シリンダと、前記シャフトに取り付けられ前記第2シリンダ内で偏心回転する第2ピストンと、前記第1シリンダに形成された第1溝に進退可能に装着され前記第1シリンダと前記第1ピストンとの間の空間を第1吸入側空間と第1吐出側空間とに仕切る第1仕切り部材と、前記第2シリンダに形成された第2溝に進退可能に装着され前記第2シリンダと前記第2ピストンとの間の空間を第2吸入側空間と第2吐出側空間とに仕切る第2仕切り部材と、前記第1吸入側空間に作動流体を吸入するための吸入ポートと、前記第2吐出側空間から前記作動流体を吐出するための吐出ポートと、前記第1シリンダに設けられた筒状の弁シリンダと、前記弁シリンダ内を軸方向に動く弁ピストンと、前記弁ピストンの前記第1シリンダとは反対側の背面に設置された弁ばねとを備え、前記第1吐出側空間の圧力が前記吸入ポートの圧力よりも高い場合に、前記弁シリンダと前記弁ピストンとで形成される空間に前記第1吐出側空間の作動流体を排出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の2段ロータリ型膨張機によれば、第1吐出側空間が密閉状態となって、第1吐出側空間内の作動流体が行き場を失った時に、閉じ込められた作動流体が圧縮されることにより発生する損失を低減し、高効率な冷凍サイクル装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における2段ロータリ型の膨張機部101を用いた膨張機一体型圧縮機2の構成を示す縦断面図である。図1に示すように、本実施の形態1における膨張機一体型圧縮機2は、密閉容器201の内部に、圧縮機部200、電動機202、オイルを圧縮機部200に供給するオイルポンプ部150、および2段ロータリ型の膨張機部101を上から順に備え、圧縮機シャフト211および膨張機シャフト103により結合されている。圧縮機シャフト211と膨張機シャフト103とは、シャフト連結部材151で連結されることで、一つの軸となっている。
【0028】
圧縮機部200は、圧縮機シャフト211、旋回スクロール212、固定スクロール213、オルダムリング(図示せず)、軸受部材215、マフラー216、圧縮機吸入管217、および圧縮機吐出管218を備えている。
【0029】
圧縮機シャフト211の内部には、オイル供給路211bが形成されている。圧縮機シャフト211の上端部には、偏心部211aが形成され、旋回スクロール212の下面と嵌合している。旋回スクロール212の上面および固定スクロール213の下面には、渦巻き形状のラップ212aおよびラップ213aがそれぞれ形成されている。ラップ212aとラップ213aが噛み合うように配置されることで、三日月形状の圧縮機作動室219が形成される。旋回スクロール212と軸受部材215の間には、オルダムリングが設けられ、旋回スクロール212の自転運動が拘束されている。固定スクロール213の中央部には、圧縮機吐出孔213bが設けられている。固定スクロール213および軸受部材215の外周縁近傍には、上下に貫通する流路220が形成されている。
【0030】
圧縮機シャフト211の回転に伴って旋回スクロール212が旋回運動を行うことにより、圧縮機作動室219は、外側から内側に移動しながら容積を縮小させる。これにより、圧縮機吸入管217から圧縮機作動室219へ吸入された作動流体が圧縮される。圧縮された作動流体は、圧縮機吐出孔213b、マフラー216の内部空間216a、流路220を順に経由して、密閉容器201の内部空間230に吐出される。
【0031】
電動機202は、密閉容器201に固定されたステータ202aと、圧縮機シャフト211に固定されたロータ202bとを含む。圧縮機シャフト211は、電動機202と圧縮機200とに共用されている。
【0032】
電動機202の下方には、オイルプール157が設けられている。オイルプール157には、2段ロータリ型の膨張機部101と圧縮機部200とを循環するオイルが蓄えられている。オイルプール157の中には、圧縮機部200側の比較的高温のオイルが2段ロータリ型の膨張機部101に直接接触しないように、仕切り板152が配置されている。仕切り板152には、仕切り板連通孔152aが設けられている。
【0033】
オイルポンプ部150は、オイルポンプ隔壁板153と、膨張機シャフト103の回転と共に駆動するオイルポンプ154と、シャフト連結部材151の周りを取り囲むように配置された連結器ブロック155とで構成され、仕切り板152の上面側に設置されている。
【0034】
オイルポンプ隔壁板153の下面には、オイル吸入溝153aが溝状に形成されており、オイルポンプ154は、このオイル吸入溝153aを介して、仕切り板152の上面以上に存在するオイルを吸入することができる。また、オイルポンプ隔壁板153には、上下方向に貫通するオイル吐出孔153bが形成されており、オイルポンプ154内のオイルを上方向に吐出することができる。
【0035】
連結器ブロック155の内部には、シャフト連結部材151を取り囲むように、シャフト連結室156が形成されている。シャフト連結室156は、オイルポンプ154よりオイル吐出孔153bを通じて吐出されたオイルにより満たされている。
【0036】
シャフト連結部材151には、シャフト連結室156と圧縮機シャフト211の下端部とを連通するオイル貫通孔151aが設けられている。圧縮機シャフト211の内部には、下端から上端にかけてオイル供給路211bが加工されている。
【0037】
シャフト連結部材151により連結された圧縮機シャフト211と膨張機シャフト103とが一体となって回転することにより、オイルポンプ154は、仕切り板152の上面以上に存在するオイルを、オイル吸入溝153aからシャフト連結室156、オイル貫通孔151aを介して、オイル供給路211bに送り込む。オイル供給路211bを通って圧縮機部200に到達したオイルは、旋回スクロール212と圧縮機シャフト211の偏心部211aとの摺動面や、旋回スクロール212と固定スクロール213との摺動面を潤滑する。圧縮機部200より密閉容器201の内部空間230に吐出された作動流体は、内部空間230に滞留する間に、重力や遠心力によってオイルと分離され、その後、圧縮機吐出管218から密閉容器201の外に吐出される。
【0038】
図2は、図1のX−X線における弁シリンダ125の開口部125a付近の横断面図である。図3(a)は、弁背圧調節弁128が閉じて、吸入流体流量調節弁129が開いている時の弁ピストン126の動作拡大図、図3(b)は、第1吐出側空間115bが密閉状態の時の弁ピストン126の動作拡大図、図3(c)は、弁背圧調節弁128が開いて、吸入流体流量調節弁129が閉じている時の弁ピストン126の動作拡大図である。なお、従来の2段ロータリ型の膨張機部100と同一構成要素については同一符号を用い、その説明を省略する。
【0039】
図1〜図3に示すように、本実施の形態1における2段ロータリ型の膨張機部101は、従来の2段ロータリ型の膨張機部100に加えて、弁シリンダ125、弁ピストン126、弁ばね127、弁背圧調節弁128、吸入流体流量調節弁129、弁背圧供給路130、吸入圧供給路131、高低圧連絡路132を有する。
【0040】
弁シリンダ125は、上軸受部材107の内部に筒状に設けられ、第1吐出側空間115bと連通している。図2に示すように、弁シリンダ125の第1吐出側空間115b側の開口部125aは、なるべく第1吐出側空間115b側の第1ベーン溝105a側面と第1シリンダ105内面との交点の近傍に位置するように設計することが望ましい。弁シリンダ125の内部には、軸方向に動く弁ピストン126と、弁ピストン126の背面に設置された弁ばね127を格納している。また、弁シリンダ125には、膨張機吐出管118から分岐して弁ピストン126の背面側と連通する弁背圧供給路130と、膨張機吸入管117から分岐して弁ピストン126の側面側と連通する吸入圧供給路131とが接続されている。弁背圧供給路130と吸入圧供給路131とは、膨張機吸入管117と接続した高低圧連絡路132により連通されている。
【0041】
弁背圧供給路130の、高低圧連絡路132側接続部と膨張機吐出管118側接続部との間、好ましくは、膨張機吐出管118寄りの位置には、作動流体の流量を調節する弁背圧調節弁128が設置されている。高低圧連絡路132の、弁背圧供給路130側接続部と吸入圧供給路131側接続部との間には、膨張機吸入管117より弁背圧供給路130へ供給する吸入作動流体の流量を調節する吸入流体流量調節弁129が設置されている。
【0042】
次に、本実施の形態1における2段ロータリ型の膨張機部101の動作について説明する。
【0043】
まず、弁背圧調節弁128が閉じて、吸入流体流量調節弁129が開いている場合を説明する。上記の場合、弁背圧供給路130には、膨張機吸入管117の作動流体の圧力、すなわち、吸入圧力がそのまま作用する。これにより、第1吐出側空間115bでの膨張過程において、弁ピストン126の背面にかかる圧力=吸入圧力は、第1吐出側空間115bの圧力より高いので、図3(a)に示すように、弁ピストン126には下方へ押し付ける力が作用し、弁シリンダ125の開口部125aと吸入圧供給路131の弁シリンダ125側の開口部131aは閉じた状態となる。
【0044】
そして、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとの連通が終わる瞬間、すなわち、第1ピストン109が連通孔104aの開口部104a1を塞ぐ瞬間には、第1吐出側空間115b内の作動流体は、行き場を失って閉じ込められる。第1吐出側空間115bが密閉状態となると、膨張機シャフト103の回転に従って第1吐出側空間115bの容積が減少するため、圧力は急激に上昇する。これにより、図3(b)に示すように、第1吐出側空間115b内の作動流体の圧力が、瞬間的に弁ピストン126の背面にかかる圧力=吸入圧力よりも高くなって、弁ピストン126を押し上げるため、弁シリンダ125の開口部125aと吸入圧供給路131の開口部131aが開いた状態となる。
【0045】
したがって、上記構成によれば、第1吐出側空間115b内に閉じ込められた作動流体を、弁シリンダ125内に排出することができ、吸入圧供給路131を経由して膨張機吸入管117へ戻し、再び第1吸入側空間115aに吸入させることができる。
【0046】
次に、弁背圧調節弁128が開いて、吸入流体流量調節弁129が閉じている場合を説明する。上記の場合、弁背圧供給路130には、膨張機吐出管118の作動流体の圧力、すなわち、吐出圧力がそのまま作用する。これにより、第1吐出側空間115bでの膨張過程において、第1吐出側空間115bの圧力は、弁ピストン126の背面にかかる圧力=制御圧力より高いので、図3(c)に示すように、弁ピストン126には上方へ押し上げる力が作用し、弁シリンダ125の開口部125aと吸入圧供給路131の開口部131aは常に開いた状態となる。
【0047】
したがって、上記構成によれば、第1吐出側空間115bが密閉状態になることはなく、第1吐出側空間115bには、吸入ポート105bから吸入される作動流体に加えて、膨張機吸入管117の作動流体を、弁シリンダ125を経由して常に流入させることができる。また、弁シリンダ125の開口部125aが、図2に示す位置、すなわち、第1吐出側空間115b側の第1ベーン溝105a側面と第1シリンダ105内面との交点の近傍に配置するように形成されることで、弁シリンダ125の開口部125aから第1吐出空間115bへの作動流体の吸入過程を、第1ピストン109が上死点に達する直前まで継続させることができる。
【0048】
このように、本実施の形態1における2段ロータリ型の膨張機部101の弁シリンダ125は、作動室への作動流体の吸入容積を増加させる機能を有するので、膨張機一体型圧縮機における「作動流体の密度比=一定」の運転条件(制約)を回避することができる。
【0049】
また、本実施の形態1の2段ロータリ型の膨張機部101においては、弁背圧調節弁128を閉じて、吸入流体流量調節弁129の開度を調節することにより、弁背圧供給路130の圧力を、吸入圧力と吐出圧力の中間圧力にすることができる。具体的には、吸入流体流量調節弁129から弁背圧供給路130に流れる作動流体の流量が、吸入圧供給路131から弁シリンダ125を経由して第1吐出側空間115bに流入する作動流体の流量と同じになるように、吸入流体流量調節弁129の開度を調節することにより、弁背圧供給路130の圧力を一定の中間圧力に保つことができる。
【0050】
上記の場合、第1吐出側空間115bの圧力は、第1吐出側空間115bと吸入ポート105bとの連通終了後でも、しばらくの間は、弁ピストン126の背面にかかる中間圧力よりも高いため、図3(c)に示すように、弁シリンダ125の開口部125aと吸入圧供給路131の開口部131aは開いた状態となり、吸入圧供給路131から弁シリンダ125を経由した作動流体を、第1吐出側空間115bへ流入させることができる。
【0051】
作動流体の膨張が進み、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとで形成される膨張室の容積拡大による膨張の効果が、弁シリンダ125を経由した中間圧力を有する作動流体の吸入による圧力上昇の効果を上回ると、第1吐出側空間115bの圧力が低下し始める。やがて、第1吐出側空間115bの圧力が、弁ピストン126の背面にかかる中間圧力よりも低くなると、弁ピストン126には下方に押し付ける力の方が作用するため、図3(a)に示すように、弁シリンダ125の開口部125aと吸入圧供給路131の開口部131aは閉じた状態となる。
【0052】
そして、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとの連通が終わる瞬間、すなわち、第1ピストン109が連通孔104aの開口部104a1を塞ぐ瞬間には、第1吐出側空間115b内の作動流体は、行き場を失って閉じ込められる。第1吐出側空間115bが密閉状態となると、膨張機シャフト103の回転に従って第1吐出側空間115bの容積が減少するため、圧力は急激に上昇する。これにより、図3(b)に示すように、第1吐出側空間115b内の作動流体の圧力が、瞬間的に弁ピストン126の背面にかかる圧力=吸入圧力よりも高くなって、弁ピストン126を押し上げるため、弁シリンダ125の開口部125aと吸入圧供給路131の開口部131aが開いた状態となる。
【0053】
したがって、上記構成によれば、第1吐出側空間115bには、吸入ポート105bから吸入される作動流体に加えて、膨張機吸入管117の作動流体を、弁シリンダ125を経由して流入させることができる。また、第1吐出側空間115b内に閉じ込められた作動流体を、弁シリンダ125内に排出することができ、吸入圧供給路131を経由して膨張機吸入管117へ戻し、再び第1吸入側作動室115aに吸入させることができる。
【0054】
以上の説明から明らかなように、本実施の形態1の構成、すなわち、弁シリンダ125、弁ピストン126、弁ばね127、弁背圧調節弁128、吸入流体流量調節弁129、弁背圧供給路130、吸入圧供給路131、高低圧連絡路132からなる構成を採ることにより、第1吐出側空間115b内に閉じ込められた作動流体を圧縮することによる2段ロータリ型膨張機の損失を低減することが可能となる。
【0055】
なお、本実施の形態1では、第1吐出側空間115b内に閉じ込められた、一旦減圧した作動流体が、吸入圧力や中間圧力よりも高い圧力にまで圧縮されることを利用して、弁ピストン126を押し上げて弁シリンダ125内に排出しているのだが、この時、弁ばね127を圧縮するのに必要な仕事が発生し、損失となる。しかしながら、閉じ込められる作動流体の大部分は、液流体と潤滑油であると考えられ、作動流体が第1吐出側空間115b内に閉じ込められてから吸入圧力や中間圧力よりも高く昇圧されるまでの膨張機シャフト103が回転する角度は微小であるため、損失は軽微である。また、上記圧縮力を利用して弁ピストン126を押し上げているため、弁ばね127には強力なばねを使用する必要はなく、その圧縮仕事も小さい。
【0056】
また、2段ロータリ型の膨張機部101と圧縮機200とを一軸で直結して、冷凍サイクル装置で用いることを想定し、圧縮機200と2段ロータリ型の膨張機部101が同一回転数で回転するために生じる「作動流体の密度比=一定」の運転条件(制約)を回避することができる機能を弁シリンダ125に持たせたが、これに限られるものではない。本実施の形態1の2段ロータリ型の膨張機部101において、弁背圧供給路130に常時、吸入圧力を導入する構成であってもよい。
【0057】
(その他の実施の形態)
吸入容積が小さい、すなわち、第1シリンダ105や第1ピストン109の大きさが小さい2段ロータリ型の膨張機部に、本発明の2段ロータリ型の膨張機部101を適用した場合について説明する。
【0058】
図4(a)は、吸入完了時における連通孔104a付近の拡大図、図4(b)は、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとの連通終了時における連通孔104a付近の拡大図である。図4(a)に示すように、連通孔104aの容積が、吸入完了時に吸入容積に含まれることを避けるため、第1ピストン109が連通孔104aの開口部104a1を塞ぐよう、膨張機シャフト103側に寄った位置に、連通孔104aを配置することがある。この場合、図4(b)に示すように、第1吐出側空間115bと第2吸入側空間116aとの連通が終わる瞬間、第1吐出側空間115bに閉じ込められた作動流体の体積は大きくなり、吸入容積に比べて数%オーダーの規模となる。このため、閉じ込められた作動流体は、図4(b)の瞬間から図4(a)の上死点に達するまでの角度θ2に渡って圧縮されることになり、発生する損失は相対的に大きくなる。よって、図4(a)に示すような2段ロータリ型の膨張機部に本発明を適用した場合、さらに顕著な効果を得ることができる。
【0059】
なお、実施の形態では、膨張機一体型圧縮機を用いて説明したが、これに限られることはなく、2段ロータリ型膨張機でも同様の効果を奏することができる。
【0060】
また、圧縮機部200をスクロール圧縮機としたが、ロータリ型、スイング型などの圧縮機でもよい。膨張機部101を2段ロータリ型としたが、同じロータリ型でもスイング方式の場合には、第1ベーン111と第2ベーン112、第1ピストン109と第2ピストン110とを一つの部品で構成することができる。この場合、第1ベーン111と第2ベーン112に相当する部分が、第1ピストン109と第2ピストン110に相当する部分とともに、前後左右に揺動する。
【0061】
また、2段ロータリ型の膨張機部101において、吸入ポート105bを第1シリンダ105に形成したが、これに限られることはなく、上軸受部材107に形成してもよい。同様に、吐出ポート106bを第2シリンダ106に形成したが、これに限られることはなく、下軸受部材108に形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の2段ロータリ型膨張機は、作動流体の膨張エネルギーを回収して動力回収手段とすることができ、冷凍サイクルを用いた空調機や給湯機などの用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態1の膨張機一体型圧縮機の縦断面図
【図2】図1のX−X線における弁シリンダの開口部付近の図
【図3】(a)弁背圧調節弁が閉、吸入流体流量調節弁が開の時の弁ピストンの動作拡大図(b)第1吐出側空間が密閉状態の時の弁ピストンの動作拡大図(c)弁背圧調節弁が開、吸入流体流量調節弁が閉の時の弁ピストンの動作拡大図
【図4】(a)吸入完了時における第1吐出側空間に閉じ込められた作動流体の容積を示す説明図(b)第1シリンダの作動室と第2シリンダの作動室との連通が終わる瞬間における第1吐出側空間に閉じ込められた作動流体の容積を示す説明図
【図5】(a)従来の2段ロータリ型の膨張機部における第1シリンダの横断面図(b)従来の2段ロータリ型の膨張機部における第2シリンダの横断面図
【図6】従来の膨張機一体型圧縮機を用いた冷凍サイクル装置の図
【図7】図5(a)の上死点における連通孔付近の拡大図
【符号の説明】
【0064】
1,2 膨張機一体型圧縮機
100,101 膨張機部
102,201 密閉容器
103 膨張機シャフト
103a 第1偏心部
103b 第2偏心部
104 中板
104a 連通孔
104a1 開口部
105 第1シリンダ
105a 第1ベーン溝
105b 吸入ポート
106 第2シリンダ
106a 第2ベーン溝
106b 吐出ポート
107 上軸受部材
108 下軸受部材
109 第1ピストン
110 第2ピストン
111 第1ベーン
112 第2ベーン
113 第1ばね
114 第2ばね
115a 第1吸入側空間
115b 第1吐出側空間
116a 第2吸入側空間
116b 第2吐出側空間
117 膨張機吸入管
118 膨張機吐出管
125 弁シリンダ
125a 開口部
126 弁ピストン
127 弁ばね
128 弁背圧調節弁
129 吸入流体流量調節弁
130 弁背圧供給路
131 吸入圧供給路
131a 開口部
132 高低圧連絡路
150 オイルポンプ部
151 シャフト連結部材
151a オイル貫通孔
152 仕切り板
152a 仕切り板連通孔
153 オイルポンプ隔壁板
153a オイル吸入溝
153b オイル吐出溝
154 オイルポンプ
155 連結器ブロック
156 シャフト連結室
157 オイルプール
200 圧縮機部
202 電動機
202a ステータ
202b ロータ
211 圧縮機シャフト
211a 偏心部
211b オイル供給路
212 旋回スクロール
212a ラップ
213 固定スクロール
213a ラップ
213b 圧縮機吐出孔
215 軸受部材
216 マフラー
216a 内部空間
217 圧縮機吸入管
218 圧縮機吐出管
219 圧縮機作動室
220 流路
230 内部空間
300 凝縮器
301 インジェクション通路
302 流通路
310 蒸発器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シリンダと、
前記第1シリンダの内外を貫くシャフトと、
前記シャフトに取り付けられ前記第1シリンダ内で偏心回転する第1ピストンと、
前記シャフトを共有する形で前記第1シリンダと同心状に配置された第2シリンダと、
前記シャフトに取り付けられ前記第2シリンダ内で偏心回転する第2ピストンと、
前記第1シリンダに形成された第1溝に進退可能に装着され前記第1シリンダと前記第1ピストンとの間の空間を第1吸入側空間と第1吐出側空間とに仕切る第1仕切り部材と、
前記第2シリンダに形成された第2溝に進退可能に装着され前記第2シリンダと前記第2ピストンとの間の空間を第2吸入側空間と第2吐出側空間とに仕切る第2仕切り部材と、
前記第1吸入側空間に作動流体を吸入するための吸入ポートと、
前記第2吐出側空間から前記作動流体を吐出するための吐出ポートと、
前記第1シリンダに設けられた筒状の弁シリンダと、
前記弁シリンダ内を軸方向に動く弁ピストンと、
前記弁ピストンの前記第1シリンダとは反対側の背面に設置された弁ばねとを備え、
前記第1吐出側空間の圧力が前記吸入ポートの圧力よりも高い場合に、前記弁シリンダと前記弁ピストンとで形成される空間に前記第1吐出側空間の作動流体を排出する2段ロータリ型膨張機。
【請求項2】
前記弁シリンダには、前記弁ピストンの背面に前記吸入ポートの圧力以下の作動流体を導く弁背圧供給路と、前記弁背圧供給路の圧力が前記第1吐出側空間の圧力よりも低い場合に、前記第1吐出側空間に前記吸入ポートの作動流体を導く吸入圧供給路とを備える、請求項1に記載の2段ロータリ型膨張機。
【請求項3】
前記弁シリンダの前記第1吐出側空間に面する開口部は、前記第1シリンダと前記第1溝との前記第1吐出側空間側の交点を内包することを特徴とする、請求項1に記載の2段ロータリ型膨張機。
【請求項4】
作動流体を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された作動流体を放熱させる放熱器と、
前記放熱器で放熱した作動流体を膨張させる膨張機と、
前記膨張機で膨張した作動流体を蒸発させる蒸発器と、を備え、
前記膨張機が、請求項1に記載の2段ロータリ型膨張機からなる冷凍サイクル装置。
【請求項5】
二酸化炭素を作動流体とすることを特徴とする、請求項4に記載の冷凍サイクル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−62951(P2009−62951A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233757(P2007−233757)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)