説明

2液混合型オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化方法

【課題】速硬化性、深部硬化性に優れた脱アルコールタイプの2液混合型オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化方法を提供する。
【解決手段】分子内に少なくとも1個の2級アミンを有するシランカップリング剤を配合する特定の第1組成物と、シラノール基を含有する特定の第2組成物とを混合することにより硬化することを特徴とする2液混合型オルガノポリシロキサン組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、速硬化性、深部硬化性に優れた脱アルコールタイプの2液混合型オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
縮合硬化型の室温速硬化性オルガノポリシロキサン組成物については、従来、ベースポリマーである両末端ヒドロキシオルガノポリシロキサンに対して架橋剤を極限まで減量して加水分解による架橋速度を向上させた1液タイプのもの、及びベースポリマーである両末端ヒドロキシオルガノポリシロキサンと架橋剤とを別梱包とし、使用時に混合する2液タイプのものが知られている。
【0003】
1液タイプの前記組成物は、表面からの硬化速度が速いというだけであり、深部硬化には一定の時間が必要であるため速硬化性とは言い難い。そこで速硬化性を必要とされる場合、2液タイプの組成物が有効とされているが、2液タイプの前記組成物においては、深部硬化性には比較的優れているものの、2液混合する割合が体積比で1:1でないため取り扱いが複雑であり、また、自動混合機などに適合しにくいという欠点がある。更に、深部まで完全に硬化させるにはオルガノポリシロキサンの両末端ヒドロキシ量と架橋剤の添加量を厳密に規定するか、深部硬化剤として更に水を加えることが必要である。
【0004】
一方、付加硬化型のオルガノポリシロキサン組成物においては、2液混合する割合が1:1であり作業性に優れるが、通常、硬化には加熱炉が必要である。また、付加毒の存在下で硬化触媒が被毒されるため、作業環境が限定されるという欠点があった。
【0005】
そのため、特許第3916403号公報(特許文献1)では、分子鎖両末端が加水分解性シリル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンに対し1分子中に少なくとも1個のカルボニル基(C=O基)を有する有機化合物、及び1分子中に少なくとも1個の1級アミノ基(NH2基)を有する有機化合物を含有してなる組成物が提案されている。これはカルボニル基と1級アミノ基によるケチミン生成反応から副生する水を利用して深部硬化性、速硬化性を改良したものであるが、深部硬化性、速硬化性には優れるものの、未硬化時に熱が加えられた場合、縮合反応生成物であるジアルキルケトオキシムが急速にガス化して硬化物中に気泡が発生し、シール性が大幅に低下し、特に自動車のオイルシール用途には問題があった。その問題対策として、特許第3970484号公報(特許文献2)では、上記に更に硬化剤種・硬化剤量を限定することで、硬化物中に気泡が発生することを抑えることが提案されている。
【0006】
しかし、これら特許第3916403号公報、特許第3970484号公報は、有効な手法ではあるが、これを脱アルコールタイプの組成物に応用すると硬化は若干速くなるものの、上記で提案されているような脱オキシムタイプの組成物と比較すると明らかに遅く、速硬化性が要求される自動車・電気電子業界においては使用し難い状況であった。また、硬化性を改良する目的で、従来から行われている深部硬化剤として水を加える手法を行ったとしても、劇的に硬化性が改善されるとは言い難い状況であった。
【0007】
また、特開2002−012767号公報、特開2005−281404号公報、特開2008−150491号公報(特許文献3〜5)には、水分を含有した充填剤を利用することで、速硬化が得られることが提案されている。
しかしながら、これら特開2002−012767号公報、特開2005−281404号公報、特開2008−150491号公報では、充填剤が含有する水分量の管理が難しく、得られる組成物の速硬化性が安定しない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3916403号公報
【特許文献2】特許第3970484号公報
【特許文献3】特開2002−012767号公報
【特許文献4】特開2005−281404号公報
【特許文献5】特開2008−150491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、速硬化性、深部硬化性に優れた脱アルコールタイプの2液混合型オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、分子内に少なくとも1個の2級アミンを有するシランカップリング剤を配合する下記の第1組成物と、シラノール基を含有する下記の第2組成物が、大気中にて混合されると、直ちに硬化が進行し、硬化性が飛躍的に改善されることを見出し、本発明をなすに至った。
【0011】
従って、本発明は、下記の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化方法を提供する。
〔請求項1〕
下記に示す第1組成物と第2組成物とからなり、第1組成物と第2組成物とを混合することにより硬化することを特徴とする2液混合型オルガノポリシロキサン組成物。
第1組成物:
(A)下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン: 50〜190質量部、
HO(SiR12O)nH (1)
(式中、R1は炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。nは10以上の整数である。)
(B)下記一般式(2)で示されるケテンシリルアセタール型化合物、下記一般式(3)で示される2−メチルジアルコキシシリルプロピオン酸エステル及びそれらの部分加水分解物から選ばれる少なくとも1種の化合物: 0.1〜20質量部、
(R2O)2Si(R3)OC(OR3)CHCH3 (2)
(R2O)2Si(CH3)CH(CH3)COOR3 (3)
(式中、R2は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、R3は独立に炭素原子数1〜12の非置換又は置換のアルキル基であり、R2とR3は同一であっても異種の基であってもよい。)
(C)分子内に少なくとも1個のグアニジン骨格を有する有機化合物及び/又はシラン化合物: 0.01〜20質量部、
(D)分子内に少なくとも1個の2級アミンを有するシランカップリング剤: 0.01〜20質量部、
(E)下記一般式(4)で示されるアルコキシ基を1分子中に2個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解縮合物: 0.1〜30質量部
5mSi(OR44-m (4)
(式中、R4は独立に炭素原子数1〜4の非置換又はアルコキシ置換の1価炭化水素基、R5は独立に炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R4とR5は同一であっても異種の基であってもよい。mは0,1又は2である。)
を含有する組成物、
第2組成物:
(F)下記一般式(5)で示されるオルガノポリシロキサン: 150〜10質量部、
HO(SiR12O)nH (5)
(式中、R1、nは上記と同じである。)
(G)有機スズ触媒: 0.01〜10質量部、
(H)水: 0.1〜10質量部
を含有する組成物、
但し、(A),(F)成分の合計が200質量部であり、第1組成物に含有する(B)〜(E)成分及び第2組成物に含有する(G)〜(H)成分の配合量は、それぞれ(A),(F)成分の合計200質量部に対する配合量を示す。
〔請求項2〕
(D)成分の2級アミンを有するシランカップリング剤が、下記一般式(6)及び/又は(7)で示されるシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【化1】


(式中、R6は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、R7は独立に炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R6とR7は同一であっても異種の基であってもよい。R8は独立に炭素原子数1〜6の2価炭化水素基であり、kは0,1又は2である。)
〔請求項3〕
更に、第1組成物と第2組成物の少なくとも一方に、(A)成分と(B)成分の合計200質量部に対して合計で2〜500質量部の(I)充填剤を含有する請求項1又は2記載の組成物。
〔請求項4〕
自動車部品又は電気電子部品用シール剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
〔請求項5〕
第1組成物と第2組成物を混合することにより2液混合型オルガノポリシロキサン組成物を硬化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物によれば、従来の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物では成し得なかった低温・低湿度条件においても良好に硬化し、かつ優れたゴム状弾性体を瞬時に得ることができる。本発明の組成物は、各種接着剤やシール剤に好適に使用することができ、特に自動車用途及び電気電子用途等のシール剤として有効である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明につき更に詳細に説明する。
本発明の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物は、後述する(A)〜(E)成分を含有する第1組成物と、後述する(F)〜(H)成分を含有する第2組成物とからなり、第1組成物と第2組成物とを混合することにより硬化するものである。
【0014】
第1組成物中の(A)成分は、下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサンである。
HO(SiR12O)nH (1)
【0015】
上記式(1)中、R1は炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素、フッ素、臭素といったハロゲン原子等で置換された基、例えばトリフルオロプロピル基などが挙げられ、メチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。このR1は同一の基であっても異種の基であってもよい。
【0016】
また、式(1)中のnは10以上の整数であり、このオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が25〜500,000mm2/sの範囲、特に500〜100,000mm2/sの範囲となることが好ましい。なお、本発明において、粘度は回転粘度計により測定した値である。
【0017】
本発明の組成物において、(A)成分と(F)成分の合計は200質量部であり、第1組成物の(A)成分は50〜190質量部((F)成分が150〜10質量部)、好ましくは70〜150質量部((F)成分が130〜50質量部)、より好ましくは80〜120質量部((F)成分が120〜80質量部)、特に好ましくは90〜110質量部((F)成分が110〜90質量部)である。(A)成分の量が50質量部未満((F)成分の量が150質量部を超える)でも、190質量部を超えて((F)成分が10質量部未満)も速硬化性が不十分となることがある。
【0018】
次に、(B)成分の下記一般式(2)で示されるケテンシリルアセタール型化合物、下記一般式(3)で示される2−メチルジアルコキシシリルプロピオン酸エステルあるいはそれらの部分加水分解物は、本組成物において(A)成分の両末端をアルコキシ化するための必須成分である。
(R2O)2Si(R3)OC(OR3)CHCH3 (2)
(R2O)2Si(CH3)CH(CH3)COOR3 (3)
(式中、R2は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、R3は独立に炭素原子数1〜12の非置換又は置換のアルキル基であり、R2とR3は同一であっても異種の基であってもよい。)
【0019】
上記一般式(2)、(3)において、R2の炭素原子数1〜4のアルキル基としては、直鎖状、環状、分岐状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基が挙げられる。
また、R3の炭素原子数1〜12のアルキル基としては、直鎖状、環状、分岐状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基、シクロヘキシル基等の環状のアルキル基及びtert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐状のアルキル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換1価炭化水素基等で置換された基等を挙げることができる。これらの基は同一であっても異なっていてもよい。
本発明において、R2は、メチル基、エチル基が好ましく、その中でもよりメチル基が好ましい。またR3は、メチル基、エチル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基が好ましく、その中でもより2−エチルヘキシル基が好ましい。
【0020】
ここで、式(2)で示されるケテンシリルアセタール型化合物と式(3)で示される2−メチルジアルコキシシリルプロピオン酸エステルは、異性体の関係にあり、例えばアクリル酸エステルとメチルジアルコキシシランとのヒドロシリル化反応によって混合物として得ることができる。また、市販品を用いることもでき、市販品としては、OCMS−2(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。
(B)成分は1種を単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
【0021】
上記ケテンシリルアセタール型化合物、2−メチルジアルコキシシリルプロピオン酸エステルあるいはそれらの部分加水分解物は、(A)成分と(F)成分の合計200質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは1〜15質量部の範囲で使用されるものである。配合量が少なすぎると十分に(A)成分の両末端をアルコキシ化することができないため、組成物の保存性や外観が悪化したり、組成物の粘度が増粘したりする。また、配合量が多すぎると(B)成分が過剰となるため、硬化時間が遅延したり、得られるゴムの機械特性が劣る結果となったり、またコスト的にも不利となる。
【0022】
次に、(C)成分の分子内に少なくとも1個のグアニジン骨格を有する有機化合物及び/又はシラン化合物は、上記(A)成分と(B)成分を短時間で、かつ効率的に末端修飾するための触媒として必須成分である。ここで、グアニジン骨格とは、下記一般式(8)で示される。
【0023】
【化2】

【0024】
(C)成分の分子内に少なくとも1個のグアニジン骨格を有する有機化合物及びシラン化合物の具体例としては、塩酸グアニジン、炭酸グアニジン、硝酸グアニジン、硫酸グアニジン、リン酸グアニジンなどの無機グアニジン類、アミノグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、n−ドデシルグアニジン、メチロールグアニジン、ジメチロールグアニジン、1−フェニルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、1−ベンジル−2,3−ジメチルシアノグアニジン等の有機グアニジン類、1,1,3,3−テトラメチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]グアニジンなどのアルコキシシラン類が例示される。この中でも有機グアニジン類を使用することが好ましく、その中でも特に1,1,3,3−テトラメチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]グアニジンを使用することが好ましい。
【0025】
上記の分子内に少なくとも1個のグアニジン骨格を有する有機化合物及び/又はシラン化合物は、(A)成分と(F)成分の合計200質量部に対して0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部の範囲で使用されるものであり、配合量が少なすぎると十分に(A)成分の両末端を(B)成分でアルコキシ化することができず、配合量が多すぎると臭気や保存性が悪化する。
【0026】
次に、(D)成分の分子内に少なくとも1個の2級アミンを有するシランカップリング剤は、第2組成物中のシラノール基含有オルガノポリシロキサンとの反応を促進し、良好な速硬化性・接着性を得るための必須成分である。
【0027】
(D)成分の分子内に少なくとも1個、好ましくは1〜2個の2級アミンを有するシランカップリング剤の具体例としては、数多くのシランカップリング剤を例示することが可能であるが、その中でも特に、下記一般式(6)及び/又は(7)で示されるシランカップリング剤を使用すると、第2組成物中に含まれるシラノール基との反応が促進し、良好な速硬化性・接着性を得ることができる。
【0028】
【化3】


(式中、R6は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、R7は独立に炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R6とR7は同一であっても異種の基であってもよい。R8は独立に炭素原子数1〜6の2価炭化水素基であり、kは0,1又は2である。)
【0029】
上記式中、R6は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基である。このR6は同一の基であっても異種の基であってもよい。
【0030】
7は炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6の非置換又は置換1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素、フッ素、臭素といったハロゲン原子等で置換された基、例えばトリフルオロプロピル基などが挙げられ、好ましくはメチル基である。このR7は同一の基であっても異種の基であってもよい。
【0031】
8は炭素原子数1〜6、好ましくは1〜3の2価炭化水素基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基等の直鎖又は分岐状のアルキレン基、フェニレン基、キシリレン基等のアリーレン基などが挙げられ、好ましくはエチレン基、プロピレン基、トリメチレン基である。このR8は同一の基であっても異種の基であってもよい。
kは0,1又は2であり、好ましくは0,1であり、特に好ましくは0である。
【0032】
ここで、式(6)で示されるシランカップリング剤は、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを反応させることによって得ることができ、式(7)で示されるシランカップリング剤は、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとクロロプロピルトリメトキシシランを反応させることによって得ることができる。また、これらは市販品を用いることもでき、市販品としては、X−12−5263HP、KBM−425(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。
(D)成分は1種を単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
【0033】
上記分子内に少なくとも1個の2級アミンを有するシランカップリング剤は、(A)成分と(F)成分の合計200質量部に対して0.01〜20質量部、好ましくは1〜10質量部の範囲で使用されるものであり、配合量が少なすぎると期待される速硬化性・接着性が得られず、逆に配合量が多すぎると得られるゴムの機械特性に劣り、かつコスト的にも不利となる。
【0034】
次に、(E)成分の下記一般式(4)で示されるアルコキシ基を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解縮合物は、本組成物に適度な硬化性を与えるための成分である。
5mSi(OR44-m (4)
(式中、R4は独立に炭素原子数1〜4の非置換又はアルコキシ置換の1価炭化水素基、R5は独立に炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R4とR5は同一であっても異種の基であってもよい。mは0,1又は2である。)
【0035】
上記式(4)中、R4は炭素原子数1〜4の非置換もしくはアルコキシ置換の1価炭化水素基であり、1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基が例示され、アルコキシ置換アルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、ペンチロキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシブチル基、メトキシペンチル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基、エチル基が好ましい。
【0036】
5は炭素原子数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素、フッ素、臭素といったハロゲン原子等で置換された基、例えばトリフルオロプロピル基などであり、メチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。このR5は同一の基であっても異種の基であってもよい。
【0037】
上記(E)成分の具体例としては、テトラメトキシシラン、エチルシリケート、プロピルシリケート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシラン、又はその部分加水分解縮合物が例示され、該部分加水分解縮合物は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。該部分加水分解縮合物は、通常重合度2〜8程度のオリゴマーである。(E)成分は1種に限定されず、2種以上を使用してもよい。
【0038】
上記アルコキシ基を1分子中に2個以上有するシラン化合物又はそれらの部分加水分解縮合物は、(A)成分と(F)成分の合計200質量部に対して0.1〜30質量部、好ましくは1〜15質量部の範囲で使用されるものであり、配合量が少なすぎると速硬化すぎて作業性が悪くなり、配合量が多すぎると得られるゴムの機械特性に劣るものとなる。
【0039】
次に、第2組成物中の(F)成分は、下記一般式(5)で示されるオルガノポリシロキサンである。
HO(SiR12O)nH (5)
【0040】
上記式(5)中、R1は炭素原子数1〜10の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部が塩素、フッ素、臭素といったハロゲン原子等で置換された基、例えばトリフルオロプロピル基などであり、メチル基、フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。このR1は同一の基であっても異種の基であってもよい。
【0041】
また、式(5)中のnは10以上の整数であり、このオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が25〜500,000mm2/sの範囲、特に500〜100,000mm2/sの範囲となることが好ましい。
(F)成分は、(A)成分と置換基や重合度が異なったものでもよいが、(A)成分と同じものが好ましい。
また、(F)成分の配合量については上述した通りである。
【0042】
(G)成分の有機スズ触媒は、本組成物を良好に硬化させるための必須成分である。
(G)成分の有機スズ触媒の具体例としては、ジメチルジメトキシスズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジベンジルマレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジバーサテート等の有機スズ化合物が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0043】
(G)成分の配合量は、(A)成分と(F)成分の合計200質量部に対して0.01〜10質量部であり、特に0.05〜1質量部配合することが好ましい。0.01質量部未満では表面硬化が遅くなり、10質量部を超える量では、第1組成物との混合時、硬化が速すぎて吐出困難になるほか、得られる組成物の伸びが低下し、ゴムの機械特性が悪化する場合がある。
【0044】
(H)成分の水は、本組成物に速硬化性を与えるための必須成分である。
(H)成分の配合量は、(A)成分と(F)成分の合計200質量部に対して0.1〜10質量部であり、特に0.5〜4質量部配合することが好ましい。0.01質量部未満では本組成物の硬化が遅くなり、速硬化性が低下してしまい、10質量部を超える量では、水が多すぎて混合組成物が硬化不良となってしまう場合がある。
【0045】
また、本発明の組成物には、強度等の物理的特性を向上させるために充填剤(I)を配合することが好ましい。(I)成分は、第1組成物でも第2組成物でもその両方に配合してもよい。
この充填剤としては、無機質充填剤が好ましく、シラン、シラザン、シロキサン等の有機ケイ素化合物で処理された又は無処理の煙霧状シリカ、湿式シリカ等のシリカ、カーボン粉、タルク、ベントナイト、表面が脂肪酸や樹脂酸等で処理された又は無処理の重質炭酸カルシウム、コロイド質炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、表面処理又は無処理の酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等が例示され、これらの中でも充填剤の表面が処理され、かつ水分量の少ない充填剤が好ましい。特に、表面処理された煙霧状シリカ、表面処理された炭酸カルシウムが好ましい。
なお、上記充填剤の水分量は、3質量%以下、特に1質量%以下であることが好ましい。
【0046】
(I)成分の配合量は、(A)成分と(F)成分の合計200質量部に対して2〜500質量部の範囲、好ましくは10〜200質量部の範囲で使用される。2質量部未満では配合効果が不十分となることがあり、500質量部を超えると、作業性が低下することがある。
【0047】
本発明の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物は、上記した(A)〜(I)成分の他に、必要に応じてポリエーテル、ポリエーテル変性シリコーン等のチクソ性向上剤、非反応性ジメチルポリシロキサン、イソパラフィン等の可塑剤、シリコーンレジン等の架橋密度向上剤、耐熱性向上剤、抗菌・防カビ剤、顔料等の各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。なお、添加剤は、第1組成物、第2組成物のどちらに配合してもよい。
【0048】
本発明の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物は、(A)〜(E)成分を第1組成物、(F)〜(H)成分を第2組成物とすることを必須とし、必要に応じて各種添加剤を配合し、湿気を遮断した状態で混合することにより、それぞれの組成物を得ることができる。得られたこれらの組成物は、それぞれ別の密閉容器中でそのまま保存し、使用時に混合することによりゴム状弾性体に硬化する、いわゆる2包装型オルガノポリシロキサン組成物として用いることができる。
なお、本発明の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物は、上記第1組成物と第2組成物を体積比で略1:1にて混合することが好ましく、上記第1組成物と第2組成物を体積比で略1:1で混合したときに、その組成物が上記記載の割合で(A)〜(H)成分を含有するように調製されていることが好ましい。
【0049】
本発明の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物は、(A)〜(E)成分が配合された第1組成物と、(F)〜(H)成分が配合された第2組成物とを混合することで、第2組成物中に含まれる水分や空気中の水分の存在により硬化すると共に、(D)成分が第2組成物中に含まれるシラノール基との反応を促進することにより硬化が促進し、表面からの硬化のみならず、その内部からも硬化を生じるため、速硬化性及び深部硬化性が向上する。また、ベースポリマーである(A)成分の粘度及び(D)成分の添加量を変化させることで、速硬化性を制御することが可能であると共に、得られた硬化物は優れた機械的性質を有するため、優れた性質のシール剤を提供することができる。
【0050】
本発明の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物は、シール剤や接着剤等に好適に使用されるが、特に自動車用途及び電気電子用途等、とりわけこれらのシール剤として有効である。
【0051】
なお、本発明の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物の硬化条件等は制限されず、公知の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物では成し得なかった低温・低湿度条件においても良好に硬化することができる。
【実施例】
【0052】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0053】
[実施例1]
25℃における粘度が20,000mPa・sの末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン100質量部に、アクリル酸2−エチルヘキシルとジメトキシメチルシランとの反応物(商品名;OCMS−2、信越化学工業(株)製)3質量部、1,1,3,3−テトラメチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]グアニジン0.6質量部を加え、混合機で混合して反応させ、更にこれに、重質炭酸カルシウム(商品名;MCコートS−20、脂肪酸表面処理品、水分量0.3質量%、丸尾カルシウム(株)製(以下、同じ))80質量部、煙霧状シリカ(商品名;MU−215、ジメチルジクロロシラン表面処理品、水分量0.5質量%、信越化学工業(株)製(以下、同じ))5質量部を加え、均一に分散混合した後、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名;KC−89E、信越化学工業(株)製)10質量部、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとクロロプロピルトリメトキシシランの反応物(商品名;X−12−5263HP、信越化学工業(株)製)5質量部を加えて、減圧下で完全に混合し、第1組成物を得た。
また、25℃における粘度が20,000mPa・sの末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン100質量部に、重質炭酸カルシウム(商品名;MCコートP−20、パラフィン系表面処理品、水分量0.3質量%、丸尾カルシウム(株)製(以下、同じ))80質量部、煙霧状シリカ(商品名;MU−215、信越化学工業(株)製)5質量部を加え、均一に分散混合した後、水1質量部、ジオクチルスズジバーサテート0.2質量部を添加し、混合機で混合させて第2組成物を得た。
上記第1組成物と第2組成物を体積比で約1:1の割合で混合し、サンプル1を得た。
【0054】
[実施例2]
25℃における粘度が20,000mPa・sの末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン100質量部に、アクリル酸2−エチルヘキシルとジメトキシメチルシランとの反応物(商品名;OCMS−2、信越化学工業(株)製)3質量部、1,1,3,3−テトラメチル−2−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]グアニジン0.6質量部を加え、混合機で混合して反応させ、更にこれに、重質炭酸カルシウム(商品名;MCコートS−20、丸尾カルシウム(株)製)80質量部、煙霧状シリカ(商品名;MU−215、信越化学工業(株)製)5質量部を加え、均一に分散混合した後、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名;KC−89E、信越化学工業(株)製)10質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとの反応物(商品名;KBM−425、信越化学工業(株)製)5質量部を加えて、減圧下で完全に混合し、第1組成物を得た。
また、25℃における粘度が20,000mPa・sの末端がシラノール基で封鎖されたポリジメチルシロキサン100質量部に、重質炭酸カルシウム(商品名;MCコートP−20、丸尾カルシウム(株)製)80質量部、煙霧状シリカ(商品名;MU−215、信越化学工業(株)製)5質量部を加え、均一に分散混合した後、水1質量部、ジオクチルスズジバーサテート0.2質量部を添加し、混合機で混合させて第2組成物を得た。
上記第1組成物と第2組成物を体積比で約1:1の割合で混合し、サンプル2を得た。
【0055】
[比較例1]
実施例1において、第1組成物中のN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとクロロプロピルトリメトキシシランの反応物を除いた他は同様の条件にて調製し、サンプル3を得た。
【0056】
[比較例2]
実施例2において、第1組成物中の3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとの反応物を除いた他は同様の条件にて調製し、サンプル4を得た。
【0057】
[比較例3]
実施例1において、第1組成物中のN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランとクロロプロピルトリメトキシシランの反応物を、3−アミノプロピルトリメトキシシランに変更した他は同様の条件にて調製し、サンプル5を得た。
【0058】
[比較例4]
実施例1において、第2組成物中の水を除いた他は同様の条件にて調製し、サンプル6を得た。
【0059】
[比較例5]
実施例1において、第2組成物中のジオクチルスズジバーサテートを除いた他は同様の条件にて調製し、サンプル7を得た。
【0060】
上記実施例及び比較例で得られたサンプルを用いて、下記に示す方法により各種試験を行った。
試験方法
上記実施例、比較例の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物は、第1組成物及び第2組成物を体積比で約1:1になるよう、密封容器に充填し、混合させ、目的のサンプルを得た。上記の方法で混合させた組成物(各サンプル)を2mmの型枠に流し込み、23℃、50%RHで3日間養生して2mm厚のゴムシートを得た。また、混合後にゴムになる時間をゴム化時間とした。その測定方法は上記の方法にて混合させた組成物が密封条件下でゴムとなる時間を測定することで確認した。JIS A5758に規定する方法に準じてタックフリータイム(指触乾燥時間)を測定し、JIS K6249に準じて2mm厚シートよりゴム物性を測定した。
また、得られた実施例、比較例の各第1組成物及び第2組成物を常温にて6ヶ月間保存した後、上記と同様にして各種試験を行った。
実施例1,2及び比較例1〜5の結果を下記表1に示す。
【0061】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記に示す第1組成物と第2組成物とからなり、第1組成物と第2組成物とを混合することにより硬化することを特徴とする2液混合型オルガノポリシロキサン組成物。
第1組成物:
(A)下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン: 50〜190質量部、
HO(SiR12O)nH (1)
(式中、R1は炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R1は互いに同一であっても異種の基であってもよい。nは10以上の整数である。)
(B)下記一般式(2)で示されるケテンシリルアセタール型化合物、下記一般式(3)で示される2−メチルジアルコキシシリルプロピオン酸エステル及びそれらの部分加水分解物から選ばれる少なくとも1種の化合物: 0.1〜20質量部、
(R2O)2Si(R3)OC(OR3)CHCH3 (2)
(R2O)2Si(CH3)CH(CH3)COOR3 (3)
(式中、R2は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、R3は独立に炭素原子数1〜12の非置換又は置換のアルキル基であり、R2とR3は同一であっても異種の基であってもよい。)
(C)分子内に少なくとも1個のグアニジン骨格を有する有機化合物及び/又はシラン化合物: 0.01〜20質量部、
(D)分子内に少なくとも1個の2級アミンを有するシランカップリング剤: 0.01〜20質量部、
(E)下記一般式(4)で示されるアルコキシ基を1分子中に2個以上有するシラン化合物又はその部分加水分解縮合物: 0.1〜30質量部
5mSi(OR44-m (4)
(式中、R4は独立に炭素原子数1〜4の非置換又はアルコキシ置換の1価炭化水素基、R5は独立に炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R4とR5は同一であっても異種の基であってもよい。mは0,1又は2である。)
を含有する組成物、
第2組成物:
(F)下記一般式(5)で示されるオルガノポリシロキサン: 150〜10質量部、
HO(SiR12O)nH (5)
(式中、R1、nは上記と同じである。)
(G)有機スズ触媒: 0.01〜10質量部、
(H)水: 0.1〜10質量部
を含有する組成物、
但し、(A),(F)成分の合計が200質量部であり、第1組成物に含有する(B)〜(E)成分及び第2組成物に含有する(G)〜(H)成分の配合量は、それぞれ(A),(F)成分の合計200質量部に対する配合量を示す。
【請求項2】
(D)成分の2級アミンを有するシランカップリング剤が、下記一般式(6)及び/又は(7)で示されるシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【化1】


(式中、R6は独立に炭素原子数1〜4のアルキル基、R7は独立に炭素原子数1〜10の非置換又は置換1価炭化水素基であり、R6とR7は同一であっても異種の基であってもよい。R8は独立に炭素原子数1〜6の2価炭化水素基であり、kは0,1又は2である。)
【請求項3】
更に、第1組成物と第2組成物の少なくとも一方に、(A)成分と(B)成分の合計200質量部に対して合計で2〜500質量部の(I)充填剤を含有する請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
自動車部品又は電気電子部品用シール剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
第1組成物と第2組成物を混合することにより2液混合型オルガノポリシロキサン組成物を硬化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の2液混合型オルガノポリシロキサン組成物の硬化方法。

【公開番号】特開2012−197330(P2012−197330A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60555(P2011−60555)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】