説明

2線式電力供給通信システム。

【課題】主装置から端末に電力を供給する2線式通信システムにおいて、端末が待機状態にあるときは受電を停止し、オフフック(発信)時には主装置側でそれを検出し、その後および着信時には受電すること。
【解決手段】主装置10には給電器10があり、連動するスイッチS1A,Bが給電電力の極性を切り替える。端末装置20が受電を必要としない待機状態には、連動スイッチS1A,Bは接点b側にありダイオードD22,D23は逆極性になっている。オフフックスイッチHSと連動するスイッチS2にはダイオードD21が直列に接続され、オフフックすると電流が流れて、それをデータ通信要求受信器15が検出し、主CPUに通知して連動スイッチS1A,Bは接点a側に切り替える。ダイオードD12、D22、D23に電流が流れ端末装置20に電源が供給される。着信時も同じ状態になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主装置側から端末側に対して2線式の通信回線で電力を供給するための2線式電力供給通信システムに関する。具体的には、ボタン電話などの端末において必要とする電力を、必要とするときにだけ主装置側から供給する省電力型の新規な通信システムを提供せんとするものである。
【背景技術】
【0002】
主装置側から端末側への直流による供給電力に重畳してデータをやりとりする2線式通信回線によるデータ通信システムがある。この2線式通信回線により電力供給する給電は、ファントム給電と呼ばれている。主装置側から端末側へデータ通信をしたい場合は、主装置側から端末側へ給電してデータ通信を開始するから、問題は生じない。端末の数が多くなると、給電電力容量の大きなものが必要となり、主装置の電力負担は大きなものとなる。そこで省電力給電が望まれている。省電力化のために通信時以外は極力給電停止状態にしている。主装置から1つの端末装置に対する供給電力能力は、たとえば、直流の27V、300mAである。端末装置がボタン電話機の場合は、LED(発光ダイオード)表示ランプの点灯個数やLCD(液晶)バックライト点灯により消費電力は変化するが、20〜数10mA程度である。
【0003】
そこで問題となるのが給電停止状態における端末側からの発信である。給電停止状態において、端末側から主装置側へデータ通信を開始したい場合には、端末側には動作用の電力が無いために、データ通信開始の起動をすることができない。これを解決するために、データ通信用の通信回線の他に電力供給用の線路を通信回線に平行して設ける必要があった。
【0004】
このような問題を回避するために、電力供給用の線路を通信回線に平行して設けることなく、2線式の通信回線を用いて端末側へ動作用の電力を供給する手段が開示されている。特許文献1(段落0010)では、それぞれ2線式の通話線とデータ電力線があり、使用時間帯と未使用時間帯を設定し、使用時間帯には給電し、未使用時間帯には給電を停止して節電している。未使用時間帯において緊急の通話を必要とするときは、フックスイッチのオンとなったのを主装置側のホトカプラで検出し、給電して緊急通話を可能にしている。使用時間帯には給電しているため、通話時間以外においても電力消費があり、省電力化は十分ではなかった。
【0005】
特許文献2(段落0005)では、2線式のデジタルボタン電話装置において、使用時にはデータ線を介して主装置から該当のボタン電話機に電力供給され、未使用時には電力供給はなく電力を消費しない。着信時には、主装置からの呼出信号を端末側で整流して直流化し、この電力で電力供給制御手段を作動させて主装置から電力供給を開始するようにしている。着信時の呼出信号を整流して直流化した電力で起動するために回路が複雑になり、コスト高となっていた。
【特許文献1】特開平5-56471号公報
【特許文献2】特開平9-139782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電力供給用の線路を通信回線に平行して設けることなく、時間帯給電を用いず、呼出信号から初期動作用の電力を得ることもなく、簡単で安価な回路構成で、通信回線により端末動作用の電力を供給し、同時にデータ通信を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
通信回線を介して接続された主装置と端末装置があり、主装置には、給電手段、データ通信要求受信手段、第1の直列手段、第1の並列手段と主CPU手段とを含んでいる。端末装置には、受電手段、第2の直列手段、オフフック電流手段とを含んでいる。
【0008】
主装置の給電手段は、主CPU手段からの出力極性指示信号に従って出力極性を順接続または逆接続に切り替えて、通信回線を介して端末装置に直流電源を供給している。データ通信要求受信手段は、出力極性が逆接続になつているときに前記端末装置においてデータ通信を要求するためにオフフックしたとき、給電手段からの供給電流であるオフフック電流を検出して通信要求受信信号を出力する。
【0009】
第1の直列手段は、オフフック電流を順方向に流すようにデータ通信要求受信手段に直列に接続された第1のダイオードとデータ通信要求受信手段とにより形成されている。第1の並列手段は、オフフック電流とは逆方向に流れようとする電流を流すように第1の直列手段に並列接続された第2のダイオードとにより形成されている。主CPU手段は、通信要求受信信号を受けると出力極性を順接続に切り替えるための出力極性指示信号(17)を出力し、順接続に切り替わる。
【0010】
端末装置の受電手段は、主装置から直流電源の供給を受けて順接続時に受電する。第2の直列手段は、受電手段に直列に接続された第3のダイオードと前記受電手段(21)とにより形成されている。オフフック電流手段は、オフフック時に導通して第2の直列手段の両端を短絡してオフフック電流を流す。この回路構成により、通信回線のみの2線式電力供給通信システムが可能となった。
【発明の効果】
【0011】
本発明の2線式電力供給通信システムによるならば、電力供給用の線路を通信回線に平行して設けることなく、2線の通信回線のみで端末動作用の電力を供給し、同時にデータ通信を実現することができ、端末が待機(オンフック)状態にあるときには給電もされないから、省電力化も可能になった。この給電停止状態においても、端末側からのデータ通信開始起動が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
通信回線を介して接続された主装置と端末装置があり、端末装置が待機(オンフック)状態にあるときには、受電を停止しており、端末装置から発信するためのオフフックで逆接続回路が形成される。これを主装置が検出し、供給電源の極性を順接続に切り替えて、端末装置へ給電する。着信があった場合にも、供給電源の極性を順接続に切り替えて、端末装置へ給電する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の一実施例を示した回路構成図である。通信回線La、Lbを介して接続された主装置10と端末装置20がある。主CPU10には、給電器11、主CPU12、主データ送受信器13、データ通信要求受信器15、連動するスイッチS1AとS1B、ダイオードD11、D12、巻線W1a、b、cを有するトランスT1が含まれている。連動するスイッチS1AとS1Bが逆接続(b)側にあるとき、データ通信要求受信器15が端末装置20においてデータ通信を要求してオフフックしたことを検出すると、通信要求受信信号18を主CPU12に対して送出する。そこで主CPU12は出力極性指示信号17を出力して連動するスイッチS1AとS1Bを逆接続(b)側から順接続(a)側に切り替える。図示されてはいない外線からの着信を主データ送受信器13が受信したときも、これを主データ送受信制御信号19により主CPU12に伝え、主CPU12は出力極性指示信号17を出力して連動するスイッチS1AとS1Bを逆接続(b)側から順接続(a)側に切り替える。
【0014】
端末装置20には、受電器21、フックスイッチHSを監視し端末装置20内の制御をしている端末CPU22、端末データ送受信器23、フックスイッチHSに連動してオフフック時にはオンになるスイッチS2、スイッチS2と直列に接続されたダイオードD21、受電器21に直列に接続されたダイオードD22、D23、巻線W2a、b、cを有するトランスT2が含まれている。端末データ送受信器23は図示されてはいないデータ装置に接続されており、トランスT2を介して主装置10側データ信号のやりとりをしている。この状況は、端末データ送受信制御信号29により端末CPU22に伝えられ、また、端末CPU22からの制御を受けている。
【0015】
図2は、図1の回路構成において、端末装置20が受電を停止し待機(オンフック)状態にある場合の接続を示している。連動するスイッチS1AとS1Bは逆接続(b)側にあり、端末装置20はオンフック状態にあるからスイッチS2はオフとなっているためにそれに直列接続されたダイオードD21もこの動作に関与していない。そこで給電器11から供給される電流は点線の矢印の方向に流れようとする。
【0016】
すなわち、給電器11の+端子→スイッチS1Ab→データ通信要求受信器15→ダイオードD11→トランスT1の巻線W1b→通信回線La→トランスT2の巻線W2b→ダイオードD23(逆)→受電器21→ダイオードD22(逆)→トランスT2の巻線W2c→通信回線Lb→トランスT1の巻線W1c→スイッチS1Bb→給電器11の−端子の経路を流れようとする。しかしながら、この電流経路においてダイオードD23、D22が流れようとする電流に対して逆極性となっているから、点線の矢印で示した電流は流れることができず電力消費もない。ここで、ダイオードD23(逆)→受電器21→ダイオードD22(逆)の経路は直列接続となっているから、ダイオードD22とD23のいずれか一方を省略することができる。
【0017】
図3は、図1の回路構成において、オフフック検出時の電源電流の経路を示している。連動するスイッチS1AとS1Bは逆接続(b)側にあり、端末装置20はオフフック状態になりスイッチS2はオンになった。そのためにそれに直列接続されたダイオードD21にもオフフック電流が流れる。ダイオードD23とダイオードD22は依然として逆極性となっている。そこで給電器11から供給されるオフフック電流は矢印の方向に流れる。すなわち、給電器11の+端子→スイッチS1Ab→データ通信要求受信器15→ダイオードD11→トランスT1の巻線W1b→通信回線La→トランスT2の巻線W2b→スイッチS2→ダイオードD21→トランスT2の巻線W2c→通信回線Lb→トランスT1の巻線W1c→スイッチS1Bb→給電器11の−端子の経路を流れる。
【0018】
オフフック電流がデータ通信要求受信器15を流れることによって、端末装置20がデータ通信を要求していることを検出することができるから、通信要求受信信号18を主CPU12に対して送出する。そこで主CPU12は出力極性指示信号17を出力して連動するスイッチS1AとS1Bを逆接続(b)側から順接続(a)側に切り替える。外線からの着信を主データ送受信器13が受信したときも、これを主データ送受信制御信号19により主CPU12に伝え、主CPU12は出力極性指示信号17を出力して連動するスイッチS1AとS1Bを逆接続(b)側から順接続(a)側に切り替える。ここで、データ通信要求受信器15とダイオードD11の直列接続は、オフフック電流を検出するためのものであるから、トランスT1の巻線W1cとスイッチS1Bbとの間に移設してもよい。データ通信要求受信器15とダイオードD11の直列接続において、データ通信要求受信器15はダイオードD11のカソード側に接続されているが、アノード側に移設してもよい。
【0019】
図4は、図1の回路構成において、オフフック検出後および着信時の受電中の電源電流を示している。連動するスイッチS1AとS1Bは順接続(a)側にある。そこで給電器11から供給される電流は矢印の方向に流れる。すなわち、給電器11の+端子→スイッチS1Aa→トランスT1の巻線W1c→通信回線Lb→トランスT2の巻線W2c→ダイオードD22→受電器21→ダイオードD23→トランスT2の巻線W2b→通信回線La→トランスT1の巻線W1b→ダイオードD12→スイッチS1Ba→給電器11の−端子の経路を流れる。ここで、ダイオードD22→受電器21→ダイオードD23の経路は図2の場合と同じく直列接続となっているから、ダイオードD22とD23のいずれか一方を省略することができる。
【実施例2】
【0020】
図5は、本願発明の他の実施例を示した回路構成図である。図1との差異は、データ通信要求受信器15とダイオードD11の直列接続を、トランスT1の巻線W1cとスイッチS1Bbとの間に移設し、ダイオードD22→受電器21→ダイオードD23の直列接続において、ダイオードD23を省略している。通信回線La、Lbを介して接続された主装置10と端末装置20がある。主CPU10には、給電器11、主CPU12、主データ送受信器13、データ通信要求受信器15、連動するスイッチS1AとS1B、ダイオードD11、D12、巻線W1a、b、cを有するトランスT1が含まれている。
【0021】
連動するスイッチS1AとS1Bが逆接続(b)側にあるとき、データ通信要求受信器15が端末装置20においてデータ通信を要求してオフフックしたことを検出すると、通信要求受信信号18を主CPU12に対して送出する。そこで主CPU12は出力極性指示信号17を出力して連動するスイッチS1AとS1Bを逆接続(b)側から順接続(a)側に切り替える。図示されてはいない外線からの着信を主データ送受信器13が受信したときも、これを主データ送受信制御信号19により主CPU12に伝え、主CPU12は出力極性指示信号17を出力して連動するスイッチS1AとS1Bを逆接続(b)側から順接続(a)側に切り替える。
【0022】
端末装置20には、受電器21、フックスイッチHSを監視し端末装置20内の制御をしている端末CPU22、端末データ送受信器23、フックスイッチHSに連動してオフフック時にはオンになるスイッチS2、スイッチS2と直列に接続されたダイオードD21、受電器21に直列に接続されたダイオードD22、巻線W2a、b、cを有するトランスT2が含まれている。端末データ送受信器23は図示されてはいないデータ装置に接続されており、トランスT2を介して主装置10側とデータ信号のやりとりをしている。この状況は、端末データ送受信制御信号29により端末CPU22に伝えられ、また、端末CPU22からの制御を受けている。
【0023】
図6は、図5の回路構成において、端末装置20が受電を停止し待機(オンフック)状態にある場合の接続を示している。連動するスイッチS1AとS1Bは逆接続(b)側にあり、端末装置20はオンフック状態にあるからスイッチS2はオフとなっているためにそれに直列接続されたダイオードD21もこの動作に関与していない。そこで給電器11から供給される電流は点線の矢印の方向に流れようとする。
【0024】
すなわち、給電器11の+端子→スイッチS1Ab→トランスT1の巻線W1b→通信回線La→トランスT2の巻線W2b→受電器21→ダイオードD22(逆)→トランスT2の巻線W2c→通信回線Lb→トランスT1の巻線W1c→ダイオードD11→データ通信要求受信器15→スイッチS1Bb→給電器11の−端子の経路を流れようとする。しかしながら、この電流経路においてダイオードD22が流れようとする電流に対して逆極性となっているから、点線の矢印で示した電流は流れることができず電力消費もない。
【0025】
図7は、図1の回路構成において、オフフック検出時の電源電流の経路を示している。連動するスイッチS1AとS1Bは逆接続(b)側にあり、端末装置20はオフフック状態になりスイッチS2はオンになった。そのためにそれに直列接続されたダイオードD21にもオフフック電流が流れる。ダイオードD22は依然として逆極性となっている。そこで給電器11から供給されるオフフック電流は矢印の方向に流れる。すなわち、給電器11の+端子→スイッチS1Ab→トランスT1の巻線W1b→通信回線La→トランスT2の巻線W2b→スイッチS2→ダイオードD21→トランスT2の巻線W2c→通信回線Lb→トランスT1の巻線W1c→ダイオードD11→データ通信要求受信器15→スイッチS1Bb→給電器11の−端子の経路を流れる。
【0026】
オフフック電流がデータ通信要求受信器15を流れることによって、端末装置20がデータ通信を要求していることを検出することができるから、通信要求受信信号18を主CPU12に対して送出する。そこで主CPU12は出力極性指示信号17を出力して連動するスイッチS1AとS1Bを逆接続(b)側から順接続(a)側に切り替える。外線からの着信を主データ送受信器13が受信したときも、これを主データ送受信制御信号19により主CPU12に伝え、主CPU12は出力極性指示信号17を出力して連動するスイッチS1AとS1Bを逆接続(b)側から順接続(a)側に切り替える。ここで、データ通信要求受信器15とダイオードD11の直列接続において、データ通信要求受信器15はダイオードD11のカソード側に接続されているが、アノード側に移設してもよい。
【0027】
図8は、図5の回路構成において、オフフック検出後および着信時の受電中の電源電流を示している。連動するスイッチS1AとS1Bは順接続(a)側にある。そこで給電器11から供給される電流は矢印の方向に流れる。すなわち、給電器11の+端子→スイッチS1Aa→ダイオードD12→トランスT1の巻線W1c→通信回線Lb→トランスT2の巻線W2c→ダイオードD22→受電器21→トランスT2の巻線W2b→通信回線La→トランスT1の巻線W1b→スイッチS1Ba→給電器11の−端子の経路を流れる。
【0028】
データ通信要求受信器15は、オフフック電流の有無を検出できるものであればよい。たとえば、継電器(リレー)でもよい。また、オフフック電流に影響を与えない範囲の小さな値の抵抗器と、その両端をエミッタとベースに接続したトランジスタであってもよい。あるいは、この抵抗器の電圧差を監視するものであってもよい。また、ホトカプラであって、その発光ダイオードにオフフック電流が流れるようにしてもよい。これらは公知の電流検出手段である。以上における説明では、端末装置20としてボタン電話機を想定して説明したが、それに限定されるものではなく、PHS(パーソナル・ハンディホン・システム)やドアホン子機であっても同様に適用できる。このようなボタン電話機を含む各種の端末装置20に対しては、上記の説明においてオフフックを発信要求と、オフフック電流を発信要求電流と読み代えればよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本願発明の実施例を示した回路構成図である。(実施例1)
【図2】図1の回路構成において、受電を停止し待機状態にある場合の接続図である。
【図3】図1の回路構成において、オフフック検出時の電源電流を示す接続図である。
【図4】図1の回路構成において、オフフック検出後および着信時の受電中の電源電流を示す接続図である。
【図5】本願発明の他の実施例を示した回路構成図である。(実施例2)
【図6】図1の回路構成において、受電を停止し待機状態にある場合の接続図である。
【図7】図1の回路構成において、オフフック検出時の電源電流を示す接続図である。
【図8】図1の回路構成において、オフフック検出後および着信時の受電における電源電流を示す接続図である。
【符号の説明】
【0030】
10 主装置
11 給電器
12 主CPU
13 主データ送受信器
15 データ通信要求受信器
17 出力極性指示信号
18 通信要求受信信号
19 主データ送受信制御信号
20 端末装置
21 受電器
22 端末CPU
23 端末データ送受信器
29 端末データ送受信制御信号
D ダイオード
HS フックスイッチ
L 通信回線
S スイッチ
T トランス
W 巻線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線(L)を介して接続された主装置(10)と端末装置(20)において、
前記主装置(10)が、
出力極性指示信号(17)の指示に従って出力極性を順接続(a)または逆接続(b)に切り替えて、前記通信回線(L)を介して前記端末装置(20)に直流電源を供給するための給電手段(11、S1A、S1B)と、
前記出力極性が逆接続(b)となっているときに前記端末装置(20)においてデータ通信を要求するために発信要求したとき、前記給電手段に流れる電流である発信要求電流を検出して通信要求受信信号(18)を出力するためのデータ通信要求受信手段(15)と、
前記発信要求電流を順方向に流すように前記データ通信要求受信手段(15)に直列に接続された第1のダイオード(D11)と前記データ通信要求受信手段(15)とにより形成された第1の直列手段と、
前記発信要求電流とは逆方向に流れようとする電流を流すように前記第1の直列手段に並列接続された第2のダイオード(D12)とにより形成された第1の並列手段と、
前記通信要求受信信号(18)を受けて前記出力極性を順接続(a)に切り替えるための前記出力極性指示信号(17)を出力する主CPU手段(12)とを含んでおり、
前記端末装置(20)が、
前記直流電源の供給を受けて前記順接続(a)時に受電するための受電手段(21)と、
前記受電手段(21)に直列に接続された第3のダイオード(D22)と前記受電手段(21)とにより形成された第2の直列手段と、
前記発信要求時に導通して前記第2の直列手段の両端を短絡して前記発信要求電流を流すための発信要求電流手段(D21、S2)とを含んでいる
2線式電力供給通信システム。
【請求項2】
前記給電手段(11、S1A、S1B)が、
前記直流電源を供給するための給電器(11)と、
前記出力極性指示信号(17)の指示に従って前記直流電源の出力極性を順接続(a)または逆接続(b)に切り替えるための出力極性切り替えスイッチ(S1A、S1B)とを含んでいる
請求項1の2線式電力供給通信システム。
【請求項3】
前記第2の直列手段が、
前記受電手段(21)の両端のそれぞれに順方向に直列に接続された第3および第4のダイオード(D22、D23)と前記受電手段(21)とにより形成されている、
請求項1の2線式電力供給通信システム。
【請求項4】
前記発信要求電流手段(D21、S2)において、
前記発信要求時にオンとなるスイッチ(S2)と前記発信要求時に前記発信要求電流を流すための第5のダイオード(D21)とが直列接続されている
請求項1の2線式電力供給通信システム。
【請求項5】
前記受電手段(21)が、
前記端末装置(20)内に必要な電力を得ている
請求項1の2線式電力供給通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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