説明

3次元データベース検索システム

【課題】画像データベースのように、人手に頼り登録者の個人的見解が反映される可能性があるテキストデータをマスターにするのではなく、データベース構造を視覚的に3次元化し、データベースの自由度を高め、同時に視覚的な類似度検索を行う。
【解決手段】座標情報をマスターとし、仮想空間上的に画像データをマスター化することにより、データベース構造を視覚的に3次元化する。データベース挿入プログラムのGUI化を行うことにより、レコード挿入の簡易化を行い人手による登録を最小限に抑える。マッピングプログラムを作成し、簡単にデータベース構成とレコードを表示する。数人でマッピングを行った上で客観性を排除する。座標を複数保持することにより、データベースレコードの客観性とユーザーの客観性の一致を行うことにより、レコード登録者の客観性が有益に使われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索ロジックの高次元化、画像のマスター化による検索手法改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像付きデータベース検索システムの概要として、画像情報やジャンル等のテキスト情報が付与されたデータベースと、そのデータベース内レコードをテキスト情報を元に検索・選択を行う処理ロジックとで構成されている。
従来のデータベース内で保持しているレコードの構成例を、図1を参照し、説明する。
従来のデータベースには図6のようにレコードが列挙されており、レコードには一意となる図1のIDのようなマスターデータおよび、キーワード検索、種類分けのための名称・ジャンル・カテゴリーのような付加情報、ユーザーが情報として受け取る文字情報および画像パス情報が格納されている。
レコードは一意のマスターデータにより管理され、レコードに付与されたテキストレコードからのみレコードの参照や検索といった操作を行う。
【0003】
次に、ユーザーがユーザーの求めている情報をデータベースから取得する手順について説明する。
まず、ユーザーが求めている情報を説明することばキーワードをクライアント側の専用アプリケーションにタイプする。またはデータベース内の表示範囲を絞るため、クライアント側の専用アプリケーションで予め用意されているプルダウンやチェックボックスより該当する情報種別の選択を行い、検索範囲を狭める。次にユーザーがクライアント側の専用アプリケーションより入力したキーワードやプルダウンなどの絞込み情報を元にデータベース内に付与されている情報との部分一致検索を行い、一部または全部、キーワードと一致する文字を探し出し、該当するレコードをユーザーに返す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の検索システムでは、ユーザーが求めている情報に対するイメージをキーワードとして入力、またはイメージの分類わけを行う必要があった。しかしキーワードが適切でないと、思うようなレコードにたどり着くことができない。そのため、何度もキーワードを入力し直すことになる。時間とコストが多く掛り、データベース内すべてのレコードを見ない限り必ずしも適正なレコードにたどり着けるとは限らない。
また、例えば同じ柄で全く違う素材の画像を持つレコードや、全く同じ画像だが付加情報に差異があった場合、必ずしも同じキーワードで一致するとは限らない。その場合、一方のレコードを見落としたり、より多くの時間とコストが掛かったりすることとなる。
【0005】
現状のデータベース構成ではレコードに付与されたテキスト情報からのみレコードの参照や管理といった操作を行う。そのためキーワードを利用した検索にしか対応しておらず、画像間の類似性という曖昧かつ人間的・視覚的な検索ができなかった。
【0006】
従来のデータベースは情報の羅列であったため、特定の情報を特定のユーザーに対してのみ出力するなどの処理はデータベース内にフラグを持たせ処理過程でレコードの修正・整形を加える必要性があった。そのため、データベースの巨大化に伴いフラグ情報が増加し、管理が複雑になる。また、処理自体もスクリプトやプログラムによってデータベースからの選択したレコード情報を整形することにより可能としていた。そのため複雑なスクリプトの生成が生じ、処理の遅延や、変更を行う際にはソースコードから変える必要があり、バグの発生原因や時間やコストが掛かるという問題があった。
【0007】
現状の検索システムでは、ユーザー自身が求めているレコードに対するキーワードを考える必要があった。そのため、キーワード検索を行うためにキーボード操作が条件となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る一実施形態について、図2を参照して説明する。
図1ではデータベース内全レコードを視覚的に表現したものであり、(丸1)で示す1つ1つがレコードを表す。(丸2)で示す同一レコードの塊がグループであり、z軸によりグループ内のレコードの位置を表す。ユーザーが検索を行う際は、(丸5)で示す表示範囲内のレコードをユーザーが求める(丸4)のターゲットレコードに、より近いレコードを選択するため丸3で示した軌道を辿り、専用アプリケーションに表示範囲内レコードを出力しながら、最終的に表示範囲内にターゲットが含まれるまで遷移する。表示されるレコードはターゲットに近いほど類似度が高くなるよう配置されているため、ユーザーが理性的に専用アプリケーションに表示されるレコードの中からより自分自身の求めるレコードに近い情報をクリックすることにより、より類似度の高い情報へ向かって表示範囲が推移していくこととなる。その場合、ユーザーが求めるターゲットを漠然とした形でしか把握していない場合でも、一番類似度の高い情報に行き着いた後は、遷移すると類似度が低下し専用アプリケーションに表示されるため、その一番類似度の高いレコード周囲で表示範囲が留まる。また、検索を行うごとにより類似度の高いレコードが選択・表示され、ターゲットにたどり着くまでその行動が繰り返されるため、軌道に含まれない不要なレコードは検索対象になりえず、効率的な検索を行うことができる。それにより、すべてのテキスト情報を補足情報として捉え、座標をマスター情報とすることで画像情報に意味を持たせ、列挙にしかすぎなかったデータベース構成をユーザーに合わせた構成へと自由に変化させることを可能とした。
【0009】
本発明に係る3次元データベース検索システムにおける検索時のレコード抽出ロジックである収縮選択ロジックについては、図3を参照して説明する。
収縮選択ロジックはユーザーに選択されたレコード(丸1)を中央のレコードとし、ユーザーに選択されたレコード(丸1)から絶対距離が近いレコードを表示最大数分選択するロジックである。表示範囲にはグループ内レコード数の差や存在しないグループがあるため、表示範囲は一意の形態をとる事ができない。そのため、ユーザーに選択されたレコード(丸1)から絶対距離が短い順にレコード(丸2)→レコード(丸3)と図3で示した順番でレコードの存在件数確認を行い、最終的に選択されたグループの全レコードが表示最大数に至るまで絶対距離の比較・選択を続ける。その処理により、擬似的に一箇所にレコードを収縮させるため、表示範囲を定義することができる。よってレコード(丸8)の選択後、まだ選択レコード数が上限に達していない場合は、図3の破線矢印の中でもっとも距離が短い丸9が次の選択肢となる。また、スキップされるレコード(丸5)のようにレコードが存在しない場合は、ユーザーに選択されたレコード(丸1)から(丸5)の次に絶対距離が近いグループをレコード(丸5´)として見かけ上のレコード(丸5)を作り出す。結果として、ユーザー用に座標に従い構成されたデータベース内を、収縮選択ロジックを用い、レコードの並べ替えを行い、効率的な出力を行う。
【0010】
図4では本発明により使用されるデータベーステーブルの使用例である。座標を表すカラムと画像へのパスは通常検索で用いるため、および画像による曖昧検索時により候補をキーワードからも絞り込むために用いる補完情報となる。
【0011】
従来のキーワード検索を用いた絞り込み検索と3次元データベースの3次元データベース検索における画像類似度検索を用いた場合のデータベースの視覚的な構成として本発明のー実施例であり、立方状データベースを用いて図5で示す。
図5(A)にはデータベース内すべてのレコードが表されており、テキストを用い絞込みを行った際は図5(B)で示すように該当するレコードのみに絞り込まれる。そして図5(C)のようにデータベース全体のレコードから、収縮選択ロジックによりレコードの収縮を行い、範囲選択に最大表示件数分適切に含まれるよう擬似的にレコードを並べ替える。
【0012】
座標に関しての最低条件としてx軸、y軸、z軸の1セットのみが必要であり、2セット目以降はユーザーや条件によってデータベースの視覚的構成を変化させる場合に用いる。データベースを視覚的に再構成した後に、図6で示すように座標から画像類似度を基に検索を行う手法により、x軸の前後、y軸の前後、z軸の優先順位を元に検索結果を出力する。
これにより、「似ている」をたどることによりデータベースに存在するレコードの中でユーザーが求める1番近いレコードを探すことが可能となる。また従来のキーワード検索と融合することにより、ターゲットに到達する可能性を向上する事が可能となり、検索速度、制度を向上させることができる。
【0013】
座標をデータベースに保持することにより座標を通じて、視覚的な3次元のデータベース構成をとることにより、擬似的に画像情報が一意のマスターデータとなる。そのため、座標情報はマスター情報ではなくポインターとしての役割のために必要な情報となるため、複数の座標を保持することが可能となる。複数の座標情報を持つ場合、複数の座標情報からユーザーに適した座標を選ぶことで、検索表示結果を変更することができる。
【0014】
また、データベースへのアクセス処理を軽減するために、インデックス用テーブルを作成し、インデックステーブルの中に各レコードに対し、表示を行う範囲を事前に付与しておくことで、検索する都度に表示範囲選択を行わず、直接データベースから該当するレコードを探し出す。
【発明の効果】
【0015】
本発明に寄れば、擬似的に類似性の高い画像順で配列を行った3次元形態に再構成されたデータベースから起点となるレコード画像に近いレコードを座標の前後より抽出し専用アプリケーションに表示することにで、画像をマスターにし、座標を元にデータベースの整理・管理を行うことができる。そのため、従来のキーワードのみによる検索から画像類似度による検索に変更することができる。それにより曖昧な画像類似性の検索を可能にする。また、画像がマスターデータとなるため、データベース内レコードの操作がすべて画像のみのレコードで検索が可能となるので、現状の検索システムでは不可能であった「似ている」という曖昧かつ人間的な視覚に頼った検索が可能となり、従来のデータベース検索のようにキーワードで的確な文字を入力しないと検索できなかったような場合にもユーザーの視覚・感覚に頼った検索を行うことが可能となる。そのため、従来のデータベース検索のようにレコードをデータベースに登録したユーザーが考えるキーワードと検索を行うユーザーが考えるキーワードが一致しなければ検索結果に表示されないということが解消される。
【0016】
本発明により、検索手段がキーワードやジャンルではなく、視覚・感覚に頼った検索に変わるため、パソコンに対する知識が乏しい、タイプが苦手というようなユーザーであっても視覚的な感覚に頼った検索となるため容易に検索を行うことができる。
【0017】
一方、提供側のメリットとして、パソコンやインターネット使用に対して難しいイメージを抱いている見込みユーザーを新たに引き入れることが容易になり、特に画像情報が商品であった際は購買機会を消失しにくくなる。
【0018】
従来のキーワード検索では出力されたレコードが実際にユーザーの求めているレコードなのか、それともそのレコード以上に有益なレコードがまだデータベース内に存在するのかsが分からないが、本発明ではユーザーが最も求めている情報に近いレコードを選択し続けることにより、表示範囲はターゲットに向けて遷移していくため、最後に行き着いた画像がデータベース内にあるレコードで一番ユーザーが求めていたレコードであることが分かる。
【0019】
従来のデータベース検索で用いられていたキーワード検索では特定の言葉に対して、大量のレコードが該当し、検索作業に時間が生じるというデメリットが存在することに対し、画像データを理論上のマスター情報として扱う3次元データベース検索では、確実なデータのみ検索結果に反映できる。結果として、検索結果がユーザーに必要なレコードに近いレコードのみ一括して表示することが可能となるため余計なデータの表示を防ぐことができる。
【0020】
座標から生成される3次元データベースを採用し視覚に頼った検索を行うことで、データベース内レコードの遷移について、検索ごとにより一致度の高い情報に向かって遷移していくため、検索の起点となるレコードよりターゲットレコードの一致度が低いレコードは自動的に表示対象から除外される。そのため全レコードを一つ一つ見ていく必要がなく、出力レコードを低減することができる。
図7は本発明の3次元データベース構成の一実施例である球型データベースの場合の表示範囲の検索時の遷移状態を図解したものである。ユーザーはデータベースから取得したい情報を画像より得ようとし、起点となるレコードよりターゲット画像に近いレコードを選ぶため、表示範囲は3次元データベース上にある起点となるレコードからターゲットレコードまでの最短ルートを遷移する。よって破線矢印方向には遷移せず、起点レコードよりターゲット画像の最短距離である実線矢印の方向に遷移する。そのため、不要なレコードを表示範囲に含むことがなく、出力レコード数の低減に繋がる。また、キーワード検索によって全レコード情報を絞り込んだ際もデータベース内のレコード情報が絞り込まれるだけなので、同様の結果を得ることができる。
【0021】
3次元データベースは画像をマスター化することによりデータベース自体の構成を擬似的に変化させ、画像をキーとする検索を実現する。よって、座標情報は画像付与情報の1つとなるため、1つの画像情報が複数の座標を保持することができる。よって2つ以上の座標情報を保持し、座標グループとすることで、複数ある座標グループの中から的確な座標グループを選択することで、より多用するユーザーに対して的確なDB構造へ変化させることができる。それにより、ユーザーに対して表示するレコードの整形を複雑なスクリプトなしで可能とする。例えば、各レコードに座標グループ1、2、3を保持させ、各座標グループで類似の定義の方法を変えておくことにより、ユーザーの性別、性格、趣味をもとに適正な座標グループで検索できるようにする。そうすることで、画像の類似性がユーザーにより異なる場合であっても、より的確に最適化された3次元データベース検索を可能とする。
【0022】
同様に、複数の座標に対して、範囲指定を行うことで1つのデータベースを効率的かつ同一条件下での区分化を容易に行うことができる。例として、データベースには画像Aを保持するレコードと画像Bを保持するレコードがあったと仮定し、座標グループは座標グループ1、2、3の3種類があると過程する。座標グループ1には画像Aに対する座標、座標グループ3には画像Bに対する画像を保持させるとする。そうすると、図8で表しているように画像Aと画像Bの間は擬似的に、別の3次元データベースとして区間分けを行うことができる。するとユーザーの特性に合わせ、どの座標グループの参照顕現をユーザーに与えるかを選ぶことで、従来ならばフラグをユーザー権限ごとに持たせ管理していた情報を座標グループ指定のみで行うことができる。また、座標グループ3を作成し、画像Aおよび画像Bの座標を保持させ、座標グループ3の閲覧権限をユーザーに与えることでそのユーザーは区間分されたデータベースであっても全レコードを見られるスーパーユーザーとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る実施形態について、検索はローカル内やサーバーを用いたデータベース検索および、インターネット検索エンジンにおける、画像検索として利用される。
【0024】
本発明の3次元データベース検索システムの構成概要として、画像情報、座標情報およびジャンル等のテキスト情報が付与されたデータベースと、データベース内のレコードを類似度によって検索・選択するロジックとで構成されており、3次元データベース用にレコードが記録されたデータベースとそのレコードからデータベース構成を擬似的に3次元化するロジックおよび3次元データベース検索における画像類似度検索ロジックによって実現される。
【0025】
ロジックを用いてデータベースのレコードを擬似的に3次元構成する方法と、そのレコードを効率的に画像から検索する方法について具体的に説明する。
この方法は、レコード付与ステップと、検索ロジック内のデータベース擬似的再構築ステップと、データベース検索ロジックとを備えている。
【0026】
本発明に係るデータベースのレコード構成を図9および図6によって説明する。
図9で示されるように、3次元データベースの座標構成は単純な立方体型データベース構成ではz軸が高さを表すが、円錐、球型データベースではグループを表面に配置し、その座標をx軸およびy軸で特定を行い、z軸でグループ内の配置優先度を示すようにする。
【0027】
3次元データベース用レコード作成ステップでは、通常の画像付きデータベースレコード、または画像へのパスがレコードとして付与されているデータベースレコードに対してx軸・y軸・z軸の座標概念を持たせ、必要に応じて座標グループを複数付与していく。座標グループの付与により画像付きレコードを画像の類似を元に、z軸上に同一グループとして一まとまりに分け、まとめられたグループを近い順にx軸、y軸上にカテゴリーに沿った形で並べていく。
【0028】
また、x軸、y軸は、2種類の軸構成が存在しており、軸構成について図9を参照しながら説明する。一方の軸構成として9(A−1)のx軸、y軸および9(B−1)のx軸で示すとおり、軸に沿いデータベースのレコードを辿っていくと端のレコードに行き着き、それ以上先のレコードは存在しなくなる、開いた軸で形成された軸であり、もう一方は図9(B−1)y軸および9(C−1)x軸、y軸で示すとおり、レコードを辿っても端のレコードは存在せず、最終的に軸を一周し起点に戻ってくる、閉じた軸で形成された軸である。x軸、y軸共に開いた線形状で形成される場合は図9−1で表されるように3次元データベースは立体型となり、x軸またはy軸いずれか一方の軸で見掛け上の境界が存在し、他方のx軸、y軸が閉じた軸で形成する場合円柱型データベースを構成し、x軸およぶy軸が共に閉じた軸で形成された場合は球型のデータベースを構成する。閉じた軸および開いた軸により、区間分けの概念を省いた状態で、3次元データベースが取りえる構成として立法型データベース、x軸を底辺とした円柱型データベース、y軸を底辺とした円柱型データベース、旧型データベースの四種類である。すなわち、レコードの画像情報に対し座標を示すことにより、そのレコードが保持している画像を擬似的にマスター化し、データベースのレコードをレコードに付随する座標に従い3次元空間上に並べていくことで3次元データベース用レコードを作製することにより、9(A−2)、9(B−2)、9(C−2)のような3次元データベースを擬似的に構成する。
【0029】
軸自体には、単純に感覚的に似ているレコードを並べていく方法や、軸のある範囲毎にジャンルA、ジャンルBというようにレコードの種類を定義し、ジャンルAから軸を進むにつれ、レコードの画像情報がジャンルBに近づいていくような配列を組む方法がある。また、ジャンル等の付加情報は軸の構成定義であり、システム的に定義付けをする必要はないため、プログラムやロジックに関係なく、ジャンルの中にカテゴリーを定義し、二段構成や三段構成を行うことも可能となる。
【0030】
図8では上記の構成を発展させた構成として、軸の定義づけおよび区間分けを行った際のデータベース構成を視覚的に表現した図である。それにより、1つのデータベースを区間A、区間B、区間Cに分け、独立したデータベースとして扱うことが可能となる。
【0031】
本発明のデータベース構成一実施例として、インターネットショッピングが挙げられる。円錐型データベースのインターネットショッピングにおける衣料品販売での使用例としては、x軸にカテゴリーとして紳士・子供・婦人と定義する。この場合、x軸を閉じた軸、y軸を開いた軸とし、紳士服を起点にx軸に対して進むにつれ、男の子服、乳児服、女の子服、婦人服、婦人と紳士の中間であるユニセックスと進み、紳士服と戻る。そのカテゴリーの下にビジネス・ビジネスカジュアル・カジュアルのような定義を持つ。そしてy軸にはズボン、シャツ、靴などの種類分けを行う。この場合は例えばシャツと靴や靴とズボンの間に配置されるカテゴリーが存在しないため、区間分けを行い、データベース内で干渉しあうことはない。また、Z軸には同一グループの定義として色別のレコードを配置する。
【0032】
次に、検索ロジックの視覚的再構成では、ユーザーにより3次元データベース検索を行うという指定があった際、付与された座標軸を条件にデータベースに入れられているランダムなレコードを収縮選択ロジックおよび3次元検索ロジックを用い、レコードをx軸、y軸の座標に従い擬似的に3次元データベース上に配列する。そして3次元データベース上の座標から対象となる選択された画像から絶対距離の近いグループを順番に選択し、レコード数がユーザーまたはシステムによって定義された表示最大件数に至るまで、選択を繰り返し、専用アプリケーションに表示する。ただし、z軸が示すグループ内レコード数の数により、最大表示件数に収まらない場合があるため、z軸のグループ内で距離が一番遠いグループの中から優先度の高いレコードを最大表示件数に達するまで記録・表示していくことで最大表示件数を超えたレコードを専用アプリケーションに表示しないようにする。
【0033】
このロジックによって、視覚的に再構築されたデータベースのレコードをユーザーが初期に選択した起点となるレコードから視覚的な範囲選択することが可能となる。それにより、ユーザーの検索における一致率について、ターゲットにたどり着くまでユーザーが検索を行う度に一致率は上昇を続ける。しかしユーザーはターゲットレコードを的確に知っていることは少ないため、ターゲットに行き着いた際、一旦ターゲットを通り過ぎ類似度が低下する場合もある。ただし、一致度の低下があった際は、ユーザーは再度、より類似度が高いレコードを探そうとするため、自動的に表示範囲が再度ターゲット画像付近に戻る。最終的に表示範囲のブレがなくなり、その時点で選択されている範囲がデータベース内に保持されている情報の中で最もユーザーが必要としているレコードであることがわかる。また上記のロジックを用いることで、絶対距離が離れているレコードに対しては表示を行わないようになるため、検索の手間が激減する。
【0034】
そのため、3次元データベース上でターゲットレコード付近に配置されたレコードを中心に、表示最大件数分のレコードを表示するため、専用アプリケーションに表示されるレコードは画像的に起点となるレコードの画像に近いレコードのみとなる。専用アプリケーションに表示されたレコードの中からユーザーが求めているターゲットレコード一番近いレコードを選択することにより、起点となるレコードが新たに選択したレコードに変わり、その新たに選択されたレコードを起点に視覚的な範囲選択を行い、表示最大件数分レコードを抽出する。よって、専用アプリケーションに表示されたレコード内で、一番ターゲットに近い画像を再選択するという動作を繰り返すことにより、表示範囲がデータベース内のターゲットレコードが配置されている座標に近づいていくため、ユーザーは確実にターゲットレコードに近づくことができる。
【0035】
この発明によれば、ユーザーはキーワードを考えずに、画像を選択するという最小限の動作で、データベースから視覚的に類似度の高いレコードのみを検索結果として抽出することができる。また、ユーザーの特徴を下に何種類もデータベースに持つことができるため、管理者としても、ユーザー毎にデータベース構成に変化を持たせることができる。さらには、ユーザー毎に表示画像の変化をつける際にも、フラグ情報の保持や追加プログラムの作成を行わず管理が可能なため、容易に表示内容を変更でき、データベースの構成変更によるシステムエラーの発生を抑えることができる。また、不要なレコードを表示しないため、ユーザーのストレスの軽減を行うことや的確な情報のみを与えることができるため、ユーザーのシステム使用意欲が低減しにくくなる。
【0036】
また、3次元データベース検索では、表示最大件数分のデータベースアクセスが発生してしまう問題がある。そのため、アクセス数を低減する方法として図10を参照し説明する。3次元化されたデータベースに特化した手法として、表示最大数が決定すれば選択される画像が決定するという特性を生かし、事前に各レコードに対して表示範囲に含まれるレコードを調べ、他のデータベース内で保持する3次元データベース用インデックス手法を使用する。図11は3次元データベース用インデックスレコードの一実施例である。3次元データベース用インデックス手法を用いるには、3次元データベース内の各レコードに一意となるマスターデータが別途必要となる。データベース内部に3次元データベースとは別のインデックス用テーブルを作成し、インデックス用テーブル上に予め3次元データベsースのレコード選択時に表示範囲内の画像レコード番号などの一意のマスターデータを記録する事前レコード収集処理を行う。それにより、ユーザーが該当する画像データをクリックした際に、その画像データの一意の数字を返し、その数字に紐付く表示最大数分ある一意の数字を参照し、その数字を所持しているレコードを表示画面に表示する。また、事前レコード収集処理はデータベースへのアクセス数が少ない夜間帯などにバッチ処理として実行する。また、データベース内で新たな書き込みや更新があった際の事前レコード収集処理は必須となる。結果として、図11のようなインデックス化を行い、事前レコード収集処理により、データベースアクセスの多い時間帯には、データベースアクセスを最小限に抑え、データベースアクセス量が低下する時間に事前レコード収集処理を行うことで、処理が集中する時間帯のデータベースアクセス回数の低減ができる。
【0037】
本発明の特徴は以上の説明から明らかであるが、この特徴を確認的に要約すると以下のようになる。
データベースを用いて、データベース内レコードの画像を画像同士の類似性の観点から検索を行うシステムである。類似度を元に画像情報を視覚的に配置し、配置した情報を元に空間座標の座標軸を算出し、データベースに座標情報としてx軸、y軸、z軸の空間座標を単数または複数付与し、座標が指す画像をマスター化することで、座標を元にデータベース上のレコードを擬似的および視覚的に3次元空間上に立方状、球状、円柱状いずれかの形状で再構成する。そして、ユーザーがブラウザなどのレコード表示を行う専用アプリケーションからレコードを選択した際、選択した画像レコードを起点とし、画像に紐付く座標情報から3次元空間に配置されたレコード内で空間座標情報を元に起点となるレコードの相対距離が最短となるレコードをデータベースレコード内で最も類似性があるレコードと認識し、ブラウザなどの専用アプリケーションで指定される最大件数に達するまで、起点となるレコードから順に画像の類似性が高いレコードを選択し、システムまたはユーザーによって定義されたレコード表示件数に達するまでレコードの表示範囲を拡張し、レコード選択・表示範囲がレコード表示件数に達した際にブラウザなどのレコード表示を行う専用アプリケーションにデー最少検索回数かつ的確に起点となるレコードの画像に対して類似度の高い情報のみのレコード群を選択・出力することを特徴としている。また、3次元データベース利用でのデータベースアクセス処理低減のためのインデックス方法として、処理速度向上のためのインデックス方法であり、専用アプリケーションより検索要求が送られる前に、予め全レコードに対し座標に基づいたデータベースレコードの表示範囲を定義し、出力内容をデータベーステーブルに付与し、データベースアクセス処理を減らすことにより処理速度を高めることを実現できる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加える。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上詳述したように、本発明は、3次元データベースの構築方法及び画像類似性検索に係るものであり、本発明により、乱立したデータベースレコードを、画像を元に仮想空間に視覚的な3次元データベース化および画像のマスター化し、3次元データベースのレコードの座標を元に類似性の高い画像が付加されたレコード郡のみを選択、表示することが可能となる。それにより、本発明では、画像の類似度から検索を行うことが可能となり、キーワード検索の排除、検索結果の適合性向上、検索の単純化および簡易化、今まで不可能だった感覚的な画像の類似性を元にした検索が可能となる。本発明は、例えば、ネットワーク上またはローカル上の画像付データベースから画像を元に検索をするものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、従来のデータベーステーブルの一実施形態に係るテーブル構成図からの一部抜粋である。
【図2】図2は、本発明の3次元データベースの全体構成とレコード選択範囲の推移イメージを簡易的に表した概要図である。
【図3】図3は、本発明に係る収縮選択ロジックの動作の概要をイメージ化した概要図である。
【図4】図4は、本発明におけるデータベーステーブルの一実施形態に係るテーブル構成図からの一部抜粋である。
【図5】図5は、本発明における、収縮選択ロジックを用いた際の3次元データベース内のレコード構成の収縮を表した簡易イメージ図である。
【図6】図6は、本発明における、3次元データベースのレコード選択および選択・表示範囲をイメージ化した透視図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る、球型データベース上での画像類似度検索におけるターゲットレコード到達までの表示範囲推移を表した透視図のイメージである。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に係るデータベースの分割化・区分化を示した構成図および分割されたデータベース内部の検索実行時の簡易透視図のイメージである。
【図9】図9は、本発明において、レコードが取り得る3パターンの3次元構成の透視図のイメージと、空間座標のイメージ図である。
【図10】図11は、本発明における3次元データベースのインデックステーブルの一実施形態に係るテーブル構成図からの一部抜粋である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースを用いて、データベース内レコードの画像を画像同士の類似性の観点から検索を行うシステムであって、類似度を元に画像情報を視覚的に配置し、配置した情報を元に空間座標の座標軸を算出し、データベースに座標情報としてx軸、y軸、z軸の空間座標を単数または複数付与し、座標が指す画像をマスター化することで、座標を元にデータベース上のレコードを擬似的および視覚的に3次元空間上に立方状、球状、円柱状いずれかの形状で再構成し、ユーザーがブラウザなどのレコード表示を行う専用アプリケーションから選択した任意の画像レコードの座標情報に基づき、その座標情報周囲のレコードをデータベースレコード内で最も類似度の高いレコード郡とし、レコード郡を専用アプリケーションに出力することを特徴とした、データベース構築・検索方法。
【請求項2】
請求項1で記した空間座標を元に、ユーザーが選択した起点となるレコードよりデータベースレコード内で最も類似度の高いレコード郡を特定するロジックであって、3次元空間に配置されたレコード内で空間座標情報を元に起点となるレコードから相対距離が最短となるレコードをデータベースレコード内で最も類似性があるレコードと認識し、ブラウザなどの専用アプリケーションで指定される最大件数に達するまで、起点となるレコードから順に画像の類似性が高いレコードを選択し、システムまたはユーザーによって定義されたレコード表示件数に達するまでレコードの表示範囲を拡張し、レコード選択・表示範囲がレコード表示件数に達した際にブラウザなどのレコード表示を行う専用アプリケーションにデー最少検索回数かつ的確に起点となるレコードの画像に対して類似度の高い情報のみのレコード群を選択・出力することを特徴とした、データベース構築・検索方法に特化したデータベースレコード選択方法。
【請求項3】
請求項1で記した検索システムおいて処理速度向上のためのインデックス方法であり、専用アプリケーションより検索要求が送られる前に、予め全レコードに対し座標に基づいたデータベースレコードの表示範囲を定義し、出力内容をデータベーステーブルに付与し、データベースアクセス処理を減らすことにより処理速度を高めることを特徴とした、データベースアクセス処理低減のためのインデックス方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−43903(P2011−43903A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190214(P2009−190214)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(309027791)
【Fターム(参考)】