説明

4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の製造方法

【課題】4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の工業的に安価な製造方法を提供する。
【解決手段】 分子状酸素の存在下、極性溶媒中で触媒を使用し、4−置換−1−ナフトール誘導体を酸化的二量化することを特徴とする下記一般式(1)で表される4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の製造方法。
【化1】


(一般式(1)において、Y及びYは、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基の群から選ばれる何れかを示し、X及びXは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基の群から選ばれる何れかを示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体は、ポリマー材料として有用であると共に、特に4,4’-位にアルコキシ基が置換した4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体は、重合禁止剤として極めて高い活性を示し、機能性材料などの原料として有用な化合物である。
【0003】
従来、4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体は、4−置換−1−ナフトール誘導体の二量化反応により得られている。
【0004】
例えば、4−アルコキシ−1−ナフトールを過酸化水素などの存在下、太陽光、UV光を照射して光酸化することにより、二量化する方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、この方法では、太陽光、UV光を照射するため、工業化するには光照射するための設備投資が必要となる。また、収率も満足のいく結果が得られていない。
【0005】
また、4−置換−1−ナフトール化合物を空気酸化することにより二量化する方法が知られている(非特許文献1)。しかしながら、この方法では、酸化剤として空気を使用するため、設備投資は低減できるものの、空気酸化を促進するために金属の酸化物を大量に使用しなければならず、工業的製造法とはほど遠い。
【0006】
更に、酸化第二錫を酸化剤として使用し、空気雰囲気下、溶媒に塩化メチレンやニトロメタンを使用した酸化的二量化の方法が報告されている(非特許文献1)。しかしながら、この方法によれば、反応時間が72時間と長く、しかも、ナフタレン環がさらに酸化された副生物が生成するため、カラムクロマトグラフによる分離精製が必要となる等、工業的有利な製造法とはいい難い。
【0007】
【特許文献1】特開2006−199893号公報
【非特許文献1】T.Takeya et al./Tetrahedron60(2004)10681-10693
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の工業的に安価な製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明の第1の要旨は、分子状酸素の存在下、極性溶媒中で触媒を使用し、4−置換−1−ナフトール誘導体を酸化的二量化することを特徴とする下記一般式(1)で表される4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の製造方法に存する。
【0010】
【化1】

【0011】
(一般式(1)において、Y及びYは、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基の群から選ばれる何れかを示し、X及びXは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基の群から選ばれる何れかを示す。)
【0012】
そして、本発明の第2の要旨は、分子状酸素の存在下、極性溶媒中で触媒を使用し、4−置換−1−ナフトール誘導体を酸化的二量化することを特徴とする下記一般式(2)で表される4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の製造方法に存する。
【0013】
【化2】

【0014】
(一般式(2)において、R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、ハロゲン化アルキル基の群から選ばれる何れかを示し、X及びXは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基の群から選ばれる何れかを示す。)
【発明の効果】
【0015】
本発明により、工業的に実現可能な触媒量の使用が可能になり、4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体を安価かつ工業的に有利に製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
本発明の目的化合物である4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体は、2個の同じ縮合環が二量化した環集合体であり、原料の4−置換−1−ナフトール誘導体としては環集合体に対応する化合物が使用される。
【0018】
(目的化合物)
先ず、説明の便宜上、目的化合物について説明する。
【0019】
前記の一般式(1)において、Y及びYは、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基の群から選ばれる何れかを示し、X及びXは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基の群から選ばれる何れかを示す。
【0020】
上記のY及びYにおける、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基,i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、上記のアリール基としては、フェニル基、p−トリル基、m−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。なお、上記のアルキル基およびアルコキシ基における直鎖状アルキル基部分の炭素数は通常1〜10である。
【0021】
上記のX及びXにおける、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基,n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−メトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基などが挙げられる。
【0022】
前記の一般式(2)において、R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、ハロゲン化アルキル基の群から選ばれる何れかを示し、X及びXは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基の群から選ばれる何れかを示す。
【0023】
上記のR及びRにおける、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基などが挙げられ、ヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などが挙げられ、アルコキシアルキル基としては、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基などが挙げられ、アリールオキシアルキル基としては、フェノキシメチル基、2−フェノキシエチル基などが挙げられ、ハロゲン化アルキル基としては、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、4−クロロブチル基などが挙げられる。上記の各基における直鎖状アルキル基部分の炭素数は通常1〜10である。そして、上記のX及びXは、前記の一般式(1)におけるのと同義である。
【0024】
一般式(1)又は一般式(2)で表される4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の具体例としては、次のものが挙げられる。
【0025】
すなわち、Y及びYがハロゲン原子である4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジブロモ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール;Y及びYがアルキル基である4,4’−ジメチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジエチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(n−プロピル)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(n−ブチル)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール;Y及びYがアリール基である4,4’−ジフェニル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(p−トリル)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール;Y及びYがアルコキシ基である4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジエトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(n−ブトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシメトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシメトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシエトキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジフェノキシメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−クロロエトキシキシ)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジメトキシ−5−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジエトキシ−5−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジプロポキシ−5−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(n−ブトキシ)−5−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシメトキシ)−5−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−5−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシメトキシ)−5−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシエトキシ)−5−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジフェノキシメトキシ−5−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−クロロエトキシ)−5−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジメトキシ−6−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジエトキシ−6−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジプロポキシ−6−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(n−ブトキシ)−6−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシメトキシ)−6−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−6−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシメトキシ)−6−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシエトキシ)−6−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジフェノキシメトキシ−6−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−クロロエトキシ)−6−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジメトキシ−7−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジエトキシ−7−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジプロポキシ−7−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(n−ブトキシ)−7−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシメトキシ)−7−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−7−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシメトキシ)−7−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシエトキシ)−7−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジフェノキシメトキシ−7−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−クロロエトキシ)−7−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジメトキシ−8−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジエトキシ−8−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジプロポキシ−8−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(n−ブトキシ)−8−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシメトキシ)−8−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−8−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシメトキシ)−8−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシエトキシ)−8−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジフェノキシメトキシ−8−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−クロロエトキシ)−8−メチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール等が挙げられる。
【0026】
上記の他、ナフタレン骨格の6位に塩素原子が置換した、6,6’−ジクロロ−4,4’−ジフルオロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’、6,6’−テトラクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、6,6’−ジクロロ−4,4’−ジブロモ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、6,6’−ジクロロ−4,4’−ジメチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、6,6’−ジクロロ−4,4’−ジエチル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、6,6’−ジクロロ−4,4’−ジ(n−プロピル)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、6,6’−ジクロロ−4,4’−ジ(n−ブチル)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、6,6’−ジクロロ−4,4’−ジフェニル−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、6,6’−ジクロロ−4,4’−ジ(p−トリル)−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジメトキシ−6,6’−ジクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジエトキシ−6,6’−ジクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジプロポキシ−6,6’−ジクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(n−ブトキシ)−6,6’−ジクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシメトキシ)−6,6’−ジクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−6,6’−ジクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシメトキシ)−6,6’−ジクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−エトキシエトキシ)−6,6’−ジクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジフェノキシメトキシ−6,6’−ジクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール、4,4’−ジ(2−クロロエトキシ)−6,6’−ジクロロ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール等が挙げられる。
【0027】
(原料化合物)
次に、原料化合物の具体例について説明する。前述の通り、原料の4−置換−1−ナフトール誘導体としては、上記の目的物(環集合体)に対応する化合物が使用される。そこで、説明の実質的な重複を避けるため、原料化合物についてはその代表例を以下に示す。
【0028】
(原料化合物)
原料である4−置換−1−ナフトールとしては例えば次のものが挙げられる。すなわち、4−フルオロ−1−ナフトール、4−クロロ−1−ナフトール、4−ブロモ−1−ナフトール、4−メチル−1−ナフトール、4−エチル−1−ナフトール、4−(n−プロピル)−1−ナフトール、4−(i−プロピル)−1−ナフトール、4−(n−ブチル)−1−ナフトール、4−(i−ブチル)−1−ナフトール、4−(t−ブチル)−1−ナフトール、4−(n−ペンチル)−1−ナフトール、4−(i−ペンチル)−1−ナフトール、4−(n−ヘキシル)−1−ナフトール、4−(n−ヘプチル)−1−ナフトール、4−(n−オクチル)−1−ナフトール、4−(2−エチルヘキシル)−1−ナフトール、4−(n−オクチル)−1−ナフトール、4−(n−ノニル)−1−ナフトール、4−(n−デシル)−1−ナフトール、4−(n−ドデシル)−1−ナフトール、4−フェニル−1−ナフトール、4−(p−トリル)−1−ナフトール、4−(m−トリル)−1−ナフトール、4−(1−ナフチル)−1−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトール、4−エトキシ−1−ナフトール、4−(n−プロポキシ)−1−ナフトール、4−(i−プロポキシ)−1−ナフトール、4−(n−ブトキシ)−1−ナフトール、4−(i−ブトキシ)−1−ナフトール、4−(n−アミルオキシ)−1−ナフトール、4−(i−アミルオキシ)−1−ナフトール、4−(n−ヘキシルオキシ)−1−ナフトール、4−(n−ヘプチルオキシ)−1−ナフトール、4−(n−オクチルオキシ)−1−ナフトール、4−(2−エチルヘキシルオキシ)−1−ナフトール、4−(n−ノニルオキシ)−1−ナフトール、4−(n−デシルオキシ)−1−ナフトール、4−(n−ドデシルオキシ)−1−ナフトール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−ナフトール、4−(2−メトキシプロポキシ)−1−ナフトール、4−(2−メトキシブトキシ)−1−ナフトール、4−(2−エトキシエトキシ)−1−ナフトール、4−(2−クロロエトキシ)−1−ナフトール、4−(2−ブロモエトキシ)−1−ナフトール、4−(2−フェノキシエトキシ)−1−ナフトールが挙げられる。
【0029】
その他としては、上記化合物の6位に塩素原子が置換した、6−クロロ−4−メトキシ−1−ナフトール、6−クロロ−4−エトキシ−1−ナフトール、6−クロロ−4−(n−プロポキシ)−1−ナフトール、6−クロロ−4−(i−プロポキシ)−1−ナフトール、6−クロロ−4−(n−ブトキシ)−1−ナフトール、4−(i−ブトキシ)−1−ナフトール、6−クロロ−4−(n−アミルオキシ)−1−ナフトール、4−(i−アミルオキシ)−1−ナフトール、6−クロロ−4−(n−ヘキシルオキシ)−1−ナフトール、6−クロロ−4−(n−ヘプチルオキシ)−1−ナフトール、6−クロロ−4−(n−オクチルオキシ)−1−ナフトール、4−(2−エチルヘキシルオキシ)−1−ナフトール、6−クロロ−4−(n−ノニルオキシ)−1−ナフトール、6−クロロ−4−(n−デシルオキシ)−1−ナフトール、4−(n−ドデシルオキシ)−1−ナフトール、6−クロロ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−ナフトール等が挙げられる。
【0030】
本発明においては、分子状酸素の存在下、極性溶媒中で触媒を使用し、4−置換−1−ナフトール誘導体を酸化的二量化する。
【0031】
触媒としては、金属水酸化物又は金属酸化物を使用する。これらの具体例として、例えば、水酸化バリウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム、水酸化セリウム、酸化バリウム、酸化第二セリウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン等が挙げられる。これら金属水酸化物又は金属酸化物は、二種以上を併用してもよい。これらの金属水酸化物又は金属酸化物のうち、反応を促進させる効果が大きく、工業的にも入手し易いとの観点から、水酸化バリウム又は酸化第二セリウムが好ましい。また、これらの金属塩は、水和物であっても無水物であってもよい。
【0032】
なお、本発明において、酸化第二セリウム、酸化亜鉛などの水に難溶性の触媒を使用する場合は、目的物と触媒を分離するため、目的物を有機溶媒で抽出する。有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類を使用することが出来る。
【0033】
アルカリ土類金属が触媒として有効な理由は明らかではないが、1-ナフトール誘導体の水酸基に2価のアルカリ土類金属が配位した場合に、2,2’の位置が立体的に近くなることが、反応速度が高く選択性のよい理由ではないかと考えている。
【0034】
触媒の使用量は、4−置換−1−ナフトール100重量部に対し、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜3重量%である。0.1重量%未満の場合は、反応に時間がかかり、10%重量を超える場合は、触媒が溶媒に溶けずに析出してしまい、後工程において、目的物に触媒が混入し、目的物の純度を低下させる恐れがある。
【0035】
分子状酸素としては、大気中の空気をそのまま使用してもよく、脱湿した空気を使用してもよい。空気圧力は大気圧もしくは加圧下の何れでもよい。好ましくは大気圧から5気圧程度である。酸化的二量化反応は、空気中の酸素と原料溶液との気液反応であるために空気と原料溶液との接触面積が大きいほど反応時間を短縮できるが、通常の攪拌操作においても十分に酸化的二量化反応を行わせることが出来る。その他、窒素ガス等の不活性ガスで希釈した酸素も同様に使用することが出来る。
【0036】
極性溶媒としては、アルコール系溶媒、ニトリル系溶媒、ケトン系溶媒、水溶性のエーテル系溶媒が使用可能であり、酸化的二量化反応により生成する4,4’−ジアルコキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の着色防止の観点から、特に、アルコール系溶媒、ニトリル系溶媒が好適に使用される。アルコール系溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−エチルヘキシルアルコール等が挙げられる。特に、メチルアルコール又はエチルアルコールは、低沸点で蒸発させ易い等、後処理が容易なため好ましい。また、ニトリル系溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ペンタンニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプタンニトリル等が挙げられる。これらの中では、後処理の簡便さ等の観点から、アセトニトリル又はプロピオニトリルが好ましい。
【0037】
溶媒の使用量は、4−置換−1−ナフトール誘導体を溶解し得る量で、かつ、酸化的二量化反応後に触媒を溶解し得る量の溶媒を使用する。酸化反応後に触媒が結晶で残ると、生成した4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の純度を低下させる原因となる。具体的には、4−アルコキシ−1−ナフトール誘導体の濃度が1〜25重量%になる量を使用する。また、これら極性溶媒100重量部に対し、20〜30重量部の水を添加するならば、生成する4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の結晶析出を促進する効果が得られる。空気酸化における反応温度は、通常0〜80℃、好ましくは20〜80℃である。反応温度が0℃以下未満の場合は、反応が遅くなり、一方、80℃を超える場合は、原料溶液中の溶存酸素量が少なくなるため、同様に反応が遅くなり好ましくない。反応終了後、4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体は、析出した結晶を濾過、乾燥をすることにより得られる。
【実施例】
【0038】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、原料、溶媒、触媒は以下の表1に記載のものを使用した。
【0039】
【表1】

【0040】
実施例1(4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
4−メトキシ−1−ナフトール10g(57ミリモル)を500mlナスフラスコに入れ、メタノール150ml、水30mlを加え、溶解させた。これに水酸化バリウム200mgを加え、空気中で20時間攪拌した。その後、析出した結晶を吸引濾過し、淡いピンク色の針状結晶8.5g(24.6ミリモル)を得た。この針状結晶について、融点、赤外吸収スペクトル(IR)、H−NMRを測定した結果、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は86モル%であった。
【0041】
(1)融点:233℃
(2)IR(KBr,cm−1):3430,2920,1590,1460,1400,1338,1290,1215,1125,1092,980,815,758.
(3)H−NMR(DMSO−d,270MHz):δ3.95(s,6H),6.94(s,2H),7.57(m,4H),8.19(d,J=8Hz,2H),8.30(d,J=8Hz,2H),8.95(bs,2H).
【0042】
実施例2(4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
実施例1において、メタノール150mlの代わりにエタノール150mlを使用した以外は、実施例1と同様の方法で反応させた。淡いピンク色の針状結晶8.4g(24.3ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は84モル%であった。
【0043】
実施例3(4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
実施例1において、メタノール150mlの代わりにエチレングリコール250mlを使用した以外は、実施例1と同様の方法で反応させた。淡いピンク色の針状結晶8.7g(25.1ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は88モル%であった。
【0044】
比較例1(4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
実施例1において、水酸化バリウムを添加しないこと以外は、実施例1と同様の方法で反応させた。淡いピンク色の針状結晶2.1g(6.1ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は21モル%であった。
【0045】
比較例2(4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
実施例2において、水酸化バリウムを添加しないこと以外は、実施例2と同様の方法で反応させた。淡いピンク色の針状結晶2.1g(6.1ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は21モル%であった。
【0046】
比較例3(4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
実施例3において、水酸化バリウムを添加しないこと以外は、実施例3と同様の方法で反応させた。淡いピンク色の針状結晶1.8g(5.2ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は18モル%であった。
【0047】
実施例4(4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
4−プロポキシ−1−ナフトール10g(49.5ミリモル)を500mlナスフラスコに入れ、メタノール150ml、水30mlを加え、溶解させた。これに水酸化バリウム200mgを加え、空気中で20時間攪拌した。その後、析出した結晶を吸引濾過し、淡いピンク色の針状結晶8.1g(20.1ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は81モル%であった。
【0048】
(1)融点:152℃
(2)IR(KBr,cm−1):3410,2950,1590,1450,1416,1380,1294,1228,1150,1120,1086,950,920,812,752.
(3)H−NMR(CDCl,270MHz):δ1.10(t,J=8Hz,6H),1.94(m,4H),4.04(m,4H),5.60(bs,2H),6.72(s,2H),7.59(m,4H),8.31(m,4H).
【0049】
比較例4(4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
実施例4において、水酸化バリウムを添加しないこと以外は、実施例4と同様の方法で反応させた。淡いピンク色の針状結晶1.7g(4.2ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は17モル%であった。
【0050】
実施例5(4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
4−ブトキシ−1−ナフトール10g(46.3ミリモル)を500mlナスフラスコに入れ、メタノール130ml、水25mlを加え、溶解させた。これに水酸化バリウム200mgを加え、空気中で20時間攪拌した。その後、析出した結晶を吸引濾過し、淡いピンク色の針状結晶8.4g(19.5ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は84モル%であった。
【0051】
(1)融点:152℃
(2)IR(KBr,cm−1):3420,2950,2860,1592,1450,1418,1378,1300,1270,1230,1150,1120,1088,922,754.
(3)H−NMR(CDCl,270MHz):δ1.03(t,J=8Hz,6H),1.60(m,4H),1.90(m,4H),4.10(m,4H),5.46(bs,2H),6.71(s,2H),7.58(m,4H),8.30(m、4H).
【0052】
比較例5(4,4’−ジブトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
実施例5において、水酸化バリウムを添加しないこと以外は、実施例5と同様の方法で反応させた。淡いピンク色の針状結晶1.9g(4.4ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジプロポキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は19モル%であった。
【0053】
実施例6(4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
実施例1において、メタノール150mlの代わりにアセトニトリル50mlを使用した以外は、実施例1と同様の方法で反応させ、淡いピンク色の針状結晶8.3g(24ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は84モル%であった。
【0054】
比較例6(4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
実施例6において、水酸化バリウムを添加しないこと以外は、実施例6と同様の方法で反応させ、淡いピンク色の針状結晶2.57g(7.4ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は26モル%であった。
【0055】
実施例7(4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
実施例1において、水酸化バリウム200mgの代わりに酸化第二セリウム200mgを使用した以外は、実施例1と同様の方法で反応させる。反応後、反応液にアセトン150mlを加えた後、触媒を吸引濾過して除去し、濾液を−10℃の冷凍庫に3日間保存した。その後、析出した結晶を吸引濾過、乾燥し、淡いピンク色の結晶6.3g(18.2ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は64モル%であった。
【0056】
実施例8(4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールの合成):
実施例1において、水酸化バリウム200mgの代わりに酸化亜鉛200mgを使用した以外は、実施例1と同様の方法で反応させる。反応後、反応液にアセトン150mlを加えた後、触媒を吸引濾過して除去し、濾液を−10℃の冷凍庫に3日間保存した。その後、析出した結晶を吸引濾過、乾燥し、淡いピンク色の結晶5.5g(15.9ミリモル)を得た。この針状結晶について、実施例1と同様に物性値を測定し、4,4’−ジメトキシ−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオールであることを確認した。単離収率は56モル%であった。
【0057】
実施例1〜3及び6〜8並びに比較例1〜3及び6の実験結果を表2に示す。
【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
表2及び表3から次のことが明らかである。すなわち、触媒として、水酸化バリウムを使用した例(実施例1〜5)と使用しなかった例(比較例1〜5)を比べると、水酸化バリウムを使用することにより、目的物である4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の収率が飛躍的に増加していることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子状酸素の存在下、極性溶媒中で触媒を使用し、4−置換−1−ナフトール誘導体を酸化的二量化することを特徴とする下記一般式(1)で表される4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の製造方法。
【化1】

(一般式(1)において、Y及びYは、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基の群から選ばれる何れかを示し、X及びXは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基の群から選ばれる何れかを示す。)
【請求項2】
分子状酸素の存在下、極性溶媒中で触媒を使用し、4−置換−1−ナフトール誘導体を酸化的二量化することを特徴とする下記一般式(2)で表される4,4’−二置換−2,2’−ビナフタレン−1,1’−ジオール誘導体の製造方法。
【化2】

(一般式(2)において、R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、ハロゲン化アルキル基の群から選ばれる何れかを示し、X及びXは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基の群から選ばれ何れかを示す。)
【請求項3】
触媒が金属水酸化物又は金属酸化物である請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
触媒がアルカリ土類金属水酸化物又はアルカリ土類金属酸化物である請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
【請求項5】
触媒が水酸化バリウム又は酸化バリウムである請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
【請求項6】
極性溶媒が、炭素数1〜8の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールの群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
【請求項7】
極性溶媒が、炭素数1〜8の1価ニトリルから選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の製造方法。

【公開番号】特開2009−209118(P2009−209118A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56331(P2008−56331)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000199795)川崎化成工業株式会社 (133)
【Fターム(参考)】