説明

3D映像表示装置、3D映像表示方法

【課題】マルチ画面で複数の番組を3D映像で表示すると、視聴者の目が疲れやすいという課題があった。
【解決手段】3D映像表示装置は、複数のコンテンツがマルチ画面で表示されるマルチ画面表示手段を持つ。また、マルチ画面表示された複数のコンテンツから1つのコンテンツを指定可能に表示する指定表示手段を持つ。そして、マルチ画面から指定されたコンテンツを3D映像で、指定されないコンテンツを2D映像でマルチ画面表示する3D映像表示手段を備えるように構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、立体視(3次元または3D)映像を表示可能な、3D映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TVの性能向上により、複数の放送番組を並べて表示するマルチ画面表示ができるようになっている。
また、番組指定(選択)時に、複数の番組を同時に、1画面に表示して指定(選択)させたり、番組視聴時に、メイン番組の他に、画面を小さくして他の番組も1画面内に表示できるようになってきている。
【0003】
また3D番組の放送が開始され、3D表示を行うTVも発売されている。
しかし、3D映像を視聴する場合、2D映像よりも目が疲れやすくなる傾向がある。このため、3D映画などでは長時間3D映像を見ても疲れないように、3D映像の作り方に工夫をしている。
【0004】
しかし、1つ1つの番組は目が疲れないように工夫されても、複数の番組を3D映像で1画面に表示する、いわゆるマルチ画面で3D映像を表示すると、視聴者の目が混乱して疲れやすくなるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-244835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マルチ画面表示されている複数の番組の間で、表示の奥行きがバラバラになることから、視聴者の目を疲れさせることがある。
例えば、マルチ画面のある番組は歌番組で人物が手前に飛び出している場面が表示され、またマルチ画面の別の番組では風景の場面で山が後ろ側へ引き込んで表示される場合等は、表示の奥行きがバラバラになりやすい。
【0007】
このような場合、視聴者の目の疲労が多くなる傾向がある。
このように、マルチ画面で複数の番組の3D映像を表示すると、視聴者の目が疲れやすいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、3D映像表示装置は、複数のコンテンツがマルチ画面で表示されるマルチ画面表示手段を持つ。
また、マルチ画面表示された複数のコンテンツから1つのコンテンツを指定可能に表示する指定表示手段を持つ。
そして、マルチ画面から指定されたコンテンツを3D映像で、指定されないコンテンツを2D映像でマルチ画面表示する3D映像表示手段を備えるように構成している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態に係る3D映像表示装置の概略を説明する図。
【図2】実施形態に係る3D映像表示装置の構成を説明するブロック図。
【図3】実施形態に係る3D映像表示装置の映像出力部の構成の一例を説明するブロック図。
【図4】実施形態に係わる3D映像表示装置で表示される、複数のコンテンツがマルチ画面で表示される一例を示す図。
【図5】実施形態に係わる3D映像表示装置の、マルチ画面表示の動作を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、この発明の実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る3D映像表示装置の概略を説明する図である。
符号11はデジタルテレビジョン放送受信装置、符号12は立体視用眼鏡(3Dメガネ)、符号13はキャビネット、符号14は支持台、符号15は液晶表示パネル、符号16はスピーカ、符号17は操作部、符号17aは主電源スイッチ、符号18はリモートコントローラ、符号19は受光部、符号20は基台である。
【0011】
デジタルテレビジョン放送受信装置11は立体視映像(3Dまたは3次元)表示が可能である。ここでは、このデジタルテレビジョン放送受信装置11の表示映像から立体視映像を認識するための立体視用眼鏡(3Dメガネ)12を備えている。
【0012】
ここでは、デジタルテレビジョン放送受信装置11は、キャビネット13と、このキャビネット13を支持する支持台14から構成されている。そして、キャビネット13には、その正面中央部に、映像表示部としての液晶表示パネル15が配置されている。また、このキャビネット13には、その両側面にそれぞれスピーカ16が配置され、ステレオ音声再生が行なえるように構成されている。
【0013】
また、このキャビネット13には、その正面下部に、主電源スイッチ17aを含む操作部17と、リモートコントローラ18から送信される操作情報を受信するための受光部19が配置されている。
【0014】
支持台14は、キャビネット13の底面中央部に回動自在に連結され、所定の基台20の水平面上に載置された状態で、キャビネット13を起立させて支持している。
【0015】
上記デジタルテレビジョン放送受信装置11は、立体視用映像を表示する場合、右目用映像信号と左目用映像信号を生成して、液晶表示パネル15に、右目用映像と左目用映像を交互に映像表示する。
【0016】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、右目用映像を映像表示している期間と、左目用映像を映像表示している期間とをそれぞれ示すシャッタ制御信号SCを生成し、立体視用眼鏡12に出力する。
【0017】
立体視用眼鏡12は、デジタルテレビジョン放送受信装置11から供給されるシャッタ制御信号SCに基づいて、右目用映像の表示時に左目のシャッタを閉じ、左目用映像の表示時に右目のシャッタを閉じるように制御され、これにより、ユーザに立体視映像を認識させている。
【0018】
また、上記立体視用眼鏡12は、ユーザが装着しているか否か、つまり、ユーザが眼鏡を掛けているか外しているかを検出するための着脱検出部21を備えている。そして、この着脱検出部21から出力される着脱検出信号CDは、デジタルテレビジョン放送受信装置11に供給される。
【0019】
このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、ユーザが立体視用眼鏡12を装着している旨を示す着脱検出信号CDが供給されたとき、液晶表示パネル15に右目用映像と左目用映像を交互に映像表示して、立体視映像表示を実行する。
【0020】
図2は、実施形態に係る3D映像表示装置の構成を説明するブロック図である。
符号21は着脱検出部、符号22はアンテナ、符号23は入力端子、符号24は選局復調部、符号25はTS分離部、符号26は映像デコーダ、符号27は映像フレームバッファ、符号28は映像出力部、符号29は音声バッファ、符号30は音声出力部、符号31は音声デコーダ、符号32は入力端子である。
【0021】
符号33は制御部、符号33aはCPU、符号33bはメモリ部、符号34はHDD、符号34aはハードディスク、符号35はネットワークインターフェース、符号36は入出力端子である。
【0022】
アンテナ22で受信されたデジタルテレビジョン放送信号は、入力端子23を介して選局復調部24に供給される。この選局復調部24は、入力されたデジタルテレビジョン放送信号から所望のチャンネルの信号を選局し、その選局した放送信号に復調処理を施してTS(transport stream)を生成して出力する。
【0023】
選局復調部24から出力されたTSは、TS分離部25に供給されて、映像成分と音声成分とに分離される。このうち、映像成分は、映像デコーダ26によりデコード処理が施されて元のデジタルの映像信号に復元された後、映像フレームバッファ27に格納される。
【0024】
この映像フレームバッファ27に格納された映像信号は、フレーム単位で映像出力部28に読み出され、所定の信号処理が施された後、上記液晶表示パネル15に供給されて映像表示に供される。
【0025】
また、TS分離部25で分離された音声成分は、音声バッファ29に格納された後、音声出力部30に読み出されて、所定の信号処理が施される。そして、音声出力部30から出力された音声成分は、音声デコーダ31によりデコード処理が施されて、デジタルの音声データに復元された後、アナログ化されてスピーカ16により音声が再生される。
【0026】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、入力端子32を備えている。この入力端子32には、例えばDVD(digital versatile disk)等の光ディスクに対して記録再生を行なう光ディスク記録再生機器や外付けHDD(hard disk drive)等のような、外部の記録再生機器から出力されるTSが供給されるようになっている。
【0027】
入力端子32に入力されたTSは、TS分離部25に供給される。そして、TS分離部25は、選局復調部24から供給されるTSと入力端子32から供給されるTSのいずれか一方を選択して、映像成分と音声成分とに分離するように動作する。
【0028】
ここで、このデジタルテレビジョン放送受信装置11は、上記した各種の受信動作を含む種々の動作を、制御部33によって制御される。
制御部33は、CPU(central processing unit)33aを内蔵し、操作部17からの操作情報やリモートコントローラ18から送信され、受光部19で受信された操作情報を受け、その操作内容が反映されるように各部を制御する。
【0029】
制御部33は、メモリ部33bを利用する。このメモリ部33bは、CPU33aが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)と、CPU33aに作業エリアを提供するためのRAM(random access memory)と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを有している。
【0030】
また、制御部33は、内蔵型のHDD34に接続されている。この制御部33は、ユーザによる操作に基づいて、映像デコーダ26や音声デコーダ31から得られるデジタルの映像信号や音声信号等に、暗号化処理や所定の記録フォーマットへの変換処理を施した後、HDD34に供給してハードディスク34aに記録させることができる。
【0031】
また、制御部33は、ユーザによる操作に基づいて、HDD34によりハードディスク34aから所望の映像信号や音声信号等を読み出させ、暗号の解読処理を施した後、映像フレームバッファ27や音声デコーダ31に供給することにより、映像表示や音声再生に供させることができる。
【0032】
さらに、制御部33は、ネットワークインターフェース35及び入出力端子36を介して、例えばインターネット等のネットワークに接続されている。
これにより、制御部33は、ユーザによる操作に基づいて、ネットワーク上のサーバにアクセスして所望の映像信号や音声信号等を取得し、映像表示や音声再生に供させたり、HDD34のハードディスク34aに記録させたりすることができる。
【0033】
映像出力部28は、映像フレームバッファ27からフレーム単位で供給された映像信号が通常の2次元表示用の映像信号である場合には、その映像信号に対して液晶表示パネル15で表示可能なフレーム倍速変換処理を施した後、液晶表示パネル15に供給して映像表示させる。
【0034】
映像出力部28は、映像フレームバッファ27からフレーム単位で供給された映像信号が、立体視用の映像信号である場合には、その映像信号から右目用映像信号と左目用映像信号とをそれぞれ生成し、それらの映像信号を交互に液晶表示パネル15に出力して映像表示に供させる。
【0035】
このとき、映像出力部28は、右目用映像を映像表示している期間と、左目用映像を映像表示している期間とをそれぞれ示すシャッタ制御信号SCを生成し、出力端子37を介して立体視用眼鏡12に出力する。
【0036】
立体視用眼鏡12は、デジタルテレビジョン放送受信装置11から供給されるシャッタ制御信号SCに基づいて、右目用映像の表示時に左目のシャッタを閉じ、左目用映像の表示時に右目のシャッタを閉じるように制御され、これにより、ユーザに立体視映像が認識される。
【0037】
なお、上記映像フレームバッファ27からフレーム単位で供給される映像信号が、通常の2次元表示用の映像信号であるか、立体使用の映像信号であるかの判断は、例えば、制御部33が、映像表示の対象となる映像信号に付された属性情報を検知することにより、行なうことができる。
【0038】
また、立体視用眼鏡12は、ユーザが装着しているか否かを検出するための、着脱検出部21を備えている。この着脱検出部21としては、例えば、圧力の有無によってユーザが装着しているか否かを検出するもの、発光した赤外線が液晶表示パネル15面で反射されて受光されたか否かによってユーザが装着しているか否かを検出するもの、傾きによってユーザが装着しているか否かを検出するもの等々、種々の手法によるものが考えられる。
【0039】
そして、この着脱検出部21は、無線により着脱検出信号CDを送信しており、送信された着脱検出信号CDは映像出力部28に受信される。
この映像出力部28は、映像フレームバッファ27から供給された映像信号が立体視用の映像信号であって、ユーザが立体視用眼鏡12を装着している旨を示す着脱検出信号CDが供給されているときには、その映像信号から右目用映像信号と左目用映像信号とをそれぞれ生成し、それらの映像信号を交互に液晶表示パネル15に映像表示させて立体視映像表示を実行する。
【0040】
また、この映像出力部28は、ユーザが立体視用眼鏡12を装着していない旨を示す着脱検出信号CDが供給されたとき、受信した立体視用の映像信号を通常の2次元表示用の映像信号に変換し、その2次元表示用の映像信号に対して液晶表示パネル15で表示可能なフレーム倍速変換処理を施した後、液晶表示パネル15に供給して映像表示させる。
【0041】
図3は、実施形態に係る3D映像表示装置の映像出力部の構成の一例を説明するブロック図である。
符号38は入力端子、符号39は3次元2次元(3D−2D)変換部、符号40は左右映像分離部、符号41は倍速変換部、符号42はセレクタ、符号43は左右クロストーク防止部、符号44は選択信号生成部、符号45は映像出力処理部、符号46は出力端子、符号47は出力端子、符号48は受信部、符号49は解析部である。
【0042】
ここでは、上記映像出力部28の構成の一例を示している。
上記のように、映像フレームバッファ27から供給された映像信号は、入力端子38を介して、3次元2次元(3D−2D)変換部39及び左右映像分離部40に供給される。
【0043】
3次元2次元変換部39は、2次元(2D)表示用の映像信号が入力されたとき、その映像信号を後段の倍速変換部41に出力する。
また、3次元2次元変換部39は、立体視用の映像信号が入力されたとき、その映像信号を2次元表示用の映像信号に変換して倍速変換部41に出力する。
倍速変換部41は、入力された2次元表示用の映像信号に対して、例えばフレーム間の動きベクトルを利用した補間フレームを作成する等の手法により、液晶表示パネル15で表示可能なフレーム倍速変換処理を施し、セレクタ42の入力端に出力する。
【0044】
また、左右映像分離部40は、立体視用の映像信号が入力されたとき、その映像信号を右目用映像信号と左目用映像信号とに分離し、それらの映像信号を倍速で交互に左右クロストーク防止部43に出力する。
【0045】
この左右クロストーク防止部43は、交互に入力される右目用映像信号と左目用映像信号との間に黒映像信号を挿入して、右目用映像と左目用映像との切り替わり時の干渉(クロストーク)を防止する処理を施した後、セレクタ42の入力端に出力する。
【0046】
セレクタ42は、倍速変換部41及び、左右クロストーク防止部43から供給される映像信号を、選択信号生成部44から出力される選択信号に基づいて選択し、その選択した映像信号を映像出力処理部45に出力する。
【0047】
映像出力処理部45は、入力された映像信号に対して、上記液晶表示パネル15での映像表示に供させるための信号処理を施し、出力端子46を介して液晶表示パネル15に出力する。
【0048】
また、映像出力処理部45は、入力された映像信号が立体視用の映像信号である場合に、右目用映像を映像表示している期間と、左目用映像を映像表示している期間とを示すシャッタ制御信号SCを生成し、出力端子47を介して上記立体視用眼鏡12に出力する。
【0049】
立体視用眼鏡12は、映像出力処理部45から供給されるシャッタ制御信号SCに基づいて、右目用映像の表示時に左目のシャッタを閉じ、左目用映像の表示時に右目のシャッタを閉じるように制御される。これにより、ユーザに立体視映像が認識される。
【0050】
また、立体視用眼鏡12が備えられた着脱検出部21から、無線により出力される着脱検出信号CDは、映像出力部28内の受信部48に受信される。
受信部48で受信された着脱検出信号CDは、解析部49に供給され、ユーザが立体視用眼鏡12を装着しているか否かが判断される。
解析部49は、ユーザが立体視用眼鏡12を装着していると判断した場合は、選択信号生成部44に対して、左右クロストーク防止部43から出力される映像信号を映像信号処理部45に導くように、セレクタ42を切り替える選択信号を発生させる。
【0051】
また、解析部49は、ユーザが立体視用眼鏡12を装着していないと判断した場合は、選択信号生成部44に対して、倍速変換部41から出力される映像信号を映像信号処理部45に導くように、セレクタ42を切り替える選択信号を発生させる。
【0052】
上記映像出力部28においては、立体視用の映像信号を液晶表示パネル15での映像表示に供させている状態で、ユーザが立体視用眼鏡12を外すと、自動的に立体視用の映像信号を2次元表示用に変換した映像信号が液晶表示パネル15での映像表示に供される。
【0053】
また、ユーザが立体視用眼鏡12を装着すると、自動的に立体視用の映像信号が液晶表示パネル15での映像表示に供され、ユーザが立体視映像を認識することができるようになる。
【0054】
図4は、実施形態に係わる3D映像表示装置で表示される、複数のコンテンツがマルチ画面で表示される一例を示す図である。
この3D映像表示装置は、HDD34や図示しない外部記憶装置に、録画を行うことが可能である。
選局復調部24は複数のチューナを構成し、複数のチャンネルの放送を受信可能に構成される。
また、HDD34や外部記憶装置は、タイムシフト用と通常録画用のHDDを備え、タイムシフト用HDDには、例えば、過去約26時間分の番組を最大8チャンネル分一時保管、すなわち、26時間8チャンネルを“丸録り“することが可能である。
【0055】
3D映像表示装置は、選局復調部24で受信された複数のチャンネルの放送番組(コンテンツ)や、丸録りされた複数の番組(コンテンツ)を、図4に示すようにマルチ画面で表示可能である。
【0056】
ここでは、複数のコンテンツ(番組1、番組2、番組3、番組4、番組5、番組6、番組7、番組8、番組9)がTV画面10にマルチ画面で表示される。
またTV画面10にマルチ画面表示された複数のコンテンツから1つのコンテンツが指定可能に表示される。
図に示すように、ここでは、番組5に係るコンテンツが他のコンテンツとは識別可能に表示され、指定可能に表示される。
例えば、ユーザは番組5を視聴や記録等する場合は、この状態で図示しない指定ボタンを操作することで、番組5が選択され、視聴や記録が行われる。
このとき、マルチ画面から指定されたコンテンツ(ここでは番組5)は3D映像で表示される。
また、指定されないコンテンツ(番組1、番組2、番組3、番組4、番組6、番組7、番組8、番組9)は、2D映像で表示される。
すなわち、複数の番組が表示されているマルチ画面から番組を指定する場合、指定されている番組(ここでは番組5)を3D(3次元)で、指定されていない番組(ここでは番組1、番組2、番組3、番組4、番組6、番組7、番組8、番組9)は2D(2次元)で、マルチ画面で表示する。
【0057】
また、実施の形態に係る3D映像表示装置は、2D映像を3D映像に変換する2D−3D変換部を備えており、指定されたコンテンツに係る映像信号を、2Dから3Dに変換して3D映像表示することが可能である。
【0058】
また、実施の形態に係る3D映像表示装置は、複数の放送番組を同時に受信可能な選局復調部24を備えており、同時に放送受信された2つ以上のコンテンツを並べて表示可能である。
【0059】
また、丸録りやPVR録画で録画されたコンテンツと放送受信されたコンテンツを適宜組合せ、マルチ画面表示することも可能である。
また、ユーザがリモコン18等を操作し、指定(選択)されているコンテンツ(番組)が番組5から番組6に変わった場合、番組5は2D表示に、番組6は3D表示に切り替わる。
【0060】
すなわち、マルチ画面からのコンテンツの指定が、番組5→番組6、番組6→番組2、番組2→番組3等のように、第1のコンテンツから第2のコンテンツに切り替わった場合、切り替わった第2のコンテンツを3D映像で、元の第1のコンテンツは2D映像で、マルチ画面表示する。
【0061】
また、指定された番組が3Dで表示されている時に、立体感を強調するために3Dの奥行き情報を拡大して表示することも可能である。
上記のように構成することによって、この実施の形態においては、ユーザの目の疲れを低減することが可能となる。
また、2D−3D変換処理を行うことは、3D映像表示装置にとって大きな負荷であるが、この実施の形態においては、指定されたコンテンツについて、2D−3D変換処理を行うように構成している。このため、複数のコンテンツについて、同時に2D−3D変換処理を行う必要がないため、3D映像表示装置の負担を軽減することが可能となる。
【0062】
また、指定(選択)されているコンテンツ(番組)を3D表示とすることで、指定されているコンテンツ(番組)を、ユーザに対して目立たせることも可能である。
図5は、実施形態に係わる3D映像表示装置の、マルチ画面表示の動作を説明するフローチャートである。
ここでの動作は、主に制御部33の指示で動作する。
符号S100は、ここでの開始ステップである。続いて、符合S101を付したステップへ進む。
符号S101は、3D映像表示装置に複数番組表示(マルチ画面)が指示されているか否かを判断するステップである。複数番組表示(マルチ画面)が指示されていると判断される場合は、符合S103を付したステップへ進む(Yes)。複数番組表示(マルチ画面)が指示されていると判断されない場合は、符合S102を付したステップへ進む(No)。
【0063】
符号S102は、複数番組表示(マルチ画面)が指示されていれない場合に、3D表示の指示がオンか否かを判断するステップである。3D表示の指示がオンと判断される場合は、符合S105を付したステップへ進む(Yes)。3D表示の指示がオンと判断されない場合は、符合S104を付したステップへ進む(No)。
【0064】
符号S104は、マルチ画面表示される複数のコンテンツの中の1つのコンテンツ(1番組)を2D表示するために、2D表示用映像を1番組分作成するステップである。続いて、符合S110を付したステップへ進む。
【0065】
符号S105は、マルチ画面表示される複数のコンテンツの中から指定された1つのコンテンツ(1番組)を3D表示するために、指定された1つのコンテンツについて3D表示用映像を1番組分作成するステップである。続いて、符合S110を付したステップへ進む。
【0066】
符号S103は、複数番組表示(マルチ画面)が指示されている場合に、3D表示の指示がオンであるか否かを判断するステップである。3D表示の指示がオンであると判断される場合は、符合S107を付したステップへ進む(Yes)。3D表示の指示がオンであると判断されない場合は、符合S106を付したステップへ進む(No)。
【0067】
符号S106は、3D表示がオン指示でない場合に、複数番組(N個)を2D表示するため、2D表示用映像を複数番組(N個)分作成するステップである。続いて、符合S109を付したステップへ進む。
【0068】
符号S107は、3D表示がオン指示の場合に、指定されているコンテンツ(番組)の3D表示用映像を作成するステップである。続いて、符合S108を付したステップへ進む。
【0069】
符号S108は、3D表示がオン指示の場合に、指定(選択)されていないコンテンツ(番組)の2D表示用映像を作成するステップである。続いて、符合S109を付したステップへ進む。
【0070】
符号S109は、複数番組(コンテンツ)をマルチ画面表示(TVの1画面に表示する)ため、S106、S107、S108で作成されたN個の複数番組の映像をマルチ画面にマージして、映像表示装置に向けて出力するステップである。続いて、符合S110を付したステップへ進む。
【0071】
符号S110は、上記N個の複数番組の映像で作成され、出力されたマルチ画面を、表示装置に表示するステップである。続いて、符合S111を付したステップへ進む。
【0072】
符号S111は、上記表示が終了指示されたか否かを判断するステップである。表示終了が指示されたと判断された場合は、符合S112を付したステップへ進む(Yes)。表示終了が指示されたと判断されない場合は、符合S101を付したステップへ進み、上記処理が繰り返される(No)。
【0073】
符号S112は、終了ステップであり、ここでの処理は終了する。
上記のように構成することによって、この実施の形態においては、マルチ画面で複数の番組の3D映像を表示すると、視聴者の目が疲れやすいという問題を低減することが可能となる。
【0074】
なお、上記実施形態は、記述そのものに限定されるものではなく、実施段階では、その趣旨を逸脱しない範囲で、構成要素を種々変形して具体化することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
10…テレビ画面、11…デジタルテレビジョン放送受信装置、12…立体視用眼鏡、13…キャビネット、14…支持台、15…液晶表示パネル、16…スピーカ、17…操作部、17a…主電源スイッチ、18…リモートコントローラ、19…受光部、20…基台、21…着脱検出部、22…アンテナ、23…入力端子、24…選局復調部、25…TS分離部、26…映像デコーダ、27…映像フレームバッファ、28…映像出力部、29…音声バッファ、30…音声出力部、31…音声デコーダ、32…入力端子、33…制御部、33a…CPU、33b…メモリ部、34…HDD、34a…ハードディスク、35…ネットワークインターフェース、36…入出力端子、38…入力端子、39…3次元2次元(3D−2D)変換部、40…左右映像分離部、41…倍速変換部、42…セレクタ、43…左右クロストーク防止部、44…選択信号生成部、45…映像出力処理部、46…出力端子、47…出力端子、48…受信部、49…解析部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D映像表示可能な3D映像表示装置において、
複数のコンテンツがマルチ画面で表示されるマルチ画面表示手段と、
前記マルチ画面表示された複数のコンテンツから1つのコンテンツを指定可能に表示する指定表示手段と、
前記マルチ画面から指定されたコンテンツを3D映像で、指定されないコンテンツを2D映像でマルチ画面表示する3D映像表示手段を備える3D映像表示装置。
【請求項2】
2D映像を3D映像に変換する2D−3D変換手段をさらに備え、
前記指定されたコンテンツに係る映像信号を2Dから3Dに変換して3D映像表示する請求項1に記載の3D映像表示装置。
【請求項3】
複数の放送番組を同時に受信可能な放送受信手段をさらに備え、
前記マルチ画面で表示される複数のコンテンツは、同時に放送受信された2つ以上のコンテンツを表示可能である請求項1に記載の3D映像表示装置。
【請求項4】
前記コンテンツの指定が第1のコンテンツから第2のコンテンツに切り替わった場合、切り替わった第2のコンテンツを3D映像で、第1のコンテンツは2D映像でマルチ画面表示する請求項1に記載の3D映像表示装置。
【請求項5】
複数のコンテンツがマルチ画面で表示されるステップと、
前記マルチ画面表示された複数のコンテンツから1つのコンテンツを指定可能に表示するステップと、
前記マルチ画面から指定されたコンテンツを3D映像で、指定されないコンテンツを2D映像でマルチ画面表示するステップを備える3D映像表示方法。
【請求項6】
2D映像を3D映像に変換するステップをさらに備え、
前記指定されたコンテンツに係る映像信号を2Dから3Dに変換して3D映像表示する請求項5に記載の3D映像表示方法。
【請求項7】
複数の放送番組を同時に受信可能な放送受信手段をさらに備え、
前記マルチ画面で表示される複数のコンテンツは、同時に放送受信された2つ以上のコンテンツを表示可能である請求項5に記載の3D映像表示方法。
【請求項8】
前記コンテンツの指定が第1のコンテンツから第2のコンテンツに切り替わった場合、切り替わった第2のコンテンツを3D映像で、第1のコンテンツは2D映像でマルチ画面表示する請求項5に記載の3D映像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−249859(P2011−249859A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117478(P2010−117478)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】