説明

3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体および非水性溶媒を含有する組成物

【課題】3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体および非水性溶媒を含有する組成物を提供する。
【解決手段】i)ポリヒドロキシ非水性溶媒の少なくとも1種と、(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体およびポリアニオンの水性分散液と混合する段階と、ii)該組成物の水の含有量が少なくとも65重量%減少するまで水を蒸発させる段階を含んでなる方法に従い製造される、所定の表面抵抗及び増加した透明度を有する印刷インキ、印刷ペーストまたはコーティング組成物及び、該組成物を用いたコーティング方法、印刷方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体および非水性溶媒を含有する組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、本質的に伝導性の重合体の分散された粒子を含んでなる分散液、並びに疎水性フィルム形成性熱可塑性重合体、高極性可塑剤、および、酸無水物界面活性剤を有機溶媒中に含んでなる溶液、を含んでなる電気伝導性コーティング組成物であって、ここで該熱可塑性重合体が該溶媒中に少なくとも1重量%まで可溶性であり、そして、ここで該分散液が約1〜約50重量%の該本質的に伝導性の重合体を含んでなる組成物を開示している。
【0003】
特許文献2は、ポリアニオンの存在下における式(I):
【0004】
【化1】

【0005】
[式中、RおよびRは互いに独立して水素もしくはC1−4−アルキル基を表すかまたは一緒になって場合により置換されていてもよいC1−4−アルキレン基を形成する]の構造単位から構成されるポリチオフェンの分散液を開示している。
【0006】
特許文献3は、A)式(I)
【0007】
【化2】

【0008】
[式中、RおよびRは互いに独立して水素もしくはC1−4−アルキル基を表すかまたは一緒になって、好ましくは場合によりアルキル基で置換されたメチレンで、場合によりC1−12−アルキルもしくはフェニル基で置換された1,2−エチレン基または1,2−シクロヘキセン基で場合により置換されていてもよいC1−4−アルキレン基を表す]
の繰り返し構造単位を有する中性ポリチオフェンと、B)ジ−もしくはポリヒドロキシ−
および/またはカルボキシ基またはアミドもしくはラクタム基を含有する有機化合物との混合物、並びにそれらの抵抗を好ましくは<300オーム/平方まで増加させるように調節されたそこからの伝導性コーティングを開示している。
【0009】
特許文献4は、伝導性重合体ペースト並びに場合により結合剤、濃稠化剤および充填剤の溶液または分散液を含有する1〜200dPa.s(10〜2×10mPa.s)の粘度を有するスクリーンペーストを開示している。特許文献4はさらに、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)[PEDOT]/ポリ(スチレンスルホネート)[PSS]の<2重量%の含有量を有する溶液または分散液を>2重量%の固体含有量まで濃縮して溶媒を除去しそして引き続き結合剤および/または充填剤を場合により加えるスクリーンペーストの製造方法も開示している。実施例1は、回転蒸発器中での45℃および20hPa(ミリバール)におけるPEDOT/PSSの水中1.3重量%固体分散液から3重量%固体分散液への水の蒸発を開示している。
【0010】
特許文献5は、置換されたもしくは未置換のチオフェン−含有電気伝導性重合体の溶液、フィルム形成性結合剤、および有機溶媒媒体を含んでなるコーティング組成物であって、この媒体が37重量%より少ない水含有量を有するコーティング組成物を開示している。0.1重量%のPEDOT/PSS、すなわちベイトロン(BAYTRON)(R)Pは1:2.4の重量比PEDOT/PSSを有するため0.0294重量%のPED、および8〜25重量%の間の水を有するコーティング分散液が、PEDOT/PSSの水中1.22重量%分散液であるベイトロン(R)Pを出発物質として使用する発明の実施例に開示された。
【0011】
特許文献6は、電気伝導性重合体および有機溶媒媒体の溶液を含んでなるコーティング組成物であって、ここで溶媒がアルコール類、ケトン類、シクロアルカン類、アレン類、エステル類、グリコールエーテル類およびそれらの混合物よりなる群から選択され、媒体が12重量%より少ない水含有量を有するコーティング組成物を開示している。0.02〜0.1重量%の間のPEDOT/PSS濃度、すなわちベイトロン(R)Pは1:2.4の重量比PEDOT/PSSを有するため0.00588〜0.0294重量%のPED、および2〜8重量%の間の水を有するコーティング分散液が、PEDOT/PSSの水中1.22重量%分散液であるベイトロン(R)Pを出発物質として使用する発明の実施例に開示された。
【0012】
特許文献7は、置換されたもしくは未置換のチオフェン−含有電気伝導性重合体および有機溶媒媒体を含んでなるコーティング組成物であって、媒体が12重量%より少ない水含有量を有するコーティング組成物を開示している。0.02〜0.1重量%の間のPEDOT/PSS濃度、すなわちベイトロン(R)Pは1:2.4の重量比PEDOT/PSSを有するため0.00588〜0.0294重量%のPED、および2〜8重量%の間の水を有するコーティング分散液が、PEDOT/PSSの水中1.22重量%分散液であるベイトロン(R)Pを出発物質として使用する発明の実施例に開示された。
【0013】
特許文献8は、繰り返しチオフェン単位を有する重合体粒子Tおよび少なくとも一種の別のポリアニオン重合体Pより本質的になる水分酸性粉末の製造方法であって、該重合体Tを含有する分散液または溶液を水との共沸物を形成する化合物と混合し、水が共沸蒸留により除去されそして得られた重合体を単離しそして乾燥することを特徴とする方法を開示している。
【0014】
特許文献9は、水および場合により置換されていてもよいポリチオフェンを含んでなる混合物中で溶媒を交換する方法であって、この方法がa)少なくとも1種の溶媒を容器中で水の蒸発に適する条件下で加熱し、b)加熱された溶媒を水および場合により置換され
ていてもよいポリチオフェンを含んでなる混合物と接触させ、この接触が混合物から水の少なくとも一部を蒸気として除去するのに充分なものであり、そしてc)混合物から除去された水を溶媒と交換することを含んでなる方法を開示している。
【0015】
特許文献10は、場合により置換されていてもよいポリチオフェン類を有機溶媒中に含有する分散液または溶液の製造方法であって、a)水混和性有機溶媒もしくは水混和性有機溶媒混合物を場合により置換されていてもよいポリチオフェン類を含有する水性分散液または溶液に加えること並びにb)生じた混合物から水が少なくとも部分的に除去されることを特徴とする方法を開示している。
【0016】
特許文献11は、有機半導体の少なくとも2種の有機溶媒中溶液および/または分散液であって、(A)溶媒のそれぞれがそれ自体で200℃より低い沸点および15℃より低いかもしくは等しい融点を示し、(B)溶媒の少なくとも1種が140℃〜200℃の間の沸点を示し、(C)使用した溶媒がベンジル系CH−またはCH−基を含有せず、(D)使用した溶媒が第三級ブチル置換基もしくは2個より多いメチル置換基を含有するベンゼン誘導体でないことを特徴とする溶液および/または分散液を開示している。
【0017】
多くの用途にとっては、表面湿潤性を助けそして乾燥に必要なエネルギーを減少させるためには伝導性重合体分散液のコーティング媒体がほぼ非水性であることが望ましい。しかしながら、伝導性重合体の過度の希釈を避けるためには、伝導性重合体の濃度をできる限り高くすべきである。これは水性分散液を有機溶媒で希釈することにより行ないうるが、これは特許文献6、特許文献7および特許文献5に開示されているように伝導性重合体の0.00588〜0.0294重量%への極端な希釈を生ずる。
【0018】
【特許文献1】米国特許第5,494,609号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第440957号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第686662号明細書
【特許文献4】国際公開第99/34371号パンフレット
【特許文献5】欧州特許出願公開第1081549号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第1081546号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第1081548号明細書
【特許文献8】国際公開第02/042352号パンフレット
【特許文献9】国際公開第02/067273号パンフレット
【特許文献10】国際公開第02/072660号パンフレット
【特許文献11】国際公開第02/072714号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、本発明の一面は、ほぼ非水性媒体または少なくとも30重量%の溶媒濃度を有する非水性媒体の中で少なくとも0.08重量%の伝導性重合体濃度を有する組成物の製造方法を提供することである。
【0020】
本発明の別の面は、ほぼ非水性媒体または少なくとも30重量%の溶媒濃度を有する非水性媒体の中で少なくとも0.08重量%の伝導性重合体濃度を有するコーティング組成物を提供することである。
【0021】
本発明の一面は、また、ほぼ非水性媒体または少なくとも30重量%の溶媒濃度を有する非水性媒体の中で少なくとも0.08重量%の伝導性重合体濃度を有する組成物をコーティングするためのコーティング方法を提供することである。
【0022】
本発明の一面は、また、ほぼ非水性媒体または少なくとも30重量%の溶媒濃度を有する非水性媒体の中で少なくとも0.08重量%の伝導性重合体濃度を有する印刷インキまたはペーストを提供することである。
【0023】
本発明の一面は、また、ほぼ非水性媒体または少なくとも30重量%の溶媒濃度を有する非水性媒体の中で少なくとも0.08重量%の伝導性重合体濃度を有する印刷インキまたはペーストを印刷するための印刷方法を提供することである。
【0024】
本発明の別の面および利点は以下の記述から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0025】
国際公開第99/34371号パンフレットの実施例1に開示されたような60℃および50hPa(ミリバール)の圧力におけるPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液の蒸発は、水の60%だけを分散液の粘度における増加によって除去可能にする。96重量%の水および4重量%のPEDOT/PSSを含有する生じた非常に粘着性のPEDOT/PSS物体を非水性溶媒で2倍に希釈すると、生じたペーストは50〜55重量%の水を依然として含有していた。PEDOT/PSS物体の70〜85重量%の非水性溶媒までのさらなる希釈が減じられた粘度を有する不均質な分散液を製造した。驚くべきことに、水の蒸発前のPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液への非水性溶媒の添加が水の60%以上の除去を可能にしそしてPEDOT/PSS−ラテックスのコロイドを不安定化させずに、すなわちフロッキングおよび集塊化なしに、99%以上の除去を可能にすることが見出された。さらに、例えばN−メチル−ピロリドン(NMP)または酢酸カルビトールの如き非ポリヒドロキシ非水性溶媒の単独使用は所定の表面抵抗を有する層に関しては層透明度にとって不利であることも驚くべきことに見出された。さらに、NMPの単独使用はPEDOT/PSSの塊および片を容易に生じ、それらは容易に分散可能でない。
【0026】
本発明の一面は、0.08〜3.0重量%の間の2個のアルコキシ基が同一もしくは相異なりうるかまたは一緒になって場合によりアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルキルスルホナト、アルキルオキシアルキルスルホナトおよびカルボキシエステル基よりなる群から選択される置換基で置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体、ポリアニオン、および少なくとも1種のポリヒドロキシ非水性溶媒を含有する組成物を、(3,4−ジアルコキシチオフェン)の該重合体または共重合体および該ポリオニオンの水中分散液から製造する方法であって、次の順序で、i)該非水性溶媒の少なくとも1種を(3,4−ジアルコキシチオフェン)の該重合体または共重合体および該ポリアニオンの該水性分散液と混合し、そしてii)段階i)で製造された混合物からその中の水の含有量が少なくとも65重量%減少するまで水を蒸発させる段階を含んでなる方法により実現される。
【0027】
本発明の一面は、また、上記の方法に従い製造される所定の表面抵抗において増加した透明度を有する層を生成しうるコーティング組成物によっても実現される。
【0028】
本発明の一面は、また、上記のコーティング組成物を準備し、コーティング組成物を場合により下塗りされていてもよい支持体、誘電層、蛍燐光体層または透明な伝導層の上にコーティングし、それにより所定の表面抵抗において増加した透明度を有する層を製造する段階を含んでなるコーティング方法によっても実現される。
【0029】
本発明の一面は、また、上記の方法に従い製造される所定の表面抵抗において増加した透明度を有する層を生成しうる印刷インキまたはペーストによっても実現される。
【0030】
本発明の一面は、また、上記の印刷インキを準備し、印刷インキを場合により下塗りされていてもよい支持体、誘電層、蛍燐光体層または透明な伝導層の上に印刷し、それにより所定の表面抵抗において増加した透明度を有する層を製造する段階を含んでなる印刷方法によっても実現される。
【0031】
別の態様は従属請求項に開示されている。
【0032】
発明の詳細な記述
定義
用語「アルコキシ」は、アルコキシ基中の各炭素数に関して可能な全ての変種、すなわち炭素数3に関してはn−プロピルおよびイソプロピル、炭素数4に関してはn−ブチル、イソブチルおよびターシャリー−ブチル、炭素数5に関してはn−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピルおよび2−メチル−ブチルなどを意味する。
【0033】
用語「オキシアルキレンアルコキシ」は、アルキレン基により結合された2個の酸素原子を意味する。アルキレン基は置換されたもしくは未置換の炭化水素基、例えば−(CH−基(ここでnは1〜5の間の整数である)であり、それは場合によりアルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アリール、アルカリール、アルキルオキシアルキル、アルキルオキシアルカリール、アルキルオキシアリール、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアミノ、スルホまたはアルキルスルホにより置換されていてもよい。
【0034】
特定の重合体に関して使用される用語「誘導体」は、アルキル、アルコキシ、アルキルオキシアルキル、カルボキシ、アルキルスルファトおよびカルボキシエステル基で置換されたその変種をさす。
【0035】
用語「非水性溶媒」は、単一の非水性溶媒を意味する「1種の非水性溶媒」と対照的に1種もしくはそれ以上の非水性溶媒を意味する。
【0036】
用語「ポリヒドロキシ非水性溶媒」は、少なくとも2個のヒドロキシ基を有する非水性溶媒を意味する。
【0037】
その他に共沸混合物としても知られる本発明の開示で使用される用語「共沸」は、蒸留で組成が変化しない2種もしくはそれ以上の液体の溶液を意味する。
【0038】
用語「所定の表面抵抗における増加した透明度」は、少なくとも1種のポリヒドロキシ非水性溶媒が存在する(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体およびポリアニオンの溶媒−交換水性分散液を用いて得られるコーティングの透過濃度計を用いて測定されるコーティングの透明度がポリヒドロキシ非水性溶媒の不存在下で交換された(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体およびポリアニオンの同じ水性分散液を用いて得られたものより高いことを意味する。
【0039】
本発明の開示で使用される用語「透明な」は、入射光線の少なくとも70%をそれを拡散させずに透過させる性質を有することを意味する。
【0040】
本発明の開示で使用される用語「半透明な」は、光の通過は可能であるがそれを拡散させてそれを越えて存在する物体をはっきり見えないようにさせることを意味する。
【0041】
本発明の開示で使用される用語「柔軟な」は、例えばドラムの如き曲げられた対象の曲率に沿いうることを意味する。
【0042】
本発明の開示で使用されるPEDOTは、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を表す。
【0043】
本発明の開示で使用されるPSSは、ポリ(スチレンスルホン酸)またはポリ(スチレンスルホネート)を表す。
【0044】
本発明の開示で使用されるPETは、ポリ(エチレンテレフタレート)を表す。
【0045】
本発明の開示で使用される用語「スクリーン印刷」は、印刷がスクリーンを通して行なわれる全てのタイプの印刷、例えばシルクスクリーン印刷、を表す。
【0046】
(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体および非水性溶媒を含有する組成物の製造方法
本発明によると、0.08〜3.0重量%の2個のアルコキシ基が同一もしくは相異なりうるかまたは一緒になって場合によりアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルキルスルホナト、アルキルオキシアルキルスルホナトおよびカルボキシエステル基よりなる群から選択される置換基で置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体、ポリアニオン、および少なくとも1種のポリヒドロキシ非水性溶媒を含有する組成物を、(3,4−ジアルコキシチオフェン)の該重合体または共重合体および該ポリオニオンの水中分散液から製造する方法であって、次の順序で、i)該非水性溶媒の少なくとも1種を(3,4−ジアルコキシチオフェン)の該重合体または共重合体および該ポリアニオンの該水性分散液と混合し、そしてii)段階i)で製造された混合物からその中の水の含有量が少なくとも65重量%減少するまで水を蒸発させる段階を含んでなる方法。
【0047】
2個のアルコキシ基が同一もしくは相異なりうるかまたは一緒になって場合により置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体が集塊化を最少にするためには、水含有量を少なくとも65重量%減ずるための蒸発は最も良好にはオンラインでの連続方法によるまたはオフラインでの不連続方法による一般的な均質化で行われることが見出された。この方法で、2個のアルコキシ基が同一もしくは相異なりうるかまたは一緒になって場合により置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体およびポリアニオンの高濃度が重合体/ポリアニオンの集塊化による粘度の妨害的な上昇なしに実現されうる。そうでないと、顕著な集塊化が観察されて分散液の蒸発時に高粘着性の「皮」を形成し、それが水の蒸発速度を大きく減ずる。これは相分離とみなすことができるが、水および有機液体は重合体または共重合体/ポリアニオンの不存在下では完全に混和性である。相分離は水が不足する相内への蒸発中に起きることができ、そこではポリアニオン連鎖がコイル中に存在して、ポリアニオン連鎖が伸びているフロッキングおよび水に富んだ相を生ずる。
【0048】
本発明に従う方法の第1の態様によると、この方法は、段階(i)で製造された分散液の均質化段階を段階(ii)中に少なくとも1回さらに含んでなる。
【0049】
本発明に従う方法の第2の態様によると、この方法は、段階(i)で製造された分散液の均質化段階を段階(ii)中に少なくとも2回さらに含んでなる。
【0050】
本発明に従う方法の第3の様によると、段階i)は、非水性溶媒並びに(3,4−ジア
ルコキシチオフェン)の重合体または共重合体およびポリアニオンの水中分散液を水との共沸物を形成する有機液体と混合することをさらに含んでなる。これが、水をより急速に蒸発させそして水含有量を実質的に減少させ、それは残存水含有量の減少を促進する時点で有利に加えられる。エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルは全て、水との二元共沸物を形成する有機液体の例である。例えば、n−ブタノールは5重量%以下への水含有量を容易に達成しうる。
【0051】
本発明に従う方法の第4の態様によると、分散液中の(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体対ポリアニオンの重量比は1:2.0〜1:6.0の範囲内である。
【0052】
本発明に従う方法の第5の態様によると、段階i)からの混合物中の水は少なくとも70重量%減じられる。
【0053】
本発明に従う方法の第6の態様によると、段階i)からの混合物中の水は少なくとも80重量%減じられる。
【0054】
本発明に従う方法の第7の態様によると、段階i)からの混合物中の水は少なくとも90重量%減じられる。
【0055】
本発明に従う方法の第8の態様によると、段階i)からの混合物中の水は少なくとも95重量%減じられる。
【0056】
本発明に従う方法の第9の態様によると、段階i)からの混合物中の水は少なくとも99重量%減じられる。
【0057】
本発明に従う方法の第10の態様によると、組成物の少なくとも30重量%は非水性溶媒である。
【0058】
本発明に従う方法の第11の様によると、組成物の少なくとも65重量%は非水性溶媒である。
【0059】
本発明に従う方法の第12の態様によると、組成物の少なくとも80重量%は非水性溶媒である。
【0060】
本発明に従う方法の第13の態様によると、組成物は0.15〜2.5重量%の3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体を含有する。
【0061】
本発明に従う方法の第14の態様によると、組成物は0.2〜1.6重量%の3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体を含有する。
【0062】
本発明に従う方法の第15の態様によると、組成物は0.2〜0.8重量%の3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体を含有する。
【0063】
本発明に従う方法の第16態様によると、組成物は0.2〜0.4重量%の3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体を含有する。
【0064】
欧州特許第440957号明細書の方法に従い製造されるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)[PEDOT]/ポリ(スチレンスルホネート)[PSS]分散液は典
型的には約1.9のpHを有する。分散液のpHは本発明に従い製造される組成物の性質に悪影響を与えずに1.2〜3.2の間で変動させうる。
【0065】
一般に、水を本発明に従う方法で除去しうる程度は水が分散液を通って表面に拡散しうる能力に依存し、それは蒸発条件下のPEDOT/PSS−分散液の粘度に依存する。しかしながら、PEDOT/PSS−分散液の粘度は最終分散液中のPEDOT/PSS−含有量に強く依存する。1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有する0.8重量%PEDOT/PSSの分散液で1〜5重量%の水含有量が容易に実現されうるが、1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの含有量の1.0重量%への単なる増加は分散液の粘度に強く影響を与えて容易に実現可能な水含有量を10〜15重量%に増加させる。
【0066】
蒸留を行なう温度が80℃もしくはそれ以下の温度であることが好ましく、特に好ましくは70℃もしくはそれ以下である。88−89℃の温度における蒸留がPEDOT/PSS−分散液を生成することが見出され、それはスクリーン印刷ペーストまでの処理で有意に高い表面抵抗を有する印刷物を与える。
【0067】
本発明に従う方法で得られるPEDOT/PSS−分散液の粘弾性質は周囲条件下での貯蔵時に安定性であることを指摘すべきである。
【0068】
3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体
本発明に従う方法の第18の態様によると、(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体は式
【0069】
【化3】

【0070】
[式中、RおよびRのそれぞれは独立して水素もしくはC1−5−アルキル基を表すかまたは一緒になって場合により置換されていてもよいC1−5−アルキレン基もしくはシクロアルキレンを形成する]
を有する。
【0071】
本発明に従う方法の第18の態様によると、(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体は2個のアルコキシ基が一緒になって場合により置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体である。
【0072】
本発明に従う方法の第19の態様によると、(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体はポリ(3,4−メチレンジオキシ−チオフェン)、ポリ(3,4−メチレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)誘導体、ポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)およびポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)誘導体並びにそれらの共重合体よりなる群から選択される2個のアルコキシ基が一緒になっ
て場合により置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体である。
【0073】
本発明に従う方法の第20の態様によると、(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体中ではオキシ−アルキレン−オキシ架橋の置換基はアルキル、アルコキシ、アルキルオキシアルキル、カルボキシ、アルキルスルホナト、アルキルオキシアルキルスルホナトおよびカルボキシエステル基である。
【0074】
本発明に従う方法の第21の態様によると、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)中では2個の基は一緒になって1,2−エチレン基、場合によりアルキル−置換されていてもよいメチレン基、場合によりC1−12−アルキル−もしくはフェニル−置換されていてもよい1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基または1,2−シクロヘキシレン基である場合により置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す。
【0075】
そのような重合体は、「オリゴ−およびポリチオフェン類のハンドブック(Handbook of Oligo− and Polythiophenes)」、D.フィチョウ(Fichou)編集、ウィリー(Wiley)−VCH、ワインハイム(Weinheim)(1999);L.グレネンダール(Groenendaal)他著、アドバンスト・マテリアルズ(Advanced Materials)、12巻、481−494頁(2000)、L.J.レプネル(Kloeppner)他著、ポリマー・プレプリンツ(Polymer Preprints)、40(2)巻、792頁(1999);P.ショットランド(Schottland)他著、シンセティック・メタルズ(Synthetic Metals)、101巻、7−8頁(1999);およびD.M.ウェルシュ(Welsh)他著、ポリマー・プレプリンツ、38(2)巻、320頁(1997)に開示されている。
【0076】
ポリアニオン
本発明に従う方法の第22の態様によると、ポリアニオンは重合体状カルボン酸、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、またはポリマレイン酸、およびポリスルホン酸、例えばポリ(スチレンスルホン酸)を包含する。これらのポリカルボン酸およびポリスルホン酸は、ビニルカルボン酸およびビニルスルホン酸と他の重合可能単量体、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびスチレンとの共重合体でもありうる。
【0077】
本発明に従う方法の第23の態様によると、ポリアニオンはポリ(スチレンスルホン酸)またはポリ(スチレンスルホン酸)とスチレンとの共重合体のポリアニオンである。
【0078】
本発明に従う方法の第24の態様によると、2個のアルコキシ基が同一もしくは相異なることができまたは一緒になって場合により置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体対ポリアニオンのモル比は1:0.95〜1:6.5の範囲内である。
【0079】
本発明に従う方法の第25の態様によると、2個のアルコキシ基が同一もしくは相異なることができまたは一緒になって場合により置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体対ポリアニオンのモル比は1:0.95〜1:3.0の範囲内である。
【0080】
非水性溶媒
本発明に従う方法の第26の態様によると、非水性溶媒は水との共沸物を形成しえない。
【0081】
本発明に従う方法の第27の態様によると、少なくとも1種のポリヒドロキシ非水性溶媒は糖アルコールおよびエチレングリコールを除外し、そして好ましくは水混和性である。
【0082】
本発明に従う方法の第27の態様によると、少なくとも1種のポリヒドロキシ非水性溶媒はエチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、グリセロール、酢酸カルビトール、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコールよりなる群から選択される。
【0083】
本発明に従う方法の第29の態様によると、非水性溶媒、例えばアルコール類、ケトン類、アレン類、エステル類、エーテル類、およびそれらの混合物、は別の工程段階で加えられる。
【0084】
本発明に従う方法の第30の態様によると、非水性溶媒は別の工程段階で加えられそしてこの別に加えられる非水性溶媒はジ−もしくはポリヒドロキシ−および/またはカルボキシ基またはアミドもしくはラクタム基を含有する有機化合物、例えば糖アルコール類、例えばソルビトール、マンニトール、サッカロースおよびフルクトース、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオールおよびプロピレングリコールよりなる群から選択される。
【0085】
本発明に従う方法の第30の態様によると、非水性溶媒は別の工程段階で加えられそしてこの別に加えられる非水性溶媒は1,2−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、グリセロール、ヘキシレングリコールおよび酢酸カルビトールよりなる群から選択される。
【0086】
特定の非水性溶媒の適合性は、8gのPEDOT/PSSの1.2重量%水性分散液を12gの溶媒と混合することにより、評価することができる。ゲル生成なしに混和性が観察される場合には、この非水性溶媒は適しているとみなされる。テトラヒドロフランは混和性であるが、その分散液は非常に粘着性である。上記の混和性試験に従う適合性は、テトラヒドロフランで観察されるような同一溶媒を用いるPEDOT/PSS分散液のさらなる希釈時の相分離を不適切であると宣言するものではない。PEDOT/PSS分散液は相分離の可能性なしに無制限な程度まで希釈できないことは当業者に理解されるであろう。
【0087】
乳酸エチルはゲル生成を誘発し、従って不適切である。ベンジルアルコール、フルフリルアルコールおよびシクロヘキサンは相分離を生じ、従って不適切である。
【0088】
結合剤
本発明に従う方法の第32の態様によると、結合剤は別の工程段階で加えられる。この結合剤は本発明に従う組成物を用いて製造される帯電防止性または電気伝導性層の成分を一緒に結合させて支持体上の非平面構造をより良好にコーティング可能にする。この結合剤は本発明の方法に従い製造される組成物の粘度も増加させる。
【0089】
本発明に従う方法の第33の態様によると、結合剤は別の工程段階で加えられ、ここで結合剤はバイエル(BAYER)からのディスパーコル(DISPERCOLL)UVPKA8481である。
【0090】
本発明に従う方法の第34の態様によると、結合剤は別の工程段階で加えられ、ここで結合剤はポリアクリレート類、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、
スルホン酸基を有するカルボキシレート−含有共重合体、ヒドロキシ−改質されたアクリル酸共重合体およびポリ(ビニルアルコール)よりなる群から選択される。
【0091】
結合剤の適合性は、0.1重量%の特定の結合剤を、例えば87重量%の1,2−プロパンジオール、9重量%のジエチレングリコール、3重量%の脱イオン水、0.5重量%のゾニル(ZONYL)(R)FSOおよび0.5重量%のシリコーン発泡防止剤X50860Aの如き本発明のPEDOT/PSS−含有組成物用の典型的な分散媒体に加えることにより、評価された。そのような分散媒体中に0.1重量%の程度まで溶解した結合剤は本発明に従う組成物用に適しているとみなされた。
【0092】
特に適する結合剤は以下のものを包含する:
結合剤01=B.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)からのポリアルケニルポリエーテルで架橋結合されたアクリル酸のホモ−および共重合体である、カルボポル(CARBOPOL)(R)ETD−2623、
結合剤02=B.F.グッドリッチからのアクリル酸およびアクリル酸エチルの共重合体のラテックスである、カルボポル(R)アクア(Aqua)30、
結合剤03=ハーキュレス・インコーポレーテッド(Hercules Inc.)からのカルボキシメチルセルロースである、アンバーガム(AMBERGUM)(R)3021、
結合剤04=バスフ(BASF)からのポリビニルピロリドンである、ルビスコル(LUVISKOL)(R)K30、
結合剤05=シンエツ・ケミカル・カンパニー(Shin−Etsu Chemical
Company)からのヒドロキシアルキルセルロースメチルプロピルエーテル、
結合剤06=ハーキュレス・インコーポレーテッドからのヒドロキシプロピルセルロースである、クルセル(KLUCEL)(R)L、
結合剤07=ゼニカ(Zenica)からのアクリレートをベースにした水性ラテックスである、ネオクリル(NEOCRYL)(R)BT24、
結合剤08=BYC・セラ(BYC Cera)からのアクリレートをベースにした水性ラテックスである、アクアセル(AQUACER)(R)503、
結合剤09=ユニオン・カーバイド(Union Carbide)からのアクリレートをベースにした水性ラテックスである、ポリフォーブ(POLYPHOBE)(R)TR117、
結合剤10=ウエストバコ・コーポレーション(Westvaco Corporation)からのアクリレートをベースにした水性ラテックスである、アモレックス(AMOREX)(R)CR2900、
結合剤11=ウエストバコ・コーポレーションからのアクリレートをベースにした水性ラテックスである、CRX−8057−45、
結合剤12=ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)からの54重量%のアクリレートをベースにした水性ラテックスである、プリマル(PRIMAL)TMEP−5380、
結合剤13=エルンスト・ジャガー・ヘム・ロストッフェGmbH(Ernst Jager Chem. Rohstoffe GmbH)からの58重量%のアクリレートをベースにした水性ラテックスである、ジャゴテックス(JAGOTEX)(R)KEM1020、
結合剤14=スタール・ホーランド・BV(Stahl Holland BV)からの54重量%のアクリレートをベースにした水性ラテックスである、ペルムテックス(PERMUTEX)(R)PS−34=320、
結合剤15=エルンスト・ジャガー・ヘム・ロストッフェGmbHからの55重量%のアクリレート共重合体水性ラテックスである、ジャゴテックス(R)KEM4009、
結合剤16=B.F.グッドリッチからの50重量%のアクリル酸−AMPS共重合体水
性ラテックスである、グッド・ライト(GOOD RITE)(R)K797、
結合剤17=B.F.グッドリッチからの50重量%の水溶性アクリル酸重合体である、グッド・ライト(R)K7058、
結合剤18=アルコ・ケミカル(Alco Chemical)からのアクリル酸/スチレン共重合体ラテックスである、ナルレックス(NARLEX)(R)DX2020、
結合剤19=アルコ・ケミカルからのアクリル酸/スチレン共重合体ラテックスである、アルコパース(ALCOPERSE)(R)725、
結合剤20=B.F.グッドリッチからの18.1重量%の架橋結合されていないメタクリル酸/アクリル酸エチル共重合体ラテックスである、カルボポル(R)EP2、
結合剤21=ワッカー・ヘミー(WACKER CHEMIE)からの97.5−99.5%加水分解されたポリ(ビニルアルコール)、
結合剤22=バイエルからのポリエステルウレタン共重合体分散液である、ディスパーコルTMUVPKA8481。
【0093】
結合剤1、2および20はPEDOT/PSS−含有量に依存しない分散液の粘度に対して非常に強い影響を有する。
【0094】
顔料および染料
本発明に従う方法の第35の態様によると、着色されたまたは不透明な組成物を与えるために顔料または染料が加えられる。透明な着色された組成物は、着色された染料または顔料、例えばジアゾおよびフタロシアニン顔料、を加えることにより実現できる。
【0095】
不透明な組成物も、黒色顔料、例えばバイエルからのレバニル(LEVANYL)(R)A−SF、バイエルからのレバニル(R)NLF、デグッサ(Degussa)からのカーボンブラック分散液であるKL1925、およびミクニ(Mikuni)からのカーボンブラック分散液であるMHIブラック(Black)8102M、または二酸化チタン顔料をコーティング層厚さで不透明性を与えるのに充分な重量で加えることによっても実現できる。
【0096】
適する顔料は下記のものを包含する:
【0097】
【表1】

【0098】
【表2】

【0099】
【表3】

【0100】
架橋結合剤
本発明に従う方法の第36の態様によると、架橋結合剤が別の工程段階で加えられる。適する架橋結合剤は、エポキシシラン(例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、ここに引用することにより本発明の内容となる欧州特許第564911号明細書に開示されたようなシラン類の加水分解生成物(例えばテトラエトキシシランまたはテトラメトキシシランの加水分解生成物)、および場合によりブロック形態であってもよいジ−またはオリゴ−イソシアネート類である。
【0101】
発泡防止剤
本発明に従う方法の第37の態様によると、発泡防止剤が加えられる。
【0102】
適する発泡防止剤は、シリコーン発泡防止剤X50860Aである。
【0103】
界面活性剤
本発明に従う方法の第38の態様によると、界面活性剤が加えられる。
【0104】
本発明に従う方法の第39の態様によると、アニオン性界面活性剤が加えられる。
【0105】
本発明に従う方法の第40の態様によると、非イオン性界面活性剤、例えばエトキシル化された/フルオロアルキル界面活性剤、ポリエトキシル化されたシリコーン界面活性剤、ポリシロキサン/ポリエーテル界面活性剤、ペルフルオロ−アルキルカルボン酸のアンモニウム塩、ポリエトキシル化された界面活性剤および弗素−含有界面活性剤が加えられる。
【0106】
適する非イオン性界面活性剤は下記のものを包含する:
界面活性剤番号01=デュポン(DuPont)からのイソプロパノールの水中50重量%溶液中のF(CFCF1−9CHCHO(CHCHO)H(ここで、x=0〜約25である)の40重量%溶液である、ゾニル(R)FSN、
界面活性剤番号02=デュポンからのF(CFCF1−9CHCHO(CHCHO)H(ここで、x=0〜約25である)である、ゾニル(R)FSN−100、
界面活性剤番号03=デュポンからの弗素化された界面活性剤の40重量%水溶液であるゾニル(R)FS300、
界面活性剤番号04=デュポンからのエチレングリコールの水中50重量%溶液中の式:F(CFCF1−7CHCHO(CHCHO)H(ここで、y=0〜約15である)を有するエトキシル化された非イオン性フルオロ−界面活性剤の混合物の50重量%溶液である、ゾニル(R)FSO、
界面活性剤番号05=デュポンからのエトキシル化された非イオン性フルオロ−界面活性剤とデュポンからの式:F(CFCF1−7CHCHO(CHCHO)
H(ここで、y=0〜約15である)との混合物である、ゾニル(R)FSO−100、界面活性剤番号06=ゴールドシュミット(Goldschmidt)からのポリシロキサン−重合体共重合体界面活性剤である、テゴグライド(Tegoglide)(R)410、
界面活性剤番号07=ゴールドシュミットからのポリシロキサン−ポリエステル共重合体界面活性剤である、テゴウエット(Tegowet)(R)
界面活性剤番号08=3MからのCF(CFSO(C)N−CHCO−(OCHCHOHである、フルオラド(FLUORAD)(R)FC431、界面活性剤番号09=3Mからのペルフルオロカルボン酸のアンモニウム塩の混合物であるフルオラド(R)FC126、
界面活性剤番号10=ポリオキシエチレン−10−ラウリルエーテル、
界面活性剤番号11=3Mからの98.5%活性フルオロ脂肪族エステルであるフルオラド(R)FC430。
【0107】
適するアニオン性界面活性剤は下記のものを包含する:
界面活性剤番号12=デュポンからの弗素化された界面活性剤である、ゾニル(R)7950、
界面活性剤番号13=デュポンからのイソプロパノールの水中50重量%溶液中のF(CFCF1−9CHCHSCHCHCOOLiの25重量%溶液である、ゾニル(R)FSA、
界面活性剤番号14=デュポンからのエチレングリコールの水中70重量%溶液中の[F(CFCF1−7CHCHO]P(O)(ONH(ここでx=1または2であり、y=2または1であり、そしてx+y=3である)の14重量%溶液である、ゾニル(R)FSE、
界面活性剤番号15=デュポンからのイソプロパノールの水中25重量%溶液中のF(CFCF1−7CHCHO]P(O)(ONH(ここでx=1または2であり、y=2または1であり、そしてx+y=3である)と炭化水素界面活性剤の配合物の40重量%溶液である、ゾニル(R)FSJ、
界面活性剤番号16=デュポンからのイソプロパノールの水中69.2重量%溶液中の[F(CFCF1−7CHCHO]P(O)(ONH(ここでx=1または2であり、y=2または1であり、そしてx+y=3である)の35重量%溶液である、ゾニル(R)FSP、
界面活性剤番号17=デュポンからの[F(CFCF1−7CHCHO]P(O)(OH)(ここでx=1または2であり、y=2または1であり、そしてx+y=3である)である、ゾニル(R)UR、
界面活性剤番号18=デュポンからの酢酸の水中4.5重量%溶液中のF(CFCF3−8CHCHSOHの33重量%溶液である、ゾニル(R)TBS、
界面活性剤番号19=ペルフルオロ−オクタン酸のアンモニウム塩
【0108】
印刷インキまたはペースト
本発明に従う印刷インキまたはペーストの第1の態様によると、印刷インキまたはペーストは平版印刷版インキ、グラビア印刷インキ、フレキソグラフィー印刷インキ、スクリーン印刷インキ、インキ−ジェット印刷インキまたはオフセット印刷インキである。本発明の方法に従い製造される組成物の特定印刷方法に対する適合性は組成物の粘度により実質的に決められる。
【0109】
平版インキは、インキ調合物、乾燥機構、印刷機および印刷速度により、約15Pa.s〜35Pa.sに変動する印刷条件下での粘度を有する。
【0110】
グラビアおよびフレキソグラフィーインキは、インキまたは希釈されたインキの粘度を
缶内でまたは印刷機械上で考慮するかどうかにより、大きく変動する。さらに、缶内または印刷機械上の両者の顔料沈澱問題のために、染料をベースとしたインキは顔料着色されたインキより低い粘度を有する傾向がある。一般的指針として、典型的な印刷機−インキ粘度は印刷時に約15mPa.sであろう。
【0111】
スクリーン印刷インキは、インキのタイプ、スクリーンメッシュおよび印刷速度に依存する。希釈されたインキの典型的な粘度はスクリーンからの印刷時に、急速処理(剪断速度=約100s−1)に関しては0.5〜5Pa.sの間でありそして緩慢処理(剪断速度=約1s−1)に関しては8〜40Pa.sの間でありそして停止(剪断速度=約10−2−1)に関しては50〜800Pa.sの間である。
【0112】
インキ−ジェットインキは、インキ−ジェット方法、ノズル構造、印刷速度、インキ−乾燥機構および要求される印刷品質により、約2mPa.s〜20mPa.sで変動する印刷条件下での粘度を有する。
【0113】
印刷方法
本発明の一面は、本発明に従う印刷インキまたはペーストを準備し、印刷インキまたはペーストを場合により下塗りされていてもよい支持体、誘電層、蛍燐光体層または透明な伝導層の上に印刷することにより実現される。
【0114】
ペーストの層は、蛍燐光体層、ポリアクリレート下塗り層、ポリカーボネートおよびポリエステル類、例えばポリ(エチレンテレフタレート)に対する優れた付着性並びに>75%の可視光線透過率における1000Ω/平方の表面抵抗を示し、ここで85%が得られうる。
【0115】
印刷インキまたはペーストを適用しうるエレクトロルミネセント蛍燐光体の中には、II−VI半導体、例えばZnSまたはII族元素と酸化アニオンの組み合わせがあり、最も一般的なものは珪酸塩、燐酸塩、炭酸塩、ゲルマニウム酸塩、錫酸塩、ホウ酸塩、バナジン酸塩、タングステン酸塩およびオキシ硫酸塩である。典型的なドーパントは金属並びに全ての希土類、例えばCu、Ag、Mn、Eu、Sm、TbおよびCeである。エレクトロルミネセント蛍燐光体を透明なバリア層、例えばAlおよびAlN、で水分に対してカプセル化することができる。そのような蛍燐光体はシルバニア(Sylvania)、シンエツ・ポリマー(Shinetsu polymer)KK、デュレル(Durel)、アチェソン(Acheson)およびトウシバ(Toshiba)から入手可能である。そのような蛍燐光体を有するコーティングの例はシルバニア/GTEから入手可能な72Xおよび米国特許第4,855,189号明細書に開示されたコーティングである。適するエレクトロルミネセント蛍燐光体は、マンガン、銅もしくはテルビウムがドープされたZnS、セリウムがドープされたCaGa、デュポン(DuPont)により供給されるエレクトロルミネセント蛍燐光体ペースト、例えば白色蛍燐光体であるルクスプリント(Luxprint)(R)タイプ7138J、緑青色蛍燐光体であるルクスプリント(R)タイプ7151J、および黄緑色蛍燐光体であるルクスプリント(R)タイプ7174J、並びにアチェソンにより供給されるエレクトロダグ(Electrodag)(R)EL−035Aである。特に好ましいエレクトロルミネセント蛍燐光体はマンガンがドープされそしてAlNでカプセル化された硫化亜鉛蛍燐光体である。
【0116】
いずれの誘電材料でも使用することができ、チタン酸イットリウムおよびバリウムが好ましく、例えばデュポンにより供給されるチタン酸バリウムペーストであるルクスプリント(R)タイプ7153E高K誘電絶縁体およびアチェソンにより供給されるチタン酸バリウムペーストであるエレクトロダグ(R)EL−040がある。
【0117】
本発明に従う印刷方法の第1の態様によると、印刷方法は、(i)透明なまたは半透明な支持体を本発明に従う印刷インキまたはペーストで印刷して透明なまたは半透明な第1の伝導層を製造し、(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体を含んでなる溶液、分散液またはペーストで(ii)エレクトロルミネセント蛍燐光体を含んでなる層を有する第1の伝導層を印刷し、(iii)場合によりエレクトロルミネセント蛍燐光体を誘電層と共に含んでなる層を印刷し、そして(iv)存在するなら誘電層をまたは誘電層が存在しないならエレクトロルミネセント蛍燐光体を含んでなる層を印刷して第2の伝導層を製造する段階を含んでなるエレクトロルミネセント装置の製造方法であり、ここで段階(i)で使用される溶液、分散液またはペースト中の(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体は段階(iv)で使用される溶液、分散液またはペースト中の(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体と同一もしくは相異なりうる。
【0118】
本発明に従う印刷方法の第2の態様によると、印刷方法は、(i)支持体を本発明に従う印刷インキまたはペーストで印刷して第2の伝導層を製造し、(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体を含んでなる溶液、分散液またはペーストで(ii)場合により誘電層を有する第2の伝導層を印刷し、(iii)エレクトロルミネセント蛍燐光体を含んでなる層を有する存在するなら誘電層をまたは誘電層が存在しないなら第2の伝導層を印刷し、そして(iv)エレクトロルミネセント蛍燐光体層を印刷して透明なまたは半透明な第1の伝導層を製造する段階を含んでなるエレクトロルミネセント装置の製造方法であり、ここで段階(i)で使用される溶液、分散液またはペースト中の(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体は段階(iv)で使用される溶液、分散液またはペースト中の(3,4−ジアルコキシチオフェン)の重合体または共重合体と同一もしくは相異なりうる。
【0119】
コーティング方法
本発明の一面は、上記方法に従うコーティング組成物を準備し、コーティング組成物を場合により下塗りされた支持体、誘電層、蛍燐光体層または透明な伝導層の上にコーティングし、それにより所定の表面抵抗において増加した透明度を有する層を製造することにより実現される。
【0120】
透明なまたは半透明な支持体
本発明に従うコーティング方法の第1の態様または印刷方法の第3の態様によると、支持体は紙、重合体フィルム、ガラスまたはセラミックである。
【0121】
本発明に従うコーティング方法の第2の態様または印刷方法の第4の態様によると、支持体は透明なまたは半透明な重合体フィルムである。
【0122】
本発明のエレクトロルミネセント装置中での使用に適する透明なまたは半透明な支持体は硬質または軟質であり、そしてガラス、ガラス−重合体ラミネート、重合体ラミネート、熱可塑性重合体またはデュロプラスチック重合体よりなる。薄い軟質支持体の例は、セルロースエステル、三酢酸セルロース、ポリプロピレン、ポリカーボネートまたはポリエステル製のものであり、ポリ(エチレンテレフタレート)またはポリ(エチレンナフタレン−1,4−ジカルボキシレート)が特に好ましい。
【0123】
工業用途
本発明に従うコーティング組成物、印刷インキおよび印刷ペーストは、例えば、場合により下塗りされていてもよい支持体、誘電層、蛍燐光体層または透明な伝導層に帯電防止または電気伝導性コーティングを適用するために使用することができる。これは、例えば、ランプ、ディルプレイ、背景光、例えばLCD、自動車ダッシュボードおよびキースイ
ッチ背景光、緊急照明、携帯電話、個人用デジタル補助具、家庭用電子機器、インジケーターランプおよび発光が要求される他の用途で使用できるエレクトロルミネセント装置の製造における一段階でありうる。
【0124】
本発明を以下で比較例および本発明実施例により説明する。これらの実施例に示される百分率および比は断らない限り重量による。
【実施例】
【0125】
下記の支持体を比較例および本発明実施例で使用した:
・オートスタット(AUTOSTAT)(R)=オートタイプ・インターナショナル・リミテッド(AUTOTYPE INTERNATIONAL LTD)により供給される両面が下塗りされた175μm厚さの熱安定化されたポリ(エチレンテレフタレート)[PET]、
・下塗り層番号01でコーティングされた100μm厚さの熱安定化されたPET
・下塗り層番号02でコーティングされた100μm厚さの熱安定化されたPET
・下塗り層なしの100μm厚さの熱安定化されたPET
・マクロフォル(MAKROFOL)(R)DE1−1SC=バイエルAGからの125μm厚さのポリカーボネートフィルム
・ベイフォル(BAYFOL)(R)CR1−4=バイエルAGからの115μm厚さのポリカーボネートおよびポリ(ブチレンテレフタレート)の配合物の押し出しフィルム
下塗り層番号01は組成:
88%の塩化ビニリデン、10%のアクリル酸メチルおよび 79.1%
2%のイタコン酸の共重合体
バイエルからのコロイド状シリカである、キエセルゾル 18.6%
(Kieselsol)(R)100F
バイエルからの界面活性剤であるメルソラト(Mersolat)(R)H 0.4%
チバ−ガイギー(CIBA−GEIGY)からの界面活性剤である 1.9%
ウルトラフォン(Ultravon)(R)
を有する。
【0126】
下塗り層番号02は組成:
50モル%のエチレングリコール、26.5モル%のテレフタル酸、 77.2%
20モル%のイソフタル酸、3.45モル%のスルホイソフタル酸
および0.05モル%の
【0127】
【化4】

【0128】
の共重合体
20%のアクリル酸エチルおよび80%のメタクリル酸の共重合体 5.8%
ヘキストからポリエチレンの水性分散液である、ホルダマー 2.4%
(Hordamer)(R)PE02
アメリカン・シアナミド(AMERICAN CYANAMID) 14.6%
からのメラミン−ホルムアルデヒド樹脂であるパレズ・レジン
(PAREZ RESIN)(R)707
を有する。
【0129】
下記の層を比較例および本発明実施例で使用した:
・P55スクリーンを通してスクリーン印刷されたルクスプリント(LUXPRINT)TM7153E(高いK誘電絶縁体)の層、
・P55スクリーンを通してスクリーン印刷されたルクスプリントTM7138J(白色蛍燐光体)の層。
【0130】
以上で挙げられていない下記の成分を比較例および本発明実施例の組成物中で使用した:
・非水性溶媒:
CA=酢酸カルビトール[酢酸ジ(エチレングリコール)エチルエーテル]
DEG=ジエチレングリコール
NMP=N−メチルピロリジノン
PD=1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)
BuOH=n−ブタノール
・X50860A=シンエツからのシリコーン発泡防止剤X50860A
【0131】
本発明実施例に記載されているPEDOTペーストの製造用の出発物質は、欧州特許出願公開第440957号明細書に開示されている通りにして製造されそしてAR1000板および円錐レオメーター(直径4cm、円錐角度2°)を用いて20℃で測定した35s−1の剪断速度において33.5mPa.sに減少する5s−1の剪断速度における38mPa.sの典型的粘度を有し且つ1.9の典型的なpHを有する1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの1.2重量%水性分散液であった。
【0132】
比較例1〜4および本発明実施例1〜10
表1に示された溶媒をこれも表1に示された量で、表1に示された量の1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液と混合し、そして生じた混合物から45℃での50hPa(ミリバール)の真空における蒸留により攪拌しながら蒸発させてこれも表1に示された組成物を与えることにより、比較例1〜4および本発明実施例1〜10の組成物を製造した。
【0133】
本発明実施例4の組成物中のPEDOT/PSS−ラテックス粒子の粒子寸法を、粒子寸法分布が示差遠心沈殿を用いて測定されるケミカル・プロセス・スペシャリスツ(Chemical Process Specialists)CPSDCP2400デイスク遠心機を用いて測定した。ストローク則沈澱速度に従う遠心場の下での流体内の粒子沈澱は粒子直径の平方として増加するため、数%だけでも寸法が異なる粒子は有意に異なる速度で沈澱する。示差沈澱では、サンプル内の全ての粒子が薄い帯状で沈澱し始める。1mLの組成物を4mLの1,2−プロパンジオールで希釈しそして次に生じた混合物を10mLの脱イオン水でそして次にさらに3mLのエタノールで希釈することにより、粒子のサンプルを製造した。0.1mLの生じた分散液を次に、分析の開始時にはスクロースの8%水溶液よりなる9.5mLの透明液体の上部に加えると、粒子が遠心場で沈澱した。検出器は最初に最大強度を読み取ったが、粒子が検出器光線に達する時には信号が減少した。強度における減少が、検出器光線中の粒子の濃度を示した。単色抗原を使用する場合には、ミエ(Mie)理論光線拡散を強度データに適用して粒子濃度を計算することができる。全ての粒子が検出器を通過した時点で、信号は初期水準に戻った。計算された粒子直径に対する粒子濃度のプロットが、示差分布を与えた。
【0134】
【表4】

【0135】
本発明実施例4の組成物に関して、223nmの平均ラテックス粒子寸法が223nmのd10および461nmのd90と共に見出された。
【0136】
PEDOT/PSSの含有量を3.4により割り算することにより得られたこれらの組成物中のPEDOTの含有量は0.27〜1.57重量%の間で変動した。20℃度および1s−1の剪断速度における粘度をAR1000板および円錐レオメーター(直径4cm、円錐角度2°)を用いて測定し、そしてこれらも表1に示す。
【0137】
本発明実施例1〜8および10並びに比較例3の組成物を表2に示されたスクリーンを通してこれも表2に示された下塗り層が付与されたPETフィルムの上にスクリーン印刷しそして印刷物を120℃で240秒間にわたり乾燥した。
【0138】
印刷物の光学濃度を、青色、緑色、赤色および可視フィルターの付いたマクベス(MacBeth)TR924透過濃度計を用いて測定した。結果は表2にまとめられている。
【0139】
印刷された層を、電極がテフロン(TEFLON)(R)絶縁体により離されている各々長さが35mmであり且つ35mm離れた線接触可能な平行な銅電極と接触させることにより印刷物の表面抵抗を測定した。これが、表面抵抗の直接測定を実現可能にした。結果も表2にまとめられている。
【0140】
【表5】

【0141】
本発明実施例1〜10の組成物を用いて製造されたコーティングは、層の表面抵抗の増加につれて増加する透明度である優れた透明度を示した。しかしながら、比較例1および3の組成物を用いて製造されたコーティングははるかに低い透明度、すなわち比較例1に関しては210Ω/平方の表面抵抗における0.25のDvisを示したが、組成物1を用いて製造されたコーティングはDvis=0.14のはるかに高い透明度において同一の表面抵抗を有し、そして比較例3に関しては460Ω/平方の表面抵抗における0.21のDredを示したが、組成物7を用いて製造されたコーティングはDred=0.11のはるかに高い透明度において同一の表面抵抗を有していた。これは、単独非水性液体としてのN−メチル−ピロリジノン(NMP)または酢酸カルビトールの使用が層透明度にとって不利であることを示している。さらに、NMPの単独使用はPEDOT/PSSの塊および片を容易に生じ、それらは容易に分散可能でない。これは、ポリオール液体、例えばエチレングリコール、プロパンジオール類、ジエチレングリコールおよびと離エチレングリコールに関する場合でない。
【0142】
本発明実施例16および17
400gのジエチレングリコール(DEG)を400gの1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液と混合し、そして次に生じた混合物を回転蒸発器中で60℃および50hPa(ミリバール)の真空において蒸発させて表3の組成物を与えることにより、発明の実施例16および17の組成物を製造した。
【0143】
【表6】

【0144】
本発明実施例13の組成物およびPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液の20℃における粘度を剪断速度を増加させながら測定しそして結果を表4に特定の剪断速度に関して示す。
【0145】
【表7】

【0146】
この組成物はコーティング用に直接使用することができ、或いは別の成分を加えて別の印刷技術用の非水性溶媒を含有する印刷インキおよびペーストを製造することができる。
【0147】
加えられた成分を含まない本発明実施例17の組成物を別のスクリーンを通して下塗りされていないPETの上にスクリーン印刷しそして120℃で120秒間にわたり乾燥した。これらの印刷物を本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして特性表示しそして得られた結果を表5に示す。
【0148】
【表8】

【0149】
本発明実施例16の組成物を用いた印刷物は本発明実施例17の組成物を用いた表5に
示されたものと同様な結果を与えた。
【0150】
本発明実施例18〜22
400gのプロパンジオール、場合により49gのジエチレングリコールおよび400gの1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液を加え、そして生じた混合物を回転蒸発器中で60℃で50hPa(ミリバール)の真空下で蒸発させて組成物を与え、そして引き続きカルボポル(R)ETD2623または3−グルシドキシプロピルトリメトキシシランを加えて表6に示された組成物を与えることにより、発明の実施例18〜22の組成物を製造した。
【0151】
【表9】

【0152】
スクリーン印刷
本発明実施例18〜22の組成物をオートスタットTMCT7支持体の上にP120スクリーン付きのスクリーン印刷機を用いて印刷しそして120℃で120秒間にわたり乾燥した。
【0153】
印刷された層の特性表示
本発明実施例18〜22の組成物を用いて製造された印刷物の可視フィルターを通る光学濃度および表面抵抗を本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして評価しそして結果を表7に示す。
【0154】
印刷された層の付着性をテープ試験により測定した:最初に層をレーザー刃を用いて約4×10cmの面積にわたり十字形に引っ掻き、テサパック(TESAPACK)(R)4122褐色テープの10×24m片を適用し、硬い物体でこすることにより圧力をかけそして最後にテープを一端から1回の動きで上向き方向に除去した。印刷された層の付着性を視覚的に0がテープと一緒の層の除去がないことに相当する0〜5の目盛りで下記の基準:
0の付着性評価: テープと一緒の層の除去なし
1の付着性評価: テープと一緒のテープ面積の25%に相当する面積の除去
2の付着性評価: テープと一緒のテープ面積の50%に相当する面積の除去
3の付着性評価: テープと一緒のテープ面積の75%に相当する面積の除去
4の付着性評価: テープと一緒のテープ面積に相当する面積の除去
5の付着性評価: テープと一緒のテープ面積より大きい面積の除去
に従い測定した。
【0155】
例えば0/1、1/2、2/3および3/4の如き中間評価も可能であった。本発明実施例18〜22の組成物を用いて得られた印刷物の付着性の評価も表7に示される。
【0156】
【表10】

【0157】
表7の結果は、付着性質が優れておりそして3重量%の3−グリシドキシプロピル−トリメトキシシランを含有する本発明実施例22の組成物を用いる印刷物の場合以外は表面抵抗が全ての印刷物に関して低かったことを示した。
【0158】
本発明実施例23〜34
本発明実施例23の組成物は本発明実施例16および17に関して記載した通りにして製造されそして0.75重量%のPEDOT/PSS、93重量%の1,2−プロパンジオール、5.9重量%の水および0.5重量%の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランよりなっていた。
【0159】
表8に示されているように異なる界面活性剤を異なる量で本発明実施例23の組成物に加えることにより、本発明実施例24〜34の組成物を製造した。
【0160】
本発明実施例23〜34の組成物をオートスタットTMCT7支持体、ルクスプリントTM7153Eの標準層およびルクスプリントTM7138Jの標準層の上にP120スクリーンを通してスクリーン印刷しそして120℃で120秒間にわたり乾燥した。
【0161】
印刷物の評価
オートスタット(R)CT7上の印刷物の光学濃度および表面抵抗を本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして評価した。本発明実施例23〜34の組成物を用いて製造された印刷物で得られた結果を表8に示す。
【0162】
オートスタット(R)CT7支持体、ルクスプリントTM7153Eの標準層およびルクスプリントTM7138Jの標準層上の印刷物の付着性を本発明実施例18〜22に関して記載した通りにして評価した。本発明実施例23〜34の組成物を用いて製造された印刷物を用いて得られた結果も表8に示す。
【0163】
オートスタットTMCT7支持体並びにルクスプリントTM7153EおよびルクスプリントTM7138Jの標準層の上に印刷された層の斑点を視覚的に0が良好な斑点のない層に相当する0〜5の目盛りで下記の基準:
0の斑点評価:視覚検査で斑点が観察されない
1の斑点評価:印刷物の1〜10%の間の斑点
2の斑点評価:印刷物の11〜20%の間の斑点
3の斑点評価:印刷物の21〜40%の間の斑点
4の斑点評価:印刷物の41〜60%の間の斑点
5の斑点評価:印刷物の60%より多い斑点
に従い視覚的に測定した。
【0164】
本発明実施例23〜34を用いて製造された印刷物に関する斑点結果も表8に示す。
【0165】
【表11】

【0166】
表8の結果は、異なる非イオン性界面活性剤の導入が斑点を減少させそして本発明に従う組成物の印刷物の付着性を改良することを示す。
【0167】
本発明実施例35〜41
34.68kgの1,2−プロパンジオールおよび3.84kgのジエチレングリコールを25.6kgの1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液に加え、次に油浴を用いて62℃で攪拌下で31〜55hPa(ミリバール)の間で変動する真空において234分間の期間にわたり加熱することにより15Lの水を蒸留除去し、生じた混合物を20℃に冷却しそして次に油浴を用いて60.5℃に攪拌下で24〜26hPa(ミリバール)の間で変動する真空において287分間の期間にわたり加熱することによりさらに4.85Lの水を蒸留除去することにより、本発明実施例35〜41の組成物を製造した。カール・フィッシャー方により測定した28.1kgの製造されたペーストの水含有量は3.9重量%であった。
【0168】
脱イオン水、ゾニル(R)FSO−100、シリコーン発泡防止剤X50860Aおよびカルボポル(R)アクア30を30分間にわたり攪拌しながら表9に示された量で加えることにより、本発明実施例35〜41の組成物を次に製造した。
【0169】
【表12】

【0170】
最終的組成物を表10に示す。
【0171】
【表13】

【0172】
粘度測定
本発明実施例35および36のスクリーンペーストの20℃における粘度をAR1000板および円錐レオメーター(直径4cm、円錐角度2°)を用いて剪断速度を増加させて測定し、特定の剪断速度を表11に示す。
【0173】
【表14】

【0174】
表12に示されている同一媒体中のカルボポル(R)アクア30の2重量%溶液の剪断速度に対する粘度の依存性からわかるように、カルボポル(R)アクア30の添加による粘度における増加は、部分的には、カルボポル(R)アクア30溶液自体の非ニュートン性能に依存する。
【0175】
【表15】

【0176】
表13に示された本発明実施例41の組成物およびカルボポル(R)EP2の同一媒体中溶液に関する剪断速度に対する粘度の依存性からわかるように、同様な状況はカルボポル(R)EP2でも観察された。
【0177】
【表16】

【0178】
スクリーン印刷
本発明実施例35〜38および40の組成物をオートスタットTMCT7支持体、ルクスプリントTM7153Eの標準層およびルクスプリントTM7138Jの標準層の上にP120スクリーン付きのスクリーン印刷機を用いて印刷しそして120℃で120秒間にわたり乾燥した。
【0179】
印刷された層の特性表示
オートスタットTMCT7支持体上での本発明実施例35〜38および40の組成物のコーティングに関して、可視フィルターを通る光学濃度を本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして評価し、ヘイズをASTMD1003−61に従い分光測定しそして印刷品質を視覚的に評価した。P120メッシュを通す印刷に関する結果を表14に示す。
【0180】
ヘイズ値は印刷された層内の光拡散量を反映しそして視覚的に観察可能な斑点の数、すなわち印刷物中の光拡散点の数、が増加するにつれて増加する。本発明実施例35および36の印刷物を用いるものより低いヘイズおよびより少ない斑点もしくは無斑点が本発明実施例37、38および40の組成物を用いて製造された印刷物で観察された。
【0181】
【表17】

【0182】
オートスタット(R)CT7、マクロフォルDE1−1SC1、下塗り層1を有するPET並びにルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層
の上の本発明実施例35〜38および40の組成物のコーティングに関して、印刷物の斑点を本発明実施例23〜34に関して記載した通りにして評価した。P120メッシュを通す印刷に関する結果を表15に示す。
【0183】
全てのフィルム上およびルクスプリント(R)7138Jの層上での全ての組成物を用いる印刷では非常に低い斑点が観察された。ルクスプリント(R)7153E上の印刷物の場合にのみ、本発明実施例35および36の組成物を用いるコーティング組成物の関数として観察される斑点における有意な変動があり、本発明実施例37、38および40の組成物より有意に劣っていた。
【0184】
【表18】

【0185】
オートスタット(R)CT7、マクロフォルDE1−1SC1、下塗り層1を有するPET並びにルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層の上の本発明実施例35〜38および40の組成物のコーティングに関して、付着性質を本発明実施例18〜22に関して記載した通りにして評価した。P120メッシュを通す印刷に関する結果を表16に示す。
【0186】
【表19】

【0187】
マクロフォルDE1−1SC1以外で優れた付着性が観察された。
【0188】
オートスタット(R)CT7、マクロフォルDE1−1SC1、下塗り層1を有するPET並びにルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層の上の本発明実施例35〜38および40の組成物のコーティングに関して、印刷物の表面抵抗を本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして評価した。P120メッシュ
を通す印刷に関する結果を表17に示す。
【0189】
【表20】

【0190】
本発明実施例35および36の組成物を用いて製造されたフィルム上での印刷物に関する表面抵抗は本発明実施例37、38および40の組成物を用いて製造されたものより有意に低かった。ルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153E層の上で観察された表面抵抗における変動は異なる組成物の異なる湿潤性能の結果としての層厚さ変動による。
【0191】
オートスタットCT7および下塗りされたPET上の異なるメッシュ寸法を通して印刷された層に関する結果を表18に示す。層厚さが増加するにつれて、表面抵抗が有意に増加しそして光学濃度が有意に減少した。
【0192】
【表21】

【0193】
本発明実施例42〜45
本発明実施例35〜41で使用した出発物質から、脱イオン水、ゾニルFSO、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、シリコーン発泡防止剤X50860Aおよび場合によりフレキソニル(Flexonyl)(R)ブルーB2Gを30分間にわたり攪拌しながら表19に示された量で加えることにより、本発明実施例42〜45の組成物を製造した。
【0194】
【表22】

【0195】
最終的組成物を表20に示す。
【0196】
【表23】

【0197】
本発明実施例42〜45の組成物を手動印刷機およびP120スクリーンを用いてオートスタットCT7支持体上にスクリーン印刷した。表面抵抗および光学濃度を本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして測定した。結果を表21に示す。
【0198】
【表24】

【0199】
本発明実施例44および45の組成物を用いて印刷された印刷物に関する光学濃度結果は、それらが透明であり且つ青色であることを示す。
【0200】
本発明実施例46〜51
本発明実施例35〜41で使用した出発物質から、脱イオン水、表22に示された異なる非イオン性およびアニオン性フルオロ−界面活性剤、3−グリシドキシプロピルトリメトキシ−シランおよびシリコーン発泡防止剤X50860Aを30分間にわたり攪拌しながら表22に示された量で加えることにより、本発明実施例46〜51の組成物を製造した。
【0201】
【表25】

【0202】
最終的組成物を表23に示す。
【0203】
【表26】

【0204】
本発明実施例46〜51の組成物を手動印刷機およびP120スクリーンを用いてオートスタットCT7支持体並びに標準的ルクスプリントTM7138JおよびルクスプリントTM7153Eの上に本発明実施例35〜38および40に関して記載した通りにしてスクリーン印刷した。表面抵抗および光学濃度を本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして測定した。斑点および付着性質を本発明実施例23〜34および本発明実施例18〜22に関して記載した通りにして測定した。結果を表24に示す。
【0205】
本発明実施例46〜51の組成物の層の斑点は良好もしくは非常に良好であり、非常に少ない斑点が非イオン性およびアニオン性界面活性剤の両者を含有する層で観察された。
【0206】
標準的ルクスプリントTM7138JおよびルクスプリントTM7153Eの上の優れた付着性は、非イオン性界面活性剤を有する組成物(本発明実施例46および47)並びにアニオン性界面活性剤を有する組成物(本発明実施例48および51)の両者で実現された。しかしながら、ホスフェートアニオン性界面活性剤を有する本発明実施例49および50の組成物は1つもしくは2つの層の上で劣悪な付着性を与えた。オートスタット(R)CT7支持体の場合には、組成物が非イオン性またはアニオン性界面活性剤を含有するかどうかにかかわらず、全ての組成物が優れたまたは非常に良好な付着性を実現した。
【0207】
【表27】

【0208】
オートスタット(R)CT7支持体並びに標準的ルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153E層の上で得られた表面抵抗は界面活性剤の選択に応じて変動した。両者ともアニオン性界面活性剤であるゾニル(R)FSEおよびゾニル(R)FSを含有する組成物(本発明実施例49および50参照)を用いて標準的ルクスプリント(R)7138J層の上で得られた比較的低い表面抵抗は顕著であるが、これは本発明実施例50の組成物が劣悪な付着性に関連していた場合である。
【0209】
これらの結果は、非イオン性およびアニオン性界面活性剤を本発明に従う組成物中で使用しうることを明らかに示している。
【0210】
本発明実施例52〜58
表25に示された溶媒をこれも表25に示された量で表25に示された量の1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液と混合しそして生じた混合物から60℃での50hPa(ミリバール)の真空における蒸留により攪拌しながら蒸発させてこれも表25に示された組成物を与えることにより、本発明実施例52〜58の組成物を製造した。PEDOT/PSSの含有量を3.4により割り算することにより得られたこれらの組成物中のPEDOTの含有量は0.53〜1.03重量%の間で変動した。
【0211】
【表28】

【0212】
本発明実施例52〜58の組成物を表26に示されたスクリーンを通してオートスタット(R)CT7の上にスクリーン印刷しそして印刷物を120℃で240秒間にわたり乾燥した。
【0213】
表面抵抗および光学濃度を本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして測定した。結果は表26にまとめられている。
【0214】
【表29】

【0215】
表26の結果は、コーティングされた組成物中のPEDOT/PSSの濃度の増加で表面抵抗における有意な減少があることを示す。
【0216】
本発明実施例59〜69
最初に18kgの1,2−プロパンジオールおよび2kgのジエチレングリコールを20kgの1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの水中1
.2重量%分散液に加え、次に60℃および50hPa(ミリバール)の真空において15.05kgの液体(主として水)が除去されるまで攪拌しながら水を蒸発させ、そして最後に表27に示された成分を297gのそれに攪拌しながら加えてここに示された出発組成物を得ることにより、本発明実施例59〜69の組成物を製造するための組成物を製造した。
【0217】
【表30】

【0218】
PIG01〜PIG07を次に表27に示された組成物に必要量で加えて以下の表28に示された本発明実施例59〜69の組成物を得た。
【0219】
【表31】

【0220】
本発明実施例59〜69のペーストをP43メッシュを通して手動スクリーン印刷機を
用いてオートスタット(R)CT7支持体並びにルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層の上にスクリーン印刷しそしてオートスタット(R)CT7支持体に関しては120℃で2分間にわたりそしてルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層に関しては130℃で5分間にわたり乾燥した。印刷品質、付着性、表面抵抗および光学濃度を次に本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして評価した。オートスタット(R)CT7上の印刷物に関する結果を表29に示す。
【0221】
優れた付着性および低い表面抵抗を有する有意に着色された印刷物が得られ、約400Ω/平方が本発明実施例59〜69の全てのペーストで得られた。印刷物の性質は顔料の選択によりほとんど影響を受けなかったようである。
【0222】
【表32】

【0223】
ルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層の上の印刷物に関する結果を表30に示す。
【0224】
【表33】

【0225】
ここでも、本発明実施例59〜69のペーストで得られた1回印刷物は全て約400Ω/平方の表面抵抗を有しており、それは2回目印刷物が1回目印刷物の上部に印刷されるときには約200Ω/平方に減少した。
【0226】
これらの結果は、本発明に従う顔料着色された組成物を使用して顔料の選択には関係なく有意な光学濃度を約400Ω/平方の表面抵抗と共に有する印刷物を製造しうることを示す。
【0227】
本発明実施例70〜72
最初に594gの1,2−プロパンジオールおよび6gのN−メチル−ピロリジノン並びに540gの1,2−プロパンジオールおよび60gのN−メチル−ピロリジノンをそれぞれ400gの1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液に加え、そして次に60℃および98kPa(0.98バール)の真空におけるそれぞれ391gおよび398gの液体(主として水)がそれぞれ70および90分後に除去されるまでの蒸留により攪拌しながら水を蒸発させることにより、それぞれ本発明実施例70および71並びに本発明実施例72の組成物を製造するための出発組成物を製造した。それにより得られた組成物を表31に示す。
【0228】
【表34】

【0229】
これらの組成物を次にそれぞれ本発明実施例70および71並びに本発明実施例72の組成物を製造するための出発組成物として使用して、適量の表32に示された成分を加えることにより、ここに示された組成物を製造した。
【0230】
本発明実施例70〜72の顔料着色されなかったペーストをP79メッシュを通して手動スクリーン印刷機を用いてベイフォルCR(R)1−4およびオートスタット(R)CT7支持体並びにルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層の上にスクリーン印刷しそしてベイフォルCR(R)1−4に関しては80℃で10分間にわたり、オートスタット(R)CT7支持体に関しては120℃で2分間にわたりそしてルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層に関しては130℃で5分間にわたり乾燥した。印刷品質、付着性、表面抵抗および光学濃度を次に本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして評価した。
【0231】
【表35】

【0232】
印刷品質結果を表33に、表面抵抗結果を表34に、光学濃度測定値を表35にそして付着性結果を表36に示す。
【0233】
【表36】

【0234】
【表37】

【0235】
【表38】

【0236】
【表39】

【0237】
表36の結果は、ディスパーコル(R)UVPKA8481を有する本発明実施例71のペーストを用いて製造された印刷物ではディスパーコル(R)UVPKA8481を含まない本発明実施例70および72のペーストを用いて製造された印刷物より高い付着性を明らかに示している。これは、ベイフォル(R)CR1−4上での本発明に従うペーストの付着性に関するディスパーコル(R)UVPKA8481の有効な影響を示している。
【0238】
本発明実施例73〜76
最初に54kgの1,2−プロパンジオールおよび6kgのジエチレングリコールをそ40kgの1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液に加えそして次に60℃(加熱部品温度)および83hPa(ミリバール)の真空における11時間にわたる蒸留により攪拌しながら水を蒸発させて39.75kgの液体を除去しそして残存水濃度を2.7重量%にすることにより、本発明実施例73の組成物を製造した。本発明実施例73に関して表37に示された成分を次に攪拌しながら加えてここに示された組成物を得た。
【0239】
本発明実施例73の組成物を次に、適量のディスパーコル(R)UVPKA8481を加えて表37に示された組成物を与えることにより、本発明実施例74〜76の組成物を
製造するための出発物質として使用した。
【0240】
【表40】

【0241】
本発明実施例73〜76のペーストをP79メッシュを通して手動スクリーン印刷機を用いてベイフォル(R)CR1−4およびオートスタット(R)CT7支持体並びにルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層の上にスクリーン印刷しそしてベイフォル(R)CR1−4に関しては80℃で10分間にわたり、オートスタット(R)CT7に関しては120℃で2分間にわたりそしてルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層に関しては130℃で5分間にわたり乾燥した。印刷品質、付着性、表面抵抗および光学濃度を次に本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして評価した。
【0242】
ベイフォル(R)CR1−4に関する印刷品質結果を表38に、全ての媒体上での表面抵抗結果を表39に、そしてベイフォル(R)CR1−4およびオートスタット(R)CT7上の印刷物の光学濃度測定値を表40に示す。
【0243】
【表41】

【0244】
【表42】

【0245】
【表43】

【0246】
全ての媒体に関する付着性測定値を表41に示す。
【0247】
【表44】

【0248】
オートスタット(R)CT7支持体並びにルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層の上の付着性測定値は評価した全てのペースト、すなわちディスパーコル(R)UVPKA8481を含むまたは含まないペースト、に関して優れていた。しかしながら、ベイフォル(R)CR1−4ではディスパーコル(R)UVPKA8481を含有する本発明実施例74〜76のペーストを用いて製造された印刷物での付着性においてはディスパーコル(R)UVPKA8481を含まない本発明実施例73のペーストを用いて製造された印刷物と比べて有意な改良があった。さらに、ベイフォル(R)CR1−4上のこの優れた付着性はディスパーコル(R)UVPKA8481を含有する本発明に従うペーストを用いて製造された印刷物の場合に印刷された支持体を120℃で100%だけ延伸しても維持された。この延伸には、0.02から0.03への、0.97への、0.11への光学濃度における増加および表面抵抗における10〜16
倍への増加が伴う。延伸時の抵抗におけるこの増加は本発明実施例74のペーストを用いて製造された印刷物の場合には本発明実施例75および76のペーストを用いて製造された印刷物と比較して有意に低く、良好な付着性を得るのに必要なものより過剰のディスパーコル(R)UVPKA8481が延伸時の生じた印刷物のはるかに大きい表面抵抗における増加をもたらすことを示している。
【0249】
本発明実施例77
239gのn−ブタノール、631gの1,2−プロパンジオールおよび69gのジエチレングリコールを1635gの1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液に加えそして次に60℃(加熱源温度)および30hPa(ミリバール)の真空における16時間にわたる蒸留により攪拌しながら水を一部は純水としてそして一部はn−ブタノールとの共沸混合物(水に関する100℃およびn−ブタノールに関する117℃と比べて、92.7℃の大気圧における沸点を有する42.8重量%の水および57.2重量%のn−ブタノール)として蒸発させて1793gの液体を除去しそして2.5重量%の最終的PEDOT/PSS濃度をカール・フィッシャー法を用いて測定した3.9重量%の残存水含有量と共に実現させることにより、本発明実施例77の組成物を製造した。
【0250】
本発明実施例78および79
最初に400L容器で34.56kgのジエチレングリコールを230.4kgの1:2.4のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液に加えそして次に311.04kgの1,2−プロパンジオールを毎時31kgの速度で同時に加えながら本発明実施例78に関しては88−90℃における110℃の油浴を用いるそして本発明実施例79に関しては55℃における60℃の水浴を用いる両方の場合とも20hPa(ミリバール)の真空における蒸留により攪拌しながら242.9kgの主として水を蒸発させそして水の濃度がそれぞれ1.1重量%および8.4重量%の濃度まで減じられるまで水を蒸発させることにより、本発明実施例78および79の組成物を製造するための出発物質を製造した。それにより得られた組成物を表42に示す。
【0251】
【表45】

【0252】
これらの組成物を次に、適量の表43に示された成分を加えることによりそれぞれ本発明実施例78および79の組成物を製造するための出発物質として使用して、200gのここに示された組成物を製造した。
【0253】
【表46】

【0254】
本発明実施例78および79のペーストをP120メッシュを通して手動スクリーン印刷機を用いてオートスタット(R)CT7支持体並びにルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層の上にスクリーン印刷しそしてオートスタット(R)CT7支持体に関しては120℃で2分間にわたりそしてルクスプリント(R)7138Jおよびルクスプリント(R)7153Eの層に関しては130℃で5分間にわたり乾燥した。印刷品質、付着性、表面抵抗および光学濃度を次に本発明実施例1〜14に関して記載した通りにして評価した。
【0255】
本発明実施例78および79に関する印刷品質結果、光学濃度測定値および表面抵抗結果をそれぞれ表44および45に示す。
【0256】
【表47】

【0257】
【表48】

【0258】
表44および45の結果は、88−89℃における蒸発により製造された出発組成物か
ら製造された本発明実施例47のペーストを用いて得られた印刷物が同じ組成物を有するが55℃における蒸発により製造された出発物質から製造された本発明実施例48のペーストを用いて得られたものより劣ったコーティング性質および表面抵抗を示したことを明らかに示している。
【0259】
比較例5
最初にEDOTをPSSの存在下で欧州特許出願公開第0440957号明細書に開示された通りにして重合することにより国際公開第02/042352号パンフレットの実施例1を繰り返し、生じた分散液を600g(690mL)のトルエンと混合して油の水中エマルジョンを生成し、そして260mLの水/トルエン共沸物を90℃で温度が135℃を越えない油浴を用いて2時間の期間にわたり蒸留除去した。一晩でPEDOT/PSS−層が沈殿しそして沈殿を温度計上で観察した。共沸物の蒸留を92℃の温度でさらに200分間にわたり再び行い、その後に合計825mL(723.8g)の共沸物が蒸留除去された。蒸留物が水相(130mL)および油相に分離した。1.8gのPEDOT/PSS−ラテックスおよび16gの水を含有する17.8gの深青緑色残渣をエタノールで洗浄することにより回収し、濾別しそして乾燥し、そしてゴム状コシステンシーを有することが見出された。この残渣は5分後に超音波浴の中で水中に容易に再分散した。
【0260】
比較例6
国際公開第02/00759号パンフレットのサンプルXVII〜XXIIIに開示された通りにして水性PEDOT/PSS−分散液を凍結乾燥することにより製造された粉末を用いるスクリーン印刷インキの製造
種々の溶媒を場合によりカルボポルTMETD2623と一緒に1:2.46のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの1.2重量%水性分散液を高真空(0.7hPa(ミリバール))下でクリスト・ベータ(CHRIST BETA)2−16棚凍結乾燥機中で全ての水が蒸発するまで(すなわち、棚の温度が室温になるまで)凍結乾燥することにより製造された粉末に加え、ウルトラ−ツラックス(ULTRA−TURRAX)TMを用いて予備分散させ、引き続きボールミル粉砕して[期間に関しては、表46(=国際公開第02/00759号パンフレットの表8)参照]、表46(=国際公開第02/00759号パンフレットの表8)に示された組成を有するサンプルXVII〜XXIIIを得ることにより、国際公開第02/00759号パンフレットのサンプルXVII〜XXIIIを製造した。
【0261】
【表49】

【0262】
そのような高エネルギー分散技術は、そのような長期間にわたるそのような高エネルギーの消費なしに水による有機溶媒の交換を可能にする本発明に従う方法と比べて不利である。
【0263】
凍結乾燥粉末の再分散の結果として得られたサンプルXVII〜XXIIIを表47(=国際公開第02/00759号パンフレットの表9)に特性表示する。
【0264】
表47(=国際公開第02/00759号パンフレットの表9):
試料 分散液特性表示
XVII 粘着性で且つ集塊化した
XVIII 非常に濃い分散液
XIX 非常に濃い分散液
XX 非常に濃い分散液
XXII 強く集塊化した
XXIII 均質な流動性分散液
【0265】
サンプルXXIIIの複合粘度ηをAR1000円錐および板レオメーターを用いて25℃並びに10、1および0.1Hzの周波数において測定すると、それぞれ1000Pa.s、5000Pa.sおよび40,000Pa.sであった。
【0266】
スクリーン印刷をサンプルXXIIIを用いてP59スクリーンを用いて下塗りされたポリエチレンテレフタレート支持体上で行なった。27.5cmの長さおよび35mmの幅を有する片を切断し、伝導性重合体の電極であるエッココート(ECCOCOAT)CC−2を片の幅全体にわたり10cm離れた距離で適用し、電極間に一定電位を適用し、ピコ電流計ケイスリー(KEITHLEY)485を用いて回路内を流れる電流を測定しそして電極間の領域の幾何学的形状を考慮に入れて電位および電極から表面抵抗をΩスラッシュ平方で計算することにより、生じた印刷物の表面抵抗を測定した。印刷物の光学濃度をマクベスTMT924濃度計を用いて可視フィルターを通して測定した。結果を表48(=国際公開第02/00759号パンフレットの表10)に示す。
【0267】
【表50】

【0268】
本発明実施例80
570gのエチレングリコールを430gの1:2.46のPEDOT対PSSの重量比を有するPEDOT/PSSの従来の1.2重量%水性分散液に加えそして次に生じた混合物を回転蒸発器中で60℃および50hPa(ミリバール)において蒸発させて表49の組成物を与えることにより、本発明実施例80の組成物を製造した。
【0269】
【表51】

【0270】
溶媒−交換分散液中のPEDOT/PSS−ラテックスの粒子寸法を本発明実施例1〜10に関して記載した通りにして測定しそして結果を表49に示す。粘度測定をAR1000板および円錐レオメーターを用いて25℃で2°の角度の円錐および直径が4cmの板を用いて剪断速度を0.1から1000s−1に増加させて行い、粘度を表49に1s−1および25s−1の剪断速度に関して示す。25s−1の剪断速度は#2スピンドルを有するブルックフィールド粘度計で得られる剪断速度にほぼ相当する。
【0271】
本発明実施例80の組成物は濾過するには粘着性でありすぎ、そしてガラス板の上に一秒間にわたり2000rpmでそして次に50秒間にわたり4000rpmで回転させることにより回転コーティングし、引き続き30秒間にわたり25℃で、その後に5分間にわたり85℃で乾燥した。別の層を同一工程後に回転コーティングされた層の上にコーティングした。1、2および3回の回転コーティングにより得られた層を本発明実施例1〜10に関して記載した通りにして特性表示しそして得られた結果を表50に示す。容器の中心から採取した0.1gの溶媒−交換散液をオートスタットTMCT7のA5−サイズシート上にピペット添加しそして次にオートスタットTMCT7のA5−サイズシートを上部に置きそして分散液を視覚的に下記の基準:
0の集塊評価:集塊が観察されない
1の集塊評価:1〜2個の集塊
2の集塊評価:3〜5個の集塊
3の集塊評価:5個より多い集塊が観察される
に従う1〜3の目盛りで検査することにより、集塊数を評価した。
【0272】
【表52】

【0273】
比較例7〜9
比較例7〜9のペーストのための出発物質を国際公開第02/067273号パンフレットに開示された方法に従い製造した。500mL三首フラスコに100mLのエチレングリコールを充填し、それを油浴上で120℃に加熱しそしてウルトラ−ツラックス・スタラーを用いて2000rmpで攪拌した。連続的に窒素を流しながら、76mLの1:2.46のPEDOT対PSSの重量比を有する従来のPEDOT/PSSの水中1.2重量%分散液を灌流ポンプを用いて1mL/分の速度で加えた。蒸発した水の多くがウルトラ−ツラックス・スタラーの軸を通って逃げた。3時間後に、混合物を室温に冷却した。比較例7ではディーン・スターク・トラップを使用しそして比較例8および9ではディーン・スターク・トラップをコンデンサーを使用する従来の蒸留設定で置換して蒸留速度を改良した。比較例7および8で使用した従来のPEDOT/PSS分散液は本発明実施例80の組成物の製造で使用したものと同じバッチからのものであり、そしてバイエルから得られるベイトロンTMPを比較例9の組成物の製造のために使用した。
【0274】
生じた分散液は全てチキソトロピーを示しそして8μmミリポル(Millipore)マイクロフィルターを通して濾過すると、少量の残渣が残った。生じた分散液の組成および濃度は表51にまとめられている。全ての分散液が顕著なフロッキングを示した。
【0275】
溶媒−交換分散液中のPEDOT/PSS−ラテックスの粒子寸法を本発明実施例1〜10に関して記載した通りにして測定しそして結果を表51に示す。粘度測定をAR1000板および円錐レオメーターを用いて25℃で2°の円錐角度および直径が4cmの板を用いて剪断速度を0.1から1000s−1に増加させて行い、粘度を表51に1s−1および25s−1の剪断速度に関して示す。25s−1の剪断速度は#2スピンドルを有するブルックフィールド粘度計で得られる剪断速度にほぼ相当する。
【0276】
【表53】

【0277】
水含有量の減少および粘度の増加に伴い、重量平均した平均粒子寸法は増加した。
【0278】
比較例7〜9の組成物を次にガラス板上に6秒間にわたり800rpmでそして50秒間にわたり1500rpmで回転することにより回転コーティングし、引き続き30分間にわたり25℃で、その後に5分間にわたり85℃で乾燥した。別の層を同一工程後に回転コーティングされた層の上にコーティングした。1、2および3回の回転コーティングにより得られた層を本発明実施例1〜10に関して記載した通りにして特性表示しそして得られた結果を表52に示す。
【0279】
本発明実施例80の組成物は回転コーティング前に濾過しなかったという事実にもかかわらず、比較例7〜9の組成物を用いて回転コーティングされた層内の集塊度は同一液体および本発明に従う方法を用いて製造された本発明実施例80の組成物を用いて回転コーティングされた層の場合より有意に大きかった。
【0280】
【表54】

【0281】
3回の回転コーティングにより製造された層の表面抵抗を測定可能でないことにより反映されるように、比較例7〜9の組成物中のより高いPEDOT/PSS−集塊度は本発明実施例80の組成物の場合よりはるかに劣ったそれで製造された層の品質にも反映された。
【0282】
さらに、本発明実施例80の組成物を製造するために使用されたものと同じ水性PEDOT/PSS−分散液を用いて製造された比較例7および8の組成物を用いる2回の回転コーティングにより製造された層の伝導性は本発明実施例80の組成物を用いて製造されたものより有意に劣っていた。
【0283】
これらの結果は、国際公開第02/067273号パンフレットに開示されたフラッシュ−蒸留法と比べた本発明に従う溶媒交換方法の優位さを示している。
【0284】
本発明はここに暗黙にもしくは明瞭に開示されているいずれかの特徴または特徴の組み合わせ或いはそれがここで特許請求されている発明に関係するかどうかに関係なくそれらの一般化事項を包括しうる。以上の記述に鑑みて、種々の改変を発明の範囲内で行なえることは当業者に明白であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体であって、該3,4−ジアルコキシチオフェン中の2個のアルコキシ基は互いに同一もしくは相異なり、または該2個のアルコキシ基は一緒になって場合によりアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルキルスルホナト、アルキルオキシアルキルスルホナトおよびカルボキシエステル基よりなる群から選択される置換基で置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体0.08〜3.0重量%、ポリアニオン、および少なくとも1種のポリヒドロキシ非水性溶媒を含有する組成物を、3,4−ジアルコキシチオフェンの該重合体または共重合体および該ポリアニオンの水性分散液から製造する方法であって、i)該非水性溶媒の少なくとも1種を(3,4−ジアルコキシチオフェン)の該重合体または共重合体および該ポリアニオンの該水性分散液と混合し;そして次いでii)段階i)で製造された混合物からその中の水の含有量が少なくとも65重量%減少するまで水を蒸発させることを含んでなる方法に従い製造される、所定の表面抵抗において増加した透明度を有する層を生成しうるコーティング組成物。
【請求項2】
3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体であって、該3,4−ジアルコキシチオフェン中の2個のアルコキシ基は互いに同一もしくは相異なり、または該2個のアルコキシ基は一緒になって場合によりアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルキルスルホナト、アルキルオキシアルキルスルホナトおよびカルボキシエステル基よりなる群から選択される置換基で置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体0.08〜3.0重量%、ポリアニオン、および少なくとも1種のポリヒドロキシ非水性溶媒を含有する組成物を、3,4−ジアルコキシチオフェンの該重合体または共重合体および該ポリアニオンの水性分散液から製造する方法であって、i)該非水性溶媒の少なくとも1種を(3,4−ジアルコキシチオフェン)の該重合体または共重合体および該ポリアニオンの該水性分散液と混合し;そして次いでii)段階i)で製造された混合物からその中の水の含有量が少なくとも65重量%減少するまで水を蒸発させることを含んでなる方法に従い製造されるコーティング組成物を準備し、該コーティング組成物を場合により下塗りされていてもよい支持体、誘電層、蛍燐光体層または透明な伝導層の上にコーティングし、それにより所定の表面抵抗において増加した透明度を有する層を製造する段階を含んでなるコーティング方法。
【請求項3】
3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体であって、該3,4−ジアルコキシチオフェン中の2個のアルコキシ基は互いに同一もしくは相異なり、または該2個のアルコキシ基は一緒になって場合によりアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルキルスルホナト、アルキルオキシアルキルスルホナトおよびカルボキシエステル基よりなる群から選択される置換基で置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体0.08〜3.0重量%、ポリアニオン、および少なくとも1種のポリヒドロキシ非水性溶媒を含有する組成物を、3,4−ジアルコキシチオフェンの該重合体または共重合体および該ポリアニオンの水性分散液から製造する方法であって、i)該非水性溶媒の少なくとも1種を3,4−ジアルコキシチオフェンの該重合体または共重合体および該ポリアニオンの該水性分散液と混合し;そして次いでii)段階i)で製造された混合物からその中の水の含有量が少なくとも65重量%減少するまで水を蒸発させることを含んでなる方法に従い製造される、所定の表面抵抗において増加した透明度を有する層を生成しうる印刷インキまたはペースト。
【請求項4】
3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体であって、該3,4−ジアル
コキシチオフェン中の2個のアルコキシ基は互いに同一もしくは相異なり、または該2個のアルコキシ基は一緒になって場合によりアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、カルボキシ、アルキルスルホナト、アルキルオキシアルキルスルホナトおよびカルボキシエステル基よりなる群から選択される置換基で置換されていてもよいオキシ−アルキレン−オキシ架橋を表す3,4−ジアルコキシチオフェンの重合体または共重合体0.08〜3.0重量%、ポリアニオン、および少なくとも1種のポリヒドロキシ非水性溶媒を含有する組成物を、3,4−ジアルコキシチオフェンの該重合体または共重合体および該ポリアニオンの水性分散液から製造する方法であって、i)該非水性溶媒の少なくとも1種を3,4−ジアルコキシチオフェンの該重合体または共重合体および該ポリアニオンの該水性分散液と混合し;そして次いでii)段階i)で製造された混合物からその中の水の含有量が少なくとも65重量%減少するまで水を蒸発させることを含んでなる方法に従い製造される印刷インキを準備し、該印刷インキを場合により下塗りされていてもよい支持体、誘電層、蛍燐光体層または透明な伝導層の上に印刷し、それにより所定の表面抵抗において増加した透明度を有する層を製造する段階を含んでなる印刷方法。

【公開番号】特開2009−35738(P2009−35738A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−225675(P2008−225675)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【分割の表示】特願2003−549414(P2003−549414)の分割
【原出願日】平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願人】(593194476)アグフア−ゲヴエルト,ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (50)
【Fターム(参考)】