AC高圧電源装置、帯電装置、現像装置、及び画像形成装置
【課題】動作開始時にトランスへの突入電流を抑制して、出力電圧に予期しない誤出力が発生するのを抑制することができるAC高圧電源装置を提供する。
【解決手段】AC高圧電源装置50は、差分積分器1、AC信号生成部2、三角波信号生成回路3、比較器4、スイッチング駆動部5、LPF6、ACトランス7、DCバイアス回路8、帰還回路9から構成され、スイッチング駆動部5,24とLPF6,26がそれぞれ差動構成となっている。PWM16に対するPWMB23、PWMO17に対するPWMOB25、AC信号18に対するAC信号B27はそれぞれ反転信号である。
【解決手段】AC高圧電源装置50は、差分積分器1、AC信号生成部2、三角波信号生成回路3、比較器4、スイッチング駆動部5、LPF6、ACトランス7、DCバイアス回路8、帰還回路9から構成され、スイッチング駆動部5,24とLPF6,26がそれぞれ差動構成となっている。PWM16に対するPWMB23、PWMO17に対するPWMOB25、AC信号18に対するAC信号B27はそれぞれ反転信号である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AC高圧電源装置、帯電装置、現像装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、ACの高電圧を発生するAC高圧電源装置の動作開始時にトランスへの突入電流を抑制する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファックス、複写機、及びこれらの複合機等の画像形成装置では、帯電装置を用いて感光体ドラムを帯電させ、帯電された感光体ドラムの表面を画像情報に応じて変調されたレーザ光により露光走査することにより、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する方法が一般的に行われている。そして、現像装置を用いて、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて顕像化(現像)し、記録紙に転写している。
上記帯電及び現像では、一般的にACの高電圧とDC電圧とが重畳された電圧が用いられている。そのため、画像形成装置は、通常、ACの高電圧を発生させるためのAC高圧電源装置を有している。
【0003】
図19は、従来のAC高圧電源装置においてスイッチング方式にした場合の全体構成図である。AC高圧電源装置100において、増幅回路での発熱による電力損失を低減する方法として、正弦波形状のAC信号14と三角波形状の三角波15とを比較し、その比較結果を出力する比較器4と、比較器4の出力信号に基づいてスイッチング動作及び信号増幅を行うスイッチング駆動部5と、スイッチング駆動部5の出力信号の波形形状を正弦波形状に変換するLPF6と、LPF6の出力信号の電圧を昇圧するACトランス7と、ACトランス7の入力信号または出力信号を帰還AC信号22とし、帰還AC信号22に基づいて、ACトランス7の出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように比較器4に入力されるAC信号14をフィードバック制御する制御回路と、を備えるものは既に知られている。
図20は図19のAC高圧電源装置におけるLPFやACトランスについて具体的に例示した図である。LPF6は通常のLCフィルタで構成される。また、ACトランス7は3つの巻き線からなり、端子1−2間はAC信号が入力され、端子4−5間は高圧AC出力が出力される。また端子2−3間は帰還AC信号として使用される。ここで、通常LPF6に入力されるPWMO17のDCレベル(以降、電圧信号において充分長時間の平均値をDCレベルと言う)はACトランス7に入力されるDCレベルとは異なる。
【0004】
図21はスイッチング駆動部の出力ドライバを示す図である。ハイサイドドライバMHDRVとローサイドドライバMLDRVによってPWMO17は出力されるため、PWMの平均を50%とした場合、PWMOのDCレベルは電源電圧VDDの半分VDD/2となる。図20においてACトランスの端子2はGNDに接続されているため、LPF6とACトランス7をそのまま接続すると、ACトランス7の端子1−2間にVDD/2がDC的に印加され、DC電流が流れることになってしまう。このため通常はLPFとACトランスの間にAC信号を通過する程度の大きな容量Cが配置される。
図22に具体的な信号波形を示す図である。PWMOはPWM(Pulse−Width−Modulation)信号であり、LPFにて高周波成分を落とすことにより、正弦波信号であるAC信号を抽出する。
図23はスリープが解除され動作開始をしたときの信号波形を示す図である。ここで、AC高圧電源装置がスリープ状態のときにはPWMOはGNDレベルであるとする。図23に示すように、スリープが解除され動作開始するとPWMOは50%dutyのPWMを出力し、AC信号としてはVDD/2のステップ入力が印加された状態になる。(図19の設定電圧が0の場合、AC波形は出力されない)。このステップ入力はACトランス7にそのまま印加され、高圧AC出力側に想定していない誤出力を発生させる。この誤出力は感光体を不要に帯電させるなどの不具合を起こし、また想定外の高電圧が発生するため非常に危険である。また、動作終了時においても同様のことが発生する。
【0005】
尚、特許文献1には、小型化及び消費電力の低減が可能なAC高圧電源装置、帯電装置、現像装置及び画像形成装置を提供することを目的として、正弦波形状の第1信号と三角波形状の第2信号を比較し、その比較結果を出力する比較回路と、比較回路の出力信号に基づいてスイッチング動作及び信号増幅を行うスイッチング増幅回路と、スイッチング増幅回路の出力信号の波形形状を正弦波形状に変換する変換回路と、変換回路の出力信号の電圧を昇圧するトランスと、トランスの入力信号または出力信号をモニタ用信号とし、このモニタ用信号に基づいて、トランスの出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように比較回路に入力される第1信号をフィードバック制御する制御回路と、を備えるAC高圧電源装置について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、今までのAC高圧電源装置は、動作開始時に、スイッチング増幅回路の出力信号とトランスの入力電圧の間にDC的な電位差があるため、トランスに突入電流が流入し出力電圧に予期しない誤出力が発生するという問題があった。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、本発明とは確かに小型化及び消費電力の低減が可能なAC高圧電源装置、帯電装置、現像装置及び画像形成装置を提供する点では類似しているが、動作開始時に、スイッチング増幅回路の出力信号とトランスの入力電圧の間にDC的な電位差があるため、トランスに突入電流が流入し、出力電圧に予期しない誤出力が発生するという問題は解消できていない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、スイッチング増幅回路を差動出力とし、その差動出力をトランスの両端に入力することで、トランスの両端に入力される電圧の間のDC的な電位差を無くし、動作開始時にトランスへの突入電流を抑制して、出力電圧に予期しない誤出力が発生するのを抑制することができるAC高圧電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、AC高圧電源装置の出力振幅を設定する設定電圧と該出力振幅の振幅値を表す帰還電圧とを比較して、該電圧の差分を積分値として出力する差分積分器と、前記AC高圧電源装置の出力周波数を設定する周波数設定信号および前記積分値が入力され、前記周波数設定信号に応じた周波数で、且つ前記積分値に応じた振幅の小振幅AC信号を生成するAC信号生成部と、三角波形状の信号を生成する三角波信号生成回路と、前記小振幅AC信号と前記三角波形状の信号を比較し、該比較結果を出力する比較回路と、前記比較回路の出力信号に基づいてスイッチング動作を行うスイッチング駆動部と、前記スイッチング駆動部の出力信号を波形整形し正弦波出力に変換する変換回路と、前記正弦波出力の電圧を昇圧するトランスと、前記トランスの出力信号に基づいて振幅レベルとして前記帰還電圧を出力する帰還回路と、DC電圧を生成するDCバイアス回路と、を備えるAC高圧電源装置において、他のスイッチング駆動部と他の変換回路とを更に備え、前記比較回路から出力する信号を非反転信号と反転信号とに分離し、該分離した前記非反転信号と反転信号とを、前記スイッチング駆動部及び前記他のスイッチング駆動部にそれぞれ入力して差動信号とし、該差動信号を前記変換回路及び前記他の前記変換回路にそれぞれ入力した時の前記正弦波出力の差動信号のDC電位が略等しくなるように構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2は、遅延時間を設定するための遅延時間設定電圧を生成する遅延時間設定部と、前記遅延時間設定電圧に応じて前記比較回路の出力信号のパルス幅を可変とするパルス信号を出力する複数のパルス生成部と、を更に備え、前記比較回路から出力する信号を非反転信号と反転信号とに分離し、該分離した前記非反転信号と反転信号とを前記複数のパルス生成部にそれぞれ入力し、それぞれのパルス生成部から出力される信号を前記スイッチング駆動部にそれぞれ入力して差動信号とし、該差動信号を前記変換回路にそれぞれ入力した時の前記正弦波出力の差動信号のDC電位が略等しくなるように構成し、且つ前記遅延時間設定電圧を前記AC高圧電源装置の動作開始時および動作終了時に漸次変化させることによって、前記パルス信号の時間幅が漸次変化するように構成したことを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2記載のAC高圧電源装置を備えたことを特徴とする。
請求項4は、請求項1又は2記載のAC高圧電源装置を備えたことを特徴とする。
請求項5は、請求項3記載の帯電装置及び/又は請求項4記載の現像装置を備えたことを特徴とする。
請求項6は、複数の像担持体を備える画像形成装置において、帯電用電源として請求項3記載の帯電装置を複数備え、現像用電源として請求項4記載の現像装置を複数備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スイッチング増幅回路を差動出力とし、その差動出力をトランスの両端に入力することで、トランスの両端に入力される電圧の間のDC的な電位差をなくし、動作開始時にトランスへの突入電流を抑制することで出力電圧に予期しない誤出力が発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るAC高圧電源装置の全体構成図である。
【図2】図1の場合のLPFとACトランスの具体的構成について示す図である。
【図3】図2の構成を簡略化した図である。
【図4】図2の構成の場合のSLP解除時の信号波形を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るAC高圧電源装置の全体構成図である。
【図6】図5におけるパルス生成部29の構成例を示す図である。
【図7】各ノードのタイミングチャートを示す図である。
【図8】図5における遅延時間設定部の構成例を示す図である。
【図9】図5の構成の場合のSLP解除時の信号波形を示す図である。
【図10】DCバイアス回路の構成例を示す図である。
【図11】三角波信号生成回路の構成を示す図である。
【図12】差分積分器の構成を示す図である。
【図13】帰還回路の構成例を示す図である。
【図14】AC信号生成部の構成例を示す図である。
【図15】本発明に係る帯電装置の構成の一例を示す図である。
【図16】帯電ローラの外観を示す図である。
【図17】本発明に係るAC高圧電源装置を画像形成装置に適用した図である。
【図18】複数の感光体ドラムを備えるカラー画像形成装置の構成を示す図である。
【図19】従来のAC高圧電源装置においてスイッチング方式にした場合の全体構成図である。
【図20】図19のAC高圧電源装置におけるLPFやACトランスについて具体的に例示した図である。
【図21】スイッチング駆動部の出力ドライバを示す図である。
【図22】具体的な信号波形を示す図である。
【図23】スリープが解除され動作開始をしたときの信号波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0012】
図1は本発明の第1の実施形態に係るAC高圧電源装置の全体構成図である。同じ構成要素には図19と同じ参照番号を付して説明する。
AC高圧電源装置50の出力振幅を設定する設定電圧10と該出力振幅の振幅値を表す帰還電圧11とを比較して、該電圧の差分を積分値として出力する差分積分器1と、AC高圧電源装置50の出力周波数を設定するAC_CLK(周波数設定信号)13および積分値12が入力され、AC_CLK13に応じた周波数で、且つ積分値12に応じた振幅の小振幅AC信号14を生成するAC信号生成部2と、三角波形状の信号を生成する三角波信号生成回路3と、小振幅AC信号14と三角波15を比較し、この比較結果を出力する比較器(比較回路)4と、比較器4の出力信号PWM16及びPWMB23に基づいてスイッチング動作を行うスイッチング駆動部5、24と、スイッチング駆動部5、24の出力信号をそれぞれ波形整形しAC信号18とAC信号B27(正弦波出力)に変換するLPF(変換回路)6、26と、AC信号18とAC信号B27の電圧を昇圧するACトランス28と、ACトランス28の出力信号に基づいて振幅レベルとして帰還AC電圧22を出力する帰還回路9と、DC電圧を生成するDCバイアス回路8と、を備えて構成され、比較器4から出力する信号を非反転信号(PWN16)と反転信号(PWMB23)とに分離し、分離したPWN16とPWMB23とをスイッチング駆動部5、24にそれぞれ入力して差動信号PWMO17、PWMOB25とし、この差動信号をLPF6、26にそれぞれ入力した時のAC信号18とAC信号B27の差動信号のDC電位が略等しくなるように構成した。
【0013】
即ち、本実施形態のAC高圧電源装置50は、差分積分器1、AC信号生成部2、三角波信号生成回路3、比較器4、スイッチング駆動部5、LPF(変換回路)6、ACトランス7、DCバイアス回路8、帰還回路9から構成されている。差分積分器1には設定電圧10と帰還電圧11が入力され、その差分を積分し、積分値12として出力する。AC信号生成部2には積分値12と周波数設定クロックAC_CLK13が入力されて、積分値12に従って振幅を制御され、周波数設定クロックに従って周波数を制御された正弦波であるAC信号14が生成される。
【0014】
三角波信号生成回路3は三角波15を生成する。AC信号生成部2で生成されたAC信号(正弦波)14と三角波信号生成回路3により生成された三角波15が比較器4に入力されて、比較器4によってPWM信号16が生成される。比較器4は一般的な差動コンパレータ等で構成する。スイッチング駆動部5にはPWM16が入力され、PWMO17を出力する。スイッチング駆動部5は通常パワーMOSFETなどパワーロスの少ないトランジスタを有している。PWMO17はローパスフィルタLPF6によってAC信号18に変換される。ACトランス7ではAC信号18の振幅が数kVまで増幅されDCバイアス回路8で生成されたDC電圧19(−数百V〜−数kV)と重畳され、高圧AC出力20として帯電ローラ21へ供給される。また、ACトランス7からはフィードバック信号として帰還AC信号22が出力される。帰還AC信号22は帰還回路9に入力され、帰還電圧11に変換される。
図1は図19と比較し、スイッチング駆動部5、24とLPF6、26がそれぞれ差動構成となっている。PWM16に対するPWMB23、PWMO17に対するPWMOB25、AC信号18に対するAC信号B27はそれぞれ反転信号である。
【0015】
図2は図1の場合のLPFとACトランスの具体的構成について示す図である。図2においてACトランス28の端子1にはLPF6の出力であるAC信号18が入力され、ACトランス28の端子2にはLPF26の出力であるAC信号B27が入力される。ACトランス28の端子1−2間にはAC信号18とAC信号B27の差電圧が印加される。
【0016】
図3は図2の構成を簡略化した図である。即ち、LPF6及びLPF26の出力側とグランド間に夫々接続されているコンデンサを、各LPF間を1つのコンデンサで接続する構成により、コンデンサの数を減少させることができる。
【0017】
図4は図2の構成の場合のSLP解除時の信号波形を示す図である(PWMOおよびPWMOBはスリープ時GND電位としている)。SLPが解除されるとPWMOとPWMOBは50%dutyのPWMを出力する。PWMOBはPWMOの反転となっている。この場合、ACトランスの端子1−2間に印加される電圧(AC信号−AC信号B)は図のようにほとんど変化しない。ステップ入力がなくなるため、誤出力が大幅に抑制される。図1の構成にした場合、差動信号であるAC信号18とAC信号B27のDCレベルが理想的に等しければ図4のようにACトランスに印加される電圧は0となるが、現実には多少の電位差は存在する。その場合、その電位差がACトランスに入力され図19の場合より小さいが誤出力の原因となる。
【0018】
図5は本発明の第2の実施形態に係るAC高圧電源装置の全体構成図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付し、説明を省略する。
本実施形態では、遅延時間を設定するための遅延時間設定電圧を生成する遅延時間設定部31と、遅延時間設定電圧に応じて比較器4の出力信号のパルス幅を可変とするパルス信号を出力する複数のパルス生成部29、30と、を更に備え、比較器4から出力する信号をPWM16(非反転信号)とPWMB23(反転信号)とに分離し、分離したPWM16とPWMB23とを複数のパルス生成部29、30にそれぞれ入力し、それぞれのパルス生成部29、30から出力される信号PWM_D32、PWMB_D33をスイッチング駆動部5、24にそれぞれ入力して差動信号PWMO17、PWMOB25とし、この差動信号をLPF6、26にそれぞれ入力した時のAC信号18、AC信号B27のDC電位が略等しくなるように構成し、且つ遅延時間設定電圧VdをAC高圧電源装置51の動作開始時および動作終了時に漸次変化させることによって、パルス信号の時間幅が漸次変化するように構成した。
即ち、図5は図1と比較し、遅延時間設定部31と、パルス生成部29、パルス生成部30が追加された構成である。遅延時間設定部31は遅延時間設定電圧Vdを出力する。また、パルス生成部29はPWMとVdが入力され、Vdに従ってパルス幅が変化されたPWM_D32を出力する。パルス生成部30はPWMB23とVdが入力され、Vdに従ってパルス幅が変化されたPWMB_D33を出力する。
【0019】
図6は図5におけるパルス生成部29の構成例を示す図である。図6において、RSTB1の立下りはVdの電位と容量Cによって決まり、Vdの電位が高いほど速くなり、Vdの電位が低いほど遅くなる。
【0020】
図7は各ノードのタイミングチャートを示す図である。Vdが徐々に低くなるとRSTBの遅延時間が大きくなり、それに従ってPWM_D32のパルス幅は大きくなっていくことが分かる。このように電圧Vdに従ってパルス幅を徐々に変化させることが可能である。パルス生成部30も図6と同様の構成で実現できる。
【0021】
図8は図5における遅延時間設定部の構成例を示す図である。図8の遅延時間設定部31はインバータと抵抗と容量で構成されている。スリープ信号SLPBがL⇒Hになり、スリープが解除されると遅延時間設定電圧VdはH⇒Lへ徐々に変化する。変化するスピードは抵抗と容量の値で設定することが出来る。図6のパルス生成部と図8の遅延時間設定部31により、スリープ解除後、徐々に幅が拡がるパルス幅を生成することが可能である。
【0022】
図9は本発明の第2の実施形態に係るSLP解除時の信号波形を示す図である。SLPが解除されるとPWMO17とPWMOB25は徐々にパルス幅が拡がっていく。差動信号であるAC信号18とAC信号B27のDCレベルに電位差がある場合、ACトランス28の端子1−2間に印加される電圧(AC信号−AC信号B)は図のように変化がなだらかになり、高圧AC出力20側に発生する誤出力は抑制される。以上のように、回路ばらつき等による差動電圧の電位差が存在する場合においても、動作開始時と動作終了時の誤出力を抑制することが可能となる。
【0023】
図10はDCバイアス回路の構成例を示す図である。DCバイアス回路8はACトランス28で昇圧された電圧に重畳されるDC電圧を発生する。DCバイアス回路8は、複数の抵抗、複数のコンデンサ、トランジスタ、ダイオード、トランスを有している。公知技術のため詳しい動作説明は省略するが、DC電圧として−数百V〜−数kVを発生する。
【0024】
図11は三角波信号生成回路の構成を示す図である。図11において、三角波信号生成回路3は電流源I1とシュミットトリガ回路3a、トランジスタ3bと容量C1により構成される。シュミットトリガ回路3aは入力電圧の遷移方向により閾値電圧が変わる回路であり、閾値を例えばref±Vthとする。例えば、TRIOUTがref+Vthを越えた場合、シュミットトリガ回路3aの出力が反転し、トランジスタ3bがオンする。トランジスタ3bによりC1に蓄えられた電荷が放電し、TRIOUTは引き下げられる。ここで今度はTRIOUTの電位がref−Vthより低くなると、シュミットトリガ回路3aの出力が反転し、トランジスタ3bがオフする。トランジスタ3bがオフしている間は電流源I1により、容量C1へ充電される。このようにしてTRIOUTにはのこぎり型の三角波が生成される。
【0025】
図12は差分積分器の構成を示す図である。図12においてオペアンプ1aには帰還がかけられており、ノードn1はバーチャルショートにより帰還電圧11となる。設定電圧10と帰還電圧11との差電圧を抵抗Rで割った電流が、容量C2へ蓄えられることになり、積分値が生成される。
【0026】
図13は帰還回路の構成例を示す図である。図13において帰還回路9はダイオード9aと容量9bと抵抗9cで構成されており、帰還AC信号を半波整流しフィルタしてDC的な電圧として帰還電圧11を出力する。要するにAC波形の振幅をDC電圧に変換する回路である。
【0027】
図14はAC信号生成部の構成例を示す図である。図14においてAC信号生成部2は振幅制御クロック生成部2aとローパスフィルタ2bから構成される。振幅制御クロック生成部2aは積分値12とAC_CLK13が入力され積分値に従って振幅が制御された振幅制御クロックを出力する。ローパスフィルタ2bは振幅制御クロックが入力され高調波成分を落として正弦波としたAC信号14を出力する。振幅制御クロック生成部2aは例えば電圧電流変換回路と抵抗とスイッチで構成することが出来る。またローパスフィルタ2bは単純なRCフィルタで構成することができる。
本発明によれば、スイッチング増幅回路を差動出力とし、その差動出力をトランスの両端に入力することで、トランスの両端に入力される電圧の間のDC的な電位差をなくし、動作開始時にトランスへの突入電流を抑制することで出力電圧に予期しない誤出力が発生するのを抑制することができる。
【0028】
図15は本発明に係る帯電装置の構成の一例を示す図である。帯電装置200は、AC高圧電源装置50及び帯電ローラ21を有している。尚、本実施形態では、いわゆる近接帯電法によって感光体ドラム210が帯電されるものとするが、これに限られるものではない。
【0029】
図16は帯電ローラの外観を示す図である。棒状の芯金202と、芯金202をくるむように設けられ中抵抗に抵抗が設定されている円柱状の弾性層203と、弾性層203の外周を被覆し、耐摩耗性を向上させ、かつ異物付着性を低減させる被覆層204とを有している。そして、感光体ドラム210における像が形成されない部分が帯電されないようにスペーサ205が設けられている。尚、スペーサ205は、帯電ローラ21ではなく、感光体ドラム210に設けても良い。また、帯電ローラ21と感光体ドラム210との間に、例えばベルトのようなシート状の部材をスペーサとして配置しても良い。
このようにAC高圧電源装置1を、帯電装置200に適用することにより、動作開始時の誤出力を抑制した省電力な帯電装置を実現することができる。また、本発明に係るAC高圧電源装置を、現像装置に適用することも可能である。基本的に帯電装置と同様でAC高圧電源装置が生成するAC高圧電源を現像ローラに印加することで実現することができる。
【0030】
図17は本発明に係るAC高圧電源装置を画像形成装置に適用した図である。画像形成装置300は、感光体ドラム301の周囲に、感光体を高圧に帯電するAC帯電装置(帯電装置200)、DC帯電装置302、画像データを露光する光走査装置303、光走査装置303により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像装置304、感光体ドラム301に付着したトナーを紙に転写する転写装置305、感光体ドラム301に残ったトナーを掻き取り備蓄するクリーニング装置306等を備えるものである。尚、各部の構成及び動作については公知であるので、説明を省略する。また、図17に示す画像形成装置は、カラー画像形成装置を含むのは勿論である。このようにAC高圧電源装置を有する帯電装置200および現像装置を画像形成装置300に適用することにより、動作開始時の誤出力を抑制した省電力な画像形成装置を実現することができる。
【0031】
図18は複数の感光体ドラムを備えるカラー画像形成装置の構成を示す図である。このカラー画像形成装置2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラー画像形成装置であり、ブラック用の「感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6」と、シアン用の「感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6」と、マゼンタ用の「感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6」と、イエロー用の「感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6」と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
各感光体ドラムは、図18中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転順に帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットがそれぞれ配置されている。各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光が照射され、各感光体ドラムに潜像が形成されるようになっている。そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
帯電装置K2、C2、M2、Y2として本発明の帯電装置を使用し、現像装置K4、C4、M4、Y4として本発明の現像装置を使用することで、動作開始時の誤出力を抑制した省電力なカラー画像形成装置を実現することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 差分積分器、2 AC信号生成部、3 三角波信号生成回路、4 比較器、5 スイッチング駆動部、6 LPF、7 ACトランス、8 DCバイアス回路、9 帰還回路、10 設定電圧、11 帰還電圧、12 積分値、13 AC_CLK、14 AC信号、15 三角波、16 PWM、17 PWMO、18 AC信号、19 DC電圧、20 高圧AC出力、21 帯電ローラ、22 帰還AC信号、23 PWMB、24 スイッチング駆動部、25 PWMOB、26 LPF、27 AC信号B、28 ACトランス、29、30 パルス生成部、31 遅延時間設定部、32 PWM_D、33 PWMB_D、50、51 AC高圧電源装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開2009−122564公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、AC高圧電源装置、帯電装置、現像装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、ACの高電圧を発生するAC高圧電源装置の動作開始時にトランスへの突入電流を抑制する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファックス、複写機、及びこれらの複合機等の画像形成装置では、帯電装置を用いて感光体ドラムを帯電させ、帯電された感光体ドラムの表面を画像情報に応じて変調されたレーザ光により露光走査することにより、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する方法が一般的に行われている。そして、現像装置を用いて、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて顕像化(現像)し、記録紙に転写している。
上記帯電及び現像では、一般的にACの高電圧とDC電圧とが重畳された電圧が用いられている。そのため、画像形成装置は、通常、ACの高電圧を発生させるためのAC高圧電源装置を有している。
【0003】
図19は、従来のAC高圧電源装置においてスイッチング方式にした場合の全体構成図である。AC高圧電源装置100において、増幅回路での発熱による電力損失を低減する方法として、正弦波形状のAC信号14と三角波形状の三角波15とを比較し、その比較結果を出力する比較器4と、比較器4の出力信号に基づいてスイッチング動作及び信号増幅を行うスイッチング駆動部5と、スイッチング駆動部5の出力信号の波形形状を正弦波形状に変換するLPF6と、LPF6の出力信号の電圧を昇圧するACトランス7と、ACトランス7の入力信号または出力信号を帰還AC信号22とし、帰還AC信号22に基づいて、ACトランス7の出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように比較器4に入力されるAC信号14をフィードバック制御する制御回路と、を備えるものは既に知られている。
図20は図19のAC高圧電源装置におけるLPFやACトランスについて具体的に例示した図である。LPF6は通常のLCフィルタで構成される。また、ACトランス7は3つの巻き線からなり、端子1−2間はAC信号が入力され、端子4−5間は高圧AC出力が出力される。また端子2−3間は帰還AC信号として使用される。ここで、通常LPF6に入力されるPWMO17のDCレベル(以降、電圧信号において充分長時間の平均値をDCレベルと言う)はACトランス7に入力されるDCレベルとは異なる。
【0004】
図21はスイッチング駆動部の出力ドライバを示す図である。ハイサイドドライバMHDRVとローサイドドライバMLDRVによってPWMO17は出力されるため、PWMの平均を50%とした場合、PWMOのDCレベルは電源電圧VDDの半分VDD/2となる。図20においてACトランスの端子2はGNDに接続されているため、LPF6とACトランス7をそのまま接続すると、ACトランス7の端子1−2間にVDD/2がDC的に印加され、DC電流が流れることになってしまう。このため通常はLPFとACトランスの間にAC信号を通過する程度の大きな容量Cが配置される。
図22に具体的な信号波形を示す図である。PWMOはPWM(Pulse−Width−Modulation)信号であり、LPFにて高周波成分を落とすことにより、正弦波信号であるAC信号を抽出する。
図23はスリープが解除され動作開始をしたときの信号波形を示す図である。ここで、AC高圧電源装置がスリープ状態のときにはPWMOはGNDレベルであるとする。図23に示すように、スリープが解除され動作開始するとPWMOは50%dutyのPWMを出力し、AC信号としてはVDD/2のステップ入力が印加された状態になる。(図19の設定電圧が0の場合、AC波形は出力されない)。このステップ入力はACトランス7にそのまま印加され、高圧AC出力側に想定していない誤出力を発生させる。この誤出力は感光体を不要に帯電させるなどの不具合を起こし、また想定外の高電圧が発生するため非常に危険である。また、動作終了時においても同様のことが発生する。
【0005】
尚、特許文献1には、小型化及び消費電力の低減が可能なAC高圧電源装置、帯電装置、現像装置及び画像形成装置を提供することを目的として、正弦波形状の第1信号と三角波形状の第2信号を比較し、その比較結果を出力する比較回路と、比較回路の出力信号に基づいてスイッチング動作及び信号増幅を行うスイッチング増幅回路と、スイッチング増幅回路の出力信号の波形形状を正弦波形状に変換する変換回路と、変換回路の出力信号の電圧を昇圧するトランスと、トランスの入力信号または出力信号をモニタ用信号とし、このモニタ用信号に基づいて、トランスの出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように比較回路に入力される第1信号をフィードバック制御する制御回路と、を備えるAC高圧電源装置について開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、今までのAC高圧電源装置は、動作開始時に、スイッチング増幅回路の出力信号とトランスの入力電圧の間にDC的な電位差があるため、トランスに突入電流が流入し出力電圧に予期しない誤出力が発生するという問題があった。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、本発明とは確かに小型化及び消費電力の低減が可能なAC高圧電源装置、帯電装置、現像装置及び画像形成装置を提供する点では類似しているが、動作開始時に、スイッチング増幅回路の出力信号とトランスの入力電圧の間にDC的な電位差があるため、トランスに突入電流が流入し、出力電圧に予期しない誤出力が発生するという問題は解消できていない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、スイッチング増幅回路を差動出力とし、その差動出力をトランスの両端に入力することで、トランスの両端に入力される電圧の間のDC的な電位差を無くし、動作開始時にトランスへの突入電流を抑制して、出力電圧に予期しない誤出力が発生するのを抑制することができるAC高圧電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、AC高圧電源装置の出力振幅を設定する設定電圧と該出力振幅の振幅値を表す帰還電圧とを比較して、該電圧の差分を積分値として出力する差分積分器と、前記AC高圧電源装置の出力周波数を設定する周波数設定信号および前記積分値が入力され、前記周波数設定信号に応じた周波数で、且つ前記積分値に応じた振幅の小振幅AC信号を生成するAC信号生成部と、三角波形状の信号を生成する三角波信号生成回路と、前記小振幅AC信号と前記三角波形状の信号を比較し、該比較結果を出力する比較回路と、前記比較回路の出力信号に基づいてスイッチング動作を行うスイッチング駆動部と、前記スイッチング駆動部の出力信号を波形整形し正弦波出力に変換する変換回路と、前記正弦波出力の電圧を昇圧するトランスと、前記トランスの出力信号に基づいて振幅レベルとして前記帰還電圧を出力する帰還回路と、DC電圧を生成するDCバイアス回路と、を備えるAC高圧電源装置において、他のスイッチング駆動部と他の変換回路とを更に備え、前記比較回路から出力する信号を非反転信号と反転信号とに分離し、該分離した前記非反転信号と反転信号とを、前記スイッチング駆動部及び前記他のスイッチング駆動部にそれぞれ入力して差動信号とし、該差動信号を前記変換回路及び前記他の前記変換回路にそれぞれ入力した時の前記正弦波出力の差動信号のDC電位が略等しくなるように構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2は、遅延時間を設定するための遅延時間設定電圧を生成する遅延時間設定部と、前記遅延時間設定電圧に応じて前記比較回路の出力信号のパルス幅を可変とするパルス信号を出力する複数のパルス生成部と、を更に備え、前記比較回路から出力する信号を非反転信号と反転信号とに分離し、該分離した前記非反転信号と反転信号とを前記複数のパルス生成部にそれぞれ入力し、それぞれのパルス生成部から出力される信号を前記スイッチング駆動部にそれぞれ入力して差動信号とし、該差動信号を前記変換回路にそれぞれ入力した時の前記正弦波出力の差動信号のDC電位が略等しくなるように構成し、且つ前記遅延時間設定電圧を前記AC高圧電源装置の動作開始時および動作終了時に漸次変化させることによって、前記パルス信号の時間幅が漸次変化するように構成したことを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2記載のAC高圧電源装置を備えたことを特徴とする。
請求項4は、請求項1又は2記載のAC高圧電源装置を備えたことを特徴とする。
請求項5は、請求項3記載の帯電装置及び/又は請求項4記載の現像装置を備えたことを特徴とする。
請求項6は、複数の像担持体を備える画像形成装置において、帯電用電源として請求項3記載の帯電装置を複数備え、現像用電源として請求項4記載の現像装置を複数備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、スイッチング増幅回路を差動出力とし、その差動出力をトランスの両端に入力することで、トランスの両端に入力される電圧の間のDC的な電位差をなくし、動作開始時にトランスへの突入電流を抑制することで出力電圧に予期しない誤出力が発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るAC高圧電源装置の全体構成図である。
【図2】図1の場合のLPFとACトランスの具体的構成について示す図である。
【図3】図2の構成を簡略化した図である。
【図4】図2の構成の場合のSLP解除時の信号波形を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るAC高圧電源装置の全体構成図である。
【図6】図5におけるパルス生成部29の構成例を示す図である。
【図7】各ノードのタイミングチャートを示す図である。
【図8】図5における遅延時間設定部の構成例を示す図である。
【図9】図5の構成の場合のSLP解除時の信号波形を示す図である。
【図10】DCバイアス回路の構成例を示す図である。
【図11】三角波信号生成回路の構成を示す図である。
【図12】差分積分器の構成を示す図である。
【図13】帰還回路の構成例を示す図である。
【図14】AC信号生成部の構成例を示す図である。
【図15】本発明に係る帯電装置の構成の一例を示す図である。
【図16】帯電ローラの外観を示す図である。
【図17】本発明に係るAC高圧電源装置を画像形成装置に適用した図である。
【図18】複数の感光体ドラムを備えるカラー画像形成装置の構成を示す図である。
【図19】従来のAC高圧電源装置においてスイッチング方式にした場合の全体構成図である。
【図20】図19のAC高圧電源装置におけるLPFやACトランスについて具体的に例示した図である。
【図21】スイッチング駆動部の出力ドライバを示す図である。
【図22】具体的な信号波形を示す図である。
【図23】スリープが解除され動作開始をしたときの信号波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0012】
図1は本発明の第1の実施形態に係るAC高圧電源装置の全体構成図である。同じ構成要素には図19と同じ参照番号を付して説明する。
AC高圧電源装置50の出力振幅を設定する設定電圧10と該出力振幅の振幅値を表す帰還電圧11とを比較して、該電圧の差分を積分値として出力する差分積分器1と、AC高圧電源装置50の出力周波数を設定するAC_CLK(周波数設定信号)13および積分値12が入力され、AC_CLK13に応じた周波数で、且つ積分値12に応じた振幅の小振幅AC信号14を生成するAC信号生成部2と、三角波形状の信号を生成する三角波信号生成回路3と、小振幅AC信号14と三角波15を比較し、この比較結果を出力する比較器(比較回路)4と、比較器4の出力信号PWM16及びPWMB23に基づいてスイッチング動作を行うスイッチング駆動部5、24と、スイッチング駆動部5、24の出力信号をそれぞれ波形整形しAC信号18とAC信号B27(正弦波出力)に変換するLPF(変換回路)6、26と、AC信号18とAC信号B27の電圧を昇圧するACトランス28と、ACトランス28の出力信号に基づいて振幅レベルとして帰還AC電圧22を出力する帰還回路9と、DC電圧を生成するDCバイアス回路8と、を備えて構成され、比較器4から出力する信号を非反転信号(PWN16)と反転信号(PWMB23)とに分離し、分離したPWN16とPWMB23とをスイッチング駆動部5、24にそれぞれ入力して差動信号PWMO17、PWMOB25とし、この差動信号をLPF6、26にそれぞれ入力した時のAC信号18とAC信号B27の差動信号のDC電位が略等しくなるように構成した。
【0013】
即ち、本実施形態のAC高圧電源装置50は、差分積分器1、AC信号生成部2、三角波信号生成回路3、比較器4、スイッチング駆動部5、LPF(変換回路)6、ACトランス7、DCバイアス回路8、帰還回路9から構成されている。差分積分器1には設定電圧10と帰還電圧11が入力され、その差分を積分し、積分値12として出力する。AC信号生成部2には積分値12と周波数設定クロックAC_CLK13が入力されて、積分値12に従って振幅を制御され、周波数設定クロックに従って周波数を制御された正弦波であるAC信号14が生成される。
【0014】
三角波信号生成回路3は三角波15を生成する。AC信号生成部2で生成されたAC信号(正弦波)14と三角波信号生成回路3により生成された三角波15が比較器4に入力されて、比較器4によってPWM信号16が生成される。比較器4は一般的な差動コンパレータ等で構成する。スイッチング駆動部5にはPWM16が入力され、PWMO17を出力する。スイッチング駆動部5は通常パワーMOSFETなどパワーロスの少ないトランジスタを有している。PWMO17はローパスフィルタLPF6によってAC信号18に変換される。ACトランス7ではAC信号18の振幅が数kVまで増幅されDCバイアス回路8で生成されたDC電圧19(−数百V〜−数kV)と重畳され、高圧AC出力20として帯電ローラ21へ供給される。また、ACトランス7からはフィードバック信号として帰還AC信号22が出力される。帰還AC信号22は帰還回路9に入力され、帰還電圧11に変換される。
図1は図19と比較し、スイッチング駆動部5、24とLPF6、26がそれぞれ差動構成となっている。PWM16に対するPWMB23、PWMO17に対するPWMOB25、AC信号18に対するAC信号B27はそれぞれ反転信号である。
【0015】
図2は図1の場合のLPFとACトランスの具体的構成について示す図である。図2においてACトランス28の端子1にはLPF6の出力であるAC信号18が入力され、ACトランス28の端子2にはLPF26の出力であるAC信号B27が入力される。ACトランス28の端子1−2間にはAC信号18とAC信号B27の差電圧が印加される。
【0016】
図3は図2の構成を簡略化した図である。即ち、LPF6及びLPF26の出力側とグランド間に夫々接続されているコンデンサを、各LPF間を1つのコンデンサで接続する構成により、コンデンサの数を減少させることができる。
【0017】
図4は図2の構成の場合のSLP解除時の信号波形を示す図である(PWMOおよびPWMOBはスリープ時GND電位としている)。SLPが解除されるとPWMOとPWMOBは50%dutyのPWMを出力する。PWMOBはPWMOの反転となっている。この場合、ACトランスの端子1−2間に印加される電圧(AC信号−AC信号B)は図のようにほとんど変化しない。ステップ入力がなくなるため、誤出力が大幅に抑制される。図1の構成にした場合、差動信号であるAC信号18とAC信号B27のDCレベルが理想的に等しければ図4のようにACトランスに印加される電圧は0となるが、現実には多少の電位差は存在する。その場合、その電位差がACトランスに入力され図19の場合より小さいが誤出力の原因となる。
【0018】
図5は本発明の第2の実施形態に係るAC高圧電源装置の全体構成図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付し、説明を省略する。
本実施形態では、遅延時間を設定するための遅延時間設定電圧を生成する遅延時間設定部31と、遅延時間設定電圧に応じて比較器4の出力信号のパルス幅を可変とするパルス信号を出力する複数のパルス生成部29、30と、を更に備え、比較器4から出力する信号をPWM16(非反転信号)とPWMB23(反転信号)とに分離し、分離したPWM16とPWMB23とを複数のパルス生成部29、30にそれぞれ入力し、それぞれのパルス生成部29、30から出力される信号PWM_D32、PWMB_D33をスイッチング駆動部5、24にそれぞれ入力して差動信号PWMO17、PWMOB25とし、この差動信号をLPF6、26にそれぞれ入力した時のAC信号18、AC信号B27のDC電位が略等しくなるように構成し、且つ遅延時間設定電圧VdをAC高圧電源装置51の動作開始時および動作終了時に漸次変化させることによって、パルス信号の時間幅が漸次変化するように構成した。
即ち、図5は図1と比較し、遅延時間設定部31と、パルス生成部29、パルス生成部30が追加された構成である。遅延時間設定部31は遅延時間設定電圧Vdを出力する。また、パルス生成部29はPWMとVdが入力され、Vdに従ってパルス幅が変化されたPWM_D32を出力する。パルス生成部30はPWMB23とVdが入力され、Vdに従ってパルス幅が変化されたPWMB_D33を出力する。
【0019】
図6は図5におけるパルス生成部29の構成例を示す図である。図6において、RSTB1の立下りはVdの電位と容量Cによって決まり、Vdの電位が高いほど速くなり、Vdの電位が低いほど遅くなる。
【0020】
図7は各ノードのタイミングチャートを示す図である。Vdが徐々に低くなるとRSTBの遅延時間が大きくなり、それに従ってPWM_D32のパルス幅は大きくなっていくことが分かる。このように電圧Vdに従ってパルス幅を徐々に変化させることが可能である。パルス生成部30も図6と同様の構成で実現できる。
【0021】
図8は図5における遅延時間設定部の構成例を示す図である。図8の遅延時間設定部31はインバータと抵抗と容量で構成されている。スリープ信号SLPBがL⇒Hになり、スリープが解除されると遅延時間設定電圧VdはH⇒Lへ徐々に変化する。変化するスピードは抵抗と容量の値で設定することが出来る。図6のパルス生成部と図8の遅延時間設定部31により、スリープ解除後、徐々に幅が拡がるパルス幅を生成することが可能である。
【0022】
図9は本発明の第2の実施形態に係るSLP解除時の信号波形を示す図である。SLPが解除されるとPWMO17とPWMOB25は徐々にパルス幅が拡がっていく。差動信号であるAC信号18とAC信号B27のDCレベルに電位差がある場合、ACトランス28の端子1−2間に印加される電圧(AC信号−AC信号B)は図のように変化がなだらかになり、高圧AC出力20側に発生する誤出力は抑制される。以上のように、回路ばらつき等による差動電圧の電位差が存在する場合においても、動作開始時と動作終了時の誤出力を抑制することが可能となる。
【0023】
図10はDCバイアス回路の構成例を示す図である。DCバイアス回路8はACトランス28で昇圧された電圧に重畳されるDC電圧を発生する。DCバイアス回路8は、複数の抵抗、複数のコンデンサ、トランジスタ、ダイオード、トランスを有している。公知技術のため詳しい動作説明は省略するが、DC電圧として−数百V〜−数kVを発生する。
【0024】
図11は三角波信号生成回路の構成を示す図である。図11において、三角波信号生成回路3は電流源I1とシュミットトリガ回路3a、トランジスタ3bと容量C1により構成される。シュミットトリガ回路3aは入力電圧の遷移方向により閾値電圧が変わる回路であり、閾値を例えばref±Vthとする。例えば、TRIOUTがref+Vthを越えた場合、シュミットトリガ回路3aの出力が反転し、トランジスタ3bがオンする。トランジスタ3bによりC1に蓄えられた電荷が放電し、TRIOUTは引き下げられる。ここで今度はTRIOUTの電位がref−Vthより低くなると、シュミットトリガ回路3aの出力が反転し、トランジスタ3bがオフする。トランジスタ3bがオフしている間は電流源I1により、容量C1へ充電される。このようにしてTRIOUTにはのこぎり型の三角波が生成される。
【0025】
図12は差分積分器の構成を示す図である。図12においてオペアンプ1aには帰還がかけられており、ノードn1はバーチャルショートにより帰還電圧11となる。設定電圧10と帰還電圧11との差電圧を抵抗Rで割った電流が、容量C2へ蓄えられることになり、積分値が生成される。
【0026】
図13は帰還回路の構成例を示す図である。図13において帰還回路9はダイオード9aと容量9bと抵抗9cで構成されており、帰還AC信号を半波整流しフィルタしてDC的な電圧として帰還電圧11を出力する。要するにAC波形の振幅をDC電圧に変換する回路である。
【0027】
図14はAC信号生成部の構成例を示す図である。図14においてAC信号生成部2は振幅制御クロック生成部2aとローパスフィルタ2bから構成される。振幅制御クロック生成部2aは積分値12とAC_CLK13が入力され積分値に従って振幅が制御された振幅制御クロックを出力する。ローパスフィルタ2bは振幅制御クロックが入力され高調波成分を落として正弦波としたAC信号14を出力する。振幅制御クロック生成部2aは例えば電圧電流変換回路と抵抗とスイッチで構成することが出来る。またローパスフィルタ2bは単純なRCフィルタで構成することができる。
本発明によれば、スイッチング増幅回路を差動出力とし、その差動出力をトランスの両端に入力することで、トランスの両端に入力される電圧の間のDC的な電位差をなくし、動作開始時にトランスへの突入電流を抑制することで出力電圧に予期しない誤出力が発生するのを抑制することができる。
【0028】
図15は本発明に係る帯電装置の構成の一例を示す図である。帯電装置200は、AC高圧電源装置50及び帯電ローラ21を有している。尚、本実施形態では、いわゆる近接帯電法によって感光体ドラム210が帯電されるものとするが、これに限られるものではない。
【0029】
図16は帯電ローラの外観を示す図である。棒状の芯金202と、芯金202をくるむように設けられ中抵抗に抵抗が設定されている円柱状の弾性層203と、弾性層203の外周を被覆し、耐摩耗性を向上させ、かつ異物付着性を低減させる被覆層204とを有している。そして、感光体ドラム210における像が形成されない部分が帯電されないようにスペーサ205が設けられている。尚、スペーサ205は、帯電ローラ21ではなく、感光体ドラム210に設けても良い。また、帯電ローラ21と感光体ドラム210との間に、例えばベルトのようなシート状の部材をスペーサとして配置しても良い。
このようにAC高圧電源装置1を、帯電装置200に適用することにより、動作開始時の誤出力を抑制した省電力な帯電装置を実現することができる。また、本発明に係るAC高圧電源装置を、現像装置に適用することも可能である。基本的に帯電装置と同様でAC高圧電源装置が生成するAC高圧電源を現像ローラに印加することで実現することができる。
【0030】
図17は本発明に係るAC高圧電源装置を画像形成装置に適用した図である。画像形成装置300は、感光体ドラム301の周囲に、感光体を高圧に帯電するAC帯電装置(帯電装置200)、DC帯電装置302、画像データを露光する光走査装置303、光走査装置303により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像装置304、感光体ドラム301に付着したトナーを紙に転写する転写装置305、感光体ドラム301に残ったトナーを掻き取り備蓄するクリーニング装置306等を備えるものである。尚、各部の構成及び動作については公知であるので、説明を省略する。また、図17に示す画像形成装置は、カラー画像形成装置を含むのは勿論である。このようにAC高圧電源装置を有する帯電装置200および現像装置を画像形成装置300に適用することにより、動作開始時の誤出力を抑制した省電力な画像形成装置を実現することができる。
【0031】
図18は複数の感光体ドラムを備えるカラー画像形成装置の構成を示す図である。このカラー画像形成装置2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラー画像形成装置であり、ブラック用の「感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6」と、シアン用の「感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6」と、マゼンタ用の「感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6」と、イエロー用の「感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6」と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
各感光体ドラムは、図18中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転順に帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットがそれぞれ配置されている。各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。この帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光が照射され、各感光体ドラムに潜像が形成されるようになっている。そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
帯電装置K2、C2、M2、Y2として本発明の帯電装置を使用し、現像装置K4、C4、M4、Y4として本発明の現像装置を使用することで、動作開始時の誤出力を抑制した省電力なカラー画像形成装置を実現することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 差分積分器、2 AC信号生成部、3 三角波信号生成回路、4 比較器、5 スイッチング駆動部、6 LPF、7 ACトランス、8 DCバイアス回路、9 帰還回路、10 設定電圧、11 帰還電圧、12 積分値、13 AC_CLK、14 AC信号、15 三角波、16 PWM、17 PWMO、18 AC信号、19 DC電圧、20 高圧AC出力、21 帯電ローラ、22 帰還AC信号、23 PWMB、24 スイッチング駆動部、25 PWMOB、26 LPF、27 AC信号B、28 ACトランス、29、30 パルス生成部、31 遅延時間設定部、32 PWM_D、33 PWMB_D、50、51 AC高圧電源装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特開2009−122564公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC高圧電源装置の出力振幅を設定する設定電圧と該出力振幅の振幅値を表す帰還電圧とを比較して、該電圧の差分を積分値として出力する差分積分器と、
前記AC高圧電源装置の出力周波数を設定する周波数設定信号および前記積分値が入力され、前記周波数設定信号に応じた周波数で、且つ前記積分値に応じた振幅の小振幅AC信号を生成するAC信号生成部と、
三角波形状の信号を生成する三角波信号生成回路と、
前記小振幅AC信号と前記三角波形状の信号を比較し、該比較結果を出力する比較回路と、
前記比較回路の出力信号に基づいてスイッチング動作を行うスイッチング駆動部と、
前記スイッチング駆動部の出力信号を波形整形し正弦波出力に変換する変換回路と、
前記正弦波出力の電圧を昇圧するトランスと、
前記トランスの出力信号に基づいて振幅レベルとして前記帰還電圧を出力する帰還回路と、
DC電圧を生成するDCバイアス回路と、を備えるAC高圧電源装置において、
他のスイッチング駆動部と他の変換回路とを更に備え、
前記比較回路から出力する信号を非反転信号と反転信号とに分離し、該分離した前記非反転信号と反転信号とを、前記スイッチング駆動部及び前記他のスイッチング駆動部にそれぞれ入力して差動信号とし、該差動信号を前記変換回路及び前記他の前記変換回路にそれぞれ入力した時の前記正弦波出力の差動信号のDC電位が略等しくなるように構成したことを特徴とするAC高圧電源装置。
【請求項2】
遅延時間を設定するための遅延時間設定電圧を生成する遅延時間設定部と、
前記遅延時間設定電圧に応じて前記比較回路の出力信号のパルス幅を可変とするパルス信号を出力する複数のパルス生成部と、を更に備え、
前記比較回路から出力する信号を非反転信号と反転信号とに分離し、該分離した前記非反転信号と反転信号とを前記複数のパルス生成部にそれぞれ入力し、それぞれのパルス生成部から出力される信号を前記スイッチング駆動部にそれぞれ入力して差動信号とし、該差動信号を前記変換回路にそれぞれ入力した時の前記正弦波出力の差動信号のDC電位が略等しくなるように構成し、且つ前記遅延時間設定電圧を前記AC高圧電源装置の動作開始時および動作終了時に漸次変化させることによって、前記パルス信号の時間幅が漸次変化するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のAC高圧電源装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のAC高圧電源装置を備えたことを特徴とする帯電装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載のAC高圧電源装置を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項3記載の帯電装置及び/又は請求項4記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
複数の像担持体を備える画像形成装置において、帯電用電源として請求項3記載の帯電装置を複数備え、現像用電源として請求項4記載の現像装置を複数備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
AC高圧電源装置の出力振幅を設定する設定電圧と該出力振幅の振幅値を表す帰還電圧とを比較して、該電圧の差分を積分値として出力する差分積分器と、
前記AC高圧電源装置の出力周波数を設定する周波数設定信号および前記積分値が入力され、前記周波数設定信号に応じた周波数で、且つ前記積分値に応じた振幅の小振幅AC信号を生成するAC信号生成部と、
三角波形状の信号を生成する三角波信号生成回路と、
前記小振幅AC信号と前記三角波形状の信号を比較し、該比較結果を出力する比較回路と、
前記比較回路の出力信号に基づいてスイッチング動作を行うスイッチング駆動部と、
前記スイッチング駆動部の出力信号を波形整形し正弦波出力に変換する変換回路と、
前記正弦波出力の電圧を昇圧するトランスと、
前記トランスの出力信号に基づいて振幅レベルとして前記帰還電圧を出力する帰還回路と、
DC電圧を生成するDCバイアス回路と、を備えるAC高圧電源装置において、
他のスイッチング駆動部と他の変換回路とを更に備え、
前記比較回路から出力する信号を非反転信号と反転信号とに分離し、該分離した前記非反転信号と反転信号とを、前記スイッチング駆動部及び前記他のスイッチング駆動部にそれぞれ入力して差動信号とし、該差動信号を前記変換回路及び前記他の前記変換回路にそれぞれ入力した時の前記正弦波出力の差動信号のDC電位が略等しくなるように構成したことを特徴とするAC高圧電源装置。
【請求項2】
遅延時間を設定するための遅延時間設定電圧を生成する遅延時間設定部と、
前記遅延時間設定電圧に応じて前記比較回路の出力信号のパルス幅を可変とするパルス信号を出力する複数のパルス生成部と、を更に備え、
前記比較回路から出力する信号を非反転信号と反転信号とに分離し、該分離した前記非反転信号と反転信号とを前記複数のパルス生成部にそれぞれ入力し、それぞれのパルス生成部から出力される信号を前記スイッチング駆動部にそれぞれ入力して差動信号とし、該差動信号を前記変換回路にそれぞれ入力した時の前記正弦波出力の差動信号のDC電位が略等しくなるように構成し、且つ前記遅延時間設定電圧を前記AC高圧電源装置の動作開始時および動作終了時に漸次変化させることによって、前記パルス信号の時間幅が漸次変化するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のAC高圧電源装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のAC高圧電源装置を備えたことを特徴とする帯電装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載のAC高圧電源装置を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項3記載の帯電装置及び/又は請求項4記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
複数の像担持体を備える画像形成装置において、帯電用電源として請求項3記載の帯電装置を複数備え、現像用電源として請求項4記載の現像装置を複数備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−53347(P2012−53347A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196831(P2010−196831)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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