説明

ACアダプタ装置、記録装置及び液体噴射装置

【課題】ACアダプタ装置の有効利用を図り、未使用時のバッテリーとホルダカバーの紛失を防ぐこと、更には使用時のACアダプタ装置における接続コードの引っ掛かりによる断線を防止すること。
【解決手段】本発明のACアダプタ装置1は、バッテリー30とホルダカバー31を選択して取り付けることができるホルダ部32を備えた電子機器に対して接続でき、ホルダ部32と同形状、同サイズのホルダ機能部が設けられている。またACアダプタ装置1にはホルダ部32に取り付けることができるホルダカバー機能が付加されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーとホルダカバーを選択して取り付けることができるホルダ部を備えた電子機器に対して適用されるACアダプタ装置及び該ACアダプタ装置が接続可能な記録装置に関する。
更に本発明は、インク等の液体をそのヘッドから吐出(噴射)して被記録材(被液体噴射材)に記録を実行する(液体を付着する)インクジェット式記録装置などの液体噴射装置及び該液体噴射装置に対して接続されるACアダプタ装置に関するものである。
【0002】
ここで液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録材に記録を行なうプリンタ、プロッタ、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被液体噴射材に噴射して、前記液体を前記被液体噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【背景技術】
【0003】
持ち運びが可能なポータブルタイプの電子機器には下記特許文献1に示すようにバッテリーを取り付けることができるホルダ部が設けられている。また、該ホルダ部にはホルダカバーを取り付けることができ、バッテリーを使用しない場合にはホルダ部からバッテリーを取り外してホルダカバーによって開放されたホルダ部のバッテリー収容空間を覆って保護している。しかし、バッテリーを取り外した状態が長く続くと、取り外したバッテリーの置き場所が分からなくなって、いざバッテリーを使おうと思ってもバッテリーが見当たらないということがある。
【0004】
同様に、バッテリーばかりを使用している場合には、ホルダカバーは常時取り外されており、取り外したホルダカバーの置き場所が分からなくなって、いざホルダカバーを使おうと思ってもホルダカバーが見当たらないということがある。また、取り外したホルダカバーが床等、足の踏み場に落ちて入れば破損のおそれもあるし、取り外したホルダカバーの存在を知らない人が当該ホルダカバーを見つけても何のカバーか分からず、必要ないと判断すれば廃棄されるおそれもある。
【0005】
また、このようなポータブルタイプの電子機器には、室内の決まった場所に設置して使用する場合に便利なようにACアダプタ装置が接続できる機能が付加されている。しかし、ACアダプタ装置には当該電子機器を家庭用の交流電源で動作できるようにする機能のみが搭載されているだけであり、それ以上の工夫はなされていなかった。また、ACアダプタ装置を電子機器に接続する場合には、ACアダプタ装置から延びている2次側の接続コードの先端に取り付けられている小さな接続プラグを電子機器側に設けられている小さな電源ジャックに挿し込まれなければならず煩わしい作業になっていた。また上記接続コードは線径が細く、何かに引っ掛かることによって容易に断線してしまうため、接続コードの取り扱いには慎重を期す必要があった。
【0006】
【特許文献1】特開2002−019229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題点の存在を踏まえてなされたものであって、従来室内で家庭用の交流電源を使用する場合以外は全く使用されていなかったACアダプタ装置に対して別途の機能を付加することによって、ACアダプタ装置の有効利用を図り、同時に電子機器から取り外された状態のバッテリー及びホルダカバーの紛失を防ぐことのできるACアダプタ装置を提供することを目的とする。
更に、使用時のACアダプタ装置の接続コードの引っ掛かりによる断線を防止するようにしたACアダプタ装置を提供することを目的とする。
更に、前記ACアダプタ装置が接続可能な記録装置および液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するために、本発明の第1の態様に係るACアダプタ装置は、バッテリーとホルダカバーを選択して取り付けることができるホルダ部を備えた電子機器に対して適用されるACアダプタ装置であって、前記ACアダプタ装置は、前記ホルダ部と同形状、同サイズで同機能をするホルダ機能部を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、未使用のバッテリーないしホルダカバーは、ACアダプタ装置の有するホルダ機能部を利用して該ACアダプタ装置に取り付けておくことが可能になる。従って、電子機器から取り外したバッテリー及びホルダカバーの紛失が防止される。
【0010】
本発明の第2の態様に係るACアダプタ装置は、前記第1の態様において、前記ACアダプタ装置は、前記ホルダ機能部にバッテリーを装着した状態でバッテリーの充電を行うことができるバッテリーチャージ機能が付加されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、未使用のバッテリーは、ACアダプタ装置に取り付けておくことによって紛失が防止されると同時に充電が行われるから、使用時には即座にフル充電のバッテリーを取り出して使用することが可能となる。
【0012】
本発明の第3の態様に係るACアダプタ装置は、バッテリーとホルダカバーを選択して取り付けることができるホルダ部を備えた電子機器に対して適用されるACアダプタ装置であって、前記ACアダプタ装置は、前記ホルダ部に取り付け可能に構成されてホルダカバーを兼ねるように構成されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、ACアダプタ装置自体をホルダカバーとして使用することができるから、ホルダカバーを省略して部品点数を減らすことが可能になる。また、ACアダプタ装置をホルダ部に取り付けておけば、ACアダプタ装置が床等に放置しておいた場合に生ずる接続コードの引っ掛かりによる断線が防止される。
【0014】
本発明の第4の態様に係るACアダプタ装置は、前記第3の態様において、前記ACアダプタ装置は、前記ホルダ部に取り付けることによって自動的に当該ホルダ部を備えた電子機器と電気的に接続されるコネクタを備えていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の第4の態様によれば、2次側の接続コード先端に取り付けられている接続プラグを電子機器の電源ジャックに挿し込むという煩わしい接続作業が不要になる。また、コネクタの採用によって2次側の接続コードは不要になるから2次側の接続コードの断線も必然的に防止される。
【0016】
本発明の第5の態様に係る記録装置は、バッテリーとホルダカバーを選択して取り付けることができるホルダ部を備え、ACアダプタ装置が接続可能な記録装置であって、前記ACアダプタ装置は前記第1の態様から第4の態様のいずれかに記載のACアダプタ装置であることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の第5の態様によれば、ACアダプタ装置の有効利用を通じて部品点数の削減を図ることができ、同時に記録装置から外した状態のバッテリー及びホルダカバーの紛失を防止することが可能となる。また、ACアダプタ装置の接続コードの引っ掛かりによる断線も防止される。そして、これらが相乗的に作用することによって取り扱いが容易で、バッテリー、ホルダカバー及びACアダプタ装置の保管性に優れた記録装置を提供することが可能になる。
【0018】
本発明の第6の態様に係る液体噴射装置は、バッテリーとホルダカバーを選択して取り付けることができるホルダ部を備え、ACアダプタ装置が接続可能な液体噴射装置であって、前記ACアダプタ装置は、前記ホルダ部と同形状、同サイズで同機能をするホルダ機能部を備えていることを特徴とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本願発明に係るACアダプタ装置及び該ACアダプタ装置が接続可能な液体噴射装置の一例である記録装置について説明する。最初に本願発明の液体噴射装置、そしてその一例である記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ100を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は使用時のインクジェットプリンタの外観を示す斜め前方からの斜視図、図2は持ち運び時のインクジェットプリンタの外観を示す斜め前方からの斜視図である。図3はバッテリーを装着したインクジェットプリンタの外観を示す斜め後方からの斜視図、図4はCDドライブを搭載したインクジェットプリンタを示すカバー部材を閉じた状態の斜め前方からの斜視図である。また図5は角度調整可能な液晶モニタを搭載したインクジェットプリンタの操作パネルとカバー部材を示す斜め前方からの斜視図、図6は同上、斜め後方からの斜視図である。
【0021】
尚、ここで説明するインクジェットプリンタ100は、例えば4×6インチ以下の被液体噴射材の一例である被記録材P(以下単に用紙Pともいう)を対象にした極めてコンパクトで持ち運びが容易な比較的シンプルな構造のインクジェットプリンタである。また、このインクジェットプリンタ100は、パーソナルコンピュータに接続しなくても直接用紙Pに記録の実行ができる、いわゆるダイレクトプリンタと呼ばれているタイプのインクジェットプリンタである。
【0022】
このインクジェットプリンタ100は、図1、図2に示すような角箱状の本体ケーシング3を備えている。本体ケーシング3は、該本体ケーシング3の前面、後面、左右の側面及び底面を閉塞する深底容器状のハウジング本体4と、図2に示す持ち運び時の状態では本体ケーシング3の上面を閉塞し、図1に示す使用時の状態では給送用トレイ5の上方に張り出した用紙Pの上辺部を支えるペーパーサポートとしても機能するカバー部材6と、図2に示す持ち運び時の状態において上記カバー部材6の下方に位置し、ハウジング本体4の上部開口を閉塞する操作パネル7と、上記ハウジング本体4の前面の一部を開口し、当該前面開口を閉塞するように開閉自在に設けられる前面カバーを兼ねた排出用スタッカ8と、上記ハウジング本体4の左右の側面に対して回動可能な状態で接続される門型をした手提げハンドル9とを備えている。
【0023】
また、図3、図7に示すように、上記本体ケーシング3の後面には後述するバッテリー30とホルダカバー31を選択して取り付けることができるホルダ部32が設けられている。更に、上記本体ケーシング3の下方には、図4に示すようにCDドライブ21を取り付けることができ、後述するメモリーカード等から取り込んだ画像等のデータをCD―R等に保存したり、CD―R等に保存された画像等のデータを読み込んで記録の実行ができるようになっている。尚、本体ケーシング3に対してCDドライブ21等の外部付属装置が取り付けられたインクジェットプリンタを上記インクジェットプリンタ100と区別して使用する場合にはインクジェットプリンタ200として別の符号を付して識別する。
【0024】
そして、上記操作パネル7上には、複数の窓部10a、10b、10c、・・・10nが設けられており(図5、図6)、中央の大きな窓部10aには液晶モニタ11、他の窓部10b、10c、・・・10nには各種の操作ボタン12a、12b、12c、・・・12nがそれぞれ下方から上方に向けて突出するように取り付けられている。また、操作パネル7の後部の中央部は、大きく矩形状に切り欠かれた形状であり、該矩形状部分が自動給送ユニット2に対して用紙Pを供給するための給送用開口13になっている。
【0025】
また、排出用スタッカ8は、下部の左右のコーナー部に回動支点を備えており、この回動支点を中心にして約90°の範囲に亘って上下に回動できるようになっている。また、排出用スタッカ8の裏面は、図1に示す使用状態では上面に位置するように構成されており、記録実行後の用紙Pを受け取る被液体噴射材受け部の一例である排出用スタッカ8の載置面14となっている。
【0026】
また、液晶モニタとしては図4、図5に示すように、後方に倒した水平姿勢と、上方に引き起こした起立姿勢ないし傾斜姿勢とを切り換えることのできる角度調整可能な液晶モニタ22を採用することも可能である。また、この場合において図5に示すように液晶モニタ22の背面側の回動基端縁と、その近傍の操作パネル7上に係合凹部23と係合凸部24をそれぞれ設け、これら凸部24と凹部23とを当接させて当該液晶モニタ22の回動上限位置を規定することも可能である。
【0027】
また、ハウジング本体4の前面開口の上部にはデジタルカメラ等で撮影した画像データを収録したメモリーカード等を挿入するためのメモリーカード用挿入口15が設けられている。そして、このインクジェットプリンタ100は、図2に示す持ち運び時の状態では外部に操作ボタン12a、12b、12c、・・・12nや排出用スタッカ8を拡開するための指掛け部等が一切露出しない極めてシンプルですっきりしたデザインの外観となっている。また、この状態ではインクジェットプリンタ100を動作させることはできず、カバー部材6を拡開させ、排出用スタッカ8を拡開させるための操作ボタン12cを押すことによって初めてインクジェットプリンタ100を動作させることができるように構成されている。
【0028】
そして、このようにして構成されるインクジェットプリンタ100に対して用紙Pが供給されると、用紙Pは給送用開口13から自動給送ユニット2における給送用トレイ5上に至り、図示しない給送用ローラとホッパとの挟圧送り作用によって最上位の用紙Pから順番に用紙搬送経路に向けて給送されるようになる。また、用紙搬送経路に給送された用紙Pは、記録ポジションに向けて案内され、図示しないプラテンによって下面が支持された状態で図示しない搬送用ローラからの駆動力を受けて搬送される。そして、図示しない記録ヘッドが図示しないキャリッジによって保持された状態で、液体の一例であるインクを吐出しながら主走査方向Xに往復する動作と、該主走査方向Xと直交する副走査方向Y(用紙Pの搬送方向と一致する)に所定の搬送量で用紙Pを搬送する動作とを相互に繰り返すことによって、用紙Pの被記録面全体に亘って所望の記録が実行されるようになっている。また、記録実行後の用紙Pは、図示しない排出用ローラからの駆動力を受けて更に用紙搬送方向の下流側に向けて排出され、上述した拡開状態の排出用スタッカ8の載置面14に至り、保持されるようになっている。
【0029】
[実施例]
次に、このようなインクジェットプリンタ100(インクジェットプリンタ200を含む)に対して接続可能な本発明のACアダプタ装置1と、該ACアダプタ装置1の関連部材であるバッテリー30、ホルダカバー31及びホルダ部32の構成と、これらの接続関係を図面に基づいて具体的に説明する。
【0030】
図7はバッテリーとホルダカバーを選択して取り付けることができるホルダ部を備えたインクジェットプリンタを示す斜め後方からの分解斜視図、図8はホルダ部のコネクタソケット周辺を拡大して示す端子保護カバー突出時の斜視図(a)と、端子保護カバー退去時の斜視図(b)である。尚図8(b)では端子保護カバーが退去している状態を見やすくするためにバッテリーが省略されて描かれている。
【0031】
本発明のACアダプタ装置1は、図7に示すようにバッテリー30とホルダカバー31とを選択して取り付けることができるホルダ部32を備えたインクジェットプリンタ100に対して適用される。
【0032】
バッテリー30は、外観を構成するバッテリーケース33と、バッテリーケース33内に収容される図示しないバッテリー本体と、上記バッテリーケース33の左右の一方の端面34側に設けられるバッテリーロック機構35と、上記バッテリーケース33の左右の他方の端面36に設けられる係止凸部を兼ねたコネクタ37とを備えることによって基本的に構成されている。バッテリーケース33は、左右方向に長い角箱状の部材であり、蓋部とケース本体とによって構成されている。バッテリーロック機構35は、ホルダ部32の一方の側端部に設けられる図示しない係止凹部に係止されるロック爪38と、該ロック爪38に突出傾向を付与する図示しない付勢手段とを備えることによって構成されている。また、ロック爪38には該ロック爪38と一体になって左右方向に移動し得るロック解除操作片39が一体に形成されている。
【0033】
従って、上記コネクタ37をホルダ部32の他方の側端部に設けられる端子40を備えたコネクタソケット部分に押し当てて係合させ、該係合部を支点として片手操作でバッテリー30を所定の方向に回動させるだけで簡単にバッテリー30の着脱ができるようになっている。また、上記端子40の周囲には一例としてコの字形断面を有する端子保護カバー41が図示しない付勢手段によって突出傾向が付与された状態で開口部に対して出没自在に設けられている。これにより、バッテリー30が取り付けられていない状態では、図8(a)に示すように端子保護カバー41が突出して端子40を覆って保護し、バッテリー30が取り付けられると図8(b)に示すようにコネクタ37によって端子保護カバー41が押し込まれて退去して端子40が現れるようになっている。
【0034】
ホルダカバー31は、上記バッテリー30を使用しない場合にホルダ部32の開放された後面を覆って保護するための部材である。具体的には左右方向に長い矩形平板状の部材によってホルダカバー31は構成されており、左右の一方の端面42側にはホルダ部32の一方の側端部に設けられる図示しない係止凹部に係止されるロック爪43が設けられている。また、該ロック爪43は弾性変形可能なロック解除操作片44と一体に形成されている。また、ホルダカバー31の他方の端面45にはホルダ部32の他方の側端部に設けられる図示しない係止凹部に係止される係止凸部46が設けられている。そして、上記バッテリー30と同様に、片手操作で簡単にホルダカバー31はホルダ部32に対して着脱できるようになっている。
【0035】
ホルダ部32は、本実施例では上記バッテリー30の厚さの半分程度の部分を受け入れることができるような深さを有する左右方向に長い角穴状の収容空間を前記本体ケーシング3の後面の一部を凹陥させることによって形成されている。そして、ホルダ部32の左右の側端部には上述した図示しない係止凹部が形成されており、ホルダ部32の他方の側端部には上記端子40と端子保護カバー41とが設けられている。またホルダ部32の奥端面47の中央には左右方向に延びる係合リブ48が設けられており、バッテリー30使用時にバッテリー30の裏面49側に形成されている図示しない係合溝と係合するようになっている。
【0036】
以下、実施例1〜4の4つの実施例を採り上げて本発明のACアダプタ装置1の具体的な構成を説明する。尚、以下の説明において、実施例1〜4を区別する必要がある場合には実施例1に係るACアダプタ装置を1A、実施例2に係るACアダプタ装置を1B、実施例3に係るACアダプタ装置を1C、実施例4に係るACアダプタ装置を1Dとして、これらを区別する。
【0037】
<実施例1>
図9は本発明の実施例1に係るACアダプタ装置と、その使用の態様とを併せ示す分解斜視図である。即ち、実施例1に係るACアダプタ装置1Aには、前記ホルダ部32と同形状、同サイズで同機能をするホルダ機能部52が設けられている。具体的にはACアダプタ装置1Aは前記バッテリー30やホルダカバー31より一回り大きな角箱状のアダプタケース50を有しており、アダプタケース50の表面51には前記ホルダ部32と同形状、同サイズで同機能をするホルダ機能部52が形成されている。また、アダプタケース50の内部には交流電圧を所定ボルトの直流電圧に変換するための図示しないアダプタ本体が設けられている。
【0038】
また、アダプタケース50の一方の端面53には、2次側の接続コード54が接続されており、該接続コード54の先端にはインクジェットプリンタ100における本体ケーシング3の後面に設けられている電源ジャック55に挿し込まれる接続プラグ56が取り付けられている。また、アダプタケース50の他方の端面57には、1次側の電源コード58が接続されており、該電源コード58の先端には家庭用の交流電源用のコンセントに挿し込まれる電源プラグ59が取り付けられている。
尚、当該ホルダ機能部52は、前記ホルダ部32に設けられている構成要素を全て備えるようにすることが好ましい。本実施例では、例えばホルダ部32の係合リブ48と同形状の係合リブ60が設けられている。
【0039】
そして、このような構成のACアダプタ装置1Aには、バッテリー30使用時にはホルダカバー31が、ホルダカバー31使用時にはバッテリー30がそれぞれ取り付けられ、ACアダプタ装置1A使用時には接続プラグ56を電源ジャック55に挿し込み、電源プラグ59を家庭用の交流電源用のコンセントに挿し込むことによって使用できる。
【0040】
<実施例2>
図10は本発明の実施例2に係るACアダプタ装置と、その使用の態様とを併せ示す分解斜視図である。即ち、実施例2に係るACアダプタ装置1Bにはバッテリー30を装着した状態でバッテリー30の充電を同時に行うことができるバッテリーチャージ機能が付加されている。具体的には実施例1と同様のアダプタケース50の内部に図示しないバッテリーチャージ機能を備えており、ホルダ機能部52の他方の側端部にはバッテリー30の他方の端面36に設けられているコネクタ37と電気的に接続される電気接点61が設けられることによってACアダプタ装置1Bは構成されている。尚、その他の構成については前記ACアダプタ装置1Aと同様であるので、ACアダプタ装置1Aで使用したのと同じ符号を使用し、その説明は省略する。
【0041】
そして、このような構成のACアダプタ装置1Bを使用する場合には、前記実施例1と同様の使用の態様をとることができ、これに加えて未使用のバッテリー30の充電をACアダプタ装置1Bの使用と同時に行うという使用の態様をとることも可能になる。
【0042】
<実施例3>
図11は本発明の実施例3に係るACアダプタ装置と、その使用の態様とを併せ示す分解斜視図である。即ち、実施例3に係るACアダプタ装置1Cは、前記ホルダ部32に取り付け可能に構成されてホルダカバー31を兼ねるように構成されている。すなわち、ACアダプタ装置1Cは、インクジェットプリンタ100の本体ケーシング3の後面に形成されている前記ホルダ部32に取り付けることができるホルダカバー機能が付加されている。
【0043】
具体的には、ACアダプタ装置1Cは、前記バッテリー30と同様の角箱状ないし前記ホルダカバー31よりも肉厚の矩形平板状をしたアダプタケース62を有しており、アダプタケース62の一方の端面63側にはホルダカバー31におけるロック爪43と同様のロック爪64と、ホルダカバー31におけるロック解除操作片44と同様のロック解除操作片65が一体に形成されている。また、アダプタケース62の他方の端面66にはホルダカバー31における係止凸部46と同様の係止凸部67が設けられている。尚、本実施例では2次側の接続コード54と1次側の電源コード58は共にアダプタケース62の表面68に接続されており、その他の構成は前記実施例1と同様である。
【0044】
そして、このような構成のACアダプタ装置1Cを使用する場合には、図示のようにホルダ部32に取り付けられていたバッテリー30を取り外して、バッテリー30と同様の手順でホルダ部32にACアダプタ装置1Cを取り付け、接続プラグ56を電源ジャック55に挿し込み、電源プラグ59を家庭用の交流電源用のコンセントに挿し込むことによって使用できる。
【0045】
これにより、ACアダプタ装置1C自体をホルダカバー31として使用することができるから、ホルダカバー31を省略して部品点数を減らすことが可能になる。
【0046】
<実施例4>
図12は本発明の実施例4に係るACアダプタ装置と、その使用の態様とを併せ示す分解斜視図である。即ち、実施例4に係るACアダプタ装置1Dには該ACアダプタ装置1Dをインクジェットプリンタ100における本体ケーシング3後面のホルダ部32に取り付けることによって自動的に当該インクジェットプリンタ100と電気的に接続されるコネクタ69が設けられている。基本的にはACアダプタ装置1Dは、前記実施例3と同様の構成を有しており、実施例3に係るACアダプタ装置1Cにおける2次側の接続コード54と接続プラグ56を廃し、これらの機能をコネクタ69に担わせることによって構成されている。コネクタ69は、バッテリー30に設けられているコネクタ37と一例として同形状、同サイズに形成されており、ホルダ部32に対して設けられている端子40をそのまま使用して接続されるようになっている。
【0047】
そして、このような構成のACアダプタ装置1Dを使用する場合には、図示のようにホルダ部32に取り付けられていたバッテリー30を取り外して、バッテリー30と同様の手順でホルダ部32にACアダプタ装置1Dを取り付け、電源プラグ59を家庭用の交流電源用コンセントに挿し込むだけで使用できる。
【0048】
[その他の実施例]
本願発明に係るACアダプタ装置1及び該ACアダプタ装置1が接続可能な記録装置100等は、以上述べたような構成を基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行なうことも勿論可能である。例えば、本発明のACアダプタ装置1は、インクジェットプリンタ100等の記録装置だけでなく、記録装置以外の他の液体噴射装置、更にはバッテリー30とホルダカバー31を選択して取り付けることができるホルダ部32を備えたその他の種々の電子機器に対して適用することが可能である。また、ACアダプタ装置1に対して設けられるホルダ機能やホルダカバー機能等の構成は、ACアダプタ装置1中に一体に組み込むことによって構成される他、アタッチメントとして必要に応じてACアダプタ装置1に接続することによって機能するように構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係り使用時のインクジェットプリンタの外観を示す斜視図。
【図2】持ち運び時の同インクジェットプリンタの外観を示す斜視図。
【図3】バッテリー装着時の同インクジェットプリンタの外観を示す斜視図。
【図4】CDドライブを搭載した同インクジェットプリンタの外観を示す斜視図。
【図5】角度調整可能な液晶パネルを搭載した操作パネルを示す斜視図。
【図6】同上、斜め後方からの斜視図。
【図7】本発明に係りバッテリーとホルダカバーを選択して取り付けることができるインクジェットプリンタを示す分解斜視図。
【図8】コネクタソケット周辺を拡大して示す端子保護カバー突出時の斜視図(a)と、端子保護カバー退去時の斜視図(b)。
【図9】実施例1に係るACアダプタ装置と、その使用の態様を示す分解斜視図。
【図10】実施例2に係るACアダプタ装置と、その使用の態様を示す分解斜視図。
【図11】実施例3に係るACアダプタ装置と、その使用の態様を示す分解斜視図。
【図12】実施例4に係るACアダプタ装置と、その使用の態様を示す分解斜視図。
【符号の説明】
【0050】
1(1A、1B、1C、1D) ACアダプタ装置、2 自動給送ユニット、3 本体ケーシング、4 ハウジング本体、5 給送用トレイ、6 カバー部材、7 操作パネル、8 排出用スタッカ、9 手提げハンドル、10a、10b、10c・・・10n 窓部、11 液晶モニタ、12a、12b、12c・・・12n 操作ボタン、13 給送用開口、14 載置面、15 メモリー挿入口、21 CDドライブ(外部付属装置)、22 (角度調整可能な)液晶モニタ、23 係合凹部、24 係合凸部、30 バッテリー、31 ホルダカバー、32 ホルダ部、33 バッテリーケース、34 (一方の)端面、35 バッテリーロック機構、36 (他方の)端面、37 コネクタ、38 ロック爪、39 ロック解除操作片、40 端子、41 端子保護カバー、41A 開口部、42 (一方の)端面、43 ロック爪、44 ロック解除操作片、45 (他方の)端面、46 係止凸部、47 奥端面、48 係合リブ、49 裏面、50 アダプタケース、51 表面、52 ホルダ機能部、53 (一方の)端面、54 接続コード、55 電源ジャック、56 接続プラグ、57 (他方の)端面、58 電源コード、59 電源プラグ、60 係合リブ、61 電気接点、62 アダプタケース、63 (一方の)端面、64 ロック爪、65 ロック解除操作片、66 (他方の)端面、67 係止凸部、68 表面、69 コネクタ、100 インクジェットプリンタ(記録装置)、200 インクジェットプリンタ(記録装置)、P 用紙(被記録材)、X 主走査方向、Y 副走査方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーとホルダカバーを選択して取り付けることができるホルダ部を備えた電子機器に対して適用されるACアダプタ装置であって、
前記ACアダプタ装置は、前記ホルダ部と同形状、同サイズで同機能をするホルダ機能部を備えていることを特徴とするACアダプタ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のACアダプタ装置において、前記ACアダプタ装置は、前記ホルダ機能部にバッテリーを装着した状態でバッテリーの充電を行うことができるバッテリーチャージ機能が付加されていることを特徴とするACアダプタ装置。
【請求項3】
バッテリーとホルダカバーを選択して取り付けることができるホルダ部を備えた電子機器に対して適用されるACアダプタ装置であって、
前記ACアダプタ装置は、前記ホルダ部に取り付け可能に構成されてホルダカバーを兼ねるように構成されていることを特徴とするACアダプタ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のACアダプタ装置において、前記ACアダプタ装置は、前記ホルダ部に取り付けることによって自動的に当該ホルダ部を備えた電子機器と電気的に接続されるコネクタを備えていることを特徴とするACアダプタ装置。
【請求項5】
バッテリーとホルダカバーを選択して取り付けることができるホルダ部を備え、ACアダプタ装置が接続可能な記録装置であって、
前記ACアダプタ装置は請求項1〜4のいずれか1項に記載したACアダプタ装置であることを特徴とする記録装置。
【請求項6】
バッテリーとホルダカバーを選択して取り付けることができるホルダ部を備え、ACアダプタ装置が接続可能な液体噴射装置であって、
前記ACアダプタ装置は、前記ホルダ部と同形状、同サイズで同機能をするホルダ機能部を備えていることを特徴とする液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−276236(P2007−276236A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−104240(P2006−104240)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】